JP4222233B2 - コークス炉排出副生物の処理方法 - Google Patents

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本発明は、コークス炉の上昇管上部から乾留副生物を大気放散させる際、上昇管の内部または出口上部で前記副生物に酸素含有ガスを吹き込んで副生物を燃焼させるコークス炉排出副生物の処理方法に関する。
コークスの製造に用いる室炉式コークス炉は、石炭を乾留するための炭化室とこの炭化室に熱を供給するための燃焼室が交互に配列された構造となっている。
通常使用されている室炉式コークス炉では、20〜40トンの原料石炭が炭化室に装入され、約24時間乾留され、1000℃近くまで焼成された後、コークス炉から赤熱コークスととして排出される。
この原料石炭から赤熱コークスへの転換過程において、石炭から、水素、メタンを主成分とするガスやタール等が同時に副生する。
図1は、前記副生したガスやタール等が通過する経路の一部(上昇管とそれに隣接する部分)を模式的に例示する図である。図示するように、上昇管2は皿弁3を介して集気本管4に接続され、下端は炭化室1に通じている。また、上昇管2の上端には矢印で示すように開閉自在に構成された天蓋5が取り付けられている。なお、集気本管4には数十門の炭化室が接続されており、各炭化室と集気本管との間には、それぞれ天蓋を備えた上昇管および皿弁が設置されている。
前記のガスやタール等の乾留副生物を回収する際には、天蓋5が閉じられ、皿弁3が開かれた状態で、副生物は各炭化室1から上昇管2および皿弁3を経て集気本管4へ集められ、下流の精製・回収工程に送られる。
一方、コークス押出し前には、集気本管4中への空気の混入を防止するために、皿弁3を閉じて炭化室1と集気本管4との連絡を断ち切る「縁切り」とよばれる操作を行い、代わりに天蓋5を開放する。
この場合、炭化室内に残留するガス等の副生物が天蓋5から排出されるが、上昇管2の出口で空気と接触し、着火・燃焼して、その大部分はCO2やH2Oとして大気中に放散される。したがって、通常は、環境上の問題は生じない。しかし、燃焼条件によっては排出された副生物が未燃焼のまま大気中に放散されることも起こり得るので、あらかじめ何らかの対策を講じておくことが必要である。
このため、例えば、特許文献1には、コークス炉の上昇管の上部から乾留副生物を大気放散する際に、上昇管の内部に酸素含有ガスを添加し、または更に上昇管の出口上部で酸素含有ガスを添加して燃焼性を改善し、未燃の副生物を低減するコークス炉排出副生物の処理方法が開示されている。また、特許文献2には、前記酸素含有ガス添加時の最適条件が示され、上昇管の上部または上方に設けた複数のノズルの仰角および法線角を所定範囲内とし、添加する酸素含有ガスの総酸素量を、上昇管の上部から排出される乾留副生物との酸化反応に要する化学量論量の0.1〜0.8倍とする方法が提案されている。
これら従来の処理方法によれば、コークス炉の上昇管から排出される副生物の大気中への放散を抑制することができる。しかし、上昇管の上部から排出される副生物の量は時間とともに変化するので、前記手法を実操業に有効にかつ効率よく適用するには、放出される副生物の量を適確に把握し、酸素含有ガスの添加量を調整することが重要になる。酸素含有ガスの添加量が少なければ副生物の一部が不完全燃焼のまま大気中に放散され、それを防ぐために酸素含有ガスを過剰に添加すると無駄が生ずるからである。
特開2001−164257号公報
特開2002−201476号公報
本発明はこのような状況に鑑みなされたもので、コークス炉の上昇管の上部から乾留副生物を大気放散させる際、副生物を燃焼させるために上昇管の内部や出口上部で副生物に吹き込む酸素量を適正化し、安定した燃焼処理を行うことができるコークス炉排出副生物の処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために検討を重ねた。その結果、上昇管部で測定される火落ち判定指標を用い(ここでは、乾留により発生するガスの温度を使用)、「火落ち」と判定された時点以降を主体とする乾留経過時間と前記発生ガスの温度、ガスの組成および発生量との関係を基に、火落ち後の副生物の排出量を推定し、その副生物を燃焼させるために必要な酸素量を求めて酸素含有ガスの供給量を調整することが可能であるとの知見を得た。
