JP4253746B2 - 廃プラスチックの脱塩素処理方法、該処理装置および該処理設備 - Google Patents

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Description

本発明は、廃プラスチックの脱塩素処理方法、該処理装置および該処理設備に関するものであり、特に、塩素含有樹脂を含む廃プラスチック中の塩素をマイクロ波で除去処理する方法、および該方法を実現するための処理装置および処理設備に関するものである。
近年、各種産業分野において発生する廃プラスチックのリサイクル技術が注目を浴びており、各種産業分野で利用・廃棄されたプラスチックを埋立て処理するのではなく、燃料として再利用するなど、その利用価値が見直されている。
例えばポリ塩化ビニル樹脂(以下、PVCと略称することがある)は、日用品や玩具、建設材料など多様な製品、工業材料として使用されているが、ポリ塩化ビニルの如く塩素を含む樹脂(塩素含有樹脂)は、燃焼により塩素やダイオキシンが発生するため、有毒ガスが発生するという問題の他、高炉の還元剤として用いると、発生する塩化水素により高炉が損傷したり、燃料として再利用する場合にはボイラーが損傷する恐れがあるとの問題を抱えている。
よってこの様な悪影響を防ぐべく、事前に廃プラスチックを、塩素含有樹脂とポリエチレン、ポリプロピレンの様な塩素を含まない樹脂(塩素非含有樹脂)に分別して塩素含有樹脂を除去したり、塩素含有樹脂の塩素を除去する(以下「脱塩素」ということがある)といった前処理が必要となる。
塩素含有樹脂と塩素非含有樹脂の分別方法としては、赤外線を用いる方法、遠心分離法、浮選法などがあるが、乾式で選別する方法は分別精度が低く、また湿式で選別する方法は排水処理が必要となるため、処理コストが高くなるという欠点があった。
一方、塩素含有樹脂を分別することなく処理する方法として、ロータリーキルンや二軸押出機を用いて廃プラスチック(塩素含有樹脂と塩素非含有樹脂の両方を含む)を加熱することによって、塩素含有樹脂の脱塩素処理をする方法が提案されているが、塩素非含有樹脂も加熱しなければならないため、エネルギー効率が悪く、脱塩素処理コストが高くなるという欠点があった。
この様な問題に鑑み、近年、効率的な脱塩素処理方法が提案されており、例えばマイクロ波を利用した技術が提案されている(例えば特許文献1、特許文献2および特許文献3)。
特開平9−71683号公報 特開平10−185140号公報 特開平11−323005号公報
上記マイクロ波を利用する方法では、誘電損失係数の大きいポリ塩化ビニルを選択的に加熱できるため、塩素非含有樹脂を取除く分別処理が不要であるばかりか、ロータリーキルンの様に廃プラスチック全体を加熱する必要もないので、ランニングコストに優れた脱塩素処理が可能になる点で評価される。
そこで、本発明もマイクロ波を利用して脱塩素処理することを前提として、該脱塩素処理効率をより一層向上させた脱塩素処理方法、及び該処理に用いる装置や設備を提供することを目的とする。
本発明に係る廃プラスチックの脱塩素処理方法とは、塩素含有樹脂を含む廃プラスチックにマイクロ波を照射して該廃プラスチックから塩素を除去する処理(脱塩素処理)において、該マイクロ波の電界強度を20〜200kV/mとするところに特徴を有する。この様な電界強度は、シングルモード型アプリケータを用いて前記脱塩素処理を行うことによって最も簡単かつ確実に実現することができる。また該脱塩素処理は減圧下で行うことが好ましい。
上記方法の一態様として、鉛直方向に配置した筒状のアプリケータ(シングルモード型、マルチモード型等を問わないが、シングルモード型が好ましい)の上端から前記廃プラスチックを投入し、該廃プラスチックを自由落下させながらマイクロ波を照射して脱塩素処理を行うことが挙げられる。マイクロ波を廃プラスチックに充分照射して確実に脱塩素処理を行うべく、アプリケータ内部における廃プラスチックの滞留時間を確保するには、前記アプリケータの下端からガスを流入させ、該アプリケータ内に上向きのガス流れを形成して、廃プラスチックの落下速度を調節することが推奨される。
上記方法の別の態様として、鉛直方向に配置した筒状のアプリケータ(シングルモード型、マルチモード型等を問わないが、シングルモード型が好ましい)に前記廃プラスチックを充填させ、該アプリケータの下端に設けたバルブで該廃プラスチックの排出速度を調整しながら該廃プラスチックを下方に移動させつつマイクロ波を照射して脱塩素処理を行う方法が挙げられる。
前記アプリケータの内部に、誘電損失係数が3×10-3以下である材料からなる筒状構造体を配置し、該筒状構造体内に前記廃プラスチックを通過させて脱塩素処理を行えば、より効率良く脱塩素処理を行えるので好ましく、該筒状構造体としては石英ガラス又はマイカよりなるものが挙げられる。
本発明はこの様な方法を実現するための装置も規定するものである。本発明の廃プラスチックの脱塩素処理装置は、塩素含有樹脂を含む廃プラスチックにマイクロ波を照射して該廃プラスチック中の塩素を除去するための装置であって、
筒状のアプリケータ、
該アプリケータ内にマイクロ波を発生させるためのマイクロ波発生手段、
該アプリケータの一端に設けられた廃プラスチック投入部、および
該アプリケータの他方の端に設けられた廃プラスチック排出部
を少なくとも備えているところに特徴を有する。
本発明は、塩素含有樹脂を含む廃プラスチックにマイクロ波を照射して、塩素含有樹脂から塩素を除去する脱塩素処理方法において、前記廃プラスチックを予備加熱処理してから前記脱塩素処理を行なうことに要旨を有する脱塩素処理方法も規定する。
前記予備加熱処理によって廃プラスチックを50℃以上、150℃未満にしてから脱塩素処理することが望ましい。
本発明では、前記塩素含有樹脂としてポリ塩化ビニル樹脂が好適な被処理物である。
前記予備加熱処理は、前記マイクロ波の照射によって生じる反射波を利用して行なうことも可能であり、この場合、予熱に必要となる新たなエネルギー源が不要となる点で望ましい。
