しかしながら、特許文献1の例にあっては、非圧縮データが記憶された領域に圧縮されたデータを上書きすることにより、メモリ容量を低減することができるものの、処理されるデータは1種類のみであるため、画像データ及び属性データの如く異なるデータを取り扱う場合にもメモリ容量を低減することができるデジタル複合機が望まれていた。
また、図10に示すような従来の例にあっては、画像メモリ上に圧縮したデータ用の記憶領域と、伸張したデータ用の記憶領域とを別個に設ける必要があり、画像メモリの容量を低減することができず、大容量のメモリが必要となり、装置のコストが高くなるという問題があった。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、記憶領域を複数の連続した所定のデータ長の分割領域に分割し、該分割領域夫々を第1データ長の第1領域及び第2データ長の第2領域で二分する手段を備え、圧縮手段で圧縮して得られた圧縮画像データを前記第1領域夫々に記憶し、圧縮して得られた圧縮属性データを前記第2領域夫々に記憶し、記憶された圧縮画像データ及び圧縮属性データを上位アドレス側(又は下位アドレス側)から順次読み出し、読み出されて伸張された画像データ及び属性データに基づいて画像形成用データを生成し、生成された画像形成用データに対応する圧縮画像データ及び圧縮属性データが記憶された複数の連続した分割領域を、前記画像形成用データを記憶する記憶領域の下位アドレス側(又は上位アドレス側)に設定する設定手段を備え、生成された画像形成用データを前記記憶領域の上位アドレス側(又は下位アドレス側)から順次記憶することにより、画像形成のために伸張された伸張データ用の画像メモリと圧縮データ用の画像メモリとを共用して、画像メモリの容量を低減するとともに使用効率を高くすることができる画像処理装置及び該画像処理装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、第1データ長又は第2データ長を変更する変更手段を備えることにより、圧縮画像データ及び圧縮属性データの大きさに拘わらず、画像メモリが分断化されることを防止して、使用効率を高くすることができる画像処理装置及び該画像処理装置を備える画像形成装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、画像データ及び/又は属性データの圧縮率に基づいて、第1データ長又は第2データ長を変更することにより、多様な画像に応じて、圧縮率が変動した場合でも、画像メモリが分断化されることを防止して、使用効率を高くすることができる画像処理装置及び該画像処理装置を備える画像形成装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、画像データ毎に及び/又は属性データ毎に算出された圧縮率に基づいて、画像データ及び/又は属性データの圧縮率の統計値(例えば、平均圧縮率など)を算出し、算出された統計値に基づいて、第1データ長又は第2データ長を変更することにより、ユーザの使用状況に応じて、画像メモリの使用効率を高くすることができる画像処理装置及び該画像処理装置を備える画像形成装置を提供することにある。
本発明に係る画像処理装置は、画像データ及び該画像データの特徴量を抽出して得られた属性データを記憶する画像処理装置において、記憶領域を複数の連続した所定のデータ長の分割領域に分割する手段と、前記分割領域夫々を第1データ長の第1領域及び第2データ長の第2領域で二分する手段と、画像データ及び属性データを圧縮する圧縮手段と、圧縮された圧縮画像データを前記第1領域夫々に記憶するとともに、圧縮された圧縮属性データを前記第2領域夫々に記憶する手段と、記憶された圧縮画像データ及び圧縮属性データを上位アドレス側(又は下位アドレス側)から順次読み出す読出手段と、読み出された圧縮画像データ及び圧縮属性データを伸張する伸張手段と、伸張された画像データ及び属性データに基づいて画像形成用データを生成する生成手段と、該生成手段で生成される画像形成用データに対応する圧縮画像データ及び圧縮属性データが記憶された複数の連続した分割領域を、前記画像形成用データを記憶する記憶領域の下位アドレス側(又は上位アドレス側)に設定する設定手段とを備え、前記生成手段で生成された画像形成用データを前記記憶領域の上位アドレス側(又は下位アドレス側)から順次記憶するように構成してあることを特徴とする。
本発明に係る画像処理装置は、前記第1データ長又は第2データ長を変更する変更手段を備えることを特徴とする。
