JP4233835B2 - 使用済み二次電池用の穿孔装置及びこれらを用いた使用済み二次電池の処理方法 - Google Patents

使用済み二次電池用の穿孔装置及びこれらを用いた使用済み二次電池の処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用済み二次電池用の穿孔装置及び使用済み二次電池の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電力貯蔵用等に用いられる大出力の二次電池として、リチウム二次電池、とりわけ50Wh超級の非水電解液系大型リチウム二次電池が、注目されてきている。一般に、リチウム二次電池は、電極(正極及び負極)を適宜巻回あるいは積層したものを電池容器内に収納し、非水電解液を注入後に密閉することによって、製造されている。
【0003】
こうしたリチウム二次電池をはじめとする二次電池においては、長期間にわたる使用、すなわち充放電が長期間にわたり繰り返されることによって、電解液の一部の分解を伴って電極表面に皮膜が形成されていくことがある。このように電解液の一部が分解されると、二酸化炭素や炭化水素等からなるガスの発生が伴うことがある。発生したガスは、電池容器内に徐々に充満していくので、長期間にわたる使用に供された電池では、電池容器の内圧が非常に高い状態となっていることとなる。
【0004】
耐用年数の経過等によって使用済みとなった二次電池の処理、つまり解体処理や分別処理等を行うにあたっては、作業上様々な制約を受けることとなる。すなわち上記のように、電池容器には高い内圧が加わっているので、解体時にはこうした内圧による悪影響を極力抑制する必要がある。また、解体時に短絡を起こしたりすると、熱暴走によって電池の破裂や発火が誘発されるおそれがあるので、短絡を起こさぬように留意して解体作業を行う必要がある。このように様々な制約下で、高い作業安定性を確保して、使用済み二次電池の処理を行わなければならない。このような処理を通常の作業条件下で行うことは困難であるとの見地から、使用済み二次電池を−50℃以下といった極低温まで冷却し、冷凍破砕を行うことが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
国際公開第00/19557号パンフレット
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載されているような処理方法では、−50℃以下といった極低温まで冷却する必要があるので、非常に大がかりな冷却装置等が必要となり、処理全体を容易且つ的確に行い得るとは言い難く、またコストも高いものとなっていた。加えて、電池容器がプラスチック製であればよいが、他の材料、例えば金属である場合等には、的確に破砕し得ないという欠点もあった。
こうしたことから、通常の作業条件下において作業安定性を確保しつつ、的確に効率よく処理を行う処理方法等が求められているが、有効なものが確立されていないのが実情であった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、使用済み二次電池の解体処理、分別処理等といった各処理を容易且つ的確に効率よく行うことができ、材料の再利用あるいは廃棄を容易に行うことができる、使用済み二次電池用の穿孔装置及び使用済み二次電池の処理方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、使用済み二次電池の電池容器に孔を開けるとともに、該孔から前記電池容器内のガス及び/又は電解液を外部へと抜き出すために用いられる穿孔装置であって、前端部側の第1開口部から後方側の側方に開口する第2開口部まで貫通する導出孔が形成されている、筒状の装置本体と、前記装置本体の前端部側の前記第1開口部周縁側に、該第1開口部を囲うようにして環状に設けられ、前記装置本体の前端部側が前記電池容器の外面に圧接された際に弾性変形する環状弾性体と、前記導出孔内に前後方向移動可能に設けられ、その先端部側には穿孔部が形成されている棒状の移動部材と、が備えられ、前記装置本体が前記電池容器の外面に圧接固定され、前記移動部材が前記装置本体に対して所定位置まで前進された際に、前記穿孔部が前記第1の開口部から突出して前記電池容器に孔を開けるとともに、該孔から抜き出された前記ガス及び/又は電解液を、前記第1開口部から前記導出孔を経て前記第2開口部へと導出させることを特徴とする。
【0009】
このような構成の穿孔装置を用いることで、内部が高圧となっている電池容器に的確に孔を開けて、この孔からガス及び/又は電解液を抜き出すとともに、抜き出したガス及び/又は電解液を穿孔装置外部へと漏出させることなく、そのほぼ全量を穿孔装置内に導入して、第2開口部へと導出させることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の穿孔装置であって、前記装置本体には、前記導出孔が、前記装置本体の側方の前記第2開口部まで貫通するように、その途中で湾曲又は屈曲して形成されるとともに、前記導出孔の途中から分岐して前記装置本体の後端部側の第3開口部まで、前記第1開口部と前記第3開口部とを結ぶ軸線が直線となるように貫通して、前記移動部材が挿通される挿通孔が形成され、前記挿通孔内周側と前記移動部材外周側とのうちの一方あるいは双方には、これら挿通孔と移動部材との隙間をシールするシール手段が設けられていることを特徴とする。
【0011】