尚、この様な予備加熱処理を、前記マイクロ波の電界強度を制御する方法において行うことも推奨される。この場合も、予備加熱処理によって廃プラスチックを50℃以上、150℃未満にしてから脱塩素処理することが望ましく、該予備加熱処理は、前記マイクロ波の照射によって生じる反射波を利用して行なうことが可能である。
また本発明は、
廃プラスチックの加熱を行なう予備加熱処理部、
該予備加熱処理部から搬出された廃プラスチックにマイクロ波を照射して脱塩素を行なう脱塩素処理部、
該廃プラスチックにマイクロ波を照射するマイクロ波照射装置、
該脱塩素によって発生した塩化水素ガスを排出するための排ガス管
を有することに要旨を有する廃プラスチック処理設備も規定する。
前記廃プラスチック処理設備に不活性ガスを供給するための不活性ガス供給装置を備えていることが推奨される。
また前記マイクロ波照射装置には、照射したマイクロ波の反射波を分離する手段が設けられていると共に、該分離手段には導波管が接続され、該管を通して反射波を前記予備加熱処理部へ供給する構成を備えていることも可能である。
本発明法の様にマイクロ波の電界強度を制御すれば、廃プラスチック中の塩素含有樹脂(特に、ポリ塩化ビニル樹脂)の脱塩素を、従来法よりも著しく効率的に行うことができ、廃プラスチックの脱塩素処理コストを大幅に低減することができる。更に、脱塩素処理に先立って廃プラスチックを予備加熱処理すれば、短時間で高い塩素排除率を達成でき、脱塩素処理に必要となるランニングコストを大幅に削減可能である。
本発明において廃プラスチックとは、生産・加工ロスや使用済みのプラスチックをいい、後記する塩素含有プラスチックや塩素非含有プラスチックが含まれる。本発明は塩素含有プラスチックのみ、或いは塩素含有プラスチックと塩素非含有プラスチックの両方が含まれていても好適に処理できる。塩素含有プラスチックとしてはパイプ、継手、電線被覆材、軟質レザー、シート、フィルム、包装容器、ボトルなどに使われるポリ塩化ビニルが代表的な処理対象である。尚、実際は複数の樹脂が使用されたプラスチック製品も存在するため、塩素含有プラスチックには、塩素含有樹脂のみで構成されているプラスチックに限らず、塩素含有樹脂と塩素を含まない樹脂(塩素非含有樹脂)を組み合わせたプラスチック等、一部に塩素含有樹脂を含むプラスチックも含む意味である。
廃プラスチックの形状は様々であるが、本発明で処理対象となる廃プラスチックのサイズ、形状については特に限定されない。したがって処理可能なサイズ・形状であればよく、例えば廃プラスチックを任意のサイズにシュレッダー等で裁断したものや、ペレットなど塊成化したものであってもよく、処理設備に応じて決定すればよい。
脱塩素処理によって、塩素含有プラスチックから塩素を除去するが、市場に出回っている塩素含有樹脂としてはポリ塩化ビニルが圧倒的に多いことから、本発明では塩素含有樹脂としてポリ塩化ビニルを代表例として説明する。
本発明において塩素非含有プラスチックとは、ポリプロポレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミドなどの塩素非含有樹脂で構成されたものをいい、これらの一部に塩素含有樹脂が含まれる場合は上記の通り、塩素含有プラスチックとする。
マイクロ波を照射して脱塩素処理を行なう場合、塩素含有プラスチックと非塩素含有プラスチックが同時に存在していても、塩素含有樹脂を選択的に加熱して脱塩素できる。したがってマイクロ波を利用する場合、脱塩素処理に先立って塩素含有プラスチックと塩素非含有プラスチックを選別する必要はないが、予め選別して塩素含有プラスチックのみを脱塩素処理してもよい。
本発明者らは、上記廃プラスチック中の塩素を従来法よりも更に効率よく除去する方法を確立すべく、従来法の次の様な問題点に着目した。
即ち、上記従来技術で提案されている装置(例えば特許文献1では電子レンジが使用されている)ではマルチモードのマイクロ波加熱装置が使用されていると思われるが、該マルチモードでは形成される電界強度が低く、例えば代表的なマルチモードアプリケータである電子レンジは、電界強度が一般に約1kV/m以下であると推定される。
また塩素含有樹脂のみを誘電加熱したとしても、該塩素含有樹脂以外の樹脂への伝熱や、雰囲気ガスによる対流、被処理物からの輻射等の影響を考慮すると、上記従来法では塩素含有樹脂が効率的に加熱されているとはいい難く、結果として、マイクロ波による誘電加熱の上記利点が充分に発揮されていない。
そこで本発明者らは、この様な点に鑑みて、廃プラスチック中の塩素を更に効率よく除去する方法について検討を行ったところ、特に照射するマイクロ波の電界強度を制御すればよいことを見出し本発明に想到した。即ち、廃プラスチックをマイクロ波で誘電加熱して該廃プラスチックの脱塩素を行う処理方法において、マイクロ波の電界強度を20〜200kV/mとすればよいことがわかった。
マイクロ波による誘電加熱における加熱効率は、理論上は電界強度の2乗に比例して高まるが、実際の処理では処理物から雰囲気ガスや周囲への熱伝達により加熱効率が低下する。発明者らの実験によれば、ポリ塩化ビニル樹脂を加熱して脱塩素処理するには、少なくとも20kV/m、望ましくは40kV/m以上の電界強度が必要であることがわかった。またマイクロ波によるポリ塩化ビニル樹脂の脱塩素効率は、電界強度の2乗ではなく、より高次の6乗に比例し、電界強度が1/2になると脱塩素効率は(1/2)6、つまり1/64にまで大幅に低下することも実験で確認した。
一方、電界強度が強すぎると、誘電体表面で放電現象が起こり誘電加熱そのものが困難になる。よって電界強度は200kV/m以下に抑える必要がある。実用的な経済性を考慮すると100kV/m以下とすることが好ましい。
