JP4207600B2 - Electric circuit monitoring device and monitoring method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池車に使用される電力用パワー素子モジュールなどの電気回路に関し、特に、電気回路に関して温度の異常を監視する監視装置および監視方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気自動車等の電動機のコイルに所定の交流電力を供給するインバータは、電力用スイッチング素子、平滑用コンデンサ等で構成されている。電力用半導体としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)やパワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field-effect Transistor)等の半導体チップに形成されたパワー素子が用いられている。パワー素子が形成された半導体チップは、パワー素子モジュールに封止されている。
【0003】
このようなパワー素子モジュールにおいては、封止されているパワー素子自体に大電流が流れるため、このパワー素子が発熱する場合がある。したがって、過度の発熱を防止するために、封止されている半導体チップの温度を測定し、チップ温度がある温度を超えるとインバータの出力を制限する等の制御を行なうことが必要となる。このような制御を行なうためには、封止された半導体チップの温度を精度良く測定する必要があった。
【0004】
特開2000−60105公報(特許文献1)は、半導体チップの温度を精度良く測定する検出装置を開示する。特許文献1に開示された検出装置は、パワー素子が封入され、その表面にパワー素子と金属細線で接続された電極端子を有するパワー素子モジュールにおけるモジュール内温度検出装置であって、電極端子に絶縁材料を介して温度検出素子を取り付け、この温度検出素子によりモジュール内温度を検出するようにした。
【0005】
特許文献1に開示された検出装置によると、モジュール内に封止された半導体チップと熱伝導率が高い材質で接続された電極端子が、半導体チップとほぼ同じ温度となることを利用し、電極端子や電極端子に接続された別の金属配線に、温度検出素子を接続することにより、精度の高いモジュール内半導体チップの温度検出が可能となった。
【0006】
また、このようなパワー素子の発熱に対して冷却系を設けるものがある。たとえば、冷却系として多数の冷却フィンを備えた冷却体を用いて、この冷却体の上にパワー素子を載置して、これらの素子がコンバータやインバータを形成するように結線する。インバータ等の主たる構成要素であるIGBTの定常損失(主回路電流が流れている時の損失)やスイッチング損失(主回路電流のオンオフ時に発生する損失)に基づく発熱は、冷却フィンに伝達され、多くの場合冷却ファンによって排熱される。
【0007】
特開2002−95155公報(特許文献2)は、このような冷却系の異常を監視する方法を開示する。特許文献2に開示された監視方法は、冷却体と熱的に結合する半導体電力変換素子を含んでユニット化されてなる静止型電力変換装置において、変換装置の出力電流から発生熱量を演算で求めるステップと、この結果に基づいて冷却体の上昇温度およびユニット内部上昇温度を推定演算するステップと、ユニット内部上昇温度推定演算出力とユニット内部測温出力から冷却体の理論温度を推定演算するステップと、冷却体上昇温度推定演算出力と冷却体理論温度推定演算出力との和と冷却体測温出力とを比較して警報を発するステップとを含む。
【0008】
特許文献2に開示された監視方法によると、冷却体と熱的に結合する半導体電力変換素子を含んでユニット化されてなる静止型電力変換装置において、変換装置の出力電流から発生熱量を演算で求め、この結果に基づいて冷却体の上昇温度およびユニット内部上昇温度を推定演算し、ユニット内部上昇温度推定演算出力とユニット内部測温出力から冷却体の理論温度を推定演算し、冷却体上昇温度推定演算出力と冷却体理論温度推定演算出力との和と冷却体測温出力とを比較して警報を発する。これにより、電力変換装置が運転中にインバータの冷却系に何らかの異常が発生したときに、異常が進みすぎないうちに警報を発し、手順を踏んだシステムの停止、ひいては突然停止での損害の回避、さらには手遅れによるメンテナンス上の余計な手間の回避が可能となる。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−60105公報
【0010】
【特許文献2】
特開2002−95155公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された温度検出装置では、モジュール内温度を検出する温度検出素子に異常が発生した場合、その異常の発生を検知する方法がないので、正しく温度を検知することができない。
【0012】
特許文献2に開示された監視方法では、冷却体の温度センサが必要になる。また、ユニット内部温度検出素子や実際の冷却体の温度を直接測定する検出素子などに異常が発生した場合、その異常の発生を検知する方法がないので、正しく冷却系の異常を監視することができない。さらに、複数のインバータを冷却する場合、複数のインバータのそれぞれに設けられた温度検出素子のどれかに異常が発生しても、異常が発生した温度検出素子を特定することができない。
【0013】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、発熱する複数のチップから構成される電気回路において、チップの温度を測定する複数の温度センサの異常を監視する監視装置および監視方法を提供することである。本発明の別の目的は、電気回路を冷却する冷却媒体の温度を正確に監視する監視装置および監視方法を提供することである。本発明のさらに別の目的は、冷却媒体の温度を直接測定することなく、冷却媒体の温度を正確に監視する監視装置および監視方法を提供することである。本発明のさらに別の目的は、チップの異常を監視する監視装置および監視方法を提供することである。本発明のさらに別の目的は、冷却媒体の異常を監視する監視装置および監視方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る監視装置は、複数のチップから発生する熱を冷却するための冷却媒体が、複数のチップで共通する構成を有する電気回路を監視する。この監視装置は、複数のチップの温度をそれぞれ測定するための複数の測定手段と、複数のチップの状態量をそれぞれ検知するための複数の検知手段と、各チップごとに、チップの状態量と状態量に基づく温度変化量との関係を予め記憶するための記憶手段と、検知された状態量および温度変化量の関係に基づいて、各チップごとに、温度変化量を算出するための算出手段と、各チップごとに、測定されたチップの温度と温度変化量とに基づいて、冷却媒体の推定温度値を算出するための推定手段とを含む。
【0015】
第1の発明によると、複数のチップのそれぞれの温度が測定手段により測定されるとともに、複数のチップのそれぞれの状態量として、たとえばそれぞれのインバータ回路からの出力電流値が検知手段により検知される。記憶手段に記憶された出力電流値とその出力電流値により決定される温度変化量との関係と、検知された出力電流値とに基づいて、算出手段により温度変化量が算出される。推定手段は、各チップごとに、測定されたチップの温度から温度変化量を減算することにより冷却媒体の推定温度値を算出する。これにより、複数のチップのそれぞれに配置された測定手段および検知手段が正常に動作していれば、冷却媒体は複数のチップで共通するため、冷却媒体の温度はすべて同じ推定温度値として算出される。その結果、冷却媒体の温度センサを必要としないで、冷却媒体の温度を検知することができる監視装置を提供できる。
【0016】
第2の発明に係る監視装置においては、第1の発明の構成に加えて、状態量は、チップから出力される電流値である。
【0017】
第2の発明によると、インバータ回路などから出力される電流値を用いて、出力電流値から温度変化量を算出して、その温度変化量を用いて冷却媒体の推定温度値を算出することができる。
【0018】
第3の発明に係る監視装置においては、第1の発明の構成に加えて、電気回路はインバータ回路を含む。記憶手段は、インバータ回路の制御状態に応じた、チップの状態量と状態量に基づく温度変化量との関係を予め記憶するための手段を含む。
【0019】
第3の発明によると、記憶手段は、インバータ回路の制御状態である力行制御状態や回生制御状態などの制御状態に応じた、チップの状態量と状態量に基づく温度変化量との関係を予め記憶する。このため、インバータ回路の制御状態に対応させて、より正確に出力電流値に基づいて温度変化量が算出できる。その結果、そのように正確に算出された温度変化量を用いるので、より正確に冷却媒体の推定温度値を算出することができる。
【0020】
第4の発明に係る監視装置は、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、推定温度値に基づいて、複数の測定手段の動作状態を判断するための判断手段をさらに含む。
【0021】
第4の発明によると、冷却媒体は複数のチップで共通するため、冷却媒体の温度はすべて同じ推定温度値として算出されなければならない。それにもかかわらず、複数のチップのそれぞれに配置された測定手段が正常に動作していない場合、同じ推定温度値にならない。これを利用して測定手段が正常に動作しているか否かを判断手段が判断することができる。その結果、チップの温度を測定する測定手段の異常を検知できる。
【0022】
第5の発明に係る監視装置においては、第4の発明の構成に加えて、判断手段は、推定温度値に基づいて、各測定手段の動作状態が正常であるか異常であるかを判断するための手段を含む。
【0023】
第5の発明によると、推定温度値が、チップごとにどのように異なっているのかに基づいて、各測定手段の動作状態が正常であるか異常であるかを判断できる。
【0024】
第6の発明に係る監視装置においては、第4の発明の構成に加えて、複数のチップは、3以上のチップである。判断手段は、3以上のチップの中から抽出された2つのチップの組合せについての推定温度値の差の絶対値を、全ての組合せについて算出して、算出された推定温度値の差の絶対値に基づいて、各測定手段の動作状態を判断するための手段を含む。
【0025】
第6の発明によると、たとえば、チップが3個である場合、判断手段は、第1のチップの測定手段により測定されたチップの温度に基づいて算出された第1の推定温度値と、第2のチップの測定手段により測定されたチップの温度に基づいて算出された第2の推定温度値との差の絶対値、第2の推定温度値と、第3のチップの測定手段により測定されたチップの温度に基づいて算出された第3の推定温度値との差の絶対値、第3の推定温度値と第1の推定温度値との差の絶対値をそれぞれ求める。この3つの絶対値が全てしきい値以下であると3つの測定手段は全て正常と判断する。この3つの絶対値の中でしきい値を超えるものがある場合、3つの絶対値の中で一番小さい絶対値を算出するために用いたチップの温度を測定した2つの測定手段は正常であって、残り1つの測定手段が正常でないと判断できる。
【0026】
第7の発明に係る監視装置においては、第6の発明の構成に加えて、判断手段は、算出された推定温度値の差の絶対値が、予め定められたしきい値よりも小さいと、推定温度値の差の絶対値を算出するために用いられた測定手段の動作状態が正常であると判断するための手段を含む。
【0027】
第7の発明によると、推定温度値の差の絶対値がしきい値よりも小さいと、推定温度値の差の絶対値を算出するために用いられた測定手段の動作状態が正常であると判断できる。
【0028】
第8の発明に係る監視装置においては、第6の発明の構成に加えて、判断手段は、最小である推定温度値の差の絶対値を算出するために用いられた測定手段の動作状態が正常であると判断するための手段を含む。
【0029】
第8の発明によると、推定温度値の差の絶対値が最小であるものを算出するために用いられた測定手段の動作状態が正常であると判断できる。
【0030】
第9の発明に係る監視装置は、第1〜8のいずれかの発明の構成に加えて、推定手段により算出された複数の推定温度値に基づいて、冷却媒体の推定温度を決定するための決定手段をさらに含む。
【0031】
第9の発明によると、たとえば、複数の推定温度値の平均値を算出して、その平均値を冷却媒体の推定温度として決定することができる。
【0032】
第10の発明に係る監視装置においては、第9の発明の構成に加えて、決定手段は、動作状態が正常であると判断された測定手段により測定されたチップの温度を用いて算出された推定温度値に基づいて、冷却媒体の推定温度を決定するための手段を含む。
【0033】
第10の発明によると、たとえば正常な測定手段により測定されたチップの温度に基づいて算出された推定温度値の平均値を算出して、その平均値を冷却媒体の推定温度として決定することができる。
【0034】
第11の発明に係る監視装置においては、第9の発明の構成に加えて、決定手段は、動作状態が正常であると判断された測定手段により測定されたチップの温度を用いて算出された推定温度値の平均値を算出して、平均値を冷却媒体の推定温度として決定するための手段を含む。
【0035】
第11の発明によると、正常な測定手段により測定されたチップの温度に基づいて算出された推定温度値の平均値を算出して、その平均値を冷却媒体の推定温度として決定することができる。
【0036】
第12の発明に係る監視装置においては、第9の発明の構成に加えて、決定手段は、複数の測定手段の中から予め定められた測定手段の動作状態が正常であると判断されると、予め定められた測定手段により測定されたチップの温度を用いて算出された推定温度値を、冷却媒体の推定温度として決定するための手段を含む。
【0037】
第12の発明によると、冷却媒体の温度を最も的確に表わすことができるチップを予め定めることができる場合であって、そのチップの測定手段が正常である場合には、そのチップの温度に基づいて算出された推定温度値を、冷却媒体の推定温度として決定することができる。これにより、たとえば冷却媒体の冷却通路が複雑であって、最も高温になる部分を特定できる場合には、その近傍のチップの温度に基づいて算出された推定温度値を、冷却媒体の推定温度として決定すると、温度上昇に対する警告等をより早期に出すことができる。
【0038】
第13の発明に係る監視装置は、第4〜8のいずれかの発明の構成に加えて、動作状態が正常であると判断された測定手段により測定されたチップの温度に基づいて、チップの温度異常を検知するための異常チップ検知手段をさらに含む。
【0039】
第13の発明によると、動作状態が正常であると判断された測定手段により測定されたチップの温度が、予め定められたしきい値を上回って場合に、チップの温度異常を検知することができる。
【0040】
第14の発明に係る監視装置は、第9〜12のいずれかの発明の構成に加えて、決定手段により決定された冷却媒体の推定温度に基づいて、冷却媒体の温度異常を検知するための冷却媒体異常検知手段をさらに含む。
【0041】
第14の発明によると、動作状態が正常であると判断された測定手段により測定されたチップの温度に基づいて算出された推定温度値を用いて決定手段が決定した冷却媒体の推定温度が、予め定められたしきい値を上回っている場合に、冷却媒体の温度異常を検知することができる。
