JP4236995B2 - Polypropylene resin composition and use thereof - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリプロピレン樹脂組成物およびその用途に関し、さらに詳しくは、透明性および衛生性、耐熱性、成形時の気泡発生抑制とロングラン成形性に優れた成形品を調製することができるポリプロピレン樹脂組成物、ならびにその組成物から形成された容器、医療用器具などの成形品に関する。さらには、水蒸気滅菌やγ線、電子線による処理にも耐え得る低抽出性成形品を調製することができるポリプロピレン樹脂組成物、およびその組成物から製造される容器、とりわけ水蒸気滅菌または電子線またはγ線照射処理を施すような医療用器具やプレフィルドシリンジに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にポリプロピレン樹脂は、化学的特性、物理的特性および成形加工性に優れ、しかも安価であることから、食品容器や医薬品容器を初めとした広範囲の用途に利用されている。しかしながら、従来のポリプロピレン樹脂それ自体では、機械的強度を満足しながら衛生性に優れた材料を得る事は難しかった。
【0003】
透明性を向上させるために、ポリプロピレン樹脂に造核剤を添加する方法、流動性を付与するために過酸化物による熱減成をする方法を行うと、ポリプロピレン樹脂から微量のガス成分や低分子量成分が残存またはブリードし、これが特に医療用途、近年注目を浴びているプレフィルドシリンジに関しては従来の触媒や従来組成では物性は達成できても、衛生性を高度に高めた本開発レベルには到達していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、透明性および衛生性、成形時の気泡抑制、ロングラン成形性に優れた成形品を調製することができるポリプロピレン樹脂組成物、ならびにその組成物から形成された容器、医療用器具などの成形品に関する。さらには、水蒸気滅菌やγ線、電子線による処理にも耐え得る低抽出性成形品を調製することができるポリプロピレン樹脂組成物、およびその組成物から製造される容器、とりわけ水蒸気滅菌または電子線またはγ線照射処理を施すような医療用器具やプレフィルドシリンジを提供することを目的としている。
【0005】
さらに、本発明は、そのポリプロピレン樹脂組成物から調製した、優れた性能を有する水蒸気滅菌処理が可能なプレフィルドシリンジを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物(III)は、メタロセン触媒の存在下に、プロピレンを単独重合させて得られたポリプロピレン(A1)100重量部に対して、造核剤(B)0.05〜0.5重量部を含有してなるポリプロピレン樹脂組成物であって、該ポリプロピレン(A1)の、(i)メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16kg荷重)が10〜40g/10分の範囲にあり、(ii) 13C−NMRスペクトルから求められる、全プロピレン構成単位中のプロピレンモノマーの2,1−挿入あるいは1,3−挿入に基づく位置不規則単位の割合がいずれも0.2%以下かつメソペンタッド分率mmmmが0.960以上であり、(iii)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求めた分子量分布(Mw/Mn)が1〜3であり、(iv)23℃におけるノルマルデカン可溶分量が0.5重量%以下であるポリプロピレン樹脂組成物(I)0.1〜30重量部と、メタロセン触媒の存在下に、プロピレンとエチレンをランダム共重合させて得られたポリプロピレン(A2)100重量部に対して、造核剤(B)0.05〜0.5重量部を含有してなるポリプロピレン樹脂組成物であって、該ポリプロピレン(A2)の、(i)メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16kg荷重)が10〜40g/10分の範囲にあり、(ii)エチレン含有量が2.0wt%以下であり、(iii)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求めた分子量分布(Mw/Mn)が1〜3であり、(iv)23℃におけるノルマルデカン可溶分量が0.5重量%以下であるポリプロピレン樹脂組成物(II)70〜99.9重量部とを含有してなることを特徴としている。
【0009】
前記メタロセン触媒を形成するメタロセン化合物触媒成分としては、通常、下記一般式(5)または(6)で表わされるメタロセン化合物が好ましく用いられる。
【0010】
【化5】
【0011】
(式中、R3は、炭化水素基およびケイ素含有炭化水素基から選ばれ、R1、R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、およびR14は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭化水素基およびケイ素含有炭化水素基から選ばれ、R1ないしR12で示される基のうち、隣接した基は互いに結合して環を形成してもよく、一般式(5)の場合はR1、R4、R5およびR12から選ばれる基とR13またはR14が互いに結合して環を形成してもよく、Aは、不飽和結合および/または芳香族環を含んでいてもよい炭素原子数2〜20の2価の炭化水素基を示し、AはYと共に形成する環を含めて2つ以上の環構造を含んでいてもよく、Yは、炭素原子またはケイ素原子であり、Mは、周期表第4族から選ばれた金属を示し、jは、1〜4の整数であり、Qは、ハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子から選ばれ、jが2以上のときはQは互いに同一でも異なっていてもよい。)
前記造核剤(B)は、下記式(1)表わされる有機リン酸エステル系化合物(B1)および/または下記式(2)で表わされる有機リン酸エステル系化合物(B2)であることが好ましい。
【0012】
【化6】
【0013】
【化7】
【0014】
(式中、R1は、炭素原子数1〜10の2価炭化水素基であり、R2およびR3は、水素または炭素原子数1〜10の炭化水素基であって、R2とR3は同じであっても異なっていてもよく、Mは、1〜3価の金属原子であり、nは1〜3の整数であり、mは1または2である。)
また、前記造核剤(B)は、下記式(3)で表わされる化合物、および下記式(4)で表わされる化合物も最も好ましく用いられる。
【0015】
【化8】
【0016】
(式中、R1は、炭素原子数1〜10の2価炭化水素基であり、mは1または2である。)
【0017】
【化9】
(式中、R1は、メチレン基またはエチリデン基である。)
【0018】
また、本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物(I)および(II)は、各々ポリプロピレン(A1)および(A2)100重量部に対して、0.01〜0.10重量部のハイドロサルタイト(C)を含有しており、さらに、リン系酸化防止剤(D)0.05〜0.3重量部およびアミン系酸化防止剤(E)0.01〜0.3重量部を含有していてもよい。
【0019】
本発明に係る容器および医療用器具は、前記のような、本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物から形成されてなることを特徴としている。また、本発明に係る医療用器具は、水蒸気滅菌、電子線、γ線照射による滅菌処理を施されるのに好適であり、特に近年、謝った投薬などが問題であり、この医療事故を防ぐ為のあらかじめ薬液をシリンジに充填して水蒸気滅菌したプレフィルドに最適である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物およびその用途について具体的に説明する。本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物は、ポリプロピレン(A)、および造核剤(B)を含有している。
【0021】
ポリプロピレン(A1)
本発明で用いられるポリプロピレン(A1)は、プロピレン単独重合体であってメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,230℃、2.16kg荷重)は、10〜40g/10分、好ましくは20〜40g/10分、さらに好ましくは20〜30g/10分の範囲にある。
【0022】
また、ポリプロピレン(A1)が13C−NMRで測定したアイソタクチックペンタッド分率(mmmm)が、0.96%以上、好ましくは0.96〜0.98であることが望ましい。このメルトフローレートとアイソタクチックペンタッド分率が上記の範囲内にあると、得られるポリプロピレン樹脂組成物の流動性(成形性)とその成形品の機械的強度特性とのバランスが良好で、しかも、見映えのよい外観を有する成形品が得られる。
【0023】
このアイソタクチックペンタッド分率(mmmm)は、13C−NMRを使用して測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖の存在割合を示している。具体的には、プロピレン単位で5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるメチル基に由来する吸収強度(Pmmmm)のプロピレン単位の全メチル基に由来する吸収強度(Pw)に対する比、すなわち〔(Pmmmm)/(Pw)〕として求められる値である。
【0024】
また、本発明で用いられるポリプロピレン(A1)は、13C−NMRスペクトルから求められる全プロピレン構成単位中のプロピレンモノマーの2,1-挿入あるいは1,3-挿入に基づく位置不規則単位の割合がいずれも0.2%以下、好ましくは0.1%以下、特に0.05%以下である。また、このポリプロピレン(A)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求めた分子量分布(Mw/Mn)が1〜3、好ましくは1〜2.5、より好ましくは1〜2.0の範囲にある。
【0025】
また、ポリプロピレン(A1)は、n−デカン可溶分量(プロピレン単独重合体をn−デカンで145℃、2時間処理した後に室温に戻し、n−デカンに溶解した重量%)が0.5重量%以下、好ましくは0.2重量%以下であることが望ましい。さらに、ポリプロピレン(A1)は、示差走査型熱量計(DSC)により測定される吸熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm)が、通常155〜165℃、好ましくは158〜165℃、より好ましくは159〜165℃の範囲にあることが望ましい。
【0026】
ポリプロピレン(A2)
本発明で用いられるポリプロピレン(A2)は、プロピレンとエチレンをランダム共重合させて得られたポリプロピレンであって、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,230℃、2.16kg荷重)は、10〜40g/10分、好ましくは20〜40g/10分、さらに好ましくは20〜30g/10分の範囲にある。
【0027】
また、ポリプロピレン(A2)エチレン含量が、2.0wt%以下、好ましくは1.8wt%以下であることが望ましい。エチレン含量が上記の範囲内にあると、シリンジ成形時にシリンジ内面に傷がつきにくくなる。
