JP4218310B2 - Process for producing optically active 2-amino-2-phenylethanol and its intermediate - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学活性2−アミノ−2−フェニルエタノール類の製造方法およびその中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般式(2)
(式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、炭素数1〜4の低級アルコキシ基を表わす。*は、不斉炭素原子を表わす。)
で示される光学活性2−アミノ−2−フェニルエタノール類は、例えば医薬の合成中間体として有用な化合物である(例えば非特許文献1参照。)。
【0003】
かかる一般式(2)で示される光学活性2−アミノ−2−フェニルエタノール類の製造方法としては、これまで不斉合成による製造方法(例えば非特許文献2参照。)が知られているが、高価な試剤や毒性を有し、取扱いに注意を要する試剤を用いている点で、工業的に有利な方法とは言えなかった。
【0004】
【非特許文献1】
J.Am.Chem.Soc.,2000,122,7416
【非特許文献2】
J.Am.Chem.Soc.,2001,123,1862
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況のもと、本発明者らは、工業的に有利な上記一般式(2)で示される光学活性2−アミノ−2−フェニルエタノール類の製造方法について検討したところ、2−フェニルグリシン類から容易に誘導可能な一般式(1)で示される2−アミノ−2−フェニルエタノール類を、入手容易な光学活性ショウノウ−10−スルホン酸で光学分割することにより、光学純度よく光学活性2−アミノ−2−フェニルエタノール類を得ることができることを見出し、本発明に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、一般式(1)
(式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、炭素数1〜4の低級アルコキシ基を表わす。)
で示される2−アミノ−2−フェニルエタノール類と光学活性ショウノウ−10−スルホン酸を溶媒中で反応させて、一般式(2)
(式中、R1およびR2は上記と同一の意味を表わし、*は、不斉炭素原子を表わす。)
で示される光学活性2−アミノ−2−フェニルエタノール類と光学活性ショウノウ−10−スルホン酸とのジアステレオマー塩を形成させ、該ジアステレオマー塩のうちの一方のジアステレオマー塩を、他方のジアステレオマー塩と分離した後、分離したジアステレオマー塩をアルカリ処理することを特徴とする光学活性2−アミノ−2−フェニルエタノール類の製造方法およびその中間体を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
一般式(1)
で示される2−アミノ−2−フェニルエタノール類(以下、2−アミノ−2−フェニルエタノール類(1)と略記する。)の式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、炭素数1〜4の低級アルコキシ基を表わす。
【0008】
低級アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等の直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1〜4の低級アルコキシ基が挙げられる。
【0009】
本発明に用いられる2−アミノ−2−フェニルエタノール類(1)は、通常ラセミ体であるが、いずれか一方の光学異性体が他方よりもやや過剰な光学純度の低い光学異性体の混合物であってもよい。
【0010】
2−アミノ−2−フェニルエタノール類(1)は、例えば対応する2−フェニルグリシン類を、水素化リチウムアルミニウム等の還元剤と反応させることにより、容易に製造することができる。2−フェニルグリシン類は、市販されているものを用いてもよいし、例えばベンズアルデヒド類とシアン化ナトリウム等のシアノ化合物と炭酸アンモニウムとを反応させ、次いで水酸化カリウム等のアルカリで処理する方法(例えば日本化学会編実験化学講座第四版22巻195頁等)により製造したものを用いてもよい。
【0011】
かかる2−アミノ−2−フェニルエタノール類(1)としては、例えば、
【0012】
2−アミノ−2−(3,5−ジメトキシフェニル)エタノール、2−アミノ−2−(3,5−ジエトキシフェニル)エタノール等が挙げられる。
【0013】
