JP4232377B2 - Polylactic acid-containing resin composition, molded article comprising the same, and film or sheet - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、柔軟性に優れ、かつ透明性を有し、さらにブリードアウトが少ないポリ乳酸含有樹脂組成物およびそれらからなる成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、地球環境保全の見地から、土中、水中に存在する微生物の作用により自然環境下で分解される生分解性ポリマーが注目され、様々な生分解性ポリマーが開発されている。これらのうち溶融成形が可能な生分解性ポリマーとして、例えばポリヒドロキシブチレートやポリカプロラクトン、コハク酸やアジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸成分とエチレングリコールやブタンジオールなどのグリコール成分とからなるポリエチレンサクシネートやポリブチレンアジペート、ポリ乳酸などが知られている。
【0003】
ポリ乳酸は、比較的コストが安く、融点もおよそ170℃と耐熱性を有し、溶融成形可能な生分解性ポリマ−として期待されている。また、最近ではモノマーである乳酸が微生物を利用した発酵法により安価に製造されるようになり、より一層低コストでポリ乳酸を生産できるようになってきたため、生分解性ポリマーとしてだけでなく、汎用ポリマーとしての利用も検討されるようになってきた。
【0004】
しかしながら、ポリ乳酸は、高剛性でもろいという性質を有しており、柔軟性が必要とされる用途での使用が難しいという問題点があった。
【0005】
この問題点を解決する方法としては、可塑剤を添加する方法が検討されているが、この方法をポリ乳酸に適用した場合、可塑剤が表面に析出する、いわゆるブリードアウト現象が発生したり、ポリ乳酸の透明性が損なわれるなどの問題があった。
【0006】
また、別の方法としては、ガラス転移温度が低いポリマーを混合する方法が検討されているが、この方法をポリ乳酸に適用した場合、柔軟性が不十分であったり、ポリ乳酸の透明性が損なわれたり、ブリードアウト現象が発生するなどの問題があった。
【0007】
一方、Polymer,39(26),6891(1998)には、ガラス転移温度が、ポリ乳酸よりも低い、分子量が約4万のポリアクリル酸メチルと混合することで、その混合物のガラス転移温度が低下することが記載されている。しかし、この方法では、ポリ乳酸の透明性は損なわれることはないものの、使用されているポリアクリル酸メチルのガラス転移温度は、それほど低くないため、柔軟性を付与する効果は不十分である。
【0008】
以上のように、ポリ乳酸を柔軟化し、かつポリ乳酸の透明性を損なうことなく、さらにはブリードアウト現象も抑制できる方法は、これまでに見つかっていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果、達成されたものであり、その目的とするところは、柔軟性に優れ、かつ透明性を有し、さらにブリードアウトが少ないポリ乳酸含有樹脂組成物およびそれらからなる成形品を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、
(1)(A)ポリ乳酸と(B)不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位を主成分とする重合体(架橋重合体を除く)を含有してなり、前記(B)の重量平均分子量が3万以下であり、前記(B)が、さらにグリシジル基含有ビニル系単位および不飽和ジカルボン酸無水物系単位から選択される少なくとも一種を含有することを特徴とするポリ乳酸含有樹脂組成物、
(2)前記(B)の重量平均分子量が5000以下、300以上であることを特徴とする上記(1)に記載のポリ乳酸含有樹脂組成物、
(3)前記(B)のガラス転移温度が、10℃以下であることを特徴とする上記(1)〜(2)のいずれかに記載のポリ乳酸含有樹脂組成物、
(4)前記(B)の不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位が、アクリル酸エステル単位であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリ乳酸含有樹脂組成物、
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のポリ乳酸含有樹脂組成物からなることを特徴とする成形品、および
(6)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のポリ乳酸含有樹脂組成物からなることを特徴とするフィルムまたはシートである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の(A)ポリ乳酸としては、L−乳酸および/またはD−乳酸を主成分として重合してなるポリマーであるが、本発明の目的を損なわない範囲、好ましくは20モル%以下で、特に好ましくは10モル%以下で、乳酸以外の他の共重合成分を共重合してもよい。
【0012】
かかる他の共重合成分としては、例えば、多価カルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトンなどが挙げられ、具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、フマル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸などの多価カルボン酸類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオ−ル、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ビスフェノ−ルA、ビスフェノールにエチレンオキシドを付加反応させた芳香族多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの多価アルコール類、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸類、グリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトンなどのラクトン類などを使用することができる。
【0013】
(A)ポリ乳酸で高い耐熱性を得るためには、乳酸成分の光学純度が高い方が好ましく、総乳酸成分の内、L体あるいはD体が80モル%以上含まれることが好ましく、さらには90モル%以上含まれることが好ましく、95モル%以上含まれることが特に好ましい。
【0014】
(A)ポリ乳酸の製造方法としては、乳酸からの直接重合法、ラクチドを介する開環重合法などの公知の重合方法を用いることができる。
【0015】
(A)ポリ乳酸の分子量や分子量分布は、実質的に成形加工が可能であれば、特に限定されるものではないが、重量平均分子量としては、好ましくは1万以上、より好ましくは4万以上、特に好ましくは8万以上であるのがよい。ここでいう重量平均分子量とは、溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノールを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリメタクリル酸メチル換算の重量平均分子量である。
【0016】
(A)ポリ乳酸の融点は、特に限定されるものではないが、120℃以上であることが好ましく、さらに150℃以上であることが好ましい。なお融点は、示差走査熱量計(DSC)により測定することができる。
【0017】
本発明で用いる(B)重合体は、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位を主成分とする重合体である。かかる(B)重合体における不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位を主成分とするものであれば、単独重合体であっても共重合体であってもよく、共重合体としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体またはグラフト共重合体などが挙げられる。ここで主成分とは、全単量体に対し、50モル%以上を占める成分であり、好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上を占める成分である。また、(B)不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位を主成分とする重合体は、単独ないし2種以上を用いることができる。
【0018】
上記(B)重合体において、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位を形成する原料モノマーとしては、特に限定されるものではないが、アルキルエステルにおけるアルキル部分が、炭素数1〜6のアルキル基または置換アルキル基を有するアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルが好ましく、さらに柔軟性を向上させる効果が大きいという観点において、アクリル酸エステルがより好ましい。
【0019】
不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位を形成する原料モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸クロロメチル、(メタ)アクリル酸−2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシルまたは(メタ)アクリル酸−2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチルなどが挙げられ、これらの中で、柔軟性を向上させる効果が大きいという観点において、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルへキシルが好ましく、さらにアクリル酸メチルまたはアクリル酸エチルがより好ましく、特にアクリル酸エチルが最も好ましい。これらは単独ないし2種以上を用いることができる。
