JP4212862B2

JP4212862B2 - Method for stabilizing oil-in-water emulsions

Info

Publication number: JP4212862B2
Application number: JP2002293128A
Authority: JP
Inventors: 晋三浦; 範宜松原; 都田中
Original assignee: Snow Brand Milk Products Co Ltd
Current assignee: Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority date: 2002-10-07
Filing date: 2002-10-07
Publication date: 2009-01-21
Anticipated expiration: 2022-10-07
Also published as: JP2004121158A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製造後に長期間保存または流通工程を経た後も、固化または解乳化しない水中油型乳化物の安定化方法に関する。
本発明により得られた水中油型乳化物は、製造直後から長期間保存した後や、流通工程を経た後も固化または解乳化せず、安定な乳化状態を維持しているので、ホイップ用クリーム、再構成生クリーム等の食品に使用したり、その他、広く食品分野で利用することができるという特徴を有している。
【０００２】
【従来の技術】
【特許文献１】
特開昭60-72819号公報
【特許文献２】
特開平3-47192号公報
【非特許文献１】
Colloids Surf., Vol.61, p. 54-74 (1991)
【非特許文献２】
J. Am. Oil. Chem. Soc., Vol.78, p. 177-182 (2001)
【０００３】
生クリームやホイップクリーム等の水中油型乳化物においては、製造後から保存中あるいは流通工程を経る際に乳化が安定しており、固化や解乳化などの各種問題が起こらない安定な乳化を維持することが要求される。一方で、クリームのホイップ等を行う際には解乳化が起こりやすい性質が求められる。すなわち、製造から流通工程の段階と、実際の使用段階では相反する性質が求められている。このため、水中油型乳化物においては、適度な硬さを持つ油脂を数種類組み合わせて配合し、それに対してタンパク質、乳化剤などを数種類組み合わせて製造することが常法となっている。
水中油型乳化物、特にホイップクリームのように乳化安定性と解乳化能が求められる食品においては、保存中に乳化が崩壊し、脂肪球中に存在していた油脂が水中に放出されることにより脂肪球同士の凝集が起こり、クリーム全体が固まってしまうなどの組織劣化が観測される。この現象は固化、あるいは解乳化と呼ばれ、製品の機能や外観を著しく低下させるため、極めて大きな問題とされている。
【０００４】
これまでに、クリームの固化の発現機構解明については、Boodeら（Colloids Surf., Vol.61, pp 54-74, 1991）やMutohら(J. Am. Oil. Chem. Soc., Vol.78, pp 177-182, 2001)の報告があり、クリーム中の油脂に数％程度の結晶成分（固体脂）が残っているような温度でクリームを処理するとその後の冷却過程においてクリームの増粘・固化が生じるが、その処理温度以上あるいは以下の温度でクリームを処理した場合には固化が生じないことを報告している。また本発明者らは、直鎖飽和型脂肪酸が2分子以上結合した同一トリグリセリドを15重量％以上含有する原料油脂に対して、上記直鎖飽和型脂肪酸とは４炭素数以上鎖長が異なる直鎖飽和型脂肪酸が結合した乳化剤を使用することにより、水中油型乳化物の乳化を安定化できることを特許出願している（特願2002-52522号）。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、水中油型乳化物の乳化安定に関する統一的な検討は未だ途上であり、製造工程における乳化剤の種類の変更や、配合油脂の種類の変更など、対処療法的な手段が講じられてきたに過ぎない。このため、保存流通時の各種条件の変化などにより、水中油型乳化物の固化や解乳化が起こる危険性があった。
特に、乳脂を構成油脂の50重量％以上含有する水中油型乳化物においては、風味の点で植物性油脂を原料とした水中油型乳化物と比べて優れており、付加価値が高いことから、保存流通時に水中油型乳化物を安定に保つことが求められていた。従来、乳化剤や安定剤として大豆レシチンやヘキサメタリン酸等が用いられてきたが、大豆レシチンは乳化の安定性の点で問題があり、また乳化剤に加えてヘキサメタリン酸を添加して乳化を安定化させる方法は、乳化の安定性は優れているが風味の点で問題があり、満足のいく水中油型乳化物は得られていない。
従って、本発明は、乳脂を構成油脂の主成分とする水中油型乳化物において、流通工程を経た後も固化または解乳化せず、安定な乳化状態を維持させる方法を提供することを課題とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の水中油型乳化物における固化や解乳化の問題を解決するべく、鋭意研究を進めてきたところ、乳脂を50重量％以上含有する原料油脂を用いた水中油型乳化物を調製するにあたり、乳化剤として乳由来フォスファチジルコリン(PC)を使用することにより、水中油型乳化物の乳化を安定化させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明により乳化が安定化された水中油型乳化物は、流通工程を経た後も固化または解乳化せず、安定な乳化状態を維持しているので、ホイップ用クリーム、再構成生クリーム等の食品に使用したり、その他、広く食品分野で利用することができるという特徴を有している。
【０００７】
【発明の実施の形態】
本発明は、原料油脂として乳脂を全油脂中の50重量％以上となるように配合したものに効果を有する。乳脂が全油脂中の50重量％未満であると、乳本来の風味が弱くなってしまい、また本発明の方法を採用する必要はない。乳脂以外の油脂としては特に限定はなく、例えば、大豆油、卵黄脂、ナタネ油、ひまわり油、オリーブ油等を使用することができる。
【０００８】
本発明に使用する乳化剤としては、乳由来PCを使用する。乳由来PCとしては、例えば特開平3-47192号公報に記載の方法により得られた高純度に精製されたもの等を使用することができる。すなわち、脱脂粉乳やバターミルク粉等の乳素材から脂質の抽出を行って濃縮乾固したものをアセトンで抽出し、得られたアセトン不溶分を液々分配クロマトグラフにより精製することにより得られた乳由来PC等を使用することができる。さらに、乳由来PCを含有した乳由来レシチンを使用することがコスト面から考えるとより好ましい。乳由来レシチンとしては、特開昭60-72819号公報に記載の方法により得られた乳由来PCを含有した乳由来レシチンを多く含む脂肪球皮膜等を使用することができる。すなわち、バターミルクに硫酸アンモニウムを加えて50％飽和にして一晩放置した後、遠心分離を行って上清を得、この上清を蒸留水に対して透析した後遠心分離して沈殿を回収し、凍結乾燥して得られた脂肪球皮膜等を使用することができる。
【０００９】
乳由来PCの添加量としては、特に制限はなく、風味に影響を及ぼさない程度までなら添加してもよいが、原料油脂中の乳脂に対して0.03重量％以上添加するのが、乳化の安定性の点で好ましい。また、乳化剤の添加量としては、原料油脂に対して3重量％以下であることが風味の点で好ましい。なお、乳由来PC（乳由来レシチン）は油相に添加するのが好ましい。
【００１０】
本発明における水中油型乳化物は、原料として上記原料油脂及び乳由来PCを使用する以外は、通常の製造方法で得ることができる。すなわち、原料油脂に乳由来PCを添加して得られた油相と、水に乳タンパク質濃縮物（MPC）等のタンパク質を添加して得られた水相とを混合して予備乳化した後、均質化して、急速冷却を行うことにより得ることができる。
【００１１】
急速冷却の冷媒に特に制限はないが、液体窒素やドライアイスあるいはアンモニアなどで、冷媒温度としては0℃以下に設定する。冷却機としては、特に制限はないが、プレート式の冷却機を用いるか、液体窒素の場合には直接噴霧が便利である。
【００１２】
本発明により得られた水中油型乳化物は、0〜35℃までの温度範囲で保存を行った際にも、固化や解乳化を生じず、製造後の冷却直後から長期保存あるいは流通工程を経ても安定な乳化を維持しているので、食品の品質安定化という点で有用である。
また、本発明により得られた水中油型乳化物は、固化や解乳化が保存中あるいは流通工程中に起きないことから、水中油型乳化食品において、常法として用いられているヘキサメタリン酸等の強力な安定剤を乳化剤に加えて解乳化阻害を行う必要性がなくなり、安全性および風味の点で優れている。さらに、実際に食した際に、乳化が速やかに壊れることによりフレーバーの口中への分散が早く、官能的により好ましい。
次に、実施例及び試験例を示し、本発明を詳しく説明する。
【００１３】
【実施例１】
表１に示した原料油脂と乳化剤の組み合わせで、水中油型乳化物（試作品１〜６）を製造した。
【００１４】
【表１】