光学活性ショウノウ−10−スルホン酸には、(1R)−(−)−ショウノウ−10−スルホン酸と(1S)−(+)−ショウノウ−10−スルホン酸の二種類の光学異性体が存在し、本発明には、そのいずれを用いてもよく、目的とする光学活性2−アミノ−2−フェニルエタノール類に応じて、適宜選択すればよい。かかる光学活性ショウノウ−10−スルホン酸は、通常市販されているものを用いればよい。
【0014】
光学活性ショウノウ−10−スルホン酸の使用量は、2−アミノ−2−フェニルエタノール類(1)に対して、通常0.1〜1モル倍である。
【0015】
2−アミノ−2−フェニルエタノール類(1)と光学活性ショウノウ−10−スルホン酸の反応は、溶媒中で行われる。溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばtert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒、例えばアセトニトリル等のニトリル系溶媒、水等の単独または混合溶媒が挙げられる。かかる溶媒のなかでも、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒およびこれらと水との混合溶媒が好ましい。
【0016】
かかる溶媒の使用量は、2−アミノ−2−フェニルエタノール類(1)に対して、通常0.5〜100重量倍、好ましくは1〜50重量倍である。溶媒は、予め2−アミノ−2−フェニルエタノール類(1)および/または光学活性ショウノウ−10−スルホン酸に加えておいてもよい。
【0017】
2−アミノ−2−フェニルエタノール類(1)と光学活性ショウノウ−10−スルホン酸の反応は、通常2−アミノ−2−フェニルエタノール類(1)を溶媒に溶解させた溶液と、光学活性ショウノウ−10−スルホン酸を混合することにより実施される。その混合順序は特に制限されないが、通常は、2−アミノ−2−フェニルエタノール類(1)の溶媒溶液に、光学活性ショウノウ−10−スルホン酸が加えられる。光学活性ショウノウ−10−スルホン酸は、連続的に加えてもよいし、間欠的に加えてもよい。また、光学活性ショウノウ−10−スルホン酸は、そのまま用いてもよいし、溶媒溶液として用いてもよい。
【0018】
反応温度は、通常0℃以上、反応混合物の還流温度以下の範囲であればよい。
【0019】
反応終了後、一般式(2)
(式中、R1およびR2は上記と同一の意味を表わし、*は、不斉炭素原子を表わす。)
で示される光学活性2−アミノ−2−フェニルエタノール類(以下、光学活性2−アミノ−2−フェニルエタノール類(2)と略記する。)は、光学活性ショウノウ−10−スルホン酸とジアステレオマー塩を形成しており、該ジアステレオマー塩のうちの一方のジアステレオマー塩を、他方のジアステレオマー塩と分離し、分離したジアステレオマー塩をアルカリ処理することにより、光学活性2−アミノ−2−フェニルエタノール類を得ることができる。
【0020】
一方のジアステレオマー塩を、他方のジアステレオマー塩と分離する手段としては、多くの場合、一方のジアステレオマー塩の一部が結晶として反応マス中に析出しているため、これを濾過処理する方法が挙げられる。一方のジアステレオマー塩の一部が結晶として析出している反応マスをそのまま濾過処理してもよいが、該反応マスを冷却するか、あるいは、濃縮することにより、さらに多くの該ジアステレオマー塩を晶出させて取り出すことが好ましい。条件によっては、該ジアステレオマー塩が反応マス中に完溶していることもあり、この場合には、反応マスを冷却するか、あるいは、濃縮することにより、一方のジアステレオマー塩を晶出させて取り出すことができる。
【0021】
かくして得られる光学活性2−アミノ−2−フェニルエタノール類(2)と光学活性ショウノウ−10−スルホン酸とのジアステレオマー塩としては、例えば、
【0022】
2−アミノ−2−(3,5−ジメトキシフェニル)エタノールと光学活性ショウノウ−10−スルホン酸とのジアステレオマー塩、2−アミノ−2−(3,5−ジエトキシフェニル)エタノールと光学活性ショウノウ−10−スルホン酸とのジアステレオマー塩、
【0023】
等が挙げられる。
【0024】
分離した光学活性2−アミノ−2−フェニルエタノール類(2)と光学活性ショウノウ−10−スルホン酸とのジアステレオマー塩は、目的に応じて、その両方をそれぞれアルカリ処理してもよいし、いずれか一方のジアステレオマー塩のみをアルカリ処理してもよい。また必要に応じて精製処理をおこなった後、アルカリ処理してもよい。一方のジアステレオマー塩を結晶として析出させ、他方のジアステレオマー塩と分離した場合には、該結晶を再結晶処理した後、アルカリ処理することが、光学純度のさらなる向上という点で、好ましい。一方のジアステレオマー塩を結晶化させて、濾過処理により、他方のジアステレオマー塩と分離した場合には、濾液中に他方のジアステレオマー塩が含まれているが、かかる濾液を、そのままアルカリ処理してもよいし、例えば濃縮処理等により、他方のジアステレオマー塩を取り出した後、アルカリ処理してもよい。
【0025】
