JP4246301B2 - Four-wheel drive device for vehicle - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用4輪駆動装置のドライブトレーンに関し、より詳しくは、駆動力を前輪と後輪とへ配分する動力配分装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両用4輪駆動装置の動力配分装置においては、差動歯車装置に差動制限装置を組み合わせたものが数多く提案されている。
【0003】
しかしながら、差動歯車装置に差動制限装置を組み合わせた動力配分装置(センターディファレンシャル装置)は、一般に、構造が複雑化してコスト高なものとなるため、これに対処し、例えば特公昭48−3971号公報には、遊星歯車式の差動歯車装置にワンウェイクラッチを備えた多出力路トルク伝達装置(駆動力伝達装置)が開示されている。この技術によれば、複雑な差動制限装置を用いることなく、前進走行時において、前輪が後輪よりもかなり早く回転することを許容するとともに、後輪は前輪よりも予め定められた僅かな値(タイヤの有効半径の差を補正するために必要な値)だけしか早く回ることのできないよう、前後輪を差動制限することができる。また、この多出力路トルク伝達装置は、前輪出力軸系にワンウェイクラッチを有し、後退走行時にはこのワンウェイクラッチを弱く締結することによって、旋回時のタイトコーナーブレーキング現象を防止している。
【0004】
また、フルタイム4WDの動力配分装置においては、トランスファーのベベルギヤ軸上に前進用と後退用のワンウェイクラッチを配設し、ワンウェイクラッチのアウターレース外周のスプラインにスリーブが選択的に結合自在な構成とすることにより、差動歯車装置による前進、後退時の差動を一方向のみに制限する技術が実用化されている。
【0005】
一方で、差動歯車装置を用いたフルタイム4WDの動力配分装置は重量、コスト、サイズ等の点で不利なものとなり、さらに、差動制限装置としてデフロック機構を追加すると装置全体の複雑化を招くことから、例えば、実開昭61−81428号公報には、一端側がエンジンの出力軸に変速機を介して連結されると共に他端側が非操舵輪に連結される非操舵輪出力軸と、この非操舵輪出力軸と並設され且つ操舵輪に連結される操舵輪出力軸と、この操舵輪出力軸と前記非操舵輪出力軸とに組み付けられて前記非操舵輪出力軸からの駆動力を当該操舵輪出力軸に伝達させ得る出力軸連結手段とを備え、この出力軸連結手段には軸受を介して回転自在に支持されていると共に前記操舵輪の前進回転を許容する一方向クラッチ(ワンウェイクラッチ)と、この一方向クラッチを前記非操舵輪出力軸と一体化させ得るクラッチ操作手段とが付設されている4輪駆動用動力伝達装置が開示されている。そして、この4輪駆動用動力伝達装置では、旋回時に前輪と後輪とに回転差が発生すると自動的にタイトコーナーブレーキング現象を回避するようになっている。
【0006】
また、特開平3−217333号公報には、前輪の回転が後輪の回転よりも遅いときには前輪駆動軸を後輪駆動軸に直結し、前輪の回転が後輪の回転よりも早いときには非直結するワンウェイクラッチと、前後輪の駆動軸間に介在されこれらの駆動軸が直結されたときに前後輪の回転数差を吸収する差動制限機構とを備えた4輪駆動装置が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記各技術においては、以下のような問題点を有する。
先ず、上記特公昭48−3971号公報に記載の技術では、直進走行時において、後輪がスリップして、予め設定した前輪駆動系の歯数比よりも多くスリップすればワンウェイクラッチはロックし前後輪を係合して直結4WDの状態になるものである。従って、このセンターディファレンション装置は、前後輪のスリップに応じてデフロックされるが、車両の重量配分、車両諸元、タイヤの有効半径のばらつきや摩耗及び空気圧の変化、パンク、テンパータイヤ装着時等様々な条件を考慮しながら、前後輪に強制的に回転差を与えるための歯数差を設定する必要があり、さらに、乗用車、トラック或いは、前輪駆動ベースの4WDか後輪駆動ベースの4WDか等に応じて歯数差を固有に設定する必要がある。
【0008】
また、滑りやすい坂道を登坂走行する場合には、車輪が所定のスリップをするまでデフロックしないため、後輪が横に流れたり、車体がいわゆる尻振りを起こし、走行性が著しく低下する虞がある。
【0009】
また、旋回走行時においては、前後輪の回転差が予め設定した旋回半径による回転差だけスリップしないとデフロックしない。従って、センタデフがフリーの状態で旋回のターンインに入り後輪がスリップしないとデフロック、すなわち直結4WDにならず、特にモータスポーツに適用した場合、走破性が低下したり、アクセル・ワークに応じた円滑な旋回性(回頭性)や操舵安定性を得ることができない等の不都合が生じる。
【0010】
また、後退走行時(リバース走行時)においては、ワンウェイクラッチがロックされて直結4WDとなるため、旋回時には油圧クラッチの作動圧を弱くしてタイトコーナーブレーキング現象を防止している。このため、牽引時や、高負荷走行時に充分なトラクションを得られない虞がある。
【0011】
次に、トランスファーのベベルギヤ軸上に前進用と後退用のワンウェイクラッチを配設した動力配分装置の技術においては、上述の特公昭48−3971号公報に記載の技術と同様に、タイヤの有効半径や重量配分等によっては直進走行時に前輪と後輪の駆動系に内部循環トルクが発生し、伝達効率や燃費性能が悪化する原因となる。
【0012】
また、モータスポーツ等に適用するには、旋回時の回頭性が好ましくなく、コーナーイン時に旋回のきっかけが掴めない等の不都合がある。
【0013】
次に、実開昭61−81428号公報に記載の技術においては、4WD走行時に、前輪と後輪との間に回転差が生じたとき、ワンウェイクラッチにより自動的に2輪駆動に切り換える機構であるため、場合によっては走破性の低下やトラクションの不足等が発生することがある。
【0014】
また、直進走行時には、上述の各技術と同様に、タイヤ有効半径のばらつきやタイヤ空気圧のばらつき、重量配分等によっては前後輪間に内部循環トルクが発生し、伝達効率や燃費の低下を引き起こす原因となる。
【0015】
次に、特開平3−217333号公報に記載の技術においても、前後のタイヤの有効半径に差が生じる等して前後輪の回転差の関係が前輪<後輪となると、ワンウェイクラッチが常時直結状態となり、上述の各技術と同様に、前後輪間に内部循環トルクが発生し、伝達効率や燃費の低下を引き起こす原因となる。
【0016】
また、各タイヤの空気圧が著しく異なる場合や有効半径の異なる前輪と後輪とを誤って装着した場合等に連続走行をすると、駆動系の部材、例えばハイポイドギヤ等に損傷が生じる虞がある。
【0017】
さらに、後退時にはワンウェイクラッチが係合するため、旋回する際には前後輪の旋回半径の差からタイトコーナーブレーキング現象が生じてしまう。
【0018】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、スポーツ走行に相応しい旋回性能を有し、しかも伝達効率やトラクション性能が高く、軽量且つコンパクトな車両用4輪駆動装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、第1の発明による車両用4輪駆動装置は、変速機構の出力軸から出力される動力を前輪駆動系と後輪駆動系とに配分可能な動力配分装置と、上記動力配分装置を制御する動力配分制御装置と、を備えた車両用4輪駆動装置であって、上記動力配分装置を、上記出力軸に設けられ、上記前輪駆動系と上記出力軸とを係合自在な第1のクラッチと、上記出力軸に設けられ、上記後輪駆動系の回転速度が上記前輪駆動系の回転速度よりも大きいときのみ動力伝達可能なワンウェイクラッチを介して、上記前輪駆動系と上記出力軸とを係合自在な第2のクラッチと、を備えるとともに、上記出力軸と上記後輪駆動系とを直結して構成し、上記動力配分制御装置は、少なくとも車両の走行状態と路面状況に応じて、上記第1のクラッチと上記第2のクラッチの係合を可変制御することを特徴とする。
【0020】
また、第2の発明による車両用4輪駆動装置は、上記第1の発明において、上記動力配分制御装置は、少なくとも、前輪回転速度と、後輪回転速度と、エンジン出力と、変速機構のギヤポジションと、転舵量と、に基づいて、上記第1のクラッチと上記第2のクラッチの係合を可変制御することを特徴とする。
【0021】
また、第3の発明による車両用4輪駆動装置は、上記第1または第2の発明において、上記動力配分制御装置は、少なくとも、各車輪が予め設定した範囲内で適正な状態での前進走行時には、上記第2のクラッチを係合制御するとともに、上記第1のクラッチを必要に応じて係合制御することを特徴とする。
【0022】
また、第4の発明による車両用4輪駆動装置は、上記第1乃至第3の発明の何れかにおいて、上記動力配分制御装置は、後退走行時には、上記第2のクラッチを解放制御するとともに、上記第1のクラッチを必要に応じてスリップ制御することを特徴とする。
【0023】
また、第5の発明による車両用4輪駆動装置は、上記第1乃至第4の発明の何れかにおいて、上記動力配分制御装置は、各車輪が予め設定した範囲外の状態となったとき、第2のクラッチを解放制御するとともに、上記第1のクラッチを必要に応じてスリップ制御することを特徴とする。
【0024】
また、第6の発明による車両用4輪駆動装置は、上記第1乃至第5の発明の何れかにおいて、上記第1のクラッチと上記第2のクラッチは同一のクラッチドラム内に連ねて配設された油圧多板式のクラッチであって、上記第1のクラッチを上記クラッチドラム内の一端側に配設するとともに、上記第2のクラッチを同一クラッチドラム内における上記第1のクラッチよりも他端寄りに配設し、さらに、上記第1のクラッチに対応する第1のピストンを上記クラッチドラム内の他端側に配設して上記クラッチドラムと上記第1のピストンとの間に該第1のピストンを作動させるための第1の油圧室を形成するとともに、上記第2のクラッチに対応する第2のピストンを上記クラッチドラム内における上記第1のピストンよりも一端寄りに配設して上記第1のピストンと上記第2のピストンとの間に該第2のピストンを作動させるための第2の油圧室を形成し、上記第1のピストンの作動を上記第1のクラッチに伝達するためのプレッシャピンを上記第2のクラッチを構成するドリブンプレート及びリテーニングプレートを貫通して上記第1のクラッチに臨ませるとともに、上記第2のピストンの作動を上記第2のクラッチに伝達するためのプレッシャピンを上記第2のクラッチに臨ませたことを特徴とする。
