JP4223368B2 - サーモプロテクタ - Google Patents

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Description

本発明は可溶材の融点または軟化点を動作温度とするサーモプロテクタに関するものである。
電子・電気機器における異常発熱を感知し、この感知に基づくカットオフ動作で機器を電源から遮断して機器の過熱を防止し、火災の発生を未然に防止するサーモプロテクタとして、蓄積弾性歪エネルギーを利用する弾性歪エネルギー型、バイメタルスイッチのような熱応力型が存在する。
弾性歪エネルギー型としては、例えば図8の(イ)に示すように弾性金属環1'を強制的に扁平に曲げ、この曲げ弾性金属環1'を曲げ反力に抗し一対の電極4',4'に所定融点の可溶合金(はんだ)2'で固定して弾性歪エネルギーを蓄積させ、周囲温度が可溶合金2'の融点まで昇温して可溶合金が溶融されると、図8の(ロ)に示すように弾性金属環1'の弾性歪エネルギーを解放し弾性金属環1'と一方の電極4'との接合を脱離して通電を遮断するものが知られている(特許文献1参照)。
また、図9の(イ)に示すように一端にリード端子13'を取付けた金属ケース14'内に一端側から所定融点のペレット2'、座板15'、圧縮スプリング1'、座板16'を順次に収容し、更に外周が金属ケース内面に摺動接触されたコンタクト42'を収容し、リードピン貫通ブッシング17'を金属ケース14'の他端側に固定し、このブッシング17'とコンタクト42'との間に引外しスプリング18'を組み込んでリード端子13'→金属ケース14'→コンタクト42'→リードピン41'を経る導通路を構成し、周囲温度がペレット2'の融点まで昇温されてペレット2'が溶融されると、図9の(ロ)に示すように圧縮スプリング1'の圧縮応力を解放させて引外しスプリング18'の圧縮応力でリードピン41'の先端からコンタクト42'を離隔させて前記導通路を遮断するものも知られており、いわゆる、ペレットタイプ温度ヒューズと称されている(非特許文献1参照)。
前記の熱応力型としては、既述した通りバイメタルスイッチが知られている。
特開平7−29481号公報 電気工学ハンドブック1988の第818頁
しかしながら、図8に示す弾性歪エネルギー型では、可溶合金2’による弾性金属環1’の接合固定箇所が局所的であり、弾性金属環1’の反力に基づき可溶合金2’に作用する単位断面積当たりの作用力(応力)が大きく、可溶合金2’がクリープ変形し易く、このクリープ変形に基づく接合箇所の抵抗値増加による自己発熱が往々に発生し、更に、溶融合金の糸引きも生じ易く、動作誤差や動作不安定が懸念される。
また、図9に示すペレットタイプでは、座板による均圧化のためにペレットを一様に圧縮できても構造が複雑であり、小型化やコスト面での不利を免れ得ない。
更に、バイメタルタイプは復帰型であり、オン・オフの繰返しが進むにつれてヒステリシスにより動作温度が経時的に上昇する危険性がある。
本発明の目的は、弾性歪エネルギーをはんだ等の可溶材による接合固定で支持している弾性体の弾性歪エネルギーが可溶体の溶融で解放されて動作するタイプのサーモセンサの長期安定性を保証し、かかるサーモセンサを使用するサーモプロテクタの動作の信頼性の向上を図ることにある。
請求項1に係るサーモプロテクタは、所定曲率半径の弾性導電材の両端部を重ねた状態で前記所定曲率半径よりも大なる半径の環状体に拡径成形しその両端部を可溶材で接合して弾性歪エネルギーを付与し、可溶材の溶融乃至は軟化による弾性歪エネルギーの解放で前記所定曲率半径の環状体に縮径させるように可溶材の融点乃至は軟化点を動作温度とするサーモセンサを一対の電極間に挾持したことを特徴とする。