アルカリ処理は、通常ジアステレオマー塩とアルカリを混合することにより行なわれ、混合温度は、通常0〜100℃の範囲である。用いられるアルカリとしては、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物が挙げられ、通常水溶液が用いられる。アルカリの水溶液を用いる場合のアルカリ濃度は、通常1〜50重量%、好ましくは2〜20重量%の範囲である。アルカリの使用量は、ジアステレオマー塩に対して、通常1〜5モル倍程度である。
【0026】
ジアステレオマー塩をアルカリ処理すると、通常光学活性2−アミノ−2−フェニルエタノール類(2)は、該アルカリ処理マスから油層として分液あるいは固体として析出しており、これをそのまま分離して取り出してもよいし、また、該アルカリ処理マスに水に不溶の有機溶媒を加えて抽出処理して、得られた有機層から有機溶媒を留去して、光学活性2−アミノ−2−フェニルエタノール類(2)を取り出してもよい。水に不溶の有機溶媒としては、例えばtert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒、例えばトルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられ、その使用量は、用いたジアステレオマー塩に対して、通常0.5〜50重量倍の範囲である。かかる水に不溶の有機溶媒は、ジアステレオマー塩をアルカリ処理する際に予め加えておいても何ら問題ない。
【0027】
このようにしてジアステレオマー塩を、アルカリ処理することにより、光学活性2−アミノ−2−フェニルエタノール類(2)を取り出すことができる。
【0028】
また、用いた光学活性ショウノウ−10−スルホン酸は、例えば次のような操作により回収でき、回収した光学活性ショウノウ−10−スルホン酸は、2−アミノ−2−フェニルエタノール類(1)と光学活性ショウノウ−10−スルホン酸との反応に再利用できる。
【0029】
ジアステレオマー塩をアルカリ処理し、光学活性2−アミノ−2−フェニルエタノール類(2)を取り出した後の処理マスを酸処理することにより、光学活性ショウノウ−10−スルホン酸を含む水溶液を得ることができ、該水溶液を、例えば濃縮処理、晶析処理等することにより、光学活性ショウノウ−10−スルホン酸を取り出すことができる。
【0030】
光学活性2−アミノ−2−フェニルエタノール類(2)を取り出した後の処理マスの酸処理には、通常塩酸、硫酸等の鉱酸の水溶液が用いられ、その濃度は、通常1〜50重量%、好ましくは5〜40重量%である。かかる酸は、処理マスのpHが通常2.5以下、好ましくは2以下となる量が用いられる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、得られた光学活性2−アミノ−2−フェニルエタノール類の光学純度は、光学活性カラムを用いる高速液体クロマトグラフ分析法によって求めた。
【0032】
実施例1
2−アミノ−2−(3,5−ジメトキシフェニル)エタノール(ラセミ体)17gをイソプロパノール100mLに溶解し、内温70〜80℃に昇温した。これに、(1R)−(−)−ショウノウ−10−スルホン酸9gをイソプロパノール50mLに溶解させた溶液を加えた。その後、室温で一晩静置し、析出した光学活性2−アミノ−2−(3,5−ジメトキシフェニル)エタノールと(1R)−(−)−ショウノウ−10−スルホン酸とのジアステレオマー塩を濾取し、氷水で冷やしたイソプロパノール20mLで洗浄した。得られたジアステレオマー塩に、イソプロパノール100mLおよび水3mLを加え、還流するまで昇温し、ジアステレオマー塩を溶解させた。その後、室温まで冷却し、析出したジアステレオマー塩を濾取し、氷水で冷やしたイソプロパノール20mLで洗浄した後、上記と同様に再結晶操作をもう一度繰り返し、無色針状晶のジアステレオマー塩5.2gを得た。
【0033】
融点 176〜178℃
元素分析値 C:56.0%、H:7.3%、N:3.3%(理論値 C:55.9%、H:7.3%、N:3.3%)
【0034】
上記で得た無色針状晶のジアステレオマー塩5.1gに、1モル/L水酸化ナトリウム水溶液15mL、水15mLおよびクロロホルム100mLを加え、室温で抽出処理し、有機層と水層に分離した。水層は、クロロホルム50mLを加え、抽出処理し、得られたクロロホルム層と先に得た有機層と混合し、水で洗浄した後、クロロホルムを留去して、(S)−2−アミノ−2−(3,5−ジメトキシフェニル)エタノール2.2gを得た。収率:13%、光学純度:S体比=99.82%。
【0035】
[α]D(c0.5,CH3OH) +12.4°
融点:126〜127℃
【0036】
1H−NMR(300MHz,CDCl3)スペクトル
δ(ppm);3.51〜3.57(1H,dd),3.70〜3.75(1H,dd),3.79(6H,s),3.92〜4.00(1H,m),6.36〜6.38(1H,t),6.48〜6.49(2H,d)
