JP4239347B2 - Transport tray for magnetic head for magnetic disk - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハードディスクドライブ用の磁気ヘッドを搭載し、加工、洗浄、移送、保管等を行うトレイに係り、特に、磁気抵抗効果型ヘッド(MRヘッド)を搬送するに好適なポリカーボネート樹脂成形体よりなるトレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気ヘッドは、一般に、アーム部品と、該アーム部品の先端に取り付けられたヘッドチップと、該ヘッドチップに結線されたリード線とを有する。MRヘッドは、このヘッドチップとしてMR素子(磁気抵抗素子)を用いたものである。
【0003】
ハードディスクの高密度化、高容量化のために磁気抵抗型ヘッドが用いられるようになってきた。従来の薄膜ヘッドが信号磁界がコイルに接近する際に発生する電流によって信号を検知するのに対して、このMRヘッドは、MR素子に微弱なセンス電流を流し、信号磁界を電流の抵抗値によって検出するものであり、その機構により、検出感度が飛躍的に向上し、メディアの狭トラック化で大容量化が可能とされる。最近ではさらに大容量化を狙ったGMRヘッドも用いられている。
【0004】
このMRヘッドやGMRヘッドは、微量の腐食性ガスや、微少のノイズ電流などのコンタミネーションに対して極めてデリケートである。このため、これらのヘッドを搬送するためのトレイをはじめとして、各種の取り扱い用部品や治具についても、ヘッドを汚染させないための要求性能が厳しくなってきている。
【0005】
従来の磁気ヘッド搬送用トレイは、ポリカーボネート樹脂に炭素繊維を配合してなる樹脂組成物を成形することにより製造されている。
【0006】
ここで使用されるポリカーボネート樹脂は、通常、二価フェノールのアルカリ水溶液と、ホスゲンとを有機溶媒の存在下にて反応させる溶液法により製造されており、かかる方法によれば、ポリカーボネート樹脂はその有機溶媒溶液として得られる。この有機溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素などの塩素化脂肪族炭化水素、クロロベンゼン、クロロトルエンなどの塩素化芳香族炭化水素が使用されており、中でも塩化メチレンが最も一般的に使用されている。
【0007】
ポリカーボネート樹脂は、得られたポリカーボネート樹脂溶液から、溶媒相を蒸発除去して分離精製することにより得られるが、この際、塩化メチレンに代表される有機溶媒がポリカーボネートとの親和力に優れるため、微量ではあるが樹脂中に残留することとなる。そして、樹脂中に残留した塩化メチレンは、成形加工を経て最終成形品である磁気ヘッド搬送用トレイとしての使用時に揮発成分として発生する。
【0008】
従来の磁気ヘッド搬送用トレイにおいて腐食性揮発成分として懸念されていた物質は、主に塩酸やクロルイオンなどのイオン性物質であったが、MR素子、GMR素子など腐食に対して極めて敏感な素子を有した磁気ヘッドの搬送用トレイにおいては、塩化メチレンのようなクロルイオンの前駆体であっても問題が生じるようになってきている。
【0009】
また、アルコール、ケトン類などのその他の揮発性成分に関しても磁気ヘッドチップに対する安全性は必ずしも確認されておらず、このため磁気ヘッド搬送用トレイに対しては、総アウトガス量そのものも少ないことが要求されてきている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、腐食による磁気ヘッドの損傷の危険性の少ない磁気ディスク用磁気ヘッドの搬送用トレイを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁気ディスク用磁気ヘッドの搬送用トレイは、アーム部品と、該アーム部品の先端に取り付けられたヘッドチップと、該ヘッドチップに結線されたリード線とを有する磁気ディスク用磁気ヘッドを搬送するためのトレイにおいて、該トレイは、導電性充填材0.25〜50重量%を含有するポリカーボネート樹脂組成物を成形してなるものであり、該トレイのヘッドスペースガスクロマトグラムによる測定における、加熱温度85℃、平衡時間16時間の条件で測定した表面積12.6cm2からの塩素化炭化水素発生量が0.1μg/g以下であることを特徴とする。
【0012】
ヘッドスペースガスクロマトグラムによる測定における、加熱温度85℃、平衡時間16時間の条件で測定した表面積12.6cm2からの塩素化炭化水素発生量(以下単に「塩素化炭化水素発生量」と記す。)が0.1μg/g以下であるような、揮発成分の発生量の少ないトレイであれば、磁気ヘッドの腐食による損傷の問題を排除することができる。
【0013】
本発明のトレイは、特に、ヘッドスペースガスクロマトグラムによる測定における、加熱温度85℃、平衡時間16時間の条件で測定した表面積12.6cm2からの総アウトガス量(以下単に「総アウトガス量」と記す。)が1μg/g以下で、塩化メチレン発生量(以下単に「塩化メチレン発生量」と記す。)が0.1μg/g以下でかつ炭化水素発生量(以下単に「炭化水素発生量」と記す。)が0.5μg/g以下であることが好ましい。
【0014】
また、本発明において用いる導電性充填材は、DBP吸油量100cc/100g以上の炭素系導電性物質、特に直径100nm以下で、長さ/径比が5以上の炭素フィブリルであることが好ましい。
【0015】
本発明のトレイはまた、表面抵抗値が103〜1012Ωであることが好ましい。
【0016】
このような本発明のトレイは、次の(A)〜(D)の手法を採用することにより容易に実現することができる。
(A) ポリカーボネート樹脂として、温水滴下精製されたポリカーボネート樹脂を用いる。
(B) ポリカーボネート樹脂として、無溶媒重合法により得られたポリカーボネート樹脂を用いる。
(C) ポリカーボネート樹脂組成物の溶融混練時又は溶融成形時に、真空脱気を行う。
(D) 成形後に80〜140℃の温度で30分〜20時間アニールする。
【0017】
このような本発明のトレイは、とりわけMRヘッド又はGMRヘッドの搬送用トレイとして好適である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0019】
本発明のトレイは、ヘッドスペースガスクロマトグラムにより、例えば、下記測定方法で測定した塩素化炭化水素発生量が0.1μg/g以下のものである。
<発生ガス量測定方法>
トレイより切り出した分析サンプル(22mm(長さ)×10mm(幅)×3mm(厚さ))2ピース(総表面積12.6cm2)を、容量22mLのバイヤル中で、内標としてn−オクタンを10μL添加して、加熱温度85℃、平衡時間16時間の条件でガスを抽出した後、ガスクロマトグラム(GC)にて測定し、イオンクロマトグラムにおけるn−オクタンとの面積比より発生量を算出する。ただし、分析サンプルの形状は上記長さ、幅、厚さに何ら制限されず、また、分析サンプルの総表面積が異なる場合には、12.6cm2に換算すれば良い。
【0020】
この塩素化炭化水素発生量が0.1μg/g以下であればヘッドへの悪影響は極めて少ない。塩素化炭化水素発生量は、望ましくは0.02μg/g以下である。
【0021】
また、ヘッドへの悪影響を考慮した場合、総アウトガス量は1μg/g以下、特に0.5μg/g以下、塩化メチレン発生量は0.1μg/g以下、炭化水素発生量は0.5μg/g以下、特に0.2μg/g以下であることが望ましい。なお、この炭化水素とは、後述のポリカーボネート樹脂の製造において使用されるn−へプタンや、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等である。
【0022】
本発明において、導電性充填材を含有するポリカーボネート樹脂組成物を成形することにより、このようなガス発生量のトレイを得る方法について、以下に説明する。
【0023】
本発明において、ポリカーボネート樹脂としては、例えば界面重合法、ピリジン法、クロロホーメート法などの溶液法により、二価フェノール系化合物をホスゲンと反応させることによって製造される一般的なものを使用できる。この場合、トレイからの揮発成分となる、重合溶媒として用いた塩化メチレンなどの塩素化炭化水素等を、得られるトレイに残留させない方法としては、例えば以下の(A),(C),(D)の方法が挙げられる。また、下記(B)の如く、溶媒を用いない方法で製造されたポリカーボネート樹脂を用いる方法も有効である。
(A) 塩素化炭化水素溶液として得られたポリカーボネート樹脂を精製するに当り、ポリカーボネート樹脂の水懸濁液を得、これを濾過や遠心分離等により湿潤粉末を得る。例えば、ポリカーボネートの塩化メチレン溶液に、n−へプタンなどのポリカーボネート樹脂の貧溶媒(ポリカーボネートが溶解しないか、溶解しても僅かな溶媒)を沈殿が生じない程度添加してなる樹脂液を、温水中に滴下し、適宜湿式粉砕を行いながら貧溶媒を留去する(以下、この方法を「温水滴下精製」と記す。)。このとき、80〜100℃に加熱しながら貧溶媒を留去する際、腐食性の揮発性ガスの原因となる塩化メチレン等の塩素化炭化水素が効率よく除去される。
(B) 重合溶媒を使用しない重合方法により得られたポリカーボネート樹脂(例えば、特開平4−103626号公報等に開示されたポリカーボネート樹脂)を使用する。
(C) 溶融混練又は溶融成形に当り、真空脱気する。例えば、通常の精製方法、或いは上記(A)法又は(B)法により得られたポリカーボネート樹脂をベント付き押し出し機に供給して、ベントより真空脱気することにより、溶媒を除去する。この際、特開平9−29738号公報に記載されるように、原料粉末或いは溶融状態の樹脂に水を添加すると、残存溶媒の除去の点で好適である。
(D) 通常の精製方法或いは、上記(A)〜(C)の方法より得られたポリカーボネート樹脂を使用した樹脂組成物を用いて成形したトレイを、アニールすることによって揮発成分を除去する。この場合、アニール処理は、80℃以上の温度で30分以上行うのが好ましい。このアニール処理温度が140℃を超えるとトレイの寸法変化や変形を引き起こす可能性があり、また、アニール処理時間が20時間を超えても揮発成分の除去効果の向上は望めないことから、アニール処理は80〜140℃で30分〜20時間とするのが好ましい。
【0024】
なお、上記(A)〜(D)の方法のうち、(A)法では、塩素化炭化水素は低減できるものの、n−ヘプタンなどの貧溶媒成分が残留する可能性が高い。n−ヘプタンはヘッドを腐食することはないものの、最近のより高密度化されたMR素子においては、ヘッド素子表面への微少なデポジットの危険性が問題とされることから、前述の如く、n−ヘプタン等の炭化水素発生量についても、極力抑えることが望まれる。
【0025】
このようなn−ヘプタンや、オリゴマー、その他の低分子量揮発成分も効率的に除去する点からは、特に、(C)法の真空脱気による溶媒除去法が望ましい。この(C)法の押し出し機での真空脱気は、導電性充填材を溶融混練により複合化する際に行っても良いし、この混練前又は混練後に行っても良い。
【0026】
本発明において、導電性充填材としては、導電性を有する、粒子状、フレーク状、短繊維状などの各種のフィラーを使用することができる。
【0027】
