JP4230431B2 - 分子の実効サイズ決定法、基板への分子の付着方法および分子検出デバイス - Google Patents

分子の実効サイズ決定法、基板への分子の付着方法および分子検出デバイス Download PDF

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Description

本発明は、バイオチップやDNAチップ等に利用される、分子の基板への付着方法とその方法を用いて作製されたデバイスに関する。
2000年に米国にて提唱されたナノテクノロジーイニシアティブの影響などもあり、近年、ナノテクノロジーが多くの人の関心を集めるキーワードとなっている。取り分け、半導体微細加工技術(半導体ナノテクノロジー)とバイオテクノロジーの融合領域であるナノバイオテクノロジーの領域は、既存の問題を根底から解決できる可能性を持つ新分野として、多くの研究開発が精力的に行われるようになった。
このナノバイオテクノロジーの鍵となる技術は、いかに半導体や金属と言った固体にDNAや蛋白質のような生体分子を付着し、固体表面に機能を持たせるかである。LB(Langmuir Brodgett)膜に代表される固体表面に物理吸着により分子を付着する方法が古くから広く知られているが、物理吸着だけでは時間とともに、あるいは繰り返しの使用により、分子の剥がれが発生する。このため、近年では、固体表面と分子との化学反応を利用した化学吸着による分子の付着が一般的になりつつある。特に、SH(チオール)基を分子の一端に配置し、S(イオウ)と金属や半導体の共有結合を利用した、化学吸着による分子の付着法が提案され研究開発に幅広く利用されている。(たとえば非特許文献1参照)
分子としてSH基を一端に配置したアルキル鎖を有する分子を用いた場合には、アルキル鎖のファンデル・ワールス力により、規則正しく配列された1分子の膜を固体上に配置することができる。この膜の作製方法は容易である。すなわち、この分子を含む溶液中に固体表面を浸すと、自発的に固体表面に単分子膜(自己組織化単分子膜)が形成される。
このアルキル鎖の一部に、DNAや蛋白質、および他の機能を有する官能基を付着させることにより、表面に機能を持つ単分子膜の形成が可能となる。(たとえば非特許文献2参照)
「ケミカルレビューズ(Chemical Reviews)」,1996年,第96巻,p.1533〜1554 「バイオコンジュゲイトケミストリー(Bioconjugate Chemistry)」,1997年,第8巻,p.31〜37 「ニュークリークアシッドリサーチ(Nucleic Acids Research)」,2001年,第29巻,p.5163〜5168 「ジャーナルオブアメリカンケミカルソサエティ(Journal of American Chemical Sciety)」,1997年,第119巻,p.8916〜8920
しかしながら、単に種々の機能を有する官能基を持つアルキル鎖を有する分子を用いて、固体表面を修飾した場合、表面に付着されるアルキル鎖を有する分子の密度(本発明では、基板等の固体表面に付着された分子の密度を「付着密度」という)をコントロールすることが困難である。
また、このような分子の化学吸着は拡散に依存することが知られており、時間による分子の付着密度の変化を観測した例が報告されているが、比較的付着密度の低い状態は短時間で達成されるため、分子−分子間の間隔が広く、分子の相互作用の影響を無視できるような低付着密度を、時間制御によって再現性良く得ることは難しい。(たとえば非特許文献3参照)
さらに、DNAや蛋白質と言った生体分子はアルキル鎖を有する通常の分子に比べ、比較的大きな分子であり、単に緻密な(すなわち、生体分子が高密度の)自己組織化単分子膜を作製した場合には、生体分子同士の立体障害が大きくなり、生体分子の自由な動きを阻害してしまう問題がある。このような表面では、生体分子同士の反応や、生体分子の熱運動に関わる信号(たとえば揺らぎ運動や屈伸運動に関わる信号)等が十分に得られなくなってしまうのである。
一方、このような分子同士の反応や、分子の運動をセンシング技術に用いたバイオセンサーの分野では、付着密度の制御や低付着密度を再現性良く作製する技術が非常に重要である。従って、固体表面に付着される分子の付着密度をコントロールする技術に対する強いニーズがある。
DNAは、水溶液中ではバックボーンであるリン酸基に負電荷を有する。このため、水溶液中ではDNA同士は静電反発する。また、電解質を含む水溶液中では、正電荷を有するイオンがDNAの周囲を取り巻き、DNAの電荷を打ち消す作用(スクリーニング効果、デバイ効果ともいう)を示すことが知られている。
