JP4226721B2 - 高速滑空標的 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は中距離乃至長距離ミサイルの標的に関し、より詳しくは、使用が簡単で適切に装備された民間機または軍用機から迅速かつ容易に展開することのできる、空対空および地対空の兵器発射訓練のための費用対効果の大きい高速滑空ビークルまたは高速滑空標的に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術において、中距離乃至長距離の空対空および地対空ミサイルの標的としてはジェット推進無人機がしばしば使用されている。ジェット推進無人機の能力はミサイルに対する標的の役割を果たすのに有効ではあるが、このような無人機は入手し、操作し、維持するのに非常に費用がかかる。これについて、従来のジェット推進無人機を入手するのにかかる費用は一般に約250,000〜400,000ドルであり、それに付随する資産費用と打ち上げ費用は1ミッション当たりそれぞれ約12,500ドル及び20,000ドルである。ジェット推進無人機に対する一般的な損害率が約50%であることに基づくと、前述の費用は、全費用で1ミッション当たり137,500〜210,000ドルの範囲となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明にしたがって形成された高速の滑空標的は、地対空および空対空兵器システムのための実際的な長距離標的を提供し、単一または複数の同時/流れ攻撃プロフィールを実行することが可能である。本発明の滑空標的は、費用対効果が大きく形成され、支持装置および人員の必要を最小にするため、1ミッション当たりの滑空標的に関する費用は一般的なジェット推進無人機に関する1ミッション当たりの費用の数分の1となる。本発明の滑空標的を使用することに伴う更なる利点は、滑空標的が、標準的な標的牽引装置を備えた民間機または軍用機から迅速かつ容易に展開される、もしくは発射され得るということである。本発明の滑空標的の使用に付随するこれらのおよび他の利点については以下により詳細に述べられよう。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、前端および後端を備えた胴体を有する滑空ビークルまたは滑空標的が与えられる。胴体自体は細長い、ノーズコーンとテールコーンとがそれぞれ本体の一端と他端とに取り付けられた円筒形の本体を有する。ノーズコーンは胴体の前端を形成し、テールコーンは胴体の後端を形成する。テールコーンにきわめて接近した状態で、本体に複数の尾翼、特に上部尾翼対と下部尾翼対、が取り付けられている。また、本体のほぼ重心にも固定翼部材が取り付けられており、この翼部材は、一般に互いに対向して本体から外側に向かって延伸する一対の翼部分から成る。
【0005】
胴体の他に、本発明の滑空標的は下部尾翼対の各々に可動に取り付けられた一対の操縦翼面を有する。また、滑空標的の牽引索アダプターが胴体、特に胴体本体に解放可能に取り付けられており、同アダプターは本体内部に配設された牽引索アダプター解放機構を介して操縦翼面に機械的に連結されている。本発明の滑空標的において、牽引索アダプター解放機構は、牽引索アダプターが胴体本体から分離されるまで操縦翼面が有効に設定位置に固定されるように、牽引索アダプターと操縦翼面とを連結する。
【0006】
好適な実施形態において、牽引索アダプター解放機構は、操縦翼面サーボモーターの各々に取り付けられそれによって個別に回転することができる、一対のカム部材を有する。牽引索アダプター解放機構の一対の制御ロッドはカム部材と操縦翼面とに取り付けられ、かつそれらの間に延伸し、その結果、各カム部材の回転により各操縦翼面の動作が容易となる。牽引索アダプターは、胴体本体に取り付けられた場合、操縦翼面サーボモーターによるカム部材の回転が妨げられるようにカム部材に協同的に係合される。
【0007】
操縦翼面サーボモーター、カム部材、制御ロッドに加えて、牽引索アダプター解放機構は、解放ピンサーボモーターと機械的に連結し鎖錠位置と解錠位置との間で移動可能な解放ピンを有する。解放ピンを通常鎖錠位置に配置させるバイアスばねが解放ピンに協同的に係合されている。解放ピンは、鎖錠位置にある場合、胴体本体から牽引索アダプターが分離しないように、同アダプターと協同的に係合する。解放ピンサーボモーターを作動させ、バイアスばねによって解放ピンに作用されているバイアス力を超えることにより、解放ピンの解錠位置への移動が容易となる。
【0008】
本発明の滑空標的はさらに、牽引索アダプターに取り付けられ、翼部分の各々の上部表面に沿って長手方向に延伸する、一対の翼上スポイラーを有する。本発明の滑空標的において、牽引索アダプターが胴体から分離することにより、翼上スポイラーが翼部分から分離する。これについて、牽引索アダプターは取外し可能に胴体本体に取り付けられたアーチ形のカバープレートを有する。カバープレートの曲線状の輪郭は胴体本体の輪郭と一致し、牽引索アダプターが胴体本体に取り付けられた場合には、カバープレートの外側表面と胴体本体の外側表面とが実質的に互いに面一になる。翼上スポイラーの胴体中心寄りの端部がカバープレートに取り付けられ、牽引索アダプターが胴体本体から分離すると、その結果、翼上スポイラーは固定翼部材の翼部分から取り外され、翼部分に対する揚力が回復される。翼上スポイラーは固定翼部材の揚力を実質的に減小させる役割を果たすが、このことは、牽引索を繰り出している間、滑空標的を展開降雨空気から安全に分離するのを保証し、かつ滑空標的の安定した牽引作業を保証するために必要である。翼上スポイラーは胴体本体から展開された後、牽引索アダプターのカバープレートに付着した状態で保持され、牽引索の解放された端部を安定させるのに必要な牽引力を与える役目をする。