このような構成としたことで、穿設装置の後端部側から移動部材を挿通して前後移動させることができ、穿孔装置の外部から移動部材を操作することによって、電池容器に容易に穿孔することができる。そしてこのとき、穿孔装置の挿通孔と移動部材との隙間はシール手段によってシールされているので、孔から抜き出されたガス及び/又は電解液を、この隙間から穿孔装置外部へと漏出させることなく、第2開口部へと導出させることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の穿孔装置であって、前記穿孔部は、一旦穿孔した後に該孔をより拡径することが可能な楔形状とされていることを特徴とする。
【0013】
このように、孔径を少なくとも2段階に設定することができるので、電池容器内部のガス及び/又は電解液を的確に電池容器外部へと抜き出すことができる。すなわち、密閉された二次電池内部は内圧が非常に高くなっており、最初に大径の孔を穿孔することは好ましくない。そのため、最初には小径の孔を穿孔して、内圧による影響を最小限としながらガスを抜き出していき、電池容器の内圧が低下したら、次に小径の孔を拡径して大径の孔として、電解液を抜き出し易くすることができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の穿孔装置であって、前記シール手段は、前記移動部材外周側に形成された雄ネジと、前記挿通孔内周側に形成され前記雄ネジと螺合する雌ネジとにより構成されていることを特徴とする。
【0015】
このように、雄ネジと雌ネジとを螺合させることでシール手段を構成するようにしているので、簡易な構成として、移動部材と挿通孔との隙間を的確にシールすることができる。また、ネジ構造を採用しているので、移動部材を一方に回転させるだけで的確に前進させることができ、的確且つ容易に電池容器に穿孔することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は請求項4に記載の穿孔装置を用いて、使用済み二次電池を処理する方法であって、前記穿孔装置を、固定手段を用いて前記電池容器の外面に圧接固定し、該電池容器に小径の孔を穿設して、該小径の孔から前記電池容器内のガスを抜き出し、前記小径の孔を拡径して大径の孔として、該大径の孔から前記電池容器内の電解液を抜き出し、その後、前記電池容器内から電極を取り出すことを特徴とする。
【0017】
このように、請求項3又は請求項4に記載の穿孔装置を用いて使用済み二次電池を処理するようにしているので、先ず小径の孔を穿孔して、内圧による影響を最小限としながらガスを抜き出していき、次に電池容器の内圧が低下したら、小径の孔を拡径して大径の孔として、多量の電解液をより短時間で抜き出していくことができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項3又は請求項4に記載の穿孔装置を用いて、使用済み二次電池を処理する方法であって、一対の前記穿孔装置の各々を、固定手段を用いて前記電池容器の外面の互いに離間した位置に圧接固定し、該電池容器に小径の孔を穿設して、該小径の孔から前記電池容器内のガスを抜き出し、前記小径の孔を拡径して大径の孔として、該大径の孔から前記電池容器内の電解液を抜き出すとともに、前記一対の穿孔装置のうちの一方から他方へと洗浄液を循環させて前記電池容器内部を洗浄し、その後、前記電池容器内から電極を取り出すことを特徴とする。
【0019】
このように、電解液を抜き出した後に電池容器内を洗浄するようにしているので、電池容器から電極を取り出す前に電極の洗浄を完了させておくことができ、電極を取り出した後に洗浄処理等を行う必要が無く、速やかに解体処理、分別処理等を行うことができ、材料の再利用あるいは廃棄を容易に行うことができる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項3又は請求項4に記載の穿孔装置を用いて、使用済み二次電池を処理する方法であって、一対の前記穿孔装置の各々を、固定手段を用いて前記電池容器の外面の互いに離間した位置に圧接固定し、該電池容器に小径の孔を穿設して、該小径の孔から前記電池容器内のガスを抜き出し、前記小径の孔を拡径して大径の孔として、該大径の孔から前記電池容器内の電解液を抜き出すとともに、前記一対の穿孔装置のうちの一方から他方へと洗浄液を循環させて前記電池容器内部を洗浄した後、前記一対の穿孔装置のうちの一方から他方へと乾燥用ガスをパージ又は循環させて前記電池容器内部を乾燥せしめ、その後、前記電池容器内から電極を取り出すことを特徴とする。
【0021】
このように、電解液を抜き出した後に電池容器内を洗浄し、さらに乾燥するようにしているので、電池容器から電極を取り出す前に電極の洗浄と乾燥を完了させておくことができ、電極を取り出した後に洗浄処理等を行う必要が無く、速やかに解体処理、分別処理等を行うことができ、材料の再利用あるいは廃棄を容易に行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図8を用いて説明する。
先ず、本実施形態において処理される、使用済み二次電池としてのリチウム二次電池について説明する。図2に示すこのリチウム二次電池100は、長期間の使用によって充放電が繰り返された後、使用済みとなった二次電池である。
【0023】
リチウム二次電池100は、電極端子、つまり正極端子102と負極端子103とが設けられた密閉容器としての電池容器101内に、板状電極の積層体、つまり板状の正極(電極)104と負極(電極)105とが交互に積層された積層体(図5(a)等参照)と、電解液(図示省略)とが収容された構成となっている。
【0024】
電池容器101は、例えばアルミニウムといった金属、あるいはプラスチック等からなる板状体が組み合わされた形態の、外形略直方体形状となっている密閉容器である。すなわち、図5(a)及び(b)に示すように、平面視略矩形状の底板部と、この底板の各々の周縁部から屹立する4枚の側板部と、正極端子102及び負極端子103が設けられた蓋板部とから構成されており、その内部の電極積層体及び電解液が封止されている。