【００１５】
原料油脂を60℃で1時間放置し、完全に溶解させた後、乳化剤としてレシチンを添加し、溶解させて油相を得た。また、60℃に維持した水にMPCを3重量％添加し、溶解させて水相を得た。このようにして得られた水相60重量部と油相40重量部を混合し、TKホモミキサーで10,000rpmで5分間予備乳化を行い、さらに80kg/cm²の均質圧で均質化した後、プレート式熱交換器で5℃まで冷却して６種類の水中油型乳化物を製造した。なお、乳由来レシチンについては、乳由来レシチンを50重量％含有する脂肪球皮膜成分（乳由来レシチン中のPC含量30重量％）を使用し、大豆由来レシチンについては、市販の大豆レシチン（日清製油社製、PC含量30重量％）を使用した。
【００１６】
【試験例１】
実施例１で得られた試作品１〜６を、5℃で1週間保存した後に、室温に取り出し、目視による観察を行った。その結果、原料油脂が乳脂50重量％以上で乳化剤として乳由来レシチンを使用した試作品１〜３及び５は、固化や解乳化は生じていなかった。これに対して原料油脂が乳脂100重量％で乳化剤として大豆由来レシチンを使用した試作品４は、流動性が全く無くなり、固化が起きていた。また、原料油脂が乳脂40重量％である試作品６は、乳脂に対する乳由来PCの添加量が試作品１及び５と同じであるにもかかわらず流動性が全く無くなり、固化が起きていた。また、試作品1〜6の脂肪球の粒径を測定したところ、製造直後は全ての試作品が平均2.2μmの粒径を維持しており、さらに、1週間保存後も固化や解乳化が生じていなかった試作品１〜３及び５については、1週間保存後も平均2.2μmの粒径を維持していた。
このことから、原料油脂が乳脂50重量％以上であり、乳化剤として乳由来レシチンを使用した水中油型乳化物は、乳化が安定であることが分かった。
なお、乳化が安定であった試作品１〜３及び５については、１週間保存後も風味は良好であった。
【００１７】
【実施例２】
乳脂を60℃で1時間放置し、完全に溶解させた後、乳化剤として精製乳由来PC、精製乳由来フォスファチジルエタノールアミン(PE)及び精製乳由来スフィンゴミエリン(SPM)を表２で示した割合で混合したものをそれぞれ0.3重量％添加し、溶解させ油相を得た。また60℃に維持した水に、MPCを3重量％添加し、溶解させて水相を得た。このようにして得られた水相60重量部と油相40重量部を混合し、TKホモミキサーで10,000rpmで5分間予備乳化を行い、さらに80kg/cm²の均質圧で均質化した後、プレート式殺菌機で5℃まで冷却して6種類の水中油型乳化物（試作品７〜１２）を製造した。
【００１８】
【表２】

