JP4213314B2 - 視覚障害者誘導用マーカーの取付け孔マーキングプレート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、視覚障害者誘導用マーカーの取付け孔の穿設位置を、歩行路面にマーキングするために用いる取付け孔マーキングプレートに関する。
【0002】
【従来の技術】
視覚障害者誘導用マーカーMは、図7に示すように、円形,長円形等の所定形状に形成された複数のマーカー本体aを、屋外の歩道や屋内の通路等の歩行路面bに所定の配列状態で設置することにより、視覚障害者の誘導に使用されている。
【0003】
ところで、前記マーカー本体aは、図8に示すように、歩行路面bに穿設した取付け孔cに、マーカー本体aの下底面から下方突成された連結杆dを挿入して接着剤eを介して固定されるが、前記取付け孔cの穿設に際しては、図9に示すように、複数の円形孔からなるマーキング用透孔fが形成された取付け孔マーキングプレートgを、予め歩行路面bに描いたプレートgの形状に一致する墨出し線hに合せて歩行路面b上に載置した状態で、各マーキング用透孔fに上方から塗料をスプレーすることにより、歩行路面bにマーキングiを表示するようにしている。
【0004】
ここで、前記マーキング用透孔fは、複数のマーカー本体aの所定の配列状態において、各マーカー本体aの連結杆dと一致する位置関係で配列されており、上記のように、各マーキング用透孔fに塗料をスプレーすることにより、歩行路面bに表示されるマーキングiが取付け孔cの穿設位置を示すこととなる。そして、このマーキングiの表示作業終了後、取付け孔マーキングプレートgを除去して、前記各マーキングiで示される穿設位置をドリルで穿孔することにより、各取付け孔cを形成するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の取付け孔マーキングプレートgにあっては、マーキング用透孔fがドリル刃の径より若干大きい円形孔であるため、歩行路面bに表示されるマーキングiもドリル刃の径より若干大きい円形となる。ところが、この円形のマーキングiにドリル刃を合せて穿孔しようとすると、穿孔当初はドリル刃が滑って、マーキングi上をずれ動くため、該マーキングiが削り取られて殆ど消えてしまう場合があり、こうなると穿設位置が分からず、感に頼って穿孔する以外に方法がないため、取付け孔cが適正位置からずれてしまうという問題点がある。そして、このように取付け孔cがずれると、複数のマーカー本体aを整然と配列させられないばかりか、三個の取付け孔cを直線上に列設する必要がある三本の連結杆dを備えた長円形のマーカー本体aにあっては、その取付け自体ができないこととなる。
【0006】
また、従来の取付け孔マーキングプレートgは、矩形状の薄い平板のみからなるため、取扱い性が悪く、墨出し線hとの位置合せや、次のマーキング箇所への移動が容易に行えないという問題点があった。
【0007】
本発明は、かかる問題点を解消し得る視覚障害者誘導用マーカーの取付け孔マーキングプレートを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下底面に下方突成された連結杆を、歩行路面に穿設した取付け孔に挿入して固定することにより、所定の配列状態で設置される視覚障害者誘導用マーカーの、その取付け孔の穿設位置をマーキングするための複数のマーキング用透孔を備えてなる視覚障害者誘導用マーカーの取付け孔マーキングプレートにおいて、前記マーキング用透孔が、取付け孔の穿設位置で交差してその交点で穿設位置を示す二本以上の仮想線上に形成した長孔からなることを特徴とする視覚障害者誘導用マーカーの取付け孔マーキングプレートである。
【0009】
ここで、上記二本以上の仮想線上に形成される長孔は、取付け孔の穿設位置で実際に交差していてもよく、また、交差させないで全体で穿設位置を示すものであってもよい。
【0010】
かかる構成にあって、マーキング用透孔の上方から塗料をスプレーして、歩行路面にマーキングを表示した状態で、ドリルを用いて取付け孔を穿孔する場合において、穿孔当初にドリル刃が滑って、マーキング上をずれ動き、中心部分のマーキングを消してしまっても、該マーキングが、交点で穿設位置を示す二本以上の仮想線上に形成した長孔で構成される孔形状に一致する形状であることにより、マーキングの残った部分で中心の穿孔位置を容易に推測することができる。これにより、ドリル刃を穿孔位置に簡単に合せられるので、取付け孔を正確に穿設することができる。
【0011】
また、上記構成にあって、プレート形状を矩形状とするとともに、矩形の各一辺の中点を示す位置決め用指標部を、各辺毎に夫々設けるようにしてもよい。この構成にあっては、直交する墨出し線を歩行路面に描き、該墨出し線に、各一辺の中点を示す位置決め用指標部を夫々合せることにより、取付け孔マーキングプレートの正確な位置決めを容易に行うことができる。
【0012】
さらに、上記構成にあって、取付け孔マーキングプレートの上面に移動調節用把手を突設するようにしてもよい。このように、移動調節用把手を設けることにより、墨出し線との位置合せや、次のマーキング箇所への移動が容易となり、その取扱い性を向上し得るものとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例を、図1〜図6について説明する。
