JP4208371B2 - 排ガスの放射線モニタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排ガスの放射線モニタに係わり、特に、原子力発電施設の焼却炉等から放出される排ガス(排気)中の放射性物質の放射能(放射能濃度または放射線量など)を測定し監視する放射線モニタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、軽水型原子炉のような原子力発電施設から放出されるXe−135やKr−85等のガス状放射性物質(以下、希ガスと示す。)は、測定タンク内に連続的に導かれ、放射能濃度などが直接測定される。また、同様に原子力発電施設から放出されるCo―60やCs−137等を含む粒子状放射性物質(以下、ダストと示す。)は、ダストサンプラと呼ばれる捕集装置において、ろ紙により捕集され放射能が検出・測定されている。
【0003】
ダストサンプラは、図9〜図11に示すように、サンプリングされた排ガスをろ紙51に通すことによりダストを集塵するろ紙集塵器52と、ろ紙51に付着したダストから放射される放射線を検出する放射線検出器53とを組み合わせて成り、放射線検出器53の配置により、図9に示す検出器別置き型と図10および図11に示す検出器一体型とに分けられる。また、検出器一体型のダストサンプラにおいて、ろ紙集塵器52としては、図10に示すようなろ紙固定式の集塵器、あるいは図11に示すようなろ紙移動式の集塵器が用いられている。なお、これらの図中で、符号54はろ紙ホルダー、55はろ紙自動送り機構をそれぞれ示す。また、吸気から排気への排ガスの流れを矢印で示している。
【0004】
発電用原子炉施設の焼却炉から放出される排ガスについても、放射性物質からの放射線を測定し管理する必要があり、従来から、図12に示すような放射線モニタにより測定・管理が行なわれていた。そして、この放射線モニタにおいては、配管途中での水分結露による粒子状放射性物質(ダスト)の欠落や、酸露点が170℃程度の硫黄酸化物(SOx)や塩化水素(HCl)のような腐食成分の結露による腐食を防止するため、ダストサンプラ56の配管や捕集用タンク57を180℃程度に加熱した状態でダストを捕集するように構成されていた。また、ガス状放射性物質(希ガス)の捕集および測定部(ガスサンプラ)58では、ガス捕集タンク59の前段に除湿器60を設置し、この除湿器60により排ガス中の腐食成分を冷却・除去した後、放射能を測定していた。なお、図中符号61は、吸引ポンプ、62はデータ処理装置を示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来からの排ガスの放射線モニタにおいては、配管やタンクの腐食を防止するための対策として、これらの配管やタンクを高温に加熱することにより、水分結露や硫黄酸化物等の腐食成分の結露を防止したり、あるいは配管やタンクの構成材料として耐食性の材料を使用したりするなどの方法が用いられているため、高価になるばかりでなく、高温加熱により配管やタンクの使用寿命が短くなるという問題があった。また、ダストサンプラのダスト捕集用のろ紙が目詰まりを生じやすいため、ろ紙を定期的に交換しなければならず、交換作業中に被曝のおそれがあった。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、装置内で腐食を防止するための対策を施す必要のある範囲をできる限り小さくすることができるとともに、捕集されたダストのような被測定物に触れないで測定することができ、さらにろ紙を使用しないので、ろ紙交換のような被曝のおそれが高い作業を行なう必要がない、排ガスの放射線モニタを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1は、排ガス配管に分岐接続されたサンプリング配管と、前記排ガス配管内を流れる排ガスを前記サンプリング配管内に引き込む吸引ポンプと、前記サンプリング配管内に引き込まれた前記排ガス中の粒子状放射性物質を捕集するダスト捕集装置と、前記排ガス中のガス状放射性物質を捕集するガス捕集装置と、前記ダスト捕集装置により捕集された粒子状放射性物質から放射される放射線を検出するダスト放射線検出器と、前記ガス捕