具体的には、アルミニウム、銀、銅、亜鉛、ニッケル、ステンレス、真鍮、チタンなどの金属系フィラー、各種カーボンブラック、黒鉛(人工黒鉛、天然黒鉛)、ガラス状カーボン粒子、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維、グラファイトウィスカー、炭素フィブリル等の炭素系充填材、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物系充填材などの導電性充填材が挙げられる。なお、金属酸化物系フィラーのなかでも格子欠陥の存在により余剰電子が生成して導電性を示すものの場合には、ドーパントを添加して導電性を増加させたものを用いても良い。この場合、例えば、酸化亜鉛にはアルミニウム、酸化スズにはアンチモン、酸化インジウムにはスズ等がそれぞれドーパントとして用いられる。また、炭素繊維などに金属をコーティングしたり、チタン酸カリウムウィスカーやホウ酸アルミニウムウィスカーの表面に導電性酸化スズを形成した複合系導電性フィラーを使用することもできる。
【0028】
上述の導電性繊維の中でも、繊維径5μm以下の導電性繊維を用いると、成形体表面への充填材の露出が少なく、また露出したとしても、磁気ヘッド用への損傷が少なく、更には表面抵抗値を適正な範囲内にコントロールし易い点で望ましい。
【0029】
繊維径5μm以下の導電性繊維としては、酸化亜鉛ウィスカ、酸化チタンウィスカなどの導電性ウィスカやチタン酸カリウムウィスカやホウ酸アルミニウムウィスカの表面に導電性酸化スズを形成した複合系導電性繊維が挙げられる。これらの繊維充填材は、アスペクト比(繊維長/繊維径比)が5以上、望ましくは10以上のものが望ましい。なお、ここでいう繊維径、繊維長は、顕微鏡観察して5点測定した平均値である。
【0030】
上記導電性充填材の中でも、以下の理由から、DBP吸油量が100cc/100g以上のもの、好ましくは250cc/100g以上のもの、より好ましくは400cc/100g以上のものが望ましい。
【0031】
即ち、DBP吸油量が大きいほど充填材の表面積が大きいことを表しており、従って、一般にDBP吸油量の数値が大きいものほど微細な形状なものとなる。一方、導電性充填材の配合による樹脂の導電性の発現は、導電性充填材同士の連続的な接触による導電経路の形成により、導電性充填材間の距離が10〜30Å程度離れた不完全な接触状態においては、充填材間に電子のホッピングによる電気伝導が生じる。このホッピングによる導電性は導電性充填材の内部での導電性に比較して低い。ところで、トレイには、後述の如く、表面抵抗値(或いは導電性)が中位に安定していることが望まれる。従って、樹脂内部に導電性充填材の不完全な接触状態を多数形成することにより、樹脂組成物の導電性を中位(例えば106Ω)に安定して得ることが望ましい。DBP吸油量が大きく微細な形状の充填材ほど、このような不完全な接触状態が形成される確率が高いため、本発明では、上述のようなDBP吸油量の大きい導電性充填材を用いるのが好ましい。
【0032】
ところで、前述の導電性充填材としての金属フィラーや、炭素繊維などは、ポリカーボネート樹脂との親和性を補うために、通常はシランカップリング剤などの有機性の表面処理剤によって処理される。しかし、この表面処理剤は低分子量化合物が多く、そのため、得られたトレイから発生するアウトガスの増加に寄与する場合がある。これに対して、DBP吸油量が100cc/100g以上のカーボンブラック等の炭素系導電性充填材の表面は、一般に極めて活性に富み、表面処理なしでポリカーボネート樹脂とよく親和して良好な分散性を示す。従って、表面処理剤に由来するアウトガスが発生することがない点においても、DBP吸油量の大きい導電性充填材が好適である。
【0033】
このようなDBP吸油量を満足する導電性充填材としては、具体的にはファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラックや、炭素フィブリルなどの炭素系導電性物質が挙げられる。
【0034】
本発明においては、このような炭素系導電性物質のなかでも、トレイからの導電性充填材の脱落が少ない点で特に炭素フィブリル、とりわけ繊維径が100nm以下の炭素フィブリルが好ましく、例えば特表平8−508534号公報に記載されているものを使用することができる。
【0035】
即ち、炭素フィブリルは、当該フィブリルの円柱状軸に実質的に同心的に沿って沈着されているグラファイト外層を有し、その繊維中心軸は直線状でなく、うねうねと曲がりくねった管状の形態を有するため、トレイからの脱落が少ない。
【0036】
また、前述の導電性充填材のうち、例えば、一部のカーボンブラックは、イオウなどの原料由来の不純物を微量含んでいる場合があり、これが揮発成分としてトレイのアウトガス量を増加させる。これに対して、炭素フィブリルは、高純度のエチレンガス等を原料として気相にて生成するために、充填材そのものに含まれる揮発成分も極めて少なく、アウトガスを全く発生しない点で、最も望ましい。
【0037】
なお、炭素フィブリルの繊維径は製法に依存し、分布のあるものであるが、ここで言う繊維径とは顕微鏡観察して5点測定した平均値を指す。炭素フィブリルの繊維径が100nmより大きいと、樹脂中でのフィブリル同士の接触が不十分となり、安定した抵抗値が得られにくい。従って、炭素フィブリルとしては繊維径100nm以下のものが好ましい。
【0038】
特に、炭素フィブリルの繊維径が20nm以下であると、万が一炭素フィブリルがトレイの表面から脱落し、ヘッド等に付着した場合であっても、作動時のヘッドとハードディスクとのクリアランスは繊維径より比較的大きい(50μm程度)ため、ディスククラッシュの危険性が低下するので好ましい。
【0039】
一方、炭素フィブリルの繊維径は、0.1nm以上、特に0.5nm以上であることが好ましい。繊維径がこれより小さいと、製造が著しく困難である。
【0040】
また、炭素フィブリルは、長さと径の比(長さ/径比、即ちアスペクト比)が5以上のものが好ましく、特に100以上、とりわけ1000以上の長さ/径比を有するものが好ましい。なお、この炭素フィブリルの長さ/径比は、透過型電子顕微鏡での観察において、5点の実測値の平均値によって得られる。
【0041】
また、微細な管状の形態を有する炭素フィブリルの壁厚み(管状体の壁厚)は、通常3.5〜75nm程度である。これは、通常、炭素フィブリルの外径の約0.1〜0.4倍に相当する。
【0042】
炭素フィブリルはその少なくとも一部分が凝集体の形態である場合、原料となる樹脂組成物中に、面積ベースで測定して約50μmより大きい径を有するフィブリル凝集体、望ましくは10μmよりも大きい径を有するフィブリル凝集体を含有していないことが望ましい。
【0043】
このような炭素フィブリルは、市販品を使用することができ、例えば、ハイペリオンカタリシスインターナショナル社の「BN」が使用可能である。
【0044】
本発明において、導電性充填材の添加量はポリカーボネート樹脂組成物中0.25〜50重量%とする。導電性充填材の添加量が0.25重量%未満では十分な導電性が得られず、50重量%を超えると、ポリカーボネート樹脂組成物の成形性が著しく低下する。
【0045】
特に、導電性充填材が炭素フィブリル等の炭素系導電性充填材の場合、その添加量はポリカーボネート樹脂組成物中1〜8重量%とするのが好ましい。添加量がこれよりも少ないと導電性が発現しにくく、一方これより多く添加しても増量に見合う効果の向上は認められず、むしろトレイからの粉塵の発生が見られると共に成形性も低下することとなる。
【0046】
本発明では、導電性充填材として、高分子型の帯電防止剤を使用することもできる。この場合、例えば、ポリエーテル、4級アンモニウム塩、スルホン酸塩等の導電性単位をブロックもしくはランダムに組み込んだ高分子や、特開平1−259051号公報に記載されているような、ホウ素原子を分子中に有する高分子電荷移動型結合体などが使用できる。
【0047】
特に、高分子型帯電防止剤のなかでも、ポリエーテル系高分子帯電防止剤が耐熱性の点で望ましい。具体的には、ポリエチレンオキシド、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミドイミド、エチレンオキシド−エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコール−(メタ)アクリレート共重合体等、好ましくは、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミドイミド、より好ましくはポリエーテルエステルアミドが挙げられる。
【0048】
このような高分子型帯電防止剤の添加量は、ポリカーボネート樹脂組成物中に1〜50重量%、特に5〜30重量%とするのが好ましい。
【0049】
上述の各種導電性充填材は、1種類を単独で使用しても、2種以上のものを組み合わせて使用しても良い。
【0050】
本発明に係るトレイを成形するためのポリカーボネート樹脂組成物には、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で各種の添加成分を配合することができる。例えば、ガラス繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、チタン酸カリウム繊維、ほう酸アルミニウム繊維等の無機繊維状強化材、アラミド繊維、ポリイミド繊維、フッ素樹脂繊維等の有機繊維状強化材、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、ガラスビーズ、ガラスパウダー、ガラスバルーン等の無機充填材、フッ素樹脂パウダー、二硫化モリブデン等の固体潤滑剤、パラフィンオイル等の可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、相溶化剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、分散剤、着色剤、防菌剤、蛍光増白剤等といった各種添加剤を配合することができる。
【0051】
また、このポリカーボネート樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で各種の樹脂をブレンドして用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等の脂肪族ポリオレフィンや脂環族ポリオレフィン、芳香族ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、各種ポリアミド(ナイロン6、66、ナイロン610、ナイロンMXD6等)、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル、液晶性ポリエステル等の非オレフィン系樹脂をブレンドすることができる。更に、スチレン系エラストマー(スチレン−ブタジエン共重合体等)、オレフィン系エラストマー(エチレン−プロピレン共重合体等)、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリアミドエラストマーなどの各種の熱可塑性エラストマーを併用添加しても良い。
【0052】
本発明のトレイの製造方法には、特に制限はなく、通常の熱可塑性樹脂の加工方法で製造できる。例えば、ポリカーボネート樹脂に導電性充填材を予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押し出し機、二軸混練押し出し機、ニーダーなどで溶融混練することによってポリカーボネート樹脂組成物を製造することができ、その後、各種の溶融成形法により、この樹脂組成物を所定形状に成形してトレイを得ることができる。この成形法としては、具体的には、プレス成形、押し出し成形、真空成形、ブロー成形、射出成形などを挙げることができる。これらの成形法の中でも、特に射出成形法、真空成形法が望ましい。
