JP4235733B2 - 低偏光モード分散の光ファイバを製造する方法 - Google Patents

低偏光モード分散の光ファイバを製造する方法 Download PDF

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Description

本発明は、低偏光モード分散光ファイバを製造する方法に関する。
均一な直径の完全に円筒状のコアを有するファイバの場合、シングルモード光ファイバを通じて伝送された光信号は、等速度にて伝搬する2つの直交偏光モードを備えている。しかし、実際の光ファイバにおいて、形状の不良又は不均一な応力のためコアの円筒状の対称性が損なわれる可能性がある。その結果、2つのモードの間に位相差が蓄積する可能性があり、ファイバは、「複屈折」を示すといわれている。特に、形状及び内部応力の非対称性により導入される複屈折は、「固有の線状複屈折」として知られている。
複屈折を生じさせる光ファイバの構造的及び幾何学的不規則性は、典型的に、プリフォーム自体から生じ、且つファイバを引き抜く過程の間、変化する。この引抜き過程は、通常、ガラスプリフォームから開始して、「引抜きタワー」として知られた装置によって行われる。実際には、プリフォームが垂直位置に配置され、且つ適宜な加熱炉内にて軟化点以上の温度まで加熱された後、溶融材料は、光ファイバ自体を形成する糸状要素を形成し得るような仕方にて制御された速度で下方に引き抜かれる。この過程中、ファイバ内に非対称の応力が典型的に導入される。
複屈折ファイバにおいて、最初に互いに同一位相にある基本モードの2つの構成要素は、一般に、「ビート長さ(beat length)」として知られた特定の長さの後にのみ、再度、同一位相となる。換言すれば、ビート長さは、特定の偏光状態が反復する期間である(ファイバがこの長さに亙って一定の複屈折を維持するものと仮定して)。
いわゆる「偏光保持ファイバ」において、複屈折を生じさせるため意図的に非対称がファイバ内に導入される。しかし、通常の(すなわち、非偏光保持型)ファイバにおいて、複屈折は有害である。実際上、パルス式信号が光ファイバ内に伝達されたとき、パルスにより励起された2つの偏光構成要素は、異なる群速度にて移動する(すなわち、分散される)から、複屈折は、パルスが拡がる潜在的な原因である。偏光モード分散(PMD)として知られたこの現象は、定期的増幅型光誘導システムにおけるその重要性のため、近年、広く研究されている。
典型的に、PMDのこの現象の結果、信号伝送帯域の幅が制限され、その結果、上述した信号が伝送されるときに通る光ファイバの性能が劣化することになる。このため、この現象は、光ファイバに沿った信号伝送システムにて、特に、あらゆる形態の信号の減衰又は分散を最小にし、伝送及び受信における高性能を保証することが必要である、長距離に亙って作動するシステムにて望ましくない。
光ファイバ内での偏光モード分散を減少させるため、引抜き過程の間、ファイバをスピンさせ、ファイバがその長手方向軸線の周りにて捩れ、それに伴い、加熱炉内にてファイバ材料の粘性領域が捩れ変形するようにすることが提案されている。この変形は、ファイバが冷却によってその粘性状況を失うのに伴い、ファイバ内に恒久的に導入(frozen into)される。
スピニングのため、ファイバの偏光軸線の回転がファイバに加えられる(また、恒久的に導入される)。その結果、光パルスが光ファイバ内に伝送されたとき、これらの光信号は、交互に、遅速及び急速複屈折軸線にて伝搬し、これにより、相対的遅延を補償し、且つパルスの拡がりを減少させる。このことは、パルスに対する局部的な有効屈折率をファイバに沿ったパルス長さに亙って求められる
2つの軸線における平均屈折率と等しくすることと等価的である。
本明細書及び特許請求の範囲において、
「付与されたスピン」又は「付与された捩れ」とは、ファイバがその長手方向軸線の周りにて回転するように、引抜き過程中、スピニング装置によりファイバに加えられた捩れを意味する。
「実際に付与されたスピン」又は「実際に付与された捩れ」とは、例えば、ファイバとスピニング装置との間の境界面における滑りのような、可能な機械的効果に拘らず、引抜き過程中、ファイバに有効に付与された捩れを意味する。
「粘性領域」とは、加熱炉内にて、粘性状況となるのに十分に高い温度を有する光ファイバのガラス材料の長手方向部分を意味する。
「粘性領域の長さ」とは、その最高熱箇所とその出口箇所との間にある加熱炉の部分の長さに実質的に相応する、粘性状況にある上記長手方向部分の長さを意味する。例えば、上側マッフルと、高温領域を画成するコアマッフルと、下側マッフルとを備える加熱炉において、粘性領域の長さは、高温領域の中央部分と下側マッフルの下端との間にある加熱炉の部分の長さとほぼ等しくすることができる。
「恒久的に導入したスピン(frozen−in spin)」又は「恒久的に導入した捩れ(frozen−in torsion)」とは、加熱炉内のファイバ材料の粘性領域に加わる捩れ変形の結果、スピニング過程中、冷却したとき、ファイバに恒久的に刻印される捩れを意味する。