このスクリーニング効果は電解質の濃度に依存する。つまり、電解質の濃度をコントロールすることにより、DNA同士の最接近距離をコントロールでき、DNAのような電荷を有する分子の最終的な付着密度を制御できる可能性がある。
しかしながら、この効果を確認した報告はあるものの定性的な検討のみであり、付着密度を予測することができない。(たとえば非特許文献4参照)
さらに、DNAのようなひも状の分子は、水溶液中でどのような構造を取っているのか不明な部分が多く、より一層このような分子の扱いを困難なものにしている。
本発明は上記の課題を解決し、固体表面に付着する分子の付着密度をコントロールできる技術を開発することを目的としている。
また、固体表面に付着した分子の溶液中での構造や挙動を明らかにでき、固体表面に付着した分子を用いるデバイスの高信頼性化や高感度化を実現できる技術を開発することを目的としている。
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになるであろう。
本発明の一態様によれば、電解質と電荷を有する分子とを含む溶液中の電荷を有する分子の実効サイズを、電解質によるスクリーニング効果から推定する、電荷を有する分子の実効サイズ決定法が提供される。
本発明態様により、固体表面に付着する分子の付着密度をコントロールするための電荷を有する分子の実効サイズを知ることができる。
本発明の他の一態様によれば、電荷を有する分子を基板に付着させるに際し、分子を含んだ溶液に電解質を共存させ、電解質によるスクリーニング効果を調整すること、および、溶液中の分子の実効サイズを考慮することにより、分子の付着密度をコントロールする、基板への電荷を有する分子の付着方法が提供される。
本発明態様により、所望の付着密度を実現することができる。
電解質と電荷を有する分子とを含む溶液中の電荷を有する分子の実効サイズを、上記のようにして、電解質によるスクリーニング効果から推定し、この実効サイズを上記実効サイズとして使用することが好ましい。
また、上記いずれの態様においても、どのような電解質を用いてもよいが、1価の陽イオンと1価の陰イオンとからなる電解質を使用すること、この1価の陽イオンと1価の陰イオンとからなる電解質が、NaClまたはKClまたはその混合物であることが好ましい。
本発明のさらに他の一態様によれば、上記の基板への分子付着方法を使用し、基板に付着する分子の密度をコントロールできるようになした、電荷を有する分子を基板に付着する装置が提供される。本発明態様により、所望の付着密度を持つ基板を得ることができる。
本発明のさらに他の一態様によれば、上記の基板への分子付着方法を使用し、基板に付着させる分子−分子間の距離が分子の実効的な長さの2倍以上または2倍未満になるように付着密度をコントロールした基板を、分子の検出部として使用する分子検出デバイスが提供される。
本発明態様により、固体表面に付着した分子の溶液中での構造や挙動を明らかにできる。また、信頼性が高く、感度に優れたデバイスを実現できる。
基板が導電性材料または半導体または絶縁体からなること、特に基板が金または白金からなることが好ましい。
また、上記の各発明態様において、電荷を有する分子が、蛋白質、DNA、RNA、抗体、天然または人工の1本鎖のヌクレオチド体、天然または人工の2本鎖のヌクレオチド体、アプタマー、抗体を蛋白質分解酵素で限定分解して得られる産物、蛋白質に対して親和性を有する有機化合物、蛋白質に対して親和性を有する生体高分子、これらの複合体、プラスまたはマイナスに帯電したイオン性ポリマーおよびそれらの任意の組み合わせよりなる群から選ばれる物質を含んでなるものであること、電荷を有する分子がチオール基を有すること、電荷を有する分子が蛍光色素を含んでなることが好ましい。
本発明により、固体表面に付着する分子の付着密度をコントロールでき、このことにより、固体表面に付着した分子の溶液中での構造や挙動を明らかにできる。また、固体表面に付着した分子を用いるデバイスの高信頼性化や高感度化を実現できる。
以下に、本発明の実施の形態を図、実施例等を使用して説明する。なお、これらの図、実施例等及び説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。