【0042】
第15の発明に係る監視方法は、複数のチップから発生する熱を冷却するための冷却媒体が、複数のチップで共通する構成を有する電気回路の監視する。この監視方法は、複数のチップの温度をそれぞれ測定する測定ステップと、複数のチップの状態量をそれぞれ検知する検知ステップと、各チップごとに、チップの状態量と状態量に基づく温度変化量との関係を予め準備する準備ステップと、検知された状態量および温度変化量の関係に基づいて、各チップごとに、温度変化量を算出する算出ステップと、各チップごとに、測定されたチップの温度と温度変化量とに基づいて、冷却媒体の推定温度値を算出する推定ステップとを含む。
【0043】
第15の発明によると、複数のチップのそれぞれの温度が測定ステップにおいてそれぞれ測定されるとともに、複数のチップのそれぞれの状態量として、たとえばそれぞれのインバータ回路からの出力電流値が検知ステップにおいてそれぞれ検知される。準備ステップにおいて準備された出力電流値とその出力電流値により決定される温度変化量との関係と、検知された出力電流値とに基づいて、算出ステップにおいて温度変化量が算出される。推定ステップにおいて、各チップごとに、測定されたチップの温度から温度変化量を減算することにより冷却媒体の推定温度値を算出する。これにより、複数のチップに対するそれぞれの測定ステップおよび検知ステップが正常に測定動作および検知動作していれば、冷却媒体は複数のチップで共通するため、冷却媒体の温度はすべて同じ推定温度値として算出される。その結果、冷却媒体の温度センサを必要としないで、冷却媒体の温度を検知することができる監視方法を提供できる。
【0044】
第16の発明に係る監視方法においては、第15の発明の構成に加えて、状態量は、チップから出力される電流値である。
【0045】
第16の発明によると、インバータ回路などから出力される電流値を用いて、出力電流値から温度変化量を算出して、その温度変化量を用いて冷却媒体の推定温度値を算出することができる。
【0046】
第17の発明に係る監視方法においては、第15の発明の構成に加えて、電気回路はインバータ回路を含む。準備ステップは、インバータ回路の制御状態に応じた、チップの状態量と状態量に基づく温度変化量との関係を予め準備するステップを含む。
【0047】
第17の発明によると、準備ステップにおいて、インバータ回路の制御状態である力行制御状態や回生制御状態などの制御状態に応じた、チップの状態量と状態量に基づく温度変化量との関係を予め準備される。このため、インバータ回路の制御状態に対応させて、より正確に出力電流値に基づいて温度変化量が算出できる。その結果、そのように正確に算出された温度変化量を用いるので、より正確に冷却媒体の推定温度値を算出することができる。
【0048】
第18の発明に係る監視方法は、第15〜17のいずれかの発明の構成に加えて、推定温度値に基づいて、測定ステップにおける測定状態を判断する判断ステップをさらに含む。
【0049】
第18の発明によると、冷却媒体は複数のチップで共通するため、冷却媒体の温度はすべて同じ推定温度値として算出されなければならない。それにもかかわらず、複数のチップのそれぞれに対する測定ステップが正常に測定していない場合、同じ推定温度値にならない。これを利用して測定ステップが正常に動作しているか否かを判断ステップにおいて判断することができる。その結果、チップの温度を測定する測定ステップにおける測定センサなどの異常を検知できる。
【0050】
第19の発明に係る監視方法においては、第18の発明の構成に加えて、判断ステップは、推定温度値に基づいて、測定ステップにおける測定状態が正常であるか異常であるかを判断するステップを含む。
【0051】
第19の発明によると、推定温度値が、チップごとにどのように異なっているのかに基づいて、各測定ステップにおける測定状態が正常であるか異常であるかを判断できる。
【0052】
第20の発明に係る監視方法においては、第18の発明の構成に加えて、複数のチップは、3以上のチップである。判断ステップは、3以上のチップの中から抽出された2つのチップの組合せについての推定温度値の差の絶対値を、全ての組合せについて算出して、算出された推定温度値の差の絶対値に基づいて、測定ステップにおける測定状態を判断するステップを含む。
【0053】
第20の発明によると、たとえば、チップが3個である場合、判断ステップにおいて、第1のチップの測定手段により測定されたチップの温度に基づいて算出された第1の推定温度値と、第2のチップの測定手段により測定されたチップの温度に基づいて算出された第2の推定温度値との差の絶対値、第2の推定温度値と、第3のチップの測定手段により測定されたチップの温度に基づいて算出された第3の推定温度値との差の絶対値、第3の推定温度値と第1の推定温度値との差の絶対値をそれぞれ求める。この3つの絶対値が全てしきい値以下であると3つの測定ステップにおける測定状態は全て正常と判断する。この3つの絶対値の中でしきい値を超えるものがある場合、3つの絶対値の中で一番小さい絶対値を算出するために用いたチップの温度を測定した2つの測定ステップにおける測定状態は正常であって、残り1つの測定ステップにおける測定状態が正常でないと判断できる。
【0054】
第21の発明に係る監視方法においては、第20の発明の構成に加えて、判断ステップは、算出された推定温度値の差の絶対値が、予め定められたしきい値よりも小さいと、推定温度値の差の絶対値を算出するために用いられた測定ステップにおける測定状態が正常であると判断するステップを含む。
【0055】
第21の発明によると、推定温度値の差の絶対値がしきい値よりも小さいと、推定温度値の差の絶対値を算出するために用いられた測定ステップにおける測定状態が正常であると判断できる。
【0056】
第22の発明に係る監視方法においては、第20の発明の構成に加えて、判断ステップは、最小である推定温度値の差の絶対値を算出するために用いられた測定ステップにおける測定状態が正常であると判断するステップを含む。
【0057】
第22の発明によると、推定温度値の差の絶対値が最小であるものを算出するために用いられた測定ステップにおける測定状態が正常であると判断できる。
【0058】
第23の発明に係る監視方法は、第15〜22のいずれかの発明の構成に加えて、推定ステップにおいて算出された複数の推定温度値に基づいて、冷却媒体の推定温度を決定する決定ステップをさらに含む。
【0059】
第23の発明によると、たとえば、複数の推定温度値の平均値を算出して、その平均値を冷却媒体の推定温度として決定することができる。
【0060】
第24の発明に係る監視方法においては、第23の発明の構成に加えて、決定ステップは、測定状態が正常であると判断された測定ステップにおいて測定されたチップの温度を用いて算出された推定温度値に基づいて、冷却媒体の推定温度を決定するステップを含む。
【0061】
第24の発明によると、たとえば測定状態が正常な測定ステップにおいて測定されたチップの温度に基づいて算出された推定温度値の平均値を算出して、その平均値を冷却媒体の推定温度として決定することができる。
【0062】
第25の発明に係る監視方法においては、第23の発明の構成に加えて、決定ステップは、測定状態が正常であると判断された測定ステップにおいて測定されたチップの温度を用いて算出された推定温度値の平均値を算出して、平均値を冷却媒体の推定温度として決定するステップを含む。
【0063】
第25の発明によると、測定状態が正常であると判断された測定ステップにおいて測定されたチップの温度に基づいて算出された推定温度値の平均値を算出して、その平均値を冷却媒体の推定温度として決定することができる。
【0064】
第26の発明に係る監視方法においては、第23の発明の構成に加えて、決定ステップは、複数の測定ステップの中から予め定められた測定ステップにおける測定状態が正常であると判断されると、予め定められた測定ステップにおいて測定されたチップの温度を用いて算出された推定温度値を、冷却媒体の推定温度として決定するステップを含む。
【0065】
第26の発明によると、冷却媒体の温度を最も的確に表わすことができるチップを予め定めることができる場合であって、そのチップに対する測定ステップにおける測定状態が正常である場合には、そのチップの温度に基づいて算出された推定温度値を、冷却媒体の推定温度として決定することができる。これにより、たとえば冷却媒体の冷却通路が複雑であって、最も高温になる部分を特定できる場合には、その近傍のチップの温度に基づいて算出された推定温度値を、冷却媒体の推定温度として決定すると、温度上昇に対する警告等をより早期に出すことができる。
【0066】
第27の発明に係る監視方法は、第18〜22のいずれかの発明の構成に加えて、測定状態が正常であると判断された測定ステップにおいて測定されたチップの温度に基づいて、チップの温度異常を検知する異常チップ検知ステップをさらに含む。
【0067】
第27の発明によると、測定状態が正常であると判断された測定ステップにおいて測定されたチップの温度が、予め定められたしきい値を上回って場合に、チップの温度異常を検知することができる。
【0068】
第28の発明に係る監視方法は、第23〜26のいずれかの発明の構成に加えて、決定ステップにおいて決定された冷却媒体の推定温度に基づいて、冷却媒体の温度異常を検知する冷却媒体異常検知ステップをさらに含む。
【0069】
第28の発明によると、測定状態が正常であると判断された測定ステップにおいて測定されたチップの温度に基づいて算出された推定温度値を用いて決定ステップにおいて決定された冷却媒体の推定温度が、予め定められたしきい値を上回っている場合に、冷却媒体の温度異常を検知することができる。
【0070】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0071】
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る昇圧コンバータ付きインバータシステムの構成について説明する。図1に示すように、この昇圧コンバータ付きインバータシステムは、モータジェネレータ(以下、モータジェネレータをMGと略す。)(1)インバータ1000と、MG(2)インバータ2000と、昇圧コンバータ3000とから構成される。
【0072】
昇圧コンバータ3000には、バッテリ4000から電力が供給され、昇圧コンバータ3000により電圧が昇圧されて、昇圧された電力がMG(1)インバータ1000およびMG(2)インバータ2000に供給される。
【0073】
昇圧コンバータ付きインバータシステムは、MG(1)インバータ1000、MG(2)インバータ2000、昇圧コンバータ3000およびそれらの機器に接続された各種センサ類に接続され、昇圧コンバータ付きインバータを制御するHV_ECU(Electronic Control Unit)6000と、警報を出力する出力部7000とを含む。
【0074】
この昇圧コンバータ付きインバータシステムは、たとえばエンジンとモータジェネレータとを搭載したハイブリッド車両に適用される。この車両には、それぞれ機能が異なる2つのモータジェネレータ(MG(1)1500、MG(2)2500)が搭載される。また、これらのモータジェネレータ(MG(1)1500、MG(2)2500)に電力を供給するMG(1)インバータ1000およびMG(2)インバータ2000には、バッテリ4000の電圧が低いため、昇圧コンバータ3000により電圧が昇圧された状態で供給される。
【0075】
MG(1)インバータ1000には、MG(1)インバータ1000を構成するパワー素子の温度を測定するチップ温度センサ(1)1200と、MG(1)インバータ1000からの出力電流I(1)を測定する電流センサ(1)1100とが接続され、チップ温度センサ(1)1200および電流センサ(1)1100は、HV_ECU6000に接続されている。
【0076】
MG(2)インバータ2000には、MG(2)インバータ2000を構成するパワー素子の温度を測定するチップ温度センサ(2)2200と、MG(2)インバータ2000からの出力電流I(2)を測定する電流センサ(2)2100とが接続され、チップ温度センサ(2)2200および電流センサ(2)2100は、HV_ECU6000に接続されている。
【0077】
昇圧コンバータ3000には、昇圧コンバータ3000に電力を供給するバッテリ4000が接続されるとともに、昇圧コンバータ3000を構成するパワー素子の温度を測定するチップ温度センサ(3)3200と、昇圧コンバータ3000の昇圧電流I(3)を測定する電流センサ(3)3100とが接続され、チップ温度センサ(3)3200および電流センサ(3)3100はHV_ECU6000に接続されている。
【0078】
このような昇圧コンバータ付きインバータシステムの構成において、MG(1)インバータ1000の内部に含まれるパワー素子、MG(2)インバータ2000の内部に含まれるパワー素子、昇圧コンバータ3000の内部に含まれるパワー素子は発熱するため、それらのパワー素子を冷却するために、冷却媒体を流通させる冷却通路5000が設けられる。この冷却通路5000には、たとえば冷却媒体として水が流通される。
【0079】
すなわち、MG(1)インバータ1000、MG(2)インバータ2000および昇圧コンバータ3000に共通する冷却水が冷却通路5000に流通される。冷却通路5000は、MG(1)1000、MG(2)2000および昇圧コンバータ3000を連通するように設けられているため、冷却通路5000内の冷却媒体である冷却水の温度はMG(1)インバータ1000、MG(2)インバータ2000および昇圧コンバータ3000のいずれの付近でも、ほぼ同じ温度になる。
【0080】
HV_ECU6000の構造について説明する。HV_ECU6000は、MG(1)インバータ1000に対応する、温度上昇推定部(1)6100および冷却水温推定部(1)6110と、MG(2)インバータ2000に対応する、温度上昇推定部(2)6200および冷却水温推定部(2)6210と、昇圧コンバータ3000に対応する、温度上昇推定部(3)6300および冷却水温推定部(3)6310とを含む。
【0081】
温度上昇推定部(1)6100は、電流センサ(1)1100およびチップ温度センサ(1)1200と接続されている。温度上昇推定部(2)6200は、電流センサ(2)2100およびチップ温度センサ(2)2200と接続されている。温度上昇推定部(3)6300は、電流センサ(3)3100およびチップ温度センサ(3)3200とに接続されている。
【0082】
HV_ECU6000は、MG(1)インバータ1000、MG(2)インバータ2000、昇圧コンバータ3000、電流センサ(1)1100、電流センサ(2)2100および電流センサ(3)3100に接続され、MG(1)インバータ1000、MG(2)インバータ2000および昇圧コンバータ3000を制御する制御部6500を含む。制御部6500は、温度上昇推定部(1)6100、温度上昇推定部(2)6200および温度上昇推定部(3)6300に接続されている。
【0083】
HV_ECU6000は、さらに各種データや制御部6500で実行されるプログラムや、そのプログラムで使用されるしきい値などを記憶する記憶部6600を含む。記憶部6600は、温度上昇推定部(1)6100、温度上昇推定部(2)6200、温度上昇推定部(3)6300、制御部6500および処理部6700に接続されている。