該脱塩素処理は、窒素ガスやAr等の希ガス等の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましく、例えば後述する図1や図2の様な装置を減圧された気密性容器内に設置し、不活性ガスをアプリケータの上部から供給して下部から被処理物と共に排出する構成を採用することができる。
マイクロ波による誘電加熱は、処理対象である塩化ビニル樹脂を直接かつ急速に加熱することができるが、加熱された塩化ビニル樹脂の熱エネルギーが、雰囲気ガスへ対流熱伝達により損失してエネルギーロスが生じる。また、脱離した塩素が塩化水素として処理後の廃プラスチックに残存して、塩素除去率が低下する場合がある。
この様な問題を防ぐには、処理雰囲気を減圧にすることが有効であり、真空度を高めるほど効果的であるが、現実的には約1〜10Torrまで減圧すればよい。
また上述の通り、シングルモードのアプリケータ内部では電界強度の強い部分と弱い部分が存在するため、電界強度の強弱による加熱ムラが生じ易い。そこで、被処理物全体を高強度の電界に曝して充分に加熱し効率よく処理するには、アプリケータ内部で被処理物を移動させながら処理することが有効である。
その具体的方法までは限定せず、例えば、コンベアに被処理物を載せて、アプリケータ内を搬送させる方法もあるが、筒状のアプリケータを鉛直方向に設置し、該アプリケータの上端から下端に向けて被処理物を自由落下させれば、重力を利用して被処理物を搬送でき、処理物の搬送のためのエネルギーが必要ないので好ましい。またこの様な方法であれば、処理対象である塩素含有樹脂と他のプラスチックとの接触面積や接触時間を小さくできるため、加熱された塩化ビニル樹脂から他の樹脂への熱伝達によるエネルギーロスを最低限に抑えることができ、エネルギーコストを低減できる。
より具体的には、鉛直に配置した円筒形もしくは矩形のアプリケータの上端から塩素含有プラスチックを投入し、被処理物を自由落下させながら、アプリケータの下端から被処理物を回収する方法が挙げられる。
上記の通り被処理物を自由落下させる間に、マイクロ波を充分に照射させて確実に脱塩素を図るべく、被処理物の移動距離の長いアプリケータを使用してもよいが、該移動距離の短いアプリケータを使用する場合であっても、アプリケータの下端から上端に向けてガスを流しながら処理を行うことで、被処理物の落下速度を小さくしてアプリケータ内での滞留時間を長くすることができ、塩素除去率を更に向上させることが可能である。
図1はこの様な方法を実現するための装置の一例を示している。図1では、円筒形のアプリケータ51の上部に、被処理物をストックするための原料ホッパ52を設けており、シャッター弁53の開閉により原料ホッパ52から被処理物を断続的にアプリケータ51内に落下させる際に、アプリケータの下端からガス(例えば窒素ガス)54を流入させ、アプリケータ51内部に上向きのガス流れを形成すればよい。この様に被処理物の落下速度を調節しながら、マイクロ波を図1の位置59から照射して脱塩素処理を行い、該脱塩素処理の終了後に排出口55から処理後の廃プラスチックを回収すればよい。尚、図1ではシャッター弁53を用いた装置を例示しているが、該シャッター弁に限らずロータリー弁(図示せず)等を使用することも可能である。
アプリケータ内部のガスの流速は、最適な処理時間となるよう被処理物の形状や比重を考慮して適宜決定すればよい。該ガスとしては、希ガスや窒素ガスといった不活性ガスを好適に利用できる。
アプリケータ内を落下させる被処理物を事前に予備加熱して、塩化ビニル樹脂のマイクロ波吸収性能に係わる塩化ビニル樹脂の誘電損失係数を大きくすれば、誘電加熱をより効果的に行うことが出来るので好ましい。予備加熱では、廃プラスチックを50℃以上150℃未満にまで加熱することが望ましい。また該予備加熱には、工場等で生じる廃熱などを利用する他、後述するマイクロ波の照射によって生じる反射波を利用することもできる。
また被処理物がガスのノズルまで落下しないように、図1に示す通り円筒形アプリケータ内にメッシュ56を設けてもよいが、該メッシュ56の孔径等は、被処理物の大きさに合わせて適宜決定すればよい。
アプリケータ内で被処理物の処理時間をコントロールしながら脱塩素処理する別の方法として、鉛直方向に配置した筒状の前記アプリケータに前記廃プラスチックを充填し、該アプリケータの下端に設けたバルブで該廃プラスチックの排出速度を調整しながら該廃プラスチックを下方に移動させつつマイクロ波を照射して脱塩素処理を行う方法が挙げられる。
尚、上記排出速度はアプリケータ内部の電場の強さに依存し、電界強度を高くすれば排出速度を速く設定することが可能である。
更に効率よく塩素含有プラスチックを処理する方法としては、アプリケータ内に、マイクロ波領域での誘電吸収が小さい材料で作られた筒状構造体を挿入して電界強度の高い場所を設け、該筒状構造体内に塩素含有プラスチックを移動させて処理することが挙げられる。例えば前記図1および図2に示す様に、筒状構造体57を、円筒アプリケータ51内部の電界強度の弱い内壁近傍を避けて設置し、該筒状構造体57の内部、即ち確実に電界強度の高い円筒アプリケータ51の中央部分で処理を行うのがよい。
前記筒状構造体の材質は、誘電損失係数が3×10-3以下であるマイクロ波吸収の少ない材料が好適に使用され、例えば石英ガラスやマイカ(雲母)などを使用することができる。
図2に、上記方法(塩素含有プラスチックを充填させてマイクロ波を照射する方法)を実現するための装置例を示す。円筒形のアプリケータ51の上部に、被処理物をストックする原料ホッパ52を設け、アプリケータ51の内部に挿入した石英管57にスクリューバルブ58を用いて被処理物(廃プラスチック)を充填し、マイクロ波を図2の位置59から照射して、石英管57内部で被処理物(廃プラスチック)中の塩素含有樹脂(塩化ビニル樹脂)の脱塩素処理を行う。アプリケータ51の下端にはロータリー型の被処理物排出バルブ60が取り付けられており、石英管57内で処理された被処理物を連続的にアプリケータから外部に排出する構成となっている。前記被処理物導入バルブや排出バルブは、前記図2に示す様なスクリューバルブやロータリーバルブに限定されるものではなく、被処理物を円筒アプリケータに連続的に導入し又は排出できるバルブであれば良い。
