JP4222010B2 - 操舵装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、互いに隔たって設けられた2つのグリップを含み、それら2つのグリップを、運転者が保持したままで持ち替えることなく、一方向への移動限度から他方向への移動限度まで操作可能な操舵入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上述の操舵入力装置の一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1には、本体と、その本体に互いに平行に設けられた2本のリニアガイドと、それらリニアガイドにそれぞれ案内される2つのグリップとを含む操舵入力装置が記載されている。この操舵入力装置においては、グリップがリニアガイドに平行な姿勢で設けられていた。
【0003】
【特許文献1】
国際公開第01/87687号パンフレット
【特許文献2】
特開2001−505841号公報
【特許文献3】
特開平6−144270号公報
【特許文献4】
特開平6−1255号公報
【特許文献5】
特開平11−48985号公報
【非特許文献1】
La tecnologia(イタリア語)、[online]、ベルトーネ、[平成14年11月7日検索]、インターネット<URL:http://www.bertone.it/90_tecnologia.htm>
【0004】
【発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効果】
本発明の課題は、操舵入力装置における運転者の操作性の向上を図ることである。この課題は、操舵入力装置を下記各態様の構成のものとすることによって解決される。各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまで、本明細書に記載の技術の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組み合わせが以下の各項に限定されると解釈されるべきではない。また、1つの項に複数の事項が記載されている場合、常に、すべての事項を一緒に採用しなければならないものではなく、一部の事項のみを取り出して採用することも可能である。
【0005】
以下の各項のうち、(7) 項が請求項1に対応し、 (8) 項〜 (11) 項が請求項2〜5に対応する。また、 (15) 項が請求項6に対応し、 (16) 項、 (18) 項、 (20) 項が請求項7〜9に対応し、さらに、 (45) 項、 (46) 項が請求項10,11に対応する。
【0006】
(1)車両の車体に設けられ、(a)長手形状を成した2つのグリップと、(b)それら2つのグリップを、前記車両の幅方向に隔てて保持するグリップ保持機構とを含み、そのグリップ保持機構が、それら2つのグリップを運転者が保持したままで持ち替えることなく、前記車両の上下方向、前後方向、それら上下方向および前後方向に対して傾斜した方向のうちの一の方向に、前記2つのグリップの各々を、上方側または前方側の移動限度位置と下方側または後方側の移動限度位置との間で、互いに逆向きに操作可能な状態に保持するものである操舵入力装置と、
前記車両の車輪にタイロッドを介して連結された転舵ロッドと、
その転舵ロッドに軸方向移動力を付与する転舵用駆動源と、
少なくとも、前記操舵入力装置において入力された操舵入力量に基づいて前記転舵用駆動源を制御する転舵制御装置と
を含む操舵装置であって、
前記2つのグリップの各々において予め定められた一点を想定するとともに、前記2つのグリップのうちの一方のグリップが前記上方側または前方側の移動限度位置にあり、他方のグリップが前記下方側または後方側の移動限度位置にある状態における、その一方のグリップの前記一点が位置する点を第1点とし、その他方のグリップの前記一点が位置する点を第2点とするとともに、前記一方のグリップが前記下方側または後方側の移動限度位置にあり、前記他方のグリップが前記上方側または前方側の移動限度位置にある状態における、その一方のグリップの前記一点が位置する点を第3点とし、その他方のグリップの前記一点が位置する点を第4点として、それら第1点、第2点、第3点および第4点を含む一平面である基準平面を想定した場合に、前記グリップ保持機構が、前記2つのグリップを、前記操舵入力装置の中立位置における前記2つのグリップ各々の前記基準平面へのその基準平面に直角な方向の2つの投影像が、前記車両の上方側または前方側の部分ほど互いの間隔が狭くなる状態に傾斜し、かつ、前記第1点と前記第4点とを結ぶ線分の中点と前記第3点と前記第2点とを結ぶ線分の中点とを通る直線である中心線と、前記2つの投影像の長手方向とが成す角度が、それぞれ30°から70°までの角度範囲から選ばれた角度である姿勢で保持するものであることを特徴とする操舵装置。
本項に記載の操舵入力装置において、グリップは、上方側または前方側の移動限度位置から下方側または後方側の移動限度位置までの間で移動可能に設けられるが、運転者は、この移動可能な範囲内においてグリップを保持したままで持ち替えることなく操作する。
2つのグリップ各々の上方側または前方側の移動限度位置と下方側または後方側の移動限度位置との4つの位置は基準平面上にある。また、2つのグリップそれぞれの上方側または前方側の移動限度位置同士、下方側または後方側の移動限度位置同士は、互いに対称の位置にあり、これらの対称線が中心線である。しかし、グリップの上方側または前方側の移動限度位置から下方側または後方側の移動限度位置までの移動軌跡が基準平面内にあるとは限らない。例えば、移動軌跡上の位置である中立位置は、この基準平面上にない場合があるのである。いずれにしても、グリップの移動軌跡は、基準平面内にあってもなくてもよく、直線であっても曲線であってもよい。
操舵入力装置は車体に、基準平面が水平面となる姿勢で取り付けたり、鉛直面となる姿勢で取り付けたり、水平面や鉛直面に対して傾斜した姿勢(基準平面が車両の前方に向かうにつれて上方に位置する状態)で取り付けたりすることができる。
グリップの姿勢は、操舵入力装置が車体に取り付けられる場合の姿勢によって決まるが、2つのグリップは、中立位置におけるグリップの基準平面への投影像の、中心線と平行な直線に対する傾斜角度が30°から70°までの角度で、互いに内側に傾斜する状態で設けられる。グリップは基準平面とほぼ平行な姿勢で設けられても、基準平面と交差する姿勢で設けられてもよい。
内側に傾斜する状態とは、例えば、基準平面がほぼ鉛直面となる状態で取り付けられる場合には、上方に向かうにつれて互いに接近する向きに傾斜する状態であり、基準平面がほぼ水平面となる状態で取り付けられる場合には、前方に向かうにつれて互いに接近する向きに傾斜する状態である。基準平面が水平面や鉛直面に対して傾斜する状態とされる場合には、上方または前方に向かうにつれて互いに接近する向きに傾斜する状態である。いずれにしても、運転者が基準平面に向かって2つのグリップを見た場合に、それらグリップが概してハの字形(Λ字形)になる状態である。
通常、運転者はグリップを把持することによって自分の手や腕の重さを支えるが、グリップが中心線に平行な姿勢である場合には、内側に傾斜した姿勢である場合より、グリップの把持力を大きくしなければならない。そのため、疲労が増したり、細かな操作をしにくくなったりする。また、グリップの傾斜角度が大きすぎると、肘がドア等と干渉するおそれがある。そして、肘とドア等との干渉を回避しようとすると、運転者が無理な姿勢となり、疲れやすくなったり、操作性が悪くなったりする。それに対して、グリップを内側に傾斜させるとともに、その傾斜角度を30°〜70°とすれば、運転者の疲労を軽減し、操作性を向上させることができる。
なお、「前方または上方に向かうにつれて互いに接近する」とは、前方に向かうにつれて互いに接近するか、上方に向かうにつれて互いに接近するかのいずれかであればよく、前方かつ上方(前上方)に向かうにつれて互いに接近する姿勢でもよい。
また、グリップは長手形状を成したものである。グリップは、概して円筒状を成す部分を有する形状とすることが望ましいがそれに限らない。いずれにしてもグリップの形状の長手方向の向きによって姿勢が決まるのであり、投影像の長手方向と、中心線と平行な直線とのなす角度によって表される。
さらに、このグリップの角度は30°以上70°以下とされるが、35°以上、40°以上、45°以上とすることができ、また、65°以下、60°以下とすることができる。さらに、55°前後とすることが望ましく、例えば、55°を中心とする範囲(例えば、40°〜70°、45°〜65°、50°〜60°等の範囲)とすることができる。
また、運転者がグリップの持ち替えなしで操作する場合には、円環状を成す操作部材であるステアリングホイールを持ち替えながら操作する場合と比較して操作性が大きく異ならないように、グリップの操作範囲や操作軌跡を設定することが望ましい。例えば、グリップの一方向移動限度位置から他方向移動限度位置までのストロークを200〜300mmとすることが望ましい。
さらに、本項に記載の操舵入力装置において、例えば、中立位置からのグリップの移動量に基づいて操舵入力量を取得することができる。操舵入力量は、操舵入力量検出装置によって検出される。グリップの移動量は、例えば、グリップが移動した軌跡の長さで表すことができる。また、グリップが旋回軸線回りに旋回させられる場合にはその旋回角度で表すことができる。
(2)前記基準平面に加えて、その基準平面内の水平線を含む鉛直面を想定した場合に、当該操舵入力装置の中立位置における前記2つのグリップ各々の前記鉛直面へのその鉛直面に直角な方向の2つの投影像が、上方側の部分ほど互いの間隔が狭くなる状態に、前記2つのグリップを傾斜させ、かつ、前記鉛直面への2つの投影像の長手方向と前記水平線との成す角度を、それぞれ15°から70°までの角度範囲から選ばれた角度とした(1)項に記載の操舵装置。
(3)前記基準平面に加えて、その基準平面内の水平線を含む鉛直面を想定し、当該操舵入力装置の中立位置における前記2つのグリップ各々の前記鉛直面へのその鉛直面に直角な方向の2つの投影像が、上方側の部分ほど互いの間隔が狭くなる状態に、前記2つのグリップを傾斜させ、かつ、前記鉛直面への2つの投影像の長手方向と前記水平線との成す角度を、それぞれ5°から85°までの角度範囲から選ばれた角度とした(1)項に記載の操舵装置。
グリップの鉛直面または直交面への投影像の水平線に対する角度は5°以上85°以下である。2つのグリップは、基準平面から離間するにつれて互いに接近する向きに傾斜して設けられる。