【0037】
元素分析値 C:60.9%、H:7.7%、N:7.1%(理論値 C:60.9%、H:7.7%、N:7.1%)
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、入手が容易な2−アミノ−2−フェニルエタノール類を光学活性ショウノウ−10−スルホン酸で光学分割することにより、高価な試剤や取扱いに注意を要する試剤を用いることなく、光学活性2−アミノ−2−フェニルエタノール類を光学純度よく得ることができ、しかも用いた光学分割剤である光学活性ショウノウ−10−スルホン酸も回収、再使用できるため、工業的に有利である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing optically active 2-amino-2-phenylethanols and intermediates thereof.
[0002]
[Prior art]
General formula (2)
(In the formula, R 1 and R 2 are the same or different and each represent a lower alkoxy group having 1 to 4 carbon atoms. * Represents an asymmetric carbon atom.)
The optically active 2-amino-2-phenylethanols represented by the formula (1) are compounds useful as, for example, pharmaceutical synthesis intermediates (see, for example, Non-Patent Document 1).
[0003]
As a method for producing the optically active 2-amino-2-phenylethanol represented by the general formula (2), a production method by asymmetric synthesis has been known so far (for example, see Non-Patent Document 2). It is not an industrially advantageous method in that it uses expensive reagents or toxic reagents that require careful handling.
[0004]
[Non-Patent Document 1]
J. et al. Am. Chem. Soc. , 2000, 122 , 7416
[Non-Patent Document 2]
J. et al. Am. Chem. Soc. , 2001, 123 , 1862
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
Under such circumstances, the present inventors examined an industrially advantageous method for producing optically active 2-amino-2-phenylethanol represented by the general formula (2). By optically resolving 2-amino-2-phenylethanol represented by the general formula (1), which can be easily derived from glycines, with an easily available optically active camphor-10-sulfonic acid, the optical activity is improved with high optical purity. The inventors have found that 2-amino-2-phenylethanols can be obtained, and have reached the present invention.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
That is, the present invention provides the general formula (1)
(In the formula, R 1 and R 2 are the same or different and each represents a lower alkoxy group having 1 to 4 carbon atoms .)