前記図2に示す装置を用いて、フィルム状の塩化ビニル樹脂をマイクロ波加熱した時の脱塩素性能を、従来の装置を用いた場合と比較した。その結果を図3に示す。図3から明らかなように、本発明を実現するための装置(前記図2の装置)を用いた場合には塩素除去率が92%であり、処理後の樹脂は再利用可能な程度にまで塩素濃度を低減できている。これに対し、電界強度が20kV/mを下回る従来のマルチモード型アプリケータを用いた場合には、前記図2の装置を用いた場合と同じ出力および処理時間をかけて処理を行っても、塩素除去率は59%にとどまり、再利用できる程度にまで充分に塩素が除去されていない。
尚、上記塩素除去率は、樹脂の処理前後の塩素イオン濃度をイオンクロマト法で分析して算出したものである。
本発明は、マイクロ波を照射させて脱塩素処理を行うためのアプリケータまで限定しない。例えば電子レンジのように、アプリケータ内部での被処理物の加熱ムラをなくすため、スタラファンと呼ばれる回転翼を回転させて、マイクロ波を散乱させ、使用周波数を中心に多くの共振モードがあるマルチモードのアプリケータを使用することも可能であるが、上述の通り電界強度を強める観点からは、アプリケータ内にマイクロ波の定在波を発生させるシングルモードのアプリケータが最も簡単かつ確実である。シングルモードのアプリケータとしては、円筒形や矩形、あるいは箱型のアプリケータを利用でき、マイクロ波の周波数に合わせて規格サイズの矩形導波管を用いることもできる。
本発明者らは、脱塩素処理に先立って、廃プラスチックに予備加熱処理を施す方法によっても、廃プラスチック中の塩素を従来法より効率よく除去できることを見出した。
予め予備加熱処理を施しておくことによって、塩素含有プラスチックのマイクロ波吸収効率を高め、短時間の脱塩素処理で高い塩素除去率が達成でき、処理効率を向上させることができる。廃プラスチックの予備加熱温度は特に限定されないが、廃プラスチックが十分に予備加熱されていないと、予備加熱処理を行なわない場合との差異が顕著に表れない。したがって廃プラスチックの予備加熱温度は、好ましくは50℃以上、より好ましくは70℃以上、更に好ましくは80℃以上であることが望ましい。一方、予備加熱し過ぎると、脱塩素が生じてしまい、実質的に脱塩素処理を行なっていることになってしまう。したがって脱塩素が生じない温度であることが望ましく、好ましくは150℃未満、より好ましくは135℃以下、更に好ましくは120℃以下である。
廃プラスチックの予備加熱方法は特に限定されず、熱線などによる電熱、バーナー燃焼などによる輻射熱、或いはボイラー廃熱、燃焼廃熱などによる熱風加熱などが例示される。また予備加熱方法としては、マイクロ波を利用することも可能であり、特に脱塩素処理によって生じる反射波を利用すれば、マイクロ波の廃エネルギーの有効活用が可能となり、低コストで予備加熱処理できる。反射波を利用した場合、塩素含有樹脂のみが選択的に加熱され、周囲の樹脂の温度上昇を抑えることができる。勿論、予備加熱処理にマイクロ波を使用する場合、脱塩素処理用のマイクロ波照射装置とは別に新たにマイクロ波照射装置を設けてもよいが、脱塩素処理で照射したマイクロ波の反射波を予備加熱処理に利用することが望ましい。脱塩素処理で生じる反射波を利用することによって、加熱設備設置費用や加熱コストも低減できるからである。
即ち、脱塩素処理で照射したマイクロ波は全て塩素含有樹脂に吸収されるわけではなく、一部は吸収されずに反射波が生じる。通常は、反射波によるマイクロ波発振器の損傷を防止するために、アイソレーターなどの反射波分離手段を設けるなど、反射波は出来るだけ少ない方がよいとされてきた。しかし本発明では、この様な反射波を積極的に予備加熱処理用の熱源として利用することで、極めて低コストで予備加熱処理することが可能となる。しかも脱塩素処理に先立って予め予備加熱処理しておけば、予備加熱していない場合と比べて極めて短時間のマイクロ波照射で脱塩素開始温度に到達できるため、短時間で高い塩素排除率が達成可能となる。脱塩素処理で得られる反射波を予備加熱処理に利用する方法は特に限定されず、例えば脱塩素処理で生じた反射波を方向性結合器で導波管に誘導し、該導波管から送られてくる反射波を照射して予備加熱処理すればよい。
尚、予備加熱処理時の雰囲気は特に限定されないが、脱塩素処理同様、発火を防止する観点から酸素濃度を低減させることが好ましく、不活性雰囲気とすることが望ましい。
以下、本発明の処理方法に好適な処理設備について説明する。
上記予備加熱処理を施す本発明の方法を実施するにあたっては、廃プラスチックの加熱を行なう予備加熱処理部を有すると共に、該予備加熱処理部から搬出された廃プラスチックにマイクロ波を照射して脱塩素を行なう脱塩素処理部、該廃プラスチックにマイクロ波を照射するマイクロ波照射装置、該脱塩素によって発生した塩化水素ガスを排出するための排ガス管を有する廃プラスチック処理設備が好ましい。また処理時の発火を防止するために、廃プラスチック処理設備に不活性ガスを供給するため不活性ガス供給装置を設け、外装置から廃プラスチック処理設備に不活性ガスを供給することが好ましいが、該不活性ガスを供給するための供給管は、予備加熱処理部や脱塩素処理部に接続し、夫々の処理部に不活性ガスが供給される様にしてもよいし、廃プラスチック処理設備が閉塞状態であるのならば、該不活性ガス供給管を設備の任意の箇所に接続してこれら処理部を含めた処理設備内を不活性雰囲気としてもよい。
また予備加熱処理部と任意の加熱用熱源供給装置と接続し(例えば熱源供給管)、予備加熱処理部に加熱用熱源を供給すればよいが、該加熱用熱源として脱塩素処理で照射したマイクロ波の反射波を利用する場合は、脱塩素処理部に接続しているマイクロ波照射装置に、該装置から照射されたマイクロ波の反射波を分離する手段を設け、該分離手段に導波管を接続して該反射波を予備加熱処理部に照射する様にすればよい。