【0009】
本発明の滑空標的はさらに滑空標的パラシュートおよびパラシュート発射機構を有し、これらは両方とも胴体本体内部に配設される。パラシュート発射機構は滑空標的パラシュートを胴体本体内部から選択的に展開させるために使用される。好適な実施形態において、パラシュート発射機構は胴体本体に解放可能に取り付けられたパラシュート扉を有する。パラシュート扉には、パラシュート発射機構の掛け金部材が協同的に係合されており、当該掛け金部材はパラシュート扉が胴体本体に取り付けられた状態である掛け金がかかった位置と、パラシュート扉が胴体本体から分離される状態である掛け金がかかっていない位置との間で移動可能である。掛け金部材にはパラシュート扉サーボモーターが協同的に係合しており、当該パラシュート扉サーボモーターは掛け金部材を掛け金がかかった位置とかかっていない位置との間で移動させるよう操縦することができる。パラシュート扉が胴体本体から分離することにより、滑空パラシュートの本体からの展開が容易となる。
【0010】
本発明の滑空標的において、牽引索アダプターは、胴体本体に取り付けられている場合、滑空標的パラシュートが胴体本体内部から展開するのを防ぐように、パラシュート発射機構と協同的に係合する。より詳しくは、牽引索アダプターは保持ロッドを有し、当該保持ロッドはパラシュート扉と協同的に係合し、牽引索アダプターが胴体本体に取り付けられている場合に、パラシュート扉を胴体本体に取り付けられた状態に保持する。牽引索アダプターを胴体本体から分離することによって、保持ロッドがパラシュート扉から容易に解放され、パラシュート扉サーボモーターにより掛け金部材が掛け金のかかっていない位置に移動されると同時に、パラシュート扉が胴体本体から分離される。
【0012】
【発明の実施の形態】
図面は本発明の好適な実施形態のみを示すためのものであり、本発明を限定することを意図していない。図面を参照すると、図1は本発明にしたがって構成された高速滑空ビークルすなわち標的10を斜視図で示したものである。当該滑空標的10は空対空および地対空兵器発射訓練で使用できるように適合されており、適切に装備された民間機または軍用機から迅速かつ容易に展開することのできる精巧かつ扱い易いミサイル標的を提供する。高性能なジェット推進無人機を打ち上げるよりも価格が低いため、滑空標的10は、地対空兵器システムに対して魅力ある現実的な標的を提供する一方で、空対空シナリオにおいてレーダーおよび赤外線誘導ミサイルに対して使用するのにも適している。
【0013】
好適な実施形態において、滑空標的10は前端14および後端16を備えた胴体12を有する。胴体12自体は、一般に円筒形で望ましくは直径が約19cm(約7.5インチ)である細長い管状本体18を有する。本体18の一端には胴体12の前端14を形成するノーズコーン20が取り付けられている。また、本体18の反対側の端には胴体12の後端16を形成するテールコーン22が取り付けられている。胴体12はさらに、テールコーン22に関してきわめて接近した状態で本体18に取り付けられた上部尾翼対24と下部尾翼対26とを有する。また、本体18のほぼ重心には、一対の固定翼部分28が取り付けられ、これらは一般に、互いに対向して本体18から外側に向かって延伸している。胴体12のノーズコーン20とテールコーン22とは、中空で、滑空標的10のレーダーおよび/または赤外線オーグメンターを収容できることが望ましい。ノーズコーン20、テールコーン22は、レーダーおよび/または赤外線オーグメンター以外にペイロードを収容するために使用することもできる。
【0014】
本発明の滑空標的10はさらに、胴体12の下部尾翼対26の各々に可動に取り付けられた一対の操縦翼面30を有する。以下により詳しく述べられるように、下部尾翼対26の操縦翼面30はサーボ機構により駆動され、「エレボン」として逆V字形の尾翼の形態で作動する。
【0015】
図1〜5、および8を参照すると、本発明の滑空標的10はさらに牽引索アダプター32を有し、当該アダプター32は胴体12の本体18に取外し可能なように取り付けられており、滑空標的10と牽引索34との接続を容易にするために使用される。以下により詳細に述べられるように、牽引索34は発射航空機36上に配設される巻き取り機械に巻き付けられる。当該牽引索アダプター32は細長いアダプター部材38を有し、アダプター部材38の一端は牽引索34の自由端に取り付けられている。アダプター部材38に加えて、牽引索アダプター32はピン部材40を有し、ピン部材40の上端部はアダプター部材38の牽引索34と連結していない方の端部と回転可能に連結している。図3、4に示されるように牽引索アダプター32のピン部材40は一般に円筒形の中心部42を有する。中心部42は、外側へ放射状に延伸するフランジ44によって、アダプター部材38に回転可能に連結されたピン部材40の上端と隔てられている。ピン部材40はさらに傾斜した肩48へと変移する円筒形の底端部46を有する。傾斜した肩48にきわめて接近した状態で、連続チャンネル50が中心部42に形成されるか中心部42の周囲に延伸する。