集装置により捕集されたガス状放射性物質から放射される放射線を検出するガス放射線検出器と、前記ダスト放射線検出器からの信号と前記ガス放射線検出器からの信号をそれぞれ処理し、前記排ガス中に含まれる放射能を測定するデータ処理装置とを備えた排ガスの放射線モニタにおいて、前記ダスト捕集装置が、ダスト捕集用の水を収容したタンクと、前記サンプリング配管から前記タンク内の水中に排ガスを導入する排ガス導入機構と、前記タンク内の気相から排ガスを排出する排ガス排出機構とを有し、このダスト捕集装置の前記タンク内の水面より下方に、前記ダスト放射線検出器が配置されており、かつ前記ダスト捕集装置が、前記タンク内の水の温度をコントロールする温度調節器を備え、この温度調節器により、前記タンク内の温度が前記ガス捕集装置の捕集用タンク内の温度に比べて十分に低く保たれていることを特徴とする。
【0008】
請求項1の排ガスの放射線モニタにおいては、排ガスをダスト捕集装置のタンク内の水に吹き込むことにより、排ガス中のダストが捕集され、こうして水中に捕集されたダストからの放射線が、タンク内の水面より下方に配置されたダスト放射線検出器により測定されており、ダストの捕集にろ紙が使用されていない。したがって、ろ紙を定期的に交換する必要がなく、交換作業時の捕集物による放射線被曝が防止される。
【0009】
本発明の請求項2は、請求項1記載の排ガスの放射線モニタにおいて、前記ダスト捕集装置のタンクの内面が、耐腐食性の樹脂により被覆されていることを特徴とする。
【0010】
請求項2の排ガスの放射線モニタにおいては、排ガス中の腐食成分による配管やタンク内面の腐食が完全に防止される。
【0012】
請求項1記載の排ガスの放射線モニタにおいては、ダスト捕集装置のタンク内の水温が温度調節器によりコントロールされ、このタンク内の温度がガス捕集装置内の温度に比べて十分に低く保たれることにより、ガス捕集装置の配管やタンク内での排ガス中の腐食成分の結露が防止される。したがって、これらの配管やタンク内面の腐食が効果的に防止される。
【0013】
本発明の請求項3は、請求項1記載の排ガスの放射線モニタにおいて、前記ダスト捕集装置が、前記タンク内にダスト捕集用の水を供給する給水機構と前記水を排出する排水機構の少なくとも一方をさらに備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の排ガスの放射線モニタにおいては、放射線測定限界時やタンクの水量減少により水レベルが異常に低くなったとき、あるいはタイマ設定値に合わせ、ダスト捕集装置の給水機構および/または排水機構により自動的にタンク内の水を交換することで、捕集されたダストによる交換作業時の放射線被曝を防止することができる。また、水の給水および/または排水が自動的に行われるので、人手を要しない。
【0015】
本発明の排ガスの放射線モニタにおいて、前記ダスト捕集装置が給水機構を備える場合、前記給水機構が、前記ダスト捕集用の水を前記タンク内面に噴射する散水機構であることができる。
【0016】
この排ガスの放射線モニタにおいては、給水の際に、注水配管により供給される水をタンク内面に噴射・散水することにより、タンク内を除染することができ、これにより放射能測定のバックグランドを低減することができる。
【0017】
本発明の請求項4は、請求項1記載の排ガスの放射線モニタにおいて、前記ダスト捕集装置の排ガス導入機構のガス導入口が、前記タンクの底部に配設され、前記排ガスが前記タンク内の水中に、下方から上方に向かう水流を形成するように吹き込まれることを特徴とする。
【0018】
請求項4記載の排ガスの放射線モニタにおいては、タンクの底部に配設された排ガス導入機構により吹き込まれ、タンク内に下方から上方に向かう水流が形成されるので、水中に捕集されたダストの沈殿が防止され、タンク内の放射能濃度が均一に保たれる。そして、こうしてタンク内の放射能濃度が均一に保持されることにより、放射能の測定の効率が確保される。
【0019】
本発明の請求項5は、請求項1記載の排ガスの放射線モニタにおいて、前記ダスト捕集装置の前記タンク内に撹拌装置が配設されていることを特徴とする。
【0020】