請求項2に係るサーモプロテクタは、請求項1のサーモプロテクタにおいて、弾性導電材が金属単体、または樹脂と導電性粒子との混合体であることを特徴とする。
請求項3に係るサーモプロテクタは、請求項1のサーモプロテクタにおいて、弾性導電材が金属箔と樹脂との積層体であり、環状体の外周面が金属箔面であることを特徴とする。
請求項4に係るサーモプロテクタは、請求項1〜3何れかのサーモプロテクタにおいて、接合される弾性導電材両端部の接合面に、孔、窪みまたは切欠きを設けて可溶材を食い込ませたことを特徴とする。
請求項5に係るサーモプロテクタは、請求項1〜4何れかのサーモプロテクタにおいて、接合される弾性導電材両端部の接合面を粗面としたことを特徴とする。
請求項6に係るサーモプロテクタは、請求項1〜4何れかのサーモプロテクタにおいて、可溶材が低融点金属であることを特徴とする。
請求項7に係るサーモプロテクタは、請求項1〜4何れかのサーモプロテクタにおいて、可溶材が熱可塑性樹脂であることを特徴とする。
請求項8に係るサーモプロテクタは、請求項1〜7何れかのサーモプロテクタにおいて、弾性導電材環状体が多重コイル状であることを特徴とする。
請求項9に係るサーモプロテクタは、請求項1〜8何れかのサーモプロテクタにおいて、電極間の間隔GがR>G>rであることを特徴とする。
請求項10に係るサーモプロテクタは、請求項1〜9何れかのサーモプロテクタにおいて、電極の弾性応力によりサーモセンサが加圧されていることを特徴とする。
請求項11に係るサーモプロテクタは、請求項1〜10何れかのサーモプロテクタにおいて、電極とサーモセンサとの接触箇所に、融点若しくは軟化点が可溶材のそれよりも低い可溶導電材が付加されていることを特徴とする。
請求項12に係るサーモプロテクタは、請求項1〜11何れかのサーモプロテクタにおいて、電極とサーモセンサとの接触箇所に、通電で発熱して可溶材を溶融若しくは軟化させる抵抗材が介在されていることを特徴とする。
両端部のスライドで所定半径rから半径R(R>r)の環状体に拡径成形した弾性導電材の弾性歪エネルギーを、可溶材による両端接合部の接合界面の剪断応力で支持しており、この剪断応力を接合面積を広くすることにより低くして接合界面を安定に保持できる。
また、サーモプロテクタでの実質的な電流経路が、一方の電極→弾性導電材からなる環状体の導電体→他方の電極であり、可溶材への通電が殆ど生じないから、可溶材の通電発熱が実質的に発生しない。更に、糸引きによる動作不良を防止できる。
従って、安定な動作を保証でき、可溶材の融点若しくは軟化点で正確に動作させることができ、バイメタルタイプでのオン・オフの繰返しが進むにつれてヒステリシスにより動作温度が経時的に上昇する不具合も排除できる。
図1は本発明に係るサーモセンサの基本的構造を示す図面である。
図1の(イ)は、曲率半径rに曲げ加工した弾性導電材を示し、全長Lが2πr以上であり、両端部の重ね代が(L−2πr)とされている。
図1の(ロ)〜(ハ)はサーモセンサを示し、図1の(ロ)のように両端部の重ね代を周方向拡開力により減じて弾性導電環状体1の半径を前記rよりRに拡径し、この拡径状態のままで図1の(ハ)のように重ね両端部を可溶材2で接合してある。
この場合、拡径に従い周方向圧縮反力が増加していき、半径Rになったときの周方向圧縮反力をTとする。
図1の(ロ)において、mは弾性導電材を曲率半径rからRに増大することにより生じた曲げモーメント反力を示し、弾性導電材の曲げ剛性をEIとすると
m=EI〔(1/r)−(1/R)〕
で与えられ、可溶材による両端部の接合で支持される曲げ歪エネルギーWは
W=2πR・m2/(2EI)=πR・m2/(EI)
で与えられる。