【0053】
射出成形法としては、一般的な射出成形法の他に、インサート射出成形法による金属部品その他の部品との一体成形や、二色射出成形法、コアバック射出成形法、サンドイッチ射出成形法、インジェクションプレス成形法等の各種成形法を用いることができる。射出成形においては、樹脂温度、金型温度、成形圧力によって得られるトレイの表面抵抗値が変化するので、目的に応じて適切な条件を設定する必要がある。
【0054】
ところで、MRヘッドはMR素子の微少電流(センス電流)の抵抗変化により磁気を感知するという機構によるため、微弱なノイズ電流でもMR素子を損傷させてしまう危険性が大きい。このため、磁気ヘッドのトレーとの電位差に起因する静電気放電や、ヘッドとトレーとの接触により生じる接触電流に対して、従来の集積型磁気ヘッドやICに比べて遙かにデリケートである。
【0055】
即ち、MRヘッドの組み付け工程においては、ヘッドチップにリード線が結線され、このヘッドチップがジンバルを介してアーム部品に組み付けられる。このリード線(金属線)にはポリイミドが被覆されているが、ポリイミドと金属線との接触電位差に起因して接触部は常に電荷分離した、電気的に不安定な状態にある。この結果、リード線先端が磁気ヘッドのトレー等に接触した際、接触部における電荷のやりとりがより生じ易くなり、損傷の危険性が高くなる。
【0056】
従来の磁気ヘッド搬送用トレイの表面抵抗値は101〜102Ω/□程度であり、静電気放電によるヘッドチップの損傷の危険性はないものの、トレイの表面抵抗が低すぎることによる、ヘッドチップとトレイ間、または周辺部品とトレイ間の過度な接触電流による損傷が深刻な問題となっている。
【0057】
このような問題を回避するために、本発明のトレイは、その表面抵抗値が2探針プローブを用いた測定において、103〜1012Ω、特に104〜1011Ω、とりわけ105〜1010Ωであることが好ましい。表面抵抗値がこの範囲であると、帯電防止性に優れるだけでなく、トレイとの接触における過大な接触電流が防止できるため、電子部品への損傷が少ない。
【0058】
なお、一般に表面抵抗値とは、測定サンプルの厚みや幅方向への電流の回り込みを考慮して、抵抗値を形状要因で換算することにより(Ω/□)の単位で得られるが、本発明のトレイのように複雑な形状の場合、この換算が極めて困難である。一方、実用においては、形状を含んだ上での見かけの抵抗値が重要であり、必ずしも形状で換算された単位(Ω/□)を用いる必要はない。従って、本発明においては、上記表面抵抗値(Ω)で評価する。
【0059】
また、本発明の磁気ディスク用磁気ヘッドの搬送用トレイは、表面粗さが、カットオフ波長2.5mmの測定において、下記▲1▼又は▲2▼を満足するものが好適である。
【0060】
▲1▼ 十点平均粗さ(Rz)が5μm以下
▲2▼ カッティングレベル10%負荷長さ率(tp)が1%以上で、中心線より±0.1μm以上のピークカウント(Pc)が測定長1cm当たり100以下
ここで、十点平均粗さ(Rz)とは、粗さ曲線の平均線から縦倍率の方向に測定した、最も高い山頂から5番目までの山頂の標高の絶対値の平均値と、最も低い谷底から5番目までの谷底の標高の絶対値の平均値との和より算出して求める。従って、Rzの数値は、小さいほど平滑な表面であることを示す。
【0061】
なお、極めて平滑な表面の場合、山及び谷が測定範囲内に5個以上存在しないと算出が不可能である。そのような場合には、本発明では最大山と最大谷の和、すなわちRmaxで置き換えることが出来る。
【0062】
一方、カッティングレベル10%の負荷長さ率(tp)とは、粗さ曲線から基準長さだけ抜き取り、最も高い山頂から10%低いレベルで、平均線と平行に切断したときに得られる切断長さの和(負荷長さ)の基準長さに対する比を百分率で表したものをいう(JIS B0601)。
【0063】
また、±0.1μm以上のピークカウント(Pc)とは粗さ曲線の平均線から±0.1μmの高さ及び深さに平均線と平行に線を引き、その線を縦方向に横切る凹凸が、基準長さ内にいくつあるかをカウントしたものである。
【0064】
十点平均粗さ(Rz)が5μm以下の平滑度の高い表面粗さであれば、ポリイミド被覆材などの磁気ヘッドへの傷付き性は少ない。
【0065】
また、十点平均粗さ(Rz)が5μmを超えても、カッティングレベル10%の負荷長さ率(tp)が1%以上で、かつ前記ピークカウント(Pc)が1cmあたり100以下、望ましくは80以下であると、磁気ヘッドへの傷付きが少なく良好となる。
【0066】
逆に、十点平均粗さ(Rz)が5μmを超え、カッティングレベル10%の負荷長さ率(tp)が1%より小さいと、突起の先端が鋭利になり、磁気ヘッドへの損傷が大きくなる。また、十点平均粗さ(Rz)が5μmを超え、カッティングレベル10%の負荷長さ率(tp)が1%以上でピークカウント(Pc)値が100を超える表面粗さであると、磁気ヘッドへの損傷が大きくなる。
【0067】
ところで、本発明のトレイのように、非結晶性で比較的溶融粘度の高いポリカーボネート樹脂に導電性充填材を配合した樹脂組成物の射出成形品の表面は、金型表面を転写し難く、流動性、充填材の形状、収縮及び成形条件等に起因する表面付近での流れムラや充填材の露出によって表面粗さが形成される。
【0068】
かかる状態での表面粗さは、Pc値で表される凹凸の数が本発明の範囲以下であれば山と谷の傾斜がなだらかになり、山の頂点が緩やかになる。このことによって磁気ヘッドとの摩擦において”引っ掻き”の効果が減少する。逆にPc値が100を超えると個々の山が鋭利な突起となり、磁気ヘッドへの損傷を引き起こす。ピークカウント(Pc)は10以上80以下において特に磁気ヘッドの損傷性が少なくなる。
【0069】
上記の表面粗さは、金型表面の転写性を改良したポリカーボネート樹脂組成物を用いて、金型表面を放電加工、エッチング、サンドブラストなどによる処理によって意識的に粗らして、それを転写した場合においても同様である。
【0070】
特に、磁気ヘッドをトレイに搭載した状態にて水中洗浄及びその後の乾燥工程を行う場合、磁気ヘッドと接触する部位のトレイ表面の十点平均粗さ(Rz)が小さいと、その間に浸透した洗浄水の乾燥性が低下し、乾燥効率を低下させるという問題が生じることがある。更に、磁気ヘッド用トレイの場合、磁気ヘッドの目視検査において、トレイの表面の平滑性が良すぎると、光の反射率が大きくなり、検査に支障をきたす。
【0071】
かかる観点から、磁気ヘッド用トレイの磁気ヘッドの搭載される部位の表面粗さは、十点平均粗さ(Rz)が5μm以上50μm以下でカッティングレベル10%の負荷長さ率(tp)が1%以上、かつピークカウント(Pc)が100以下、好ましくは10以上80以下であることが好ましい。
【0072】
本発明のトレイは、純水500ml中に、表面積100〜1000cm2のトレイを浸漬し、40KHzの超音波を60秒間印加したときに、該トレイの表面から脱落する粒径1μm以上のパーティクルの数(以下、この値を「パーティクル発生量」と称す。)が5000pcs/cm2以下であるような、表面の均一性、安定性に優れたものが好ましい。かかるトレイであれば、ひっかきや摩耗、洗浄により脱落するパーティクルによる磁気ヘッドの物理的ないし化学的な汚染や損傷を防止することができる。
【0073】
このパーティクル発生量が5000pcs/cm2を超えると、ひっかきや摩擦、洗浄時に脱落したパーティクルによる汚染や損傷の問題がある。本発明では、特に、パーティクル発生量は1000pcs/cm2以下であることが好ましい。
【0074】
また、本発明の磁気ディスク用磁気ヘッドの搬送用トレイは、純水50ml中に表面積100cm2のトレイを浸漬して60℃で60分間攪拌したときに、トレイから溶出するクロルイオン量(以下、この値を「クロルイオン溶出量」と称す。)が0.01μg/cm2以下であることが、クロルイオンによる腐食等の問題を防止する上で好ましい。
【0075】
このクロルイオン溶出量が0.01μg/cm2を超えると、洗浄時に溶出したクロルイオンによる腐食や使用時の異物発生の問題がある。クロルイオン溶出量は特に0.005μg/cm2以下であることが好ましい。
【0076】
ところで、導電性充填材として炭素繊維を用いたトレイにあっては、炭素繊維の表面処理剤である有機性成分が磁気ヘッドに付着してヘッドを汚染、損傷させたり、ヘッドとディスク間の異物となる問題が懸念される。この問題を防止するために、本発明では、次に述べる不揮発性有機物溶出量の測定方法で測定したときのトレイからの不揮発性有機物の溶出量がトレイの単位表面積当り0.5μg/cm2以下であることが好ましい。
【0077】
<不揮発性有機物溶出量の測定方法>
旭ガラス社製フロン系洗浄剤「アサヒクリンAK−225」500mlにトレイを浸漬し、超音波(40KHz、0.5W/cm2)を60秒間印加する。抽出液を100℃にて揮発させて、残留分の重量を測定する。
【0078】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0079】
なお、以下の実施例及び比較例において、二軸混練押し出し機としては、池貝鉄鋼社製「PCM45」L/D=32(L;スクリュー長、D;スクリュー径)を用い、バレルは、先端より4.4Dから5.8Dの部分にベント開口部を有する形状とした。
【0080】
また、ポリカーボネート樹脂組成物から成形したトレイの形状及び寸法は、図1(斜視図)及び図2(a)(平面図)、(b)(図2(a)のB−B線に沿う断面図)に示す通りである。図中、1はトレイ本体、2は位置決めリブ、3は位置決めボス、4は磁気ヘッドをそれぞれ示す。
【0081】
実施例1
ビスフェノールAより製造したポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液を精製し、樹脂濃度20重量%の溶液とした。この樹脂溶液200リットルに、n−ヘプタン40リットルを加え均一に混合した後、温水中に滴下しつつ湿式粉砕器で粉砕した。この温水滴下精製における滴下中の容器内の液温度は40℃、内圧は0.1Kg/cm2に調整した。
【0082】
滴下終了後、容器内温度を100℃まで昇温し、約15分間で溶媒を蒸発除去し、得られたポリカーボネート樹脂の水スラリー液を取り出し、濾過、水切りをした後、140℃にて乾燥を行い、ポリカーボネート樹脂の粉末を得た。
【0083】
得られたポリカーボネート樹脂に、平均繊維径7μm、平均繊維長6mmのエポキシ表面処理されたPAN系炭素繊維を組成物中に10重量%配合して、二軸混練押し出し機によりベント開放状態にて300℃の温度でスクリュー回転数100RPM、吐出量30Kg/hの条件で混練して樹脂組成物ペレットを得た。
【0084】
得られたペレットを射出成型機にて、300℃の成形温度にて成形して図示の磁気ヘッド搬送用トレイ(総表面積420.8cm2)を得た(金型温度90℃)。
【0085】
得られたトレイの表面抵抗値を下記の方法で測定し、結果を表1に示した。なお、表面抵抗値は、図2(a)の斜線を付した範囲の任意の5ヶ所で測定し、平均値を算出した。
<表面抵抗値測定方法>
2探針プローブで、プローブ先端:2mmφ、プローブ中心間距離:20mmにて下記プローブ間印可電圧にて測定した。
表面抵抗値が103Ω以上109Ω未満の場合: 10V
表面抵抗値が109Ω以上の場合 :100V
