以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図中同一符号は同一または相当する部材を示し、重複する説明は繰返さない。本発明の実施の形態においては、情報処理システムを移行する例として、汎用機システムからWebシステムに移行する場合について説明する。
図1は、本発明の実施の形態の1つにおけるWebシステム10の概略を示す図である。図1を参照して、システム移行後のWebシステム10は、Webサーバ300と、APサーバ400と、クライアントPC200と、システム管理用PC100とを備える。
Webサーバ300、APサーバ400、クライアントPC200、および、システム管理用PC100は、ネットワーク500を介して接続される。ネットワーク500は、LAN(Local Area Network)であってもよいし、WAN(Wide Area Network)であってもよい。
Webサーバ300、APサーバ400、クライアントPC200、および、システム管理用PC100は、ネットワーク500を介して互いに通信することが可能である。本実施の形態においては、Webサーバ300において、HTTP(HyperText Transfer Protocol)を用いるため、通信プロトコルは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)のような標準的なプロトコルであることが好ましい。
Webサーバ300は、クライアントPC200からの要求に応じた情報送信を行なうコンピュータである。Webサーバ300から送信される情報は、HTML(HyperText Markup Language)やXHTML(eXtensible HTML)などのマークアップ言語で記述される。そして、クライアントPC200などで実行されるWebブラウザによりマークアップ言語で記述された情報が解析され、情報の内容が表示される。
APサーバ400は、他のコンピュータからの処理要求に応じて所定のAPを実行し、処理要求をしたコンピュータに実行結果を送信する。Webサーバ300、および、APサーバ400は、サーバとして用いるのに適したコンピュータ、たとえば、ワークステーション(Work Station)により構成される。
クライアントPC200、および、システム管理用PC100は、一般的なPCで構成される。クライアントPC200、および、システム管理用PC100は、少なくともキーボードやマウスなどの入力部と、ディスプレイなどの出力部と、他のコンピュータと通信をするための通信部と、APやデータなどを記憶する記憶部と、各部の制御やデータの演算を行なう中央処理装置(Central Processing Unit、以下、「CPU」という)などの制御部とを備える。
また、クライアントPC200、および、システム管理用PC100は、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive、以下、「HDD」という)、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ(FDD)、CD(Compact Disc)ドライブ、DVD(Digital Versatile Disk)ドライブ、および、MO(Magneto-Optical disk)ドライブなどの外部記憶装置を備えてもよい。
クライアントPC200は、少なくともWebブラウザプログラムを実行することが可能なように構成される。システム管理用PC100は、Webサーバ300やAPサーバ400をメンテナンスするために用いられるPCである。
システム管理用PC100に替えて、Webサーバ300やAPサーバ400が、それぞれ、キーボードやマウスなどの入力部と、ディスプレイやプリンタなどの出力部を備え、ネットワーク500を介さないで、メンテナンス可能なように構成してもよい。
図2は、本実施の形態における移行過程でのWebシステム10の概略を示す図である。図2を参照して、システム移行過程中のWebシステム10は、図1で説明した構成に加えて、業務AP動作確認ツール600と、Webシステム用画面自動生成装置700とをさらに備える。
業務AP動作確認ツール600は、Webサーバ300、APサーバ400、クライアントPC200、および、システム管理用PC100と、それぞれ、ネットワーク500を介して接続される。業務AP動作確認ツール600は、Webサーバ300、APサーバ400、クライアントPC200、および、システム管理用PC100と、それぞれ、互いにネットワーク500を介して通信することが可能である。
業務AP動作確認ツール600は、APサーバ400により実行される業務APの動作を確認するためのツールである。APサーバ400により実行される業務APは、既存システム20の汎用機900で実行されていた業務APをほぼそのまま流用したものである。
Webシステム用画面自動生成装置700は、スクリプトファイルを自動生成するコンピュータである。Webシステム10においてWebサーバ300によってこのスクリプトファイルが実行されることにより、クライアントPC200からの要求に従ってAPサーバ400で実行される業務APの実行結果が、Webサーバ300によって、クライアントPC200に送信される。
業務AP動作確認ツール600、および、Webシステム用画面自動生成装置700は、一般的なPCで構成される。業務AP動作確認ツール600、および、Webシステム用画面自動生成装置700は、少なくともキーボードやマウスなどの入力部と、ディスプレイなどの出力部と、他のコンピュータと通信をするための通信部と、APやデータなどを記憶する記憶部と、各部の制御やデータの演算を行なうCPUなどの制御部とを備える。
また、Webサーバ300、および、Webシステム用画面自動生成装置700は、外部記憶装置を備える。Webサーバ300、および、Webシステム用画面自動生成装置700は、外部記憶装置によって記録媒体761を介して、Webシステム用画面自動生成装置700によって生成されたスクリプトファイルをやり取りする。
なお、Webサーバ300、および、Webシステム用画面自動生成装置700は、記録媒体761を介してファイルをやり取りすることに限定されず、他の方法でファイルをやり取りしてもよい。たとえば、ネットワークを介してファイルをやり取りしてもよい。
業務AP動作確認ツール600の機能については、後述する図6から図12で詳細に説明する。Webシステム用画面自動生成装置700の機能については、後述する図13および図14で詳細に説明する。
図3は、本実施の形態におけるシステム管理用PC100の構成を示すブロック図である。図3を参照して、システム管理用PC100は、制御部110と、記憶部120と、入力部130と、出力部140と、通信部150とを備える。また、システム管理用PC100は、外部記憶装置160を選択的に備える。
バス190は、各部がデータをやり取りするための伝送路である。バス190は、制御部110と、記憶部120と、入力部130と、出力部140と、通信部150と、外部記憶装置160とを接続する。
制御部110は、CPUやその周辺回路で構成される。制御部110は、記憶部120に記憶されたプログラムを実行し、記憶部120や入力部130や通信部150や外部記憶装置160からデータを受取り、データに演算を施して、記憶部120や出力部140や通信部150に出力する。また、制御部110は、記憶部120や入力部130や出力部140や通信部150の動作を制御する。
