JP4251534B2 - Cleaning composition - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は洗浄剤組成物に関する。さらに詳しくは、毛髪や皮膚の洗浄、食器等のガラス製品の洗浄、住居の洗浄、工業製品の洗浄等に適するものであって、優れた洗浄力を有し環境に対する影響を十分に配慮した洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
毛髪及び皮膚、食器等のガラス類、住居用の各種洗浄剤としては、主に界面活性剤の特性である乳化、分散、可溶化作用などを利用した界面活性剤型洗浄剤が用いられてきた。
【0003】
また、一部の食器用洗浄剤や住居用洗浄剤にはアルカリ剤を使用したタイプがあり、このようなアルカリ型洗浄剤は汚れに含まれる油脂類が変成して生成した脂肪酸をケン化して石鹸を生成させ洗浄するものである。
【0004】
一方、浴室等の汚れに対しては酸型洗浄剤が用いられており、汚れの主成分である脂肪酸カルシウムを分解して洗浄するものである。さらに、工業製品の洗浄などにおいて非常に高い洗浄力が求められる特殊な用途を有する洗浄剤には、トリクロロエチレン等の溶剤を使用した溶剤型洗浄剤が用いられる場合もある。
【0005】
界面活性剤型洗浄剤は、大量に界面活性剤を使用した場合には廃液の環境への影響が懸念されるため、少量の界面活性剤によっても高い洗浄力を有する洗浄剤が求められている。
また、溶剤型洗浄剤はその毒性や環境への悪影響の課題がある。また、アルカリ型洗浄剤や酸型洗浄剤は、皮膚や目に対して危険であり、また、金属を腐食させ、環境に対する影響が大きいなどの問題点がある。
【0006】
これに対して、特許文献1には、界面活性剤型でありながら優れた洗浄性能を有する洗浄剤組成物として、等方性界面活性剤連続相を用いた洗浄剤が記載されている。しかしながら、この洗浄剤組成物は炭素原子数4〜8の液状アルコール/液状脂肪酸を用いることを特徴としており、そのような液状アルコール/液状脂肪酸は匂いの点で問題があった。
【0007】
また、非特許文献1には、脂肪酸メチルエステルαスルホン酸のカルシウム塩を界面活性剤とし、モノ2-エチルヘキサン酸グリセリドをコサーファクタントとして界面活性剤連続相を生成させる技術が記載されている。しかしながら、カルシウム塩の場合は、洗浄剤に求められる性能のうち泡立ちが低下する傾向がある。また、汚れの成分として油脂などに由来する脂肪酸を含む場合には不溶性の脂肪酸カルシウムを生成し洗浄性能が著しく低下する。さらに、モノ2-エチルヘキサン酸グリセリドはエステル結合によりグリセリンとモノ2-エチルヘキサン酸が化学結合しているため、長期間保存した場合にエステル結合が分解し、望ましくないモノ2-エチルヘキサン酸由来の臭いを生じる可能性がある。
【0008】
【特許文献1】
特願平2002−20791
【非特許文献1】
R. Beckら J. Phys. Chem. B 2002, 106, 3336
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上述の問題点に鑑み、特定の成分を含有する界面活性剤型洗浄剤を、等方性界面活性剤連続相に調整すると、優れた洗浄力を有し、環境に対する影響を十分に配慮した洗浄剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明の目的は、優れた洗浄力を有し、身体にも使用可能なほど安全であり、かつ環境に対しても十分に配慮した洗浄剤組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、下記成分(A)(B)(C)(D)を含有する、ガラス用、セラミックス用、プラスチック用の洗浄剤組成物であって、該洗浄剤組成物が25℃において等方性界面活性剤連続相であって、
成分(A)と成分(B)との質量比が1:9〜9:1の範囲であり、
成分(A)及び(B)の合計質量と成分(C)の質量との質量比が2:1〜1:3の範囲であることを特徴とする洗浄剤組成物を提供するものである。
(A)両性界面活性剤
(B)アニオン界面活性剤
(C)モノ2-エチルヘキシルグリセリルエーテルまたはモノ2-エチルヘキサン酸グリセリド
(D)水
【0014】
また、本発明は、上記洗浄剤組成物において、成分(B)が一価アルカリ金属の塩又はトリエタノールアミンの塩である洗浄剤組成物を提供するものである。
【0015】
さらに、本発明は、上記洗浄剤組成物において、さらに塩化ナトリウムあるいは塩化カリウムを含有する洗浄剤組成物を提供するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
【0020】
本発明に用いる(A)成分の両性界面活性剤は、カチオン性官能基及びアニオン性官能基を少なくとも1つずつ有し、溶液が酸性のときにはカチオン性、アルカリ性のときにはアニオン性となり、等電点付近では非イオン界面活性剤に近い性質を有している。
両性界面活性剤は、アニオン基の種類により、カルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型およびリン酸エステル型に分類される。好ましくはカルボン酸型、硫酸エステル型およびスルホン酸型である。カルボン酸型はさらにアミノ酸型とベタイン型に分類される。本発明に好ましくはベタイン型である。具体的には、例えば、イミダゾリニウムベタイン、アルキルベタイン、アミドベタインが挙げられる。
【0021】
本発明に用いる(B)成分のアニオン界面活性剤は、脂肪酸石鹸、N-アシルグルタミン酸塩、アルキルエーテル酢酸等のカルボン酸塩型、α-オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸等のスルホン酸型、高級アルコール硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩型、リン酸エステル塩型等に分類される。好ましくは、カルボン酸塩型、スルホン酸型および硫酸エステル塩型であり、特に好ましくは硫酸エステル塩型である。具体的には、例えば、アルキルエトキシサルフェート塩が挙げられる。
【0022】
また、スルホン酸塩型のうちアルキルベンゼンスルホン酸には分岐鎖アルキルタイプおよび直鎖アルキルタイプがあるが、これらは環境への影響(生分解性)の点で望ましくない。特に好ましくないものは分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩である。
【0023】
成分(A)の両性界面活性剤及び成分(B)のアニオン界面活性剤は、水溶液中で混合された場合に、油に対する界面張力が低下することが知られている。界面張力は特に油分の洗浄に対し重要な要因であり、油分との界面張力が低い溶液中で油汚れが自発的に球状になり基剤から脱離する、いわゆるローリングアップと呼ばれる汚れの除去過程は公知のものである。
(A)成分又は(B)成分の片方のみ用いた場合には、25℃において等方性界面活性剤連続相が得られないか、あるいは、得られた場合であっても界面張力が十分に低下していないためにその領域が狭く、実質上の使用にあたって安定性を十分に満たすことができない場合がある。