【0020】
また、(B)不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位を主成分とする重合体においては、グリシジル基含有ビニル系単位および不飽和ジカルボン酸無水物系単位から選択される少なくとも一種を含有することが必要である。これらの単位は単独ないし2種以上を用いることができ、これらを含有することで、柔軟性を向上させる効果が得られる。また、(B)不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位を主成分とする重合体においては、必要に応じて、その他の単位をさらに含有せしめた重合体を用いることが可能であり、たとえば、脂肪族ビニル系単位、芳香族ビニル系単位、シアン化ビニル系単位、マレイミド系単位、不飽和ジカルボン酸系単位またはその他のビニル系単位などを含有するものでもよく、これらの単位は単独ないし2種以上を用いることができる。
【0021】
グリシジル基含有ビニル系単位を形成する原料モノマーとしては、特に限定されるものではなく、(メタ)アクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、イタコン酸ジグリシジル、アリルグリシジルエーテル、スチレン−4−グリシジルエーテルまたは4−グリシジルスチレンなどが挙げられ、中でも、(メタ)アクリル酸グリシジルが好ましく使用される。これらは単独ないし2種以上を用いることができる。
【0022】
不飽和ジカルボン酸無水物系単位を形成する原料モノマーとしては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸または無水アコニット酸などが挙げられ、中でも、無水マレイン酸が好ましく使用される。これらは単独ないし2種以上を用いることができる。
【0023】
また、脂肪族ビニル系単位を形成する原料モノマーとしては、エチレン、プロピレンまたはブタジエンなど、芳香族ビニル系単位としては、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、4−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレンまたはハロゲン化スチレンなど、シアン化ビニル系単位を形成する原料モノマーとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルまたはエタクリロニトリルなど、マレイミド系単位を形成する原料モノマーとしては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(p−ブロモフェニル)マレイミドまたはN−(クロロフェニル)マレイミドなど、不飽和ジカルボン酸系単位を形成する原料モノマーとして、マレイン酸、マレイン酸モノエチルエステル、イタコン酸、フタル酸など、その他のビニル系単位を形成する原料モノマーとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、N−ビニルジエチルアミン、N−アセチルビニルアミン、アリルアミン、メタアリルアミン、N−メチルアリルアミン、p−アミノスチレン、2−イソプロペニル−オキサゾリン、2−ビニル−オキサゾリン、2−アクロイル−オキサゾリンまたは2−スチリル−オキサゾリンなどが挙げられ、これらは単独ないし2種以上を用いることができる。
【0024】
本発明の(B)不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位を主成分とする重合体は、重量平均分子量が3万以下であることが必要である。重量平均分子量が3万を越えると、柔軟性、透明性およびブリードアウト現象の抑制を全て満足させることはできない。また、柔軟性、透明性およびブリードアウト現象の抑制の効果がより高いという点で、重量平均分子量は2万以下が好ましく、その中でも1万以下が好ましく、さらに5000以下がより好ましく、特に3000以下が最も好ましい。下限に特に制限はないが、200以上であることが好ましく、さらに300以上であることがより好ましい。200未満であるとブリードアウト現象が増加する傾向にある。
【0025】
一般的に、本発明で規定する重量平均分子量範囲の他のポリマーや可塑剤をポリ乳酸と配合した場合には、著しいブリードアウト現象を伴うのが普通であるが、驚くべきことに、本発明の(B)不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位を主成分とする重合体を用いた場合にはブリードアウト現象は顕著に抑制される。
【0026】
本発明における(B)不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位を主成分とする重合体の、重量平均分子量の数平均分子量分子量に対する比(重量平均分子量/数平均分子量)の分子量分布は、特に限定されるものではないが、3以下であることが好ましく、中でも2以下であることが好ましく、さらに1.8以下であることが好ましく、特に1.6以下であることが最も好ましい。
【0027】
なお、上記に記載した重量平均分子量、数平均分子量は、溶媒としてクロロホルムを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
【0028】
本発明における(B)不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位を主成分とする重合体のガラス転移温度は、特に限定されるものではないが、ポリ乳酸含有樹脂組成物の柔軟性を付与するという観点から、10℃以下のものが好ましく、中でも5℃以下のものが好ましく、さらに0℃以下のものがより好ましく、特にー10℃以下のものが最も好ましい。ガラス転移温度の測定方法は、特に限定されるものではなく、示差走査型熱量計(DSC)で測定する方法、動的粘弾性試験により測定する方法のいずれも用いることができる。
【0029】
本発明における(B)不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位を主成分とする重合体においては、未反応の原料モノマーや溶媒などが残存するために通常、揮発成分を含む。その残部となる不揮発成分量は特に限定されるものではないが、ガスの発生を抑制するという観点から、不揮発成分量が多い方が好ましい。具体的には、95重量%以上であることが好ましく、中でも97重量%以上であることが好ましく、さらに98重量%以上であることがより好ましく、特に98.5重量%以上であることが最も好ましい。なお、ここでいう不揮発成分とは、試料10gを窒素雰囲気下、110℃で1時間加熱した場合の残量割合を表す。
【0030】
本発明における(B)不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位を主成分とする重合体においては、低分子量体を得るために連鎖移動剤(分子量調整剤)として硫黄化合物を使用することがあるが、その場合重合体は通常硫黄を含む。本発明で用いる(B)不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位を主成分とする重合体の硫黄含有量は特に限定されるものではないが、不快な臭いを抑制するという観点から、硫黄含有量が少ない方が好ましい。具体的には、硫黄原子として1000ppm以下が好ましく、中でも100ppm以下が好ましく、さらに10ppm以下が好ましく、特に1ppm以下であることが最も好ましい。
【0031】
本発明における(B)不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位を主成分とする重合体の製造方法としては、特に限定されるものではなく、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの公知の重合方法を用いることができる。これらの方法を用いる場合には、重合開始剤、連鎖移動剤および溶媒などを使用することがあるが、これらは最終的に得られる(B)不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位を主成分とする重合体の中に不純物として残存することがある。これら不純物量は特に限定されるものではないが、耐熱性や耐候性などの低下を抑制するという観点から、不純物量は少ない方が好ましい。具体的には、不純物量が最終的に得られる(B)重合体に対して10重量%以下が好ましく、中でも5重量%以下が好ましく、さらに3重量%以下が好ましく、特に1重量%以下であることが最も好ましい。
【0032】
以上のような、分子量、分子量分布、ガラス転移温度、不揮発成分量、硫黄含有量、不純物量などを満足させる(B)不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位を主成分とする重合体の製造方法としては、150℃以上の高温で、かつ加圧条件(好ましくは1MPa以上)で、短時間(好ましくは5分〜30分)で連続塊状重合する方法が、重合率が高い点、不純物や硫黄含有の原因となる重合開始剤や連鎖移動剤および溶媒を使用しない点からより好ましい。
【0033】
本発明における(A)ポリ乳酸と(B)不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位を主成分とする重合体との重量比は、特に限定されるものではないが、(A)ポリ乳酸100重量部に対して、(B)不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位を主成分とする重合体100重量部以下、さらに50重量部以下がより好ましく、特に30重量部以下が最も好ましい。下限については特に制限はないが、1重量部以上、さらに5重量部以上、特に10重量部以上であることが好ましい。