固体表面に必要とする分子を付着する場合、この分子を含んだ溶液中に固体を浸す方法が一般的である。このとき、付着する分子に溶液中で帯電する(電荷を有する)ものを使用したり、電荷を有する物質を結合させたものを用いたりすることにより、分子の静電反発が起こる。このため、一旦固体表面に付着した分子のまわりには、静電反発により、他の分子が近づくことができない。
なお、本発明では、電荷を有する分子および電荷を有する物質を結合させた分子等を総称して、単に「電荷を有する分子」または「帯電分子」と呼称する。詳しくは後述する。
溶液として、電解質を含んだ水溶液を用いる場合には、分子と反対の電荷を有するイオン(カウンターイオン)が、ある一定の存在確率距離で、その分子の周りを覆い、分子の電荷を中和する。このようにして分子間の電荷を打ち消す作用をスクリーニング効果といい、このカウンターイオンの層を拡散電気二重層と呼ぶ。
拡散電気二重層の厚さは、電解質の塩濃度(イオン濃度)に依存し、電解質の塩濃度が高いほど層は薄くなる。この層の厚さはデバイ長(LDebye)として広く知られており、たとえば、1:1型の電解質(1価の陽イオンと1価の陰イオンとからなる電解質)では次式で表すことができる。
Debye=(2000NAcz22/(εrε0kT))-1/2(m)・・・(1)
ここで、NAはアボガドロ数、cは電解質のイオン濃度(moL/L)、zは電解質イオンの価数、eは単位電荷、εrは媒質の比誘電率、ε0は真空の誘電率、kはボルツマン定数、Tは絶対温度を示す。
この式より、電解質のイオン濃度を変化させたときのLDebyeの変化を簡単に推定することができる。図1に、たとえばNaClのような1:1型の電解質のイオン濃度を変化させた場合のLDebyeの変化を示す。電解質のイオン濃度の高い領域では、LDebyeは小さく、スクリーニング効果が大きいことがわかる。すなわち、このような電解質のイオン濃度の領域では、帯電分子間の静電反発が抑えられ、付着密度の高い帯電分子の膜の作製が可能と予測できる。さらに、このスクリーニング効果と溶液中の帯電分子の大きさを考慮に入れることにより、より正確に付着密度の制御が可能となる。
このようにして、電解質として用いるイオンが決まれば、一義的にLDebyeを計算することができる。また、帯電分子の水溶液中での大きさが既知であれば、その大きさとLDebyeを考慮することにより、電解質のイオン濃度により変化する帯電分子の付着密度を計算により予測することができる。
以下に、負に帯電した球状の半径1nmの帯電分子を固体表面に付着させる場合を例に説明する。
帯電分子の静電反発が起こらないとして、フラットな固体表面に、分子一層の吸着を考えた場合には、最密充填構造として、図2に示すように、六角形状の分子膜が形成されると考えることができる。この場合の分子の付着密度(最密表面密度)は、分子の半径rを使って、
付着密度=1/(2r2√3)(cm-2)・・・(2)
と表すことができる。rが1nmの分子では2.9×1013cm-2の一定の付着密度となる。
帯電分子の静電反発を考慮し、LDebyeを考慮に入れた場合、吸着分子の層は図3に示すように分子と分子の間がLDebye×2だけ離れたものになり、付着密度は、
付着密度=1/(2(r+LDebye2√3)(cm-2)・・・(3)
と表せる。NaClのような1:1型の電解質を用い、rが1nmの分子では、図4に示すように、電解質のイオン濃度を変化させることにより付着密度をコントロールすることが可能となる。
以上は、帯電分子の水溶液中の大きさが既知の場合であるが、未知の場合であっても、一旦、実験により、所定の電解質イオン濃度での帯電分子の付着密度を測定し、この実験値から未知の分子の大きさを推定することができ、その大きさとスクリーニング効果を考慮することにより、付着密度の、電解質のイオン濃度依存性を予測することが可能となる。
すなわち、本発明に係る帯電分子の実効サイズ決定法では、電解質と帯電分子とを含む溶液中の帯電分子の実効サイズを、電解質によるスクリーニング効果から推定する。
具体的には、たとえば、式(1)を使用して電解質のイオン濃度からデバイ長を求め、このデバイ長と測定した帯電分子の付着密度データとを式(3)にあてはめれば、帯電分子の実効サイズを、前出の分子の半径とデバイ長の和である分子の実効半径として求めることができる。この場合の付着密度は、付着分子の特定の元素に注目してXPSを使って定量する方法、付着分子に放射性元素ラベルをあらかじめ付けておいて定量する方法、荷電性の付着分子の電荷を中和する酸化還元マーカーの酸化還元電流を測定して定量する方法等により求めることができる。