請求項5記載の排ガスの放射線モニタにおいては、タンク内に配設された撹拌装置により水が撹拌され、水中に捕集されたダストの沈殿が防止される。こうしてタンク内の放射能濃度が均一に保持されることにより、放射能の測定効率が確保される。
【0021】
本発明の請求項6は、請求項1記載の排ガスの放射線モニタにおいて、前記ダスト放射線検出器が、前記ダスト捕集装置の前記タンクの底部に配設され、前記水中に捕集されたダストが、前記タンクの底部に沈降した状態で放射線が検出されるように構成したことを特徴とする。
【0022】
請求項6記載の排ガスの放射線モニタにおいては、水中に捕集されたダストの放射能が、タンクの底部に配置されたダスト放射線検出器により、ダストが沈殿した状態で測定されるので、放射線検出器の検出感度が向上される。
【0023】
本発明の請求項7は、請求項1記載の排ガスの放射線モニタにおいて、前記ダスト捕集装置のタンクが、前記排ガス導入機構と前記排ガス排出機構とをそれぞれ備えたダスト捕集部と、水面より下方に前記ダスト放射線検出器が配置された放射線検出部とを有し、かつこれらの間で水が循環されるように配管を介して接続されたことを特徴とする。
【0024】
請求項7記載の排ガスの放射線モニタにおいては、ダスト捕集装置のタンクが、別々に設置されたダスト捕集部と放射線検出部とを有し、これらの間に水が循環するように配管を介して接続されているので、ダストの捕集と放射線の検出という所要の機能に合わせて、タンクの各部をそれぞれ最適な形状に設計することができる。
【0025】
本発明の請求項8は、請求項1記載の排ガスの放射線モニタにおいて、前記ダスト捕集装置が、前記タンク内の水のpHを測定するpH測定器と、このpH測定器での測定値により前記水中に中和剤を注入する機構とをさらに備えたことを特徴とする。
【0026】
一般に、焼却炉から放出される排ガス中には硫黄酸化物や塩化水素などが含まれ、このような排ガスをタンク内の水中に吹き込んだ場合、タンク内の水は強酸性になる。請求項8記載の排ガスの放射線モニタにおいては、タンク内の水のpHをpH測定器により測定・監視し、中和剤を自動的に注入することで、水中の強酸を中和して中性にすることができ、こうしてタンク内の水を安全に排出することができる。
【0027】
本発明の排ガスの放射線モニタにおいて、前記ダスト捕集装置が排水機構を備える場合、前記排水機構が、排水中の放射能を測定し監視する排水モニタに接続されていることができる。
【0028】
この排ガスの放射線モニタにおいては、排水中の放射能を測定する排水モニタによって、ダスト捕集装置のタンクから排出される排水の放射能が測定・監視されるので、ダスト捕集装置からの排水監視用として別に排水モニタを設ける必要がなく、放射能測定系を簡素化することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0030】
図1は、本発明に係わる排ガスの放射線モニタの第1の実施例を概略的に示す図である。
【0031】
この実施例の排ガスの放射線モニタは、図1に示すように、放射性の排ガスを排出する排気ダクト1に分岐接続されたサンプリング配管2と、排気ダクト1内を流れる排ガスをサンプリング配管2内に引き込む吸引ポンプ3と、サンプリング配管2内に引き込まれた排ガス中の粒子状放射性物質(ダスト)を捕集するダスト捕集装置4と、このダスト捕集装置4で捕集されたダストから放射される放射線を検出するダスト放射線検出器5と、ダスト捕集装置4によりダストが捕集された後の排ガスから、ガス状放射性物質(希ガス)を捕集するガス捕集装置6と、このガス捕集装置6で捕集された希ガスから放射される放射線を検出するガス放射線検出器7と、ダスト放射線検出器5からの検出信号とガス放射線検出器7からの検出信号とを合わせて処理し、排ガス中の放射能を測定するデータ処理装置8とを備えている。
【0032】
そして、ダスト捕集装置4は、内部に水9を収容したガス捕集タンク(以下、単にタンクと示す。)10と、このタンク10内にサンプリング配管2から排ガスを導入するための排ガス導入配管11と、タンク10内の気相から、ダストが捕集された排ガスを排出するための排ガス排出配管12とを有しており、タンク10内の水面より下方に、ダスト放射線検出器5の検出部が配置されている。さらに、ダスト捕集装置4のタンク10内には、ダスト捕集用の水9の水面(レベル)が所定の高さ以上であることが確認するためのレベル計13と、水9の温度を所定の温度以下に冷却するための冷却装置14がそれぞれ配置されている。