【0034】
本発明のポリ乳酸含有樹脂組成物は、(A)ポリ乳酸と(B)不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位を主成分とする重合体からなるが、好ましい態様においては、相溶性配合物となる。ここでいう「相溶性」とは、分子レベルで非晶相内に均一相を形成する重合体の混合物を説明するために用いられる。配合物の一方または両方が結晶相及び非晶相の両方を形成する場合、相溶性とは、非晶相が分子レベルで混合していることを意味する。
【0035】
配合物中の相溶性の判断は、いくつかの方法で行うことができる。
【0036】
相溶性について判断する最も一般的な方法は、ガラス転移温度で判断する方法である。相溶性配合物中では、ガラス転移温度が各々単独のものより変化し、多くの場合、単一のガラス転移温度を示す。本発明においても、この方法を用いることができ、本発明のポリ乳酸含有樹脂組成物では、ポリ乳酸単独のガラス転移温度よりも低い温度を示すことが好ましい。
【0037】
本発明のポリ乳酸含有樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、通常の添加剤、例えば、充填剤(タルク、クレー、マイカ、セリサイト、ゼオライト、ベントナイト、モンモリロナイト、合成マイカ、ドロマイト、カオリン、微粉ケイ酸、長石粉、チタン酸カリウム、シラスバルーン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、酸化ケイ素、石膏、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、天然繊維、有機繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、セラミックスファイバー、セラミックビーズ、アスベスト、ワラステナイト、ノバキュライト、ドーソナイトまたは白土など)、紫外線吸収剤(レゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなど)、熱安定剤(ヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置換体など)、滑剤、離形剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、染料(ニグロシンなど)および顔料(硫化カドミウム、フタロシアニンなど)を含む着色剤、着色防止剤(亜リン酸塩、次亜リン酸塩など)、難燃剤(赤燐、燐酸エステル、ブロム化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリカーボネート、水酸化マグネシウム、メラミンおよびシアヌール酸またはその塩など)、導電剤あるいは着色剤(カーボンブラックなど)、摺動性改良剤(グラファイト、フッ素樹脂など)、結晶核剤(タルク、有機カルボン酸金属塩など)、帯電防止剤などの1種または2種以上を添加することができる。
【0038】
また、本発明のポリ乳酸含有樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリエーテルイミドなど)または熱硬化性樹脂(例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂など)または軟質熱可塑性樹脂(例えば、エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、エチレン/プロピレンターポリマー、エチレン/ブテン−1共重合体など)などの少なくとも1種以上をさらに含有することができる
本発明の組成物の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば(A)ポリ乳酸、(B)不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位を主成分とする重合体および必要に応じてその他の添加剤を予めブレンドした後、融点以上において、一軸または二軸押出機で、均一に溶融混練する方法や溶液中で混合した後に溶媒を除く方法などが好ましく用いられる。
【0039】
本発明のポリ乳酸含有樹脂組成物は、射出成形や押出成形などの方法によって、各種成形品に加工し利用することができる。成形品としては、フィルム、シート、繊維、射出成形品、押出成形品またはブロー成形品などとして利用できる。
【0040】
フィルムまたはシートとしては、未延伸、一軸延伸、二軸延伸などの各種フィルムまたはシートとすることができる。延伸方法としては、インフレーション同時二軸延伸法、ステンター同時二軸延伸法またはステンター逐次二軸延伸法などの方法を利用することができ、中でも、製膜安定性および厚み均一性の観点において、ステンター逐次二軸延伸法が好ましい。
【0041】
また、繊維としては、未延伸糸、延伸糸、超延伸糸など各種繊維として利用することができる。
【0042】
本発明のポリ乳酸含有樹脂組成物からなる成形品は、農業用資材、園芸用資材、漁業用資材、土木・建築用資材、文具、医療用品、自動車用部品、電気・電子部品、日用品など各種用途に利用することができる。
【0043】
【実施例】
以下、実施例により本発明の構成、効果をさらに詳細に説明する。ここで、実施例中の部数は、重量部を示す。
【0044】
(1)分子量測定
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した標準ポリスチレン換算の重量平均分子量の値である。GPC測定は、検出器にWATERS社示差屈折計WATERS410を用い、ポンプにMODEL510高速液体クロマトグラフィーを用い、カラムにShodex GPC K−806MとShodex GPC K−Gを直列に接続したものを用いて行った。測定条件は、流速0.5mL/minとし、溶媒にクロロホルムを用い、試料濃度1mg/mLの溶液を0.1mL注入した。
【0045】
(2)ガラス転移温度(Tg)
配合前の各原料については、示差走査型熱量計(セイコー電子製RDC220)により、測定した。測定条件は、試料10mg、窒素雰囲気下中、昇温速度20℃/分である。
【0046】
配合後に得られたポリ乳酸含有樹脂組成物については、動的粘弾性測定装置(東洋ボールドウィン製レオバイブロンDDV−II−EA)によりtanδを測定し、そのピーク値をガラス転移温度とした。測定条件は、チャック間30mmの引張りモード用セルに試験片を装着した後、昇温速度2℃/分、周波数3.5Hzに設定した。試験片の成形は、プレス成形機を用い、200℃で5分間加圧後、30℃のプレス成形機を用いて2分間冷却し、厚み約0.05mmのプレスフィルムを作製し、これを40mm×2mmの短冊状に切り出し試験片とした。
【0047】
(3)柔軟性
引張弾性率により三段階で判定した。すなわち、引張弾性率が500MPa未満の場合(柔軟性に特に優れる)は◎、引張弾性率が500MPa以上、1700MPa未満の場合(柔軟性に優れる)は○、引張弾性率が1700MPa以上の場合(柔軟性に劣る)は×とした。なお、引張弾性率は、引張試験機(テンシロン製引張試験機UTA2.5T)を用いて、試料長20mm、引張速度5mm/分の条件で測定した。試験片は、プレス成形機を用い、200℃で5分間加圧後、30℃のプレス成形機を用いて2分間冷却し、厚み1mmのプレスシートとしたものを切り出し試験片とした。
【0048】
(4)透明性
目視により、三段階で判定した。すなわち、上記(2)で作製したプレスフィルムについて、その透明性が高い場合(特に優れる)は◎、やや濁りがある場合(優れる)は○、白濁し不透明な場合(不良)は×とした。
【0049】
(5)ブリードアウト
上記(2)で作製したプレスフィルムを30mm×20mmの長方形状に切り出した試験片を140℃で1時間処理した後、その表面についての目視および手で触れた感触に加え、熱処理前後での重量減少割合により、三段階で判定した。すなわち、表面に析出物がなく重量減少割合が1重量%未満の場合(特に優れる)は◎、表面に析出物が若干あり、重量減少割合が1重量%以上、5重量%未満である場合(優れる)は○、表面に析出物があり、重量減少割合が5重量%以上である場合(不良)は×とした。
【0050】
(6)不揮発成分
試料10gを窒素雰囲気下、110℃で1時間加熱した後の残量から、残量割合を算出し、不揮発成分とした。
【0051】
[参考例1](A)ポリ乳酸
(A−1)
市販のL-ラクチド 50部を撹拌装置のついた反応容器中で、窒素雰囲気下、120℃で均一に溶解させた後、温度を140℃にし、オクチル酸錫 0.05部を加えた後、1時間重合反応させた。重合反応終了後、反応物をクロロホルムに溶解させ、メタノール(クロロホルムの10倍量)中で撹拌しながら沈殿させ、モノマーを完全に除去して、ポリ−L−乳酸(A−1)を得た。得られた(A−1)のTgは、59℃であり、融点は、171℃であり、D体の含有量は、1.2モル%であり、重量平均分子量は、16万であった。
【0052】
[参考例2](B)不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位を主成分とする重合体
【0055】
(B−1)
撹拌装置、環流装置および滴下装置のついた反応容器を使用し、モノマーとしてアクリル酸エチル94部およびメタクリル酸グリシジル6部、溶媒としてベンゼン、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルおよび連鎖移動剤としてn−ラウリルメルカプタンを用いて80℃、1時間溶液重合を行い、重合反応終了後、0.13kPaの減圧下にて、溶媒および残存モノマーを除去し、アクリル系重合体(B−1)を得た。得られた(B−1)のTgは、−35℃であり、重量平均分子量は3000であった。また、不揮発成分は97重量%以上であった。
【0056】
(B−2)