この場合に使用する電解質は、本発明の趣旨に反しない限りどのようなものでもよいが、耐電分子への影響を単純化する意味から、1:1型の電解質、たとえばNaClまたはKClが好ましい。この混合物であってもよい。
本発明における「帯電分子」には、すでに説明したように、単純な分子自体で電荷を有するものの他、電荷を有する物質が、電荷を有する分子または電荷を有さない分子に結合した結果、その物質と分子とがひとかたまりで電荷を有するものとなっているものや、電荷を有しない物質が、電荷を有する分子に結合した結果、その物質と分子とがひとかたまりで電荷を有するものとなっているものも含まれる。後二者の場合は、そのひとかたまりが、本発明に係る「帯電分子」である。この場合の、「結合」は、化学的結合でも物理的結合でもよいが、前者の方が結合の安定性が高く、好ましい。
上記における物質としては、蛋白質、DNA、RNA、抗体、天然または人工の1本鎖のヌクレオチド体、天然または人工の2本鎖のヌクレオチド体、アプタマー、抗体を蛋白質分解酵素で限定分解して得られる産物、蛋白質に対して親和性を有する有機化合物、蛋白質に対して親和性を有する生体高分子、これらの複合体、プラスまたはマイナスに帯電したイオン性ポリマーおよびそれらの任意の組み合わせよりなる群から選ばれる物質が好ましく、このような物質と結合できる分子としては、これらの物質と特異的に結合する性質を有するものが好ましい。
従って、本発明に係る「帯電分子」としては、蛋白質、DNA、RNA、抗体、天然または人工の1本鎖のヌクレオチド体、天然または人工の2本鎖のヌクレオチド体、アプタマー、抗体を蛋白質分解酵素で限定分解して得られる産物、蛋白質に対して親和性を有する有機化合物、蛋白質に対して親和性を有する生体高分子、これらの複合体、プラスまたはマイナスに帯電したイオン性ポリマーおよびそれらの任意の組み合わせよりなる群から選ばれる物質を含んでなるものが好ましい。本発明に係る「帯電分子」としては、基板への付着が容易にするため、チオール基を有するものが好ましい。
ここで、本発明において「ヌクレオチド体」とは、モノヌクレオチド、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドよりなる群のいずれか一つまたはその混合物を意味する。このような物質は、マイナスに帯電していることが多い。1本鎖あるいは2本鎖を用いることができる。ハイブリダイゼーションすることにより帯電分子の一部とすることもできる。なお、蛋白質、DNA、ヌクレオチド体が混在していてもよい。また、生体高分子には、生体に由来するものの他、生体に由来するものを加工したもの、合成された分子も含まれる。
上記「産物」とは、抗体を蛋白質分解酵素で限定分解して得られるものであり、本発明の趣旨に合致する限り、抗体のFabフラグメントまたは(Fab)2フラグメントや抗体のFabフラグメントまたは(Fab)2フラグメントに由来する断片、さらにはその誘導体等どのようなものを含めることもできる。
抗体としては、たとえば、モノクローナルな免疫グロブリンIgG抗体を使用することができる。また、IgG抗体に由来する断片として、たとえばIgG抗体のFabフラグメントまたは(Fab)2フラグメントを使用することもできる。更に、そのようなFabフラグメントまたは(Fab)2フラグメントに由来する断片などを使用することもできる。蛋白質に対して親和性を有する有機化合物として使用可能な例を挙げると、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)等の酵素基質アナログや酵素活性阻害剤、神経伝達阻害剤(アンタゴニスト)などがある。蛋白質に対して親和性を有する生体高分子の例としては、蛋白質の基質または触媒となる蛋白質、分子複合体を構成する要素蛋白質同士等を挙げることができる。
なお、本発明における「帯電分子」には、基板への付着により、基板表面を疎水性にしたり、親水性にしたりする役割や、DNAや蛋白質等の特殊な分子を表面に吸着させることにより、本来の固体表面が持っていなかった機能を与える役割を持たせることができる。具体的には、表面を−CH3で覆って疎水性にしたり、NH3+やCOO-で覆って、+電荷の表面や−電荷の表面とし、それぞれ親水性にすること、DNAや蛋白質を表面に吸着させること等による、機能性を持つ単分子膜の形成を例示できる。
本発明に係る、基板への帯電分子の付着方法では、帯電分子を基板に付着させるに際し、分子を含んだ溶液に電解質を共存させ、電解質によるスクリーニング効果を調整する。また、溶液中の分子の実効サイズを考慮する。