【0028】
また、ポリプロピレン(A2)は、n−デカン可溶分量(プロピレン単独重合体をn−デカンで145℃、2時間処理した後に室温に戻し、n−デカンに溶解した重量%)が0.5重量%以下、好ましくは0.2重量%以下であることが望ましい。
【0029】
本発明で用いられる前記ポリプロピレン(A1)、(A2)は、たとえば特定のメタロセン触媒を用いて調製される。このようなメタロセン触媒および該メタロセン触媒を構成する成分については、本出願人によって特許出願され、既に公開されている特開2000-275332号公報記載の化合物と製造条件を制限なく使用することができる。例えば、メタロセン触媒を構成するメタロセン化合物成分としては、前記一般式(5)または(6)で表わされる架橋型メタロセン化合物を挙げることができる。。
【0030】
ポリプロピレン(A1)、(A2)を製造するための重合工程は、通常、約−50〜200℃、好ましくは約50〜100℃温度で、また通常、常圧〜100kg/cm2、好ましくは約2〜50kg/cm2の圧力下で行なわれる。プロピレンの重合は、回分式、半連続式、連続式の何れの方法においても行なうことができる。
【0031】
造核剤(B)
本発明で用いられる造核剤(B)としては、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトール化合物、有機リン酸エステル系化合物、ロジン酸塩系化合物、C4〜C12の脂肪族ジカルボン酸およびその金属塩などを挙げることができる。これらのうちでは、溶出特性、ロングラン成形性、ハイドロタルサイトと共存下でのpH変化による変色、溶出液の紫外吸収スペクトルの観点から、特に有機リン酸エステル系化合物が好ましい。有機リン酸エステル系化合物は、次に示す一般式(1)で表わされる化合物(B1)および/または(2)で表わされる化合物(B2)である。
【0032】
【化10】
【0033】
【化11】
【0034】
前記式(1)および(2)中、R1は、炭素原子数1〜10の2価炭化水素基であり、R2およびR3は、水素または炭素原子数1〜10の炭化水素基であって、R2とR3は同じであっても異なっていてもよく、Mは、1〜3価の金属原子であり、nは1〜3の整数であり、mは1または2である。
【0035】
一般式(1)で表わされる造核剤(B1)の具体例としては、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム-2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4-i-プロピル-6-t-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-ブチリデン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-ブチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-t-オクチルメチレン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-t-オクチルメチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム-ビス-(2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート)、マグネシウム-ビス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート]、バリウム-ビス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート]、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4-m-ブチル-6-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-エチルフェニル)フォスフェート、カリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フオスフェート] 、マグネシウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート] 、バリウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート] 、アルミニウム-トリス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェル)フォスフェート]、アルミニウム-トリス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート]、およびこれらの2種以上の混合物などを挙げることができる。
【0036】
一般式(2)で表わされる造核剤(B2)は、ヒドロキシアルミニウムフォスフェート化合物も使用可能な有機リン酸エステル系化合物であって、特にR2およびR3が共にt-ブチル基である造核剤、すなわち一般式(3)で表わされる化合物が好ましい。
【0037】
【化12】
【0038】
式(3)において、R1は、炭素原子数1〜10の2価炭化水素基であり、mは1または2である。特に好ましい造核剤は、一般式(4)で表わされる有機リン酸エステル系化合物である。
【0039】
【化13】
【0040】
式(4)において、R1は、メチレン基またはエチリデン基である。具体的には、ヒドロキシアルミニウム-ビス[2,2-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチル)フォスフェート]、またはヒドロキシアルミニウム-ビス[2,2-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチル)フォスフェート]である。
やむを得ず用いる前記ソルビトール系化合物としては、具体的には、1,3,2,4-ジベンジリデンソルビトール、1,3-ベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,3-ベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-ベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-ベンジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-n-プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-i-プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-n-ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-s-ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-t-ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-エトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3-ベンジリデン-2,4-p-クロルベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-ベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-p-クロルベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-p-クロルベンジリデンソルビトールもしくは1,3,2,4-ジ(p-クロルベンジリデン)ソルビトールなどを例示することができる。特に、1,3,2,4-ジベンジリデンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリデン)ソルビトールまたは1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトールが好ましい。
【0041】
本発明では、今後、あらゆる薬液使用が考えられるプレフィルドシリンジに対し、塩酸吸収剤としてハイドロタルサイトが最も好ましく用いられる。一般的な脂肪酸金属塩、ステアリン酸カルシウムなどは、薬液や金属イオンと交換反応を起こしやすく、白色物や懸濁物を生じる可能性を認めた為、請求項7で特に記載した。
【0042】
本発明では、一般式Mg4Al2(OH)12CO3・3H2Oで表されるハイドロタルサイト(C)以外に、必要に応じてリン系酸化防止剤(D)やアミン系酸化防止剤(E)を使用することができる。
【0043】
リン系酸化防止剤(D)
本発明で必要に応じて好ましく用いられるリン系酸化防止剤(D)としては、特に制限はなく、従来公知のリン系酸化防止剤を用いることができる。なお、リン系酸化防止剤(D)を1種類のみ使用することがブリードによる内容物汚染が少ないため好ましい。
【0044】
本発明で好ましく用いられるリン系酸化防止剤(D)は、3価の有機リン化合物であり、具体的には、トリス(2,4-ジ-t- ブチルフェニル)フォスファイト、2,2-メチレンビス(4,6-ジ-t- ブチルフェニル)オクチルフォスファイト、ビス(2,6-ジ-t- ブチル-4- メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイトなどが挙げられる。
【0045】
リン系酸化防止剤(D)は、ポリプロピレン(A)100重量部に対して、通常0.05〜0.3重量部、好ましくは0.07〜0.2重量部、特に好ましくは0.1〜0.12重量部の割合で用いられる。
アミン系酸化防止剤(E)
本発明で必要に応じて用いられるリン系酸化防止剤(D)とともに用いることができるアミン系酸化防止剤(E)としては、ピペリジン環を持つ化合物が例示される。具体的には、コハク酸ジメチル・1-(2-ヒドロキシエチル)-4- ヒドロキシ-2,2,6,6- テトラメチルピペリジン重縮合物、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジル)セバケート、ポリ[[6-[1-[(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ]-s-トリアジン-2,4-ジイル][[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]などが用いられる。
【0046】
アミン系酸化防止剤(E)は、ポリプロピレン(A)100重量部に対して、通常0.01〜0.3重量部、好ましくは0.01〜0.2重量部、さらに好ましくは0.01〜0.1重量部、特に好ましくは0.05〜0.1重量部の割合で用いられる。
【0047】
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物には、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、さらに耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ剤を配合することができる。前記したポリプロピレン(A)、造核剤(B)および必要に応じて他の添加剤たとえばリン系酸化防止剤(D)、アミン系酸化防止剤(E)等を、ヘンシェルミキサー、V型ブレンダー、タンブラーブレンダー、リボンブレンダーなどを用いて混合した後、単軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどを用いて溶融混練することによって、上記各成分および添加剤が均一に分散混合された高品質のポリプロピレン樹脂組成物が得られる。