ただし、表面抵抗値108Ω以上の測定には、プローブ先端を5mmφとして、さらに厚み2mmt、直径5mmφ、10Ωcm以下の導電性シリコンゴムをアセンブリして、サンプル表面との密着が安定するようにして測定した。
【0086】
また、測定機としては次のものを用いた。
表面抵抗値102Ω以上、104Ω未満の場合:アドバンテスト社製「高抵抗計R8340」
表面抵抗値104Ω以上の場合 :ダイヤインスツルメント社製「ハイレスタAP」
(なお、比較例1の表面抵抗値101Ωの測定には、ダイヤインスツルメント社製「ロレスタIP(4探針プローブ)」を用いた。)
<磁気ヘッドの腐食試験>
このトレイにMRヘッドを12個搭載して、ガラス製の容器(容量201.5mL)中で、80℃、90%、95時間放置した。その後、MRヘッドをトレイから取り出し、100倍の顕微鏡にてMR素子部の腐食の有無を観察し、下記基準で評価を行い、結果を表1に示した。
○…磁気ヘッド(素子)に、腐食は見られなかった。
×…全ての磁気ヘッド(素子)のパーマロイにより構成されている部位に腐食が発生した。
<ガス発生量の測定方法>
別に、トレイより分析サンプルとして22mm(長さ)×10mm(幅)×3mm(厚さ)のサンプルを2ピース(総表面積12.6cm2)切り出して、内標としてn−オクタンを10μL添加した容量22mLのバイヤル中で、加熱温度85℃、平衡時間16時間の条件でガスを抽出した。
【0087】
バイヤル中に発生したガスをガスクロマトグラム(GC/MS)にて測定した。このときの測定条件は以下に示す通りである。
【0088】
装 置 :島津製作所社製「GC/MS QP5050」
カ ラ ム :CHROMPAK PORAPLOT Q 0.32mm×25m
カラム温度 :35〜240℃(10℃/min)
注入口温度 :230℃
インターフェース温度:280℃
トレイガス :ヘリウム
注入口圧力 :100K Pas
全 流 量 :60mL/min
注 入 量 :2mL
発生ガスの定性分析の結果、主成分はn−ヘプタン、アセトン、1−プロペン、2−プロパノール、及びその他の微量成分であった。
【0089】
総アウトガス量、塩化メチレン発生量、n−ヘプタン発生量をそれぞれ以下の式により算出し、結果を表1に示した。
総アウトガス量(μg/g) =(サンプル総ピーク面積−ブランク総ピーク面積) /(n−オクタンのピーク面積/n−オクタンの重量(g))×1 /(サンプル重量(g))
塩化メチレン発生量(μg/g) =(塩化メチレンピーク面積) /(n−オクタンのピーク面積/n−オクタンの重量(g))×1 /(サンプル重量(g))
ヘプタン発生量(μg/g) =(ヘプタンピーク面積) /(n−オクタンのピーク面積/n−オクタンの重量(g))×1 /(サンプル重量(g))
<表面粗さ>
東京精密社製 表面粗さ計「サーフコム」を使用して、測定条件:カットオフ波長2.5mm、測定長5mm、測定スピード0.3mm/Sにて測定した。
測定は、磁気ヘッドが接触する図2(a)の斜線を付した範囲の任意の5ヶ所について行い、各パラメータの平均値を算出した。また、Pc値は2倍して1cm当たりの数値に換算した。
【0090】
なお、図2(a)に示す、斜線部に対応する金型面の表面粗さは、Rmax1.5μmであった。
<損傷性試験>
磁気ヘッドへの損傷性評価として、図3に示す方法にて、磁気ヘッドが接触する図2(a)の斜線を付した範囲から採取したトレイ材(サンプル)11に対して、磁気ヘッドのリード線として使用される、基材にポリイミドを使用したフレキシブルプリント配線基板(FPC)(幅10mm)12を、ゴムシート13を取り付けた荷重(100g,直径40mm)14で押し付け、スパン80mmで10往復摺動させて、試験後の配線基板12の表面を光学顕微鏡にて50〜100倍で観察し、以下の基準で判定した。
なお、損傷試験用サンプル11は事前に全て純水洗浄を行い、表面に付着したゴミを取り除いた。また、事前洗浄及び損傷性試験は全てクリーンルーム内で行った。
◎: 傷が全く観察されない。
○: 傷が6本未満で、傷深さが銅配線へ達していない。
×: 傷が6本以上で、傷深さが銅配線へ達している。
<パーティクル発生量>
純水500mlに図1,2の形状に形成したトレイ(総表面積420.8cm2)1枚を浸漬し、超音波(40KHz、0.5W/cm2)を60秒間印加した。その後、抽出した純水を液中パーティクルカウンターにて吸引し、粉塵粒子径1μm以上の数量を測定した。なお、測定に際しては、前処理として、トレイを純水により8分間超音波洗浄した後に、100℃のオーブン中にて30分乾燥を行った。作業は全てクリーンルーム内で行った。また、サンプル浸漬の際には全てガラス製容器を用いた。
<クロルイオン溶出量>
純水480mlに図1,2の形状に成形したトレイ(総表面積420.cm2)2枚をポリプロピレン容器中で浸漬し、60℃のウォーターバス中で60分攪拌した。その後、イオンを抽出した純水中のクロルイオンをイオンクロマトグラフ法にて分析した。
<不揮発性有機物溶出量>
旭ガラス社製フロン系洗浄剤「アサヒクリンAK−225」500mlに、図1,2の形状のトレイサンプル(総表面積420.8cm2)を浸漬し、超音波(40KHz、0.5W/cm2)を60秒間印加した。抽出液をアルミパン上で100℃にて揮発させて、残留分の重量を測定した。
【0091】
実施例2
実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂粉末を調製し、これを二軸混練押し出し機にてベントを20Torrに減圧しながら、300℃の温度でスクリュー回転数200RPM、吐出量20Kg/hの条件で混練して、ペレットを得た。このペレットにアセチレンブラック(電気化学(株)製「デンカブラック」DBP吸油量300cc/100g)18重量%を二軸混練押し出し機にてベント開放状態にて280℃の温度でスクリュー回転数200RPM、吐出量30Kg/hの条件で混練して、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
【0092】
このペレットを用いて実施例1と同様にしてトレイを成形し、評価を行い、表面抵抗値、腐食試験及び発生ガス分析の結果を表1に示した。
【0093】
実施例3
実施例1と同様にして調製したポリカーボネート樹脂粉末100重量部に対して1重量部の純水を添加し、二軸混練押し出し機にてベントを20Torrに減圧しながら、300℃の温度でスクリュー回転数200RPM、吐出量20Kg/hの条件で混練して、ペレットを得た。このペレットに炭素フィブリル(ハイペリオンカタリシスインターナショナル社製「タイプBN」DBP吸油量700cc/100g)4.3重量%を配合し、二軸混練押し出し機にてベントを20Torrに減圧しながら、280℃の温度でスクリュー回転数200RPM、吐出量20Kg/hの条件で混練して、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。なお炭素フィブリルの配合混練は、予め15重量%の添加量で分散させた炭素フィブリルマスターバッチを使用して、所定の含有量となるように添加した。
【0094】
このペレットを用いて実施例1と同様にしてトレイを成形し、評価を行い、表面抵抗値、腐食試験及び発生ガス分析の結果を表1に示した。
【0095】
実施例4
実施例3において、ポリカーボネート樹脂ペレットを、重合溶媒を使用しない製造方法によるポリカーボネートとして、GEプラスチック社製「MHL−1110−111」に変えたこと以外は、実施例3と同様にしてポリカーボネート樹脂組成物のペレットを製造し、同様にトレイを成形し、評価を行って、表面抵抗値、腐食試験及び発生ガス分析の結果を表1に示した。
【0096】
実施例5
ビスフェノールAより製造したポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液を精製し、樹脂濃度20重量%の溶液とした。この樹脂溶液を100℃の水蒸気中に噴霧して溶媒を除去し、直接ポリカーボネートの湿潤粉末を得、これを140℃で乾燥してポリカーボネート樹脂粉末を得た。
【0097】
得られたポリカーボネート粉末に実施例3で使用したと同様の炭素フィブリルを4.3重量%配合し、二軸混練押し出し機でベントを20Torrに減圧しながら、280℃の温度でスクリュー回転数200RPM、吐出量20Kg/hの条件で混練して、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
【0098】
得られたペレットを用い、射出成型機にて、300℃の成形温度にてトレイを成形した後、オーブン中で130℃にて10時間アニールした。
【0099】
得られたトレイについて実施例1と同様にして評価を行い、表面抵抗値、腐食試験及び発生ガス分析の結果を表1に示した。
【0100】
比較例1
実施例5で得られたポリカーボネート樹脂粉末に、実施例1で使用した炭素繊維を組成物中に20重量%配合して、ベント開放状態にて300℃の温度でスクリュー回転数100RPM、吐出量30Kg/hの条件で混練してポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
【0101】
このペレットを用いて、実施例1と同様にしてトレイの成形及び評価を行い、表面抵抗値、腐食試験及び発生ガス分析の結果を表1に示した。
【0102】
比較例2
比較例1において、炭素繊維を実施例3で使用したと同様の炭素フィブリルに変えて4.3重量%添加したこと以外は比較例1と同様にしてペレットの製造、トレイの成形及び評価を行い、表面抵抗値、腐食試験及び発生ガス分析の結果を表1に示した。
【0103】
【表1】
【0104】
表1より、本発明のトレイは、塩化メチレン等の発生量が極めて少なく、ヘッドチップの腐食の危険性が少ない上に、表面抵抗値が中位に安定しており、ヘッドチップへの電気的な損傷も少ないことがわかる。
【0105】
また、表1より本発明の磁気ディスク用磁気ヘッドの搬送用トレイは、ヘッドの汚染及びそれによる損傷の問題が殆どなく、また、摩擦によるヘッドの損傷の問題が殆どないことがわかる。
【0106】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば、腐食による磁気ヘッドのヘッドチップの損傷の問題のない磁気ディスク用磁気ヘッドの搬送用トレイが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例において製造した磁気ヘッド搬送用のトレイを示す斜視図である。
【図2】図2(a)は図1に示すトレイの平面図、図2(b)は図2(a)のB−B線に沿う断面図である。
【図3】実施例及び比較例における損傷性試験方法を示す断面図である。
【符号の説明】
1 トレイ本体
2 位置決めリブ
3 位置決めボス
4 磁気ヘッド
11 トレイ材
12 配線基板
13 ゴムシート
14 荷重[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a tray on which a magnetic head for a hard disk drive is mounted and performs processing, cleaning, transfer, storage, and the like, and more particularly, from a polycarbonate resin molded article suitable for conveying a magnetoresistive head (MR head). Related to the tray.
