JP4221886B2 - Living radical polymerization initiator system and polymer production method using the same - Google Patents

Living radical polymerization initiator system and polymer production method using the same Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リビングラジカル重合開始剤系及びそれを用いる重合体の製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、ラジカル重合性単量体の種類及び組み合わせに関して幅広い範囲で適用可能なリビングラジカル重合開始剤系に関し、更に、そのリビングラジカル重合開始剤系を使用し、分子量を制御しつつ、分子量分布の狭い重合体を容易に且つ従来より高速に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
リビング重合によれば、分子量、分子量分布及び末端構造などを制御しつつ重合体を製造することができる。例えば、アニオン重合、配位アニオン重合あるいはカチオン重合にリビング重合を適用した場合には、重合度等が制御されたブロックポリマーや末端官能化ポリマーなどが製造できる。しかし、アニオン重合、配位アニオン重合あるいはカチオン重合自体に適用可能な単量体は、ラジカル重合に適用可能な広範囲の単量体の種類に比べて、特定のものに限られるため、アニオン重合、配位アニオン重合あるいはカチオン重合へのリビング重合の適用範囲は必然的に狭いという問題がある。
【0003】
一方、広範囲の単量体に適用可能なラジカル重合へのリビング重合の適用は、成長末端の重合停止や連鎖移動等の副反応を起こしやすいために困難とされてきたが、近年、末端が不活性化されたものと活性化されたものとの平衡反応を利用した広義でのリビング重合が可能となってきた。その例としては、ニトロキシド化合物などのラジカル捕捉剤を用いるもの(Macromolecules, vol. 27, 7228(1994))、有機ハロゲン化物と遷移金属錯体とを組み合わせた開始剤系を用いるもの等が挙げられる。
【0004】
特に、有機ハロゲン化物と遷移金属錯体とを組み合わせた開始剤系を用いるものは、広範囲の単量体に適用できる点、既存の設備に適用可能な重合温度を採用できる点等で有用であり、具体的には、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等の遷移金属錯体と、四塩化炭素、1−フェニルエチルクロリドあるいはエチル−2−ブロモイソブチレート等の有機ハロゲン化合物(重合開始剤)と、アルミニウムアルコキシ化合物等のルイス酸から成る重合開始剤系(リビングラジカル重合開始剤系)を用いたもの等が提案されている(Macromolecules, vol. 28, 1721(1995); J. Am. Chem. Soc., 117, 5614(1995); 特開平8-41117号公報;特開平9-208616号公報等参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、有機ハロゲン化物と遷移金属錯体とを組み合わせた、前述したようなリビングラジカル重合開始剤系を使用してラジカル重合を行う場合、本発明者等の得た知見によれば、所期の重合結果を得るためには、リビングラジカル重合させるべき単量体の種類に応じて遷移金属錯体の中心金属あるいは配位子を変更しなければならないという問題がある。従って、一つのリビングラジカル重合開始剤系を広範囲の単量体に適用することあるいは二種以上の単量体を用いた共重合に適用することは実質上困難である。
【0006】
また、単量体の反応性に応じ、成長末端の重合停止や連鎖移動等の副反応を抑制しつつ分子量及び分子量分布を高いレベルで制御するためには、非常に重合の遅い開始剤系を適用する必要があり、単量体によっては実用的な時間で重合体を製造することが困難な場合がある。
【0007】
本発明は、分子量を制御しつつ、分子量分布の狭いラジカル重合体を容易に且つ従来より高速に製造でき、しかもラジカル重合性単量体の種類及び組み合わせに関して幅広い範囲で適用可能なリビングラジカル重合開始剤系を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、遷移金属錯体として特定のルテニウム錯体を選択し、その特定のルテニウム錯体を特定の有機ハロゲン化物及び特定の活性化剤と組み合わせてリビングラジカル重合開始剤系を構成させることにより上述の課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
即ち本発明は、下記の成分(A)、(B)及び(C):
(A)ハロゲノペンタメチルシクロペンタジエニルビス(トリアリールホスフィン)ルテニウム;
(B)α−ハロゲノカルボニル化合物又はα−ハロゲノカルボン酸エステル;
及び
(C)アミン
からなることを特徴とするリビングラジカル重合開始剤系である。
【0010】
また、本発明は、上述のリビングラジカル重合開始剤系の存在下で、少なくとも一種のラジカル重合性単量体をリビングラジカル重合させることを特徴とする重合体の製造方法も提供する。
【0011】
なお、この製造方法において、ラジカル重合性単量体として少なくとも二種のラジカル重合性単量体を用いる場合には、得られる重合体は共重合体となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
本発明のリビングラジカル重合開始剤系は、遷移金属錯体(成分(A))としてハロゲノペンタメチルシクロペンタジエニルビス(トリアリールホスフィン)ルテニウムを使用し、有機ハロゲン化物(重合開始剤(成分(B))としてα−ハロゲノカルボニル化合物又はα−ハロゲノカルボン酸エステルを使用し、活性化剤としてアミン(成分(C))を使用する。
【0014】
本発明においては、成分(A)の遷移金属錯体としてハロゲノペンタメチルシクロペンタジエニルビス(トリアリールホスフィン)ルテニウムを使用するが、中心金属のルテニウムに対する配位子の一つであるペンタメチルシクロペンタジエニル基を他の配位性の基(例えば、シクロペンタジエニル基)に置き換えると、本件発明の作用効果が十分には達成されなくなる。その理由は、ペンタメチルシクロペンタジエニルが適度な電子供与性基であるため、それを配位子の一つとする遷移金属錯体が適度な酸化還元能力を有し、その結果、重合開始剤及び重合体の成長末端の炭素−ハロゲン結合を持つ構造とその構造が遷移金属錯体によりラジカル的に解離して形成される炭素ラジカルの構造との間の平衡反応を効率よく活性化できるためではないかと推定される。
【0015】
成分(A)の好ましい具体例としては、クロロペンタメチルシクロペンタジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等のクロロペンタメチルシクロペンタジエニルビス(トリアリールホスフィン)ルテニウム等を挙げることができる。
【0016】
本発明のリビングラジカル重合開始剤系においては、重合開始剤として成分(B)のα−ハロゲノカルボニル化合物又はα−ハロゲノカルボン酸エステルを使用する。
【0017】
成分(B)がα−ハロゲノカルボニル化合物である場合、その好ましい具体例として2,2−ジクロロアセトフェノン、1,1ージクロロアセトン等を挙げることができる。また、成分(B)がα−ハロゲノカルボン酸エステルである場合、その好ましい具体例として2−ブロモ−2−メチルプロパン酸エチル、2−クロロ−2,4,4−トリメチルグルタル酸ジメチル、1,2−ビス(α−ブロモプロピオニルオキシ)エタン等を挙げることができる。
【0018】
本発明のリビングラジカル重合開始剤系においては、活性化剤として成分(C)のアミンを使用する。そのようなアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン等の脂肪族第一級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン等の脂肪族第二級アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン等の脂肪族第三級アミン等の脂肪族アミン;N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N',N'',N''−ペンタメチルジエチレントリアミン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラアミン等の脂肪族ポリアミン;アニリン、トルイジンなどの芳香族第一級アミン、ジフェニルアミンなどの芳香族第二級アミン、トリフェニルアミンなどの芳香族第三級アミン等の芳香族アミンなどを挙げることができる。中でも、脂肪族アミンが好ましく、特にブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミンなどが好ましい。