本発明は、この知見に基づいてなされたもので、その要旨は、下記のコークス炉排出副生物の処理方法にある。
『コークス炉の上昇管上部から乾留副生物を大気放散させる際、上昇管の内部および/または上昇管の出口上部で前記副生物に酸素含有ガスを吹き込んで副生物を燃焼させるコークス炉排出副生物の処理方法であって、上昇管部で測定される発生ガス温度を用いて、火落ち以降の排出副生物発生量を推定し、それに基づいて前記酸素含有ガスの吹き込み量を調整するコークス炉排出副生物の処理方法。』
前記処理方法において、火落ちから縁切り時までの発生ガス温度を観測し、前記酸素含有ガスの吹き込み量を調整することとすれば、排出副生物発生量の推定値が実績と大幅に乖離するような場合においても前記吹き込み量を適正に調整することができる。
前記の「火落ち」とは、炭化室中心部まで乾留が完了した時点をいう。そのときの炭中温度は約900〜950℃である。火落ちの判定方法としては、上昇管部における乾留副生物(いずれもガス状を呈しているので、以下、「発生ガス」ともいう)の色の変化を目視観察することにより判定する方法があるが、最近は、上昇管部で発生ガス温度を測定し、その経時変化が火落ち時間前後に特殊なパターンを描くことを利用して自動的に判定する方法が一般的に用いられている。
したがって、前記の「火落ち判定指標」としては、通常は測定が簡便な発生ガス温度を使用すればよい。しかし、それに限らず、ガスの発生量や濃度等の測定値を用いることも可能である。
また、「縁切り」とは、前記のように、発生ガスが上昇管から集気本管へ導入されるその入口に設けられた皿弁3(前記図1参照)を閉じて炭化室と集気本管との連絡を断ち切る操作である。
本発明のコークス炉排出副生物の処理方法によれば、コークス炉の上昇管の上部から乾留副生物を大気放散させる際、副生物の燃焼に必要な酸素量を適正化し、簡便に、かつ効率よく安定した燃焼処理を行うことができる。
本発明のコークス炉排出副生物の処理方法は、前記のように、『コークス炉の上昇管上部から乾留副生物を大気放散させる際、上昇管の内部および/または上昇管の出口上部で前記副生物に酸素含有ガスを吹き込んで副生物を燃焼させるコークス炉排出副生物の処理方法であって、上昇管部で測定される発生ガス温度を用いて、火落ち以降の排出副生物発生量を推定し、それに基づいて前記酸素含有ガスの吹き込み量を調整する方法』である。
本発明の方法では、副生物を燃焼処理する際に、上昇管の内部および/または上昇管の出口上部で副生物(発生ガス)に酸素含有ガスを吹き込むが、吹き込みのための手段については、公知の手段を用いればよい。例えば、前掲の特許文献1や特許文献2に記載の方法で用いている手段が適用できる。
前記の図1において、上昇管2の上端出口部分よりわずか下方に酸素含有ガス吹き込みノズル6が上昇管2の内部に向けて斜め下方に取り付けられているが、この吹き込みノズル6を用いれば、酸素含有ガスを上昇管2の内部に供給して、上昇管2の内部でそこを通過する発生ガス(つまり、発生ガスの流れ)に酸素含有ガスを吹き込み混合することができる。また、上昇管2の上端出口部分よりわずか上方に水平に取り付けられている酸素含有ガス吹き込みノズル7を用いれば、上昇管2の出口上部で発生ガスに酸素含有ガスを吹き込むことが可能である。なお、この酸素含有ガスの吹き込みは、上昇管の内部および出口上部で行ってもよいし、いずれか一方で行ってもよい。
このように上昇管の内部および/または上昇管の出口上部で乾留副生物(発生ガス)に酸素含有ガスを吹き込んでそれを燃焼させる際に、本発明の方法では、『上昇管部で測定される発生ガス温度を用いて、火落ち以降の排出副生物発生量を推定し、それに基づいて前記酸素含有ガスの吹き込み量を調整する』のである。