この曲げ歪エネルギーWは前記周方向拡開力が為す仕事W’に釣り合う。この仕事W’は、周方向拡開に基づく拡開距離が2π(R−r)であるから、ほぼ
W’=Tπ(R−r)
で与えられ、W=W’より
T=EI(R−r)/(r2R)
が成立し、可溶材による接合部の接合界面の面積をSとすると、接合界面に作用する剪断応力τは
〔数1〕
τ=EI(R−r)/(SrR) (1)
で与えられる。
前記サーモセンサにおいて、周囲温度の上昇により可溶材2が溶融若しくは軟化されると、前記の弾性曲げ歪エネルギーが解放され、半径Rから元の半径rに縮径復元され、周囲温度が可溶材の融点若しくは軟化点になったことが検知される。
前記弾性導電材1には、弾性金属単体の他、弾性金属と合成樹脂との積層体、弾性合成樹脂と金属との積層体、導電粒を混合した弾性合成樹脂等の複合体を使用でき、その弾性合成樹脂には繊維補強合成樹脂が含まれる。
導電材には、銅のような高導電率の金属の他、比抵抗値の相当に高い材料も含まれる。
前記可溶材2には、はんだのような低融点可溶合金や熱可塑性樹脂を使用できる。これら可溶材2の融点若しくは軟化点よりも、前記弾性導電材1の金属や合成樹脂の融点若しくは軟化点が低く設定される。
本発明に係るサーモセンサにおいては、可溶材で接合された弾性導電材両端部の接合界面に前記式(1)で示す剪断力τが作用している。接合界面は、この剪断力に耐え得る強度を備えていなければならず、弾性導電材の高弾性率(Eが大)や環状体半径rの小寸法のために前記剪断力τが大となるときは、接合界面の剪断強度を高くする必要がある。そこで、接合される面の一方または双方に孔、窪み、切欠き設けて可溶材を食い込ませたり、接合される面の一方または双方を粗面としてアンカー効果を奏させることが有効である。
弾性導電材が弾性金属単体の場合、可溶材にははんだ等の低融点合金を用いることができ、この場合の可溶材による接合は、弾性導電材の重ね両端部間にはんだシートを介在させ、はんだシートと弾性金属材との間にフラックスを塗布したうえではんだを加熱溶融させることにより行なうことができる。その加熱には、通電加熱、電磁誘導加熱等を用いることができる。
本発明に係るサーモセンサを製作するには、前記半径rの弾性導電環状体に、例えばマンドレル(半径R)を挿入して同環状体を半径Rに拡径し、この環状体の両端重ね部を可溶材で接合することができる。
拡径前の半径rの弾性導電環状体は、半径rの弾性導電筒状体をスパイラル状に切断すると共にスパイラル1ピッチ以上の長さで切断する方法、弾性導電帯条体または線状体を回転マンドレルにスパイラル状に巻き付けて曲げ加工しつつこれをマンドレル先端から送り出すと共にスパイラル1ピッチ以上の長さで切断する方法等による得ることができる。
この半径rの弾性導電環状体に曲げ加工歪が残留していると、半径Rの弾性導電環状体を得るための可溶材による接合時の加熱でその残留歪が解放される。
かかる弾性導電環状体を有するサーモセンサでは、前記した動作後、すなわち可溶材の溶融若しくは軟化により半径Rの弾性導電環状体が縮径された後の半径が前記の半径rよりもやや大きくなるが、この半径が前記半径Rよりも充分に小であれば、前記の残留歪は許容できる。
前記半径rの弾性導電環状体の弾性導電材は、帯状材、線状材(断面は例えば丸形、ほぼ正方形等)の何れであってもよい。弾性導電材が金属と合成樹脂との積層体である場合、通常帯状材が使用される。この積層体の積層数は三層以上とすることもできる。
前記環状体の巻数は、図1に示した単数の他、多重とすることもできる。多重とすれば、式(1)において、接合面積Sを大きくでき、前記剪断反力Tを広い接合界面に分散させ得、接合界面の剪断応力τの低減を促すことができるから、弾性導電材が高弾性でその弾性率Eが高くても、剪断応力τを低く保持してサーモセンサの安定性保持を確保できる。