【0016】
アダプター部材38およびピン部材40のほかに、滑空標的10の牽引索アダプター32は、ピン部材40の中心部42に取り付けられた、アーチ形の輪郭をしたカバープレート52を有する。カバープレートの曲率は本体18の曲率と一致しており、牽引索アダプター32が本体に取り付けられた場合には、カバープレート52および本体18の外側表面が実質的に互いに面一になる。カバープレート52内のカバープレート52の側面のうちの一つに隣接する位置に配設された円形開口部に、中心部42を前進させることによって、カバープレート52のピン部材40への取り付けが容易になる。中心部42から外側へ放射状に延伸するフランジ44の下面に対してカバープレート52がアバットメントとなるために、中心部42の開口部への前進は制限される。また、牽引索アダプター32の細長い保持ロッド54の一端が、アダプター部材38と回転可能に連結されたピン部材40の上端とフランジ44との間に取り付けられる。
【0017】
図2〜5を参照すると、本発明の滑空標的10はさらに牽引索アダプター解放機構を有するが、同機構は胴体12の本体18に配設され、牽引索アダプター32が本体18から分離されるまでは操縦翼面30が設定位置に有効に固定されるように、牽引索アダプター32を操縦翼面30と機械的に連結するために使用される。牽引索アダプター解放機構は一対の操縦翼面サーボモーター56と、操縦翼面サーボモーター56の各々に取り付けられ、それによって個別に回転することができる一対のカム部材58とを有する。図4に示されるように、カム部材58は互いに鏡像の関係にあり、各カム部材は外側の耳部分60と、一般に半円形のノッチ62が内部に形成された内側のアーチ形表面とを有する。操縦翼面サーボモーター56およびカム部材58の他に、牽引索アダプター解放機構は、カム部材58と操縦翼面30とに取り付けられ、かつそれらの間に延伸する一対の細長い制御ロッド64を有する。これについて、各制御ロッド64の一端はカム部材58の各々の耳部分60に取り付けられ、制御ロッド64の他端は操縦翼面30の各々に取り付けられる。このように、あいだに制御ロッド64が伸張されるため、各操縦翼面サーボモーター56による各カム部材58の回転により、各操縦翼面30の動作が容易に行われる。
【0018】
牽引索アダプター32が本体18に適切に取り付けられるためには、ピン部材40の底端部46が牽引索アダプター解放機構のカム部材58の間に前進されなければならない。このような前進を起こすためには、カム部材58を相対回転させて、ピン部材40の底端部46を収容する円形開口部がノッチ62により一体的に形成されるような位置に、カム部材のノッチ62が配置されなければならない。ノッチ62がこの開口部を形成するようにカム部材58を回転させた場合、操縦翼面30は制御ロッド64によって、規定された設定位置に移動される。以下により詳細に述べられるように、このような操縦翼面30の規定された設定位置は、滑空標的10の展開操作の間、滑空標的10が航空機36に向かって上流へと滑空しないようにするのに適する。重要なのは、牽引索アダプター32を本体18から分離する前では、ノッチ62によって一体的に形成された開口部へとピン40の底端部46を延伸させることにより、カム部材58の相対回転が効果的に妨げられる。このように、牽引索アダプター32が本体18から離れるまでは、操縦翼面30をその規定された設定位置から移動させるようないかなる偶発的なカム部材58の回転も妨げることができる。
【0019】
滑空標的10の牽引索アダプター解放機構はさらに、本体内部において鎖錠位置と解錠位置との間で摺動可能な細長い解放ピン66を有する。図3および5に最も好適に示されるように、解放ピン66は傾斜した端部を形成し、カム部材58のノッチ62によって一体形成された開口部にピン部材40の底端部46が嵌入された場合に解放ピン66の傾斜した端部がピン部材40のチャンネル50と一直線に並ぶように、同端部は本体18内部に配向されている。解放ピン66が鎖錠位置にある場合、その傾斜した端部はチャンネル50に延伸し、したがって本体18に対するピン部材40の上方への動きが効果的に妨げられ、したがって、牽引索アダプター32の本体18からの分離も妨げられる。解放ピン66が解錠位置に移動すると、その傾斜した端部はピン部材40のチャンネル50から引っ込められ、牽引索アダプター32が本体18から分離される。
【0020】
