JP4214735B2

JP4214735B2 - Endless belt and fixing device using the same

Info

Publication number: JP4214735B2
Application number: JP2002229916A
Authority: JP
Inventors: 健司中戸川; 洋介堤; 潤木村
Original assignee: Fuji Xerox Co Ltd; Fujifilm Business Innovation Corp
Current assignee: Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date: 2002-08-07
Filing date: 2002-08-07
Publication date: 2009-01-28
Anticipated expiration: 2022-08-07
Also published as: JP2004070046A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真方式を利用した画像情報記録装置において、記録媒体上に形成された未定着トナー像を定着させる定着装置に用いられる無端ベルト、およびこれを用いた定着装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
プリンタ−、複写機、ファクシミリ等における電子写真画像の形成においては、未定着トナー像が形成された記録紙等の記録媒体を画像定着装置により加熱加圧することにより、トナー像を前記記録媒体表面に定着させる過程を経ることが必要である。このような画像定着装置には、耐熱性樹脂からなる無端ベルトが用いられている。
【０００３】
従来、このような無端ベルトとしては、ポリイミド（以下、「ＰＩ」と略す場合がある）、ポリアミドイミド（以下、「ＰＡＩ」と略す場合がある）などといった耐熱性樹脂の上にフッ素樹脂をコーティングしたものや（特開平７−９６３４号公報）、ポリベンゾイミダゾール（以下、「ＰＢＩ」と略す場合がある）そのもので無端ベルトを構成したもの（特開平７−１６０１３５号公報）や、ＰＢＩを用いた定着部材（特許第２９８４４０４号公報）があり、また、金属性薄肉ベルトを基層として用いたもの（特開平６−２２２６９５号公報）や、さらに、ポリイミド系樹脂を複層化したもの（特開平２００１−１５９８５１号公報）が用いられている。
また、これらの無端ベルトを、記録媒体の画像形成面に接触する定着ベルトや、加圧側のベルトに用いるなどといった定着装置が開示されている。
【０００４】
しかしながら、上記無端ベルトあるいは無端ベルトを用いた定着装置においては、以下（１）〜（３）項に示すような種々の問題がある。
（１）無端ベルトの端部に当接するガイド部材によって、前記無端ベルトの端部が、磨耗する、或いは、挫屈することによって用紙ジャムなどといった弊害をきたす。
（２）無端ベルト内周面と、該無端ベルト内周面に当接する押圧部材と、の接触面（以下、「押圧接触面」と略す場合がある）間の摺擦抵抗が高いと、前記無端ベルト内周面の磨耗、駆動トルク上昇、前記部材の磨耗が生じ、これにより定着された画像の像ズレ、ギヤの回転時の高付加による騒音の発生、駆動ギヤの破損などを生じてしまい、定着装置の信頼性低下を招く。
（３）押圧接触面に存在する潤滑剤オイルと、無端ベルト内周面と、の親和性が低いと、前記無端ベルト内周面に形成されるオイル膜の途切れが発生してしまうために、良好な駆動を与えることが出来なくなり、画質ムラなどを生じてしまう。
【０００５】
一方、画像形成装置に利用される無端ベルトは、その用途やニーズに応じてベルト膜厚が異なり、一般的に、低コストや省スペースが要求される低級機種には、ベルト膜厚の薄い無端ベルト用いられ、性能や、耐久性が要求される高級機種には、ベルト膜厚の厚い無端ベルトが用いられる傾向にある。
前者の場合は、無端ベルト作製時のコストを抑え、製造工程を簡略化するために単層構成であることが多く、後者の場合は、必要なベルト膜厚を得るために、２層以上の構成を有することが多い。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、２層以上から構成される無端ベルトにおいて、ベルト走行不良が発生しない無端ベルト、およびこれを用いた定着装置を提供することを課題とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、本発明は、
＜１＞少なくとも、回転可能な駆動部材と、外周面が前記駆動部材表面に当接する無端ベルトと、該無端ベルトを介して前記駆動部材表面を押圧し前記当接部を形成するように前記無端ベルト内周面に配置された押圧パッドと、を有する定着装置において使用され、少なくとも２層以上の耐熱性樹脂からなる無端ベルトにおいて、
前記無端ベルトの、最内周層が、少なくともポリベンゾイミダゾールを含む第１の耐熱性樹脂層からなり、前記第１の耐熱性樹脂層の外周側に、ポリイミドのみを含む第２の耐熱性樹脂層が設けられ、
前記第１の耐熱性樹脂層が、グラファイト、フッ化グラファイトから選ばれる少なくも一種類以上を含み、
前記無端ベルトの最外周層が、少なくともフッ素樹脂を含んでなることを特徴とする無端ベルトである。
【０００９】
＜２＞前記第１の樹脂層の厚みが、１〜５０μｍの範囲内であることを特徴とする＜１＞に記載の無端ベルトである。
【００１３】
＜３＞前記最外周層が、導電性微粒子を含むことを特徴とする＜１＞または＜２＞に記載の無端ベルトである。
【００１４】
＜４＞少なくとも、回転可能な駆動部材と、外周面が前記駆動部材表面に当接する＜１＞〜＜３＞のいずれか１つに記載の無端ベルトと、該無端ベルトを介して前記駆動部材表面を押圧し前記当接部を形成するように前記無端ベルト内周面に配置された押圧パッドと、を有することを特徴とする定着装置である。
【００１５】
＜５＞前記駆動部材が、加熱定着ロールであることを特徴とする＜４＞に記載の定着装置である。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を、無端ベルトと、これを用いた定着装置と、に分けて順に説明する。
＜無端ベルト＞
本発明の無端ベルトは、少なくとも、回転可能な駆動部材と、外周面が前記駆動部材表面に当接する無端ベルトと、該無端ベルトを介して前記駆動部材表面を押圧し前記当接部を形成するように前記無端ベルト内周面に配置された押圧パッドと、を有する定着装置において使用され、少なくとも２層以上の耐熱性樹脂からなる無端ベルトにおいて、前記無端ベルトの、最内周層が、少なくともポリベンゾイミダゾール（以下、「ＰＢＩ」と略す）を含む第１の耐熱性樹脂層（以下、「ＰＢＩ層」と略す場合がある）からなり、前記第１の耐熱性樹脂層の外周側に、ポリイミド（以下、「ＰＩ」と略す）のみを含む第２の耐熱性樹脂層（以下、「ＰＩ層」と略す場合がある）が設けられ、前記第１の耐熱性樹脂層が、グラファイト、フッ化グラファイトから選ばれる少なくも一種類以上を含み、前記無端ベルトの最外周層が、少なくともフッ素樹脂を含んでなることを特徴とする。
【００１７】
本発明の無端ベルトは上記に説明したように、内周側から、ＰＢＩ層と、ＰＩ層と、がこの順に設けられた構成を有する。一方、ＰＢＩ層の弾性率はＰＩ層よりも大きいため、無端ベルトの膜厚方向に弾性率の傾斜構造を持たせることができる。このため、本発明の無端ベルトを定着ベルト等として画像形成装置内において用いた場合、前記無端ベルトに加わる熱的ストレスや機械的ストレスである層間変形（せん断力による変形）に柔軟に対応できることが可能となり、収縮／伸び応力からくる平面度の悪化を防ぎ、ベルト走行不良の発生を防止することができる。
【００１８】
なお、２層以上からなる無端ベルトにおいては、各層間の弾性率差が大きすぎると、高温下における伸び／収縮性の違いが顕著になり、層間変形によるベルト走行不良を防止する効果を逆に相殺してしまうため、ベルト走行不良が発生する場合がある。
しかしながら、本発明の無端ベルトにおいては、ＰＢＩ層の弾性率とＰＩ層の弾性率との差が、このような相殺が発生する程に大きくなく、層間変形によるベルト走行不良の防止効果が十分に発揮される。
【００１９】
また、ＰＢＩ層とＰＩ層との接着性は非常に良好で、その界面にプライマー層を特に設け無くとも、無端ベルトとして充分長期の使用に耐えうるだけの接着力を有する。これは、ＰＢＩとＰＩとが、相互に類似した性質を有する溶媒に溶解しやすいことから、ＰＢＩ層とＰＩ層との界面で、ＰＢＩおよびＰＩの分子鎖が相互に絡み合うことや、ＰＢＩ分子中の比較的反応性に富んだ部位がＰＩ分子と化学的結合を形成するためであると推定される。
【００２０】
なお、本発明の無端ベルトを定着ベルトとして用いる場合には、ＰＩ層の外周側に、最外周層を構成するようにトナーに対して離型性を有する層を設けることが好ましく、このような離型性を有する層としてフッ素樹脂を含む層（以下、「フッ素樹脂離型層」と略す場合がある）を設ける。
また、フッ素樹脂離型層の弾性率はＰＩ層の弾性率よりも小さいため、内周側からＰＢＩ層、ＰＩ層、フッ素樹脂離型層が順に設けられた３層構造を有する場合においても、３層に渡り段階的に弾性率の傾斜構造が得られる。
このため、フッ素樹脂離型層の形成により定着ベルトとしての離型性が確保されるのみならず、より効果的にベルト走行不良の発生を防止することができる。以下に、ＰＢＩ層、ＰＩ層、フッ素樹脂離型層についてより詳細に説明する。
【００２１】
−ＰＢＩ層−
本発明の無端ベルトは、最内周が耐熱性、耐磨耗性、耐薬品性等に優れ、表面エネルギーの小さいポリベンゾイミゾダールを含むＰＢＩ層から構成されるため、長期使用下における無端ベルト内周面の耐磨耗性の向上と、低摩擦化と、を図ることが出来る。なお、本発明においてＰＢＩ層を構成するマトリックス樹脂は、ポリベンゾイミゾダールから構成されるものである。
【００２２】
前記ポリベンゾイミゾダールとしては、公知のものを用いることができるが、具体的には、下記に示す化合物（１）で表される構造（ポリ−２，２’−（ｍ−フェニレン）−５，５’−ビベンゾイミダゾール）を有するものが好適に用られる。但し、下記に示す化合物（１）において、ｎは正の整数を表す。また、本発明に用いられるポリベンゾイミゾダールの数平均分子量は特に限定されないが、２０００〜１０００００の範囲内であることが好ましく、５０００〜３００００の範囲内であることがより好ましい。
なお、ＰＢＩ層の形成に際しては、取り扱いの容易さや形成性の点から、例えば、ＰＢＩをＤＭＡＣ（Ｎ，Ｎ−ジメチルアセトアミド）に溶解させたＰＢＩマトリックスレジンソリューション：ＭＲＳ０８１０Ｈ、ＭＲＳ０８１０Ｎ（以上、クラリアントジャパン製）を好適に用いることができる。
【００２３】
【化１】