「付与された最大スピン」又は「付与された最大捩れ」とは、付与された捩れの最大値を意味する。
「恒久的に導入した最大スピン」又は「恒久的に導入した最大捩れ」とは、恒久的に導入した捩れの最大値を意味する。
「捩れ戻り」とは、それ以前の捩れ方向と反対方向を有する捩れを意味する。
「少なくとも50%の捩れ戻り」とは、それ以前の捩れにより付与された変位角度の少なくとも2分の1に等しい変位角度を付与し得るようにされた捩れ戻りを意味する。
「回復」とは、比(T付与−Tfr)/T付与、を意味し、ここで、T付与は実際に付与された最大捩れであり、Tfrは最大の恒久的に導入された捩れである。
「実質的に正弦波状スピン」とは、米国特許明細書6,240,748号に開示されたように、その振動成分(基本的成分)の1つに対する係数の大きさがその他の全ての振動成分に対する係数及び任意の一定の成分に対する大きさに優越するスピン関数を意味する。量的な表現にて、基本的成分に対する係数の大きさが二次的成分の各々に対する係数及び一定の成分の係数の大きさの少なくとも約3倍であるとき、優越が生ずる。上記係数の大きさは、当該技術にて周知の従来の技術を使用してスピン関数の複雑なフーリエ複素解析(complex Fourier analysis)を行うことにより決定することができる。
米国特許明細書5,298,047号には、ファイバを引き抜く間、恒久的に導入されたスピン(すなわち、恒久的に導入された捩れ変形)がファイバに刻印されるように捩れがファイバに付与されるならば、PMDを実質的に減少させることが可能であることが開示されている。ファイバに刻印されたスピンが交互に時計方向に及び反時計方向のら旋性を有するように捩れが付与される。この特許明細書には、4スピン/m以下のスピンが刻印されたファイバはPMDの点にて商業的に顕著な減少を示すことがないと記述されている。このように、この特許明細書は、ファイバに刻印されたスピンは少なくともその一部分が4スピン/m以上、好ましくは、10又は更に20スピン/m以上となるようにファイバに捩れを付与すべきことを教示している。
米国特許明細書6,240,748号には、上述した米国特許明細書5,298,047号により開示されたように、従来の正弦波状スピン関数はファイバのビート長さが僅かな値である場合にのみ、PMDを減少させることができると記述されている。例えば、米国特許明細書6,240,748号には、3回/mのスピン振幅及び2m−1の空間的周波数fを有する従来の正弦波状スピン関数は、約4分の1mのビート長さにて低PMDの減少因子を有する一方、より長いビート長さの場合、このPMDの減少効果を維持することはないことが示されている。このため、米国特許明細書6,240,748号は、商業的なファイバに対し低PMDレベルを実現するため十分な調和コンテントを有するスピン関数に従って引抜き過程の間、ファイバをスピンすることにより、シングルモード光ファイバにおけるPMDを減少させることを教示しており、上記商業的ファイバの場合、ファイバの異なる部分のビート長さを含む、ファイバのビート長さは変更可能であり、このため、事前に容易に知ることはできない。多岐に亙るビート長さに対し低PMDレベルを実現することのできる適宜なスピン関数の例は、周波数変調し且つ、振幅変調した正弦波である。しかし、当該出願人は、この後者の特許明細書により開示されたスピン関数は複雑で且つ高価なスピン装置を使用することを必要とすることを認識している。
しかし、米国特許明細書6,240,748号には、ファイバを製造するときに採用されるスピン関数及び完成したファイバ中に存在する形成された(恒久的に導入した)スピン関数は全体として同一ではなく、それは、例えば、ファイバとスピン関数をファイバに付与するために使用した装置との境界面における滑りのような機械的作用のためであると記述されている。しかし、該特許明細書は、スピニング装置により付与されたスピン関数とファイバ中に形成されるスピン関数との間の相応性は全体として、本明細書に開示された本発明の有利な効果を実現するのに十分、良好であると述べている。
これと相違して、当該出願人は、上記機械的効果が存在しない場合でさえ、付与されたスピン関数と「恒久的に導入した」スピン関数との間に実質的な差が存在する低PMDファイバを製造する新たな技術を開発した。この技術に従い、ファイバ材料が加熱炉を通る間、捩れ及び少なくとも50%の捩れ戻りがファイバ材料の粘性領域に付与される。
当該出願人は、捩れ及び少なくとも50%の捩れ戻りの双方がファイバ材料の粘性領域に付与されたとき、恒久的に導入したスピン関数振幅が実際に付与されたスピン関数振幅よりも遥かに小さい場合でさえ、顕著なPMDの減少が実現されることを知った。より具体的には、上述した米国特許明細書5,298,047号の教示と相違して、当該出願人は、これらの状態において、恒久的に導入した最大のスピンが4回転/m以下であるときでさえ、PMDの顕著な減少が実現されることを知った。実際に、当該出願人は、実際に付与された最大のスピンは4回転/m以上であれば十分であることを知った。