[0002]
[Prior art]
A magnetic head generally has an arm component, a head chip attached to the tip of the arm component, and a lead wire connected to the head chip. The MR head uses an MR element (magnetoresistance element) as the head chip.
[0003]
Magnetoresistive heads have come to be used to increase the density and capacity of hard disks. Whereas a conventional thin film head detects a signal by a current generated when a signal magnetic field approaches a coil, this MR head sends a weak sense current to the MR element, and the signal magnetic field is determined by the resistance value of the current. The detection sensitivity is greatly improved by the mechanism, and the capacity can be increased by narrowing the track of the medium. Recently, GMR heads aiming at higher capacity have also been used.
[0004]
The MR head and GMR head are extremely sensitive to contamination such as a minute amount of corrosive gas and a minute noise current. For this reason, the required performance for preventing the head from being contaminated is becoming strict for various handling parts and jigs including a tray for conveying these heads.
[0005]
Conventional magnetic head transport trays are manufactured by molding a resin composition obtained by blending carbon fiber with polycarbonate resin.
[0006]
The polycarbonate resin used here is usually produced by a solution method in which an alkaline aqueous solution of dihydric phenol and phosgene are reacted in the presence of an organic solvent. Obtained as a solvent solution. As this organic solvent, chlorinated aliphatic hydrocarbons such as methylene chloride, chloroform and carbon tetrachloride, and chlorinated aromatic hydrocarbons such as chlorobenzene and chlorotoluene are used, and methylene chloride is most commonly used. Has been.
[0007]
The polycarbonate resin can be obtained by evaporating and removing the solvent phase from the obtained polycarbonate resin solution, and at this time, an organic solvent typified by methylene chloride is excellent in affinity with polycarbonate. However, it remains in the resin. The methylene chloride remaining in the resin is generated as a volatile component during use as a magnetic head transport tray, which is a final molded product, through a molding process.
[0008]
Substances that are concerned about corrosive volatile components in conventional magnetic head transport trays are mainly ionic substances such as hydrochloric acid and chloro ions, but are extremely sensitive to corrosion, such as MR elements and GMR elements. In a magnetic tray having a magnetic head, a problem arises even with a precursor of a chloro ion such as methylene chloride.
[0009]
Also, other volatile components such as alcohol and ketones have not necessarily been confirmed to be safe for the magnetic head chip. For this reason, the total amount of outgas is required for the magnetic head transport tray. Has been.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above-described conventional circumstances, and an object of the present invention is to provide a transport tray for a magnetic head for a magnetic disk with a low risk of damage to the magnetic head due to corrosion.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The magnetic disk magnetic head transport tray of the present invention transports a magnetic disk magnetic head having an arm component, a head chip attached to the tip of the arm component, and a lead wire connected to the head chip. The tray is formed by molding a polycarbonate resin composition containing 0.25 to 50% by weight of a conductive filler, and the heating temperature in the measurement by the headspace gas chromatogram of the tray. Surface area measured at 85 ° C and equilibration time of 16 hours 12.6 cm 2 The amount of chlorinated hydrocarbons produced from slag is 0.1 μg / g or less.
[0012]
Surface area measured by headspace gas chromatogram at a heating temperature of 85 ° C and an equilibration time of 16 hours is 12.6 cm. 2 If the tray has a low volatile component generation amount such that the generation amount of chlorinated hydrocarbons from the above (hereinafter simply referred to as “chlorinated hydrocarbon generation amount”) is 0.1 μg / g or less, The problem of damage due to corrosion can be eliminated.
[0013]
In particular, the tray of the present invention has a surface area of 12.6 cm measured under conditions of a heating temperature of 85 ° C. and an equilibration time of 16 hours, as measured by headspace gas chromatogram 2 From which the total outgas amount (hereinafter simply referred to as “total outgas amount”) is 1 μg / g or less, the methylene chloride generation amount (hereinafter simply referred to as “methylene chloride generation amount”) is 0.1 μg / g or less, and The amount of hydrocarbon generated (hereinafter simply referred to as “hydrocarbon generation amount”) is preferably 0.5 μg / g or less.
[0014]
The conductive filler used in the present invention is preferably a carbon-based conductive material having a DBP oil absorption of 100 cc / 100 g or more, particularly a carbon fibril having a diameter of 100 nm or less and a length / diameter ratio of 5 or more.
[0015]
The tray of the present invention also has a surface resistance value of 10 3 -10 12 Ω is preferred.
[0016]
Such a tray of the present invention can be easily realized by employing the following methods (A) to (D).
(A) A polycarbonate resin purified by dropping with hot water is used as the polycarbonate resin.
(B) As the polycarbonate resin, a polycarbonate resin obtained by a solventless polymerization method is used.
(C) Vacuum deaeration is performed at the time of melt kneading or melt molding of the polycarbonate resin composition.
(D) After forming, annealing is performed at a temperature of 80 to 140 ° C. for 30 minutes to 20 hours.
[0017]
Such a tray of the present invention is particularly suitable as a transfer tray for an MR head or a GMR head.
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail.
[0019]
The tray of the present invention has a chlorinated hydrocarbon generation amount of 0.1 μg / g or less measured by a headspace gas chromatogram, for example, by the following measurement method.
<Measurement method of generated gas amount>
Analysis sample cut out from tray (22 mm (length) x 10 mm (width) x 3 mm (thickness)) 2 pieces (total surface area 12.6 cm) 2 ) In a 22 mL volume vial, 10 μL of n-octane was added as an internal standard, gas was extracted under the conditions of a heating temperature of 85 ° C. and an equilibration time of 16 hours, and then measured with a gas chromatogram (GC). The generation amount is calculated from the area ratio with n-octane in the ion chromatogram. However, the shape of the analysis sample is not limited to the above-mentioned length, width and thickness, and when the total surface area of the analysis sample is different, 12.6 cm 2 Convert to.
[0020]
If the amount of chlorinated hydrocarbons generated is 0.1 μg / g or less, there is very little adverse effect on the head. The amount of chlorinated hydrocarbons generated is desirably 0.02 μg / g or less.
[0021]
In consideration of adverse effects on the head, the total outgas amount is 1 μg / g or less, particularly 0.5 μg / g or less, the methylene chloride generation amount is 0.1 μg / g or less, and the hydrocarbon generation amount is 0.5 μg / g. Hereinafter, it is particularly desirable that the amount be 0.2 μg / g or less. The hydrocarbon is n-heptane, n-hexane, cyclohexane, benzene, toluene or the like used in the production of the polycarbonate resin described later.
[0022]
In the present invention, a method of obtaining a tray having such a gas generation amount by molding a polycarbonate resin composition containing a conductive filler will be described below.
[0023]
In the present invention, as the polycarbonate resin, for example, a general resin produced by reacting a dihydric phenol compound with phosgene by a solution method such as an interfacial polymerization method, a pyridine method, or a chloroformate method can be used. In this case, for example, the following (A), (C), (D) can be used as a method for preventing chlorinated hydrocarbons such as methylene chloride used as a polymerization solvent, which are volatile components from the tray, from remaining in the obtained tray. ) Method. In addition, as shown in (B) below, a method using a polycarbonate resin produced by a method using no solvent is also effective.
(A) In purifying the polycarbonate resin obtained as a chlorinated hydrocarbon solution, an aqueous suspension of the polycarbonate resin is obtained, and a wet powder is obtained by filtration or centrifugation. For example, a resin solution obtained by adding a poor solvent of polycarbonate resin such as n-heptane (a polycarbonate is not dissolved or a slight solvent even if dissolved) to a methylene chloride solution of polycarbonate to such an extent that precipitation does not occur. The poor solvent is distilled off while being appropriately wet-pulverized (hereinafter, this method is referred to as “warm water drop purification”). At this time, when the poor solvent is distilled off while heating at 80 to 100 ° C., chlorinated hydrocarbons such as methylene chloride that cause corrosive volatile gases are efficiently removed.
(B) A polycarbonate resin obtained by a polymerization method not using a polymerization solvent (for example, a polycarbonate resin disclosed in JP-A-4-103626) is used.
(C) Vacuum degassing during melt-kneading or melt-molding. For example, the solvent is removed by supplying the polycarbonate resin obtained by the usual purification method or the above-described method (A) or (B) to an extruder with a vent and vacuum degassing from the vent. At this time, as described in JP-A-9-29738, it is preferable to add water to the raw material powder or the molten resin in terms of removal of the residual solvent.
(D) A volatile component is removed by annealing the tray shape | molded using the resin composition using the polycarbonate resin obtained from the normal refinement | purification method or the method of said (A)-(C). In this case, the annealing treatment is preferably performed at a temperature of 80 ° C. or higher for 30 minutes or longer. When the annealing temperature exceeds 140 ° C., there is a possibility of causing a dimensional change or deformation of the tray, and even if the annealing time exceeds 20 hours, the improvement effect of removing volatile components cannot be expected. Is preferably 80 to 140 ° C. for 30 minutes to 20 hours.
[0024]
Among the methods (A) to (D), in the method (A), although chlorinated hydrocarbons can be reduced, there is a high possibility that a poor solvent component such as n-heptane remains. Although n-heptane does not corrode the head, in recent MR elements with higher density, there is a problem of a slight deposit on the surface of the head element. -It is desirable to suppress the generation amount of hydrocarbons such as heptane as much as possible.
[0025]
From the viewpoint of efficiently removing such n-heptane, oligomers, and other low molecular weight volatile components, the solvent removal method by vacuum degassing in the (C) method is particularly desirable. The vacuum deaeration in the extruder of the method (C) may be performed when the conductive filler is combined by melt kneading, or may be performed before or after the kneading.
[0026]
In the present invention, various conductive fillers such as particles, flakes, and short fibers can be used as the conductive filler.
[0027]
Specifically, metallic fillers such as aluminum, silver, copper, zinc, nickel, stainless steel, brass and titanium, various carbon blacks, graphite (artificial graphite, natural graphite), glassy carbon particles, pitch-based carbon fibers, PAN Examples thereof include conductive fillers such as carbon fillers such as carbon fibers, graphite whiskers, and carbon fibrils, and metal oxide fillers such as zinc oxide, tin oxide, and indium oxide. Note that, among metal oxide fillers, in the case where surplus electrons are generated due to the presence of lattice defects and show conductivity, a filler added with a dopant to increase conductivity may be used. In this case, for example, aluminum is used for zinc oxide, antimony is used for tin oxide, and tin is used for indium oxide as dopants. In addition, a composite conductive filler in which carbon fiber or the like is coated with a metal, or conductive tin oxide is formed on the surface of potassium titanate whisker or aluminum borate whisker can be used.
[0028]
Among the conductive fibers described above, when conductive fibers having a fiber diameter of 5 μm or less are used, there is little exposure of the filler to the surface of the molded body, and even if exposed, there is little damage to the magnetic head, and even the surface This is desirable because the resistance value can be easily controlled within an appropriate range.