グリップの水平線に対する角度が大きすぎると、運転者はグリップを把持することによって自らの腕を支持しなければならないため、疲れ易くなる。また、水平線に対する角度が小さすぎると運転者の肘がドア等に当たり、操縦性が悪くなる。それに対して、水平線に対する角度が5°以上70°以下の場合には、グリップに運転者の腕を支持させることができるため、運転者の疲労を軽減することができ、操縦性を向上させることができる。
なお、角度は10°以上、20°以上、30°以上、40°以上とすることができ、80°以下、70°以下、60°以下、50°以下とすることができる。また、例えば、35°前後の角度とすることが望ましく、35°を中心とする範囲内(例えば、20°〜50°、25°〜45°、30°〜40°)とすることができる。
(4)前記2つのグリップのうちの少なくとも一方の前記操舵入力装置の中立位置からの移動量と、前記2つのグリップの少なくとも一方に加えられた操作力との少なくとも一方に基づいて前記操舵入力量を取得する操舵入力量取得装置を含む(1)項ないし(3)項のいずれか1つに記載の操舵装置。
(5)前記グリップ保持機構が、前記2つのグリップの各々を、前記グリップが前記中立位置から上方または前方へ操作されるのに伴って、前記グリップの投影像と前記中心線との成す角度が大きくなる状態で保持するものである(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載の操舵装置。
本項に記載の操舵入力装置においては、グリップが前方または上方へ操作されるのに伴ってグリップ角が大きくなるように保持される。
グリップ保持機構は、グリップが回動中心回りに回動操作される場合において、その回動半径に対して予め定められた相対位置関係(グリップの移動軌跡に対して予め定められた相対位置関係)を有する状態で保持される場合より、グリップ角の変化が小さくなる状態で保持するものとすることができる。例えば、アームにグリップが固定された場合よりグリップ角の変化が小さくなるようにすることができるのである。
また、グリップ保持機構は、グリップがガイド部材に案内される場合において、そのグリップのガイド部材に対する角度が一定ではなく、ガイド部材に対する相対位置の変化に応じて角度が変化する状態で保持することができる。例えば、グリップがガイド部材に沿って中立位置より前方または上方に移動するにつれて、グリップ角が大きくなるように変化するようにすることができる。
なお、グリップ保持機構は、前述の相対回転制限装置と共通部分を有するものとしたり、別個のものとしたりすることができる。相対回転制限装置を本項に記載のグリップ保持機能を含むものとすることができるのである。
(6)(a)車両の車体に取り付けられる操舵入力装置本体と、(b)長手形状を成した2つのグリップと、(c)中間部において、前記操舵入力装置本体に回転可能に保持される一方、両端部において、前記2つのグリップの各々を、それらグリップの各被保持部において、それぞれ相対回転可能に保持する1つのアームと、(d)そのアームと共同して、前記2つのグリップ各々の前記アームに対する相対回転を制限する相対回転制限装置とを含み、運転者が前記2つのグリップを保持したままで持ち替えることなく、前記車両の上下方向、前後方向、上下方向または前後方向に傾斜した方向のうちの一の方向に互いに隔たった上方側または前方側の移動限度位置と下方側または後方側の移動限度位置との間で、前記2つのグリップを互いに逆方向に操作可能な操舵入力装置と、
前記車両の車輪にタイロッドを介して連結された転舵ロッドと、
その転舵ロッドに軸方向移動力を付与する転舵用駆動源と、
少なくとも、前記操舵入力装置において入力された操舵入力量に基づいて前記転舵用駆動源を制御する転舵制御装置と
を含む操舵装置。
(7)前記2つのグリップのうちの一方のグリップが前記上方側または前方側の移動限度位置にあり、他方のグリップが前記下方側または後方側の移動限度位置にある状態における、その一方のグリップの前記被保持部が位置する点を第1点とし、その他方のグリップの前記被保持部が位置する点を第2点とするとともに、前記一方のグリップが前記下方側または後方側の移動限度位置にあり、前記他方のグリップが前記上方側または前方側の移動限度位置にある状態における、その一方のグリップの前記被保持部が位置する点を第3点とし、その他方のグリップの前記被保持部が位置する点を第4点として、それら第1点、第2点、第3点および第4点を含む一平面である基準平面を想定した場合に、当該相対回転制限装置が、前記2つのグリップを、前記操舵入力装置の中立位置における前記2つのグリップ各々の前記基準平面へのその基準平面に直角な方向の2つの投影像が、前記車両の上方側または前方側の部分ほど互いの間隔が狭くなる状態に傾斜し、かつ、前記第1点と前記第4点とを結ぶ線分の中点と前記第3点と前記第2点とを結ぶ線分の中点とを通る直線である中心線と、前記2つの投影像の長手方向とが成す角度が、それぞれ30°から70°までの角度範囲から選ばれた角度である姿勢で保持するとともに、前記グリップが相対回転不能に固定されたアームを想定した場合に、その想定したアームと、前記相対回転制限装置によって相対回転が制限された2つのグリップを保持する当該アームとが同じ角度だけ回転した場合の、当該アームに保持された2つのグリップの前記基準平面への投影像の各々の長手方向と前記中心線との成す角度の変化量を、前記想定したアームに固定された前記グリップの前記基準平面への投影像の長手方向と前記中心線との成す角度の変化量より小さく制限するものである (6) 項に記載の操舵装置。
運転者はグリップを保持したままでアームを回転させる。例えば、このアームの回転量を操舵入力量とすることができる。
また、グリップのアームに対する相対回転が相対回転制限装置によって制限される。相対回転の制限には、例えば、グリップのアームに対する多少の相対回転を許容するが、自由な回転を阻止する態様、アームの回転に伴う相対回転は許容するが、アームの回転位相によってグリップのアームに対する回転位置を一義的に規定する態様、予め定められた1つ以上の位置におけるグリップのアームに対する回転位置を一義的に規定する態様等、これらのうちの2つ以上を組み合わせた態様等がある。例えば、後述するように、上述のグリップの回転位置が、中立位置から前方または上方へ操作するのに伴って、中心線と平行な直線に対するグリップの角度が大きくなる位置となるようにするものとすることができる。
グリップのアームに対する自由な回転が許容される場合には、運転者はグリップの自由な回転を防止しつつアームを回転させるために、余分な力を加えなければならない。また、アームに対してグリップが固定されると、操作位置によってはグリップが持ち難くなって、手首の負担が大きくなったり、操作性が悪くなったりする。それに対して、グリップのアームに対する相対回転が制限されれるようにすれば、操作性を向上させることができる。
なお、グリップは、それの長手方向の一端部においてアームに保持されるものであっても、中間部において保持されるものであってもよい。
(8)前記相対回転制限装置が、前記2つのグリップ各々にそれぞれ対応して設けられ、一端部において前記グリップの各々に、それらグリップの各々の前記アームにより保持された被保持部とは長手方向に隔たった部分において相対回転可能に係合し、他端部において前記本体に、前記基準平面と直交する軸線回りに相対回転可能に保持されたリンク部材を2つ含む(7)項に記載の操舵装置。
リンク部材によれば、グリップのアームに対する回転位置を規定したり、アームに対する回転許容角度を小さくしたりすることができる。
(9)前記2つのリンク部材の前記他端部間の距離を変更することによって、少なくとも前記中立位置における前記2つのグリップ各々の前記アームに対する前記相対回転位置を変更するグリップ角変更装置を含む(8)項に記載の操舵装置。
2つのリンク部材の他端部間の距離を変更すれば、中立位置におけるアームに対するグリップの回転位置を変更することができるのであり、グリップの基準平面への投影像の、中心線と平行な直線に対する角度(以下、グリップ角度と略称する)を変更することができる。リンク部材の長さが同じ場合において、他端部間の距離を大きくすれば、グリップ角度を大きくすることができ、距離を小さくすれば、グリップ角度を小さくすることができる。このようにリンク部材の他端部間の距離を変更可能とすれば、グリップ角度を運転者の所望する大きさにすることができ、個々の運転者に適した角度に設定することができる。
また、2つのリンク部材の他端部間の距離の変更には、中心面に対する対称性を保持したままの変更と、対称性を保持しない変更とがある。2つのリンク部材の他端部の本体に対する位置をそれぞれ別個独立に変更可能とすれば、左右それぞれのグリップ角度を別個独立に変更することができる。例えば、操舵入力装置の誤差等に起因する非対称性を補正することが可能となる。
この意味において、リンク部材をグリップ角コントロールリンクと称することができる。
(10)前記基準平面に加えて、前記基準平面の水平線を含む鉛直面を想定した場合に、前記アームが、前記2つのグリップを、前記操舵入力装置の中立位置における前記2つのグリップ各々の前記鉛直面へのその鉛直面に直角な方向の2つの投影像が、前記車両の上方側の部分ほど互いの間隔が狭くなる状態に傾斜し、かつ、前記鉛直面への2つの投影像の長手方向と前記水平線との成す角度を、それぞれ15°から70°までの角度範囲から選ばれた角度とした姿勢で保持する(7)項ないし(9)項のいずれか1つに記載の操舵装置。
(11)前記1つのアームの前記操舵入力装置の中立位置からの回動量を前記操舵入力量として取得する操舵入力量取得装置を含む(7)項ないし(10)項のいずれか1つに記載の操舵装置。
(12)前記2つのリンク部材を、前記グリップの前記基準平面における投影像の前記中心線と平行な直線に対する角度が、前記グリップが上方または前方に移動するにつれて大きくなる状態で設けた(8)項ないし(11)項のいずれか1つに記載の操舵装置。
(13)前記リンク部材を、前記グリップの姿勢が前記基準平面に対して傾斜する姿勢となる状態で設けた(8)項ないし(12)項のいずれか1つに記載の操舵装置。
本項に記載の操舵入力装置においては、2つのグリップが、上方または前方に向かうにつれて互いに接近する向きに傾斜する姿勢とされる。また、グリップ角が、グリップが上方または前方へ移動するにつれて大きくなるように設けられる。上方または前方に移動するにつれてグリップの向きが車両の幅方向と平行な方向に近づくようにされるのである。このように、グリップの姿勢が円環状のハンドルを操作する場合と同じ方向に変化することになるため、運転者による操作性を向上させることができる。例えば、リンク部材とアームとが、基準平面と平行なほぼ同一平面内に保持されれば、グリップの姿勢が基準平面に対してほぼ平行となり、リンク部材とアームとが基準平面に直交する方向に隔たった位置に保持されれば、グリップの姿勢が基準平面に対して傾斜した姿勢となる。