図2の(イ)は本発明に係るサーモプロテクタの一実施例を示す平面図(透視図)、図2の(ロ)は同じく側面図、図2の(ハ)は図2の(イ)におけるハ−ハ断面図である。
図2において、3は絶縁体ハウジングであり、一対の電極部材41,42を固着してある。この電極部材は、図4にも示されているように本体部411(421)と扁平リード部412(422)とを備えている。前記絶縁体ハウジング3は、例えば射出成形により製作でき、チャージ樹脂には前記可溶材の融点若しくは軟化点よりも高軟化点の合成樹脂を用いることができる。電極材の固着は、金型に一対の電極材をセットしてハウジングを射出成形すること、またはスリット付きハウジングを成形し、そのスリットに電極材の本体部を差し込み、その本体部をハウジング内面に接着剤またはリベッティング等で固定することにより行なうことができる。
図2において、51はハウジング3の底側に嵌合または接着したベース絶縁体、例えばセラミックス板、ガラス繊維強化ポリエステル樹脂板のようなFRP板、耐熱性プラスチック板等である。
Aは本発明に係るサーモセンサであり、その外径Rを電極41,42の本体部411,421の間隔Gよりも大として電極の本体部411,421間に弾性的に挾持してある。このサーモセンサAの弾性導電環状体1が金属箔と合成樹脂との積層体である場合、環状体の外周面は金属箔面とされる。
52はハウジング3の上面側に嵌合または接着したカバープレートであり、例えばセラミックス板、ガラス繊維強化ポリエステル樹脂板のようなFRP板、耐熱性プラスチック板等を使用できる。
図2の(イ)において、電極の本体部411,421とサーモセンサAとの接触箇所にサーモセンサの圧縮反力に基づく圧力pが作用しており、その接触箇所は面接触とされている。従って、電極41→サーモセンサAの導電材→電極42の経路の電気抵抗を充分に低くでき、良好な導通性を保証できる。
上記サーモプロテクタにおいて、外部温度の上昇によりサーモセンサAの可溶材が溶融若しくは軟化されると、サーモセンサの弾性導電環状体(半径R)に蓄えられた弾性曲げ歪エネルギーが解放され図3に示すように環状体1の半径が元の半径r(R>r)に縮径復元されて電極41,42とサーモセンサとの接触が解除される。
本発明に係るサーモプロテクタは、電子・電気機器の過熱保護に使用できる。
この保護によれば、機器が過電流に基づき異常発熱すると、その発生熱で当該サーモセンサの可溶材が溶融若しくは軟化されて電極とサーモセンサとの接触解除により機器への通電が遮断される。従って、機器の温度がほぼ可溶材の融点若しくは軟化点Tmに達すると、サーモプロテクタの動作により機器への給電が遮断されて機器の上昇温度が前記温度Tmを越えるのを防止でき、機器の耐熱温度に相応して可溶材の融点若しくは軟化点を設定することにより、機器の過電流に基づく異常発熱を抑制し、ひいては機器の火災を未然に防止できる。
本発明に係るサーモプロテクタでは、可溶材に作用する主たる応力が剪断応力であり、式(1)から明らかなように可溶材による接合界面の面積Sを広くすることにより剪断応力τを充分に小さくできるから、可溶材のクリープを回避でき優れた安定性を保証できる。更に、接合される面に孔、窪み、切欠き設けて可溶材を食い込ませたり、接合される面を粗面としてアンカー効果を呈させることにより接合界面の剪断強度を強くでき、一層の安定性を保証できる。
図2の(イ)において、サーモセンサと電極との接触圧力pは、可溶材2による接合部に曲げモーメントとして作用するだけであり、この曲げモーメントにより接合部に作用する応力が剪断応力であるから、接触圧力pの作用にもかかわらず、上記安定性保証を確保できる。