【0033】
このように構成される第1の実施例では、ダスト捕集装置4のタンク10内の水中に、排ガス導入配管11を通して排ガスを吹き込み通過させることにより、排ガス中のダストが水中に捕集され、さらにこの水中に捕集されたダストの放射能が、水面より下方に検出部が配置されたダスト放射線検出器5により、効率的に測定される。また、レベル計13によりタンク10内の水面の高さを管理し、水量および放射能の指示値を監視することで、連続的に放射能を測定することができる。
【0034】
さらに、冷却装置14でタンク10内の水9を冷却することにより、タンク10内の気相から排出される排ガスの温度を、後段に配置されたガス捕集装置6のガス捕集タンク内の温度より、十分に低い温度に冷却・保持することができ、こうしてガス捕集装置6内での腐食成分の結露を防止し、配管やタンクの腐食を防止することができる。さらにこのとき、ダスト捕集装置4のタンク10内の水9の温度をコントロールすることで、このタンク10内での腐食成分の除去量を調整することができる。
【0035】
次に、本発明の排ガスの放射線モニタの第2乃至第9の実施例についてそれぞれ説明する。なお、以下の実施例では、第1の実施例と同様に構成されている部分について、図示および説明を省略する。
【0036】
第2の実施例では、図2に示すように、ダスト捕集装置4のタンク10の内面に、フッ素系樹脂のような耐腐食性樹脂の被覆層15が設けられている。
【0037】
この実施例の排ガスの放射線モニタにおいては、ダスト捕集装置4のタンク10の内面が耐食性に優れた樹脂により被覆されているので、原子力発電施設の焼却炉等から放出される硫黄酸化物や塩酸等の腐食成分を含んだ排ガスの放射能測定において、排ガス中の腐食成分によるタンク10内面の腐食が完全に防止される。
【0038】
第3の実施例では、図3に示すように、ダスト捕集装置4のタンク10に、注水配管16を有する注水機構と排水配管17を有する排水機構とがそれぞれ配設され、注水配管16を通してタンク10内にダスト捕集用の水9が注入・供給され、かつ排水配管17を通してタンク10内からダスト捕集済みの水が排出されるように構成されている。また、注水配管16がダスト放射線検出器5の検出部を囲むように配設され、その環状の端部16aに、ダスト捕集用の水9をタンク10内面に噴射するための噴射孔18が設けられている。
【0039】
この実施例の排ガスの放射線モニタにおいては、放射線測定の限界時やタンク10内の水量が減少して水面が異常に低くなったとき、あるいは予め設定されたタイマ値に合わせて、注水機構および/または排水機構により、タンク10内の水9を自動的に交換することができ、これにより、水交換作業時の捕集されたダストによる放射線被曝を防止することができる。また、水9の注入および排水を自動的に行うことができ、交換作業に人手を要しない。
【0040】
さらに第3の実施例では、タンク10への注水時に、注水配管16により供給される水9を、その環状端部16aに設けられた噴射孔18からタンク10内面に噴射し散水することにより、タンク10内を除染し、放射能測定のバッググランドを低減することができる。
【0041】
第4の実施例では、図4に示すように、ダスト捕集装置4の排ガス導入配管11のガス導入口11aが、タンク10の底部に配設されている。そして、このガス導入口11aから排ガスが上方に向けて吹き込まれ、タンク10内の水9中に下方から上方に向かう水流が形成されるように構成されている。
【0042】
この実施例の排ガスの放射線モニタにおいては、排ガスの吹き込みにより形成された水流により、タンク10内の水9が均一に撹拌されるので、この水9に捕集されたダストの沈降あるいは沈殿が防止される。こうして、タンク10内の各部での放射能濃度を均一にすることができ、放射能測定の効率が良好に確保される。
【0043】
第5の実施例では、図5に示すように、ダスト捕集装置4のタンク10内に撹拌装置19が配設されている。
【0044】