【0084】
HV_ECU6000は、さらに冷却水温推定部、センサ異常検出部、水温異常検出部およびチップ異常検出部からなる処理部6700を含む。処理部6700は、制御部6500および記憶部6600に接続されるとともに、冷却水温推定部(1)6110、冷却水温推定部(2)6210および冷却水温推定部(3)6310に接続されており、かつ警報を出力する出力部7000に接続されている。
【0085】
図2を参照して、MG(1)インバータ1000、MG(2)インバータ2000および昇圧コンバータ3000におけるそれぞれのパワー素子における冷却メカニズムについて説明する。
【0086】
図2に示すように、それぞれのパワー素子における冷却メカニズムは、材料によって一定である熱抵抗を用いて表現される、等価回路により表わされる。この熱抵抗と、それぞれのパワー素子におけるロス(出力電流)とに基づいて、パワー素子の温度上昇ΔTを算出することができる。したがって、それぞれのパワー素子において測定されたチップ温度から、この温度上昇ΔTの分を減算することにより、冷却通路5000における冷却水の温度が推定される。
【0087】
この冷却水は、冷却通路5000が、MG(1)インバータ1000、MG(2)インバータ2000および昇圧コンバータ3000で連通しているため、ほぼ同じ水温となる。このため、冷却水の水温を直接測定することなく、MG(1)インバータ1000、MG(2)インバータ2000および昇圧コンバータ3000の出力電流を測定するとともに、それぞれのパワー素子の温度を測定して、出力電流Iと熱抵抗とから算出された温度上昇ΔTをパワー素子の温度から減算することにより、冷却水の推定温度を算出することができる。
【0088】
図3〜図5を参照して、本実施の形態に係る昇圧コンバータ付きインバータシステムのHV_ECU6000の記憶部6600に記憶される出力電流と温度上昇との関係について説明する。
【0089】
図3に、MG(1)インバータ1000における出力電流I(1)と温度上昇ΔT(1)との関係を、図4にMG(2)インバータ2000における出力電流I(2)と温度上昇ΔT(2)との関係を、図5に、昇圧コンバータ3000における昇圧電流I(3)と温度上昇ΔT(3)との関係をそれぞれ示す。図3〜図5に示すように、いずれの場合においても出力電流Iが上昇すると温度上昇ΔTが上昇する。
【0090】
図3〜図5に示すように、それぞれの回路における出力電流Iが計測されると、温度上昇ΔTを算出することができる。この温度上昇ΔTは、前述の説明のとおり、材料によって定まる熱抵抗と、出力電流Iに依存する損失(ロス)との乗算により算出されるものである。また図3〜図5に示すように、MG(1)インバータ1000、MG(2)インバータ2000および昇圧コンバータ3000のいずれにおいても、制御状態により出力電流Iに対する温度上昇ΔTの関係が異なる特性を有する。
【0091】
たとえば、図3および図4に示すインバータの場合には、インバータの制御状態が力行状態であるか回生状態であるかなどによって、出力電流Iと温度上昇ΔTとが異なる特性を有する。したがって、それぞれの制御状態に対して異なる特性を記憶部6600に記憶させている。
【0092】
また、温度上昇推定部(1)6100、温度上昇推定部(2)6200および温度上昇推定部(3)6300は、それぞれ制御部6500と接続されており、制御部6500から受信した信号により、MG(1)インバータ1000、MG(2)インバータ2000および昇圧コンバータ3000のそれぞれの制御状態を認識することができる。
【0093】
温度上昇推定部(1)6100は、この認識結果と、電流センサ(1)1100により測定された出力電流I(1)とに基づいて、温度上昇ΔT(1)を推定することができる。
【0094】
温度上昇推定部(2)6200は、この認識結果と、電流センサ(2)2100により測定された出力電流I(2)とに基づいて、温度上昇ΔT(2)を推定することができる。
【0095】
温度上昇推定部(3)6300は、この認識結果と、電流センサ(3)3100により測定された昇圧電流I(3)とに基づいて、温度上昇ΔT(3)を推定することができる。
【0096】
冷却水温推定部(1)6110は、温度上昇推定部(1)6100から、温度上昇ΔT(1)およびチップ温度センサ(1)1200により測定されたMG(1)インバータ1000のパワー素子の温度T(1)を受信し、チップ温度センサ(1)により測定されたパワー素子の温度T(1)から、温度上昇推定部(1)6100により推定された温度上昇ΔT(1)を減算することにより、冷却水の水温WT(1)を推定する。
【0097】
冷却水温推定部(2)6210は、温度上昇推定部(2)6200から、温度上昇ΔT(2)およびチップ温度センサ(2)2200により測定されたMG(2)インバータ2000のパワー素子の温度T(2)を受信し、チップ温度センサ(2)により測定されたパワー素子の温度T(2)から、温度上昇推定部(2)6200により推定された温度上昇ΔT(2)を減算することにより、冷却水の水温WT(2)を推定する。
【0098】
冷却水温推定部(3)6310は、温度上昇推定部(3)6300から、温度上昇ΔT(3)およびチップ温度センサ(3)3200により測定された昇圧コンバータ3000のパワー素子の温度T(3)を受信し、チップ温度センサ(3)により測定されたパワー素子の温度T(3)から、温度上昇推定部(3)6300により推定された温度上昇ΔT(3)を減算することにより、冷却水の水温WT(3)を推定する。
【0099】
図6を参照して、本実施の形態に係る昇圧コンバータ付きインバータシステムにおける制御部6500で実行されるメインプログラムの制御構造について説明する。
【0100】
ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、HV_ECU6000は、サンプリングタイムに到達したか否かを判断する。サンプリングタイムに到達すると(S100にてYES)、処理はS200へ移される。もしそうでないと(S100にてNO)、サンプリングタイムに到達するまで待つ。このサンプリングタイムは、たとえば、100msecなどに設定される。このサンプリングタイムは一例であって本発明を限定するものではない。
【0101】
S200にて、HV_ECU6000は、温度上昇推定部(1)6100、温度上昇推定部(2)6200および温度上昇推定部(3)6300に、MG(1)インバータ1000のパワー素子であるチップ、MG(2)インバータ2000のパワー素子であるチップおよび昇圧コンバータ3000のパワー素子であるチップの、それぞれの温度T(1)、T(2)、T(3)を検知させる。このとき、温度上昇推定部(1)6100は、チップ温度T(1)に、チップ温度センサ(1)1200により測定された値を代入する。温度上昇推定部(2)6200は、チップ温度T(2)に、チップ温度センサ(2)2200により測定された値を代入する。温度上昇推定部(3)6300は、チップ温度T(3)に、チップ温度センサ(3)3200により測定された値を代入する。
【0102】
S300にて、HV_ECU6000は、温度上昇推定部(1)6100、温度上昇推定部(2)6200および温度上昇推定部(3)6300に、MG(1)インバータ1000、MG(2)インバータ2000および昇圧コンバータ3000における、出力電流I(1)、I(2)、昇圧電流I(3)を検知させる。このとき、温度上昇推定部(1)6100は、出力電流I(1)として電流センサ(1)1100により計測された電流値を代入する。温度上昇推定部(2)6200は、出力電流I(2)として電流センサ(2)2100により計測された電流値を代入する。温度上昇推定部(3)6300は、昇圧電流I(3)として電流センサ(3)3100により計測された電流値を代入する。
【0103】
S400にて、HV_ECU6000は、温度上昇推定部(1)6100、温度上昇推定部(2)6200および温度上昇推定部(3)6300に、各チップの制御状態を検知させる。たとえば、MG(1)インバータ1000およびMG(2)インバータ2000については、力行状態であるか回生状態であるか、キャリア周波数や矩形出力状態を検知させる。
【0104】
S500にて、HV_ECU6000は、温度上昇推定部(1)6100、温度上昇推定部(2)6200および温度上昇推定部(3)6300に、S400にて検知した各チップの制御状態に基づいて、各チップに適用されるマップを図3〜図5の中から選択させる。
【0105】
S600にて、HV_ECU6000は、温度上昇推定部(1)6100、温度上昇推定部(2)6200および温度上昇推定部(3)6300に、選択されたマップを用いて、各チップ毎の、温度上昇ΔT(1)、ΔT(2)、ΔT(3)を算出させる。このとき、図3〜図5のマップの中で、それぞれの制御状態に対応するマップが選択される。温度上昇推定部(1)6100は、出力電流I(1)から温度上昇ΔT(1)を算出する。温度上昇推定部(2)6200は、出力電流I(2)から温度上昇ΔT(2)を算出する。温度上昇推定部(3)6300は、昇圧電流I(3)から温度上昇ΔT(3)を算出する。
【0106】
S700にて、HV_ECU6000は、冷却水温推定部(1)6110、冷却水温推定部(2)6210および冷却水温推定部(3)6310に、各チップ毎の、冷却水の推定水温WT(1)、WT(2)、WT(3)を算出させる。このとき、冷却水温推定部(1)6110は、WT(1)=T(1)−ΔT(1)の演算を実行する。冷却水温推定部(2)6210は、WT(2)=T(2)−ΔT(2)の演算を実行する。冷却水温推定部(3)6310は、WT(3)=T(3)−ΔT(3)の演算を実行する。
【0107】
S1000にて、HV_ECU6000は、処理部6700に、冷却水の推定水温の確定処理を実行させる。この冷却水の推定水温の確定処理についての詳しい説明は後述する。
【0108】
S2000にて、HV_ECU6000は、処理部6700に、温度センサ異常処理を実行させる。この温度センサ異常処理についての詳しい説明は後述する。
【0109】
S3000にて、HV_ECU6000は、処理部6700に、冷却水温異常処理を実行させる。この冷却水温異常処理についての詳しい説明は後述する。
【0110】
S4000にて、HV_ECU6000は、処理部6700に、チップ温度異常処理を実行させる。このチップ温度異常処理についての詳しい説明は後述する。
【0111】
図7を参照して、処理部6700で実行される冷却水の推定水温の確定処理について説明する。
【0112】
S1010にて、処理部6700は、推定水温差を算出する。このとき、処理部6700は、ΔWT(12)=|WT(1)−WT(2)|、ΔWT(23)=|WT(2)−WT(3)|、ΔWT(31)=|WT(3)−WT(1)|の演算を行ない、3つの推定水温差を算出する。
【0113】
S1020にて、処理部6700は、3つの推定水温差のすべてがしきい値以下であるか否かを判断する。3つの推定水温差のすべてがしきい値以下であると(S1020にてYES)、処理はS1030へ移される。もしそうでないと(S1020にてNO)、処理はS1040へ移される。
【0114】
S1030にて、処理部6700は、すべての温度センサを正常であると判断する。S1040にて、処理部6700は、最小の推定水温差を演算するために用いた2つの温度センサを正常、残りの1つの温度センサを異常と判断する。その後、処理はS1050へ移される。
【0115】
S1050にて、処理部6700は平均値処理を実行するか否かを判断する。この判断は、予め記憶部6600に記憶された平均値処理を行なうか否かを表わすフラグの状態に基づいて行なわれる。平均値処理を行なう場合には(S1050にてYES)、処理はS1060へ移される。もしそうでないと(S1050にてNO)、処理はS1070へ移される。
【0116】
S1060にて、処理部6700は、正常な温度センサにより推定された水温の平均値を、冷却水温の推定値として確定させる。
【0117】
S1070にて、処理部6700は、正常な温度センサの中に代表センサが含まれるか否かを判断する。ここで代表センサとは、冷却通路5000における冷却水の温度を代表する温度であって、たとえば冷却通路5000において冷却水の温度分布がある場合に、最も高い部分の温度を測定するセンサをいう。正常な温度センサの中に代表センサが含まれる場合には(S1070にてYES)、処理はS1080へ移される。もしそうでないと(S1070にてNO)、処理はS1060へ移される。
【0118】
S1080にて、処理部6700は、正常な代表センサである温度センサにより推定された水温を冷却水温の推定値として確定させる。
【0119】
図8を参照して、処理部6700で実行される温度センサ異常処理について説明する。
【0120】
S2010にて、処理部6700は、異常と判断された温度センサがあるか否かを判断する。異常と判断された温度センサがあると(S2010にてYES)、処理はS2020へ移される。もしそうでないと(S2010にてNO)、この温度センサ異常処理は終了する。
【0121】
S2020にて、処理部6700は、異常と判断された温度センサについての警告情報を出力部7000に出力する。
【0122】
図9を参照して、処理部6700で実行される冷却水温異常処理について説明する。
【0123】
S3010にて、処理部6700は、確定された冷却水温が水温しきい値よりも高いか否かを判断する。確定された冷却水温が水温しきい値よりも高い場合には(S3010にてYES)、処理はS3020へ移される。もしそうでないと(S3010にてNO)、この冷却水温異常処理は終了する。
【0124】
S3020にて、処理部6700は、冷却水の温度についての警告情報を出力部7000に出力する。
【0125】
図10を参照して、処理部6700で実行されるチップ温度異常処理について説明する。
【0126】
S4010にて、処理部6700は、正常な温度センサによる各チップの温度を読出す。このとき、すべての温度センサが正常であると、MG(1)インバータ1000についてはチップ温度センサ(1)1200により計測された温度が、MG(2)インバータ2000についてはチップ温度センサ(2)2200により計測された温度が、昇圧コンバータ3000についてはチップ温度センサ(3)3200により計測された温度が読出される。
【0127】
S4020にて、チップ温度がチップ温度しきい値よりも高いか否かを判断する。チップ温度がチップ温度しきい値よりも高い場合には(S4020にてYES)、処理はS4030へ移される。もしそうでないと(S4010にてNO)、このチップ温度異常処理は終了する。
【0128】
S4030にて、処理部6700は、そのチップについての警告情報を制御部6500と出力部7000とに出力する。
【0129】
処理部6700において実行される温度センサ異常処理(S2000)、冷却水温異常処理(S3000)およびチップ温度異常処理(S4000)において出力部7000に警告情報が出力されると、出力部7000は、たとえば運転席の前にあるインジケータに警告情報を表示する。また、チップ温度異常処理(S4000)においてチップについての警告情報は、出力部7000のみではなく制御部6500にも出力される。このとき、制御部6500は、MG(1)インバータ1000、MG(2)インバータ2000および昇圧コンバータ3000の運転に制限を加えたり、運転を停止させたりする。