【0048】
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物のメルトフローレート(MFR;ASTMD 1238,230℃、2.16kg荷重)は、10〜40g/10分の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは20〜30g/10分の範囲内にあることが望ましい。本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物から調製される成形品、特に水蒸気滅菌されるプレフィルドシリンジに関しては、剛性と透明性と耐熱性、いわゆる水蒸気による熱で変形せず、抽出物も非常に少ない水準に保つ優れた性質を有しているので、本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物は、その他各種医療用器具として用いることができる。
【0049】
容 器
本発明に係る容器は、上述した、本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物から射出成形、インジェクションブロー成形等の手段を用いて製造した容器であり、その形状は任意である。
この容器は、剛性、透明性、耐衝撃性に優れ、食品や医療品等の包装に適している。特に、溶融流動特性(MFR)が前記した範囲にある、本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物を用いて射出成形すると、一層透明性に優れた容器を成形することができる。
【0050】
医療用器具
本発明に係る医療用器具は、上述した、本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物から射出成形の手段を用いて製造した医療用器具である。
【0051】
この医療用器具は、剛性、透明性、耐熱性、成形時の気泡抑制、特に衛生性に優れ、かつ、水蒸気滅菌処理をしても抽出物及び透明性の低下が少なく、且つロングラン射出成形においてシリンジ内面に傷がつきにくいという、従来のポリプロピレン樹脂では見られない全てのバランスを有する。医療用器具としては、具体的には、注射器の注射筒外筒を挙げることができる。
【0052】
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物は、特に水蒸気滅菌を施すプレフィルド注射筒に適している。本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物から製造された医療用器具は厚肉であっても真空泡が形成されにくく、耐圧を要する厚肉成形品、圧肉注射筒用に好適である。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、剛性と透明性と耐熱性、衛生性全てを同時に満たした容器等の成形品を調製することができるポリプロピレン樹脂組成物およびその成形品を提供することができる。また、本発明によれば、水蒸気滅菌処理が可能な医療用器具等の成形品を調製することができるポリプロピレン樹脂組成物およびその成形品を提供することができる。
【0054】
【実施例】
次に、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例等で使用した原料は以下のとおりである。
(1)メタロセン触媒の存在下で重合したプロピレン単独重合体(A1−1):
メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16荷重)が25g/10、 13C−NMRスペクトルから求められる、全プロピレン構成単位中のプロピレンモノマーの2,1-挿入あるいは1,3-挿入に基づく位置不規則単位の割合がいずれも不検出、メソペンタッド分率mmmmが0.967、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求めた分子量分布(Mw/Mn)が2.0、2,1-挿入と1,3-挿入は共に検出なし。
(2)メタロセン触媒の存在下で重合したエチレン−プロピレンランダム共重合体(A2−1):
メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16荷重)が25g/10、エチレン含有量が1.0wt%、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求めた分子量分布(Mw/Mn)が2.0。
(3)ブレンド樹脂(A3):
前記(A2−1)85重量%と、前記(A1−1)15重量%のブレンド樹脂。(4)メタロセン触媒の存在下で重合したプロピレン単独重合体(A4):
メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16荷重)が8g/10分、 13C−NMRスペクトルから求められる、全プロピレン構成単位中のプロピレンモノマーの2,1-挿入あるいは1,3-挿入に基づく位置不規則単位の割合がいずれも不検出、メソペンタッド分率mmmmが0.967、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求めた分子量分布(Mw/Mn)が2.0、2,1-挿入と1,3-挿入は共に検出なし。
(5)プロピレン単独重合体(A5):
チーグラー・ナッタ触媒である塩化マグネシウム担持チタン触媒により得られた、プロピレン単独重合体:融点(Tm)が158℃であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16kg荷重)が25g/10分であり、Mw/Mnが5.2、2,1-挿入と1,3-挿入は検出なし。
(6)エチレン−プロピレンランダム共重合体(A6):
チーグラー・ナッタ触媒である塩化マグネシウム担持チタン触媒により得られた、エチレン−プロピレンランダム共重合体:エチレン含有量が1.0wt%であり、メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16kg荷重)が25g/10分であり、Mw/Mnが5.2。
(7)メタロセン触媒の存在下で重合したエチレン−プロピレンランダム共重合体(A7):
メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16荷重)が25g/10、エチレン含 有量が4.0wt%、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求め た分子量分布(Mw/Mn)が2.0。
(8)造核剤(B−1):
前記の式(4)で表わされるヒドロキシアルミニウム- ビス[2,2-メチレン-ビス(4,6-ジ-t- ブチルフェニル)フォスフェート]
(9)リン系酸化防止剤(D−1):
トリス(2,4-ジ-t- ブチルフェニル)フォスファイト
(10)アミン系酸化防止剤(E−1):
コハク酸ジメチル・1-(2-ヒドロキシエチル)-4- ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン重縮合物
(11)ハイドロタルサイト(C−1):
Mg4Al2(OH)12CO3・3H20で表されるものを使用。
【0055】
実施例等において、物性は次の方法で測定した。
(1)ヘイズは、ASTM D1003に準拠し、長さ12cm、幅11cm、厚み2mmの角板を射出成形し測定した。
(2)曲げ弾性率ASTM D790に準拠して曲げ試験を行ない、その結果から曲げ弾性率を算出した。
(3)メルトフローレート(MFR)
MFRは、ASTM D−1238に準拠し、230℃、荷重2.16kgで測定した。
(4)加熱変形温度;ASTM D−648に準じて行った。単位は℃。
(5)n−デカン可溶分量;得られたペレット5gを200mlのn−デカンで145℃、2時間処理した後に室温に戻し、n−デカンに溶解した重量%をもとめる。
(6)ロングラン成形性;10mlのシリンジ金型を1日ロングラン成形し、シリンジ内面の傷の有無を3段階評価した。
(7)121℃1時間シリンジを水蒸気滅菌し、透明性の低下を試験前後の透過率(%)で測定した。
(8)射出成形において、2mm胴肉厚の200ml注射筒を成形し、気泡の発生の有無を目視で確認した。
【0056】
〔参考例1〕
プロピレン単独重合体(A1−1)100重量部を、ヘンシェルミキサー中に供給し、さらに、前記造核剤(B−1)0、1重量部、リン系酸化防止剤(D−1)0.05重量部、アミン系酸化防止剤(E−1)0.05重量部、ハイドロタルサイト(C−1)0.03重量部を添加し、攪拌混合した。
【0057】
次いで、得られた混合物を、単軸押出機(100mmφ)を用いて、樹脂温度220℃で溶融混練し、その混練物を押出してポリプロピレン樹脂組成物のペレットを得た。次いで、そのペレットを用いて、射出成形により200℃、金型温度40℃にて厚み1mmのシート状試験片、曲げ強度試験用の試験片(ASTMD790、厚み3.2mm、長さ127mm、幅12.7mm)、およびアイゾット衝撃試験用の試験片(ASTM D256、厚み3.2mm、長さ63.5mm、幅12.7mm)をそれぞれ作製した。これら試験片を用いて、ヘイズ、曲げ弾性率、およびアイゾット衝撃強度を測定した。また、引張降伏点応力および破断点伸びを上記方法に従って測定した。これらの結果を表1に示す。
【0058】
〔参考例2〕
参考例1において、メタロセン触媒下で重合したプロピレン単独重合体(A1−1)の代わりに、メタロセン触媒下で重合したエチレン・プロピレンランダム共重合体(A2−1)を用いた以外は、参考例1と同様に行なった。物性測定結果を表1に示す。
【0059】
〔実施例3〕
参考例1において、メタロセン触媒下で重合したプロピレン単独重合体(A1−1)の代わりに、前記のブレンド樹脂(A3)を用いた以外は、参考例1と同様に行なった。物性測定結果を表1に示す。
【0060】
〔比較例1〕
参考例1において、メタロセン触媒下で重合したプロピレン単独重合体(A1−1)の代わりにチーグラーナッタ触媒下で重合したプロピレン単独重合体(A4)を用いた以外は、参考例1と同様に行なった。物性測定結果を表1に併せて示す。
【0061】
〔比較例2〕
参考例1において、メタロセン触媒下で重合したプロピレン単独重合体(A1−1)の代わりにチーグラーナッタ触媒下で重合したプロピレン単独重合体(A5)を用いた以外は、参考例1と同様に行なった。物性測定結果を表1に併せて示す。
【0062】
〔比較例3〕
参考例1において、メタロセン触媒下で重合したプロピレン単独重合体(A1−1)の代わりに、チーグラーナッタ触媒下で重合したエチレン・プロピレンランダム共重合体(A6)を用いた以外は、参考例1と同様に行なった。物性測定結果を表1に併せて示す。
【0063】
〔比較例4〕
参考例1において、メタロセン触媒下で重合したプロピレン単独重合体(A1−1)の代わりに、チーグラーナッタ触媒下で重合したエチレン・プロピレンランダム共重合体(A7)を用いた以外は、参考例1と同様に行なった。物性測定結果を表1に併せて示す。
【0064】
【表1】
【0065】