成分(A)の両性界面活性剤と成分(B)のアニオン界面活性剤の望ましい混合比は9:1〜1:9である。この範囲をはずれた場合には、界面張力の低下が充分でなく、洗浄効果が十分でない場合がある。
【0024】
本発明においては、成分(A)の両性界面活性剤と成分(B)のアニオン界面活性剤は混合して用いられるが、水溶液中で混合することで両者に静電的相互作用により複合体が生じ、目や皮膚に対する刺激が大きく減少する。
【0025】
本発明に用いる(C)成分のモノ2-エチルヘキシルグリセリルエーテルまたはモノ2-エチルヘキサン酸グリセリドである。これらは、25℃で液状の界面活性助剤として機能する。すなわち、2−エチルヘキシル基が、親油基として機能する。また、グリセリンが有する3個の-OH基のうち、2−エチルヘキシル基のエステル結合又はエーテル結合により封鎖されている1個を除いた2つの-OH基が親水基として機能する。
(C)成分は界面活性剤と一定の比率で混合された界面膜を形成することで、系の親水性−親油性バランス(HLB)を変化させる。具体的には親水性の球状ミセル、棒状ミセルなどを形成する(A)成分および(B)成分の混合物であるアニオン/両性界面活性剤複合体のHLBをやや親油方向に変化させる。したがって(A)成分と(B)成分の総量と(C)成分の比率は非常に重要である。
本発明による洗浄剤を水で希釈した場合には(A)成分と(B)成分の総量と(C)成分の比率は一定に保持されるため、本洗浄剤の特徴である高い洗浄効果は維持される。
【0026】
本発明の(C)成分のうち、経時安定性の上で好ましくはモノ2-エチルヘキシルグリセリルエーテルである。モノ2-エチルヘキサン酸グリセリドはエステル結合により親油基及び親水基が結合しており、エステル結合は経時で加水分解する傾向があることから、モノ2-エチルヘキサン酸由来の臭いが若干生じることがある。
【0027】
本発明の洗浄剤組成物は、上記の成分(A)〜(C)と、成分(D)の水を含有し、25℃において等方性界面活性剤連続相一相溶液となっているものである。
等方性界面活性剤連続相は、界面活性剤が無限に会合した溶液のことであり、水および油の両方が連続であり、光学的に等方性の透明低粘度の溶液を意味する。ミドルフェーズマイクロエマルション相、バイコンティニュアス相、L3相、D相などとも称され、本発明において、優れた洗浄効果を与える。本発明の組成をとることにより、広い組成範囲(領域)で安定に等方性界面活性剤連続相を得ることができる。
【0028】
本発明の洗浄剤組成物は、上記必須成分(A)(B)(C)と成分(D)の水とを混合し、必要に応じて洗浄料若しくは化粧料に配合されるその他の成分を本発明の効果を損なわない範囲で適宜添加し、目的とする剤形に応じて常法により製造される。特に塩化ナトリウム、塩化カリウムを配合することが好ましい。これらは、入手しやすく、安価であり、親水性の界面活性剤であるアニオン/両性活性剤複合系の親水性−親油性バランスを、塩析の効果により釣り合わせる、即ちやや親油性方向に変化させる効果があり、その結果としてモノ2−エチルヘキシルグリセリルエーテル、モノ2−エチルヘキサン酸グリセリドの配合量を減じることができ望ましい添加剤である。
本発明のうち、等方性界面活性剤1相である洗浄料組成物は具体的には下記のステップにより製造出来る。
上記必須成分及び他の配合成分を添加した最終洗浄料組成物を、ねじ口試験管(サンプル)に入れ、激しく振とうし、25℃の恒温水槽中に静置する。目視にて、組成物溶液が1相になっていることを確認する。「1相である状態」とは溶液全体が均一で透明であることを指す(ファーストデターミンステップ)。
その後、このサンプルが低粘度であることをねじ口試験管を軽く振ることで確認する。試験管を逆さまにした場合に、すぐに溶液がねじ口側に落ちない場合やゲル化しており溶液がほとんど動かない場合は、液晶相である可能性がある。特に完全にゲル化している場合にはキュービック液晶相であるため、本発明の等方性界面活性剤1相領域ではない(セカンドデターミンステップ)。
さらに、洗浄料組成物溶液を、偏光板2枚を90度の位相差で組み合わせた間に保持し、光の透過がないことを確認する。光の透過がある場合にはラメラ液晶相あるいはヘキサゴナル液晶相であり、本発明の等方性界面活性剤1相領域ではない(サードデターミンステップ)。
最後に、組成物溶液の電気伝導度を測定する。等方性界面活性剤1相溶液の電気伝導度は同じ系で生成するミセル水溶液の値の約2/3であることが知られている。また、逆ミセル油溶液は電気伝導性を持たない。同じ系で生成するミセル水溶液を調製する場合、(C)成分であるモノ2−エチルヘキシルグリセリルエーテル、モノ2−エチルヘキサン酸グリセリドを抜去すれば例外なく生成する。本発明で用いる(A)成分および(B)成分はイオン性であり親水性が高いため、(A)成分、(B)成分および(D)成分の水で構成される溶液はミセル水溶液であることは自明である。まれに(A)成分および/または(B)成分の疎水基の鎖長が長い場合など結晶が析出することがある。このような場合には、さらに(C)成分を添加した場合でも等方性界面活性剤1相は生成せず、従って得られた溶液は本発明の等方性界面活性剤1相溶液ではない。
すなわち、等方性界面活性剤連続相は光学的に等方性で透明な低粘度1相領域であり、以上のステップを確認できれば、本発明の等方性界面活性剤連続相の一相領域にあることが確認できる。
【0029】
また、等方性界面活性剤連続相の一相領域になる洗浄料組成物を製造するためには、簡便には図1に示すような相図を作成することにより、必須成分(A)〜(D)の配合量を決定できる。
図1は、(A)両性界面活性剤に2-アルキル−N-カルボキシメチル−N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン5質量%、(B)アニオン界面活性剤にポリオキシエチレン(1.5モル)ラウリルエーテル硫酸カリウム5質量%、(C)モノ2−エチルヘキサン酸グリセリド1〜25質量%を使用し、(D)水を残渣とした場合の洗浄剤組成物の温度と、モノ2−エチルヘキサン酸グリセリドとの含有量をパラメーターとした場合における等方性界面活性剤連続相1相領域が生成する領域を表わしている。
L1はミセル水溶液相、Lαはラメラ液晶相、Dは等方性界面活性剤連続相、Oは油相(過剰なモノ2−エチルヘキサン酸グリセリド相)を表わす。本発明は25℃においてD(等方性界面活性剤連続相)が存在する1相領域である。
すなわち、2-アルキル−N-カルボキシメチル−N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン5質量%、(B)アニオン界面活性剤にポリオキシエチレン(1.5モル)ラウリルエーテル硫酸カリウム5質量%、(C)モノ2−エチルヘキサン酸グリセリド11.3〜22.5質量%、(D)水を残量となる組成範囲が本発明である。
この図の作成は下記の方法による。
