JP4210015B2 - エネルギープラントの運用評価システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷温熱および電力を供給するエネルギープラントにおいて、最適計算技術を用いて実際のプラント運用結果を分析・評価し、さらに仮想的なプラントとの比較を通じて、プラント運用の経済性や省エネルギー性を比較検証できるエネルギープラントの運用評価システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
図9は従来のプラント最適運転制御システムを示す構成説明図である。すなわち、冷温熱および電力を供給するエネルギープラント11からプラント運転データ入力部12を介して入力されたプラント運転データに基づいて、エネルギープラント11の過去の熱負荷データが熱負荷データ記憶手段13に記憶される。熱負荷予測手段16では前記熱負荷データ記憶手段13に記憶されている過去の熱負荷データ、およびヒューマン・インターフェイス14から気象データ入力部15を介して入力された気象データに基づいて当日または翌日のプラント熱負荷が予測される。プラント構成機器特性係数記憶手段17に記憶されているプラント構成機器の入出力性能を表す値(以下、特性係数とする)、および前記熱負荷予測手段16によって予測されたプラント熱負荷予測値は最適運転計画手段18に入力される。前記最適運転計画手段18は、これらの入力情報に基づき、最適化手法によってプラントの運転台数制御および各プラント構成機器の負荷制御を行うためのプラント制御データを算出し、前記プラント制御データをプラント制御データ出力部19を介してエネルギープラント11に送出する。前記エネルギープラント11は最適運転計画手段18から送られてきたプラント制御データにしたがってプラントの運転台数制御および負荷制御を行う。なお、プラント構成機器の特性係数はヒューマン・インターフェイス14から入力される。
【0003】
このような冷温熱および電力供給エネルギープラントにおいて、数理計画法等の最適化技術を用いた運用評価システムは従来よりみられたが、以下の問題点を有していた。すなわち、最適計算に使用するエネルギープラントやプラント構成機器の動作を数理的に模したプラントモデルは現実のプラントの動作を厳密にシミュレートするものではなく、必然的に機器特性の直線式表現による近似誤差等のモデル化誤差が生じることになるが、従来は、モデル化誤差を考慮しないため、過去の運転実績の評価が不適切となる恐れがあった。
【0004】
また、従来の最適運転のシミュレーションは同一プラントにおける過去の運転実績などの限定された対象との比較に留まっており、代替プラントとの比較に基づいた経済性や省エネルギー性に関する効果が計りにくいという問題があった。
【0005】
さらに、最適運転に必要なプラントモデルを構築することが、習熟者でなければ困難であるという問題点もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、モデル化誤差を排除し、実際の運用実績データに基づく最適運転シミュレーションを行うことにより、高精度かつ信頼性の高いプラント運用評価を実現できるエネルギープラントの運用評価システムを提供するとともに、現実のプラントとその代替案である仮想プラントの比較を通じて、プラント運用の経済性や省エネルギー性を比較検証できるエネルギープラントの運用評価システムを提供することを目的とする。また、代替案評価を行う際に、プラントモデルの表示・設定が可能な手段を設けることにより、代替案同士の比較を容易かつ迅速に行うことができるエネルギープラントの運用評価システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、エネルギープラントの実際のプラント特性を模擬したプラントモデルおよびエネルギープラントのプラント構成機器の運転データならびに電力需要や冷熱需要や温熱需要の負荷データからなる基本入力データに基づいて、プラント運転の評価を行うエネルギープラントの運用評価システムであって、前記プラントモデルのプラント系統図が描画されると共に描画されたプラント系統図に配置された各機器の設定値が機器別に設定されるプラントモデルジェネレータと、前記基本入力データとして前記運転データのみを用いて、プラント運転の評価値を演算する実際運転評価手段