たとえば、式(3)により、分子の付着密度とデバイ長と実効サイズとが結びつけられるので、付着すべき分子の実効サイズと所望の付着密度から、所望のデバイ長を計算し、そのデバイ長になるように電解質の種類やイオン濃度を決めることができる。このようにして、所望の分子付着密度を有する基板面を得るように、分子を基板に付着させることができる。
この場合、分子の実効サイズが既知の場合にはその実効サイズを使用すればよい。分子の実効サイズが未知の場合には、上記のようにして、電解質と帯電分子とを含む溶液中の帯電分子の実効サイズを、電解質によるスクリーニング効果から推定すればよい。この場合の電解質としては、1:1型の電解質を使用することが好ましい。
このような方法を採用すると、基板に付着する分子の密度をコントロールできるようになした、帯電分子を基板に付着する装置を得ることができる。このような装置としては、本発明の目的に適う限りどのようなものであってもよい。たとえば、この装置を、半導体の加工技術をもとに非常に微細なものを作る技術を用いて作製された、機械、光学、流体と言った複数の機能部分を複合化、微細化した精密システムであるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、または、マイクロポンプ、マイクロバルブ、センサ等を小型、集積、一体化した化学分析システムであるμTAS(Micro Total Analysis System)の一部やその付属設備として設けることができる。このMEMSまたはμTASとしては、具体的には、pHセンサーやガスセンサーを例にしたイオンセンサー、DNAや蛋白質といった全体的にあるいは部分的に帯電した帯電分子の検出に使用する、DNAチップやプロテインチップといった分子検出デバイスを例示することができる。なお、本発明において「検出」には、帯電分子あるいはその帯電分子中に結合させてある物質と特異的に結合する分子の有無を判定すること、帯電分子あるいはその帯電分子中に結合させてある物質の種類や大きさや量を決定することが含まれる。
この装置を使用すれば、基板上の帯電分子の付着密度を所望の値にして、帯電分子相互の影響のない状態での帯電分子の運動を観察したり、帯電分子相互の影響を検討することが可能となる。
帯電分子相互の影響のない状態での帯電分子の運動を観察するための、帯電分子の検出に使用する分子検出デバイスとしては、上記の基板への分子付着方法を使用し、基板に付着させる分子−分子間の距離が分子の実効的な長さの2倍以上になるように付着密度をコントロールし、分子同士が物理的に接触しないようにした基板を、分子の検出部として使用するものが好ましい。
また、帯電分子相互の影響を検討するための、帯電分子の検出に使用する分子検出デバイスとしては、上記の基板への分子付着方法を使用し、基板に付着させる分子−分子間の距離が分子の実効的な長さの2倍未満になるように付着密度をコントロールし、分子同士が物理的に接触可能な状態にした基板を、分子の検出部として使用するものが好ましい。
なお、上記における分子−分子間の距離は、付着密度より求めることができる。
このような分子検出デバイスにおいて、分子を検出する方法としては、公知のどのような方法を使用してもよい。たとえば基板と電解質を含む溶液との間に電圧を印加して、その応答を電気信号として取り出す方法や、帯電分子に蛍光色素を付け、この蛍光を検出する方法等を例示することができる。
図7は、帯電分子に蛍光色素を付け、この蛍光を検出する分子検出デバイスの一例を示すものである。図7の分子検出デバイス1は、台座2上に設けたAu電極3(本発明における基板に該当する)に、蛍光色素4を持つ帯電分子5が伸張した状態(左側)、縮まった状態(右側)を表している。縮まった状態の帯電分子5は、Au電極3と対向電極8との間に外部電場印加装置9により所定の電位差を印加することにより、伸長した状態とすることができる。このことにより、蛍光色素4とAu電極3との間の距離が変化する。このとき、光照射装置10から光11を照射すると、伸張した状態(左側)の帯電分子5からは蛍光12が得られる。
本発明に係る分子検出デバイスを使用すると、固体表面に付着する分子の付着密度をコントロールでき、このことにより、固体表面に付着した分子の溶液中での構造や挙動を明らかにでき、また、固体表面に付着した分子を用いるデバイスの高信頼性化や高感度化を実現できる。