1:まず、(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分をねじ口試験管に秤量し、激しく振とうしたのち恒温水槽中に静置し溶液の状態を観察する。濁りがなく完全に透明であれば1相である。濁りがある場合にはさらに長期間静置しそれぞれの相の分離を待つ。相分離が完了した場合、存在するそれぞれの相は全て透明となる。まれに相分離が非常に遅く、成分の劣化などが懸念される場合には遠心分離装置を用いる。この場合、温度コントロールが可能なタイプを用いることが必要である。
2:次に溶液が1相の場合には等方性界面活性剤連続相、ミセル水溶液相、ラメラ液晶相などの可能性があるため、どの相であるかを決定する。決定の方法は、上記段落「0028」にて説明した粘度による判定、光学的等(異)方性、伝導度測定等の手法を用いる。
3:溶液が多相の共存状態である場合には、完全な相分離後に各相の光学的等(異)方性を確認する。また、この共存するいくつかの相のうち1つは、近接する1相領域の相である。確実に確認するためには、溶液の組成を近接する1相の領域に向かって徐々に変化させたいくつかの溶液を調製する、多相共存溶液のうち当該相の全溶液に占める容積が徐々に増加し、ついには1相となることから確認が可能である。また、比重を考慮し各相の試験管内の存在位置からの確認も可能である。本発明の等方性界面活性剤相は水相およびミセル水溶液相よりも比重が軽く、油相(過剰なモノ2−エチルヘキサン酸グリセリド)および逆ミセル油溶液相よりも比重が軽いことが普通である。等方性界面活性剤相とラメラ液晶相の比重は近いが、両者は光学的等方性により判別が可能である。
4:上記の手順により、多数の溶液を調製し、それぞれの組成において出現する相を特定し、領域を決定する。
5:次に、恒温水槽の温度を変化させ、繰り返し、領域の特定を行えば相図が完成する。
6:(A)と(B)との配合量が上記と異なる場合も図1の場合と全く同様にして相図を作成することができる。その図から、(C)の配合範囲を決定して、本発明の洗浄剤組成物を容易に製造することが可能である。
例えば、任意の(A)と(B)を選択し、目的とする製品の洗浄能力に応じて、(A):(B)=7:3になるような洗浄料組成物を製造する場合には、(A):(B)=7:3となるようにそれぞれの配合量をまず決める。そして、図1を作成した場合と同様にして相図を作成し、(C)のとり得る範囲を決定する。それを基本処方として、他の配合成分を添加し、25℃にて、等方性界面活性剤連続相の一相領域を確認する。
【0030】
なお、本発明の要件である等方性界面活性剤連続相は熱力学的な平衡状態であり、添加順序に関わらず生成する。したがって、どのような添加順序でも製造することが可能である。しかしながら、最も速やかに平衡状態に到達させるためには、水、界面活性剤、塩など水溶性の物質を混合した後、モノ2−エチルヘキシルグリセリルエーテル、モノ2−エチルヘキサン酸グリセリドを撹拌しながら徐添することが望ましい。特にモノ2−エチルヘキシルグリセリルエーテル、モノ2−エチルヘキサン酸グリセリドを添加すると、比較的高粘度のラメラ液晶相が生成した後、等方性界面活性剤連続相が生成するため、添加にあたっては比較的強い撹拌力を用い、徐々に添加することが望ましい。
【0031】
成分(A)〜(D)を含有する洗浄剤組成物が、等方性界面活性剤連続相であるかどうかは、(1)外観による判定、(2)相平衡図の作成、(3)電気伝導度測定、(4)NMRによる自己拡散係数の測定、(5)フリーズフラクチャー法を用いて調製したレプリカの電子顕微鏡観察等により決定できる。いずれの方法により決定してもよい。
(1)外観による判定では、等方性界面活性剤連続相は透明な低粘度1相領域であり光学的には等方性である。光学的異方性の液晶相との区別は偏光板2枚を90度の位相差で組み合わせた間にサンプルを保持し、光の透過がないことを確認することで可能である。等方性界面活性剤連続相と他の等方性1相領域であるミセル水溶液、逆ミセル油溶液との区別には、さらに(2)〜(5)の方法が有効である。
(2)相平衡図の作成では、水/油/界面活性剤(界面活性剤にはコサーファクタントの界面活性助剤を含む)で構成される3成分系の相平衡図を作成すると、等方性透明低粘度1相領域で、かつ水および油頂点のいずれからも連続する領域でない等の特長を有していることで同定可能であるが、この特長は構成される系(成分)によって異なる。
(3)電気伝導度測定では、等方性界面活性剤連続相の電導度は同じ系で得られるミセル水溶液相の約2/3の値をとることが知られている。
(4)NMRによる自己拡散係数測定は、LindmanらによりJ. Colloid Interface Sci. 1981, 83, 569等に詳しく記載されている方法である。
(5)フリーズフラクチャー法を用いて調製した等方性界面活性剤連続相サンプルの電子顕微鏡観察によれば、水および油の両方が連続となった像を得ることが可能である。この像によれば水あるいは油が連続のミセル水溶液相で得られる球状の会合体像との区別が容易である。この方法については、今栄らによる文献Colloid polym. Sci. 1994, 272, 604に詳しく記載されている。
【0032】
本発明に配合される各種成分は環境への影響が少ない生分解性の良いことが求められる。アルキル基の場合、2重結合を有するものが最も生分解性が良好であり、次に直鎖アルキルが良好である。直鎖型の中では、アルキル鎖長の短いものが良好であるとされる。分岐鎖アルキルは生分解性が良好ではないとされる。また、ベンゼン環は生分解性に問題がある。環境への影響が少ない生分解性の高いものが望ましい。微生物による分解率(生分解率)の求め方はOECDガイドライン(経済協力開発機構)により規定されている。実際には、好気性菌の豊富な活性泥土により好気性分解で消費した酸素の量(BOD:Biological Oxygen Demand)を洗浄剤の化学構造から理論的に計算して得られるTOD(Theological Oxygen Demand:理論的酸素要求量)で除し百分率とすることにより計算される。生分解性に問題があるとされる分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩および直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩はいずれも5日間の生分解率が5%未満である。
本発明の洗浄剤組成物は、環境を十分に配慮して、OECDガイドライン(化学物質検査法301C)に記載されたBOD(生物学的酸素要求量)法に基づく洗浄剤組成物の5日間の生分解率が50%以上であることが好ましい。
【0033】
本発明の洗浄剤組成物は、ガラス用洗浄剤、セラミックス用洗浄剤、プラスチック用洗浄剤、コンタクトレンズ用洗浄剤、食器用洗浄剤、容器用洗浄剤、工業用洗浄剤として好ましく使用される。
【0034】
【実施例】
次に実施例により本発明をさらに具体的に詳細に説明する。なお、本発明はこれに限定されるものではない。配合量は質量%を表わす。
【0035】
本発明の洗浄剤組成物の洗浄効果を確認するため、以下の洗浄効果テストを行なった。
「人工汚れの作成」
人工汚れ1:ワセリンをそのまま使用