【0130】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る昇圧コンバータ付きインバータシステムの動作について説明する。
【0131】
制御部6500は、車両の運転状態に基づいて、MG(1)インバータ1000、MG(2)インバータ2000、昇圧コンバータ3000の制御状態を判断して、それぞれに制御信号を送信する。また、制御部6500は、それぞれの制御状態を温度上昇推定部(1)6100、温度上昇推定部(2)6200および温度上昇推定部(3)6300に送信する。このような状態でMG(1)インバータ1500、MG(2)インバータ2500、および昇圧コンバータ3000が運転される。この運転によりMG(1)インバータ1000のパワー素子、MG(2)インバータ2000のパワー素子、昇圧コンバータ3000のパワー素子がそれぞれ発熱し、冷却通路5000に充填された冷却水により冷却される。
【0132】
HV_ECU6000はサンプリングタイム毎に(S100にてYES)、温度上昇推定部(1)6100、温度上昇推定部(2)6200および温度上昇推定部(3)6300にそれぞれのチップにおける温度上昇ΔTを推定させる。
【0133】
温度上昇推定部(1)6100、温度上昇推定部(2)6200および温度上昇推定部(3)6300は、それぞれ、チップの温度T(1)、T(2)、T(3)を検知し(S200)、出力電流I(1)、I(2)、昇圧電流I(3)を検知する(S300)。温度上昇推定部(1)6100、温度上昇推定部(2)6200および温度上昇推定部(3)6300は、それぞれ、制御部6500から送信された各チップの制御状態を検知し(S400)、各チップに適用されるマップを選択する(S500)。
【0134】
温度上昇推定部(1)6100、温度上昇推定部(2)6200および温度上昇推定部(3)6300は、それぞれ、選択されたマップを用いて、各チップ毎の、温度上昇ΔT(1)、ΔT(2)、ΔT(3)を算出する(S600)。
【0135】
冷却水温推定部(1)6110、冷却水温推定部(2)6210および冷却水温推定部(3)6310は、それぞれ、各チップ毎に、冷却水の推定水温WT(1)、WT(2)、WT(3)を算出する(S700)。このとき、冷却水温推定部(1)6110は、WT(1)=T(1)−ΔT(1)を、冷却水温推定部(2)6210は、WT(2)=T(2)−ΔT(2)を、冷却水温推定部(3)6310は、WT(3)=T(3)−ΔT(3)を演算する。
【0136】
各チップ毎の冷却水の推定水温が算出されると、処理部6700により冷却水の推定水温の確定処理が実行される(S1000)。処理部6700により、推定水温差ΔWT(12)、ΔWT(23)およびΔWT(31)がそれぞれ算出される(S1010)。3つの水温差のすべてがしきい値以下である場合には(S1020にてYES)、すべての温度センサが正常と判断される(S1030)。
【0137】
3つの推定水温差のなかにしきい値以下でないものが含まれる場合には(S1020にてNO)、最小の推定水温値を算出するために用いた2つの温度センサが正常であると、残りの1つの温度センサが異常であると判断される(S1040)。
【0138】
たとえば、少なくとも1つの推定水温差がしきい値を超えていて、ΔWT(12)がΔWT(23)およびΔWT(31)よりも小さい場合を説明する。この場合には、3つの推定水温差の中で最小のΔWT(12)を算出するために用いられたΔT(1)およびΔT(2)を算出するために使用されたチップ温度を測定したチップ温度センサ(1)1200およびチップ温度センサ(2)2200が正常と判断される。残りの1つであるチップ温度センサ(3)3200が異常と判断される。
【0139】
正常な温度センサが複数あって平均値処理を行なう場合には(S1050にてYES)、正常な温度センサにより推定された水温の平均値を冷却水温推定値として確定させる(S1060)。
【0140】
正常な温度センサの中に代表センサが含まれる場合には(S1070にてYES)、正常な代表センサである温度センサにより推定された水温を冷却水温の推定値として確定させる(S1080)。
【0141】
異常と判断された温度センサがある場合には(S2010にてYES)、異常と判断された温度センサについての警告情報が出力部7000に出力され(S2020)、運転席前のインジケータに温度センサ異常を表わす情報が表示される。
【0142】
確定された冷却水温が水温異常を表わす水温しきい値よりも高いと(S3010にてYES)、冷却水の温度についての警告情報が出力部7000に出力され、運転席前のインジケータに冷却水温異常を表わす情報が表示される。
【0143】
正常な温度センサによるチップの温度が読出され、そのチップの温度がチップ異常を表わすチップ温度しきい値よりも高い場合には(S4020にてYES)、そのチップについての警告情報が制御部6500と出力部7000とに出力される(S4030)。このとき運転席前のインジケータに異常であると判断されたパワー素子を含む電気回路の異常を表わす情報や、昇圧コンバータ付きインバータシステムの異常を表わす情報が表示される。
【0144】
以上のようにして、本実施の形態に係る昇圧コンバータ付きインバータシステムによると、インバータやコンバータに含まれるパワー素子を同じ冷却水を用いて冷却する。この際、インバータやコンバータのパワー素子の温度を測定するとともに、インバータやコンバータからの出力電流を測定する。出力電流に基づいて温度上昇を推定し、推定された温度上昇を測定されたパワー素子の温度から減算することにより、冷却水の推定水温を算出することができる。したがって、冷却水を測定する温度センサの必要がなくなる。また、複数設けられた温度センサの異常を推定された冷却水温に基づいて監視することができる。また複数の正常な温度センサを用いて冷却水の水温を正確に算出することにより正確に冷却水温を監視することができる。さらにチップの温度異常を正確に監視することができる。さらに冷却媒体の温度異常を正確に監視することができる。
【0145】
なお、上述した説明においては、HV_ECU6000において、温度上昇推定部(1)6100、温度上昇推定部(2)6200および温度上昇推定部(3)6300を各チップ毎に分けた構成とし、冷却水温推定部(1)6110、冷却水温推定部(2)6210および冷却水温推定部(3)6310を各チップ毎に分けた構成としたが、本発明はこれに限定されない。温度上昇推定部(1)6100、温度上昇推定部(2)6200および温度上昇推定部(3)6300を、1つの温度上昇推定部として、冷却水温推定部(1)6110、冷却水温推定部(2)6210および冷却水温推定部(3)6310を、1つの冷却水温推定部としてもよいし、さらに、温度上昇推定部と冷却水温推定部とを1つの処理部としてもよい。
【0146】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る昇圧コンバータ付きインバータの構成図である。
【図2】 冷却のメカニズムを模式的に表わした図である。
【図3】 インバータの出力電流と温度上昇との関係を示す図(その1)である。
【図4】 インバータの出力電流と温度上昇との関係を示す図(その2)である。
【図5】 昇圧コンバータの昇圧電流と温度上昇との関係を示す図である。
【図6】 HV_ECUで実行されるメインプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図7】 HV_ECUで実行される冷却水の推定水温確定処理プログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図8】 HV_ECUで実行される温度センサ異常処理プログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図9】 HV_ECUで実行される冷却水温異常処理プログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図10】 HV_ECUで実行されるチップ温度異常処理プログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1000 MG(1)インバータ、1100 電流センサ(1)、1200 チップ温度センサ(1)、1500 MG(1)、2000 MG(2)インバータ、2100 電流センサ(2)、2200 チップ温度センサ(2)、2500 MG(2)、3000 昇圧コンバータ、3100 電流センサ(3)、3200 チップ温度センサ(3)、4000 バッテリ、5000 冷却通路、6000 HV_ECU、6100 温度上昇推定部(1)、6110 冷却水温推定部(1)、6200 温度上昇推定部(2)、6210 冷却水温推定部(2)、6300 温度上昇推定部(3)、6310 冷却水温推定部(3)、6500 制御部、6600 記憶部、6700 処理部、7000 出力部。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an electric circuit such as a power element module for electric power used in an electric vehicle, a hybrid vehicle, and a fuel cell vehicle, and more particularly to a monitoring device and a monitoring method for monitoring a temperature abnormality with respect to the electric circuit.
[0002]
[Prior art]
An inverter that supplies predetermined AC power to a coil of an electric motor such as an electric vehicle is composed of a power switching element, a smoothing capacitor, and the like. As power semiconductors, power elements formed on semiconductor chips such as IGBTs (Insulated Gate Bipolar Transistors) and power MOSFETs (Metal Oxide Semiconductor Field-effect Transistors) are used. The semiconductor chip on which the power element is formed is sealed in a power element module.
[0003]
In such a power element module, since a large current flows through the sealed power element itself, the power element may generate heat. Therefore, in order to prevent excessive heat generation, it is necessary to measure the temperature of the sealed semiconductor chip and perform control such as limiting the output of the inverter when the chip temperature exceeds a certain temperature. In order to perform such control, it is necessary to accurately measure the temperature of the sealed semiconductor chip.
[0004]
Japanese Patent Laid-Open No. 2000-60105 (Patent Document 1) discloses a detection device that accurately measures the temperature of a semiconductor chip. The detection device disclosed in
[0005]
According to the detection device disclosed in
[0006]
In addition, there is a system in which a cooling system is provided for such heat generation of the power element. For example, using a cooling body having a large number of cooling fins as a cooling system, a power element is placed on the cooling body, and these elements are connected so as to form a converter and an inverter. Heat generated from the steady loss (loss when the main circuit current is flowing) and switching loss (loss generated when the main circuit current is turned on and off) of the IGBT, which is the main component of the inverter, etc., is transmitted to the cooling fins and much In this case, the heat is exhausted by the cooling fan.
[0007]
Japanese Patent Laid-Open No. 2002-95155 (Patent Document 2) discloses a method for monitoring such an abnormality of the cooling system. The monitoring method disclosed in
[0008]
According to the monitoring method disclosed in
[0009]
[Patent Document 1]
JP 2000-60105 A
[0010]
[Patent Document 2]
JP 2002-95155 A
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the temperature detection device disclosed in
[0012]
The monitoring method disclosed in
[0013]