たとえば、基板表面に付着させる帯電分子として、DNAや抗体を用い、その密度を定量的にコントロールしておけば、ターゲットとなるDNAや蛋白質の溶液中での構造や挙動を明らかにできる。また、これらの情報を通じて、検出条件を最適化することにより、デバイスの高信頼性化や高感度化を実現できる。従って、その有無を判定すること、ターゲットの種類や大きさや量を決定することが容易となる。
また、機能表面の一つ一つの分子の電気的特性や物理的特性を観察して、MEMSやμ−TASとしてバイオセンサーに応用させる場合には、これらの分子が十分に離れた(すなわち立体障害を起こさない)状態を再現性良く提供する必要があるが、このような分野においても本発明の技術は非常に有効である。
さらに、これとは対照的に、付着した分子同士を結合する場合や分子間での電荷のやりとり、光学的エネルギーの移動等の場合のように周囲の分子との相互作用が必要な場合には、これらの分子が十分近接している必要があるが、このような分野においても本発明の技術は非常に有効である。
また、さらに、水溶液中での振る舞いが不明な帯電分子の機能解明にも、本発明の技術が大きく寄与でき、新しい機能性材料、機能表面の発見につながるものと期待できる。
なお、本発明に係る、基板としては、目的に応じて、金属等の導電性材料、シリコン等の半導体、ガラス、セラミックス、プラスチック、サファイア等の絶縁体のいずれでも使用することができる。導電性材料としては、導電性の物質そのものを使用する場合やガラス、セラミックス、プラスチック、金属等の表面に導電性の物質の層を設けることが考えられる。このような導電性の物質としては、単金属、合金、それらの積層体等どのようなものでもよい。Auに代表される貴金属は化学的に安定であり、好ましく使用できる。
次に本発明の実施例を詳述する。
[実施例1]
本実施例は、一本鎖オリゴヌクレオチドの水溶液中での実効半径を求め、さらに、基板に付着するオリゴヌクレオチドの付着密度を制御することに関する。
3’末端にC612のアルキル鎖を持つチオール(−C612−SH)基を導入した24残基一本鎖オリゴヌクレオチドを合成し、このチオール基をポリッシュした金電極と室温で30分間反応させて金電極に一本鎖オリゴヌクレオチドを結合した。チオール基は一本鎖の途中や5’末端に導入してもよい。反応に用いる水溶液はTrisバッファー(2−amino−2−hydroxymethylpropane−1,3−diol)10mMを含み、pH7.4に調整されていた。
電解質としてNaClを用い、電解質のイオン濃度(塩濃度)を変化させて、負電荷を有するオリゴヌクレオチドのスクリーニング効果を制御した。オリゴヌクレオチドの構造は既知であるが、水溶液中の実効サイズは不明なため、塩濃度3mM,500mM,1000mMの条件で、あらかじめ、一本鎖オリゴヌクレオチドのチオール基を金電極と反応させ、金電極表面に付着したオリゴヌクレオチドの付着密度を測定した。
図5は、1本鎖オリゴヌクレオチドの付着密度と電解質のイオン濃度の関係およびデバイ長と電解質のイオン濃度の関係を示すグラフである。図5の○印は実験で求めた付着密度である。この実験値に、(1)式と(3)式から求まる計算曲線を重ね合わせるように計算した結果、水溶液中の24残基オリゴヌクレオチドの実効サイズが半径1.9nmと求まった。
次に所望の付着密度として、3×1012cm-2にコントロールされた電極表面をこの計算曲線から得る場合には、一旦求められたこの計算曲線から、塩濃度を50mMに制御すればよいことが分かる。図中●印は塩濃度を50mMに制御してオリゴヌクレオチドを付着させた実験値である。計算から容易に所望の付着密度の塩濃度の条件を得ることができる。
また、■印は、同様のチオール基を持つ12残基一本鎖オリゴヌクレオチドを用いた場合の付着実験結果である。(1)式と(3)式から求まる計算曲線を重ね合わせるように計算した結果、この分子も水溶液中で24残基と同様の実効サイズを持つことが分かった。12残基一本鎖オリゴヌクレオチドも24残基一本鎖オリゴヌクレオチドも共にひも状の分子であるが、そのデバイ長に相違がないことから、ひも状の分子の一端にチオール基を修飾して、基板に化学的に吸着させる場合には、分子の長さがその実効サイズやデバイ長には影響しないと考えられる。
このように、本発明を利用することにより、オリゴヌクレオチドのような帯電分子の付着密度を制御できるばかりでなく、水溶液中で未知の分子の実効サイズを推定することや、付着状態の知見を得ることができる。
[実施例2]