人工汚れ2:ワセリンとステアリン酸を1:1の割合で、80℃で混合し自然冷却して作成
「洗浄効果評価法」
顕微鏡観察用のスライドグラスにあらかじめ2cm×2cmの領域を設定し、人工汚れ0.1gを均一に塗布した。洗浄液を一定の界面活性剤濃度となるようイオン交換水で希釈し200mlビーカー中に満たし、人工汚れの塗布されたスライドグラスを静かに洗浄液中に浸漬し5分間経過後に静かに引き上げ、直ちにガラス上の人工汚れ残存量を目視にて判定した。
「洗浄効果」の判定基準
◎:人工汚れ残存量が5%以下である
○:人工汚れ残存量が20%以下である
△:人工汚れ残存量が50%以下である
×:人工汚れ残存量が50%を越える
本洗浄剤組成物の臭いの有無を確認するため、専門パネルによる臭い判定を行った。
「臭い」の判定基準
○:臭いがほとんど認められない
△:臭いが認められる
×:臭いが強く認められる
本洗浄剤の泡立ち特性を確認するため、泡立ちの視感判定を行った。サンプルを100mlスクリュー管に50mlとり、激しく3回振とうした。5分後の泡の状態を目視にて確認した。
「泡立ち」の判定基準
○:泡が認められる
△:泡が僅かに認められる
×:泡が認められない
【0036】
各表に、実施例及び比較例、実施例及び/又は比較例をそれぞれ10倍、100倍に希釈した洗浄剤組成物についての洗浄効果評価結果および臭い評価結果を示す。
【0037】
【表1】
───────────────────────────────────
配合成分 実施例1 実施例2 比較例1
───────────────────────────────────
ヤシ脂肪酸アミドプロピルベタイン 5 5 5
POE(3モル)ラウリルエーテル硫酸Na 5 5 5
2-エチルヘキシルグリセリルエーテル 15 − −
2-エチルヘキサン酸グリセリド − 15 −
イオン交換水 残余 残余 残余
───────────────────────────────────
洗浄効果テスト(人工汚れ1)
界面活性剤純分10重量% ◎ ◎ ○
界面活性剤純分1重量%:10倍希釈 ◎ ◎ ○
界面活性剤純分0.1重量%:100倍希釈 ○ ○ ×
───────────────────────────────────
安定性(40℃、1ヶ月経過後)
臭い ○ △ ○
───────────────────────────────────
製法:各成分を水に添加し攪拌する。
【0038】
「表1」の結果より、実施例1および2の洗浄剤組成物は、希釈時の界面活性剤が低濃度の場合においても洗浄効果が高い優れた洗浄剤であることがわかる。また、実施例1は実施例2に比べて、長期保存後の臭い安定性が良好であることが判る。
【0039】
【表2】
製法:各成分を水に添加し攪拌する。
【0040】
「表2」の結果より、実施例3の洗浄剤組成物は、希釈時の界面活性剤が低濃度の場合においても、また汚れに脂肪酸が含まれている場合にも洗浄効果が高く、また、泡立ちの良好な優れた洗浄剤であることがわかる。
【0041】
【表3】
────────────────────────────────
配合成分 実施例4 比較例3
────────────────────────────────
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 2 2
N-ラウリル−L-グルタミン酸Na 8 8
2−エチルヘキシルグリセリルエーテル 8 −
1−ヘキサノール − 5
塩化ナトリウム 0.5 0.5
イオン交換水 残余 残余
────────────────────────────────
洗浄効果テスト(人工汚れ1)
界面活性剤純分10重量% ◎ ◎
界面活性剤純分1重量%:10倍希釈 ◎ ◎
界面活性剤純分0.1重量%:100倍希釈 ○ ○
────────────────────────────────
臭い ○ ×
────────────────────────────────
製法:各成分を水に添加し攪拌する。
【0042】
「表3」の結果より、実施例4の洗浄剤組成物は、希釈時の界面活性剤が低濃度の場合においても洗浄効果が高い優れた洗浄剤であることがわかる。
【0043】
【表4】
製法:各成分を水に添加し攪拌する。
【0044】
「表4」の結果より、実施例5の洗浄剤組成物は、希釈時の界面活性剤が低濃度の場合においても洗浄効果が高い優れた洗浄剤であることがわかる。
【0045】
【表5】
─────────────────────────
配合成分 実施例6
─────────────────────────
2-アルキル−N-カルボキシメチル 6
−N-ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン
ラウリルエーテル(POE2モル)酢酸カリウム 4
2−エチルヘキシルグリセリルエーテル 15
イオン交換水 残余
─────────────────────────
洗浄効果テスト(人工汚れ1)
界面活性剤純分10重量% ◎
界面活性剤純分1重量%:10倍希釈 ◎
界面活性剤純分0.1重量%:100倍希釈 ○
─────────────────────────
製法:各成分を水に添加し攪拌する。
【0046】
「表5」の結果より、実施例6の洗浄剤組成物は、希釈時の界面活性剤が低濃度の場合においても洗浄効果が高い優れた洗浄剤であることがわかる。
【0047】
【表6】
製法:各成分を水に添加し攪拌する。
【0048】
「表6」の結果より、実施例7の洗浄剤組成物は、希釈時の界面活性剤が低濃度の場合においても洗浄効果が高い優れた洗浄剤であることがわかる。
【0049】
「生分解率」
実施例6の洗浄剤組成物の生分解率を、OECDガイドラインにより規定されているBOD法にて求めた。その結果、洗浄剤組成物の5日間の生分解率は55%であり、生分解性が高く環境に対して十分に配慮した洗浄剤であることが分かった。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、優れた洗浄力を有し、少量の使用によっても充分な洗浄力を有するので、環境に対して十分に配慮した洗浄料であり、安全性が高く、身体に対しても使用でき、生分解性にも優れた洗浄剤組成物を提供出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】等方性界面活性剤連続相の領域を表す相平衡図である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a cleaning composition. More specifically, it is suitable for washing hair and skin, glassware such as tableware, washing of houses, washing of industrial products, etc., and has excellent detergency and sufficient consideration for environmental impact The agent composition.