(14) (a)車両の車体に取り付けられる操舵入力装置本体と、(b)長手形状を成した2つのグリップと、(c)前記2つのグリップ各々にそれぞれ対応して設けられ、一端部において前記操舵入力装置本体に保持され、他端部において、前記2つのグリップの各々をそれらグリップの各被保持部において、それぞれ前記基準平面と直交する軸線回りに回転可能に保持する2つのアームと (d) それら2つのアームの回転を制限するとともにそれら2つのアームと共同して、前記2つのグリップ各々の前記2つのアームの各々に対する相対回転を制限する相対回転制限装置とを含み、運転者が前記2つのグリップを保持したままで持ち替えることなく、前記車両の上下方向、前後方向、上下方向または前後方向に傾斜した方向のうちの一の方向に互いに隔たった上方側または前方側の移動限度位置と下方側または後方側の移動限度位置との間で、前記2つのグリップを互いに逆方向に操作可能な操舵入力装置と、
前記車両の車輪にタイロッドを介して連結された転舵ロッドと、
その転舵ロッドに軸方向移動力を付与する転舵用駆動源と、
少なくとも、前記操舵入力装置において入力された操舵入力量に基づいて前記転舵用駆動源を制御する転舵制御装置と
を含む操舵装置。
( 15 )前記2つのグリップのうちの一方のグリップが前記上方側または前方側の移動限度位置にあり、他方のグリップが前記下方側または後方側の移動限度位置にある状態における、その一方のグリップの前記被保持部が位置する点を第1点とし、その他方のグリップの前記被保持部が位置する点を第2点とするとともに、前記一方のグリップが前記下方側または後方側の移動限度位置にあり、前記他方のグリップが前記上方側または前方側の移動限度位置にある状態における、その一方のグリップの前記被保持部が位置する点を第3点とし、その他方のグリップの前記被保持部が位置する点を第4点として、それら第1点、第2点、第3点および第4点を含む一平面である基準平面と、その基準平面上の前記第1点と前記第4点とを結ぶ線分の中点と前記第3点と前記第2点とを結ぶ線分の中点とを通る直線である中心線とを想定した場合に、前記アームの各々の一端部が、前記本体の前記中心線に対して対称な位置の2部分に、前記基準平面と直交する互いに異なる回転軸線回りに相対回転可能に保持され、前記相対回転制限装置が、前記アームの他端部において、前記2つのグリップの各々を、当該操舵入力装置の中立位置における前記2つのグリップ各々の前記基準平面へのその基準平面に直角な方向の2つの投影像が、前記車両の上方側または前方側の部分ほど互いの間隔が狭くなる状態に傾斜し、かつ、前記中心線と前記2つの投影像の長手方向とが成す角度が、それぞれ30°から70°までの角度範囲から選ばれた角度である姿勢で保持するとともに、前記グリップが相対回転不能に固定されたアームを想定し、その想定したアームと、前記相対回転制限装置によって相対回転が制限されたグリップをそれぞれ保持する当該2つのアームのうちの一方とが、前記操舵入力装置の回転中心回りに同じ角度だけ回転した場合の、当該一方のアームに保持された前記グリップの前記基準平面への投影像の各々の長手方向と前記中心線との成す角度の変化量を、前記想定したアームに固定された前記グリップの前記基準平面への投影像の長手方向と前記中心線との成す角度の変化量より小さく制限するものを含むことを特徴とする(14)項に記載の操舵装置。
本項に記載の操舵入力装置においては、アームが2つ設けられ、それぞれにグリップが保持される。例えば、2つのアームのうちの少なくとも一方の回転角度を操舵入力装置の操舵入力量とすることができる。
相対回転制限装置は、2つのアームについてそれぞれグリップの相対回転を制限するものであり、2つのグリップの相対回転が同様に制限するものである。2つのアームは、それぞれ、別個独立に回転するものであっても、連動して回転するものであってもよい。
(16)前記2つのアームが、前記操舵入力装置の中立位置において、前記基準平面に直角な方向から見て、それぞれの中間部において、前記中心線上で互いに交差する姿勢で配設されるとともに、それら2つのアームのうちの一方のアームが、そのアームの前記一端部が前記中心線の一方の側において前記グリップを保持し、前記他端部が前記本体の前記中心線の他方の側の部分により相対回転可能に保持され、前記2つのアームのうちの他方のアームが、前記一端部が前記中心線の前記他方の側において前記グリップを保持し、前記他端部が前記本体の前記中心線の前記一方の側の部分により相対回転可能に保持された(15)項に記載の操舵装置。
本項に記載の操舵入力装置によれば、中立位置において、アームの回転軸線が他方のアームのグリップ保持位置近傍に設けられる。その結果、操舵入力装置が大形になることを回避しつつアームの回転半径を大きくすることができ、操作性を向上させることができる。
2つのアームは、中立位置において基準平面に直交する方向から見た場合に交差する状態で設けられる。
(17)複数のリンクを備えて前記2つのアームを互いに連係させるリンク機構を含む(15) 項または (16) に記載の操舵装置。
リンク機構を設ければ、2つのアームを連動して回動させることができる。例えば、一方のアームが上方または前方へ向かって回動するのに伴って他方のアームが下方または後方へ向かって回動させられるようにすることができる。この場合に、上方または前方へ向かって回動するアームの回動速度と下方または後方へ向かうアームの回動速度とは同じであっても、異なっていてもよい。
(18)前記操舵入力装置が、(a)複数のリンクを備えて前記2つのアームを互いに連係させるリンク機構と、(b)そのリンク機構を構成するリンク部材の1つの長さを長さ変更装 置により変更することにより、前記中立位置における前記2つのグリップの間隔と、前記上方側または前方側の移動限度位置と前記下方側または後方側の移動限度位置との間における前記2つのアームの各々の回動角度との少なくとも一方を変更する操作状態変更装置とを含む(15)項ないし(17)項のいずれか1つに記載の操舵装置。
リンク機構の形状の変更には、例えば、複数のリンク部材が平面視において長方形を成す場合に、長方形を維持したままで短辺と長辺との比を変更する場合、長方形から台形に変更する場合等が含まれる。
いずれにしても、リンク機構の形状を変更すれば、図12に示すように、中立位置におけるアームの中心線に対する相対位置(グリップの左右方向の位置、上下方向の位置)を変更したり、アームの回動限度位置(グリップの一方向移動限度位置、他方向移動限度位置)を変更したり、2つのアームの相対回動位置関係を変更したりすることができる。
リンク機構の形状を変更する場合に、リンク機構の中心面に対する対称性を維持しつつ変更しても対称性を維持しないで変更してもよい。
(19)前記相対回転制限装置が、前記2つのグリップ各々にそれぞれ対応して設けられ、一端部において前記グリップに係合し、他端部において前記本体に回転軸線回りに相対回転可能に保持されたリンク部材を2つ含む(15)項ないし(18)項のいずれか1つに記載の操舵装置。
リンク部材については、前述の(8)項〜(13)項に記載の技術的特徴を採用することができる。
(20) 前記基準平面に加えて、その基準平面の水平線を含む鉛直面を想定した場合に、前記2つのアームが、それぞれ、前記グリップを、前記操舵入力装置の中立位置における前記2つのグリップ各々の前記鉛直面へのその鉛直面に直角な方向の2つの投影像が、前記車両の上方側の部分ほど互いの間隔が狭くなる状態に傾斜し、かつ、前記鉛直面への2つの投影像の長手方向と前記水平線との成す角度を、それぞれ15°から70°までの角度範囲から選ばれた角度とした姿勢で保持する(15)項ないし(19)項のいずれか1つに記載の操舵装置。
(21)前記車体に取り付けられた前記操舵入力装置の本体と、
その本体に、前記中心線を含んで前記基準平面と直交する面である対称面に対して対称に、前記車両の上方側または前方側に向かうにつれて互いに接近する向きに傾斜した状態で固定的に設けられ、前記2つのグリップの各々と、前記一点において係合する係合部を有し、前記2つのグリップをそれぞれ案内する2つのガイド部材と
を含む(1)項ないし(5)項のいずれか1つに記載の操舵装置。
本項に記載の操舵入力装置においては、ガイド部材が対称面に対して左右対称に設けられ、それに沿ってグリップが案内される。ガイド部材が対称面に対して左右対称に設けられるため、グリップの移動軌跡も左右対称になる。ガイド部材は前記基準平面に平行な同一面内に設けられてもそうでなくてもよい。また、ガイド部材は直線状を成したものであっても曲線状を成したものであってもよい。
なお、操舵入力量は、それら2つのガイド部材の少なくとも一方に対する前記グリップの相対位置に基づいて決定することができる。
(22)前記2つのガイド部材が、互いに、上方または前方に向かうにつれて互いに接近する状態で設けられた(21)項に記載の操舵装置。
ガイド部材は、基準平面を運転者が見た場合に概してハの字型(Λ型)に設けられる。ガイド部材は、下方または後方に向かうにつれて互いに離間する状態で設けられる。ガイド部材が下方または後方に向かうにつれて互いに離間する状態で設ければ、グリップがガイド部材の下方に位置した場合に運転者との干渉を回避することができる。
(23)前記2つのガイド部材の前記基準平面への投影像の前記中心線と平行な直線とのなす角度が、15°以上50°以下である(21)項または(22)項に記載の操舵装置。
ガイド部材の中心線と平行な直線に対する傾斜角度は、17°以上、20°以上、23°以上とすることができ、45°以下、40°以下、35°以下とすることができる。
(24)前記2つのグリップの、それら2つのグリップ各々の前記ガイド部材に保持された部分の間の距離が300mmないし600mmの範囲から選ばれた距離である位置を、前記中立位置とする(21)項ないし(23)項のいずれか1つに記載の操舵装置。
中立位置における左右グリップの左右間隔を、ステアリングホイールの直径(約380mm)とほぼ同じにすれば、運転者の違和感を軽減することができる。
(25)前記中立位置を、前記2つのガイド部材の長手方向の中央位置より前記車両の上方または前方側の位置とした(21)項ないし(24)項のいずれか1つに記載の操舵装置。
本項に記載の操舵入力装置においては、中立位置より内側において外側におけるよりグリップの移動量が小さくなるように設けられる。それによって、運転者の操作性を向上させることができる。
なお、前記ガイド部材の長手方向の長さを、200〜300mmとすることができる。操作範囲が大きすぎても小さすぎても操作性が悪くなる。それに対して、200〜300mmとすれば、運転者の操作性の低下を抑制することができる。ガイド部材の長さはほぼ250mmとすることができる。
(26)前記ガイド部材が、前記基準平面に交差する交差面に描かれた円弧形状を成したものである(21)項ないし(25)項のいずれか1つに記載の操舵装置。