【００１９】
【試験例２】
実施例２で得られた試作品７〜１１を5℃で1週間保存した後に、室温に取り出し、目視による観察を行った。その結果、乳脂に対してPCを0.03重量％以上含有した乳化剤を用いた試作品７〜９は、固化や解乳化は生じていなかった。PCを全く添加しなかった試作品１０及び１１は、流動性が全く無くなり、固化が起きていた。また、試作品７〜１１の脂肪球の粒径を測定したところ、製造直後は全ての試作品が平均2.2μmの粒径を維持しており、さらに、1週間保存後も固化や解乳化が生じていなかった試作品７〜９については、1週間保存後も平均2.2μmの粒径を維持していた。
このことから、乳脂に対して乳由来PCを0.03重量％以上添加した水中油型乳化物は、乳化が安定であることが分かった。
なお、乳化が安定であった試作品７〜９については、１週間保存後も風味は良好であった。
【００２０】
【発明の効果】
本発明により得られた、原料油脂として乳脂を50重量％以上含有する水中油型乳化物は、固化や解乳化が保存中あるいは流通工程の中で起きないことから、品質安定化という点で非常に有用である。また、強力な乳化剤を使用して解乳化阻害を行う必要がないことから、安全性および風味の点で優れている。さらに、実際に食した際に、乳化が速やかに壊れることによりフレーバーの口中への分散が速く、官能的にも好ましい。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for stabilizing an oil-in-water emulsion that does not solidify or demulsify even after a long-term storage or distribution process after production.
The oil-in-water emulsion obtained by the present invention maintains a stable emulsified state without being solidified or de-emulsified even after being stored for a long time immediately after production or after passing through a distribution process. It can be used for foods such as reconstituted fresh creams, and can be used widely in the food field.
[0002]
[Prior art]
[Patent Document 1]
JP 60-72819 A [Patent Document 2]
Japanese Patent Laid-Open No. 3-47192 [Non-Patent Document 1]
Colloids Surf., Vol. 61, p. 54-74 (1991)
[Non-Patent Document 2]
J. Am. Oil. Chem. Soc., Vol. 78, p. 177-182 (2001)
[0003]
In oil-in-water emulsions such as whipped cream and whipped cream, the emulsification is stable during production and during storage or through distribution processes, maintaining stable emulsification without causing problems such as solidification and demulsification. It is required to do. On the other hand, when performing cream whipping or the like, a property that facilitates demulsification is required. In other words, contradictory properties are required between the manufacturing and distribution process stages and the actual use stage. For this reason, in an oil-in-water emulsion, it is a usual method to mix and combine several types of fats and oils having appropriate hardness, and to combine several types of proteins and emulsifiers.
In oil-in-water emulsions, especially in foods that require emulsification stability and demulsibility, such as whipped cream, the emulsification collapses during storage, and the fats and oils present in the fat globules are released into the water. As a result, aggregation of fat globules occurs, and tissue deterioration such as the whole cream solidifying is observed. This phenomenon is called solidification or demulsification and is a very serious problem because it significantly deteriorates the function and appearance of the product.
[0004]
So far, regarding the elucidation of the mechanism of cream solidification, Boode et al. (Colloids Surf., Vol. 61, pp 54-74, 1991) and Mutoh et al. (J. Am. Oil. Chem. Soc., Vol. 78). , pp 177-182, 2001), and when the cream is processed at a temperature at which a few percent of the crystalline component (solid fat) remains in the fat and oil in the cream, It has been reported that solidification occurs, but no solidification occurs when the cream is processed at a temperature higher or lower than the processing temperature. In addition, the inventors of the present invention have a raw oil and fat containing 15% by weight or more of the same triglyceride in which two or more molecules of linear saturated fatty acid are bonded. A patent application has been filed that the emulsification of an oil-in-water emulsion can be stabilized by using an emulsifier combined with a chain saturated fatty acid (Japanese Patent Application No. 2002-52522).
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, a unified study on the emulsion stability of oil-in-water emulsions is still in progress, and coping therapy measures such as changing the type of emulsifier in the manufacturing process and changing the type of blended oil and fat have been taken. Not too much. For this reason, there is a risk that the oil-in-water emulsion is solidified or demulsified due to changes in various conditions during storage and distribution.
In particular, oil-in-water emulsions containing 50% by weight or more of fats and oils are superior to oil-in-water emulsions made from vegetable oils and have high added value in terms of flavor. Therefore, there has been a demand for keeping the oil-in-water emulsion stable during storage and distribution. Conventionally, soy lecithin, hexametaphosphoric acid and the like have been used as an emulsifier and stabilizer, but soy lecithin has a problem in terms of stability of emulsification, and in addition to the emulsifier, hexametaphosphoric acid is added to stabilize the emulsification. The method is excellent in stability of emulsification but has a problem in flavor, and a satisfactory oil-in-water emulsion has not been obtained.