[0002]
[Prior art]
Surfactant-type detergents that utilize emulsification, dispersion, solubilization, etc., which are the characteristics of surfactants, have been used mainly for hair and skin, glass such as tableware, and various detergents for residential use. .
[0003]
In addition, some dish cleaners and household cleaners use alkaline agents, and these alkaline cleaners saponify fatty acids generated by the transformation of fats and oils contained in dirt. Soap is produced and washed.
[0004]
On the other hand, an acid-type cleaning agent is used for dirt in a bathroom or the like, and decomposes and cleans fatty acid calcium which is a main component of dirt. Furthermore, a solvent-type cleaning agent using a solvent such as trichloroethylene may be used as a cleaning agent having a special purpose that requires a very high cleaning power in the cleaning of industrial products.
[0005]
Surfactant-type cleaning agents are concerned with the impact of the waste liquid on the environment when a large amount of surfactant is used, and therefore a cleaning agent having a high detergency even with a small amount of surfactant is required. .
In addition, solvent-type cleaning agents have problems of toxicity and adverse effects on the environment. Alkali-type cleaners and acid-type cleaners are dangerous to the skin and eyes, and also have problems such as corroding metals and having a great influence on the environment.
[0006]
On the other hand, Patent Document 1 describes a detergent using an isotropic surfactant continuous phase as a detergent composition having excellent cleaning performance while being of a surfactant type. However, this detergent composition is characterized by using liquid alcohol / liquid fatty acid having 4 to 8 carbon atoms, and such liquid alcohol / liquid fatty acid has a problem in odor.
[0007]
Non-Patent Document 1 describes a technique for generating a surfactant continuous phase using a fatty acid methyl ester α-sulfonic acid calcium salt as a surfactant and mono-2-ethylhexanoic acid glyceride as a cosurfactant. However, in the case of a calcium salt, foaming tends to be reduced among the performance required for the detergent. Further, when a fatty acid derived from fats and oils is included as a soil component, insoluble fatty acid calcium is generated, and the cleaning performance is remarkably lowered. Furthermore, glycerin and mono-2-ethylhexanoic acid are chemically bonded to each other by ester bonds in mono-2-ethylhexanoic acid glycerides, so the ester bonds decompose when stored for a long period of time, resulting in undesirable mono-2-ethylhexanoic acid May cause odor.
[0008]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Application No. 2002-20791
[Non-Patent Document 1]
R. Beck et al. J. Phys. Chem. B 2002, 106, 3336
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
In view of the above-mentioned problems, the present inventors have added a surfactant-type detergent containing a specific component, Isotropic surfactant in continuous phase As a result of the adjustment, it was found that a detergent composition having excellent detergency and sufficiently considering the influence on the environment was obtained, and the present invention was completed.
[0010]
An object of the present invention is to provide a cleaning composition that has an excellent detergency, is safe enough to be used on the body, and has sufficient consideration for the environment.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
That is, this invention contains the following component (A) (B) (C) (D), For glass, ceramics, plastic A detergent composition, wherein the detergent composition is an isotropic surfactant continuous phase at 25 ° C.,
The mass ratio of component (A) to component (B) is in the range of 1: 9 to 9: 1;
The present invention provides a cleaning composition characterized in that the mass ratio of the total mass of components (A) and (B) to the mass of component (C) is in the range of 2: 1 to 1: 3.
(A) Amphoteric surfactant
(B) Anionic surfactant
(C) Mono 2-ethylhexyl glyceryl ether or mono 2-ethylhexanoic acid glyceride
(D) Water
[0014]
The present invention also provides a cleaning composition in which the component (B) is a monovalent alkali metal salt or a triethanolamine salt in the cleaning composition.
[0015]
Furthermore, this invention provides the cleaning composition which contains sodium chloride or potassium chloride in the said cleaning composition further.
[0019]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
[0020]
The amphoteric surfactant of component (A) used in the present invention has at least one cationic functional group and one anionic functional group, becomes cationic when the solution is acidic, and anionic when the solution is alkaline, and has an isoelectric point. In the vicinity, it has a property close to that of a nonionic surfactant.
Amphoteric surfactants are classified into carboxylic acid type, sulfate ester type, sulfonic acid type and phosphate ester type depending on the type of anionic group. Carboxylic acid type, sulfuric acid ester type and sulfonic acid type are preferred. Carboxylic acid types are further classified into amino acid types and betaine types. The betaine type is preferable in the present invention. Specific examples include imidazolinium betaine, alkyl betaine, and amide betaine.
[0021]
Component (B) anionic surfactant used in the present invention includes fatty acid soap, N-acyl glutamate, carboxylate type such as alkyl ether acetic acid, α-olefin sulfonate, alkane sulfonate, alkyl benzene sulfonate, etc. Sulfonic acid type, sulfate ester salt type such as higher alcohol sulfate ester salt, phosphate ester salt type and the like. Carboxylate type, sulfonic acid type and sulfate ester type are preferred, and sulfate ester type is particularly preferred. Specific examples include alkyl ethoxy sulfate salts.
[0022]
Of the sulfonate types, alkylbenzene sulfonic acids include branched-chain alkyl types and straight-chain alkyl types, which are undesirable in terms of environmental impact (biodegradability). Particularly preferred are branched alkylbenzene sulfonates.
[0023]
It is known that the amphoteric surfactant of component (A) and the anionic surfactant of component (B) have a reduced interfacial tension with oil when mixed in an aqueous solution. Interfacial tension is an important factor especially for cleaning oil, and in a solution with low interfacial tension with oil, the oil stain spontaneously becomes spherical and detaches from the base. Are known.
When only one of component (A) or component (B) is used, at 25 ° C Isotropic surfactant continuous phase Even if it is obtained, the interfacial tension is not sufficiently lowered, so that the region is narrow, and the stability may not be sufficiently satisfied in practical use.
A desirable mixing ratio of the amphoteric surfactant of component (A) to the anionic surfactant of component (B) is 9: 1 to 1: 9. When this range is deviated, the interfacial tension is not sufficiently lowered and the cleaning effect may not be sufficient.
[0024]
In the present invention, the amphoteric surfactant of component (A) and the anionic surfactant of component (B) are mixed and used. When mixed in an aqueous solution, the complex is formed by electrostatic interaction between them. And irritation to eyes and skin is greatly reduced.