【００２４】
ＰＢＩ層には導電性、熱伝導性、絶縁性、補強等の目的に応じて、無機粒子、金属粉、金属酸化物、有機金属酸化物等の機能性フィラーを添加することができる。
特に、低摩擦化を目的とする場合には、ＰＢＩ層に潤滑性のフィラーを添加することが好ましい。これにより、より一層、無端ベルト内周面の低摩擦化や微小な表面粗さの増加により、無端ベルト内周面に塗布される潤滑剤の保持性を向上させることが出来る。
【００２５】
このような潤滑性フィラーとしては、公知のものであれば特に限定されないが、層状構造を持ったフィラーが好ましく、特にはグラファイト、フッ化グラファイト、二硫化モリブデン、窒化硼素、マイカ、マイカ化合物から選択される少なくも一種類以上を添加することが最も好ましい。
また、潤滑性に加え、導電性を付与する場合にはグラファイト、フッ化グラファイトを添加する。導電性を有する潤滑フィラーをＰＢＩ層に添加する場合には、回転時の摩擦帯電による摺擦抵抗の低減化を図ることが出来る。
【００２６】
なお、ＰＢＩ層の厚みとしては１〜５０μｍの範囲内であることが好ましく、１〜３０μｍの範囲内であることがより好ましい。ＰＢＩ層の厚みが１μｍ未満である場合には、長期の使用によりＰＢＩ層が磨耗することにより、ＰＩ層が露出し、機械的強度低下及び摩擦抵抗の増加を招く場合がある。
一方、ＰＢＩ層の厚みが、５０μｍを超える場合には、芯体の表面にＰＢＩ層を形成するための塗布液を用いて無端ベルトを形成する際に、コーティング回数が多くなり、工程上の負担が大きくなり、量産上好ましくない。また、ＰＢＩ層は、膜厚当りの単価が高価であるために、コスト面でも好ましくない。
【００２７】
−ＰＩ層−
本発明の無端ベルトは、最内周側に設けられたＰＢＩ層の外周側に、ポリイミドを含むＰＩ層が設けられる。なお、ＰＢＩ層と、ＰＩ層と、の間に必要に応じて何らかの中間層を設けることも可能であるが、ＰＢＩ層とＰＩ層とが隣接して設けられることが、両者の間の接着性が十分に得られるために好ましい。
【００２８】
本発明の無端ベルトは、少なくとも、ＰＢＩ層と、ＰＩ層と、を有する２層以上の構成を有するものであり、性能や、耐久性を重視する比較的グレードの高い画像形成装置での使用を主な目的としている。このような場合、無端ベルト全体のベルト膜厚が、ある程度以上は必要であり、このベルト膜厚を無端ベルトを構成するいずれかの層の厚みを厚くすることにより稼ぐ必要がある。
【００２９】
この点で、ＰＩ層の膜厚を調整することにより、無端ベルト全体の膜厚を調整することが好ましい。ＰＢＩ層の膜厚を調整することにより無端ベルト全体の膜厚を調整することも可能であるが、調整の為にＰＢＩ層の膜厚が薄くなりすぎた場合には、長期使用時において、機械的強度低下及び摩擦抵抗の増加を招く場合がある。また、ＰＢＩ層の膜厚が厚くなりすぎた場合には、高価なポリベンゾイミゾダールを多く用いることになるため、コストが高くなる場合がある。
【００３０】
また、無端ベルトの最外周層として、フッ素樹脂離型層を設けるような場合には、ＰＢＩ層の外周側にＰＩ層を設けずにフッ素樹脂離型層を設けることも原理的には可能である。しかし、このような構成においては、所望のベルト膜厚を得るためにＰＢＩ層を厚くする必要があるため、製造原価が非常に高くなり、実用上コスト面で見合わない。さらに、ＰＢＩ層とフッ素樹脂離型層との間の接着性が劣っているために長期の使用に耐えられない可能性が高い。従って、実用に耐えうるものではない。
【００３１】
ＰＩ層の膜厚は特に限定されないが、ＰＢＩ層との組み合わせで弾性率の傾斜構造を得ると共に、無端ベルト全体の膜厚を所望の厚さとするために、ＰＩ層の膜厚は５０μｍ〜１５０μｍの範囲内が好ましく、５０μｍ〜１００μｍの範囲内であることが好ましい。
ＰＩ層の膜厚が５０μｍよりも小さい場合には、所望する無端ベルトの膜厚を得るために、ＰＢＩ層を必要以上に厚くしなければならない場合があり、このため、コストが高くなる場合がある。一方、ＰＩ層の膜厚が１５０μｍよりも大きい場合には、所望する無端ベルトの膜厚を得るために、ＰＢＩ層を必要以上に薄くしなければならない場合があり、無端ベルト内周面に設けられたＰＢＩ層が長期の使用で摩滅し、耐磨耗性劣化や駆動トルクの上昇等、長期の使用に耐えられない場合がある。
【００３２】
ＰＩ層を構成するポリイミド樹脂としては、公知のものを用いることができるが、ＰＩ層の形成に際しては、ポリイミド前駆体溶液や、ポリイミド樹脂を溶剤に溶解させた溶液を用いることが好ましい。
前記ポリイミド前駆体溶液としては、ポリアミック酸溶液を挙げることができ、Ｕ−ワニス−Ａ、Ｕ−ワニス−Ｓ（宇部興産製）等を利用することができる。また、ポリイミド樹脂を溶剤に溶解させた溶液としては、例えば、３’，３’，４，４、−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン類との重縮合反応により得られたポリイミド樹脂を溶剤（主にＮ−メチル−２ピロリドン）に溶解させた溶液、リカコート：ＳＮ−２０、ＰＮ−２０（新日本理化製）等を利用することができる。
【００３３】
−最外周層（フッ素樹脂離型剤層）−
本発明の無端ベルトの最外周層には、既述したようにトナーに対して離型性を有するフッ素樹脂を含むフッ素樹脂離型層を設けることが好ましい。また、ＰＩ層と、フッ素樹脂離型層と、の間に必要に応じて何らかの中間層設けてもよく、設けなくてもよい。なお、中間層を設ける場合には、中間層の弾性率が、ＰＩ層と同等あるいは小さく、フッ素樹脂離型層と同等あるいは大きいことが好ましい。
【００３４】
フッ素樹脂離型層の膜厚は、１〜５０μｍの範囲内であることが好ましく、２０〜３０μｍの範囲内であることがより好ましい。膜厚が１μｍよりも小さい場合には、長期の使用に際し、フッ素樹脂離型層が摩滅してしまうことにより、トナーに対する離型性が低下する場合がある。また、膜厚が５０μｍよりも大きい場合には、フッ素樹脂離型層が熱可塑性樹脂から構成される為、無端ベルトが回転し定着ロール表面と摺動した際に、無端ベルト表面が受ける表面せん断力の発生による大きく変形し、定着ロール表面との表面速度差が大きくなり、像ズレ、紙皺などの欠陥を引き起こしてしまう場合がある。
【００３５】
前記フッ素樹脂としては、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体（ＰＦＡ）、テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体（ＭＦＡ）、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエチルビニルエーテル共重合体（ＥＦＡ）、ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体（ＦＥＰ）、ポリエチレン・テトラフルオロエチレン（ＥＴＦＥ）、ポリフッ化ビニリデン（ＰＶＤＦ）、ポリクロロ三フッ化エチレン（ＰＣＴＦＥ）、フッ化ビニル（ＰＶＦ）等が挙げられ、特に耐熱性、機械特性等の面からポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）、及びテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体（ＰＦＡ）テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体（ＭＦＡ）、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエチルビニルエーテル（ＥＦＡ）共重合体が好適に用いられる。
フッ素樹脂離型層を構成するマトリックス樹脂は、上記したようなフッ素樹脂から構成され、２種以上のフッ素樹脂を組み合わせたものであってもよい。
【００３６】
また、最外周層には、必要に応じて種々の添加剤を添加することができる。最外周層がフッ素樹脂離型層からなる場合には、オフセット等の防止のために導電性微粒子（導電性フィラー）を添加することが好ましい。
特に、Ｈ／Ｒ（ＨｅａｔｉｎｇＲｏｌｌ、定着ロール）表面にトナー残量電荷が残りやすい場合やトナーの帯電量が高い場合には、必要に応じて導電性フィラーをフッ素樹脂離型層に離型性が損なわれない程度に添加することができ、これによってＨ／Ｒ表面の残留電荷の漏洩を行わせ、静電気力によるトナーオフセットによる画質不良の防止、また無端ベルト表面の過度な帯電を防ぎ無端ベルト表面への巻き付きを効果的に防止することが出来る。
また、フッ素樹脂離型層に導電性フィラーを含有させると共に、ＰＢＩ層にも導電性フィラーを含有させることにより更にいっそうの効果を発現させることが出来る。
【００３７】
＜定着装置＞
次に、本発明の無端ベルトを用いた定着装置について説明する。本発明の定着装置は、既述したような本発明の無端ベルトを用い、記録媒体表面に形成された未定着のトナー像を定着することが可能な構成を有するものであり、具体的には以下のような構成を有するものである。
すなわち、本発明の定着装置は、少なくとも、回転可能な駆動部材と、外周面が前記駆動部材表面に当接（以下、該当接部を「ニップ部」と略す場合がある）する無端ベルトと、該無端ベルトを介して前記駆動部材表面を押圧し前記当接部を形成するように前記無端ベルト内周面に配置された押圧パッドと、を有し、前記無端ベルトとして本発明の無端ベルトを用いることを特徴とする。
【００３８】
前記駆動部材としては、ベルト状等、その形状は特に限定されないが、ロール状であることが好ましく、ロールの内側に加熱源を備えた、加熱定着ロールであることがより好ましい。また、上記の構成に、必要に応じて適宜選択したその他の装置・部材、例えば、離型剤供給装置等を備えていてもよい。
また、前記無端ベルトは、前記駆動部材の回転に伴い従動回転可能であり、前記定着装置を用いた定着処理は、ニップ部に、未定着のトナー像をその表面に保持する記録媒体を挿通させることにより実施される。
以下に、無端ベルト以外の定着装置の各部のより詳細な構成について、駆動部材（加熱定着ロール）、および、押圧パッドについて順に説明する。
【００３９】
−駆動部材（加熱定着ロール）−