記憶部120は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などの半導体メモリで構成される。記憶部120は、APやデータなどを記憶する。また、仮想的な記憶部としてHDDの一部が用いられることがある。
入力部130は、キーボードやマウスで構成される。入力部130は、システム管理用PC100の利用者がシステム管理用PC100に必要な情報を入力するために用いられる。出力部140は、ディスプレイやプリンタやスピーカなどで構成される。出力部140は、システム管理用PC100により処理された情報を出力する。
通信部150は、システム管理用PC100をネットワーク500と接続するためのインタフェースである。システム管理用PC100は、通信部150を介して他のコンピュータと必要な情報を送受信する。
外部記憶装置160は、記録媒体161に記録されたプログラムやデータをシステム管理用PC100に読込む。また、外部記憶装置160は、記録媒体161に必要な情報を書込む。
コンピュータ読取可能な記録媒体161としては、DDS(Digital Data Storage)などの磁気テープ、FDD、HDD等の磁気ディスク、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、CD−R(Compact Disk Recordable)、CD−RW(Compact Disk ReWritable)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、DVD−R(Digital Versatile Disk Recordable)、DVD−RAM(Digital Versatile Disk Random Access Memory)等の光ディスク、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気ディスク、IC(Integrated Circuit)カード、メモリカード、あるいは、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含めた、固定的にプログラムを担持する記録媒体である。また、記録媒体161を、ネットワークからプログラムがダウンロードされるように流動的にプログラムを担持する媒体とすることもできる。
クライアントPC200、業務AP動作確認ツール600、および、Webシステム用画面自動生成装置700は、それぞれ、システム管理用PC100と同様に、制御部と、記憶部と、入力部と、出力部と、通信部とを備える。また、Webサーバ300、および、APサーバ400は、それぞれ、制御部と、記憶部と、通信部とを備える。Webサーバ300、および、APサーバ400は、それぞれ、入力部と、出力部とを選択的に備えてもよい。また、Webサーバ300、APサーバ400、および、Webシステム用画面自動生成装置700は、それぞれ、外部記憶装置を備える。また、クライアントPC200、業務AP動作確認ツール600は、それぞれ、外部記憶装置を選択的に備えてもよい。
図4は、本実施の形態におけるWebシステム10の機能の概略を示す機能ブロック図である。図4を参照して、Webシステム10は、APサーバ400と、Webサーバ300と、クライアントPC200とを備える。
APサーバ400は、業務APを実行する業務AP実行制御部411と、DBMSを実行するDBMS実行制御部412と、Webサーバ300と通信するためのインタフェースである通信部450とを備える。また、DBMS実行制御部412は、APサーバ400の内部または外部に設けられたDB460に蓄積されたデータを管理する。
本実施の形態においては、業務APは、既存システム20の汎用機900で用いられていたCOBOLで記述されたプログラムをほぼそのまま流用する。このため既存システム20の汎用機900からWebシステム10のAPサーバ400への業務APの移行にはさほど工数は掛からない。
Webサーバ300は、画面制御APを実行する画面制御AP実行制御部310と、APサーバ400と通信するためのインタフェースである通信部352と、クライアントPC200と通信をするためのインタフェースである通信部351とを備える。
画面制御AP実行制御部310で実行される画面制御APは、通信処理制御プログラム(以下、「通信処理制御PG」という)311と、ログイン制御プログラム(以下、「ログイン制御PG」という)312と、エラー処理制御プログラム(以下、エラー処理制御PG」という)313と、業務画面フレームファイル314と、業務画面項目定義ファイル315とを含む。
通信処理制御PG311は、通信処理に関する制御を行なうプログラムである。ログイン制御PG312は、Webサーバ300へのログインに関する制御を行なうプログラムである。エラー処理制御PG313は、エラー処理に関する制御を行なうプログラムである。業務画面フレームファイル314は、Java(登録商標)で作成された実行形式ファイルである。業務画面フレームファイル314は、クライアントPC200からの要求に応じて、業務画面項目定義ファイル315を参照し、Webサーバ300上で処理を実行し、処理結果としてのWebページをクライアントPC200に送信する。
クライアントPC200は、汎用的なWebブラウザプログラムを実行するWebブラウザ実行制御部211と、Webブラウザプログラムに対してデータを入力するための入力部230と、Webブラウザプログラムからデータを出力するための出力部240と、Webサーバ300と通信するためのインタフェースである通信部250とを備える。
Webブラウザ実行制御部211は、利用者によって入力部230から入力された所定の業務処理を実行させるための指示に基づいて処理要求を示す通信用データB+付加データB522を通信部250を介してWebサーバ300に送信する。
画面制御AP実行制御部310は、クライアントPC200から通信部351を介して受信された通信用データB+付加データB522により示される処理要求に応じた業務処理をAPサーバ400に実行させるための処理要求を示す通信用データB512を通信部352を介してAPサーバ400に送信する。
業務AP実行制御部411は、Webサーバ300から通信部450を介して受信された通信用データB512により示される処理要求に応じた業務処理を実行する。そして、業務AP実行制御部411は、処理結果を示す通信用データA511を通信部450を介して処理要求を出したWebサーバ300に送信する。また、業務AP実行制御部411は、必要に応じて、DBMS実行制御部412に所定のデータをDB460から読出す要求を出す。そして、業務AP実行制御部411は、読出されたデータを用いて業務処理を実行する。
画面制御AP実行制御部310は、APサーバ400から通信部352を介して受信された通信用データA511により示される処理結果を示す通信用データA+付加データA521を通信部351を介してクライアントPC200に送信する。Webブラウザ実行制御部211は、Webサーバ300から通信部250を介して受信された通信用データA+付加データA521により示される処理結果を出力部240により表示させる。