と、前記基本入力データとして前記運転データおよび前記負荷データを用いて、プラント運転の評価値を演算する第1の最適運転評価手段と、前記基本入力データとして前記負荷データのみを用いて、プラント運転の評価値を演算する第2の最適運転評価手段と、前記実際運転評価手段および前記第1の最適運転評価手段および前記第2の最適運転評価手段で演算された評価値を比較分析する比較手段とを具備し、前記プラントモデルジェネレータは、前記プラント構成機器の基本設定値を定義した機器オブジェクトが蓄積される機器オブジェクト蓄積手段と、前記機器オブジェクトを使用したプラント系統図が描画される系統図描画手段と、前記系統図描画手段に描画されたプラント系統図からプラント構成機器の設定値とプラント構成機器間の接続関係を抽出してプラントモデルに変換出力するプラントモデル変換手段とを備え、前記比較手段は、前記実際運転評価手段の評価値および前記第1の最適運転評価手段の評価値を比較分析してプラントモデルのモデル化誤差を評価するとともに、前記第1の最適運転評価手段の評価値および前記第2の最適運転評価手段の評価値を比較分析してプラント最適運転の効果を評価することを特徴とするものである。
【0013】
また本発明は、前記エネルギープラントの運用評価システムにおいて、前記プラントモデルジェネレータは、機器オブジェクト間接続ルール記憶手段に記憶された機器オブジェクトの接続ルールに基づいて、系統図描画手段に描画されたプラント系統図の前記機器オブジェクトの接続可否を検査する機器接続可否検査手段を備えたことを特徴とするものである。
【0014】
また本発明は、前記エネルギープラントの運用評価システムにおいて、前記プラントモデルジェネレータは、機器オブジェクトのデータ構造を作成または変更可能に設定する機器オブジェクト定義手段を備えたことを特徴とするものである。
【0015】
また本発明は、前記エネルギープラントの運用評価システムにおいて、前記評価値は、プラントエネルギー消費量、プラント運転コスト、プラント環境負荷排出量のうち1つまたは複数を組み合わせたものであることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態例を詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明の一実施形態例を示す構成説明図である。エネルギープラント最適運転制御システム25に蓄積された電力・冷熱・温熱等の負荷データ26およびプラント構成機器運転データ27から検討対象日の負荷データおよび運転データが最適運転計画手段24に出力される。前記最適運転計画手段24はこれらのデータに基づいて、エネルギープラントの実際の運転(以下、実際運転とする)に要した運転コストを算出するとともに、負荷データならびにプラント構成機器の制御出力に関する運転データを与条件としたときの最適な運転(以下、準最適運転とする)、および、負荷データのみを与条件としたときの最適な運転(以下、最適運転とする)について、プラント運転コストが最も安価となるように最適運転計画処理して運転結果比較部29に実際運転時・準最適運転時・最適運転時のデータをそれぞれ出力する。前記運転結果比較部29は実際運転・準最適運転・最適運転の運転結果を比較し、ユーザーインターフェイス21を介して使用者へ比較結果を呈示する。
【0018】
このエネルギープラント最適運用評価システムは、エネルギープラントにおいて、最適計算技術を用いて実際のプラント運用結果を分析・評価するのみならず、さらに仮想的なプラントとの比較を通じて、プラント運用の経済性を比較検証できる。すなわち、運転方針・制限値の変更・設定、過去の運転状態の確認等を行う使用者とのユーザーインターフェイス21からプラントモデルジェネレータ22にプラント構成が入力され、前記プラントモデルジェネレータ22から複数の仮想プラントモデル23が生成される。前記仮想プラントモデル23はプラント構成機器特性係数等記憶手段を有する。前記仮想プラントモデル23は目的に応じて選択して適用され、最適運転計画手段24で利用される。
【0019】
この機能を利用することにより、検討したいプラント毎に所定の評価基準に従った次のような比較、すなわち、
・実際の運転結果と現在のプラント構成に機器を追加した後の運転との比較
・実際の運転結果と最適化計画に沿った場合の運転との比較