尚、この様に予備加熱する場合、脱塩素処理時のマイクロ波出力は特に限定されないが、マイクロ波出力が高い程、発熱量が大きくなり、また脱塩素率も高くなる。したがってマイクロ波出力、マイクロ波照射時間などの処理条件を変更することによって、塩素除去率80%以上、更には95%以上の高い塩素除去率を達成することが可能である。特に脱塩素は250〜350℃の範囲で好適に行なうことができる。250℃未満では脱塩素効果が得られない。一方、350℃を超えて高温にしても、脱塩素除去率が向上することが殆どなく、エネルギーの損失となる。尚、マイクロ波の出力、照射時間は、廃プラスチックの処理量に応じて上記温度範囲となる様に調整すればよい。例えばマイクロ波出力は、1800W程度でもよい。一方、照射時間は5分程度で十分に脱塩素効果を発揮する。
脱塩素処理時の雰囲気は特に限定されないが、銅線等の金属を含む電線被覆材などの様に、廃プラスチック中に金属が含まれていると、マイクロ波の照射によって、金属がスパークしたり、或いは金属の温度が急激に上昇して発火する恐れがある。したがって脱塩素処理する時の雰囲気中の酸素濃度はできるだけ低減させることが望ましい。好ましくは窒素ガスを供給するなどして不活性雰囲気中で脱塩素処理をすることが望ましい。
以下、本発明の処理設備を図4、図5に基づいて説明するが、本発明の処理設備は図示例に限定されず、適宜変更することができる。
図4は本発明に係る廃プラスチック脱塩素処理設備の概略断面図である。廃プラスチックは供給装置からコンベア4上に適当な量となる様に供給される。図示例の場合、供給装置はホッパー1、フィーダー2、シューター3によって構成されているが、これに限定されず、所望の手段で供給すればよい。コンベア4上に供給された廃プラスチックは予備加熱処理部に移動する。予備加熱処理部では、廃プラスチックの予備加熱が行なわれるが、図4では予備加熱処理部及び脱塩素処理部以外の部分はほぼ大気開放状態である。したがって供給熱量に対する廃プラスチックの温度上昇率(予備加熱効率)を向上させるには、予備加熱処理部をできるだけ気密性の高い閉塞空間とし、放熱を抑制することが好ましい。予備加熱処理部の機密性を高めるための具体的な構成は特に限定されず、例えば、予備加熱処理部がトンネル状(天井及び左右両側が壁であるトンネル)のカバーである場合(図中、処理部5)、該処理部5の入口側(廃プラスチック搬入側)と出口側(廃プラスチック排出側)に任意の開閉手段を設け、予備加熱処理時に該開閉手段を閉じて機密性を高めることが望ましい。また熱効率を高める上で、処理部5の天井も低い方が望ましい。
この開閉手段の具体的な構成は特に限定されず、予備加熱処理時に処理部5の入口側と出口側の開口面積を出来るだけ小さくして処理部5内の密閉性を高めることができる手段であればよく、例えば開閉シャッターや昇降板などが例示される(図示例では処理部入口に昇降板6、処理部出口に昇降板7を設置している)。
また予備加熱処理部の他の構成としては、図示しないが昇降自在の箱状(天井及び前後左右に側壁を有し、ベルトコンベア面は開口している)の処理部が例示されるが、機密性の高い空間に限られない。昇降自在の箱状の処理部を使用する場合、予備加熱処理時に該処理部をベルトコンベア近傍にまで降下させて加熱処理を行い、処理後に該処理部を上昇させればよい。
ところで、処理部5の機密性を高める観点からは、上記処理部5の開閉手段が閉じたときに該開閉手段がベルトコンベア表面に出来るだけ近接していることが好ましい。ところが、ベルトコンベアを一定速度で移動させながら、廃プラスチックを供給装置から連続的にベルトコンベアに供給すると、ベルトコンベアには常に廃プラスチックが載置されているため、開閉手段をベルトコンベアに近づけすぎると廃プラスチックと接触する恐れがある。
したがって、より機密性を高めるためには、(I)ベルトコンベアをステップ状(所望の間隔で停止と移動を行う)に移動させて、コンベア停止時に供給装置から廃プラスチックの供給を行うと共に、コンベア移動時には廃プラスチックの供給を停止する様に制御して、廃プラスチック存在部分と非存在部分が生じる様にすることが望ましい。また同様の状態は(II)ベルトコンベアを一定速度で移動させながら供給装置からの廃プラスチックの供給をステップ状(供給と供給停止を所望の間隔で行う)に行う制御をすることによっても達成可能である。もっとも、ベルトコンベアが一定速度で移動していると、閉じている開閉手段に廃プラスチックが接触する恐れがあることから、上記(I)の様にベルトコンベアをステップ状に移動させ、開閉手段を閉じたときにベルトコンベアが移動していないことが望ましい。
予備加熱処理工程では、加熱手段として図示しない熱源から供給される熱源を熱源供給管8から処理部5内へ送給するとともに、排気管9から適宜抜出す構成としている。尚、反射波を利用して予備加熱する構成は後記する図5に示す。
予備加熱処理時の温度制御を適切に行うために、放射温度計などの温度測定手段23を設けて廃プラスチックの温度を監視し、加熱温度(例えば熱風の供給量や熱風の温度)を適宜調節することが望ましい。
予備加熱処理された廃プラスチックは次いで脱塩素処理部へ送られる。この際、予備加熱された廃プラスチックの温度低下を抑制する観点から、工程間を移動する間の放熱を抑制するためにカバー等を設けてもよい。図4の場合、予備加熱処理部5と脱塩素処理部10は非連続であるが、予備加熱処理部5と脱塩素処理部10を連結させて、両処理部を開閉手段等で区切る構成とし、予備加熱処理後、直ちに脱塩素処理できる構成としてもよい。
脱塩素処理は公知の方法でよいが、マイクロ波の拡散・漏洩を防止してマイクロ波照射効率を高める観点から、脱塩素処理部もできるだけ閉塞空間とすることが望ましく、上記予備加熱処理部と同様の構成とすることが望ましい。図4では脱塩素処理部10の入口側と出口側に開閉手段を有する例であり、入口側に昇降板11、出口側に昇降板12を備えている。