本実施の形態においては、既存システム20の汎用機900で用いられていた業務APをほぼそのままWebシステム10のAPサーバ400に移行するので、通信用データA511および通信用データB512は、汎用機やCOBOLで用いられる固定長の複数のデータの集合体であるレコード形式であることが多い。また、このレコードには、このデータに含まれる複数のデータの内容が含まれ、それぞれのデータの表示レイアウト情報などのデータを扱うための情報は含まれない。
このため、クライアントPC200のWebブラウザプログラムで扱えるように、Webサーバ300により、データを画面に表示する際のレイアウトなどを示す付加データAが通信用データA511に付加されて、HTMLデータである通信用データA+付加データA521としてクライアントPC200に送信される。付加データAは、通信用データAに含まれる各データのそれぞれの表示レイアウトやHTMLデータとして必要な情報を含むデータである。
同様に、通信用データB+付加データB522も、クライアントPC200のWebブラウザプログラムで扱えるHTMLデータである。通信用データB+付加データB522は、Webサーバ300により、レコード形式の通信用データB512に変換されて、通信用データBとしてAPサーバ400に送信される。付加データBは、HTMLデータとして必要な情報を含むデータである。
これにより、業務APからみて、Webサーバ300が、既存システム20の端末装置970と同じ動作をすることとなる。したがって、業務APを特に変更しなくても既存システム20と同様の業務処理を業務APにより行なうことが可能となる。
図5は、本実施の形態におけるWebサーバ300で実行される画面制御APの流れを示すフローチャートである。図5を参照して、まず、画面制御AP実行制御部310により、クライアントPC200からログイン要求があるか否かが判断される(ステップS101)。ログイン要求があると判断された場合は、画面制御AP実行制御部310により、ログイン制御PG312が実行される(ステップS102)。
ログイン制御PG312が実行されることにより、クライアントPC200の利用者からのログイン要求に対してクライアントPC200において利用者にパスワードが要求され、予め登録された正当な利用者であるか否かが判断される。正当な利用者でないと判断された場合は、Webサーバ300を利用することができないように制御される。
ステップS101でログイン要求がないと判断された場合、または、ステップS102が実行された後、画面制御AP実行制御部310により、エラーが発生したか否かが判断される(ステップS103)。エラーが発生したと判断された場合は、画面制御AP実行制御部310により、エラー制御PG313が実行される(ステップS104)。
エラー処理制御PG313が実行されることにより、Webサーバ300で発生したエラーに応じた表示や処理が行なわれる。
ステップS103でエラーが発生していないと判断された場合、または、ステップS104が実行された後、画面制御AP実行制御部310により、クライアントPC200から処理要求が受信されたか否かが判断される(ステップS105)。処理要求が受信されていないと判断された場合は、ステップS101に戻る。
一方、ステップS105で処理要求が受信されたと判断された場合は、画面制御AP実行制御部310により処理要求に応じた業務画面フレームファイル314が実行されることによって、通信処理制御PG311が呼出され、処理要求を含む通信用データB+付加データB522に応じた通信用データB512がAPサーバ400に送信される(ステップS106)。
そして、APサーバ400から処理要求に応じた処理結果が受信されたか否かが判断される(ステップS107)。処理結果が受信されていないと判断された場合は、ステップS107を繰返す。一方、処理結果が受信されたと判断された場合は、画面制御AP実行制御部310により処理結果を含む通信用データA511に応じた業務画面フレームファイル314が実行されることによって、通信処理制御PG311が呼出され、処理結果を含む通信用データA511に応じた通信用データA+付加データA521が生成される(ステップS108)。
次に、画面制御AP実行制御部310により業務画面フレームファイル314が実行されることによって、ステップS108で生成された通信用データA+付加データA521がクライアントPC200に送信される(ステップS109)。その後、ステップS101に戻る。
図6は、本実施の形態における業務AP動作確認ツール600の機能の概略を示す機能ブロック図である。図6を参照して、業務AP動作確認ツール600は、業務AP動作確認ツールプログラムを実行する制御部610と、画面定義ファイル621を記憶する記憶部620と、利用者からのデータの入力を受ける入力部630と、ログイン画面641、送受信画面642、および、受信電文ヘッダ画面643などの画面を表示する出力部640と、APサーバ400と通信をするためのインタフェースである通信部650とを含む。制御部610、記憶部620、入力部630、出力部640、および、通信部650の機能は、前述した図3で説明したように、それぞれ、システム管理用PC100の対応する各部の機能と同様である。
業務AP動作確認処理については、後述する図7で説明する。画面定義ファイル621については、後述する図11および図12で説明する。ログイン画面641については、後述する図10で説明する。送受信画面642については、後述する図11で説明する。受信電文ヘッダ画面643については、後述する図12で説明する。
業務AP動作確認ツール600では、まず、ログイン画面641が出力部640に表示され、動作を確認する業務APを指定する番号などの必要な情報の入力を入力部630から受付けた後、送受信画面642が表示される。次に、送受信画面642において、テスト用の業務電文の内容が設定された後、制御部610によって、設定された業務電文および必要な制御電文の内容を含む通信用データB512が生成される。送受信画面642では、画面定義ファイル621で定義された業務電文の項目に応じて、業務電文の内容が設定される。そして、生成された通信用データB512が通信部650を介してAPサーバ400に送信される。
APサーバ400では、業務AP動作確認ツール600から通信部450を介して通信用データB512が受信される。そして、業務AP実行制御部411によって、通信用データB512に含まれる業務電文の内容に従って業務処理が実行される。また、必要に応じて、業務AP実行制御部411によって、DBMS実行制御部412に所定のデータをDB460から読出す要求が出されて、読出されたデータが用いられ、業務処理が実行される。そして、業務処理の処理結果を示す業務電文と必要な制御電文とを含む通信用データA511が通信部450を介して業務AP動作確認ツール600に送信される。
業務AP動作確認ツール600では、APサーバ400から通信部650を介して通信用データA511が受信される。そして、画面定義ファイル621で定義された業務電文の項目に応じて、通信用データA511に含まれる業務電文の内容が、送受信画面642に表示される。また、予め定められた制御電文の項目に応じて、通信用データA511に含まれる制御電文の内容が、受信電文ヘッダ画面643に表示される。
図7は、本実施の形態における業務AP動作確認ツール600で実行される業務AP動作確認処理の流れを示すフローチャートである。図7を参照して、まず、ログイン画面641を表示した後に動作を確認する業務APを指定する番号などの必要な情報の入力を受付けるログイン処理が実行される(ステップS201)。