この実施例の排ガスの放射線モニタにおいては、撹拌装置19によりタンク10内の水9が撹拌され、水中に捕集されたダストの沈殿が防止されるので、タンク10内各部の放射能濃度が均一に保持され、放射能測定の効率が確保される。
【0045】
第6の実施例では、図6に示すように、ダスト放射線検出器5がダスト捕集装置4のタンク10の底部に配設されている。
【0046】
この実施例の排ガスの放射線モニタにおいては、捕集されたダスト20が水底に沈降し、その状態でのダスト20の放射能が、タンク10の底部に配置されたダスト放射線検出器5により検出される。したがって、ダスト放射線検出器5により、高感度の検出・測定を行なうことができる。
【0047】
第7の実施例では、図7に示すように、ダスト捕集装置4のタンク10が、排ガス導入配管11と排ガス排出配管12とをそれぞれ備えたダスト捕集用タンク部10aと、放射線検出用タンク部10bとに分割されて構成されている。放射線検出用タンク部10bには、その水面より下方にダスト放射線検出器5の検出部が配置されている。また、ダスト捕集用タンク部10aと放射線検出用タンク部10bとの間には、水循環用配管21が配設され、図示を省略したポンプにより、これらのタンク部間を水9が循環されるように構成されている。
【0048】
この実施例の排ガスの放射線モニタにおいては、ダスト捕集装置4のタンク10が、水中にダストを捕集するためのダスト捕集用タンク部10aと、捕集されたダストからの放射線を検出するための放射線検出用タンク部10bとに分割され、それぞれ別に設置されているので、各タンク部を、ダストの捕集および放射線の検出という所要の機能に最適な形状および構造に設計することができる。
【0049】
第8の実施例では、図8に示すように、ダスト捕集装置4のタンク10内に、タンク内の水9のpHを測定するためのpH測定器22と、中和剤注入機構23とがそれぞれ配置され、pH測定器22から中和剤注入機構23への信号により、アルカリ溶液のような中和剤が自動的に水中に注入されるようになっている。また、タンク10の底部には、タンク10内の水9を外部に排出するための排水配管17が配設されている。
【0050】
一般に、原子力発電施設の焼却炉等から放出される排ガス中には、硫黄酸化物や塩化水素などの酸性成分が含まれ、このような排ガスをタンク10内に吹き込んだ場合タンク10内の水9は強酸性になるが、第8の実施例の放射線モニタにおいては、タンク10内の水9のpHがpH測定器22により測定され、さらにこのpH測定器22からの信号を受けた中和剤注入機構により、自動的に水中に中和剤が注入されて強酸が中和されるので、タンク10内の水9を安全に排出することができる。
【0051】
なお、この実施例では、タンク10内の水9を排出するための排水配管17を、排水モニタ(図示を省略。)に直接接続することも可能である。このように構成した場合には、施設全体から排出される排水中の放射能を検出・測定する排水モニタによって、ダスト捕集装置4のタンク10から排出される排水の放射能が測定され監視されるので、ダスト捕集装置4からの排水の監視用として別に排水モニタを設ける必要がなく、放射能測定系を簡素化することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の排ガスの放射線モニタによれば、配管、容器などの装置内で、腐食を防止するための対策を施す必要のある範囲をできる限り小さくし、また捕集されたダストのような被測定物に触れないで放射能を測定することができる。また、装置コストが安く、使用寿命も長い。さらに、排ガス中のダストの捕集にろ紙を使用しないので、ろ紙交換のような被曝のおそれが高い作業を行なう必要がなく、安全に測定を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる排ガスの放射線モニタの第1の実施例を概略的に示す図。
【図2】本発明の第2の実施例の要部を示す断面図。
【図3】本発明の第3の実施例の要部を模式的に示す図。
【図4】本発明の第4の実施例の要部を模式的に示す図。
【図5】本発明の第5の実施例の要部を模式的に示す図。
【図6】本発明の第6の実施例の要部を模式的に示す図。
【図7】本発明の第7の実施例の要部を模式的に示す図。本特許の実施例
【図8】本発明の第8の実施例の要部を模式的に示す図。
【図9】従来からの検出器別置き型のダストサンプラの構成を示す図。