駆動部材として用いることができる加熱定着ロールとしては、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、目的に応じて公知のものを適宜選択して使用することができる。前記加熱定着ロールは、一般的には、少なくとも、円筒状のコアと、その表面に形成された弾性層とを有し、前記コアの内部に加熱源を備えてなるものである。
【００４０】
前記コアの材質としては、機械的強度に優れ、伝熱性が良好である材質ならば特に制限はないが、例えば、アルミ、ＳＵＳ、鉄、銅等の金属、合金、セラミックス、ＦＲＭなどが挙げられる。
【００４１】
前記弾性層の材質としては、公知の弾性材料の中から適宜選択できるが、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。本発明においては、これらの弾性材料の中でも、表面張力が小さく、弾性に優れる点でシリコーンゴムが好ましい。
このようなシリコーンゴムとしては、例えば、ＲＴＶシリコーンゴム、ＨＴＶシリコーンゴムなどが挙げられ、具体的には、ポリジメチルシリコーンゴム（ＭＱ）、メチルビニルシリコーンゴム（ＶＭＱ）、メチルフェニルシリコーンゴム（ＰＭＱ）、フルオロシリコーンゴム（ＦＶＭＱ）などが挙げられる。
【００４２】
前記弾性層の厚みとしては、通常、３ｍｍ以下であり、好ましくは０．１〜１．５ｍｍの範囲内である。前記弾性層を前記コアの表面に形成する方法としては、特に制限はなく、例えば、公知のコーティング法、成型などが採用できる。
本発明においては、前記弾性層の外周面に離型層が形成されていてもよい。加熱定着ロールの最外周に離型層が形成されることにより、トナー像のオフセットを効果的に防止でき、安定した状態で定着装置を稼動させることができる。
前記離型層の材質としては、トナー像に対し適度な離型性を示すものであれば特に制限はなく、例えば、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フッ素樹脂等が挙げられる。これらの材質の中でもフッ素樹脂が好適に挙げられる。
【００４３】
前記フッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体（ＰＦＡ）、テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体（ＭＦＡ）、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエチルビニルエーテル共重合体（ＥＦＡ）、ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体（ＦＥＰ）、ポリエチレン・テトラフルオロエチレン（ＥＴＦＥ）、ポリフッ化ビニリデン（ＰＶＤＦ）、ポリクロロ三フッ化エチレン（ＰＣＴＦＥ）、フッ化ビニル（ＰＶＦ）等のフッ素樹脂挙げられ、特に耐熱性、機械特性等の面からポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）、及びテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体（ＰＦＡ）テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体（ＭＦＡ）、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエチルビニルエーテル（ＥＦＡ）共重合体が好適に用いられる。
【００４４】
前記離型層の厚みとしては、通常、１０〜５０μｍの範囲内であり、好ましくは１５〜３０μｍの範囲内である。前記離型層を前記コアの表面に形成する方法としては、特に制限はなく、例えば、上述したコーティング法などが挙げられる。また、押出し成型によって形成されたチューブを被覆する方法が挙げられる。
【００４５】
−押圧パッド−
押圧パッドは、無端ベルトを介して前記駆動部材（加熱定着ロール）表面を押圧しニップ部を形成するように前記無端ベルトの内周面に配置される。このように、押圧パッドを無端ベルト内周面に配置することにより、安定してニップ部が形成される。従って、駆動部材を回転させた状態で、未定着トナー像をその表面に保持する記録媒体が、前記ニップ部に挿通された際に、前記記録媒体の表面に均一に圧力が加えられつつ、前記ニップ部を通過することができる。
前記押圧パッドとしては、上記したような機能を発揮できるものであれば特に限定されず、目的に応じて適宜公知のものの中から選択できる。特に硬度の点からＪＩＳ−Ａ硬度が１０〜４０°の範囲内であるシリコーンゴムが好適に用いられる。
前記押圧パッドの形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば前記押圧パッドは、単一の部材からなる構造であってもよいし、異なる機能を有する複数の部材からなる構造であってもよい。
【００４６】
押圧パッドが複数の部材からなる場合には、少なくとも押圧パッドの無端ベルト内周面と接する部分には、無端ベルトが回転した際に前記無端ベルト内周面との摩擦力を低下させるために、低摩擦シートを設けることが好ましい。
このような低摩擦シートとしては、前記無端ベルト内周面との摩擦力を小さくすることができるものであれば特に限定されないが、少なくともフッ素樹脂を含む材料で構成されていることが好ましく、特に、加工性、摩擦特性の観点からポリテトラフルオロエチレン樹脂（ＰＴＦＥ）からなることが好ましい。
また、低摩擦シートの形状としては、成型シート（ＳＯＬＩＤ）状、織布状、不織布状、多孔質状のような形態が望ましい。
【００４７】
−定着装置の構成例−
次に、上記に説明した定着装置の具体的な構成例について図面を用いて説明する。但し、本発明の定着装置は、以下の構成例に限定されるものではない。
図１は、本発明の定着装置の構成の一例を示す模式断面図である。図１中、１は定着装置、１０は加熱定着ロール、１１はコア、１２は弾性層、１３は離型層、１４は加熱源、１５は感温素子（温度センサー）、１６はニップ部、２０は無端ベルト、２１ａはＰＢＩ層、２１ｂはＰＩ層、３０は押圧パッド、３１は支持体、３２は弾性体、３３は低摩擦シート、３４はベルト走行ガイドを表す。
【００４８】
加熱定着ロール１０は、加熱源１４を内臓するコア１１と、コア１１の外周に弾性層１２と離型層１３とが、この順に設けられたものであり、不図示の駆動源により矢印Ｒ方向に回転可能である。また、加熱定着ロール１０の表面には、感温素子（温度センサー）１５が、加熱定着ロール１０表面の温度が検出可能なように配置されている。
さらに、加熱定着ロール１０に対して、温度センサー１５が設けられた反対側に、無端ベルト２０が、加熱定着ロール１０表面と無端ベルト２０の外周面とがニップ部１６を形成するように配置されている。また、無端ベルト２０は、加熱定着ロール１０の矢印Ｒ方向への回転に伴い従動回転可能である。
無端ベルト２０は、本発明においては、少なくとも、最内周側の層としてＰＢＩ層２１ａが設けられ、ＰＢＩ層２１ａの外周側にＰＩ層２１ｂが設けられた構成を有するものである。また、必要に応じて、他の層を設けてもよく、例えば、ＰＩ層２１ｂの外周側に、最外周層としてフッ素樹脂離型層（不図示）が設けられてもよい。
【００４９】
無端ベルト２０の内周側には、ニップ部の形成が可能なように押圧パッド３０が配置されている。押圧パッド３０は、無端ベルト２０の内周面と接触する低摩擦シート３３と、低摩擦シート３３を無端ベルト２０の内周面側に押圧する弾性体３２と、弾性体３２を支持する支持体３１と、からなる。また、ベルト走行ガイド３４は、無端ベルト２０がスムーズに回転するように無端ベルト２０の回転方向に沿って、無端ベルト２０の内周側に設けられており、支持体３１に固定されている。
【００５０】
支持体３１には、ニップ部を押圧できるように圧縮コイルスプリング（図示しない）が取り付けられている。また、ベルト走行ガイド３４の外周面には、ベルト回転方向のリブ（不図示）が設けられており、無端ベルト２０内周面との接触面積を小さくしている。さらに、ベルト走行ガイド３４の両端には、無端ベルト２０の寄り（回転軸方向のズレ）を規制する鍔（つば）状の部材（不図示）が設けられている。
【００５１】
定着装置１を用いた定着処理は以下のようにして行われる。まず、矢印Ｉ方向より、未定着のトナー像が形成された記録媒体を、ニップ部１６に未定着のトナー像が設けられた面が加熱定着ロール１０表面と接するように挿通する。この際、ニップ部１６において前記記録媒体表面に未定着トナー像が加熱・加圧されることにより定着される。その後、トナー像が定着された記録媒体は、矢印Ｏ方向に排出される。
【００５２】
【実施例】
以下に本発明を実施例を挙げてより具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【００５３】
＜定着装置＞
まず、実施例で用いた定着装置について説明する。実施例で用いた定着装置は、図１に示す定着装置１と同様の構成を有するものを用いた。
加熱定着ロール１０としては、外径３０ｍｍ、肉厚１．８ｍｍ、長さ３６０ｍｍの円筒状アルミ製のコア１１の外周面に、弾性層１２として厚みが６００μｍのシリコーンＨＴＶゴム（ゴム硬度３５度：ＪＩＳ−Ａ）を設け、さらに、弾性層１２の外周面に離型層１３として、チューブ状の厚みが３０μｍのテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体（ＰＦＡ）を被覆したものである。なお、離型層１３の外周面は鏡面状態に近い表面に仕上げられている。また、コア１１の内部には、加熱源１４として６００Ｗのハロゲンランプが配置されている。
加熱定着ロール１０の表面温度は、加熱定着ロール１０の表面に当接するように配置された感温素子（温度センサー）１５と、加熱源１４が制御可能なように、加熱源１４に接続された図示しない温度コントローラーとによりに制御される。
【００５４】
押圧パッド３０を構成する弾性体３２は、幅１０ｍｍ、肉厚５ｍｍ、長さ３２０ｍｍのシリコーンゴムであり、低摩擦シート３３は、フッ素樹脂（ＰＴＦＥ；ポリテトラフロオロエチレン）シートからなる。また、押圧パッド３０は、支持体３１に取り付けられた圧縮コイルスプリング（図示しない）により、無端ベルト２０を介して加熱定着ロール１０表面を３５ｋｇの荷重で押圧している。
