JP4237801B2 - 温水ボイラー - Google Patents
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Description
ボイラーによって加熱された温水は貯湯タンクに一旦貯えた後、必要に応じて、温水ポンプによって各所へ送り出される。
このような温水ボイラーに関する技術として、特開2001−304695号公報、特開平11−248250号公報記載の技術が知られている。
このように排気ガスの排気路を長く確保すると、熱交換面積が増加するため、効率的に熱回収ができるという利点があるが、その反面、排気ガスの排出が困難となり、空気不足によって不完全燃焼を起こすという問題がある。この不完全燃焼の状態では燃料効率が低下し、すす詰まりによる稼働効率の低下にもつながる。
この不完全燃焼を解消するために、排気ブロアー等による強制排気装置を設置することも可能であるが、装置が複雑化するという問題がある。
また、熱量が小さい比較的小型のボイラーでは、貯水タンク全体を加熱するまでに時間を要し、均一温度の温水を安定的に供給することが困難となる。
本発明は係る従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、バーナーの燃料噴射ノズルの直下に吸気孔を形成して燃焼効率を向上させ、貯水タンクの水を循環させながら、貯水タンクの底部の温水を送湯する構成として小型ボイラーであっても安定的に温水の供給を可能とした温水ボイラーを提供することにある。
請求項1記載の温水ボイラーにおいては、燃料噴射ノズル先端である噴射孔の下方に吸気孔を形成したので、燃焼室の噴射気流に引き寄せられて吸気孔から外気が導入され、吸気装置を設置することなく、噴射燃料を完全燃焼する。
また、ノズル先端の下側から気流が導入されるので、ノズルから噴射された噴霧燃料は導入外気により下から吹き上げられるように流れ、噴霧燃料が燃焼室底に落下するのを防止して燃焼する。
また、燃焼室外周に貯水部が配置されているので、貯水部によって確実に熱交換が行われる。
また、前記燃焼室1及び排気路5の外周にはフィン19が貯水タンク6内に突起して、熱交換効率を向上させている。
前記排気路5は内径90mm、長さ101.6mmの大きさを有し、この排気路5が燃焼室上部に2本配置されている。これらの排気路5により燃焼ガスの通気抵抗は低く抑えられ、燃焼ガスは燃焼気流により自然排気されるようになっている。
また、燃焼室1の奥部にはメンテナンス用の点検口10が配置されている。
前記貯水部12は燃焼室1の胴部外周及び筒端外周を取り巻いて配置された水の壁であり、内部には多数のフィン19が配置されて、燃焼室1の熱がフィンを介して熱交換を受ける構成となっている。
また、上部タンク11と貯水部12は一連の連続流域として構成され、水が自由に流通する。
本実施例では、貯水部12は燃焼室の外周に幅60mmの幅を確保して配置され、この部位に水が貯留すると、燃焼室は外周を幅60mmの水の壁で囲われた状態となる。
また、排気路5は燃焼室1の上部を通過しているが、燃焼室との間には間隔を有し、この間隔13にも水が貯留されて、排気路5の外周も水で囲われた状態となっている。
燃焼室1で水が加熱されると、最初に貯水部12が熱交換を受けて、この貯水部12の水がその浮力により自然上昇することになるが、本実施例では循環装置が配置されていることにより、下の水が吸い上げられて上に移動し、それに伴い熱交換を受けた温水が貯水部の下方に流下することになる。そのため、ボイラーが稼働した最初の時点では貯水部12下方に温水が集約され、徐々に貯水タンク6全体が温められることになる。
このとき、循環装置の循環路は停止することになるが、この循環路は作動させた状態で新たに水の補充のみを行うことも可能である。
本実施例では、貯水タンク6から送湯された水量は補充が行われて貯水タンク内の水量は一定の範囲内で確保され、貯水タンクの水温はバーナー2の入切により自動的に制御される。
これらの液体燃料は重油、灯油、軽油等の液体化石燃料を使用することができ、液体燃料を、空気と混合して霧状とし、圧力を掛けて噴射する。
また、燃料噴射ノズル3の噴射孔の下方には吸気孔4が形成されている。この吸気孔4は燃焼室1及び貯水部12を貫通して外部に通じ、燃焼室1内に外気を導入する。