【0019】
本発明のリビングラジカル重合開始剤系における各成分の含有割合については、必ずしも限定されるものではないが、成分(B)に対する成分(A)の割合が低すぎると重合が遅くなる傾向があり、逆に、高すぎると得られる重合体の分子量分布が広くなる傾向があるので、成分(A):成分(B)のモル比は0.05:1〜1:1の範囲であることが好ましい。また、成分(B)に対する成分(C)の割合が低すぎると重合が遅くなり、逆に、高すぎると得られる重合体の分子量分布が広くなる傾向があるので、成分(B):成分(C)のモル比は1:1〜1:10の範囲内であることが好ましい。
【0020】
本発明のリビングラジカル重合開始剤系は、通常、使用直前に成分(A)の遷移金属錯体、成分(B)の重合開始剤、及び成分(C)の活性化剤を常法により混合することにより製造することができる。また、成分(A)の遷移金属錯体、成分(B)の重合開始剤及び成分(C)の活性化剤をそれぞれ別々に保管しておき、重合反応系中にそれぞれ別々に添加し、重合反応系中で混合してリビングラジカル重合開始剤系として機能するようにしてもよい。
【0021】
次に、本発明のリビングラジカル重合開始剤系を使用する重合体(共重合体の場合を包含する)の製造方法について説明する。
【0022】
この製造方法は、基本的には本発明のリビングラジカル重合開始剤系の存在下、ラジカル重合性単量体を、トルエンなどの溶剤中でリビング重合させるものである。これにより、重合率の増大にほぼ比例して、得られる重合体の数平均分子量(Mn)を増大させることができ、さらに重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)で表される分子量分布を1に近い値とすることができる。従って、重合の進行時に、連鎖停止や移動反応による重合体の生成を抑制して、リビング重合を進行させることができる。更に、二種類以上の単量体を組み合わせて、ランダム共重合を行っても分子量を制御し分子量分布を1に近い値とすることができる。また、第一段階として一種類の単量体もしくは二種類以上の単量体混合物の重合がほぼ完了した重合反応系に、第二段階として新たに一種類の単量体もしくは二種類以上の単量体混合物を添加すれば、分子量分布を1に近い値を保持したまま数平均分子量を増大させることができ、ブロック共重合体の製造ができる。その後、同様に第三段階もしくはそれ以上の段階で逐次的に、一種類の単量体もしくは二種類以上の単量体混合物を添加すれば、トリブロックあるいはそれ以上のマルチブロック共重合体を製造することができる。
【0023】
本発明の製造方法に従うリビングラジカル重合反応で使用するラジカル重合性単量体としては、汎用性及び本発明の効果の顕著さの点から、スチレン系単量体、メタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも一種類のラジカル重合性単量体が好ましい。スチレン系単量体としては、スチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−クロロスチレン等が挙げられ、特に好ましい例はスチレンである。メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル等が挙げられ、特に好ましい例はメタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等である。また、アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられ、特に好ましい例は、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル等である。その他に、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸アミド、N−置換(メタ)アクリル酸アミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマル酸無水物、フマル酸メチル、フマル酸エチル等のラジカル重合性単量体を使用することができる。なお、上記の「(メタ)アクリル酸」は「メタクリル酸」及び「アクリル酸」の総称である。
【0024】
本発明の製造方法において、重合反応系内のラジカル重合性単量体の初期濃度は、必ずしも限られるものではないが、低すぎると反応が遅すぎ、高すぎると生成ラジカルの単量体への連鎖移動反応が増大し、得られる重合体の分子量分布が広くなるので、好ましくは0.5〜8mol(モル)/L(リットル)、特に好ましいのは1〜4mol/Lの範囲である。その際における各成分の重合系内の濃度についても必ずしも限られるものではないが、ラジカル重合単量体の濃度に応じて差はあるものの、成分(B)の重合開始剤濃度は、好ましくは0.1〜100mmol(ミリモル)/L(リットル)、特に好ましくは0.5〜50mmol/Lである。成分(A)の遷移金属錯体の濃度は、好ましくは0.1〜50mmol/L、特に好ましくは0.5〜10mmol/Lである。また、成分(C)のアミンの濃度は、好ましくは1〜200mmol/L、特に好ましくは10〜50mmol/Lである。
【0025】
本発明の製造方法において、リビングラジカル重合反応開始に際しては、窒素のような不活性気体の雰囲気下、反応容器に、単量体、溶媒、アミン(成分(C))及び遷移金属錯体(成分(A))からなる混合物を調製し、これに重合開始剤(成分(B))を加えることが好ましい。このようにして得られた混合物を、例えば、60〜120℃の範囲内の温度に加温することにより重合を開始させることができる。
【0026】
重合反応終了後、例えば、重合反応系を0℃以下、好ましくは−78℃程度に冷却して反応を停止させ、ついでトルエン等の有機溶媒で反応混合液を希釈し、希塩酸にて重合開始剤系の金属成分などを除去した後、揮発分を蒸発させることによって重合体を得ることができる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
【0028】
なお、以下の実施例ならびに比較例において、特に断りのない限り、操作は全て乾燥窒素ガス雰囲気下で行い、試薬類は容器から注射器により採取し、反応系に添加した。また、溶媒及び単量体は、蒸留によって精製し、更に乾燥窒素ガスを吹き込んだ後に用いた。
【0029】
重合体の重合率は、反応混合液中の単量体の濃度をガスクロマトグラフィー(内部標準物質:n−オクタン)にて分析し、その分析値に基づき算出した。
【0030】
得られた重合体の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)の値は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて、次の条件にて測定し、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル及びポリ(メタクリル酸メチル−アクリル酸メチル)ランダム共重合体はポリメタクリル酸メチル換算にて、ポリスチレンはポリスチレン換算にて算出した。
カラム:ショーデックスK−805L(3本直列)
溶媒:クロロホルム
温度:40℃
検出器:RI及びUV
流速:1ml/分
【0031】
実施例1
メタクリル酸メチル4.28ml(40.1mmol)、トルエン3.57ml及びn−オクタン0.856mlをシュレンク反応管に採取し、均一に混合した。この混合溶液にジブチルアミンの500mmol/Lトルエン溶液0.800ml(0.401mmol)を加え、ついでクロロペンタメチルシクロペンタジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム31.9mg(0.0401mmol)を室温で加えて十分に撹拌し、最後に2−クロロ−2,4,4−トリメチルグルタル酸ジメチルの802mmol/Lトルエン溶液0.499ml(0.401mmol)を加えた。得られた混合物を80℃に加温することにより重合反応を開始させた。
【0032】
重合反応を開始後6時間経過した時点で、反応混合液を−78℃に冷却することにより、重合反応を停止させた。メタクリル酸メチルの重合率は31%であり、また、反応混合液中に存在するポリメタクリル酸メチルの数平均分子量(Mn)は3800、重合平均分子量(Mw)は4100で、従ってMw/Mnは1.08であった。さらに、そのGPC曲線は単峰性であった。
【0033】
実施例2