【0025】
また、第7の発明による車両用4輪駆動装置は、上記第1乃至第6の発明において、上記前輪駆動系の終減速比と上記後輪駆動系の終減速比とを異なるギヤ比に設定し、直進走行時には前輪回転速度が後輪回転速度よりも大きくなるよう設定したことを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図面は本発明の実施の一形態に係わり、図1は車両用4輪駆動装置の概略を示す平面図、図2は4輪駆動車用手動変速機の要部を示すスケルトン図、図3は動力配分装置の要部を示すスケルトン図、図4は動力配分装置の要部断面図、図5はワンウェイクラッチの要部断面図、図6は車両用4輪駆動装置の全体の概略構成を示す説明図、図7は油圧制御装置の構成図、図8は代表的な走行状態におけるクラッチの状態を示す図表、である。
【0027】
本車両用4輪駆動装置のドライブトレーンについて説明すると、図1の(a)に配置平面図を示すように、4輪駆動車用手動変速機1が車両前方に縦置き配置されるエンジン10に一体的に接合されて、前輪3に動力伝達すると共に、プロペラ軸4及びリヤディファレンシャル装置5等を介して後輪6に動力伝達するように、或いは同図(b)に示すように、車両後方に縦置き配置されるエンジン10に手動変速機1を接合して後輪6に動力伝達すると共にプロペラ軸4及びフロントディファレンシャル装置7等を介して前輪3に動力伝達するように構成されている。
【0028】
ここで、本実施の形態では前者である車両前方にエンジン10と共に手動変速機1を配置する場合であって、また、前輪3側のファイナルギヤの終減速比と後輪6側のファイナルギヤの終減速比とが等しく、且つ、前後輪の有効半径が等しい場合を例に説明する。
【0029】
図2において、上記手動変速機1について説明すると、符号10は縦置きエンジンであり、縦置きエンジン10に接合されてクラッチ20を収容するクラッチケース12、このクラッチケース12の後方に一方の駆動系を構成するフロントディファレンシャル装置30を収容するディファレンシャルハウジング13、このディファレンシャルハウジング13の後方に手動変速歯車機構40を収容するメインケース14及びメインケース14の後方に位置して動力配分装置50を収容するエクステンションケース15が順次接合されてトランスミッションケース16を形成している。
【0030】
縦置きエンジン10のクランク軸11がクラッチケース12内部のクラッチ20に連結し、クラッチ20に連結する入力軸21がメインケース14内部の手動変速歯車機構40の出力軸41及びカウンタ軸42にクランク軸11からの動力を伝動構成する。
【0031】
そして手動変速歯車機構40で変速した動力を入力軸21と同軸芯上に配置した出力軸41に出力し、出力軸41からの出力をエクステンションケース15内部の動力配分装置50に入力し、動力配分装置50によってフロントディファレンシャル装置30を介して前輪3に伝動構成する一方、プロペラ軸4及び他方の駆動系を構成するリヤディファレンシャル装置5等を介して後輪6に伝動構成される。
【0032】
上記クラッチ20はエンジン10のクランク軸11に一体的に結合されたフライホイール22、フライホイール22に一体的に結合されたクラッチカバー23及びこれらと一体に回転して入力軸21に沿って移動自在なプレッシャプレート24からなる駆動側と、その間にあって入力軸21に摺動自在にスプライン嵌合するクラッチディスク25の被動側とから成り、プレッシャプレート24はばね力により常時クラッチディスク25をフライホイール22に圧着し、その摩擦力によりクランク軸11からの回転力を入力軸21に伝達する。
【0033】
クラッチ20を切るときはレリーズフォーク(図示せず)によりレリーズベアリング27を押し込み、プレッシャプレート24をフライホイール22から離間することによって行われる。
【0034】
入力軸21は前端がフライホイール22にパイロットベアリングを介して、また後部がベアリングを介してメインケース14に回転自在に支持され、入力軸21の後端に設けられた入力ドライブギヤ29と手動変速歯車機構40のカウンタ軸42の前端に設けたカウンタドリブンギヤ43とを噛合することにより入力軸21から手動変速歯車機構40に伝動構成される。
【0035】
手動変速歯車機構40は入力軸21と同一軸芯上で前端が入力軸21の後端に回転自在に支持され、かつ後端がメインケース14に回転自在に支持される出力軸41及び、出力軸41の下方でかつ出力軸41と平行配置されるカウンタ軸42を有し、カウンタ軸42はベアリングを介して前端及び後端が各々メインケース14に回転自在に支持されている。
【0036】
カウンタ軸42は、その軸芯に沿って貫通する中空状であって前記カウンタドリブンギヤ43側から順に3速ドライブギヤ44c、2速ドライブギヤ44b、1速ドライブギヤ44a及びリバースドライブギヤ44fが一体に形成され、さらに、リバースドライブギヤ44fの後方には5速ドライブギヤ44eがスプライン嵌合している。
【0037】
一方、出力軸41には3速ドライブギヤ44c、2速ドライブギヤ44b、1速ドライブギヤ44a及び5速ドライブギヤ44eに各々常時噛合する3速ドリブンギヤ45c、2速ドリブンギヤ45b、1速ドリブンギヤ45a及び5速ドリブンギヤ45eが各々二−ドルベアリングを介して回転自在に装着され、更に1速ドリブンギヤ45aと5速ドリブンギヤ45eとの間にはニードルベアリングを介してリバースドリブンギヤ45fが回転自在に装着されている。
【0038】
ここでカウンタ軸42に設けられる各ドライブギヤは1速ドライブギヤ44a、2速ドライブギヤ44b、3速ドライブギヤ44c、5速ドライブギヤ44eの順で次第に大径に形成され、出力軸41上に設けられる各ドリブンギヤは逆に5速ドリブンギヤ45e、3速ドリブンギヤ45c、2速ドリブンギヤ45b、1速ドリブンギヤ45aの順で次第に大径になるように形成されている。
【0039】
またリバースドライブギヤ44fはメインケース14に設けられた壁部と軸受部との間に配置されたアイドラ軸46に回転自在に軸支されるリバースアイドラーギヤ46fに噛み合い、かつリバースアイドラーギヤ46fは出力軸41上に配設される上記リバースドリブンギヤ45fと噛合し、リバースドライブギヤ44fとリバースドリブンギヤ45fとを同回転方向に連動するように構成されている。
【0040】
出力軸41上における2速ドリブンギヤ45bと1速ドリブンギヤ45aとの間には、出力軸41に回転自在に軸支される1速ドリブンギヤ45aと2速ドリブンギヤ45bとを選択的に出力軸41に動力伝達可能に連結する1、2速用の第1同期装置47が配置されている。
【0041】
そしてセレクタによりスリーブをニュートラル状態から後方へ移動させることにより第1同期装置47を介して1速ドリブンギヤ45aが出力軸41の回転に同期した後、出力軸41に動力伝達可能に連結して入力軸21から入力ドライブギヤ29、カウンタドリブンギヤ43を介してカウンタ軸42に入力された動力が1速ドライブギヤ44a及び1速ドリブンギヤ45aの歯数に従って1速段に相応して減速されて出力軸41に、或いは逆に出力軸41から1速ドリブンギヤ45a、1速ドライブギヤ44aを介してカウンタ軸42、カウンタドリブンギヤ43、入力ドライブギヤ29を経て入力軸21へ伝動構成される。またニュートラル状態に復帰させることにより出力軸41と1速ドリブンギヤ45aとの連結が解除される。一方第1同期装置47のスリーブを前方へ移動することにより2速ドリブンギヤ45bがカウンタ軸42と同期した後、出力軸41に連結されて2速ドライブギヤ44b及び2速ドリブンギヤ45bの歯数に相応した2速段が得られる。
【0042】
入力軸21の後端に設けられる入力ドライブギヤ29と3速ドリブンギヤ45cとの間には、3、4速用の第2同期装置48が介装され、この第2同期装置48のスリーブを後方へ移動させることにより3速ドリブンギヤ45cが出力軸41の回転に同期した後、出力軸41に動力伝達可能に連結して3速ドライブギヤ44c及び3速ドリブンギヤ45cの歯数に相応した3速段が得られる。一方第2同期装置48のスリーブを前方へ移動することにより入力軸21と出力軸41の回転が同期した後、入力軸21と出力軸41が動力伝達可能に連結して入力軸21と出力軸41とが直結状態の直結段用噛み合い機構として機能して4速段が得られる。
【0043】
更にリバースドリブンギヤ45fと5速ドリブンギヤ45eとの間には、第3同期装置49が介装され、この第3同期装置49のスリーブを後方に移動することにより5速ドリブンギヤ45eが出力軸41の回転に同期した後、出力軸41に動力伝達可能に連結して5速ドライブギヤ44e及び5速ドリブンギヤ45eの歯数に相応じた5速段が得られる。一方第3同期装置49のスリーブを前方に移動することによりリバースドリブンギヤ45fが出力軸41の回転に同期した後、出力軸41に動力伝達可能に連結して、リバースドリブンギヤ45fとリバースドリブンギヤ45fがリバースアイドラーギヤ46fを介して動力伝達可能に噛合する後退段が得られる。
【0044】
中空状に形成されるカウンタ軸42内には、フロントドライブ軸31が貫通し、フロントドライブ軸31の前端にフロントディファレンシャル装置30のファイナルギヤ、例えばハイポイドギヤ32と常時噛み合うピニオン部31aが形成され、先端部はテーパベアリングを介在して、後端部はベアリングを介在して各々メインケース14の前端及び後端に回転自在に軸支されている。
【0045】