本発明に係る画像処理装置は、画像データの圧縮率を算出する算出手段を備え、前記変更手段は、前記算出手段で算出された圧縮率に基づいて、前記第1データ長又は第2データ長を変更するように構成してあることを特徴とする。
本発明に係る画像処理装置は、画像データ毎に算出された圧縮率に基づいて、画像データの圧縮率の統計値を算出する手段を備え、前記変更手段は、前記手段で算出された統計値に基づいて、前記第1データ長又は第2データ長を変更するように構成してあることを特徴とする。
本発明に係る画像処理装置は、属性データの圧縮率を算出する算出手段を備え、前記変更手段は、前記算出手段で算出された圧縮率に基づいて、前記第1データ長又は第2データ長を変更するように構成してあることを特徴とする。
本発明に係る画像処理装置は、属性データ毎に算出された圧縮率に基づいて、属性データの圧縮率の統計値を算出する手段を備え、前記変更手段は、前記手段で算出された統計値に基づいて、前記第1データ長又は第2データ長を変更するように構成してあることを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置は、前述の本発明のいずれか1つに係る画像処理装置と、該画像処理装置で形成された画像形成用データに基づき、画像の形成を行う画像形成手段とを備えたことを特徴とする。
本発明にあっては、記憶領域(例えば、画像メモリの記憶領域)を上位アドレスから下位アドレスに向かって複数の連続した所定のデータ長の分割領域に分割し、各分割領域夫々を第1データ長の第1領域及び第2データ長の第2領域で二分する。圧縮手段で圧縮された圧縮画像データ及び圧縮属性データ夫々は、上位アドレス側の分割領域から順次記憶され、記憶領域は、上位アドレス側から下位アドレス側に向かって順次圧縮画像データ及び圧縮属性データで占有される。記憶された圧縮画像データ及び圧縮属性データを読み出す場合、圧縮画像データ及び圧縮属性データを上位アドレス側(又は下位アドレス側)から順次読み出す。読み出された圧縮画像データ及び圧縮属性データを伸張手段で伸張し、生成手段は、伸張された画像データ及び属性データに基づいて画像形成用データを生成する。設定手段は、前記生成手段で生成された画像形成用データに対応する圧縮画像データ及び圧縮属性データが記憶された複数の連続した分割領域を、前記画像形成用データを記憶する記憶領域の下位アドレス側(又は上位アドレス側)に設定する。前記生成手段で生成された画像形成用データを前記記憶領域の上位アドレス側(又は下位アドレス側)から順次記憶する。これにより、画像形成用データが記憶される記憶領域の下位アドレス側(又は上位アドレス側)に圧縮データ用の記憶領域(連続する複数の分割領域)を配置して、圧縮画像データ及び圧縮属性データを上位アドレス側(又は下位アドレス側)から順次読み出して、画像形成用データを生成し、生成した画像形成用データを記憶領域の上位アドレス側(又は下位アドレス側)から順次記憶させることにより、記憶された圧縮画像データ及び圧縮属性データが画像形成用データで上書きされてしまうことを防止するとともに、画像形成用データを記憶する記憶領域と圧縮画像データ及び圧縮属性データを記憶する記憶領域とを共用する。
本発明にあっては、変更手段で第1データ長又は第2データ長を変更する。例えば、第1データ長を長くする(又は第2データ長を短くする)ことにより、1つの分割領域で占有される圧縮画像データのサイズを大きくし(又は圧縮属性データのサイズを小さくし)、記憶領域の上位アドレスから下位アドレスに向かって圧縮画像データ及び圧縮属性データが記憶される場合に、圧縮画像データによる記憶領域の占有度合いを大きくする。また、第1データ長を短くする(又は第2データ長を長くする)ことにより、1つの分割領域で占有される圧縮属性データのサイズを大きくし(又は圧縮画像データのサイズを小さくし)、記憶領域の上位アドレスから下位アドレスに向かって圧縮画像データ及び圧縮属性データが記憶される場合に、圧縮属性データによる記憶領域の占有度合いを大きくする。
本発明にあっては、画像データの圧縮率(元の画像データのサイズに対する圧縮画像データのサイズの比率)を算出し、算出された圧縮率に基づいて、第1データ長又は第2データ長を変更する。例えば、画像データの圧縮率が大きい(圧縮度合いが小さい)場合、第1データ長を長くする(又は第2データ長を短くする)ことにより、記憶領域の上位アドレスから下位アドレスに向かって圧縮画像データ及び圧縮属性データが記憶される場合に、圧縮画像データによる記憶領域の占有度合いを大きくする。また、画像データの圧縮率が小さい(圧縮度合いが大きい)場合、第1データ長を短くする(又は第2データ長を長くする)ことにより、記憶領域の上位アドレスから下位アドレスに向かって圧縮画像データ及び圧縮属性データが記憶される場合に、圧縮画像データによる記憶領域の占有度合いを小さくする。