マイクロ波の照射方向は特に限定されない。尚、マイクロ波照射装置には、マイクロ波発振器14や導波管等のマイクロ波を照射するために必要な機器類が含まれる。
脱塩素処理部10に廃プラスチックが搬入された後、ベルトコンベア4を停止すると共に昇降板11、12を降下させて気密性を高めてからマイクロ波を照射する。マイクロ波はマイクロ波発振器14から導波管を通して廃プラスチックに照射される。尚、図示例の場合、導波管の途中にインピーダンス整合器17を設けてマイクロ波照射効率を向上させている。また方向性結合器16を設けてマイクロ波の反射波を分離し、ダミーロード15で熱に変換して放散している。更にモードスターラ31を設けてカバー10内の電磁界強度を平均化している。勿論、必要に応じてマイクロ波関連設備を適宜設けることも可能である。
マイクロ波照射によって塩素含有樹脂から塩素は塩化水素ガスとして放出される。そして該塩化水素ガスは雰囲気ガスと共に排ガスとして排ガス管19を通して排ガス処理装置へ送られる。この際の処理装置は特に限定されず、公知の方法によって浄化処理すればよい。図示例では塩化水素除去塔20内で塩化水素を水酸化ナトリウムによって中和、無害化している。排ガス管19は、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ水溶液21を貯留している吸収液槽22を備えた塩化水素除去塔20に接続されている。尚、排ガス管19には排ガスに含まれている有機物を除去するためのフィルター30を設けているが任意である。塩化水素除去塔20の上方には、アルカリ水溶液21を排ガスに噴霧するための吸収液散布器24が設けられ、吸収液槽22からポンプ25によって送給される。
塩化水素除去塔20で処理された排ガスは系外に排出されるが、処理済排ガス中に残存するミスト等の残留物を除去するためにフィルター26等の処理手段を設けることが望ましい。また排ガス放出部にブロアー27などの吸引・排出手段を設けると、塩化水素除去塔内を減圧状態に維持しつつ、排気効率を向上できるので望ましい。
脱塩素処理して得られた廃プラスチックには塩素が殆ど含まれていない。尚、金属類等は予め除去しておくことが好ましいが、廃プラスチックに金属類やガラスが含まれている場合、それらを取除くために排出後、篩い分けなど物理的選別処理を行なってもよい。脱塩素処理された廃プラスチックは、燃料化処理工程で固形燃料や液体燃料などにしたり、或いは製鉄所において高炉で用いる還元剤として利用することも可能である。
図5は、脱塩素処理部10で生じる反射波を予備加熱処理部に導入し、該反射波を予備加熱用の熱源として利用する具体例である。尚、図4と同じ番号を付与しているものは、図4と同様の装置であることを意味する。
図5は処理設備全体が密閉型の構造を有しており、廃プラスチックの装入から排出までの区間は全て機密性の高い設備内で処理が行なわれる。図示例では、設備内雰囲気を不活性雰囲気とするために、不活性ガス(窒素)を不活性ガスタンク46から不活性ガス供給管47を通して処理装置内へ供給する。尚、バルブ48は不活性ガスの供給量を調整するための手段である。
適当量の廃プラスチックは装入口40から処理設備内へ装入されるが、この際、処理設備内の機密性を高めるため、装入口40に複数の開閉バルブを設けることが望ましい。図示例の場合、装入口40に開閉バルブを2つ設置し(41a、41b)、バルブ41aを開放して(バルブ41bは閉止)廃プラスチックを装入した後、該バルブ41aを閉止してからバルブ41bを開放して装置内のベルトコンベア4上に供給している。バルブ開閉操作の制御方法によっては、処理設備内の機密性を維持しながら連続的に廃プラスチックを供給することも可能である。
図示例では、廃プラスチックを連続的に供給すると共に、ベルトコンベアを連続稼動させている。したがって、処理時の予備加熱処理部5や脱塩素処理部10の開閉手段を図4の様にベルトコンベア表面近傍まで近づけて閉じることはできず、処理部自体の機密性は高くない。しかしながら処理設備全体の機密性が高いため、排ガス漏洩等の恐れや放熱による燃焼効率の低下を防止できる。勿論、ベルトコンベア4を図4と同様にステップ状に移動させて各処理部の機密性を高めることもできる。
廃プラスチックの予備加熱処理は、反射波(マイクロ波)を利用するため、加熱効率を高めるには、処理部5の天井を低くすることが望ましい。
図5では、脱塩素処理部10の反射波を方向性結合器16で導波管42に導き、該反射波を予備加熱処理部5に送って、該処理部5内の廃プラスチックに照射している。尚、予備加熱処理部へ導入する反射波の導入量は、マイクロ波発振器14やインピーダンス整合器17を操作することによって調整可能である。したがって、放射温度計などの温度測定手段23によって測定される温度に応じて、反射波の導入量を調整すればよい。図4の場合と異なり、塩素含有樹脂のみが予備加熱されるので、熱効率がよく、また反射波を利用しているため、低コストである。予備加熱処理後、次いで脱塩素処理部10に送られる。脱塩素処理部10においても、予備加熱処理部同様、天井を低くすることが好ましい。図示例では、マイクロ波発振器14で生成したマイクロ波を分岐して複数箇所から(43a、43b)廃プラスチックに照射しているが、分岐しなくてもよい。分岐して複数箇所からマイクロ波を照射することによって、図4の様にモードスターラ31を設けなくても電界強度を平均化することができる。脱塩素処理によって塩素が除去された廃プラスチックは排出口44から排出されるが、この際、排出口44にも装入口40と同様に複数の開閉バルブ(図示例では45a、45b)を設けて内部の機密性を高めることが望ましい。
脱塩素処理で発生した塩化水素ガスは設備内雰囲気ガスと共に排ガスとして排ガス管19から塩化水素除去塔20へ送られ、処理後放出される。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