[0029]
Examples of the conductive fiber having a fiber diameter of 5 μm or less include composite conductive fibers in which conductive tin oxide is formed on the surface of conductive whiskers such as zinc oxide whisker and titanium oxide whisker, potassium titanate whisker and aluminum borate whisker. It is done. These fiber fillers have an aspect ratio (fiber length / fiber diameter ratio) of 5 or more, preferably 10 or more. In addition, the fiber diameter and fiber length here are the average values measured by microscopic observation and five points.
[0030]
Among the above conductive fillers, those having a DBP oil absorption of 100 cc / 100 g or more, preferably 250 cc / 100 g or more, more preferably 400 cc / 100 g or more are desirable for the following reasons.
[0031]
That is, the larger the DBP oil absorption amount, the larger the surface area of the filler. Therefore, generally, the larger the DBP oil absorption value, the finer the shape. On the other hand, the expression of the conductivity of the resin due to the blending of the conductive filler is incomplete with the distance between the conductive fillers being about 10 to 30 mm due to the formation of a conductive path by continuous contact between the conductive fillers. In a simple contact state, electrical conduction occurs due to electron hopping between the fillers. The conductivity due to this hopping is lower than the conductivity inside the conductive filler. By the way, it is desired that the surface resistance value (or conductivity) is stable to a medium level in the tray as described later. Therefore, by forming a large number of incomplete contact states of the conductive filler inside the resin, the conductivity of the resin composition is moderate (for example, 10 6 It is desirable to stably obtain Ω). Since a filler having a large DBP oil absorption and a fine shape has a higher probability of forming such an incomplete contact state, the present invention uses a conductive filler having a large DBP oil absorption as described above. Is preferred.
[0032]
By the way, the above-described metal filler, carbon fiber, and the like as the conductive filler are usually treated with an organic surface treatment agent such as a silane coupling agent in order to supplement the affinity with the polycarbonate resin. However, this surface treatment agent has many low molecular weight compounds, and therefore may contribute to an increase in outgas generated from the obtained tray. On the other hand, the surface of carbon-based conductive fillers such as carbon black having a DBP oil absorption of 100 cc / 100 g or more is generally very active, and has good dispersibility with good affinity with polycarbonate resin without surface treatment. Show. Therefore, a conductive filler having a large DBP oil absorption amount is preferable also in that no outgas derived from the surface treatment agent is generated.
[0033]
Specific examples of the conductive filler satisfying such DBP oil absorption include carbon blacks such as furnace black, acetylene black, and ketjen black, and carbon-based conductive materials such as carbon fibrils.
[0034]
In the present invention, among these carbon-based conductive materials, carbon fibrils, particularly carbon fibrils having a fiber diameter of 100 nm or less are particularly preferable in that the conductive filler does not fall off from the tray. What is described in 8-508534 gazette can be used.
[0035]
That is, the carbon fibril has a graphite outer layer deposited substantially concentrically along the columnar axis of the fibril, and the fiber central axis is not linear but has a undulating and winding tubular form. Therefore, there is little dropout from the tray.
[0036]
Among the conductive fillers described above, for example, some carbon blacks may contain a trace amount of impurities derived from raw materials such as sulfur, which increases the amount of outgas in the tray as a volatile component. On the other hand, carbon fibrils are most desirable in that they are produced in the gas phase using high-purity ethylene gas or the like as a raw material, so that the volatile component contained in the filler itself is extremely small and no outgas is generated.
[0037]
The fiber diameter of carbon fibrils depends on the production method and has a distribution. The fiber diameter referred to here refers to an average value measured at five points under a microscope. When the fiber diameter of the carbon fibril is larger than 100 nm, the contact between the fibrils in the resin becomes insufficient, and it is difficult to obtain a stable resistance value. Accordingly, carbon fibrils having a fiber diameter of 100 nm or less are preferred.
[0038]
In particular, if the fiber diameter of the carbon fibril is 20 nm or less, the clearance between the head and the hard disk during operation is compared with the fiber diameter even if the carbon fibril is dropped from the surface of the tray and adheres to the head. This is preferable because the risk of disk crash is reduced.
[0039]
On the other hand, the fiber diameter of the carbon fibril is preferably 0.1 nm or more, particularly preferably 0.5 nm or more. If the fiber diameter is smaller than this, the production is extremely difficult.
[0040]
The carbon fibrils preferably have a length / diameter ratio (length / diameter ratio, that is, aspect ratio) of 5 or more, particularly those having a length / diameter ratio of 100 or more, particularly 1000 or more. The length / diameter ratio of the carbon fibril is obtained as an average value of five actually measured values in observation with a transmission electron microscope.
[0041]
Moreover, the wall thickness (wall thickness of a tubular body) of the carbon fibril which has a fine tubular form is about 3.5-75 nm normally. This usually corresponds to about 0.1 to 0.4 times the outer diameter of the carbon fibrils.
[0042]
When at least a portion of the carbon fibrils are in the form of aggregates, the fibril aggregates having a diameter of more than about 50 μm as measured on an area basis in the resin composition as a raw material, preferably have a diameter of more than 10 μm. It is desirable not to contain fibril aggregates.
[0043]
A commercial item can be used for such a carbon fibril, for example, "BN" of Hyperion Catalysis International can be used.
[0044]
In the present invention, the conductive filler is added in an amount of 0.25 to 50% by weight in the polycarbonate resin composition. When the addition amount of the conductive filler is less than 0.25% by weight, sufficient conductivity cannot be obtained, and when it exceeds 50% by weight, the moldability of the polycarbonate resin composition is remarkably lowered.
[0045]
In particular, when the conductive filler is a carbon-based conductive filler such as carbon fibril, the addition amount is preferably 1 to 8% by weight in the polycarbonate resin composition. If the amount added is less than this, the conductivity is difficult to develop. On the other hand, even if it is added more than this, no improvement in the effect commensurate with the increase is observed, but rather the generation of dust from the tray is seen and the moldability also decreases. It will be.
[0046]
In the present invention, a polymer-type antistatic agent can also be used as the conductive filler. In this case, for example, a polymer in which a conductive unit such as polyether, quaternary ammonium salt, sulfonate, or the like is blocked or randomly incorporated, or a boron atom described in JP-A-1-290551 is used. Polymer charge transfer type conjugates in the molecule can be used.
[0047]
In particular, among polymer antistatic agents, polyether polymer antistatic agents are desirable in terms of heat resistance. Specifically, polyethylene oxide, polyether ester amide, polyether amide imide, ethylene oxide-epihalohydrin copolymer, methoxy polyethylene glycol- (meth) acrylate copolymer, etc., preferably polyether ester amide, polyether amide imide More preferably, a polyetheresteramide is used.
[0048]
The addition amount of such a polymeric antistatic agent is preferably 1 to 50% by weight, particularly 5 to 30% by weight, in the polycarbonate resin composition.
[0049]
The various conductive fillers described above may be used alone or in combination of two or more.
[0050]
In the polycarbonate resin composition for molding the tray according to the present invention, various additive components can be blended as necessary within a range not impairing the object of the present invention. For example, inorganic fiber reinforcement such as glass fiber, silica fiber, silica / alumina fiber, potassium titanate fiber, aluminum borate fiber, organic fiber reinforcement such as aramid fiber, polyimide fiber, fluororesin fiber, talc, calcium carbonate , Inorganic fillers such as mica, glass beads, glass powder, glass balloons, solid lubricants such as fluororesin powder, molybdenum disulfide, plasticizers such as paraffin oil, antioxidants, heat stabilizers, light stabilizers, ultraviolet rays Various additives such as an absorbent, a neutralizing agent, a lubricant, a compatibilizing agent, an antifogging agent, an antiblocking agent, a slipping agent, a dispersing agent, a coloring agent, an antibacterial agent, and a fluorescent brightening agent can be blended.
[0051]
Moreover, this polycarbonate resin composition can be used by blending various resins within a range not impairing the object of the present invention. For example, aliphatic polyolefins such as polyethylene, polypropylene, polybutene, polymethylpentene, and alicyclic polyolefins, aromatic polycarbonates, polybutylene terephthalate, polyethylene terephthalate, polyphenylene sulfide, various polyamides (nylon 6, 66, nylon 610, nylon MXD6, etc. ), Non-olefin resins such as polyetherimide, polysulfone, polyethersulfone, polyetheretherketone, acrylic resin, styrene resin, modified polyphenylene ether, and liquid crystalline polyester can be blended. Furthermore, various thermoplastic elastomers such as styrene elastomers (styrene-butadiene copolymers, etc.), olefin elastomers (ethylene-propylene copolymers, etc.), polyester elastomers, polyurethane elastomers, polyamide elastomers may be added in combination. .
[0052]
There is no restriction | limiting in particular in the manufacturing method of the tray of this invention, It can manufacture with the processing method of a normal thermoplastic resin. For example, after a conductive filler is mixed in advance with a polycarbonate resin, a polycarbonate resin composition is produced by melt-kneading with a Banbury mixer, roll, Brabender, single-screw kneading extruder, twin-screw kneading extruder, kneader, or the like. Thereafter, the resin composition can be molded into a predetermined shape by various melt molding methods to obtain a tray. Specific examples of this molding method include press molding, extrusion molding, vacuum molding, blow molding, and injection molding. Among these molding methods, an injection molding method and a vacuum molding method are particularly desirable.
[0053]
As injection molding methods, in addition to general injection molding methods, integral molding with metal parts and other parts by insert injection molding method, two-color injection molding method, core back injection molding method, sandwich injection molding method, injection Various molding methods such as a press molding method can be used. In the injection molding, the surface resistance value of the tray obtained varies depending on the resin temperature, the mold temperature, and the molding pressure. Therefore, it is necessary to set appropriate conditions according to the purpose.
[0054]
By the way, since the MR head is based on a mechanism that senses magnetism by a change in resistance of a minute current (sense current) of the MR element, there is a high risk of damaging the MR element even with a weak noise current. For this reason, it is much more sensitive than conventional integrated magnetic heads and ICs against electrostatic discharge due to potential difference between the magnetic head tray and contact current generated by contact between the head and the tray.
[0055]
That is, in the MR head assembly process, the lead wire is connected to the head chip, and this head chip is assembled to the arm component via the gimbal. Although this lead wire (metal wire) is coated with polyimide, the contact portion is always electrically separated due to the contact potential difference between the polyimide and the metal wire, and is in an electrically unstable state. As a result, when the tip of the lead wire comes into contact with the magnetic head tray or the like, charge exchange at the contact portion is more likely to occur, and the risk of damage increases.
[0056]
The surface resistance of a conventional magnetic head transport tray is 10 1 -10 2 Although it is about Ω / □ and there is no risk of damage to the head chip due to electrostatic discharge, damage due to excessive contact current between the head chip and the tray or between peripheral components and the tray due to the surface resistance of the tray being too low Has become a serious problem.