本発明にあっては、画像データ毎に算出された圧縮率に基づいて、画像データの圧縮率の統計値(例えば、平均圧縮率、最大圧縮率など)を算出し、算出された統計値に基づいて、第1データ長又は第2データ長を変更する。例えば、1回目のジョブで複数頁分の画像データを処理する場合、各頁の画像データに対する圧縮率を算出し、1回目のジョブにおける平均圧縮率を算出する。2回目のジョブを処理する場合、1回目のジョブで得られた平均圧縮率に基づいて、第1データ長又は第2データ長を変更する。以降、同様にジョブ毎に算出される平均圧縮率に基づいて、次のジョブにおける第1データ長又は第2データ長を変更する。これにより、ジョブ毎にユーザが使用する画像データの圧縮度合いを把握して、次のジョブに適用する。
本発明にあっては、属性データの圧縮率(元の属性データのサイズに対する圧縮属性データのサイズの比率)を算出し、算出された圧縮率に基づいて、第1データ長又は第2データ長を変更する。例えば、属性データの圧縮率が大きい(圧縮度合いが小さい)場合、第2データ長を長くする(又は第1データ長を短くする)ことにより、記憶領域の上位アドレスから下位アドレスに向かって圧縮画像データ及び圧縮属性データが記憶される場合に、圧縮属性データによる記憶領域の占有度合いを大きくする。また、属性データの圧縮率が小さい(圧縮度合いが大きい)場合、第2データ長を短くする(又は第1データ長を長くする)ことにより、記憶領域の上位アドレスから下位アドレスに向かって圧縮画像データ及び圧縮属性データが記憶される場合に、圧縮属性データによる記憶領域の占有度合いを小さくする。
本発明にあっては、属性データ毎に算出された圧縮率に基づいて、属性データの圧縮率の統計値(例えば、平均圧縮率、最大圧縮率など)を算出し、算出された統計値に基づいて、第1データ長又は第2データ長を変更する。例えば、1回目のジョブで複数頁分の属性データを処理する場合、各頁の属性データに対する圧縮率を算出し、1回目のジョブにおける平均圧縮率を算出する。2回目のジョブを処理する場合、1回目のジョブで得られた平均圧縮率に基づいて、第1データ長又は第2データ長を変更する。以降、同様にジョブ毎に算出される平均圧縮率に基づいて、次のジョブにおける第1データ長又は第2データ長を変更する。これにより、ジョブ毎にユーザが使用する画像データに対応する属性データの圧縮度合いを把握して、次のジョブに適用する。
本発明にあっては、記憶領域を複数の連続した所定のデータ長の分割領域に分割し、該分割領域夫々を第1データ長の第1領域及び第2データ長の第2領域で二分する手段を備え、圧縮手段で圧縮して得られた圧縮画像データを前記第1領域夫々に記憶し、圧縮して得られた圧縮属性データを前記第2領域夫々に記憶し、記憶された圧縮画像データ及び圧縮属性データを上位アドレス側(又は下位アドレス側)から順次読み出し、読み出されて伸張された画像データ及び属性データに基づいて画像形成用データを生成し、生成された画像形成用データに対応する圧縮画像データ及び圧縮属性データが記憶された複数の連続した分割領域を、前記画像形成用データを記憶する記憶領域の下位アドレス側(又は上位アドレス側)に設定する設定手段を備え、生成された画像形成用データを前記記憶領域の上位アドレス側(又は下位アドレス側)から順次記憶することにより、画像形成のために伸張された伸張データ用の画像メモリと圧縮データ用の画像メモリとを共用して、画像メモリの容量を低減するとともに使用効率を高くすることができる。また、また、搭載する画像メモリを小さくしてコストを低減することができ、画像処理装置をより小型化することができる。さらに、HDDなどの2次記憶装置を用いる場合、画像メモリ(1次記憶装置)に十分なバッファ領域を確保することが可能となり、2次記憶装置へのデータ転送速度に制限されることがなく、2次記憶装置を画像メモリとの間のバッファリング以外の他の機能と共用することが容易になる。
また、本発明にあっては、第1データ長又は第2データ長を変更する変更手段を備えることにより、圧縮画像データ及び圧縮属性データの大きさに拘わらず、分断化される画像メモリを少なくして、使用効率を高くすることができる。