【0014】
取付け孔マーキングプレート1は、金属板や硬質合成樹脂板等を素材とする比較的薄い矩形状の平板からなり、該取付け孔マーキングプレート1には、表裏面に貫通する複数のマーキング用透孔2が所定位置に形成されている。即ち、該マーキング用透孔2は、視覚障害者誘導用マーカーMを構成する複数のマーカー本体aの所定の配列状態(図7参照)において、各マーカー本体aの連結杆dと一致する位置関係で配列されており、各マーキング用透孔2によって、連結杆dを固定する取付け孔c(図8参照)の穿設位置をマーキングし得るようになっている。
【0015】
ここで、図1は、円形のマーカー本体aを縦横に六個ずつ並べて施工する場合におけるマーキング用透孔2の配列形態を示し、各マーカー本体aの中心に下方突成された単一の連結杆dに対応する位置にマーキング用透孔2が夫々配置されている。図2は、短い長円形のマーカー本体aを左右に二個直列させ、これを横に四列に並べて施工する場合におけるマーキング用透孔2の配列形態を示し、各マーカー本体aの両端部に下方突成された二本の連結杆d,dに対応する位置にマーキング用透孔2が夫々配置されている。図3は、さらに長い長円形のマーカー本体aを横に四列に並べて施工する場合におけるマーキング用透孔2の配列形態を示し、各マーカー本体aの両端部と、中間部とに下方突成された三本の連結杆d,d,dに対応する位置にマーキング用透孔2が夫々配置されている。尚、図1〜図3におけるマーカー本体aの配列は、条例で定められた基準に従ったものとなっている。また、マーキング用透孔2の大きさは、マーカー本体aより小さく設定されており、該マーキング用透孔2によって表示される後述のマーキング7を、施工後に、マーカー本体aで覆い隠すことができるようにしている。
【0016】
前記各マーキング用透孔2は、図4に示すように、取付け孔cの穿設位置で交差してその交点で穿設位置を示す二本以上の仮想線3上に形成した長孔4によって構成される。図4イは、直交する二本の仮想線3,3上に長孔4,4を交差させて形成したものであり、マーキング用透孔2が十字形を呈する孔形状となっている。図4ロは、直交する二本の仮想線3,3上において、該仮想線3,3の交点に近接して相互に連通しない長孔4を各仮想線3,3上に二個ずつ形成したものであり、マーキング用透孔2が取付け孔cの穿設位置を中心とする放射状の孔形状となっている。図4ハは、等角度で交差する三本の仮想線3,3,3上に、該仮想線3,3,3の交点で連通する長孔4,4,4を形成したものであり、また、図4ニは、等角度で交差する三本の仮想線3,3,3上において、該仮想線3,3,3の交点に近接して相互に連通しない長孔4を各仮想線3,3,3上に夫々形成したものであり、何れもマーキング用透孔2が取付け孔cの穿設位置を中心とする放射状の孔形状となっている。
【0017】
また、矩形状の取付け孔マーキングプレート1には、その外周の各一辺を等分する位置に略V形の切欠きからなる位置決め用指標部5が夫々形成されており、各位置決め用指標部5によって各辺の中点を示すようにしている。尚、図示した例では、位置決め用指標部5をV形の切欠きとしたが、これに代えて、狭幅の切欠き溝としてもよく、さらにプレート1の辺縁の表面に刻設又はペイントで棒線や矢印を表示して、これを位置決め用指標部5としてもよい。
【0018】
さらに、取付け孔マーキングプレート1の上面には、移動調節用把手6が突設されている。該移動調節用把手6は、取付け孔マーキングプレート1の中央部でその重心位置に配設されている。このように、移動調節用把手6を重心位置に設けることにより、取付け孔マーキングプレート1を片手で水平状に簡単に持ち上げることができるようにしている。
【0019】
かかる構成にあって、取付け孔マーキングプレート1を用いて歩行路面にマーキングを表示するには、図6に示すように、視覚障害者誘導用マーカーの敷設方向の中心位置を示す墨出し線L1 と、該墨出し線L1 に直交してプレート1の横幅の中心位置を示す複数の墨出し線L2 とを歩行路面に描き、この直交する墨出し線L1 ,L2 に各辺の位置決め用指標部5を夫々合せて取付け孔マーキングプレート1を歩行路面に載置する。このように、各辺の中点を示す位置決め用指標部5を墨出し線L1 ,L2 に夫々合せることにより、取付け孔マーキングプレート1の正確な位置決めを容易に行うことができる。また、この時、取付け孔マーキングプレート1の上面に移動調節用把手6が突設されていることにより、墨出し線L1 ,L2 との位置合せや、次のマーキング箇所への移動を容易に行うことができる。
【0020】
上記のように、取付け孔マーキングプレート1を位置決めした後、該プレート1に形成されている各マーキング用透孔2の上方から塗料をスプレーすることにより、各マーキング用透孔2の形状及びその配列に一致する複数のマーキング7が歩行路面に表示されることとなる。
【0021】