実施例1において、重合反応を開始して50時間後に停止させた以外は、実施例1と同様に重合反応を行い、同様に分析した。その結果、メタクリル酸メチルの重合率は95%、反応系中に存在するポリメタクリル酸メチルのMnは12700、Mwは14900、Mw/Mnは1.17であり、GPC曲線は単峰性であった。
【0034】
実施例2を実施例1と比較すれば明らかなように重合率を増大させると、それにほぼ比例して得られる重合体のMnが増大するが、Mw/Mnの値が1に近い値に保たれていることが分かる。
【0035】
比較例1
メタクリル酸メチル4.28ml(40.1mmol)、トルエン1.28ml及びn−オクタン0.856mlをシュレンク反応管に採取し、均一に混合した。この混合溶液にアルミニウムトリt−ブトキシドの125mmol/Lトルエン溶液3.20ml(0.401mmol)を加え、ついでジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム191.8mg(0.200mmol)を室温で加えて十分に撹拌し、最後にジクロロアセトフェノンの1030mmol/Lトルエン溶液0.389ml(0.401mmol)を加えた。得られた混合物を80℃に加温することにより重合反応を開始させた。
【0036】
重合反応を開始して150時間経過後、反応混合液を−78℃に冷却することにより、重合反応を停止させた。メタクリル酸メチルの重合率は94%であり、また、反応混合液中に存在するポリメタクリル酸メチルのMnは9000、Mwは12900で、従ってMw/Mnは1.43であった。
【0037】
実施例1及び2と比較例1とを比較すれば明らかなように、本発明の開始剤系を用いた場合は、本発明の範囲外である遷移金属錯体としてジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、活性化剤としてアルミニウムトリt−ブトキシドを用いた場合に比べ分子量分布が狭くかつ重合が速いことが分かる。
【0038】
比較例2
メタクリル酸メチル4.28ml(40.1mmol)、トルエン1.17ml及びn−オクタン0.856mlをシュレンク反応管に採取し、均一に混合した。この混合溶液にアルミニウムトリイソプロポキシドの125mmol/Lトルエン溶液3.20ml(0.401mmol)を加え、ついでクロロペンタメチルシクロペンタジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム31.9mg(0.0401mmol)を室温で加えて十分に撹拌し、最後に2−クロロ−2,4,4−トリメチルグルタル酸ジメチルの802mmol/Lトルエン溶液0.499ml(0.401mmol)を加えた。得られた混合物を80℃に加温することにより重合反応を開始させた。
【0039】
重合反応を開始後313時間経過した時点で、反応混合液を−78℃に冷却することにより、重合反応を停止させた。メタクリル酸メチルの重合率は92%であり、また、反応混合液中に存在するポリメタクリル酸メチルの数平均分子量(Mn)は9600、重合平均分子量(Mw)は11200で、従ってMw/Mnは1.17であった。
【0040】
実施例2と比較例2とを比較すれば明らかなように、本発明の開始剤系を用いた場合は、本発明の範囲外である活性化剤としてアルミニウムトリイソプロポキシドを用いた場合に比べ分子量及び分子量分布を制御しつつ重合が速いことが分かる。
【0041】
実施例3
スチレン5.04ml(44.0mmol)、トルエン3.52ml及びn−オクタン1.01mlをシュレンク反応管に採取し、均一に混合した。この混合溶液にジブチルアミンの500mmol/Lトルエン溶液0.880ml(0.440mmol)を加え、ついでクロロペンタメチルシクロペンタジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム35.0mg(0.0440mmol)を室温で加えて十分に撹拌し、最後に2−クロロ−2,4,4−トリメチルグルタル酸ジメチルの802mmol/Lトルエン溶液0.549ml(0.440mmol)を加えた。得られた混合物を100℃に加温することにより重合反応を開始させた。
【0042】
重合反応を開始後8時間経過した時点で、反応混合液を−78℃に冷却することにより、重合反応を停止させた。スチレンの重合率は22%であり、また、反応混合液中に存在するポリスチレンのMnは2900、Mwは3100で、従ってMw/Mnは1.07であった。さらに、そのGPC曲線は単峰性であった。
【0043】
実施例4
実施例3において、重合反応を開始して51時間後に停止させた以外は、実施例3と同様に重合反応を行い、同様に分析した。その結果、スチレンの重合率は91%、反応系中に存在するポリスチレンのMnは11000、Mwは12000、Mw/Mnは1.09であり、GPC曲線は単峰性であった。
【0044】
実施例4を実施例3と比較すれば明らかなように重合率を増大させると、それにほぼ比例して得られる重合体のMnが増大するが、Mw/Mnの値が1に近い値に保たれていることが分かる。
【0045】
比較例3
スチレン2.52ml(22.0mmol)、トルエン4.24ml及びn−オクタン0.504mlをシュレンク反応管に採取し、均一に混合した。この混合溶液にアルミニウムトリイソプロポキシドの125mmol/Lトルエン溶液3.52ml(0.440mmol)を加え、ついでジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム105.5mg(0.110mmol)を室温で加えて十分に撹拌し、最後に2−ブロモ−2−メチルプロパン酸エチルの1030mmol/Lトルエン溶液0.214ml(0.220mmol)を加えた。得られた混合物を100℃に加温することにより重合反応を開始させた。
【0046】
重合反応を開始して50時間経過した時点で、反応混合液を−78℃に冷却することにより、重合反応を停止させた。スチレンの重合率は90%であり、また、反応混合液中に存在するポリスチレンのMnは9500、Mwは16800で、従ってMw/Mnは1.77であった。
【0047】
実施例3及び4と比較例3とを比較すれば明らかなように、本発明の開始剤系を用いた場合は、本発明の範囲外である遷移金属錯体としてジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、活性化剤としてアルミニウムトリイソプロポキシドを用いた場合に比べ分子量分布は狭いことが分かる。
【0048】
実施例5
アクリル酸メチル3.42ml(38.0mmol)、トルエン4.27ml及びn−オクタン0.684mlをシュレンク反応管に採取し、均一に混合した。この混合溶液にジブチルアミンの500mmol/Lトルエン溶液0.760ml(0.380mmol)を加え、ついでクロロペンタメチルシクロペンタジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム30.3mg(0.0381mmol)を室温で加えて十分に撹拌し、最後に2−ブロモ−2−メチルプロパン酸エチルの1030mmol/Lトルエン溶液0.369ml(0.380mmol)を加えた。得られた混合物を80℃に加温することにより重合反応を開始させた。
【0049】
重合反応を開始後2時間経過した時点で、反応混合液を−78℃に冷却することにより、重合反応を停止させた。アクリル酸メチルの重合率は37%であり、また、反応混合液中に存在するポリアクリル酸メチルのMnは3100、Mwは4000で、従ってMw/Mnは1.29であった。さらに、そのGPC曲線は単峰性であった。
【0050】
実施例6
実施例5において、重合反応を開始して24時間後に停止させた以外は、実施例5と同様に重合反応を行い、同様に分析した。その結果、アクリル酸メチルの重合率は91%、反応系中に存在するポリアクリル酸メチルのMnは8800、Mwは11200、Mw/Mnは1.27であり、GPC曲線は単峰性であった。
【0051】
実施例6を実施例5と比較すれば明らかなように重合率を増大させると、それにほぼ比例して得られる重合体のMnが増大するが、Mw/Mnの値が1に近い値に保たれていることが分かる。
【0052】
比較例4
アクリル酸メチル1.71ml(19.0mmol)、トルエン4.22ml及びn−オクタン0.342mlをシュレンク反応管に採取し、均一に混合した。この混合溶液にアルミニウムトリイソプロポキシドの125mmol/Lトルエン溶液3.04ml(0.380mmol)を加え、ついでジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム91.1mg(0.0950mmol)を室温で加えて十分に撹拌し、最後に2−ブロモ−2−メチルプロパン酸エチルの1030mmol/Lトルエン溶液0.185ml(0.190mmol)を加えた。得られた混合物を80℃に加温することにより重合反応を開始させた。
【0053】