次に、トランスミッションケース16の後部、即ちエクステンションケース15内部の動力配分装置50は、エクステンションケース15内に延長された出力軸41と、この出力軸41と同軸上で回動自在なクラッチドラム51と、該クラッチドラム51内部に配設され出力軸41とクラッチドラム51とを係合自在な第1のクラッチ52と、出力軸41上に設けられたワンウェイクラッチ53と、クラッチドラム51内部に第1のクラッチ52と連なって配設されクラッチドラム51とワンウェイクラッチ53とを係合自在な第2のクラッチ54とを備えて構成されている。
【0046】
上記出力軸41はエクステンションケース15の外部でプロペラシャフト4に連結されていて、該プロペラシャフト4、リヤディファレンシャル装置5を介して後輪6,6に動力を伝達するようになっている。
【0047】
また、クラッチドラム51にはトランスファドライブギヤ51aが設けられ、このトランスファドライブギヤ51aはフロントドライブ軸31に設けられたトランスファドリブンギヤ31bに常時噛合されている。そして、第1,第2のクラッチ52,54のうち少なくともどちらか一方が係合されて動力が出力軸41からクラッチドラム51に配分されると、このクラッチドラム51に配分された動力はフロントドライブ軸31、フロントディファレンシャル装置7を介して前輪3,3に伝達されるようになっている。
【0048】
ここで、上記ワンウェイクラッチ53は、第2のクラッチ54の係合時において、出力軸41の回転数がクラッチドラム51の回転数よりも大きいときロックして出力軸41の動力をクラッチドラム51に伝達し、出力軸41の回転数がクラッチドラム51の回転数よりも小さいときフリーとなるものである。
【0049】
次に、上記動力配分装置50の機構について詳しく説明する。
図4に示すように、第1のクラッチ52は、クラッチドラム51内の後方寄り(図中右寄り)に配設されるもので、複数のドライブプレート60と複数のドリブンプレート61とが交互に重ね合わせて配設され、さらに、ドリブンプレート61とラジアル方向の形状が略同一なリテーニングプレート62が後端に重ねて配設されて要部が構成されている。
【0050】
より詳しく説明すると、出力軸41の外周には第1のクラッチハブ63が固設されており、ドライブプレート60は、内周が第1のクラッチハブ63の外周にスプライン結合されて支持されている。
【0051】
また、上記ドリブンプレート61及びリテーニングプレート62は、外周がクラッチドラム51の内周にスプライン結合されて支持されている。
【0052】
なお、上記クラッチドラム51の内周にはスナップリング64が設けられており、このスナップリング64にリテーニングプレート62が係止されることにより、第1のクラッチ52を構成する各プレートの後方への移動が規制されるようになっている。
【0053】
上記第2のクラッチ54は、クラッチドラム51内で、上記第1のクラッチ52よりも前方寄り(図4中左寄り)に配設されるもので、複数のドライブプレート65と複数のドリブンプレート66とが交互に重ね合わせて配設され、さらに、ドリブンプレート66とラジアル方向の形状が略同一なリテーニングプレート67が後端に重ねて配設されて要部が構成されている。
【0054】
より詳しく説明すると、上記出力軸41の外周には、上記ワンウェイクラッチ53を介して第2のクラッチハブ68が設けられており、ドライブプレート65は、内周が第2のクラッチハブ68の外周にスプライン結合されて支持されている。
【0055】
また、上記ドリブンプレート66及びリテーニングプレート67は、外周がクラッチドラム51の内周にスプライン結合されて支持されている。
【0056】
上記ワンウェイクラッチ53は、図5に示すように、インナーレースとしての出力軸41とアウターレースとしての第2のクラッチハブ68との空間内に配置された複数のスプラグ53aを備えて構成され、このスプラグ53aにより、出力軸41の回転数が第2のクラッチハブ68の回転数よりも大きいときロックし、出力軸41の回転数が第2のクラッチハブ68の回転数よりも小さいときフリーとなるものである。
【0057】
なお、このワンウェイクラッチ53の側面には軸受53bが設けられ、この軸受53bによって出力軸41と第2のクラッチハブ68との間隔が一定に保たれるようになっている。
【0058】
ここで、上記第1,第2のクラッチ52,54は本実施の形態においては油圧式の多板クラッチであり、従って、動力配分装置50は、さらに、クラッチドラム51の内部前方寄りに、第1のクラッチ52を作動させる第1のピストン70と、第2のクラッチ54を作動させる第2のピストン71とを備えている。
【0059】
具体的に説明すると、上記クラッチドラム51の前方寄り位置には出力軸41を軸支するための円筒形状の軸受部51bが後方に向かって突出形成されており、上記第1のピストン70は、内縁部がシールリングを介して軸受部51bの外周に摺動自在に嵌合されているとともに、外縁部がシールリングを介してクラッチドラム51の内周に摺動自在に嵌合されている。
【0060】
この第1のピストン70には外縁に沿って後方に突出したリング部材70aが一体形成され、このリング部材70aの端部には、第1のクラッチ52を押圧自在な複数本(例えば4本)のプレッシャピン72aを等分位置に備えたプレッシャリング72がベアリングを介して相対回転自在に連設されている。
【0061】
ここで、ドリブンプレート66及びリテーニングプレート67には、外周に沿った等分位置に、プレッシャピン72aに対応するスプライン切欠部(図示せず)が設けられており、上記プレッシャピン72aはこのスプライン切欠部を貫通して第1のクラッチ52を押圧するようになっている。
【0062】
また、上記プレッシャピン72aの先端寄りにはスナップリング73が設けられており、このスナップリング73にリテーニングプレート67が係止されることによって第2のクラッチ54を構成する各プレートの後方への移動が規制されるようになっている。
【0063】
上記第2のピストン71は、第1のピストン70よりも後方で、内縁部がシールリングを介して軸受部51bの外周に摺動自在に嵌合されているとともに、外縁部がシールリングを介してリング部材70aの内周に摺動自在に嵌合されている。
【0064】
この第2のピストン71には、第2のクラッチ54を押圧自在な複数本(例えば4本)のプレッシャピン74aを等分位置に備えたプレッシャリング74がベアリングを介して相対回転自在に連設されている。
【0065】
なお、図中符号75はリターンスプリングであり、このリターンスプリング75によって、第1,第2のピストン70,71が前方に付勢されている。
【0066】
上記クラッチドラム51と第1のピストン70との間には第1の油圧室76が形成され、また、第1のピストン70と第2のピストン71との間には第2の油圧室77が形成されている。
【0067】
そして、これら第1の油圧室76、第2の油圧室77には、第1の作動油圧供給路78、第2の作動油圧供給路79がそれぞれ連通され、後述する油圧制御装置80により所要の作動油圧が各油圧室に供給されるようになっている。
【0068】
次に、上記各油圧室76,77に油圧を供給する油圧制御装置80について、図7に基づき説明する。なお、上記第1,第2の油圧室76,77への制御油圧の供給系は略同様であり、従って、以下、制御油圧を第1の油圧供給路78を通じて第1の油圧室76に供給する油圧供給系についてのみ説明する。
【0069】
モータ82により駆動されるオイルポンプ83の吐出圧がレギュレータ弁84で調圧され、所定の作動油と作動油圧を生じ、作動油圧の油路85が、クラッチ制御弁86,第1の油圧供給路78を介して第1の油圧室76に連通されている。
【0070】
また、上記油路85は、パイロット弁87,油路88によりデューティソレノイド弁89,上記クラッチ制御弁86の制御側に連通されている。
【0071】
そして、後述の動力配分制御装置90からのデューティ信号がデューティソレノイド弁89に入力されて、該デューティソレノイド弁89によりデューティ比に応じた所定のデューティ圧を生じ、このデューティ圧により上記クラッチ制御弁86を動作することで、第1の油圧室76に供給するクラッチ油圧を制御し、油圧多板クラッチから構成される第1のクラッチ52を作動する。
【0072】
尚、第2の油圧室77への制御油圧の供給系についても同様に構成されている。
【0073】
また、上記動力配分制御装置90は、マイクロコンピュータ等から構成され、図6に示すように、少なくとも、前輪回転速度センサ91、後輪回転速度センサ92、スロットル開度センサ93、転舵角センサ94、エンジン回転速度センサ95、ギヤポジションセンサ96等からの入力に基づいて走行状態や路面状況を検出し、第1,第2のクラッチ52,54への制御油圧を、例えば、予め設定されたマップ等からギヤポジション毎に検索して上記油圧制御装置80の各ソレノイド弁に出力するようになっている。
【0074】
ここで、上記前輪回転速度センサ91は、例えば、フロントディファレンシャル装置30に設けられたスピードメータギヤ(図示せず)から前輪回転速度を検出し、後輪回転速度センサ92は、例えば、エクステンションケース15に設けられ、出力軸41の回転数から後輪回転速度を検出するようになっている。
【0075】
また、スロットル開度センサ93とエンジン回転速度センサ95は、エンジン10に設けられ、これらに基づきエンジンからの出力信号を検出するようになっている。
【0076】
また、転舵角センサ94は、ステアリングに設けられて転舵量を検出するようになっている。
【0077】
また、ギヤポジションセンサ96は、手動変速歯車機構40の図示しないギヤシャフト系に設けられているか、或いは、既存のセンサを利用して演算により走行中のギヤポジションの位置を求めるようになっている。
【0078】
上記構成による車両用4輪駆動装置の動力配分装置50において、第1,第2のクラッチ52,54の各係合動作は以下のように行われる。
【0079】