加熱定着ロール１０への無端ベルト２０の巻き付け角度は、約４０°であり、この時のニップ部１６の幅は、約１０ｍｍであった。なお、無端ベルト２０の具体的な構成については後述する。
【００５５】
このような構成を有する定着装置１を用い、以下に説明する各実施例の無端ベルトを用いて連続２００ｋ枚の定着テストを実施し、この際、像ズレ（画質の乱れ）、無端ベルトの変形等に起因するベルト走行不良、加熱定着ロール１０の駆動トルク（２００ｋ枚定着処理後のトルク）、静電オフセットを評価した。
なお、定着テストに際しては、加熱定着ロール１０及び無端ベルト２０を、１９４ｍｍ／ｓｅｃの速度で回転させ、加熱定着ロール１０表面の温度を１７５℃とすることにより実施した。以下に定着テストに用いた無端ベルトについて説明する。
【００５６】
＜無端ベルト＞
上記に説明した定着装置を用いた定着テストは、以下に説明する無端ベルトを用いて実施した。
なお、以下に説明する無端ベルトは、周長９４ｍｍ、長さ３２０ｍｍであり、各層の膜厚（「肉厚」と称す場合もある）や、各層を構成する材料は必要に応じてそれぞれ異なるものを用いたものである。
【００５７】
（参考例１）
参考例１に用いた無端ベルトとしては、内周側より順に、肉厚１０μｍのＰＢＩ樹脂からなる基材（ＰＢＩ層）と、該基材の外周面側に肉厚６０μｍのＰＩ樹脂からなるＰＩ層と、該ＰＩ層の外周面にテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体（ＰＦＡ）を３０μｍの厚みにコーティングして形成した離型層と、からなる層構成を有するものを用いた。
【００５８】
なお、参考例１の無端ベルトは、以下のようなプロセスを経て作製した。まず、離型剤（シリコーン樹脂あるいはフッ素樹脂）が予めその表面に形成された円筒状の金属基体表面に、樹脂（あるいは樹脂前駆体）を含む塗布液を塗布することによりＰＢＩ層となる塗膜とＰＩ層となる塗膜とを順次形成し、乾燥（あるいは焼成）させた。次に離型層となる塗膜を形成後、３８０℃にて焼成することにより硬化物を得た。その後、この硬化物を前記金属基体表面から取り外し、両端部を所望のサイズに切断し、参考例１の無端ベルトを作製した。
【００５９】
なお、ＰＢＩ層の形成には、ＰＢＩ樹脂溶液（クラリアント社製、セラゾール）を用い、ＰＩ層の形成には、ＰＩ樹脂溶液（宇部興産社製、ＵワニスＳ）を用い、離型層の形成には、ＰＦＡ樹脂分散液（三井デュポンフロロケミカル社製、ＰＦＡエナメル）を用いた。
【００６０】
参考例１の無端ベルトを用いたテストでは、“像ズレ”、“ベルト走行不良”共に発生せず、良好な結果を示した。また、経時でのトルクの上昇も小さくギヤ部分の騒音の発生も無かった。なお、像ズレ、および、ベルト走行不良の判定基準については後述する。
【００６１】
（比較例１）
比較例１に用いた無端ベルトは、内周側より順に、肉厚７５μｍのＰＩ樹脂を基材（ＰＩ層）と、該基材の外周面側にテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体（ＰＦＡ）を３０μｍの厚みにコーティングして形成した離型層と、からなる層構成を有するものを用いた。
なお、比較例１の無端ベルトは、ＰＢＩ層を除いては、参考例１と同様のプロセスにより各層の膜厚を変えて作製したものである。
【００６２】
比較例１の無端ベルトを用いたテストでは、 “像ズレ”が３０ｋ枚で発生し、“ベルト走行不良”についても５０ｋ枚において、無端ベルト端部の変形によりベルト走行不良の発生が確認された。
さらに、経時でのトルク変化の挙動については、参考例１と比較すると時間と共に大きくトルクが上昇し、ギヤ部分の磨耗損傷が激しい上に騒音が発生した。
【００６３】
（参考例２）
参考例２に用いた無端ベルトとしては、内周側より順に、肉厚１０μｍのＰＢＩ樹脂からなる基材（ＰＢＩ層）と、該基材の外周面側に肉厚７５μｍのＰＩ樹脂からなるＰＩ層と、該ＰＩ層の外周面にテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体（ＰＦＡ）を２５μｍの厚みにコーティングして形成した離型層と、からなる層構成を有するものを用いた。
なお、参考例２の無端ベルトは、参考例１と同様のプロセスで各層の膜厚を変えることにより作製したものである。
【００６４】
参考例２の無端ベルトを用いたテストでは、“像ズレ”、“ベルト走行不良”共に発生せず、良好な結果を示した。また、経時でのトルクの上昇も小さくギヤ部分の騒音の発生も無かった。
【００６５】
（参考例３）
参考例３に用いた無端ベルトとしては、内周側より順に、肉厚２８μｍのＰＢＩ樹脂からなる基材（ＰＢＩ層）と、該基材の外周面側に肉厚６４μｍのＰＩ樹脂からなるＰＩ層と、該ＰＩ層の外周面にテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体（ＰＦＡ）を２４μｍの厚みにコーティングして形成した離型層と、からなる層構成を有するものを用いた。
但し、参考例３の無端ベルトは、ＰＢＩ層の形成に際しては、ＰＢＩ樹脂溶液１００重量部に対して二硫化モリブデンを２０重量部添加したものを用い、これ以外は参考例１と同様のプロセスで、各層の膜厚を変えることにより作製したものである
【００６６】
参考例３の無端ベルトを用いたテストでは、“像ズレ”、“ベルト走行不良”共に発生せず、良好な結果を示した、さらに、ＰＢＩ層に、潤滑性フィラーである二硫化モリブデンを含有させることにより、トルクの経過時間における挙動変化についても大きくトルクが上昇することなく、２００ｋ枚の定着後においてもトルクが０．５５Ｎ・ｍと非常に小さかった。
【００６７】
（参考例４）
参考例４に用いた無端ベルトとしては、内周側より順に、肉厚３０μｍのＰＢＩ樹脂からなる基材（ＰＢＩ層）と、該基材の外周面側に肉厚５５μｍのＰＩ樹脂からなるＰＩ層と、該ＰＩ層の外周面にテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体（ＰＦＡ）を２６μｍの厚みにコーティングして形成した離型層と、からなる層構成を有するものを用いた。
但し、参考例４の無端ベルトは、離型層の形成に際しては、ＰＦＡ樹脂溶液１００重量部に対してカーボンブラックを５重量部添加したものを用い、これ以外は参考例１と同様のプロセスで、各層の膜厚を変えることにより作製したものである。
【００６８】
参考例４の無端ベルトを用いたテストでは、“像ズレ”、“ベルト走行不良”共に発生せず、良好な結果を示し、また、経時でのトルクの上昇も小さくギヤ部分の騒音の発生も無かった。
さらに、参考例４の無端ベルトを用いたテストにおいては、未定着トナーの帯電量を高めに設定し、静電気力によるオフセットを発生しやすい条件で実施し、同時にオフセットレベルの評価を実施したが、静電オフセットは観察されなかった。
【００６９】
（参考例５）
参考例５に用いた無端ベルトとしては、内周側より順に、肉厚２８μｍのＰＢＩ樹脂からなる基材（ＰＢＩ層）と、該基材の外周面側に肉厚５９μｍのＰＩ樹脂からなるＰＩ層と、該ＰＩ層の外周面にテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体（ＰＦＡ）を２５μｍの厚みにコーティングして形成した離型層と、からなる層構成を有するものを用いた。
なお、参考例５の無端ベルトは、参考例１と同様のプロセスで各層の膜厚を変えることにより作製したものである。
【００７０】
参考例５の無端ベルトを用いたテストでは、“像ズレ”、“ベルト走行不良”共に発生せず、良好な結果を示し、また、経時でのトルクの上昇も小さくギヤ部分の騒音の発生も無く、これらの評価に関しては実質的に参考例４と同等のレベルであった。
また、参考例５の無端ベルトを用いたテストにおいては、参考例４と同様に未定着トナーの帯電量を高めに設定し、静電気力によるオフセットを発生しやすい条件で実施し、同時にオフセットレベルの評価を実施した。しかし、参考例５の無端ベルトを用いた場合には静電オフセットが発生した。
従って、参考例４および参考例５の評価結果から、無端ベルトの最外周層に導電性を付与しても、他の特性に悪影響を与えることなく、静電オフセットを改善でき、静電オフセットに対する対応が容易であることがわかった。
【００７１】
（実施例１）
実施例１に用いた無端ベルトとしては、内周側より順に、肉厚３０μｍのＰＢＩ樹脂からなる基材（ＰＢＩ層）と、該基材の外周面側に肉厚５５μｍのＰＩ樹脂からなるＰＩ層と、該ＰＩ層の外周面にテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体（ＰＦＡ）を２５μｍの厚みにコーティングして形成した離型層と、からなる層構成を有するものを用いた。
但し、実施例１の無端ベルトは、ＰＢＩ層の形成に際しては、ＰＢＩ樹脂溶液１００重量部に対して導電性を有する潤滑性フィラーであるグラファイトを２０重量部添加したものを用い、これ以外は参考例１と同様のプロセスで、各層の膜厚を変えることにより作製したものである
【００７２】
実施例１の無端ベルトを用いたテストでは、“像ズレ”、“ベルト走行不良”共に発生せず、良好な結果を示し、また、経時でのトルクの上昇も小さくギヤ部分の騒音の発生も無かった。
また、実施例１の無端ベルトを用いたテストにおいては、参考例４と同様に未定着トナーの帯電量を高めに設定し、静電気力によるオフセットを発生しやすい条件で実施し、同時にオフセットレベルの評価を実施した。この結果、ＰＢＩ層にグラファイトを添加して導電性を付与することで、最外周層に導電性を付与する場合（参考例４）同様に静電気力によるオフセットを許容範囲レベルで防止できることがわかった。また、駆動トルクに関してもグラファイト自体の潤滑性と摩擦帯電の低減により、トルクの上昇を低減することが出来、２００ｋ後のトルクは０．５５Ｎ・ｍと非常に小さかった。
【００７３】
以上、参考例１〜５、実施例１および比較例１の無端ベルトを用いた定着テストの結果を要約したものを表１に示す。
【００７４】
【表１】