・実際の運転結果とこれら以外に想定された条件下での運転との比較
等を行うことができ様々な運転条件間での具体的な数値比較などを、適切な時間内で実施することが可能となる。なお、最適運転計画手段24で使用する最適化評価基準として、前述のプラント運転コスト以外に、プラントの環境負荷排出量を設定しても良い。この場合、プラント運転に伴うエネルギー消費量を環境負荷排出量に換算する目的で、環境負荷原単位データ28を使用することになる。
【0020】
図2は図1の運転結果比較部の動作を示す説明図であり、過去の運転実績に対する運転良否の比較方法を示す。すなわち、図2(a)に示すように、実際運転の運転費は、蓄積された実際の運転データから抽出されたガス、電力、重油、上水等の実際のエネルギー消費量にそれぞれ対応した各エネルギー単価を乗算して算出される。また、準最適運転の運転費は、蓄積された実際の運転データや電力需要や冷熱需要や温熱需要等の実負荷データ、各機器の出力データ(発電量・製造熱量)をプラントモデルに適用して最適計算を行うことにより算出される。さらに、最適運転の運転費は、蓄積された前記実負荷データをプラントモデルに適用して最適計算を行うことにより算出される。図2(b)は実際運転、準最適運転、最適運転におけるプラント運転コストを比較したときの一般的な傾向をグラフとして表現したもので、実際運転と準最適運転の運転費の比較ではモデル化誤差に起因する差が生じ、準最適運転と最適運転の運転費の比較では運転パターン相違に起因する差が生じる。したがって、実際運転と準最適運転の運転費の比較、準最適運転と最適運転の運転費の比較は可能であるが、実際運転と最適運転の運転費の比較はモデル化誤差を内包した比較となるため、両者を単純に比較することはできない。
【0021】
以下に準最適運転と最適運転による運転結果の評価方法を示す。
【0022】
最適運転による運転結果の良否の指標として、最も代表的なものはプラント運転コストである。最適計算では、これを評価値とする次の評価関数を使用して、評価値が最小となるようなプラント運転を求める。
【0023】
プラント運転コスト=Σ(各エネルギー[ガス・電力・重油・上水など]消費量×各エネルギー単価)
一方、準最適運転では実際の運転データを利用する。ただし最適運転と比較されるべきは、「最適運転計画で使用したプラントモデルを通して、逆算推定したプラント運転コスト」である。
【0024】
“逆算”とは、出力側の値を固定したプラントモデルにて最適計算し、入力側のエネルギー消費量値を求めることを指す。以下の式が各機器に適用される。
【0025】
i)機器が実際に出力した熱量=最適化で使用した特性係数×機器のエネルギー消費量
ii)Σ(各機器のエネルギー消費量)×エネルギー単価
このようにプラントモデルを通してii)を算出することで、最適運転と実際に運転した結果の数値比較が可能となる。
【0026】
従来はこの準最適運転時のプラント運転コストを用いずに、実際運転時のプラント運転コストをもって、最適運転時のプラント運転コストと比較していた。しかしこの比較にはモデル化誤差が含まれている可能性があるため、直接の比較は妥当ではない。
【0027】
最適運転時のプラント運転コストと準最適運転時のプラント運転コストの比較は、同じ特性係数を両者の運転計算時に使用することであり、純粋に運転パターンの相違のみに起因するプラント運転コストの違いを取出して比較できる。また、この準最適運転時の計算で得られる各機器毎のエネルギー消費量を、実際運転時の計算結果と比較することにより、大きな誤差を生じているところや、計算不能に陥るような誤ったプラントモデルの記述がないかを検査することもできる。これはモデル化誤差の排除方法として有効である。
【0028】
図3は図1の運転結果比較部における最適運転と従来型運転の比較を示す説明図である。すなわち、エネルギープラントは機器1〜機器4より構成され、最適運転計画は実在のプラントのモデルや負荷データを基に最適運転計画手段24にて最適計算された後運転結果比較部19に供給され、従来型運転計画1及び従来型運転計画2は仮想プラントモデル23や負荷データを基に最適運転計画手段24にて最適計算された後運転結果比較部19に供給される。ここで、最適運転の特色は、機器発停の優先順位を持たないこと、及び機器稼動時の負荷率(最大能力に対する実際の出力比率)は計算により最適な率に計算されることである。また、従来型運転1の特色は、機器発停の優先順位があること、及び機器起動後は優先順位の高いものからできるだけ定格運転(負荷率=100%)とすることである。さらに、従来型運転2の特色は、機器発停の優先順位があること、及び起動機器間で等しい負荷率とすることである。