そして、このマーキング7の表示作業を繰り返して行い、作業終了後、取付け孔マーキングプレート1を除去して、各マーキング7で示される穿設位置をドリルで穿孔するのであるが、この時、ドリル刃が滑って、マーキング7上をずれ動き、マーキング7の中心部分を削って消失させてしまっても、該マーキング7が、交点で穿設位置を示す二本以上の仮想線3上に形成した長孔4で構成される孔形状に一致する形状であることにより、マーキング7の残った部分で中心の穿孔位置を容易に推測することができる。これにより、ドリル刃を穿孔位置に簡単に合せられるので、取付け孔cが正確に穿設され得る。
【0022】
【発明の効果】
本発明は上述のように、取付け孔マーキングプレート1に所定配列で形成されるマーキング用透孔2を、取付け孔cの穿設位置で交差してその交点で穿設位置を示す二本以上の仮想線3上に形成した長孔4によって構成したから、マーキング用透孔2の上方から塗料をスプレーして、歩行路面にマーキング7を表示した状態で、ドリルを用いて取付け孔cを穿孔する場合に、ドリル刃が滑って、マーキング7上をずれ動き、マーキング7の中心部分を消失させても、マーキング7の残った部分で中心の穿孔位置を推測し得ることにより、取付け孔cを正確な位置に穿設することができる。
【0023】
また、取付け孔マーキングプレート1を矩形状とし、矩形の各一辺の中点を示す位置決め用指標部5を、各辺毎に夫々設けたから、歩行路面に描いた直交する墨出し線L1 ,L2 に各辺の位置決め用指標部5を夫々合せることにより、取付け孔マーキングプレート1の正確な位置決めを容易に行うことができる。
【0024】
さらに、取付け孔マーキングプレート1の上面に移動調節用把手6を突設したので、墨出し線L1 ,L2 との位置合せや、次のマーキング箇所への移動を容易に行うことができ、その取扱い性を向上し得る等の優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる取付け孔マーキングプレートの平面図である。
【図2】他の配列形態のマーキング用透孔を備えた取付け孔マーキングプレートの平面図である。
【図3】他の配列形態のマーキング用透孔を備えた取付け孔マーキングプレートの平面図である。
【図4】マーキング用透孔の種々の孔形状を示す平面図である。
【図5】取付け孔マーキングプレートの正面図である。
【図6】マーキング表示作業を示す平面図である。
【図7】視覚障害者誘導用マーカーの設置例を示す平面図である。
【図8】マーカー本体の取付け状態を示す縦断面図である。
【図9】従来構成の取付け孔マーキングプレートによるマーキング表示作業を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 取付け孔マーキングプレート
2 マーキング用透孔
3 仮想線
4 長孔
5 位置決め用指標部
6 移動調節用把手
M 視覚障害者誘導用マーカー
a マーカー本体
c 取付け孔
d 連結杆
Claims (3)
- 下底面に下方突成された連結杆を、歩行路面に穿設した取付け孔に挿入して固定することにより、所定の配列状態で設置される視覚障害者誘導用マーカーの、その取付け孔の穿設位置をマーキングするための複数のマーキング用透孔を備えてなる視覚障害者誘導用マーカーの取付け孔マーキングプレートにおいて、
前記マーキング用透孔が、取付け孔の穿設位置で交差してその交点で穿設位置を示す二本以上の仮想線上に形成した長孔からなることを特徴とする視覚障害者誘導用マーカーの取付け孔マーキングプレート。 - プレート形状を矩形状とするとともに、矩形の各一辺の中点を示す位置決め用指標部を、各辺毎に夫々設けたことを特徴とする請求項1に記載した視覚障害者誘導用マーカーの取付け孔マーキングプレート。
- 上面に移動調節用把手を突設したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した視覚障害者誘導用マーカーの取付け孔マーキングプレート。
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JP29388399A JP4213314B2 (ja) | 1999-10-15 | 1999-10-15 | 視覚障害者誘導用マーカーの取付け孔マーキングプレート |
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JP2001115413A JP2001115413A (ja) | 2001-04-24 |
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JP29388399A Expired - Lifetime JP4213314B2 (ja) | 1999-10-15 | 1999-10-15 | 視覚障害者誘導用マーカーの取付け孔マーキングプレート |
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- 1999-10-15 JP JP29388399A patent/JP4213314B2/ja not_active Expired - Lifetime
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