本項に記載の操舵入力装置においては、ガイド部材が、運転者を中心に車両の前後方向にほぼ平行な面に円を描いた場合のその円の一部を成した形状で設けられる。例えば、運転者の肩を中心に腕を前後方向に回した場合に手が描く円弧状に設けることができるのであり、それによって、運転者の操作性を向上させることができる。
なお、交差面は基準平面に直交する直交面とすることができる。また、円弧状に限らず、広く曲線状を成したものとすることもできる。
(27)前記2つのガイド部材に、それぞれ、姿勢を一定に保った状態で案内される2つのグリップを互いに連動させるグリップ連動装置を含み、そのグリップ連動装置が、(a)前記2つのガイド部材の両端部にそれぞれ対応する位置に、前記基準平面と直交する軸線回りに回転可能に設けられ、各ガイド部材に対応する2つずつが対を成す2対のプーリと、(b)それら2対のプーリにそれぞれ巻き掛けられるとともに、前記2つのグリップの各々と相対移動不能に係合させられた2つの第1のベルトと、(c)前記2対のプーリのうち前記2つのガイド部材の同じ側の端部にそれぞれ設けられた2つのプーリの間に巻き掛けられた第2のベルトとを含む(21)項ないし(24)項、(26)項のいずれか1つに記載の操舵装置。
2つのガイド部材にグリップがそれぞれ案内されるのであるが、本項に記載の操舵入力装置においては、2つのグリップが連動して移動させられる。2つのグリップは別個独立に案内されるのではないのである。それによって、例えば、一方のグリップが上方または前方に移動すると、他方のグリップが下方また後方に移動させられるようにすることができる。また、上方または前方に移動する場合の移動速度と、下方または後方に移動する場合の移動速度とが同じ状態で移動させられるようにしたり、異なる状態で移動させられるようにしたりすることもできる。
(28)前記2つのガイド部材に、それぞれ、姿勢を一定に保った状態で案内される2つのグリップを互いに連動させるグリップ連動装置を含み、そのグリップ連動装置が、(a)前記2つのグリップ各々にそれぞれ対応して設けられ、一端部において前記グリップをそれぞれ、前記基準平面と直交する軸線回りに相対回転可能に保持し、他端部において前記本体の前記中心線に対して対称な位置に、前記基準平面と直交する互いに異なる回転軸線回りに相対回転可能に保持されるとともに、長さが伸縮可能な2つのアームと、(b)複数のリンクを備えて前記2つのアームを互いに連係させるリンク機構であって、前記2つのグリップのうちの、前記ガイド部材上の前記中立位置より前記車両の上方または前方側に位置するグリップの移動量を前記中立位置より前記車両の下方または後方に位置するグリップの移動量より小さくする機構とを含む(21)項ないし(27)項のいずれか1つに記載の操舵装置。
(29)車両の車体に設けられ、(a)長手形状を成した2つのグリップと、(b)それら2つのグリップを、前記車両の幅方向に隔てて保持するグリップ保持機構とを含み、そのグリップ保持機構が、それら2つのグリップを運転者が保持したままで持ち替えることなく、前記車両の上下方向、前後方向、それら上下方向および前後方向に対して傾斜した方向のうちの一の方向に、前記2つのグリップの各々を、上方側または前方側の移動限度位置と下方側または後方側の移動限度位置との間で、互いに逆向きに操作可能な状態に保持するものである操舵入力装置と、
前記車両の車輪にタイロッドを介して連結された転舵ロッドと、
前記転舵ロッドに軸方向移動力を付与する転舵用駆動源と、
少なくとも、前記操舵入力装置において入力された操舵入力量に基づいて前記転舵用駆動源を制御する転舵制御装置と
を含む操舵装置であって、
前記2つのグリップの各々において予め定められた一点を想定するとともに、前記2つのグリップのうちの一方のグリップが前記上方側または前方側の移動限度位置にあり、他方のグリップが前記下方側または後方側の移動限度位置にある状態における、その一方のグリップの前記一点が位置する点を第1点とし、その他方のグリップの前記一点が位置する点を第2点とするとともに、前記一方のグリップが前記下方側または後方側の移動限度位置にあり、前記他方のグリップが前記上方側または前方側の移動限度位置にある状態における、その一方のグリップの前記一点が位置する点を第3点とし、その他方のグリップの前記一点が位置する点を第4点として、それら第1点、第2点、第3点および第4点を含む一平面である基準平面と、その基準平面内の水平線を含む鉛直面とを想定した場合に、前記グリップ保持機構が、前記2つのグリップを、当該操舵入力装置の中立位置における前記2つのグリップ各々の前記鉛直面へのその鉛直面に直角な方向の2つの投影像が、上方側の部分ほど互いの間隔が狭くなる状態に、前記2つのグリップが傾斜し、かつ、前記投影像の長手方向と前記水平線との成す角度が、それぞれ15°から70°までの角度範囲から選ばれた角度である姿勢で保持するものとしたことを特徴とする操舵装置。
前述のように、グリップの鉛直面への投影像の水平線との成す角度は20°以上、30°以上、40°以上とすることができ、65°以下、60°以下、55°以下とすることができる。また、例えば、35°前後の角度とすることが望ましく、35°を中心とする範囲内(例えば、20°〜50°、25°〜45°、30°〜40°)とすることができる。
本項に記載の操舵入力装置には、(1)項ないし(28)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
(30)少なくとも、前記中立位置における前記2つのグリップ各々の前記基準平面への投影像の長手方向と前記中心線との成す角度を変更するグリップ角変更装置を含む(1)項ないし(29)項のいずれか1つに記載の操舵装置。
本項に記載の操舵入力装置においては、中立位置におけるグリップ角が変更可能とされる。その結果、例えば、グリップ角を、運転者個々の要求に応じた大きさとすることができるのであり、操作性を向上させることができる。
例えば、前述のように、グリップのアームに対する角度、グリップのガイド部材に対する角度を変更することができるのである。
【0011】
( 31 )車両の車体に取り付けられ、互いに隔たって設けられた2つのグリップを含み、それら2つのグリップを、運転者が保持したままで持ち替えることなく、一方向への移動限度から他方向への移動限度まで操作可能な操舵入力装置であって、
長手形状を成した前記2つのグリップを、前記基準平面から離れるにつれて互いに接近する向きに傾斜する状態で設けるとともに、当該操舵入力装置の中立位置において、それら2つのグリップ各々の前記一方向への移動限度における位置である一方向移動限度位置と前記他方向への移動限度における位置である他方向移動限度位置とを含む一平面である基準平面内の水平線を含み、前記基準平面に直交する直交面への投影像の長手方向と、前記水平線との成す角度を、それぞれ、15°から70°までの角度範囲から選ばれた角度としたことを特徴とする操舵入力装置。
本項に記載の操舵入力装置には、(1)項ないし(30) のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
( 32 )車両の車体に取り付けられ、互いに隔たって設けられた2つのグリップを含み、それら2つのグリップを、運転者が保持したままで持ち替えることなく、一方向への移動限度から他方向への移動限度まで操作可能な操舵入力装置であって、
長手形状を成した2つのグリップを、当該操舵入力装置の中立位置において、操作方向に対して、30°以上60°以下の角度で傾斜した状態で設けたことを特徴とする操舵入力装置。
操作方向は、移動軌跡が曲線である場合には、その接線方向をいう。
本項に記載の操舵入力装置には、(1) 項ないし (31) のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
( 33 )車両の車体に取り付けられ、互いに隔たって設けられた2つのグリップを含み、それら2つのグリップを、運転者が保持したままで持ち替えることなく、一方向への移動限度から他方向への移動限度まで操作可能な操舵入力装置であって、
長手形状を成した2つのグリップを前記操作面から離間するにつれて互いに接近する向きに傾斜した状態で設けるとともに、当該操舵入力装置の中立位置において、それら2つのグリップ各々の、操作面内の水平線を含む鉛直面と、その水平線を含み前記操作面に直交する直交面との少なくとも一方への投影像の長手方向と前記水平線との成す角度を、それぞれ、15°から85°までの角度範囲から選ばれた角度としたことを特徴とする操舵入力装置。
グリップの移動軌跡が同一平面上にある場合には、その平面を操作面と称することができる。本項に記載の操舵入力装置には、基準平面を操作面と読み替えて、(1) 項ないし (32) のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
( 34 )車両の車体に取り付けられ、互いに隔たって設けられた2つのグリップを含み、それら2つのグリップを、運転者が保持したままで持ち替えることなく、一方向への移動限度から他方向への移動限度まで操作可能な操舵入力装置であって、
長手形状を成した2つのグリップを、当該操舵入力装置の中立位置において、前記車両の上方または前方に向かうにつれて互いに接近する向きに傾斜して設けるとともに、それら2つのグリップの長手方向と、それら2つのグリップ各々の前記一方向への移動限度における位置である一方向移動限度位置同士の中点と、前記他方向への移動限度における位置である他方向移動限度位置同士の中点とを通る直線である中心線との成す角度を、30°から60°の範囲から選ばれた角度としたことを特徴とする操舵入力装置。
本項に記載の操舵入力装置には、(1) 項ないし (33) のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
( 35 )車両の車体に取り付けられる当該操舵入力装置の本体と、
一端部において、前記本体に回転軸線回りに回転可能に保持されたアームと、
そのアームの他端部に相対回転可能に保持されたグリップと、
そのグリップの前記アームに対する回転位置を規定するリンク部材と
を含むことを特徴とする操舵入力装置。
本項に記載の操舵入力装置においては、リンク部材によってグリップのアームに対する回転位置が規定される。特許文献1に記載のように、本体に設けられたガイド部材によって規定されるわけではないため、装置の構造を簡単にすることができる。また、リンク部材によれば、グリップのアームに対する回転位置が、上方または前方に操作されると、直角に近づくように(グリップの姿勢が水平に近づくように)変化させられるようにすることができ、運転者の操作性を向上させることができる。