【0029】
従来、最適運転計画と比較するプラント運転パターンとして、実際に運転した結果を用いていた。このため単一の結果との比較しかできず、様々な運転方針に基づくプラント運転パターンとの比較ができなかったが本発明では、実際に運転した結果を用いるかわりに、従来型運転方針を模した運転計画を生成することにより、最適運転結果との比較が可能になった。
【0030】
従来型運転方針としてとり上げる代表的な2方針を次に示す。
【0031】
i)「発停優先順序あり・起動後の機器は定格運転する」方針
ii)「発停優先順序あり・起動後の機器は機器間で等負荷率で運転する」方針
従来の最適運転計画では、起動すべき機器は計算により変動していたか、「この機器を起動」などの明示的な指示を与えることで変化させていたが、運転方針を以下のように記述することで、負荷量に応じた優先順序付きの機器発停が可能となる。具体的に、
i)を実現する記述
もし{負荷量−1台目上限能力<2台目上限能力}
ならば{1台目起動、2台目起動、1台目出力=定格出力}にする
ii)を実現する記述
もし{負荷量−1台目上限能力<2台目上限能力}
ならば{1台目起動、2台目起動、
1台目出力=1台目定格出力×負荷率A
2台目出力=2台目定格出力×負荷率A}にする
この処理は機器台数分繰り返される。なお、定格出力とは通常その機器の設計能力を指す。
【0032】
このように、従来型運転に対して最適計算を行うことにより、まだ運転していない将来の負荷状態に関しても、具体的な数値による計画の良否を比較でき、且つまだ存在していない構成のプラント(仮想プラント)においても、従来型運転と最適運転を行った場合の比較ができる。
【0033】
図4は図1の運転結果比較部における現在の運転と仮想条件下での運転の比較を示す説明図である。すなわち、エネルギープラントは機器1〜機器4より構成され、最適運転計画は、実在のプラントのモデルや負荷データLを基に最適運転計画手段24にて最適計算された後、運転結果比較部19に供給される。また、将来の負荷条件を想定した運転は、実在のプラントのモデルや想定された将来の負荷データLを基に最適運転計画手段24にて最適計算された後、運転結果比較部19に供給される。さらに、ある機器の性能・仕様の変更を想定した運転は、機器状態の変化を想定したプラントモデル、すなわち、ある機器の性能が変化した、ある機器が使えない、ある機器を強制的に使いたい等の想定条件に従ったプラントモデルや負荷データLを基に最適運転計画手段24にて最適計算された後、運転結果比較部19に供給される。
【0034】
従来、プラント構成機器を更新・導入する場合や、あるいは新規にプラントを計画する場合などに、導入後の運転パターンの良否やその導入効果を、数値などで具体的に知ることは困難であった。また、同一プラントであっても、将来的に負荷条件が大幅に変化した場合や、特性係数が変動した場合を想定し、これのプラント運転全体への影響を推定することは困難であった。
【0035】
本発明は、最適運転にて、希望する機器構成毎に異なるプラントモデルを使用することで、実データが得られていない仮想のプラント条件下における運転結果が得られる。また同一プラントであっても、仮想の負荷状態や機器状態を設定することで、各条件下での運転結果が得られる。
【0036】
これにより、様々な運転パターンを相互にかつ具体的に比較することが可能となる。
【0037】
図5は図1のプラントモデルジェネレータを示す構成説明図である。すなわち、ユーザーインターフェイス21を介して系統図描画手段32へ機器オブジェクト蓄積手段31に蓄積された機器オブジェクトが選択・配置されるとともに機器オブジェクト間を接続するように矢印付き線分が配置されプラントの系統図的な機器接続図が作成される。
【0038】
図7に、本発明に係るプラントモデルジェネレータの使用フロー図を示す。
【0039】