また、本発明にあっては、画像データ及び/又は属性データの圧縮率に基づいて、第1データ長又は第2データ長を変更することにより、多様な画像に応じて、圧縮率が変動した場合でも、圧縮率に依存することなく、分断化される画像メモリを少なくして、使用効率を高くすることができる。
また、本発明にあっては、画像データ毎に及び/又は属性データ毎に算出された圧縮率に基づいて、画像データ及び/又は属性データの圧縮率の統計値(例えば、平均圧縮率など)を算出し、算出された統計値に基づいて、第1データ長又は第2データ長を変更することにより、例えば、ユーザが使用する画像データをジョブ毎に判断して、画像メモリの使用効率を高くすることができる。
以下、本発明に係る画像処理装置を備える画像形成装置の一例としてのデジタル複合機を実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本発明に係るデジタル複合機100の内部構成を示すブロック図である。図に示すように、デジタル複合機100は、画像処理装置10、画像読取部30、印字処理部40などを備えている。また、画像処理装置10は、画像入力部11、画像メモリ制御部12、画像処理部13、画像データ圧縮部14、属性データ圧縮部15、画像メモリ16、記憶部17、制御部18、ROM19、RAM20、画像データ伸張部21、属性データ伸張部22、印字画像生成部23などを備えている。
画像読取部30は、例えば、自動原稿送り装置(ADF、Automatic Document Feeder)であり、トレイに載置された原稿を原稿センサ(不図示)で検知し、検知した原稿を搬送しつつ移動する原稿に光を照射し、原稿からの反射光をCCD(不図示)で光電変換してアナログ信号に変換し、得られたアナログ信号をA/D変換器(不図示)でデジタル信号に変換する。画像読取部30は、変換して得られたデジタル信号(RGBデータ)を画像処理装置10へ出力する。
画像入力部11は、画像読取部30から入力されたRGBデータ(画像データ)を画像メモリ制御部12へ出力するためのインタフェース機能を備える。
画像メモリ制御部12は、画像データ、圧縮画像データ、圧縮属性データ、画像データ及び属性データに基づいて生成される画像形成用データ(YMCKデータ)を画像メモリ16に記憶(バッファリング)するためのアドレスを指定するアドレス指定レジスタ、データの書込み又は読込み(読み出し)を指示する信号生成部(いずれも不図示)などを備えている。
画像メモリ制御部12は、画像入力部11から入力された画像データを、例えば、原稿1頁分の画像データを複数のデータブロックに分け、データブロック毎に画像メモリ16へ書込むための書込信号を生成して、画像データを画像メモリ16に記憶する。なお、複数頁分の画像データがある場合、順次画像データを画像メモリ16に記憶する。
また、画像メモリ制御部12は、画像メモリ16に記憶した原稿1頁分の画像データを複数のデータブロックに分け、データブロック毎に画像メモリ16から読込むための読込信号を生成して、画像データを画像メモリ16から読込み、読込んだ画像データを画像処理部13へ出力する。なお、複数頁分の画像データがある場合、順次画像データを画像メモリ16から読込み、画像データを画像処理部13へ出力する。
画像処理部13は、入力された画像データに対して、画像読取部30の照明系、結像系、撮像系などで生じた各種の歪みを取り除く補正処理、画像データのカラーバランスを整える処理、濃度変換処理、倍率変換処理、濃度反転などの編集処理などを行い、処理後の画像データを画像データ圧縮部14へ出力する。
また、画像処理部13は、入力された画像データに基づいて、原稿の画像中の各画素が、文字領域、写真領域、その他の領域の何れであるかを判定し分離するための属性データを生成する。より具体的には、画像処理部13は、入力された画像データに基づいて、画像中の注目画素を含むM×N画素マスク(例えば、3×3)を設定し、注目画素とその近傍画素との濃度情報、濃度勾配などの特徴量を抽出し、画素毎(又は画素ブロック毎)の属性データを生成し、生成した属性データを属性データ圧縮部15へ出力する。
画像データ圧縮部14は、例えば、JPEG方式のデータ圧縮機能を備え、画像処理部13から入力された画像データに対して不可逆圧縮によるデータ圧縮を行う。画像データ圧縮部14は、圧縮した圧縮画像データを所定のデータサイズのデータブロック毎に順次画像メモリ制御部12へ出力する。なお、圧縮方式は、JPEGに限定されるものではなく、他の方式であってもよい。