【0025】
マンガン酸リチウムなどのリチウム複合酸化物を活物質とする正極104と、黒鉛材料などを活物質とする負極105とは、横方向に交互に積層された状態となっている。各々の正極104と負極105との間には、不織布あるいは微多孔膜等からなるセパレーター(図示省略)が介在しており、これら正極104と負極105とを離隔している。
このセパレーターには、電解液が含浸されている。電解液の一例としては、EC(エチレンカーボネート)とDMC(ジメチルカーボネート)、Diox(1,3−ジオキソラン)あるいはTHF(テトラヒドロフラン)等からなる混合溶媒中に、LiPF(6フッ化リン酸リチウム)やLiClO(過塩素酸リチウム)、LiCFSO等を溶解したものが挙げられる。
【0026】
これら正極104、負極105、及び電解液を含浸されたセパレーターは、電池容器101内の上部側に空隙部(図示省略)が形成されるようにして、すなわち若干の寸法的余裕を持たせた状態で、電池容器101内に収容され封止されている。この空隙部には、各々の正極104と正極端子102とを連結する正極集電体(図示省略)と、各々の負極105と負極端子103とを連結する負極集電体(図示省略)とが設けられている。
【0027】
このリチウム二次電池100は、長期間にわたって充放電が繰り返されたため、電解液の一部の分解を伴って電極表面には皮膜が形成された状態となっている。また、電解液の一部が分解されたことに伴い、二酸化炭素や炭化水素等からなるガスが発生し、このガスが電池容器101内に充満して、電池容器101の内圧が非常に高い状態となっている。
【0028】
こうしたリチウム二次電池を、図1等に示す穿孔プローブ(穿孔装置)10、あるいは図7、図8等に示す破砕ドリルユニット(内部破砕装置)20A,20Bを用いて処理する。
【0029】
先ず、穿孔プローブ10について説明する。この穿孔プローブ10は、リチウム二次電池100の電池容器101に孔を開けるとともに、この孔から電池容器101内のガス及び電解液を外部へと抜き出すためのもので、プローブ本体(装置本体)11と、ニードル部材(移動部材)12と、Oリング(環状弾性体)13と、固定用ロッド14,14とを備えた構成とされている。
【0030】
プローブ本体11は、前端側と後端側に各々平面部を有する略筒状の部材であって、前端部側に開口する第1開口部11h1から、後方側の側方に開口する第2開口部11h2まで貫通する、導出孔11aが形成されている。また、導出孔11aの途中から分岐して、後端部側に開口する第3開口部11h3までを貫通する、挿通孔11bが形成されている。
【0031】
導出孔11aは、電池容器101から抜き出されたガス及び電解液を、外部へと導出させるもので、プローブ本体11前端側の第1開口部11h1から、プローブ本体11側方の第2開口部11h2まで貫通するように、その途中で屈曲するようにして形成されている。つまり、第1開口部11h1から後端部側へと延在する軸線O1に沿ってプローブ本体11内の途中まで延びた後、屈曲点Xを境にして、軸線O1と非平行な軸線O2に沿って側方の第2開口部11h2へと至るようになっている。なおここでは、ある屈曲点Xを境にして導出孔11aの延在方向が変化するように形成しているが、滑らかに湾曲することで延在方向が変化するように形成してもよい。
【0032】
挿通孔11bは、ニードル部材12を挿通させるもので、屈曲点Xにおいて導出孔から分岐して、軸線O1に沿って後端部側の第3開口部11h3まで貫通するように形成されている。すなわち、第1開口部11h1と第3開口部11h3とを結ぶ軸線である軸線O1が略直線となるようにして、導出孔11aと挿通孔11bとは屈曲点Xにおいて互いに連通している。このように、これら導出孔11aと挿通孔11bとは、断面視略トの字状となるようにして、各々プローブ本体11内に形成されている。なお、挿通孔11bの内周側には、雌ネジ11sが形成されている。
【0033】
ニードル部材12は、電池容器101に孔を開けるためのもので、導出孔11b内、及び屈曲点Xよりも前方側の導出孔11a内に前後方向移動可能に設けられた、略棒状をなす部材である。このニードル部材12の先端部側には、穿孔部12aが形成されているとともに、後端部側には円盤状の回転ツマミ12rが一体に設けられている。穿孔部12aは、一旦孔を穿孔した後に、この孔をより拡径することが可能なように、略楔形状をなしている。すなわち、ガス抜き用のピンホールを穿孔した後、このピンホールを電解液抜き用の大径の孔に拡径するといったように、孔径を少なくとも2段階に変化させることが可能となっている。
【0034】
挿通孔11bの内周側に形成された雌ネジ11sと、ニードル部材12の外周側に形成された雄ネジ12sとは、挿通孔11aとニードル部材12との隙間をシールするためのシール手段を構成している。すなわち、互いに螺合していることで、導出孔11a内のガス及び電解液が隙間を流れて第3開口部11h3から外部へと漏れ出すことが、的確に防止されるようになっている。
また、雄ネジ12sと雌ネジ11sとが螺合しているので、回転ツマミ12rを一方向に回転させれば、ニードル部材12を的確に前進させることができるとともに、穿孔するための力を穿孔部12aへと的確に伝達させることができる。
【0035】
Oリング13は、プローブ本体11の前端部側の第1開口部11h1周縁側に、この開口部を囲うようにして環状に設けられている。このOリング13は、プローブ本体11の前端部側が電池容器101の外面に圧接された際に弾性変形して、穿孔プローブ10と電池容器101とを隙間無く圧接させるものである。すなわち、このOリング13の内側と外側とが、的確にシールされるようになっている。