Is reacted with an optically active camphor-10-sulfonic acid in a solvent to give a compound of the general formula (2)
(Wherein R 1 and R 2 represent the same meaning as described above, and * represents an asymmetric carbon atom.)
To form a diastereomeric salt of optically active 2-amino-2-phenylethanol and optically active camphor-10-sulfonic acid, wherein one diastereomeric salt of the diastereomeric salt is converted to the other. The present invention provides a method for producing optically active 2-amino-2-phenylethanols and an intermediate thereof, wherein the diastereomeric salt is separated from the diastereomeric salt and then treated with an alkali.
[0007]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
General formula (1)
In the formula of 2-amino-2-phenylethanols (hereinafter abbreviated as 2-amino-2-phenylethanols (1)), R 1 and R 2 are the same or different , A lower alkoxy group of formulas 1 to 4 is represented.
[0008]
The low-grade alkoxy group such as methoxy group, ethoxy group, n- propoxy group, isopropoxy group, n- butoxy group, isobutoxy group, tert- straight or branched chain of one to carbon atoms such as butoxy 4 lower alkoxy groups.
[0009]
The 2-amino-2-phenylethanols (1) used in the present invention are usually racemic, but any one of the optical isomers is a mixture of optical isomers having slightly lower optical purity than the other. There may be.
[0010]
The 2-amino-2-phenylethanols (1) can be easily produced, for example, by reacting the corresponding 2-phenylglycines with a reducing agent such as lithium aluminum hydride. Commercially available 2-phenylglycines may be used, for example, a method in which a benzaldehyde, a cyano compound such as sodium cyanide and ammonium carbonate are reacted and then treated with an alkali such as potassium hydroxide ( For example, those manufactured by the Chemical Society of Japan, Experimental Chemistry Course, 4th edition, volume 22, page 195) may be used.
[0011]
Such 2-amino-2-phenylethanol compound (1), For example,
[0012]
2-amino-2- (3,5-dimethoxyphenyl) ethanol, 2-amino-2- (3,5-diethoxy-phenyl) ethanol and the like.
[0013]
Optically active camphor-10-sulfonic acid has two optical isomers, (1R)-(−)-camphor-10-sulfonic acid and (1S)-(+)-camphor-10-sulfonic acid. Any of them may be used in the present invention, and may be appropriately selected according to the target optically active 2-amino-2-phenylethanols. What is necessary is just to use what is marketed normally as this optically active camphor-10-sulfonic acid.
[0014]
The usage-amount of optically active camphor-10-sulfonic acid is 0.1-1 mol times normally with respect to 2-amino-2-phenylethanol (1).
[0015]
The reaction of 2-amino-2-phenylethanol (1) and optically active camphor-10-sulfonic acid is carried out in a solvent. Examples of the solvent include aromatic hydrocarbon solvents such as toluene, xylene and chlorobenzene, ether solvents such as tert-butyl methyl ether, tetrahydrofuran, dioxane and dimethoxyethane, alcohol solvents such as methanol, ethanol and isopropanol, Examples thereof include ester solvents such as ethyl acetate, nitrile solvents such as acetonitrile, and water alone or a mixed solvent. Among these solvents, ether solvents, alcohol solvents, and mixed solvents of these with water are preferable.
[0016]
The usage-amount of this solvent is 0.5-100 weight times normally with respect to 2-amino-2-phenylethanol (1), Preferably it is 1-50 weight times. The solvent may be added in advance to 2-amino-2-phenylethanols (1) and / or optically active camphor-10-sulfonic acid.
[0017]
The reaction of 2-amino-2-phenylethanol (1) and optically active camphor-10-sulfonic acid is usually carried out by dissolving a solution of 2-amino-2-phenylethanol (1) in a solvent and optically active camphor. It is carried out by mixing -10-sulfonic acid. Although the mixing order is not particularly limited, optically active camphor-10-sulfonic acid is usually added to a solvent solution of 2-amino-2-phenylethanols (1). The optically active camphor-10-sulfonic acid may be added continuously or intermittently. Further, optically active camphor-10-sulfonic acid may be used as it is or as a solvent solution.