上記一対の電極の少なくとも一方に弾性金属材を用い、この電極の弾性で上記接触圧力を発生させることもできる。
前記サーモセンサと電極との接触部に臨んで導電材を付加しても、当該電極とサーモセンサとの間の抵抗を充分に低くして前記した良好な導通性を保証できる。その導電材には、融点若しくは軟化点が前記可溶材の融点若しくは軟化点よりも低い可溶合金、金属粒等の導電粒混合の導電性合成樹脂を使用でき、その付加量は接触部脱離時の導電材の糸引きを回避できる程度に調整してある。
このサーモプロテクタでは可溶材の溶融若しくは軟化以前に導電材が溶融若しくは軟化されるから、このサーモプロテクタにおいても円滑な動作を保証できる。
本発明に係るサーモセンサやサーモプロテクタにおいては、一方の電極→この電極とサーモセンサ外周の導電面との接触部→サーモセンサ外周の導電材→サーモセンサ外周面の導電面と他方の電極との接触部→他方の電極を主たる通電経路としてしており、この通電経路に可溶材が実質的に関与することはないから、可溶材に可溶合金を使用する場合、可溶合金の組成を比抵抗値に制約されることなく溶融特性のみから選定できる。
近来、環境衛生上、PbやCd等の生体系に有害な金属元素を含まない低融点合金を使用することがはんだの分野で要請されており、本発明においては、可溶材に比抵抗値の制約を受けることなく鉛やCd等フリーの低融点合金を使用できる。
上記弾性金属材1には、例えばリン青銅を使用できる。弾性材として樹脂を使用する場合、樹脂(熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂)をガラス繊維、金属繊維、合成繊維等の繊維で補強したFRP、高剛性エンジニアリングプラスチック等を可溶材の融点若しくは軟化点との相対的な関係を考慮して選択できる。弾性材として、弾性金属材と合成樹脂との複合体、例えばリン青銅板とポリアミドフィルムとの積層体を使用することもできる。
上記弾性材としての樹脂や可溶材としての熱可塑性樹脂には、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト、ポリアミド、ポリイミド、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリフェニレンオキシド、ポリエチレンサルファイド、ポリサルホン等のエンジニアリングプラスチック、ポリアセタ−ル、ポリカ−ボネ−ト、ポリフェニレンスルフィド、ポリオキシベンゾイル、ポリエ−テルエ−テルケトン、ポリエ−テルイミド等のエンジニアリングプラスチックやポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレ−ト、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンポリテトラフルオロエチレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、AS樹脂、ABS樹脂、アイオノマ−、AAS樹脂、ACS樹脂等中から所望融点のものを選定できる。
上記可溶材としての可溶合金としては、PbやCd等の生体系に有害な元素を含まないものを使用することが好ましく、次ぎの組成[A](1)43%Sn≦70%,0.5%≦In≦10%,残Bi、(2)25%≦Sn≦40%,50%≦In≦55%,残Bi、(3)25%Sn≦44%,55%In≦74%,1%≦Bi20%、(4)46%Sn≦70%,18%≦In48%,1%≦Bi≦12%、(5)5%≦Sn≦28%,15%≦In37%,残Bi(但し、Bi57.5%,In25.2%,Sn17.3%とBi54%,In29.7%,Sn16.3%のそれぞれを基準にBi±2%,In及びSn±1%の範囲を除く)、(6)10