前記系統図描画手段32では、図6に示すように、描画されたプラント系統図に配置された各機器の設定値が機器別に内部設定される。しかして、ユーザインターフェイス21を介してプラントモデルジェネレータ22にモデル生成命令が入力されると、機器設定値取得手段33が前記系統図描画手段32から各機器の内部設定値を読み取ると共に接続ノード解析手段34により各機器間の接続関係を読み取る。前記系統図描画手段32により描画されたプラント系統図を接続可否検査手段35で常時監視し、機器オブジェクト間接続ルール記憶手段36からの機器オブジェクト間接続ルールを参照して機器別設定値・接続に不備がないかを検査し、その検査結果を前記機器設定値取得手段33及び接続ノード解析手段34に入力すると共に使用者への報知手段37によりユーザインターフェイス21を介して使用者へ報知する。すべての機器別設定値・接続に不備がなければ、モデル記述関連ファイル生成手段38は、図6に示すように、各機器間の接続関係、各機器の内部設定値を制約式記述へ変換したプラントモデルをプラント系統図より自動生成し、関連するファイル一式を生成して仮想プラントモデル23に記録する。尚、以上の手続によって作成されたプラントモデルであれば、モデル記述関連ファイル生成手段38にて生成されるプラント構成機器配置データを利用して、系統図描画手段32上にプラント系統図を再配置することが可能となる。
【0040】
図8に、以上の系統図解析処理を示すフロー図を図示する。
【0041】
最適化手法を用いた運転計画システムでは、「目的関数」と「制約式」を持った、「プラントモデル」を構築し、これを最適化計算によって求解することが必要である。従来はこのプラントモデルは、モデル構築に習熟した者が手作業で記述していた。しかしプラントモデル構築になじみの無い使用者や一般の使用者では、すぐには習熟は難しく、希望するプラント構成を表現するプラントモデルを記述するために習熟者や専門家の助けを借りねばならず、時間的・コスト的に多くの無駄があった。
【0042】
本発明は、プラントの機器構成を示す「機器系統図」から、プラントモデルを半自動で生成する機能を実現する。
【0043】
一般に、プラントの業務に関連するものであれば、機器系統図を記述することは容易である。またプラントモデルに必要な多くの情報はこの系統図に含まれている。よって、ソフトウェア上で系統図を描画することにより、この系統図上の情報を、プラントモデルの記述表現に変換することが可能となる。
【0044】
プラントモデルを作成する場合は、次の点に注意し、現実のプラント構成と矛盾しない記述となるようにする。
【0045】
i)どの機器とどの機器が接続されているか
ii)何の媒体(ガス・冷水等)で接続されているか
iii)それぞれの機器内部ではどのような値を持つか(補機電力量など)系統図上では、i)およびii)の情報は記述されるのが通常であり、これを接続ノード解析手段34により読取る一方系統図上に表現されないiii)のような情報は、機器別にこれらを設定する図6に示すような各機器の内部設定の画面を設け、これへ入力することにより、制約記述表現へ変換するための元情報を作成する。
【0046】
このような対象とする機器(オブジェクト)毎に値を設定・管理する手法はソフトウェア分野ではオブジェクト指向と言われる。制約式の自動生成はこのオブジェクト指向の概念を有効に活用したものである。例えば媒体の接続関係を読取る手法としては、「冷水は“機器名+QC2”」という命名ルールを設けて、1号冷凍機冷水出力=R1QC2,2号冷凍機冷水出力=R2QC2のようにプラントモデル内の変数を定めることにより、機器別あるいは媒体別に容易に接続関係を構成することが可能となる。
【0047】
また接続できる変数どうしの組合せもルールとして登録する。これらのルールは、機器オブジェクト間接続ルール記憶手段36に記憶される。
【0048】
プラントモデルジェネレータは、どの機器オブジェクトとどの機器オブジェクトが接続されているかを、読取ることが可能である。その接続されたオブジェクトそれぞれで保持している変数を参照し合い、上記のルールに適合すれば、その接続関係に合致する制約式の記述を生成する。
【0049】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、モデル化誤差を排除し、実際の運用実績データに基づく最適運転シミュレーションを行うことにより、高精度かつ信頼性の高いプラント運用評価を実現できるエネルギープラントの運用評価システムを提供するとともに、現実のプラントとその代替案である仮想プラントの比較を通じて、プラント運用の経済性や省エネルギー性を比較検証できるエネルギープラントの運用評価システムを提供することができる。また、代替案評価を行う際に、プラントモデルの表示・設定が可能な手段を設けることにより、代替案同士の比較を容易かつ迅速に行うことができるエネルギープラントの運用評価システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例を示す構成説明図である。