撹拌装置および滴下装置のついた反応容器を使用し、モノマーとしてアクリル酸エチル94部およびメタクリル酸グリシジル6部の混合モノマーおよび重合開始剤として過酸化ジ−t−ブチルの混合物を連続的に供給しながら、250℃および2.5MPaの条件で、滞留時間15分として重合を行った。重合物を連続的に反応容器から取り出した後、0.13kPaの減圧下にて、残存モノマーを除去し、アクリル系重合体(B−2)を得た。得られた(B−2)のTgは、−39℃であり、重量平均分子量は2200であった。また、不揮発成分は99重量%以上であった。なお、硫黄化合物(連鎖移動剤)を用いていないことから、硫黄臭は全くなかった。
【0059】
[参考例3](C)可塑剤およびアクリル系重合体
(C−1)
大八化学工業社製可塑剤トリアセチン(分子量218)を使用した。Tgは、観測できなかった。
【0060】
(C−2)
和光純薬工業社製ポリエチレングリコール2000(重量平均分子量2000)を使用した。Tgは、−64℃であった。
【0061】
(C−3)
旭電化社製アジピン酸系可塑剤PN−400(重量平均分子量2000)を使用した。Tgは、−6℃であった。
【0062】
(C−4)
アルドリッチ社製ポリアクリル酸メチル(重量平均分子量3.7万)を使用した。Tgは、11℃であった。
【0063】
(C−5)
アルドリッチ社製ポリアクリル酸エチル(重量平均分子量9.5万)を使用した。Tgは、−15℃であった
(C−6)
アルドリッチ社製ポリアクリル酸ブチル(重量平均分子量9.9万)を使用した。Tgは、−48℃であった。
【0064】
(C−7)
アルドリッチ社製ポリアクリル酸−2−エチルへキシル(重量平均分子量9.2万)を使用した。Tgは、−55℃であった。
【0065】
(C−8)
撹拌装置、環流装置および滴下装置のついた反応容器を使用し、モノマーとしてアクリル酸メチル70部およびアクリル酸−n−ブチル30部、溶媒としてベンゼン、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルおよび連鎖移動剤として、n−ラウリルメルカプタンを用いて80℃、1.5時間溶液重合を行い、重合反応終了後、0.13kPaの減圧下にて、溶媒および残存モノマーを除去し、アクリル系重合体(C−8)を得た。得られた(C−8)のTgは、−10℃であり、重量平均分子量は38000であった。また、不揮発成分は97%以上であった。
【0066】
[実施例1〜2、比較例1〜9]
表1に示す配合組成に従い、二軸押出機を用いて、温度210℃で溶融押出し、ペレット状のポリ乳酸含有樹脂組成物を得た。得たペレットをプレス成形機にて、フィルムまたはシートとし、試験片を切り出し評価を行った。
【0067】
各試験片の評価結果を表1に示した。
【0068】
【表1】
【0069】
表1の実施例、比較例より以下のことが明らかである。
実施例1〜2と比較例1〜9との比較から、重量平均分子量が3万以下である不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位を主成分とする重合体を混合することにより、単一のガラス転移温度を示す相溶性配合物が得られ、その相溶性配合物が柔軟性、透明性に優れ、ブリードアウトが少ない材料となったことが分かる。さらに、実施例1〜2においては、柔軟性、透明性に顕著に優れ、加熱による重量減少割合が極めて少なくブリードアウトが特に少ない材料が得られている。なお、低分子量の可塑剤を混合した比較例2〜4では、相溶性配合物が得られるものの、ブリードアウト現象が著しく、重量平均分子量が3.7万のポリアクリル酸メチルを混合した比較例5では、相溶性配合物が得られるものの、柔軟性が不十分である。また、重量平均分子量が3万を越える不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位を主成分とする重合体を混合した比較例6〜9では、2点のガラス転移温度が観測されていることから相溶性配合物が得られず、また、柔軟性、透明性が劣り、ブリードアウト現象も著しいものしか得られなかったことがわかる。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、柔軟性に優れ、かつ透明性を有し、さらにブリードアウトが少ないポリ乳酸含有樹脂組成物を提供することができる。また、本発明のポリ乳酸含有樹脂組成物は、各種成形品として、特にフィルムなどに用いることができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a polylactic acid-containing resin composition having excellent flexibility, transparency, and low bleed-out, and a molded product comprising them.
[0002]
[Prior art]
Recently, biodegradable polymers that are decomposed in the natural environment by the action of microorganisms existing in the soil and water have attracted attention from the viewpoint of global environmental conservation, and various biodegradable polymers have been developed. Among these, as a biodegradable polymer that can be melt-molded, for example, a polyethylene succin comprising an aliphatic dicarboxylic acid component such as polyhydroxybutyrate, polycaprolactone, succinic acid or adipic acid and a glycol component such as ethylene glycol or butanediol. Nate, polybutylene adipate, polylactic acid and the like are known.
[0003]
Polylactic acid is relatively inexpensive and has a heat resistance of about 170 ° C., and is expected as a biodegradable polymer that can be melt-molded. In addition, lactic acid, which is a monomer, has recently been manufactured at low cost by fermentation using microorganisms, and it has become possible to produce polylactic acid at a much lower cost, so that not only as a biodegradable polymer, Use as a general-purpose polymer has also been studied.
[0004]
However, polylactic acid has a property that it is highly rigid and fragile, and there is a problem that it is difficult to use in applications that require flexibility.
[0005]
As a method of solving this problem, a method of adding a plasticizer has been studied, but when this method is applied to polylactic acid, a plasticizer is deposited on the surface, so-called bleedout phenomenon occurs, There was a problem that transparency of polylactic acid was impaired.
[0006]
As another method, a method of mixing a polymer having a low glass transition temperature has been studied. However, when this method is applied to polylactic acid, flexibility is insufficient or the transparency of polylactic acid is low. There are problems such as damage and occurrence of a bleed-out phenomenon.
[0007]
On the other hand, Polymer, 39 (26), 6891 (1998) has a glass transition temperature lower than that of polylactic acid and a molecular weight of about 40,000, so that the glass transition temperature of the mixture is reduced. It is described that it decreases. However, in this method, the transparency of polylactic acid is not impaired, but the glass transition temperature of polymethyl acrylate used is not so low, so that the effect of imparting flexibility is insufficient.