先ず、動力配分制御装置90からの信号に基づき、油圧制御装置80から第1の油圧室76のみに作動油圧が供給されると、この作動油圧によって第1のピストン70は後方に移動され、プレッシャピン72aを介して第1のクラッチ52を押圧する。この際、第2のピストン71も上記第1のピストン70に押圧されて後方へ移動するが、プレッシャピン74aとスナップリング73とが等ピッチで移動するため、第2のクラッチ54は係合されないままの状態で後方に移動される。従って、第1の油圧室76のみに作動油圧が供給された場合には、第1のクラッチのみが係合される。
【0080】
次に、動力配分制御装置90からの信号に基づき、油圧制御装置80から第2の油圧室77のみに作動油圧が供給されると、この作動油圧によって第2のピストン71は後方に移動され、プレッシャピン74aを介して第2のクラッチ54を押圧する。これにより、第2の油圧室77のみに作動油圧が供給された場合には、第2のクラッチ54のみが係合される。
【0081】
次に、動力配分制御装置90からの信号に基づき、油圧制御装置80から第1の油圧室76と第2の油圧室77に作動油圧が供給されると、第1の油圧室76に供給された作動油圧によって、第1のピストン70は後方に移動されてプレッシャピン72aを介して第1のクラッチ52を押圧するとともに第2のピストン71を後方に移動させ、第2の油圧室77に供給された作動油圧によって、第2のピストン71はさらに後方に移動されてプレッシャピン74aを介して第2のクラッチ54を押圧する。これにより、第1,第2の油圧室76,77に作動油圧が供給された場合には、第1,第2のクラッチ52,54がともに係合される。
【0082】
ここで、上述のように、第2のピストン71は、第1のピストン70が後方に移動されると、この第1のピストン70と共に後方に移動されるものであるが、第2のクラッチ54の係合は第1のピストン70の挙動に影響されることがない。
【0083】
従って、上記構成による第2のクラッチ54は、クラッチドラム51が回動されている場合においても、第1の油圧室76内の作動油にかかる遠心油圧の影響を受けることがないため、クラッチドラム51の回動時における遠心油圧の影響を最小限にとどめることができ、動作精度を高いレベルで維持することができる。
【0084】
次に、代表的な走行状態における、上記構成による動力配分装置50の作用について図8を参照して説明する。
【0085】
先ず、前進走行時において、動力配分制御装置90は、通常、第1のクラッチ52を解放し、第2のクラッチ54を係合するよう制御する。
【0086】
このような状態でアクセルがオンされた加速走行時等には、ワンウェイクラッチ53はその特性上ロックされる。
【0087】
従って、手動変速歯車機構40から出力軸41を介して出力される動力は、出力軸41に連結されたプロペラシャフト4を介してリヤディファレンシャル装置5に伝達されるとともに、ワンウェイクラッチ53,第2のクラッチ54,クラッチドラム51を介して出力軸41から動力配分されてフロントディファレンシャル装置30にも伝達される。
【0088】
すなわち、アクセルがオンされた前進走行時においては、動力配分装置50は、基本的には第2のクラッチ54が係合し、さらにワンウェイクラッチ53がロックして直結4WDとして機能し、出力軸41を介して出力される動力は前後輪に配分される。
【0089】
ところで、前後輪の有効半径に差が生じた場合、前後の駆動系に内部循環トルクが発生し、エンジン10の動力が各車輪に有効に伝達されず、動力伝達効率や燃費に悪影響を及ぼすことがある。このような場合、動力配分制御装置90は、第1のクラッチ52を解放したままの状態で、各センサの入力に基づき、必要に応じて第2のクラッチ54の係合をスリップ制御する。
【0090】
一方、アクセルがオフされたコースティング惰行時やブレーキ作動時等には、ワンウェイクラッチ53は、その特性上フリーの状態になる。
【0091】
従って、手動変速歯車機構40から出力軸41を介して出力される動力は、出力軸41に連結されたプロペラシャフト4を介してリヤディファレンシャル装置5のみに伝達される。
【0092】
すなわち、アクセルがオフされた前進走行時においては、動力配分装置50は、基本的にはFRとして機能し、出力軸41を介して出力される動力は後輪6,6に伝達される。
【0093】
ところで、下り坂をアクセルオフで走行する場合等においては、ワンウェイクラッチ53がフリーとなって動力配分装置50がFRとして機能するため、車両挙動が好ましくない場合がある。特に、滑りやすい路面の下り坂を走行する場合には顕著であり、このような場合、動力配分制御装置90は、各センサの入力に基づいて、必要に応じて第1のクラッチ52を係合させ、前後の駆動系を拘束状態に置いて車両挙動を安定させる。
【0094】
次に、前進走行時の旋回走行時において、動力配分制御装置90は、第1のクラッチ52を解放し、第2のクラッチ54を係合するよう制御する。
【0095】
この旋回走行時において、前輪3,3が後輪6,6との旋回半径の差によって速く回転すると、ワンウェイクラッチ53はフリーとなり、動力配分装置50はFRとして機能する。そして、全ての動力が後輪6,6に伝達されると各車輪がスリップすることが多くなるが、動力伝達が行われている後輪6,6のスリップ量が前輪3,3のスリップ量よりも多くなると、自動的にワンウェイクラッチ53が係合して動力伝達装置50が直結4WDとして機能する。
【0096】
従って、動力伝達装置50は、旋回走行時初期にワンウェイクラッチ53がフリーとなるFRとなり旋回のきっかけを掴み、その後、直結4WDとなるので、十分な駆動力が得られるためスポーツ走行時やラリー走行時に好ましい旋回性能を発揮する。
【0097】
次に、後退走行時において、動力配分制御装置90は、第2のクラッチ54を解放するよう制御するとともに、各センサの入力に応じて第1のクラッチ52をスリップ制御する。ここで、動力配分制御装置90による第1のクラッチ52のスリップ制御は、各センサの入力に応じて行われるもので、直進時は締結度合いを強化し、旋回時は締結度合いを緩和するものである。
【0098】
このように第2のクラッチ54を解放、第1のクラッチ52をスリップ制御することで、後退走行時にワンウェイクラッチ53がロックされて後退旋回時にタイトコーナーブレーキング現象が発生するのを回避することができる。
【0099】
なお、第1,第2のクラッチ52,54を共に解放すれば、動力配分装置50はFR状態となるが、路面摩擦係数が高い場合はこの状態に制御してもよい。
【0100】
次に、タイヤ空気圧の低下等により、前後輪の有効半径の差が予め設定した範囲よりの大きくなった場合において、動力配分制御装置90は、各センサの入力に応じて、第2のクラッチ54を解放制御し、第1のクラッチ52を必要に応じてスリップ制御する。
【0101】
すなわち、直結4WDは、悪路を走行する場合には走破性を向上するものであるが、摩擦係数の高い舗装路面等の走行時において前後輪の有効半径に大きな差が生じた場合には内部循環トルクが発生して伝達効率や燃費に悪影響を及ぼすため、第2のクラッチ54を解放制御し、第1のクラッチ52を必要に応じてスリップ制御して上記問題を回避する。
【0102】
このように、本実施の形態による車両用4輪駆動装置は、出力軸41を後輪6側へ直結して動力伝達可能に構成するとともに、前輪3側には第1のクラッチ52或いはワンウェイクラッチ53及び第2のクラッチ54を介して動力配分可能な構成としたので、構造を簡素化することができ、軽量且つコンパクトな動力配分装置50を提供することができる。
【0103】
さらに、上記車両用4輪駆動装置の動力配分装置50は、単一のクラッチドラム51内に、第1のクラッチ52、ワンウェイクラッチ53,第2のクラッチ54を配設して構成されたものなので、構造を簡素化することができ、軽量且つコンパクトな動力配分装置50を提供することができる。
【0104】
また、上記車両用4輪駆動装置の動力配分装置50は、旋回走行時に、第1のクラッチ52を解放状態とし、第2のクラッチ54を係合状態とし、ワンウェイクラッチ53の作用によって、旋回走行時初期にFRとして機能した後、4WDとして機能するので回頭性を著しく向上することができる。
【0105】
特に、滑りやすい路面をアクセルを踏み込みながら旋回する場合には、旋回初期にFRとなり、後輪がスリップして前輪と同じ回転数になると瞬時に4WDとなって駆動力を確実に前後輪に伝達することができるため、高レベルの走行安定性を得ることができる。
【0106】
また、アクセルをオンした前進走行時において、第2のクラッチ54を係合するとワンウェイクラッチ53の特性上ロックして直結4WD走行時となるが、前後輪の有効半径の変化等によって内部循環トルクが発生した場合には、走行状態に応じて第2のクラッチ54をスリップ制御することにより、動力損失を低減することができ、燃費性能が良好なフルタイム4WDの動力配分装置を提供することができる。
【0107】
また、アクセルをオフした前進走行時においては、通常、第2のクラッチ54が係合されている場合においてもワンウェイクッチ53が特性上フリーとなりFR走行となるが、走行状態や路面状態等に応じて第1のクラッチ52を係合することにより、前後輪間の動力配分を制御して4WD走行を行うことができる。
【0108】
また、後退走行時においては、第2のクラッチ54を解放して、第1のクラッチ52を必要に応じて制御することにより、4WD走行を実現すると共に、旋回時のタイトコーナーブレーキング現象を防止することができる。
【0109】
なお、本実施の形態においては、第1のクラッチ52を油圧多板クラッチによって構成した例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、第1のクラッチ52を、機械式のクラッチ、粘性式のクラッチ、或いは、電磁式のクラッチ等で構成してもよい。
【0110】
また、本実施の形態においては、動力配分装置50を手動変速機1に適用した車両用4輪駆動装置についての一例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、動力配分装置を自動変速機や無断変速機に適用して車両用4輪駆動装置を構成しても良い。
【0111】