【００７５】
なお、表１に示す像ズレおよびベルト走行不良は以下に示す基準にて判定したものである。
−像ズレの判定基準−
像ズレは、定着テスト時に定着された画像を目視により観察し、画像に顕著なズレが観察されはじめた時点の処理枚数とした。
−ベルト走行不良の判定基準−
ベルト走行不良は、定着テスト時に無端ベルトの端部を目視により観察し、無端ベルト端部が顕著に変形し始めた時点の処理枚数とした。
【００７６】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明によれば、２層以上から構成される無端ベルトにおいて、ベルト走行不良が発生しない無端ベルト、およびこれを用いた定着装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の定着装置の構成の一例を示す模式断面図である。
【符号の説明】
１定着装置
１０加熱定着ロール
１１コア
１２弾性層
１３離型層
１４加熱源
１５感温素子（温度センサー）
１６ニップ部
２０無端ベルト
２１ａＰＢＩ層
２１ｂＰＩ層
３０押圧パッド
３１支持体
３２弾性体
３３低摩擦シート
３４ベルト走行ガイド[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an endless belt used in a fixing device for fixing an unfixed toner image formed on a recording medium in an image information recording apparatus using an electrophotographic system such as an electrophotographic copying machine, a printer, and a facsimile machine. The present invention relates to a fixing device using the.
[0002]
[Prior art]
In the formation of electrophotographic images in printers, copying machines, facsimiles, etc., a recording medium such as recording paper on which an unfixed toner image is formed is heated and pressed by an image fixing device, whereby the toner image is applied to the surface of the recording medium. It is necessary to go through the process of fixing. In such an image fixing apparatus, an endless belt made of a heat resistant resin is used.
[0003]
Conventionally, as such an endless belt, a fluororesin is coated on a heat-resistant resin such as polyimide (hereinafter sometimes abbreviated as “PI”), polyamideimide (hereinafter sometimes abbreviated as “PAI”), and the like. And an endless belt made of polybenzimidazole (hereinafter sometimes abbreviated as “PBI”) (Japanese Patent Laid-Open No. 7-160135), or PBI. A fixing member (Japanese Patent No. 2984404), which uses a metal thin belt as a base layer (Japanese Patent Laid-Open No. 6-222695), and further a multilayered polyimide resin (Japanese Patent Laid-Open No. 2001-159851) is used.
Further, a fixing device is disclosed in which these endless belts are used as a fixing belt that contacts an image forming surface of a recording medium or a pressure side belt.
[0004]
However, the endless belt or the fixing device using the endless belt has various problems as described in the following items (1) to (3).
(1) The end of the endless belt is worn or crooked by the guide member that abuts the end of the endless belt, thereby causing problems such as paper jam.
(2) When the rubbing resistance between the contact surface of the endless belt inner peripheral surface and the pressing member in contact with the endless belt inner peripheral surface (hereinafter sometimes abbreviated as “pressing contact surface”) is high, Wear on the inner peripheral surface of the endless belt, an increase in driving torque, and wear of the above-mentioned members may result in image displacement of the fixed image, generation of noise due to high addition during gear rotation, and damage to the driving gear. As a result, the reliability of the fixing device is reduced.
(3) When the affinity between the lubricant oil present on the pressing contact surface and the inner peripheral surface of the endless belt is low, the oil film formed on the inner peripheral surface of the endless belt is interrupted. It becomes impossible to give a good drive, resulting in uneven image quality.
[0005]
On the other hand, endless belts used in image forming apparatuses have different belt film thicknesses depending on their applications and needs. Generally, endless belts with a thin film thickness are used for low-end models that require low cost and space saving. High-end models that use belts and require performance and durability tend to use endless belts with thick belts.
In the former case, a single-layer structure is often used in order to reduce the cost of manufacturing an endless belt and simplify the manufacturing process. In the latter case, two or more layers are required in order to obtain a required belt film thickness. Often has a configuration.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to solve the above problems. That is, an object of the present invention is to provide an endless belt that does not cause poor belt running in an endless belt composed of two or more layers, and a fixing device using the endless belt.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
  The above-mentioned subject is achieved by the following present invention. That is, the present invention
    <1> At least the rotatable drive member, the endless belt whose outer peripheral surface is in contact with the surface of the drive member, and the endless so as to press the surface of the drive member via the endless belt to form the contact portion. In an endless belt made of a heat-resistant resin of at least two layers, used in a fixing device having a pressing pad disposed on the inner peripheral surface of the belt,
  The innermost peripheral layer of the endless belt is composed of a first heat-resistant resin layer containing at least polybenzimidazole, and on the outer peripheral side of the first heat-resistant resin layer.TheLiimideonlyA second heat-resistant resin layer containing
  The first heat-resistant resin layer contains at least one selected from graphite and graphite fluoride.See
  The outermost peripheral layer of the endless belt comprises at least a fluororesinThis is an endless belt.
[0009]
    <2> The thickness of the first resin layer is in the range of 1 to 50 μm <1>The endless belt described.
[0013]
    <3> The outermost peripheral layer contains conductive fine particles<1> or <2>The endless belt described in 1.
[0014]
    <4> At least the rotatable drive member and the outer peripheral surface abut on the surface of the drive member <1> to <1.3> An endless belt according to any one of the above, and a pressing pad disposed on the inner peripheral surface of the endless belt so as to press the surface of the driving member via the endless belt to form the contact portion. The fixing device is characterized by having a fixing device.
[0015]
    <5> The drive member is a heat fixing roll <4>.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
  Hereinafter, the present invention will be described in order by dividing it into an endless belt and a fixing device using the endless belt.
<Endless belt>
  The endless belt of the present invention includes at least a rotatable driving member, an endless belt whose outer peripheral surface abuts on the surface of the driving member, and presses the surface of the driving member via the endless belt to form the abutting portion. In the endless belt made of at least two layers of heat-resistant resin, the innermost circumferential layer of the endless belt is at least used in a fixing device having a pressing pad disposed on the inner peripheral surface of the endless belt as described above. It consists of a first heat-resistant resin layer (hereinafter sometimes abbreviated as “PBI layer”) containing polybenzimidazole (hereinafter abbreviated as “PBI”), on the outer peripheral side of the first heat-resistant resin layer.TheReimide (hereinafter abbreviated as “PI”)onlyA second heat-resistant resin layer (hereinafter sometimes abbreviated as “PI layer”) is provided, and the first heat-resistant resin layer includes at least one selected from graphite and fluorinated graphite. IncludingThe outermost peripheral layer of the endless belt comprises at least a fluororesin.It is characterized by that.
[0017]
As described above, the endless belt of the present invention has a configuration in which the PBI layer and the PI layer are provided in this order from the inner peripheral side. On the other hand, since the elastic modulus of the PBI layer is larger than that of the PI layer, it is possible to have an inclined structure of elastic modulus in the film thickness direction of the endless belt. Therefore, when the endless belt of the present invention is used as a fixing belt or the like in an image forming apparatus, it can flexibly cope with interlayer deformation (deformation due to shearing force) which is thermal stress or mechanical stress applied to the endless belt. It is possible to prevent deterioration of flatness due to shrinkage / elongation stress and to prevent occurrence of belt running failure.
[0018]
In an endless belt composed of two or more layers, if the difference in elastic modulus between layers is too large, the difference in elongation / contraction at high temperatures becomes significant, and the effect of preventing belt running failure due to interlayer deformation is reversed. Since they cancel out, belt running failure may occur.
However, in the endless belt of the present invention, the difference between the elastic modulus of the PBI layer and the elastic modulus of the PI layer is not so large that such cancellation occurs, and the effect of preventing belt running failure due to interlayer deformation is sufficiently high. Demonstrated.
[0019]
Further, the adhesiveness between the PBI layer and the PI layer is very good, and the adhesive strength is sufficient to withstand long-term use as an endless belt without providing a primer layer at the interface. This is because PBI and PI are easily dissolved in solvents having properties similar to each other, so that the molecular chains of PBI and PI are entangled with each other at the interface between the PBI layer and the PI layer. It is presumed that this relatively reactive site forms a chemical bond with the PI molecule.
[0020]
  When the endless belt of the present invention is used as a fixing belt, it is preferable to provide a layer having releasability with respect to the toner so as to constitute the outermost peripheral layer on the outer peripheral side of the PI layer. A layer containing fluororesin (hereinafter sometimes abbreviated as “fluororesin release layer”) is provided as a layer having releasability.The
  In addition, since the elastic modulus of the fluororesin release layer is smaller than the elastic modulus of the PI layer, even when it has a three-layer structure in which a PBI layer, a PI layer, and a fluororesin release layer are provided in this order from the inner periphery side, A graded structure with elastic modulus is obtained step by step over three layers.
  For this reason, the formation of the fluororesin release layer not only ensures the releasability as a fixing belt, but also more effectively prevents the occurrence of belt running failure. Hereinafter, the PBI layer, the PI layer, and the fluororesin release layer will be described in more detail.
[0021]
-PBI layer-
The endless belt of the present invention is composed of a PBI layer containing polybenzoimizodar having an innermost circumference excellent in heat resistance, wear resistance, chemical resistance, and the like, and having a small surface energy. It is possible to improve the wear resistance of the belt inner peripheral surface and reduce the friction. In the present invention, the matrix resin constituting the PBI layer is made of polybenzimiddal.
[0022]
As the polybenzimidazole, known ones can be used, and specifically, a structure represented by the following compound (1) (poly-2,2 ′-(m-phenylene)- Those having 5,5′-bibenzimidazole) are preferably used. However, in the compound (1) shown below, n represents a positive integer. Moreover, the number average molecular weight of the polybenzoimizodar used for this invention is although it does not specifically limit, It is preferable to exist in the range of 2000-100000, and it is more preferable to exist in the range of 5000-30000.
In forming the PBI layer, from the viewpoint of ease of handling and formability, for example, PBI matrix resin solutions in which PBI is dissolved in DMAC (N, N-dimethylacetamide): MRS0810H, MRS0810N (above, manufactured by Clariant Japan) ) Can be suitably used.
[0023]
[Chemical 1]