属性データ圧縮部15は、例えば、LHA方式などのデータ圧縮機能を備え、画像処理部13から入力された属性データに対して可逆圧縮によるデータ圧縮を行う。属性データ圧縮部15は、圧縮した圧縮属性データを所定のデータサイズのデータブロック毎に順次画像メモリ制御部12へ出力する。なお、圧縮方式は、LHAなどに限定されるものではなく、他の方式であってもよい。
画像メモリ制御部12は、画像データ圧縮部14及び属性データ圧縮部15夫々から入力された圧縮画像データ及び圧縮属性データを複数のデータブロックに分け、データブロック毎に画像メモリ16へ書込むための書込信号を生成して、圧縮画像データ及び圧縮属性データを画像メモリ16に記憶する。これにより、画像メモリ制御部12は、圧縮画像データ及び圧縮属性データを記憶部17(例えば、HDDで構成される2次記憶装置)に記憶する前に画像メモリ16にバッファリングする。
画像メモリ制御部12は、画像データ及び属性データ夫々に対して、圧縮処理前のデータサイズと圧縮処理後のデータサイズに基づいて、圧縮率を演算する演算部を備えている。また、画像メモリ制御部12は、画像データ及び属性データ毎に演算した圧縮率を記憶しておき、複数の圧縮率に基づいて、平均圧縮率(又は最大圧縮率など)を算出する算出部を備えている。また、画像メモリ制御部12は、算出した圧縮率(又は平均圧縮率など)に基づいて、アドレス指定レジスタに設定する数値を変更して、後述する圧縮画像データ用メモリ領域D1の連続データ長Ld、圧縮属性データ用メモリ領域A1の連続データ長Laを変更する(図2参照)。
図2は画像メモリ16の圧縮画像データ及び圧縮属性データ用のメモリマップの例を示す模式図である。図に示すように、圧縮データを記憶する記憶領域は、上位アドレスから下位アドレスに向かって、頁毎の記憶領域が連続して設けられている。1頁分の記憶領域は、データ長がLsの複数の分割領域で分割され、各分割領域は、データ長がLdの第1領域及びデータ長がLaの第2領域で二分され(Ls=Ld+La)、上位アドレスから下位アドレスに向かって複数の第1領域が集合して圧縮画像データ用メモリ領域D1を構成し、上位アドレスから下位アドレスに向かって複数の第2領域が集合して圧縮属性データ用メモリ領域A1を構成している。2頁目の構成も同様である。
画像メモリ制御部12が、圧縮画像データ及び圧縮属性データを画像メモリ16に書込む場合、圧縮画像データを圧縮画像データ用メモリ領域D1の上位アドレスから下位アドレスに向かって順次書込み、圧縮属性データを圧縮属性データ用メモリ領域A1の上位アドレスから下位アドレスに向かって順次書込む。これにより、圧縮画像データ及び圧縮属性データ夫々は、画像メモリ16の上位アドレス側から順次記憶され、記憶領域は、上位アドレス側から下位アドレス側に向かって順次圧縮画像データ及び圧縮属性データで占有される。このため、分断化された未使用の記憶領域が生じることを防止することができる。
画像メモリ制御部12は、画像メモリ16に記憶(バッファリング)した圧縮画像データ及び圧縮属性データを読込むための読込信号を生成して、画像メモリ16から圧縮画像データ及び圧縮属性データを複数のデータブロックに分けて読込み、読込んだ圧縮画像データ及び圧縮属性データを記憶部17に記憶する。
画像メモリ制御部12は、記憶部17に記憶された圧縮画像データ及び圧縮属性データに基づいて、記録紙に画像を形成(印字)する場合、記憶部17から圧縮画像データ及び圧縮属性データを読込み、読込んだ圧縮画像データ及び圧縮属性データ夫々を画像メモリ16に書込むための書込信号を生成して、圧縮画像データ及び圧縮属性データを画像メモリ16に記憶(バッファリング)する。この場合も、画像メモリ制御部12は、圧縮画像データを圧縮画像データ用メモリ領域D1の上位アドレスから下位アドレスに向かって順次書込み、圧縮属性データを圧縮属性データ用メモリ領域A1の上位アドレスから下位アドレスに向かって順次書込む。
画像メモリ制御部12は、画像メモリ16に記憶した圧縮画像データ及び圧縮属性データを画像メモリ16から読込むための読込信号を生成して、圧縮画像データ及び圧縮属性データを画像メモリ16から読込み、読込んだ圧縮画像データ及び圧縮属性データ夫々を画像データ伸張部21、属性データ伸張部22へ出力する。この場合、画像メモリ制御部12は、圧縮画像データを圧縮画像データ用メモリ領域D1の上位アドレスから下位アドレスに向かって順次読込み、圧縮属性データを圧縮属性データ用メモリ領域A1の上位アドレスから下位アドレスに向かって順次読込む。圧縮画像データ及び圧縮属性データの読込みは並行して行われる。