解放ピン66は通常、本体18内部の隔壁から解放ピン66の傾斜した端部の反対側の端部まで延伸する牽引索アダプター解放機構のバイアスばね68によって鎖錠位置に配置される。解放ピン66と機械接続している解放ピンサーボモーター70を作動させると、解放ピン66の解錠位置への移動が容易になる。これについて、解放ピンサーボモーター70はピストン72を有し、同ピストン72は解放ピンサーボモーターから延伸し、解放ピンサーボモーターに対して内側および外側に往復的に移動可能である。ピストン72の末端は連結部材74の一端と回動可能に連結され、連結部材74の他端は解放ピン66に回動可能に連結される。連結部材74はさらに、そのほぼ中心において本体18の内部の隔壁と回動可能に連結している。解放ピンサーボモーター70のピストン72の外方向への動きによって、解放ピン66がピン部材40から離れ、したがってチャンネル50ないから解放ピン60の傾斜した端部が引っ込められるような方法で連結部材74が回転される。解放ピンサーボモーター70によって連結部材74に作用される力、したがって解放ピン66に作用される力は、バイアスばね68によって解放ピン66に作用されるバイアス力を超えるのに十分大きいことが理解されよう。
【0021】
図1および3に示されるように、滑空標的10は、牽引索アダプター32のカバープレート52に取り付けられた一対の細長い翼上スポイラー76も有する。より詳しくは、翼上スポイラー76が取付位置から外側に向かって延伸するように、各翼上スポイラー76の胴体中心寄りの端部がカバープレート52の各側方端のほぼ中央に取り付けられている。滑空標的10において、牽引索アダプター32が本体18に適切に取り付けられている場合(すなわち解放ピン66がピン部材40と係合し、ピン部材40の底端部46がカム部材58の間に挿入されている)、牽引索アダプター32のカバープレート52は取外し可能に本体18に取り付けられ、翼上スポイラー76は固定翼部分28の各々に沿って長手方向に延伸する。
【0022】
以下により詳細にまた述べられるように、カバープレート52はピン部材40に取り付けられているため、牽引索アダプター32を本体18から取り外すことにより、カバープレート52が本体18から容易に取り外される。そのうえ、翼上スポイラー76はカバープレート52に取り付けられているため、牽引索アダプター32を本体18から分離させた後に引き離して移動させると、カバープレート52が本体18から外れるようになることに加えて、翼上スポイラー76が固定翼部分28から取り外されるようになる。牽引索アダプター32が本体18から分離された後も、翼上スポイラー76は牽引索アダプター32、特にそのカバープレート52、に取り付けられたままであることが理解されよう。
【0023】
図6および7を参照すると、本発明の滑空標的10は滑空標的パラシュート82をさらに有する。当該パラシュート82は、牽引索アダプター解放機構とノーズコーン20との間において本体18の内部に形成されたパラシュート収納室84に通常保管される。滑空標的10から滑空標的パラシュート82(すなわちパラシュート収納室84の内部から)の選択的な展開はパラシュート発射機構86によって制御される。パラシュート発射機構86は、胴体12の本体18に取外し可能に取り付けられたパラシュート扉88を有する。パラシュート扉88が本体18に取り付けられている場合、当該扉88により本体18の内部に、特に本体内部に形成されたパラシュート収納室84に、滑空標的パラシュート82が効果的に封入される。パラシュート扉88は、本体に取り付けられ、本体の内側表面から下方に向かって延伸し、かつ中心開口部92を形成する連結部材90を有する。
【0024】
パラシュート扉88の他に、パラシュート発射機構86は掛け金部材94を有し、当該掛け金部材94はピボットピン96によりパラシュート収納室84に回動可能に連結される。バイアスばね97の一端が掛け金部材94に取り付けられ、他端が本体18内部の支持構造に取り付けられる。図6に示されるように、掛け金部材94は、そのフック部分が連結部材90の中心開口部92に延伸する状態である掛け金がかかった位置と、掛け金部材94のフック部分が連結部材90から離れて回転する状態である掛け金がかかっていない位置との間で移動可能である。掛け金部材94は通常バイアスばね97により掛け金がかかった位置に配置されている。掛け金部材94が掛け金がかかった位置にある場合、掛け金部材94とパラシュート扉88の連結部材90との協同的な係合によりパラシュート扉88を本体18から外れないようにすることができる。逆に、掛け金部材94を掛け金がかかっていない位置に移動すると、パラシュート扉88を本体18から外すことができる。
【0025】
掛け金部材94と協同的に係合しているパラシュート発射機構86のパラシュート扉サーボモーター98によって、掛け金がかかっている位置とかかっていない位置との間で掛け金部材94の移動が容易となる。パラシュートサーボモーター98はサーボモーターから上方へ向かって延伸するピストン100であって、サーボモーターに関して上方および下方へ往復移動可能なピストン100を有する。ピストン100の先端部は通常掛け金部材94と接しており、ピストン100が上方へ移動すると掛け金部材94のフック部分が回転し、パラシュート扉88の連結部材90から離れる。逆に、バイアスばね97により掛け金部材94に対してバイアス力をはたらかせると、ピストン100が下方へ移動し、その結果、掛け金部材94のフック部材が連結部材90の中心開口部92に挿入されるように掛け金部材94が回転する。パラシュート扉88が本体18から外され、滑空標的パラシュート82がパラシュート収納室84から引き出され滑空標的10から展開された場合、滑空標的パラシュート82は滑空標的パラシュート82とパラシュート収納室84との間に延伸する細長い自動索102によって滑空標的10に取り付けられた状態に保持される。