The present invention has been made to solve the above-described problems, and an object of the present invention is to monitor abnormality of a plurality of temperature sensors that measure the temperature of a chip in an electric circuit composed of a plurality of chips that generate heat. A monitoring device and a monitoring method are provided. Another object of the present invention is to provide a monitoring device and a monitoring method for accurately monitoring the temperature of a cooling medium for cooling an electric circuit. Still another object of the present invention is to provide a monitoring device and a monitoring method for accurately monitoring the temperature of the cooling medium without directly measuring the temperature of the cooling medium. Still another object of the present invention is to provide a monitoring apparatus and a monitoring method for monitoring a chip abnormality. Still another object of the present invention is to provide a monitoring device and a monitoring method for monitoring an abnormality of a cooling medium.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
The monitoring apparatus according to the first invention monitors an electric circuit having a configuration in which a cooling medium for cooling heat generated from a plurality of chips is common to the plurality of chips. The monitoring apparatus includes a plurality of measuring means for measuring temperatures of a plurality of chips, a plurality of detecting means for detecting state quantities of the plurality of chips, and a state quantity of the chip for each chip. Storage means for preliminarily storing the relationship with the temperature change amount based on the state quantity, and calculation means for calculating the temperature change quantity for each chip based on the relationship between the detected state quantity and the temperature change quantity And an estimation means for calculating an estimated temperature value of the cooling medium based on the measured chip temperature and temperature change amount for each chip.
[0015]
According to the first invention, the temperature of each of the plurality of chips is measured by the measuring unit, and the output current value from each inverter circuit, for example, is detected by the detecting unit as the state quantity of each of the plurality of chips. . Based on the relationship between the output current value stored in the storage means and the temperature change amount determined by the output current value, and the detected output current value, the temperature change amount is calculated by the calculation means. The estimation means calculates the estimated temperature value of the cooling medium for each chip by subtracting the temperature change amount from the measured temperature of the chip. As a result, if the measuring means and the detecting means arranged on each of the plurality of chips are operating normally, the cooling medium is common to the plurality of chips, and therefore the temperature of the cooling medium is all calculated as the same estimated temperature value. The As a result, it is possible to provide a monitoring device that can detect the temperature of the cooling medium without requiring a cooling medium temperature sensor.
[0016]
In the monitoring apparatus according to the second invention, in addition to the configuration of the first invention, the state quantity is a current value output from the chip.
[0017]
According to the second invention, the temperature change amount is calculated from the output current value using the current value output from the inverter circuit or the like, and the estimated temperature value of the cooling medium is calculated using the temperature change amount. it can.
[0018]
In the monitoring device according to the third invention, in addition to the configuration of the first invention, the electric circuit includes an inverter circuit. The storage means includes means for previously storing the relationship between the state quantity of the chip and the temperature change amount based on the state quantity according to the control state of the inverter circuit.
[0019]
According to the third invention, the storage means preliminarily shows the relationship between the state quantity of the chip and the temperature change amount based on the state quantity according to the control state such as the power running control state and the regeneration control state which are the control states of the inverter circuit. Remember. For this reason, the temperature change amount can be calculated more accurately based on the output current value in correspondence with the control state of the inverter circuit. As a result, since the temperature change amount thus accurately calculated is used, the estimated temperature value of the cooling medium can be calculated more accurately.
[0020]
The monitoring apparatus according to the fourth invention further includes a determination means for determining the operating states of the plurality of measurement means based on the estimated temperature value in addition to the configuration of any one of the first to third inventions.
[0021]
According to the fourth invention, since the cooling medium is common to a plurality of chips, all the temperatures of the cooling medium must be calculated as the same estimated temperature value. Nevertheless, if the measuring means arranged on each of the plurality of chips is not operating normally, the same estimated temperature value is not obtained. Using this, the determination means can determine whether or not the measurement means is operating normally. As a result, it is possible to detect an abnormality in the measuring means for measuring the temperature of the chip.
[0022]
In the monitoring device according to the fifth aspect of the invention, in addition to the configuration of the fourth aspect of the invention, the judging means judges whether the operating state of each measuring means is normal or abnormal based on the estimated temperature value. Means for.
[0023]
According to the fifth invention, it is possible to determine whether the operating state of each measuring means is normal or abnormal based on how the estimated temperature value differs for each chip.
[0024]
In the monitoring device according to the sixth invention, in addition to the configuration of the fourth invention, the plurality of chips are three or more chips. The judging means calculates absolute values of differences in estimated temperature values for combinations of two chips extracted from three or more chips, and calculates absolute values of differences in estimated temperature values calculated for all combinations. Includes means for determining the operating state of each measuring means.