何らかの理論に拘束されることを意図することなく、当該出願人は、捩れ及び少なくとも50%の捩れ戻りの組み合わせが付与されたとき、恒久的に導入したスピンが付与されたスピンよりも遥かに少ないにもかかわらず、ファイバ材料の各部分により加熱炉内で加えられる粘性捩れは光ファイバの幾何学的非対称性に顕著に影響し、このため、その局部的複屈折の強さ、(すなわち、局部的なビート長さ)に影響を与えるため、PMDの顕著な減少が実現されると考える。当該出願人は、粘性捩れは光ファイバに沿った複屈折の強さを拡げ、このため、スピンした光ファイバの異なる部分のビート長さの値が相違するようにすることを考える。スピンなしの光ファイバに対するスピンした光ファイバに沿ったかかるビート長さの相違は、2つの直交偏光モード間の混合を著しく増大させ(簡単な正弦波状スピン関数の場合でさえ)、PMDを減少させる。このように、当該出願人は、粘性捩れはファイバに沿ったビート長さに影響を与え、このため、簡単な正弦波状のスピン関数の場合でさえ、ビート長さが極めて長いファイバ(スピンなし)にてもPMDの減少が実現されると考える。
従って、当該出願人は、捩れ及び少なくとも50%の捩れ戻りがその粘性状況にあるファイバに付与されたとき、主として粘性捩れの上述した効果のため、及び部分的に、恒久的に導入したスピンの効果のため、PMDは減少する。
第一の面において、本発明は、
a)ガラス材料で出来た光ファイバのプリフォームを提供するステップと、
b)光ファイバプリフォームの一端部分のガラス材料を加熱するステップと、
c)光ファイバを形成し得るよう加熱されたガラス材料を引抜き速度Vにて引き抜き、引き抜いたガラス材料は粘性領域を有するようにするステップと、
d)光ファイバに対し、粘性領域に伝達される実質的に正弦波状のスピンを付与するステップとを備える、低偏光モード分散光ファイバを製造する方法において、
スピン関数周波数ν、粘性領域の長さL及び引抜き速度Vは、捩れ及び少なくとも50%の捩れ戻りが粘性領域に付与されるようなものであることを特徴とする、方法に関する。
本発明の目的のため、「捩れ及び少なくとも50%の捩れ戻りが粘性領域に付与された」という状態は、1回の捩れ及び少なくとも50%の1回の捩れ戻りが粘性領域に付与された状態、及び最後の捩れ戻りが少なくとも50%であることを条件として、より多数回の捩れ及び捩れ戻りが粘性領域に付与される状態の双方を含む。
更に、上記状態は、少なくとも0.5の回復Rが実現され得るようにスピン関数周波数ν、粘性領域の長さL及び引抜き速度Vを選ぶ状態に相応する。
従属請求項は、本発明の特定の実施の形態に関する。
好ましくは、スピン関数周波数ν、粘性領域の長さL及び引抜き速度Vは、捩れ及び少なくとも60%の捩れ戻りの双方が粘性領域に付与されるようなものである。この状態は、スピン関数周波数ν、粘性領域の長さL及び引抜き速度Vが少なくとも0.6の回復Rを実現し得るようなものである状態に相応する。
当該出願人は、少なくとも50%(好ましくは、少なくとも60%)の回復の場合、PMDの減少に対する粘性捩れの効果は、恒久的に導入した捩れの効果を覆すと考える。更に、当該出願人は、少なくとも50%(好ましくは、少なくとも60%)の回復は、恒久的に導入したスピンが付与されたスピンよりも遥かに少ない場合でさえ、PMDを著しく減少させることを許容すると考える。
望ましくは、スピン関数周波数ν、粘性領域の長さL及び引抜き速度Vは、1.2*L≦V/ν≦6.7*Lとなるようなものである。当該出願人は、このことは、少なくとも50%の回復を実現することを許容することを知った。好ましくは、1.7*L≦V/ν≦3.3*Lとする。当該出願人は、このことは、少なくとも60%の回復を実現することを許容することを知った。
望ましくは、スピン関数周波数ν、スピン関数振幅θ、及び引抜き速度Vは、付与された最大捩れが少なくとも4回転/mであるようなものとする。望ましくは、スピン関数周波数ν、スピン関数振幅θ、及び引き抜き速度Vは、恒久的に導入した最大捩れが4回転/m以下であるようなものとする。
望ましくは、スピン関数振幅θ(回転数にて)は、(2V)/(νπ)≦θ≦(2V)/[νπ(1−R)]となるようにし、ここで、Rは回復、Vは引抜き速度(m/秒にて)、及びνはスピン関数周波数(ヘルツにて)であるものとする。このことは、付与された最大捩れを少なくとも4回転/mとし、また、恒久的に導入した最大捩れを4回転/m以下にする。
次に、本発明の特徴及び有利な点について、添付図面に非限定的な例として示した実施の形態に関して説明する。
図1を参照すると、引抜きタワー1は、垂直の引抜き軸線2内にて実質的に整合された(このため、「タワー」という語が使用される)複数の装置を備えている。
詳細には、タワー1は、プリフォーム3の下端部分(プリフォームのネックダウン部としても知られる)の制御された溶融を行う加熱炉6と、プリフォーム3を支持し且つ、該プリフォームを上方から加熱炉6内に供給する供給装置7と、ファイバ4をプリフォーム3から引き出す牽引装置8(タワーの下端にある)と、ファイバ4をリール(図示せず)に格納する巻き取り装置9とを備えている。