【0036】
固定用ロッド14,14は、一対をなしてプローブ本体11の側方から各々反対方向に向けて突出するようにして、プローブ本体11に一体に設けられている、略棒状の部材である。これら固定用ロッド14,14の先端部近傍位置には、図2に示すように、連結用ロッド15,15(後述)を各々挿通させるための、挿通孔(図示省略)が形成されている。
【0037】
こうした穿孔プローブ10を、固定手段を用いて、電池容器101外面の所定位置つまり穿孔する位置に圧接固定する。ここでは図2に示すように、両端部側に雄ネジが形成された一対の連結ロッド15,15と、穿孔プローブ10と電池容器101を挟んで対向する位置に配された端板16と、連結ロッド15,15の雄ネジと各々螺合する蝶ネジ17とで、固定手段を構成している。すなわち、一対の連結ロッド15,15の一端部側を、固定用ロッド14に形成された孔もしくは溝(図示省略)の各々に挿通するとともに、これら連結ロッド15,15の他端部側を、端板16に形成された孔もしくは溝(図示省略)の各々に挿通する。そして、連結ロッド15,15の両端部側に蝶ネジ17を各々螺合させ、強固に締め付けることで、穿孔プローブ10を電池容器101の外面の所定位置に圧接固定することができる。
【0038】
穿孔する位置は、限定されるものではないが、リチウム二次電池100の側板部の上部側外面、つまり電極と電極端子との間の空隙部の位置における側板部の外面とすることが望ましい。この位置であれば、ニードル部材12と電極とが接触するおそれは殆どなく、短絡等を起こすおそれを殆ど皆無とすることができるからである。
なお穿孔前に、第2開口部11h2には、予め管路l等の流路を接続しておき、穿孔した孔から導出したガス及び電解液を、図示しない貯留手段あるいは処理手段等へと送ることができるようにしておく。ガスの処理手段としては、例えば、ガス中の有機成分を補足できるガス吸収筒等が挙げられる。
【0039】
このように穿孔プローブ10を固定しておいて、回転ツマミ12rを一方向に回転させてニードル部材12を前進させ、穿孔部12aを第1開口部11h1から突出させて電池容器101外面に突き立て、この位置に小径の孔を開ける。先ず、高い内圧となっている電池容器101内からガスを抜き出す必要があるので、内圧による影響を最小限とするために、第1段階として穿孔する小径の孔は、内径(孔径)が約1mm程度のピンホールとすることが好ましい。なお、穿孔された孔の図示は、図4以外の図においては省略する。
【0040】
このピンホールを穿孔後、ニードル部材12を後退させる。こうすると、電池容器101内に充満しているガスが、ピンホールから噴出する。このとき、ピンホールの周囲は、弾性変形しているOリング13によってシールされているので、噴出したガスは、電池容器101とプローブ本体11との間から外部へと漏れ出ることができなくなっている。すなわち、噴出したガスの殆ど全量が、プローブ本体11の導出孔11a内へと導入されていく。
【0041】
導出孔11a内に導入されたガスは、軸線O1に沿って第3開口部11h3側へと流れていこうとする。このとき、プローブ本体12は挿通孔11bに螺合され、互いの隙間はシールされているので、導出孔11内のガスは、挿通孔11bを流れて第3開口部11h3から外部へと漏れ出ることができなくなっている。そのため、ガスのほぼ全量が、導出孔11aに沿って屈曲して、つまり途中から軸線O2に沿って第2開口部11h2へと導出されていく。
このようにして、電池容器101内のガスは、殆ど全量が第1開口部11h1から導出孔11aを経て第2開口部11h2へと導出され、管路lによって貯留手段あるいは処理手段等へと送られていき、然るべき処理が施される。
【0042】
こうして電池容器101内からガスを抜き出し終えたら、次に電解液を抜き出す。このとき、電池容器101内の圧力は、ほぼ常圧といえる値まで低下しているので、ニードル部材12を再度用いてピンホールを拡径し、液体を抜き出すのに適切な大きさの、大径の孔とする。このように第2段階として拡径する大径の孔は、内径(孔径)が約5mm程度の孔とすることが好ましい。また、この孔とは別に、もう一つの穿孔プローブ10を用いる等して、空気抜き用の孔を別途穿孔しておくことが好ましい。
【0043】
拡径後、ニードル部材12を後退させて、電池容器101を傾斜させる、あるいは管路l側から吸引する等して、孔から電解液を抜き出し、導出孔11aへと導入する。ここで上述したように、電池容器101とプローブ本体11との間、及び挿通孔12bとニードル部材12との隙間は、各々シールされているので、これらの部分から電解液が外部へと漏れ出ることはできなくなっている。このため、電池容器101内の電解液は、殆ど全量が、殆ど全量が第1開口部11h1から導出孔11aを経て第2開口部11h2へと導出され、管路lによって貯留手段あるいは処理手段等へと送られていき、然るべき処理が施される。
【0044】
なお、図3に示すように、穿孔プローブ10を一対用いて、ガス及び電解液を抜き出した後の電池容器101内部を洗浄するようにすれば、より好ましい。この図の例においては、一対の穿孔プローブ10,10を、固定手段としての一対の連結ロッド15,15と蝶ネジ17とを用いて、電池容器101外面の互いに離間した位置に圧接固定している。ここでは、電池容器101内の洗浄効率を高めるために、これら一対の穿設プローブ10,10を、互いに対向する側板部に圧接固定するようにしている。つまり、図2における端板16の位置に、もう一つの穿孔プローブ10を用いている。
【0045】