また、本実施の形態においては、車両前方にエンジン10と共に手動変速機1を配置する場合であって、また、前輪3側のファイナルギヤの終減速比と後輪6側のファイナルギヤの終減速比とが等しく、且つ、前後輪の有効半径が等しい場合について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、車両後方にエンジンと共に手動変速機を配置することも可能であり、また、予め前輪側と後輪側との終減速比を異なるものに設定することも可能であり、さらに、前輪と後輪の有効半径を異なるものに設定することも可能である。
【0112】
ここで、例えば、前輪側の終減速比と後輪側の終減速比とに予め所定の差を設けて、直進走行する際には常時、車輪の回転数が前輪>後輪の関係を保つようにドライブトレーンを構成することにより、タイヤ径のばらつきを考慮して確実に上述の4WD機能を発揮できる車両用4輪駆動装置を提供することができる。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、第1のクラッチ52とワンウェイクラッチ53を介する第2のクラッチ54とから動力配分装置50を構成するため、軽量且つコンパクトな車両用4輪駆動装置を提供することができる。
【0114】
請求項2記載の発明によれば、第1のクラッチ52及び第2のクラッチ54は、各運転状況や路面状態により動力配分制御装置に制御されることによって、請求項1記載の発明の効果に加え、スポーツ走行に相応しい旋回性能を有し、さらに、伝達効率やトラクション性能を高く維持することができる。
【0115】
請求項3記載の発明によれば、請求項1、2記載の発明の効果に加え、滑りやすい路面の下り坂を走行する場合に第1のクラッチを必要に応じて係合して直結4WDとすることで、車両挙動を安定することができる。
【0116】
請求項4記載の発明によれば、請求項1乃至請求項3記載の発明の効果に加え、後退走行時に第2のクラッチを解放し、第1のクラッチを必要に応じてスリップ制御することで、後退旋回時にタイトコーナブレーキング現象が発生するのを回避することができる。
【0117】
請求項5記載の発明によれば、請求項1乃至請求項4記載の発明の効果に加え、摩擦係数の高い舗装路面等の走行時において前後輪の有効半径に大きな差が生じた場合には、第2のクラッチを解放制御し、第1のクラッチをスリップ制御することで、内部循環トルクが発生して伝達効率や燃費に悪影響を及ぼすのを回避することができる。
【0118】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項5記載の発明の効果に加え、構造を簡素化することができ、軽量且つコンパクトな動力配分装置を提供することができる。
【0119】
請求項7記載の発明によれば、直進走行時に前輪回転速度が後輪回転速度よりも大きくなるように設定されているため、タイヤ径のばらつきを考慮して確実に請求項1乃至請求項6記載の発明の効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用4輪駆動装置の概略を示す平面図
【図2】4輪駆動車用手動変速機の要部を示すスケルトン図
【図3】動力配分装置の要部を示すスケルトン図
【図4】動力配分装置の要部断面図
【図5】ワンウェイクラッチの要部断面図
【図6】車両用4輪駆動装置の全体の概略構成を示す説明図
【図7】油圧制御装置の構成図
【図8】代表的な走行状態におけるクラッチの状態を示す図表
【符号の説明】
3 … 前輪
4 … プロペラ軸(他方の駆動系)
5 … リヤディファレンシャル装置(他方の駆動系)
6 … 後輪
7 … フロントディファレンシャル装置(一方の駆動系)
41 … 出力軸
42 … カウンタ軸(他方の駆動系)
50 … 動力配分装置
52 … 第1のクラッチ
53 … ワンウェイクラッチ
54 … 第2のクラッチ
90 … 動力配分制御装置
91 … 前輪回転速度センサ
92 … 後輪回転速度センサ
93 … スロットル開度センサ
94 … 転舵角センサ
95 … エンジン回転速度センサ
96 … ギヤポジションセンサ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a drive train of a four-wheel drive device for a vehicle, and more particularly to a power distribution device that distributes driving force to front wheels and rear wheels.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, many power distribution devices for vehicle four-wheel drive devices have been proposed in which a differential gear device is combined with a differential limiting device.
[0003]
However, a power distribution device (center differential device) in which a differential gear device is combined with a differential gear device generally has a complicated structure and is expensive. For example, Japanese Patent Publication No. 48-3971 The publication discloses a multi-output path torque transmission device (driving force transmission device) in which a planetary gear type differential gear device is provided with a one-way clutch. According to this technique, the front wheel is allowed to rotate considerably faster than the rear wheel during forward traveling without using a complicated differential limiting device, and the rear wheel is slightly smaller than the front wheel. The front and rear wheels can be differentially limited so that the vehicle can only turn faster than the value (the value necessary to correct the difference in the effective radius of the tire). In addition, this multi-output road torque transmission device has a one-way clutch in the front wheel output shaft system, and this one-way clutch is weakly engaged during reverse running to prevent a tight corner braking phenomenon during turning.
[0004]
In the full-time 4WD power distribution device, the forward and reverse one-way clutches are arranged on the transfer bevel gear shaft, and the sleeve can be selectively coupled to the outer peripheral spline of the one-way clutch. By doing so, a technique for limiting the differential at the time of forward and backward movement by the differential gear device to only one direction has been put into practical use.
[0005]