バーナー2が稼働すると、図1に示すように、火炎が噴射されることになる。ここで、燃焼空気の噴流に周囲の気体が吸引され、この吸引流により吸気口から外気が吸入されることになる。この外気の流入は火炎を下から吹き上げるように燃焼空気と合流する。
このように、外気が火炎を下から吹き上げるように燃焼空気と合流するため、噴霧燃料は、下から吹き上げられて燃焼室内に広がる。そのため、燃料が未燃焼のまま落下するのを防止して、噴霧燃料を完全燃焼する。
燃焼ガスは燃焼室奥に接続された2本の排気路を通過して燃焼気流に流されて自然排気される。
この吸気孔の位置、大きさ・形状はバーナーの出力にも関係するが、噴霧燃料を下から吹き上げられるように作用する部位であれば任意であり、噴射火炎の基部または噴射火炎の中央部分に相当する位置の直下に形成することも可能である。
灯油、重油、軽油等の液体燃料を霧化して空気と混合し、圧力を掛けて燃料噴射ノズル3から噴射する。噴射すると同時に、点火装置によって燃焼し、火炎を形成する。
ここで、燃焼室1には吸気孔4が形成されているので、燃焼空気の噴流に周囲の気体が吸引される作用により外気が流入する。
ここで、噴霧燃料は吸気流によって下から吹き上げるように燃焼室内に広がり、未燃焼まま落下することが防止され完全燃焼される。
加熱された水は浮力により貯水タンク6内を自然上昇する。ここで、循環装置により貯水部底の水が取水されて上部タンク11へ送出されるため、加熱された水が流下して貯水部12の下方に集約される。ボイラーが稼働した最初の時点では貯水部下方に温水が集約され、徐々に貯水タンク全体が温められることになる。
貯水タンク底面に形成された送出口18からは、集約された温水が優先的にパイプ14を経由して各所へ送湯される。
温度センサ17が貯水タンク6の水温が所定温度以上であることを検知すると、その信号が温度制御部に伝達され、温度制御部がバーナー2の稼働を停止させる。これにより、貯水タンクから送湯された水量は補充が行われて貯水タンク内の水量は一定の範囲内で確保され、貯水タンクの水温はバーナーの入切により自動的に制御される。
従来のボイラーでは、貯水タンク6に水が補充されると、貯水タンク内の水温は規定温度より大幅に下がり、バーナーの燃焼は開始されて規定温度まで燃焼する。
本発明の小型ボイラーは、バーナー燃焼の輻射熱を最大限に得ることと、小型ボイラーの伝熱面積の限界である8m2まで広げるために、装置の一番下部に燃焼室1を設置し、バーナーも燃焼室1下部に取り付けている。
この構造によって、貯水タンク6上部より10℃の水を500リットル補充しても、送出口18から出る水温は規定温度より20〜30秒間は65℃位迄下がるが、それ以降は75℃〜80℃へと逆に上昇する。
その原因は、燃焼室1周辺の水温が高熱になるが、貯水タンク6内を流下する冷水がその高温水とモミ合って下る間に加熱され、設定温度より上昇すると見られる。従って、大型の瞬間湯沸かし器と似た現象が生じることになる。
2 バーナー
3 燃料噴射ノズル
4 吸気孔
5 排気路
6 貯水タンク
7 循環パイプ
8 ポンプ
9 煙突
10 点検口
11 上部タンク
12 貯水部
14 パイプ
15 三方コック
16 フロートスイッチ
17 温度センサ
18 送出口
19 フィン
Claims (2)
- 液体燃料と空気を混合し、その混合燃料を噴射するバーナーと、
そのバーナーから噴射される燃料を燃焼させる燃焼室及び燃焼室を取り巻くフィンと、
燃焼室の燃焼ガスを排出する排気路及び排気路を取り巻くフィンと、
前記燃焼室の外周に配置されて燃焼室の熱によって加熱される貯水タンクとを備え、
前記燃焼室の一端からバーナーの燃料噴射ノズルを水平方向に挿入し、その挿入した燃料噴射ノズル先端の下方に吸気孔を形成し、その吸気孔から導入される外気によって火炎を下から吹き上げるように燃焼させる構成とした温水ボイラー。 - 前記貯水タンクは、燃焼室上方に配置された上部タンクと、そのタンクの水と連通して燃焼室外周に配置された貯水部から構成され、
前記貯水タンク底部の水を循環装置によって貯水タンクの上方へ循環させ、その循環に伴い貯水部を通過して下方に温水を流下させ、その流下した温水を送湯する構成とした請求項1記載の温水ボイラー。
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