JP4245456B2 - 緩衝装置 - Google Patents

緩衝装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4245456B2
JP4245456B2 JP2003365164A JP2003365164A JP4245456B2 JP 4245456 B2 JP4245456 B2 JP 4245456B2 JP 2003365164 A JP2003365164 A JP 2003365164A JP 2003365164 A JP2003365164 A JP 2003365164A JP 4245456 B2 JP4245456 B2 JP 4245456B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
permanent magnet
piston
shock absorber
elastic member
orifice
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003365164A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005127447A (ja
Inventor
悦則 藤田
茂樹 我田
浩樹 誉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Delta Tooling Co Ltd
Original Assignee
Delta Tooling Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Delta Tooling Co Ltd filed Critical Delta Tooling Co Ltd
Priority to JP2003365164A priority Critical patent/JP4245456B2/ja
Publication of JP2005127447A publication Critical patent/JP2005127447A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4245456B2 publication Critical patent/JP4245456B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

本発明は、緩衝装置に関し、より詳しくは磁力を用いることで減衰力を変化させることができる緩衝装置に関する。
一般に、入力速度が一定の場合、減衰力を変化させることは困難である。そこで、磁界中におかれると粘性が増大する磁性流体を利用し、複数配設される電磁コイルへの通電量を変えることによって、磁性流体が通過する流体流路における流動特性を種々変化せしめ、発生する減衰力を可変としたものが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−35536
しかしながら、上記緩衝装置においては、発生する減衰力を可変とする場合、専ら上記した電磁コイルへの通電量を変化させる手段が用いられている。このため、可動部側(例えば、ピストン)と固定部側(例えば、ケーシング)との相対位置によって減衰力を可変するに当たっては、各電磁コイルへの通電タイミングや通電量を微妙に制御する制御回路が必要で、機構が複雑であると共に、製造コストも高価である。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、簡易な構造でありながら、減衰力を可変とすることができ、安価に製作することができる緩衝装置を提供することを課題とする。
上記した課題を解決するため、請求項1記載の本発明では、ケーシング内を相対的に進退自由に配置されるピストンを備えた緩衝装置であって、
前記ケーシング内に設けられる永久磁石と、
前記ピストンに設けられ、ピストンの進退に応じて前記永久磁石との間で働く磁界の作用により、緩衝力を発揮させる磁性体と、
前記ピストンに設けられ、前記永久磁石との間で、ケーシング内に充填される流体が通過するオリフィスとなる間隙を形成する弾性部材と、
前記弾性部材に付設され、前記ピストンの進退に伴う前記永久磁石と磁性体との相対位置の変化に応じた両者により形成される磁界の強さによって、前記弾性部材を永久磁石に対して離接可能に変形させ、前記オリフィスの流路面積を変化させるオリフィス可変用磁性部材と
を具備することを特徴とする緩衝装置を提供する。
請求項2記載の本発明では、前記ケーシング内に設けられる永久磁石が、ピストンの進退方向に軸方向を沿わせた円筒形に配置されていることを特徴とする請求項1記載の緩衝装置を提供する。
請求項3記載の本発明では、前記ピストンは、前進方向に突出する軸部と、軸部の基端付近で外方に突出するフランジ部と、フランジ部の外周付近で前進方向に突出する円筒部とを備えてなり、
前記磁性体が前記軸部に支持され、前記弾性部材が前記円筒部に内方に突出して設けられ、