[0025]
The component (C) used in the present invention is mono 2-ethylhexyl glyceryl ether or mono 2-ethyl hexanoic acid glyceride. These function as a liquid surface active aid at 25 ° C. That is, the 2-ethylhexyl group functions as a lipophilic group. Of the three —OH groups possessed by glycerin, two —OH groups other than the one —blocked by an ester bond or an ether bond of a 2-ethylhexyl group function as hydrophilic groups.
The component (C) changes the hydrophilic-lipophilic balance (HLB) of the system by forming an interface film mixed with the surfactant at a certain ratio. Specifically, the HLB of the anionic / amphoteric surfactant complex, which is a mixture of the component (A) and the component (B) that forms hydrophilic spherical micelles, rod-like micelles, etc., is slightly changed in the lipophilic direction. Therefore, the total amount of the component (A) and the component (B) and the ratio of the component (C) are very important.
When the cleaning agent according to the present invention is diluted with water, the ratio of the total amount of the component (A) and the component (B) and the component (C) is kept constant. Maintained.
[0026]
Of the component (C) of the present invention, mono 2-ethylhexyl glyceryl ether is preferable in terms of stability over time. Mono-2-ethylhexanoic acid glyceride has a lipophilic group and a hydrophilic group bonded through an ester bond, and the ester bond tends to hydrolyze over time, resulting in a slight odor derived from mono-2-ethylhexanoic acid. There is.
[0027]
The cleaning composition of the present invention contains the components (A) to (C) and the water of the component (D) at 25 ° C. Isotropic surfactant continuous phase one phase solution and It is what has become.
An isotropic surfactant continuous phase is a solution in which surfactants are infinitely associated, and means an optically isotropic transparent low-viscosity solution in which both water and oil are continuous. Middle phase microemulsion phase, bicontinuous phase, L Three It is also called a phase, a D phase, etc., and provides an excellent cleaning effect in the present invention. By adopting the composition of the present invention, an isotropic surfactant continuous phase can be stably obtained in a wide composition range (region).
[0028]
The cleaning composition of the present invention is a mixture of the essential components (A), (B), (C) and the water of the component (D), and other components blended in the cleaning agent or cosmetic as necessary. It adds suitably in the range which does not impair the effect of this invention, and is manufactured by a conventional method according to the target dosage form. It is particularly preferable to add sodium chloride and potassium chloride. These are easy to obtain, inexpensive, and balance the hydrophilic-lipophilic balance of the anionic / amphoteric surfactant composite system, which is a hydrophilic surfactant, by the effect of salting out, that is, slightly changing in the direction of lipophilicity. As a result, the compounding amount of mono-2-ethylhexyl glyceryl ether and mono 2-ethylhexanoic acid glyceride can be reduced, which is a desirable additive.
In the present invention, the cleaning composition which is one phase of the isotropic surfactant can be specifically produced by the following steps.
The final cleaning composition to which the above essential components and other blending components have been added is placed in a screw test tube (sample), shaken vigorously, and left in a constant temperature water bath at 25 ° C. Visually confirm that the composition solution is in one phase. The “single phase state” means that the entire solution is uniform and transparent (first determin step).
Thereafter, it is confirmed that the sample has a low viscosity by gently shaking the screw test tube. When the test tube is turned upside down, if the solution does not immediately fall to the screw mouth side or gels and the solution hardly moves, there is a possibility that it is a liquid crystal phase. In particular, when it is completely gelled, it is a cubic liquid crystal phase, so it is not the one-phase region of the isotropic surfactant of the present invention (second determin step).
Further, the cleaning composition solution is held while combining two polarizing plates with a phase difference of 90 degrees, and it is confirmed that there is no light transmission. When light is transmitted, it is a lamellar liquid crystal phase or a hexagonal liquid crystal phase, and is not a one-phase region of the isotropic surfactant of the present invention (third determin step).
Finally, the electrical conductivity of the composition solution is measured. It is known that the electrical conductivity of a one-phase solution of an isotropic surfactant is about 2/3 of the value of an aqueous micelle solution produced in the same system. Further, the reverse micelle oil solution does not have electrical conductivity. When preparing an aqueous micelle solution produced in the same system, the mono-ethylhexyl glyceryl ether and mono-2-ethylhexanoic acid glyceride as component (C) are extracted without exception. Since the (A) component and the (B) component used in the present invention are ionic and highly hydrophilic, the solution composed of the water of the (A) component, the (B) component, and the (D) component is a micellar aqueous solution. That is obvious. In rare cases, crystals may precipitate, such as when the chain length of the hydrophobic group of component (A) and / or component (B) is long. In such a case, even when the component (C) is further added, one phase of the isotropic surfactant is not generated, and thus the obtained solution is not the one-phase solution of the isotropic surfactant of the present invention. .
That is, the isotropic surfactant continuous phase is an optically isotropic and transparent low-viscosity one-phase region, and if the above steps can be confirmed, the one-phase region of the isotropic surfactant continuous phase of the present invention Can be confirmed.
[0029]
Also, Isotropic surfactant continuous phase in one phase region In order to produce the resulting cleaning composition, the blending amounts of the essential components (A) to (D) can be determined simply by creating a phase diagram as shown in FIG.
FIG. 1 shows that (A) amphoteric surfactant is 2-alkyl-N-carboxymethyl-N-
L 1 Is the micellar aqueous phase, L α Represents a lamellar liquid crystal phase, D represents an isotropic surfactant continuous phase, and O represents an oil phase (excess mono 2-ethylhexanoic acid glyceride phase). The present invention provides D at 25 ° C. 1 phase region where (isotropic surfactant continuous phase) exists It is.
That is, 5% by mass of 2-alkyl-N-carboxymethyl-N-hydroxyethylimidazolinium betaine, (B) 5% by mass of polyoxyethylene (1.5 mol) potassium lauryl ether sulfate as an anionic surfactant, (C) mono The composition range in which 2-ethylhexanoic acid glyceride is 11.3 to 22.5% by mass and (D) water is the remaining amount is the present invention.
This figure is created by the following method.
1: First, the components (A), (B), (C), and (D) are weighed into a screw test tube, shaken vigorously, and then left in a constant temperature bath to observe the state of the solution. . If it is clear and completely transparent, it is one phase. If turbidity is present, leave it for a longer period of time and wait for separation of each phase. When phase separation is complete, all of the existing phases are transparent. In rare cases, when the phase separation is very slow and there is a concern about deterioration of components, a centrifugal separator is used. In this case, it is necessary to use a type capable of temperature control.