本項に記載の操舵入力装置には、(1) 項ないし (34) のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
( 36 )車両の車体に取り付けられる当該操舵入力装置の本体と、
その本体に、予め定められた対称面に対して対称に、それぞれ傾斜した状態で設けられた2つのガイド部材と、
それら2つのガイド部材に、それぞれ、案内されるグリップ2つと、
それら2つのグリップのうちの少なくとも一方の前記ガイド部材の相対位置に基づいて操舵入力量を決定する操舵入力量決定部と
を含む操舵入力装置。
ガイド部材が互いに傾斜した状態で設けられるため、特許文献1に記載の操舵入力装置における場合のように、互いに平行に設けられる場合に比較して、運転者の操作性を向上させることができる。
本項に記載の操舵入力装置には、(1)項ないし(35)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
( 37 )車両の車体に取り付けられ、互いに隔たって設けられた2つのグリップを含み、それら2つのグリップを、運転者が保持したままで持ち替えることなく、一方向への移動限度から他方向への移動限度まで操作可能な操舵入力装置であって、
長手形状を成した2つのグリップを、当該操舵入力装置の中立位置において、それら2つのグリップ各々の前記一方向への移動限度における位置である一方向移動限度位置と前記他方向への移動限度における位置である他方向移動限度位置との4つの位置を含む一平面である基準平面への投影像の長手方向と、それら2つのグリップ各々の前記一方向移動限度位置同士を結ぶ線分の中点と前記他方向移動限度位置同士を結ぶ線分の中点とを通る直線である中心線との成す角度であるグリップ角が、前記グリップの前方または上方へ向かう操作に伴って大きくなる状態で設けたことを特徴とする操舵入力装置。
本項に記載の操舵入力装置には、上述の(1)項ないし(36)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
( 38 )前記グリップを、前記グリップが回動中心回りに回動移動させられる場合において、前記グリップが回動半径に対して予め定められた相対位置関係を有する姿勢で保持された場合より、前記グリップの前方または上方への操作に伴うグリップ角の変化量が小さくなる状態で保持するグリップ保持装置を含む(37)項に記載の操舵入力装置。
グリップ保持装置は、例えば、グリップが移動軌跡に対して予め定められた相対位置関係を有する姿勢で保持された場合より、グリップの前方または上方への操作に伴うグリップ角の変化量が小さくなる状態でグリップを保持することになる。例えば、グリップ保持装置は、グリップがアームに固定される場合より、グリップ角の変化量が小さくなる状態で、グリップをアームに保持するものとすることができる。
( 39 )車両の車体に取り付けられ、互いに隔たって設けられた2つのグリップを含み、それら2つのグリップを、運転者が保持したままで持ち替えることなく、一方向への移動限度から他方向への移動限度まで操作可能な操舵入力装置であって、
当該操舵入力装置の中立位置において、それら2つのグリップ各々の前記一方向への移動限度における位置である一方向移動限度位置と前記他方向への移動限度における位置である他方向移動限度位置との4つの位置を含む一平面である基準平面への前記2つのグリップの各々の投影像の長手方向と、それら2つのグリップ各々の前記一方向移動限度位置同士を結ぶ線分の中点と前記他方向移動限度位置同士を結ぶ線分の中点とを通る直線である中心線との成す角度であるグリップ角を変更するグリップ角変更装置を含むことを特徴とする操舵入力装置。
本項に記載の操舵入力装置には、上述の (1) 項ないし (38) 項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
( 40 )前記グリップに加えられる操作力を検出する操作力検出装置と、
その操作力検出装置によって検出された操作力に基づいて、その操舵力に抗した反力を付与する反力付与装置と
を含む(1)項ないし(30) のいずれか1つに記載の操舵装置。
本項に記載の操舵装置には、 (31) 項ないし (39) 項に記載の技術的特徴を採用することができる。
( 41 )前記グリップの前記中立位置からの移動量と、前記グリップに加えられた操作力との少なくとも一方に基づいて操舵入力量を取得する操舵入力量取得装置を含む(1)項ないし(30) のいずれか1つに記載の操舵装置。
( 42 )(1)項ないし(41) のいずれか1つに記載の操舵入力装置と、
車輪にタイロッドを介して連結された転舵ロッドを含み、転舵ロッドの軸線方向の移動に伴って車輪を転舵する転舵機構と、
前記操舵入力装置において入力された操舵入力量に基づいて前記転舵ロッドに加えられる移動力と前記転舵ロッドの移動量との少なくとも一方を制御する移動力等制御装置と
を含む操舵装置。
本項に記載の操舵入力装置は、ステアバイワイヤ式操舵装置専用のものであっても、通常のパワーステアリング式の操舵装置に適用可能なものであってもよい。パワーステアリング式の操舵装置に適用される場合には、グリップの操作が車輪に伝達されるようにすることが望ましい。例えば、アームの回転がステアリングシャフトに伝達されれば、グリップの回転を車輪に伝達することができる。また、グリップのガイド部材に対する移動に伴って車輪が転舵されるようにすることもできる。さらに、アームを2つ含む操舵入力装置においては、2つのアームのいずれか一方の回転がステアリングシャフトに伝達されるようにしたり、2つの回転を併せてシャフトに伝達されるようにしたりすることができる。なお、異常時には、本体の回転がステアリングシャフトに伝達されるようにすることができる。
( 43 )(1)項ないし(41) 項のいずれか1つに記載の操舵入力装置と、
車輪にタイロッドを介して連結された転舵ロッドを含み、転舵ロッドの軸線方向の移動に伴って車輪を転舵する転舵機構と、
前記転舵ロッドに軸方向移動力を付与する転舵用駆動源と、
少なくとも、前記操舵入力装置において入力された操舵入力量に基づいて前記転舵用駆動源を制御する転舵制御装置と
を含む操舵装置。
転舵制御装置は、操舵入力量のみに基づいて転舵用駆動源を制御するものであっても、操舵入力量と、操舵入力量を除く車両の状態(例えば、車両の走行状態、路面の状態、横風等の外乱の状態等)とに基づいて制御するものであってもよい。
( 44 )当該操舵装置が、前記操舵入力装置と前記転舵機構との間で力を伝達する伝達状態と、これらの間で力を伝達しない非伝達状態とに切り換え可能な力伝達装置を含み、
前記転舵制御装置が、前記力伝達装置の非伝達状態において、前記転舵用駆動源を制御する非伝達時制御部を含む(42) 項または (43) に記載の操舵装置。
力伝達装置は、操舵入力装置と転舵機構とを機械的に接続する接続状態と機械的に遮断する遮断状態とに切り換え可能なクラッチを含むものとすることができる。
( 45 ) 当該操舵装置が、 (a) 前記転舵ロッドおよび前記タイロッドを含み、前記転舵ロッドの軸線方向の移動に伴って前記車輪を転舵する転舵機構と、 (b) その転舵機構と前記操舵入力装置との間で力を伝達する伝達状態と、これらの間で力を伝達しない非伝達状態とに切り換え可能な力伝達装置とを含み、
前記転舵制御装置が、前記力伝達装置の非伝達状態において、前記転舵用駆動源を制御する非伝達時制御部を含む (1) 項ないし (30) のいずれか1つに記載の操舵装置。
( 46 ) 前記車両が、2つの操舵車輪を含む (1) 項ないし (30) 項、 (44) 項のいずれか1つに記載の操舵装置。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態である操舵装置について図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態における操舵装置は、ステア・バイ・ワイヤ式のものであり、操舵入力装置を含む。
図1において、操舵入力装置は、操舵部材20,本体22,相対回転制限装置24等を含む。
操舵部材20は、アーム30と、そのアーム30に保持された2つのグリップ32,34とを含む。アーム30は、それの中間部において、本体22に回転軸Pの回りに回転可能に保持され、両端部においてそれぞれグリップ32,34を相対回転可能に保持する。
相対回転制限装置24は、アーム30に対するグリップ32,34の相対回転を制限する装置であり、本実施形態においては、一端部においてグリップ32,34に相対回転可能に係合し、他端部において本体22に、回転軸Pとは異なる回転軸Q,Rの回りに回転可能に保持された2つのリンク部材36,38を含む。相対回転制限装置は、グリップ保持装置、姿勢保持装置でもある。
グリップ32,34は、本実施形態においては、円筒部を含む形状を成したものであり、この円筒部の中間部においてアーム30に保持され、一端部においてリンク部材36,38に保持される。
なお、アーム30の回転軸Pの回りの回転角度が図4に示す操舵入力量取得装置40によって取得される。また、図示しない反力付与装置により、アーム30の回転に伴ってそれに応じた反力が付与される。
【0017】
グリップ32,34は、図2に示すように、それぞれ、一点鎖線で示す位置から破線で示す位置まで移動可能とされている。アーム30の回動範囲が、一点鎖線で示す位置から破線で示す位置までなのであり、このアーム30の回動許容角度(グリップ32,34が移動限度位置間を移動する間にアーム30が回動する角度)Φが約100°とされている(Φ<2π)。アーム30が360°以上回転させられることはないのであり、運転者は、グリップ32,34を把持したまま持ち替えることなく操舵部材20を操作することができる。
また、本実施形態においては、グリップ32,34の予め定められた一点が、同一平面内の予め定められた軌跡に沿って移動するようにされている。この一平面が基準平面であり、これらグリップ32,34の軌跡は基準平面内の中心線Sに対して対称である。この中心線Sは、グリップ32の破線で示す一方向移動限度位置とグリップ34の一点鎖線で示す一方向移動限度位置との間の中点と、グリップ32の一点破線で示す他方向移動限度位置とグリップ34の破線で表す他方向移動限度位置との間の中点とを通る直線である。
【0018】
さらに、本実施形態においては、アーム30とリンク部材36,38とは同一平面上にあるわけではない。アーム30が回転する面とリンク部材36,38が回転する面とが、回転軸Pと平行な方向(基準平面に直交する方向)に対して隔たった位置にある。その結果、アーム30とリンク部材36,38とが干渉することがないのであり、その分、アーム30の回動許容範囲を大きくすることができる。また、グリップ32,34が基準平面に平行ではなく傾斜した姿勢で設けられる。