<実施例1>
図6に電界強度依存性を調べる試験に用いた装置のマイクロ波照射部の構造を示す。マイクロ波照射部はマイクロ波周波数2.45GHzに対する規格サイズの矩形導波管を使用することで、TE10モードのシングルモードのアプリケータとして設計されている。この照射室の内部に図6に示す通り石英製のパレットを4段に分けて設置し(石英製パレットの2段目が照射室の中央部の高さに配置されており、照射室内で最大に高い電界強度が得られる位置となっている)、電線被覆材として用いられるポリ塩化ビニル樹脂の試料(ペレット状で粒径が約5mmである)を、1層につき30個、合計(4層)で120個を配置してマイクロ波照射処理を行った。
図7は、マイクロ波出力:0.5kWの条件でマイクロ波を上記試料に照射し、照射前後のポリ塩化ビニル樹脂の質量を測定して、処理後の質量減少率(%)を調べた結果を示したものである。尚、図7における横軸は、パレット幅を10等分したときのエンドプレート側からの位置を示しており、図7におけるS1、S2およびS3は、前記図6の紙面手前から奥にかけての位置を示しており、S2が奥行の中央部に相当する。
この図7から、塩化ビニル樹脂(PVC)の質量減少量は2段目のパレットの6−S2の位置で約32%と最大であり、処理後のPVCをリサイクルするに充分な脱塩素性能を発揮している。また2段目のパレットの7−S2の位置でも27%程度の減少が確認され、リサイクル可能レベルの塩素除去性能を確保できていることがわかる。これに対し、その他の位置のPVCは質量減少率が20%に満たない。
次に、上記2段目のパレットの6−S2の電界強度を測定した。電界強度の測定は、ネットワークアナライザーを用いてマイクロ波反射測定により、照射室の複素インピーダンスを測定し、測定値を用いて照射室のQ値を求め、該Q値、マイクロ波出力及び照射室の寸法から左エンドプレートで1回反射を仮定して計算した照射室内の電界強度の最大値(6−S2の電界強度)を求めた。その結果、この照射室内の最大の電界強度は40kV/mであった。
図8に、2段目のパレットにおける水平位置(アプリケータ内でのエンドプレート側からの位置)と、2段目S−2列における電界強度および各ペレットの質量減少率との関係を示す。電界強度が20kV/m以上で質量減少が起こり40kV/mで質量減少率が最大となっている。
この図8に、波長が既知である(2.45GHzで約110−120mm)マイクロ波の電界強度の波形を点線で併せて示すが、該波形はsinカーブであることがわかる。
前記実験結果(実線)とこのsinカーブ(破線)を比較すると、質量減少率はsinの6乗に比例することがわかる。このことから、質量減少率は電界強度の6乗に比例していると結論付けることができ、電界強度が40kV/mの半分の20kV/mになると、質量減少率(処理速度)は最大値(電界強度が40kV/mの場合)の1/64と著しく小さくなる。尚、別の実験において実施したイオンクロマト分析で、脱塩素率が、ほぼ質量減少率と比例関係にあり、また脱塩素率が電界強度の6〜8乗に比例することが分かっている。
このことは、S−2列の1〜3(アプリケータ内での位置が0〜15mm)付近での点線を見ると、最大値の約1〜2割程度の電界強度が存在すると思われるにもかかわらず、脱塩素が全く進行していないことからも裏付けられる。
以上のことから、実用的なプラスチックリサイクルにマイクロ波照射を利用するには、電界強度を、処理速度が最大位置の1/64となる20kV/mよりも高くする必要があり、好ましくは40kV/m以上であることを導き出した。
尚、上述の通り、電界強度が200kV/m超と高すぎる場合には誘電体表面で放電現象が起こり、誘電加熱そのものが困難になることも確認した。即ち本実施例から、共振器内に電界強度が20kV/m以上で200kV/m以下の領域、望ましくは40kV/m以上で100kV/m以下の領域を形成し、該領域に塩素含有樹脂を含む廃プラスチックを通過させれば塩素含有樹脂の脱塩素処理を効率よく行えることがわかった。
<実施例2>
次に、脱塩素処理の雰囲気を常圧とした場合と減圧雰囲気とした場合の脱塩素性能を比較した結果を表1に示す。表1に示す実験は、箱型のマルチモード型アプリケータを用いて、電線被覆材用途に用いられるペレット状PVC(塩素含有量:25.9%)100gを石英製のトレイに載せて、マイクロ波出力:5kW,処理時間(照射時間):5分の条件で、窒素雰囲気を常圧、または真空排気装置を用いて10Torrにまで減圧して脱塩素処理を行った。そして処理後の残渣の塩素濃度をイオンクロマト法で分析して脱塩素率を求めた。その結果を表1に示す。
Figure 0004253746
表1に示す通り、常圧で処理した場合(実験No.1)には92.3%であったのに対し、減圧雰囲気で処理した場合(実験No.2)には97.1%にまで脱塩素率が向上しており、減圧による脱塩素の促進効果が認められた。
<実施例3>
廃プラスチック[ポリ塩化ビニル樹脂製電線被覆材(金属を含んでいない)]10gを加熱炉に装入し、表2に示す温度になるまで予備加熱処理した後、該廃プラスチックを脱塩素処理装置(電子レンジによるマイクロ波処理)に装入して1800Wで4分間の脱塩素処理を行なった。脱塩素処理後、該廃プラスチックを脱塩素処理装置から取出して質量を測定した。廃プラスチックは塩素の離脱によって、質量が減少するので、処理前後の質量を比較し、減少率が高い程、脱塩素率が高いことを確認できる。結果を表2に示す。
Figure 0004253746
表2にも示されている通り、予備加熱処理していない実験No.1では、短時間の脱塩素処理では、殆ど塩素が除去されていないことがわかる。また40℃まで予備加熱した実験No.2は、実験No.1と比べて高い脱塩素率を示すが、実験No.3〜6と比べると格別顕著な効果を有しているとはいえない。一方、50℃まで予備加熱した実験No.3では、脱塩素率が一挙に高まっており、特に70℃〜150℃まで予備加熱した実験No.4〜6は極めて高い脱塩素率を示している。尚、予備加熱温度が110℃の場合(実験No..5)と、150℃の場合(実験No..6)を比較すると、両者の脱塩素率は同等であるので、予備加熱時に塩素が発生するのを防止する観点から予備加熱温度は150℃未満、より好ましくは110℃以下とすることが望ましいことがわかる。
