JP4207286B2

JP4207286B2 - Acidity measuring device and acidity measuring method

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Publication number: JP4207286B2
Application number: JP03239199A
Authority: JP
Inventors: 康行花田; 哲宮西; 一芳森
Original assignee: Panasonic Corp; Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Corp; Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1999-02-10
Filing date: 1999-02-10
Publication date: 2009-01-14
Anticipated expiration: 2019-02-10
Also published as: JP2000230918A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食用油等の油に含まれる遊離脂肪酸、果物の果汁や果実飲料に含まれるクエン酸やリンゴ酸や酒石酸、アルコール飲料に含まれる有機酸、コーヒー中のクロロゲン酸等の有機酸、または血清に酵素を作用させて分離した遊離脂肪酸等の酸度を測定することができる酸度測定装置及び酸度測定方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年、食品は健康や安全面から一定の水準以上の品質が要求されるようになってきている。中でも食品中に含有された酸は食品の品質に大きな影響を与えるものである。また、最近では酸度の低い食品が専ら嗜好される傾向にある。このように各種食品の酸度は食品の消費に大きな影響を及ぼすが、その影響する程度や測定法は食品によってそれぞれ異なるものである。そこで、以下、こうした食品の代表例として▲１▼食用油，▲２▼ジュース等の果実飲料，▲３▼ウィスキーや酒、ワイン等のアルコール飲料，▲４▼コーヒー，▲５▼みかん、葡萄等の果物に含まれる果汁について、従来それぞれの酸がどのようなものでどのように測定されていたのか、従来技術の説明をする。
【０００３】
まず▲１▼の食用油に含まれる酸について説明する。わが国の食生活は急速に変化しつつあるが、その流れをみると、第１にインスタント化という大きな流れがあり、第２に手作り嗜好などに代表される多様化の流れがあるように思われる。とくにこのインスタント指向は時代を映し出しているともいえるもので、多くの加工食品が増大傾向にある。中でもフライ食品の増加は著しい。というのはフライ食品は嗜好的にも好まれ、比較的腐敗を受けにくいという性質があるからである。しかしこのフライ食品も、温度や光の影響を受ける環境に長時間さらすと、空気中の酸素により油脂が自動酸化して、変敗臭が生成したり、その他品質の劣化がもたらされる。こうした理由から食用油脂および油脂加工品などの変敗、劣化に関して一般的に関心が高まり、例えば、油揚げの地域食品認証制度が発足したり、あるいは油菓子の規制が行われたりしており、また弁当や惣菜の指導要項などでも油脂の劣化について法規制が検討されている。
【０００４】
ところでこうした油脂の傷み具合、とくに加熱された油脂の劣化度を知る方法としては、酸価、過酸化物価、粘度、ヨウ素価などを測定するいくつかの分析方法があるが、上記したように食品の劣化に大きな影響を与えるのが温度や加湿、光であり、劣化の初期には酸度の変化が大きいことを考慮すると、酸度を直接測る酸価の測定が劣化の判定を行うために適当であり、また通常これが多く用いられている。
【０００５】
▲２▼の果実飲料の酸について説明する。ジュース等の果実飲料は原料果実を搾汁機にかけて得た汁液であるが、果実飲料の多くは、新鮮な果実の搾汁をそのまま用いるよりも、濃縮果汁または冷凍果汁を原料として製品を作る場合が多い。
【０００６】
例えばオレンジジュースの場合、みかんの病害果や未熟果を除去した後に、表皮を洗浄し、これを圧搾して果肉と果汁を取り出し、さらに果汁から果皮、じょうのう膜等を取り除いている。そしてこの時点で日本農林規格に適合するように糖度や酸度などを調合するが、その際に酸度を測定している。さらに濃縮果汁や冷凍果汁からオレンジジュースを作る場合は、濃縮果汁や冷凍果汁に水を加えてオレンジジュースを作る際にも酸度を測定している。
【０００７】
次に▲３▼のアルコール飲料について説明すると、ウィスキーや焼酎に代表される、蒸留を何度も繰り返してエタノールの収率を上げる蒸留酒、あるいは酒やワインに代表される素材そのものを発酵させて濾過することで得られる醸造酒、そしてその他果実酒やビール等の発泡酒等のようにアルコール飲料には色々と種類があってその製造過程もまちまちである。しかし、いずれのアルコール飲料の製造においても、工程の中で製品の品質確保のために酸度の測定を行っている。