%≦Sn≦18%,37%≦In≦43%,残Bi、(7)25%Sn≦60%,20%≦In50%,12%Bi≦33%、(8)(1)〜(7)の何れか100重量部にAg、Au、Cu、Ni、Pd、Pt、Sb、Ga、Ge、Pの1種または2種以上を合計0.01〜7重量部添加、(9)33%≦Sn≦43%,0.5%≦In≦10%,残Bi、(10)47%≦Sn≦49%,51%≦In≦53%の100重量部にBiを3〜5重量部を添加、(11)40%≦Sn≦46%,7%≦Bi≦12%,残In、(12)0.3%≦Sn≦1.5%,51%≦In≦54%,残Bi、(13)2.5%≦Sn≦10%,25%≦Bi≦35%,残In、(14)(9)〜(13)の何れか100重量部にAg、Au、Cu、Ni、Pd、Pt、Sb、Ga、Ge、Pの1種または2種以上を合計0.01〜7重量部添加、(15)10%≦Sn≦25%,48%≦In≦60%,残Biを100重量部にAg、Au、Cu、Ni、Pd、Pt、Sb、Ga、Ge、Pの1種または2種以上を合計0.01〜7重量部添加、等のIn−Sn−Bi系合金の組成、[B](16)30%≦Sn≦70%,0.3%≦Sb≦20%,残Bi、(17)(16)の100重量部にAg、Au、Cu、Ni、Pd、Pt、Ga、Ge、Pの1種または2種以上を合計0.01〜7重量部添加、等のBi−Sn−Sb系合金の組成、[C](18)52%≦In≦85%,残Sn、(19)(18)の100重量部にAg、Au、Cu、Ni、Pd、Pt、Sb、Ga、Ge、Pの1種または2種以上を合計0.01〜7重量部添加、等のIn−Sn系合金の組成、[D](20)45%≦Bi≦55%,残In、(21)(20)の組成の100重量部にAg、Au、Cu、Ni、Pd、Pt、Sb、Ga、Ge、Pの1種または2種以上を合計0.01〜7重量部添加、等のIn−Bi系合金の組成、[E](22)50%Bi≦56%,残Sn、(23)(22)の100重量部にAg、Au、Cu、Ni、Pd、Pt、Ga、Ge、Pの1種または2種以上を合計0.01〜7重量部添加、等のBi−Sn系合金の組成、[F](24)Inの100重量部にAu、Bi、Cu、Ni、Pd、Pt、Ga、Ge、Pの1種または2種以上を合計0.01〜7重量部添加、(25)90%≦In≦99.9%,0.1%≦Ag≦10%の100重量部にAu、Bi、Cu、Ni、Pd、Pt、、Ga、Ge、Pの1種または2種以上を合計0.01〜7重量部添加、(26)95%≦In≦99.9%,0.1%≦Sb≦5%の100重量部にAu、Bi、Cu、Ni、Pd、Pt、Ga、Ge、Pの1種または2種以上を合計0.01〜7重量部添加等のIn系合金の組成等からサーモセンサまたはサーモプロテクタの動作温度に適合した融点の組成を選定することができる。
電極材には、ニッケル、銅、銅合金例えばリン青銅等の導電性金属乃至は導電性弾性金属または合金を使用でき、必要に応じ鍍金することができる。
本発明において、弾性導電材の導電材には、比抵抗値の高いものも使用できる。この弾性導電材の導電材に比抵抗値の高い抵抗材を使用したサーモセンサやサーモプロテクタ(抵抗型サーモプロテクタと称する)では、所定電流に基づく抵抗材の自己発熱で可溶材を溶融若しくは軟化させて動作させることもでき、機器を前記した機器自体の昇温のみならず、他の原因からも保護できる。例えば、二次電池、特にリチウムイオン二次電池の過充電初期時での電圧変動を検知し、この検知に基づき前記抵抗材に発熱用電流を通電し、その抵抗材の自己発熱により可溶材を溶融若しくは軟化させてサーモセンサを動作させて過充電を抑制するのに使用することもできる。
前記抵抗材としては、鉄やクローム等の合金材、酸化金属粉等の抵抗粉体を混合した合成樹脂材を使用することもできる。