重合反応を開始後145時間経過した時点で、反応混合液を−78℃に冷却することにより、重合反応を停止させた。アクリル酸メチルの重合率は95%であり、また、反応混合液中に存在するポリアクリル酸メチルのMnは6800、Mwは10900で、従ってMw/Mnは1.60であった。
【0054】
実施例5及び6と比較例4とを比較すれば明らかなように、本発明の開始剤系を用いた場合は、本発明の範囲外である遷移金属錯体としてジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、活性化剤としてアルミニウムトリイソプロポキシドを用いた場合に比べ分子量分布が狭くかつ重合が速いことが分かる。
【0055】
実施例7
メタクリル酸メチル3.21ml(30.0mmol)、アクリル酸メチル2.70ml(30.0mmol)、トルエン5.66ml及びn−オクタン1.18mlをシュレンク反応管に採取し、均一に混合した。この混合溶液にトリブチルアミンの400mmol/Lトルエン溶液1.50ml(0.600mmol)を加え、ついでクロロペンタメチルシクロペンタジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム47.8mg(0.0600mmol)を室温で加えて十分に撹拌し、最後に2−クロロ−2,4,4−トリメチルグルタル酸ジメチルの802mmol/Lトルエン溶液0.748ml(0.600mmol)を加えた。得られた混合物を80℃に加温することにより重合反応を開始させた。
【0056】
重合反応を開始後59時間経過後、反応混合液を−78℃に冷却することにより、重合反応を停止させた。メタクリル酸メチル及びアクリル酸メチルの重合率はそれぞれ90%及び59%であり、また、反応混合液中に存在するポリ(メタクリル酸メチル−アクリル酸メチル)ランダム共重合体のMnは9000、Mwは10900で、従ってMw/Mnは1.21であった。
【0057】
比較例5
メタクリル酸メチル2.14ml(20.0mmol)、アクリル酸メチル1.80ml(20.0mmol)、トルエン1.68ml及びn−オクタン0.788mlをシュレンク反応管に採取し、均一に混合した。この混合溶液にアルミニウムトリt−ブトキシドの125mmol/Lトルエン溶液3.20ml(0.400mmol)を加え、ついでジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム192mg(0.200mmol)を室温で加えて十分に撹拌し、最後に四塩化炭素の1030mmol/Lトルエン溶液0.389ml(0.400mmol)を加えた。得られた混合物を80℃に加温することにより重合反応を開始させた。
【0058】
重合反応を開始後180時間経過後、反応混合液を−78℃に冷却することにより、重合反応を停止させた。メタクリル酸メチル及びアクリル酸メチルの重合率はそれぞれ92%及び77%であり、また、反応混合液中に存在するポリ(メタクリル酸メチル−アクリル酸メチル)ランダム共重合体のMnは6000、Mwは9500で、従ってMw/Mnは1.58であった。
【0059】
実施例7と比較例5とを比較すれば明らかなように、本発明の開始剤系を用いた場合は、本発明の範囲外の遷移金属錯体としてジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、開始剤として四塩化炭素及び活性化剤としてアルミニウムトリt−ブトキシドを用いた場合に比べ、二種類の単量体混合物を用いたランダム共重合体の分子量分布は狭いことが分かる。
【0060】
【発明の効果】
本発明のリビングラジカル重合開始剤系によれば、幅広い種類のラジカル重合性単量体について、分子量を制御しつつ高速に重合させることができ、更に分子量分布の狭い重合体を製造することが可能となる。そして、そのリビングラジカル重合開始剤系を二種以上のラジカル重合性単量体の共重合に適用した場合、各種の単量体の幅広い組み合わせについて、分子量を制御しつつ高速に共重合させることができ、更には分子量分布の狭い共重合体を製造することが可能となる。
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a living radical polymerization initiator system and a method for producing a polymer using the same. More specifically, the present invention relates to a living radical polymerization initiator system that can be applied in a wide range with respect to the types and combinations of radical polymerizable monomers, and further uses the living radical polymerization initiator system to control the molecular weight. The present invention also relates to a method for producing a polymer having a narrow molecular weight distribution easily and at a higher speed than in the past.
[0002]
[Prior art]
According to living polymerization, a polymer can be produced while controlling the molecular weight, molecular weight distribution, terminal structure and the like. For example, when living polymerization is applied to anionic polymerization, coordinated anionic polymerization, or cationic polymerization, a block polymer or a terminal functionalized polymer with a controlled degree of polymerization can be produced. However, the monomers applicable to anionic polymerization, coordinated anionic polymerization or cationic polymerization itself are limited to specific ones compared to a wide variety of monomers applicable to radical polymerization. There is a problem that the application range of living polymerization to coordination anionic polymerization or cationic polymerization is necessarily narrow.
[0003]
On the other hand, the application of living polymerization to radical polymerization, which can be applied to a wide range of monomers, has been considered difficult because it tends to cause side reactions such as polymerization termination and chain transfer at the growth end. Living polymerization in a broad sense using the equilibrium reaction between activated and activated materials has become possible. Examples thereof include those using radical scavengers such as nitroxide compounds (Macromolecules, vol. 27, 7228 (1994)), those using an initiator system in which an organic halide and a transition metal complex are combined, and the like.