[0008]
As described above, no method has been found so far that can soften polylactic acid and can also suppress the bleed-out phenomenon without impairing the transparency of polylactic acid.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been achieved as a result of studying the solution of the above-described problems in the prior art as an object. The object of the present invention is to have excellent flexibility, transparency, and bleed out. An object of the present invention is to provide a resin composition containing a small amount of polylactic acid and a molded product comprising them.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
That is, the present invention
(1) A polymer mainly comprising (A) polylactic acid and (B) an unsaturated carboxylic acid alkyl ester unit(Excluding crosslinked polymer)And (B) has a weight average molecular weight of 30,000 or less, and (B) further comprises at least one selected from glycidyl group-containing vinyl units and unsaturated dicarboxylic anhydride units. A polylactic acid-containing resin composition characterized by containing,
(2) The polylactic acid-containing resin composition as described in (1) above, wherein the weight average molecular weight of (B) is 5000 or less and 300 or more,
(3) The polylactic acid-containing resin composition according to any one of (1) to (2) above, wherein the glass transition temperature of (B) is 10 ° C. or lower,
(4) The unsaturated carboxylic acid alkyl ester unit of (B) is an acrylate unit, (1) to (1) above3)A polylactic acid-containing resin composition according to any one of
(5) Above (1) to (4)A molded article comprising the polylactic acid-containing resin composition according to any one of
(6) (1) to (4)A film or sheet comprising the polylactic acid-containing resin composition according to any one of the above.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The polylactic acid (A) of the present invention is a polymer obtained by polymerizing L-lactic acid and / or D-lactic acid as a main component, but in a range that does not impair the object of the present invention, preferably 20 mol% or less, Particularly preferably, it is 10 mol% or less, and other copolymerization components other than lactic acid may be copolymerized.
[0012]
Examples of such other copolymer components include polycarboxylic acids, polyhydric alcohols, hydroxycarboxylic acids, and lactones. Specifically, oxalic acid, malonic acid, succinic acid, glutaric acid, adipic acid, Azelaic acid, sebacic acid, dodecanedioic acid, fumaric acid, cyclohexanedicarboxylic acid, terephthalic acid, isophthalic acid, phthalic acid, 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, 5-sodium sulfoisophthalic acid, 5-tetrabutylphosphonium sulfoisophthalic acid, etc. Polyvalent carboxylic acids, ethylene glycol, propylene glycol, butanediol, heptanediol, hexanediol, octanediol, nonanediol, decanediol, 1,4-cyclohexanedimethanol, neopentyl glycol, glycerin, trimethylo Propane, pentaerythritol, bisphenol A, aromatic polyhydric alcohol obtained by addition reaction of bisphenol with ethylene oxide, polyhydric alcohols such as diethylene glycol, triethylene glycol, polyethylene glycol, polypropylene glycol, polytetramethylene glycol, glycolic acid, Hydroxycarboxylic acids such as 3-hydroxybutyric acid, 4-hydroxybutyric acid, 4-hydroxyvaleric acid, 6-hydroxycaproic acid, hydroxybenzoic acid, glycolide, ε-caprolactone glycolide, ε-caprolactone, β-propiolactone, δ- Lactones such as butyrolactone, β- or γ-butyrolactone, pivalolactone, and δ-valerolactone can be used.
[0013]
(A) In order to obtain high heat resistance with polylactic acid, it is preferable that the optical purity of the lactic acid component is high, and it is preferable that 80 mol% or more of the L-form or D-form is contained in the total lactic acid component. It is preferably contained at 90 mol% or more, particularly preferably 95 mol% or more.
[0014]
(A) As a method for producing polylactic acid, a known polymerization method such as a direct polymerization method from lactic acid or a ring-opening polymerization method via lactide can be used.
[0015]
(A) The molecular weight and molecular weight distribution of polylactic acid are not particularly limited as long as it can be substantially molded, but the weight average molecular weight is preferably 10,000 or more, more preferably 40,000 or more. Particularly preferably, it should be 80,000 or more. The weight average molecular weight here is a weight average molecular weight in terms of polymethyl methacrylate measured by gel permeation chromatography (GPC) using hexafluoroisopropanol as a solvent.
[0016]
The melting point of (A) polylactic acid is not particularly limited, but is preferably 120 ° C. or higher, and more preferably 150 ° C. or higher. The melting point can be measured with a differential scanning calorimeter (DSC).
[0017]
The polymer (B) used in the present invention is a polymer having an unsaturated carboxylic acid alkyl ester unit as a main component. As long as the main component is an unsaturated carboxylic acid alkyl ester unit in the polymer (B), it may be a homopolymer or a copolymer. Examples thereof include a polymer, a block copolymer, and a graft copolymer. Here, the main component is a component that occupies 50 mol% or more, preferably 70 mol% or more, more preferably 90 mol% or more with respect to the total monomer. Moreover, the polymer which has (B) unsaturated carboxylic acid alkylester type | system | group unit as a main component can use single or 2 types or more.
[0018]
In the above polymer (B), the raw material monomer for forming the unsaturated carboxylic acid alkyl ester unit is not particularly limited, but the alkyl moiety in the alkyl ester is an alkyl group having 1 to 6 carbon atoms or a substituted group. Acrylic acid ester and / or methacrylic acid ester having an alkyl group is preferable, and acrylic acid ester is more preferable from the viewpoint that the effect of improving flexibility is great.
[0019]
Examples of the raw material monomer for forming the unsaturated carboxylic acid alkyl ester unit include, for example, methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, (meth) acrylic acid-n-propyl, (meth) acrylic acid-n- Butyl, (meth) acrylic acid-t-butyl, (meth) acrylic acid-n-hexyl, (meth) acrylic acid-2-ethylhexyl, (meth) acrylic acid cyclohexyl, (meth) acrylic acid chloromethyl, ( 2-chloroethyl (meth) acrylate, 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, 3-hydroxypropyl (meth) acrylate, (meth) acrylic acid-2,3,4,5,6-pentahydroxyhexyl Or (meth) acrylic acid-2,3,4,5-tetrahydroxypentyl, etc., and among these, the flexibility is improved. (Meth) acrylic acid methyl, ethyl (meth) acrylate, (meth) acrylic acid-n-propyl, (meth) acrylic acid-n-butyl, (meth) acrylic acid-t- Butyl, (meth) acrylic acid-n-hexyl, and (meth) acrylic acid-2-ethylhexyl are preferred, methyl acrylate or ethyl acrylate is more preferred, and ethyl acrylate is most preferred. These may be used alone or in combination of two or more.
[0020]
In addition, (B) a polymer mainly composed of unsaturated carboxylic acid alkyl ester unitsTheRicidyl group-containing vinyl unitsandUnsaturated dicarboxylic anhydride unitIt is necessary to contain at least one selected fromThese units can be used alone or in combination of two or more.By containing these, the effect of improving flexibility can be obtained. In addition, in the polymer having (B) an unsaturated carboxylic acid alkyl ester-based unit as a main component, if necessary, a polymer further containing other units can be used. For example, aliphatic It may contain vinyl units, aromatic vinyl units, vinyl cyanide units, maleimide units, unsaturated dicarboxylic acid units or other vinyl units, and these units may be used alone or in combination of two or more. Can be used.