弾性導電材の導電材にこれらの抵抗材を使用することに代え、図1のサーモプロテクタにおいて、電極とサーモセンサとの接触面に抵抗体チップを介在させることも可能である。
図5は前記した2次電池の過充電保護回路の一例を示し、充電機Eと二次電池Bとの間にツエナダイオードD、トランジスタTr、本発明に係る抵抗型サーモプロテクタC1,C2等を接続してある。
而して、二次電池Bの端子電圧が過充電で急峻に変化されるとツエナダイオードDが導通され、トランジスタTrのベース−エミッタ間の導通によりサーモプロテクタC1,C2に二次電池B、充電機Eを電源として電流が流され、サーモプロテクタC1,C2の抵抗体の発熱で可溶材が溶融若しくは軟化されて二次電池Bが充電機Eから遮断される。
上記の実施例では、弾性材に導電性を付与しているが、導電性は任意要件とすることもでき、図6の(イ)はかかるサーモプロテクタの一実施例の動作前の平面図を、図6の(ロ)同じく動作後の平面図を示している。
図6の(イ)において、3はハウジングであり、固定接点部4110を有する電極材41と可動接点部4210を有する電極材42とを固設してある。51はハウジング3の底側に嵌合または接着したベースプレートである。Aはサーモセンサであり、曲率半径rの環状弾性材(弾性金属材、FRPのような弾性樹脂材、複合弾性材等)の両端部を重ねた状態で半径R(R>r)の環状体1に拡径成形しその両端部を可溶材2で接合して弾性歪エネルギーを付与し、可溶材2の溶融乃至は軟化による弾性歪エネルギーの解放で前記曲率半径rの環状体に縮径させるようにしてあり、可動接点部4210の背後のハウジング内空間に装着しその弾性反力で可動接点部4210を固定接点部4110に接触させてある。ハウジングの上側に嵌合したカバープレートは図示されていない。
このサーモプロテクタにおいて、常時は、一方の電極材の固定接点部→この固定接点部と他方の電極材の可動接点部との接触面→他方の電極材の経路で導通されている。
このサーモプロテクタの動作について説明すると、外部温度の上昇により可溶材がその融点若しくは軟化点にまで加熱されると、サーモセンサの弾性材の曲げ歪エネルギーにより図6の(ロ)に示すようにサーモセンサAが半径rに縮径されて可動接点部4210が固定接点部4110から脱離され、非復帰の通電オフが完結される。
上記のサーモセンサの何れの実施例においても、弾性曲げ歪エネルギーを蓄える前の原環状体の半径rを弾性曲げ歪エネルギーを蓄えた後の環状体の半径Rに対し、r<Rとしているが、サーモプロテクタの接点構造によっては、弾性曲げ歪エネルギーを蓄える前の原環状体の半径rを弾性曲げ歪エネルギーを蓄えた後の環状体の半径Rに対し、r>Rとすることもできる。この場合も、サーモプロテクタの接点構造に応じ弾性材の導電性を必須要件とすること、または任意要件とすることができる。
図7の(イ)は、r>Rとしたサーモプロテクタの一実施例の動作前の平面図を、図7の(ロ)同じく動作後の平面図を示している。
図7の(イ)において、3はハウジングであり、可動接点部420を有する一対の電極材42,42を固設してある。51はハウジング3の底側に嵌合または接着したベースプレートである。Aはサーモセンサであり、曲率半径Rの環状弾性材(弾性金属材、FRPのような弾性樹脂材、複合弾性材等)の両端部を重ねた状態で半径r(R>r)の環状体1に縮径成形しその両端部を可溶材2で接合して弾性歪エネルギーを付与し、可溶材2の溶融乃至は軟化による弾性歪エネルギーの解放で前記曲率半径Rの環状体に拡径させるようにしてあり、前記両電極材42,42の接点部420,420間に収容してある。ハウジングの上側に嵌合したカバープレートは図示されていない。
このサーモプロテクタにおいて、常時は、両電極材の可動接点部の弾性的接触で導通されている。