画像データ伸張部21は、画像メモリ制御部12から入力された圧縮画像データを伸張処理して、伸張後の画像データを印字画像生成部23へ出力する。
属性データ伸張部22は、画像メモリ制御部12から入力された圧縮属性データを伸張処理して、伸張後の属性データを印字画像生成部23へ出力する。
制御部18は、例えば、マイクロコンピュータで構成され、画像処理装置10全体の処理を制御する。すなわち、制御部18は、ROM19に記憶されている自身の制御手順を示す制御プログラムをRAM20にロードすることにより、制御プログラムで示された制御手順に従って画像処理装置10の動作を制御する。例えば、制御部18は、ジョブ管理を行うことにより、1つのジョブで複数処理される各画像データの圧縮率の平均圧縮率を算出するように画像メモリ制御部12へ指示するとともに、算出された平均圧縮率を用いて次のジョブで処理される画像データを圧縮して画像メモリ16に記憶する際の圧縮画像データ用メモリ領域D1のデータ長Ld、圧縮属性データ用メモリ領域A1のデータ長Laを設定するように指示することもできる。
印字画像生成部23は、入力された画像データ及び該画像データに対応する属性データに基づいて、RGBデータをYMCKデータに変換し、変換後のYMCKデータ(画像形成用データ)を画像メモリ制御部12へ出力する。より具体的には、印字画像生成部23は、RGBデータをCMYKの色空間に変換するとともに、属性データに基づいて、色補正処理、階調補正処理、又は印字処理部40の特性に合わせた二値化処理若しくは所定の階調の画像生成処理などを行う。
画像メモリ制御部12は、印字画像生成部23から入力されたYMCKデータを画像メモリ16へ書込むための書込信号を生成して、YMCKデータを画像メモリ16に記憶する。この場合、画像メモリ制御部12は、YMCKデータを記憶するための記憶領域の上位アドレスから下位アドレスに向かって順次書込む。これにより、YMCKデータが画像メモリ16に記憶(バッファリング)される。
図3は圧縮画像データ及び圧縮属性データが記憶された記憶領域にYMCKデータを書込む(上書き)場合のメモリマップの例を示す模式図である。図に示すように、YMCKデータを記憶する記憶領域の下位アドレス側に、前記YMCKデータに対応する圧縮画像データ及び圧縮属性データが記憶される複数の連続した分割領域が配置されている。すなわち、YMCKデータが記憶される記憶領域の先頭アドレスと、圧縮画像データが記憶された記憶領域(分割領域)の先頭アドレスとを所定のデータ長Lだけ離隔する。なお、図中、エンドギャップは適宜設定して、画像メモリ16に記憶された圧縮画像データ及び圧縮属性データを読込む前にYMCKデータで上書きしてしまうことがないようにすることができる。
図に示すように、画像メモリ制御部12は、画像メモリ16から圧縮画像データ及び圧縮属性データを読込む場合、上位アドレス側から1ライン又は複数のライン毎に並行して読込む。一方、画像メモリ制御部12は、読込まれた圧縮画像データ及び圧縮属性データに基づいて生成されたYMCKデータを画像メモリ16に書込む場合、YMCKデータを記憶領域の上位アドレスから下位アドレスに向かって書込む。この場合、分割領域に記憶された圧縮画像データ及び圧縮属性データの最後の1ライン(又は数ライン)が読込まれる前に、1つ前に読込まれた圧縮画像データ及び圧縮属性データに基づいて生成されたYMCKデータで上書きされないように、上述のデータ長Lを設定することができる。
これにより、YMCKデータ用の記憶領域と圧縮画像データ及び圧縮属性データ用の記憶領域とを共用することができ、画像メモリ16の記憶容量を小さくすることができる。
画像メモリ制御部12は、画像メモリ16に記憶(バッファリング)されたYMCKデータを印字処理部40へ出力する。
印字処理部40は、画像処理装置10から入力された画像データに基づいて、用紙上に画像を形成し、画像が形成された用紙を排出する。印字処理部40は、例えば、感光体ドラム、感光体ドラムを所定の電位に帯電させる帯電器、感光体ドラム表面に静電潜像を形成するレーザ書込装置、感光体ドラム表面の静電潜像にトナーを供給して顕像化する現像装置、感光体ドラム表面のトナー像を用紙に転写する転写装置などを備えている(いずれも不図示)。なお、印字処理部40は、電子写真方式に限定されるものではなく、インクジェット方式、熱転写方式などいずれの方式のものでもよい。