前記永久磁石の内側を前記軸部が進退可能に、前記永久磁石の外側を前記円筒部が進退可能に配置され、前記オリフィスが永久磁石と弾性部材との間に形成されていることを特徴とする請求項2記載の緩衝装置を提供する。
請求項4記載の本発明では、前記円筒部に、厚み方向に貫通する他のオリフィスが形成されており、前記弾性部材の変形により、該他のオリフィスを開閉可能であることを特徴とする請求項3記載の緩衝装置を提供する。
請求項5記載の本発明では、前記ピストンは、前記磁性体が前記永久磁石の内側を進退可能に設けられていると共に、前記弾性部材が前記磁性体の進退方向のいずれか少なくとも一方に積層されて設けられ、
前記オリフィスが永久磁石と弾性部材との間に形成されていることを特徴とする請求項2記載の緩衝装置を提供する。
請求項6記載の本発明では、前記弾性部材が前記ピストンの進退方向に沿って、複数設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の緩衝装置を提供する。
請求項7記載の本発明では、前記弾性部材に付設されるオリフィス可変用磁性部材が、弾性部材に固着される磁性体粉又は磁性体片からなることを特徴とする請求項1記載の緩衝装置を提供する。
請求項8記載の本発明では、前記磁性体片が、バネ部材からなることを特徴とする請求項7記載の緩衝装置を提供する。
請求項9記載の本発明では、前記ケーシング内に配置される永久磁石が、非磁性材料からなる支持ケースによって支持されていることを特徴とする請求項1記載の緩衝装置を提供する。
請求項10記載の本発明では、前記ケーシング内に配置される永久磁石が、磁性材料からなる支持ケースによって支持され、該支持ケースに部分的に強い漏れ磁界を及ぼす漏れ磁界発生部を形成したことを特徴とする請求項1記載の緩衝装置を提供する。
請求項11記載の本発明では、前記ピストンに設けられる磁性体が、永久磁石又は強磁性体からなることを特徴とする請求項1記載の緩衝装置を提供する。
本発明の緩衝装置は、ケーシング内に設けられる永久磁石と、ピストンに設けられる磁性体と、オリフィスとなる間隙を形成する弾性部材とを備え、該弾性部材にオリフィス可変用磁性部材を設けて、ピストンと永久磁石との間で働く磁界の作用を該オリフィス可変用磁性部材に及ぼし、オリフィスの流路面積を可変に設けた構成である。従って、電磁石を用いずに永久磁石のみでケーシングとピストンとの相対位置に応じて減衰力を可変とすることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。図1〜3は本発明の第1実施形態に係る緩衝装置1を示す概略断面図である。
図に示すように、緩衝装置1は、ケーシング10と、ケーシング10に対して相対的に進退自由に配置されたピストン20と、ケーシング10に固定された磁石ケース30(支持ケース)とを備えている。ケーシング10は円筒形状に形成されており、その内部空間には流体40が密閉的に充填されている。なお、流体40としては、空気などの気体であってもよいし、本実施形態のようにオイルなどの液体であってもよい。
ピストン20は、一端がケーシング10から突出して設けられ、外力が伝達されるピストンロッド24と、前進方向に突出した軸部21と、その軸部21の基端付近で外方に突出して設けられたフランジ22と、フランジ22の外周付近で前進方向に突出して設けられた円筒部23と、円筒部23の内方に突出して設けられた弾性部材26とを備えている。フランジ22には、ピストン20の前進に伴って押圧される流体40を該フランジ22の後方へと移動させるための通過孔25が設けられている。軸部21の軸方向の先端部には、磁性体としての永久磁石(以下、「ピストン側永久磁石」)28が設けられている。なお、ピストン20の軸部に設ける磁性体としては、ピストン側永久磁石28に代えて、鉄等の強磁性体を用いることもできる。
弾性部材26は、伸縮可能なゴム等から形成され、円筒部23の内方に突出して設けられる。これにより、該弾性部材26の内面と磁石ケース30に保持された永久磁石(以下、「ケーシング側永久磁石」)31との間、本実施形態では、該弾性部材26の内面とケーシング側永久磁石31を支持する磁石ケース30の外面との間にオリフィス41が形成される。弾性部材26には、磁性体粉又は磁性体片からなるオリフィス可変用磁性部材27が固着されており、該オリフィス可変用磁性部材27に作用する磁界の影響を受けて、該弾性部材26は伸縮する。なお、オリフィス可変用磁性部材27の詳細な態様については後述する。
磁石ケース30は、円筒形に形成され、ケーシング10の底壁略中央部に固定されている。この磁石ケース30はアルミニウム、合成樹脂などの非磁性材料により形成され、磁石ケース30の内周面に上記したケーシング側永久磁石31が固定されている。ケーシング側永久磁石31は、円筒形に形成された第1円筒磁石37と第2円筒磁石38とが軸方向に積層されて構成されている。第1円筒磁石37及び第2円筒磁石38は共に厚み方向に着磁され、第1円筒磁石37の内周面側にN極が、第2円筒磁石38の内周面側にS極が配置されるように設けられている。