[0024]
Functional fillers such as inorganic particles, metal powders, metal oxides, and organic metal oxides can be added to the PBI layer according to purposes such as conductivity, thermal conductivity, insulation, and reinforcement.
In particular, when the purpose is to reduce friction, it is preferable to add a lubricious filler to the PBI layer. Thereby, the retainability of the lubricant applied to the inner peripheral surface of the endless belt can be further improved by lowering the friction of the inner peripheral surface of the endless belt and increasing the minute surface roughness.
[0025]
  Such a lubricating filler is not particularly limited as long as it is a known filler, but a filler having a layered structure is preferable, and particularly selected from graphite, graphite fluoride, molybdenum disulfide, boron nitride, mica, and mica compound. It is most preferable to add at least one kind.
  In addition to lubricity, add graphite and fluorinated graphite to add conductivity.TheWhen a conductive lubricating filler is added to the PBI layer, it is possible to reduce the frictional resistance due to frictional charging during rotation.
[0026]
In addition, it is preferable that it is in the range of 1-50 micrometers as thickness of a PBI layer, and it is more preferable that it exists in the range of 1-30 micrometers. When the thickness of the PBI layer is less than 1 μm, the PBI layer is abraded by long-term use, so that the PI layer is exposed, which may lead to a decrease in mechanical strength and an increase in frictional resistance.
On the other hand, when the thickness of the PBI layer exceeds 50 μm, the number of coatings increases when an endless belt is formed using the coating liquid for forming the PBI layer on the surface of the core, and the burden on the process is increased. Is unfavorable for mass production. Moreover, since the unit price per film thickness is expensive, the PBI layer is not preferable in terms of cost.
[0027]
-PI layer-
In the endless belt of the present invention, a PI layer containing polyimide is provided on the outer peripheral side of the PBI layer provided on the innermost peripheral side. It is possible to provide an intermediate layer between the PBI layer and the PI layer as necessary, but the PBI layer and the PI layer may be provided adjacent to each other, so that the adhesiveness between the two can be improved. Is preferable because it is sufficiently obtained.
[0028]
The endless belt of the present invention has a configuration of at least two layers having at least a PBI layer and a PI layer, and is used in an image forming apparatus of a relatively high grade that places importance on performance and durability. The main purpose. In such a case, the belt film thickness of the endless belt as a whole is required to some extent, and it is necessary to increase the belt film thickness by increasing the thickness of any layer constituting the endless belt.
[0029]
In this respect, it is preferable to adjust the film thickness of the entire endless belt by adjusting the film thickness of the PI layer. Although it is possible to adjust the film thickness of the entire endless belt by adjusting the film thickness of the PBI layer, if the film thickness of the PBI layer becomes too thin for adjustment, In some cases, the mechanical strength decreases and the frictional resistance increases. In addition, if the thickness of the PBI layer becomes too thick, a large amount of expensive polybenzimizodar is used, which may increase the cost.
[0030]
In addition, when a fluororesin release layer is provided as the outermost peripheral layer of the endless belt, it is theoretically possible to provide a fluororesin release layer without providing a PI layer on the outer peripheral side of the PBI layer. is there. However, in such a configuration, in order to obtain a desired belt film thickness, it is necessary to increase the thickness of the PBI layer. Therefore, the manufacturing cost is very high, and the cost is not practically appropriate. Furthermore, since the adhesiveness between the PBI layer and the fluororesin release layer is poor, there is a high possibility that it cannot withstand long-term use. Therefore, it cannot be put into practical use.
[0031]
The film thickness of the PI layer is not particularly limited, but in order to obtain a gradient structure of elastic modulus in combination with the PBI layer and to obtain the desired thickness of the entire endless belt, the film thickness of the PI layer is 50 μm to 150 μm. Is preferably in the range of 50 μm to 100 μm.
When the thickness of the PI layer is smaller than 50 μm, the PBI layer may have to be thicker than necessary in order to obtain the desired endless belt thickness, which may increase the cost. is there. On the other hand, when the thickness of the PI layer is larger than 150 μm, the PBI layer may have to be made thinner than necessary in order to obtain a desired endless belt thickness, and is provided on the inner peripheral surface of the endless belt. In some cases, the PBI layer is worn away by long-term use, and cannot withstand long-term use such as deterioration of wear resistance and increase of driving torque.
[0032]
As the polyimide resin constituting the PI layer, a known resin can be used. However, in forming the PI layer, it is preferable to use a polyimide precursor solution or a solution obtained by dissolving a polyimide resin in a solvent.
As said polyimide precursor solution, a polyamic acid solution can be mentioned, U-varnish-A, U-varnish-S (made by Ube Industries), etc. can be utilized. Examples of a solution obtained by dissolving a polyimide resin in a solvent include, for example, a polyimide obtained by polycondensation reaction of 3 ′, 3 ′, 4,4, -diphenylsulfonetetracarboxylic dianhydride and aromatic diamines. A solution obtained by dissolving a resin in a solvent (mainly N-methyl-2pyrrolidone), Rika Coat: SN-20, PN-20 (manufactured by Shin Nippon Rika), and the like can be used.
[0033]
-Outermost peripheral layer (fluorine resin release agent layer)-
As described above, the outermost peripheral layer of the endless belt of the present invention is preferably provided with a fluororesin release layer containing a fluororesin having releasability with respect to the toner. In addition, some intermediate layer may be provided between the PI layer and the fluororesin release layer, if necessary. In the case where an intermediate layer is provided, the elastic modulus of the intermediate layer is preferably equal to or smaller than that of the PI layer and equal to or larger than that of the fluororesin release layer.
[0034]
The film thickness of the fluororesin release layer is preferably in the range of 1 to 50 μm, and more preferably in the range of 20 to 30 μm. When the film thickness is smaller than 1 μm, the fluororesin release layer may be worn away during long-term use, and the releasability with respect to the toner may be reduced. When the film thickness is larger than 50 μm, the fluororesin release layer is made of a thermoplastic resin, so that the surface shear that the endless belt surface undergoes when the endless belt rotates and slides on the surface of the fixing roll. It may be greatly deformed by the generation of force, and the surface speed difference from the surface of the fixing roll becomes large, which may cause defects such as image misalignment and paper flaws.
[0035]
Examples of the fluororesin include, for example, tetrafluoroethylene-perfluoroalkyl vinyl ether copolymer (PFA), tetrafluoroethylene-perfluoromethyl vinyl ether copolymer (MFA), tetrafluoroethylene-perfluoroethyl vinyl ether copolymer ( EFA), polytetrafluoroethylene (PTFE), tetrafluoroethylene-hexafluoropropylene copolymer (FEP), polyethylene-tetrafluoroethylene (ETFE), polyvinylidene fluoride (PVDF), polychlorotrifluorinated ethylene (PCTFE), Vinyl fluoride (PVF), etc., especially polytetrafluoroethylene (PTFE) and tetrafluoroethylene-perfluoroalkyl vinyl ether in terms of heat resistance and mechanical properties. Coalescence (PFA) tetrafluoroethylene - perfluoro methyl vinyl ether copolymer (MFA), tetrafluoroethylene - perfluoro ethyl vinyl ether (EFA) copolymer is preferably used.
The matrix resin constituting the fluororesin release layer may be composed of the fluororesin as described above and may be a combination of two or more fluororesins.
[0036]
Moreover, various additives can be added to the outermost peripheral layer as necessary. When the outermost peripheral layer is made of a fluororesin release layer, it is preferable to add conductive fine particles (conductive filler) to prevent offset and the like.
In particular, when the residual charge of the toner is likely to remain on the H / R (Heating Roll, fixing roll) surface or when the charge amount of the toner is high, the conductive filler may be released into the fluororesin release layer as necessary. Can be added to such an extent that residual charges on the surface of the H / R can be leaked, thereby preventing image quality defects due to toner offset due to electrostatic force and preventing excessive charging of the endless belt surface. Winding around the surface can be effectively prevented.
Further, when the fluororesin release layer contains a conductive filler and the PBI layer contains a conductive filler, a further effect can be exhibited.
[0037]
<Fixing device>
Next, a fixing device using the endless belt of the present invention will be described. The fixing device of the present invention has a configuration capable of fixing an unfixed toner image formed on the surface of a recording medium using the endless belt of the present invention as described above. Specifically, It has the following configuration.
That is, the fixing device of the present invention includes at least a rotatable drive member, an endless belt whose outer peripheral surface abuts on the surface of the drive member (hereinafter, the contact portion may be abbreviated as a “nip portion”), A pressing pad disposed on the inner peripheral surface of the endless belt so as to press the surface of the driving member through the endless belt to form the contact portion, and the endless belt of the present invention is used as the endless belt. It is characterized by using.
[0038]
The shape of the driving member is not particularly limited, such as a belt shape, but is preferably a roll shape, and more preferably a heat fixing roll having a heating source inside the roll. In addition, the above-described configuration may include other devices / members appropriately selected as necessary, for example, a release agent supply device.
The endless belt can be driven to rotate as the drive member rotates. In the fixing process using the fixing device, a recording medium that holds an unfixed toner image on its surface is inserted into the nip portion. Is implemented.
Hereinafter, a more detailed configuration of each part of the fixing device other than the endless belt will be described in order of the driving member (heat fixing roll) and the pressing pad.
[0039]
-Drive member (heat-fixing roll)-
The heat-fixing roll that can be used as the driving member is not particularly limited with respect to its shape, structure, size, and the like, and a known one can be appropriately selected and used according to the purpose. The heat fixing roll generally has at least a cylindrical core and an elastic layer formed on the surface thereof, and includes a heat source inside the core.
[0040]
The material of the core is not particularly limited as long as the material has excellent mechanical strength and good heat conductivity, and examples thereof include metals such as aluminum, SUS, iron, and copper, alloys, ceramics, and FRM. .
[0041]
The material of the elastic layer can be appropriately selected from known elastic materials, and examples thereof include silicone rubber and fluororubber. In the present invention, among these elastic materials, silicone rubber is preferable because it has a small surface tension and is excellent in elasticity.
Examples of such silicone rubber include RTV silicone rubber, HTV silicone rubber, and the like. Specifically, polydimethyl silicone rubber (MQ), methyl vinyl silicone rubber (VMQ), and methyl phenyl silicone rubber (PMQ). And fluorosilicone rubber (FVMQ).
[0042]
The thickness of the elastic layer is usually 3 mm or less, preferably in the range of 0.1 to 1.5 mm. There is no restriction | limiting in particular as a method of forming the said elastic layer in the surface of the said core, For example, a well-known coating method, shaping | molding, etc. are employable.
In the present invention, a release layer may be formed on the outer peripheral surface of the elastic layer. By forming the release layer on the outermost periphery of the heat fixing roll, the offset of the toner image can be effectively prevented, and the fixing device can be operated in a stable state.
The material of the release layer is not particularly limited as long as it exhibits an appropriate release property with respect to the toner image, and examples thereof include fluorine rubber, silicone rubber, and fluorine resin. Among these materials, a fluororesin is preferable.
[0043]
Examples of the fluororesin include tetrafluoroethylene-perfluoroalkyl vinyl ether copolymer (PFA), tetrafluoroethylene-perfluoromethyl vinyl ether copolymer (MFA), and tetrafluoroethylene-perfluoroethyl vinyl ether copolymer (EFA). , Polytetrafluoroethylene (PTFE), tetrafluoroethylene-hexafluoropropylene copolymer (FEP), polyethylene-tetrafluoroethylene (ETFE), polyvinylidene fluoride (PVDF), polychlorotrifluorinated ethylene (PCTFE), fluoride Fluorine resins such as vinyl (PVF) are mentioned, and polytetrafluoroethylene (PTFE) and tetrafluoroethylene-perfluoroalkyl vinyl ether are particularly preferred in terms of heat resistance and mechanical properties. Polymer (PFA) tetrafluoroethylene - perfluoro methyl vinyl ether copolymer (MFA), tetrafluoroethylene - perfluoro ethyl vinyl ether (EFA) copolymer is preferably used.
[0044]
The thickness of the release layer is usually in the range of 10 to 50 μm, preferably in the range of 15 to 30 μm. There is no restriction | limiting in particular as a method of forming the said mold release layer in the surface of the said core, For example, the coating method mentioned above etc. are mentioned. Moreover, the method of coat | covering the tube formed by extrusion molding is mentioned.
[0045]
-Press pad-
The pressing pad is disposed on the inner peripheral surface of the endless belt so as to press the surface of the driving member (heat fixing roll) via the endless belt to form a nip portion. As described above, the nip portion is stably formed by disposing the pressing pad on the inner peripheral surface of the endless belt. Accordingly, when a recording medium that holds an unfixed toner image on the surface thereof with the driving member rotated is inserted through the nip portion, the surface of the recording medium is uniformly applied with pressure. It can pass through the nip part.
The press pad is not particularly limited as long as it can exhibit the functions described above, and can be appropriately selected from known ones according to the purpose. In particular, silicone rubber having a JIS-A hardness in the range of 10 to 40 ° is preferably used in terms of hardness.
There is no restriction | limiting in particular about the shape of the said press pad, a structure, a magnitude | size, It can select suitably according to the objective. For example, the pressing pad may have a structure composed of a single member or a structure composed of a plurality of members having different functions.
[0046]
When the pressing pad is composed of a plurality of members, at least the portion of the pressing pad that contacts the inner peripheral surface of the endless belt, in order to reduce the frictional force with the inner peripheral surface of the endless belt when the endless belt rotates, It is preferable to provide a low friction sheet.
Such a low friction sheet is not particularly limited as long as it can reduce the frictional force with the inner circumferential surface of the endless belt, but is preferably composed of a material containing at least a fluororesin, From the viewpoint of processability and frictional properties, it is preferably made of polytetrafluoroethylene resin (PTFE).
Further, the shape of the low friction sheet is preferably a molded sheet (SOLID) shape, a woven fabric shape, a nonwoven fabric shape, or a porous shape.