以上の様に脱塩素処理に先立って廃プラスチックに予備加熱処理を施しておけば、短時間の脱塩素処理で高い塩素除去効果を得ることができ、特に予備加熱温度を好ましくは50℃以上、より好ましくは70℃以上とすれば、より一層高い脱塩素効率が得られる。
本発明を実施するための装置の一例を模式的に示した図である。 本発明を実施するための装置の他の例を模式的に示した図である。 本発明を実施するための装置を用いた場合と従来の装置を用いた場合の脱塩素性能を比較した図である。 本発明を実施するための設備の一例を模式的に示した図である。 本発明を実施するための設備の他の例を模式的に示した図である。 実施例で用いた装置の一部を模式的に例示した図である。 前記図6に示す装置内の位置別の脱塩素性能を示したグラフである。 実施例の結果を整理して得られたアプリケータ内での位置と電界強度,質量減少率との関係を示すグラフである。

Claims (18)

  1. 塩素含有樹脂を含む廃プラスチックにマイクロ波を照射して該廃プラスチックから塩素を除去して脱塩素処理された廃プラスチックを得る処理(以下「脱塩素処理」という)において、該マイクロ波の電界強度を20〜200kV/mとすることを特徴とする廃プラスチックの脱塩素処理方法。
  2. 前記脱塩素処理を減圧下で行う請求項1に記載の廃プラスチックの脱塩素処理方法。
  3. 前記脱塩素処理を、シングルモード型アプリケータを用いて行う請求項1又は2に記載の廃プラスチックの脱塩素処理方法。
  4. 鉛直方向に配置した筒状のアプリケータの上端から前記廃プラスチックを投入し、該廃プラスチックを自由落下させながらマイクロ波を照射して脱塩素処理を行う請求項1〜3のいずれかに記載の廃プラスチックの脱塩素処理方法。
  5. 前記アプリケータの下端から不活性ガスを流入させて該アプリケータ内に上向きのガス流れを形成することによって、前記廃プラスチックの落下速度を調節する請求項4に記載の廃プラスチックの脱塩素処理方法。
  6. 鉛直方向に配置した筒状のアプリケータに前記廃プラスチックを充填し、該アプリケータの下端に設けたバルブで該廃プラスチックの排出速度を調整しながら該廃プラスチックを下方に移動させつつマイクロ波を照射して脱塩素処理を行う請求項1〜3のいずれかに記載の廃プラスチックの脱塩素処理方法。
  7. 前記アプリケータの内部に、誘電損失係数が3×10-3以下である材料からなる筒状構造体を配置し、該筒状構造体内に前記廃プラスチックを通過させて脱塩素処理を行う請求項4〜6のいずれかに記載の廃プラスチックの脱塩素処理方法。
  8. 前記筒状構造体として石英ガラス又はマイカよりなるものを用いる請求項7に記載の廃プラスチックの脱塩素処理方法。
  9. 前記廃プラスチックを予備加熱処理してから前記脱塩素処理を行なう請求項1〜8のいずれかに記載の廃プラスチックの脱塩素処理方法。
  10. 前記予備加熱処理によって廃プラスチックを50℃以上、150℃未満にしてから脱塩素処理する請求項9に記載の廃プラスチックの脱塩素処理方法。
  11. 前記マイクロ波の照射によって生じる反射波を利用して、前記予備加熱処理を行なう請求項9または10に記載の廃プラスチックの脱塩素処理方法。
  12. 塩素含有樹脂を含む廃プラスチックにマイクロ波を照射して、塩素含有樹脂から塩素を除去する脱塩素処理方法において、前記廃プラスチックを予備加熱処理してから前記脱塩素処理を行ない、かつ前記予備加熱処理を、前記マイクロ波の照射によって生じる反射波を利用して行なうことを特徴とする廃プラスチックの脱塩素処理方法。
  13. 前記予備加熱処理によって廃プラスチックを50℃以上、150℃未満にしてから脱塩素処理する請求項12に記載の廃プラスチックの脱塩素処理方法。
  14. 前記塩素含有樹脂がポリ塩化ビニル樹脂である請求項12または13に記載の廃プラスチックの脱塩素処理方法。
  15. 塩素含有樹脂を含む廃プラスチックにマイクロ波を照射して該廃プラスチック中の塩素を除去する請求項1〜14のいずれかに記載の廃プラスチックの脱塩素処理方法を実施するための装置であって、
    筒状のアプリケータ、
    該アプリケータ内にマイクロ波を発生させるためのマイクロ波発生手段、
    該アプリケータの一端に設けられた廃プラスチック投入部、および
    該アプリケータの他方の端に設けられた廃プラスチック排出部
    を少なくとも備えていることを特徴とする廃プラスチック処理装置。
  16. 請求項1〜14のいずれかに記載の廃プラスチックの脱塩素処理方法を実施するための廃プラスチック処理設備であって、
    廃プラスチックの加熱を行なう予備加熱処理部、
    該予備加熱処理部から搬出された廃プラスチックにマイクロ波を照射して脱塩素を行なう脱塩素処理部、
    該廃プラスチックにマイクロ波を照射するマイクロ波照射装置、および
    該脱塩素によって発生した塩化水素ガスを排出するための排ガス管
    を有することを特徴とする廃プラスチック処理設備。
  17. 前記廃プラスチック処理設備に不活性ガスを供給するための不活性ガス供給装置を有する請求項16に記載の廃プラスチック処理設備。
  18. 前記マイクロ波照射装置には、照射したマイクロ波の反射波を分離する手段が設けられていると共に、該分離手段には導波管が接続され、該管を通して反射波を前記予備加熱処理部へ供給する構成を備えている請求項16または17に記載の廃プラスチック処理設備。
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