この緩衝装置1は、ピストンロッド24に対して外力が伝達されると、図2及び図3に示すように、ピストン20が押圧され、ケーシング10内に進入していく。これにより、磁石ケース30の外面と弾性部材26との間に形成されたオリフィス41を流体40が通過するため、この際の抵抗によって所定の減衰力が発生する。
一方、ピストン側永久磁石28とケーシング側永久磁石31との相対位置が変化すると、両永久磁石により形成される磁界の強さが変化する。この磁界の作用は、非磁性材料である磁石ケース30を通過し、後述する弾性部材26に設けられたオリフィス可変用磁性部材27に漏れ磁束として影響を及ぼす。従って、例えば、ピストン20が押圧され、ケーシング10内に進入していくほど、オリフィス可変用磁性部材27に作用する磁束密度(漏れ磁束の磁束密度)が高まるように設定することにより、ピストン20の移動量の増大に伴って、弾性部材26の変形量(伸縮量)が大きくなっていく。
なお、ピストン側永久磁石28及びケーシング側永久磁石31は、オリフィス可変用磁性部材27へ及ぼす磁界の強さを、ピストン20とケーシング10との相対位置により、目的とする変化を示すように設定できる限り、それらの着磁方向、磁極配置の仕方等は任意である。
この結果、図1の状態から、ピストン20が前進移動し、図2及び図3の状態へと変位していくと、オリフィス可変用磁性部材27に及ぶ磁界が強くなっていき、該オリフィス可変用磁性部材27が固着された弾性部材26が磁石ケース30側に吸引されていき、オリフィス41の流路面積が小さくなり、減衰力が大きくなっていく。図3の状態では、弾性部材26が磁石ケース30の外面に接するため、摺動抵抗も機能して減衰力が大きくなる。ピストン20が逆方向に動作する際には、オリフィス可変用磁性部材27に及ぶ磁界が次第に弱くなっていくため、弾性部材26の変形量が小さくなり、常態形状に復帰していくため、減衰力も小さくなる。
次に、上述したオリフィス可変用磁性部材27の詳細について図4を参照して説明する。弾性部材26に設けられたオリフィス可変用磁性部材27は、鉄粉等の磁性体粉又は磁性体片から形成されている。
例えば、図4(a)は、オリフィス可変用磁性部材27としての磁性体粉を、弾性部材26の表面に付着させるか、あるいは、弾性部材26の内部に分散させて保持させた態様を示したものであり、図4(b)は、オリフィス可変用磁性部材27としての磁性体粉を、弾性部材26の表面に集中して付着させるか、あるいは、弾性部材26の内部に集中して保持させた態様を示したものである。なお、図4(b)の態様において、磁性体片を集中して設けるのではなく、片状ないしは板状の鉄板等(磁性体片)を設ける構成としてもよい。図4(c)は、オリフィス可変用磁性部材27が板バネ状に形成された磁性体片からなり、弾性部材26内に配置するか、あるいは弾性部材26の側面に沿わせて配置した態様である。
このような構成とすることにより、ピストン側永久磁石28及びケーシング側永久磁石31の磁界が、オリフィス可変用磁性部材27に作用し、弾性部材26を伸縮させる。なお、いずれも、弾性部材26は円筒部23に固着された部分を中心として、ピストン20の相対変位により、回転方向にも変形することはもちろんであり、それによっても、オリフィスの流路面積は変化する。また、オリフィス可変用磁性部材27を構成する磁性体粉や磁性体片の形成位置や大きさなどを適宜に調整することにより、上記永久磁石の磁界の影響力が変わるため、それにより、オリフィスの可変の仕方を任意に調整でき、減衰力を調整できる。
また、図5に示すように、弾性部材26を円筒部23の進退方向に沿って複数設けることもできる。この場合、オリフィス可変用磁性部材27は、いずれか少なくとも一つに設けてもよいし、全ての弾性部材26に設けることもできる。オリフィス可変用磁性部材27を設けない弾性部材26は、磁石ケース30との間で、流路面積があまり変化しないオリフィスを形成することになる。
ケーシング側永久磁石31を支持する磁石ケース30としては、図6に示したように、該磁石ケース30の外周面に溝部30aを設けた構成とすることもできる。この態様の場合には、磁石ケース30は、鉄等の磁性材料から形成される。溝部30aは漏れ磁界発生部を構成するものであり、かかる溝部30aを設けることにより、該溝部30aを形成している一方の溝壁から対向する他方の溝壁に向かってケーシング側永久磁石31の磁束が多く漏れることになる。これにより、磁石ケース30全体の中では、該溝部30aを形成した部分において、他の部分よりも強い漏れ磁界が発生することになる。このように部分的に強い漏れ磁界を生じる部分を形成することにより、該溝部30aに発生した漏れ磁束が、オリフィス可変用磁性部材27に対して効果的に作用する。なお、溝部30aの形成位置、形状、形成数などは、それらにより、オリフィス可変用磁性部材27への磁界の影響が変化し、弾性部材26の変形の仕方も変わるため、減衰力をどのように調整するかにより任意に設定することができる。
図7〜9は、本発明の第2実施形態に係る緩衝装置1Bを示す図である。緩衝装置1Bは、ケーシング10と、ケーシング10に対して相対的に進退自由に配置され、弾性部材26Bを備えたピストン20と、ケーシング10に固定され、ケーシング側永久磁石31を保持する磁石ケース30とを備えている。