[0047]
-Example configuration of fixing device-
Next, a specific configuration example of the fixing device described above will be described with reference to the drawings. However, the fixing device of the present invention is not limited to the following configuration example.
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view showing an example of the configuration of the fixing device of the present invention. In FIG. 1, 1 is a fixing device, 10 is a heat fixing roll, 11 is a core, 12 is an elastic layer, 13 is a release layer, 14 is a heating source, 15 is a temperature sensing element (temperature sensor), 16 is a nip portion, Reference numeral 20 denotes an endless belt, 21a denotes a PBI layer, 21b denotes a PI layer, 30 denotes a pressing pad, 31 denotes a support, 32 denotes an elastic body, 33 denotes a low friction sheet, and 34 denotes a belt running guide.
[0048]
The heat fixing roll 10 includes a core 11 including a heat source 14, and an elastic layer 12 and a release layer 13 provided in this order on the outer periphery of the core 11. Can be rotated. A temperature sensitive element (temperature sensor) 15 is disposed on the surface of the heat fixing roll 10 so that the temperature of the surface of the heat fixing roll 10 can be detected.
Further, the endless belt 20 is disposed on the opposite side of the heat fixing roll 10 where the temperature sensor 15 is provided so that the surface of the heat fixing roll 10 and the outer peripheral surface of the endless belt 20 form a nip portion 16. ing. The endless belt 20 can be driven to rotate as the heat fixing roll 10 rotates in the arrow R direction.
In the present invention, the endless belt 20 has a configuration in which at least a PBI layer 21a is provided as the innermost peripheral layer and a PI layer 21b is provided on the outer peripheral side of the PBI layer 21a. Further, if necessary, other layers may be provided. For example, a fluororesin release layer (not shown) may be provided as the outermost peripheral layer on the outer peripheral side of the PI layer 21b.
[0049]
A pressing pad 30 is disposed on the inner peripheral side of the endless belt 20 so that a nip portion can be formed. The pressing pad 30 includes a low friction sheet 33 that contacts the inner peripheral surface of the endless belt 20, an elastic body 32 that presses the low friction sheet 33 toward the inner peripheral surface of the endless belt 20, and a support that supports the elastic body 32. 31. The belt traveling guide 34 is provided on the inner peripheral side of the endless belt 20 along the rotation direction of the endless belt 20 so that the endless belt 20 rotates smoothly, and is fixed to the support 31.
[0050]
A compression coil spring (not shown) is attached to the support 31 so that the nip portion can be pressed. Further, a rib (not shown) in the belt rotation direction is provided on the outer peripheral surface of the belt traveling guide 34, and the contact area with the inner peripheral surface of the endless belt 20 is reduced. Further, at both ends of the belt traveling guide 34, flange-shaped members (not shown) for restricting the endless belt 20 from being shifted (displacement in the rotation axis direction) are provided.
[0051]
The fixing process using the fixing device 1 is performed as follows. First, from the direction of arrow I, the recording medium on which the unfixed toner image is formed is inserted so that the surface on which the unfixed toner image is provided in the nip portion 16 is in contact with the surface of the heat fixing roll 10. At this time, an unfixed toner image is fixed on the surface of the recording medium at the nip portion 16 by being heated and pressurized. Thereafter, the recording medium on which the toner image is fixed is discharged in the direction of arrow O.
[0052]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples. However, the present invention is not limited to the following examples.
[0053]
<Fixing device>
First, the fixing device used in the embodiment will be described. As the fixing device used in the examples, a fixing device having the same configuration as that of the fixing device 1 shown in FIG. 1 was used.
As the heat fixing roll 10, a silicone HTV rubber having a thickness of 600 μm as an elastic layer 12 (rubber hardness 35 degrees: rubber hardness: 35 °: JIS-A) is provided, and the outer peripheral surface of the elastic layer 12 is coated with a tetrafluoroethylene-perfluoroalkyl vinyl ether copolymer (PFA) having a tubular thickness of 30 μm as the release layer 13. The outer peripheral surface of the release layer 13 is finished to a surface close to a mirror surface state. In addition, a 600 W halogen lamp is disposed inside the core 11 as the heating source 14.
The surface temperature of the heat fixing roll 10 was connected to the heat source 14 so that the temperature sensitive element (temperature sensor) 15 disposed so as to contact the surface of the heat fixing roll 10 and the heat source 14 could be controlled. It is controlled by a temperature controller (not shown).
[0054]
The elastic body 32 constituting the pressing pad 30 is a silicone rubber having a width of 10 mm, a thickness of 5 mm, and a length of 320 mm, and the low friction sheet 33 is made of a fluororesin (PTFE; polytetrafluoroethylene) sheet. The pressing pad 30 presses the surface of the heat fixing roll 10 with a load of 35 kg via the endless belt 20 by a compression coil spring (not shown) attached to the support 31.
The winding angle of the endless belt 20 around the heat fixing roll 10 was about 40 °, and the width of the nip portion 16 at this time was about 10 mm. A specific configuration of the endless belt 20 will be described later.
[0055]
Using the fixing device 1 having such a configuration, a continuous 200k fixing test was performed using the endless belts of the embodiments described below. At this time, image displacement (disturbance in image quality) and deformation of the endless belt were performed. The belt running failure due to the above, the driving torque of the heat fixing roll 10 (torque after 200k sheet fixing processing), and electrostatic offset were evaluated.
In the fixing test, the heat fixing roll 10 and the endless belt 20 were rotated at a speed of 194 mm / sec, and the temperature of the surface of the heat fixing roll 10 was set to 175 ° C. The endless belt used for the fixing test will be described below.
[0056]
<Endless belt>
The fixing test using the fixing device described above was carried out using an endless belt described below.
The endless belt described below has a circumferential length of 94 mm and a length of 320 mm, and the thickness of each layer (sometimes referred to as “thickness”) and the materials constituting each layer are different depending on necessity. Is used.
[0057]
(referenceExample 1)
  referenceAs the endless belt used in Example 1, a base material (PBI layer) made of PBI resin having a thickness of 10 μm and a PI layer made of PI resin having a thickness of 60 μm on the outer peripheral surface side of the base material in order from the inner peripheral side. And a release layer formed by coating tetrafluoroethylene-perfluoroalkyl vinyl ether copolymer (PFA) to a thickness of 30 μm on the outer peripheral surface of the PI layer.
[0058]
  In addition,referenceThe endless belt of Example 1 was produced through the following process. First, a coating film that becomes a PBI layer by applying a coating solution containing a resin (or resin precursor) to a cylindrical metal substrate surface on which a release agent (silicone resin or fluororesin) is formed in advance. And a coating film to be a PI layer were sequentially formed and dried (or baked). Next, after forming the coating film used as a mold release layer, it hardened | cured by baking at 380 degreeC. Thereafter, the cured product is removed from the surface of the metal substrate, and both ends are cut to a desired size.referenceThe endless belt of Example 1 was produced.
[0059]
A PBI resin solution (Clariant, Cerazole) is used to form the PBI layer, and a PI resin solution (Ube Industries, U Varnish S) is used to form the PI layer. A PFA resin dispersion (manufactured by Mitsui DuPont Fluorochemical Co., Ltd., PFA enamel) was used.
[0060]
  referenceIn the test using the endless belt of Example 1, neither “image shift” nor “belt running failure” occurred, and good results were shown. Further, the torque increase with time was small, and no noise was generated in the gear portion. Note that criteria for determining image misalignment and belt running failure will be described later.
[0061]
(Comparative Example 1)
  The endless belt used in Comparative Example 1 is composed of a base material (PI layer) of a 75 μm thick PI resin in order from the inner peripheral side, and a tetrafluoroethylene-perfluoroalkyl vinyl ether copolymer on the outer peripheral surface side of the base material. A release layer formed by coating (PFA) to a thickness of 30 μm was used.
  The endless belt of Comparative Example 1 except for the PBI layer,referenceThe film thickness of each layer was changed by the same process as in Example 1.
[0062]
  In the test using the endless belt of Comparative Example 1, “image misalignment” occurred in 30k sheets, and “belt running defect” was also confirmed in 50k sheets due to deformation of the end of the endless belt. .
  Furthermore, regarding the behavior of torque change over time,referenceCompared to Example 1, the torque increased greatly with time, and the gear part was severely worn and noise was generated.
[0063]
(referenceExample 2)
  referenceAs the endless belt used in Example 2, a base material (PBI layer) made of PBI resin having a thickness of 10 μm and a PI layer made of PI resin having a thickness of 75 μm on the outer peripheral surface side of the base material in order from the inner peripheral side. And a release layer formed by coating the outer peripheral surface of the PI layer with a tetrafluoroethylene-perfluoroalkyl vinyl ether copolymer (PFA) to a thickness of 25 μm.
  In addition,referenceThe endless belt of Example 2 isreferenceIt was produced by changing the film thickness of each layer in the same process as in Example 1.
[0064]
  referenceIn the test using the endless belt of Example 2, “image misalignment” and “belt running failure” did not occur, and good results were shown. Further, the torque increase with time was small, and no noise was generated in the gear portion.
[0065]
(referenceExample 3)
  referenceAs an endless belt used in Example 3, a base material (PBI layer) made of PBI resin having a thickness of 28 μm and a PI layer made of PI resin having a thickness of 64 μm on the outer peripheral surface side of the base material in order from the inner peripheral side. And a release layer formed by coating tetrafluoroethylene-perfluoroalkyl vinyl ether copolymer (PFA) to a thickness of 24 μm on the outer peripheral surface of the PI layer.
  However,referenceThe endless belt of Example 3 was prepared by adding 20 parts by weight of molybdenum disulfide to 100 parts by weight of the PBI resin solution when forming the PBI layer.referenceIt was produced by changing the film thickness of each layer in the same process as in Example 1.
[0066]
  referenceIn the test using the endless belt of Example 3, neither “image displacement” nor “belt running failure” occurred, and good results were shown. Further, the PBI layer contained molybdenum disulfide as a lubricating filler. As a result, the torque did not increase greatly even with respect to the behavioral change in the elapsed time of the torque, and the torque was very small as 0.55 N · m even after fixing 200 k sheets.
[0067]
(referenceExample 4)
  referenceThe endless belt used in Example 4 includes a base material (PBI layer) made of PBI resin having a thickness of 30 μm and a PI layer made of PI resin having a thickness of 55 μm on the outer peripheral surface side of the base material in order from the inner peripheral side. And a release layer formed by coating tetrafluoroethylene-perfluoroalkyl vinyl ether copolymer (PFA) to a thickness of 26 μm on the outer peripheral surface of the PI layer.
  However,referenceThe endless belt of Example 4 was obtained by adding 5 parts by weight of carbon black to 100 parts by weight of the PFA resin solution when forming the release layer.referenceIt was produced by changing the film thickness of each layer in the same process as in Example 1.
[0068]
  referenceIn the test using the endless belt of Example 4, neither “image displacement” nor “belt running failure” occurred, and the result was good, and the torque increase with time was small and no noise in the gear part was generated. It was.
  further,referenceIn the test using the endless belt in Example 4, the charge amount of the unfixed toner was set to be high and the offset level was evaluated at the same time as the offset level due to the electrostatic force. Was not observed.
[0069]
(referenceExample 5)
  referenceAs an endless belt used in Example 5, a base material (PBI layer) made of PBI resin having a thickness of 28 μm and a PI layer made of PI resin having a thickness of 59 μm on the outer peripheral surface side of the base material in order from the inner peripheral side. And a release layer formed by coating the outer peripheral surface of the PI layer with a tetrafluoroethylene-perfluoroalkyl vinyl ether copolymer (PFA) to a thickness of 25 μm.
  In addition,referenceThe endless belt of Example 5 isreferenceIt was produced by changing the film thickness of each layer in the same process as in Example 1.
[0070]
  referenceIn the test using the endless belt of Example 5, neither “image shift” nor “belt running failure” occurred, and good results were shown. Also, the torque increase with time was small and the noise of the gear part was not generated. With regard to these assessmentsreferenceThe level was the same as in Example 4.
  Also,referenceIn the test using the endless belt of Example 5,referenceIn the same manner as in Example 4, the charge amount of the unfixed toner was set to be high, and the conditions were such that offset due to electrostatic force was likely to occur, and at the same time, the offset level was evaluated. But,referenceWhen the endless belt of Example 5 was used, electrostatic offset occurred.
  Therefore,referenceExample 4 andreferenceFrom the evaluation results of Example 5, it can be seen that even if conductivity is imparted to the outermost peripheral layer of the endless belt, the electrostatic offset can be improved without adversely affecting other characteristics, and it is easy to cope with the electrostatic offset. all right.
[0071]
(Example1)
  Example1As the endless belt used in the above, in order from the inner peripheral side, a base material (PBI layer) made of PBI resin having a thickness of 30 μm, and a PI layer made of PI resin having a thickness of 55 μm on the outer peripheral surface side of the base material, A layer having a layer structure composed of a release layer formed by coating tetrafluoroethylene-perfluoroalkyl vinyl ether copolymer (PFA) to a thickness of 25 μm on the outer peripheral surface of the PI layer was used.
  However, examples1In the endless belt, the PBI layer was formed by adding 20 parts by weight of graphite, which is a lubricating filler having conductivity, to 100 parts by weight of the PBI resin solution.referenceIt was produced by changing the film thickness of each layer in the same process as in Example 1.
[0072]
  Example1In the test using the endless belt, neither “image displacement” nor “belt running failure” occurred, showing good results, and the torque increase with time was small and no noise in the gear portion was generated.
  Examples1In the test using the endless belt ofreferenceIn the same manner as in Example 4, the charge amount of the unfixed toner was set to be high, and the conditions were such that offset due to electrostatic force was likely to occur, and at the same time, the offset level was evaluated. As a result, when adding conductivity to the outermost peripheral layer by adding graphite to the PBI layer to give conductivity (referenceExample 4) Similarly, it was found that offset due to electrostatic force can be prevented at an allowable level. Further, with respect to the driving torque, the increase in torque could be reduced by reducing the lubricity of the graphite itself and the frictional charge, and the torque after 200k was very small at 0.55 N · m.
[0073]
  more than,