【図10】従来からのろ紙固定式の集塵器を有するダストサンプラの構造を示す断面図。
【図11】従来からのろ紙移動式の集塵器を有するダストサンプラの構造を示す断面図。
【図12】従来からの排ガスの放射線モニタの構成を概略的に示す図。
【符号の説明】
1………排気ダクト
2………サンプリング配管
3………吸引ポンプ
4………ダスト捕集装置
5………ダスト放射線検出器
6………ガス捕集装置
7………ガス放射線検出器
8………データ処理装置
9………水
10……ガス捕集タンク(タンク)
10a……ガス捕集用タンク部
10b……放射線検出用タンク部
13………レベル計
14………冷却装置
15………耐腐食性樹脂の被覆層
16………注水配管
17………排水配管
18………噴射孔
19………撹拌装置
21………水循環用配管
22………pH測定器
23………中和剤注入機構

Claims (8)

  1. 排ガス配管に分岐接続されたサンプリング配管と、
    前記排ガス配管内を流れる排ガスを前記サンプリング配管内に引き込む吸引ポンプと、
    前記サンプリング配管内に引き込まれた前記排ガス中の粒子状放射性物質を捕集するダスト捕集装置と、
    前記排ガス中のガス状放射性物質を捕集するガス捕集装置と、
    前記ダスト捕集装置により捕集された粒子状放射性物質から放射される放射線を検出するダスト放射線検出器と、
    前記ガス捕集装置により捕集されたガス状放射性物質から放射される放射線を検出するガス放射線検出器と、
    前記ダスト放射線検出器からの信号と前記ガス放射線検出器からの信号をそれぞれ処理し、前記排ガス中に含まれる放射能を測定するデータ処理装置とを備えた排ガスの放射線モニタにおいて、
    前記ダスト捕集装置が、ダスト捕集用の水を収容したタンクと、前記サンプリング配管から前記タンク内の水中に排ガスを導入する排ガス導入機構と、前記タンク内の気相から排ガスを排出する排ガス排出機構とを有し、このダスト捕集装置の前記タンク内の水面より下方に、前記ダスト放射線検出器が配置されており、かつ前記ダスト捕集装置が、前記タンク内の水の温度をコントロールする温度調節器を備え、この温度調節器により、前記タンク内の温度が前記ガス捕集装置の捕集用タンク内の温度に比べて十分に低く保たれていることを特徴とする排ガスの放射線モニタ。
  2. 前記ダスト捕集装置の前記タンクの内面が、耐腐食性の樹脂により被覆されていることを特徴とする請求項1記載の排ガスの放射線モニタ。
  3. 前記ダスト捕集装置が、前記タンク内にダスト捕集用の水を供給する給水機構と前記水を排出する排水機構の少なくとも一方をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の排ガスの放射線モニタ。
  4. 前記ダスト捕集装置において、前記排ガス導入機構のガス導入口が前記タンクの底部に配設され、前記排ガスが前記タンク内の水中に、下方から上方に向かう水流を形成するように吹き込まれることを特徴とする請求項1記載の排ガスの放射線モニタ。
  5. 前記ダスト捕集装置の前記タンク内に、撹拌装置が配設されていることを特徴とする請求項1記載の排ガスの放射線モニタ。
  6. 前記ダスト放射線検出器が、前記ダスト捕集装置の前記タンクの底部に配設され、前記水中に捕集された粒子状放射性物質が、前記タンクの底部に沈降した状態で放射線が検出されることを特徴とする請求項1記載の排ガスの放射線モニタ。
  7. 前記ダスト捕集装置のタンクが、前記排ガス導入機構と前記排ガス排出機構とをそれぞれ備えたダスト捕集部と、水面より下方に前記ダスト放射線検出器が配置された放射線検出部とを有し、かつこれらの間で水が循環されるように配管を介して接続されたことを特徴とする請求項1記載の排ガスの放射線モニタ。
  8. 前記ダスト捕集装置が、前記タンク内の水のpHを測定するpH測定器と、このpH測定器での測定値により前記水中に中和剤を注入する機構とをさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の排ガスの放射線モニタ。
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