本実施形態においては、磁石ケース30がケーシング10内の内周面に沿って配設され、弾性部材26Bは、ピストン20側に設けられている。具体的には、磁石ケース30に保持されるケーシング側永久磁石31は、第1実施形態よりも大径の円筒形に形成され、その内側を、ピストン20の先端側に設けられた略円筒形のピストン側永久磁石28Bが進退可能に設けられている。ピストン20は、ピストンロッド24の先端に設けた支持用フランジ22Bを備えており、該支持用フランジ22Bに上記ピストン側永久磁石28Bが支持されている。そして、弾性部材26Bは、この支持用フランジ22Bの周囲に基端部を固定させて、ピストン側永久磁石28Bの上面に積層されており、該弾性部材26Bの外面と、ケーシング側永久磁石31(又は磁石ケース30)との間に、オリフィス41が形成される。
ピストン側永久磁石28B及びケーシング側永久磁石31の着磁方向、磁極数等は、任意に設定できるが、本実施形態においては、図7〜図9に示したように、ピストン側永久磁石28Bは、上側がN極となるように上下に着磁し、ケーシング側永久磁石31は、上記第1実施形態と同様に第1円筒磁石37と第2円筒磁石38とを上下に積層し、第1円筒磁石37は内周面にN極が、第2円筒磁石38は内周面にS極が位置するように、いずれも厚み方向に着磁している。
従って、本実施形態によれば、例えば、図7の状態から、図8に示したように、ピストン20がケーシング10内で前進し、弾性部材26Bが第1円筒磁石37に対向すると、オリフィス可変用磁性部材27が反発磁界を受けて、第1円筒磁石37から離間しようとするため、弾性部材26Bが収縮する。これにより、オリフィスの流路面積が大きくなり、減衰力が小さくなる。一方、ピストン20がケーシング10内をさらに前進し、図9に示したように、弾性部材26Bが第2円筒磁石38に対向すると、オリフィス可変用磁性部材27が第2円筒磁石38に吸引され、弾性部材26Bが伸張する。これにより、弾性部材26Bと第2円筒磁石38との間のオリフィスの流路面積が小さくなり、減衰力が高くなる。また、弾性部材26Bがケーシング側永久磁石31の内面に接触すると摺動抵抗も機能して減衰力がさらに高まる。
なお、図9に示した態様では、オリフィス可変用磁性部材27を設けた弾性部材26Bを、ピストン側永久磁石28Bの上面側に設けているだけであるが、図10に示したように下面側にも設けることもできる。
図11〜13は、本発明の第3実施形態に係る緩衝装置1Cを示す図である。この緩衝装置1Cは、ケーシング10と、ケーシング10に対して相対的に進退自由に配置され、弾性部材26Cを備えたピストン20と、ケーシング10に固定され、ケーシング側永久磁石31を保持する磁石ケース30とを備えており、また、ピストン側永久磁石28とケーシング側永久磁石31との相対位置の変化に応じた磁界の作用により、弾性部材26Cがオリフィス可変用磁性部材27によりケーシング側永久磁石31(磁石ケース30)に離接可能である点で、図1〜3に示した第1実施形態と全く同様である。
但し、本実施形態においては、ピストン20に設けられた円筒部23の先端に、外方に突出するフランジ部23Cが設けられており、円筒部23の周壁外周面とケーシング10の内周面との間にも流体40が充填される構成となっている。そして、円筒部23の周壁を厚み方向に貫通する他のオリフィス42が形成されている。
弾性部材26Cは、軸部261と蓋部262とを備えた断面略T字状に形成されており、軸部261を他のオリフィス42に隣接して円筒部23に支持させて、蓋部262が円筒部23の内周面に接すると他のオリフィス42を閉塞し、離間すると他のオリフィス42を開口させる構造となっている。また、弾性部材26Cの内面、すなわち蓋部材262の端面と磁石ケース30との間には、上記第1の実施形態と同様に、両者間の隙間からなる一方のオリフィス41が形成されている。また、弾性部材26Cには、例えば、図14(a)に示したように、軸部261と蓋部262とに磁性体粉からなるオリフィス可変用磁性部材27が埋設又は付着され、あるいは、図14(b)に示したように、蓋部262に磁性体片からなるオリフィス可変用磁性部材27が埋設又は付着されている。
本実施形態によれば、常態において、図11に示したように、弾性部材26Cの蓋部262がピストン20の円筒部23の内周面に密着し、他のオリフィス42を閉塞している状態であるとする。この状態から、ピストンロッド24に外力が加わり、ピストン20が前進していくと、ピストン側永久磁石28とケーシング側永久磁石31とにより形成される磁界が、オリフィス可変用磁性部材27に作用し、弾性部材26Cの蓋部262が磁石ケース30側に引き寄せられ、軸部261が伸びる。このため、他のオリフィス42が僅かに開口すると共に、蓋部262と磁石ケース30との間隙に形成される一方のオリフィス41の流路面積が小さくなる。ピストン20がさらに前進すると、図13に示したように、弾性部材26Cの蓋部262が磁石ケース30の外周面に接触し、両者間の間隙からなる一方のオリフィス41の流路面積が極めて小さくなる。その一方、蓋部262は円筒部23の内周面からさらに離間するため、他方のオリフィス42の流路面積は大きくなる。すなわち、本実施形態によれば、ピストン20とケーシング10との相対位置によって、流体40の通過するオリフィスが切り替わり、2つのオリフィス41,42を通過する際の流体40の抵抗が種々変化することになるため、減衰力が可変となる。