【０００８】
▲４▼のコーヒーの酸について説明すると、コーヒーの味を左右する酸味を与える物質は以下述べるように多種類にわたるが、酸含有量がコーヒーの酸味評価の指標として重要である。コーヒー中に含まれる酸の代表としてはクロロゲン酸類が挙げられる。その含有量はコーヒー豆の焙煎の過程でも変動する。その他にも、コーヒーの酸味に関与する物質は、コーヒー酸、キナ酸、更にはクエン酸など多くの化合物がある。そしてそれぞれの酸の含有量は微量でありながら、微妙なバランスとその総量が酸味の決め手になっていると考えられる。
【０００９】
▲５▼のみかん等果実中の果汁の酸について説明すると、みかんの栽培過程特にハウス栽培において糖度を増加させるために、水抜きという管理を行う。これは、水の量を制限することで果汁中の糖及び酸の濃度を高める栽培法である。ところが、果汁の中で糖度が増加する分は味覚の上昇となるが、酸度の増加は味覚を損なう。そこで、先般の水切り後酸度を測定してモニターしながら適度の水分と温度でみかんに呼吸を起こさせて酸度を消費させることによって酸度を減少させるという方法が採られている。
【００１０】
このように各種の食品において、その製造工程上でそれぞれの酸度を測定することが行われているが、その測定方法には様々なものがある。従来の酸測定方法の一例を上げると、基準油脂分析法，日本農林規格，ＪＩＳ，日本薬局方油脂試験法，衛生試験法飲食物試験法，上水試験方法などで定められた方法があるが、いずれもその測定の基本はフェノールフタレインを指示薬とした中和滴定法である。そこで、この中和滴定方法を説明するため、上水試験方法と基準油脂分析法で規定されている中和滴定法を以下説明する。
【００１１】
上水試験方法での酸度は、試料１リットル中に含まれている炭酸カルシウムに酸を換算したときのｍｇ数として定義される。具体的には試験水１００ｍＬを採り、フェノールフタレイン指示薬を約０．２ｍＬ前記試験水に加え、０．０２モル／Ｌの水酸化ナトリウム溶液を加え、密栓して軽く揺り動かし、紅色が消えたならば、さらに微紅色が消えずに残るまで滴定を続けたときを中和の終点としその水酸化ナトリウムのｍＬ数ａを求める。そのときの酸度の計算は、
酸度（炭酸カルシウム換算ｍｇ／Ｌ）＝ａ×１０
で計算するものである。
【００１２】
このように上水の酸度は炭酸カルシウム換算ｍｇ／Ｌ数で表現されるが、このほか代表的な酸度がどのような指標で表現されるか、例をあげて説明すると次のようになる。例えば果汁の酸度の場合、みかんの酸度の場合は酸をクエン酸に換算したときのクエン酸の重量％数、葡萄の酸度の場合は酸を酒石酸に換算したときの酒石酸の重量％数がそれぞれ酸度の指標となる。また油脂については、以下で詳しく述べるが、油脂１ｇ中に含まれる遊離脂肪酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのｍｇ数を酸価と称し、この酸価をもって酸度としている。このように試料ごとに酸度を表す指標が規定されている。
【００１３】
そこで上記した油脂に関し、基準油脂分析法で規定されている中和滴定法を説明する。基準油脂分析法での酸価の定義は、試料１ｇ中に含まれている遊離脂肪酸を中和するに要する水酸化カリウムのｍｇ数をいう。液体試料の場合、試料をその推定酸価（例えば酸価１以下は２０ｇを採取、酸価１を越えて４以下は１０ｇを採取、酸価が４を越えて１５以下は２．５ｇを採取）に応じて採取して三角フラスコに正しく計り取る。これに中性溶剤１００ｍＬを加え、試料が完全に溶けるまで充分に振る。但し、ここでいう中性溶剤とはエチルエーテル、エタノール１：１の混合溶剤１００ｍＬにフエノールフタレイン指示薬約０．３ｍＬを加え、使用直前に１／１０規定（Ｎ）水酸化カリウムーエタノール溶液で中和したものである。
【００１４】
固体試料の場合は水浴上で加温溶融したのち溶剤を加えて溶解する。これを、１／１０規定（Ｎ）水酸化カリウムーエタノール標準液で滴定し、指示薬の色変化が３０秒続いたときを中和の終点と定める。そしてこのときの水酸化カリウムのｍｇ数を計算するものである。
【００１５】