【0026】
滑空標的10が航空機36によって牽引されている最中に滑空標的パラシュート82が本体18から偶発的に展開されることは、その結果航空機36に偏揺れが作用し得るため、いかなる場合であっても極めて望ましくない。滑空標的パラシュート82の時期尚早な展開を防ぐため、牽引索アダプター32が本体18から分離する前にはパラシュート発射機構86のパラシュート扉88が本体18から外れないようにする。これについて、図1および7に示されるように、牽引索アダプター32が本体18に適切に取り付けられている場合、保持ロッド54の牽引索アダプター32のピン部材40と接着している端部とは反対側の端部が本体18に協同的に係合される。保持ロッド54は、パラシュート扉88の上に延伸し本体18に協同的に係合している場合、パラシュート扉88が本体18から分離しないように作用することが理解されよう。牽引索アダプター32が本体18から分離すると、保持ロッドの先端が本体18から離れ、したがって、保持ロッド54が完全に本体18から取り外される。重要なことに、このように取り外されることにより、掛け金94がパラシュート扉サーボモーター98により掛け金のかかっていない位置に移動されると同時に、パラシュート扉88が本体18から分離され得る。
【0027】
滑空標的10の構成要素についてこのように述べてきたが、同じ要素を使用する好適な方法を図9〜13を参照して詳述する。
滑空標的10は、同様な滑空標的を発射航空機36に取外し可能に取り付けることによって使用される。航空機36に取外し可能に取り付けられることに加えて、滑空標的10は、航空機36に装備された巻き取り機械から延伸する牽引索34の自由端にも取外し可能に取り付けられる。滑空標的10の牽引索アダプター32の使用により、牽引索34に滑空標的10を取外し可能に容易に取り付けることができる。上述したように、牽引索アダプター32が本体18に取り付けらていれる場合、ピン部材40の底端部46は、カム部材58のノッチ62によって一体的に形成された開口部に収容され、解放ピン66はピン部材40と協同的に係合される。ピン部材40の底端部46がカム部材58の間に延伸するために、滑空標的10の操縦翼面30が規定された設定位置に保持される。
【0028】
図9に示されるように、滑空標的10がその上側において航空機36に取り付けられたのち、航空機36は離陸し、高度約3048m(約10,000フィート)まで上昇する。この特定の高度に保つことに加えて、航空機36は時速約370km(約200ノット)の対気速度に保たれることが望ましい。図10に示されるように、この高度および対気速度において、滑空標的10が航空機36から分離され、次いで巻き取り機械から牽引索34が繰り出され、滑空標的10が航空機36から展開される。滑空標的10は航空機36から約50mの距離をあけて繰り出されることが望ましい。重要なことに、滑空標的10が航空機36から繰り出される時、操縦翼面30の規定された設定位置により滑空標的10のノーズコーン20でニュートラルピッチが保持され、翼上スポイラー76が固定翼部分28の揚力が有効に減小され、したがって、滑空標的10が航空機36の上方へ向かって滑空しないようにすることができる。先に示したように、滑空標的10が航空機36の後部で牽引されているときに牽引索アダプター32を本体18に付着し続けることにより、操縦翼面30の設定位置からの移動につながるようなカム部材58の回転を防止することができ、また、翼上スポイラー76を固定翼部分28上の定位置に保持することができる。
【0029】
滑空標的10が巻き取り機械から十分繰り出された後、航空機は高度約12,129m(約40,000フィート)まで上昇し、時速約648km(約350ノット)の対気速度まで加速される。航空機36がこの高度まで上昇しおよびこの対気速度まで加速されると、滑空標的10は牽引索34により航空機36の後部にて牽引され続けることが理解されよう。
【0030】
図11に示されるように、航空機36が一端好適な高度である約12,129m(約40,000フィート)に到達し、好適な対気速度である時速約648km(約350ノット)にまで加速されると、制御信号が発射制御位置から滑空標的10に発信される。これによって、解放ピンサーボモーター70の作動が促進され、解放ピン66の通常の鎖錠位置から解錠位置への移動が起こる。操縦翼面30が設定位置にあることにより滑空標的10に対するニュートラルピッチ角が保持されているために、解放ピン66が解錠位置へ移動すると、その結果ピン部材40が本体18内部から引き出される。上述したように、ピン部材40が本体18内部から解放された結果、カバープレート52および保持ロッド54が本体18から外れる。また、上述したように、カバープレート52が本体18から外れた結果、さらに、翼上スポイラー76が牽引索アダプター32、特に同アダプター32のカバープレート52に付着した状態で、翼上スポイラー76が固定翼部分28から外れる。重要なことに、牽引索アダプター32のカバープレート52および翼上スポイラー76によって牽引索34に作用される牽引力により、本体18の内部からのピン部材40の解放が起こると同時に牽引索34が滑空標的10に接触するのを防止することができる。その牽引力は、牽引索34の解放された端部が巻き付かないように同端部を安定させる役割をも果たす。