図8は、業務AP動作確認処理のサブルーチンとして実行されるログイン処理の流れを示すフローチャートである。図8を参照して、ログイン処理においては、まず、ログイン画面641が表示されているか否かが判断される(ステップS281)。表示されていないと判断された場合は、ログイン画面641が出力部640にウィンドウ表示される(ステップS282)。
図10は、業務AP動作確認ツールで表示されるログイン画面641を示す表示画面図である。図10を参照して、ログイン画面641は、個人情報入力領域と、システム情報入力領域と、業務入力領域と、操作領域とを含む。
個人情報入力領域は、ユーザID入力部641Aと、所属コード入力部641Bと、権限入力部641Cとを含む。ユーザID入力部641Aは、業務APに対していずれのユーザが業務処理の要求をしているかを示すユーザIDをテスト用に入力するためのテキストボックスである。ユーザID入力部641Aには、正当なユーザIDが入力される必要があるため、予めテスト用のユーザIDとしてAPサーバ400に登録されたユーザIDが入力されるか、実際に登録されているユーザIDが入力される。
所属コード入力部641Bは、ユーザID入力部641Aに入力されたユーザIDで示されるユーザが所属する部署のコードである所属コードをテスト用に入力するためのテキストボックスである。権限入力部641Cは、ユーザID入力部641Aに入力されたユーザIDで示されるユーザの業務APにおいて許容される操作の権限をテスト用に入力するためのテキストボックスである。
システム情報入力領域は、予算編成支援入力領域と、金銭会計選択部641Eと、財産管理選択部641Fとを含む。予算編成支援入力領域は、予算編成支援選択部641Dと、年度入力部641Gと、予算区分入力部641Hと、部コード入力部641Iとを含む。
予算編成支援選択部641Dは、テストする業務APとして予算編成支援業務APを選択するためのラジオボタンである。以下、ボタンとは、GUI(Graphical User Interface)としてのボタンをいう。金銭会計選択部641Eは、テストする業務APとして金銭会計業務APを選択するためのラジオボタンである。財産管理選択部641Fは、テストする業務APとして財産管理業務APを選択するためのラジオボタンである。予算編成支援選択部641D、金銭会計選択部641E、および、財産管理選択部641Fは、いずれか1つのみ選択可能である。選択された選択部のラジオボタンには、予算編成支援選択部641Dで示すように、塗りつぶされた円が表示される。
予算編成支援入力領域の各入力部は、予算編成支援選択部641Dが選択されたときに、入力可能となる。年度入力部641Gは、テストする予算編成支援業務APの予算編成の年度を入力するためのテキストボックスである。予算区分入力部641Hは、テストする予算編成支援業務APの予算編成の予算区分を入力するためのテキストボックスである。部コード入力部641Iは、テストする予算編成支援業務APの予算編成の対象の部署のコードである部コードを入力するためのテキストボックスである。
業務入力領域は、業務ID入力部641Jと、業務ID枝番入力部641Kとを含む。業務ID入力部641Jは、選択された業務APに含まれる複数の業務のうちのテストする業務を示す業務IDを入力するためのテキストボックスである。業務ID枝番入力部641Kは、選択された業務APに含まれる複数の業務のうちのテストする業務の枝番を入力するためのテキストボックスである。
操作領域は、開始ボタン641Xと、終了ボタン641Yとを含む。開始ボタン641Xは、業務AP動作確認処理の開始を指示するためのボタンである。終了ボタン641Yは、業務AP動作確認処理の終了を指示するためのボタンである。
図8に戻って、ログイン画面641が表示されている状態で、開始ボタン641Xが操作されたか否かが判断される(ステップS283)。開始ボタン641Xが操作されていないと判断された場合は、終了ボタン641Yが操作されたか否かが判断される(ステップS288)。終了ボタン641Yが操作されていないと判断された場合は、ステップS283に戻る。
ステップS283で、開始ボタン641Xが操作されたと判断された場合は、個人情報入力領域やシステム情報入力領域や業務入力領域の各入力部に必要な入力項目が入力されていて正常なデータが入力されているかが判定される(ステップS284)。そして、入力項目が正常であるか否かが判断される(ステップS285)。入力項目が正常でないと判断された場合は、エラー表示がされ(ステップS286)、ステップS283に戻る。
一方、ステップS285で入力項目が正常であると判断された場合は、各入力項目が設定され(ステップS287)、メインルーチンへ戻る。
ステップS288で、終了ボタン641Yが操作されたと判断された場合は、業務AP動作確認処理を終了させる終了処理が行なわれ(ステップS289)、業務AP動作確認処理が終了する。
図7に戻って、次に、ログイン処理で設定された情報に応じた業務APの送受信画面642のウィンドウが表示される(ステップS202)。送受信画面642は、画面定義ファイル621に従って、各入出力項目を表示する画面である。画面定義ファイルは、業務電文の各入出力項目の画面番号、項目名、入出力区分、属性、桁数などが定義されたCSV(Comma Separated Values)ファイルであり、複数の業務APに対して予め複数作成される。業務APに入出力されるデータが既知であるので、利用者は画面定義ファイルを容易に作成することができる。
図11は、業務AP動作確認ツールで表示される送受信画面642を示す表示画面図である。図11を参照して、送受信画面642は、業務AP情報表示領域642Aと、送信電文表示領域と、受信電文表示領域と、閉じるボタン642Zと、終了ボタン642Yとを含む。
業務AP情報表示領域642Aには、ログイン画面641で設定されたシステム種別やユーザIDや所属コードや権限などの情報が表示される。また、業務APのバージョン情報も表示される。
送信電文表示領域は、業務番号入力部642Bと、業務番号枝番入力部642Cと、フェーズ入力部643Dと、保存ボタン642Sと、読込ボタン642Tと、フラグ設定ボタン642Uと、送信ボタン642Vと、送信電文表示部642Hとを含む。
業務番号入力部642B、および、業務番号枝番入力部642Cは、それぞれ、業務番号、および、業務番号枝番を入力するためのテキストボックスである。業務番号入力部642B、および、業務番号枝番入力部642Cには、それぞれ、ログイン画面641で設定された業務ID、および、業務番号枝番が表示される。また、それぞれ、別の業務ID、および、業務番号枝番を入力することができる。
フェーズ入力部642Dは、送信電文(通信用データB512)に設定するフェーズを入力するためのテキストボックスである。送信電文表示部642Hは、送信電文に含まれる各項目の項番、項目名称、入出力区分、属性、文字数、フラグ状態、および、値を表示するためのスクロールバー付のテキストボックスである。
保存ボタン642Sは、送信電文表示部642Hに表示されている送信電文の各項目の内容の保存を業務AP動作確認処理に指示するためのボタンである。読込ボタン642Tは、保存されている送信電文の各項目の内容を含むファイルの読込みおよび読込まれた内容の送信電文表示部642Hへの表示を業務AP動作確認処理に指示するためのボタンである。