[0004]
In particular, those using an initiator system in which an organic halide and a transition metal complex are combined are useful in that they can be applied to a wide range of monomers, a polymerization temperature that can be applied to existing equipment, and the like. Specifically, a transition metal complex such as dichlorotris (triphenylphosphine) ruthenium, an organic halogen compound (polymerization initiator) such as carbon tetrachloride, 1-phenylethyl chloride or ethyl-2-bromoisobutyrate, The one using a polymerization initiator system (living radical polymerization initiator system) composed of a Lewis acid such as an aluminum alkoxy compound has been proposed (Macromolecules, vol. 28, 1721 (1995); J. Am. Chem. Soc 117, 5614 (1995); JP-A-8-41117; JP-A-9-208616, etc.).
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, when performing radical polymerization using a living radical polymerization initiator system as described above, which is a combination of an organic halide and a transition metal complex, according to the knowledge obtained by the present inventors, the expected polymerization In order to obtain the result, there is a problem that the central metal or ligand of the transition metal complex must be changed according to the type of monomer to be subjected to living radical polymerization. Therefore, it is substantially difficult to apply one living radical polymerization initiator system to a wide range of monomers or to copolymerization using two or more monomers.
[0006]
In addition, in order to control the molecular weight and molecular weight distribution at a high level while suppressing side reactions such as polymerization termination and chain transfer at the growth end depending on the reactivity of the monomer, an initiator system with a very slow polymerization is used. Depending on the monomer, it may be difficult to produce the polymer in a practical time.
[0007]
The present invention is capable of easily producing a radical polymer having a narrow molecular weight distribution while controlling the molecular weight and at a higher speed than the conventional one, and initiating living radical polymerization applicable to a wide range of types and combinations of radical polymerizable monomers. An object is to provide an agent system.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The inventors select a specific ruthenium complex as the transition metal complex, and combine the specific ruthenium complex with a specific organic halide and a specific activator to form a living radical polymerization initiator system as described above. The inventors have found that the above problem can be solved, and have completed the present invention.
[0009]
That is, the present invention includes the following components (A), (B) and (C):
(A) halogenopentamethylcyclopentadienylbis (triarylphosphine) ruthenium;
(B) an α-halogenocarbonyl compound or an α-halogenocarboxylic acid ester;
as well as
(C) Amine
It is a living radical polymerization initiator system characterized by comprising.
[0010]
The present invention also provides a method for producing a polymer, characterized in that at least one radical polymerizable monomer is subjected to living radical polymerization in the presence of the above-described living radical polymerization initiator system.
[0011]
In this production method, when at least two kinds of radical polymerizable monomers are used as the radical polymerizable monomer, the resulting polymer is a copolymer.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
[0013]
The living radical polymerization initiator system of the present invention uses halogenopentamethylcyclopentadienylbis (triarylphosphine) ruthenium as a transition metal complex (component (A)) and an organic halide (polymerization initiator (component (B )) Is used as an α-halogenocarbonyl compound or α-halogenocarboxylic acid ester, and an amine (component (C)) is used as an activator.
[0014]
In the present invention, halogenopentamethylcyclopentadienylbis (triarylphosphine) ruthenium is used as the transition metal complex of component (A), but pentamethylcyclopenta which is one of the ligands for ruthenium as the central metal. When the dienyl group is replaced with another coordinating group (for example, a cyclopentadienyl group), the effects of the present invention are not sufficiently achieved. The reason is that pentamethylcyclopentadienyl is an appropriate electron donating group, so that a transition metal complex having it as one of the ligands has an appropriate redox ability, and as a result, a polymerization initiator and This may be because the equilibrium reaction between the structure having a carbon-halogen bond at the growth terminal of the polymer and the structure of the carbon radical formed by radical dissociation of the structure by a transition metal complex can be efficiently activated. Presumed.
[0015]
Preferable specific examples of component (A) include chloropentamethylcyclopentadienylbis (triarylphosphine) ruthenium such as chloropentamethylcyclopentadienylbis (triphenylphosphine) ruthenium.
[0016]
In the living radical polymerization initiator system of the present invention, the α-halogenocarbonyl compound or α-halogenocarboxylic acid ester of component (B) is used as the polymerization initiator.
[0017]
When component (B) is an α-halogenocarbonyl compound, preferred specific examples thereof include 2,2-dichloroacetophenone and 1,1-dichloroacetone. When component (B) is an α-halogenocarboxylic acid ester, preferred specific examples thereof include ethyl 2-bromo-2-methylpropanoate, dimethyl 2-chloro-2,4,4-trimethylglutarate, 1, 2-bis (α-bromopropionyloxy) ethane and the like can be mentioned.
[0018]
In the living radical polymerization initiator system of the present invention, the component (C) amine is used as an activator. Examples of such amines include aliphatic primary amines such as methylamine, ethylamine, propylamine, isopropylamine, and butylamine, and aliphatic secondary amines such as dimethylamine, diethylamine, dipropylamine, diisopropylamine, and dibutylamine. , Aliphatic amines such as aliphatic tertiary amines such as trimethylamine, triethylamine, tripropylamine, triisopropylamine, tributylamine; N, N, N ′, N′-tetramethylethylenediamine, N, N, N ′, Aliphatic polyamines such as N ″, N ″ -pentamethyldiethylenetriamine, 1,1,4,7,10,10-hexamethyltriethylenetetraamine; aromatic primary amines such as aniline and toluidine, diphenylamine, etc. Aromatic secondary amine, triphenylamine And aromatic amines such as aromatic tertiary amines. Of these, aliphatic amines are preferable, and butylamine, dibutylamine, tributylamine and the like are particularly preferable.
[0019]
The content ratio of each component in the living radical polymerization initiator system of the present invention is not necessarily limited, but if the ratio of the component (A) to the component (B) is too low, the polymerization tends to be slow, On the other hand, if the molecular weight distribution of the resulting polymer tends to be wide if it is too high, the molar ratio of component (A): component (B) is preferably in the range of 0.05: 1 to 1: 1. . On the other hand, if the ratio of the component (C) to the component (B) is too low, the polymerization is slowed. Conversely, if the ratio is too high, the molecular weight distribution of the resulting polymer tends to be widened. The molar ratio of C) is preferably in the range of 1: 1 to 1:10.
[0020]
In the living radical polymerization initiator system of the present invention, the transition metal complex of component (A), the polymerization initiator of component (B), and the activator of component (C) are usually mixed immediately before use. Can be manufactured. In addition, the transition metal complex of component (A), the polymerization initiator of component (B), and the activator of component (C) are stored separately, and added separately to the polymerization reaction system, and the polymerization reaction It may be mixed in the system so as to function as a living radical polymerization initiator system.
[0021]
Next, a method for producing a polymer (including a copolymer) using the living radical polymerization initiator system of the present invention will be described.