【0031】
図12を参照すると、牽引索34から滑空標的10が分離されると、同標的10の飛行は、カム部材58および制御ロッド64を介して操縦翼面30に取り付けられた操縦翼面サーボモーター56により操縦翼面30を選択的に移動させることによって、制御することができる。一旦ピン部材40が本体18から解放されると、カム部材58のノッチ62により一体的に形成された開口部から底端部46が外れることによって、カム部材58が操縦翼面サーボモーター56により個別にまたは一斉に回転し、したがって操縦翼面30の所望の動作を達成することができる、ということが理解されよう。滑空標的10の飛行中、発射制御位置から発信された信号または機内に搭載された制御コンピュータに予め据え付けられた信号により操縦翼面サーボモーター56を作動させることによって、滑空標的10の飛行を選択的に変更することができる。
【0032】
図13を参照すると、滑空標的10が地対空または空対空ミサイルによって破壊されない場合には、本体18から滑空標的パラシュート82を展開させることによって滑空標的10を回収することができる。これについて、制御信号が発射制御位置からパラシュート扉サーボモーター90へ送信され、これによってサーボモーター90の作動が促進され、掛け金部材94が通常の掛け金のかかった位置からかかっていない位置へと移動されるようになる。牽引索アダプター32が本体18から分離すると同時に保持ロッド54が本体18から外れるため、掛け金部材94が掛け金のかかっていない位置へ移動することにより、パラシュート扉88が直ちに本体18から射出される。この射出または取外しに続いて、滑空標的パラシュート82はパラシュート収納室84から直ちに展開され、滑空標的パラシュート82とパラシュート収納室84との間に延伸する自動索102を介して本体18に取り付けられたままに保持される。
【0033】
本発明の滑空標的10には、発射制御位置と操縦翼面サーボモーター56、解放ピンサーボモーター70、パラシュート扉サーボモーター98との間の通信リンクを容易にするプログラム可能なアビオニクスハードウェアが設けられる。一般に、滑空標的10を解放する前に、滑空標的10は航空機36により特定の兵器の射程外の位置まで牽引される。次に滑空標的10は発射制御位置からのアクティブ制御入力により予め計画されたプロフィールで飛行することが望ましい。ミッションの間、滑空標的10と発射制御位置との間では双方向のデータリンクが維持される。危険な状況であることが示された場合、滑空標的パラシュート82の展開により滑空標的10の前方への進行が数十メートル〜数百メートル(数百フィート)で停止してミッションが完了される。
【0034】
滑空標的10に配設されたアビオニクスハードウェアにより、非常に複雑なミッションを遂行することが可能となる。発射制御位置にいるオペレーターは旋回を指令したり、および/またはその降下速度を制御することによって、滑空標的10を操作することができる。発射制御位置にいるオペレーターへのフィードバックは一般にコンピュータ画面の地図上に映る地球投影位置決定衛星(GPS)の飛跡の形で与えられる。これについて、滑空標的10にはGPSユニットも与えられ、安全を保障する目的で航空機36を同時に追跡するために、発射航空機36自体には第2のGPSユニットが与えられることが望ましい。
【0035】
本発明の滑空標的10により単一または複数の同時/流れ攻撃プロフィールを実行することができる。上述したように、滑空標的10の対気速度および航法は機内に搭載されたアビオニクスハードウェアやGPSユニットを含めた航法装置ユニットによって制御され、このような航法装置ユニットは発射前にプログラムされ、必要であればミッションの最中に更新することも可能である。これについて、滑空標的10の航法装置ユニットにより滑空標的10が誘導かつ制御され、それによって、実時間のアクティブ制御の有無にかかわらず、滑空標的10の全滑空範囲にわたって事前に計画を立てたミッションを遂行することが可能となる。滑空標的10は、約83km(45海里)までのスタンドオフ射程(標的までの距離)において軍用航空機および商用航空機のいずれから発射することもできる。また、現行の兵器システムの必要に応じるために、パッシブまたはアクティブレーダーおよび赤外線ジェットプルーム発生機を含めたペイロード/エンハンスメントを滑空標的に追加することもできる。上述したように、GPS情報は、実時間の追跡を与えるために滑空標的10から発射制御部位に送信される。発射制御部位/追跡の場所自体は浮揚していても地上に置かれていてもよい。ただし、発射制御部位は航空機36の内部に存在することが好ましい。
【0036】
本発明の滑空標的10は対気速度200〜400KCASの範囲で操縦されることが望ましい。これについて、滑空標的10は200KCASにおいて最大の最終射程を達成するように適合され、その結果、飛行時間も最大となる。滑空標的10が高度約12,129m(40,000フィート)で展開されたのち200KCASに一定して飛行する場合、最終射程は約83km(45海里)を超える。