このサーモプロテクタの動作について説明すると、外部温度の上昇により可溶材がその融点若しくは軟化点にまで加熱されると、サーモセンサAの環状弾性材1の曲げ歪エネルギーにより図7の(ロ)に示すようにサーモセンサAが半径Rに拡径され、その拡径で両可動接点部420,420が拡開され、非復帰の通電オフが完結される。
リチウムイオン2次電池、リチウムポリマー2次電池等の高いエネルギー密度の2次電池では、その高いエネルギー密度のために異常時の発熱温度が高く、その発熱を検知して電池を不通電とするサーモプロテクタが必要であるが、本発明に係るサーモプロテクタにおいては薄型化が容易であり電池パックに良好に組み込み得、その電池用サーモプロテクタとして好適に利用できる。
本発明に係るサーモセンサを示す図面である。 本発明に係るサーモプロテクタの一実施例を示す図面である。 図2に示すサーモプロテクタの動作状態を示す図面である。 図2に示すサーモプロテクタにおける電極を示す図面である。 本発明に係る抵抗型サーモプロテクタの使用例を示す回路図である。 本発明に係るサーモプロテクタの上記とは別の実施例を示す図面である。 本発明に係るサーモプロテクタの上記とは別の実施例を示す図面である。 従来のサーモプロテクタを示す図面である。 従来のサーモプロテクタの上記とは別の例を示す図面である。
符号の説明
1 弾性材
2 可溶材
A サーモセンサ
3 ハウジング
41 電極
42 電極

Claims (12)

  1. 所定曲率半径の弾性導電材の両端部を重ねた状態で前記所定半径より大なる半径の環状体に拡径成形しその両端部を可溶材で接合して弾性歪エネルギーを付与し、可溶材の溶融乃至は軟化による弾性歪エネルギーの解放で前記所定曲率半径の環状体に縮径させるように可溶材の融点乃至は軟化点を動作温度とするサーモセンサを一対の電極間に挾持したことを特徴とするサーモプロテクタ。
  2. 弾性導電材が金属単体、または樹脂と導電性粒子との混合体であることを特徴とする請求項1記載のサーモプロテクタ。
  3. 弾性導電材が金属箔と樹脂との積層体であり、環状体の外周面が金属箔面であることを特徴とする請求項1記載のサーモプロテクタ。
  4. 接合される弾性導電材両端部の接合面に、孔、窪みまたは切欠きを設けて可溶材を食い込ませたことを特徴とする請求項1〜3何れか記載のサーモプロテクタ。
  5. 接合される弾性導電材両端部の接合面を粗面としたことを特徴とする請求項1〜4何れか記載のサーモプロテクタ。
  6. 可溶材が低融点金属であることを特徴とする請求項1〜5何れか記載のサーモプロテクタ。
  7. 可溶材が熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1〜5何れか記載のサーモプロテクタ。
  8. 弾性導電材環状体が多重コイル状であることを特徴とする請求項1〜7何れか記載のサーモプロテクタ。
  9. 電極間の間隔GがR>G>rであることを特徴とする請求項1〜8何れか記載のサーモプロテクタ。
  10. 電極の弾性応力によりサーモセンサが加圧されていることを特徴とする請求項1〜9何れか記載のサーモプロテクタ。
  11. 電極とサーモセンサとの接触箇所に、融点若しくは軟化点が可溶材のそれよりも低い可溶導電材が付加されていることを特徴とする請求項1〜10何れか記載のサーモプロテクタ。
  12. 電極とサーモセンサとの接触箇所に、通電で発熱して可溶材を溶融若しくは軟化させる抵抗体が介在されていることを特徴とする請求項1〜11何れか記載のサーモプロテクタ。
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