フラグ設定ボタン642Uは、値が設定されている項目にフラグを設定するためのボタンである。送信ボタン642Vは、送信電文表示部642Hに表示されている内容の送信電文のAPサーバ400への送信を業務AP動作確認処理に指示するためのボタンである。
受信電文表示領域は、業務番号入力部642Eと、業務番号枝番入力部642Fと、エラー番号入力部642Gと、移行ボタン642Pと、ヘッダ表示ボタン642Qと、受信クリアボタン642Rと、受信電文表示部642Iとを含む。
業務番号入力部642E、および、業務番号枝番入力部642Fは、それぞれ、前述した業務番号入力部642B、および、業務番号枝番入力部642Cと同様であるので説明は繰返さない。エラー番号入力部642Gは、送信電文に含まれるエラー番号を入力するためのテキストボックスである。
受信電文表示部642Iは、受信電文に含まれる各項目の項番、項目名称、入出力区分、属性、文字数、フラグ状態、および、値を表示するためのスクロールバー付のテキストボックスである。
移行ボタン642Pは、受信電文表示部642Iに表示されている受信電文の各項目の内容の送信電文表示部642Hへの移行を業務AP動作確認処理に指示するためのボタンである。ヘッダ表示ボタン642Qは、後述する図12で説明する受信電文ヘッダ表示画面の表示を業務AP動作確認処理に指示するためのボタンである。受信クリアボタン642Rは、受信電文表示部642Iに表示されている受信電文の各項目の内容の削除を業務AP動作確認処理に指示するためのボタンである。
閉じるボタン642Zは、送受信画面642のウィンドウを閉じることを業務AP動作確認処理に指示するためのボタンである。終了ボタン642Yは、業務AP動作確認ツールの終了を業務AP動作確認処理に指示するためのボタンである。
図7に戻って、次に、送信ボタン642Vが操作されたか否かが判断される(ステップS211)。操作されていないと判断された場合は、ステップS221に進む。一方、操作されたと判断された場合は、送信電文表示部642Hの入力データの判定が行なわれる(ステップS212)。
そして、入力データが正常であるか否かが判断される(ステップS213)。正常でないと判断された場合は、ステップS221に進む。一方、正常であると判断された場合は、送信電文表示部642Hの入力データの内容に従って通信用データB512が生成され(ステップS214)、生成された通信用データB512がAPサーバ400に送信され(ステップS215)、ステップS221に進む。
次いで、通信用データB512に応じたAPサーバ400の業務APによる処理結果を含む受信電文(通信用データA511)が受信されたか否かが判断される(ステップS221)。受信されていないと判断された場合は、ステップS231に進む。一方、受信されたと判断された場合は、通信用データA511に含まれる業務電文の内容が受信電文表示部642Iに示される各項目に設定され(ステップS222)、設定された各項目の内容が受信電文表示部642Iに表示され(ステップS223)、ステップS231に進む。
次に、ヘッダ表示ボタン642Qが操作されたか否かが判断される(ステップS231)。操作されていないと判断された場合は、ステップS241に進む。一方、操作されたと判断された場合は、受信電文ヘッダ画面643を表示する処理であるヘッダ表示処理が実行される(ステップS232)。ヘッダ表示処理の実行後、ステップS231に進む。
図9は、業務AP動作確認処理のサブルーチンとして実行されるヘッダ表示処理の流れを示すフローチャートである。図9を参照して、まず、受信電文が受信されているか否かが判断される(ステップS291)。受信されていないと判断された場合は、エラー表示が行なわれ(ステップS293)、メインルーチンへ戻る。
一方、ステップS291で受信電文が受信されていると判断された場合は、受信電文ヘッダ画面643が出力部640にウィンドウ表示される(ステップS292)。
図12は、業務AP動作確認ツールで表示される受信電文ヘッダ画面643を示す表示画面図である。受信電文ヘッダ画面643は、受信電文ヘッダ表示領域643Aと、閉じるボタン643Zとを含む。
受信電文ヘッダ表示領域643Aには、受信電文のうちの制御電文に含まれる各項目の項番、項目名称、および、値が表示される。閉じるボタン643Zは、受信電文ヘッダ画面643のウィンドウを閉じることを業務AP動作確認処理に指示するためのボタンである。
図9に戻って、次に、閉じるボタン643Zが操作されたか否かが判断される(ステップS294)。閉じるボタン643Zが操作されていないと判断された場合は、ステップS294が繰返される。一方、閉じるボタン643Zが操作されたと判断された場合は、受信電文ヘッダ画面643のウィンドウがクローズされ(ステップS295)、メインルーチンに戻る。
図7に戻って、送受信画面642の保存ボタン642Sが操作されたか否かが判断される(ステップS241)。操作されていないと判断された場合は、ステップS251に進む。一方、操作されたと判断された場合は、送信電文表示部642Hの内容が記憶部620に保存され(ステップS242)、S251に進む。
次いで、読込ボタン642Tが操作されたか否かが判断される(ステップS251)。操作されていないと判断された場合は、ステップS261に進む。一方、操作されたと判断された場合は、保存された送信電文の内容が記憶部620から読込まれ、送信電文表示部642Hに表示され(ステップS252)、S261に進む。
次に、閉じるボタン642Zが操作されたか否かが判断される(ステップS261)。操作されていないと判断された場合は、ステップS271に進む。一方、操作されたと判断された場合は、送受信画面642のウィンドウがクローズされ(ステップS262)、ステップS201に戻る。
次に、終了ボタン642Yが操作されたか否かが判断される(ステップS271)。操作されていないと判断された場合は、ステップS211に戻る。一方、操作されたと判断された場合は、業務AP動作確認処理を終了させる終了処理が行なわれ(ステップS272)、業務AP動作確認処理が終了する。
なお、この業務AP動作確認ツール600は、既存システム20からWebシステム10に移行される業務APだけでなく、新規作成業務APのテストも行なうことが可能である。
図13は、本実施の形態におけるWebシステム用画面自動生成装置700の構成を示すブロック図である。図13を参照して、Webシステム用画面自動生成装置700は、PCなどのコンピュータにより構成される。Webシステム用画面自動生成装置700は、制御部710と、記憶部720とを備える。また、図示しないが、Webシステム用画面自動生成装置700は、入力部と、出力部と、通信部と、外部記憶装置とを備える。
Webシステム用画面自動生成装置700の制御部710、記憶部720、入力部、出力部、通信部、および、外部記憶装置の機能は、それぞれ、図3で説明したシステム管理用PC100の制御部110、記憶部120、入力部130、出力部140、通信部150、および、外部記憶装置160の機能と同様である。
Webシステム用画面自動生成ツール36のプログラムが制御部710に読込まれることにより、Webシステム画面自動生成部711が制御部710に構成される。
記憶部720は、業務画面ソースファイル721と、項目属性定義ファイル722と、業務画面フレーム翻訳ルール定義ファイル723と、画面項目定義翻訳ルール定義ファイル724とを記憶する。翻訳ルール定義ファイルとは、XMLで記述された定義情報を実行形式のファイルに翻訳するためのルールを定義したファイルである。翻訳ルール定義ファイルは、基本的に、業務画面ごとに作成する必要がない。