なお、磁石ケース30は、非磁性材料から形成することもできるし、図6に示した態様と同様に、磁性材料から形成すると共に漏れ磁界発生部となる溝部を設け、オリフィス可変用磁性部材27に効果的に磁界が作用する構成とすることも可能である。この点は、後述する第4の実施形態においても同様である。
図15〜17は、本発明の第4実施形態に係る緩衝装置1Dを示す図である。本実施形態においては、ピストン20の円筒部23の周壁に2つの弾性部材26D,26Eを軸方向に離間して設けている。その他の点は、上記第3の実施形態に係る緩衝装置1Cと同様である。また、各弾性部材26D,26Eには、磁性体粉又は磁性体片からなるオリフィス可変用磁性部材27がそれぞれ設けられている。
これにより、図15に示した状態から、ピストン20が押圧されていくと、まず、下側に配置された弾性部材26Eに設けられたオリフィス可変用磁性部材27が、ピストン側永久磁石28とケーシング側永久磁石31との磁界の影響を受け、弾性部材26Eが、図16に示したように、磁石ケース30に近接するように伸張する。そして、ピストン20がさらに押圧されると、図17に示したように、上側に配置された弾性部材26Dも伸張し、磁石ケース30に近接する。この結果、図15に示した状態、図16に示した状態、図17に示した状態では、それぞれ、オリフィス41の流路面積が変わることになるため、減衰力が可変となる。
また、本実施形態では、ケーシング10の内周面に接触して内筒部材32を配設しており、弾性部材26D,26Eは、それぞれ、伸張した際に、一方の端面が磁石ケース30の外面に、他方の端面が該内筒部材32の内周面に接するように設けられている。従って、図16の状態では、下側の弾性部材26Eの各端面が磁石ケース30の外面及び内筒部材32の内周面に接することにより所定の摺動抵抗が発生する。図17の状態では、下側の弾性部材26Eに加えて、上側の弾性部材26Dも、その各端面が磁石ケース30の外面及び内筒部材32の内周面に接するため、図16の状態よりも、さらに大きな摺動抵抗が発生することになり、これによっても減衰力が種々可変される。
なお、上記した説明では、特定の実施形態を示した図面をもとに説明しているが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではないことはもちろんである。すなわち、本発明の緩衝装置は、ピストン側に設けた磁性体とケーシング側に設けた永久磁石とにより形成される磁界の影響により、流体の流路面積を変化させたり、それに併せて摺動抵抗を変化させたり、あるいは流体の通過する流路の切り替えを行ったりすることができる弾性部材を備えていれば良く、ピストンやケーシングの形状や大きさ、オリフィスや弾性部材の形成数、形成位置、形状、大きさ等は使用目的に応じて任意に設定できる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る緩衝装置を示す概略断面図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係る緩衝装置を示す概略断面図である。 図3は、本発明の第1実施形態に係る緩衝装置を示す概略断面図である。 図4は、本発明の第1実施形態に係るオリフィス可変用磁性部材の例を示す図である。 図5は、本発明の第1実施形態に係る弾性部材の例を示す図である。 図6は、漏れ磁界発生部の例を示す図である。 図7は、本発明の第2実施形態に係る緩衝装置を示す概略断面図である。 図8は、本発明の第2実施形態に係る緩衝装置を示す概略断面図である。 図9は、本発明の第2実施形態に係る緩衝装置を示す概略断面図である。 図10は、本発明の第2実施形態に係る弾性部材の他の態様を示す図である。 図11は、本発明の第3実施形態に係る緩衝装置を示す概略断面図である。 図12は、本発明の第3実施形態に係る緩衝装置を示す概略断面図である。 図13は、本発明の第3実施形態に係る緩衝装置を示す概略断面図である。 図14は、本発明の第3実施形態に係るオリフィス可変用磁性部材の例を示す図である。 図15は、本発明の第4実施形態に係る緩衝装置を示す概略断面図である。 図16は、本発明の第4実施形態に係る緩衝装置を示す概略断面図である。 図17は、本発明の第4実施形態に係る緩衝装置を示す概略断面図である。
符号の説明
1 緩衝部材
10 ケーシング
20 ピストン
21 軸部
22 フランジ
23 円筒部
24 ピストンロッド
25 通過孔
26 弾性部材
27 オリフィス可変用磁性部材
28 軸部永久磁石
30 磁石ケース
31 永久磁石
32 内筒部材
37 第1円筒磁石
38 第2円筒磁石
40 流体
41 流体流路