本実施形態においては、アーム30の回転半径(回転軸Pとグリップ32,34の保持位置GPとの間の長さ)よりリンク部材36,38の回転半径(回転軸Q、Rとグリップ32,34の保持位置GLとの間の長さ)の方が長く、かつ、回転軸Q、Rが、本体30の中心軸Pより後方または下方の中心線Sに直交する方向において回転軸Pよりそれぞれ当該グリップ32,34側に設けられる。その結果、グリップ32,34が互いに内側に傾斜した姿勢とされる。また、グリップ32、34を上方または前方に移動させるのに従って、そのグリップ32,34の中心線Sと平行な直線M、Nに対する角度(以下、グリップ角と称する)が大きくなる。
【0019】
本操舵入力装置を車体に取り付ける場合について図3に基づいて説明する。車室内の空間を、互いに直交するX、Y、Z軸で規定する。X軸、Y軸、Z軸は、それぞれ、車両の前後方向、幅方向、上下方向を示す。操舵入力装置に対してX方向における後方に運転者が位置する。
操舵入力装置は、基準平面が傾斜した状態(中心線S(直線M、N)がZ軸およびX軸に対して傾斜した状態)で、すなわち、車両の前方に向かうにつれて上方に位置する姿勢で取り付けられる。操舵入力装置の基準平面は直線MとY軸とを含む面であり、この基準平面に直交する直線がX′である。Y軸は基準平面に含まれる水平線を表す。
グリップ34は、操舵入力装置に設けられた三次元座標系M、Y、X′で表される空間のベクトルGで示す姿勢で設けられる。ベクトルGの基準平面(0MY)に投影したベクトルG′の直線Mからの角度がθであり、本実施形態においては、30°以上70°以下の角度とされる。また、ベクトルGの基準平面内の水平線Yを含む鉛直面(0YZ)に投影したベクトルG″の水平線Yからの角度がθ′であり、本実施形態においては、15°以上75°以下とされる。
本実施形態においては、グリップ32、34の直線M、Nとの成す角度θは、ほぼ55°であり(30°<θ<60°)、水平線Yからの角度θ′は、ほぼ35°である(15°<θ′<80°)。
【0020】
また、図1,2に示すように、本実施形態においては、グリップ32,34が中立位置より上方または前方に位置する状態では中立位置における状態より、中心線と平行な線M、Nに対する角度θが大きくなり(θ0<θU)、中立位置より下方または後方に位置する状態では傾斜角度θが小さくなる(θ0>θD)。
さらに、アームに対してグリップが固定の場合より、角度θの変化量が小さくなる。固定の場合には中立位置から図示する位置まで上方または前方へ移動する場合のグリップ角の変化量Δθuが、Δθu=θua−θ0aであり、中立位置から図示する位置まで下方または後方へ移動する場合のグリップ角の変化量Δθdが、Δθd=θ0a−θdaであるのに対して、本実施形態においては、中立位置から前方または上方の図示する位置まで移動する場合の変化量Δθu、後方または下方の図示する位置まで移動する場合の変化量Δθdは、それぞれ、Δθu=θU−θ0、Δθd=θ0−θDとなり、変化量がそれぞれ小さくなるのである。
【0021】
図4には、本操舵入力装置を備えた操舵装置を示す。操舵装置は、操舵入力装置の他に、制御装置42、転舵装置44、クラッチ45等を含む。転舵装置44は、車輪46にタイロッド48を介して連結された転舵ロッド50と、転舵ロッド50に軸方向移動力を付与する転舵用モータ52とを含む。クラッチ45は、操舵入力装置と転舵装置44とを機械的に接続する接続状態と機械的に遮断する遮断状態とに切り換えるものである。転舵用モータ52を駆動させて転舵ロッド50を移動させることによって、車輪46を転舵させる。本実施形態においては、クラッチ45の遮断状態において、転舵用モータ52が操舵入力量取得装置40によって取得された操舵入力量に基づいて制御される。
なお、クラッチ45は不可欠ではない。
【0022】
このように、本実施形態においては、グリップ32,34が、車両の上方または前方に向かうにつれて互いに接近する姿勢で設けられるため、運転者が持ち替えないで操作する場合における操作性を向上させることができる。
【0023】
なお、上記実施形態においては、リンク部材36,38の回転軸Q、Rが、本体22に固定的に設けられていたが、回転軸Q、Rを移動可能とすることができる。その一例を図5に示す。本実施形態においては、回転軸Q、Rの位置が位置変更機構60によって変更可能とされている。位置変更機構60は、例えば、本体に設けられた長穴を有するものとしたり、複数の回転軸保持部を有するものとしたりすることができる。また、回転軸保持部をねじ送り機構等で移動できる構造とすることもできる。
リンク部材36,38の回転軸Q、Rの間の距離Lを中心線Sに対して対称性を維持しつつ大きくすれば、中立位置におけるグリップ32,34の直線M、Nに対する角度を大きくすることができる。また、リンク部材36,38の回転軸Q、Rの位置を別個に調節すれば、グリップ32,34の姿勢を別個に変更することができる。例えば、左右非対称であった場合に、対称になるように補正することも可能である。このように、本実施形態においては、位置変更機構60,リンク部材36,38等によりグリップ角変更装置が構成される。
【0024】
また、操舵入力装置は、図6に示す構造のものとすることができる。本実施形態においては、上記実施形態における場合と同様に、中間部において本体80に回転軸Pの回りに回転可能に保持されたアーム82、そのアーム82の両端部にそれぞれ保持されたグリップ84,86、グリップ84,86のアーム82に対する相対回転を制限するリンク部材90,92等を含む。リンク部材90,92は、回転軸Q,Rの回りに回転可能に設けられる。
本実施形態においては、上記実施形態における場合と同様に、アーム82が回転する面とリンク部材90,92が回転する面とが、回転軸Pと平行な方向(基準平面に直交する方向)に対して隔たった位置にある。
また、アーム82の回転半径(回転軸Pとグリップ90,92の保持位置GPとの間の長さ)よりリンク部材90,92の回転半径(回転軸Q、Rとグリップ84,86の保持位置GLとの間の長さ)の方が短く、かつ、回転軸Q、Rが、本体80の回転軸Pより前方または上方の中心線Sに直交する方向において回転軸Pよりそれぞれ当該グリップ84,86側に設けられる。
【0025】
その結果、グリップ84,86を中立位置より前方または上方に操作するにつれて、グリップ角が大きくなる(θ0<θu)ようにすることができる。また、中立位置より後方または下方に向かって操作する場合において、グリップ角の変化量の絶対値|θ0−θd|を上記実施形態における場合より小さくすることができる。また、アーム82、リンク部材90,92、グリップ84,86の設計によっては、グリップ84,86を下方または後方に向かって操作した場合にグリップ角が大きくなる(θ0<θd)ようにすることもできる。このように、本実施形態においては、グリップを下方または後方に向かって操作する際の操作性の向上を図ることもできる。
なお、リンク部材90,92は、グリップ84,86の円筒部において係合させられるようにすることは不可欠ではない。グリップ84,86に円筒部から突出した状態で係合部を設け、その係合部においてリンク部材90,92が係合させられるようにすることができる。
【0026】
さらに、上記実施形態においては、操舵入力装置がアームを1つ含むものであったが、アームを2つ含むものとすることもできる。その場合の一例を図7に示す。
本実施形態において、操舵入力装置は、2つのアーム150,152を含み、それの一端部にそれぞれグリップ154,156が相対回転可能に保持される。また、他端部において、図8に示す本体160にそれぞれ回転軸P1,P2(図8には、P2のみ記載)の回りに回転可能に保持される。2つのアーム150,152は、リンク機構162によって連係される。
アーム150は、本体160の中心線Sより他方の側の回転軸P1の回りに回転可能に保持され、一方の側に向かって延びており、その一端部においてグリップ154を保持する。
同様に、アーム152は、中心線Sより一方の側の回転軸P2の回りに回転可能に保持され、他方の側に向かって延びており、その一端部においてグリップ156を保持する。
その結果、2つのアーム150,152は中立位置において、基準平面に直交する方向(X′方向)から見た場合に互いに交差する状態とされる。
【0027】
リンク機構162は、複数のリンク部材164,166,168を含むものであり、これらによって、2つのアーム150,152が、互いに連動して回転させられる。図10に示すように、2つのアーム150,152は同じ回転方向に回転させられるのであり、一方が、前方または上方に回動すると、他方が、後方または下方に回動させられる。2つのアーム150,152は、別個独立に回動するわけではない。
本体160は、図8に示すように、概して枠状を成したものであり、アーム150、152を互いにX軸方向およびY軸方向に隔たった位置に回転可能に保持する。また、本体160に設けられたストッパにアーム150,152が当接することによって、アーム150,152の回動限度(グリップ154,156の移動限度位置)が規定される。
【0028】
図8に示すように、本体160を構成する枠部材170〜176は、X軸方向の互いに異なる位置に設けられるとともに、リンク機構162を構成するリンク部材164〜168,アーム150,152も互いに異なる位置に設けられる。図9には、X軸方向のおよその位置関係を、最も運転者側に位置する部材の数字を小さくして表した(例えば、H1の部材はH3の部材より運転者側に位置する)。また、本体160において、複数の枠部材170〜176を接続するために、X軸方向に延びたスペーサ180〜186が設けられるため、これらスペーサ180〜186のうちの一部が上述のストッパとして機能する。
図から、反時計回りの回転において、アーム150は枠部材174と干渉し、アーム152は枠部材170と干渉するおそれがあることがわかる。したがって、アーム150がスペーサ184に当接するか、アーム152がスペーサ186に当接するかのいずれかによって回動限度が規定され、時計回りの回転においては、アーム150がスペーサ180に当接するか、アーム152がスペーサ182に当接するかのいずれかによって回動限度が規定される。それによって、図10に示すように、アーム150,152の回動限度位置(一点鎖線が示す位置および破線が示す位置)が決まるのであり、グリップ154,156の移動限度位置が決まるのである。
なお、図8〜10においては省略したが、グリップ154,156のアーム150,152に対する回転位置は、図7に示すリンク部材190,192によって規定される。
【0029】