On the other hand, a full-time 4WD power distribution device using a differential gear device is disadvantageous in terms of weight, cost, size, etc. Further, if a differential lock mechanism is added as a differential limiting device, the overall device becomes complicated. Therefore, for example, Japanese Utility Model Publication No. 61-81428 discloses a non-steering wheel output shaft having one end connected to an engine output shaft via a transmission and the other end connected to a non-steering wheel; A steering wheel output shaft that is juxtaposed with the non-steering wheel output shaft and connected to the steering wheel, and a driving force from the non-steering wheel output shaft that is assembled to the steering wheel output shaft and the non-steering wheel output shaft. Output shaft coupling means capable of transmitting the steering wheel output shaft to the steering wheel output shaft, and the output shaft coupling means is rotatably supported via a bearing and allows a forward rotation of the steering wheel ( One way ) And, the one-way clutch wherein the non-steered wheel output shaft and the clutch operation unit that can be integrated with the annexed has been has four wheel drive power transmission device is disclosed. The four-wheel drive power transmission device automatically avoids the tight corner braking phenomenon when a rotational difference occurs between the front wheels and the rear wheels during turning.
[0006]
Japanese Patent Laid-Open No. 3-217333 discloses that the front wheel drive shaft is directly connected to the rear wheel drive shaft when the rotation of the front wheels is slower than the rotation of the rear wheels, and is not directly connected when the rotation of the front wheels is faster than the rotation of the rear wheels. Discloses a four-wheel drive device including a one-way clutch and a differential limiting mechanism that is interposed between the drive shafts of the front and rear wheels and absorbs a difference in rotational speed between the front and rear wheels when the drive shafts are directly connected. .
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, each of the above technologies has the following problems.
First, in the technique described in the above Japanese Patent Publication No. 48-3971, if the rear wheel slips during straight running and slips more than the preset gear ratio of the front wheel drive system, the one-way clutch is locked and moved back and forth. The wheel is engaged to be in a direct connection 4WD state. Therefore, this center differential device is differentially locked according to the slip of the front and rear wheels, but when the weight distribution of the vehicle, the vehicle specifications, the variation of the effective radius of the tire and the change of wear and air pressure, puncture, temper tire is installed It is necessary to set a difference in the number of teeth for forcibly giving a difference in rotation to the front and rear wheels while considering various conditions such as passenger cars, trucks, or 4WD for the front wheel drive base or 4WD for the rear wheel drive base. It is necessary to uniquely set the difference in the number of teeth according to the above.
[0008]
In addition, when driving on a slippery slope, the diff-lock is not performed until the wheel has made a predetermined slip, so the rear wheel may flow sideways or the vehicle body may cause a so-called tail swing, which may significantly reduce the traveling performance. .
[0009]
Further, when turning, the diff lock is not performed unless the rotation difference between the front and rear wheels slips by a rotation difference due to a preset turning radius. Therefore, if the center differential is in the free state and the rear wheels do not slip, the diff lock, that is, the direct connection 4WD, will not be achieved, especially when applied to motor sports, the running performance will be reduced, or depending on the accelerator work Inconveniences such as inability to obtain smooth turning performance (turning performance) and steering stability occur.
[0010]
Further, during reverse travel (during reverse travel), the one-way clutch is locked and becomes directly connected 4WD, so that the tight corner braking phenomenon is prevented by weakening the operating pressure of the hydraulic clutch during turning. For this reason, there is a possibility that sufficient traction cannot be obtained at the time of towing or traveling at a high load.
[0011]
Next, in the technique of the power distribution device in which the forward and reverse one-way clutches are arranged on the bevel gear shaft of the transfer, the effective radius of the tire is the same as the technique described in the above-mentioned Japanese Patent Publication No. 48-3971. Depending on the weight distribution and the like, internal circulation torque is generated in the drive system of the front wheels and the rear wheels during straight running, which may cause deterioration in transmission efficiency and fuel efficiency.