Claims (11)

  1. ケーシング内を相対的に進退自由に配置されるピストンを備えた緩衝装置であって、
    前記ケーシング内に設けられる永久磁石と、
    前記ピストンに設けられ、ピストンの進退に応じて前記永久磁石との間で働く磁界の作用により、緩衝力を発揮させる磁性体と、
    前記ピストンに設けられ、前記永久磁石との間で、ケーシング内に充填される流体が通過するオリフィスとなる間隙を形成する弾性部材と、
    前記弾性部材に付設され、前記ピストンの進退に伴う前記永久磁石と磁性体との相対位置の変化に応じた両者により形成される磁界の強さによって、前記弾性部材を永久磁石に対して離接可能に変形させ、前記オリフィスの流路面積を変化させるオリフィス可変用磁性部材と
    を具備することを特徴とする緩衝装置。
  2. 前記ケーシング内に設けられる永久磁石が、ピストンの進退方向に軸方向を沿わせた円筒形に配置されていることを特徴とする請求項1記載の緩衝装置。
  3. 前記ピストンは、前進方向に突出する軸部と、軸部の基端付近で外方に突出するフランジ部と、フランジ部の外周付近で前進方向に突出する円筒部とを備えてなり、
    前記磁性体が前記軸部に支持され、前記弾性部材が前記円筒部に内方に突出して設けられ、
    前記永久磁石の内側を前記軸部が進退可能に、前記永久磁石の外側を前記円筒部が進退可能に配置され、前記オリフィスが永久磁石と弾性部材との間に形成されていることを特徴とする請求項2記載の緩衝装置。
  4. 前記円筒部に、厚み方向に貫通する他のオリフィスが形成されており、前記弾性部材の変形により、該他のオリフィスを開閉可能であることを特徴とする請求項3記載の緩衝装置。
  5. 前記ピストンは、前記磁性体が前記永久磁石の内側を進退可能に設けられていると共に、前記弾性部材が前記磁性体の進退方向のいずれか少なくとも一方に積層されて設けられ、
    前記オリフィスが永久磁石と弾性部材との間に形成されていることを特徴とする請求項2記載の緩衝装置。
  6. 前記弾性部材が前記ピストンの進退方向に沿って、複数設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の緩衝装置。
  7. 前記弾性部材に付設されるオリフィス可変用磁性部材が、弾性部材に固着される磁性体粉又は磁性体片からなることを特徴とする請求項1記載の緩衝装置。
  8. 前記磁性体片が、バネ部材からなることを特徴とする請求項7記載の緩衝装置。
  9. 前記ケーシング内に配置される永久磁石が、非磁性材料からなる支持ケースによって支持されていることを特徴とする請求項1記載の緩衝装置。
  10. 前記ケーシング内に配置される永久磁石が、磁性材料からなる支持ケースによって支持され、該支持ケースに部分的に強い漏れ磁界を及ぼす漏れ磁界発生部を形成したことを特徴とする請求項1記載の緩衝装置。
  11. 前記ピストンに設けられる磁性体が、永久磁石又は強磁性体からなることを特徴とする請求項1記載の緩衝装置。
JP2003365164A 2003-10-24 2003-10-24 緩衝装置 Expired - Fee Related JP4245456B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003365164A JP4245456B2 (ja) 2003-10-24 2003-10-24 緩衝装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003365164A JP4245456B2 (ja) 2003-10-24 2003-10-24 緩衝装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005127447A JP2005127447A (ja) 2005-05-19
JP4245456B2 true JP4245456B2 (ja) 2009-03-25