このように、アーム150,152が互いに他方のグリップ位置に近い位置にある回転軸の回りに回転可能に設けられる。そのため、操舵入力装置自体を大きくしないで、アーム150,152の回転半径を大きくすることができ、運転者の操作性を向上させることができる。
【0030】
なお、アーム150,152の回転軸P1、P2の位置と、リンク部材166の長さとの少なくとも一方を変更可能とすることができる。この場合に、リンク機構162の形状のX′方向から見た場合の中心線Sに対する対称性を維持しつつ変更しても、対称性を維持しないで変更してもよい。また、長方形状を保持しつつ変更(長辺と短辺との比を変更)しても、長方形から台形に変更してもよい。
その場合の一例を図11示す。本実施形態においては、回転軸P1,P2の位置が、位置変更機構196によってそれぞれ変更可能とされ、リンク部材166の長さがリンク長さ変更装置198によって変更可能とされる。
図12の(a)に示すように、長方形状を保持し、かつ、対称性を保持しつつ変更(長方形の長辺と短辺との比を変更)する場合、すなわち、回転軸P1,P2間の距離を左右対称に変更するとともに、リンク部材166の長さを変更する場合(距離LをL′に変更)には、中立位置におけるグリップ154,156それぞれの中心線Sからの距離、すなわち、グリップ154,156の左右方向の間隔を変更することができる。回転軸P1,P2の間の距離、リンク部材166の長さが大きい場合は、小さい場合よりグリップ154,156それぞれの中心線Sからの距離、すなわち、左右グリップ154,156の間隔を小さくすることができる。
また、回転軸P1,P2の位置を別個に変更するとともにリンク部材166の長さを変更することもできる。それによって、グリップ154,156各々の中心線Sに対する位置をそれぞれ変更することができ、例えば、誤差等に起因する非対称性を補正し、対称にすることもできる。
【0031】
(b)に示すように、回転軸P1,P2の位置はそのままで、リンク部材166の長さを変更(長さLをL′に変更)する場合、すなわち、長方形状から台形状に変更する場合には、中立位置におけるグリップ154,156の傾斜角度θを変更(角度θをθ′に変更)することができる。この場合には、リンク形状の対称性は維持されるが、長方形状から台形状に変形されることになる。
また、リンク機構の形状が長方形である場合と台形である場合とのそれぞれにおけるアーム150,152の回動の状態を(c)、(d)に示す。
ここでは、アーム152が本体のストッパBに当接することによって、回動限度が決まる場合を想定した。このように、リンク機構の形状を変更すれば、アーム150,152の回動許容範囲を変更することができ(φ0がφ0′に変更、φ2がφ2′に変更)、操作中における2つのアーム150,152の相対位置関係を変更することができる。
【0032】
また、上記実施形態においては、操舵入力装置が、アームを含むものであったが、アームを含むものとすることは不可欠ではない。さらに、リンク部材も不可欠ではない。
その場合の一例を図13に示す。本実施形態においては、操舵入力装置が、一対のガイド部材300,302、本体304、グリップ305,306等を含む。ガイド部材300,302は、本体304に、それぞれ基準平面に直交で中心線Sを含む対称面に対して対称に設けられ、それらガイド部材300,302にグリップ305,306がそれぞれ案内される。グリップ305,306は円筒部を含む形状を成したものであり、直線M、N(図にはNのみを記載)に対する傾斜角度θが50°とされている。
ガイド部材300,302は、上方または前方に向かうにつれて互いに接近する向きに傾斜した状態で、すなわち、X′方向から基準平面を見た場合に概してハの字型(Λ字型)になる状態で傾斜して設けられる。ガイド部材300,302の基準平面への投影像の中心線Sに対する角度Φは、本実施形態においては、30°である。
ガイド部材300,302の両端部には、それぞれプーリ310,312、314,316が設けられ、それぞれの間にベルト320,322,324が巻き掛けられる。その結果、前記グリップ305、306は、ガイド部材300,302にガイドされつつ、互いに連動して移動させられることになる。
グリップ305,306は、ガイド部材300.302にその姿勢が保持された状態で案内されるとともに、グリップ305,306またはグリップ305,306と一体的に移動可能な部材に設けられたベルト係合部330,332においてベルト320,324に係合させられる。それによって、グリップ305の矢印A方向の移動によって、グリップ306が矢印B方向に同じ速度で移動させられる。このように、ベルト320,322,324、プーリ310〜316等によってグリップ連動機構340が構成される。グリップ連動機構340は左右同期機構でもある。
【0033】
本実施形態においては、グリップ305,306の中立位置におけるガイド部材300,302の間隔(グリップ305,306の中立位置の間隔と称することができる)Wが通常のステアリングホイールの直径とほぼ同じ長さ(約380mm)とされている。そのため、ステアリングホイールの操作に慣れた運転者が本操舵入力装置を操作する場合において、違和感を軽減することができる。
また、ガイド部材300,302が傾斜した姿勢で設けられているため、互いに平行に設けられる場合より、運転者の操作性を向上させることができる。
【0034】
なお、グリップ305,306の直線M、Nに対する傾斜角度θを30°以上60°以下とすることは不可欠ではない。直線M、Nに対する傾斜角度を60°以上としたり、30°以下としたりすることもできる。
また、上記実施形態においては、グリップ連動機構がプーリおよびベルトを含むものであったが、それに限らない。その場合の一例を図14に示す。本実施形態においては、グリップ連動機構がリンク機構350を含む。リンク機構350による場合には、グリップ360,362の軌跡が曲線になるのに対してガイド部材300,302が直線状に設けられるため、これらの動きの差を吸収する機構が必要となる。本実施形態においては、アーム366,368が伸縮可能なものとされている。アーム366が時計回りに回転させられると、それに伴ってアーム368が時計回りに同じ角速度で回転させられる。この意味において、リンク機構350は左右同期機構である。
なお、図には、グリップ360、362をリンク状に記載したが、円筒部を有するものであってもよい。これは、グリップの位置を表すための記載であり、グリップ360,362の形状は問わない。
【0035】
さらに、図15に概念的に示すように、リンク機構400の形状を台形状を成したものとすれば、アーム366の上方または前方への回動とアーム368の下方または後方への回動とが連動させられる場合における、これらの回動量(回動速度)を異ならせることができる。
その結果、グリップ360,362の、中立位置から上方または前方への移動限度位置までのストロークを下方または後方への移動限度位置までのストロークより短くすることができ、中立位置をガイド部材300,302の長さの中点より上方または前方の位置(内側の位置であり、対称面側の位置)に設定することが可能となる。
このように、上方または前方への移動量を下方または後方への移動量より小さくすることにより、運転者の操作性を向上させることができる。また、中立位置より上方または前方へのストロークをステアリングホイールの半径とほぼ同じに設定することも可能であり、ステアリングホイールの操作に慣れた運転者の違和感を軽減することができる。
【0036】
また、ガイド部材は曲線状に設けることもできる。その一例を図16〜19に示す。ガイド部材450,452が、図17に示すように、X軸方向に湾曲した状態で設けられ、それぞれに、グリップ460、462が案内される。
本実施形態においては、ガイド部材450,452の形状が人間の特性に基づいて設計される。図18に示すように、標準的な体型の運転者がシートに位置した状態で、肩を中心にして手の長さを半径とした円を描いた場合の、その円の円弧状を成したものとしたのである。このようにすれば、グリップ460、462を把持したままの操作を自然なものとすることができ、運転者による操作性を向上させることができる。
また、グリップ460,462の操作範囲を、ステアリングホイール468を操作する場合の操作範囲から大きく外れない範囲とした。図19に示すように、ガイド部材450,452を、それの基準平面への投影像の中点がステアリングホイール468の直径方向よりやや下方または後方となるように設け、グリップ460,462がガイド部材450,454の中点に位置する状態を中立位置とする。そして、上方または前方のストロークをステアリングホイール468の半径とほぼ同じ長さとするのである。このようにすれば、運転者の違和感をさらに軽減させることができる。
本実施形態においては、グリップ連動機構としての左右同期機構470が、プーリ472〜478,ベルト480〜484を含むものとされる。
なお、本実施形態においては、ガイド部材450,452が基準平面に対して直交する面に形成されていたが、基準平面に直角でない角度で交差する平面に対して形成されるようにすることもできる。
【0037】
さらに、操舵入力装置はステアバイワイヤ式の操舵装置でなくパワーステアリング式の操舵装置に適用することができる。すなわち、グリップの移動が車輪に機械的に伝達される操舵装置に適用することができるのであり、例えば、アームの回転がステアリングシャフト等を介して車輪に伝達される操舵装置に適用することができるのである。
その他、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効果〕に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である操舵装置に含まれる操舵入力装置を概念的に示す平面図である。
【図2】上記操舵入力装置の作動を示す図である。
【図3】上記操舵入力装置の取り付け状態を示す図である。
【図4】上記操舵入力装置を含む操舵装置全体を概念的に示す図である。
【図5】本発明の別の一実施形態である操舵装置に含まれる操舵入力装置の作動を概念的に示す図である。
【図6】本発明のさらに別の一実施形態である操舵装置に含まれる操舵入力装置を概念的に示す平面図である。
【図7】本発明の別の一実施形態である操舵装置に含まれる操舵入力装置を概念的に示す平面図である。
【図8】上記操舵入力装置の斜視図である。
【図9】上記操舵入力装置の各構成部材のX方向の位置を示す図である。
【図10】上記操舵入力装置の作動を示す図である。
【図11】本発明のさらに別の一実施形態である操舵装置に含まれる操舵入力装置を概念的に示す平面図である。
【図12】上記操舵入力装置の作動を示す図である。
【図13】本発明の別の一実施形態である操舵装置に含まれる操舵入力装置を概念的に示す平面図である。