[0057]
In order to avoid such a problem, the tray of the present invention has a surface resistance value of 10 in measurement using a two-probe probe. 3 -10 12 Ω, especially 10 4 -10 11 Ω, especially 10 5 -10 10 Ω is preferred. When the surface resistance value is within this range, not only is the antistatic property excellent, but an excessive contact current in contact with the tray can be prevented, so that damage to electronic components is small.
[0058]
In general, the surface resistance value can be obtained in units of (Ω / □) by converting the resistance value into a shape factor in consideration of the thickness of the measurement sample and current wrapping in the width direction. In the case of a complicated shape such as this tray, this conversion is extremely difficult. On the other hand, in practice, the apparent resistance value including the shape is important, and it is not always necessary to use the unit (Ω / □) converted by the shape. Therefore, in this invention, it evaluates with the said surface resistance value ((omega | ohm)).
[0059]
In addition, the transport tray of the magnetic head for a magnetic disk of the present invention preferably has a surface roughness satisfying the following (1) or (2) in the measurement with a cutoff wavelength of 2.5 mm.
[0060]
(1) Ten-point average roughness (Rz) is 5 μm or less
(2) Cutting level 10% Load length ratio (tp) is 1% or more, and peak count (Pc) of ± 0.1μm or more from the center line is 100 or less per 1cm of measurement length.
Here, the ten-point average roughness (Rz) is the average value of the absolute values of the altitudes of the highest peaks from the highest peak to the fifth measured in the direction of the vertical magnification from the average line of the roughness curve, and the lowest Calculated from the sum of the absolute values of the altitude of the bottom of the valley from the bottom to the fifth. Therefore, the smaller the value of Rz, the smoother the surface.
[0061]
In the case of an extremely smooth surface, calculation is impossible unless there are five or more peaks and valleys in the measurement range. In such a case, according to the present invention, the sum of the maximum mountain and the maximum valley, that is, R max Can be replaced.
[0062]
On the other hand, the load length ratio (tp) at a cutting level of 10% is the cutting length obtained when a reference length is extracted from the roughness curve and cut parallel to the average line at a level 10% lower than the highest peak. The ratio of the sum of the lengths (load length) to the reference length is expressed as a percentage (JIS B0601).
[0063]
The peak count (Pc) of ± 0.1 μm or more is the unevenness that draws a line parallel to the average line to the height and depth of ± 0.1 μm from the average line of the roughness curve and crosses the line in the vertical direction. Is a count of how many are within the reference length.
[0064]
If the ten-point average roughness (Rz) is a surface roughness with a high smoothness of 5 μm or less, there is little damage to the magnetic head such as a polyimide coating material.
[0065]
Even if the 10-point average roughness (Rz) exceeds 5 μm, the load length ratio (tp) at a cutting level of 10% is 1% or more, and the peak count (Pc) is 100 or less per 1 cm, preferably When it is 80 or less, scratches on the magnetic head are less favorable.
[0066]
Conversely, if the 10-point average roughness (Rz) exceeds 5 μm and the load length ratio (tp) at a cutting level of 10% is less than 1%, the tip of the protrusion becomes sharp and damage to the magnetic head is large. Become. Further, when the surface roughness is such that the ten-point average roughness (Rz) exceeds 5 μm, the load length ratio (tp) at a cutting level of 10% is 1% or more, and the peak count (Pc) value exceeds 100, Damage to the head increases.
[0067]
By the way, the surface of an injection-molded product of a resin composition in which a conductive filler is blended with a non-crystalline polycarbonate resin having a relatively high melt viscosity, such as the tray of the present invention, is difficult to transfer the mold surface and flows. The surface roughness is formed by the flow unevenness near the surface and the exposure of the filler due to the properties, the shape of the filler, the shrinkage, the molding conditions, and the like.
[0068]
As for the surface roughness in such a state, if the number of irregularities represented by the Pc value is less than or equal to the range of the present invention, the slope of the peaks and valleys becomes gentle, and the peak of the peaks becomes gentle. This reduces the effect of “scratching” in friction with the magnetic head. On the contrary, when the Pc value exceeds 100, each mountain becomes a sharp projection, causing damage to the magnetic head. When the peak count (Pc) is 10 or more and 80 or less, damage to the magnetic head is particularly reduced.
[0069]
The above surface roughness is when the surface of the mold is intentionally roughened by a process such as electric discharge machining, etching, sandblasting, etc., using a polycarbonate resin composition with improved mold surface transferability and transferred. The same applies to.
[0070]
In particular, when performing the underwater cleaning and the subsequent drying process with the magnetic head mounted on the tray, if the ten-point average roughness (Rz) of the tray surface at the portion in contact with the magnetic head is small, the cleaning that has permeated between them There may be a problem that the drying property of water is lowered and the drying efficiency is lowered. Further, in the case of a magnetic head tray, if the smoothness of the surface of the tray is too good in the visual inspection of the magnetic head, the light reflectance increases, which hinders the inspection.
[0071]
From this point of view, the surface roughness of the portion of the magnetic head tray where the magnetic head is mounted has a ten-point average roughness (Rz) of 5 μm or more and 50 μm or less and a load length ratio (tp) of 10% of the cutting level. % And the peak count (Pc) is 100 or less, preferably 10 or more and 80 or less.
[0072]
The tray of the present invention has a surface area of 100 to 1000 cm in 500 ml of pure water. 2 When a 40 KHz ultrasonic wave is applied for 60 seconds, the number of particles having a particle diameter of 1 μm or more that drop off from the surface of the tray (hereinafter, this value is referred to as “particle generation amount”) is 5000 pcs. / Cm 2 Those having excellent surface uniformity and stability as described below are preferred. With such a tray, it is possible to prevent physical or chemical contamination or damage of the magnetic head due to scratches, abrasion, or particles that fall off due to cleaning.
[0073]
This particle generation amount is 5000 pcs / cm. 2 Exceeding this causes problems such as scratches, friction, and contamination and damage due to particles dropped during cleaning. In the present invention, in particular, the amount of generated particles is 1000 pcs / cm. 2 The following is preferable.
[0074]
Further, the transport tray of the magnetic head for the magnetic disk of the present invention has a surface area of 100 cm in 50 ml of pure water. 2 The amount of chloro ions eluted from the tray (hereinafter, this value is referred to as “chlor ion elution amount”) is 0.01 μg / cm. 2 The following is preferable in order to prevent problems such as corrosion caused by chloro ions.
[0075]
This chlorion elution amount is 0.01 μg / cm. 2 Exceeding this causes problems such as corrosion due to chlorion eluted during cleaning and generation of foreign matter during use. Chlorion elution amount is especially 0.005 μg / cm 2 The following is preferable.
[0076]
By the way, in the tray using carbon fiber as the conductive filler, the organic component that is the carbon fiber surface treatment agent adheres to the magnetic head and contaminates or damages the head, or foreign matter between the head and the disk. We are concerned about the problem. In order to prevent this problem, in the present invention, the amount of non-volatile organic matter eluted from the tray when measured by the method for measuring the amount of non-volatile organic matter described below is 0.5 μg / cm per unit surface area of the tray. 2 The following is preferable.
[0077]
<Measurement method for elution amount of non-volatile organic matter>
Immerse the tray in 500 ml of Asahi Glass Co., Ltd. chlorofluorocarbon-based cleaning agent “Asahi Klin AK-225” and apply ultrasonic waves (40 KHz, 0.5 W / cm 2 ) For 60 seconds. The extract is volatilized at 100 ° C. and the weight of the residue is measured.
[0078]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to Examples and Comparative Examples.
[0079]
In the following Examples and Comparative Examples, “PCM45” L / D = 32 (L: screw length, D: screw diameter) manufactured by Ikekai Steel Co., Ltd. was used as the biaxial kneading extruder. A shape having a vent opening in a portion from 4.4D to 5.8D was adopted.
[0080]
Moreover, the shape and dimension of the tray shape | molded from the polycarbonate resin composition are the cross section which followed the BB line of FIG. 1 (perspective view), FIG. 2 (a) (plan view), (b) (FIG. 2 (a)). As shown in the figure). In the figure, 1 is a tray body, 2 is a positioning rib, 3 is a positioning boss, and 4 is a magnetic head.
[0081]
Example 1
A methylene chloride solution of a polycarbonate resin produced from bisphenol A was purified to obtain a solution having a resin concentration of 20% by weight. To 200 liters of this resin solution, 40 liters of n-heptane was added and mixed uniformly, and then pulverized with a wet pulverizer while being dropped into warm water. The liquid temperature in the container during dripping in this hot water drop purification is 40 ° C., and the internal pressure is 0.1 kg / cm. 2 Adjusted.
[0082]
After completion of the dropwise addition, the temperature in the container is raised to 100 ° C., the solvent is evaporated and removed in about 15 minutes, and the obtained aqueous slurry of polycarbonate resin is taken out, filtered, drained and then dried at 140 ° C. And a polycarbonate resin powder was obtained.
[0083]
The obtained polycarbonate resin was blended with 10% by weight of an epoxy surface-treated PAN-based carbon fiber having an average fiber diameter of 7 μm and an average fiber length of 6 mm in the composition, and 300% in a vent open state by a biaxial kneading extruder. The resin composition pellets were obtained by kneading under the conditions of a screw rotation speed of 100 RPM and a discharge amount of 30 Kg / h at a temperature of ° C.
[0084]
The obtained pellets were molded by an injection molding machine at a molding temperature of 300 ° C. and the illustrated magnetic head transport tray (total surface area 420.8 cm) 2 (Mold temperature 90 ° C.).
[0085]
The surface resistance value of the obtained tray was measured by the following method, and the results are shown in Table 1. In addition, the surface resistance value was measured at any five locations within the hatched range in FIG. 2A, and the average value was calculated.
<Surface resistance measurement method>
With a two-probe probe, measurement was performed at the following probe applied voltage with a probe tip of 2 mmφ and a distance between probe centers of 20 mm.
The surface resistance value is 10 3 Ω or more 10 9 When less than Ω: 10V
The surface resistance value is 10 9 When Ω or more: 100V
However, the surface resistance value is 10 8 For measurement of Ω or more, the probe tip was set to 5 mmφ, and a conductive silicon rubber having a thickness of 2 mmt, a diameter of 5 mmφ, and 10 Ωcm or less was assembled, and measurement was performed so that the close contact with the sample surface was stabilized.
[0086]
Moreover, the following were used as a measuring machine.
Surface resistance value 10 2 Ω or more, 10 4 Less than Ω: Advantest "High Resistance Meter R8340"
Surface resistance value 10 4 Ω or more: “HIRESTA AP” manufactured by Dia Instruments
(The surface resistance value of Comparative Example 1 is 10 1 For measurement of Ω, “Loresta IP (4-probe probe)” manufactured by Dia Instruments Co., Ltd. was used. )
<Corrosion test of magnetic head>
Twelve MR heads were mounted on this tray and left in a glass container (capacity 201.5 mL) at 80 ° C., 90% for 95 hours. Thereafter, the MR head was taken out of the tray, and the presence or absence of corrosion of the MR element portion was observed with a 100 × microscope. Evaluation was performed according to the following criteria. Table 1 shows the results.