表1に記載した物性測定結果から、本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物から得られた成形品が、高い剛性、高い耐熱性、透明性を有し、且つ低い抽出性(ノルマルデカン抽出物量)に優れ、且つ、ロングラン成形性、気泡抑制性、水蒸気滅菌後の透過率の低下抑制にも優れ、従来のポリプロピレン樹脂組成物にはない物性を示しており、非常に有用である。
【0066】
このように、本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物は、特定のポリプロピレン(A)、および造核剤(B)を含有しているので、高い剛性、高い耐熱性、透明性を有し、且つ低い抽出性(ノルマルデカン抽出物量)に優れ、且つ、ロングラン成形性、水蒸気滅菌後の透過率の低下抑制にも優れており、各種医療用器具、特に水蒸気滅菌を施すプレフィルドシリンジに適している。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a polypropylene resin composition and use thereof, and more specifically, a polypropylene resin composition capable of preparing a molded product excellent in transparency and hygiene, heat resistance, suppression of bubble generation during molding and long run moldability. The present invention relates to a molded article such as a container and a medical instrument formed from the composition. Furthermore, a polypropylene resin composition capable of preparing a low-extractable molded product that can withstand treatment with steam sterilization, γ-ray, and electron beam, and a container manufactured from the composition, particularly steam sterilization or electron beam or The present invention relates to a medical instrument or a prefilled syringe that performs γ-ray irradiation treatment.
[0002]
[Prior art]
In general, a polypropylene resin is used in a wide range of applications including food containers and pharmaceutical containers because it is excellent in chemical characteristics, physical characteristics and moldability and is inexpensive. However, with the conventional polypropylene resin itself, it has been difficult to obtain a material excellent in hygiene while satisfying mechanical strength.
[0003]
In order to improve transparency, a method of adding a nucleating agent to a polypropylene resin, or a method of heat degrading with a peroxide to give fluidity, a trace amount of gas components and low molecular weight from the polypropylene resin Ingredients remain or bleed, especially for medical applications, and for prefilled syringes that have been attracting attention in recent years, even though the physical properties can be achieved with conventional catalysts and conventional compositions, this level of development with a high degree of hygiene has been reached. Not.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention is intended to solve the problems associated with the prior art as described above, and is a polypropylene capable of preparing a molded product excellent in transparency and hygiene, suppression of bubbles during molding, and long run moldability. The present invention relates to a resin composition, and molded articles such as containers and medical instruments formed from the composition. Furthermore, a polypropylene resin composition capable of preparing a low-extractable molded product that can withstand treatment with steam sterilization, γ-ray, and electron beam, and a container manufactured from the composition, particularly steam sterilization or electron beam or It aims at providing the medical instrument and prefilled syringe which perform a gamma ray irradiation process.
[0005]
Another object of the present invention is to provide a prefilled syringe prepared from the polypropylene resin composition and capable of steam sterilization with excellent performance.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present inventionRuRepropylene resin composition (III) Comprises 0.05 to 0.5 parts by weight of a nucleating agent (B) with respect to 100 parts by weight of polypropylene (A1) obtained by homopolymerizing propylene in the presence of a metallocene catalyst. A polypropylene resin composition, wherein the polypropylene (A1) has a (i) melt flow rate (ASTM D 1238, 230 ° C., 2.16 kg load) in the range of 10 to 40 g / 10 min, (ii)13The proportion of position irregular units based on 2,1-insertion or 1,3-insertion of propylene monomer in all propylene constituent units determined from the C-NMR spectrum is 0.2% or less and the mesopentad fraction mmmm is (Iii) The molecular weight distribution (Mw / Mn) determined by gel permeation chromatography (GPC) is 1 to 3, and (iv) the normal decane soluble content at 23 ° C. is 0.1. 5% by weight or lessWith respect to 100 parts by weight of polypropylene (A2) obtained by random copolymerization of propylene and ethylene in the presence of a metallocene catalyst in the presence of 0.1 to 30 parts by weight of the polypropylene resin composition (I), a nucleating agent ( B) A polypropylene resin composition containing 0.05 to 0.5 parts by weight of the polypropylene (A2), wherein (i) the melt flow rate (ASTM D 1238, 230 ° C., 2.16 kg load) is in the range of 10-40 g / 10 min, (ii) ethylene content is 2.0 wt% or less, (iii) by gel permeation chromatography (GPC) The obtained molecular weight distribution (Mw / Mn) is 1 to 3, and (iv) 70 to 99.9 parts by weight of a polypropylene resin composition (II) having a normal decane soluble content at 23 ° C. of 0.5% by weight or less. And containsIt is characterized by that.