各々の穿孔プローブ10の第2開口部11h2には、穿孔前に、予め管路l等の流路を接続して両者を連結しておくとともに、管路lの途中に循環タンクT及び循環ポンプPを設けておく。
【0046】
こうしておいて、少なくとも一方の穿孔プローブ10の回転ツマミ12rを操作して、電池容器101に小径の孔、つまり内径(孔径)が約1mm程度のピンホールを開け、ガスを噴出させる。このガスは、穿孔プローブ10から管路lによって循環タンクTへと送られていき、然るべき処理が行われる。
【0047】
このようにして電池容器101内からガスを抜き出し終えたら、次に電解液を抜き出すとともに、洗浄液を用いて電池容器101内を洗浄する。事前に、双方の穿孔プローブ10,10を操作して、液体を循環させるのに適切な大きさの大径の孔、つまり内径(孔径)が約5mm程度の孔を一対、各々穿孔する。そして、循環ポンプPを駆動させて電解液を抜き出すとともに、循環タンクT内の洗浄液を、一方の穿孔プローブ10から他方の穿孔プローブ10へと循環させる。こうして、電解液が抜き出された後の電池容器10内部は洗浄され、電極やセパレーターに付着していた電解液も、充分に洗い流される。
【0048】
電池容器101内部を洗浄した後に、一対の穿孔プローブ10,10をそのまま用いて、さらに乾燥用ガスをパージ又は循環させて、電池容器101内部を乾燥させるようにすれば、より好ましい。この乾燥用ガスとしては、窒素、アルゴン、ドライエアー等が用いられる。こうした乾燥を行う場合には、予め管路lの途中に、乾燥用ガスを供給するためのガス供給手段や、ガス循環用のポンプ、或いはパージ等が終了した後の乾燥用ガスを回収するためのガス回収手段等(これらの図示は省略)を、適宜取り付けておく。こうしておいて、一方の穿孔プローブ10から他方の穿孔プローブ10へと、乾燥用ガスをパージ又は循環させる。こうして、電解液が抜き出された後の電池容器10内部は充分に乾燥される。
【0049】
このようにして、ガス及び電解液が抜き出され、或いは洗浄・乾燥がなされた電池容器101の一部を切除して、開口部を形成させる。ここでは、図4に示す切断線C1に沿って切断する。すなわち、穿孔プローブ10によって穿孔された孔Hの高さ位置を境にして、上側つまり蓋板部側を切除する。この切断位置であれば、上述したように電池容器101内側は空隙部となっているので、容易に切断できるとともに、電極の上側全域を開口させて、電極の取り出しを容易に行うことができる。
【0050】
図5(a)には、切断・分離された電池容器101を示している。この図においては、切除される蓋板部を符号101bとして、蓋板部101bが除去された下側の電池容器を符号101aとして、各々示している。なおここでの図示は省略するが、正極104と正極端子102とを連結する正極集電体、及び各々の負極105と負極端子103とを連結する負極集電体も各々切除しておく必要があることは、言うまでもない。そして図5(b)に示すように、蓋板部101bが切除された電池容器101aの上側開口部から、電極積層体つまり正極104、負極105及びセパレーターを取り出す。
こうして、使用済みのリチウム二次電池100は解体され、各々分離された構成要素、つまり電極やセパレーター、電池容器101aや蓋板部101b等は、各々の材料として回収・分別される。このように解体処理、分別処理等といった各処理が行われた各材料は、再利用あるいは廃棄される。
【0051】
なお、長期間にわたる使用によって電極が膨張してしまい、電池容器101内からの取り出しが困難となる場合がある。この場合には図6(a)及び(b)に示すように、電池容器101aを切断線C2に沿って切断し、左右に分離してから電極積層体を取り出すようにすれば、取り出しを容易に行うことができる。
【0052】
また、電池容器101と電極とがほぼ一体に押圧固定されるほどに電極が膨張し、取り出しが極めて困難となっている場合には、電池容器101a内で電極を破砕してから取り出すようにする。この場合、図7に示すような破砕ドリルユニット(内部破砕装置)20Aを用いる。
【0053】
この破砕ドリルユニット20Aは、ドリル(回転型破砕部材)21と、このドリル21を略垂直に支持して回転駆動させるモーター(アクチュエータ)Mと、を備えている。ドリル21は、略円柱状のドリル本体21aの外周側に溝部21bが螺旋状に形成された構成のドリル、つまり一般的な木工用ドリルと同様の構成を有するドリルとなっている。このドリル21には、電極同士の間に容易に挿入させるとともに、溝部21bに電極を食い込み易くして破砕効率を向上させることが求められる。そのため、ドリル本体21aが細長い円柱形状をなし溝部21bの形成領域が大きくなっている、木工用ドリルと同様の構成を有するドリルを用いることが好ましい。
【0054】
この破砕ドリルユニット20Aを、図示しないスタンド等に支持させておき、ドリル21を回転させながら、上側から電池容器101a内の電極間に挿入して、電極を順次破砕し、取り出していく。取り出された電極やセパレーター等は、上記同様に各々の材料として回収・分別された後、再利用あるいは廃棄される。
【0055】
上記の破砕ドリルユニット20Aに替えて、図8に示す破砕ドリルユニット20Bを用いるようにすれば、より好ましい。この破砕ドリルユニット20Bは、複数のドリル21と、これらドリルを回転駆動させるとともに横方向に移動させるモーター(アクチュエータ)Mと、開口部を覆うカバー22と、を備えている。この破砕ドリルユニット20Aは、スタンド24に設けられ上下移動可能とされた上下動部材23によって支持されることで、上下動可能となっている。
【0056】