[0018]
The reaction temperature may be in the range of usually 0 ° C. or higher and the reflux temperature of the reaction mixture or lower.
[0019]
After completion of the reaction, the general formula (2)
(Wherein R 1 and R 2 represent the same meaning as described above, and * represents an asymmetric carbon atom.)
Optically active 2-amino-2-phenylethanols (hereinafter abbreviated as optically active 2-amino-2-phenylethanols (2)) are optically active camphor-10-sulfonic acid and diastereomers. A diastereomeric salt of one of the diastereomeric salts is separated from the other diastereomeric salt, and the separated diastereomeric salt is treated with alkali to give an optically active 2- Amino-2-phenylethanol can be obtained.
[0020]
As a means for separating one diastereomeric salt from the other diastereomeric salt, in many cases, a part of one diastereomeric salt is precipitated as crystals in the reaction mass, and this is filtered. The method of processing is mentioned. A reaction mass in which a part of one diastereomeric salt is precipitated as crystals may be filtered as it is, but by cooling or concentrating the reaction mass, more diastereomers can be obtained. It is preferable to crystallize out the salt. Depending on the conditions, the diastereomeric salt may be completely dissolved in the reaction mass. In this case, one diastereomeric salt is crystallized by cooling or concentrating the reaction mass. It can be taken out and taken out.
[0021]
Thus as the diastereomer salt of the optically active 2-amino-2-phenylethanol compounds obtained and (2) an optically active camphor-10-sulfonic acid, For example,
[0022]
2 - Amino-2- (3,5-dimethoxyphenyl) diastereomeric salt with ethanol and optically active camphor-10-sulfonic acid, 2-amino-2- (3,5-diethoxy-phenyl) ethanol and optically active Diastereomeric salt with camphor-10-sulfonic acid ,
[0023]
Etc.
[0024]
The diastereomeric salt of the separated optically active 2-amino-2-phenylethanols (2) and optically active camphor-10-sulfonic acid may be alkali-treated for both depending on the purpose, Only one of the diastereomeric salts may be alkali-treated. Moreover, after performing a refinement | purification process as needed, you may carry out an alkali process. When one diastereomeric salt is precipitated as a crystal and separated from the other diastereomeric salt, it is preferable from the viewpoint of further improving optical purity that the crystal is recrystallized and then alkali-treated. . When one diastereomeric salt is crystallized and separated from the other diastereomeric salt by filtration, the other diastereomeric salt is contained in the filtrate. The alkali treatment may be performed, or the other diastereomeric salt may be taken out by, for example, a concentration treatment and then alkali treatment.
[0025]
The alkali treatment is usually performed by mixing a diastereomeric salt and an alkali, and the mixing temperature is usually in the range of 0 to 100 ° C. Examples of the alkali used include alkali metal hydroxides such as potassium hydroxide and sodium hydroxide, and an aqueous solution is usually used. In the case of using an aqueous alkali solution, the alkali concentration is usually in the range of 1 to 50% by weight, preferably 2 to 20% by weight. The usage-amount of an alkali is about 1-5 mole times normally with respect to a diastereomeric salt.
[0026]
When the diastereomeric salt is alkali-treated, the optically active 2-amino-2-phenylethanol (2) is usually separated from the alkali-treated mass as an oil layer as a liquid separation or solid, which is separated and taken out as it is. Alternatively, an organic solvent insoluble in water is added to the alkali-treated mass, followed by extraction treatment, and the organic solvent is distilled off from the obtained organic layer to obtain an optically active 2-amino-2-phenylethanol. The class (2) may be taken out. Examples of water-insoluble organic solvents include ether solvents such as tert-butyl methyl ether, ester solvents such as ethyl acetate, aromatic hydrocarbon solvents such as toluene, xylene, and chlorobenzene, such as dichloromethane and chloroform. The halogenated hydrocarbon solvent and the like are used, and the amount used is usually in the range of 0.5 to 50 times the weight of the diastereomeric salt used. Such an organic solvent insoluble in water can be added in advance when the diastereomeric salt is treated with an alkali.