次に画像処理装置10の動作について説明する。図4はYMCKデータの記憶処理の手順を示すタイムチャートである。画像メモリ制御部12は、記憶部17に記憶された圧縮画像データ及び圧縮属性データを読込み、時刻t1において、書込み信号を生成して、読込んだ圧縮画像データ及び圧縮属性データを画像メモリ16に書込む(バッファリングする)。
画像メモリ制御部12は、時刻t1の書込信号の生成開始時点から所定の時間(書込みに必要な時間)経過後の時刻t2以降、画像メモリ16に記憶した圧縮画像データ及び圧縮属性データを読込むための読込信号を生成して、画像メモリ16からの読込み処理を行う。
画像メモリ制御部12は、画像メモリ16から読込まれた圧縮画像データ及び圧縮属性データ夫々を画像データ伸張部21及び属性データ伸張部22へ出力する。画像データ伸張部21及び属性データ伸張部22夫々は、時刻t3以降、伸張したRGBデータ、属性データを印字画像生成部23へ出力する。
印字画像生成部23は、入力されたRGBデータ及び属性データに基づいてYMCKデータを生成し、生成したYMCKデータを画像メモリ制御部12へ出力する。
画像メモリ制御部12は、時刻t4において、印字画像生成部23から入力されたYMCKデータを画像メモリ16に記憶(バッファリング)するための書込信号を生成して、YMCKデータを画像メモリ16へ書込む。
画像メモリ制御部12は、時刻t4の書込信号の生成開始時点から所定の時間(例えば、YMCKデータの書込みに必要な時間、HDDへのデータ転送時間などに応じて設定される時間)経過後の時刻t5において、画像メモリ16に記憶したYMCKデータを読込み、読込んだYMCKデータを印字処理部40へ出力する。これにより、例えば、原稿1頁分の画像形成が行われる。画像形成する原稿の頁数が複数ある場合、同様の処理が行われる。
図5は画像データの圧縮率と圧縮後のデータサイズとの関係を示す図表である。この場合、圧縮前の元の画像データのサイズは約100MBである。例えば、圧縮率が10%である場合、元の画像データ(約100MB)が9.96MBまで圧縮されている。
図6は属性データの圧縮率と圧縮後のデータサイズとの関係を示す図表である。この場合、圧縮前の元の属性データのサイズは約33MBである。例えば、圧縮率が10%である場合、元の画像データ(約33MB)が3.32MBまで圧縮されている。
図7は圧縮画像データ用メモリ領域D1及び圧縮属性データ用メモリ領域A1の連続データ長Ld、Laと圧縮率との関係を示す図表である。図において、圧縮前の元の画像データのサイズは約100MBであり、圧縮前の元の属性データのサイズは約33MBである。また、画像データ用の連続データ長Ldと属性データ用の連続データ長Laの合計はLsであり、この場合、Lsは21048バイトである。これは、例えば、RGB各8ビット(合計24ビット)、A4位の原稿を600dpiで読み取った場合、画像データのサイズは、7016画素×4961ラインとなり、1ライン当り7016画素×24ビット=21048バイトとなるため、1ライン当りのデータ長として設定することができる。
画像データ用の連続データ長Ldは、例えば、次のように設定することができる。すなわち、Ld=Ls×(Ds×RD)/(Ds×RD+As×RA)。ここで、Lsは1ライン当りのデータ長(分割領域のデータ長)、Dsは圧縮前画像データのサイズ、RDは画像データの圧縮率、Asは圧縮前属性データのサイズ、RAは属性データの圧縮率である。
図に示すように、画像データの圧縮率が10%であり、属性データの圧縮率が、例えば、20%から小さくなるに応じて、圧縮画像データ用メモリ領域D1の連続データ長Ldを長くし、一方、圧縮属性データ用メモリ領域A1の連続データ長Laを短くする。これにより、記憶領域の上位アドレスから下位アドレスに向かって圧縮画像データ及び圧縮属性データが記憶される場合に、圧縮画像データによる記憶領域の占有度合いを大きくし、圧縮属性データによる記憶領域の占有度合いを小さくする。これにより、圧縮後の画像データ及び属性データを画像メモリ16に記憶する場合に、画像データ及び属性データで占有される分割領域の数の差分を小さくして分断化された未使用メモリを少なくすることができる。また、記憶された圧縮画像データ及び圧縮属性データを画像メモリ16から並行に読込む場合、記憶領域を上位アドレス側から下位アドレス側に向かって順次未使用状態にする。これにより、記憶領域が分断化されることなく、使用可能な領域を従来よりも大きくする。