関連する実施例として、上記の方法を用い、先端に蛍光色素を付け、反対側にチオール基を付けた12残基一本鎖オリゴヌクレオチドを、金基板に、付着密度を変化させて付着させ、その色素からの蛍光をモニターした結果を図6に示す。この蛍光色素は、金基板に近づき、あるいは接触するとクエンチング効果で減光または消光するが、金基板から離れると発光または増光する。
図6より明らかなように、付着密度を変化させることにより、(1)低密度のため、隣接するオリゴヌクレオチドと干渉せず、蛍光強度が付着密度の増加のみに依存する領域、(2)隣接するオリゴヌクレオチドと立体障害が起こり、オリゴヌクレオチドが強制的に起立させられるため、金基板へのクエンチング効果が小さくなり、蛍光強度が付着密度の増加とクエンチング効果の減少で著しく増加する中密度の領域、(3)ほとんどのオリゴヌクレオチドが起立し、クエンチング効果の変化がなくなり、ふたたび蛍光強度が密度の増加のみに依存する高密度の領域、の3つの領域を観察することができる。
このことから、本発明を使用することにより、オリゴヌクレオチドを周囲のヌクレオチドの障害を受けず、自由な運動ができる用途に使用する場合は(1)の領域に、付着した分子同士を結合する場合や分子間での電荷のやりとり、光学的エネルギーの移動等の場合のように周囲の分子との相互作用が必要な場合は(2)、(3)の領域に付着密度をコントロールしたデバイスの提供が可能である。
なお、上記に開示した内容から、下記の付記に示した発明が導き出せる。
(付記1)
電解質と電荷を有する分子とを含む溶液中の当該電荷を有する分子の実効サイズを、当該電解質によるスクリーニング効果から推定する、電荷を有する分子の実効サイズ決定法。
(付記2)
前記電解質として、1価の陽イオンと1価の陰イオンとからなる電解質を使用する、付記2に記載の電荷を有する分子の実効サイズ決定法。
(付記3)
前記1価の陽イオンと1価の陰イオンとからなる電解質が、NaClまたはKClまたはその混合物である、付記2に記載の電荷を有する分子の実効サイズ決定法。
(付記4)
前記電荷を有する分子が、蛋白質、DNA、RNA、抗体、天然または人工の1本鎖のヌクレオチド体、天然または人工の2本鎖のヌクレオチド体、アプタマー、抗体を蛋白質分解酵素で限定分解して得られる産物、蛋白質に対して親和性を有する有機化合物、蛋白質に対して親和性を有する生体高分子、これらの複合体、プラスまたはマイナスに帯電したイオン性ポリマーおよびそれらの任意の組み合わせよりなる群から選ばれる物質を含んでなるものである、付記1〜3のいずれかに記載の電荷を有する分子の実効サイズ決定法。
(付記5)
前記電荷を有する分子がチオール基を有するものである、付記1〜4のいずれかに記載の電荷を有する分子の実効サイズ決定法。
(付記6)
前記電荷を有する分子が蛍光色素を含んでなる、付記1〜5のいずれかに記載の電荷を有する分子の実効サイズ決定法。
(付記7)
電荷を有する分子を基板に付着させるに際し、当該分子を含んだ溶液に電解質を共存させ、当該電解質によるスクリーニング効果を調整すること、および、当該溶液中の当該分子の実効サイズを考慮することにより、当該分子の付着密度をコントロールする、基板への電荷を有する分子の付着方法。
(付記8)
電解質と電荷を有する分子とを含む溶液中の当該電荷を有する分子の実効サイズを、当該電解質によるスクリーニング効果から推定し、この実効サイズを前記実効サイズとして使用する、付記7に記載の基板への電荷を有する分子の付着方法。
(付記9)
前記電解質として、1価の陽イオンと1価の陰イオンとからなる電解質を使用する、付記7または8に記載の基板への電荷を有する分子の付着方法。
(付記10)
前記1価の陽イオンと1価の陰イオンとからなる電解質が、NaClまたはKClまたはその混合物である、付記9に記載の基板への電荷を有する分子の付着方法。
(付記11)
付記7〜10のいずれかに記載の基板への分子付着方法を使用し、基板に付着する分子の密度をコントロールできるようになした、電荷を有する分子を基板に付着する装置。
(付記12)
付記7〜10のいずれかに記載の基板への分子付着方法を使用し、基板に付着させる分子−分子間の距離が分子の実効的な長さの2倍以上になるように付着密度をコントロールした基板を、当該分子の検出部として使用する分子検出デバイス。
(付記13)
付記7〜10のいずれかに記載の基板への分子付着方法を使用し、基板に付着させる分子−分子間の距離が分子の実効的な長さの2倍未満になるように付着密度をコントロールした基板を、当該分子の検出部として使用する分子検出デバイス。
(付記14)