典型的に、ガラスプリフォーム3のファイバ材料は、SiO及びGeO2を備えている。
加熱炉6は、プリフォームを制御された状態にて溶融させる設計とされた任意の従来型式のものとすることができる。加熱炉6は、例えば、(以下により良く説明するように)、上側マッフルと、加熱コイルが設けられ且つ、加熱炉6の高温領域を画成するコアマッフルと、下側マッフルとを備えることができる。
好ましくは、例えば、冷却気体の流れが通る設計とされた冷却キャビティを有する型式の冷却装置を加熱炉6の下方に配置して、該加熱炉から出るファイバ4を冷却するようにする。該冷却装置12は、軸線2に対し同軸状に配置されており、このため、加熱炉6から去るファイバ4は、該冷却装置を通ることができる。
タワー1には、また、張力監視装置13(例えば、米国特許明細第5,316,562号に記載された型式のもの)と、また、ファイバ4の張力及び直径をそれぞれ測定するため、加熱炉6と冷却装置12との間に配置されることが好ましい既知の型式の直径検出器14とを設けることもできる。
好ましくは、引抜きタワー1は、垂直の引抜き方向に向けて冷却装置12の下方に配置され且つ、ファイバ4が通るとき、該ファイバ上に第一保護被覆及び第二の保護被覆をそれぞれ堆積する設計とされた公知の型式の、第一及び第二の被覆装置15、16を更に備えている。被覆装置15、16の各々は、特に、ファイバ4上に所定の量の樹脂を施す設計とされたそれぞれの施工装置15a、16aと、樹脂を硬化させ、これにより安定的な被覆を提供する紫外線ランプオーブンのような、それぞれの硬化装置15b、16bとを備えている。
牽引装置8は、単一プーリー又は二重プーリー型とすることができる。図示した実施の形態において、牽引装置8は、既に被覆されたファイバ4を垂直の引抜き方向に向けて引き抜く設計とされた単一モータ駆動プーリー(又は「キャプスタン」)18を備えている。牽引装置8には、その作動中、プーリー18の角速度を表示する信号を発生させる設計とされた角速度センサ19を設けることができる。例えば、検出器14により検出された直径の変化に応答してプーリー18の回転速度及び、このため、ファイバ4の引抜き速度Vを、過程中、変化させることができる。
ファイバ4を牽引装置8から巻き取り装置9まで案内するため1つ又はより多くのプーリー31(又は、その他の型式の案内部材)が設けられることが都合良い。
更に、巻き取る間のファイバの張力を調節するため、「ダンサー」のような張力制御装置(図示せず)を設けることができる。
巻き取り装置9は、既知の型式のものである。
引抜きタワー1は、外部から制御すべきタワー1に沿って存在する装置、センサ及び検出器の全てと電気的に接続された制御装置(図示せず)を更に備えることができる。
最後に、引抜きタワー1は、引き抜く間、その長手方向軸線の周りにてファイバ4にスピンを付与し得るよう、被覆装置15、16と、牽引装置8との間に配置されたスピニング装置20を更に備えている。
本発明の方法に従い、スピニング装置20は、ファイバに対し実質的に正弦波状のスピンを付与し得るようにされている。本発明の方法にて使用できるスピニング装置の一例は、米国特許明細書6 324 872号に記載されている。
これと代替的に、スピニング装置は、米国特許明細書6 189 343号に記載されているように、被覆装置15、16の1つ(好ましくは、第一の被覆装置15)と一体化してもよい。
引抜きタワー1は、次のように作用する。
支持装置7は、プリフォーム3を加熱炉6に供給し、該加熱炉にて、プリフォームの下側部分(ネックダウン部)が溶融する。ネックダウン部から引き抜かれたファイバ4は、牽引装置8から下方に引き出され、且つ巻き取り装置9によってリールに巻かれる。
ファイバ4が引き抜かれるとき、センサ13、14は、その張力及び直径を監視する。かかる監視は、例えば、引抜き速度に作用することにより引抜き過程を制御するため利用することができる。加熱炉6から出るとき、ファイバ4は、冷却装置12により冷却され且つ、被覆装置15、16により2つの保護層が被覆される。
引き抜く間、スピニング装置20は、ファイバに対し実質的に正弦波状のスピンを付与する。この実質的に正弦波状のスピンは、以下のスピン関数により説明することができる。
θ=θCos(2πνt) (1)
ここで、νは、ヘルツにて測定したスピン関数周波数、tは、秒にて測定した時間、θは、一定の基準点に対して測定した光ファイバの回転角度を表わす回転数として測定したスピン関数振幅である。
スピニング装置20における角速度は、等式(1)の時間導関数、すなわちdθ/dtにより表される。このため、スピニング装置20におけるファイバの最大角速度は、次式となる。
Ω=2πνθ (2)
付与された最大スピンTは、回転数/mにて測定され且つ、最大角速度と引抜き速度Vとの間の比により表される。
T=Ω/V=2πνθ/V (3)
本発明に従い、スピン関数周波数ν、ファイバの粘性長さL及び引抜き速度Vは、光ファイバ部分の各々が、加熱炉6内にて粘性状況にある間、最初に、捩れを、次に、少なくとも50%の捩れ戻りが加えられる。