乾留時の発生ガスの量(ガス発生量)、ガス組成等の操業(管理)データから、火落ち判定指標である発生ガス温度を用いて、発生ガス温度に対応する、ガス発生量(排出副生物発生量)を推定することができるので、その推定ガス発生量に基づき、それぞれのガス成分の燃焼に要する酸素量(当該ガス成分の酸化反応に基づいて求められる酸素の化学量論量)を求め、それらの合計量として全発生ガスの燃焼に必要な酸素量を求めることが可能である。前記必要酸素量がわかれば、使用する酸素含有ガスの酸素濃度に応じてその吹き込み量を調整することができる。
以下に、後述する実コークス炉を使用した実施例で得られた、乾留時におけるガス発生量、ガス組成等に関する実測データを示す図面を参照して、本発明の方法を具体的に説明する。なお、説明に先立ち、コークス炉におけるガスやタールなどの乾留副生物の発生について述べる。
コークス炉炭化室に装入された石炭は、炭化室両側の燃焼室からの熱で加熱され、その温度が400℃程度に達すると、石炭は軟化溶融し、ガスやタールを発生する。これらの乾留副生物は炭化室上部空間から上昇管を通って集気本管に集められ、下流の精製工程に送られる。
炭化室の幅は450mm程度あり、石炭は両側の燃焼室から炉壁煉瓦を介して伝導伝熱で加熱されるため、その昇温速度は小さく、炭化室中心部が約1000℃近くまで焼成されるのに約一昼夜を要する。ガスやタールなどが盛んに発生する400℃付近の温度を示す領域(軟化帯)が壁側から徐々に炭化室中心部に向かって移動するので、壁側から炭中部に向かって常に温度分布が存在し、そのため、乾留が開始されてから赤熱コークスとして排出されるまでガスやタールなどの副生物が常時発生している。
図2は、乾留の経過時間(乾留時間)とガス発生量およびガス組成の関係を例示する図である。炭化室の両側から徐々に進行してきた軟化帯が炭中部で会合するとき(図2に示した例では、乾留時間で約15時間経過時)にガス発生量は最大となり、その後ほぼ一定の割合で減少していく。ガス組成は水素とメタンが主体で、前記炭化室中心部で軟化帯が会合して炉幅方向の全領域がコークス状に固化する温度以上になると、水素の割合が増加し、メタンの割合が減少する。
図3は、乾留時間と上昇管部における発生ガス温度との関係を例示する図である。発生ガス温度についても、ガス発生量と同様、乾留時間で約15時間経過後の軟化帯会合時に最高温度(ピーク)に達し、その後ほぼ一定の割合で減少していく。なお、図中に火落ち時と縁切り時を破線で示した。
縁切り操作は、通常、コークス排出よりも30分程度前に行い、代わりに上昇管の上端の天蓋を開放する。発生ガスは上昇管の上端から排出されるが、その際、自然着火するので、縁切り直後から上昇管部の温度が急激に上昇し、上昇管部の雰囲気温度を発生ガス温度とすることができなくなる。そこで、図3には、コークス排出の直前まで縁切りを行わずに上昇管部の温度測定を行った結果を示している。
図4は、発生ガス温度と発生ガス量がピークを迎えた後の両者の関係を示す図で、前記の図2と図3とを対比することにより得られる。なお、図4と次に述べる図5には、実施例で得られたデータ、すなわち「稼動率100%、炭化室A」(図中に●印で表示)に加え、「稼動率105%、炭化室A」および「稼動率100%、炭化室B」の条件下でのデータも併記した。「稼動率105%」とは、炉温を上昇させ乾留時間を短くすることにより、標準(これを100%とする)よりも排出頻度を5%向上させた場合である。
図4に示すように、発生ガス温度と発生ガス量はほぼ比例関係にある。さらに、図4において発生ガス温度の変化に対応して求められる発生ガス量と、前記図2において発生ガス量に対応して求められる発生ガス組成から、発生ガスの酸化反応に必要な酸素の化学量論量(以下、「必要酸素量」という)を求めることができる。
図5は、このようにして得られる必要酸素量と発生ガス温度との関係を示す図である。必要酸素量は発生ガスの温度が高くなるに伴い増大する。その増大傾向は高温域でより顕著になるが、これは、発生ガス温度が高いほどガスの発生量が多く(図4参照)、ガス発生量が多いほど、少ない場合に比べてメタン含有比率が高くなる(図2参照)からである。