【0037】
本発明の追加的な修正および改良が当業者には明白であろう。したがって、本明細書に詳述および例証した部分の特定の組み合わせは単に本発明の一実施形態を示すことを意図し、本発明の精神および範囲内における代わりの装置を制限することを意図しない。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、従来用いられていたミサイル標的であるジェット推進無人機よりも費用対効果の大きい高速滑空標的が提供され、1ミッション当たりの標的にかかる費用を抑えることができる。また、本発明の滑空標的は民間機または軍用機で牽引し、適切な高度および対気速度において展開することができる。さらに、ミサイルによって滑空標的を破壊しない場合には、滑空標的本体内部に備えたパラシュートを開傘させることによって滑空標的を回収することができる。標的本体内部に制御装置を備えることにより、標的の飛行を精巧に制御することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にしたがって構成された滑空標的の正面斜視図である。
【図2】 本発明の滑空標的の中央部および後部の側面図である。
【図3】 本発明の滑空標的の牽引索アダプター、牽引索アダプター解放機構、および翼上スポイラーの斜視図である。
【図4】 図3における4−4線に沿った断面図である。
【図5】 図3に示した牽引索アダプターおよび牽引索アダプター解放機構の側面図である。
【図6】 図2における6−6線に沿った断面図である。
【図7】 本発明の滑空標的の滑空標的パラシュートおよびパラシュート発射機構の側面図である。
【図8】 牽引索アダプターのカバープレートと、牽引索アダプターの滑空標的パラシュート扉保持ロッドとを示す、本発明の滑空標的の牽引索アダプターの斜視図である。
【図9】 本発明の滑空標的の好適な使用法を一工程ごとに示した図である。
【図10】 図9に続く工程を示した図である。
【図11】 図10に続く工程を示した図である。
【図12】 図11に続く工程を示した図である。
【図13】 図12に続く工程を示した図である。
【符号の説明】
10…滑空標的、12…胴体、14…前端、16…後端、18…本体、20…ノーズコーン、22…テールコーン、24…上部尾翼対、26…下部尾翼対、30…操縦翼面、32…牽引索アダプター、52…カバープレート、54…保持ロッド、56…操縦翼面サーボモーター、58…カム部材、64…制御ロッド、66…解放ピン、68…バイアスばね、70…解放ピンサーボモーター、76…翼上スポイラー、82…滑空標的パラシュート、86…パラシュート発射機構、88…パラシュート扉、94…掛け金部材、98…パラシュート扉サーボモーター。

Claims (17)

  1. 前端と後端とを備えた胴体と、
    前記胴体に移動可能に取り付けられた少なくとも一つの操縦翼面と、
    前記胴体に解放可能に取り付けられた牽引索アダプターと、
    胴体内部に配設される牽引索アダプター解放機構であって、牽引索アダプターが胴体から分離されるまでの間操縦翼面が有効に設定位置に固定されるように牽引索アダプターと操縦翼面とを機械的に連結する牽引索アダプター解放機構と、
    を有する滑空標的。
  2. 前記少なくとも一つの操縦翼面が、胴体に移動可能に取り付けられた一対の操縦翼面から成る請求項1に記載の滑空標的。
  3. 前記胴体が、
    細長い概して円筒形の本体と、
    本体に取り付けられ胴体の前端を形成するノーズコーンと、
    本体に取り付けられ胴体の後端を形成するテールコーンと、
    前記本体に取り付けられた複数の尾翼と、
    を備え、
    前記操縦翼面が前記尾翼の各々に移動可能に取り付けられている請求項2に記載の滑空標的。
  4. 前記胴体が上部尾翼対と下部尾翼対とを有し、前記操縦翼面が下部尾翼対の各々に移動可能に取り付けられている請求項3に記載の滑空標的。
  5. 胴体が、本体に取り付けられた固定翼部材を有する請求項3に記載の滑空標的。
  6. 牽引索アダプター解放機構が、
    一対の操縦翼面サーボモーターと、
    前記操縦翼面サーボモーターの各々に取り付けられ、それによって個別に回転可能となっている一対のカム部材と、
    各カム部材の回転により操縦翼面の各々が容易に移動されるようにカム部材と操縦翼面とに取り付けられそれらの間に延伸する一対の制御ロッドと、
    を備え、
    前記牽引索アダプターであって、胴体に取り付けられた場合に操縦翼面サーボモーターによるカム部材の回転が防止されるようにカム部材と協同的に係合される牽引索アダプタ
    ーと
    を有する請求項2に記載の滑空標的。
  7. 牽引索アダプター解放機構が、さらに、
    鎖錠位置と解錠位置との間で移動可能な解放ピンと、
    解放ピンと機械的に連結し解放ピンを鎖錠位置から解錠位置へ移動させるように操作できる解放ピンサーボモーターと、
    を備え、
    前記解放ピンが鎖錠位置にある場合、胴体から牽引索アダプターが分離しないように前記解放ピンが牽引索アダプターに協同的に係合される請求項6に記載の滑空標的。