更に、スピン関数周波数ν、スピン関数振幅θ及び引抜き速度Vは、付与された最大捩れ(等式(3)参照)が少なくとも4回転/mであるようなものであることが好ましい。更に、スピン関数周波数ν、スピン関数振幅θ及び引抜き速度Vは、恒久的に導入した最大捩れが4回転/m以下であるようなものであることが都合良い。すなわち、次の関係が成立することが都合良い、(2V)/(νπ)≦θ≦(2V)/[νπ(1−R)]、ここでRは回復である(本明細書にて上記に規定)。
典型的に、引抜き速度Vは少なくとも5m/秒である。典型的に、引抜き速度Vは20m/秒以下である。典型的に、引抜き張力は少なくとも40グラムである。典型的に、引抜き張力は400グラム以下である。典型的に、粘性領域の長さLは少なくとも0.3mである。典型的に、粘性領域の長さLは2m以下である。典型的に、周波数νは少なくとも1である。典型的に、周波数数νは10ヘルツ以下である。典型的に、スピン関数振幅θは少なくとも2回転である。典型的に、スピン関数振幅θは10回転以下である。
スピンしたとき、ファイバ4は、相応する捩れを上流及び下流に伝達する。上流にて、捩れはプリフォームのネックダウン部に伝達され、このため、加熱炉6内にて粘性状態にあるファイバガラス材料には粘性捩れ変形が生ずる。上述したように、本発明の方法に従い、ファイバガラス材料の各部分には、加熱炉6内にて粘性状態にある間、捩れと、少なくとも50%の捩れ戻りとの双方が加わる。捩れ及び少なくとも50%の捩れ戻りに起因する捩れ変形は、次に、ファイバが冷却するとき、光ファイバ4の相応する各部分内に恒久的に導入される。他方、下流にて、捩れは巻き付けたファイバ4に弾性的に伝達される。しかし、ファイバに対して時計回り方向及び反時計回り方向捩れを交互に付与する実質的に正弦波状のスピン関数のため、巻き付けたファイバ4には、捩れ弾性歪みは実質的に存在しない。
当該出願人は、引抜きタワー1内にて粘性状態にある間、捩れ及び少なくとも50%の捩れ戻りの双方が光ファイバ4の各々に付与されたとき、恒久的に導入したスピンは実際に付与されたスピンよりも遥かに少なく、また、これにもかかわらず、顕著なPMDの減少が実現されることを知った。
図2には、概略図にて、便宜のため、水平方向方位にて、加熱炉6と、参照番号3aで示したプリフォームネックダウン部から引き抜かれるときの光ファイバ4と、加熱炉6内及びファイバ4の温度プロフィール(軸線2に沿った)とが示されている。矢印は、ファイバ4の前進方向(左方向から右方向)を示す。
開示された実施の形態において、加熱炉6は、上側マッフル6aと、加熱コイル6cにより取り囲まれた中央マッフル6bと、下側マッフル6dとを備えている。温度線図は、T加熱炉で示した、加熱炉の内壁の温度プロフィールを示す。加熱コイル6cにより取り囲まれた中央マッフル6bの領域は、その長さをwで示した、加熱炉6の高温領域を画成する。高温領域内にて、温度T加熱炉は、ピーク値を有し、ネックダウン部3aの材料は溶融し、これにより、該材料を引き抜くことを許容する。
ファイバ4は、加熱炉6内にて形成されるとき、粘性領域4a(灰色で図示)、すなわち極めて高温度であり、このため、ガラス材料が粘性状況にある長手方向部分を有している。特に、粘性領域4aにおいて、Tファイバで示したファイバ4の温度は、粘性閾値温度T粘性(温度線図に水平線で図示)よりも高温である。ファイバ4の温度プロフィールは、加熱炉6の高温領域内にピーク値を有し、下側マッフル6d内で次第に低下することを理解することができる。ファイバ4の粘性領域4aは、溶融する材料が変形せずに、典型的なスピニング力に抵抗するのに不十分な直径(明確化のため図2に図示しないこの直径は、最終ファイバの直径の約2倍である)を有する、ネックダウン部3aの下端における箇所から温度Tファイバが粘性閾値温度T粘性より低くなる箇所まで実質的に伸びている。この最後の箇所を越えると、ファイバ4の温度は、粘性閾値温度T粘性以下となり、ファイバ4の粘度は、極めて高くなり、粘性捩れは最早、許容されない。
当該出願人は、図2に符号Lで示した粘性領域4aの長さは、典型的に、加熱炉6の高温領域の中心と、この場合、下側マッフル6dの下端に相応する加熱炉6の出口箇所との間の距離よりも僅かに短いことを確認した。簡略化のため、粘性領域長さLは、該距離と十分に近似した値にすることができる。
従来の二酸化ケイ素ガラスファイバ材料の場合、加熱炉6の高温帯域内の温度T加熱炉は、典型的に、少なくとも約1800℃である。典型的に、上記温度T加熱炉は、2200℃以下である。更に、粘性閾値温度T粘性は、典型的に、少なくとも1600℃である。
実施例
第一の実験において、当該出願人は、図1に示したものと同様の引抜きタワーを使用することにより、ガラスプリフォームを引き抜いた。
ゲルマニウムを添加したコア部分を有する二酸化ケイ素プリフォームを使用した。