【図2】図1の運転結果比較部の動作を示す説明図である。
【図3】図1の運転結果比較部における最適運転と従来型運転の比較を示す説明図である。
【図4】図1の運転結果比較部における現在の運転と仮想条件下での運転の比較を示す説明図である。
【図5】図1のプラントモデルジェネレータを示す構成説明図である。
【図6】図5の系統図描画手段を示す説明図である。
【図7】本発明に係るプラントモデルジェネレータの使用フロー図である。
【図8】図7の系統図解析処理を示すフロー図である。
【図9】従来のプラント最適運転制御システムを示す構成説明図である。
【符号の説明】
21 ユーザーインターフェース
22 プラントモデルジェネレータ
23 仮想プラントモデル
24 最適運転計画手段
25 エネルギープラント最適運転制御システム
26 蓄積負荷データ
27 プラント構成機器蓄積運転データ
28 環境負荷原単位データ
29 運転結果比較部
Claims (4)
- エネルギープラントの実際のプラント特性を模擬したプラントモデルおよびエネルギープラントのプラント構成機器の運転データならびに電力需要や冷熱需要や温熱需要の負荷データからなる基本入力データに基づいて、プラント運転の評価を行うエネルギープラントの運用評価システムであって、
前記プラントモデルのプラント系統図が描画されると共に描画されたプラント系統図に配置された各機器の設定値が機器別に設定されるプラントモデルジェネレータと、
前記基本入力データとして前記運転データのみを用いて、プラント運転の評価値を演算する実際運転評価手段と、
前記基本入力データとして前記運転データおよび前記負荷データを用いて、プラント運転の評価値を演算する第1の最適運転評価手段と、
前記基本入力データとして前記負荷データのみを用いて、プラント運転の評価値を演算する第2の最適運転評価手段と、
前記実際運転評価手段および前記第1の最適運転評価手段および前記第2の最適運転評価手段で演算された評価値を比較分析する比較手段と
を具備し、
前記プラントモデルジェネレータは、前記プラント構成機器の基本設定値を定義した機器オブジェクトが蓄積される機器オブジェクト蓄積手段と、前記機器オブジェクトを使用したプラント系統図が描画される系統図描画手段と、前記系統図描画手段に描画されたプラント系統図からプラント構成機器の設定値とプラント構成機器間の接続関係を抽出してプラントモデルに変換出力するプラントモデル変換手段とを備え、
前記比較手段は、前記実際運転評価手段の評価値および前記第1の最適運転評価手段の評価値を比較分析してプラントモデルのモデル化誤差を評価するとともに、前記第1の最適運転評価手段の評価値および前記第2の最適運転評価手段の評価値を比較分析してプラント最適運転の効果を評価することを特徴とするエネルギープラントの運用評価システム。 - 前記プラントモデルジェネレータは、機器オブジェクト間接続ルール記憶手段に記憶された機器オブジェクトの接続ルールに基づいて、前記系統図描画手段に描画されたプラント系統図の前記機器オブジェクトの接続可否を検査する機器接続可否検査手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のエネルギープラントの運用評価システム。
- 前記プラントモデルジェネレータは、前記機器オブジェクトのデータ構造を作成または変更可能に設定する機器オブジェクト定義手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載のエネルギープラントの運用評価システム。
- 前記評価値は、プラントエネルギー消費量、プラント運転コスト、プラント環境負荷排出量のうち1つまたは複数を組み合わせたものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のエネルギープラントの運用評価システム。
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