【図14】本発明のさらに別の一実施形態である操舵装置に含まれる操舵入力装置を概念的に示す平面図である。
【図15】本発明の別の一実施形態である操舵装置に含まれる操舵入力装置の作動を示す図である。
【図16】本発明のさらに別の一実施形態である操舵装置に含まれる操舵入力装置を概念的に示す平面図である。
【図17】上記操舵入力装置を概念的に示す側面図である。
【図18】上記操舵入力装置を運転者が操作する状態を示す図である。
【図19】上記操舵入力装置とステアリングホイールとを比較して示す図である。

Claims (11)

  1. (a)車両の車体に取り付けられる操舵入力装置本体と、(b)長手形状を成した2つのグリップと、(c)中間部において、前記操舵入力装置本体に回転可能に保持される一方、両端部において、前記2つのグリップの各々を、それらグリップの各被保持部において、それぞれ相対回転可能に保持する1つのアームと、(d)そのアームと共同して、前記2つのグリップ各々の前記アームに対する相対回転を制限する相対回転制限装置とを含み、運転者が前記2つのグリップを保持したままで持ち替えることなく、前記車両の上下方向、前後方向、上下方向または前後方向に傾斜した方向のうちの一の方向に互いに隔たった上方側または前方側の移動限度位置と下方側または後方側の移動限度位置との間で、前記2つのグリップを互いに逆方向に操作可能な操舵入力装置と、
    前記車両の車輪にタイロッドを介して連結された転舵ロッドと、
    その転舵ロッドに軸方向移動力を付与する転舵用駆動源と、
    少なくとも、前記操舵入力装置において入力された操舵入力量に基づいて前記転舵用駆動源を制御する転舵制御装置と
    を含むとともに、
    前記2つのグリップのうちの一方のグリップが前記上方側または前方側の移動限度位置にあり、他方のグリップが前記下方側または後方側の移動限度位置にある状態における、その一方のグリップの前記被保持部が位置する点を第1点とし、その他方のグリップの前記被保持部が位置する点を第2点とするとともに、前記一方のグリップが前記下方側または後方側の移動限度位置にあり、前記他方のグリップが前記上方側または前方側の移動限度位置にある状態における、その一方のグリップの前記被保持部が位置する点を第3点とし、その他方のグリップの前記被保持部が位置する点を第4点として、それら第1点、第2点、第3点および第4点を含む一平面である基準平面を想定した場合に、当該相対回転制限装置が、前記2つのグリップを、前記操舵入力装置の中立位置における前記2つのグリップ各々の前記基準平面へのその基準平面に直角な方向の2つの投影像が、前記車両の上方側または前方側の部分ほど互いの間隔が狭くなる状態に傾斜し、かつ、前記第1点と前記第4点とを結ぶ線分の中点と前記第3点と前記第2点とを結ぶ線分の中点とを通る直線である中心線と、前記2つの投影像の長手方向とが成す角度が、それぞれ30°から70°までの角度範囲から選ばれた角度である姿勢で保持するとともに、前記グリップが相対回転不能に固定されたアームを想定した場合に、その想定したアームと、前記相対回転制限装置によって相対回転が制限された2つのグリップを保持する当該アームとが同じ角度だけ回転した場合の、当該アームに保持された2つのグリップの前記基準平面への投影像の各々の長手方向と前記中心線との成す角度の変化量を、前記想定したアームに固定された前記グリップの前記基準平面への投影像の長手方向と前記中心線との成す角度の変化量より小さく制限するものであることを特徴とする操舵装置。
  2. 前記相対回転制限装置が、前記2つのグリップ各々にそれぞれ対応して設けられ、一端部において前記グリップの各々に、それらグリップの各々の前記アームにより保持された被保持部とは長手方向に隔たった部分において相対回転可能に係合し、他端部において前記本体に、前記基準平面と直交する軸線回りに相対回転可能に保持されたリンク部材を2つ含む請求項に記載の操舵装置。
  3. 前記2つのリンク部材の前記他端部間の距離を変更することによって、少なくとも前記中立位置における前記2つのグリップ各々の前記アームに対する前記相対回転位置を変更するグリップ角変更装置を含む請求項に記載の操舵装置。
  4. 前記基準平面に加えて、前記基準平面の水平線を含む鉛直面を想定した場合に、前記アームが、前記2つのグリップを、前記操舵入力装置の中立位置における前記2つのグリップ各々の前記鉛直面へのその鉛直面に直角な方向の2つの投影像が、前記車両の上方側の部分ほど互いの間隔が狭くなる状態に傾斜し、かつ、前記鉛直面への2つの投影像の長手方向と前記水平線との成す角度を、それぞれ15°から70°までの角度範囲から選ばれた角度とした姿勢で保持する請求項1ないし3のいずれか1つに記載の操舵装置。
  5. 前記1つのアームの前記操舵入力装置の中立位置からの回動量を前記操舵入力量として取得する操舵入力量取得装置を含む請求項1ないし4のいずれか1つに記載の操舵装置。
  6. (a)車両の車体に取り付けられる操舵入力装置本体と、(b)長手形状を成した2つのグリップと、(c)前記2つのグリップ各々にそれぞれ対応して設けられ、一端部において前記操舵入力装置本体に保持され、他端部において、前記2つのグリップの各々をそれらグリップの各被保持部において、それぞれ前記基準平面と直交する軸線回りに回転可能に保持する2つのアームと (d) それら2つのアームの回転を制限するとともにそれら2つのアームと共同して、前記2つのグリップ各々の前記2つのアームの各々に対する相対回転を制限する相対回転制限装置とを含み、運転者が前記2つのグリップを保持したままで持ち替えることなく、前記車両の上下方向、前後方向、上下方向または前後方向に傾斜した方向のうちの一の方向に互いに隔たった上方側または前方側の移動限度位置と下方側または後方側の移動限度位置との間で、前記2つのグリップを互いに逆方向に操作可能な操舵入力装置と、
    前記車両の車輪にタイロッドを介して連結された転舵ロッドと、
    その転舵ロッドに軸方向移動力を付与する転舵用駆動源と、
    少なくとも、前記操舵入力装置において入力された操舵入力量に基づいて前記転舵用駆動源を制御する転舵制御装置と
    を含むとともに、
    前記2つのグリップのうちの一方のグリップが前記上方側または前方側の移動限度位置にあり、他方のグリップが前記下方側または後方側の移動限度位置にある状態における、その一方のグリップの前記被保持部が位置する点を第1点とし、その他方のグリップの前記被保持部が位置する点を第2点とするとともに、前記一方のグリップが前記下方側または後方側の移動限度位置にあり、前記他方のグリップが前記上方側または前方側の移動限度位置にある状態における、その一方のグリップの前記被保持部が位置する点を第3点とし、その他方のグリップの前記被保持部が位置する点を第4点として、それら第1点、第2点、第3点および第4点を含む一平面である基準平面と、その基準平面上の前記第1点と前記第4点とを結ぶ線分の中点と前記第3点と前記第2点とを結ぶ線分の中点とを通る直線である中心線とを想定した場合に、前記アームの各々の一端部が、前記本体の前記中心線に対して対称な位置の2部分に、前記基準平面と直交する互いに異なる回転軸線回りに相対回転可能に保持され、前記相対回転制限装置が、前記アームの他端部において、前記2つのグリップの各々を、当該操舵入力装置の中立位置における前記2つのグリップ各々の前記基準平面へのその基準平面に直角な方向の2つの投影像が、前記車両の上方側または前方側の部分ほど互いの間隔が狭くなる状態に傾斜し、かつ、前記中心線と前記2つの投影像の長手方向とが成す角度が、それぞれ30°から70°までの角度範囲から選ばれた角度である姿勢で保持するとともに、前記グリップが相対回転不能に固定されたアームを想定し、その想定したアームと、前記相対回転制限装置によって相対回転が制限されたグリップをそれぞれ保持する当該2つのアームのうちの一方とが、前記操舵入力装置の回転中心回りに同じ角度だけ回転した場合の、当該一方のアームに保持された前記グリップの前記基準平面への投影像の各々の長手方向と前記中心線との成す角度の変化量を、前記想定したアームに固定された前記グリップの前記基準平面への投影像の長手方向と前記中心線との成す角度の変化量より小さく制限するものを含むことを特徴とする操舵装置。
  7. 前記2つのアームが、前記操舵入力装置の中立位置において、前記基準平面に直角な方向から見て、それぞれの中間部において、前記中心線上で互いに交差する姿勢で配設されるとともに、それら2つのアームのうちの一方のアームが、そのアームの前記一端部が前記中心線の一方の側において前記グリップを保持し、前記他端部が前記操舵入力装置本体の前記中心線の他方の側の部分により相対回転可能に保持され、前記2つのアームのうちの他方のアームが、前記一端部が前記中心線の前記他方の側において前記グリップを保持し、前記他端部が前記本体の前記中心線の前記一方の側の部分により相対回転可能に保持された請求項に記載の操舵装置。
  8. 前記操舵入力装置が、(a)複数のリンクを備えて前記2つのアームを互いに連係させるリンク機構と、(b)そのリンク機構を構成するリンク部材の1つの長さを長さ変更装置により変更することにより、前記リンク機構が成す形状を変更することによって、前記中立位置における前記2つのグリップの間隔と、前記上方側または前方側の移動限度位置と前記下方側または後方側の移動限度位置との間における前記2つのアームの各々の回動角度との少なくとも一方を変更する操作状態変更装置とを含む請求項6または7に記載の操舵装置。
  9. 前記基準平面に加えて、その基準平面の水平線を含む鉛直面を想定した場合に、前記2つのアームが、それぞれ、前記グリップを、前記操舵入力装置の中立位置における前記2つのグリップ各々の前記鉛直面へのその鉛直面に直角な方向の2つの投影像が、前記車両の上方側の部分ほど互いの間隔が狭くなる状態に傾斜し、かつ、前記鉛直面への2つの投影像の長手方向と前記水平線との成す角度を、それぞれ15°から70°までの角度範囲から選ばれた角度とした姿勢で保持する請求項6ないし8のいずれか1つに記載の操舵装置。
  10. 当該操舵装置が、(a)前記転舵ロッドおよび前記タイロッドを含み、前記転舵ロッドの軸線方向の移動に伴って前記車輪を転舵する転舵機構と、(b)その転舵機構と前記操舵入力装置との間で力を伝達する伝達状態と、これらの間で力を伝達しない非伝達状態とに切り換え可能な力伝達装置とを含み、
    前記転舵制御装置が、前記力伝達装置の非伝達状態において、前記転舵用駆動源を制御する非伝達時制御部を含む請求項1ないしのいずれか1つに記載の操舵装置。
  11. 前記車両が、2つの操舵車輪を含む請求項1ないし10のいずれか1つに記載の操舵装置。
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