[0009]
As the metallocene compound catalyst component that forms the metallocene catalyst, usually a metallocene compound represented by the following general formula (5) or (6) is preferably used.
[0010]
[Chemical formula 5]
[0011]
(Wherein RThreeIs selected from hydrocarbon groups and silicon-containing hydrocarbon groups, R1, R2, RFour, RFive, R6, R7, R8, R9, RTen, R11, R12, R13, And R14May be the same or different from each other, and are selected from a hydrogen atom, a hydrocarbon group, and a silicon-containing hydrocarbon group, and R1Or R12Of the groups represented by the formula, adjacent groups may be bonded to each other to form a ring. In the case of the general formula (5), R1, RFour, RFiveAnd R12A group selected from R and13Or R14May combine with each other to form a ring, and A represents a divalent hydrocarbon group having 2 to 20 carbon atoms which may contain an unsaturated bond and / or an aromatic ring, and A represents Y May include two or more ring structures including a ring formed together, Y is a carbon atom or a silicon atom, M is a metal selected from Group 4 of the periodic table, and j is Q is an integer of 1 to 4, and Q is selected from a halogen atom, a hydrocarbon group, an anionic ligand, and a neutral ligand capable of coordinating with a lone pair, and when j is 2 or more, Q is mutually It may be the same or different. )
The nucleating agent (B) is preferably an organophosphate compound (B1) represented by the following formula (1) and / or an organophosphate compound (B2) represented by the following formula (2). .
[0012]
[Chemical 6]
[0013]
[Chemical 7]
[0014]
(Wherein R1Is a divalent hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms, R2And RThreeIs hydrogen or a hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms, and R2And RThreeMay be the same or different, M is a 1 to 3 valent metal atom, n is an integer of 1 to 3, and m is 1 or 2. )
As the nucleating agent (B), a compound represented by the following formula (3) and a compound represented by the following formula (4) are also most preferably used.
[0015]
[Chemical 8]
[0016]
(Wherein R1Is a divalent hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms, and m is 1 or 2. )
[0017]
[Chemical 9]
(Wherein R1Is a methylene group or an ethylidene group. )
[0018]
In addition, the polypropylene resin compositions (I) and (II) according to the present invention have 0.01 to 0.10 parts by weight of hydrosartite (C) with respect to 100 parts by weight of polypropylene (A1) and (A2), respectively. In addition, it may contain 0.05 to 0.3 parts by weight of a phosphorus-based antioxidant (D) and 0.01 to 0.3 parts by weight of an amine-based antioxidant (E). Good.
[0019]
The container and the medical instrument according to the present invention are characterized by being formed from the polypropylene resin composition according to the present invention as described above. In addition, the medical device according to the present invention is suitable for being sterilized by steam sterilization, electron beam or γ-ray irradiation, and in particular, apologetic medication is a problem in recent years, and this medical accident is prevented. It is most suitable for prefilled with a chemical solution filled in a syringe for steam sterilization.
[0020]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the polypropylene resin composition and its application according to the present invention will be specifically described. The polypropylene resin composition according to the present invention contains polypropylene (A) and a nucleating agent (B).
[0021]
Polypropylene (A1)
The polypropylene (A1) used in the present invention is a propylene homopolymer and has a melt flow rate (MFR; ASTM D 1238, 230 ° C., 2.16 kg load) of 10 to 40 g / 10 minutes, preferably 20 to 40 g / It is in the range of 10 minutes, more preferably 20-30 g / 10 minutes.
[0022]
Also, polypropylene (A1)13The isotactic pentad fraction (mmmm) measured by C-NMR is 0.96% or more, preferably 0.96 to 0.98. When the melt flow rate and the isotactic pentad fraction are in the above ranges, the balance between the fluidity (moldability) of the resulting polypropylene resin composition and the mechanical strength characteristics of the molded product is good. In addition, a molded product having a good appearance can be obtained.
[0023]
This isotactic pentad fraction (mmmm) is13It shows the abundance of isotactic chains in pentad units in a polypropylene molecular chain measured using C-NMR. Specifically, the ratio of the absorption intensity (Pmmmm) derived from the methyl group at the center of the chain in which five meso-bonded propylene units are consecutive to the absorption intensity (Pw) derived from all the methyl groups in the propylene unit, that is, This is a value obtained as [(Pmmmm) / (Pw)].
[0024]
The polypropylene (A1) used in the present invention is13The proportion of position irregular units based on 2,1-insertion or 1,3-insertion of propylene monomer in all propylene constituent units determined from C-NMR spectrum is 0.2% or less, preferably 0.1% Hereinafter, it is 0.05% or less especially. Further, this polypropylene (A) has a molecular weight distribution (Mw / Mn) determined by gel permeation chromatography (GPC) of 1 to 3, preferably 1 to 2.5, more preferably 1 to 2.0. Is in range.
[0025]
In addition, polypropylene (A1) has an n-decane soluble content (wt% of propylene homopolymer treated with n-decane at 145 ° C. for 2 hours and then returned to room temperature and dissolved in n-decane). % Or less, preferably 0.2% by weight or less. Furthermore, the temperature (Tm) of the maximum peak position of the endothermic curve of polypropylene (A1) measured by a differential scanning calorimeter (DSC) is usually 155 to 165 ° C, preferably 158 to 165 ° C, more preferably 159. It is desirable to be in the range of ˜165 ° C.
[0026]
Polypropylene (A2)
The polypropylene (A2) used in the present invention is a polypropylene obtained by random copolymerization of propylene and ethylene, and the melt flow rate (MFR; ASTM D 1238, 230 ° C., 2.16 kg load) is 10 to 40 g. / 10 minutes, preferably 20 to 40 g / 10 minutes, more preferably 20 to 30 g / 10 minutes.
[0027]
Further, it is desirable that the polypropylene (A2) ethylene content is 2.0 wt% or less, preferably 1.8 wt% or less. When the ethylene content is within the above range, the inner surface of the syringe is hardly damaged during the molding of the syringe.
[0028]
Polypropylene (A2) has an n-decane soluble content (wt% of propylene homopolymer treated with n-decane at 145 ° C. for 2 hours and then returned to room temperature and dissolved in n-decane). % Or less, preferably 0.2% by weight or less.
[0029]
The polypropylenes (A1) and (A2) used in the present invention are prepared using, for example, a specific metallocene catalyst. For such a metallocene catalyst and the components constituting the metallocene catalyst, the compounds and production conditions described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-275332, which has been filed by the present applicant and already published, can be used without limitation. . For example, as the metallocene compound component constituting the metallocene catalyst, a bridged metallocene compound represented by the general formula (5) or (6) can be exemplified. .
[0030]
The polymerization step for producing polypropylene (A1) and (A2) is usually at a temperature of about -50 to 200 ° C, preferably about 50 to 100 ° C, and usually at a normal pressure to 100 kg / cm.2, Preferably about 2-50 kg / cm2Under the pressure of The polymerization of propylene can be carried out in any of batch, semi-continuous and continuous methods.
[0031]
Nucleator (B)
Examples of the nucleating agent (B) used in the present invention include sorbitol compounds such as dibenzylidene sorbitol, organophosphate compounds, rosinate compounds, C4-C12 aliphatic dicarboxylic acids and metal salts thereof. be able to. Of these, organophosphate compounds are particularly preferred from the viewpoints of elution characteristics, long-run moldability, discoloration due to pH change in the presence of hydrotalcite, and ultraviolet absorption spectrum of the eluate. The organic phosphate ester compound is a compound (B1) represented by the following general formula (1) (B1) and / or (2).