Webシステム画面自動生成ツール36がWebシステム画面自動生成部711によって実行されることにより、業務画面ソースファイル721、項目属性定義ファイル722、業務画面フレーム翻訳ルール定義ファイル723、および、画面項目定義翻訳ルール定義ファイル724が記憶部720から読込まれ、業務画面フレームファイル314、および、業務画面項目定義ファイル315が生成される。Webシステム用画面自動生成部711で実行される処理については、後述する図14で説明する。
また、記憶部720は、制御部710によって生成された業務画面フレームファイル314および業務画面項目定義ファイル315を記憶する。
図14は、本実施の形態におけるWebシステム用画面自動生成ツール36の機能を示すブロック図である。図14を参照して、図13で説明した業務画面ソースファイル721には、画面毎XML(eXtensible Markup Language)ファイル(pim????.xml)362が含まれる。項目属性定義ファイル722には、DTD(Document Type Definition、文書型定義)定義ファイル(pim.dtd)361が含まれる。
業務画面フレーム翻訳ルール定義ファイル723には、ボディ部生成XSL(eXtensible Stylesheet Language)ファイル(pimbody.xsl)363と、jsp????.ent定義ファイル(pimbent.xsl)364と、XSL予約ボディファイル(jsp????.ent)365とが含まれる。
画面項目定義翻訳ルール定義ファイル724には、Service.txt生成XSLファイル(piminfo.xsl)366と、fcs????.ent定義ファイル(pimient.xsl)367と、XSL予約serviceファイル(fcs????.ent)368とが含まれる。
業務画面フレームファイル314は、ファイル名がbody????.jspである。業務画面項目定義ファイル315は、ファイル名がService????.txtである。
ここで、「????」は、各画面番号を示す。また、XSL予約ボディファイル365、および、XSL予約serviceファイル368は、XSLで変換対象とできない特殊な構造をもった表組みを利用する場合のみ予め作成する必要がある。
Webシステム用画面自動生成ツール(makexml.bat)36を実行することにより、Webシステム用画面自動生成装置700は、DTD定義ファイル361と、画面毎XMLファイル362と、ボディ部生成XSLファイル363と、jsp????.ent定義ファイル364と、XSL予約ボディファイル(jsp????.ent)365とを参照・変換して、業務画面フレームファイル314を生成する。業務画面フレームファイル314は、Java(登録商標)の実行形式のファイルである。
また、Webシステム用画面自動生成装置700は、Webシステム用画面自動生成ツール36を実行することにより、DTD定義ファイル361と、画面毎XMLファイル362と、Service.txt生成XSLファイル(piminfo.xsl)366と、fcs????.ent定義ファイル(pimient.xsl)367と、XSL予約serviceファイル(fcs????.ent)368とを参照・変換して、業務画面項目定義ファイル315を生成する。業務画面項目定義ファイル315は、業務画面フレームファイル314が実行されるときに参照されるテキストファイルである。
なお、本実施の形態においては、画面毎XMLファイル362の内容が予め設定されてWebシステム用画面自動生成装置700の記憶部720に記憶されていることとした。しかし、これに限定されず、Webシステム用画面自動生成装置700の入力部から画面毎XMLファイル362の内容が入力されること、Webシステム用画面自動生成装置700の通信部から画面毎XMLファイル362の内容が受信されること、または、Webシステム用画面自動生成装置700の外部記憶装置により記録媒体から画面毎XMLファイル362の内容が読込まれることにより、画面毎XMLファイル362の内容が設定されるようにしてもよい。
このため、画面毎XMLファイル362を業務画面ごとに作成するのみで、Webシステム用画面自動生成ツール36がWebシステム用画面自動生成装置700で実行されることによって、業務画面フレームファイル314、および、業務画面項目定義ファイル315を自動的に生成することができる。
画面毎XMLファイル362は、Webシステム用の業務画面を構成するデータの項目や属性や構造に関する情報を定義したXMLファイルである。業務画面を構成するデータの項目や属性や構造に関する情報は、比較的簡単に設定することができるので、Webシステム用画面自動生成ツール36によれば、比較的簡単に業務画面フレームファイル314、および、業務画面項目定義ファイル315を生成することが可能となる。また、画面毎XMLファイル362は、業務画面に関する入出力項目、属性、および、構成部品等を、一定の記載ルールに準じてコーディングするだけで作成することができるので、Java(登録商標)の専門的な知識は不要である。
また、汎用機900で実行されていた業務APの場合、端末装置970で表示される業務画面が簡素であり、入力項目も英字、数字の直接入力がほとんどであるので、Webシステム用画面自動生成ツール36によって、複数候補のうちからの選択形式により画面毎XMLファイル362を作成するだけでWebシステムとして基本的なGUIを業務画面に付加して自動生成することができる。
背景技術の図16で説明したように、従来のシステム再構築における開発方法においては、既存システム20のプログラムや設計書等を参考にはするものの、実際に稼動している業務APをそのまま利用するのではなく、基本的にすべてのプログラムを一から設計、製造するため、業務AP、画面制御AP、通信用データC531、通信用データD532、通信用データE533、通信用データF534を新たに開発する必要があった。また、システム全体としての動作確認を行なう必要があった。このため、膨大な開発工数および工期が掛かっていた。
これに対して、本実施の形態の再構築方法によれば、画面毎XMLファイル362を業務画面ごとに作成するだけで、既存システム20をWebシステム10に再構築することができる。また、業務画面の作成と並行して、画面定義ファイル621を作成するだけで、業務AP動作確認ツール600を用いてAPサーバ400をテストすることができる。このため、従来のシステムの再構築と比較して、開発工数を大幅に削減することができる。その結果、短期間、低コストでのシステムの再構築が可能となる。
また、システムの再構築後、新たな業務APを開発する場合、または、順次、古い業務APを新しい業務APに順次移行する場合には、業務AP実行制御部411により実行される業務APでなく、Webサーバ300に馴染み易い業務APとすることができる。
現在、国の電子政府の実現をはじめ全国の地方自治体においては、汎用機で稼動している財務会計や人事給与システム等の既存システムをWebシステムへ移行するダウンサイジング事業が多数計画されている。