2: Next, when the solution is one phase, there is a possibility of an isotropic surfactant continuous phase, a micellar aqueous solution phase, a lamellar liquid crystal phase, and the like, and therefore, which phase is determined. The determination method uses the methods such as determination by viscosity, optical isotropy (anisotropy), and conductivity measurement described in the above paragraph “0028”.
3: When the solution is in a multiphase coexistence state, the optical isotropy (anisotropy) of each phase is confirmed after complete phase separation. One of the coexisting phases is a phase in the adjacent one-phase region. To ensure confirmation, prepare several solutions in which the composition of the solution is gradually changed toward the adjacent one-phase region. Of the multi-phase coexisting solution, the volume occupied by the total solution of the phase gradually increases. It can be confirmed from the fact that it finally increases to one phase. In addition, it is possible to check from the position of each phase in the test tube in consideration of the specific gravity. The isotropic surfactant phase of the present invention usually has a lower specific gravity than the aqueous phase and the aqueous micelle aqueous phase, and is usually lighter than the oil phase (excess mono-2-ethylhexanoic acid glyceride) and the reverse micelle oil solution phase. It is. The specific gravity of the isotropic surfactant phase and the lamellar liquid crystal phase is close, but both can be distinguished by optical isotropy.
4: According to the above procedure, a large number of solutions are prepared, phases appearing in each composition are identified, and regions are determined.
5: Next, the phase diagram is completed by changing the temperature of the thermostatic water tank and repeatedly specifying the region.
6: When the blending amounts of (A) and (B) are different from the above, a phase diagram can be prepared in exactly the same manner as in FIG. From the figure, it is possible to easily manufacture the cleaning composition of the present invention by determining the blending range of (C).
For example, when arbitrary (A) and (B) are selected, and a cleaning composition is manufactured such that (A) :( B) = 7: 3 according to the cleaning ability of the target product First, the respective blending amounts are determined so that (A) :( B) = 7: 3. Then, a phase diagram is created in the same manner as when FIG. 1 is created, and the range that (C) can take is determined. Using it as a basic formulation, add other ingredients, and at 25 ° C, Isotropic surfactant continuous phase one phase region Check.
[0030]
The isotropic surfactant continuous phase, which is a requirement of the present invention, is in a thermodynamic equilibrium state and is generated regardless of the order of addition. Therefore, any order of addition can be produced. However, in order to reach the equilibrium state most promptly, after mixing water, a surfactant, a salt and a water-soluble substance, the mono-2-ethylhexyl glyceryl ether and the mono-2-ethylhexanoic acid glyceride are gradually stirred. It is desirable to attach. In particular, when mono-2-ethylhexyl glyceryl ether or mono-2-ethylhexanoic acid glyceride is added, a lamellar liquid crystal phase having a relatively high viscosity is produced, and then an isotropic surfactant continuous phase is produced. It is desirable to add gradually using a strong stirring force.
[0031]
Whether or not the detergent composition containing the components (A) to (D) is an isotropic surfactant continuous phase is determined by (1) determination by appearance, (2) creation of a phase equilibrium diagram, (3) It can be determined by measuring electrical conductivity, (4) measuring the self-diffusion coefficient by NMR, (5) observing a replica prepared using the freeze fracture method, and the like. It may be determined by any method.
(1) In the determination by appearance, the isotropic surfactant continuous phase is a transparent low-viscosity one-phase region and is optically isotropic. The optically anisotropic liquid crystal phase can be distinguished by holding the sample while combining two polarizing plates with a phase difference of 90 degrees and confirming that there is no light transmission. The methods (2) to (5) are further effective for distinguishing between the isotropic surfactant continuous phase and the other micelle aqueous solution and reverse micelle oil solution which are other isotropic one-phase regions.
(2) In creating a phase equilibrium diagram, creating a three-component phase equilibrium diagram composed of water / oil / surfactant (surfactant includes cosurfactant surfactant) isotropic. It can be identified by having features such as a low-viscosity, low-viscosity, one-phase region, and a region that is not continuous from either water or oil, but this feature varies depending on the system (component) .
(3) In electrical conductivity measurement, it is known that the electrical conductivity of the isotropic surfactant continuous phase takes about 2/3 of the aqueous micelle phase obtained in the same system.
(4) The measurement of self-diffusion coefficient by NMR is a method described in detail by Lindman et al. In J. Colloid Interface Sci. 1981, 83, 569 and the like.
(5) According to an electron microscope observation of an isotropic surfactant continuous phase sample prepared using a freeze fracture method, an image in which both water and oil are continuous can be obtained. According to this image, water or oil can be easily distinguished from a spherical aggregate image obtained in a continuous micelle aqueous solution phase. This method is described in detail in the colloid polym. Sci. 1994, 272, 604 by Imae et al.
[0032]
Various components to be blended in the present invention are required to have good biodegradability with little influence on the environment. In the case of an alkyl group, those having a double bond have the best biodegradability, followed by linear alkyl. Among the straight-chain types, those having a short alkyl chain length are considered good. Branched alkyls are not considered biodegradable. Also, the benzene ring has a problem in biodegradability. A highly biodegradable material that has little environmental impact is desirable. The method for obtaining the degradation rate (biodegradation rate) by microorganisms is defined by the OECD Guidelines (Economic Cooperation Development Organization). Actually, TOD (Theological Oxygen Demand) obtained by theoretically calculating the amount of oxygen consumed by aerobic decomposition (BOD: Biological Oxygen Demand) from the chemical structure of the cleaning agent due to the activated mud rich in aerobic bacteria Calculated by dividing by the theoretical oxygen demand). Both the branched alkylbenzene sulfonate and the linear alkylbenzene sulfonate, which are considered to have problems in biodegradability, have a 5-day biodegradation rate of less than 5%.
The cleaning composition of the present invention is a five-day cleaning composition based on the BOD (Biological Oxygen Demand) method described in the OECD Guidelines (Chemical Substance Testing Method 301C) with due consideration for the environment. The biodegradation rate is preferably 50% or more.
[0033]
The cleaning composition of the present invention comprises: As glass cleaner, ceramic cleaner, plastic cleaner, contact lens cleaner, tableware cleaner, container cleaner, industrial cleaner Preferably used.
[0034]
【Example】
Next, the present invention will be described in more detail with reference to examples. Note that the present invention is not limited to this. A compounding quantity represents the mass%.
[0035]
In order to confirm the cleaning effect of the cleaning composition of the present invention, the following cleaning effect test was performed.
"Creating artificial dirt"
Artificial dirt 1: Vaseline is used as it is
Artificial dirt 2: Vaseline and stearic acid are mixed at a ratio of 1: 1 at 80 ° C and naturally cooled.