モーターMは、上記破砕ドリルユニット20AにおけるモーターMと同様に、各々のドリル21を回転駆動させる機能に加えて、これらドリル21を横方向つまり電池容器101aの開口部の拡がり方向に移動可能とする、横移動機構としての機能も担保するものである。このようにドリル21を横移動可能とすることにより、スタンド24の移動を伴わずに、電池容器101a内の電極をほぼ全域にわたって破砕することができる。なお、ドリル21の構成は、上記破砕ドリルユニット20Aにおけるドリル21と同等となっている。また、カバー22は、ドリル21の上側から電池容器101aの開口部全体を覆う盤状部材であって、ドリル21によって破砕された電極の破片が、外部へと飛散するのを防止するものである。
【0057】
各々のドリル21を回転させながら破砕ドリルユニット20Bを降下させていき、上側から電池容器101a内の電極間に挿入して、電極を破砕する。そして、各々のドリル21を横方向に順次移動させて、電池容器101a内の電極を全域にわたって順次破砕し、取り出していく。取り出された電極やセパレーター等は、上記同様に各々の材料として回収・分別された後、再利用あるいは廃棄される。
【0058】
なおここでは、モーターMに横移動機構としての機能も兼用させるようにしているが、回転駆動用と横移動用とで独立したアクチュエータを用いても良く、また、横移動機構を手動によるものとしてもよい。
【0059】
本実施形態に係る穿孔プローブ10においては、前端部側の第1開口部11h1から後方側の第2開口部11h2まで貫通する導出孔11aが形成されている、略筒状のプローブ本体11と、プローブ本体11の前端部側の第1開口部11h1周縁側に、この第1開口部11h1を囲うようにして環状に設けられ、プローブ本体11の前端部側が電池容器101外面に圧接された際に弾性変形するOリング13と、導出孔11a内に前後方向移動可能に設けられ、その先端部側には穿孔部12aが形成されている略棒状のニードル部材12と、が備えられるようにしている。そのため、内部が高圧となっているリチウム二次電池100の電池容器101に、的確に孔を開けて、この孔からガス及び電解液を抜き出すとともに、抜き出したガス及び電解液を穿孔プローブ10の外部へと漏出させることなく、そのほぼ全量を穿孔プローブ10内に導入して第2開口部へと導出させ、処理手段等へと送ることができる。これにより、周囲の環境に悪影響を及ぼすことなく、使用済みのリチウム二次電池100を容易且つ的確に処理することができる。
【0060】
また、プローブ本体11には、導出孔11aがプローブ本体11側方の第2開口部11h2まで貫通するように、その途中で湾曲又は屈曲して形成されるとともに、導出孔11aの途中から分岐してプローブ本体11後端部側の第3開口部11h3まで、第1開口部11h1と第3開口部11h3とを結ぶ軸線O1が略直線となるように貫通して、ニードル部材12が挿通される挿通孔11bが形成され、挿通孔11b内周側とニードル部材12外周側とのうちの一方あるいは双方には、これら挿通孔11bとニードル部材12との隙間をシールするシール手段が設けられるようにしている。そのため、穿設プローブ10の後端部側からニードル部材12を挿通して前後移動させることができ、穿孔プローブ10の外部からニードル部材12を操作することによって、電池容器101に容易に穿孔することができる。そしてこのとき、挿通孔11bとニードル部材12との隙間はシール手段によってシールされているので、孔から抜き出されたガス及び電解液を、この隙間から穿孔プローブ10外部へと漏出させることなく、第2開口部へと導出させることができる。これにより、穿孔プローブ10の操作性をより向上させることができる。
【0061】
更に、穿孔部12aを、一旦穿孔した後に該孔をより拡径することが可能な略楔形状として、孔径を少なくとも2段階に設定することができるようにしている。そのため、最初にはピンホール等の小径の孔を穿孔して、内圧による影響を最小限としながらガスを抜き出していき、電池容器101の内圧が低下したら、次に小径の孔を拡径して大径の孔として、電解液を抜き出し易くすることができる。これにより、電池容器101内部のガス及び電解液を、短時間で的確に電池容器101外部へと抜き出すことができ、処理効率を高めることができる。
【0062】
更に、ニードル部材12の外周側に形成された雄ネジ12sと、挿通孔11bの内周側に形成された雌ネジ11sとを螺合させることにより、シール手段を構成するようにしている。そのため、装置構成を簡易なものとして、ニードル部材12と挿通孔との隙間を的確にシールすることができ、ガス及び電解液の外部への漏出を的確に防止することができる。また、ネジ構造を採用しているので、回転ツマミ12rを操作してニードル部材12を一方に回転させるだけで、ニードル部材12を的確に前進させることができ、孔径の大きさ等の微調整も容易に行うことができ、穿孔精度をより向上させて、短時間で的確且つ容易に電池容器101に穿孔することができる。
【0063】
また、本実施形態に係る破砕ドリルユニット20Aにおいては、電池容器101に形成された開口部から電池容器101内に挿入され、回転されることにより電極を破砕するドリル21と、モーターMとが備えられるようにしている。そのため、長期間の使用によって膨張して電池容器101からの取り出しが極めて困難となっている電極であっても、電池容器101内で細かく破砕・分離して、電池容器101内から容易且つ的確に取り出すことができる。
【0064】
更に、ドリル21を、略円柱状のドリル本体21aの外周側に溝部21bが螺旋状に形成された構成のドリル、つまり一般的な木工用ドリルと同様の構成を有するドリルとしている。そのため、電池容器内への挿入を容易に行うことができるとともに、螺旋状の溝部に電極を容易に食い込ませて、短時間でより多くの電極を破砕することができ、破砕効率の向上を図ることができる。
【0065】