reference

Example 15. Example 1Table 1 summarizes the results of the fixing test using the endless belt of Comparative Example 1.
[0074]
[Table 1]

[0075]
Note that the image misalignment and belt running failure shown in Table 1 were determined based on the following criteria.
-Image misalignment criteria-
The image displacement was determined by visually observing the image fixed during the fixing test, and the number of processed images at the time when significant displacement began to be observed in the image.
-Criteria for bad belt running-
For the belt running failure, the end of the endless belt was visually observed during the fixing test, and the number of processed sheets at the time when the end of the endless belt began to deform significantly was determined.
[0076]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to provide an endless belt that does not cause poor belt running in an endless belt composed of two or more layers, and a fixing device using the endless belt.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view illustrating an example of a configuration of a fixing device of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Fixing device
10 Heat-fixing roll
11 core
12 Elastic layer
13 Release layer
14 Heating source
15 Temperature sensing element (temperature sensor)
16 Nip part
20 Endless belt
21a PBI layer
21b PI layer
30 Press pad
31 Support
32 Elastic body
33 Low friction sheet
34 Belt travel guide

Claims

At least a rotatable drive member, an endless belt whose outer peripheral surface abuts against the surface of the drive member, and an inner periphery of the endless belt so as to press the surface of the drive member via the endless belt to form the abutment portion In an endless belt made of a heat resistant resin of at least two layers, used in a fixing device having a pressing pad disposed on the surface,
Wherein the endless belt, the innermost layer is at least comprises a first heat-resistant resin layer containing polybenzimidazole, on the outer peripheral side of the first heat-resistant resin layer, a second refractory containing only polyimide A resin layer is provided,
Said first heat-resistant resin layer is, graphite, at least seen including one or more selected from graphite fluoride,
An endless belt, wherein the outermost peripheral layer of the endless belt comprises at least a fluororesin .

2. The endless belt according to claim 1, wherein a thickness of the first heat-resistant resin layer is in a range of 1 to 50 μm.

The endless belt according to claim 1 , wherein the outermost peripheral layer includes conductive fine particles.

At least a rotatable drive member, an endless belt according to any one of claims 1 to 3 whose outer peripheral surface is in contact with the surface of the drive member, and the surface of the drive member by pressing the endless belt through the endless belt And a pressing pad disposed on the inner peripheral surface of the endless belt so as to form a contact portion.

It said drive member, fixing device according to claim 4, characterized in that the heat-fixing roll.