[0032]
[Chemical Formula 10]
[0033]
Embedded image
[0034]
In the above formulas (1) and (2), R1Is a divalent hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms, R2And RThreeIs hydrogen or a hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms, and R2And RThreeMay be the same or different, M is a 1 to 3 valent metal atom, n is an integer of 1 to 3, and m is 1 or 2.
[0035]
Specific examples of the nucleating agent (B1) represented by the general formula (1) include sodium-2,2′-methylene-bis (4,6-di-t-butylphenyl) phosphate, sodium-2,2 '-Ethylidene-bis (4,6-di-t-butylphenyl) phosphate, lithium-2,2'-methylene-bis (4,6-di-t-butylphenyl) phosphate, lithium-2,2 '-Ethylidene-bis (4,6-di-t-butylphenyl) phosphate, sodium-2,2'-ethylidene-bis (4-i-propyl-6-t-butylphenyl) phosphate, lithium-2 , 2'-methylene-bis (4-methyl-6-t-butylphenyl) phosphate, lithium-2,2'-methylene-bis (4-ethyl-6-t-butylphenyl) phosphate, sodium-2 , 2'-Butylidene-bis (4,6-di-methylphenyl) phosphate, sodium-2,2'-butylidene-bis (4,6-di-t-butylphenyl) phosphate Sodium, -2,2'-t-octylmethylene-bis (4,6-di-methylphenyl) phosphate, sodium-2,2'-t-octylmethylene-bis (4,6-di-t- Butylphenyl) phosphate, calcium-bis- (2,2'-methylene-bis (4,6-di-t-butylphenyl) phosphate), magnesium-bis [2,2'-methylene-bis (4, 6-di-t-butylphenyl) phosphate], barium-bis [2,2'-methylene-bis (4,6-di-t-butylphenyl) phosphate], sodium-2,2'-methylene- Bis (4-methyl-6-t-butylphenyl) phosphate, sodium-2,2'-methylene-bis (4-ethyl-6-t-butylphenyl) phosphate, sodium-2,2'-ethylidene- Bis (4-m-butyl-6-t-butylphenyl) phosphate, sodium-2,2'-methylene-bis (4,6-di-methylphenyl) phosphate Sodium-2,2′-methylene-bis (4,6-di-ethylphenyl) phosphate, potassium-2,2′-ethylidene-bis (4,6-di-t-butylphenyl) phosphate, Calcium-bis [2,2'-ethylidene-bis (4,6-di-t-butylphenyl) phosphate], magnesium-bis [2,2'-ethylidene-bis (4,6-di-t-butylphenyl) ) Phosphate], barium-bis [2,2'-ethylidene-bis (4,6-di-t-butylphenyl) phosphate], aluminum-tris [2,2'-methylene-bis (4,6- Di-t-butylfel) phosphate], aluminum-tris [2,2'-ethylidene-bis (4,6-di-t-butylphenyl) phosphate], and mixtures of two or more of these Can do.
[0036]
The nucleating agent (B2) represented by the general formula (2) is an organic phosphate ester compound that can also be used as a hydroxyaluminum phosphate compound.2And RThreeA nucleating agent in which both are t-butyl groups, that is, a compound represented by the general formula (3) is preferable.
[0037]
Embedded image
[0038]
In formula (3), R1Is a divalent hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms, and m is 1 or 2. A particularly preferred nucleating agent is an organic phosphate ester compound represented by the general formula (4).
[0039]
Embedded image
[0040]
In formula (4), R1Is a methylene group or an ethylidene group. Specifically, hydroxyaluminum-bis [2,2-methylene-bis (4,6-di-t-butyl) phosphate] or hydroxyaluminum-bis [2,2-ethylidene-bis (4,6- Di-t-butyl) phosphate].
Specific examples of the sorbitol-based compounds that are unavoidably used include 1,3,2,4-dibenzylidene sorbitol, 1,3-benzylidene-2,4-p-methylbenzylidene sorbitol, 1,3-benzylidene-2, 4-p-ethylbenzylidene sorbitol, 1,3-p-methylbenzylidene-2,4-benzylidene sorbitol, 1,3-p-ethylbenzylidene-2,4-benzylidene sorbitol, 1,3-p-methylbenzylidene-2 , 4-p-ethylbenzylidene sorbitol, 1,3-p-ethylbenzylidene-2,4-p-methylbenzylidene sorbitol, 1,3,2,4-di (p-methylbenzylidene) sorbitol, 1,3,2 , 4-di (p-ethylbenzylidene) sorbitol, 1,3,2,4-di (pn-propylbenzylidene) sorbitol, 1,3,2,4-di (pi-propylbenzylidene) sorbitol, 1,3,2,4-di (pn-butylbenzylidene) sorbitol 1,3,2,4-di (ps-butylbenzylidene) sorbitol, 1,3,2,4-di (pt-butylbenzylidene) sorbitol, 1,3,2,4-di ( p-methoxybenzylidene) sorbitol, 1,3,2,4-di (p-ethoxybenzylidene) sorbitol, 1,3-benzylidene-2,4-p-chlorobenzylidene sorbitol, 1,3-p-chlorobenzylidene-2 , 4-Benzylidenesorbitol, 1,3-p-chlorobenzylidene-2,4-p-methylbenzylidenesorbitol, 1,3-p-chlorobenzylidene-2,4-p-ethylbenzylidenesorbitol, 1,3-p- Such as methylbenzylidene-2,4-p-chlorobenzylidenesorbitol, 1,3-p-ethylbenzylidene-2,4-p-chlorobenzylidenesorbitol, 1,3,2,4-di (p-chlorobenzylidene) sorbitol It can be illustrated. In particular, 1,3,2,4-dibenzylidene sorbitol, 1,3,2,4-di (p-methylbenzylidene) sorbitol or 1,3-p-chlorobenzylidene-2,4-p-methylbenzylidene sorbitol preferable.
[0041]
In the present invention, hydrotalcite is most preferably used as a hydrochloric acid absorbent for prefilled syringes that can be used in any chemical solution in the future. General fatty acid metal salts, calcium stearate and the like are particularly described in claim 7 because they are likely to cause an exchange reaction with a chemical solution and metal ions, and a white matter or suspension may be generated.
[0042]
In the present invention, the general formula MgFourAl2(OH)12COThree・ 3H2In addition to the hydrotalcite (C) represented by O, a phosphorus-based antioxidant (D) or an amine-based antioxidant (E) can be used as necessary.
[0043]
Phosphorus antioxidant (D)
There is no restriction | limiting in particular as phosphorus antioxidant (D) preferably used as needed by this invention, A conventionally well-known phosphorus antioxidant can be used. In addition, it is preferable to use only one type of phosphorus-based antioxidant (D) because the content contamination due to bleeding is small.
[0044]
The phosphorus antioxidant (D) preferably used in the present invention is a trivalent organic phosphorus compound, specifically, tris (2,4-di-t-butylphenyl) phosphite, 2,2- Examples include methylene bis (4,6-di-t-butylphenyl) octyl phosphite, bis (2,6-di-t-butyl-4-methylphenyl) pentaerythritol diphosphite.
[0045]
The phosphorus-based antioxidant (D) is usually 0.05 to 0.3 parts by weight, preferably 0.07 to 0.2 parts by weight, particularly preferably 0.1 to 100 parts by weight of the polypropylene (A). Used at a ratio of ˜0.12 parts by weight.