[0027]
Thus, the optically active 2-amino-2-phenylethanol (2) can be taken out by subjecting the diastereomeric salt to an alkali treatment.
[0028]
Moreover, the optically active camphor-10-sulfonic acid used can be recovered, for example, by the following operation, and the recovered optically active camphor-10-sulfonic acid is optically linked to 2-amino-2-phenylethanol (1) and optically. It can be reused for reaction with active camphor-10-sulfonic acid.
[0029]
An aqueous solution containing optically active camphor-10-sulfonic acid is obtained by subjecting the diastereomeric salt to alkali treatment and acid treatment of the treated mass after taking out the optically active 2-amino-2-phenylethanols (2). The optically active camphor-10-sulfonic acid can be taken out by subjecting the aqueous solution to, for example, a concentration treatment or a crystallization treatment.
[0030]
For the acid treatment of the treatment mass after taking out the optically active 2-amino-2-phenylethanols (2), an aqueous solution of a mineral acid such as hydrochloric acid or sulfuric acid is usually used, and the concentration is usually 1 to 50 weight %, Preferably 5 to 40% by weight. Such acid is used in such an amount that the pH of the treated mass is usually 2.5 or less, preferably 2 or less.
[0031]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention further in detail, this invention is not limited to this Example. The optical purity of the obtained optically active 2-amino-2-phenylethanols was determined by a high performance liquid chromatographic analysis method using an optically active column.
[0032]
Example 1
17 g of 2-amino-2- (3,5-dimethoxyphenyl) ethanol (racemate) was dissolved in 100 mL of isopropanol, and the temperature was raised to an internal temperature of 70 to 80 ° C. To this was added a solution prepared by dissolving 9 g of (1R)-(-)-camphor-10-sulfonic acid in 50 mL of isopropanol. Then, the diastereomeric salt of optically active 2-amino-2- (3,5-dimethoxyphenyl) ethanol and (1R)-(−)-camphor-10-sulfonic acid precipitated after standing at room temperature overnight. Was filtered and washed with 20 mL of isopropanol cooled with ice water. To the obtained diastereomeric salt, 100 mL of isopropanol and 3 mL of water were added, and the mixture was heated to reflux to dissolve the diastereomeric salt. Thereafter, the mixture was cooled to room temperature, and the precipitated diastereomeric salt was collected by filtration, washed with 20 mL of isopropanol cooled with ice water, and then recrystallized again in the same manner as above to obtain colorless needle crystal diastereomeric salt 5 0.2 g was obtained.
[0033]
Melting point: 176-178 ° C
Elemental analysis value C: 56.0%, H: 7.3%, N: 3.3% (theoretical value C: 55.9%, H: 7.3%, N: 3.3%)
[0034]
To 5.1 g of the colorless acicular diastereomeric salt obtained above, 15 mL of 1 mol / L sodium hydroxide aqueous solution, 15 mL of water and 100 mL of chloroform were added, and the mixture was extracted at room temperature, and separated into an organic layer and an aqueous layer. . The aqueous layer was extracted by adding 50 mL of chloroform, mixed with the obtained chloroform layer and the previously obtained organic layer, washed with water, and then chloroform was distilled off to obtain (S) -2-amino- 2.2 g of 2- (3,5-dimethoxyphenyl) ethanol was obtained. Yield: 13%, optical purity: S form ratio = 99.82%.