[0025]
According to the sixth invention, for example, when there are three chips, the determination means includes the first estimated temperature value calculated based on the temperature of the chip measured by the measurement means of the first chip, The absolute value of the difference from the second estimated temperature value calculated based on the temperature of the chip measured by the second chip measuring means, the second estimated temperature value, and the third chip measuring means. The absolute value of the difference between the third estimated temperature value calculated based on the temperature of the chip and the absolute value of the difference between the third estimated temperature value and the first estimated temperature value are obtained. If these three absolute values are all equal to or less than the threshold value, all three measuring means are determined to be normal. If any of these three absolute values exceeds the threshold, the two measuring means that measure the temperature of the chip used to calculate the smallest absolute value of the three absolute values are normal. Therefore, it can be determined that the remaining one measuring means is not normal.
[0026]
In the monitoring device according to the seventh aspect of the invention, in addition to the configuration of the sixth aspect of the invention, the determination means is configured such that the absolute value of the calculated difference between the estimated temperature values is smaller than a predetermined threshold value. Means for determining that the operating state of the measuring means used to calculate the absolute value of the difference between the estimated temperature values is normal;
[0027]
According to the seventh invention, when the absolute value of the difference between the estimated temperature values is smaller than the threshold value, the operating state of the measuring means used to calculate the absolute value of the estimated temperature value difference is normal. I can judge.
[0028]
In the monitoring device according to the eighth aspect of the invention, in addition to the configuration of the sixth aspect of the invention, the determination means is configured so that the operating state of the measurement means used for calculating the absolute value of the difference between the estimated temperature values is the minimum. Means for determining normality are included.
[0029]
According to the eighth aspect of the present invention, it can be determined that the operating state of the measuring means used to calculate the absolute value of the difference between the estimated temperature values is normal.
[0030]
A monitoring device according to a ninth invention is for determining an estimated temperature of a cooling medium based on a plurality of estimated temperature values calculated by an estimating means in addition to the configuration of any one of the first to eighth inventions. Further comprising a determining means.
[0031]
According to the ninth aspect, for example, an average value of a plurality of estimated temperature values can be calculated, and the average value can be determined as the estimated temperature of the cooling medium.
[0032]
In the monitoring device according to the tenth invention, in addition to the configuration of the ninth invention, the determining means is calculated using the temperature of the chip measured by the measuring means determined to have a normal operating state. Means are included for determining an estimated temperature of the cooling medium based on the estimated temperature value.
[0033]
According to the tenth invention, for example, an average value of estimated temperature values calculated based on the temperature of the chip measured by normal measuring means is calculated, and the average value is determined as the estimated temperature of the cooling medium. it can.
[0034]
In the monitoring device according to the eleventh invention, in addition to the configuration of the ninth invention, the determining means is calculated by using the temperature of the chip measured by the measuring means determined to have a normal operating state. Means for calculating an average value of the estimated temperature values and determining the average value as the estimated temperature of the cooling medium are included.
[0035]
According to the eleventh aspect, the average value of the estimated temperature values calculated based on the temperature of the chip measured by the normal measuring means can be calculated, and the average value can be determined as the estimated temperature of the cooling medium. .
[0036]
In the monitoring device according to the twelfth aspect of the invention, in addition to the configuration of the ninth aspect of the invention, the determining means determines that the predetermined operating state of the measuring means is normal from the plurality of measuring means. And means for determining an estimated temperature value calculated using the temperature of the chip measured by a predetermined measuring means as the estimated temperature of the cooling medium.
[0037]
According to the twelfth aspect, when a chip that can most accurately represent the temperature of the cooling medium can be determined in advance, and when the measuring means of the chip is normal, it is based on the temperature of the chip. The estimated temperature value calculated in this way can be determined as the estimated temperature of the cooling medium. Thereby, for example, when the cooling passage of the cooling medium is complicated and the highest temperature portion can be identified, the estimated temperature value calculated based on the temperature of the chip in the vicinity thereof is used as the estimated temperature of the cooling medium. If it is determined, a warning or the like for the temperature rise can be issued earlier.
[0038]
According to a thirteenth aspect of the present invention, in addition to the configuration of any of the fourth to eighth aspects of the invention, the monitoring device is based on the temperature of the chip measured by the measuring means determined to have a normal operating state. Further included is an abnormal chip detecting means for detecting a temperature abnormality.
[0039]
According to the thirteenth invention, when the temperature of the chip measured by the measuring means determined to be normal is above a predetermined threshold, the chip temperature abnormality can be detected. it can.
[0040]
A monitoring device according to a fourteenth aspect of the invention is for detecting a cooling medium temperature abnormality based on the estimated temperature of the cooling medium determined by the determining means, in addition to the configuration of any of the ninth to twelfth aspects of the invention. Cooling medium abnormality detection means is further included.
[0041]
According to the fourteenth invention, the estimated temperature of the cooling medium determined by the determining means using the estimated temperature value calculated based on the temperature of the chip measured by the measuring means determined to be normal in the operating state, When the predetermined threshold value is exceeded, an abnormal temperature of the cooling medium can be detected.
[0042]
A monitoring method according to a fifteenth aspect of the invention monitors an electric circuit having a configuration in which a cooling medium for cooling heat generated from a plurality of chips is common to the plurality of chips. The monitoring method includes a measurement step for measuring the temperatures of a plurality of chips, a detection step for detecting a state quantity of each of the plurality of chips, a state quantity of the chip, and a temperature change amount based on the state quantity for each chip. A preparatory step for preparing the relationship in advance, a calculation step for calculating the amount of temperature change for each chip based on the relationship between the detected state quantity and the amount of temperature change, and the measurement of the chip measured for each chip An estimation step of calculating an estimated temperature value of the cooling medium based on the temperature and the temperature change amount.
[0043]
According to the fifteenth aspect, the temperatures of the plurality of chips are measured in the measurement step, and the output current values from the inverter circuits, for example, are detected in the detection step as the state quantities of the chips, respectively. Is done. Based on the relationship between the output current value prepared in the preparation step and the temperature change amount determined by the output current value, and the detected output current value, the temperature change amount is calculated in the calculation step. In the estimation step, an estimated temperature value of the cooling medium is calculated for each chip by subtracting the temperature change amount from the measured chip temperature. As a result, if each measurement step and detection step for a plurality of chips is normally performing the measurement operation and the detection operation, the cooling medium is common to the plurality of chips, and therefore the temperature of the cooling medium is all calculated as the same estimated temperature value. Is done. As a result, it is possible to provide a monitoring method capable of detecting the temperature of the cooling medium without requiring a cooling medium temperature sensor.
[0044]
In the monitoring method according to the sixteenth invention, in addition to the configuration of the fifteenth invention, the state quantity is a current value output from the chip.
[0045]
According to the sixteenth aspect, the temperature change amount is calculated from the output current value using the current value output from the inverter circuit or the like, and the estimated temperature value of the cooling medium is calculated using the temperature change amount. it can.
[0046]
In the monitoring method according to the seventeenth invention, in addition to the configuration of the fifteenth invention, the electric circuit includes an inverter circuit. The preparation step includes a step of preparing in advance a relationship between a state quantity of the chip and a temperature change amount based on the state quantity according to the control state of the inverter circuit.
[0047]
According to the seventeenth aspect, in the preparatory step, the relationship between the state quantity of the chip and the temperature change amount based on the state quantity according to the control state such as the power running control state and the regeneration control state, which are the control states of the inverter circuit, is preliminarily determined. Be prepared. For this reason, the temperature change amount can be calculated more accurately based on the output current value in correspondence with the control state of the inverter circuit. As a result, since the temperature change amount thus accurately calculated is used, the estimated temperature value of the cooling medium can be calculated more accurately.
[0048]
The monitoring method according to an eighteenth aspect of the present invention further includes a determination step of determining a measurement state in the measurement step based on the estimated temperature value in addition to the configuration of any of the fifteenth to seventeenth aspects of the invention.
[0049]
According to the eighteenth aspect, since the cooling medium is common to a plurality of chips, all the temperatures of the cooling medium must be calculated as the same estimated temperature value. Nevertheless, if the measurement step for each of the plurality of chips is not normally measured, the same estimated temperature value is not obtained. Using this, it can be determined in the determination step whether or not the measurement step is operating normally. As a result, it is possible to detect an abnormality such as a measurement sensor in a measurement step for measuring the temperature of the chip.
[0050]
In the monitoring method according to the nineteenth invention, in addition to the configuration of the eighteenth invention, the determining step determines whether the measurement state in the measurement step is normal or abnormal based on the estimated temperature value. including.
[0051]
According to the nineteenth aspect, it is possible to determine whether the measurement state in each measurement step is normal or abnormal based on how the estimated temperature value differs for each chip.
[0052]
In the monitoring method according to the twentieth invention, in addition to the configuration of the eighteenth invention, the plurality of chips are three or more chips. The determination step calculates absolute values of differences in estimated temperature values for combinations of two chips extracted from three or more chips, and calculates absolute values of differences in calculated estimated temperature values. And determining the measurement state in the measurement step.
[0053]
According to the twentieth invention, for example, when there are three chips, the first estimated temperature value calculated based on the temperature of the chip measured by the measuring means of the first chip in the determining step, The absolute value of the difference from the second estimated temperature value calculated based on the temperature of the chip measured by the second chip measuring means, the second estimated temperature value, and the third chip measuring means. The absolute value of the difference between the third estimated temperature value calculated based on the temperature of the chip and the absolute value of the difference between the third estimated temperature value and the first estimated temperature value are obtained. If these three absolute values are all equal to or less than the threshold value, it is determined that all the measurement states in the three measurement steps are normal. If any of these three absolute values exceeds the threshold, the measurement state in two measurement steps in which the temperature of the chip used to calculate the smallest absolute value among the three absolute values is measured. Is normal, and it can be determined that the measurement state in the remaining one measurement step is not normal.
[0054]
In the monitoring method according to the twenty-first aspect, in addition to the configuration of the twentieth aspect, the determining step includes: when the absolute value of the calculated difference between the estimated temperature values is smaller than a predetermined threshold value; Determining that the measurement state in the measurement step used to calculate the absolute value of the difference between the estimated temperature values is normal.
[0055]
According to the twenty-first aspect, if the absolute value of the estimated temperature value difference is smaller than the threshold value, the measurement state in the measurement step used to calculate the absolute value of the estimated temperature value difference is normal. I can judge.
[0056]
In the monitoring method according to the twenty-second invention, in addition to the configuration of the twentieth invention, the determination step includes a measurement state in the measurement step used to calculate the absolute value of the difference between the estimated temperature values that is the minimum. The step of judging that it is normal is included.
[0057]
According to the twenty-second aspect, it can be determined that the measurement state in the measurement step used to calculate the absolute value of the difference between the estimated temperature values is normal.
[0058]
In addition to the configuration of any one of the fifteenth to twenty-second inventions, the monitoring method according to the twenty-third invention includes a determining step of determining an estimated temperature of the cooling medium based on a plurality of estimated temperature values calculated in the estimating step. Further included.
[0059]
According to the twenty-third aspect, for example, an average value of a plurality of estimated temperature values can be calculated, and the average value can be determined as the estimated temperature of the cooling medium.
[0060]
In the monitoring method according to the twenty-fourth invention, in addition to the configuration of the twenty-third invention, the determining step is calculated using the temperature of the chip measured in the measuring step in which the measurement state is determined to be normal. Determining an estimated temperature of the cooling medium based on the estimated temperature value;
[0061]
According to the twenty-fourth invention, for example, an average value of estimated temperature values calculated based on the temperature of the chip measured in a measurement step in which the measurement state is normal is calculated, and the average value is determined as the estimated temperature of the cooling medium. can do.