Amine-based antioxidant (E)
Examples of the amine antioxidant (E) that can be used together with the phosphorus antioxidant (D) used as necessary in the present invention include compounds having a piperidine ring. Specifically, dimethyl succinate / 1- (2-hydroxyethyl) -4-hydroxy-2,2,6,6-tetramethylpiperidine polycondensate, bis (2,2,6,6-tetramethyl- 4-piperidyl) sebacate, poly [[6- [1-[(1,1,3,3-tetramethylbutyl) amino] -s-triazine-2,4-diyl] [[(2,2,6, 6-tetramethyl-4-piperidyl) imino] hexamethylene [(2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) imino]] and the like are used.
[0046]
The amine-based antioxidant (E) is usually 0.01 to 0.3 parts by weight, preferably 0.01 to 0.2 parts by weight, more preferably 0.01 to 100 parts by weight of the polypropylene (A). ˜0.1 parts by weight, particularly preferably 0.05 to 0.1 parts by weight.
[0047]
If necessary, the polypropylene resin composition according to the present invention can further contain a heat stabilizer, a weather stabilizer, an antistatic agent, and a slip agent within a range not impairing the object of the present invention. The aforementioned polypropylene (A), nucleating agent (B) and other additives such as phosphorus antioxidant (D), amine antioxidant (E), etc., if necessary, Henschel mixer, V-type blender, After mixing using a tumbler blender, ribbon blender, etc., the above components and additives were uniformly dispersed and mixed by melt kneading using a single screw extruder, multi-screw extruder, kneader, Banbury mixer, etc. A high-quality polypropylene resin composition is obtained.
[0048]
The melt flow rate (MFR; ASTM D 1238, 230 ° C., 2.16 kg load) of the polypropylene resin composition according to the present invention is preferably in the range of 10 to 40 g / 10 minutes, more preferably 20 to 30 g / 10. Desirably within minutes. Molded articles prepared from the polypropylene resin composition according to the present invention, particularly prefilled syringes that are sterilized with steam, are rigid, transparent and heat resistant, so that they do not deform with so-called steam heat, and the extract is at a very low level. The polypropylene resin composition according to the present invention can be used as various other medical instruments because it has excellent properties to maintain.
[0049]
Yong vessel
The container which concerns on this invention is a container manufactured using means, such as injection molding and injection blow molding, from the polypropylene resin composition which concerns on this invention mentioned above, The shape is arbitrary.
This container is excellent in rigidity, transparency and impact resistance, and is suitable for packaging foods, medical products and the like. In particular, when the injection molding is performed using the polypropylene resin composition according to the present invention having the melt flow characteristics (MFR) in the above-described range, a container having further excellent transparency can be molded.
[0050]
Medical instruments
The medical instrument according to the present invention is a medical instrument manufactured from the above-described polypropylene resin composition according to the present invention by means of injection molding.
[0051]
This medical device has excellent rigidity, transparency, heat resistance, suppression of bubbles during molding, especially hygiene, and there is little decrease in extract and transparency even after steam sterilization, and in long run injection molding It has all the balance that cannot be seen in the conventional polypropylene resin that the inner surface of the syringe is hard to be damaged. Specific examples of the medical device include a syringe barrel of a syringe.
[0052]
The polypropylene resin composition according to the present invention is particularly suitable for a prefilled syringe that is subjected to steam sterilization. Even if the medical device manufactured from the polypropylene resin composition according to the present invention is thick, it is difficult for vacuum bubbles to be formed, and it is suitable for thick molded products and pressure injection syringes that require pressure resistance.
[0053]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the polypropylene resin composition which can prepare molded articles, such as a container etc. which satisfy | filled all rigidity, transparency, heat resistance, and hygiene simultaneously, and its molded article can be provided. Moreover, according to this invention, the polypropylene resin composition which can prepare molded articles, such as a medical instrument which can be steam-sterilized, and its molded article can be provided.
[0054]
【Example】
EXAMPLES Next, although an Example demonstrates this invention, this invention is not limited at all by these Examples. In addition, the raw material used in the Example etc. is as follows.
(1)Propylene homopolymer polymerized in the presence of a metallocene catalyst (A1-1):
Melt flow rate (ASTM D 1238, 230 ° C, 2.16 load) is 25g / 10,13The proportion of position irregular units based on 2,1-insertion or 1,3-insertion of propylene monomer in all propylene constituent units determined from the C-NMR spectrum is not detected, and the mesopentad fraction mmmm is 0.967. The molecular weight distribution (Mw / Mn) determined by gel permeation chromatography (GPC) was 2.0, and 2,1-insertion and 1,3-insertion were not detected.
(2)Ethylene-propylene random copolymer (A2-1) polymerized in the presence of a metallocene catalyst:
The melt flow rate (ASTM D 1238, 230 ° C., 2.16 load) was 25 g / 10, the ethylene content was 1.0 wt%, and the molecular weight distribution (Mw / Mn) determined by gel permeation chromatography (GPC) was 2. 0.
(3)Blend resin (A3):
A blend resin of 85% by weight of (A2-1) and 15% by weight of (A1-1). (4)Propylene homopolymer polymerized in the presence of a metallocene catalyst (A4):
Melt flow rate (ASTM D 1238, 230 ° C, 2.16 load) is 8 g / 10 min.13The proportion of position irregular units based on 2,1-insertion or 1,3-insertion of propylene monomer in all propylene constituent units determined from the C-NMR spectrum is not detected, and the mesopentad fraction mmmm is 0.967. The molecular weight distribution (Mw / Mn) determined by gel permeation chromatography (GPC) was 2.0, and 2,1-insertion and 1,3-insertion were not detected.
(5)Propylene homopolymer (A5):
Propylene homopolymer obtained with a magnesium chloride-supported titanium catalyst as a Ziegler-Natta catalyst: melting point (Tm) is 158 ° C., melt flow rate (ASTM D 1238, 230 ° C., 2.16 kg load) is 25 g / 10 Minutes, Mw / Mn of 5.2, 2,1-insertion and 1,3-insertion were not detected.
(6)Ethylene-propylene random copolymer (A6):
Ethylene-propylene random copolymer obtained by magnesium chloride-supported titanium catalyst as Ziegler-Natta catalyst: ethylene content is 1.0 wt%, melt flow rate (ASTM D 1238, 230 ° C, 2.16 kg load) Is 25 g / 10 min and Mw / Mn is 5.2.
(7)Ethylene-propylene random copolymer (A7) polymerized in the presence of a metallocene catalyst:
The melt flow rate (ASTM D 1238, 230 ° C, 2.16 load) is 25 g / 10, the ethylene content is 4.0 wt%, and the molecular weight distribution (Mw / Mn) determined by gel permeation chromatography (GPC) is 2. 0.0.
(8)Nucleator (B-1):
Hydroxyaluminum-bis [2,2-methylene-bis (4,6-di-t-butylphenyl) phosphate represented by the above formula (4)]
(9)Phosphorous antioxidant (D-1):
Tris (2,4-di-t-butylphenyl) phosphite
(10)Amine-based antioxidant (E-1):
Dimethyl succinate 1- (2-hydroxyethyl) -4-hydroxy-2,2,6,6-tetramethylpiperidine polycondensate
(11)Hydrotalcite (C-1):
MgFourAl2(OH)12COThree・ 3H2Use the one represented by 0.
[0055]
In Examples and the like, physical properties were measured by the following methods.