  8. 牽引索アダプター解放機構が、解放ピンと協同的に係合され、解放ピンを通常鎖錠位置に偏倚するバイアスばねをさらに有する請求項7に記載の滑空標的。
  9. 牽引索アダプターが胴体から分離することにより翼上スポイラーの胴体からの取外しが容易となるように牽引索アダプターに取り付けられた少なくとも一つの翼上スポイラーをさらに備え、翼上スポイラーは前記牽引索アダプターが胴体から展開された後も牽引索アダプターに取り付けられたままである請求項1に記載の滑空標的。
  10. 牽引索アダプターが、胴体に解放可能に取り付けられたカバープレートを備え、前記少なくとも一つの翼上スポイラーがカバープレートに取り付けられた一対の翼上スポイラーを備え、牽引索アダプターが胴体から分離されることにより胴体からカバープレートおよび翼上スポイラーが容易に取り外される請求項9に記載の滑空標的。
  11. 前記胴体が一対の固定翼部分を有し、前記固定された翼上スポイラーが固定翼部分の各々の上に取外し可能に配設されている請求項10に記載の滑空標的。
  12. 胴体内部に配設された滑空標的パラシュートと、
    滑空標的パラシュートを胴体内部から選択的に展開させるために胴体内部に配設されたパラシュート発射機構と、
    を備え、
    前記牽引索アダプターは、胴体に取り付けられている場合に滑空標的パラシュートが胴体内部から展開しないようにパラシュート発射機構と協同的に係合している請求項1に記載の滑空標的。
  13. 前記パラシュート発射機構が、
    胴体に解放可能に取り付けられたパラシュート扉と、
    パラシュート扉と協同的に係合された掛け金部材であって、パラシュート扉が胴体に接触したまま保たれる状態である掛け金がかかった位置とパラシュート扉を胴体から分離することのできる状態である掛け金がかかっていない位置との間で移動可能な掛け金部材と、
    掛け金部材と協同的に係合されたパラシュート扉サーボモーターであって、前記掛け金がかかった位置と前記掛け金がかかっていない位置との間で掛け金部材を移動させるために操縦することのできるパラシュート扉サーボモーターと、
    を備え、
    胴体からパラシュート扉を分離させることにより滑空標的パラシュートが胴体から容易に展開される請求項12に記載の滑空標的。
  14. 牽引索アダプターが保持ロッドを有し、前記保持ロッドはパラシュート扉に協同的に係合され、前記保持ロッドは牽引索アダプターが胴体に取り付けられている場合にパラシュート扉を胴体に取り付けた状態で保持し、牽引索アダプターを胴体から分離することにより保持ロッドがパラシュート扉から容易に解放され、それによって掛け金部材が掛け金がかかっていない位置へ移動すると同時に胴体からパラシュート扉が分離される請求項13に記載の滑空標的。
  15. 前端と後端とを備えた胴体と、
    胴体に移動可能に取り付けられた少なくとも一つの操縦翼面と、
    胴体に解放可能に取り付けられた牽引索アダプターと、
    胴体内部に配設された滑空標的パラシュートと、
    滑空標的パラシュートを胴体から選択的に展開させるために胴体内部に配設されたパラシュート発射機構と、
    を備え、
    前記牽引索アダプターが、胴体に取り付けられている場合に、滑空標的パラシュートが胴体内部から展開しないようにパラシュート発射機構と協同的に係合される、滑空標的であって、
    前記パラシュート発射機構が、
    胴体に解放可能に取り付けられたパラシュート扉と、
    パラシュート扉に協同的に係合された掛け金部材であって、パラシュート扉が胴体に取り付けられたままに保たれる状態である掛け金がかかった位置とパラシュート扉が胴体から分離することのできる状態である掛け金のかかっていない位置との間で移動可能な掛け金部材と、
    掛け金部材と協同的に係合されたパラシュート扉サーボモーターであって、掛け金のかかった位置とかかっていない位置との間で掛け金部材を移動させるために操縦することのできるパラシュート扉サーボモーターと、
    を備え、
    胴体からパラシュート扉が分離することにより滑空標的パラシュートが胴体から容易に展開される滑空標的。
  16. 牽引索アダプターが保持ロッドを有し、前記保持ロッドはパラシュート扉に協同的に係合され、前記保持ロッドは牽引索アダプターが胴体に取り付けられている場合にパラシュート扉を胴体に取り付けた状態で保持し、牽引索アダプターを胴体から分離することにより保持ロッドがパラシュート扉から容易に解放され、それによって掛け金部材が掛け金がかかっていない位置へ移動すると同時に胴体からパラシュートが分離される請求項15に記載の滑空標的。
  17. 胴体と、
    胴体に解放可能に取り付けられた牽引索アダプターと、
    胴体内部に配設された牽引索アダプター解放機構と、
    少なくとも一つの翼上スポイラーであって、牽引索アダプターを胴体から分離することによって翼上スポイラーを胴体から容易に取り外せるように牽引索アダプターに取り付けられた翼上スポイラーと、
    を有する滑空標的。
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