[0021]
The raw material monomer for forming the glycidyl group-containing vinyl-based unit is not particularly limited, and glycidyl (meth) acrylate, glycidyl itaconate, diglycidyl itaconate, allyl glycidyl ether, styrene-4-glycidyl ether or 4- Examples thereof include glycidyl styrene. Among them, glycidyl (meth) acrylate is preferably used. These may be used alone or in combination of two or more.
[0022]
Examples of the raw material monomer that forms the unsaturated dicarboxylic acid anhydride unit include maleic anhydride, itaconic anhydride, glutaconic anhydride, citraconic anhydride, or aconitic anhydride, among which maleic anhydride is preferably used. . These may be used alone or in combination of two or more.
[0023]
The raw material monomer for forming the aliphatic vinyl unit is ethylene, propylene or butadiene, and the aromatic vinyl unit is styrene, α-methylstyrene, 1-vinylnaphthalene, 4-methylstyrene, 4-propyl. The raw material monomers for forming vinyl cyanide units such as styrene, 4-cyclohexyl styrene, 4-dodecyl styrene, 2-ethyl-4-benzyl styrene, 4- (phenylbutyl) styrene or halogenated styrene include acrylonitrile, methacrylate. Examples of raw material monomers that form maleimide units such as nitrile and ethacrylonitrile include maleimide, N-methylmaleimide, N-ethylmaleimide, N-propylmaleimide, N-isopropylmaleimide, N-cyclohexylmaleimide As raw material monomers for forming unsaturated dicarboxylic acid units such as N-phenylmaleimide, N- (p-bromophenyl) maleimide or N- (chlorophenyl) maleimide, maleic acid, maleic acid monoethyl ester, itaconic acid, phthalic acid As other raw material monomers for forming vinyl units such as acrylamide, methacrylamide, N-methylacrylamide, butoxymethylacrylamide, N-propylmethacrylamide, N-vinyldiethylamine, N-acetylvinylamine, allylamine, methallylamine N-methylallylamine, p-aminostyrene, 2-isopropenyl-oxazoline, 2-vinyl-oxazoline, 2-acryloyl-oxazoline, 2-styryl-oxazoline, etc. Can be used alone or in combination of two or more.
[0024]
The polymer having (B) the unsaturated carboxylic acid alkyl ester unit as the main component of the present invention is required to have a weight average molecular weight of 30,000 or less. When the weight average molecular weight exceeds 30,000, all of the flexibility, transparency and suppression of the bleed-out phenomenon cannot be satisfied. In addition, the weight average molecular weight is preferably 20,000 or less, more preferably 10,000 or less, even more preferably 5,000 or less, and particularly preferably 3,000 or less, in terms of higher flexibility, transparency and the effect of suppressing the bleedout phenomenon. Is most preferred. Although there is no restriction | limiting in particular in a minimum, It is preferable that it is 200 or more, and it is more preferable that it is 300 or more. If it is less than 200, the bleed-out phenomenon tends to increase.
[0025]
In general, when other polymers or plasticizers in the weight average molecular weight range defined in the present invention are blended with polylactic acid, it is usually accompanied by a remarkable bleed-out phenomenon. In the case of using a polymer having (B) an unsaturated carboxylic acid alkyl ester-based unit as a main component, the bleed-out phenomenon is remarkably suppressed.
[0026]
The molecular weight distribution of the ratio (weight average molecular weight / number average molecular weight) of the weight average molecular weight to the number average molecular weight molecular weight of the polymer having (B) an unsaturated carboxylic acid alkyl ester unit as a main component in the present invention is particularly limited. However, it is preferably 3 or less, more preferably 2 or less, further preferably 1.8 or less, and most preferably 1.6 or less.
[0027]
The weight average molecular weight and number average molecular weight described above are polystyrene-reduced weight average molecular weights measured by gel permeation chromatography (GPC) using chloroform as a solvent.
[0028]
In the present invention, the glass transition temperature of the polymer containing (B) an unsaturated carboxylic acid alkyl ester-based unit as a main component is not particularly limited, but the viewpoint of imparting the flexibility of the polylactic acid-containing resin composition. To 10 ° C. or less, preferably 5 ° C. or less, more preferably 0 ° C. or less, and most preferably −10 ° C. or less. The method for measuring the glass transition temperature is not particularly limited, and any of a method of measuring with a differential scanning calorimeter (DSC) and a method of measuring with a dynamic viscoelasticity test can be used.
[0029]
In the polymer having (B) an unsaturated carboxylic acid alkyl ester-based unit as a main component in the present invention, unreacted raw material monomers, solvents, and the like remain, and thus usually contains a volatile component. The amount of the non-volatile component that is the balance is not particularly limited, but it is preferable that the non-volatile component amount is large from the viewpoint of suppressing gas generation. Specifically, it is preferably 95% by weight or more, more preferably 97% by weight or more, further preferably 98% by weight or more, and most preferably 98.5% by weight or more. preferable. In addition, the non-volatile component here represents the remaining amount ratio when the sample 10g is heated at 110 degreeC for 1 hour in nitrogen atmosphere.
[0030]
In the polymer having (B) an unsaturated carboxylic acid alkyl ester unit as a main component in the present invention, a sulfur compound may be used as a chain transfer agent (molecular weight modifier) in order to obtain a low molecular weight product. In that case the polymer usually contains sulfur. The sulfur content of the polymer mainly composed of the unsaturated carboxylic acid alkyl ester unit (B) used in the present invention is not particularly limited, but from the viewpoint of suppressing unpleasant odor, the sulfur content is Less is preferable. Specifically, the sulfur atom is preferably 1000 ppm or less, more preferably 100 ppm or less, further preferably 10 ppm or less, and most preferably 1 ppm or less.
[0031]
In the present invention, (B) a method for producing a polymer mainly comprising an unsaturated carboxylic acid alkyl ester unit is not particularly limited, and known methods such as bulk polymerization, solution polymerization, suspension polymerization, and emulsion polymerization are known. The polymerization method can be used. When these methods are used, a polymerization initiator, a chain transfer agent, a solvent, and the like may be used. These are mainly obtained from (B) an unsaturated carboxylic acid alkyl ester-based unit. It may remain as an impurity in the polymer. The amount of these impurities is not particularly limited, but it is preferable that the amount of impurities is small from the viewpoint of suppressing a decrease in heat resistance and weather resistance. Specifically, the amount of impurities is preferably 10% by weight or less with respect to the finally obtained polymer (B), more preferably 5% by weight or less, further preferably 3% by weight or less, particularly preferably 1% by weight or less. Most preferably it is.
[0032]
As a method for producing a polymer mainly composed of an unsaturated carboxylic acid alkyl ester unit (B) that satisfies the molecular weight, molecular weight distribution, glass transition temperature, nonvolatile component amount, sulfur content, impurity amount, etc. Is a method in which continuous bulk polymerization is performed at a high temperature of 150 ° C. or higher and under a pressurized condition (preferably 1 MPa or higher) in a short time (preferably 5 to 30 minutes), which has a high polymerization rate, contains impurities and sulfur. It is more preferable because a polymerization initiator, a chain transfer agent and a solvent that cause the above are not used.