(1) Haze was measured by injection molding a square plate having a length of 12 cm, a width of 11 cm, and a thickness of 2 mm in accordance with ASTM D1003.
(2) Bending elastic modulus A bending test was performed in accordance with ASTM D790, and the bending elastic modulus was calculated from the result.
(3) Melt flow rate (MFR)
MFR was measured at 230 ° C. and a load of 2.16 kg in accordance with ASTM D-1238.
(4) Heat deformation temperature: It was performed according to ASTM D-648. The unit is ° C.
(5) n-decane soluble amount: 5 g of the obtained pellet was treated with 200 ml of n-decane at 145 ° C. for 2 hours and then returned to room temperature, and the weight% dissolved in n-decane was determined.
(6) Long run moldability: A 10 ml syringe mold was long run molded for one day, and the presence or absence of scratches on the inner surface of the syringe was evaluated in three stages.
(7) The syringe was steam sterilized at 121 ° C. for 1 hour, and the decrease in transparency was measured by the transmittance (%) before and after the test.
(8) In injection molding, a 200-mm syringe barrel having a thickness of 2 mm was molded, and the presence or absence of bubbles was visually confirmed.
[0056]
[referenceExample 1)
100 parts by weight of a propylene homopolymer (A1-1) is fed into a Henschel mixer, and further, 1 part by weight of the nucleating agent (B-1), 0 parts by weight of the phosphorus antioxidant (D-1). 05 parts by weight, 0.05 parts by weight of an amine-based antioxidant (E-1) and 0.03 parts by weight of hydrotalcite (C-1) were added and stirred and mixed.
[0057]
Next, the obtained mixture was melt-kneaded at a resin temperature of 220 ° C. using a single screw extruder (100 mmφ), and the kneaded product was extruded to obtain polypropylene resin composition pellets. Next, using the pellets, a sheet-shaped test piece having a thickness of 1 mm at 200 ° C. and a mold temperature of 40 ° C. by injection molding, a test piece for bending strength test (ASTMD 790, thickness 3.2 mm, length 127 mm, width 12) , 7 mm), and test pieces (ASTM D256, thickness 3.2 mm, length 63.5 mm, width 12.7 mm) for Izod impact test. Using these test pieces, haze, flexural modulus, and Izod impact strength were measured. Further, the tensile yield stress and elongation at break were measured according to the above methods. These results are shown in Table 1.
[0058]
[referenceExample 2)
referenceIn Example 1, instead of the propylene homopolymer (A1-1) polymerized under the metallocene catalyst, an ethylene / propylene random copolymer (A2-1) polymerized under the metallocene catalyst was used.referencePerformed as in Example 1. The physical property measurement results are shown in Table 1.
[0059]
Example 3
referenceIn Example 1, instead of the propylene homopolymer (A1-1) polymerized under a metallocene catalyst, the blend resin (A3) was used,referencePerformed as in Example 1. The physical property measurement results are shown in Table 1.
[0060]
[Comparative Example 1]
referenceIn Example 1, except that the propylene homopolymer (A4) polymerized under the Ziegler-Natta catalyst was used instead of the propylene homopolymer (A1-1) polymerized under the metallocene catalyst,referencePerformed as in Example 1. The physical property measurement results are also shown in Table 1.
[0061]
[Comparative Example 2]
referenceIn Example 1, except that the propylene homopolymer (A5) polymerized under the Ziegler-Natta catalyst was used instead of the propylene homopolymer (A1-1) polymerized under the metallocene catalyst,referencePerformed as in Example 1. The physical property measurement results are also shown in Table 1.
[0062]
[Comparative Example 3]
referenceIn Example 1, instead of the propylene homopolymer (A1-1) polymerized under the metallocene catalyst, an ethylene / propylene random copolymer (A6) polymerized under the Ziegler-Natta catalyst was used.referencePerformed as in Example 1. The physical property measurement results are also shown in Table 1.
[0063]
[Comparative Example 4]
referenceIn Example 1, instead of the propylene homopolymer (A1-1) polymerized under the metallocene catalyst, an ethylene / propylene random copolymer (A7) polymerized under the Ziegler-Natta catalyst was used.referencePerformed as in Example 1. The physical property measurement results are also shown in Table 1.
[0064]
[Table 1]
[0065]
From the physical property measurement results shown in Table 1, the molded product obtained from the polypropylene resin composition according to the present invention has high rigidity, high heat resistance, transparency, and low extractability (normal decane extract amount). It is excellent in long-run moldability, bubble suppression, and suppression of decrease in permeability after steam sterilization, and exhibits physical properties not found in conventional polypropylene resin compositions, which are very useful.
[0066]
Thus, since the polypropylene resin composition according to the present invention contains the specific polypropylene (A) and the nucleating agent (B), it has high rigidity, high heat resistance, transparency, and low. It has excellent extractability (normal decane extract amount), long-run moldability, and excellent suppression of decrease in permeability after steam sterilization, and is suitable for various medical instruments, particularly prefilled syringes subjected to steam sterilization.
Claims (9)
メタロセン触媒の存在下に、プロピレンとエチレンをランダム共重合させて得られたポリプロピレン(A2)100重量部に対して、造核剤(B)0.05〜0.5重量部を含有してなるポリプロピレン樹脂組成物であって、該ポリプロピレン(A2)の、(i)メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16kg荷重)が10〜40g/10分の範囲にあり、(ii)エチレン含有量が2.0wt%以下であり、(iii)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求めた分子量分布(Mw/Mn)が1〜3であり、(iv)23℃におけるノルマルデカン可溶分量が0.5重量%以下であるポリプロピレン樹脂組成物(II)70〜99.9重量部と
を含有してなることを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物(III)。 A polypropylene resin composition containing 0.05 to 0.5 parts by weight of a nucleating agent (B) with respect to 100 parts by weight of polypropylene (A1) obtained by homopolymerizing propylene in the presence of a metallocene catalyst. The polypropylene (A1) has (i) a melt flow rate (ASTM D 1238, 230 ° C., 2.16 kg load) in the range of 10 to 40 g / 10 min, and (ii) 13 C-NMR. The proportion of position irregular units based on 2,1-insertion or 1,3-insertion of propylene monomer in all propylene constituent units determined from the spectrum is 0.2% or less and the mesopentad fraction mmmm is 0.960. (Iii) The molecular weight distribution (Mw / Mn) determined by gel permeation chromatography (GPC) is 1 to 3, ) And normal decane-soluble content at 23 ° C. of 0.5 wt% or less der Lupo polypropylene resin composition (I) 0.1 to 30 parts by weight,
In the presence of a metallocene catalyst, 0.05 to 0.5 parts by weight of the nucleating agent (B) is contained with respect to 100 parts by weight of polypropylene (A2) obtained by random copolymerization of propylene and ethylene. A polypropylene resin composition comprising: (i) a melt flow rate (ASTM) of the polypropylene (A2) D 1238, 230 ° C., 2.16 kg load) is in the range of 10-40 g / 10 min, (ii) ethylene content is 2.0 wt% or less, (iii) by gel permeation chromatography (GPC) The obtained molecular weight distribution (Mw / Mn) is 1 to 3, and (iv) 70 to 99.9 parts by weight of a polypropylene resin composition (II) having a normal decane soluble content at 23 ° C. of 0.5% by weight or less. When
Polypropylene resin composition (III) characterized by containing.
)。The polypropylene resin composition according to claim 2, wherein the organophosphate compound (B1) or (B2) is a compound represented by the following formula (3):
).
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