[0062]
In the monitoring method according to the twenty-fifth invention, in addition to the structure of the twenty-third invention, the determining step is calculated using the temperature of the chip measured in the measuring step in which the measurement state is determined to be normal. Calculating an average value of the estimated temperature values, and determining the average value as an estimated temperature of the cooling medium.
[0063]
According to the twenty-fifth aspect, the average value of the estimated temperature values calculated based on the temperature of the chip measured in the measurement step determined to be normal is calculated, and the average value is calculated for the cooling medium. It can be determined as an estimated temperature.
[0064]
In the monitoring method according to the twenty-sixth aspect of the invention, in addition to the configuration of the twenty-third aspect, the determining step determines that the measurement state in the predetermined measurement step is normal from the plurality of measurement steps. And a step of determining an estimated temperature value calculated using the temperature of the chip measured in a predetermined measuring step as an estimated temperature of the cooling medium.
[0065]
According to the twenty-sixth aspect of the invention, when a chip that can most accurately represent the temperature of the cooling medium can be determined in advance and the measurement state in the measurement step for the chip is normal, The estimated temperature value calculated based on the temperature can be determined as the estimated temperature of the cooling medium. Thereby, for example, when the cooling passage of the cooling medium is complicated and the highest temperature portion can be identified, the estimated temperature value calculated based on the temperature of the chip in the vicinity thereof is used as the estimated temperature of the cooling medium. If it is determined, a warning or the like for the temperature rise can be issued earlier.
[0066]
According to a twenty-seventh aspect of the invention, in addition to the configuration of any of the eighteenth to twenty-second aspects of the invention, based on the temperature of the chip measured in the measurement step in which the measurement state is determined to be normal, It further includes an abnormal chip detection step for detecting a temperature abnormality.
[0067]
According to the twenty-seventh aspect, when the temperature of the chip measured in the measurement step in which the measurement state is determined to be normal exceeds a predetermined threshold value, the temperature abnormality of the chip can be detected. it can.
[0068]
A monitoring method according to a twenty-eighth aspect of the invention is a cooling medium that detects a temperature abnormality of a cooling medium based on the estimated temperature of the cooling medium determined in the determining step in addition to the configuration of any of the twenty-third to twenty-sixth aspects of the invention. An abnormality detection step is further included.
[0069]
According to the twenty-eighth aspect, the estimated temperature of the cooling medium determined in the determining step using the estimated temperature value calculated based on the temperature of the chip measured in the measuring step determined to be normal is determined. When the predetermined threshold value is exceeded, a temperature abnormality of the cooling medium can be detected.
[0070]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. In the following description, the same parts are denoted by the same reference numerals. Their names and functions are also the same. Therefore, detailed description thereof will not be repeated.
[0071]
With reference to FIG. 1, the configuration of an inverter system with a boost converter according to an embodiment of the present invention will be described. As shown in FIG. 1, this inverter system with a boost converter includes a motor generator (hereinafter, motor generator is abbreviated as MG), (1) an
[0072]
[0073]
The inverter system with a boost converter is connected to an MG (1)
[0074]
This inverter system with a boost converter is applied to, for example, a hybrid vehicle equipped with an engine and a motor generator. In this vehicle, two motor generators (MG (1) 1500 and MG (2) 2500) having different functions are mounted. In addition, since the voltage of the
[0075]
The MG (1)
[0076]
The MG (2)
[0077]
The
[0078]
In the configuration of such an inverter system with a boost converter, MG (1) a power element included in the
[0079]
That is, the cooling water common to MG (1)
[0080]
The structure of the
[0081]
The temperature rise estimation unit (1) 6100 is connected to the current sensor (1) 1100 and the chip temperature sensor (1) 1200. The temperature rise estimation unit (2) 6200 is connected to the current sensor (2) 2100 and the chip temperature sensor (2) 2200. The temperature rise estimation unit (3) 6300 is connected to the current sensor (3) 3100 and the chip temperature sensor (3) 3200.
[0082]
[0083]
The
[0084]
[0085]
With reference to FIG. 2, the cooling mechanism in each power element in MG (1)
[0086]
As shown in FIG. 2, the cooling mechanism in each power element is represented by an equivalent circuit expressed using a thermal resistance that is constant depending on the material. Based on this thermal resistance and the loss (output current) in each power element, the temperature rise ΔT of the power element can be calculated. Therefore, the temperature of the cooling water in the
[0087]
The
[0088]
With reference to FIGS. 3 to 5, the relationship between the output current stored in
[0089]
3 shows the relationship between the output current I (1) and the temperature rise ΔT (1) in the MG (1)
[0090]
As shown in FIGS. 3 to 5, when the output current I in each circuit is measured, the temperature rise ΔT can be calculated. As described above, this temperature increase ΔT is calculated by multiplying the thermal resistance determined by the material and the loss (loss) depending on the output current I. As shown in FIGS. 3 to 5, each of MG (1)
[0091]
For example, in the case of the inverter shown in FIGS. 3 and 4, the output current I and the temperature rise ΔT have different characteristics depending on whether the control state of the inverter is a power running state or a regenerative state. Therefore, different characteristics are stored in the
[0092]
Further, the temperature rise estimation unit (1) 6100, the temperature rise estimation unit (2) 6200, and the temperature rise estimation unit (3) 6300 are connected to the
[0093]
The temperature rise estimation unit (1) 6100 can estimate the temperature rise ΔT (1) based on the recognition result and the output current I (1) measured by the current sensor (1) 1100.
[0094]
The temperature rise estimation unit (2) 6200 can estimate the temperature rise ΔT (2) based on the recognition result and the output current I (2) measured by the current sensor (2) 2100.
[0095]
The temperature rise estimation unit (3) 6300 can estimate the temperature rise ΔT (3) based on the recognition result and the boosted current I (3) measured by the current sensor (3) 3100.
[0096]
The cooling water temperature estimation unit (1) 6110 receives a temperature increase ΔT (1) from the temperature increase estimation unit (1) 6100 and the temperature T of the power element of the MG (1)
[0097]
The coolant temperature estimation unit (2) 6210 receives the temperature rise ΔT (2) from the temperature rise estimation unit (2) 6200 and the temperature T of the power element of the MG (2)
[0098]
Cooling water temperature estimation unit (3) 6310 receives temperature increase ΔT (3) from temperature increase estimation unit (3) 6300 and temperature T (3) of the power element of
[0099]
With reference to FIG. 6, the control structure of the main program executed by
[0100]
In step (hereinafter step is abbreviated as S) 100,
[0101]
At S200,
[0102]
In S300,
[0103]
In S400,
[0104]
In S500,
[0105]
In S600,
[0106]
In S700,
[0107]
In S1000,
[0108]
In S2000,
[0109]
In S3000,
[0110]
In S4000,
[0111]
With reference to FIG. 7, the process for determining the estimated coolant temperature performed by the
[0112]
In S1010,
[0113]
In S1020,
[0114]
In S1030,
[0115]
In S1050,
[0116]
In S1060,
[0117]
In S1070,
[0118]
In S1080,
[0119]
With reference to FIG. 8, the temperature sensor abnormality process performed by the
[0120]
In S2010,
[0121]
In S2020,
[0122]
With reference to FIG. 9, the cooling water temperature abnormality process performed in the
[0123]
In S3010,
[0124]
In S3020,
[0125]
With reference to FIG. 10, the chip temperature abnormality process performed by the
[0126]
In S4010,
[0127]
In S4020, it is determined whether the chip temperature is higher than a chip temperature threshold value. If the chip temperature is higher than the chip temperature threshold (YES in S4020), the process proceeds to S4030. If not (NO in S4010), the chip temperature abnormality process ends.
[0128]
In S4030,
[0129]
When the warning information is output to the
[0130]
The operation of the inverter system with the boost converter according to the present embodiment based on the structure and the flowchart as described above will be described.
[0131]
[0132]
[0133]
The temperature rise estimation unit (1) 6100, the temperature rise estimation unit (2) 6200, and the temperature rise estimation unit (3) 6300 detect the chip temperatures T (1), T (2), and T (3), respectively. (S200), output currents I (1), I (2), and boosted current I (3) are detected (S300). The temperature rise estimation unit (1) 6100, the temperature rise estimation unit (2) 6200, and the temperature rise estimation unit (3) 6300 respectively detect the control state of each chip transmitted from the control unit 6500 (S400). A map to be applied to the chip is selected (S500).
[0134]
The temperature rise estimator (1) 6100, the temperature rise estimator (2) 6200, and the temperature rise estimator (3) 6300 use the selected maps, respectively, to increase the temperature rise ΔT (1), ΔT (2) and ΔT (3) are calculated (S600).
[0135]
The cooling water temperature estimation unit (1) 6110, the cooling water temperature estimation unit (2) 6210, and the cooling water temperature estimation unit (3) 6310 are respectively estimated cooling water temperature WT (1), WT (2), WT (2), WT (3) is calculated (S700). At this time, the cooling water temperature estimation unit (1) 6110 is WT (1) = T (1) −ΔT (1), and the cooling water temperature estimation unit (2) 6210 is WT (2) = T (2) −ΔT. In (2), the cooling water temperature estimation unit (3) 6310 calculates WT (3) = T (3) −ΔT (3).
[0136]
When the estimated coolant temperature for each chip is calculated, the
[0137]
If any of the three estimated water temperature differences does not fall below the threshold value (
[0138]
For example, a case where at least one estimated water temperature difference exceeds a threshold value and ΔWT (12) is smaller than ΔWT (23) and ΔWT (31) will be described. In this case, the chip that measured the chip temperature used to calculate ΔT (1) and ΔT (2) used to calculate the minimum ΔWT (12) among the three estimated water temperature differences. It is determined that temperature sensor (1) 1200 and chip temperature sensor (2) 2200 are normal. The remaining one, the chip temperature sensor (3) 3200, is determined to be abnormal.
[0139]
When there are a plurality of normal temperature sensors and average value processing is performed (YES in S1050), the average value of the water temperature estimated by the normal temperature sensor is determined as the estimated coolant temperature (S1060).
[0140]
If the representative sensor is included in the normal temperature sensor (YES in S1070), the water temperature estimated by the temperature sensor that is the normal representative sensor is determined as the estimated value of the cooling water temperature (S1080).
[0141]
If there is a temperature sensor determined to be abnormal (YES in S2010), warning information about the temperature sensor determined to be abnormal is output to output unit 7000 (S2020), and the temperature sensor error is displayed on the indicator in front of the driver's seat. Information representing is displayed.
[0142]
If the determined cooling water temperature is higher than a water temperature threshold value indicating an abnormal water temperature (YES in S3010), warning information about the temperature of the cooling water is output to
[0143]
When the temperature of the chip by the normal temperature sensor is read and the temperature of the chip is higher than the chip temperature threshold value indicating the chip abnormality (YES in S4020), the warning information about the chip is sent to control
[0144]
As described above, according to the inverter system with a boost converter according to the present embodiment, the power elements included in the inverter and the converter are cooled using the same cooling water. At this time, the temperature of the power element of the inverter or converter is measured, and the output current from the inverter or converter is measured. The estimated water temperature can be calculated by estimating the temperature rise based on the output current and subtracting the estimated temperature rise from the measured temperature of the power element. This eliminates the need for a temperature sensor for measuring the cooling water. Moreover, it is possible to monitor an abnormality of a plurality of temperature sensors provided based on the estimated coolant temperature. Further, the coolant temperature can be accurately monitored by accurately calculating the coolant temperature using a plurality of normal temperature sensors. Furthermore, it is possible to accurately monitor the temperature abnormality of the chip. Furthermore, it is possible to accurately monitor the temperature abnormality of the cooling medium.