更に、本実施形態に係る破砕ドリルユニット20Bにおいては、複数のドリル21を横方向に移動可能とする、横移動機構としての機能を担保するモーターMと、開口部を覆うカバー22と、が備えられるようにしている。そのため、ドリルユニット20Bは開口部近傍の所定位置に固定させたままで、回転型破砕部材のみを移動させて、電池容器内の電極をより広い範囲で破砕することができる。そして、電池容器101の開口部を覆うカバーを設けているので、ドリル21によって破砕された電極が飛散することが的確に防止され、作業環境を良好に維持することができるとともに、作業安定性を向上させることができる。
【0066】
更に、本実施形態に係る使用済みリチウム二次電池100の処理方法においては、上記の穿孔プローブ10を、固定手段を用いて電池容器101の外面に圧接固定し、電池容器101に小径の孔つまりピンホール等を穿設して、このピンホール等から電池容器101内のガスを抜き出し、次にピンホール等を拡径して大径の孔として、この大径の孔から電池容器101内の電解液を抜き出し、その後、電池容器101内から電極を取り出すようにしている。そのため、先ず電池容器101の内圧による影響を最小限としながらガスを抜き出していき、電池容器101の内圧が低下したら拡径して、多量の電解液をより短時間で抜き出していくことができる。これにより、電池容器101の内容物の暴噴、破損等が的確に抑制されて、作業環境を良好に維持することができるとともに、作業安定性を向上させることができる。すなわち、通常の作業条件下において、容易且つ的確に処理を行うことができる。
【0067】
更に、一対の穿孔プローブ10,10の各々を、固定手段を用いて電池容器101の外面の互いに離間した位置に圧接固定し、この電池容器101にピンホール等の小径の孔を穿設して、このピンホール等から電池容器101内のガスを抜き出し、次にピンホール等を拡径して大径の孔として、この大径の孔から電池容器101内の電解液を抜き出すとともに、一対の穿孔プローブ10,10のうちの一方から他方へと洗浄液を循環させて電池容器101内部を洗浄し、その後、電池容器101内から電極を取り出すようにしている。このため、電池容器101から電極を取り出す前に電極の洗浄を完了させておくことができ、電極を取り出した後に洗浄処理等を行う必要が無く、速やかに回収・分別して、廃棄処理あるいは再利用処理等といった然るべき処理を施すことができる。このため、解体処理、分別処理等といった各処理に要する時間を短縮することができ、処理効率をより高めることができる。
【0068】
更に、一対の穿孔プローブ10,10のうちの一方から他方へと洗浄液を循環させて電池容器101内部を洗浄した後、さらに窒素、アルゴン又はドライエアー等の乾燥用ガスをパージ又は循環させて電池容器101内部を乾燥させ、その後、電池容器101内から電極を取り出すようにしている。このため、電池容器101から電極を取り出す前に電極の洗浄及び乾燥をともに完了させておくことができ、より速やかに回収・分別して、廃棄処理あるいは再利用処理等といった然るべき処理を施すことができる。このため、解体処理、分別処理等といった各処理に要する時間を更に短縮することができ、処理効率をより高めることができる。
【0069】
更に、電池容器101内からガス及び電解液を抜き出した後、電池容器101の一部を切除して開口部を形成し、破砕ドリルユニット20A,20Bを開口部から電池容器101内に挿入し、ドリル21を回転駆動させて電極を破砕することにより、電池容器101内から電極を取り出すようにしている。そのため、長期間の使用によって膨張して電池容器101からの取り出しが極めて困難となっている電極であっても、電池容器101内で細かく破砕・分離して、電池容器101内から容易且つ的確に取り出すことができ、処理効率をより高めることができる。
【0070】
なお、上記実施形態においては、使用済み二次電池としてリチウム二次電池を例にとって説明したが、本発明はこのようなリチウム二次電池への適用に限定されるものではなく、他の形態の二次電池であっても適用が可能である。
また、穿孔プローブにおける、プローブ本体とニードル部材との隙間をシールするシール手段を、雄ネジと雌ネジとによるネジ構造としたが、シール手段としては、これに限定されるものではない。例えば、挿通孔の内周側とニードル部材の外周側とのうちの一方あるいは双方に、弾性体等からなるシール手段を設けるようにしてもよい。
更に、破砕ドリルユニットにおける回転型破砕部材の例として、木工用ドリルと同様の構成を有するドリルを用いるようにしているが、電極を高効率で破砕できるものであれば、その他の構成を有するドリルや、回転カッター、回転ノコギリ等を用いるようにしてもよい。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る使用済み二次電池用の穿孔装置及び使用済み二次電池の処理方法によれば、上記の如き構成を採用しているので、使用済み二次電池の解体処理、分別処理等といった各処理を、通常の作業条件下で、容易且つ的確に効率よく行うことができ、材料の再利用あるいは廃棄を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る使用済み二次電池用の穿孔装置の一実施形態としての穿孔プローブを示す、平面視した部分断面図である。
【図2】 図1に示した穿孔プローブをリチウム二次電池に固定した状態を示す平面図である。
【図3】 図1に示した穿孔プローブの一対をリチウム二次電池に固定した状態を示す平面図である。
【図4】 ガス及び電解液が抜き出された後のリチウム二次電池の外観を示す斜視図である。
【図5】 (a)は、図4に示したリチウム二次電池の電池容器の一部を切断した状態を示す概略斜視図であり、(b)は、(a)に示した電池容器から電極を抜き出した状態を示す概略斜視図である。