○: No corrosion was observed on the magnetic head (element).
X: Corrosion occurred in the parts composed of permalloy of all the magnetic heads (elements).
<Measurement method of gas generation amount>
Separately, 2 pieces (total surface area of 12.6 cm) of 22 mm (length) x 10 mm (width) x 3 mm (thickness) sample as analysis samples from the tray 2 The gas was extracted under the conditions of a heating temperature of 85 ° C. and an equilibration time of 16 hours in a 22 mL volume vial to which 10 μL of n-octane was added as an internal standard.
[0087]
The gas generated in the vial was measured by gas chromatogram (GC / MS). The measurement conditions at this time are as shown below.
[0088]
Equipment: “GC / MS QP5050” manufactured by Shimadzu Corporation
Column: CHROMPAK PORAPLOT Q 0.32mm x 25m
Column temperature: 35 to 240 ° C. (10 ° C./min)
Inlet temperature: 230 ° C
Interface temperature: 280 ° C
Tray gas: Helium
Inlet pressure: 100K Pas
Total flow rate: 60 mL / min
Injection volume: 2 mL
As a result of the qualitative analysis of the generated gas, the main components were n-heptane, acetone, 1-propene, 2-propanol, and other trace components.
[0089]
The total outgas amount, methylene chloride generation amount, and n-heptane generation amount were calculated by the following formulas, respectively, and the results are shown in Table 1.
Total outgas amount (μg / g) = (total sample peak area−blank total peak area) / (n-octane peak area / n-octane weight (g)) × 1 / (sample weight (g))
Methylene chloride generation amount (μg / g) = (Methylene chloride peak area) / (n-octane peak area / n-octane weight (g)) × 1 / sample weight (g)
Heptane generation amount (μg / g) = (heptane peak area) / (peak area of n-octane / weight of n-octane (g)) × 1 / sample weight (g)
<Surface roughness>
Using a surface roughness meter “Surfcom” manufactured by Tokyo Seimitsu Co., Ltd., measurement conditions were as follows: cut-off wavelength 2.5 mm, measurement length 5 mm, measurement speed 0.3 mm / S.
The measurement was performed at any five locations in the shaded area in FIG. 2A where the magnetic head contacts, and the average value of each parameter was calculated. The Pc value was doubled and converted to a numerical value per 1 cm.
[0090]
Note that the surface roughness of the mold surface corresponding to the shaded portion shown in FIG. 2A was Rmax 1.5 μm.
<Damage test>
As an evaluation of damage to the magnetic head, the lead of the magnetic head with respect to the tray material (sample) 11 taken from the hatched area in FIG. 2A in contact with the magnetic head by the method shown in FIG. A flexible printed circuit board (FPC) (width 10 mm) 12 using polyimide as a base material used as a wire is pressed with a load (100 g, diameter 40 mm) 14 to which a rubber sheet 13 is attached, and 10 reciprocating slides with a span of 80 mm The surface of the wiring board 12 after the test was observed with an optical microscope at 50 to 100 times, and judged according to the following criteria.
In addition, all the damage test samples 11 were cleaned with pure water in advance to remove dust adhering to the surface. All pre-cleaning and damage tests were conducted in a clean room.
A: No scratches are observed.
○: Less than 6 scratches, and the scratch depth does not reach the copper wiring.
X: The number of scratches is 6 or more, and the scratch depth reaches the copper wiring.
<Particle generation amount>
A tray formed in 500 ml of pure water in the shape of FIGS. 1 and 2 (total surface area 420.8 cm 2 ) Immerse one sheet, ultrasonic (40KHz, 0.5W / cm) 2 ) Was applied for 60 seconds. Thereafter, the extracted pure water was sucked with a particle counter in liquid, and the number of dust particles having a diameter of 1 μm or more was measured. In the measurement, as a pretreatment, the tray was ultrasonically cleaned with pure water for 8 minutes and then dried in an oven at 100 ° C. for 30 minutes. All work was done in a clean room. In addition, a glass container was used for all sample immersion.
<Chlorion elution amount>
A tray formed in 480 ml of pure water in the shape of FIGS. 2 2) Two pieces were immersed in a polypropylene container and stirred in a water bath at 60 ° C. for 60 minutes. Thereafter, chloro ions in the pure water from which the ions were extracted were analyzed by ion chromatography.
<Non-volatile organic matter elution amount>
A tray sample (total surface area of 420.8 cm) in the shape of FIGS. 2 ) And ultrasonic (40 KHz, 0.5 W / cm) 2 ) Was applied for 60 seconds. The extract was volatilized on an aluminum pan at 100 ° C., and the weight of the residue was measured.
[0091]
Example 2
A polycarbonate resin powder was prepared in the same manner as in Example 1, and this was kneaded at a temperature of 300 ° C. with a screw speed of 200 RPM and a discharge rate of 20 kg / h while reducing the vent to 20 Torr with a biaxial kneading extruder. To obtain pellets. 18 wt% of acetylene black (“DENKA BLACK” DBP oil absorption 300 cc / 100 g, manufactured by Electrochemical Co., Ltd.) was discharged into the pellets at a temperature of 280 ° C. with a screw rotation speed of 200 RPM with a biaxial kneading extruder. The mixture was kneaded under conditions of an amount of 30 kg / h to obtain pellets of a polycarbonate resin composition.
[0092]
Using this pellet, a tray was molded in the same manner as in Example 1, evaluated, and the results of surface resistance, corrosion test, and evolved gas analysis are shown in Table 1.
[0093]
Example 3
1 part by weight of pure water was added to 100 parts by weight of the polycarbonate resin powder prepared in the same manner as in Example 1, and the screw was rotated at a temperature of 300 ° C. while the vent was reduced to 20 Torr with a twin-screw kneading extruder. Pellets were obtained by kneading under conditions of several 200 RPM and a discharge rate of 20 kg / h. Carbon fibrils (Hyperion Catalysis International “Type BN” DBP oil absorption 700 cc / 100 g) 4.3 wt% were blended with the pellets, and the pressure was reduced to 280 ° C. while reducing the vent to 20 Torr with a twin-screw kneading extruder. The pellets of the polycarbonate resin composition were obtained by kneading at a temperature of 200 RPM and a discharge rate of 20 kg / h. Carbon fibrils were mixed and kneaded using a carbon fibril master batch dispersed in advance at an addition amount of 15% by weight so as to obtain a predetermined content.
[0094]
Using this pellet, a tray was molded in the same manner as in Example 1, evaluated, and the results of surface resistance, corrosion test, and evolved gas analysis are shown in Table 1.
[0095]
Example 4
In Example 3, the polycarbonate resin composition was changed in the same manner as in Example 3 except that the polycarbonate resin pellets were changed to “MHL-1110-111” manufactured by GE Plastics as polycarbonate by a production method that does not use a polymerization solvent. The pellets were manufactured in the same manner, the trays were molded in the same manner, and the evaluation was performed.
[0096]
Example 5
A methylene chloride solution of a polycarbonate resin produced from bisphenol A was purified to obtain a solution having a resin concentration of 20% by weight. This resin solution was sprayed into water vapor at 100 ° C. to remove the solvent to obtain a wet polycarbonate powder directly, which was dried at 140 ° C. to obtain a polycarbonate resin powder.
[0097]
The obtained polycarbonate powder was blended with 4.3% by weight of the same carbon fibril as used in Example 3, and the screw rotation speed was 200 RPM at a temperature of 280 ° C. while the vent was reduced to 20 Torr with a twin-screw kneading extruder. The mixture was kneaded under a discharge rate of 20 kg / h to obtain a pellet of polycarbonate resin composition.
[0098]
Using the obtained pellets, a tray was molded at a molding temperature of 300 ° C. with an injection molding machine, and then annealed at 130 ° C. for 10 hours in an oven.
[0099]
The obtained tray was evaluated in the same manner as in Example 1, and the results of the surface resistance value, corrosion test, and evolved gas analysis are shown in Table 1.
[0100]
Comparative Example 1
The polycarbonate resin powder obtained in Example 5 was blended with 20% by weight of the carbon fiber used in Example 1 in the composition, and the screw rotation speed was 100 RPM and the discharge amount was 30 kg at a temperature of 300 ° C. with the vent opened. The pellets of the polycarbonate resin composition were obtained by kneading under the conditions of / h.
[0101]
Using these pellets, trays were molded and evaluated in the same manner as in Example 1, and the results of surface resistance, corrosion test, and evolved gas analysis are shown in Table 1.
[0102]
Comparative Example 2
In Comparative Example 1, the production of pellets, tray molding and evaluation were performed in the same manner as in Comparative Example 1 except that carbon fiber was replaced with the same carbon fibril used in Example 3 and 4.3 wt% was added. Table 1 shows the results of surface resistance, corrosion test and evolved gas analysis.
[0103]
[Table 1]
[0104]
From Table 1, the tray of the present invention generates very little methylene chloride and the like, has a low risk of head chip corrosion, and has a moderate surface resistance value. It can be seen that there is little damage.
[0105]
Further, it can be seen from Table 1 that the transport tray of the magnetic head for a magnetic disk of the present invention has almost no problem of head contamination and damage due to the head, and hardly any problem of head damage due to friction.
[0106]
【The invention's effect】
As described above in detail, according to the present invention, there is provided a transport tray for a magnetic head for a magnetic disk that is free from the problem of damage to the head chip of the magnetic head due to corrosion.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing a magnetic head transport tray manufactured in Examples and Comparative Examples.
2 (a) is a plan view of the tray shown in FIG. 1, and FIG. 2 (b) is a cross-sectional view taken along the line BB of FIG. 2 (a).
FIG. 3 is a cross-sectional view showing a damage test method in Examples and Comparative Examples.
[Explanation of symbols]
1 Tray body
2 Positioning rib
3 Positioning boss
4 Magnetic head
11 Tray material
12 Wiring board
13 Rubber sheet
14 Load
Claims (9)
該トレイは、導電性充填材0.25〜50重量%を含有するポリカーボネート樹脂組成物を成形してなるものであり、
該トレイのヘッドスペースガスクロマトグラムによる測定における、加熱温度85℃、平衡時間16時間の条件で測定した表面積12.6cm2からの塩素化炭化水素発生量が0.1μg/g以下であることを特徴とする磁気ディスク用磁気ヘッドの搬送用トレイ。In a tray for transporting a magnetic head for a magnetic disk having an arm component, a head chip attached to the tip of the arm component, and a lead wire connected to the head chip,
The tray is formed by molding a polycarbonate resin composition containing 0.25 to 50% by weight of a conductive filler,
The amount of chlorinated hydrocarbons generated from a surface area of 12.6 cm 2 measured under the conditions of a heating temperature of 85 ° C. and an equilibration time of 16 hours in the measurement by headspace gas chromatogram of the tray is 0.1 μg / g or less. A tray for transporting a magnetic head for a magnetic disk.
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