[0033]
The weight ratio of (A) polylactic acid in the present invention to (B) a polymer mainly composed of an unsaturated carboxylic acid alkyl ester unit is not particularly limited, but (A) 100 parts by weight of polylactic acid On the other hand, (B) 100 parts by weight or less, more preferably 50 parts by weight or less, and most preferably 30 parts by weight or less, of the polymer mainly composed of unsaturated carboxylic acid alkyl ester units. Although there is no restriction | limiting in particular about a minimum, It is preferable that it is 1 weight part or more, Furthermore, 5 weight part or more, It is especially 10 weight part or more.
[0034]
The polylactic acid-containing resin composition of the present invention comprises a polymer mainly composed of (A) polylactic acid and (B) an unsaturated carboxylic acid alkyl ester unit, but in a preferred embodiment, it is a compatible blend. . As used herein, “compatible” is used to describe a mixture of polymers that forms a homogeneous phase within the amorphous phase at the molecular level. When one or both of the formulations forms both a crystalline phase and an amorphous phase, compatible means that the amorphous phase is mixed at the molecular level.
[0035]
The determination of compatibility in a formulation can be made in several ways.
[0036]
The most common method for judging the compatibility is a method for judging by the glass transition temperature. In compatible formulations, the glass transition temperature varies from that of each individual and often exhibits a single glass transition temperature. This method can also be used in the present invention, and the polylactic acid-containing resin composition of the present invention preferably exhibits a temperature lower than the glass transition temperature of polylactic acid alone.
[0037]
In the polylactic acid-containing resin composition of the present invention, ordinary additives such as fillers (talc, clay, mica, sericite, zeolite, bentonite, montmorillonite, synthetic mica, Dolomite, kaolin, fine silica, feldspar, potassium titanate, shirasu balloon, calcium carbonate, magnesium carbonate, barium sulfate, calcium sulfate, calcium phosphate, magnesium phosphate, calcium oxide, aluminum oxide, titanium oxide, aluminum silicate, oxidation Silicon, gypsum, glass fiber, carbon fiber, metal fiber, natural fiber, organic fiber, glass flake, glass bead, ceramic fiber, ceramic bead, asbestos, wollastonite, Novaclite, dosonite or clay), UV absorber Lucinol, salicylate, benzotriazole, benzophenone, etc.), heat stabilizer (hindered phenol, hydroquinone, phosphites and their substitutes, etc.), lubricant, mold release agent (montanic acid and its salt, its ester, its half ester) , Stearyl alcohol, stearamide and polyethylene wax), colorants including dyes (such as nigrosine) and pigments (such as cadmium sulfide, phthalocyanine), anti-coloring agents (such as phosphites and hypophosphites), flame retardants (such as Red phosphorus, phosphoric ester, brominated polystyrene, brominated polyphenylene ether, brominated polycarbonate, magnesium hydroxide, melamine and cyanuric acid or salts thereof), conductive agent or colorant (carbon black, etc.), slidability improver ( Grafi , Fluorine resin), the crystal nucleating agent (talc, organic carboxylic acid metal salt), can be added one or more antistatic agents.
[0038]
In addition, the polylactic acid-containing resin composition of the present invention includes other thermoplastic resins (for example, polyethylene, polypropylene, acrylic resin, polyamide, polyphenylene sulfide resin, polyether ether ketone resin) within a range that does not impair the object of the present invention. Polyester, polysulfone, polyphenylene oxide, polyacetal, polyimide, polyetherimide, etc.) or thermosetting resin (eg phenol resin, melamine resin, polyester resin, silicone resin, epoxy resin etc.) or soft thermoplastic resin (eg ethylene / Glycidyl methacrylate copolymer, polyester elastomer, polyamide elastomer, ethylene / propylene terpolymer, ethylene / butene-1 copolymer, etc.) Can Rukoto
The method for producing the composition of the present invention is not particularly limited. For example, (A) polylactic acid, (B) a polymer mainly containing an unsaturated carboxylic acid alkyl ester unit, and other components as necessary. A method of uniformly melting and kneading the above additives in a single or twin screw extruder at a temperature equal to or higher than the melting point and a method of removing the solvent after mixing in a solution are preferably used.
[0039]
The polylactic acid-containing resin composition of the present invention can be processed into various molded products and used by methods such as injection molding and extrusion molding. As a molded product, it can be used as a film, sheet, fiber, injection molded product, extrusion molded product, blow molded product, or the like.
[0040]
As the film or sheet, various films or sheets such as unstretched, uniaxially stretched, and biaxially stretched can be used. As the stretching method, a simultaneous inflation biaxial stretching method, a stenter simultaneous biaxial stretching method, or a stenter sequential biaxial stretching method can be used, and in particular, from the viewpoint of film formation stability and thickness uniformity, the stenter A sequential biaxial stretching method is preferred.
[0041]
Moreover, as a fiber, it can utilize as various fibers, such as an undrawn yarn, a drawn yarn, and a super drawn yarn.
[0042]
Molded articles made of the polylactic acid-containing resin composition of the present invention are various materials such as agricultural materials, horticultural materials, fishery materials, civil engineering / architectural materials, stationery, medical supplies, automotive parts, electrical / electronic parts, daily necessities, etc. Can be used for applications.
[0043]
【Example】
Hereinafter, the configuration and effects of the present invention will be described in more detail by way of examples. Here, the number of parts in the examples indicates parts by weight.
[0044]
(1) Molecular weight measurement
It is a value of weight average molecular weight in terms of standard polystyrene measured by gel permeation chromatography (GPC). The GPC measurement was performed using a WATERS differential refractometer WATERS410 as a detector, a MODEL510 high performance liquid chromatography as a pump, and a column with Shodex GPC K-806M and Shodex GPC K-G connected in series. . The measurement conditions were a flow rate of 0.5 mL / min, chloroform was used as a solvent, and 0.1 mL of a solution having a sample concentration of 1 mg / mL was injected.
[0045]
(2) Glass transition temperature (Tg)
About each raw material before a mixing | blending, it measured with the differential scanning calorimeter (Seiko Electronics RDC220). The measurement conditions are a sample 10 mg, a nitrogen atmosphere, and a temperature increase rate of 20 ° C./min.
[0046]
For the polylactic acid-containing resin composition obtained after blending, tan δ was measured with a dynamic viscoelasticity measuring device (Leo Vibron DDV-II-EA manufactured by Toyo Baldwin), and the peak value was taken as the glass transition temperature. The measurement conditions were set to a temperature rising rate of 2 ° C./min and a frequency of 3.5 Hz after mounting a test piece on a tensile mode cell with a chuck interval of 30 mm. The test piece was molded using a press molding machine, pressurized at 200 ° C. for 5 minutes, then cooled for 2 minutes using a 30 ° C. press molding machine to produce a press film having a thickness of about 0.05 mm. A test piece was cut into a 2 mm strip.
[0047]
(3) Flexibility
Judgment was made in three stages by the tensile modulus. That is, when the tensile elastic modulus is less than 500 MPa (particularly excellent in flexibility), ◎, when the tensile elastic modulus is 500 MPa or more and less than 1700 MPa (excellent in flexibility), ○, when the tensile elastic modulus is 1700 MPa or more (flexible) Is inferior). The tensile modulus was measured using a tensile tester (Tensilon tensile tester UTA2.5T) under the conditions of a sample length of 20 mm and a tensile speed of 5 mm / min. The test piece was pressed for 5 minutes at 200 ° C. using a press molding machine, then cooled for 2 minutes using a press molding machine at 30 ° C., and a 1 mm thick press sheet was cut out as a test piece.