なお、図5において、窯の違い(炭化室Aと炭化室B)および稼動率の違い(稼動率100%と105%)による必要酸素量のバラツキは約20%以下であった。ちなみに、前掲の特許文献2に、上昇管の上部から排出される乾留副生物との酸化反応に要する化学量論量(必要酸素量)の0.1〜0.8倍量の酸素を添加するのがよいと記載されているが、前記のバラツキ(最大で約20%)は、その範囲内に十分な余裕を持って収まっている(例えば、0.6倍量の酸素を添加した場合、+20%のバラツキがあっても0.72倍に止まる)。したがって、窯の違いや稼働率等の条件の変化にはそれほど関係なく必要酸素量を決定し得ると考えられる。
本発明の方法においては、先ず、次の(イ)の操作を行う。
(イ)上昇管部で測定される発生ガス温度を用いて、火落ち以降の排出副生物発生量を推定する。なお、前記の「火落ち以降」とは、操業の過程で「火落ち」と判定された時点以降をいう。
火落ち判定指標としては、先に述べたように、通常は、乾留時に発生するガスの温度を用いればよい。この発生ガス温度は、上昇管部で測定する。前記の図1に示した例では、上昇管2の上方部に取り付けられている温度計8で測定することができる。
この火落ち判定指標を用いて、「火落ち以降の排出副生物発生量(炭化室から排出される発生ガス量)を推定する」のであるが、そのためには、前記図4に示した発生ガス温度と発生ガス量の関係を用いればよい。発生ガス温度に対応して発生ガス量を求めることができる。ここで、「火落ち以降の発生ガス量」を推定するのは、「火落ち」から「縁切り時」までは3時間余りあり(図3参照)、その間の温度変化に対する発生ガス量の変化をトレースして、縁切り直後の初期空気吹き込み量およびその後の空気吹き込み量の変更(減少)割合の設定を的確に行うためである。また、発生ガス量の推定値の実績値からの乖離の有無を確認することもできる。
前記推定値と実績値とがそれほど相違せずに推移している場合は、次の(ロ)の操作を行う。
(ロ)前記の発生ガス量の推定に基づいて酸素含有ガスの吹き込み量を調整する。
前述したように、発生ガス量に対応して求められる発生ガス組成(図2参照)から、発生ガスの酸化反応に必要な酸素量が求められ、前記の図5が得られているので、この図5を用いて必要酸素量を求め、用いる酸素含有ガスの酸素濃度を考慮して酸素含有ガスの吹き込み量を調整する。なお、酸素含有ガスとしては、空気、酸素富化空気、工業用純酸素等が使用できる。
このように、(イ)および(ロ)の操作を行うにあたり、図4、図5に示した発生ガス温度と発生ガス量の関係、発生ガス温度と必要酸素量の関係を用いるので、窯(炭化室)や乾留時間、あるいは炉温等が相違する種々の条件下で得られたデータを図示し、ある幅を持たせた関係図(または、関係式等)としてあらかじめ作成しておけば、操業条件が変更された場合にも問題なく適用することができる。
前記「吹き込み量の調整」については、特に限定はない。先に述べたように、通常は、上昇管の上部から排出される発生ガス(乾留副生物)は上昇管の出口で空気と接触し、着火・燃焼するので、図5から求められる必要酸素量の全量を吹き込む必要はなく、従来の操業経験に基づき、あるいは、公知の技術等を考慮して、酸素の吹き込み比率を定めればよい。
本発明の方法を適用するに際し、前記(イ)の操作において、「火落ち以降の発生ガス量」の推定値(図4で得られる発生ガス量)が実績値から大幅に乖離すると判断された場合には、『火落ちから縁切り時までの火落ち判定指標を観測しながら酸素含有ガスの供給量を調整する』ことが望ましい。なお、前記の「実績値」とは、現に行っている乾留についての操業(管理)データである。また、「大幅に乖離」するか否かは、過去の実績に基づき定めた基準により判断すればよい。
具体的には、前記観測される火落ち判定指標である発生ガス温度に対応する実績の発生ガス量に基づき、それに対応して得られる発生ガス組成から、発生ガスの酸化反応に必要な酸素量を求め、酸素含有ガスの供給量を調整する。
このような方法を採ることにより、乾留時における予期し得ないガス発生量の変動に対して迅速かつ確実に対応して、発生ガスの安定した燃焼処理を行うことができる。