Accordingly, an object of the present invention is to provide a method for maintaining a stable emulsified state without solidifying or demulsifying even after passing through a distribution step in an oil-in-water emulsion containing milk fat as a main component of constituent fats and oils. To do.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The inventors of the present invention have been diligently researched to solve the problems of solidification and demulsification in the oil-in-water emulsion described above. The oil-in-water emulsification using a raw oil / fat containing 50% by weight or more of milk fat. In preparing the product, it was found that by using milk-derived phosphatidylcholine (PC) as an emulsifier, the emulsification of the oil-in-water emulsion can be stabilized, and the present invention has been completed. The oil-in-water emulsion whose emulsification has been stabilized according to the present invention does not solidify or de-emulsify after passing through the distribution process, and maintains a stable emulsified state, such as whipping cream, reconstituted fresh cream, etc. It has the feature that it can be used in food and can be widely used in the food field.
[0007]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention has an effect on a mixture of milk fat as raw oil and fat so as to be 50% by weight or more of the total fat and oil. When the milk fat is less than 50% by weight in the total fats and oils, the original flavor of milk becomes weak, and it is not necessary to adopt the method of the present invention. Oils and fats other than milk fat are not particularly limited, and for example, soybean oil, egg yolk fat, rapeseed oil, sunflower oil, olive oil and the like can be used.
[0008]
Milk-derived PC is used as the emulsifier used in the present invention. As the milk-derived PC, for example, a highly purified product obtained by the method described in JP-A-3-47192 can be used. That is, it was obtained by extracting lipids from dairy materials such as skim milk powder and buttermilk powder, concentrating to dryness with acetone, and purifying the obtained acetone insoluble matter by liquid-liquid partition chromatography. Milk-derived PC or the like can be used. Furthermore, it is more preferable from the viewpoint of cost to use milk-derived lecithin containing milk-derived PC. As milk-derived lecithin, a fat globule membrane containing a large amount of milk-derived lecithin containing milk-derived PC obtained by the method described in JP-A-60-72819 can be used. That is, after adding ammonium sulfate to buttermilk and allowing it to reach 50% saturation and allowing it to stand overnight, centrifugation is performed to obtain a supernatant. This supernatant is dialyzed against distilled water and centrifuged to collect a precipitate. A fat globule film obtained by lyophilization can be used.
[0009]
The amount of milk-derived PC added is not particularly limited, and may be added to the extent that it does not affect the flavor. However, adding 0.03% by weight or more to the milk fat in the raw oil / fat can stabilize the emulsification. From the viewpoint of sex. Further, the amount of the emulsifier added is preferably 3% by weight or less with respect to the raw material fats and oils from the viewpoint of flavor. Note that milk-derived PC (milk-derived lecithin) is preferably added to the oil phase.
[0010]
The oil-in-water emulsion in the present invention can be obtained by a normal production method except that the raw material fat and milk-derived PC are used as raw materials. That is, after preliminarily emulsifying the oil phase obtained by adding milk-derived PC to the raw oil and fat and the water phase obtained by adding protein such as milk protein concentrate (MPC) to water, It can be obtained by homogenization and rapid cooling.
[0011]
There is no particular restriction on the rapid cooling refrigerant, but the temperature of the refrigerant is set to 0 ° C. or less with liquid nitrogen, dry ice or ammonia. Although there is no restriction | limiting in particular as a cooler, A plate-type cooler is used, or in the case of liquid nitrogen, direct spraying is convenient.
[0012]
The oil-in-water emulsion obtained by the present invention does not cause solidification or demulsification even when stored in the temperature range from 0 to 35 ° C., and can be stored for a long time or immediately after cooling after production. Since stable emulsification is maintained even after passing, it is useful in terms of stabilizing food quality.
In addition, since the oil-in-water emulsion obtained by the present invention does not cause solidification or demulsification during storage or during the distribution process, such as hexametaphosphoric acid that is commonly used in oil-in-water emulsion foods There is no need to add a strong stabilizer to the emulsifier to inhibit demulsification, which is excellent in terms of safety and flavor. Furthermore, when the food is actually eaten, the emulsification breaks quickly, so that the flavor is quickly dispersed in the mouth, which is more preferable sensory.
Next, an Example and a test example are shown and this invention is demonstrated in detail.
[0013]
[Example 1]
Oil-in-water emulsions (prototypes 1 to 6) were produced using the combinations of raw material fats and emulsifiers shown in Table 1.
[0014]
[Table 1]

[0015]
The raw oil and fat was allowed to stand at 60 ° C. for 1 hour and completely dissolved, and then lecithin was added as an emulsifier and dissolved to obtain an oil phase. Further, 3% by weight of MPC was added to water maintained at 60 ° C. and dissolved to obtain an aqueous phase. 60 parts by weight of the aqueous phase thus obtained and 40 parts by weight of the oil phase were mixed, pre-emulsified with a TK homomixer at 10,000 rpm for 5 minutes, and further homogenized at a homogeneous pressure of 80 kg / cm ² , Six types of oil-in-water emulsions were produced by cooling to 5 ° C. with a plate heat exchanger. For milk-derived lecithin, a fat globule membrane component containing 50% by weight of milk-derived lecithin (PC content in milk-derived lecithin: 30% by weight) is used. For soybean-derived lecithin, commercially available soy lecithin (Nisshin) (Oil Refinery, PC content 30% by weight) was used.
[0016]
[Test Example 1]
Samples 1 to 6 obtained in Example 1 were stored at 5 ° C. for 1 week, then taken out to room temperature, and visually observed. As a result, solidification and demulsification did not occur in the prototypes 1 to 3 and 5 in which the raw material fat was 50% by weight or more of milk fat and used milk-derived lecithin as an emulsifier. On the other hand, Prototype 4 using 100% by weight of raw oil and fat and soybean-derived lecithin as an emulsifier had no fluidity and was solidified. Further, in the prototype 6 in which the raw material fat was 40% by weight of milk fat, the fluidity was completely lost and the solidification occurred although the addition amount of the milk-derived PC to the milk fat was the same as the prototypes 1 and 5. In addition, when the particle size of the fat globules of prototypes 1 to 6 was measured, all the prototypes maintained an average particle size of 2.2 μm immediately after production, and further solidified and demulsified after storage for 1 week. The prototypes 1 to 3 and 5 that did not occur maintained an average particle size of 2.2 μm even after storage for 1 week.
From this, it was found that the oil-in-water type emulsion in which the raw material fat is 50% by weight or more of milk fat and milk-derived lecithin is used as an emulsifier is stable in emulsification.
In addition, about the prototypes 1-3 and 5 whose emulsification was stable, the flavor was favorable after 1 week preservation | save.
[0017]
[Example 2]
The milk fat was allowed to stand at 60 ° C. for 1 hour and completely dissolved, and then purified milk-derived PC, purified milk-derived phosphatidylethanolamine (PE) and purified milk-derived sphingomyelin (SPM) are shown in Table 2. Each of the components mixed at a ratio was added by 0.3% by weight and dissolved to obtain an oil phase. In addition, 3% by weight of MPC was added to water maintained at 60 ° C. and dissolved to obtain an aqueous phase. 60 parts by weight of the aqueous phase thus obtained and 40 parts by weight of the oil phase were mixed, pre-emulsified with a TK homomixer at 10,000 rpm for 5 minutes, and further homogenized at a homogeneous pressure of 80 kg / cm ² , Six types of oil-in-water emulsions (prototypes 7 to 12) were produced by cooling to 5 ° C. with a plate sterilizer.
[0018]
[Table 2]

[0019]
[Test Example 2]
The prototypes 7 to 11 obtained in Example 2 were stored at 5 ° C. for 1 week, then taken out to room temperature and visually observed. As a result, solidification and demulsification did not occur in prototypes 7 to 9 using an emulsifier containing 0.03% by weight or more of PC with respect to milk fat. Prototypes 10 and 11 to which no PC was added had no fluidity and solidification occurred. In addition, when the particle sizes of the fat globules of prototypes 7 to 11 were measured, all the prototypes maintained an average particle size of 2.2 μm immediately after production, and further solidified and demulsified after storage for 1 week. For prototypes 7 to 9, which did not occur, the average particle size of 2.2 μm was maintained even after storage for 1 week.
From this, it was found that the oil-in-water emulsion obtained by adding 0.03% by weight or more of milk-derived PC to milk fat is stable in emulsification.
In addition, about prototypes 7-9 in which emulsification was stable, the flavor was good even after storage for 1 week.
[0020]
【The invention's effect】
The oil-in-water type emulsion containing 50% by weight or more of milk fat as a raw oil / fat obtained according to the present invention is very stable in terms of quality stabilization because solidification and demulsification do not occur during storage or distribution processes. Useful for. Moreover, since it is not necessary to perform demulsification inhibition using a strong emulsifier, it is excellent in terms of safety and flavor. Furthermore, when the food is actually eaten, the emulsification breaks quickly, so that the flavor is rapidly dispersed in the mouth, which is also preferable in terms of sensuality.

Claims

Milk fat In preparing whipped cream or reconstituted cream using raw material oils and fats containing more than 50 wt%, whipping cream or reconstituted cream, characterized by using a milk-derived phosphatidylcholine as emulsifier Stabilization method.

The method for stabilizing a whipped cream or a reconstituted fresh cream according to claim 1, wherein the addition amount of the milk-derived phosphatidylcholine is 0.03% by weight or more of the milk fat contained in the raw oil and fat.

The method for stabilizing a cream for whipping or a reconstituted fresh cream according to claim 1 or 2, wherein the emulsifier is milk-derived lecithin.