[0048]
(4) Transparency
Judgment was made in three stages by visual inspection. That is, the press film produced in the above (2) was marked as は when the transparency was high (particularly excellent), ◯ when slightly transparent (excellent), and × when white and opaque (bad).
[0049]
(5) Bleed out
After the test piece cut into a 30 mm × 20 mm rectangular shape prepared in the above (2) was treated at 140 ° C. for 1 hour, the weight before and after the heat treatment was added to the visual and hand touch of the surface. Judgment was made in three stages according to the decreasing rate. That is, when there is no precipitate on the surface and the weight reduction ratio is less than 1% by weight (particularly excellent), there are some precipitates on the surface, and the weight reduction ratio is 1% by weight or more and less than 5% by weight ( (Excellent) was marked with ◯, and when there was a precipitate on the surface and the weight reduction ratio was 5% by weight or more (defect), it was marked with x.
[0050]
(6) Nonvolatile components
The remaining amount ratio was calculated from the remaining amount after 10 g of the sample was heated at 110 ° C. for 1 hour in a nitrogen atmosphere, and used as a non-volatile component.
[0051]
[Reference Example 1] (A) Polylactic acid
(A-1)
After 50 parts of commercially available L-lactide was uniformly dissolved at 120 ° C. under a nitrogen atmosphere in a reaction vessel equipped with a stirrer, the temperature was adjusted to 140 ° C., and 0.05 part of tin octylate was added. The polymerization reaction was performed for 1 hour. After completion of the polymerization reaction, the reaction product was dissolved in chloroform and precipitated with stirring in methanol (10 times the amount of chloroform), and the monomer was completely removed to obtain poly-L-lactic acid (A-1). . The Tg of the obtained (A-1) was 59 ° C., the melting point was 171 ° C., the content of D-form was 1.2 mol%, and the weight average molecular weight was 160,000. .
[0052]
[Reference Example 2] (B) Polymer mainly comprising unsaturated carboxylic acid alkyl ester unit
[0055]
(B-1)
Using a reaction vessel equipped with a stirrer, a reflux device and a dropping device, 94 parts of ethyl acrylate and 6 parts of glycidyl methacrylate as monomers, benzene as a solvent, azobisisobutyronitrile as a polymerization initiator and chain transfer agent Solution polymerization was carried out using n-lauryl mercaptan at 80 ° C. for 1 hour. After completion of the polymerization reaction, the solvent and residual monomer were removed under a reduced pressure of 0.13 kPa, and an acrylic polymer (B-1) Obtained (B-1) Was −35 ° C., and the weight average molecular weight was 3000. The nonvolatile component was 97% by weight or more.
[0056]
(B-2)
Using a reaction vessel equipped with a stirrer and a dropping device, a mixture of 94 parts of ethyl acrylate and 6 parts of glycidyl methacrylate as a monomer and a mixture of di-t-butyl peroxide as a polymerization initiator were continuously fed. However, the polymerization was carried out under conditions of 250 ° C. and 2.5 MPa with a residence time of 15 minutes. After continuously taking out the polymer from the reaction vessel, the residual monomer was removed under a reduced pressure of 0.13 kPa, and an acrylic polymer (B-2) Obtained (B-2) Was −39 ° C. and the weight average molecular weight was 2200. The nonvolatile component was 99% by weight or more. Since no sulfur compound (chain transfer agent) was used, there was no sulfur odor.
[0059]
[Reference Example 3] (C) Plasticizer and acrylic polymer
(C-1)
A plasticizer triacetin (molecular weight 218) manufactured by Daihachi Chemical Industry Co., Ltd. was used. Tg could not be observed.
[0060]
(C-2)
Polyethylene glycol 2000 (weight average molecular weight 2000) manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd. was used. Tg was -64 ° C.
[0061]
(C-3)
An adipic acid plasticizer PN-400 (weight average molecular weight 2000) manufactured by Asahi Denka Co., Ltd. was used. Tg was −6 ° C.
[0062]
(C-4)
Aldrich polymethyl acrylate (weight average molecular weight 37,000) was used. Tg was 11 ° C.
[0063]
(C-5)
Aldrich ethyl polyacrylate (weight average molecular weight 95,000) was used. Tg was −15 ° C.
(C-6)
Polybutyl acrylate (weight average molecular weight 99,000) manufactured by Aldrich was used. Tg was -48 ° C.
[0064]
(C-7)
Polyethyl acrylate-2-ethylhexyl (weight average molecular weight 92,000) manufactured by Aldrich was used. Tg was -55 ° C.
[0065]
(C-8)
Using a reaction vessel equipped with a stirrer, a reflux device and a dropping device, 70 parts of methyl acrylate and 30 parts of n-butyl acrylate as monomers, benzene as a solvent, azobisisobutyronitrile as a polymerization initiator and chain Using n-lauryl mercaptan as a transfer agent, solution polymerization was carried out at 80 ° C. for 1.5 hours. After completion of the polymerization reaction, the solvent and residual monomer were removed under a reduced pressure of 0.13 kPa, and an acrylic polymer ( C-8) was obtained. The obtained (C-8) had a Tg of −10 ° C. and a weight average molecular weight of 38000. The nonvolatile component was 97% or more.
[0066]
[Examples 1 to2Comparative Examples 1-9]
According to the blending composition shown in Table 1, using a twin screw extruder, it was melt extruded at a temperature of 210 ° C. to obtain a pellet-shaped polylactic acid-containing resin composition. The obtained pellet was made into a film or a sheet with a press molding machine, and a test piece was cut out and evaluated.
[0067]
The evaluation results of each test piece are shown in Table 1.
[0068]
[Table 1]
[0069]
The following is clear from the examples and comparative examples in Table 1.
Example 12From comparison with Comparative Examples 1 to 9, a phase having a single glass transition temperature is obtained by mixing a polymer mainly composed of an unsaturated carboxylic acid alkyl ester unit having a weight average molecular weight of 30,000 or less. It can be seen that a soluble blend was obtained, and that the compatible blend was excellent in flexibility and transparency and became a material with little bleed out. Furthermore, Examples 1 to2, A material that is remarkably excellent in flexibility and transparency, has a very low weight loss rate by heating, and has a particularly small bleed-out. In Comparative Examples 2 to 4 in which a low molecular weight plasticizer was mixed, although a compatible blend was obtained, a bleedout phenomenon was remarkable and a polymethyl acrylate having a weight average molecular weight of 37,000 was mixed. In 5, a compatible blend is obtained, but the flexibility is insufficient. Further, in Comparative Examples 6 to 9 in which a polymer mainly composed of an unsaturated carboxylic acid alkyl ester unit having a weight average molecular weight exceeding 30,000 was mixed, two glass transition temperatures were observed. It can be seen that the blend was not obtained, the flexibility and transparency were inferior, and only the bleed-out phenomenon was remarkable.
[0070]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to provide a polylactic acid-containing resin composition having excellent flexibility, transparency, and low bleed-out. In addition, the polylactic acid-containing resin composition of the present invention can be used as various molded articles, particularly for films.
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