[0012]
In addition, when applied to motor sports or the like, there is an inconvenience that the turning ability at the time of turning is not preferable and the cause of turning cannot be grasped at the corner-in.
[0013]
Next, in the technology described in Japanese Utility Model Laid-Open No. 61-81428, when a difference in rotation occurs between the front wheels and the rear wheels during 4WD traveling, a mechanism is automatically switched to two-wheel drive by a one-way clutch. Therefore, depending on the case, a decrease in running performance, lack of traction, etc. may occur.
[0014]
Also, during straight running, as in the above-mentioned technologies, internal circulation torque is generated between the front and rear wheels depending on variations in the effective tire radius, tire air pressure, weight distribution, etc., which causes a reduction in transmission efficiency and fuel consumption. It becomes.
[0015]
Next, even in the technique described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 3-217333, when the relationship between the front and rear wheel rotation difference is the front wheel <rear wheel due to a difference in the effective radius of the front and rear tires, the one-way clutch is always directly connected. As in the above-described technologies, internal circulation torque is generated between the front and rear wheels, which causes a reduction in transmission efficiency and fuel consumption.
[0016]
Further, if the tires are continuously run when the tires have significantly different air pressures, or when front wheels and rear wheels having different effective radii are erroneously mounted, there is a risk of damage to drive system members such as hypoid gears.
[0017]
Furthermore, since the one-way clutch is engaged when reversing, a tight corner braking phenomenon occurs due to a difference in turning radius between the front and rear wheels when turning.
[0018]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and an object of the present invention is to provide a lightweight and compact four-wheel drive device for a vehicle that has a turning performance suitable for sports driving, and has high transmission efficiency and traction performance. .
[0019]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-described problem, a vehicle four-wheel drive device according to a first invention includes a power distribution device capable of distributing power output from an output shaft of a transmission mechanism to a front wheel drive system and a rear wheel drive system, A vehicle four-wheel drive device comprising: a power distribution control device that controls the power distribution device, wherein the power distribution device is provided on the output shaft, and the front wheel drive system And above A first clutch that is freely engageable with the output shaft, and the output shaft; Above rear wheel The rotational speed of the drive system is front wheel Through a one-way clutch that can transmit power only when the rotational speed of the drive system is greater than the above, front wheel A second clutch capable of engaging the drive system and the output shaft, and the output shaft and the output clutch. Rear wheel The power distribution control device variably controls the engagement of the first clutch and the second clutch according to at least the running state of the vehicle and the road surface condition. And
[0020]
According to a second aspect of the present invention, there is provided the vehicle four-wheel drive device according to the first aspect, wherein the power distribution control device includes at least a front wheel rotation speed, a rear wheel rotation speed, an engine output, and a gear of a transmission mechanism. The engagement of the first clutch and the second clutch is variably controlled based on the position and the turning amount.
[0021]
According to a third aspect of the present invention, there is provided the four-wheel drive device for a vehicle according to the first or second aspect, wherein the power distribution control device is configured to travel forward in an appropriate state at least within a preset range of each wheel. In some cases, the second clutch is controlled to be engaged, and the first clutch is controlled to be engaged as necessary.
[0022]
According to a fourth aspect of the present invention, there is provided the vehicle four-wheel drive device according to any one of the first to third aspects, wherein the power distribution control device controls the release of the second clutch during reverse travel. The first clutch is slip-controlled as necessary.
[0023]
According to a fifth aspect of the present invention, there is provided the vehicle four-wheel drive device according to any one of the first to fourth aspects, wherein the power distribution control device is configured such that each wheel is out of a preset range. The second clutch is controlled to be released, and the first clutch is controlled to slip as necessary.
[0024]
According to a sixth aspect of the present invention, in the vehicle four-wheel drive apparatus according to any one of the first to fifth aspects, the first clutch and the second clutch are arranged in the same clutch drum. A hydraulic multi-plate clutch, wherein the first clutch is disposed on one end side in the clutch drum, and the second clutch is on the other end of the first clutch in the same clutch drum. Further, a first piston corresponding to the first clutch is disposed on the other end side in the clutch drum, and the first piston is disposed between the clutch drum and the first piston. Forming a first hydraulic chamber for operating the piston, and disposing a second piston corresponding to the second clutch closer to one end than the first piston in the clutch drum. A second hydraulic chamber for operating the second piston is formed between the first piston and the second piston, and the operation of the first piston is transmitted to the first clutch. A pressure pin for passing through a driven plate and a retaining plate constituting the second clutch and facing the first clutch, and transmitting the operation of the second piston to the second clutch. The pressure pin faces the second clutch.
[0025]
According to a seventh aspect of the present invention, there is provided the vehicle four-wheel drive apparatus according to any one of the first to sixth aspects, wherein the final reduction ratio of the front wheel drive system and the final reduction ratio of the rear wheel drive system are set to different gear ratios. In addition, the vehicle is characterized in that the front wheel rotational speed is set to be larger than the rear wheel rotational speed during straight traveling.
[0026]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings. The drawings relate to an embodiment of the present invention, FIG. 1 is a plan view showing an outline of a four-wheel drive device for a vehicle, FIG. 2 is a skeleton diagram showing the main part of a manual transmission for a four-wheel drive vehicle, and FIG. FIG. 4 is a cross-sectional view of the main part of the power distribution device, FIG. 5 is a cross-sectional view of the main part of the one-way clutch, and FIG. 6 is an overall schematic configuration of the vehicle four-wheel drive device. FIG. 7 is a diagram illustrating the configuration of the hydraulic control device, and FIG. 8 is a chart illustrating the state of the clutch in a typical traveling state.
[0027]
The drive train of the four-wheel drive device for a vehicle will be described. As shown in an arrangement plan view in FIG. 1 (a), the manual transmission 1 for a four-wheel drive vehicle is installed in an
[0028]
Here, in the present embodiment, the former is a case where the manual transmission 1 is arranged together with the
[0029]
Referring to FIG. 2, the manual transmission 1 will be described.
[0030]
The
[0031]
Then, the power shifted by the manual
[0032]
The clutch 20 is a
[0033]
The clutch 20 is disengaged by pushing the release bearing 27 with a release fork (not shown) and separating the
[0034]
The input shaft 21 is rotatably supported by the
[0035]
The manual
[0036]
The
[0037]
On the other hand, the
[0038]
Here, each drive gear provided on the
[0039]
The reverse drive gear 44f meshes with a
[0040]
Between the second-speed driven gear 45b and the first-speed driven gear 45a on the
[0041]
Then, after the first-speed driven gear 45a is synchronized with the rotation of the
[0042]
Between the
[0043]
Further, a third synchronizer 49 is interposed between the reverse driven gear 45f and the fifth speed driven
[0044]
A
[0045]
Next, a
[0046]
The
[0047]
Further, the
[0048]
Here, when the second clutch 54 is engaged, the one-way clutch 53 is locked when the rotation speed of the
[0049]
Next, the mechanism of the
As shown in FIG. 4, the first clutch 52 is disposed rearward (toward the right in the figure) in the
[0050]
More specifically, the first
[0051]
Further, the driven
[0052]
A
[0053]
The second clutch 54 is disposed closer to the front (leftward in FIG. 4) than the first clutch 52 in the
[0054]
More specifically, a second
[0055]
Further, the driven
[0056]
As shown in FIG. 5, the one-way clutch 53 includes a plurality of
[0057]
A
[0058]
Here, the first and
[0059]
More specifically, a cylindrical bearing 51b for pivotally supporting the
[0060]
The
[0061]
Here, the driven
[0062]
Further, a
[0063]
The
[0064]
A
[0065]
[0066]
A first
[0067]
A first hydraulic
[0068]
Next, the
[0069]
The discharge pressure of the
[0070]
The
[0071]
Then, a duty signal from a power
[0072]
The control hydraulic pressure supply system to the second
[0073]
The power
[0074]
Here, the front wheel
[0075]
A throttle opening sensor 93 and an engine rotation speed sensor 95 are provided in the
[0076]
The turning
[0077]
The
[0078]
In the
[0079]
First, based on a signal from the power
[0080]
Next, based on a signal from the power
[0081]
Next, when operating hydraulic pressure is supplied from the
[0082]
Here, as described above, the
[0083]
Therefore, the second clutch 54 configured as described above is not affected by the centrifugal hydraulic pressure applied to the hydraulic oil in the first
[0084]
Next, the operation of the
[0085]
First, during forward travel, the power
[0086]
In such a state, the one-way clutch 53 is locked due to its characteristics, for example, during acceleration running when the accelerator is turned on.