[0035]
[Α] D (c0.5, CH 3 OH) + 12.4 °
Melting point: 126-127 ° C
[0036]
1 H-NMR (300 MHz, CDCl 3 ) spectrum δ (ppm); 3.51 to 3.57 (1H, dd), 3.70 to 3.75 (1H, dd), 3.79 (6H, s) , 3.92 to 4.00 (1H, m), 6.36 to 6.38 (1H, t), 6.48 to 6.49 (2H, d)
[0037]
Elemental analysis value C: 60.9%, H: 7.7%, N: 7.1% (theoretical value C: 60.9%, H: 7.7%, N: 7.1%)
[0038]
【The invention's effect】
According to the present invention, by easily resolving 2-amino-2-phenylethanols that are readily available with optically active camphor-10-sulfonic acid, without using expensive reagents or reagents that require careful handling, Optically active 2-amino-2-phenylethanols can be obtained with high optical purity, and optically active camphor-10-sulfonic acid, which is the optical resolution agent used, can be recovered and reused, which is industrially advantageous. .
Claims (7)
(式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、炭素数1〜4の低級アルコキシ基を表わす。)
で示される2−アミノ−2−フェニルエタノール類と光学活性ショウノウ−10−スルホン酸を溶媒中で反応させて、一般式(2)
(式中、R1およびR2は上記と同一の意味を表わし、*は、不斉炭素原子を表わす。)
で示される光学活性2−アミノ−2−フェニルエタノール類と光学活性ショウノウ−10−スルホン酸とのジアステレオマー塩を形成させ、該ジアステレオマー塩のうちの一方のジアステレオマー塩を、他方のジアステレオマー塩と分離した後、分離したジアステレオマー塩をアルカリ処理することを特徴とする光学活性2−アミノ−2−フェニルエタノール類の製造方法。General formula (1)
(In the formula, R 1 and R 2 are the same or different and each represents a lower alkoxy group having 1 to 4 carbon atoms .)
Is reacted with an optically active camphor-10-sulfonic acid in a solvent to give a compound of the general formula (2)
(Wherein R 1 and R 2 represent the same meaning as described above, and * represents an asymmetric carbon atom.)
To form a diastereomeric salt of optically active 2-amino-2-phenylethanol and optically active camphor-10-sulfonic acid, wherein one diastereomeric salt of the diastereomeric salt is converted to the other. A method for producing an optically active 2-amino-2-phenylethanol, characterized in that the diastereomeric salt is separated from the diastereomeric salt and then treated with an alkali.
(式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、炭素数1〜4の低級アルコキシ基を表わす。*は、不斉炭素原子を表わす。)
で示される光学活性2−アミノ−2−フェニルエタノール類と光学活性ショウノウ−10−スルホン酸とのジアステレオマー塩。General formula (2)
(In the formula, R 1 and R 2 are the same or different and each represent a lower alkoxy group having 1 to 4 carbon atoms . * Represents an asymmetric carbon atom. )
A diastereomeric salt of an optically active 2-amino-2-phenylethanol compound represented by the formula: and optically active camphor-10-sulfonic acid.
(式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、炭素数1〜4の低級アルコキシ基を表わす。)
で示される2−アミノ−2−フェニルエタノール類と光学活性ショウノウ−10−スルホン酸を、溶媒中で反応させることを特徴とする一般式(2)
(式中、R1およびR2は上記と同一の意味を表わし、*は、不斉炭素原子を表わす。)
で示される光学活性2−アミノ−2−フェニルエタノール類と光学活性ショウノウ−10−スルホン酸とのジアステレオマー塩の製造方法。General formula (1)
(In the formula, R 1 and R 2 are the same or different and each represents a lower alkoxy group having 1 to 4 carbon atoms .)
2-amino-2-phenylethanol and optically active camphor-10-sulfonic acid represented by the general formula (2)
(Wherein R 1 and R 2 represent the same meaning as described above, and * represents an asymmetric carbon atom.)
The manufacturing method of the diastereomeric salt of optically active 2-amino- 2-phenylethanol and optically active camphor-10-sulfonic acid shown by these.
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