本発明は、既存システムの情報資産を有効活用し短期間で効率的で経済的な開発が可能となる。さらに、Webシステムの開発であれば、業務内容に関係なく適用することができるため、ダウンサイジング事業を実現する上で大いに貢献することが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態におけるWebシステム10は、移行前の既存システム20における汎用機900の移行前の業務APの機能を、APサーバ400の業務APの機能として実行する。既存システム20は、移行前の業務APを実行する汎用機900と端末APを実行する端末装置970とを含む。APサーバ400の業務APは、移行前の業務APが記述されたプログラム言語である汎用機用COBOLに相当するオープン系COBOLで記述されることにより生成される。
また、Webシステム10は、業務APを実行するAPサーバ400と、Webブラウザプログラムを実行するクライアントPC200とを備える。さらに、APサーバ400およびクライアントPC200は、それぞれ、業務APおよびWebブラウザプログラムによって、移行前の業務APと端末APとの間でやりとりされる移行前の通信用データA501および通信用データB502のデータ構造(制御電文および業務電文のデータ項目、データ配列、および、データ属性)に相当するデータ構造の通信用データA511および通信用データB512を含みクライアントPC200によって通信することが可能な通信用データA+付加データA521および通信用データB+付加データB522をやりとりする。
このように、移行後のWebシステム10において、業務APおよびWebブラウザプログラムが実行されることによって、移行前の業務APと端末APとの間でやりとりされる移行前の通信用データA501および通信用データB502のデータ構造に相当するデータ構造の通信用データA511および通信用データB512を含みWebブラウザプログラムによって通信することが可能な通信用データA+付加データA521および通信用データB+付加データB522がやりとりされる。また、移行後の業務APは、移行前の業務APを記述したプログラム言語に相当するプログラム言語で記述される。
このため、既存システム20からWebシステム10に移行する際に通信用データのデータ構造を新たに設計する必要がなくなり、移行前の業務APのソースコードをそのまま用いることができる。その結果、システムを効率よく移行することができる。
また、本実施の形態におけるWebシステム10のサーバは、Webサーバ300を含む。Webサーバ300は、Webブラウザプログラムから業務APに向けて送信される通信用データB+付加データB522を、業務APによって処理することが可能な通信用データB512に変換してAPサーバ400に送信するとともに、業務APからWebブラウザプログラムに向けて送信される通信用データA511を、Webブラウザプログラムによって処理することが可能な通信用データA+付加データA521に変換してWebブラウザプログラムに送信する。
このように、業務APとWebブラウザプログラムとの間でやりとりされる通信用データは、業務APおよびWebブラウザプログラムによってそれぞれ処理することが可能なように変換されて送信される。このため、移行後の業務APが、移行前の業務APによって通信されるデータのデータ構造に相当するデータ構造の通信用データを出力しても、APサーバ400およびクライアントPC200は、処理することが可能な通信用データをやりとりすることができる。
また、業務AP動作確認ツール600は、Webシステム10において、業務APによる処理および通信の試験をする。Webシステム10は、業務APを実行するAPサーバ400と、Webブラウザプログラムを実行するクライアントPC200と、Webサーバ300とを含む。
Webサーバ300は、Webブラウザプログラムから業務APに向けて送信される通信用データB+付加データB522を、業務APによって処理することが可能な通信用データB512に変換して業務APに送信するとともに、業務APからWebブラウザプログラムに向けて送信される通信用データA511を、Webブラウザプログラムによって処理することが可能な通信用データA+付加データA521に変換してWebブラウザプログラムに送信する。
また、Webシステム10は、移行前の既存システム20における移行前の業務APの機能を、移行前の業務APが記述されたプログラム言語に相当するプログラム言語で記述されることにより生成された業務APの機能として実行する。移行前の既存システム20は、移行前の業務APを実行する移行前の汎用機900と端末APを実行する移行前の端末装置970とを含む。
また、業務AP動作確認ツール600は、通信用データ設定機能(送受信画面642、ステップS212〜ステップS214)と、通信用データ送信機能(送受信画面642、ステップS215)と、通信用データ受信機能(送受信画面642、ステップS221、ステップS222)と、通信用データ表示機能(送受信画面642、ステップS223)とを備える。通信用データ設定機能は、Webブラウザプログラムから業務APに向けて送信される通信用データの値を擬似的に設定する。通信用データ送信機能は、通信用データ設定機能により値が設定された通信用データB512を業務APに向けて送信する。この通信用データB512は、移行前の通信用データB502のデータ構造に相当するデータ構造である。
通信用データ受信機能は、業務APからWebブラウザプログラムに向けて送信されるWebサーバ300により変換される前の通信用データA511を受信する。この通信用データA511は、通信用データ送信機能により送信された通信用データB512に応じて業務APによって処理された処理結果を含む。また、この通信用データA511は、移行前の業務APによって通信される移行前の通信用データA501のデータ構造に相当するデータ構造である。通信用データ表示機能は、通信用データ受信機能により受信された通信用データA511に含まれる処理結果の値を表示する。
このように、既存システム20からWebシステム10に移行する際に通信用データのデータ構造を新たに設計する必要がなくなり、移行前の業務APのソースコードをそのまま業務APのソースコードとして用いることができる。このため、業務APの製造は比較的短期間に行なうことができる。
また、Webサーバ300およびWebブラウザプログラムが未完成であっても、業務AP動作確認ツール600が、業務APに向けて送信される通信用データB512の値を擬似的に設定して、値が設定された通信用データB512を業務APに向けて送信して、業務APからの処理結果を含む通信用データA511を受信して、受信された処理結果の値を表示する。このため、業務APの処理および通信の試験をすることができる。
したがって、Webサーバ300およびWebブラウザプログラムの設計、製造と並行して、APサーバ400による業務APの処理および通信の試験をすることができる。その結果、システムを効率よく移行することができる。
また、通信用データA511および通信用データB512のデータ構造を設定する画面定義ファイル621をさらに備え、通信用データ表示機能は、画面定義ファイル621により設定されたデータ構造に基づいて、通信用データA511および通信用データB512に含まれる値を表示する。このため、通信用データA511および通信用データB512のデータ構造を設定するだけで、容易に業務APの処理および通信の試験をすることができる。
また、Webシステム用画面自動生成ツール36は、Webシステム10における業務画面フレームファイル314および業務画面項目定義ファイル315を生成する。Webシステム10は、業務APを実行するAPサーバ400と、Webブラウザプログラムを実行するクライアントPC200と、Webサーバ300とを備える。Webサーバ300は、業務画面フレームファイル314および業務画面項目定義ファイル315を実行する。