"Cleaning effect evaluation method"
An area of 2 cm × 2 cm was set in advance on a slide glass for microscopic observation, and 0.1 g of artificial dirt was uniformly applied. Dilute the cleaning solution with ion-exchanged water to a constant surfactant concentration, fill it in a 200 ml beaker, gently immerse the slide glass coated with artificial dirt in the cleaning solution, gently lift it after 5 minutes, and immediately on the glass The amount of remaining artificial dirt was visually determined.
Criteria for cleaning effect
A: Artificial dirt remaining amount is 5% or less
○: Residual amount of artificial dirt is 20% or less
Δ: Residual amount of artificial dirt is 50% or less
X: Artificial dirt remaining amount exceeds 50%
In order to confirm the presence or absence of the odor of this cleaning composition, the odor was determined by a specialized panel.
"Odor" criteria
○: Odor is hardly recognized
Δ: Smell is observed
×: Strong odor
In order to confirm the foaming characteristics of this cleaning agent, the visual evaluation of foaming was performed. 50 ml of the sample was taken in a 100 ml screw tube and shaken vigorously three times. The state of the foam after 5 minutes was visually confirmed.
Criteria for “foaming”
○: Bubbles are observed
Δ: Slight bubbles are observed
×: No bubbles are observed
[0036]
In each table, the cleaning effect evaluation results and the odor evaluation results for the cleaning compositions diluted 10-fold and 100-fold respectively in Examples and Comparative Examples, Examples and / or Comparative Examples are shown.
[0037]
[Table 1]
───────────────────────────────────
Ingredients Example 1 Example 2 Comparative Example 1
───────────────────────────────────
Palm Fatty
POE (3 mol) lauryl ether sulfate Na 5 5 5
2-
2-Ethylhexanoic acid glyceride-15-
Ion exchange water Residual Residual Residual
───────────────────────────────────
Cleaning effect test (artificial dirt 1)
10% pure surfactant by weight ◎ ◎ ○
Surfactant 1% by weight: 10 times dilution ◎ ◎ ○
Surfactant purity 0.1% by weight: 100 times dilution ○ ○ ×
───────────────────────────────────
Stability (40 ° C, after 1 month)
Odor ○ △ ○
───────────────────────────────────
Manufacturing method: Each component is added to water and stirred.
[0038]
From the results of “Table 1”, it can be seen that the cleaning compositions of Examples 1 and 2 are excellent cleaning agents having a high cleaning effect even when the surfactant during dilution has a low concentration. Further, it can be seen that Example 1 has better odor stability after long-term storage than Example 2.
[0039]
[Table 2]
Manufacturing method: Each component is added to water and stirred.
[0040]
From the results of “Table 2”, the cleaning composition of Example 3 has a high cleaning effect even when the surfactant at the time of dilution is at a low concentration and when the soil contains a fatty acid, It can be seen that this is an excellent cleaning agent with good foaming.
[0041]
[Table 3]
────────────────────────────────
Ingredients Example 4 Comparative Example 3
────────────────────────────────
Lauryldimethylaminoacetic acid betaine 22
N-lauryl-L-glutamate Na 8 8
2-Ethylhexyl glyceryl ether 8-
1-Hexanol-5
Sodium chloride 0.5 0.5
Ion exchange water Residual Residual
────────────────────────────────
Cleaning effect test (artificial dirt 1)
10% pure surfactant by weight ◎ ◎
Surfactant 1% by weight: 10-fold dilution ◎ ◎
Surfactant 0.1% by weight: 100-fold dilution ○ ○
────────────────────────────────
Odor ○ ×
────────────────────────────────
Manufacturing method: Each component is added to water and stirred.
[0042]
From the results in Table 3, it can be seen that the cleaning composition of Example 4 is an excellent cleaning agent having a high cleaning effect even when the surfactant at the time of dilution is at a low concentration.
[0043]
[Table 4]
Manufacturing method: Each component is added to water and stirred.
[0044]
From the results of “Table 4”, it can be seen that the detergent composition of Example 5 is an excellent detergent having a high cleaning effect even when the surfactant upon dilution has a low concentration.
[0045]
[Table 5]
─────────────────────────
Ingredients Example 6
─────────────────────────
2-Alkyl-N-carboxymethyl 6
-N-hydroxyethylimidazolium betaine
Lauryl ether (POE2 mol) potassium acetate 4
2-
Ion exchange water
─────────────────────────
Cleaning effect test (artificial dirt 1)
10% pure surfactant by weight ◎
Surfactant 1% by weight: 10-fold dilution ◎
Surfactant 0.1% by weight: 100 times dilution ○
─────────────────────────
Manufacturing method: Each component is added to water and stirred.
[0046]
From the results of “Table 5”, it can be seen that the detergent composition of Example 6 is an excellent detergent having a high cleaning effect even when the surfactant at the time of dilution is at a low concentration.
[0047]
[Table 6]
Manufacturing method: Each component is added to water and stirred.
[0048]
From the results of “Table 6”, it can be seen that the cleaning composition of Example 7 is an excellent cleaning agent having a high cleaning effect even when the surfactant upon dilution has a low concentration.
[0049]
"Biodegradation rate"
The biodegradation rate of the cleaning composition of Example 6 was determined by the BOD method defined by the OECD guidelines. As a result, it was found that the 5-day biodegradation rate of the cleaning composition was 55%, and the cleaning composition was highly biodegradable and sufficiently considered for the environment.
[0050]
【The invention's effect】
According to the present invention, it has excellent detergency and has sufficient detergency even with a small amount of use. A cleaning composition that can be used and has excellent biodegradability can be provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a phase equilibrium diagram showing a region of an isotropic surfactant continuous phase.
Claims (4)
成分(A)と成分(B)との質量比が1:9〜9:1の範囲であり、
成分(A)及び(B)の合計質量と成分(C)の質量との質量比が2:1〜1:3の範囲であることを特徴とする洗浄剤組成物。
(A)両性界面活性剤
(B)アニオン界面活性剤
(C)モノ2-エチルヘキシルグリセリルエーテルまたはモノ2-エチルヘキサン酸グリセリド
(D)水A cleaning composition for glass, ceramics, and plastics containing the following components (A), (B), (C), and (D), wherein the cleaning composition is an isotropic surfactant at 25 ° C. A continuous phase,
The mass ratio of component (A) to component (B) is in the range of 1: 9 to 9: 1;
A cleaning composition, wherein the mass ratio of the total mass of components (A) and (B) to the mass of component (C) is in the range of 2: 1 to 1: 3.
(A) amphoteric surfactant (B) anionic surfactant (C) mono-2-ethylhexyl glyceryl ether or mono-2-ethylhexanoic acid glyceride (D) water
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