前記電荷を有する分子が、蛋白質、DNA、RNA、抗体、天然または人工の1本鎖のヌクレオチド体、天然または人工の2本鎖のヌクレオチド体、アプタマー、抗体を蛋白質分解酵素で限定分解して得られる産物、蛋白質に対して親和性を有する有機化合物、蛋白質に対して親和性を有する生体高分子、これらの複合体、プラスまたはマイナスに帯電したイオン性ポリマーおよびそれらの任意の組み合わせよりなる群から選ばれる物質を含んでなるものである、付記12または13に記載の分子検出デバイス。
(付記15)
前記電荷を有する分子がチオール基を有する、付記12〜14のいずれかに記載の分子検出デバイス。
(付記16)
前記電荷を有する分子が蛍光色素を含んでなる、付記12〜15のいずれかに記載の分子検出デバイス。
(付記17)
前記基板が導電性材料または半導体または絶縁体からなる、付記12〜16のいずれかに記載の分子検出デバイス。
(付記18)
前記基板が金または白金からなる、付記17に記載の分子検出デバイス。
1:1型電解質を用いたときのデバイ長の、電解質のイオン濃度依存性を示すグラフである。 基板に付着した分子の最密充填構造と付着密度計算の原理を示す模式図である。 デバイ長を考慮した場合の、基板に付着した分子の最密充填構造と付着密度計算の原理を示す模式図である。 デバイ長を考慮して計算された吸着分子の付着密度の、電解質のイオン濃度依存性を示すグラフである。 1本鎖オリゴヌクレオチドの付着密度と電解質のイオン濃度の関係およびデバイ長と電解質のイオン濃度の関係を示すグラフである。 蛍光強度と付着密度の関係を示すグラフである。 帯電分子に蛍光色素を付け、この蛍光を検出する分子検出デバイスの一例を示す模式図である。
符号の説明
1 分子検出デバイス
2 台座
3 Au電極
4 蛍光色素
5 帯電分子
8 対向電極
9 外部電場印加装置
10 光照射装置
11 光
12 蛍光

Claims (10)

  1. 電荷を有する分子を基板に付着させるに際し、当該分子を含んだ溶液に電解質を共存させ、当該電解質によるスクリーニング効果を調整すること、および、当該溶液中の当該分子の実効サイズを考慮することにより、当該分子の付着密度をコントロールする、基板への電荷を有する分子の付着方法。
  2. 電解質と電荷を有する分子とを含む溶液中の当該電荷を有する分子の実効サイズを、当該電解質によるスクリーニング効果から推定し、この実効サイズを前記実効サイズとして使用する、請求項に記載の基板への電荷を有する分子の付着方法。
  3. 前記電荷を有する前記分子の実効サイズは、固体表面に付着する分子の付着密度を測定し、当該測定した付着密度と、前記電解質を含む溶液濃度から算出されるデバイ長とに基づいて算出することを特徴とする、請求項2に記載の分子の実効サイズ決定法。
  4. 前記電解質として、1価の陽イオンと1価の陰イオンとからなる電解質を使用する、請求項1〜3のいずれかに記載の基板への電荷を有する分子の付着方法。
  5. 前記1価の陽イオンと1価の陰イオンとからなる電解質が、NaClまたはKClまたはその混合物である、請求項4に記載の基板への電荷を有する分子の付着方法。
  6. 請求項〜5のいずれかに記載の基板への分子付着方法を使用し、基板に付着させる分子−分子間の距離が分子の実効サイズの2倍以上になるように付着密度をコントロールした基板を、当該分子の検出部として使用する分子検出デバイス。
  7. 請求項〜5のいずれかに記載の基板への分子付着方法を使用し、基板に付着させる分子−分子間の距離が分子の実効サイズの2倍未満になるように付着密度をコントロールした基板を、当該分子の検出部として使用する分子検出デバイス。
  8. 前記電荷を有する分子が、蛋白質、DNA、RNA、抗体、天然または人工の1本鎖のヌクレオチド体、天然または人工の2本鎖のヌクレオチド体、アプタマー、抗体を蛋白質分解酵素で限定分解して得られる産物、蛋白質に対して親和性を有する有機化合物、蛋白質に対して親和性を有する生体高分子、これらの複合体、プラスまたはマイナスに帯電したイオン性ポリマーおよびそれらの任意の組み合わせよりなる群から選ばれる物質を含んでなるものである、請求項6または7に記載の分子検出デバイス。
  9. 前記電荷を有する分子がチオール基を有する、請求項6〜8のいずれかに記載の分子検出デバイス。
  10. 前記電荷を有する分子が蛍光色素を含んでなる、請求項6〜9のいずれかに記載の分子検出デバイス。
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