図8は圧縮画像データ用メモリ領域D1及び圧縮属性データ用メモリ領域A1の連続データ長Ld、Laと圧縮率との関係を示す図表である。この場合は、図に示すように、属性データの圧縮率が20%であり、画像データの圧縮率が、例えば、20%から小さくなるに応じて、圧縮画像データ用メモリ領域D1の連続データ長Ldを短くし、一方、圧縮属性データ用メモリ領域A1の連続データ長Laを長くする。これにより、記憶領域の上位アドレスから下位アドレスに向かって圧縮画像データ及び圧縮属性データが記憶される場合に、圧縮属性データによる記憶領域の占有度合いを大きくし、圧縮画像データによる記憶領域の占有度合いを小さくする。これにより、圧縮後の画像データ及び属性データを画像メモリ16に記憶する場合に、画像データ及び属性データで占有される分割領域の数の差分を小さくして分断化された未使用メモリを少なくすることができる。また、記憶された圧縮画像データ及び圧縮属性データを画像メモリ16から並行に読込む場合、記憶領域を上位アドレス側から下位アドレス側に向かって順次未使用状態にする。これにより、記憶領域が分断化されることなく、使用可能な領域を従来よりも大きくする。
上述の例において、画像メモリ16にYMCKデータを書込む場合、Y、M、K、及びCデータ夫々を分割して書込むこともできる。図9は圧縮画像データ及び圧縮属性データが記憶された記憶領域にYMCKデータを分割して書込む(上書き)場合のメモリマップの例を示す模式図である。
図に示すように、YMCKデータを記憶する記憶領域の1ラインを4つの領域に分割し、夫々の領域にYデータ、Mデータ、Cデータ、及びKデータを分けて記憶することもできる。なお、この場合も、YMCKデータが記憶される記憶領域の下位アドレス側に、前記YMCKデータに対応する圧縮画像データ及び圧縮属性データが記憶される複数の連続した分割領域が配置されている。
以上説明したように、本発明にあっては、画像メモリの容量を低減し、画像メモリの使用効率を高くすることができる。また、搭載する画像メモリを小さくしてコストを低減することができ、画像処理装置をより小型化することができる。さらに、HDDなどの2次記憶装置を用いる場合、画像メモリ(1次記憶装置)に十分なバッファ領域を確保することが可能となり、2次記憶装置へのデータ転送速度に制限されることがなく、2次記憶装置を画像メモリとの間のバッファリング以外の他の機能と共用することが容易になる。また、YMCKデータ用の画像メモリと圧縮データ用の画像メモリとを共用して、さらに画像メモリの容量を低減するとともに使用効率を高くすることができる。
上述の実施の形態においては、圧縮処理後の画像データ及び属性データ並びにYMCKデータ(画像形成用データ)を画像メモリ16に記憶(バッファリング)する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、圧縮処理がない場合でも、本発明を適用することができる。すなわち、圧縮画像データ及び圧縮属性データに代えて、画像データ及び属性データの如く異なるデータ並びにYMCKデータを画像メモリ16に記憶(バッファリング)する場合にも適用することができる。これにより、異なるデータを扱う場合において、夫々のバッファリング領域を確保する必要があるときであっても、画像メモリの容量を低減するとともに使用効率を高くすることができる。
上述の実施の形態においては、画像データの圧縮率及び属性データの圧縮率に応じて、圧縮画像データ用メモリ領域D1の連続データ長Ld及び圧縮属性データ用メモリ領域A1の連続データ長Laを変更する構成であったが、これに限定されるものではなく、画像データの圧縮率又は属性データの圧縮率のいずれか1つに基づいてデータ長Ld、Laを変更するようにしてもよい。
上述の実施の形態において、画像データの圧縮率及び属性データの圧縮率に応じて、圧縮画像データ用メモリ領域D1の連続データ長Ld及び圧縮属性データ用メモリ領域A1の連続データ長Laを変更する場合、圧縮率と連続データ長とを対応付けたテーブルを記憶部17に記憶してもよく、また、演算回路等で算出するように構成してもよい。
上述の実施の形態において、データ長Ls、Ld、Laの値は一例であって、これに限定されるものではない。
上述の実施の形態においては、YMCKデータを記憶する記憶領域内であって、該記憶領域の下位アドレス側に、圧縮画像データ及び圧縮属性データを記憶する分割領域を設定(配置)する構成であったが、これに限定されるものではなく、例えば、圧縮画像データ及び圧縮属性データが記憶される分割領域の上位アドレス側と、YMCKデータが記憶される記憶領域の下位アドレス側とを共用するような構成であってもよい。