Family

ID=34643931

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003365164A Expired - Fee Related JP4245456B2 (ja) 2003-10-24 2003-10-24 緩衝装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4245456B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101679244B1 (ko) 2015-05-13 2016-11-24 인하대학교 산학협력단 영구 자석을 이용한 mr 유체 댐퍼
KR102496202B1 (ko) * 2021-12-10 2023-02-06 (주)플로우버스 척력을 이용한 충격 완화장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005127447A (ja) 2005-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9829059B2 (en) Single degree-of-freedom magnetic vibration isolation device
US7768160B1 (en) Electromagnetic motor to create a desired low frequency vibration or to cancel an undesired low frequency vibration
US8710945B2 (en) Multistable electromagnetic actuators
KR100442676B1 (ko) 자석가동형 전자액츄에이터
US7243764B2 (en) Magnetically actuated friction damper
US7455075B2 (en) Servo valve with miniature embedded force motor with stiffened armature
CN101356596B (zh) 线性致动器和配置电磁弹簧的方法
EP2600028A1 (en) Damping valve for shock absorber
US9607746B2 (en) Electromagnetic actuator device
JP4245456B2 (ja) 緩衝装置
US20050012405A1 (en) Linear actuator capable of low-speed driving
JP2003314608A (ja) 緩衝装置
JPWO2017154720A1 (ja) 電磁アクチュエータ及び開閉装置
US6831538B2 (en) Linear voice coil actuator as a controllable electromagnetic compression spring
JP5858946B2 (ja) 電磁操作式開閉装置
GB2367110A (en) A vibration isolation mount
JP2013183599A (ja) リニアソレノイド
JPH02237477A (ja) 磁歪アクチュエータ
CN111788388B (zh) 位于一对平衡点之间的质量块移位机构及具有这种移位机构的电泵或电阀
EP4348813A1 (en) A transducer for producing vibrational movement
CN114844391A (zh) 一种基于磁流变弹性体磁致伸缩原理的双钳位驱动装置
Ando et al. Resonant ferrofluidic inclinometers: New sensing strategies
Barth et al. A Bistable Shape Memory Microswitch
JP2006319612A (ja) 磁歪素子アクチュエータ
JP2006118478A (ja) ポンプ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061006

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081215

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090106

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120116

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130116

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140116

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees