JP4210420B2 - Photothermographic material - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はハロゲン化銀写真感光材料、特に熱現像感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、医療診断用フィルム分野や写真製版フィルム分野において環境保全、省スペースの観点から処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、レーザー・イメージセッターまたはレーザー・イメージャーにより効率的に露光させることができ、高解像度および鮮鋭さを有する鮮明な黒色画像を形成することができる医療診断用フィルムおよび写真製版用フィルムとして熱現像感光材料に関する技術が必要とされている。これら熱現像感光材料によれば、溶液系の処理化学薬品を必要とせず、より簡単で環境を損なわない熱現像処理システムを顧客に対して供給することができる。
【0003】
一般の画像形成材料の分野でも同様の要求はあるが、特に医療診断用画像は微細な描写が要求されるため鮮鋭性、粒状性に優れる高画質が必要であるうえ、診断のし易さの観点から冷黒調の画像が好まれる特徴がある。現在、インクジェットプリンター、電子写真など顔料、染料を利用した各種ハードコピーシステムが一般画像形成システムとして流通しているが、医療用画像の出力システムとしては満足できるものがない。
【0004】
一方、有機銀塩を利用した熱画像形成システムが、例えば、米国特許3152904号、同3457075号の各明細書およびD.クロスタボーア(Klosterboer)著「熱によって処理される銀システム(Thermally Processed Silver Systems)」(イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテリアルズ(Imaging Processes and Materials)Neblette 第8版、J.スタージ(Sturge)、V.ウオールワース(Walworth)、A.シェップ(Shepp) 編集、第9章、第279頁、1989年)に記載されている。特に、熱現像感光材料は、一般に、触媒活性量の光触媒(例えば、ハロゲン化銀)、還元剤、還元可能な銀塩(例えば、有機銀塩)、必要により銀の色調を制御する色調剤を、バインダーのマトリックス中に分散した感光性層を有している。熱現像感光材料は、画像露光後、高温(例えば80℃以上)に加熱し、還元可能な銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応により、黒色の銀画像を形成する。酸化還元反応は、露光で発生したハロゲン化銀の潜像の触媒作用により促進される。そのため、黒色の銀画像は、露光領域に形成される。米国特許2910377 号、特公昭43-4924 号をはじめとする多くの文献に開示されている。
【0005】
しかしながら、有機銀塩を含有する熱現像感光材料においては、赤色レーザー光を吸収し得る増感色素を用いても、赤外色素より緩和されたとはいえ、実用上無視し得ない程度のカブリの出現や、保存時の性能変動が依然として問題となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、感度が高く、低カブリで保存性良好なハロゲン化銀写真感光材料、特に熱現像感光材料を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題は下記手段によって解決された。
(1)支持体の一方面上に少なくとも1種類の感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、銀イオンのための還元剤及びバインダーを含有する熱現像感光材料において、一般式( II )で表されるメロシアニン色素と一般式( III )で表されるメロシアニン色素を各々少なくとも1種含有することを特徴とする熱現像感光材料。
一般式( II )
【0010】
【化5】
【0011】
〔式中R3 及びR4 は各々アルキル基、アリール基または複素環基を表す。V1 、V2 、V3 、V4 、V5 およびV6 は各々水素原子または置換基を表す。L5 、L6 、L7 およびL8 は各々メチン基を表す。M2 は電荷中和対イオンを表し、m2 は分子内の電荷を中和させるのに必要な0以上の数である。〕
一般式(III)
【0012】
【化6】
【0013】
〔式中R5 及びR6 は各々アルキル基、アリール基または複素環基を表す。V7 、V8 、V9 およびV10は各々水素原子または置換基を表す。L9 、L10、L11およびL12は各々メチン基を表す。M3 は電荷中和対イオンを表し、m3 は分子内の電荷を中和させるのに必要な0以上の数である。〕
(2) 一般式( II )で表されるメロシアニン色素のうち、R 4 がカルボキシメチル基であることを特徴とする(1)記載の熱現像感光材料。
(3) 一般式( II )で表わされるメロシアニン色素のうち、V 1 、V 2 、V 3 ,V 4 、V 5 およびV 6 が水素原子であることを特徴とする(1)または(2)記載の熱現像感光材料。
(4) 一般式(III)で表わされるメロシアニン色素のうち、V7 およびV10が各々水素原子、V8 およびV9 が各々アルキル基であることを特徴とする(1)〜(3)記載の熱現像感光材料。
(5) 一般式(III)で表わされるメロシアニン色素のうち、R5 が炭素数5以上10以下の無置換アルキル基であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の熱現像感光材料。
(6) 一般式(II)で表わされるメロシアニン色素及び一般式( III )で表わされるメロシアニン色素を含むハロゲン化銀乳剤(感光性ハロゲン化銀を含むハロゲン化銀乳剤)がテルル増感剤によって増感されていることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の熱現像感光材料。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に一般式(I)〜(III)をさらに詳細に説明する。
なお、本発明は一般式( II )及び( III )に関するものであるが、一般式(I)についても参考のために記載した。
【0015】
Z1 はナフトオキサゾール環を形成するのに必要な原子群を表す。Z1 としては、ナフト〔2、1ーd〕オキサゾール、ナフト〔2、3ーd〕オキサゾール、ナフト〔1、2ーd〕オキサゾール環などが挙げられ、さらにこれらの環は置換されていてもよい。置換基としては特に制限はないが、例えば、ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、沃素、フッ素)、メルカプト基、シアノ基、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、ヒドロキシ基、炭素数1から10、好ましくは炭素数2から8、更に好ましくは炭素数2から5のカルバモイル基(例えばメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、モルホリノカルボニル)、炭素数0から10、好ましくは炭素数2から8、更に好ましくは炭素数2から5のスルファモイル基(例えばメチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ピペリジノスルフォニル)、ニトロ基、炭素数1から20、好ましくは炭素数1から10、更に好ましくは炭素数1から8のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−フェニルエトキシ)、炭素数6から20、好ましくは炭素数6から12、更に好ましくは炭素数6から10のアリールオキシ基(例えばフェノキシ、p−メチルフェノキシ、p−クロロフェノキシ、ナフトキシ)、
【0016】
炭素数1から20、好ましくは炭素数2から12、更に好ましくは炭素数2から8のアシル基(例えばアセチル、ベンゾイル、トリクロロアセチル)、炭素数1から20、好ましくは炭素数2から12、更に好ましくは炭素数2から8のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、炭素数1から20、好ましくは炭素数2から12、更に好ましくは炭素数2から8のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ)、炭素数1から20、好ましくは炭素数1から10、更に好ましくは炭素数1から8のスルホニル基(例えばメタンスルホニル、エタンスルホニル、ベンゼンスルホニル)、炭素数1から20、好ましくは炭素数1から10、更に好ましくは炭素数1から8のスルフィニル基(例えばメタンスルフィニル、エタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル)、炭素数1から20、好ましくは炭素数1から10、更に好ましくは炭素数1から8のスルホニルアミノ基(例えばメタンスルホニルアミノ、エタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ)、アミノ基、炭素数1から20、好ましくは炭素数1から12、更に好ましくは炭素数1から8の置換アミノ基(例えばメチルアミノ、ジメチルアミノ、ベンジルアミノ、アニリノ、ジフェニルアミノ)、炭素数0から15、好ましくは炭素数3から10、更に好ましくは炭素数3から6のアンモニウム基(例えばトリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム)、炭素数0から15、好ましくは炭素数1から10、更に好ましくは炭素数1から6のヒドラジノ基(例えばトリメチルヒドラジノ基)、炭素数1から15、好ましくは炭素数1から10、更に好ましくは炭素数1から6のウレイド基(例えばウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基)、炭素数1から15、好ましくは炭素数1から10、更に好ましくは炭素数1から6のイミド基(例えばスクシンイミド基)、炭素数1から20、好ましくは炭素数1から12、更に好ましくは炭素数1から8のアルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ)、炭素数6から20、好ましくは炭素数6から12、更に好ましくは炭素数6から10のアリールチオ基(例えばフェニルチオ、p−メチルフェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、2−ピリジルチオ、ナフチルチオ)、炭素数2から20、好ましくは炭素数2から12、更に好ましくは炭素数2から8のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2−ベンジルオキシカルボニル)、炭素数6から20、好ましくは炭素数6から12、更に好ましくは炭素数6から10のアリーロキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル)、炭素数1から18、好ましくは炭素数1から10、更に好ましくは炭素数1から5の無置換アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル)、炭素数1から18、好ましくは炭素数1から10、更に好ましくは炭素数1から5の置換アルキル基{例えばヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、ベンジル、カルボキシエチル、エトキシカルボニルメチル、アセチルアミノメチル、またここでは炭素数2から18、好ましくは炭素数3から10、更に好ましくは炭素数3から5の不飽和炭化水素基(例えばビニル基、エチニル基、1−シクロヘキセニル基、ベンジリジン基、ベンジリデン基)も置換アルキル基に含まれることにする}、炭素数6から20、好ましくは炭素数6から15、更に好ましくは炭素数6から10の置換又は無置換のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、p−カルボキシフェニル、p−ニトロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、p−シアノフェニル、m−フルオロフェニル、p−トリル)、炭素数1から20、好ましくは炭素数2から10、更に好ましくは炭素数4から6の置換又は無置換のヘテロ環基(例えばピリジル、5−メチルピリジル、チエニル、フリル、モルホリノ、テトラヒドロフルフリル)が挙げられる。また、ベンゼン環やナフタレン環が縮合した構造もとることができる。これらの置換基群を以下置換基群Vと呼ぶ。
さらに、これらの置換基上にさらに此処までに説明した置換基が置換していても良い。置換基としては好ましくはハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基又はアルキル基である。
Z1 として好ましくは、ナフト〔2、1ーd〕オキサゾール環であり、特に好ましくは無置換のナフト〔2、1ーd〕オキサゾール環である。
【0017】
R1 、R2 、R3 、R4 、R5 及びR6 はそれぞれアルキル基、アリール基または複素環基を表し、さらに置換されていてもよい。R1 、R3 及びR5 として具体的には、例えば、炭素原子1から18、好ましくは1から7、特に好ましくは1から4の無置換アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、オクタデシル)、炭素原子1から18、好ましくは1から7、特に好ましくは1から4の置換アルキル基{例えば置換基として前述のVが置換したアルキル基が挙げられる。好ましくはアラルキル基(例えばベンジル、2−フェニルエチル)、不飽和炭化水素基(例えばアリル基)、ヒドロキシアルキル基(例えば、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル)、カルボキシアルキル基(例えば、2−カルボキシエチル、3−カルボキシプロピル、4−カルボキシブチル、カルボキシメチル)、アルコキシアルキル基(例えば、2−メトキシエチル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル)、アリーロキシアルキル基(例えば2−フェノキシエチル、2−(1−ナフトキシ)エチル)、アルコキシカルボニルアルキル基(例えばエトキシカルボニルメチル、2−ベンジルオキシカルボニルエチル)、アリーロキシカルボニルアルキル基(例えば3−フェノキシカルボニルプロピル)、アシルオキシアルキル基(例えば2−アセチルオキシエチル)、アシルアルキル基(例えば2−アセチルエチル)、カルバモイルアルキル基(例えば2−モルホリノカルボニルエチル)、スルファモイルアルキル基(例えばN,N−ジメチルカルバモイルメチル)、スルホアルキル基(例えば、2−スルホエチル、3−スルホプロピル、3−スルホブチル、4−スルホブチル、2−[3−スルホプロポキシ]エチル、2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル、3−スルホプロポキシエトキシエチル)、スルホアルケニル基、スルファトアルキル基(例えば、2−スルファトエチル基、3−スルファトプロピル、4−スルファトブチル)、複素環置換アルキル基(例えば2−(ピロリジン−2−オン−1−イル)エチル、テトラヒドロフルフリル)、アルキルスルホニルカルバモイルメチル基(例えばメタンスルホニルカルバモイルメチル基)}、炭素数6から20、好ましくは炭素数6から10、さらに好ましくは炭素数6から8の無置換アリール基(例えばフェニル基、1−ナフチル基)、炭素数6から20、好ましくは炭素数6から10、さらに好ましくは炭素数6から8の置換アリール基(例えば置換基の例として挙げた前述のVが置換したアリール基が挙げられる。具体的にはp−メトキシフェニル基、p−メチルフェニル基、p−クロロフェニル基などが挙げられる。)、炭素数1から20、好ましくは炭素数3から10、さらに好ましくは炭素数4から8の無置換複素環基(例えば2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリジル基、3−ピラゾリル、3−イソオキサゾリル、3−イソチアゾリル、2−イミダゾリル、2−オキサゾリル、2−チアゾリル、2−ピリダジル、2−ピリミジル、3−ピラジル、2−(1,3,5-トリアゾリル)、3−(1,2,4-トリアゾリル)、5−テトラゾリル)、炭素数1から20、好ましくは炭素数3から10、さらに好ましくは炭素数4から8の置換複素環基(例えば置換基の例として挙げた前述のVが置換した複素環基が挙げられる。具体的には5−メチル−2−チエニル基、4−メトキシ−2−ピリジル基などが挙げられる。)が挙げられる。アルキル基の置換基として好ましくは、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、スルファト基、ホスホノ基、アルキルスルフォニルカルバモイル基(例えば、メタンスルフォニルカルバモイル基)、アシルカルバモイル基(例えば、アセチルカルバモイル基)、アシルスルファモイル基(例えば、アセチルスルファモイル基)、アルキルスルフォニルスルファモイル基(例えば、メタンスルフォニルスルファモイル基)、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基が挙げられる。更に好ましくはスルホ基である。
R1 、R3 及びR5 としては好ましくは、炭素数1〜18の無置換アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基)またはスルホアルキル基(スルホブチル基、スルホプロピル基)であり、特に好ましくは炭素数5〜10の無置換アルキル基(n−オクチル基,n−ペンチル基)である。
【0018】
R2 、R4 及びR6 としては、炭素数1〜18の無置換アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、オクタデシル)が好ましく、置換アルキル基としては、アラルキル基(例えば、ベンジル、2−フェニルエチル)、ヒドロキシアルキル基(例えば、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル)、メルカプトアルキル基(例えば、2−メルカプトエチル)、カルボキシアルキル基(例えば、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、3−カルボキシプロピル、4−カルボキシブチル)、アルコキシアルキル基(例えば、2−メトキシエチル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル)、アリーロキシアルキル基(例えば、1−ナフチルオキシ)、スルホアルキル基(例えば、2−スルホエチル、3−スルホプロピル、3−スルホブチル、4−スルホブチル、2−(3−スルホプロポキシ)エチル、2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル、3−スルホプロポキシエトキシエチル)、スルファトアルキル基(例えば、3−スルファトプロピル、4−スルファトブチル)、アリールチオアルキル基(例えば、フェニルチオエチル)、複素環置換アルキル基(例えば、2−(ピロリジン−2−オン−1−イル)エチル、テトラヒドロフルフリル、2−モルホリノエチル)、2−アセトキシエチル、カルボメトキシメチル、2−メタンスルホニルアミノエチル}が好ましい。
【0019】
R2 、R4 及びR6 として更に好ましくは炭素数5以下の無置換カルボキシアルキル基(例えば、カルボキシメチル、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、カルボキシブチル基)であり、特に好ましくはカルボキシメチル基である。
【0020】
V1 、V2 、V3 、V4 、V5 、V6 、V7 、V8 、V9 およびV10は各々水素原子または置換基を表す。置換基としては前述の置換基群Vが挙げられる。
【0021】
V1 〜V10として好ましくは水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基であるが、特に好ましくはV1 〜V7 およびV10が水素原子であり、V8 およびV9 がアルキル基の場合である。
【0022】
L1 、L2 、L3 、L4 、L5 、L6 、L7 、L8 、L9 、L10、L11およびL12は各々無置換メチン基または置換メチン基{例えば、無置換もしくは置換アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、2−カルボキシエチル基)、無置換もしくは置換アリール基(例えば、フェニル基、2―カルボキシフェニル基)、複素環基(例えば、チエニル基、バルビツール基)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基)、アミノ基(例えば、N,N−ジフェニルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N−メチルピペラジノ基)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基)などで置換されたメチン基}を表し、また、他のメチン基と環を形成しても良く、あるいは助色団と環を形成(例えばL1 とR1 とで)することもできる。
【0023】
L3 、L7 及びL11として好ましくは、無置換メチン基または置換メチン基のうちアルキル基(例えばメチル)、アルコキシ基(例えばメトキシ)、アミノ基(例えばN、N−ジフェニルアミノ)、ハロゲン原子(例えば塩素)で置換されたメチン基である。特に好ましくはメチル基で置換されたメチン基である。
【0024】
L1 、L2 、L4 、L5 、L6 、L8 、L9 、L10およびL12として好ましくは無置換メチン基である。
【0025】
L1 、L2 、L3 およびL4 の組み合わせとしては、L1 、L2 、L4 が無置換メチン基、L3 がメチル基で置換されたメチン基である場合が特に好ましい。L5 、L6 、L7 およびL8 の組み合わせとしては、L5 、L6 、L8 が無置換メチン基、L7 がメチル基で置換されたメチン基である場合が特に好ましい。L9 、L10、L11およびL12の組み合わせとしては、L9 、L10、L12が無置換メチン基、L11がメチル基で置換されたメチン基である場合が特に好ましい。
【0026】
(M1 )m1 、(M2 )m2 及び(M3 )m3 は、色素のイオン電荷を中和するために必要であるとき、陽イオンまたは陰イオンの存在または不存在を示すために式の中に含められている。ある色素が陽イオン、陰イオンであるか、あるいは正味のイオン電荷を持つかどうかは、その助色団および置換基に依存する。典型的な陽イオンは水素イオン、無機アンモニウムイオン、有機のアンモニウムイオン(例えば、テトラアルキルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、トリエチルアミン塩、1、8−ジアザビシクロ〔5、4、0〕−7−ウンデセン塩)、アルカリ金属イオン(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン)、およびアルカリ土類金属イオン(例えば、カルシウムイオン)である。一方、陰イオンは具体的に無機陰イオンあるいは有機陰イオンのいずれであってもよく、例えば、ハロゲン陰イオン(例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン)、置換アリールスルホン酸イオン(例えば、p−トルエンスルホン酸イオン、p−クロロベンゼンスルホン酸イオン)、アリールジスルホン酸イオン(例えば、1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオン(例えば、メチル硫酸イオン)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオンが挙げられる。さらに、電荷均衡対イオンとしてイオン性ポリマーあるいは色素と逆電荷を有する他の色素を用いてもよいし、金属錯イオン(例えば、ビスベンゼン−1,2−ジチオラトニッケル(III))も可能である。好ましくは、水素イオン、アンモニウムイオン(例えば、トリエチルアミン塩、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン塩)、アルカリ金属イオン(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン)であり、特に好ましくは水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、トリエチルアミン塩である。
【0027】
以下に一般式(I)で表されるメロシアニン色素の典型的な例を挙げるが、これに限定されるものではない。
なお、以下に本発明の対象外の色素も含まれているが、参考のために記載した。
【0028】
【化7】
【0029】
【化8】
【0030】
【化9】
【0031】
【化10】
【0032】
【化11】
【0033】
【化12】
【0034】
以下に一般式(III)で表されるメロシアニン色素の典型的な例を挙げるが、これに限定されるものではない。
【0035】
【化13】
【0036】
【化14】
【0037】
本発明に用いられる一般式(I)〜(III)で表されるメロシアニン色素は、以下の文献に記載の方法に基づいて合成することができる。
【0038】
a)エフ・エム・ハマー(F. M. Hamer )著「ヘテロサイクリック・コンパウンズ−シアニン・ダイ・アンド・リレイテイド・コンパウンズ−(Heterocyclic Compounds-Cyanine dyes and related compounds-)」(ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons )社−ニューヨーク、ロンドン、1964年刊)
【0039】
b)デー・エム・スターマー(D. M. Sturmer )著「ヘテロサイクリック・コンパウンズ−スペシャル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック・ケミストリー−(Heterocyclic Compounds-Special topics in heterocyclic chemistry-)」第8章、第4節、第482〜515頁(ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons )社−ニューヨーク、ロンドン、1977年刊)
【0040】
c)「ロッズ・ケミストリー・オブ・カーボン・コンパウンズ(Rodds Chemistry of Carbon Compounds )」、(2nd Ed., vol. IV, part B, 1977年刊)第15章、第369〜422頁;(2nd Ed., vol. IV, part B, 1985年刊)、第15章、第267〜296頁、エルスバイヤー・サイエンス・パブリック・カンパニー・インク(Elsevier Science Publishing Company Inc.)社刊、ニューヨークなど。
【0041】
以下に本発明の一般式(I)及び(II)で表されるメロシアニン色素の合成法について具体例を挙げて説明する。
【0042】
合成例 化合物4の合成
2−メチルナフト〔2、1−d〕オキサゾール2.4gおよびヨウ化 n-オクチル3.5ml を160 ℃で6 時間攪拌したのち、無水酢酸7ml と1,1,3,3,- テトラエトキシ-2- メチルプロパン7gを加え、100 ℃で1 時間攪拌した。室温まで放冷し、酢酸エチルエステルとヘキサンを加えて生じた固体2-(4- エトキシ-3- メチル-1,3- ブタジエニル)-3-オクチルナフト〔2、1−d〕オキサゾリウム ヨウ化物塩 2.6 gを濾取した。この固体2.5gおよび3-カルボキシメチルローダニン0.96g をアセトニトリル10mlに溶解し、トリエチルアミン 2.1mlを加えた。反応液を室温で1 時間攪拌したのち、酢酸1ml を加え、生じた粗結晶を濾取した。これをメタノールより再結晶することで2.1gの化合物4を得た。
λmax(MeOH) = 591 nm、ε = 1.04 ×105 (MeOH)、融点 258〜260 ℃
本発明の他の化合物も上記合成例と同様な方法で合成できる。
【0043】
本発明の一般式(I)及び(II)で表されるメロシアニン色素の使用量は、感度やカブリなどの性能に合わせて所望の量でよいが、感光層のハロゲン化銀1モルあたり10-6〜1モルの量で使用することが好ましい。さらに好ましくは10-4〜10-1モルである。
【0044】
本発明における増感色素としては一般式(I)及び(II)以外の構造のものを併用してもよい。併用してもよい特に好ましい色素は一般式(III)で表されるメロシアニン色素である。また、複数の色素を混用し所望の分光増感スペクトルを得ることもできる。
一般式(I)及び(II)で表されるメロシアニン色素と一般式(III)で表されるメロシアニン色素の混合比はいかなるものであってもよいが、好ましくはモル比で1:10〜10:1の範囲であり、特に好ましくは1:2〜2:1の範囲である。
【0045】
これらの増感色素は単独に用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよい。増感色素の組合せは特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色素とともに、それ自身分光増感作用をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよい。有用な増感色素、強色増感を示す色素の組合せ及び強色増感を示す物質はResearch Disclosure 176 巻17643(1978年12月発行) 第23頁IVのJ 項、あるいは特公昭49-25500号、同43-4933 号、特開昭59-19032号、同59-192242 号等に記載されている。
【0046】
増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加させるには、それらを直接乳剤中に分散してもよいし、あるいは水、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、メチルセルソルブ、2,2,3,3-テトラフルオロプロパノール、2,2,2-トリフルオロエタノール、3-メトキシ-1- プロパノール、3-メトキシ-1- ブタノール、1-メトキシ-2- プロパノール、N,N-ジメチルホルムアミド等の溶媒の単独もしくは混合溶媒に溶解して乳剤に添加してもよい。
また、米国特許3,469,987 号明細書等に開示されているように、色素を揮発性の有機溶剤に溶解し、該溶液を水または親水性コロイド中に分散し、この分散物を乳剤中へ添加する方法、特公昭44-23389号、同44-27555号、同57-22091号等に開示されているように、色素を酸に溶解し、該溶液を乳剤中に添加したり、酸または塩基を共存させて水溶液として乳剤中へ添加する方法、米国特許3,822,135 号、同4,006,025 号明細書等に開示されているように界面活性剤を共存させて水溶液あるいはコロイド分散物としたものを乳剤中に添加する方法、特開昭53-102733 号、同58-105141 号に開示されているように親水性コロイド中に色素を直接分散させ、その分散物を乳剤中に添加する方法、特開昭51-74624号に開示されているように、レッドシフトさせる化合物を用いて色素を溶解し、該溶液を乳剤中へ添加する方法を用いることもできる。また、溶液に超音波を用いることもできる。
本発明に用いる増感色素を本発明のハロゲン化銀乳剤中に添加する時期は、これまで有用であることが認められている乳剤調製のいかなる工程中であってもよい。例えば米国特許2,735,766 号、同3,628,960 号、同4,183,756 号、同4,225,666 号、特開昭58-184142 号、同60-196749 号等の明細書に開示されているように、ハロゲン化銀の粒子形成工程または/および脱塩前の時期、脱銀工程中および/または脱塩後から化学熟成の開始前までの時期、特開昭58-113920 号等の明細書に開示されているように、化学熟成の直前または工程中の時期、化学熟成後、塗布までの時期の乳剤が塗布される前ならばいかなる時期、工程において添加されてもよい。また、米国特許4,225,666号、特開昭58-7629 号等の明細書に開示されているように、同一化合物を単独で、または異種構造の化合物と組み合わせて、例えば粒子形成工程中と化学熟成工程中または化学熟成完了後とに分けたり、化学熟成の前または工程中と完了後とに分けるなどして分割して添加してもよく、分割して添加する化合物および化合物の組み合わせの種類を変えて添加してもよい。
【0047】
本発明に用いることのできる有機銀塩は、光に対して比較的安定であるが、露光された光触媒(感光性ハロゲン化銀の潜像など)及び還元剤の存在下で、80℃或いはそれ以上に加熱された場合に銀画像を形成する銀塩である。有機銀塩は銀イオンを還元できる源を含む任意の有機物質であってよい。このような非感光性の有機銀塩については、特開平10-62899号の段落番号0048〜0049、欧州特許公開第0803764A1号の第18ページ第24行〜第19ページ第37行、欧州特許公開第0962812A1 号に記載されている。有機酸の銀塩、特に(炭素数が10〜30、好ましくは15〜28の)長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩が好ましい。有機銀塩の好ましい例としては、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、これらの混合物などを含む。本発明においては、これら有機銀塩の中でも、ベヘン酸銀含有率75モル%以上の有機酸銀を用いることが好ましい。
【0048】
本発明に用いることができる有機銀塩の形状としては特に制限はなく、針状、棒状、平板状、りん片状でもよい。
本発明においてはりん片状の有機銀塩が好ましい。本明細書において、りん片状の有機銀塩とは、次のようにして定義する。有機酸銀塩を電子顕微鏡で観察し、有機酸銀塩粒子の形状を直方体と近似し、この直方体の辺を一番短かい方からa、b、cとした(cはbと同じであってもよい。)とき、短い方の数値a、bで計算し、次のようにしてxを求める。
x=b/a
【0049】
このようにして200個程度の粒子についてxを求め、その平均値x(平均)としたとき、x(平均)≧1.5の関係を満たすものをりん片状とする。好ましくは30≧x(平均)≧1.5、より好ましくは20≧x(平均)≧2.0である。因みに針状とは1≦x(平均)<1.5である。
【0050】
りん片状粒子において、aはbとcを辺とする面を主平面とした平板状粒子の厚さとみることができる。aの平均は0.01μm 以上0.23μm が好ましく0.1μm 以上0.20μm 以下がより好ましい。c/bの平均は好ましくは1以上6以下、より好ましくは1.05以上4以下、さらに好ましくは1.1以上3以下、特に好ましくは1.1以上2以下である。
【0051】
有機銀塩の粒子サイズ分布は単分散であることが好ましい。単分散とは短軸、長軸それぞれの長さの標準偏差を短軸、長軸それぞれで割った値の100分率が好ましくは100%以下、より好ましくは80% 以下、更に好ましくは50% 以下である。有機銀塩の形状の測定方法としては有機銀塩分散物の透過型電子顕微鏡像より求めることができる。単分散性を測定する別の方法として、有機銀塩の体積加重平均直径の標準偏差を求める方法があり、体積加重平均直径で割った値の百分率(変動係数) が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは50%以下である。測定方法としては例えば液中に分散した有機銀塩にレーザー光を照射し、その散乱光のゆらぎの時間変化に対する自己相関関数を求めることにより得られた粒子サイズ(体積加重平均直径)から求めることができる。
【0052】
本発明に用いられる有機酸銀の製造及びその分散法は、公知の方法を適用することができる。例えば上記の特開平10-62899号、欧州特許公開第0803763A1、欧州特許公開962812A1号を参考にすることができる。
【0053】
なお、有機銀塩の分散時に、感光性銀塩を共存させると、カブリが上昇し、感度が著しく低下するため、分散時には感光性銀塩を実質的に含まないことがより好ましい。本発明は、分散される水分散液中での感光性銀塩量は、その液中の有機酸銀塩1molに対し0.1mol%以下であり、積極的な感光性銀塩の添加は行わないものである。
【0054】
本発明において有機銀塩水分散液と感光性銀塩水分散液を混合して感光材料を製造することが可能であるが、有機銀塩と感光性銀塩の混合比率は目的に応じて選べるが、有機銀塩に対する感光性銀塩の割合は1〜30モル% の範囲が好ましく、更に3 〜20モル% 、特に5 〜15モル% の範囲が好ましい。混合する際に2種以上の有機銀塩水分散液と2種以上の感光性銀塩水分散液を混合することは、写真特性の調節のために好ましく用いられる方法である。
【0055】
本発明の有機銀塩は所望の量で使用できるが、銀量として0.1 〜5g/m2 が好ましく、さらに好ましくは1〜3g/m2 である。
【0056】
本発明の熱現像感光材料には有機銀塩のための還元剤を含むことが好ましい。有機銀塩のための還元剤は、銀イオンを金属銀に還元する任意の物質(好ましくは有機物質)であってよい。このような還元剤は、特開平11-65021号の段落番号0043〜0045や、欧州特許公開第0803764A1号の第7ページ第34行〜第18ページ第12行に記載されている。本発明においては特にビスフェノール類還元剤(例えば、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール))が好ましい。還元剤の添加量は0.01〜5.0 g/m2であることが好ましく、0.1 〜3.0 g/m2であることがより好ましく、画像形成層を有する面の銀1 モルに対しては5 〜50% モル含まれることが好ましく、10〜40モル%で含まれることがさらに好ましい。還元剤は画像形成層に含有させることが好ましい。
【0057】
還元剤は溶液形態、乳化分散形態、固体微粒子分散物形態など、いかなる方法で塗布液に含有せしめ、感光材料に含有させてもよい。
よく知られている乳化分散法としては、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製する方法が挙げられる。
また、固体微粒子分散法としては、還元剤の粉末を水等の適当な溶媒中にボールミル、コロイドミル、振動ボールミル、サンドミル、ジェットミル、ローラーミルあるいは超音波によって分散し、固体分散物を作成する方法が挙げられる。尚、その際に保護コロイド(例えば、ポリビニルアルコール)、界面活性剤(例えばトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(3つのイソプロピル基の置換位置が異なるものの混合物)などのアニオン性界面活性剤)を用いてもよい。水分散物には防腐剤(例えばベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩)を含有させることができる。
【0058】
本発明の熱現像感光材料では、現像促進剤として特願平11-73951号明細書に記載の式(A)で表されるフェノール誘導体が好ましく用いられる。
【0059】
本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀は、ハロゲン組成として特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀を用いることができる。粒子内におけるハロゲン組成の分布は均一であってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変化したものでもよく、或いは連続的に変化したものでもよい。また、コア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子を好ましく用いることができる。構造として好ましくいものは2〜5重構造であり、より好ましくは2〜4重構造のコア/ シェル粒子を用いることができる。また塩化銀または塩臭化銀粒子の表面に臭化銀を局在させる技術も好ましく用いることができる。
【0060】
感光性ハロゲン化銀の形成方法は当業界ではよく知られており、例えば、リサーチディスクロージャー1978年6 月の第17029 号、および米国特許第3,700,458 号に記載されている方法を用いることができるが、具体的にはゼラチンあるいは他のポリマー溶液中に銀供給化合物及びハロゲン供給化合物を添加することにより感光性ハロゲン化銀(ハロゲン化銀乳剤)を調製し、その後で有機銀塩と混合する方法を用いる。また、特開平11-119374号公報の段落番号0217〜0224に記載されている方法、特願平11-98708号、同11-84182号記載の方法も好ましい。
【0061】
感光性ハロゲン化銀の粒子サイズは、画像形成後の白濁を低く抑える目的のために小さいことが好ましく具体的には0.20μm以下、より好ましくは0.01μm以上0.15μm以下、更に好ましくは0.02μm以上0.12μm以下がよい。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子が立方体あるいは八面体のいわゆる正常晶である場合、その他正常晶でない場合、例えば球状粒子、棒状粒子等の場合には、ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を考えたときの直径をいい、ハロゲン化銀粒子が平板状粒子である場合には主表面の投影面積と同面積の円像に換算したときの直径をいう。
【0062】
ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、八面体、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ状粒子等を挙げることができるが、本発明においては特に立方体状粒子が好ましい。ハロゲン化銀粒子のコーナーが丸まった粒子も好ましく用いることができる。感光性ハロゲン化銀粒子の外表面の面指数(ミラー指数)については特に制限はないが、分光増感色素が吸着した場合の分光増感効率が高い[100] 面の占める割合が高いことが好ましい。その割合としては50% 以上が好ましく、65% 以上がより好ましく、80% 以上が更に好ましい。ミラー指数[100] 面の比率は増感色素の吸着における[111] 面と[100] 面との吸着依存性を利用したT.Tani;J.Imaging Sci.,29、165(1985年)に記載の方法により求めることができる。
【0063】
本発明の感光性ハロゲン化銀粒子は、周期律表(第1〜18族までを示す)の第8族〜第10族の金属または金属錯体を含有する。周期律表の第8族〜第10族の金属または金属錯体の中心金属として好ましくは、ロジウム、ルテニウム、イリジウムである。これら金属錯体は1種類でもよいし、同種金属及び異種金属の錯体を2種以上併用してもよい。好ましい含有率は銀1モルに対し1×10-9モルから1×10-3モルの範囲が好ましい。これらの重金属や金属錯体及びそれらの添加法については特開平7-225449号、特開平11-65021号段落番号0018〜0024、特開平11-119374号段落番号0227〜0240に記載されている。
【0064】
本発明においてはその中でもハロゲン化銀粒子中にイリジウム化合物を含有させることが好ましい。イリジウム化合物としては、例えば、ヘキサクロロイリジウム、ヘキサアンミンイリジウム、トリオキザラトイリジウム、ヘキサシアノイリジウム等が挙げられる。これらのイリジウム化合物は、水あるいは適当な溶媒に溶解して用いられるが、イリジウム化合物の溶液を安定化させるために一般によく行われる方法、すなわち、ハロゲン化水素水溶液(例えば塩酸、臭酸、フッ酸等)、あるいはハロゲン化アルカリ(例えばKCl 、NaCl、KBr 、NaBr等)を添加する方法を用いることができる。水溶性イリジウムを用いる代わりにハロゲン化銀調製時に、あらかじめイリジウムをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させることも可能である。これらイリジウム化合物の添加量はハロゲン化銀1モル当たり1×10-8モル〜1×10-3モルの範囲が好ましく、1×10-7モル〜5×10-4モルの範囲がより好ましい。
【0065】
さらに本発明に用いられるハロゲン化銀粒子に含有することのできる金属原子(例えば[Fe(CN)6]4-)、ハロゲン化銀乳剤の脱塩法や化学増感法については特開平11-84574号段落番号0046〜0050、特開平11-65021号段落番号0025〜0031、特開平11-119374号段落番号0242〜0250に記載されている。
【0066】
本発明に用いる感光性ハロゲン化銀乳剤(感光性ハロゲン化銀を含むハロゲン化銀乳剤)に含有されるゼラチンとしては、種々のゼラチンが使用することができる。感光性ハロゲン化銀乳剤の有機銀塩含有塗布液中での分散状態を良好に維持するために、分子量は、500〜60,000の低分子量ゼラチンを使用することが好ましい。これらの低分子量ゼラチンは粒子形成時あるいは脱塩処理後の分散時に使用してもよいが、脱塩処理後の分散時に使用することが好ましい。
【0067】
本発明に適用できる増感色素としてはハロゲン化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域でハロゲン化銀粒子を分光増感できるもので、露光光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。増感色素及び添加法については、特開平11-65021号の段落番号0103〜0109、特開平10-186572号一般式(II)で表される化合物、特開平11-119374号一般式(I) で表される色素及び段落番号0106、米国特許第5,510,236 号、同第3,871,887 号実施例5に記載の色素、特開平2-96131号、特開昭59-48753号に開示されている色素、欧州特許公開第0803764A1号の第19ページ第38行〜第20ページ第35行に記載されている。これらの増感色素は単独で用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよい。本発明において増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加する時期は、脱塩工程後、塗布までの時期が好ましく、より好ましくは脱塩後から化学熟成の開始前までの時期である。
本発明における増感色素の添加量は、感度やカブリの性能に合わせて所望の量にすることができるが、感光性層のハロゲン化銀1モル当たり10-6〜1モルが好ましく、さらに好ましくは10-4〜10-1モルである。
【0068】
本発明は分光増感効率を向上させるため、強色増感剤を用いることができる。本発明に用いる強色増感剤としては、欧州特許公開第587,338号、米国特許第3,877,943 号、同第4,873,184 号、特開平5-341432号、同11-109547 号、同10-111543 号等に記載の化合物が挙げられる。
【0069】
本発明におけるハロゲン化銀乳剤中の感光性ハロゲン化銀粒子は、硫黄増感法、セレン増感法もしくはテルル増感法にて化学増感されていることが好ましい。硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法に好ましく用いられる化合物としては公知の化合物、例えば、特開平7-128768号等に記載の化合物等を使用することができる。特に本発明においてはテルル増感剤を用いることが好ましく、特開平11-65021号段落番号0030に記載の文献に記載の化合物、特開平5-313284号中の一般式(II),(III),(IV)で示される化合物がより好ましい。
【0070】
本発明においては、化学増感は粒子形成後で塗布前であればいかなる時期でも可能であり、脱塩後、(1)分光増感前、(2)分光増感と同時、(3)分光増感後、(4)塗布直前等があり得る。特に分光増感後に行われることが好ましい。
本発明で用いられる硫黄、セレンおよびテルル増感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等によって変わるが、ハロゲン化銀1モル当たり10-8〜10-2モル、好ましくは10-7〜10-3モル程度を用いる。本発明における化学増感の条件としては特に制限はないが、pHとしては5〜8、pAgとしては6〜11、温度としては40〜95℃程度である。
本発明で用いるハロゲン化銀乳剤には、欧州特許公開第293,917号公報に示される方法により、チオスルホン酸化合物を添加してもよい。
【0071】
本発明に用いられる感光材料中の感光性ハロゲン化銀乳剤は、一種だけでもよいし、二種以上(例えば、平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの)併用してもよい。感度の異なる感光性ハロゲン化銀を複数種用いることで階調を調節することができる。これらに関する技術としては特開昭57-119341 号、同53-106125 号、同47-3929 号、同48-55730号、同46-5187 号、同50-73627号、同57-150841 号などが挙げられる。感度差としてはそれぞれの乳剤で0.2logE以上の差を持たせることが好ましい。
【0072】
感光性ハロゲン化銀の添加量は、感材1m2 当たりの塗布銀量で示して、0.03〜0.6g/m2 であることが好ましく、0.05〜0.4g/m2 であることがさらに好ましく、0.1〜0.4g/m2 であることが最も好ましく、有機銀塩1モルに対しては、感光性ハロゲン化銀は0.01モル以上0.5 モル以下が好ましく、0.02モル以上0.3 モル以下がより好ましい。
【0073】
別々に調製した感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の混合方法及び混合条件については、それぞれ調製終了したハロゲン化銀粒子と有機銀塩を高速撹拌機やボールミル、サンドミル、コロイドミル、振動ミル、ホモジナイザー等で混合する方法や、あるいは有機銀塩の調製中のいずれかのタイミングで調製終了した感光性ハロゲン化銀を混合して有機銀塩を調製する方法等があるが、本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。また、混合する際に2種以上の有機銀塩水分散液と2種以上の感光性銀塩水分散液を混合することは、写真特性の調節のために好ましい方法である。
【0074】
本発明のハロゲン化銀の画像形成層塗布液中への好ましい添加時期は、塗布する180分前から直前、好ましくは60分前から10秒前にであるが、混合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。具体的な混合方法としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.Harnby、M.F.Edwards 、A.W.Nienow著、高橋幸司訳“液体混合技術”(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章等に記載されているスタチックミキサーなどを使用する方法がある。
【0075】
本発明の有機銀塩含有層のバインダーはいかなるポリマーであってもよく、好適なバインダーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然ポリマー合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば:ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。バインダーは水又は有機溶媒またはエマルションから被覆形成してもよい。
【0076】
本発明においては、有機銀塩含有層が溶媒の30質量%以上が水である塗布液を用いて塗布し、乾燥して形成される場合に、さらに有機銀塩含有層のバインダーが水系溶媒(水溶媒)に可溶または分散可能で、特に25℃60%RHでの平衡含水率が2質量%以下のポリマーのラテックスからなる場合に向上する。最も好ましい形態は、イオン伝導度が2.5mS/cm以下になるように調製されたものであり、このような調製法としてポリマー合成後分離機能膜を用いて精製処理する方法が挙げられる。
【0077】
ここでいう前記ポリマーが可溶または分散可能である水系溶媒とは、水または水に70質量%以下の水混和性の有機溶媒を混合したものである。水混和性の有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系、酢酸エチル、ジメチルホルミアミドなどを挙げることができる。
【0078】
なお、ポリマーが熱力学的に溶解しておらず、いわゆる分散状態で存在している系の場合にも、ここでは水系溶媒という言葉を使用する。
【0079】
また「25℃60%RH における平衡含水率」とは、25℃60%RH の雰囲気下で調湿平衡にあるポリマーの重量W1と25℃で絶乾状態にあるポリマーの重量W0を用いて以下のように表すことができる。
25℃60%RH における平衡含水率=[(W1-W0)/W0] ×100(質量%)
【0080】
含水率の定義と測定法については、例えば高分子工学講座14、高分子材料試験法(高分子学会編、地人書館)を参考にすることができる。
【0081】
本発明のバインダーポリマーの25℃60%RH における平衡含水率は2 質量%以下であることが好ましいが、より好ましくは0.01質量%以上1.5質量%以下、さらに好ましくは0.02質量%以上1質量%以下が望ましい。
【0082】
本発明においては水系溶媒に分散可能なポリマーが特に好ましい。分散状態の例としては、水不溶な疎水性ポリマーの微粒子が分散しているラテックスやポリマー分子が分子状態またはミセルを形成して分散しているものなどがあるが、いずれも好ましい。分散粒子の平均粒径は1〜50000nm、より好ましくは5〜1000nm程度の範囲が好ましい。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。
【0083】
本発明において水系溶媒に分散可能なポリマーの好ましい態様としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ゴム系樹脂(例えばSBR 樹脂)、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリオレフィン樹脂等の疎水性ポリマーを好ましく用いることができる。これらポリマーとしては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでもまた架橋されたポリマーでもよいし、単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでもよいし、2種類以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。コポリマーの場合はランダムコポリマーでも、ブロックコポリマーでもよい。これらポリマーの分子量は数平均分子量で5000〜1000000 、好ましくは10000 〜200000がよい。分子量が小さすぎるものは乳剤層の力学強度が不十分であり、大きすぎるものは成膜性が悪く好ましくない。
【0084】
好ましいポリマーラテックスの具体例としては以下のものを挙げることができる。以下では原料モノマーを用いて表し、括弧内の数値は質量%、分子量は数平均分子量である。
【0085】
P-1;-MMA(70)-EA(27)-MAA(3)-のラテックス(分子量37000)
P-2;-MMA(70)-2EHA(20)-St(5)-AA(5)-のラテックス(分子量40000)
P-3;-St(50)-Bu(47)-MAA(3)-のラテックス(分子量45000)
P-4;-St(68)-Bu(29)-AA(3)-のラテックス(分子量60000)
P-5;-St(70)-Bu(27)-IA(3)-のラテックス(分子量120000)
P-6;-St(75)-Bu(24)-AA(1)-のラテックス(分子量108000)
P-7;-St(60)-Bu(35)-DVB(3)-MAA(2)-のラテックス(分子量150000)
P-8;-St(70)-Bu(25)-DVB(2)-AA(3)-のラテックス(分子量280000)
P-9;-VC(50)-MMA(20)-EA(20)-AN(5)-AA(5)-のラテックス(分子量80000)
P-10;-VDC(85)-MMA(5)-EA(5)-MAA(5)-のラテックス(分子量67000)
P-11;-Et(90)-MAA(10)-のラテックス(分子量12000)
P-12;-St(70)-2EHA(27)-AA(3)のラテックス(分子量130000)
P-13;-MMA(63)-EA(35)- AA(2)のラテックス(分子量33000)
【0086】
上記構造の略号は以下のモノマーを表す。MMA;メチルメタクリレート,EA;エチルアクリレート、MAA ;メタクリル酸,2EHA;2 エチルヘキシルアクリレート,St;スチレン,Bu;ブタジエン,AA;アクリル酸,DVB;ジビニルベンゼン,VC;塩化ビニル,AN;アクリロニトリル,VDC;塩化ビニリデン,Et;エチレン,IA;イタコン酸。
【0087】
以上に記載したポリマーラテックスは市販もされていて、以下のようなポリマーが利用できる。アクリル樹脂の例としては、セビアンA-4635,46583,4601(以上ダイセル化学工業(株)製)、Nipol Lx811 、 814 、821 、820 、857(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリエステル樹脂の例としては、FINETEX ES650、611、675 、850(以上大日本インキ化学(株)製)、WD-size 、WMS(以上イーストマンケミカル製) など、ポリウレタン樹脂の例としては、HYDRAN AP10 、20、30、 40(以上大日本インキ化学(株)製)など、ゴム系樹脂の例としては、LACSTAR 7310K 、3307B 、4700H 、7132C(以上大日本インキ化学(株)製)、Nipol Lx416 、410 、 438C、 2507(以上日本ゼオン(株)製)など、塩化ビニル樹脂の例としては、G351、 G576(以上日本ゼオン(株)製)など、塩化ビニリデン樹脂の例としては、L502、 L513(以上旭化成工業(株)製)など、オレフィン樹脂の例としては、ケミパールS120、SA100(以上三井石油化学(株)製)などを挙げることができる。
【0088】
これらのポリマーラテックスは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドしてもよい。
【0089】
本発明に用いられるポリマーラテックスとしては、 特に、スチレン- ブタジエン共重合体のラテックスが好ましい。スチレン-ブタジエン共重合体におけるスチレンのモノマー単位とブタジエンのモノマー単位との重量比は40:60〜95:5であることが好ましい。また、スチレンのモノマー単位とブタジエンのモノマー単位との共重合体に占める割合は60〜99質量%であることが好ましい。好ましい分子量の範囲は前記と同様である。
【0090】
本発明に用いることが好ましいスチレン-ブタジエン共重合体のラテックスとしては、前記のP-3 〜P-8 、市販品であるLACSTAR-3307B 、7132C 、Nipol Lx416等が挙げられる。
【0091】
本発明の感光材料の有機銀塩含有層には必要に応じてゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの親水性ポリマーを添加してもよい。これらの親水性ポリマーの添加量は有機銀塩含有層の全バインダーの30質量%以下、より好ましくは20質量%以下が好ましい。
【0092】
本発明の有機銀塩含有層(即ち、画像形成層)は、ポリマーラテックスとを用いて形成されたものが好ましい。有機銀塩含有層のバインダーの量は、全バインダー/有機銀塩の重量比が1/10〜10/1、更には1/5 〜4/1 の範囲が好ましい。
【0093】
また、このような有機銀塩含有層は、通常、感光性銀塩である感光性ハロゲン化銀が含有された感光性層(乳剤層)でもあり、このような場合の、全バインダー/ハロゲン化銀の重量比は400 〜5、より好ましくは200 〜10の範囲が好ましい。
【0094】
本発明の画像形成層の全バインダー量は0.2 〜30g/m2、より好ましくは1〜15g/m2の範囲が好ましい。本発明の画像形成層には架橋のための架橋剤、塗布性改良のための界面活性剤などを添加してもよい。
【0095】
本発明において感光材料の有機銀塩含有層塗布液の溶媒(ここでは簡単のため、溶媒と分散媒をあわせて溶媒と表す)は、水を30質量%以上含む水系溶媒である。水以外の成分としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、酢酸エチルなど任意の水混和性有機溶媒を用いてよい。塗布液の溶媒の水含有率は50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が好ましい。好ましい溶媒組成の例を挙げると、水の他、水/メチルアルコール=90/10、水/メチルアルコール=70/30 、水/メチルアルコール/ジメチルホルムアミド=80/15/5、水/メチルアルコール/エチルセロソルブ=85/10/5、水/メチルアルコール/イソプロピルアルコール=85/10/5 などがある(数値は質量%)。
【0096】
本発明に用いることのできるカブリ防止剤、安定剤および安定剤前駆体特開平10-62899号の段落番号0070、欧州特許公開第0803764A1号の第20ページ第57行〜第21ページ第7行に記載の特許のものが挙げられる。また、本発明に好ましく用いられるカブリ防止剤は有機ハロゲン化物であり、これらについては、特開平11-65021号の段落番号0111〜0112に記載の特許に開示されているものが挙げられる。特に特願平11-87297号の式(P)で表される有機ハロゲン化合物、特開平10-339934号の一般式(II)で表される有機ポリハロゲン化合物(具体的にはトリブロモメチルナフチルスルホン、トリブロモメチルフェニルスルホン、トリブロモメチル(4−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホニル)フェニル)スルホン等)が好ましい。
【0097】
本発明のカブリ防止剤を感光材料に含有せしめる方法としては、前記還元剤の含有方法に記載の方法が挙げられ、有機ポリハロゲン化合物についても固体微粒子分散物で添加することが好ましい。
【0098】
その他のカブリ防止剤としては特開平11-65021号段落番号0113の水銀(II)塩、同号段落番号0114の安息香酸類、特願平11-87297号の式(Z)で表されるサリチル酸誘導体、特願平11-23995号の式(S)で表されるホルマリンスカベンジャー化合物が挙げられる。
【0099】
本発明における熱現像感光材料はカブリ防止を目的としてアゾリウム塩を含有しても良い。アゾリウム塩としては、特開昭59-193447号記載の一般式(XI)で表される化合物、特公昭55-12581号記載の化合物、特開昭60-153039号記載の一般式(II)で表される化合物が挙げられる。アゾリウム塩は感光材料のいかなる部位に添加しても良いが、添加層としては感光性層を有する面の層に添加することが好ましく、有機銀塩含有層に添加することがさらに好ましい。アゾリウム塩の添加時期としては塗布液調製のいかなる工程で行っても良く、有機銀塩含有層に添加する場合は有機銀塩調製時から塗布液調製時のいかなる工程でも良いが有機銀塩調製後から塗布直前が好ましい。アゾリウム塩の添加法としては粉末、溶液、微粒子分散物などいかなる方法で行っても良い。また、増感色素、還元剤、色調剤など他の添加物と混合した溶液として添加しても良い。本発明においてアゾリウム塩の添加量としてはいかなる量でも良いが、銀1モル当たり1×10-6モル以上2モル以下が好ましく、1×10-3モル以上0.5モル以下がさらに好ましい。
【0100】
本発明には現像を抑制あるいは促進させ現像を制御するため、分光増感効率を向上させるため、現像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させることができ、特開平10-62899号の段落番号0067〜0069、特開平10-186572 号の一般式(I) で表される化合物及びその具体例として段落番号0033〜0052、欧州特許公開第0803764A1号の第20ページ第36〜56行、特願平11-273670号等に記載されている。中でもメルカプト置換複素芳香族化合物が好ましい。
【0101】
本発明においては、ホスホリル基を有する化合物を用いることが好ましく、ホスフィンオキシド類が特に好ましい。具体的には、トリフェニルホスフィンオキシド、トリ−(4−メチルフェニル)ホスフィンオキシド、トリ−(4−メトキシフェニル)ホスフィンオキシド、トリ−(t−ブチル−フェニル)ホスフィンオキシド、トリ−(3−メチルフェニル)ホスフィンオキシド、トリオクチルホスフィンオキシド等が挙げられる。本発明のホスホリル基を有する化合物は、還元剤、ポリハロゲン化合物と同様な方法で感材中に導入することができる。本発明のホスホリル基を有する化合物は還元剤の添加量比(モル比)に対して0.1〜10の範囲が好ましく、0.1 〜2.0 の範囲がより好ましい。さらに好ましくは0.2 〜1.0の範囲である。
【0102】
本発明の熱現像感光材料では色調剤の添加が好ましく、色調剤については、特開平10-62899号の段落番号0054〜0055、欧州特許公開第0803764A1号の第21ページ第23〜48行、特願平10-213487号に記載されており、特に、フタラジノン、フタラジノン誘導体もしくは金属塩、または4-(1- ナフチル) フタラジノン、6-クロロフタラジノン、5,7-ジメトキシフタラジノンおよび2,3-ジヒドロ-1,4-フタラジンジオンなどの誘導体;フタラジノンとフタル酸誘導体(例えば、フタル酸、4-メチルフタル酸、4-ニトロフタル酸およびテトラクロロ無水フタル酸など)との組合せ;フタラジン類(フタラジン、フタラジン誘導体もしくは金属塩、または4-(1- ナフチル) フタラジン、6-イソプロピルフタラジン、6-t-ブチルフラタジン、6-クロロフタラジン、5,7-ジメトキシフタラジンおよび2,3-ジヒドロフタラジンなどの誘導体);フタラジン類とフタル酸誘導体(例えば、フタル酸、4-メチルフタル酸、4-ニトロフタル酸およびテトラクロロ無水フタル酸など)との組合せが好ましく、特にフタラジン類とフタル酸誘導体の組合せが好ましい。
【0103】
本発明の感光性層に用いることのできる可塑剤および潤滑剤については特開平11-65021号段落番号0117、超硬調画像形成のための超硬調化剤については、同号段落番号0118、特開平11-223898号段落番号0136〜0193、特願平11-87297号の式(H) 、式(1) 〜(3) 、式(A) 、(B) の化合物、特願平11-91652号記載の一般式(III)〜(V)の化合物(具体的化合物:化21〜化24)、硬調化促進剤については特開平11-65021号段落番号0102、特開平11-223898号段落番号0194〜0195に記載されている。造核剤の添加方法や量については特開平11-223898号段落番号0182〜0183に記載されている。
【0104】
蟻酸や蟻酸塩を強いかぶらせ物質として用いるには、感光性ハロゲン化銀を含有する画像形成層を有する側に銀1モル当たり5ミリモル以下、さらには1ミリモル以下で含有することが好ましい。
【0105】
本発明の熱現像感光材料で造核剤を用いる場合には五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩を併用して用いることが好ましい。五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩としては、メタリン酸(塩)、ピロリン酸(塩)、オルトリン酸(塩)、三リン酸(塩)、四リン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)などを挙げることができる。特に好ましく用いられる五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩としては、オルトリン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)を挙げることができる。具体的な塩としてはオルトリン酸ナトリウム、オルトリン酸二水素ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸アンモニウムなどがある。
五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩の使用量(感光材料1m2あたりの塗布量)は感度やカブリなどの性能に合わせて所望の量でよいが、0.1〜500mg/m2 が好ましく、0.5 〜100mg/m2 がより好ましい。
【0106】
本発明における熱現像感光材料は画像形成層の付着防止などの目的で表面保護層を設けることができる。表面保護層については、特開平11-65021号段落番号0119〜0120に記載されている。
本発明の表面保護層のバインダーとしてはゼラチンが好ましいがポリビニルアルコール(PVA)を用いることも好ましい。PVAとしては、完全けん化物のPVA−105、部分けん化物のPVA−205,PVA−335、変性ポリビニルアルコールのMP−203(以上、クラレ(株)製の商品名)などが挙げられる。保護層(1層当たり)のポリビニルアルコール塗布量(支持体1m2当た
り)としては0.3〜4.0g/m2 が好ましく、0.3〜2.0g/m2 がより好ましい。
【0107】
特に寸法変化が問題となる印刷用途に本発明の熱現像感光材料を用いる場合には、保護層やバック層にもポリマーラテックスを用いることが好ましい。このようなポリマーラテックスについては「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高分子刊行会発行(1978))」、「合成ラテックスの応用(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会発行(1993))」、「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」などにも記載され、具体的にはメチルメタクリレート(33.5質量%)/エチルアクリレート(50質量%)/メタクリル酸(16.5 質量%)コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(47.5 質量%)/ブタジエン(47.5 質量%)/イタコン酸(5質量%)コポリマーのラテックス、エチルアクリレート/メタクリル酸のコポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(58.9 質量%)/2−エチルヘキシルアクリレート(25.4 質量%)/スチレン(8.6質量%)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(5.1質量%)/アクリル酸(2.0質量%)コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(64.0質量%)/スチレン(9.0質量%)/ブチルアクリレート(20.0質量%)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(5.0質量%)/アクリル酸(2.0質量%)コポリマーのラテックスなどが挙げられる。さらに、保護層用のバインダーとして、特願平11-6872号明細書のポリマーラテックスの組み合わせ、特願平11-143058号明細書の段落番号0021〜0025に記載の技術、特願平11-6872号明細書の段落番号0027〜0028に記載の技術、特願平10-199626号明細書の段落番号0023〜0041に記載の技術を適用してもよい。保護層のポリマーラテックスの比率は全バインダーの10質量%以上90質量%以下が好ましく、特に20質量%以上80質量%以下が好ましい。
保護層(1層当たり)の全バインダー(水溶性ポリマー及びラテックスポリマーを含む)塗布量(支持体1m2当たり)としては0.3 〜5.0g/m2 が好ましく、0.3 〜2.0g/m2 がより好ましい。
【0108】
本発明の画像形成層塗布液の調製温度は30℃以上65℃以下がよく、さらに好ましい温度は35℃以上60℃未満、より好ましい温度は35℃以上55℃以下である。また、ポリマーラテックス添加直後の画像形成層塗布液の温度が30℃以上65℃以下で維持されることが好ましい。また、ポリマーラテックス添加前に還元剤と有機銀塩が混合されていることが好ましい。
【0109】
本発明における有機銀塩含有流体または熱画像形成層塗布液は、いわゆるチキソトロピー流体であることが好ましい。チキソトロピー性とは剪断速度の増加に伴い、粘度が低下する性質を言う。本発明の粘度測定にはいかなる装置を使用してもよいが、レオメトリックスファーイースト株式会社製RFSフルードスペクトロメーターが好ましく用いられ25℃で測定される。ここで、本発明における有機銀塩含有流体もしくは熱画像形成層塗布液は剪断速度0.1S-1における粘度は400mPa・s 以上100,000 mPa ・s 以下が好ましく、さらに好ましくは500mPa・s 以上20,000 mPa・s 以下である。また、剪断速度1000S-1においては1mPa・s 以上200 mPa・s 以下が好ましく、さらに好ましくは5mPa・s 以上80 mPa・s 以下である。
【0110】
チキソトロピー性を発現する系は各種知られており高分子刊行会編「講座・レオロジー」、室井、森野共著「高分子ラテックス」(高分子刊行会発行)などに記載されている。流体がチキソトロピー性を発現させるには固体微粒子を多く含有することが必要である。また、チキソトロピー性を強くするには増粘線形高分子を含有させること、含有する固体微粒子の異方形でアスペクト比が大きくすること、アルカリ増粘、界面活性剤の使用などが有効である。
【0111】
本発明の熱現像写真用乳剤は、支持体上に一またはそれ以上の層で構成される。一層の構成は有機銀塩、ハロゲン化銀、現像剤およびバインダー、ならびに色調剤、被覆助剤および他の補助剤などの所望による追加の材料を含まなければならない。二層の構成は、第1乳剤層(通常は支持体に隣接した層) 中に有機銀塩およびハロゲン化銀を含み、第2層または両層中にいくつかの他の成分を含まなければならない。しかし、全ての成分を含む単一乳剤層および保護トップコートを含んでなる二層の構成も考えられる。多色感光性熱現像写真材料の構成は、各色についてこれらの二層の組合せを含んでよく、また、米国特許第4,708,928号に記載されているように単一層内に全ての成分を含んでいてもよい。多染料多色感光性熱現像写真材料の場合、各乳剤層は、一般に、米国特許第4,460,681号に記載されているように、各感光性層の間に官能性もしくは非官能性のバリアー層を使用することにより、互いに区別されて保持される。
【0112】
本発明の感光性層には色調改良、レーザー露光時の干渉縞発生防止、イラジエーション防止の観点から各種染料や顔料(例えばC.I.Pigment Blue 60、C.I.Pigment Blue 64 、C.I.Pigment Blue 15:6 )を用いることができる。これらについてはWO98/36322号、特開平10-268465 号、同11-338098 号等に詳細に記載されている。
【0113】
本発明の熱現像感光材料においては、アンチハレーション層を感光性層に対して光源から遠い側に設けることができる。
【0114】
熱現像感光材料は一般に、感光性層に加えて非感光性層を有する。非感光性層は、その配置から(1)感光性層の上(支持体よりも遠い側)に設けられる保護層、(2)複数の感光性層の間や感光性層と保護層の間に設けられる中間層、(3)感光性層と支持体との間に設けられる下塗り層、(4)感光性層の反対側に設けられるバック層に分類できる。フィルター層は、(1)または(2)の層として感光材料に設けられる。アンチハレーション層は、(3)または(4)の層として感光材料に設けられる。
【0115】
アンチハレーション層については特開平11-65021号段落番号0123〜0124、特開平11-223898 号、同9-230531号、同10-36695号、同10-104779号、同11-231457 号、同11-352625 号、同11-352626 号等に記載されている。
アンチハレーション層には、露光波長に吸収を有するアンチハレーション染料を含有する。露光波長が赤外域にある場合には赤外線吸収染料を用いればよく、その場合には可視域に吸収を有しない染料が好ましい。
可視域に吸収を有する染料を用いてハレーション防止を行う場合には、画像形成後には染料の色が実質的に残らないようにすることが好ましく、熱現像の熱により消色する手段を用いることが好ましく、特に非感光性層に熱消色染料と塩基プレカーサーとを添加してアンチハレーション層として機能させることが好ましい。これらの技術については特開平11-231457号等に記載されている。
【0116】
消色染料の添加量は、染料の用途により決定する。一般には、目的とする波長で測定したときの光学濃度(吸光度)が0.1を越える量で使用する。光学濃度は、0.2〜2であることが好ましい。このような光学濃度を得るための染料の使用量は、一般に0.001 〜1g/m2程度である。
【0117】
なお、このように染料を消色すると、熱現像後の光学濃度を0.1以下に低下させることができる。二種類以上の消色染料を、熱消色型記録材料や熱現像感光材料において併用してもよい。同様に、二種類以上の塩基プレカーサーを併用してもよい。
このような消色染料と塩基プレカーサーを用いる熱消色においては、特開平11-352626号に記載のような塩基プレカーサーと混合すると融点を3℃(deg)以上降下させる物質(例えば、ジフェニルスルフォン、4-クロロフェニル(フェニル)スルフォン)を併用することが熱消色性等の点で好ましい。
【0118】
本発明においては、銀色調、画像の経時変化を改良する目的で300 〜450nm に吸収極大を有する着色剤を添加することができる。このような着色剤は、特開昭62-210458 号、同63-104046 号、同63-103235 号、同63-208846 号、同63-306436 号、同63-314535 号、特開平01-61745号、特願平11-276751 号などに記載されている。
このような着色剤は、通常、0.1mg/m2〜1g/m2の範囲で添加され、添加する層としては感光性層の反対側に設けられるバック層が好ましい。
【0119】
本発明における熱現像感光材料は、支持体の一方の側に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤を含む感光性層を有し、他方の側にバック層を有する、いわゆる片面感光材料であることが好ましい。
【0120】
本発明において、搬送性改良のためにマット剤を添加することが好ましく、マット剤については、特開平11-65021号段落番号0126〜0127に記載されている。マット剤は感光材料1m2当たりの塗布量で示した場合、好ましくは1〜400mg/m2、より好ましくは5〜300mg/m2である。
また、乳剤面のマット度は星屑故障が生じなければいかようでも良いが、ベック平滑度が30秒以上2000秒以下が好ましく、特に40秒以上1500秒以下が好ましい。ベック平滑度は、日本工業規格(JIS)P8119「紙および板紙のベック試験器による平滑度試験方法」およびTAPPI標準法T479により容易に求めることができる。
【0121】
本発明においてバック層のマット度としてはベック平滑度が1200秒以下10秒以上が好ましく、800 秒以下20秒以上が好ましく、さらに好ましくは500 秒以下40秒以上である。
【0122】
本発明において、マット剤は感光材料の最外表面層もしくは最外表面層として機能する層、あるいは外表面に近い層に含有されるのが好ましく、またいわゆる保護層として作用する層に含有されることが好ましい。
【0123】
本発明に適用することのできるバック層については特開平11-65021号段落番号0128〜0130に記載されている。
【0124】
本発明の熱現像感光材料は、熱現像処理前の膜面pHが6.0以下であることが好ましく、さらに好ましくは5.5以下である。その下限には特に制限はないが、3程度である。膜面pHの調節はフタル酸誘導体などの有機酸や硫酸などの不揮発性の酸、アンモニアなどの揮発性の塩基を用いることが、膜面pHを低減させるという観点から好ましい。特にアンモニアは揮発しやすく、塗布する工程や熱現像される前に除去できることから低膜面pHを達成する上で好ましい。なお、膜面pHの測定方法は、特願平11-87297号明細書の段落番号0123に記載されている。
【0125】
本発明の感光性層、保護層、バック層など各層には硬膜剤を用いても良い。硬膜剤の例としてはT.H.James著“THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHIC PROCESS FOURTH EDITION ”(Macmillan Publishing Co., Inc. 刊、1977年刊)77 頁から87頁に記載の各方法があり、同書78頁など記載の多価金属イオン、米国特許4,281,060 号、特開平6-208193号などのポリイソシアネート類、米国特許4,791,042 号などのエポキシ化合物類、特開昭62-89048号などのビニルスルホン系化合物類が好ましく用いられる。
【0126】
硬膜剤は溶液として添加され、この溶液の保護層塗布液中への添加時期は、塗布する180分前から直前、好ましくは60分前から10秒前であるが、混合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。具体的な混合方法としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.Harnby、M.F.Edwards 、A.W.Nienow著、高橋幸司訳“液体混合技術”(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章等に記載されているスタチックミキサーなどを使用する方法がある。
【0127】
本発明に適用できる界面活性剤については特開平11-65021号段落番号0132、溶剤については同号段落番号0133、支持体については同号段落番号0134、帯電防止又は導電層については同号段落番号0135、カラー画像を得る方法については同号段落番号0136に、滑り剤については特開平11-84573号段落番号0061〜0064や特願平11-106881号段落番号0049〜0062記載されている。
【0128】
透明支持体は二軸延伸時にフィルム中に残存する内部歪みを緩和させ、熱現像処理中に発生する熱収縮歪みをなくすために、130〜185℃の温度範囲で熱処理を施したポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。医療用の熱現像感光材料の場合、透明支持体は青色染料(例えば、特開平8-240877号実施例記載の染料-1)で着色されていてもよいし、無着色でもよい。支持体には、特開平11-84574号の水溶性ポリエステル、同10-186565 号のスチレンブタジエン共重合体、特願平11-106881 号段落番号0063〜0080の塩化ビニリデン共重合体などの下塗り技術を適用することが好ましい。また、帯電防止層若しくは下塗りについて特開昭56-143430 号、同56-143431 号、同58-62646号、同56-120519 号、特開平11-84573号の段落番号0040〜0051、米国特許第5,575,957 号、特開平11-223898 号の段落番号0078〜0084に記載の技術を適用することができる。
【0129】
熱現像感光材料は、モノシート型(受像材料のような他のシートを使用せずに、熱現像感光材料上に画像を形成できる型)であることが好ましい。
【0130】
熱現像感光材料には、さらに、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤あるいは被覆助剤を添加してもよい。各種の添加剤は、感光性層あるいは非感光性層のいずれかに添加する。それらについてWO98/36322号、EP803764A1号、特開平10-186567号、同10-18568号等を参考にすることができる。
【0131】
本発明における熱現像感光材料はいかなる方法で塗布されても良い。具体的には、エクストルージョンコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、フローコーティング、または米国特許第2,681,294号に記載の種類のホッパーを用いる押出コーティングを含む種々のコーティング操作が用いられ、Stephen F. Kistler、Petert M. Schweizer著“LIQUID FILM COATING ”(CHAPMAN & HALL 社刊、1997年)399頁から536頁記載のエクストルージョンコーティング、またはスライドコーティング好ましく用いられ、特に好ましくはスライドコーティングが用いられる。スライドコーティングに使用されるスライドコーターの形状の例は同書427頁のFigure 11b.1にある。また、所望により同書399 頁から536 頁記載の方法、米国特許第2,761,791 号および英国特許第837,095 号に記載の方法により2層またはそれ以上の層を同時に被覆することができる。
【0132】
本発明の熱現像感光材料に用いることのできる技術としては、EP803764A1号、EP883022A1号、WO98/36322号、特開昭56-62648号、同58-62644号、特開平9-281637、同9-297367号、同9-304869号、同9-311405号、同9-329865号、同10-10669号、同10-62899号、同10-69023号、同10-186568 号、同10-90823号、同10-171063 号、同10-186565 号、同10-186567 号、同10-186569 号〜同10-186572 号、同10-197974 号、同10-197982 号、同10-197983 号、同10-197985 号〜同10-197987 号、同10-207001 号、同10-207004 号、同10-221807 号、同10-282601 号、同10-288823 号、同10-288824 号、同10-307365 号、同10-312038 号、同10-339934 号、同11-7100 号、同11-15105号、同11-24200号、同11-24201号、同11-30832号、同11-84574号、同11-65021号、同11-109547 号、同11-125880 号、同11-129629 号、同11-133536 号〜同11-133539 号、同11-133542 号、同11-133543 号、同11-223898 号も挙げられる。
【0133】
本発明の熱現像感光材料はいかなる方法で現像されても良いが、通常イメージワイズに露光した熱現像感光材料を昇温して現像される。好ましい現像温度としては80〜250 ℃であり、さらに好ましくは100 〜140 ℃である。現像時間としては1〜180 秒が好ましく、10〜90秒がさらに好ましく、10〜40秒が特に好ましい。
【0134】
熱現像の方式としてはプレートヒーター方式が好ましい。プレートヒーター方式による熱現像方式とは特開平11-133572号に記載の方法が好ましく、潜像を形成した熱現像感光材料を熱現像部にて加熱手段に接触させることにより可視像を得る熱現像装置であって、前記加熱手段がプレートヒータからなり、かつ前記プレートヒータの一方の面に沿って複数個の押えローラが対向配設され、前記押えローラと前記プレートヒータとの間に前記熱現像感光材料を通過させて熱現像を行うことを特徴とする熱現像装置である。プレートヒータを2〜6段に分けて先端部については1〜10℃程度温度を下げることが好ましい。このような方法は特開昭54-30032号にも記載されており、熱現像感光材料に含有している水分や有機溶媒を系外に除外させることができ、また、急激に熱現像感光材料が加熱されることでの熱現像感光材料の支持体形状の変化を押さえることもできる。
【0135】
本発明の感光材料はいかなる方法で露光されても良いが、露光光源としてレーザー光が好ましい。本発明によるレーザー光としては、ガスレーザー(Ar + 、He-Ne)、YAGレーザー、色素レーザー、半導体レーザーなどが好ましい。また、半導体レーザーと第2高調波発生素子などを用いることもできる。好ましくは赤〜赤外発光のガス若しくは半導体レーザーである。
【0136】
露光部及び熱現像部を備えた医療用のレーザーイメージャーとしては富士メディカルドライレーザーイメージャーFM−DPLを挙げることができる。FM−DPLに関しては、Fuji Medical Review No.8,page 39〜55に記載されており、それらの技術は本発明の熱現像感光材料のレーザーイメージャーとして適用することは言うまでもない。また、DICOM規格に適応したネットワークシステムとして富士メディカルシステムが提案した「AD network」の中でのレーザーイメージャー用の熱現像感光材料としても適用することができる。
【0137】
本発明の熱現像感光材料は、銀画像による黒白画像を形成し、医療診断用の熱現像感光材料、工業写真用熱現像感光材料、印刷用熱現像感光材料、COM用の熱現像感光材料として使用されることが好ましい。
【0138】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、「実施例−2」、「実施例−4」はそれぞれ「参考例−2」、「参考例−4」と読み替えるものとする。
実施例−1
【0139】
実施例−1中の試料3〜7はそれぞれ「本発明」を「参考例」と読み替えるものとする。
(PET支持体の作成)
テレフタル酸とエチレングリコ−ルを用い、常法に従い固有粘度IV=0.66(フェノ−ル/ テトラクロルエタン=6/4(重量比)中25℃で測定)のPET を得た。これをペレット化した後130 ℃で4時間乾燥し、300 ℃で溶融後T型ダイから押し出して急冷し、熱固定後の膜厚が175μm になるような厚みの未延伸フィルムを作成した。
【0140】
これを、周速の異なるロ−ルを用い3.3 倍に縦延伸、ついでテンタ−で4.5 倍に横延伸を実施した。この時の温度はそれぞれ、110 ℃、130 ℃であった。この後、240 ℃で20秒間熱固定後これと同じ温度で横方向に4%緩和した。この後テンタ−のチャック部をスリットした後、両端にナ−ル加工を行い、4kg/cm2 で巻き取り、厚み175 μmのロ−ルを得た。
【0141】
(表面コロナ処理)
ピラー社製ソリッドステートコロナ処理機6KVAモデルを用い、支持体の両面を室温下において20m/分で処理した。この時の電流、電圧の読み取り値から、支持体には0.375kV ・A ・分/m2 の処理がなされていることがわかった。この時の処理周波数は9.6kHz、電極と誘電体ロ−ルのギャップクリアランスは1.6mmであった。
【0142】
(下塗り支持体の作成)
(1)下塗層塗布液の作成
処方(感光層側下塗り層用)
高松油脂(株)製ペスレジンA-515GB(30質量%溶液) 234 g
ポリエチレングリコールモノノニルフェニルエーテル
(平均エチレンオキシド数=8.5) 10質量%溶液 21.5 g
綜研化学(株)製 MP-1000(ポリマー微粒子、平均粒径0.4μm) 0.91g
蒸留水 744ml
【0143】
処方(バック面第1層用)
ブタジエン−スチレン共重合体ラテックス 158g
(固形分40質量%、ブタジエン/スチレン重量比=32/68)
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−
トリアジンナトリウム塩 8質量%水溶液 20g
ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1質量%水溶液 10ml
蒸留水 854ml
【0144】
処方(バック面側第2層用)
SnO2 /SbO (9/1 重量比、平均粒径0.038 μm 、17質量%分散物) 84g
ゼラチン(10%水溶液) 89.2g
信越化学(株)製 メトローズTC-5(2%水溶液) 8.6g
綜研化学(株)製 MP-1000(ポリマー微粒子) 0.01g
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1質量%水溶液 10ml
NaOH(1%) 6ml
プロキセル(ICI社製) 1ml
蒸留水 805ml
【0145】
(下塗り支持体の作成)
上記厚さ175μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体の両面それぞれに、上記コロナ放電処理を施した後、片面(感光性層面)に下塗り塗布液処方をワイヤーバーでウエット塗布量が6.6ml/m2(片面当たり)になるように塗布して180 ℃で5分間乾燥し、ついでこの裏面(バック面)に下塗り塗布液処方をワイヤーバーでウエット塗布量が5.7ml/m2になるように塗布して180 ℃で5分間乾燥し、更に裏面(バック面)に下塗り塗布液処方をワイヤーバーでウエット塗布量が7.7ml/m2になるように塗布して180 ℃で6 分間乾燥して下塗り支持体を作成した。
【0146】
(バック面塗布液の調製)
(塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)の調製)
塩基プレカーサー化合物11を64g 、ジフェニルスルフォンを28g および花王(株)製界面活性剤デモールN 10g を蒸留水220ml と混合し、混合液をサンドミル(1/4 Gallonサンドグラインダーミル、アイメックス(株)製)を用いてビーズ分散し、平均粒子径0.2μmの、塩基プレカーサー化合物の固体微粒子分散液(a)を得た。
【0147】
(染料固体微粒子分散液の調製)
シアニン染料化合物13を9.6gおよびP-ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム5.8gを蒸留水305mlと混合し、混合液をサンドミル(1/4 Gallonサンドグラインダーミル、アイメックス(株)製)を用いてビーズ分散して平均粒子径0.2μmの染料固体微粒子分散液を得た。
【0148】
(ハレーション防止層塗布液の調製)
ゼラチン17g、ポリアクリルアミド9.6g、上記塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)70g、上記染料固体微粒子分散液56g、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒子サイズ6.5μm)1.5g、ベンゾイソチアゾリノン0.03g 、ポリエチレンスルフォン酸ナトリウム2.2g、青色染料化合物14を0.2g、黄色染料化合物15を3.9g、水を844ml 混合し、ハレーション防止層塗布液を調製した。
【0149】
(バック面保護層塗布液の調製)
容器を40℃に保温し、ゼラチン50g、ポリスチレンスルフォン酸ナトリウム0.2g、N,N-エチレンビス(ビニルスルフォンアセトアミド) 2.4g、t-オクチルフェノキシエトキシエタンスルフォン酸ナトリウム1g、ベンゾイソチアゾリノン30mg、N-パーフルオロオクチルスルフォニル-N-プロピルアラニンカリウム塩37mg、ポリエチレングリコールモノ(N-パーフルオロオクチルスルホニル-N-プロピル-2-アミノエチル)エーテル[ エチレンオキサイド平均重合度15]0.15g、C8F17SO3K 32mg、C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)4(CH2)4-SO3Na 64mg 、アクリル酸/エチルアクリレート共重合体(共重合重量比5 /95)8.8g、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)0.6g、流動パラフィン乳化物を流動パラフィンとして1.8g、水を950ml混合してバック面保護層塗布液とした。
【0150】
《ハロゲン化銀乳剤1の調製》
蒸留水1421mlに1 質量%臭化カリウム溶液3.1ml を加え、さらに1mol/L 濃度の硫酸を3.5ml 、フタル化ゼラチン31.7g を添加した液をチタンコートしたステンレス製反応壺中で攪拌しながら、34℃に液温を保ち、硝酸銀22.22gに蒸留水を加え95.4mlに希釈した溶液Aと臭化カリウム15.9gを蒸留水にて容量97.4mlに希釈した溶液Bを一定流量で45秒間かけて全量添加した。その後3.5質量%の過酸化水素水溶液を10ml添加し、さらにベンツイミダゾールの10質量%水溶液を10.8ml添加した。さらに、硝酸銀51.86gに蒸留水を加え317.5mlに希釈した溶液Cと臭化カリウム45.8g を蒸留水にて容量400ml に希釈した溶液Dを、溶液Cは一定流量で20分間かけて全量添加し、溶液DはpAg を8.1 に維持しながらコントロールドダブルジェット法で添加した。銀1モル当たり1×10-4モルになるよう六塩化イリジウム(III) 酸カリウム塩を溶液Cおよび溶液Dを添加しはじめてから10分後に全量添加した。また、溶液Cの添加終了の5 秒後に六シアン化鉄(II)カリウム水溶液を銀1モル当たり3 ×10-4モル全量添加した。0.5mol/L濃度の硫酸を用いてpHを3.8 に調整し、攪拌を止め、沈降/ 脱塩/ 水洗工程をおこなった。1mol/L 濃度の水酸化ナトリウムを用いてpH5.9 に調整し、pAg8.0のハロゲン化銀分散物を作成した。
【0151】
上記ハロゲン化銀分散物を攪拌しながら38℃に維持して、0.34質量%の1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オンのメタノール溶液を5ml 加え、40分後に分光増感色素30のメタノール溶液を銀1モル当たり1×10-3モル加え、1分後に47℃に昇温した。昇温の20分後にベンゼンチオスルフォン酸ナトリウムをメタノール溶液で銀1モルに対して7.6 ×10-5モル加え、さらに5分後にテルル増感剤Bをメタノール溶液で銀1 モル当たり1.9 ×10-4モル加えて91分間熟成した。N,N'- ジヒドロキシ-N"-ジエチルメラミンの0.8 質量%メタノール溶液1.3ml を加え、さらに4 分後に、5-メチル-2- メルカプトベンヅイミダゾールをメタノール溶液で銀1 モル当たり3.7 ×10-3モル及び1-フェニル-2- ヘプチル-5- メルカプト-1,3,4- トリアゾールをメタノール溶液で銀1モルに対して4.9×10-3モル添加して、ハロゲン化銀乳剤1を作成した。
【0152】
調製できたハロゲン化銀乳剤中の粒子は、平均球相当径0.046μm 、球相当径の変動係数20% の純臭化銀粒子であった。粒子サイズ等は、電子顕微鏡を用い1000個の粒子の平均から求めた。この粒子の[100]面比率は、クベルカムンク法を用いて80% と求められた。
【0153】
《ハロゲン化銀乳剤2の調製》
ハロゲン化銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温34℃を49℃に変更し、溶液Cの添加時間を30分にして、六シアノ鉄(II)カリウムを除去した以外は同様にして、ハロゲン化銀乳剤2の調製を行った。ハロゲン化銀乳剤1と同様に沈殿/脱塩/水洗/分散を行った。更に分光増感色素30の添加量を銀1モル当たり7.5×10-4モル、テルル増感剤Bの添加量を銀1 モル当たり1.1 ×10-4モル、1-フェニル-2- ヘプチル-5- メルカプト-1,3,4- トリアゾールを銀1モルに対して3.3×10-3モルに変えた以外は乳剤1と同様にして分光増感、化学増感及び5-メチル-2- メルカプトベンヅイミダゾール、1-フェニル-2-ヘプチル-5- メルカプト-1,3,4-トリアゾールの添加を行い、ハロゲン化銀乳剤2を得た。ハロゲン化銀乳剤2の乳剤粒子は、平均球相当径0.080μm 、球相当径の変動係数20% の純臭化銀立方体粒子であった。
【0154】
《ハロゲン化銀乳剤3の調製》
ハロゲン化銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温34℃を27℃に変更する以外は同様にして、ハロゲン化銀乳剤3の調製を行った。また、ハロゲン化銀乳剤1と同様に沈殿/脱塩/水洗/分散を行った。分光増感色素30の固体分散物( ゼラチン水溶液) の添加量を銀1 モル当たり6×10-3モル、テルル増感剤Bの添加量を銀1 モル当たり5.2 ×10-4モルに変えた以外は乳剤1と同様にして、ハロゲン化銀乳剤3を得た。ハロゲン化銀乳剤3の乳剤粒子は、平均球相当径0.038 μm 、球相当径の変動係数20% の純臭化銀立方体粒子であった。
【0155】
《塗布液用混合乳剤Aの調製》
ハロゲン化銀乳剤1を70質量% 、ハロゲン化銀乳剤2を15質量%、ハロゲン化銀乳剤3を15質量% 溶解し、ベンゾチアゾリウムヨーダイドを1質量%水溶液にて銀1モル当たり7 ×10-3モル添加した。
【0156】
《りん片状脂肪酸銀塩の調製》
ヘンケル社製ベヘン酸(製品名Edenor C22-85R)87.6kg、蒸留水423L、5N-NaOH水溶液49.2L 、tert- ブタノール120Lを混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させ、ベヘン酸ナトリウム溶液を得た。別に、硝酸銀40.4kgの水溶液206.2L(pH4.0 )を用意し、10℃にて保温した。635Lの蒸留水と30Lのtert−ブタノールを入れた反応容器を30℃に保温し、撹拌しながら先のベヘン酸ナトリウム溶液の全量と硝酸銀水溶液の全量を流量一定でそれぞれ62分10秒と60分かけて添加した。このとき、硝酸銀水溶液添加開始後7分20秒間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにし、そのあとベヘン酸ナトリウム溶液を添加開始し、硝酸銀水溶液の添加終了後9分30秒間はベヘン酸ナトリウム溶液のみが添加されるようにした。このとき、反応容器内の温度は30℃とし、液温度が一定になるように外温コントロールした。また、ベヘン酸ナトリウム溶液の添加系の配管は、スチームトレースにより保温し、添加ノズル先端の出口の液温度が75℃になるようにスチーム開度を調製した。また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管の外側に冷水を循環させることにより保温した。ベヘン酸ナトリウム溶液の添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置は撹拌軸を中心として対称的な配置とし、また反応液に接触しないような高さに調製した。
【0157】
ベヘン酸ナトリウム溶液を添加終了後、そのままの温度で20分間撹拌放置し、25℃に降温した。その後、吸引濾過で固形分を濾別し、固形分を濾過水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして脂肪酸銀塩を得た。得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管した。
【0158】
得られたベヘン酸銀粒子の形態を電子顕微鏡撮影により評価したところ、平均値でa=0.14μm 、b=0.4 μm 、c=0.6 μm 、平均アスペクト比5.2 、平均球相当径0.52μm 、球相当径の変動係数15%のりん片状の結晶であった。(a,b,c は本文の規定)
【0159】
乾燥固形分100 g相当のウエットケーキに対し、ポリビニルアルコール(商品名:PVA-217)7.4 gおよび水を添加し、全体量を385 gとしてからホモミキサーにて予備分散した。
【0160】
次に予備分散済みの原液を分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110S−EH、マイクロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーション製、G10Zインタラクションチャンバー使用)の圧力を1750kg/cm2 に調節して、三回処理し、ベヘン酸銀分散物を得た。冷却操作は蛇管式熱交換器をインタラクションチャンバーの前後に各々装着し、冷媒の温度を調節することで18℃の分散温度に設定した。
【0161】
《還元剤の25質量%分散物の調製》
1,1-ビス(2- ヒドロキシ-3,5- ジメチルフェニル)-3,5,5-トリメチルヘキサン10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203 )の20質量%水溶液10kgに、水16kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mm のジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2 :アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調製し、還元剤分散物を得た。こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.42μm 、最大粒子径2.0μm 以下であった。得られた還元剤分散物は孔径10.0μm のポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0162】
《メルカプト化合物の10質量%分散物の調製》
1-フェニル-2- ヘプチル-5- メルカプト-1,3,4- トリアゾールを5kg と変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203 )の20質量%水溶液5kgに、水8.3kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて6時間分散したのち、水を加えてメルカプト化合物の濃度が10質量%になるように調製し、メルカプト分散物を得た。こうして得たメルカプト化合物分散物に含まれるメルカプト化合物粒子はメジアン径0.40μm 、最大粒子径2.0μm 以下であった。得られたメルカプト化合物分散物は孔径10.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。また、使用直前に再度孔径10μm のポリプロピレン製フィルターにてろ過した。
【0163】
《有機ポリハロゲン化合物の20質量%分散物−1の調製》
トリブロモメチルナフチルスルホン5kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の20質量%水溶液2.5kg と、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液213gと、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mm のジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2 :アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が20質量%になるように調製し、有機ポリハロゲン化合物分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.36μm 、最大粒子径2.0 μm 以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径3.0μm のポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0164】
《有機ポリハロゲン化合物の25質量%分散物−2の調製》
有機ポリハロゲン化合物の20質量%分散物−1と同様に、但し、トリブロモメチルナフチルスルホン5kgの代わりにトリブロモメチル(4−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホニル)フェニル)スルホン5kgを用い、分散し、この有機ポリハロゲン化合物が25質量%となるように希釈し、ろ過を行った。こうして得た有機ポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.38μm 、最大粒子径2.0μm 以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径3.0μm のポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0165】
《有機ポリハロゲン化合物の30質量%分散物−3の調製》
有機ポリハロゲン化合物の20質量%分散物−1と同様に、但し、トリブロモメチルナフチルスルホン5kgの代わりにトリブロモメチルフェニルスルホン5kgを用い、20質量%MP203 水溶液を5kgとし、分散し、この有機ポリハロゲン化合物が30質量%となるように希釈し、ろ過を行った。こうして得た有機ポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.41μm 、最大粒子径2.0μm 以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径3.0 μm のポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。また、収納後、使用までは10℃以下で保管した。
【0166】
《フタラジン化合物の5質量%溶液の調製》
8Kgのクラレ(株)製変性ポリビニルアルコールMP203 を水174.57Kgに溶解し、次いでトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液3.15Kgと6-イソプロピルフタラジンの70質量%水溶液14.28Kgを添加し、6-イソプロピルフタラジンの5質量%液を調製した。
【0167】
《顔料の20質量%分散物の調製》
C.I.Pigment Blue 60 を64g と花王(株) 製デモールNを6.4gに水250gを添加し良く混合してスラリーとした。平均直径0.5mmのジルコニアビーズ800 gを用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4 Gサンドグラインダーミル:アイメックス(株)製)にて25時間分散し顔料分散物を得た。こうして得た顔料分散物に含まれる顔料粒子は平均粒径0.21μmであった。
【0168】
《SBRラテックス40質量%の調製》
限外濾過(UF)精製したSBRラテックスは以下のように得た。
下記のSBR ラテックスを蒸留水で10倍に希釈したものをUF- 精製用モジュールFS03-FC-FUY03A1(ダイセン・メンブレン・システム(株))を用いてイオン伝導度が1.5mS/cmになるまで希釈精製し、三洋化成(株)製サンデット-BLを0.22質量%になるよう添加した。更にNaOHとNH4 OHを用いてNa+ イオン:NH4 + イオン=1:2.3(モル比)になるように添加し、pH8.4 に調整した。この時のラテックス濃度は40質量%であった。
(SBRラテックス:-St(68)-Bu(29)-AA(3)-のラテックス)
【0169】
平均粒径0.1μm 、濃度45質量% 、25℃60%RH における平衡含水率0.6 質量%、イオン伝導度4.2mS/cm(イオン伝導度の測定は東亜電波工業(株)製伝導度計CM-30S使用しラテックス原液(40%)を25℃にて測定)、pH8.2
【0170】
《乳剤層(感光性層)塗布液の調製》
上記で得た顔料の20質量%水分散物を1.1g、有機酸銀分散物103g、ポリビニルアルコールPVA-205(クラレ(株)製)の20質量%水溶液5g、上記25質量%還元剤分散物25g 、有機ポリハロゲン化合物分散物-1,-2,-3を5:1:3 (重量比)で総量16.3g、メルカプト化合物10% 分散物6.2g、限外濾過(UF)精製しpH調整したSBRラテックス40質量%を106 g、フタラジン化合物の5 質量%溶液を18mlを添加し、ハロゲン化銀混合乳剤A を10g を良く混合し、乳剤層塗布液を調製し、そのままコーティングダイへ70ml/m2 となるように送液し、塗布した。
【0171】
上記乳剤層塗布液の粘度は東京計器のB型粘度計で測定して、40℃(No.1ローター、60rpm)で85[mPa・s]であった。
【0172】
レオメトリックスファーイースト株式会社製RFSフルードスペクトロメーターを使用した25℃での塗布液の粘度は剪断速度が0.1 、1 、10、100 、1000[1/ 秒] においてそれぞれ1500、220、70、40、20[mPa・s]であった。
【0173】
《乳剤面中間層塗布液の調製》
ポリビニルアルコールPVA-205(クラレ(株)製)の10質量%水溶液772g、顔料の20質量%分散物5.3g、メチルメタクリレート/ スチレン/ ブチルアクリレート/ ヒドロキシエチルメタクリレート/ アクリル酸共重合体(共重合重量比64/9/20/5/2)ラテックス27.5質量%液226gにエアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液を2ml、フタル酸二アンモニウム塩の20質量%水溶液を10.5ml、総量880gになるように水を加え、pHが7.5 になるようにNaOHで調整して中間層塗布液とし、10ml/m2 になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB 型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm )で21[mPa・s]であった。
【0174】
《乳剤面保護層第1層塗布液の調製》
イナートゼラチン64gを水に溶解し、メチルメタクリレート/ スチレン/ ブチルアクリレート/ ヒドロキシエチルメタクリレート/ アクリル酸共重合体(共重合重量比64/9/20/5/2 )ラテックス27.5質量%液80g、フタル酸の10質量%メタノール溶液を23ml、4-メチルフタル酸の10質量%水溶液23ml、1Nの硫酸を28ml、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液を5ml 、フェノキシエタノール0.5g、ベンゾイソチアゾリノン0.1gを加え、総量750gになるように水を加えて塗布液とし、4質量%のクロムみょうばん26mlを塗布直前にスタチックミキサーで混合したものを18.6ml/m2 になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm )で17[mPa・s]であった。
【0175】
《乳剤面保護層第2層塗布液の調製》
イナートゼラチン80gを水に溶解し、メチルメタクリレート/ スチレン/ ブチルアクリレート/ ヒドロキシエチルメタクリレート/ アクリル酸共重合体(共重合重量比64/9/20/5/2 )ラテックス27.5質量%液102g、N-パーフルオロオクチルスルフォニル-N- プロピルアラニンカリウム塩の5質量%溶液を3.2ml 、ポリエチレングリコールモノ(N- パーフルオロオクチルスルホニル-N- プロピル-2- アミノエチル)エーテル[ エチレンオキシド平均重合度=15]の2 質量%水溶液を32ml、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5 質量%溶液を23ml、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径0.7 μm)4g、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径6.4 μm)21 g、4-メチルフタル酸1.6g、フタル酸4.8g、0.5mol/L濃度の硫酸を44ml、ベンゾイソチアゾリノン10mgに総量650gとなるよう水を添加して、4質量%のクロムみょうばんと0.67質量%のフタル酸を含有する水溶液445ml を塗布直前にスタチックミキサーで混合したものを表面保護層塗布液とし、8.3ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB 型粘度計40℃(No.1ローター,60rpm)で9[mPa・s]であった。
【0176】
《熱現像感光材料の作成》
上記下塗り支持体のバック面側に、ハレーション防止層塗布液を固体微粒子染料の固形分塗布量が0.04g/m2となるように、またバック面保護層塗布液をゼラチン塗布量が1.7g/m2 となるように同時重層塗布し、乾燥し、ハレーション防止バック層を作成した。
【0177】
バック面と反対の面に下塗り面から乳剤層(ハロゲン化銀の塗布銀量0.14g/m2)、中間層、保護層第1層、保護層第2層の順番でスライドビード塗布方式にて同時重層塗布し、熱現像感光材料の試料1を作成した。
【0178】
塗布はスピード160m/minで行い、コーティングダイ先端と支持体との間隙を0. 10〜0. 30mmに、減圧室の圧力を大気圧に対して196〜882Pa低く設定した。支持体は塗布前にてイオン風で除電した。
引き続くチリングゾーンにて、乾球温度10〜20℃の風にて塗布液を冷却した後、無接触型搬送して、つるまき式無接触型乾燥装置にて、乾球温度23〜45℃、湿球温度15〜21℃の乾燥風で乾燥させた。
乾燥後、25℃で湿度40〜60%RHで調湿した後、膜面を70〜90℃になるように加熱した。加熱後、膜面を25℃まで冷却した。
作製された熱現像感光材料のマット度はベック平滑度で感光性層面側が550秒、バック面が130 秒であった。また、感光層面側の膜面のpHを測定したところ6.0であった。
【0179】
【化15】
【0180】
【化16】
【0181】
次に、色素30(比較色素)の代わりに色素35(比較色素)、本発明の例示色素1、4、9、23、及び27を用いたもの、更に本発明の例示色素と色素30を併用したものをそれぞれ試料1〜9とした。なお、併用系の場合、全体の色素量が色素30の場合と同じになるようにした。
(写真性能の評価)
富士メディカルドライレーザーイメージャーFM−DPL(最大60mW(IIIB)出力の660nm 半導体レーザー搭載)にて写真材料を露光・熱現像(約120 ℃) し、得られた画像の評価を濃度計により行った。その際、露光温度32℃と13℃で行った。
【0182】
測定の結果は、Dmin、感度(Dminより1.0高い濃度を与える露光量の比の逆数)で評価した。感度は、試料1の露光温度32℃を100とした相対値で表した。
【0183】
(経時保存性の評価)
それぞれの試料を30.5cm×25.4cmに裁断し、角を0.5cmのラウンドコーナーとした。これらの各試料を25℃50%RHの条件下で1日放置し、それぞれ1枚ずつを防湿材料でできた袋の中に密封し、さらに35.1cm×26.9cm×3.0cm の化粧箱に入れ、50℃で5日間経時した(強制経時)。このサンプルを写真性能の評価に用いたものと同じ評価をおこない、Dmin、感度を評価した。
評価結果を表1に示す。
【0184】
【表1】
【0185】
表1より、本発明の増感色素を使用した試料3〜9は、高感度、低カブリ、小さな露光温度依存性、保存性良好であることがわかる。特にその効果は2種の色素を併用した場合に顕著である。
【0186】
実施例−2
特開平7-287337の実施例-1において、該特開平記載の増感色素の代わりに、本発明における比較色素30および例示色素4を用いて試料10及び11を作成した。それぞれの試料を本発明における実施例-1の (写真性能の評価) 記載の方法で露光し、熱現像のかわりに特開平7-287337記載の処理をおこない、写真性能の評価をおこなった。感度は10を100とすると11は166になり、高感度の結果が得られた。
【0187】
実施例−3
実施例-1において、ハロゲン化銀乳剤1の代わりに、次のように調製したハロゲン化銀乳剤4を用いた。実施例−3中の試料3、4、13、14はそれぞれ「本発明」を「参考例」と読み替えるものとする。
【0188】
《ハロゲン化銀乳剤4の調製》
蒸留水1421ccに1wt%臭化カリウム溶液6.7cc を加え、さらに1N硝酸を8.2cc 、フタル化ゼラチン21.8g を添加した液をチタンコートしたステンレス製反応壺中で攪拌しながら、35℃に液温を保ち、硝酸銀37.04gに蒸留水を加え159cc に希釈した溶液a1と臭化カリウム32.6g を蒸留水にて容量200cc に希釈した溶液b1を準備し、コントロールダブルジェット法でpAg を8.1 に維持しながら、溶液a1の全量を一定流量で1分間かけて添加した。(溶液b1は、コントロールドダブルジェット法にて添加)その後3.5%の過酸化水素水溶液を30cc添加し、さらにベンゾイミダゾールの3wt%水溶液を336cc添加した。その後、再び溶液a1を蒸留水希釈して317.5cc にした溶液a2と、溶液b1に対して最終的に銀1 モル当たり1×10-4モルになるよう六塩化イリジウム酸二カリウムを溶解し液量を溶液b1の2倍の400ccまで蒸留水希釈した溶液b2を用いて、やはりコントロールドダブルジェット法にて、pAg を 8.1に維持しながら、一定流量で溶液a2を10分間かけて全量添加した。(溶液b2は、コントロールドダブルジェット法で添加)その後2-メルカプト-5-メチルベンゾイミダゾールの0.5%メタノール溶液を50cc添加し、さらに硝酸銀でpAgを7.5 に上げてから1N硫酸を用いてpHを3.8 に調整し攪拌を止め、沈降/ 脱塩/ 水洗工程を行い、脱イオンゼラチン3.5gを加えて1Nの水酸化ナトリウムを添加して、pH6.0、pAg8.2に調整してハロゲン化銀分散物を作成した。
できあがったハロゲン化銀乳剤中の粒子は、平均球相当径0.031μm 、球相当径の変動係数11% の純臭化銀粒子である。粒子サイズ等は、電子顕微鏡を用い1000個の粒子の平均から求めた。該粒子の{100 }面比率は、クベルカムンク法を用いて85% と求められた。
該乳剤を攪拌しながら50℃に昇温し、N,N-ジヒドロキシ-N,N- ジエチルメラミンの0.5wt%メタノール溶液を5cc とフェノキシエタノールの3.5wt%メタノール溶液5cc を加え、1分後にベンゼンチオスルホン酸ナトリウムを銀1モルに対して3×10-5モル加えた。さらに2分後比較色素35の固体分散物(ゼラチン水溶液) を銀1モルあたり、5×10-3モル加え、さらに2 分後比較添加剤を銀1モルあたり1×10-4モル加えて50分間熟成した。熟成終了間際に、2-メルカプト-5-メチルベンゾイミダゾールを銀1モルあたり1×10-3モル添加して温度を下げ、化学増感を終了しハロゲン化銀乳剤4を作製した。
これ以外は実施例-1と全く同様にして試料12を作成した。増感色素として比較色素35の代わりに例示色素1、4、4+30を用いたものをそれぞれ試料13、14、15とした。
【0189】
【化17】
【0190】
これらの試料は実施例-1と同様に写真性能の評価をおこなった。結果を表2に示す。
【0191】
【表2】
【0192】
その結果、本発明の色素は比較のものより、いずれの場合にも高感度、底カブリ、保存性が良いことがわかる。また、本発明における増感色素を含むハロゲン化銀乳剤層がテルル化合物によって増感された場合に、特に高い感度、低カブリ、保存性良好な熱現像感光材料を得ることができる。
【0193】
実施例−4
特開平7-194282の実施例-1において、該特開平記載の染料の代わりに、本発明における実施例1に使用したシアニン染料化合物13及び塩基プレカーサ化合物11を用いて、該特開平記載の増感色素Aおよび例示色素4を用いて試料16及び17を作成した。それぞれの試料を本発明における実施例−1の(写真性能の評価)記載の方法で写真性能の評価を行ったところ、本発明の実施例−1同様の結果が得られた。
【0194】
【発明の効果】
本発明により、高感度、低カブリ、かつ保存性の良いハロゲン化銀感光材料、特に熱現像感光材料が得られた。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a silver halide photographic material, and more particularly to a photothermographic material.
[0002]
[Prior art]
In recent years, in the medical diagnostic film field and the photoengraving film field, it is strongly desired to reduce the amount of processing waste liquid from the viewpoint of environmental protection and space saving. Therefore, thermal development as a medical diagnostic film and a photoengraving film that can be efficiently exposed by a laser image setter or a laser imager and can form a clear black image having high resolution and sharpness. There is a need for techniques relating to photosensitive materials. According to these photothermographic materials, it is possible to supply a customer with a photothermographic processing system that does not require solution processing chemicals and that is simpler and does not impair the environment.
[0003]
There are similar requirements in the field of general image forming materials, but medical diagnostic images in particular require fine depiction, so they require high image quality with excellent sharpness and graininess, and ease of diagnosis. From the viewpoint, a cool black image is preferred. At present, various hard copy systems using pigments and dyes such as inkjet printers and electrophotography are distributed as general image forming systems. However, there is no satisfactory output system for medical images.
[0004]
On the other hand, thermal imaging systems using organic silver salts are disclosed in, for example, US Pat. Nos. 3,152,904 and 3,457,075, and D.C. "Thermally Processed Silver Systems" by Klosterboer (Imaging Processes and Materials Neblette 8th Edition, J. Sturge, V. (Walworth, A. Shepp, Chapter 9, 279, 1989). In particular, the photothermographic material generally contains a catalytically active amount of a photocatalyst (for example, silver halide), a reducing agent, a reducible silver salt (for example, an organic silver salt), and, if necessary, a toning agent that controls the color tone of silver. And a photosensitive layer dispersed in a binder matrix. The photothermographic material is heated to a high temperature (for example, 80 ° C. or higher) after image exposure, and a black silver image is formed by a redox reaction between a reducible silver salt (functioning as an oxidizing agent) and a reducing agent. Form. The oxidation-reduction reaction is promoted by the catalytic action of the latent image of silver halide generated by exposure. Therefore, a black silver image is formed in the exposure area. It is disclosed in many documents such as US Pat. No. 2910377 and Japanese Examined Patent Publication No. 43-4924.
[0005]
However, in a photothermographic material containing an organic silver salt, even if a sensitizing dye capable of absorbing red laser light is used, although it is more relaxed than an infrared dye, it is fogged to a degree that cannot be ignored in practice. Appearance and performance fluctuations during storage remained a problem.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a silver halide photographic material, particularly a photothermographic material, which has high sensitivity, low fog and good storage stability.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The above problems have been solved by the following means.
(1)In a photothermographic material containing at least one photosensitive silver halide, a non-photosensitive organic silver salt, a reducing agent for silver ions and a binder on one surface of a support, a general formula ( II ) And a general formula ( III And a photothermographic material comprising at least one merocyanine dye represented by formula (I).
General formula ( II )
[0010]
[Chemical formula 5]
[0011]
[In the formula, RThree And RFour Each represents an alkyl group, an aryl group or a heterocyclic group. V1 , V2 , VThree , VFour , VFive And V6 Each represents a hydrogen atom or a substituent. LFive , L6 , L7 And L8 Each represents a methine group. M2 Represents a charge neutralizing counter ion, m2 Is a number of 0 or more necessary to neutralize the charge in the molecule. ]
General formula (III)
[0012]
[Chemical 6]
[0013]
[In the formula, RFiveAnd R6Each represents an alkyl group, an aryl group or a heterocyclic group. V7, V8, V9And VTenEach represents a hydrogen atom or a substituent. L9, LTen, L11And L12Each represents a methine group. MThreeRepresents a charge neutralizing counter ion, mThreeIs a number of 0 or more necessary to neutralize the charge in the molecule. ]
(2) General formula ( II Among the merocyanine dyes represented by Four The photothermographic material according to (1), wherein is a carboxymethyl group.
(3) General formula ( II Among the merocyanine dyes represented by 1 , V 2 , V Three , V Four , V Five And V 6 The photothermographic material according to (1) or (2), wherein is a hydrogen atom.
(4Among the merocyanine dyes represented by the general formula (III), V7And VTenAre each a hydrogen atom, V8And V9Are each an alkyl group(1)-(3)DescribedHeat developmentPhotosensitive material.
(5General formula (IIIR) among merocyanine dyes represented byFiveIs an unsubstituted alkyl group having 5 to 10 carbon atoms(1)-(4)In any ofHeat developmentPhotosensitive material.
(6General formula (II)A merocyanine dye represented by the general formula ( III Merocyanine dye represented byA silver halide emulsion containing silver (photosensitive silver halide emulsion containing silver halide) is sensitized with a tellurium sensitizer(1)-(5)In any ofHeat developmentPhotosensitive material.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The general formulas (I) to (III) will be described in detail below.
In the present invention, the general formula ( II )as well as( III The general formula (I) is also described for reference.
[0015]
Z1 Represents an atomic group necessary for forming a naphthoxazole ring. Z1 Examples thereof include naphtho [2,1-d] oxazole, naphtho [2,3-d] oxazole, and naphtho [1,2-d] oxazole rings, and these rings may be substituted. The substituent is not particularly limited, and examples thereof include halogen atoms (for example, chlorine, bromine, iodine, fluorine), mercapto groups, cyano groups, carboxyl groups, phosphate groups, sulfo groups, hydroxy groups, 1 to 10 carbon atoms, Preferably a carbamoyl group having 2 to 8 carbon atoms, more preferably 2 to 5 carbon atoms (eg methylcarbamoyl, ethylcarbamoyl, morpholinocarbonyl), 0 to 10 carbon atoms, preferably 2 to 8 carbon atoms, more preferably a carbon number 2 to 5 sulfamoyl groups (eg methylsulfamoyl, ethylsulfamoyl, piperidinosulfonyl), nitro groups, 1 to 20 carbons, preferably 1 to 10 carbons, more preferably 1 to 8 carbons Alkoxy groups (eg methoxy, ethoxy, 2-methoxyethoxy, 2-phenylethoxy), carbon 6 to 20, preferably 6 to 12 carbon atoms, more preferably 6 to 10 carbon atoms aryloxy group (e.g., phenoxy, p- methylphenoxy, p- chlorophenoxy, naphthoxy),
[0016]
An acyl group having 1 to 20 carbon atoms, preferably 2 to 12 carbon atoms, more preferably 2 to 8 carbon atoms (eg, acetyl, benzoyl, trichloroacetyl), 1 to 20 carbon atoms, preferably 2 to 12 carbon atoms, Preferably an acyloxy group having 2 to 8 carbon atoms (eg acetyloxy, benzoyloxy), an acylamino group having 1 to 20 carbon atoms, preferably 2 to 12 carbon atoms, more preferably 2 to 8 carbon atoms (eg acetylamino), A sulfonyl group having 1 to 20 carbon atoms, preferably 1 to 10 carbon atoms, more preferably 1 to 8 carbon atoms (for example, methanesulfonyl, ethanesulfonyl, benzenesulfonyl), 1 to 20 carbon atoms, preferably 1 to 10 carbon atoms And more preferably a sulfinyl group having 1 to 8 carbon atoms (for example, methanesulfinyl, ethanes). Finyl, benzenesulfinyl), a sulfonylamino group having 1 to 20 carbon atoms, preferably 1 to 10 carbon atoms, more preferably 1 to 8 carbon atoms (for example, methanesulfonylamino, ethanesulfonylamino, benzenesulfonylamino), an amino group, A substituted amino group having 1 to 20 carbon atoms, preferably 1 to 12 carbon atoms, more preferably 1 to 8 carbon atoms (for example, methylamino, dimethylamino, benzylamino, anilino, diphenylamino), 0 to 15 carbon atoms, preferably Is an ammonium group having 3 to 10 carbon atoms, more preferably 3 to 6 carbon atoms (for example, trimethylammonium, triethylammonium), 0 to 15 carbon atoms, preferably 1 to 10 carbon atoms, more preferably 1 to 6 carbon atoms. A hydrazino group (eg trimethylhydrazino group), A ureido group having 1 to 15 primes, preferably 1 to 10 carbons, more preferably 1 to 6 carbons (eg, ureido group, N, N-dimethylureido group), 1 to 15 carbons, preferably 1 to carbons 10, more preferably an imide group having 1 to 6 carbon atoms (for example, succinimide group), an alkylthio group having 1 to 20 carbon atoms, preferably 1 to 12 carbon atoms, more preferably 1 to 8 carbon atoms (for example, methylthio, ethylthio, Propylthio), an arylthio group having 6 to 20 carbon atoms, preferably 6 to 12 carbon atoms, more preferably 6 to 10 carbon atoms (for example, phenylthio, p-methylphenylthio, p-chlorophenylthio, 2-pyridylthio, naphthylthio), C2-C20, preferably C2-C12, more preferably C2-C8 alkoxy A carbonyl group (for example, methoxycarbonyl, ethoxycarbonyl, 2-benzyloxycarbonyl), an aryloxycarbonyl group having 6 to 20, preferably 6 to 12, more preferably 6 to 10 carbon atoms (for example, phenoxycarbonyl), An unsubstituted alkyl group having 1 to 18 carbon atoms, preferably 1 to 10 carbon atoms, more preferably 1 to 5 carbon atoms (eg methyl, ethyl, propyl, butyl), 1 to 18 carbon atoms, preferably 1 to carbon atoms 10, more preferably a substituted alkyl group having 1 to 5 carbon atoms (for example, hydroxymethyl, trifluoromethyl, benzyl, carboxyethyl, ethoxycarbonylmethyl, acetylaminomethyl, and here, 2 to 18 carbon atoms, preferably 3 carbon atoms) To 10 and more preferably 3 to 5 carbon atoms. A hydrocarbon group (for example, a vinyl group, an ethynyl group, a 1-cyclohexenyl group, a benzylidine group, a benzylidene group) is also included in the substituted alkyl group}, 6 to 20 carbon atoms, preferably 6 to 15 carbon atoms, Preferably a substituted or unsubstituted aryl group having 6 to 10 carbon atoms (for example, phenyl, naphthyl, p-carboxyphenyl, p-nitrophenyl, 3,5-dichlorophenyl, p-cyanophenyl, m-fluorophenyl, p-tolyl) ), A substituted or unsubstituted heterocyclic group having 1 to 20 carbon atoms, preferably 2 to 10 carbon atoms, more preferably 4 to 6 carbon atoms (for example, pyridyl, 5-methylpyridyl, thienyl, furyl, morpholino, tetrahydrofur Frills). In addition, a structure in which a benzene ring or a naphthalene ring is condensed can be formed. These substituent groups are hereinafter referred to as a substituent group V.
Furthermore, the substituents described so far may be further substituted on these substituents. The substituent is preferably a halogen atom, an alkoxy group, an aryl group or an alkyl group.
Z1 Preferred is a naphtho [2,1-d] oxazole ring, and particularly preferred is an unsubstituted naphtho [2,1-d] oxazole ring.
[0017]
R1 , R2 , RThree , RFour, RFiveAnd R6Each represents an alkyl group, an aryl group or a heterocyclic group, and may be further substituted. R1 , RThreeAnd RFiveSpecifically, for example, an unsubstituted alkyl group having 1 to 18, preferably 1 to 7, particularly preferably 1 to 4 carbon atoms (for example, methyl, ethyl, propyl, isopropyl, butyl, isobutyl, hexyl, octyl, Dodecyl, octadecyl), a substituted alkyl group having 1 to 18, preferably 1 to 7, and particularly preferably 1 to 4 carbon atoms {for example, an alkyl group substituted with V as a substituent. Preferably, an aralkyl group (for example, benzyl, 2-phenylethyl), an unsaturated hydrocarbon group (for example, allyl group), a hydroxyalkyl group (for example, 2-hydroxyethyl, 3-hydroxypropyl), a carboxyalkyl group (for example, 2- Carboxyethyl, 3-carboxypropyl, 4-carboxybutyl, carboxymethyl), an alkoxyalkyl group (eg, 2-methoxyethyl, 2- (2-methoxyethoxy) ethyl), an aryloxyalkyl group (eg, 2-phenoxyethyl, 2- (1-naphthoxy) ethyl), alkoxycarbonylalkyl group (eg ethoxycarbonylmethyl, 2-benzyloxycarbonylethyl), aryloxycarbonylalkyl group (eg 3-phenoxycarbonylpropyl), acyloxyalkyl group For example, 2-acetyloxyethyl), acylalkyl groups (for example, 2-acetylethyl), carbamoylalkyl groups (for example, 2-morpholinocarbonylethyl), sulfamoylalkyl groups (for example, N, N-dimethylcarbamoylmethyl), sulfoalkyl groups (For example, 2-sulfoethyl, 3-sulfopropyl, 3-sulfobutyl, 4-sulfobutyl, 2- [3-sulfopropoxy] ethyl, 2-hydroxy-3-sulfopropyl, 3-sulfopropoxyethoxyethyl), sulfoalkenyl group , Sulfatoalkyl groups (for example, 2-sulfatoethyl group, 3-sulfatopropyl, 4-sulfatobutyl), heterocyclic-substituted alkyl groups (for example, 2- (pyrrolidin-2-one-1-yl) ethyl, Tetrahydrofurfuryl), alkylsulfonyl Rubamoylmethyl group (for example, methanesulfonylcarbamoylmethyl group)}, an unsubstituted aryl group having 6 to 20 carbon atoms, preferably 6 to 10 carbon atoms, more preferably 6 to 8 carbon atoms (for example, phenyl group, 1-naphthyl group), A substituted aryl group having 6 to 20 carbon atoms, preferably 6 to 10 carbon atoms, and more preferably 6 to 8 carbon atoms (for example, an aryl group substituted with V described above as an example of a substituent group). Is a p-methoxyphenyl group, p-methylphenyl group, p-chlorophenyl group, etc.), an unsubstituted complex having 1 to 20 carbon atoms, preferably 3 to 10 carbon atoms, and more preferably 4 to 8 carbon atoms. A cyclic group (for example, 2-furyl group, 2-thienyl group, 2-pyridyl group, 3-pyrazolyl, 3-isoxazolyl, 3-isothiazolyl, 2-imidazolyl, 2-oxazolyl, 2-thiazolyl, 2-pyridyl, 2-pyrimidyl, 3-pyrazyl, 2- (1,3,5-triazolyl), 3- (1,2,4-triazolyl), 5- Tetrazolyl), a substituted heterocyclic group having 1 to 20 carbon atoms, preferably 3 to 10 carbon atoms, more preferably 4 to 8 carbon atoms (for example, the heterocyclic group substituted with V described above as an example of the substituent). It is done. Specific examples include 5-methyl-2-thienyl group and 4-methoxy-2-pyridyl group. ). As the substituent for the alkyl group, a hydroxy group, a carboxy group, a sulfo group, a sulfato group, a phosphono group, an alkylsulfonylcarbamoyl group (for example, a methanesulfonylcarbamoyl group), an acylcarbamoyl group (for example, an acetylcarbamoyl group), an acylsulfuric group is preferable. Examples include a famoyl group (for example, acetylsulfamoyl group), an alkylsulfonylsulfamoyl group (for example, methanesulfonylsulfamoyl group), an aryl group, an alkoxy group, and an aryloxy group. More preferred is a sulfo group.
R1 , RThreeAnd RFivePreferably, it is an unsubstituted alkyl group having 1 to 18 carbon atoms (for example, methyl group, ethyl group, propyl group, octyl group, decyl group, dodecyl group, octadecyl group) or sulfoalkyl group (sulfobutyl group, sulfopropyl group). And particularly preferably an unsubstituted alkyl group having 5 to 10 carbon atoms (n-octyl group, n-pentyl group).
[0018]
R2 , RFourAnd R6Is preferably an unsubstituted alkyl group having 1 to 18 carbon atoms (for example, methyl, ethyl, propyl, isopropyl, butyl, isobutyl, hexyl, octyl, dodecyl, octadecyl), and the substituted alkyl group is an aralkyl group (for example, Benzyl, 2-phenylethyl), hydroxyalkyl group (for example, 2-hydroxyethyl, 3-hydroxypropyl), mercaptoalkyl group (for example, 2-mercaptoethyl), carboxyalkyl group (for example, carboxymethyl, 2-carboxyethyl) , 3-carboxypropyl, 4-carboxybutyl), an alkoxyalkyl group (for example, 2-methoxyethyl, 2- (2-hydroxyethoxy) ethyl, 2- (2-methoxyethoxy) ethyl), an aryloxyalkyl group (for example, , 1-naphthyl Xy), a sulfoalkyl group (for example, 2-sulfoethyl, 3-sulfopropyl, 3-sulfobutyl, 4-sulfobutyl, 2- (3-sulfopropoxy) ethyl, 2-hydroxy-3-sulfopropyl, 3-sulfopropoxyethoxy) Ethyl), sulfatoalkyl groups (eg, 3-sulfatopropyl, 4-sulfatobutyl), arylthioalkyl groups (eg, phenylthioethyl), heterocyclic-substituted alkyl groups (eg, 2- (pyrrolidine-2- On-1-yl) ethyl, tetrahydrofurfuryl, 2-morpholinoethyl), 2-acetoxyethyl, carbomethoxymethyl, 2-methanesulfonylaminoethyl} are preferred.
[0019]
R2, RFourAnd R6More preferably, it is an unsubstituted carboxyalkyl group having 5 or less carbon atoms (for example, carboxymethyl, carboxyethyl group, carboxypropyl group, carboxybutyl group), and particularly preferably a carboxymethyl group.
[0020]
V1 , V2 , VThree , VFour , VFive , V6, V7, V8, V9And VTenEach represents a hydrogen atom or a substituent. Examples of the substituent include the substituent group V described above.
[0021]
V1 ~ VTenAre preferably a hydrogen atom, an alkyl group, a halogen atom, an alkoxy group or an aryl group, but particularly preferably V1~ V7And VTenIs a hydrogen atom and V8And V9Is an alkyl group.
[0022]
L1 , L2 , LThree , LFour , LFive , L6 , L7 , L8, L9, LTen, L11And L12Are each an unsubstituted methine group or a substituted methine group {eg, an unsubstituted or substituted alkyl group (eg, methyl, ethyl, 2-carboxyethyl), an unsubstituted or substituted aryl group (eg, phenyl, 2-carboxy Phenyl group), heterocyclic group (for example, thienyl group, barbitur group), halogen atom (for example, chlorine atom, bromine atom), alkoxy group (for example, methoxy group, ethoxy group), amino group (for example, N, N -Diphenylamino group, N-methyl-N-phenylamino group, N-methylpiperazino group), alkylthio group (for example, methylthio group, ethylthio group) etc.}, and other methine groups A ring may be formed, or a ring with an auxiliary color group (for example, L1 And R1 And).
[0023]
LThree , L7And L11Preferably, an unsubstituted methine group or a substituted methine group substituted with an alkyl group (for example, methyl), an alkoxy group (for example, methoxy), an amino group (for example, N, N-diphenylamino), or a halogen atom (for example, chlorine) It is a methine group. Particularly preferred is a methine group substituted with a methyl group.
[0024]
L1 , L2 , LFour , LFive , L6 , L8, L9, LTenAnd L12As preferred, it is an unsubstituted methine group.
[0025]
L1 , L2 , LThree And LFour As a combination of L,1 , L2 , LFour Is an unsubstituted methine group, LThree Is particularly preferably a methine group substituted with a methyl group. LFive , L6 , L7 And L8 As a combination of L,Five , L6 , L8 Is an unsubstituted methine group, L7 Is particularly preferably a methine group substituted with a methyl group. L9, LTen, L11And L12As a combination of L,9, LTen, L12Is an unsubstituted methine group, L11Is particularly preferably a methine group substituted with a methyl group.
[0026]
(M1 ) M1 , (M2) M2And (MThree) MThreeIs included in the formula to indicate the presence or absence of a cation or anion when necessary to neutralize the ionic charge of the dye. Whether a dye is a cation, an anion, or has a net ionic charge depends on its auxiliary chromophore and substituent. Typical cations are hydrogen ion, inorganic ammonium ion, organic ammonium ion (eg, tetraalkylammonium ion, pyridinium ion, triethylamine salt, 1,8-diazabicyclo [5,4,0] -7-undecene salt), Alkali metal ions (for example, sodium ions, potassium ions) and alkaline earth metal ions (for example, calcium ions). On the other hand, the anion may specifically be either an inorganic anion or an organic anion. For example, a halogen anion (for example, a fluorine ion, a chlorine ion, a bromine ion, an iodine ion), a substituted arylsulfonate ion ( For example, p-toluenesulfonic acid ion, p-chlorobenzenesulfonic acid ion), aryl disulfonic acid ion (for example, 1,3-benzenedisulfonic acid ion, 1,5-naphthalenedisulfonic acid ion, 2,6-naphthalenedisulfonic acid ion) ), Alkyl sulfate ions (for example, methyl sulfate ions), sulfate ions, thiocyanate ions, perchlorate ions, tetrafluoroborate ions, picrate ions, acetate ions, and trifluoromethanesulfonate ions. Furthermore, an ionic polymer or another dye having a charge opposite to that of the dye may be used as the charge balance counter ion, or a metal complex ion (for example, bisbenzene-1,2-dithiolatonickel (III)) is also possible. is there. Preferred are hydrogen ion, ammonium ion (for example, triethylamine salt, 1,8-diazabicyclo [5.4.0] -7-undecene salt), alkali metal ion (for example, sodium ion, potassium ion), and particularly preferred. Are hydrogen ion, sodium ion, potassium ion, and triethylamine salt.
[0027]
Typical examples of the merocyanine dye represented by the general formula (I) are shown below, but the invention is not limited thereto.
In addition, although the pigment | dye outside the object of this invention is also included below, it described for reference.
[0028]
[Chemical 7]
[0029]
[Chemical 8]
[0030]
[Chemical 9]
[0031]
[Chemical Formula 10]
[0032]
Embedded image
[0033]
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[0034]
The following are typical examples of merocyanine dyes represented by the general formula (III), but the invention is not limited to them.
[0035]
Embedded image
[0036]
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[0037]
The merocyanine dyes represented by the general formulas (I) to (III) used in the present invention can be synthesized based on the methods described in the following documents.
[0038]
a) "Heterocyclic Compounds-Cyanine dyes and related compounds-" by FM Hamer (John Willy and Sons) John Wiley & Sons) (New York, London, 1964)
[0039]
b) DM Sturmer “Heterocyclic Compounds-Special topics in cyclic chemistry”, Chapter 8, Section 4 482-515 (John Wiley & Sons-New York, London, 1977)
[0040]
c) “Rodds Chemistry of Carbon Compounds” (2nd Ed., vol. IV, part B, 1977) Chapter 15, pp. 369-422; (2nd Ed. , vol. IV, part B, published in 1985), Chapter 15, pages 267-296, published by Elsevier Science Publishing Company Inc., New York, etc.
[0041]
The synthesis method of the merocyanine dyes represented by the general formulas (I) and (II) of the present invention will be described below with specific examples.
[0042]
Synthesis Example Synthesis of Compound 4
After stirring 2.4 g of 2-methylnaphtho [2,1-d] oxazole and 3.5 ml of n-octyl iodide at 160 ° C. for 6 hours, 7 ml of acetic anhydride and 1,1,3,3-tetraethoxy-2-methyl 7 g of propane was added and stirred at 100 ° C. for 1 hour. Solid 2- (4-ethoxy-3-methyl-1,3-butadienyl) -3-octylnaphtho [2,1-d] oxazolium iodide salt formed by cooling to room temperature and adding ethyl acetate and hexane 2.6 g was collected by filtration. 2.5 g of this solid and 0.96 g of 3-carboxymethylrhodanine were dissolved in 10 ml of acetonitrile, and 2.1 ml of triethylamine was added. The reaction mixture was stirred at room temperature for 1 hour, 1 ml of acetic acid was added, and the resulting crude crystals were collected by filtration. This was recrystallized from methanol to obtain 2.1 g of Compound 4.
λmax (MeOH) = 591 nm, ε = 1.04 × 10Five (MeOH), mp 258-260 ° C
Other compounds of the present invention can also be synthesized by the same method as in the above synthesis examples.
[0043]
The amount of the merocyanine dye represented by the general formulas (I) and (II) of the present invention may be a desired amount according to the performance such as sensitivity and fog, but is 10 per mole of silver halide in the photosensitive layer.-6It is preferably used in an amount of ˜1 mol. More preferably 10-Four-10-1Is a mole.
[0044]
As the sensitizing dye in the present invention, those having structures other than the general formulas (I) and (II) may be used in combination. A particularly preferred dye that may be used in combination is a merocyanine dye represented by the general formula (III). Also, a desired spectral sensitization spectrum can be obtained by mixing a plurality of dyes.
The mixing ratio of the merocyanine dyes represented by the general formulas (I) and (II) and the merocyanine dye represented by the general formula (III) may be any, but preferably in a molar ratio of 1:10 to 10 : 1 range, particularly preferably in the range of 1: 2 to 2: 1.
[0045]
These sensitizing dyes may be used alone or in combination of two or more. A combination of sensitizing dyes is often used for the purpose of supersensitization. Along with the sensitizing dye, the emulsion itself may contain a dye having no spectral sensitizing action or a substance that does not substantially absorb visible light and exhibits supersensitization. Useful sensitizing dyes, combinations of dyes exhibiting supersensitization, and substances exhibiting supersensitization are described in Research Disclosure 176, 17643 (issued in December 1978), page 23, Section J, or JP-B 49-25500 No. 43-4933, JP-A-59-19032, 59-192242 and the like.
[0046]
In order to add sensitizing dyes to silver halide emulsions, they may be dispersed directly in the emulsion, or water, methanol, ethanol, propanol, acetone, methyl cellosolve, 2,2,3,3 -Solvent alone such as tetrafluoropropanol, 2,2,2-trifluoroethanol, 3-methoxy-1-propanol, 3-methoxy-1-butanol, 1-methoxy-2-propanol, N, N-dimethylformamide Alternatively, it may be dissolved in a mixed solvent and added to the emulsion.
Further, as disclosed in US Pat. No. 3,469,987, etc., a dye is dissolved in a volatile organic solvent, the solution is dispersed in water or a hydrophilic colloid, and this dispersion is added to the emulsion. As disclosed in Japanese Patent Publication Nos. 44-23389, 44-27555, 57-22091, etc., the dye is dissolved in an acid and the solution is added to the emulsion, or the acid or base is added. A method of adding it into an emulsion as an aqueous solution by coexisting, and adding an aqueous solution or colloidal dispersion in the presence of a surfactant as disclosed in US Pat. Nos. 3,822,135, 4,006,025, etc. As disclosed in JP-A-53-102733 and JP-A-58-105141, a method in which a dye is directly dispersed in a hydrophilic colloid, and the dispersion is added to an emulsion. As disclosed in US Pat. No. 74624, dyes using red-shifting compounds It is also possible to use a method of dissolving the solution and adding the solution to the emulsion. In addition, ultrasonic waves can be used for the solution.
The time when the sensitizing dye used in the present invention is added to the silver halide emulsion of the present invention may be during any step of emulsion preparation that has been found useful. For example, as disclosed in the specifications of U.S. Pat.Nos. 2,735,766, 3,628,960, 4,183,756, 4,225,666, JP-A-58-184142, 60-196749, etc. Or / and before the desalting, during the desilvering step and / or after the desalting and before the start of the chemical ripening, as disclosed in the specification of JP-A-58-113920, etc. The emulsion may be added at any time just before or during the process, after chemical ripening and before the emulsion is coated before the coating. Further, as disclosed in the specifications of US Pat. No. 4,225,666 and JP-A-58-7629, the same compound can be used alone or in combination with a compound having a different structure, for example, during the particle formation process. It may be added separately during the aging process or after completion of chemical ripening, or divided before or during chemical aging or after completion of the process, etc. You may change and add.
[0047]
The organic silver salt that can be used in the present invention is relatively stable to light, but is 80 ° C. or higher in the presence of an exposed photocatalyst (such as a latent image of photosensitive silver halide) and a reducing agent. It is a silver salt that forms a silver image when heated above. The organic silver salt may be any organic material containing a source capable of reducing silver ions. Regarding such non-photosensitive organic silver salt, paragraph numbers 0048 to 0049 of JP-A No. 10-62899, page 18 line 24 to page 19 line 37 of European Patent Publication No. 080864A1, European Patent Publication No. 0962812A1. Silver salts of organic acids, particularly silver salts of long chain aliphatic carboxylic acids (having 10 to 30, preferably 15 to 28 carbon atoms) are preferred. Preferable examples of the organic silver salt include silver behenate, silver arachidate, silver stearate, silver oleate, silver laurate, silver caproate, silver myristate, silver palmitate, and a mixture thereof. In the present invention, among these organic silver salts, it is preferable to use organic acid silver having a silver behenate content of 75 mol% or more.
[0048]
The shape of the organic silver salt that can be used in the present invention is not particularly limited, and may be a needle shape, a rod shape, a flat plate shape, or a flake shape.
In the present invention, scaly organic silver salts are preferred. In the present specification, the scaly organic silver salt is defined as follows. The organic acid silver salt was observed with an electron microscope, the shape of the organic acid silver salt particle was approximated to a rectangular parallelepiped, and the sides of the rectangular parallelepiped were designated a, b, and c from the shortest side (c was the same as b). Then, the shorter numerical values a and b are calculated, and x is obtained as follows.
x = b / a
[0049]
In this way, x is obtained for about 200 particles, and when the average value x (average) is obtained, particles satisfying the relationship of x (average) ≧ 1.5 are defined as flakes. Preferably, 30 ≧ x (average) ≧ 1.5, more preferably 20 ≧ x (average) ≧ 2.0. Incidentally, the needle shape is 1 ≦ x (average) <1.5.
[0050]
In the flake shaped particle, a can be regarded as a thickness of a tabular particle having a main plane with b and c as sides. The average of a is preferably 0.01 μm or more and 0.23 μm, and more preferably 0.1 μm or more and 0.20 μm or less. The average of c / b is preferably 1 or more and 6 or less, more preferably 1.05 or more and 4 or less, further preferably 1.1 or more and 3 or less, and particularly preferably 1.1 or more and 2 or less.
[0051]
The particle size distribution of the organic silver salt is preferably monodispersed. Monodispersion is preferably 100% or less, more preferably 80% or less, and even more preferably 50% of the value obtained by dividing the standard deviation of the lengths of the short and long axes by the short and long axes, respectively. It is as follows. The method for measuring the shape of the organic silver salt can be determined from a transmission electron microscope image of the organic silver salt dispersion. Another method for measuring monodispersity is to calculate the standard deviation of the volume weighted average diameter of the organic silver salt, and the percentage (coefficient of variation) of the value divided by the volume weighted average diameter is preferably 100% or less, more Preferably it is 80% or less, more preferably 50% or less. As a measuring method, for example, it is obtained from the particle size (volume weighted average diameter) obtained by irradiating an organic silver salt dispersed in a liquid with laser light and obtaining an autocorrelation function with respect to the temporal change of the fluctuation of the scattered light. Can do.
[0052]
A known method can be applied to the production of the organic acid silver used in the present invention and the dispersion method thereof. For example, the above-mentioned JP-A-10-62899, European Patent Publication No. 0803683A1, and European Patent Publication No. 962812A1 can be referred to.
[0053]
In addition, when the photosensitive silver salt is allowed to coexist at the time of dispersion of the organic silver salt, the fog is increased and the sensitivity is remarkably lowered. Therefore, it is more preferable that the photosensitive silver salt is not substantially contained at the time of dispersion. In the present invention, the amount of the photosensitive silver salt in the aqueous dispersion to be dispersed is 0.1 mol% or less with respect to 1 mol of the organic acid silver salt in the liquid, and positive addition of the photosensitive silver salt is performed. There is nothing.
[0054]
In the present invention, it is possible to produce a photosensitive material by mixing an organic silver salt aqueous dispersion and a photosensitive silver salt aqueous dispersion, but the mixing ratio of the organic silver salt and the photosensitive silver salt can be selected according to the purpose. The ratio of the photosensitive silver salt to the organic silver salt is preferably in the range of 1 to 30 mol%, more preferably 3 to 20 mol%, and particularly preferably 5 to 15 mol%. Mixing two or more organic silver salt aqueous dispersions and two or more photosensitive silver salt aqueous dispersions when mixing is a method preferably used for adjusting photographic characteristics.
[0055]
The organic silver salt of the present invention can be used in a desired amount, but the amount of silver is 0.1 to 5 g / m.2 Is more preferable, and more preferably 1 to 3 g / m.2 It is.
[0056]
The photothermographic material of the present invention preferably contains a reducing agent for organic silver salt. The reducing agent for the organic silver salt may be any substance (preferably an organic substance) that reduces silver ions to metallic silver. Such a reducing agent is described in paragraph Nos. 0043 to 0045 of JP-A No. 11-65021 and page 7 line 34 to page 18 line 12 of European Patent Publication No. 0080374A1. In the present invention, a bisphenol reducing agent (for example, 1,1-bis (2-hydroxy-3,5-dimethylphenyl) -3,5,5-trimethylhexane, 2,2′-methylenebis- (4-methyl -6-tert-butylphenol), 2,2'-methylenebis- (4-ethyl-6-tert-butylphenol)). The amount of reducing agent added is 0.01 to 5.0 g / m.2Preferably, 0.1 to 3.0 g / m2More preferably, it is contained in an amount of 5 to 50%, more preferably 10 to 40% by mole based on 1 mole of silver on the surface having the image forming layer. The reducing agent is preferably contained in the image forming layer.
[0057]
The reducing agent may be contained in the coating solution by any method such as a solution form, an emulsified dispersion form, or a solid fine particle dispersion form, and may be contained in the photosensitive material.
Well-known emulsifying dispersion methods include dissolving oil using an oil such as dibutyl phthalate, tricresyl phosphate, glyceryl triacetate or diethyl phthalate, or an auxiliary solvent such as ethyl acetate or cyclohexanone, and mechanically dispersing the emulsified dispersion. The method of producing is mentioned.
In addition, as a solid fine particle dispersion method, a reducing agent powder is dispersed in an appropriate solvent such as water by a ball mill, a colloid mill, a vibration ball mill, a sand mill, a jet mill, a roller mill, or an ultrasonic wave to create a solid dispersion. A method is mentioned. In this case, a protective colloid (for example, polyvinyl alcohol) or a surfactant (for example, an anionic surfactant such as sodium triisopropylnaphthalenesulfonate (a mixture of three isopropyl groups having different substitution positions)) may be used. Good. The aqueous dispersion can contain a preservative (eg, benzoisothiazolinone sodium salt).
[0058]
In the photothermographic material of the present invention, a phenol derivative represented by the formula (A) described in Japanese Patent Application No. 11-73951 is preferably used as a development accelerator.
[0059]
The photosensitive silver halide used in the present invention is not particularly limited as a halogen composition, and silver chloride, silver chlorobromide, silver bromide, silver iodobromide, silver iodochlorobromide can be used. The distribution of the halogen composition in the grains may be uniform, the halogen composition may be changed stepwise, or may be continuously changed. Further, silver halide grains having a core / shell structure can be preferably used. A preferable structure is a 2- to 5-fold structure, and more preferably 2- to 4-fold core / shell particles can be used. A technique of localizing silver bromide on the surface of silver chloride or silver chlorobromide grains can also be preferably used.
[0060]
Methods for forming photosensitive silver halide are well known in the art, for example, the methods described in Research Disclosure No. 17029 in June 1978 and U.S. Pat.No. 3,700,458 can be used, Specifically, a photosensitive silver halide (silver halide emulsion) is prepared by adding a silver supply compound and a halogen supply compound to gelatin or another polymer solution, and then mixed with an organic silver salt. . Further, the method described in paragraph Nos. 0217 to 0224 of JP-A No. 11-119374 and the methods described in Japanese Patent Application Nos. 11-98708 and 11-84182 are also preferable.
[0061]
The grain size of the photosensitive silver halide is preferably small for the purpose of keeping the cloudiness after image formation low, specifically 0.20 μm or less, more preferably 0.01 μm or more and 0.15 μm or less, and further preferably 0.02 μm or more. 0.12 μm or less is preferable. As used herein, the grain size refers to the volume of silver halide grains when the silver halide grains are cubic or octahedral so-called normal crystals, and other than normal crystals such as spherical grains and rod-like grains. This refers to the diameter when an equivalent sphere is considered. When the silver halide grain is a tabular grain, it means the diameter when converted into a circular image having the same area as the projected area of the main surface.
[0062]
Examples of the shape of silver halide grains include cubes, octahedrons, tabular grains, spherical grains, rod-shaped grains, and potato-shaped grains. In the present invention, cubic grains are particularly preferred. Grains with rounded corners of silver halide grains can also be preferably used. The surface index (Miller index) on the outer surface of the photosensitive silver halide grain is not particularly limited, but the spectral sensitizing efficiency when adsorbed by the spectral sensitizing dye is high. preferable. The ratio is preferably 50% or more, more preferably 65% or more, and further preferably 80% or more. The ratio of the Miller index [100] plane is calculated by T.Tani; J.Imaging Sci., 29, 165 (1985) using the adsorption dependence of [111] plane and [100] plane in the adsorption of sensitizing dye. It can be determined by the method described.
[0063]
The photosensitive silver halide grain of the present invention contains a metal or metal complex of Group 8 to Group 10 of the Periodic Table (showing Groups 1 to 18). As the central metal of the group 8 to group 10 metal or metal complex of the periodic table, rhodium, ruthenium and iridium are preferable. One kind of these metal complexes may be used, or two or more kinds of complexes of the same metal and different metals may be used in combination. The preferred content is 1 x 10 per mole of silver-9From mole to 1 × 10-3A molar range is preferred. These heavy metals and metal complexes and methods for adding them are described in JP-A-7-225449, JP-A-11-65021, paragraphs 0018 to 0024, and JP-A-11-119374, paragraphs 0227 to 0240.
[0064]
In the present invention, it is preferable to include an iridium compound in the silver halide grains. Examples of the iridium compound include hexachloroiridium, hexaammineiridium, trioxalatoiridium, hexacyanoiridium, and the like. These iridium compounds are used by dissolving in water or an appropriate solvent, and are generally used in order to stabilize a solution of the iridium compound, that is, an aqueous hydrogen halide solution (for example, hydrochloric acid, odorous acid, hydrofluoric acid). Etc.), or a method of adding an alkali halide (for example, KCl 3, NaCl, KBr, NaBr, etc.) can be used. Instead of using water-soluble iridium, it is also possible to add another silver halide grain previously doped with iridium and dissolve it at the time of silver halide preparation. The amount of these iridium compounds added is 1 × 10 5 per mole of silver halide.-8Mol ~ 1 × 10-3The molar range is preferred, 1 × 10-7Mol ~ 5x10-FourA molar range is more preferred.
[0065]
Further, metal atoms that can be contained in the silver halide grains used in the present invention (for example, [Fe (CN)6]Four-), Desalting methods and chemical sensitization methods for silver halide emulsions, paragraph numbers 0046 to 0050 of JP-A-11-84574, paragraph numbers 0025 to 0031 of JP-A-11-65021, paragraph number 0242 of JP-A-11-119374 ~ 0250.
[0066]
Various gelatins can be used as the gelatin contained in the photosensitive silver halide emulsion (silver halide emulsion containing photosensitive silver halide) used in the present invention. In order to maintain a good dispersion state of the photosensitive silver halide emulsion in the organic silver salt-containing coating solution, it is preferable to use low molecular weight gelatin having a molecular weight of 500 to 60,000. These low molecular weight gelatins may be used at the time of particle formation or dispersion after desalting, but are preferably used at the time of dispersion after desalting.
[0067]
As a sensitizing dye that can be applied to the present invention, it can spectrally sensitize silver halide grains in a desired wavelength region when adsorbed on silver halide grains, and has a spectral sensitivity suitable for the spectral characteristics of the exposure light source. The dye can be advantageously selected. Regarding the sensitizing dye and the addition method, paragraphs 0103 to 0109 of JP-A-11-65021, compounds represented by general formula (II) of JP-A-10-186572, and general formula (I) of JP-A-11-119374 And dyes described in paragraph No. 0106, U.S. Pat. Nos. 5,510,236 and 3,871,887, Example 5, dyes disclosed in JP-A-2-96131 and JP-A-59-48753, Europe It is described in page 19 line 38 to page 20 line 35 of Patent Publication No. 0808374A1. These sensitizing dyes may be used alone or in combination of two or more. In the present invention, the time when the sensitizing dye is added to the silver halide emulsion is preferably the time from the desalting step to the coating, and more preferably the time from the desalting to the start of chemical ripening.
The addition amount of the sensitizing dye in the present invention can be set to a desired amount in accordance with the sensitivity and fogging performance.-6~ 1 mol is preferred, more preferably 10-Four-10-1Is a mole.
[0068]
In the present invention, a supersensitizer can be used to improve spectral sensitization efficiency. As the supersensitizer used in the present invention, European Patent Publication No. 587,338, U.S. Pat. Nos. 3,877,943, 4,873,184, JP-A Nos. 5-341432, 11-109547, and 10-111543 are disclosed. And the like.
[0069]
The photosensitive silver halide grains in the silver halide emulsion of the present invention are preferably chemically sensitized by sulfur sensitizing method, selenium sensitizing method or tellurium sensitizing method. As the compound preferably used in the sulfur sensitization method, selenium sensitization method and tellurium sensitization method, known compounds, for example, compounds described in JP-A-7-128768 and the like can be used. In the present invention, it is particularly preferable to use a tellurium sensitizer. The compounds described in the literature described in paragraph No. 0030 of JP-A-11-65021, and the general formulas (II) and (III) in JP-A-5-313284 , (IV) is more preferred.
[0070]
In the present invention, chemical sensitization can be performed at any time after particle formation and before coating. After desalting, (1) before spectral sensitization, (2) simultaneously with spectral sensitization, (3) spectral After sensitization, there may be (4) just before application. In particular, it is preferably performed after spectral sensitization.
The amount of sulfur, selenium and tellurium sensitizers used in the present invention varies depending on the silver halide grains used, chemical ripening conditions, etc., but is 10 per mol of silver halide.-8-10-2Moles, preferably 10-7-10-3Use moles. The conditions for chemical sensitization in the present invention are not particularly limited, but the pH is 5 to 8, the pAg is 6 to 11, and the temperature is about 40 to 95 ° C.
A thiosulfonic acid compound may be added to the silver halide emulsion used in the present invention by the method described in European Patent Publication No. 293,917.
[0071]
The light-sensitive silver halide emulsion in the light-sensitive material used in the present invention may be one kind or two or more kinds (for example, those having different average grain sizes, different halogen compositions, different crystal habits, chemical increase). Those with different feeling conditions) may be used in combination. The gradation can be adjusted by using a plurality of types of photosensitive silver halides having different sensitivities. As technologies related to these, JP-A-57-119341, 53-106125, 47-3929, 48-55730, 46-5187, 50-73627, 57-150841, etc. Can be mentioned. As the sensitivity difference, it is preferable that each emulsion has a difference of 0.2 logE or more.
[0072]
The amount of photosensitive silver halide added is 1m of photosensitive material.2 Indicated by the amount of silver applied per unit, 0.03 to 0.6 g / m2 Preferably, 0.05 to 0.4 g / m2 More preferably, 0.1 to 0.4 g / m2 Most preferably, the photosensitive silver halide is from 0.01 mol to 0.5 mol, and more preferably from 0.02 mol to 0.3 mol, per mol of the organic silver salt.
[0073]
Regarding the mixing method and mixing conditions of the separately prepared photosensitive silver halide and organic silver salt, the silver halide grains and organic silver salt that were prepared respectively were mixed with a high-speed stirrer, ball mill, sand mill, colloid mill, vibration mill, homogenizer. Etc., or a method of preparing an organic silver salt by mixing photosensitive silver halide that has been prepared at any timing during the preparation of the organic silver salt, etc., but the effect of the present invention is sufficient As long as it appears in, there is no particular limitation. Moreover, mixing two or more organic silver salt aqueous dispersions and two or more photosensitive silver salt aqueous dispersions when mixing is a preferred method for adjusting photographic characteristics.
[0074]
The preferred addition time of the silver halide of the present invention to the image-forming layer coating solution is from 180 minutes before coating to immediately before, preferably from 60 minutes to 10 seconds before coating. There is no particular limitation as long as the effects of the invention are sufficiently exhibited. Specific mixing methods include mixing in a tank in which the average residence time calculated from the addition flow rate and the amount of liquid delivered to the coater is the desired time, and by N. Harnby, MFEdwards, AWNienow, Takahashi There is a method of using a static mixer or the like described in Chapter 8 of “Liquid mixing technology” (published by Nikkan Kogyo Shimbun, 1989).
[0075]
The binder of the organic silver salt-containing layer of the present invention may be any polymer, suitable binders are transparent or translucent and generally colorless, natural polymer synthetic resins and polymers and copolymers, other media for forming films, For example: gelatin, gum arabic, poly (vinyl alcohol), hydroxyethyl cellulose, cellulose acetate, cellulose acetate butyrate, poly (vinyl pyrrolidone), casein, starch, poly (acrylic acid), poly (methyl methacrylic acid), poly (chloride) Vinyl), poly (methacrylic acid), styrene-maleic anhydride copolymer, styrene-acrylonitrile copolymer, styrene-butadiene copolymer, poly (vinyl acetal) s (eg, poly (vinyl formal) and poly (vinyl) Butyral)), Re (esters), poly (urethanes), phenoxy resins, poly (vinylidene chloride), poly (epoxides), poly (carbonates), poly (vinyl acetate), cellulose esters, poly (amides) . The binder may be coated from water or an organic solvent or emulsion.
[0076]
In the present invention, when the organic silver salt-containing layer is formed using a coating solution in which 30% by mass or more of the solvent is water and dried, the binder of the organic silver salt-containing layer is further an aqueous solvent ( It is soluble or dispersible in an aqueous solvent), and is particularly improved when it is made of a latex of a polymer having an equilibrium water content at 25 ° C. and 60% RH of 2% by mass or less. The most preferable form is one prepared so that the ionic conductivity is 2.5 mS / cm or less, and as such a preparation method, there is a method of purifying using a separation functional membrane after polymer synthesis.
[0077]
The aqueous solvent in which the polymer is soluble or dispersible here is a mixture of water or water with 70% by mass or less of a water-miscible organic solvent. Examples of the water-miscible organic solvent include alcohols such as methyl alcohol, ethyl alcohol and propyl alcohol, cellosolvs such as methyl cellosolve, ethyl cellosolve and butyl cellosolve, ethyl acetate and dimethylformamide.
[0078]
In the case of a system in which the polymer is not dissolved thermodynamically and exists in a so-called dispersed state, the term aqueous solvent is used here.
[0079]
The “equilibrium moisture content at 25 ° C. and 60% RH” refers to the weight W1 of the polymer in the humidity-controlled equilibrium under the atmosphere of 25 ° C. and 60% RH and the weight W0 of the polymer in the absolutely dry state at 25 ° C. It can be expressed as
Equilibrium moisture content at 25 ℃ 60% RH = [(W1-W0) / W0] x 100 (mass%)
[0080]
For the definition and measurement method of the moisture content, for example, Polymer Engineering Course 14, Polymer Material Testing Method (Edited by Polymer Society, Jinshokan) can be referred to.
[0081]
The equilibrium moisture content of the binder polymer of the present invention at 25 ° C. and 60% RH is preferably 2% by mass or less, more preferably 0.01% by mass to 1.5% by mass, and still more preferably 0.02% by mass to 1% by mass. Is desirable.
[0082]
In the present invention, a polymer dispersible in an aqueous solvent is particularly preferred. Examples of the dispersed state include latex in which fine particles of water-insoluble hydrophobic polymer are dispersed and polymer molecules dispersed in a molecular state or forming micelles, and all are preferable. The average particle size of the dispersed particles is preferably in the range of 1 to 50000 nm, more preferably about 5 to 1000 nm. The particle size distribution of the dispersed particles is not particularly limited, and may have a wide particle size distribution or a monodispersed particle size distribution.
[0083]
In the present invention, preferred examples of the polymer dispersible in the aqueous solvent include acrylic resins, polyester resins, rubber resins (for example, SBR resins), polyurethane resins, vinyl chloride resins, vinyl acetate resins, vinylidene chloride resins, polyolefin resins, and the like. A hydrophobic polymer can be preferably used. These polymers may be linear polymers, branched polymers, crosslinked polymers, so-called homopolymers obtained by polymerizing a single monomer, or copolymers obtained by polymerizing two or more types of monomers. In the case of a copolymer, it may be a random copolymer or a block copolymer. These polymers have a number average molecular weight of 5,000 to 100,000, preferably 10,000 to 200,000. When the molecular weight is too small, the mechanical strength of the emulsion layer is insufficient, and when the molecular weight is too large, the film formability is poor, which is not preferable.
[0084]
Specific examples of the preferred polymer latex include the following. Below, it represents using a raw material monomer, the numerical value in a parenthesis is the mass%, and molecular weight is a number average molecular weight.
[0085]
Latex of P-1; -MMA (70) -EA (27) -MAA (3)-(molecular weight 37000)
P-2; -MMA (70) -2EHA (20) -St (5) -AA (5)-latex (molecular weight 40000)
Latex of P-3; -St (50) -Bu (47) -MAA (3)-(molecular weight 45000)
Latex of P-4; -St (68) -Bu (29) -AA (3)-(molecular weight 60000)
Latex of P-5; -St (70) -Bu (27) -IA (3)-(molecular weight 120,000)
Latex of P-6; -St (75) -Bu (24) -AA (1)-(molecular weight 108000)
Latex of P-7; -St (60) -Bu (35) -DVB (3) -MAA (2)-(molecular weight 150,000)
Latex of P-8; -St (70) -Bu (25) -DVB (2) -AA (3)-(molecular weight 280000)
Latex of P-9; -VC (50) -MMA (20) -EA (20) -AN (5) -AA (5)-(molecular weight 80000)
Latex of P-10; -VDC (85) -MMA (5) -EA (5) -MAA (5)-(molecular weight 67000)
Latex of P-11; -Et (90) -MAA (10)-(molecular weight 12000)
P-12; -St (70) -2EHA (27) -AA (3) latex (molecular weight 130000)
P-13; -MMA (63) -EA (35)-AA (2) latex (molecular weight 33000)
[0086]
The abbreviations for the above structures represent the following monomers. MMA; Methyl methacrylate, EA; Ethyl acrylate, MAA; Methacrylic acid, 2EHA; 2 Ethylhexyl acrylate, St; Styrene, Bu; Butadiene, AA; Acrylic acid, DVB; Divinylbenzene, VC; Vinyl chloride, AN; Acrylonitrile, VDC; Vinylidene chloride, Et; Ethylene, IA; Itaconic acid.
[0087]
The polymer latex described above is also commercially available, and the following polymers can be used. Examples of acrylic resins include: Sebian A-4635,46583, 4601 (manufactured by Daicel Chemical Industries, Ltd.), Nipol Lx811, 814, 821, 820, 857 (manufactured by Nippon Zeon Co., Ltd.), and other polyester resins. Examples of polyurethane resins include FINETEX ES650, 611, 675, 850 (Dainippon Ink Chemical Co., Ltd.), WD-size, WMS (Eastman Chemical), HYDRAN AP10, 20, Examples of rubber resins such as 30, 40 (above Dainippon Ink Chemical Co., Ltd.) include LACSTAR 7310K, 3307B, 4700H, 7132C (above Dainippon Ink Chemical Co., Ltd.), Nipol Lx416, 410, 438C 2507 (manufactured by Nippon Zeon Co., Ltd.), examples of vinyl chloride resins are G351, G576 (manufactured by Nippon Zeon Co., Ltd.), and examples of vinylidene chloride resins are L502, L513 (above Asahi Kasei Kogyo) As an example of olefin resin, S120, SA100 (all manufactured by Mitsui Petrochemical Co.) and the like.
[0088]
These polymer latexes may be used alone or in combination of two or more as required.
[0089]
As the polymer latex used in the present invention, a latex of a styrene-butadiene copolymer is particularly preferable. The weight ratio of the styrene monomer unit to the butadiene monomer unit in the styrene-butadiene copolymer is preferably 40:60 to 95: 5. The proportion of the styrene monomer unit and the butadiene monomer unit in the copolymer is preferably 60 to 99% by mass. The preferred molecular weight range is the same as described above.
[0090]
Examples of the styrene-butadiene copolymer latex preferably used in the present invention include P-3 to P-8 described above, LACSTAR-3307B, 7132C, and Nipol Lx416, which are commercially available products.
[0091]
If necessary, a hydrophilic polymer such as gelatin, polyvinyl alcohol, methylcellulose, hydroxypropylcellulose, carboxymethylcellulose may be added to the organic silver salt-containing layer of the light-sensitive material of the present invention. The amount of these hydrophilic polymers added is preferably 30% by mass or less, more preferably 20% by mass or less, based on the total binder of the organic silver salt-containing layer.
[0092]
The organic silver salt-containing layer (that is, the image forming layer) of the present invention is preferably formed using a polymer latex. The amount of the binder in the organic silver salt-containing layer is preferably such that the weight ratio of total binder / organic silver salt is 1/110 to 10/1, more preferably 1/5 to 4/1.
[0093]
In addition, such an organic silver salt-containing layer is usually a photosensitive layer (emulsion layer) containing a photosensitive silver halide which is a photosensitive silver salt. The weight ratio of silver is preferably 400-5, more preferably 200-10.
[0094]
The total binder amount of the image forming layer of the present invention is 0.2 to 30 g / m.2, More preferably 1-15 g / m2The range of is preferable. The image forming layer of the present invention may contain a crosslinking agent for crosslinking, a surfactant for improving coating properties, and the like.
[0095]
In the present invention, the solvent of the coating solution for the organic silver salt-containing layer of the light-sensitive material (here, for simplicity, the solvent and the dispersion medium are collectively referred to as a solvent) is an aqueous solvent containing 30% by mass or more of water. As a component other than water, any water-miscible organic solvent such as methyl alcohol, ethyl alcohol, isopropyl alcohol, methyl cellosolve, ethyl cellosolve, dimethylformamide, and ethyl acetate may be used. The water content of the solvent of the coating solution is preferably 50% by mass or more, more preferably 70% by mass or more. Examples of preferred solvent compositions include water, water / methyl alcohol = 90/10, water / methyl alcohol = 70/30, water / methyl alcohol / dimethylformamide = 80/15/5, water / methyl alcohol / There are ethyl cellosolve = 85/10/5, water / methyl alcohol / isopropyl alcohol = 85/10/5, etc. (value is mass%).
[0096]
Antifoggants, stabilizers and stabilizer precursors that can be used in the present invention, paragraph No. 0070 of JP-A-10-62899, page 20 line 57 to page 21 line 7 of European Patent Publication No. 0808374A1 Of the patents mentioned. Antifoggants preferably used in the present invention are organic halides, and examples thereof include those disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-65021, paragraphs 0111 to 0112. In particular, an organic halogen compound represented by the formula (P) in Japanese Patent Application No. 11-87297, an organic polyhalogen compound represented by the general formula (II) in Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-339934 (specifically, tribromomethylnaphthyl) Sulfone, tribromomethylphenylsulfone, tribromomethyl (4- (2,4,6-trimethylphenylsulfonyl) phenyl) sulfone, etc.) are preferable.
[0097]
Examples of the method for incorporating the antifoggant of the present invention into the light-sensitive material include the methods described in the method for containing a reducing agent, and the organic polyhalogen compound is also preferably added as a solid fine particle dispersion.
[0098]
As other antifoggants, mercury (II) salts described in paragraph No. 0113 of JP-A-11-65021, benzoic acids described in paragraph No. 0114 of the same, and salicylic acid derivatives represented by the formula (Z) of JP-A-11-87297 And a formalin scavenger compound represented by the formula (S) in Japanese Patent Application No. 11-23995.
[0099]
The photothermographic material in the invention may contain an azolium salt for the purpose of fog prevention. Examples of the azolium salt include compounds represented by general formula (XI) described in JP-A-59-193447, compounds described in JP-B-55-12581, and general formula (II) described in JP-A-60-153039. And the compounds represented. The azolium salt may be added to any part of the photosensitive material, but the addition layer is preferably added to the layer having the photosensitive layer, and more preferably to the organic silver salt-containing layer. The azolium salt may be added at any step in the coating solution preparation. When added to the organic silver salt-containing layer, any step from the preparation of the organic silver salt to the preparation of the coating solution may be used. To immediately before coating. The azolium salt may be added by any method such as powder, solution, fine particle dispersion. Moreover, you may add as a solution mixed with other additives, such as a sensitizing dye, a reducing agent, and a color toning agent. In the present invention, any amount of the azolium salt may be added, but it is 1 × 10 6 per mole of silver.-6Preferred is 1 mol or more and 2 mol or less.-3More preferably, it is more than mol and less than 0.5 mol.
[0100]
In the present invention, a mercapto compound, a disulfide compound, and a thione compound can be contained in order to suppress or promote development to control development, to improve spectral sensitization efficiency, and to improve storage stability before and after development. JP-A-10-62899, paragraphs 0067 to 0069, JP-A-10-186572, the compound represented by the general formula (I) and specific examples thereof, paragraphs 0033 to 0052, and EP 080364A1. 20 pages, lines 36 to 56, and Japanese Patent Application No. 11-273670. Of these, mercapto-substituted heteroaromatic compounds are preferred.
[0101]
In the present invention, a compound having a phosphoryl group is preferably used, and phosphine oxides are particularly preferable. Specifically, triphenylphosphine oxide, tri- (4-methylphenyl) phosphine oxide, tri- (4-methoxyphenyl) phosphine oxide, tri- (t-butyl-phenyl) phosphine oxide, tri- (3-methyl Phenyl) phosphine oxide, trioctylphosphine oxide and the like. The compound having a phosphoryl group of the present invention can be introduced into the light-sensitive material in the same manner as the reducing agent and polyhalogen compound. The compound having a phosphoryl group of the present invention is preferably in the range of 0.1 to 10 and more preferably in the range of 0.1 to 2.0 with respect to the addition amount ratio (molar ratio) of the reducing agent. More preferably, it is the range of 0.2-1.0.
[0102]
In the photothermographic material of the present invention, it is preferable to add a color toning agent. For the color toning agent, paragraph numbers 0054 to 0055 of JP-A-10-62899, page 21 lines 23 to 48 of European Patent Publication No. 0803684A1, In particular, phthalazinone, phthalazinone derivatives or metal salts, or 4- (1-naphthyl) phthalazinone, 6-chlorophthalazinone, 5,7-dimethoxyphthalazinone and 2,3 Derivatives such as -dihydro-1,4-phthalazinedione; combinations of phthalazinone and phthalic acid derivatives (eg phthalic acid, 4-methylphthalic acid, 4-nitrophthalic acid and tetrachlorophthalic anhydride); phthalazines (phthalazine , Phthalazine derivatives or metal salts, or 4- (1-naphthyl) phthalazine, 6-isopropyl phthalazine, 6-t-butyl phthalazine, 6-chlorophthalazine, 5,7-dimethoxyphthalazine And combinations of phthalazines and phthalic acid derivatives (eg, phthalic acid, 4-methylphthalic acid, 4-nitrophthalic acid, tetrachlorophthalic anhydride, etc.), particularly phthalazine Combinations of phthalates and phthalic acid derivatives are preferred.
[0103]
Regarding the plasticizer and lubricant that can be used in the photosensitive layer of the present invention, paragraph No. 0117 of JP-A No. 11-65021, and for the ultra-high contrast agent for forming an ultra-high contrast image, paragraph No. 0118 of JP-A No. 11-65021 is disclosed. No. 11-223898, paragraphs 0136 to 0193, Japanese Patent Application No. 11-87297, Formula (H), Formulas (1) to (3), Compounds of Formulas (A) and (B), Japanese Patent Application No. 11-91652 For the compounds of the general formulas (III) to (V) described above (specific compounds: Chemical Formula 21 to Chemical Formula 24) and the contrast accelerator, Japanese Patent Laid-Open No. 11-65021, Paragraph No. 0102, Japanese Patent Laid-Open No. 11-223898, Paragraph No. 0194 ~ 0195. The addition method and amount of the nucleating agent are described in paragraph Nos. 0182 to 0183 of JP-A No. 11-223898.
[0104]
In order to use formic acid or formate as a strong fogging substance, it is preferably contained in an amount of 5 mmol or less, more preferably 1 mmol or less per mol of silver on the side having an image forming layer containing photosensitive silver halide.
[0105]
When a nucleating agent is used in the photothermographic material of the invention, it is preferable to use an acid formed by hydrating diphosphorus pentoxide or a salt thereof in combination. Acids or salts thereof formed by hydration of diphosphorus pentoxide include metaphosphoric acid (salt), pyrophosphoric acid (salt), orthophosphoric acid (salt), triphosphoric acid (salt), tetraphosphoric acid (salt), hexametalin An acid (salt) etc. can be mentioned. Examples of the acid or salt thereof formed by hydrating diphosphorus pentoxide particularly preferably include orthophosphoric acid (salt) and hexametaphosphoric acid (salt). Specific examples of the salt include sodium orthophosphate, sodium dihydrogen orthophosphate, sodium hexametaphosphate, and ammonium hexametaphosphate.
Amount of acid or salt thereof formed by hydration of diphosphorus pentoxide (1m photosensitive material)2The coating amount per unit) may be a desired amount according to the performance such as sensitivity and fog, but 0.1 to 500 mg / m2 Is preferred, 0.5-100 mg / m2 Is more preferable.
[0106]
In the photothermographic material of the invention, a surface protective layer can be provided for the purpose of preventing adhesion of the image forming layer. The surface protective layer is described in paragraph numbers 0119 to 0120 of JP-A No. 11-65021.
As the binder for the surface protective layer of the present invention, gelatin is preferable, but polyvinyl alcohol (PVA) is also preferable. Examples of PVA include completely saponified PVA-105, partially saponified PVA-205 and PVA-335, and modified polyvinyl alcohol MP-203 (trade name, manufactured by Kuraray Co., Ltd.). Polyvinyl alcohol coating amount of protective layer (per layer) (support 1m2Hit
Ri) 0.3 ~ 4.0g / m2 Is preferably 0.3 to 2.0 g / m2 Is more preferable.
[0107]
In particular, when the photothermographic material of the present invention is used for printing applications in which dimensional change is a problem, it is preferable to use a polymer latex for the protective layer and the back layer. For such polymer latex, “Synthetic resin emulsion (Hiraku Okuda, Hiroshi Inagaki, published by Kobunshi Publishing (1978))”, “Application of synthetic latex (Takaaki Sugimura, Ikuo Kataoka, Junichi Suzuki, Keiji Kasahara, Takashi "Molecular Publications (1993))" and "Synthetic Latex Chemistry (Souichi Muroi, published by High Polymers Publication (1970))", specifically, methyl methacrylate (33.5% by mass) / ethyl Latex of acrylate (50% by weight) / methacrylic acid (16.5% by weight) copolymer, latex of methyl methacrylate (47.5% by weight) / butadiene (47.5% by weight) / itaconic acid (5% by weight) copolymer, ethyl acrylate / methacrylic acid Latex of copolymer, methyl methacrylate (58.9% by mass) / 2-ethylhexyl acrylate (25.4% by mass) / styrene (8.6% by mass) / 2- Latex of droxyethyl methacrylate (5.1 mass%) / acrylic acid (2.0 mass%) copolymer, methyl methacrylate (64.0 mass%) / styrene (9.0 mass%) / butyl acrylate (20.0 mass%) / 2-hydroxyethyl methacrylate ( 5.0% by weight) / latex of acrylic acid (2.0% by weight) copolymer. Further, as a binder for the protective layer, a combination of polymer latex described in Japanese Patent Application No. 11-6872 and the technique described in paragraph Nos. 0021 to 0025 of Japanese Patent Application No. 11-143058, Japanese Patent Application No. 11-6872 The technology described in paragraph numbers 0027 to 0028 of the specification and the technology described in paragraph numbers 0023 to 0041 of the specification of Japanese Patent Application No. 10-199626 may be applied. The ratio of the polymer latex in the protective layer is preferably 10% by mass or more and 90% by mass or less, and particularly preferably 20% by mass or more and 80% by mass or less of the total binder.
Total amount of binder (including water-soluble polymer and latex polymer) applied to protective layer (per layer) (support 1m)2As per) 0.3-5.0g / m2 Is preferably 0.3 to 2.0 g / m2 Is more preferable.
[0108]
The preparation temperature of the image forming layer coating solution of the present invention is preferably from 30 ° C. to 65 ° C., more preferably from 35 ° C. to less than 60 ° C., and more preferably from 35 ° C. to 55 ° C. Further, it is preferable that the temperature of the image forming layer coating solution immediately after the addition of the polymer latex is maintained at 30 ° C. or more and 65 ° C. or less. Moreover, it is preferable that the reducing agent and the organic silver salt are mixed before adding the polymer latex.
[0109]
The organic silver salt-containing fluid or the thermal image forming layer coating solution in the present invention is preferably a so-called thixotropic fluid. Thixotropy refers to the property that the viscosity decreases as the shear rate increases. Although any apparatus may be used for the viscosity measurement of the present invention, an RFS fluid spectrometer manufactured by Rheometrics Far East Co., Ltd. is preferably used and measured at 25 ° C. Here, the organic silver salt-containing fluid or the thermal image forming layer coating liquid in the present invention has a shear rate of 0.1 S.-1The viscosity is preferably from 400 mPa · s to 100,000 mPa · s, more preferably from 500 mPa · s to 20,000 mPa · s. Also, shear rate 1000S-1Is preferably 1 mPa · s or more and 200 mPa · s or less, and more preferably 5 mPa · s or more and 80 mPa · s or less.
[0110]
Various systems that exhibit thixotropic properties are known, and are described in “Lectures / Rheology” edited by Polymer Publishing Co., “Polymer Latex” (published by Polymer Publishing Co., Ltd.) co-authored by Muroi and Morino. In order for the fluid to exhibit thixotropy, it is necessary to contain a large amount of solid fine particles. In order to enhance the thixotropy, it is effective to contain a thickening linear polymer, increase the aspect ratio in the anisotropic shape of the contained solid fine particles, increase the alkali viscosity, and use a surfactant.
[0111]
The heat-developable photographic emulsion of the present invention is composed of one or more layers on a support. One layer composition must contain organic silver salts, silver halides, developers and binders, and optional additional materials such as toning agents, coating aids and other aids. The two-layer construction must contain an organic silver salt and silver halide in the first emulsion layer (usually the layer adjacent to the support) and some other ingredients in the second or both layers. Don't be. However, a two-layer configuration comprising a single emulsion layer containing all components and a protective topcoat is also conceivable. The construction of a multicolor photosensitive photothermographic material may include a combination of these two layers for each color and includes all components in a single layer as described in US Pat. No. 4,708,928. Also good. In the case of a multi-dye multicolor photosensitive photothermographic material, each emulsion layer generally has a functional or non-functional barrier layer between each photosensitive layer as described in U.S. Pat.No. 4,460,681. By using, they are kept distinguished from each other.
[0112]
Various dyes and pigments (for example, CIPigment Blue 60, CIPigment Blue 64, and CIPigment Blue 15: 6) are used for the photosensitive layer of the present invention from the viewpoints of color tone improvement, prevention of interference fringes during laser exposure, and prevention of irradiation. Can be used. These are described in detail in WO98 / 36322, JP-A-10-268465, JP-A-11-338098 and the like.
[0113]
In the photothermographic material of the present invention, the antihalation layer can be provided on the side far from the light source with respect to the photosensitive layer.
[0114]
The photothermographic material generally has a non-photosensitive layer in addition to the photosensitive layer. The non-photosensitive layer includes (1) a protective layer provided on the photosensitive layer (on the side farther from the support), and (2) a plurality of photosensitive layers or between the photosensitive layer and the protective layer. (3) an undercoat layer provided between the photosensitive layer and the support, and (4) a back layer provided on the opposite side of the photosensitive layer. The filter layer is provided on the photosensitive material as the layer (1) or (2). The antihalation layer is provided on the photosensitive material as the layer (3) or (4).
[0115]
Regarding the antihalation layer, paragraphs 0123 to 0124 of JP-A-11-65021, JP-A-11-223898, 9-230531, 10-36695, 10-104779, 11-231457, 11 -352625, 11-352626, etc.
The antihalation layer contains an antihalation dye having absorption at the exposure wavelength. When the exposure wavelength is in the infrared region, an infrared absorbing dye may be used, and in that case, a dye having no absorption in the visible region is preferable.
When antihalation is performed using a dye having absorption in the visible range, it is preferable that substantially no dye color remains after image formation, and a means for decoloring by the heat of heat development is used. In particular, it is preferable to add a thermally decolorable dye and a base precursor to the non-photosensitive layer to function as an antihalation layer. These techniques are described in JP-A-11-231457 and the like.
[0116]
The amount of decoloring dye added is determined by the use of the dye. In general, the optical density (absorbance) measured at the target wavelength is used in an amount exceeding 0.1. The optical density is preferably 0.2-2. The amount of dye used to obtain such an optical density is generally 0.001 to 1 g / m.2Degree.
[0117]
When the dye is decolored in this way, the optical density after heat development can be reduced to 0.1 or less. Two or more kinds of decoloring dyes may be used in combination in a heat decoloring type recording material or a photothermographic material. Similarly, two or more kinds of base precursors may be used in combination.
In thermal decolorization using such decolorizing dye and base precursor, a substance that lowers the melting point by 3 ° C. (deg) or more when mixed with a base precursor as described in JP-A-11-352626 (for example, diphenylsulfone, 4-Chlorophenyl (phenyl) sulfone) is preferably used in view of thermal decoloring properties.
[0118]
In the present invention, a colorant having an absorption maximum at 300 to 450 nm can be added for the purpose of improving the silver tone and the temporal change of the image. Such colorants are disclosed in JP-A Nos. 62-210458, 63-104046, 63-103235, 63-208846, 63-306436, 63-314535, and JP-A-01-61745. And Japanese Patent Application No. 11-276751.
Such colorants are usually 0.1 mg / m2~ 1g / m2The back layer provided on the opposite side of the photosensitive layer is preferable as the layer to be added in the range of.
[0119]
The photothermographic material in the invention is a so-called single-sided photosensitive material having a photosensitive layer containing at least one silver halide emulsion on one side of a support and a back layer on the other side. preferable.
[0120]
In the present invention, it is preferable to add a matting agent for improving transportability, and the matting agent is described in paragraph Nos. 0126 to 0127 of JP-A No. 11-65021. Matting agent is photosensitive material 1m2When expressed as a coating amount per unit, preferably 1 to 400 mg / m2, More preferably 5 to 300 mg / m2It is.
The emulsion surface may have any matte degree as long as no stardust failure occurs, but the Beck smoothness is preferably 30 seconds or more and 2000 seconds or less, particularly preferably 40 seconds or more and 1500 seconds or less. The Beck smoothness can be easily obtained by Japanese Industrial Standard (JIS) P8119 “Smoothness test method using Beck tester for paper and paperboard” and TAPPI standard method T479.
[0121]
In the present invention, the matte degree of the back layer is preferably a Beck smoothness of 1200 seconds or less and 10 seconds or more, preferably 800 seconds or less and 20 seconds or more, and more preferably 500 seconds or less and 40 seconds or more.
[0122]
In the present invention, the matting agent is preferably contained in the outermost surface layer of the photosensitive material, the layer functioning as the outermost surface layer, or a layer close to the outer surface, and is contained in a layer acting as a so-called protective layer. It is preferable.
[0123]
The back layer applicable to the present invention is described in paragraph numbers 0128 to 0130 of JP-A No. 11-65021.
[0124]
The photothermographic material of the present invention preferably has a film surface pH of 6.0 or less, more preferably 5.5 or less before heat development. The lower limit is not particularly limited, but is about 3. The film surface pH is preferably adjusted using an organic acid such as a phthalic acid derivative, a non-volatile acid such as sulfuric acid, or a volatile base such as ammonia from the viewpoint of reducing the film surface pH. In particular, ammonia is volatile and is preferable for achieving a low film surface pH because it can be removed before the coating process or heat development. The method for measuring the film surface pH is described in paragraph No. 0123 of Japanese Patent Application No. 11-87297.
[0125]
A hardener may be used for each layer such as the photosensitive layer, protective layer, and back layer of the present invention. Examples of hardeners include “THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHIC PROCESS FOURTH EDITION” written by THJames (published by Macmillan Publishing Co., Inc., 1977), pages 77 to 87. Preferred are polyvalent metal ions, polyisocyanates such as US Pat. No. 4,281,060, JP-A-6-208193, epoxy compounds such as US Pat. No. 4,791,042, and vinyl sulfone compounds such as JP-A 62-89048. Used.
[0126]
The hardener is added as a solution, and the addition time of this solution into the protective layer coating solution is from 180 minutes before to immediately before application, preferably from 60 minutes to 10 seconds before application. As long as the effects of the present invention are sufficiently exhibited, there is no particular limitation. Specific mixing methods include mixing in a tank in which the average residence time calculated from the addition flow rate and the amount of liquid delivered to the coater is the desired time, and by N. Harnby, MFEdwards, AWNienow, Takahashi There is a method of using a static mixer or the like described in Chapter 8 etc. of Koji translation "Liquid mixing technology" (Nikkan Kogyo Shimbun, 1989).
[0127]
JP-A-11-65021 paragraph number 0132 for surfactants applicable to the present invention, paragraph number 0133 for solvents, paragraph number 0134 for supports, paragraph number for antistatic or conductive layers The method for obtaining a color image is described in paragraph No. 0136 of the same publication, and the slip agent is described in paragraph Nos. 0061 to 0064 of JP-A No. 11-84573 and paragraph Nos. 0049 to 0062 of Japanese Patent Application No. 11-106881.
[0128]
The transparent support is a polyester, particularly polyethylene, which has been heat-treated in a temperature range of 130 to 185 ° C. in order to relieve internal strain remaining in the film during biaxial stretching and to eliminate thermal shrinkage strain generated during heat development. Terephthalate is preferably used. In the case of a photothermographic material for medical use, the transparent support may be colored with a blue dye (for example, dye-1 described in Examples of JP-A-8-240877) or may be uncolored. Undercoating technology such as water-soluble polyester disclosed in JP-A-11-84574, styrene-butadiene copolymer disclosed in JP-A-10-186565, and vinylidene chloride copolymer described in JP-A-11-106881, paragraphs 0063-0080 Is preferably applied. Further, regarding the antistatic layer or the undercoat, JP-A-56-143430, JP-A-56-143431, JP-A-58-62646, JP-A-56-120519, JP-A-11-84573, paragraphs 0040 to 0051, U.S. Pat. The techniques described in paragraph numbers 0078 to 0084 of 5,575,957 and JP-A-11-223898 can be applied.
[0129]
The photothermographic material is preferably a mono-sheet type (a type capable of forming an image on the photothermographic material without using another sheet such as an image receiving material).
[0130]
An antioxidant, a stabilizer, a plasticizer, an ultraviolet absorber, or a coating aid may be further added to the photothermographic material. Various additives are added to either the photosensitive layer or the non-photosensitive layer. For these, reference can be made to WO98 / 36322, EP803764A1, JP-A-10-186567, 10-18568 and the like.
[0131]
The photothermographic material in the invention may be applied by any method. Specifically, various coating operations are used, including extrusion coating, slide coating, curtain coating, dip coating, knife coating, flow coating, or extrusion coating using a hopper of the type described in U.S. Pat. Stephen F. Kistler and Petert M. Schweizer “LIQUID FILM COATING” (CHAPMAN & HALL, 1997) pages 399 to 536, preferably used for extrusion coating or slide coating, particularly preferably used for slide coating It is done. An example of the shape of the slide coater used for slide coating is shown in Figure 11b.1 on page 427 of the same book. If desired, two or more layers can be simultaneously coated by the method described in pages 399 to 536 of the same document, the method described in US Pat. No. 2,761,791 and British Patent No. 837,095.
[0132]
Techniques that can be used for the photothermographic material of the present invention include EP803764A1, EP883022A1, WO98 / 36322, JP 56-62648, 58-62644, JP 9-281637, and 9- 297367, 9-304869, 9-311405, 9-329865, 10-10669, 10-62899, 10-69023, 10-186568, 10-90823 10-171063, 10-186565, 10-186567, 10-186569 to 10-186572, 10-197974, 10-197982, 10-197983, 10-197985 to 10-197987, 10-207001, 10-207004, 10-221807, 10-282601, 10-288823, 10-288824, 10-288824, 10- 307365, 10-312038, 10-339934, 11-7100, 11-15105, 11-24200, 11-24201, 11-30832, 11-84574 11-65021, 11-109547, 11-125880, 11-129629, 11-133536 to 11-133539, 11-133542, 11-133543, There is also 11-223898.
[0133]
The photothermographic material of the present invention may be developed by any method, but is usually developed by raising the temperature of the photothermographic material exposed imagewise. The preferred development temperature is 80 to 250 ° C, more preferably 100 to 140 ° C. The development time is preferably 1 to 180 seconds, more preferably 10 to 90 seconds, and particularly preferably 10 to 40 seconds.
[0134]
A plate heater method is preferred as the heat development method. The heat development method using a plate heater method is preferably a method described in JP-A-11-133572, in which a heat-developable photosensitive material on which a latent image has been formed is brought into contact with a heating means in a heat-development section to obtain a visible image In the developing device, the heating unit includes a plate heater, and a plurality of press rollers are disposed to face each other along one surface of the plate heater, and the heat is interposed between the press roller and the plate heater. A thermal development apparatus that performs thermal development by passing a development photosensitive material. It is preferable to divide the plate heater into 2 to 6 stages and lower the temperature about 1 to 10 ° C. at the tip. Such a method is also described in JP-A-54-30032, which can exclude moisture and organic solvents contained in the photothermographic material out of the system, and can be rapidly developed in the photothermographic material. It is also possible to suppress changes in the shape of the support of the photothermographic material due to heating of the photothermographic material.
[0135]
The light-sensitive material of the present invention may be exposed by any method, but laser light is preferred as the exposure light source. As the laser beam according to the present invention, a gas laser (Ar+, He-Ne), YAG laser, dye laser, semiconductor laser and the like are preferable. A semiconductor laser and a second harmonic generation element can also be used. Red to infrared emission gas or semiconductor laser is preferable.
[0136]
As a medical laser imager provided with an exposure part and a heat development part, Fuji Medical Dry Laser Imager FM-DPL can be mentioned. FM-DPL is described in Fuji Medical Review No. 8, pages 39 to 55, and it goes without saying that these techniques are applied as a laser imager of the photothermographic material of the present invention. It can also be applied as a photothermographic material for laser imagers in the “AD network” proposed by Fuji Medical System as a network system adapted to the DICOM standard.
[0137]
The photothermographic material of the present invention forms a black and white image by a silver image, and is used as a photothermographic material for medical diagnosis, a photothermographic material for industrial photography, a photothermographic material for printing, and a photothermographic material for COM. It is preferably used.
[0138]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, the present invention will be specifically described with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.“Example-2” and “Example-4” shall be read as “Reference example-2” and “Reference example-4”, respectively.
Example-1
[0139]
Samples 3 to 7 in Example-1 shall read "present invention" as "reference example", respectively.
(PET support creation)
Using terephthalic acid and ethylene glycol, PET having an intrinsic viscosity of IV = 0.66 (measured in phenol / tetrachloroethane = 6/4 (weight ratio) at 25 ° C.) was obtained according to a conventional method. This was pelletized, dried at 130 ° C. for 4 hours, melted at 300 ° C., extruded from a T-die, and rapidly cooled to prepare an unstretched film having a thickness of 175 μm after heat setting.
[0140]
This was stretched 3.3 times longitudinally using rolls with different peripheral speeds, and then stretched 4.5 times with a tenter. The temperatures at this time were 110 ° C. and 130 ° C., respectively. Thereafter, the film was heat-fixed at 240 ° C. for 20 seconds and relaxed by 4% in the lateral direction at the same temperature. After slitting the chuck part of the tenter, knurling is performed on both ends, and 4kg / cm2 To obtain a roll having a thickness of 175 μm.
[0141]
(Surface corona treatment)
Using a solid state corona treatment machine 6KVA model manufactured by Pillar, both surfaces of the support were treated at room temperature at 20 m / min. From the current and voltage readings at this time, the support is 0.375 kV · A · min / m2 It was found that the process was done. The treatment frequency at this time was 9.6 kHz, and the gap clearance between the electrode and the dielectric roll was 1.6 mm.
[0142]
(Create an undercoat support)
(1) Preparation of undercoat layer coating solution
Formula (for photosensitive layer side undercoat layer)
Pesresin A-515GB (30% by mass solution) manufactured by Takamatsu Yushi Co., Ltd. 234 g
Polyethylene glycol monononyl phenyl ether
(Average number of ethylene oxide = 8.5) 10% by mass solution 21.5 g
MP-1000 by Soken Chemical Co., Ltd. (polymer fine particles, average particle size 0.4μm) 0.91g
Distilled water 744ml
[0143]
Formula (for back layer 1st layer)
Butadiene-styrene copolymer latex 158g
(Solid content 40% by mass, butadiene / styrene weight ratio = 32/68)
2,4-dichloro-6-hydroxy-S-
Triazine sodium salt 8% by weight aqueous solution 20g
10% 1% by weight aqueous solution of sodium laurylbenzenesulfonate
Distilled water 854ml
[0144]
Formula (for back layer 2nd layer)
SnO2/ SbO (9/1 weight ratio, average particle size 0.038 μm, 17% by mass dispersion) 84 g
Gelatin (10% aqueous solution) 89.2g
Metroise TC-5 (2% aqueous solution) 8.6g made by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.
MP-1000 (Polymer microparticles) manufactured by Soken Chemical Co., Ltd. 0.01g
10% 1% by weight aqueous solution of sodium dodecylbenzenesulfonate
NaOH (1%) 6ml
Proxel (made by ICI) 1ml
805ml of distilled water
[0145]
(Preparation of undercoat support)
After both surfaces of the biaxially stretched polyethylene terephthalate support having a thickness of 175 μm are subjected to the corona discharge treatment, the undercoat coating liquid formulation is applied to one surface (photosensitive layer surface) with a wire bar so that the wet coating amount is 6.6 ml / m 2.2(Per side) and dry at 180 ° C for 5 minutes, then apply the undercoat coating formulation on the back (back side) with a wire bar with a wet coating weight of 5.7ml / m2And then dry at 180 ° C for 5 minutes, and then apply the undercoat coating solution formulation on the back (back surface) with a wire bar to a wet coating amount of 7.7ml / m2And then dried at 180 ° C. for 6 minutes to prepare an undercoat support.
[0146]
(Preparation of back surface coating solution)
(Preparation of solid fine particle dispersion (a) of base precursor)
64 g of base precursor compound 11, 28 g of diphenylsulfone and 10 g of surfactant demole N manufactured by Kao Co., Ltd. are mixed with 220 ml of distilled water, and the mixture is a sand mill (1/4 Gallon sand grinder mill, manufactured by IMEX Co., Ltd.) To obtain a solid fine particle dispersion (a) of a base precursor compound having an average particle size of 0.2 μm.
[0147]
(Preparation of dye solid fine particle dispersion)
9.6 g of cyanine dye compound 13 and 5.8 g of sodium P-dodecylbenzenesulfonate are mixed with 305 ml of distilled water, and the mixture is bead-dispersed using a sand mill (1/4 Gallon sand grinder mill, manufactured by IMEX Co., Ltd.). Thus, a dye solid fine particle dispersion having an average particle size of 0.2 μm was obtained.
[0148]
(Preparation of antihalation layer coating solution)
Gelatin 17 g, polyacrylamide 9.6 g, solid fine particle dispersion (a) 70 g of the above basic precursor, 56 g of the dye solid fine particle dispersion 1.5 g of polymethyl methacrylate fine particles (average particle size 6.5 μm), benzoisothiazolinone 0.03 g, An antihalation layer coating solution was prepared by mixing 2.2 g of sodium polyethylene sulfonate, 0.2 g of blue dye compound 14, 3.9 g of yellow dye compound 15 and 844 ml of water.
[0149]
(Preparation of back surface protective layer coating solution)
Keep container at 40 ° C, gelatin 50g, polystyrene sodium sulfonate 0.2g, N, N-ethylenebis (vinyl sulfonate acetamide) 2.4g, t-octylphenoxyethoxyethane sodium sulfonate 1g, benzoisothiazolinone 30mg, N -Perfluorooctylsulfonyl-N-propylalanine potassium salt 37 mg, polyethylene glycol mono (N-perfluorooctylsulfonyl-N-propyl-2-aminoethyl) ether [ethylene oxide average polymerization degree 15] 0.15 g, C8F17SOThreeK 32mg, C8F17SO2N (CThreeH7) (CH2CH2O)Four(CH2)Four-SOThreeNa 64mg, acrylic acid / ethyl acrylate copolymer (copolymerization weight ratio 5/95) 8.8g, aerosol OT (American Cyanamid Co., Ltd.) 0.6g, liquid paraffin emulsion as liquid paraffin 1.8g, water 950 ml was mixed to prepare a back surface protective layer coating solution.
[0150]
<< Preparation of silver halide emulsion 1 >>
While stirring in a titanium-coated stainless steel reaction vessel, add 3.1 ml of 1% by weight potassium bromide solution to 1421 ml of distilled water, and then add 3.5 ml of 1 mol / L sulfuric acid and 31.7 g of phthalated gelatin. Keeping the liquid temperature at 34 ℃, distilled water was added to 22.22g of silver nitrate and diluted to 95.4ml, and solution B diluted with 15.9g of potassium bromide to 97.4ml with distilled water over 45 seconds at a constant flow rate. The whole amount was added. Thereafter, 10 ml of a 3.5% by mass aqueous hydrogen peroxide solution was added, and 10.8 ml of a 10% by mass aqueous solution of benzimidazole was further added. Furthermore, Solution C, in which distilled water was added to 51.86 g of silver nitrate and diluted to 317.5 ml, and Solution D in which 45.8 g of potassium bromide was diluted to 400 ml with distilled water, were added in a total amount over 20 minutes at a constant flow rate. Solution D was added by the controlled double jet method while maintaining pAg at 8.1. 1 x 10 per mole of silver-FourA total amount of iridium (III) hexachloride potassium salt was added to a molar ratio 10 minutes after the start of addition of Solution C and Solution D. In addition, 5 seconds after the completion of the addition of solution C, potassium iron (II) hexacyanide aqueous solution was added at 3 × 10 3-FourThe whole molar amount was added. The pH was adjusted to 3.8 with 0.5 mol / L sulfuric acid, stirring was stopped, and precipitation / desalting / water washing steps were performed. The pH was adjusted to 5.9 with 1 mol / L sodium hydroxide to prepare a silver halide dispersion having a pAg of 8.0.
[0151]
While maintaining the above silver halide dispersion at 38 ° C. with stirring, add 5 ml of a 0.34 mass% methanol solution of 1,2-benzisothiazolin-3-one, and after 40 minutes, add a methanol solution of spectral sensitizing dye 30. 1 x 10 per mole of silver-3Mole was added and the temperature was raised to 47 ° C after 1 minute. 20 minutes after the temperature rise, sodium benzenethiosulfonate in methanol solution was 7.6 × 10 per mole of silver.-Five5 minutes later, tellurium sensitizer B was added to the solution in methanol with a methanol solution of 1.9 x 10 per mole of silver.-FourMole was added and aged for 91 minutes. Add 1.3 ml of a 0.8 wt% methanol solution of N, N'-dihydroxy-N "-diethylmelamine, and after another 4 min, add 5-methyl-2-mercaptobenzimidazole in methanol solution to 3.7 x 10 per mole of silver.-3Mole and 1-phenyl-2-heptyl-5-mercapto-1,3,4-triazole in a methanol solution with a methanol solution of 4.9 × 10-3A silver halide emulsion 1 was prepared by adding a molar amount.
[0152]
Grains in the prepared silver halide emulsion were pure silver bromide grains having an average sphere equivalent diameter of 0.046 μm and a sphere equivalent diameter variation coefficient of 20%. The particle size and the like were determined from an average of 1000 particles using an electron microscope. The [100] face ratio of the particles was determined to be 80% using the Kubelka-Munk method.
[0153]
<< Preparation of silver halide emulsion 2 >>
In the preparation of silver halide emulsion 1, the liquid temperature at the time of grain formation was changed from 34 ° C. to 49 ° C., and the addition time of solution C was changed to 30 minutes to remove potassium hexacyanoiron (II). A silver halide emulsion 2 was prepared. Precipitation / desalting / washing / dispersion was carried out in the same manner as silver halide emulsion 1. Furthermore, the amount of spectral sensitizing dye 30 added is 7.5 x 10 per mole of silver.-FourMol, tellurium sensitizer B added at 1.1 x 10 per silver mole-FourMole, 1-phenyl-2-heptyl-5-mercapto-1,3,4-triazole, 3.3 × 10-3Spectral sensitization, chemical sensitization, and 5-methyl-2-mercaptobenzimidazole, 1-phenyl-2-heptyl-5-mercapto-1,3,4-triazole as in Emulsion 1 except that the molar ratio was changed. Was added to obtain a silver halide emulsion 2. The emulsion grains of the silver halide emulsion 2 were pure silver bromide cubic grains having an average sphere equivalent diameter of 0.080 μm and a sphere equivalent diameter variation coefficient of 20%.
[0154]
<< Preparation of silver halide emulsion 3 >>
In the preparation of silver halide emulsion 1, silver halide emulsion 3 was prepared in the same manner except that the liquid temperature at the time of grain formation was changed from 34 ° C. to 27 ° C. Further, precipitation / desalting / washing / dispersion was performed in the same manner as silver halide emulsion 1. Addition amount of solid dispersion of spectral sensitizing dye 30 (gelatin aqueous solution) to 6 x 10 per mole of silver-3Mol, tellurium sensitizer B added to 5.2 x 10 per mol of silver-FourA silver halide emulsion 3 was obtained in the same manner as Emulsion 1 except that the molar ratio was changed. Emulsion grains of silver halide emulsion 3 were pure silver bromide cubic grains having an average sphere equivalent diameter of 0.038 μm and a sphere equivalent diameter variation coefficient of 20%.
[0155]
<Preparation of mixed emulsion A for coating solution>
70% by weight of silver halide emulsion 1, 15% by weight of silver halide emulsion 2 and 15% by weight of silver halide emulsion 3 were dissolved, and benzothiazolium iodide was dissolved in an aqueous solution of 1% by weight. × 10-3Mole was added.
[0156]
<< Preparation of flake fatty acid silver salt >>
Henkel behenic acid (product name Edenor C22-85R) 87.6kg, distilled water 423L, 5N-NaOH aqueous solution 49.2L, tert-butanol 120L was mixed and stirred at 75 ° C for 1 hour to react with sodium behenate solution. Got. Separately, 206.2 L (pH 4.0) of an aqueous solution of 40.4 kg of silver nitrate was prepared and kept warm at 10 ° C. Keep the reaction vessel containing 635L of distilled water and 30L of tert-butanol at 30 ° C and stir the total amount of the previous sodium behenate solution and the total amount of silver nitrate aqueous solution at a constant flow rate of 62 minutes 10 seconds and 60 minutes, respectively. Added over time. At this time, only the silver nitrate aqueous solution is added for 7 minutes and 20 seconds after the start of the addition of the silver nitrate aqueous solution, and then the addition of the sodium behenate solution is started. After the addition of the silver nitrate aqueous solution, only the sodium behenate solution is added for 9 minutes and 30 seconds. Was added. At this time, the temperature in the reaction vessel was 30 ° C., and the external temperature was controlled so that the liquid temperature was constant. Further, the pipe of the addition system of the sodium behenate solution was kept warm by steam tracing, and the steam opening degree was adjusted so that the liquid temperature at the outlet of the addition nozzle tip was 75 ° C. Moreover, the piping of the addition system of the silver nitrate aqueous solution was kept warm by circulating cold water outside the double pipe. The addition position of the sodium behenate solution and the addition position of the aqueous silver nitrate solution were arranged symmetrically around the stirring axis, and were adjusted so as not to contact the reaction solution.
[0157]
After completion of the addition of the sodium behenate solution, the mixture was left stirring for 20 minutes at the same temperature, and the temperature was lowered to 25 ° C. Thereafter, the solid content was separated by suction filtration, and the solid content was washed with water until the conductivity of the filtered water reached 30 μS / cm. Thus, a fatty acid silver salt was obtained. The obtained solid content was stored as a wet cake without drying.
[0158]
When the morphology of the obtained silver behenate particles was evaluated by electron micrograph, the average value was a = 0.14 μm, b = 0.4 μm, c = 0.6 μm, average aspect ratio 5.2, average sphere equivalent diameter 0.52 μm, sphere equivalent It was a flake-like crystal with a diameter variation coefficient of 15%. (A, b, c are the provisions of the main text)
[0159]
7.4 g of polyvinyl alcohol (trade name: PVA-217) and water were added to a wet cake corresponding to a dry solid content of 100 g, and the total amount was adjusted to 385 g.
[0160]
Next, the pre-dispersed stock solution is subjected to a pressure of 1750 kg / cm of the disperser (trade name: Microfluidizer M-110S-EH, manufactured by Microfluidics International Corporation, G10Z interaction chamber).2 And was treated three times to obtain a silver behenate dispersion. The cooling operation was set to a dispersion temperature of 18 ° C. by installing a serpentine heat exchanger before and after the interaction chamber and adjusting the temperature of the refrigerant.
[0161]
<< Preparation of 25% by weight dispersion of reducing agent >>
To 10 kg of a 20% by weight aqueous solution of 1,1-bis (2-hydroxy-3,5-dimethylphenyl) -3,5,5-trimethylhexane 10 kg and modified polyvinyl alcohol (Kuraray Co., Ltd., Poval MP203), water 16 kg was added and mixed well to make a slurry. This slurry was fed with a diaphragm pump, dispersed in a horizontal sand mill (UVM-2: manufactured by Imex Co., Ltd.) filled with zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm for 3 hours 30 minutes, and then benzoisothiazolinone sodium salt 0.2 g and water were added to prepare a reducing agent concentration of 25% by mass to obtain a reducing agent dispersion. The reducing agent particles contained in the reducing agent dispersion thus obtained had a median diameter of 0.42 μm and a maximum particle diameter of 2.0 μm or less. The obtained reducing agent dispersion was filtered through a polypropylene filter having a pore size of 10.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored.
[0162]
<Preparation of 10% by weight dispersion of mercapto compound>
To 5 kg of 1-phenyl-2-heptyl-5-mercapto-1,3,4-triazole and 5 kg of a 20% by weight aqueous solution of modified polyvinyl alcohol (Kuraray Co., Ltd. Poval MP203), 8.3 kg of water was added, Mix well to make a slurry. This slurry is fed with a diaphragm pump and dispersed for 6 hours in a horizontal sand mill (UVM-2: manufactured by Imex Co., Ltd.) filled with zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm, and then water is added to increase the concentration of the mercapto compound. It was prepared so that it might become 10 mass%, and the mercapto dispersion was obtained. The mercapto compound particles contained in the mercapto compound dispersion thus obtained had a median diameter of 0.40 μm and a maximum particle diameter of 2.0 μm or less. The obtained mercapto compound dispersion was filtered through a polypropylene filter having a pore size of 10.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored. Further, it was filtered again with a polypropylene filter having a pore size of 10 μm immediately before use.
[0163]
<< Preparation of Dispersion-1 of 20% by Mass of Organic Polyhalogen Compound >>
Add 5kg of tribromomethylnaphthylsulfone, 2.5kg of 20% aqueous solution of modified polyvinyl alcohol (Kuraray Co., Ltd. Poval MP203), 213g of 20% aqueous solution of sodium triisopropylnaphthalenesulfonate, and 10kg of water. Mix to make a slurry. This slurry was fed with a diaphragm pump and dispersed for 5 hours in a horizontal sand mill (UVM-2: manufactured by Imex Co., Ltd.) filled with zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm. Then, 0.2 g of benzoisothiazolinone sodium salt was obtained. Water was added so that the concentration of the organic polyhalogen compound was 20% by mass to obtain an organic polyhalogen compound dispersion. The organic polyhalogen compound particles contained in the polyhalogen compound dispersion thus obtained had a median diameter of 0.36 μm and a maximum particle diameter of 2.0 μm or less. The obtained organic polyhalogen compound dispersion was filtered through a polypropylene filter having a pore size of 3.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored.
[0164]
<< Preparation of 25% by weight dispersion-2 of organic polyhalogen compound >>
Similar to 20 mass% dispersion-1 of organic polyhalogen compound, except that 5 kg of tribromomethyl (4- (2,4,6-trimethylphenylsulfonyl) phenyl) sulfone is used instead of 5 kg of tribromomethylnaphthylsulfone. The organic polyhalogen compound was diluted to 25% by mass and filtered. The organic polyhalogen compound particles contained in the organic polyhalogen compound dispersion thus obtained had a median diameter of 0.38 μm and a maximum particle diameter of 2.0 μm or less. The obtained organic polyhalogen compound dispersion was filtered through a polypropylene filter having a pore size of 3.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored.
[0165]
<< Preparation of Dispersion-3 of 30% by Mass of Organic Polyhalogen Compound >>
Similar to 20 mass% dispersion-1 of organic polyhalogen compound, except that 5 kg of tribromomethylphenylsulfone is used instead of 5 kg of tribromomethyl naphthyl sulfone, 5 kg of 20 mass% MP203 aqueous solution is dispersed, and this organic It diluted so that a polyhalogen compound might be 30 mass%, and filtered. The organic polyhalogen compound particles contained in the organic polyhalogen compound dispersion thus obtained had a median diameter of 0.41 μm and a maximum particle diameter of 2.0 μm or less. The obtained organic polyhalogen compound dispersion was filtered through a polypropylene filter having a pore size of 3.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored. Moreover, after storage, it was stored at 10 ° C. or lower until use.
[0166]
<< Preparation of 5 mass% solution of phthalazine compound >>
8 kg of modified polyvinyl alcohol MP203 manufactured by Kuraray Co., Ltd. was dissolved in 174.57 kg of water, and then 3.15 kg of a 20 wt% aqueous solution of sodium triisopropylnaphthalenesulfonate and 14.28 kg of a 70 wt% aqueous solution of 6-isopropylphthalazine were added. A 5% by mass solution of 6-isopropylphthalazine was prepared.
[0167]
<Preparation of 20% by weight dispersion of pigment>
A slurry was prepared by adding 64 g of C.I. Pigment Blue 60 and 6.4 g of Kamo Corp. demole N to 250 g of water and mixing well. 800 g of zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm were prepared and placed in a vessel together with the slurry, and dispersed for 25 hours with a disperser (1/4 G sand grinder mill: manufactured by IMEX Co., Ltd.) to obtain a pigment dispersion. . The pigment particles contained in the pigment dispersion thus obtained had an average particle size of 0.21 μm.
[0168]
<Preparation of 40% by mass of SBR latex>
The ultrafiltration (UF) purified SBR latex was obtained as follows.
The following SBR latex diluted 10-fold with distilled water is diluted with UF-Purification Module FS03-FC-FUY03A1 (Daisen Membrane System Co., Ltd.) until the ion conductivity reaches 1.5 mS / cm. It refine | purified and the Sanyo Chemical Co., Ltd. sandet-BL was added so that it might become 0.22 mass%. Further NaOH and NHFour Na with OH+Ion: NHFour +It added so that it might become ion = 1: 2.3 (molar ratio), and it adjusted to pH8.4. The latex concentration at this time was 40% by mass.
(SBR Latex: -St (68) -Bu (29) -AA (3)-Latex)
[0169]
Average particle size 0.1μm, concentration 45% by mass, equilibrium moisture content 0.6% by mass at 25 ° C 60% RH, ion conductivity 4.2mS / cm (Ion conductivity is measured by CM- 30S latex stock solution (40%) measured at 25 ° C), pH 8.2
[0170]
<< Preparation of emulsion layer (photosensitive layer) coating solution >>
1.1 g of 20% by weight aqueous dispersion of the pigment obtained above, 103 g of organic acid silver dispersion, 5 g of 20% by weight aqueous solution of polyvinyl alcohol PVA-205 (manufactured by Kuraray Co., Ltd.), 25% by weight reducing agent dispersion 25g, organic polyhalogen compound dispersion-1, -2, -3 in 5: 1: 3 (weight ratio) 16.3g in total, mercapto compound 10% dispersion 6.2g, ultrafiltration (UF) purified and pH adjusted 106 g of the SBR latex, 18 g of a 5 wt% solution of the phthalazine compound, and 10 g of the silver halide mixed emulsion A were mixed well to prepare an emulsion layer coating solution. m2 Then, the solution was fed and applied.
[0171]
The viscosity of the emulsion layer coating solution was 85 [mPa · s] at 40 ° C. (No. 1 rotor, 60 rpm) as measured with a B-type viscometer of Tokyo Keiki.
[0172]
The viscosity of the coating solution at 25 ° C using an RFS fluid spectrometer manufactured by Rheometrics Far East Co., Ltd. is 1500, 220, 70, 40 at shear rates of 0.1, 1, 10, 100, and 1000 [1 / second], respectively. 20 [mPa · s].
[0173]
<Preparation of emulsion surface intermediate layer coating solution>
772 g of 10% by weight aqueous solution of polyvinyl alcohol PVA-205 (manufactured by Kuraray Co., Ltd.), 5.3 g of 20% by weight dispersion of pigment, methyl methacrylate / styrene / butyl acrylate / hydroxyethyl methacrylate / acrylic acid copolymer (copolymerization weight) 64/9/20/5/2) 27.5% solution of latex, 2ml of 5% solution of Aerosol OT (American Cyanamid) and 10.5ml of 20% solution of diammonium phthalate Add water to a total volume of 880 g and adjust with NaOH to a pH of 7.5 to obtain an intermediate layer coating solution of 10 ml / m2 Then, the solution was fed to the coating die.
The viscosity of the coating solution was 21 [mPa · s] at a B-type viscometer of 40 ° C. (No. 1 rotor, 60 rpm).
[0174]
<< Preparation of emulsion surface protective layer first layer coating solution >>
64 g of inert gelatin dissolved in water, methyl methacrylate / styrene / butyl acrylate / hydroxyethyl methacrylate / acrylic acid copolymer (copolymerization weight ratio 64/9/20/5/2) latex 27.5 mass% solution 80 g, phthalic acid 23 ml of 10 mass% methanol solution, 23 ml of 10 mass% aqueous solution of 4-methylphthalic acid, 28 ml of 1N sulfuric acid, 5 ml of 5 mass% aqueous solution of Aerosol OT (American Cyanamid), 0.5 g of phenoxyethanol, benzo Add 0.1 g of isothiazolinone, add water to make a total amount of 750 g, and use 26 ml of 4% by weight chromium alum mixed with a static mixer just before coating as 18.6 ml / m2 Then, the solution was fed to the coating die.
The viscosity of the coating solution was 17 [mPa · s] at a B-type viscometer of 40 ° C. (No. 1 rotor, 60 rpm).
[0175]
<< Preparation of emulsion surface protective layer second layer coating solution >>
Inert gelatin 80g dissolved in water, methyl methacrylate / styrene / butyl acrylate / hydroxyethyl methacrylate / acrylic acid copolymer (copolymerization weight ratio 64/9/20/5/2) latex 27.5 mass% liquid 102g, N- 3.2 ml of 5% by weight solution of perfluorooctylsulfonyl-N-propylalanine potassium salt, polyethylene glycol mono (N-perfluorooctylsulfonyl-N-propyl-2-aminoethyl) ether [ethylene oxide average polymerization degree = 15] 32 ml of 2% by weight aqueous solution, 23 ml of 5% by weight solution of Aerosol OT (American Cyanamid Co., Ltd.), 4 g of polymethyl methacrylate fine particles (average particle size 0.7 μm), polymethyl methacrylate fine particles (average particle size 6.4 μm) 21 g, 4-methylphthalic acid 1.6 g, phthalic acid 4.8 g, 0.5 mol / L sulfuric acid 44 ml, benzoisothiazolinone 10 mg total amount 650 g So as the water was added to a mixture of 4% by weight chrome alum and static mixer aqueous solution 445ml immediately before coating containing 0.67 wt% of phthalic acid and a surface protective layer coating solution, 8.3 ml / m2Then, the solution was fed to the coating die.
The viscosity of the coating solution was 9 [mPa · s] at 40 ° C. (No. 1 rotor, 60 rpm) with a B-type viscometer.
[0176]
<Creation of photothermographic material>
On the back surface side of the undercoat support, the antihalation layer coating solution has a solid content of solid particulate dye of 0.04 g / m.2In addition, the coating amount of the back surface protective layer is 1.7 g / m.2 Then, simultaneous multilayer coating was applied and dried to prepare an antihalation back layer.
[0177]
Emulsion layer from the undercoat surface to the surface opposite the back surface (silver halide coating silver amount 0.14 g / m2The intermediate layer, the protective layer first layer, and the protective layer second layer were simultaneously coated in the order of the slide bead coating method to prepare Sample 1 of the photothermographic material.
[0178]
Application was performed at a speed of 160 m / min, the gap between the coating die tip and the support was set to 0.10 to 0.30 mm, and the pressure in the decompression chamber was set to 196 to 882 Pa lower than the atmospheric pressure. The support was neutralized with an ion wind before coating.
In the subsequent chilling zone, after cooling the coating solution with a wind at a dry bulb temperature of 10 to 20 ° C., it is transported in a non-contact type, and is dried at a dry bulb temperature of 23 to 45 ° C. It dried with the dry wind of the wet bulb temperature 15-21 degreeC.
After drying, the humidity was adjusted at 25 ° C. and humidity of 40 to 60% RH, and then the film surface was heated to 70 to 90 ° C. After heating, the film surface was cooled to 25 ° C.
The photothermographic material thus produced had a Beck smoothness of 550 seconds on the photosensitive layer surface side and 130 seconds on the back surface. Further, the pH of the film surface on the photosensitive layer surface side was measured and found to be 6.0.
[0179]
Embedded image
[0180]
Embedded image
[0181]
Next, instead of the dye 30 (comparative dye), the dye 35 (comparative dye), the one using the exemplified dyes 1, 4, 9, 23, and 27 of the present invention, and the exemplified dye of the present invention and the dye 30 are used in combination. These were used as samples 1 to 9, respectively. In the case of the combined system, the total amount of dye was set to be the same as that of dye 30.
(Evaluation of photographic performance)
Photographic materials were exposed and thermally developed (approximately 120 ° C) with Fuji Medical Dry Laser Imager FM-DPL (with a 660 nm semiconductor laser with a maximum output of 60 mW (IIIB)), and the resulting images were evaluated with a densitometer. . At that time, the exposure temperature was 32 ° C. and 13 ° C.
[0182]
The measurement results were evaluated by Dmin and sensitivity (the reciprocal of the ratio of the exposure amount giving a density 1.0 higher than Dmin). The sensitivity was expressed as a relative value with the exposure temperature of Sample 1 being 32 ° C. as 100.
[0183]
(Evaluation of storage stability over time)
Each sample was cut into 30.5 cm × 25.4 cm, and a round corner with a corner of 0.5 cm was formed. Each of these samples is allowed to stand for one day at 25 ° C and 50% RH, and each one is sealed in a bag made of moisture-proof material and placed in a 35.1cm x 26.9cm x 3.0cm cosmetic box. Aged for 5 days at 50 ° C. (forced aging). This sample was subjected to the same evaluation as that used for evaluation of photographic performance, and Dmin and sensitivity were evaluated.
The evaluation results are shown in Table 1.
[0184]
[Table 1]
[0185]
From Table 1, it can be seen that Samples 3 to 9 using the sensitizing dye of the present invention have high sensitivity, low fog, small exposure temperature dependency, and good storage stability. In particular, the effect is remarkable when two kinds of dyes are used in combination.
[0186]
Example-2
In Example 1 of JP-A-7-287337, samples 10 and 11 were prepared using the comparative dye 30 and the exemplary dye 4 in the present invention instead of the sensitizing dye described in JP-A-7-287337. Each sample was exposed by the method described in (Evaluation of photographic performance) of Example-1 in the present invention, and the processing described in JP-A-7-287337 was performed in place of thermal development to evaluate the photographic performance. When the sensitivity is 10 as 100, 11 becomes 166, and a high sensitivity result was obtained.
[0187]
Example-3
In Example 1, instead of the silver halide emulsion 1, a silver halide emulsion 4 prepared as follows was used.Samples 3, 4, 13, and 14 in Example-3 shall read “present invention” as “reference example”, respectively.
[0188]
<< Preparation of silver halide emulsion 4 >>
Add 6.7cc of 1wt% potassium bromide solution to 1421cc of distilled water, and further add 8.2cc of 1N nitric acid and 21.8g of phthalated gelatin. The solution a1 was prepared by adding distilled water to 37.04 g of silver nitrate and diluted to 159 cc.The solution b1 was prepared by diluting 32.6 g of potassium bromide to a volume of 200 cc with distilled water, and the pAg was maintained at 8.1 by the control double jet method. Then, the whole amount of the solution a1 was added at a constant flow rate over 1 minute. (Solution b1 was added by the controlled double jet method) Thereafter, 30 cc of a 3.5% aqueous hydrogen peroxide solution was added, and 336 cc of a 3 wt% aqueous solution of benzimidazole was further added. Thereafter, the solution a1 is again diluted with distilled water to 317.5 cc, and the solution b1 is finally 1 × 10 5 per mol of silver with respect to the solution b1.-FourDissolving dipotassium hexachloroiridate to a molar ratio and using a solution b2 diluted with distilled water to 400 cc, twice the amount of the solution b1, while maintaining a pAg of 8.1 by the controlled double jet method. Then, the entire amount of solution a2 was added over 10 minutes at a constant flow rate. (Solution b2 is added by the controlled double jet method) Then, 50 cc of 0.5% methanol solution of 2-mercapto-5-methylbenzimidazole is added, and the pH is raised to 7.5 with silver nitrate, and then the pH is adjusted with 1N sulfuric acid. Adjust to 3.8, stop stirring, perform precipitation / desalting / washing steps, add 3.5 g of deionized gelatin, add 1N sodium hydroxide, adjust to pH 6.0, pAg 8.2, and silver halide. A dispersion was made.
Grains in the resulting silver halide emulsion are pure silver bromide grains having an average sphere equivalent diameter of 0.031 μm and a sphere equivalent diameter variation coefficient of 11%. The particle size and the like were determined from an average of 1000 particles using an electron microscope. The {100} face ratio of the particles was determined to be 85% using the Kubelka-Munk method.
The emulsion was heated to 50 ° C. with stirring, 5 cc of a 0.5 wt% methanol solution of N, N-dihydroxy-N, N-diethylmelamine and 5 cc of a 3.5 wt% methanol solution of phenoxyethanol were added 1 minute later. 3 x 10 sodium sulfonates per mole of silver-FiveMole was added. After 2 minutes, the solid dispersion of the comparative dye 35 (gelatin aqueous solution) was added at 5 × 10 5-3Add 2 moles and after 2 minutes add comparative additive 1 x 10 per mole of silver-FourMole was added and aged for 50 minutes. Immediately after ripening, 2-mercapto-5-methylbenzimidazole was added at 1 x 10 per mole of silver.-3Mole addition was performed to lower the temperature, the chemical sensitization was completed, and silver halide emulsion 4 was prepared.
Except this, Sample 12 was prepared in exactly the same manner as in Example-1. Samples 13, 14, and 15 using Exemplified Dyes 1, 4, 4 + 30 instead of Comparative Dye 35 as sensitizing dyes were used, respectively.
[0189]
Embedded image
[0190]
These samples were evaluated for photographic performance in the same manner as in Example-1. The results are shown in Table 2.
[0191]
[Table 2]
[0192]
As a result, it can be seen that the dye of the present invention has higher sensitivity, bottom fogging and storage stability than the comparative ones. Further, when the silver halide emulsion layer containing the sensitizing dye in the present invention is sensitized with a tellurium compound, a photothermographic material having particularly high sensitivity, low fog and good storage stability can be obtained.
[0193]
Example-4
In Example-1 of JP-A-7-194282, instead of the dye described in JP-A-7-194282, the cyanine dye compound 13 and the base precursor compound 11 used in Example 1 of the present invention were used, and Samples 16 and 17 were prepared using the dye D and the exemplified dye 4. When the photographic performance of each sample was evaluated by the method described in (Evaluation of photographic performance) of Example-1 in the present invention, the same results as in Example-1 of the present invention were obtained.
[0194]
【The invention's effect】
According to the present invention, a silver halide photosensitive material, particularly a photothermographic material having high sensitivity, low fog and good storage stability, was obtained.
Claims (6)
一般式( II )
一般式(III)
General formula ( II )
General formula (III)
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