炉高7mの実コークス炉において、平均揮発分(VM)が28.5質量%の配合炭を水分が6.5質量%含まれる状態で装炭し、炉温1040℃、稼働率100%で乾留を行った。乾留末期に炭化室と集気本管との連絡を断ち切り(縁切り)、上昇管の天蓋を開放して排出副生物を大気放散させる際に、本発明の方法を適用し、上昇管下部から酸素含有ガスとして空気を吹き込み、排出副生物を燃焼させた。
乾留の後半における発生ガス量および発生ガス組成の経時変化は前記図2に、発生ガス温度の変化は前記図3に示したとおりである。図3において、縁切り開始時のガス温度は230℃であった。なお、これらのデータは、稼動率100%で、炭化室Aの上昇管におけるデータである。
図2と図3とを対比することにより得られる図4、および図4の発生ガス量(縦軸)とそれに対応する発生ガス組成(図2参照)から求められる「必要酸素量」を示した図5において、黒丸(稼動率100%、炭化室A)で示したデータが本実施例で得られたデータである。図5の黒丸で示したデータから、前記縁切り開始時の(すなわち、ガス温度230℃での)必要酸素量は84.6[Nm3/h]であった。
本実施例では、吹き込み酸素量をこの必要酸素量の0.4倍とし、161.1[Nm3/h]の空気(酸素濃度を21体積%として、84.6[Nm3/h]×0.4/0.21=161.1[Nm3/h])を初期空気吹き込み量とした。
その後の空気吹き込み量は、縁切り直前の温度変化(温度の低下速度)から、空気吹き込み量の減少量を35.8[Nm3/h]、すなわち0.6[Nm3/min]と算定し、この割合で減少させた。なお、上昇管開放時間は約35分であった。
また、この上昇管開放時間内に上昇管の上部から排出されるガス(副生物)量および組成(炭化水素ガスおよび水素濃度)を測定し、副生物の残存率を算出した。
図6に、上昇管開放時間(すなわち、縁切り後空気吹き込み時間)と空気吹き込み量および副生物残存率との関係を示す。空気吹き込み量は吹き込み時間とともに減少させたが、副生物残存率は、空気吹き込み前の13%から急激に低下し、5分後には0.5%付近の低い値まで低下し、以降その状態で推移した。この結果から、排出される副生物は、ほぼ完全燃焼に近い形で大気放散されていることがわかる。
本発明のコークス炉排出副生物の処理方法によれば、排出される副生物の燃焼に必要な酸素量を適正化して、副生物を効率よく燃焼処理することができる。したがって、本発明の方法は、コークス炉の上昇管の上部から乾留副生物を大気放散させる際に適用することができ、副生物が未燃焼のまま大気中に放散されることがなくなるので、大気環境を保護する上で多大な効果を奏する。
乾留時に副生したガスやタール等が通過する経路の一部(上昇管とそれに隣接する部分)を模式的に例示する図である。 乾留の経過時間(乾留時間)とガス発生量およびガス組成の関係を例示する図である。 乾留時間と上昇管部における発生ガス温度との関係を例示する図である。 発生ガス温度と発生ガス量がピークを迎えた後の両者の関係を示す図である。 発生ガスの酸化に必要な酸素量と発生ガス温度との関係を示す図である。 縁切り後空気吹き込み時間と空気吹き込み量および副生物残存率との関係を示す。
符号の説明
1:炭化室
2:上昇管
3:皿弁
4:集気本管
5:天蓋
6、7:酸素含有ガス吹込みノズル
8:温度計

Claims (2)

  1. コークス炉の上昇管上部から乾留副生物を大気放散させる際、上昇管の内部および/または上昇管の出口上部で前記副生物に酸素含有ガスを吹き込んで副生物を燃焼させるコークス炉排出副生物の処理方法であって、
    上昇管部で測定される発生ガス温度を用いて、火落ち以降の排出副生物発生量を推定し、それに基づいて前記酸素含有ガスの吹き込み量を調整することを特徴とするコークス炉排出副生物の処理方法。
  2. 火落ちから縁切り時までの発生ガス温度を観測し、前記酸素含有ガスの吹き込み量を調整することを特徴とする請求項1に記載のコークス炉排出副生物の処理方法。
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