[0087]
Therefore, the power output from the manual
[0088]
That is, during forward travel with the accelerator turned on, the
[0089]
By the way, when a difference occurs in the effective radii of the front and rear wheels, internal circulation torque is generated in the front and rear drive systems, and the power of the
[0090]
On the other hand, the one-way clutch 53 is in a free state due to its characteristics, for example, during coasting coasting when the accelerator is turned off or when the brake is operated.
[0091]
Accordingly, the power output from the manual
[0092]
That is, during forward travel when the accelerator is turned off, the
[0093]
By the way, when traveling on a downhill with the accelerator off, the one-way clutch 53 is free and the
[0094]
Next, during turning traveling during forward traveling, the power
[0095]
During this turning, if the
[0096]
Therefore, the
[0097]
Next, during reverse travel, the power
[0098]
By releasing the second clutch 54 and controlling the slip of the first clutch 52 in this way, it is possible to avoid the occurrence of a tight corner braking phenomenon when the one-way clutch 53 is locked during reverse running and the vehicle is turning backward. it can.
[0099]
If both the first and
[0100]
Next, when the difference between the effective radii of the front and rear wheels becomes larger than a preset range due to a decrease in tire air pressure or the like, the power
[0101]
In other words, the direct connection 4WD improves the running performance when traveling on rough roads, but the internal radius is increased when there is a large difference in the effective radius of the front and rear wheels when traveling on a paved road surface or the like with a high coefficient of friction. Since circulation torque is generated and adversely affects transmission efficiency and fuel consumption, the second clutch 54 is controlled to be released, and the first clutch 52 is controlled to slip as necessary to avoid the above problem.
[0102]
Thus, the vehicle four-wheel drive device according to the present embodiment is configured so that power can be transmitted by directly connecting the
[0103]
Furthermore, the
[0104]
Further, the
[0105]
Especially when turning on a slippery road while stepping on the accelerator, it becomes FR at the beginning of turning, and when the rear wheel slips and reaches the same rotation speed as the front wheel, it becomes 4WD instantaneously and the driving force is reliably transmitted to the front and rear wheels. Therefore, a high level of running stability can be obtained.
[0106]
Further, when the second clutch 54 is engaged during forward travel with the accelerator turned on, the one-way clutch 53 is locked due to the characteristics of the one-way clutch 53, and direct-coupled 4WD travel occurs. When this occurs, the power loss can be reduced by controlling the second clutch 54 according to the traveling state, and a full-time 4WD power distribution device with good fuel efficiency can be provided. .
[0107]
Also, during forward travel with the accelerator off, the one-
[0108]
During reverse travel, the second clutch 54 is released and the first clutch 52 is controlled as necessary to achieve 4WD travel and prevent tight corner braking during turning. can do.
[0109]
In the present embodiment, an example in which the first clutch 52 is configured by a hydraulic multi-plate clutch has been shown. However, the present invention is not limited to this, and the first clutch 52 may be a mechanical clutch, You may comprise a viscous clutch or an electromagnetic clutch.
[0110]
In the present embodiment, an example of a vehicle four-wheel drive device in which the
[0111]
Further, in the present embodiment, the manual transmission 1 is arranged together with the
[0112]
Here, for example, a predetermined difference is provided in advance between the final reduction ratio on the front wheel side and the final reduction ratio on the rear wheel side, and the rotational speed of the wheel always maintains the relationship of front wheel> rear wheel when traveling straight ahead. By configuring the drive train in this way, it is possible to provide a vehicle four-wheel drive device that can reliably exhibit the above-described 4WD function in consideration of variations in tire diameter.
[0113]
【The invention's effect】
As described above, according to the first aspect of the present invention, since the
[0114]
According to the invention described in claim 2, the first clutch 52 and the second clutch 54 are controlled by the power distribution control device according to each driving situation and road surface condition, thereby achieving the effect of the invention described in claim 1. In addition, it has turning performance suitable for sports driving, and can maintain high transmission efficiency and traction performance.
[0115]
According to the invention of
[0116]
According to the fourth aspect of the invention, in addition to the effects of the first to third aspects of the invention, the second clutch is released during reverse running, and the first clutch is slip-controlled as necessary. Thus, it is possible to avoid the occurrence of a tight corner braking phenomenon during reverse turning.
[0117]
According to the invention described in
[0118]
According to the invention described in
[0119]
According to the seventh aspect of the present invention, since the front wheel rotational speed is set to be larger than the rear wheel rotational speed during straight traveling, the first to sixth aspects are surely considered in consideration of variations in the tire diameter. The effects of the described invention can be exhibited.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view showing an outline of a four-wheel drive device for a vehicle.
FIG. 2 is a skeleton diagram showing the main part of a manual transmission for a four-wheel drive vehicle.
FIG. 3 is a skeleton diagram showing the main part of the power distribution device.
FIG. 4 is a cross-sectional view of the main part of the power distribution device.
FIG. 5 is a cross-sectional view of the main part of a one-way clutch.
FIG. 6 is an explanatory diagram showing an overall schematic configuration of a four-wheel drive device for a vehicle.
FIG. 7 is a configuration diagram of a hydraulic control device.
FIG. 8 is a chart showing clutch states in typical driving states.
[Explanation of symbols]
3 ... front wheel
4 ... Propeller shaft (the other drive system)
5 ... Rear differential device (the other drive system)
6 ... Rear wheel
7 ... Front differential device (One drive system)
41… Output shaft
42 ... Counter shaft (the other drive system)
50 ... Power distribution device
52 ... 1st clutch
53… One-way clutch
54 ... Second clutch
90 ... Power distribution control device
91 ... Front wheel rotational speed sensor
92 ... Rear wheel rotational speed sensor
93 ... Throttle opening sensor
94 ... Steering angle sensor
95… Engine speed sensor
96 ... Gear position sensor
Claims (7)
上記動力配分装置を制御する動力配分制御装置と、を備えた車両用4輪駆動装置であって、
上記動力配分装置を、
上記出力軸に設けられ、上記前輪駆動系と上記出力軸とを係合自在な第1のクラッチと、
上記出力軸に設けられ、上記後輪駆動系の回転速度が上記前輪駆動系の回転速度よりも大きいときのみ動力伝達可能なワンウェイクラッチを介して、上記前輪駆動系と上記出力軸とを係合自在な第2のクラッチと、を備えるとともに、
上記出力軸と上記後輪駆動系とを直結して構成し、
上記動力配分制御装置は、少なくとも車両の走行状態と路面状況に応じて、上記第1のクラッチと上記第2のクラッチの係合を可変制御することを特徴とする車両用4輪駆動装置。A power distribution device capable of distributing power output from the output shaft of the speed change mechanism to the front wheel drive system and the rear wheel drive system;
A power distribution control device for controlling the power distribution device, and a vehicle four-wheel drive device comprising:
The power distribution device is
Provided on the output shaft, a first clutch freely engaging the said front wheel drive system and the upper SL output shaft,
Provided on the output shaft, the rotational speed of the rear wheel drive system through a one-way clutch which can only power transmission is greater than the rotational speed of the front wheel drive system, engaging the said front wheel drive system and the output shaft A free second clutch, and
The output shaft and the rear wheel drive system are directly connected and configured,
4. The vehicle four-wheel drive device according to claim 1, wherein the power distribution control device variably controls the engagement of the first clutch and the second clutch according to at least a running state and a road surface condition of the vehicle.
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