ネックダウンプリフォームを加熱するため使用した温度は1800℃であり、引抜き張力は約300gr、スピン関数振幅θは約5回転、引抜き速度Vは2m/秒とし、スピン関数周波数νは0.25ないし1.75ヘルツの範囲内の色々な値に設定した。ファイバの粘性領域の長さLは、加熱炉6の高温領域の中心と下側マッフル6dの下端との間の距離と近似させ、この場合、1mとした。
プリフォームには、ガラスの角回転のための視覚的基準点を有し且つ、引き抜いたファイバ内に恒久的に導入したスピンを顕微鏡にて容易に検出することを許容し得るよう長手方向溝を刻印した。
恒久的に導入した最大捩れ対スピン周波数νに対して実現された実験結果は、黒四角として図3に示されている一方、付与された最大の捩れ対スピン周波数ν(等式3により与えられる)は、図3に連続的な直線として示されている。
同一の実験において、国際出願明細書0133184号(又は第49回IWCS会議録(2000)におけるFコッチーニ(F.Cocchini)その他の者による「低PMD光ファイバに対するオンラインファイバスピニングの監視(On−line fiber spinning monitoring for low PMD optical fibers)の教示に従って、直径検出器14の信号を適宜に処理し、その信号のパワースペクトル及び付与された捩れを表わす値の双方を得た。パワースペクトルは、スピニングの間、安定的であることが判明し、実際にファイバに付与された捩れは付与された捩れと一致することが判明した。このように、光ファイバとスピニング装置との境界面には、例えば、滑りのような機械的作用は何ら存在しないと演繹した。このため、付与された捩れは、ファイバに完全に伝達された(すなわち、付与された捩れは、実際に付与された捩れと実質的に等しかった)。
上記の機械的作用が存在しないにも拘らず、付与された捩れと恒久的に導入した捩れとの間の顕著な差は図3から明白である。より具体的に、付与された捩れと恒久的に導入した捩れとの間の差は、低周波数νの値のとき、極めて小さい一方、周波数νの値が増大するに伴い増大し、約1ヘルツのとき最大の差となる。
図4には、図3の結果から補間された回復(本明細書にて上記に定義したように)対比V/(νL)が示されている。
図4から明らかであるように、回復は、約1.2≦V/(νL)≦6.7の場合、50%に等しく又はより高い。更に、回復は、1.7≦V/(νL)≦3.3の場合、60%に等しく又はより高い。
ν、V及びLの間のかかる関係が適合するとき、前進するファイバは(加熱炉6に沿って粘性状態にある間)は、捩れ及び少なくとも50%(又は60%)の捩れ戻りを経験し、これにより付与された捩れは、捩れ戻りにより部分的に除去され、形成される恒久的に導入したスピンは、付与されたスピンよりも遥かに小さくなる。
第二の実験において、当該出願人は、図1に示したものと同様の引抜きタワー使用してガラスプリフォームを引き抜いた。過程パラメータは、第一の実験のものと同一のものとした。
スピンなしにて(比較例として)又は0.5、1、1.5ヘルツにてスピンした何れかにて数kmのファイバを引き抜いた。零張力にて巻いた1Kmの長さのファイバにて波長走査技術によりPMDを測定した。結果は表1に掲げてある。
状態 PMD ps/Km1/2
スピンなし 0.133
スピンなし 0.226
ν=0.5Hz−V/(νL)=4 0.050
ν=1.5Hz−V/(νL)=2 0.059
ν=1.5Hz−V/(νL)=1.33 0.054
付与された捩れと恒久的に導入した捩れとの間にて顕著な差が得られたにも拘らず、スピンなしの基準サンプルに関して、スピンした3つのサンプルの全てに対し顕著なPMDの減少が実現できた(図3、図4参照)。
第三の実験において、当該出願人は、図1に示したものと同様の引抜きタワーを使用することによりガラスプリフォームを引き抜いた。過程パラメータは、スピン関数の周期νを3ないし8ヘルツの範囲の値に設定し、引抜き速度Vは12m/秒に設定した(すなわち、比V/(νL)は1.5ないし4の範囲にした)点を除いて、第一の実験のものと同一とした。スピン関数周波数、粘性領域の長さ及び引抜き速度は、光ファイバの各長さ(加熱炉6に沿って粘性状態にある間)が捩れ及び少なくとも50%捩れ戻りの双方を経験するようにした。
比較例としてスピンなしにて又はスピンした何れかにて数kmのファイバを引き抜いた。零張力にて巻いた1Kmのファイバ長さにて波長走査技術によりPMDを測定した。
この実験において、恒久的に導入したスピンは、常に4回転/m以下となった。更に、3及び4ヘルツにてスピンしたファイバに対するPMD値は、常に0.1ps/Km2/1である一方、スピンなしのファイバに対する平均PMD値は、0.15ps/Km2/1以上であることが分かった。
このため、本発明の方法により、恒久的に導入したスピンの値が4回転/m以下の場合でさえ、PMDは顕著に減少した。
当該出願人は、付与された正弦波状スピン関数の場合、恒久的に導入したスピンを計算するため数値シミュレーションを実施した。当該出願人が使用したモデルに従い、ファイバに付与された一定のトルク、Mは次式に従い、zの関数として角速度ωを生じさせる。
Figure 0004235733