[0022]
This production method basically involves living polymerizing a radical polymerizable monomer in a solvent such as toluene in the presence of the living radical polymerization initiator system of the present invention. Thereby, the number average molecular weight (Mn) of the obtained polymer can be increased almost in proportion to the increase in the polymerization rate, and the molecular weight distribution represented by weight average molecular weight / number average molecular weight (Mw / Mn). Can be a value close to 1. Therefore, at the time of the progress of the polymerization, the production of the polymer due to the chain termination or the transfer reaction can be suppressed to allow the living polymerization to proceed. Furthermore, even when two or more types of monomers are combined and random copolymerization is performed, the molecular weight can be controlled and the molecular weight distribution can be made close to 1. In addition, a polymerization reaction system in which the polymerization of one type of monomer or a mixture of two or more types of monomers is almost completed as the first step, and a new type of monomer or two or more types of single units are added as the second step. If the monomer mixture is added, the number average molecular weight can be increased while maintaining the molecular weight distribution close to 1, and a block copolymer can be produced. Then, in the same way, in the third stage or higher, add one monomer or a mixture of two or more monomers to produce a triblock or higher multiblock copolymer. can do.
[0023]
As the radical polymerizable monomer used in the living radical polymerization reaction according to the production method of the present invention, from the viewpoint of versatility and the remarkable effect of the present invention, from a styrene monomer, a methacrylic ester and an acrylic ester. At least one radically polymerizable monomer selected from the group consisting of Examples of the styrene monomer include styrene, p-methyl styrene, p-methoxy styrene, pt-butyl styrene, pn-butyl styrene, p-chlorostyrene and the like, and a particularly preferable example is styrene. . Examples of the methacrylic acid ester include methyl methacrylate, ethyl methacrylate, butyl methacrylate, cyclohexyl methacrylate and the like, and particularly preferred examples include methyl methacrylate and butyl methacrylate. Examples of the acrylate ester include methyl acrylate, ethyl acrylate, butyl acrylate, 2-ethylhexyl acrylate and the like, and particularly preferred examples include methyl acrylate and butyl acrylate. In addition, 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, glycidyl (meth) acrylate, (meth) acrylic amide, N-substituted (meth) acrylic amide, acrylonitrile, methacrylonitrile, fumaric anhydride, fumaric acid Radical polymerizable monomers such as methyl and ethyl fumarate can be used. The above “(meth) acrylic acid” is a general term for “methacrylic acid” and “acrylic acid”.
[0024]
In the production method of the present invention, the initial concentration of the radically polymerizable monomer in the polymerization reaction system is not necessarily limited, but if it is too low, the reaction is too slow, and if it is too high, the radical of the generated radical is converted into the monomer. Since the chain transfer reaction is increased and the molecular weight distribution of the resulting polymer is widened, the range is preferably 0.5 to 8 mol (mol) / L (liter), and particularly preferably 1 to 4 mol / L. The concentration of each component in the polymerization system at that time is not necessarily limited, but the concentration of the polymerization initiator of component (B) is preferably 0, although there is a difference depending on the concentration of the radical polymerization monomer. .1 to 100 mmol (mmol) / L (liter), particularly preferably 0.5 to 50 mmol / L. The concentration of the transition metal complex of component (A) is preferably 0.1 to 50 mmol / L, particularly preferably 0.5 to 10 mmol / L. The concentration of the component (C) amine is preferably 1 to 200 mmol / L, particularly preferably 10 to 50 mmol / L.
[0025]
In the production method of the present invention, at the start of the living radical polymerization reaction, a monomer, a solvent, an amine (component (C)) and a transition metal complex (component (component (C)) are placed in a reaction vessel under an inert gas atmosphere such as nitrogen. It is preferable to prepare a mixture comprising A)) and add a polymerization initiator (component (B)) thereto. Polymerization can be initiated by heating the mixture thus obtained to a temperature in the range of 60 to 120 ° C., for example.
[0026]
After completion of the polymerization reaction, for example, the polymerization reaction system is cooled to 0 ° C. or less, preferably about −78 ° C. to stop the reaction, and then the reaction mixture is diluted with an organic solvent such as toluene, and the polymerization initiator is diluted with dilute hydrochloric acid. After removing the metal component of the system, the polymer can be obtained by evaporating volatile components.
[0027]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be specifically described by way of examples.
[0028]
In the following examples and comparative examples, unless otherwise specified, all operations were performed in a dry nitrogen gas atmosphere, and the reagents were collected from the container with a syringe and added to the reaction system. Further, the solvent and the monomer were purified by distillation and further used after blowing dry nitrogen gas.
[0029]
The polymerization rate of the polymer was calculated based on the analysis value obtained by analyzing the monomer concentration in the reaction mixture by gas chromatography (internal standard substance: n-octane).
[0030]
The number average molecular weight (Mn), the weight average molecular weight (Mw) and the molecular weight distribution (Mw / Mn) of the obtained polymer are as follows using gel permeation chromatography (GPC). Measured, polymethyl methacrylate, polymethyl acrylate and poly (methyl methacrylate-methyl acrylate) random copolymer were calculated in terms of polymethyl methacrylate, and polystyrene was calculated in terms of polystyrene.
Column: Shodex K-805L (3 in series)
Solvent: Chloroform
Temperature: 40 ° C
Detector: RI and UV
Flow rate: 1 ml / min
[0031]
Example 1
4.28 ml (40.1 mmol) of methyl methacrylate, 3.57 ml of toluene and 0.856 ml of n-octane were collected in a Schlenk reaction tube and mixed uniformly. To this mixed solution was added 0.800 ml (0.401 mmol) of a 500 mmol / L toluene solution of dibutylamine, and then 31.9 mg (0.0401 mmol) of chloropentamethylcyclopentadienylbis (triphenylphosphine) ruthenium was added at room temperature. And finally, 0.499 ml (0.401 mmol) of a 802 mmol / L toluene solution of dimethyl 2-chloro-2,4,4-trimethylglutarate was added. The resulting mixture was heated to 80 ° C. to initiate the polymerization reaction.
[0032]
When 6 hours had elapsed after the start of the polymerization reaction, the reaction mixture was cooled to −78 ° C. to stop the polymerization reaction. The polymerization rate of methyl methacrylate is 31%, and the polymethyl methacrylate present in the reaction mixture has a number average molecular weight (Mn) of 3800 and a polymerization average molecular weight (Mw) of 4100. Therefore, Mw / Mn is 1.08. Furthermore, the GPC curve was unimodal.
[0033]
Example 2
In Example 1, the polymerization reaction was performed and analyzed in the same manner as in Example 1 except that the polymerization reaction was started and stopped after 50 hours. As a result, the polymerization rate of methyl methacrylate was 95%, Mn of polymethyl methacrylate present in the reaction system was 12700, Mw was 14900, Mw / Mn was 1.17, and the GPC curve was unimodal. It was.
[0034]
As apparent from a comparison of Example 2 with Example 1, when the polymerization rate is increased, the Mn of the resulting polymer increases in proportion to it, but the value of Mw / Mn is kept close to 1. You can see that it is leaning.
[0035]
Comparative Example 1
4.28 ml (40.1 mmol) of methyl methacrylate, 1.28 ml of toluene and 0.856 ml of n-octane were collected in a Schlenk reaction tube and mixed uniformly. To this mixed solution was added 3.20 ml (0.401 mmol) of 125 mmol / L toluene solution of aluminum tri-t-butoxide, and then 191.8 mg (0.200 mmol) of dichlorotris (triphenylphosphine) ruthenium was added at room temperature. The mixture was stirred, and finally 0.389 ml (0.401 mmol) of a 1030 mmol / L toluene solution of dichloroacetophenone was added. The resulting mixture was heated to 80 ° C. to initiate the polymerization reaction.