[0145]
In the above description, in
[0146]
The embodiment disclosed this time should be considered as illustrative in all points and not restrictive. The scope of the present invention is defined by the terms of the claims, rather than the description above, and is intended to include any modifications within the scope and meaning equivalent to the terms of the claims.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a configuration diagram of an inverter with a boost converter according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a diagram schematically showing a cooling mechanism.
FIG. 3 is a diagram (part 1) illustrating a relationship between an output current of an inverter and a temperature rise;
FIG. 4 is a diagram (part 2) illustrating a relationship between an output current of an inverter and a temperature rise.
FIG. 5 is a diagram showing a relationship between a boost current of the boost converter and a temperature rise.
FIG. 6 is a flowchart showing a control structure of a main program executed by HV_ECU.
FIG. 7 is a flowchart showing a control structure of an estimated coolant temperature determination processing program executed by the HV_ECU.
FIG. 8 is a flowchart showing a control structure of a temperature sensor abnormality processing program executed by the HV_ECU.
FIG. 9 is a flowchart showing a control structure of a cooling water temperature abnormality processing program executed by HV_ECU.
FIG. 10 is a flowchart showing a control structure of a chip temperature abnormality processing program executed by the HV_ECU.
[Explanation of symbols]
1000 MG (1) inverter, 1100 current sensor (1), 1200 chip temperature sensor (1), 1500 MG (1), 2000 MG (2) inverter, 2100 current sensor (2), 2200 chip temperature sensor (2), 2500 MG (2), 3000 boost converter, 3100 current sensor (3), 3200 chip temperature sensor (3), 4000 battery, 5000 cooling passage, 6000 HV_ECU, 6100 temperature rise estimation unit (1), 6110 cooling water temperature estimation unit ( 1), 6200 Temperature rise estimation unit (2), 6210 Cooling water temperature estimation unit (2), 6300 Temperature rise estimation unit (3), 6310 Cooling water temperature estimation unit (3), 6500 control unit, 6600 storage unit, 6700
Claims (26)
前記複数のチップの温度をそれぞれ測定するための複数の測定手段と、
前記複数のチップの状態量をそれぞれ検知するための複数の検知手段と、
各前記チップごとに、前記チップの状態量と前記状態量に基づく温度変化量との関係を予め記憶するための記憶手段と、
前記検知された状態量および前記温度変化量の関係に基づいて、各前記チップごとに、温度変化量を算出するための算出手段と、
各前記チップごとに、測定されたチップの温度と前記温度変化量とに基づいて、前記冷却媒体の推定温度値を算出するための推定手段とを含み、
前記複数のチップの個数は、3以上であり、
前記3以上のチップの中から抽出された2つのチップの組合せについての前記推定温度値の差の絶対値を全ての組合せについて算出するとともに、前記算出された推定温度値の差の絶対値に基づいて選択された、前記3以上のチップのうちの少なくとも2つのチップでの前記推定温度値の平均値に従って、前記冷却媒体の推定温度値を決定するための決定手段をさらに含む、電気回路の監視装置。A cooling medium for cooling heat generated from a plurality of chips is an electric circuit monitoring device having a configuration common to the plurality of chips,
A plurality of measuring means for measuring the temperature of each of the plurality of chips;
A plurality of detection means for respectively detecting the state quantities of the plurality of chips;
For each of the chips, storage means for storing in advance the relationship between the state quantity of the chip and the temperature change amount based on the state quantity;
Calculation means for calculating a temperature change amount for each of the chips based on the relationship between the detected state quantity and the temperature change amount;
Each said chip, on the basis of the temperature variation and the measured temperature of the chips, saw including the estimated means for calculating the estimated temperature value of the cooling medium,
The number of the plurality of chips is 3 or more,
The absolute value of the difference between the estimated temperature values for the combination of two chips extracted from the three or more chips is calculated for all the combinations, and is based on the absolute value of the calculated difference between the estimated temperature values. The electrical circuit monitoring further comprising: a determining means for determining an estimated temperature value of the cooling medium according to an average value of the estimated temperature values at at least two of the three or more chips selected apparatus.
前記複数のチップの温度をそれぞれ測定するための複数の測定手段と、
前記複数のチップの状態量をそれぞれ検知するための複数の検知手段と、
各前記チップごとに、前記チップの状態量と前記状態量に基づく温度変化量との関係を予め記憶するための記憶手段と、
前記検知された状態量および前記温度変化量の関係に基づいて、各前記チップごとに、温度変化量を算出するための算出手段と、
各前記チップごとに、測定されたチップの温度と前記温度変化量とに基づいて、前記冷却媒体の推定温度値を算出するための推定手段と、
前記推定温度値に基づいて、前記複数の測定手段の動作状態を判断するための判断手段とを含み、
前記複数のチップの個数は、3以上であり、
前記判断手段は、前記3以上のチップの中から抽出された2つのチップの組合せについての推定温度値の差の絶対値を全ての組合せについて算出するとともに、前記算出された推定温度値の差の絶対値に基づいて、各前記測定手段の動作状態を判断するための手段を含む、電気回路の監視装置。 A cooling medium for cooling heat generated from a plurality of chips is an electric circuit monitoring device having a configuration common to the plurality of chips,
A plurality of measuring means for measuring the temperature of each of the plurality of chips;
A plurality of detection means for respectively detecting the state quantities of the plurality of chips;
For each of the chips, storage means for storing in advance the relationship between the state quantity of the chip and the temperature change amount based on the state quantity;
Calculation means for calculating a temperature change amount for each of the chips based on the relationship between the detected state quantity and the temperature change amount;
Estimating means for calculating an estimated temperature value of the cooling medium based on the measured chip temperature and the temperature change amount for each of the chips;
Determining means for determining operating states of the plurality of measuring means based on the estimated temperature value;
The number of the plurality of chips is 3 or more,
The determination means calculates an absolute value of a difference between estimated temperature values for a combination of two chips extracted from the three or more chips for all the combinations, and calculates a difference between the calculated estimated temperature values. A monitoring device for an electric circuit, comprising means for determining an operating state of each of the measuring means based on an absolute value .
前記記憶手段は、前記インバータ回路の制御状態に応じた、前記チップの状態量と前記状態量に基づく温度変化量との関係を予め記憶するための手段を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の電気回路の監視装置。The electrical circuit includes an inverter circuit;
The storage means includes means for storing in advance a relationship between a state quantity of the chip and a temperature change amount based on the state quantity according to a control state of the inverter circuit . The electrical circuit monitoring apparatus according to Item 1 .
前記複数のチップの温度をそれぞれ測定する測定ステップと、
前記複数のチップの状態量をそれぞれ検知する検知ステップと、
各前記チップごとに、前記チップの状態量と前記状態量に基づく温度変化量との関係を予め準備する準備ステップと、
前記検知された状態量および前記温度変化量の関係に基づいて、各前記チップごとに、温度変化量を算出する算出ステップと、
各前記チップごとに、測定されたチップの温度と前記温度変化量とに基づいて、前記冷却媒体の推定温度値を算出する推定ステップとを含み、
前記複数のチップの個数は、3以上であり、
前記3以上のチップの中から抽出された2つのチップの組合せについての推定温度値の差の絶対値を全ての組合せについて算出するとともに、前記算出された推定温度値の差の絶対値に基づいて選択された、前記3以上のチップのうちの少なくとも2つのチップでの前記推定温度値の平均値に従って、前記冷却媒体の推定温度値を決定するための決定ステップをさらに含む、電気回路の監視方法。A cooling medium for cooling heat generated from a plurality of chips is an electric circuit monitoring method having a configuration common to the plurality of chips,
A measuring step of measuring the temperature of each of the plurality of chips;
A detection step of detecting a state quantity of each of the plurality of chips;
For each of the chips, a preparation step for preparing in advance a relationship between the state quantity of the chip and the temperature change amount based on the state quantity;
A calculation step of calculating a temperature change amount for each of the chips based on the relationship between the detected state quantity and the temperature change amount;
For each of the chips, an estimation step of calculating an estimated temperature value of the cooling medium based on the measured chip temperature and the temperature change amount,
The number of the plurality of chips is 3 or more,
The absolute value of the difference between the estimated temperature values for the combination of two chips extracted from the three or more chips is calculated for all the combinations, and based on the calculated absolute value of the difference between the estimated temperature values. A method for monitoring an electric circuit, further comprising a determining step for determining an estimated temperature value of the cooling medium according to an average value of the estimated temperature values at at least two of the three or more chips selected. .
前記複数のチップの温度をそれぞれ測定する測定ステップと、
前記複数のチップの状態量をそれぞれ検知する検知ステップと、
各前記チップごとに、前記チップの状態量と前記状態量に基づく温度変化量との関係を予め準備する準備ステップと、
前記検知された状態量および前記温度変化量の関係に基づいて、各前記チップごとに、温度変化量を算出する算出ステップと、
各前記チップごとに、測定されたチップの温度と前記温度変化量とに基づいて、前記冷却媒体の推定温度値を算出する推定ステップと
前記推定温度値に基づいて、前記測定ステップにおける測定状態を判断する判断ステップとを含み、
前記複数のチップの個数は、3以上であり、
前記判断ステップは、前記3以上のチップの中から抽出された2つのチップの組合せについての推定温度値の差の絶対値を全ての組合せについて算出するとともに、前記算出された推定温度値の差の絶対値に基づいて、各前記測定手段の動作状態を判断するステップを含む、電気回路の監視方法。 A cooling medium for cooling heat generated from a plurality of chips is an electric circuit monitoring method having a configuration common to the plurality of chips,
A measuring step of measuring the temperature of each of the plurality of chips;
A detection step of detecting a state quantity of each of the plurality of chips;
For each of the chips, a preparatory step for preparing in advance a relationship between a state quantity of the chip and a temperature change amount based on the state quantity;
A calculation step of calculating a temperature change amount for each of the chips based on the relationship between the detected state quantity and the temperature change amount;
An estimation step for calculating an estimated temperature value of the cooling medium based on the measured chip temperature and the temperature change amount for each of the chips;
A determination step of determining a measurement state in the measurement step based on the estimated temperature value,
The number of the plurality of chips is 3 or more,
The determining step calculates absolute values of differences in estimated temperature values for combinations of two chips extracted from the three or more chips for all combinations, and calculates the difference between the calculated estimated temperature values. A method for monitoring an electric circuit, comprising a step of determining an operating state of each of the measuring means based on an absolute value .
前記準備ステップは、前記インバータ回路の制御状態に応じた、前記チップの状態量と前記状態量に基づく温度変化量との関係を予め準備するステップを含む、請求項14〜24のいずれか1項に記載の電気回路の監視方法。The electrical circuit includes an inverter circuit;
The preparation step, the corresponding to the control state of the inverter circuit, comprising said previously prepared to step the relationship between the temperature variation based on the state quantity and the state of the chip, any one of claims 14 to 24 A method for monitoring an electric circuit according to claim 1.
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