ωの感知可能な粘性の変化を見ることができるファイバの粘性領域は、一定の半径Rの円筒としてモデル化し、該円筒は一定の速度(引抜き速度V)にてzに沿って移動するものとする。円筒は、0<z<Lのとき(粘度μ及び密度ρを有する)、完全に粘性な振舞いと、z>Lの場合、弾性的(剛性)な振舞いとを有する。弾性部分が角速度Ωにて回転する間、軸方向への回転を防止するため、円筒はz=0に規制する。
角速度ω(z)の依存性を支配する等式は、zに沿ったトルクの変化率を時間に伴う動的モーメントの変化率と等しくすることにより、得られる。トルクは、等式(4)により与えられる。zに沿った全体的な動作を考慮するため、時間に伴う率の変化は、また、伝達項Vδ/δzを含む。このため、粘性部分(0<z<L)の場合、次式が得られる。
Figure 0004235733
境界条件として、z=0のとき、ω=0、z=Lのとき、ω=Ωとし、次元パラメータkを比ρVL/μと等しくし、ここで、ρはファイバ材料の密度、μは粘性領域内のファイバ材料の粘度である。粘度μは、加熱炉内で使用した加熱温度に依存する。
一定のΩ(k=∞)に相応する場合、時間導関数は消滅し、zに沿った次の角速度回転及びzに沿った角度φが与えられる。
Figure 0004235733
Figure 0004235733
恒久的に導入した捩れT(回転数/m)は、z=Lにおける角度φのz導関数である。等式7の左側におけるかかる導関数は、常に1/Lとなる。このため、一定のΩの場合、T=Ω/Vとなる。
交互的なスピンの場合、(すなわち、等式(1)から与えられたΩ(t)=2πνθ(t)及びθ(t)の場合)、例えば、ウォルフラムリサーチ(Wolfram Research)インク(イリノイ州、キャンペーン)からマスマティカ(MATHEMATICA)という商標名で販売されているソフトウェアパッケージを使用することにより、恒久的に導入した捩れTに対する分析的解法を得ることができる。
図5には、色々なkの値における周波数ν(V/Lに正規化した)の関数として恒久的に導入した最大スピンT(2πθ/Lに正規化した)に対して実現された結果が示されている。一定のスピン関数振幅θであると推定した。
図5において、粘度μが零に等しい場合に相応するk=∞の場合、恒久的に導入した最大スピンは、付与された最大スピン(上述した等式3により与えられる直線)に等しい。k≦∞の場合の線は、図2の実験結果を確証することになる。実際上、これらの線は、付与された捩れと恒久的に導入された捩れとの間の差は、νL/V値の増大に伴ない増大しつつ、小さいνL/V値に対し実質的に零であり、特定のνL/V値のとき、最大の差となることを示す。例えば、k=1の場合、νL/Vが約0.7に等しいとき、最大の差となる。k=0.1の場合、スピン空間周期V/νがLに等しいとき、すなわち、光ファイバの部分の各々が粘性状況にある間、完全な時計回り方向及び完全な反時回り方向捩れ(捩れ及び100%の捩れ戻り)を経験するとき、100%の回復が実現される。k=1の場合の線は、図2の実験結果を一層良く示す線である。
同一のモデルにより、当該出願人は、加熱炉内にて移動する少量のガラスが経験し且つ、次式により規定される0<Z<Lの場合の粘性振舞いを有する、粘性なスピンの全体量を誘導するため、数値シミュレーションを行った。
Figure 0004235733
ここでωは、角速度、tは、少量のガラスがZ=0にて粘性領域に入るときの時間であり、また、時計回り方向又は反時計回り方向であるかに関係なく、粘性な回転がファイバの幾何学的非対称性に作用するため、絶対値を使用した。粘性スピン(tの特定の値のとき、すなわち、粘性領域内を移動する時間とスピニング関数との間の位相が特定値のときに生じる)最大及び最小の全体量の値対比νL/Vは、k=2の場合について、図6に示されている。
当該出願人は、本発明のスピニング技術によってクラッディングの楕円率は減少することも確認した。このクラッディングの楕円率の変化は、ファイバの局部的複屈折に影響を与えるコアの楕円率にも生ずる変化も反映する。クラッディングの楕円の長軸線は、必ずしもコアの楕円の長軸線と一致しないため、これらの変化は、常に一致する訳ではない。
更に、当該出願人は、図6に示すように、光ファイバの部分の各々は、最大値から最小値の範囲に亙る全体的な粘性スピンを経験することを知った。このため、光ファイバの色々な部分が経験するクラッディングの楕円率の減少は相違する。
この後者の事実は、クラッディングとコアの楕円率と間の無作為的な関係が生じることと共に、光ファイバの全体に沿って複屈折の強さの拡がりを生じさせる。すなわち、光ファイバの異なる部分は、ビート長さの値が異なることになろう。当該出願人によれば、スピンなしの光ファイバに対する、スピンした光ファイバに沿ったかかるビート長さの相違は、同様に、簡単な正弦波状のスピン関数の場合でさえ、より多いビート長さを有するファイバ(スピンなし)にても2つの直交偏光モード間の混合を著しく増大させることを許容する。