【図6】 (a)は、図5(a)に示したリチウム二次電池の電池容器を更に切断する前の状態を示す概略斜視図であり、(b)は、(a)に示した電池容器を切断した後に電極を抜き出した状態を示す概略斜視図である。
【図7】 本発明に係る使用済み二次電池用の内部破砕装置の一実施形態としての破砕ドリルユニットの一例を示す概略斜視図である。
【図8】 本発明に係る使用済み二次電池用の内部破砕装置の一実施形態としての破砕ドリルユニットの他の例を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
10 穿孔プローブ(穿孔装置)
11 プローブ本体(装置本体)
11a 導出孔
11b 挿通孔
11h1 第1開口部
11h2 第2開口部
11h3 第3開口部
11s 雌ネジ
12 ニードル部材(移動部材)
12a 穿孔部
12s 雄ネジ
13 Oリング(環状弾性体)
20A,20B 破砕ドリルユニット(内部破砕装置)
21 ドリル(回転型破砕部材)
21a ドリル本体
21b 溝部
22 カバー
100 リチウム二次電池(使用済み二次電池)
101 電池容器
102 正極端子(電極端子)
103 負極端子(電極端子)
104 正極(電極)
105 負極(電極)
M,M モーター(アクチュエータ,横移動機構)
H 孔
O1,O2 軸線
X 屈曲点

Claims (7)

  1. 使用済み二次電池の電池容器に孔を開けるとともに、該孔から前記電池容器内のガス及び/又は電解液を外部へと抜き出すために用いられる穿孔装置であって、
    前端部側の第1開口部から後方側の側方に開口する第2開口部まで貫通する導出孔が形成されている、筒状の装置本体と、
    前記装置本体の前端部側の前記第1開口部周縁側に、該第1開口部を囲うようにして環状に設けられ、前記装置本体の前端部側が前記電池容器の外面に圧接された際に弾性変形する環状弾性体と、
    前記導出孔内に前後方向移動可能に設けられ、その先端部側には穿孔部が形成されている棒状の移動部材と、が備えられ、
    前記装置本体が前記電池容器の外面に圧接固定され、前記移動部材が前記装置本体に対して所定位置まで前進された際に、前記穿孔部が前記第1の開口部から突出して前記電池容器に孔を開けるとともに、該孔から抜き出された前記ガス及び/又は電解液を、前記第1開口部から前記導出孔を経て前記第2開口部へと導出させることを特徴とする穿孔装置。
  2. 前記装置本体には、前記導出孔が、前記装置本体の側方の前記第2開口部まで貫通するように、その途中で湾曲又は屈曲して形成されるとともに、前記導出孔の途中から分岐して前記装置本体の後端部側の第3開口部まで、前記第1開口部と前記第3開口部とを結ぶ軸線が直線となるように貫通して、前記移動部材が挿通される挿通孔が形成され、
    前記挿通孔内周側と前記移動部材外周側とのうちの一方あるいは双方には、これら挿通孔と移動部材との隙間をシールするシール手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の穿孔装置。
  3. 前記穿孔部は、一旦穿孔した後に該孔をより拡径することが可能な楔形状とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の穿孔装置。
  4. 前記シール手段は、前記移動部材外周側に形成された雄ネジと、前記挿通孔内周側に形成され前記雄ネジと螺合する雌ネジとにより構成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の穿孔装置。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の穿孔装置を用いて、使用済み二次電池を処理する方法であって、
    前記穿孔装置を、固定手段を用いて前記電池容器の外面に圧接固定し、該電池容器に小径の孔を穿設して、該小径の孔から前記電池容器内のガスを抜き出し、前記小径の孔を拡径して大径の孔として、該大径の孔から前記電池容器内の電解液を抜き出し、その後、前記電池容器内から電極を取り出すことを特徴とする使用済み二次電池の処理方法。
  6. 請求項3又は請求項4に記載の穿孔装置を用いて、使用済み二次電池を処理する方法であって、
    一対の前記穿孔装置の各々を、固定手段を用いて前記電池容器の外面の互いに離間した位置に圧接固定し、該電池容器に小径の孔を穿設して、該小径の孔から前記電池容器内のガスを抜き出し、前記小径の孔を拡径して大径の孔として、該大径の孔から前記電池容器内の電解液を抜き出すとともに、前記一対の穿孔装置のうちの一方から他方へと洗浄液を循環させて前記電池容器内部を洗浄し、その後、前記電池容器内から電極を取り出すことを特徴とする使用済み二次電池の処理方法。
  7. 請求項3又は請求項4に記載の穿孔装置を用いて、使用済み二次電池を処理する方法であって、
    一対の前記穿孔装置の各々を、固定手段を用いて前記電池容器の外面の互いに離間した位置に圧接固定し、該電池容器に小径の孔を穿設して、該小径の孔から前記電池容器内のガスを抜き出し、前記小径の孔を拡径して大径の孔として、該大径の孔から前記電池容器内の電解液を抜き出すとともに、前記一対の穿孔装置のうちの一方から他方へと洗浄液を循環させて前記電池容器内部を洗浄した後、前記一対の穿孔装置のうちの一方から他方へと乾燥用ガスをパージ又は循環させて前記電池容器内部を乾燥せしめ、その後、前記電池容器内から電極を取り出すことを特徴とする使用済み二次電池の処理方法。
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