[0036]
After 150 hours from the start of the polymerization reaction, the reaction mixture was cooled to −78 ° C. to stop the polymerization reaction. The polymerization rate of methyl methacrylate was 94%, and Mn of polymethyl methacrylate present in the reaction mixture was 9000, Mw was 12900, and thus Mw / Mn was 1.43.
[0037]
As is clear from comparison between Examples 1 and 2 and Comparative Example 1, when the initiator system of the present invention is used, dichlorotris (triphenylphosphine) ruthenium as a transition metal complex that is outside the scope of the present invention. It can be seen that the molecular weight distribution is narrower and the polymerization is faster than when aluminum tri-t-butoxide is used as the activator.
[0038]
Comparative Example 2
4.28 ml (40.1 mmol) of methyl methacrylate, 1.17 ml of toluene and 0.856 ml of n-octane were collected in a Schlenk reaction tube and mixed uniformly. To this mixed solution was added 3.20 ml (0.401 mmol) of 125 mmol / L toluene solution of aluminum triisopropoxide, and then 31.9 mg (0.0401 mmol) of chloropentamethylcyclopentadienylbis (triphenylphosphine) ruthenium. The mixture was added at room temperature and stirred sufficiently. Finally, 0.499 ml (0.401 mmol) of a 802 mmol / L toluene solution of dimethyl 2-chloro-2,4,4-trimethylglutarate was added. The resulting mixture was heated to 80 ° C. to initiate the polymerization reaction.
[0039]
When 313 hours had elapsed after the start of the polymerization reaction, the reaction mixture was cooled to −78 ° C. to stop the polymerization reaction. The polymerization rate of methyl methacrylate is 92%, and the number average molecular weight (Mn) of polymethyl methacrylate present in the reaction mixture is 9600, and the polymerization average molecular weight (Mw) is 11200. Therefore, Mw / Mn is 1.17.
[0040]
As is clear from comparison between Example 2 and Comparative Example 2, when the initiator system of the present invention is used, when aluminum triisopropoxide is used as an activator that is outside the scope of the present invention. It can be seen that the polymerization is fast while controlling the molecular weight and molecular weight distribution.
[0041]
Example 3
Styrene 5.04 ml (44.0 mmol), toluene 3.52 ml and n-octane 1.01 ml were collected in a Schlenk reaction tube and mixed uniformly. To this mixed solution was added 0.880 ml (0.440 mmol) of a 500 mmol / L toluene solution of dibutylamine, and then 35.0 mg (0.0440 mmol) of chloropentamethylcyclopentadienylbis (triphenylphosphine) ruthenium was added at room temperature. Finally, 0.549 ml (0.440 mmol) of a 802 mmol / L toluene solution of dimethyl 2-chloro-2,4,4-trimethylglutarate was added. The resulting mixture was heated to 100 ° C. to initiate the polymerization reaction.
[0042]
When 8 hours had elapsed after the start of the polymerization reaction, the reaction mixture was cooled to −78 ° C. to stop the polymerization reaction. The polymerization rate of styrene was 22%, and the Mn of polystyrene present in the reaction mixture was 2900, Mw was 3100, and thus Mw / Mn was 1.07. Furthermore, the GPC curve was unimodal.
[0043]
Example 4
In Example 3, the polymerization reaction was performed and analyzed in the same manner as in Example 3 except that the polymerization reaction was started and stopped after 51 hours. As a result, the polymerization rate of styrene was 91%, the Mn of polystyrene present in the reaction system was 11000, Mw was 12000, Mw / Mn was 1.09, and the GPC curve was unimodal.
[0044]
As is clear from the comparison of Example 4 with Example 3, when the polymerization rate is increased, the Mn of the obtained polymer increases in proportion to it, but the value of Mw / Mn is kept close to 1. You can see that it is leaning.
[0045]
Comparative Example 3
2.52 ml (22.0 mmol) of styrene, 4.24 ml of toluene and 0.504 ml of n-octane were collected in a Schlenk reaction tube and mixed uniformly. To this mixed solution was added 3.52 ml (0.440 mmol) of 125 mmol / L toluene solution of aluminum triisopropoxide, and then 105.5 mg (0.110 mmol) of dichlorotris (triphenylphosphine) ruthenium was added at room temperature. The mixture was stirred, and finally 0.214 ml (0.220 mmol) of a 1030 mmol / L toluene solution of ethyl 2-bromo-2-methylpropanoate was added. The resulting mixture was heated to 100 ° C. to initiate the polymerization reaction.
[0046]
When 50 hours had passed since the polymerization reaction was started, the reaction mixture was cooled to −78 ° C. to stop the polymerization reaction. The polymerization rate of styrene was 90%, and the Mn of polystyrene present in the reaction mixture was 9500, Mw was 16800, and thus Mw / Mn was 1.77.
[0047]
As is clear from comparison between Examples 3 and 4 and Comparative Example 3, when the initiator system of the present invention is used, dichlorotris (triphenylphosphine) ruthenium as a transition metal complex that is outside the scope of the present invention. It can be seen that the molecular weight distribution is narrower than when aluminum triisopropoxide is used as the activator.
[0048]
Example 5
3.42 ml (38.0 mmol) of methyl acrylate, 4.27 ml of toluene, and 0.684 ml of n-octane were collected in a Schlenk reaction tube and mixed uniformly. To this mixed solution was added 0.760 ml (0.380 mmol) of a 500 mmol / L toluene solution of dibutylamine, and then 30.3 mg (0.0381 mmol) of chloropentamethylcyclopentadienylbis (triphenylphosphine) ruthenium was added at room temperature. The mixture was sufficiently stirred, and finally 0.369 ml (0.380 mmol) of a 1030 mmol / L toluene solution of ethyl 2-bromo-2-methylpropanoate was added. The resulting mixture was heated to 80 ° C. to initiate the polymerization reaction.
[0049]
When 2 hours had elapsed after the start of the polymerization reaction, the reaction mixture was cooled to −78 ° C. to stop the polymerization reaction. The polymerization rate of methyl acrylate was 37%, and Mn of polymethyl acrylate present in the reaction mixture was 3100, Mw was 4000, and thus Mw / Mn was 1.29. Furthermore, the GPC curve was unimodal.
[0050]
Example 6
In Example 5, the polymerization reaction was performed and analyzed in the same manner as in Example 5 except that the polymerization reaction was started and stopped 24 hours later. As a result, the polymerization rate of methyl acrylate was 91%, Mn of polymethyl acrylate present in the reaction system was 8800, Mw was 11200, Mw / Mn was 1.27, and the GPC curve was unimodal. It was.
[0051]
As apparent from a comparison of Example 6 with Example 5, when the polymerization rate is increased, the Mn of the polymer obtained increases almost proportionally, but the value of Mw / Mn is kept close to 1. You can see that it is leaning.