業務画面フレームファイル314および業務画面項目定義ファイル315は、Webサーバ300により実行されることにより、Webブラウザプログラムから業務APに向けて送信される通信用データB+付加データB522を業務APによって処理することが可能な通信用データB512に変換して業務APに送信するとともに、業務APからWebブラウザプログラムに向けて送信される送信用データA511をWebブラウザプログラムによって処理することが可能な送信用データA+付加データA521に変換してWebブラウザプログラムに送信する。
また、Webシステム10は、移行前の既存システム20における移行前の業務APの機能を、業務APの機能として実行する。移行前の既存システム20は、移行前の業務APを実行する移行前の汎用機900と端末APを実行する移行前の端末装置970とを含む。業務APは、移行前の業務APが記述されたプログラム言語に相当するプログラム言語で記述されることにより生成される。さらに、業務APによって通信される通信用データA511および通信用データB512は、移行前の業務APによって通信される移行前の通信用データA501および通信用データB502のデータ構造に相当するデータ構造の通信用データである。
そして、Webシステム用画面自動生成装置700は、画面毎XMLファイル362を記憶し、Webシステム用画面自動生成機能を備える。画面毎XMLファイル362は、移行前の業務APと端末APとの間でやりとりされる移行前の通信用データA501および通信用データB502に含まれるデータのデータ構造に応じたパラメータを設定する。Webシステム用画面自動生成機能は、画面毎XMLファイル362により設定されたパラメータに基づいて、業務画面フレームファイル314および業務画面項目定義ファイル315を生成する。
具体的には、業務画面フレームファイル314および業務画面項目定義ファイル315は、Webブラウザプログラムから業務APに要求内容を送信するためのスクリプトを含む画面をWebブラウザプログラムにより表示させるための通信用データA+付加データA521をWebブラウザプログラムに送信する機能と、Webブラウザプログラムから業務APへの要求内容を含む通信用データB+付加データB522を受信する機能と、受信された通信用データB+付加データB522で指定される要求内容を含む通信用データB512を業務APに送信する機能と、業務APから要求内容に応じた業務APによる処理結果を含む通信用データA511を受信する機能と、受信された処理結果に応じた画面をWebブラウザプログラムにより表示させるための通信用データA+付加データA521を生成する機能と、生成された通信用データA+付加データA521をWebブラウザプログラムに送信する機能とをWebサーバ300に実行させる。
このように、移行前の業務APと端末APとの間でやりとりされる移行前の通信用データA501および通信用データB502に含まれるデータのデータ構造に応じたパラメータが設定され、設定されたパラメータに基づいて業務画面フレームファイル314および業務画面項目定義ファイル315が生成される。そして、業務画面フレームファイル314および業務画面項目定義ファイル315が実行されることによって、業務画面フレームファイル314および業務画面項目定義ファイル315を実行するWebサーバ300の各機能により、業務APとWebブラウザプログラムとの通信が可能となる。
このため、移行前の通信用データA501および通信用データB502のデータ構造に応じたパラメータが設定されるだけで、業務APとWebブラウザプログラムとの通信を可能とする業務画面フレームファイル314および業務画面項目定義ファイル315を生成することができる。その結果、システムを効率よく移行することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的思想は、既存の汎用機システムからWebシステムへの情報処理システムの移行に適用することができる。また、或るクライアントサーバシステムからWebシステムへの情報処理システムの移行にも適用することができる。
また、本実施の形態におけるWebサーバ300およびAPサーバ400が1台のコンピュータで構成されてもよい。
なお、本実施の形態においては、Webシステム10で行なわれる処理について説明したが、図5、図7〜図9に示した処理を実行する情報処理プログラム、情報処理方法、情報処理装置として発明を捉えることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および、範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 Webシステム、20 既存システム、36 Webシステム用画面自動生成ツール、100 システム管理用PC、110 制御部、120 記憶部、130 入力部、140 出力部、150 通信部、160 外部記憶装置、161 記録媒体、190 バス、200 クライアントPC、211 Webブラウザ実行制御部、230 入力部、240 出力部、250 通信部、300 Webサーバ、310 画面制御AP実行制御部、311 通信処理制御プログラム、312 ログイン制御プログラム、313 エラー処理制御プログラム、314 業務画面フレームファイル、315 業務画面項目定義ファイル、351 通信部、352 通信部、361 DTD定義ファイル、362 画面毎XMLファイル、363 ボディ部生成XSLファイル、364 jsp????.ent定義ファイル、365 XSL予約ボディファイル、366 Service.txt生成XSLファイル、367 fcs????.ent定義ファイル、368 XSL予約serviceファイル、400 APサーバ、411 業務AP実行制御部、412 DBMS実行制御部、450 通信部、460 DB、500 ネットワーク、501 通信用データA、502 通信用データB、511 通信用データA、512 通信用データB、521 通信用データA+付加データA、522 通信用データB+付加データB、531 通信データC、532 通信データD、533 通信データE、534 通信データF、600 業務AP動作確認ツール、610 制御部、620 記憶部、621 画面定義ファイル、630 入力部、640 出力部、641 ログイン画面、642 送受信画面、643 受信電文ヘッダ画面、650 通信部、700 Webシステム用画面自動生成装置、710 制御部、711 Webシステム画面自動生成部、720 記憶部、721 業務画面ソースファイル、722 項目属性定義ファイル、723 業務画面フレーム翻訳ルール定義ファイル、724 画面項目定義翻訳ルール定義ファイル、761 記録媒体、820 クライアントPC、821 Webブラウザ実行制御部、823 入力部、824 出力部、825 通信部、830 Webサーバ、831 画面制御AP実行制御部、835 通信部、836 通信部、840 APサーバ、841 業務AP実行制御部、842 DBMS実行制御部、845 通信部、846 DB、900 汎用機、911 業務AP実行制御部、912 DBMS実行制御部、950 通信部、960 DB、970 端末装置、971 端末AP実行制御部、973 入力部、974 出力部、975 通信部。