当該出願人は、従来の技術により開示されたスピニング技術において、スピン関数周波数、粘性領域の長さ及び引抜き速度は、実際に付与されたスピンと恒久的に導入したスピンとの間に実質的に1対1の相応性が存在するようなものとされる。従って、従来技術の技術において、PMDの減少は、主として、恒久的に導入したスピン、すなわち、ファイバに恒久的に刻印された複屈折軸の回転に起因する。
これに相違して、本発明に従い、スピン関数周波数、粘性領域の長さ及び引抜き速度は、光ファイバ部分の各々が粘性軸に沿って捩れ及び少なくとも50%の捩れ戻りの双方を経験するようなものとされる。このようにして、付与された捩れは、付与された捩れ戻りにより部分的に除去され、形成される恒久的に導入してたスピンは、付与されたスピンよりも遥かに少なくなる。このように、本発明に従って、主として、加熱炉を通って進む間に、光ファイバ部分の各々が経験する粘性スピン効果のため、PMDの顕著な減少が実現される。実際上、上述したように、当該出願人は、粘性スピンは、ファイバコアの非対称性を減少させ且つ、複屈折の強さを光ファイバ全体に沿って拡げるものと信じる。
本発明の製造方法により製造することのできる光ファイバは、光通信システムにて使用し得るようにケーブル化することができる。このため、本発明に従った少なくとも1つの光ファイバを備える光ケーブルを製造することができる。
本発明の方法にて使用することのできる引抜きタワーを示す図である。 図1の引抜きタワーの一部である、加熱炉内にて光プリフォームから光ファイバを形成する過程を示す概略図(正確な縮尺ではない)である。 5回転の振幅及び2m/秒の引抜き速度を有する正弦波状スピン関数にて得られた、恒久的に導入した最大捩れ(黒四角)対スピン周波数νに対する、付与された最大捩れ(連続線として示す)及び実験結果を示す図である。 図3の結果対比V/(νL)に相応する回復を示す図である。 数値シミュレーションにより得られた、色々なk値(ここで、kは本明細書の後半にて定義する)における恒久的に導入したスピンT(2πθ/Lに正規化)対スピン関数周波数ν(V/Lに正規化)を示す図である。 数値シミュレーションによりえられた、k=2の場合に、加熱炉内を移動する少量のガラスが経験する色々なスピンの最大及び最小の全体量の値を示す図である。

Claims (7)

  1. a)ガラス材料で出来た光ファイバのプリフォームを提供するステップと、
    b)最高熱箇所と出口箇所とを有する加熱炉において光ファイバプリフォームの一端部分のガラス材料を加熱するステップと、
    c)光ファイバを形成し得るよう加熱されたガラス材料を引抜き速度Vにて引き抜き、前記加熱炉を通過する際に、引き抜いたガラス材料の各部分が、前記加熱炉の前記最高熱箇所と前記出口箇所との間に延びる長さLを持つ粘性領域を有するようにするステップと、
    d)光ファイバに対し、粘性領域に伝達される実質的に正弦波状のスピンを付与するステップとを備える、低偏光モード分散の光ファイバを製造する方法において、
    スピン関数周波数ν、粘性領域の長さL及び引抜き速度Vは、捩れ及び少なくとも50%の捩れ戻りの双方が、前記引き抜いたガラス材料の各部分に前記粘性領域において付与されるようなものであることを特徴とする、低偏光モード分散光ファイバを製造する方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、
    スピン関数周波数ν、粘性領域の長さL及び引抜き速度Vは、1.2*L≦V/ν≦6.7*Lとなるようなものである、方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法において、
    スピン関数周波数ν、粘性領域の長さL及び引抜き速度Vは、捩れ及び少なくとも60%の捩れ戻りの双方が前記引き抜いたガラス材料の各部分に前記粘性領域において付与されるようなものである、方法。
  4. 請求項3に記載の方法において、
    スピン関数周波数ν、粘性領域の長さL及び引抜き速度Vは、1.7*L≦V/ν≦3.3*Lとなるようなものである、方法。
  5. 請求項1ないし4の何れかに記載の方法において、
    スピン関数周波数ν、スピン関数振幅θ0、及び引抜き速度Vは、付与された最大捩れが少なくとも4回転/mとなるようなものである、方法。
  6. 請求項1ないし5の何れかに記載の方法において、
    スピン関数周波数ν、スピン関数振幅θ0、及び引き抜き速度Vは、恒久的に導入した(frozen−in)最大捩れが4回転/m以下となるようなものである、方法。
  7. 請求項5に従属する請求項6に記載の方法において、
    スピン関数振幅θ0(回転数にて)は、(2V)/(νπ)≦θ0≦(2V)/[νπ(1−R)]となるようなものであり、ここで、Vは引抜き速度(m/秒にて)、及びνはスピン関数周波数(ヘルツにて)であり、Rは、比(T付与−Tfr)/T付与、を意味し、ここで、T付与は実際に付与された最大捩れであり、Tfrは最大の恒久的に導入された捩れである、方法。
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