[0052]
Comparative Example 4
1.71 ml (19.0 mmol) of methyl acrylate, 4.22 ml of toluene and 0.342 ml of n-octane were collected in a Schlenk reaction tube and mixed uniformly. To this mixed solution was added 3.04 ml (0.380 mmol) of a 125 mmol / L toluene solution of aluminum triisopropoxide, and then 91.1 mg (0.0950 mmol) of dichlorotris (triphenylphosphine) ruthenium was added at room temperature. The mixture was stirred, and finally, 0.185 ml (0.190 mmol) of a 1030 mmol / L toluene solution of ethyl 2-bromo-2-methylpropanoate was added. The resulting mixture was heated to 80 ° C. to initiate the polymerization reaction.
[0053]
When 145 hours had elapsed after the start of the polymerization reaction, the polymerization reaction was stopped by cooling the reaction mixture to −78 ° C. The polymerization rate of methyl acrylate was 95%, and Mn of polymethyl acrylate present in the reaction mixture was 6800, Mw was 10900, and thus Mw / Mn was 1.60.
[0054]
As is clear from comparison between Examples 5 and 6 and Comparative Example 4, when the initiator system of the present invention is used, dichlorotris (triphenylphosphine) ruthenium as a transition metal complex that is outside the scope of the present invention. It can be seen that the molecular weight distribution is narrower and the polymerization is faster than when aluminum triisopropoxide is used as the activator.
[0055]
Example 7
3.21 ml (30.0 mmol) of methyl methacrylate, 2.70 ml (30.0 mmol) of methyl acrylate, 5.66 ml of toluene and 1.18 ml of n-octane were collected in a Schlenk reaction tube and mixed uniformly. To this mixed solution was added 1.50 ml (0.600 mmol) of a 400 mmol / L toluene solution of tributylamine, and then 47.8 mg (0.0600 mmol) of chloropentamethylcyclopentadienylbis (triphenylphosphine) ruthenium was added at room temperature. Finally, 0.748 ml (0.600 mmol) of a 802 mmol / L toluene solution of dimethyl 2-chloro-2,4,4-trimethylglutarate was added. The resulting mixture was heated to 80 ° C. to initiate the polymerization reaction.
[0056]
After 59 hours from the start of the polymerization reaction, the reaction mixture was cooled to −78 ° C. to stop the polymerization reaction. The polymerization rates of methyl methacrylate and methyl acrylate are 90% and 59%, respectively. The Mn of the poly (methyl methacrylate-methyl acrylate) random copolymer present in the reaction mixture is 9000, and Mw is 10900 and thus Mw / Mn was 1.21.
[0057]
Comparative Example 5
2.14 ml (20.0 mmol) of methyl methacrylate, 1.80 ml (20.0 mmol) of methyl acrylate, 1.68 ml of toluene and 0.788 ml of n-octane were collected in a Schlenk reaction tube and mixed uniformly. To this mixed solution was added 3.20 ml (0.400 mmol) of a 125 mmol / L toluene solution of aluminum tri-t-butoxide, and then 192 mg (0.200 mmol) of dichlorotris (triphenylphosphine) ruthenium was added at room temperature and stirred sufficiently. Finally, 0.389 ml (0.400 mmol) of a 1030 mmol / L toluene solution of carbon tetrachloride was added. The resulting mixture was heated to 80 ° C. to initiate the polymerization reaction.
[0058]
After 180 hours from the start of the polymerization reaction, the reaction mixture was cooled to −78 ° C. to stop the polymerization reaction. The polymerization rates of methyl methacrylate and methyl acrylate are 92% and 77%, respectively, and the Mn of the poly (methyl methacrylate-methyl acrylate) random copolymer present in the reaction mixture is 6000, and Mw is 9500, and thus Mw / Mn was 1.58.
[0059]
As is clear from comparison between Example 7 and Comparative Example 5, when the initiator system of the present invention was used, dichlorotris (triphenylphosphine) ruthenium, an initiator as a transition metal complex outside the scope of the present invention. As compared with the case of using carbon tetrachloride and aluminum tri-t-butoxide as the activator, it can be seen that the molecular weight distribution of the random copolymer using a mixture of two kinds of monomers is narrow.
[0060]
【The invention's effect】
According to the living radical polymerization initiator system of the present invention, a wide variety of radical polymerizable monomers can be polymerized at a high speed while controlling the molecular weight, and a polymer having a narrow molecular weight distribution can be produced. It becomes. And when the living radical polymerization initiator system is applied to copolymerization of two or more types of radical polymerizable monomers, it can be copolymerized at high speed while controlling the molecular weight for a wide range of combinations of various monomers. In addition, a copolymer having a narrow molecular weight distribution can be produced.

Claims (7)

下記の成分(A)、(B)及び(C):
(A)ハロゲノペンタメチルシクロペンタジエニルビス(トリアリールホスフィン)ルテニウム;
(B)α−ハロゲノカルボニル化合物又はα−ハロゲノカルボン酸エステル;
及び
(C)アミン
からなることを特徴とするリビングラジカル重合開始剤系。
The following components (A), (B) and (C):
(A) halogenopentamethylcyclopentadienylbis (triarylphosphine) ruthenium;
(B) an α-halogenocarbonyl compound or an α-halogenocarboxylic acid ester;
And (C) a living radical polymerization initiator system comprising an amine.
成分(A)がクロロペンタメチルシクロペンタジエニルビス(トリアリールホスフィン)ルテニウムである請求項1記載のリビングラジカル重合開始剤系。The living radical polymerization initiator system according to claim 1, wherein the component (A) is chloropentamethylcyclopentadienylbis (triarylphosphine) ruthenium. 成分(C)が脂肪族アミンである請求項1又は2記載のリビングラジカル重合開始剤系。The living radical polymerization initiator system according to claim 1 or 2, wherein the component (C) is an aliphatic amine. 請求項1〜3のいずれかに記載のリビングラジカル重合開始剤系の存在下で、少なくとも一種のラジカル重合性単量体をリビングラジカル重合させることを特徴とする重合体の製造方法。A method for producing a polymer, comprising subjecting at least one radical polymerizable monomer to living radical polymerization in the presence of the living radical polymerization initiator system according to claim 1. ラジカル重合性単量体がスチレン系単量体、メタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも一種のラジカル重合性単量体である請求項4記載の製造方法。The production method according to claim 4, wherein the radical polymerizable monomer is at least one radical polymerizable monomer selected from the group consisting of a styrene monomer, a methacrylic ester and an acrylic ester. 少なくとも二種のラジカル重合性単量体を用いて共重合させる請求項4記載の製造方法。The production method according to claim 4, wherein at least two kinds of radical polymerizable monomers are used for copolymerization. スチレン系単量体、メタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも二種のラジカル重合性単量体を用いる請求項6記載の製造方法。The manufacturing method of Claim 6 using the at least 2 sort (s) of radically polymerizable monomer chosen from the group which consists of a styrene-type monomer, methacrylic acid ester, and acrylic acid ester.
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