ところで、この油脂および果汁および酒類および茶・コーヒー類の酸価の測定では、このような中和滴定法によらず、ボルタンメトリーによって脂肪酸および有機酸を測定する方法がある。なお、当該公報では遊離脂肪酸の測定を開示しているが、他の有機酸でも同様に測定可能なものである。これは特開平５−２６４５０３号公報で開示されたもので、遊離脂肪酸とナフトキノン誘導体が共存する測定電解液を電位規制法によるボルタンメトリーによって測定するものである。ナフトキノン誘導体の還元前置波の電流値の大きさが、蟻酸のような低級脂肪酸からオレイン酸やリノール酸のような高級脂肪酸まで全ての脂肪酸について、遊離脂肪酸の濃度に比例し、各脂肪酸の電流値を重ね合わせた値が脂肪酸の総濃度に対応することを利用している。すなわち、ナフトキノン誘導体の還元前置波の電流値の大きさを測ることにより酸濃度を測定するものである。この方法で測定したデータを図２６の実線で示す。図２６は従来のナフトキノン誘導体と酸が共存する測定電解液のボルタンメトリーによる酸度測定の電流−電位関係図である。図１７において、横軸は比較電極に銀−塩化銀、作用電極にφ３のグラッシーカーボンを用いたときの、比較電極に対する作用電極の電位、縦軸はこのとき対極に流れる電流値を示す。但し、電流値は作用電極の表面積の大きさや酸の濃度といった条件によって変わるものである。これに対して横軸の電圧値は酸の濃度によって若干の変動はあるものの無視できる程度のものである。図２６のＡが酸濃度に比例した還元前置波を示すプレピークであり、Ｃがナフトキノン誘導体の本ピークを示すものである。
【００１６】
しかしながら、特開平５−２６４５０３号公報で開示された方法で脂肪酸および有機酸の酸度測定を行うには、還元前値波電流値を得るために電位掃引を行う必要があり、溶液の攪拌、静置、電位掃印等の時間が必要であった。また、電位掃引を行うために作用電極と対極に加えて、比較電極を必要不可欠とするものであり、複雑な構成であった。
【００１７】
次に、以上説明した食品等とは別のものになるが、溶液中の脂肪酸もしくは有機酸を直接測定する適当な方法がなかったため、従来、何段階もの反応をさせた上で、測定したい脂肪酸や有機酸とは別の物質を測定しているものがある。血清中の脂質成分の測定である。以下、詳細に説明する。
【００１８】
食の洋風化や飲酒機会の増加、運動不足、ストレス等のため、最近では血清中のコレステロール、中性脂肪（グリセリン脂肪酸エステル）あるいはリン脂質の各濃度検査において正常値から外れた値を示す者が急増している。これらの脂質のうち、コレステロールの値は糖尿病，動脈硬化症，甲状腺機能低下症などで代表される生活習慣病のリスクファクターとして利用され、中性脂肪（グリセリン脂肪酸エステル）の値は脂質代謝異常症，脳血管障害，心筋梗塞，狭心症，糖尿病のリスクファクターとして利用されている。さらにリン脂質の値は脂質代謝異常症，脳血管障害，心筋梗塞，狭心症，糖尿病のリスクファクターとして、また同時に脂質代謝異常症，閉塞性肝障害，甲状腺機能亢進症，劇症肝炎のリスクファクターとして健康の指標にされている。
【００１９】
これらの指標となる脂質成分の測定は従来主として酵素法で行われており、酵素によって脂肪酸と他の成分に分解して、脂肪酸でなく、この他の成分を測定することで測定されている。例えば上記の中性脂肪を例にとって説明すると、まず、血清へ酵素リポプロテインリパーゼを作用させて中性脂肪をグリセロールと３脂肪酸に分解する。そしてこのグリセロールに作用する酵素グリセロールキナーゼとマグネシウムイオンとアデノシン３リン酸（ＡＴＰ）を追加して、グリセロールをグリセロール−１−リン酸とアデノシン２リン酸（ＡＤＰ）に分解する。更に、このグリセロール−１−リン酸に作用する酵素グリセロール−１−リン酸オキシターゼを追加して、グリセロール−１−リン酸をジヒドロキシアセトン−１−リン酸と過酸化水素に分解する。最後に、過酸化水素に作用するペルオキシターゼと４−アミノアンチピリンとジメチルアニリンを追加して赤色キノン色素を発生させて測定し、換算によって中性脂肪の量を算出している。なお、これらの反応は血清量３〜２０μＬ程度で結果が得られるものである。
【００２０】
ところで、このように何段階もの反応工程を経た上で得られる過酸化水素を測定する理由は、この酵素リポプロテインリパーゼ等の酵素を作用させた血清に対しては、上記した中和滴定法も、特開平５−２６４５０３号の技術も適用が難しいからである。というのは、血清では指示薬による色変化を読み取りづらいし、血清中には酸素が含まれているからである。
【００２１】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように従来の酸度測定装置は、中和滴定法を用いているため測定者がフェノールフタレイン指示薬による色変化を判断して滴定の終点としており、測定者によってその終点がまちまちとなって、酸度が測定者によって変化する可能性があった。
【００２２】
そして基準油脂分析法の脂肪酸の中和滴定法によると、中性溶剤としてエーテルとエタノールの混合溶液を用いており、エーテルの沸点が３４．６℃と引火しやすいため取り扱いが難しい。しかも、試料の色が濃い、例えば揚げ物を大量に揚げた油や、ジュース、ワイン等の素材そのものに色が着色している場合は、滴定終点付近におけるフェノールフタレインの色の変化を的確に把握できず、終点を読み間違えて測定値がバラつくという問題があった。そして、試料の量も数１０ｇ、中性溶剤が１００ｍＬ必要であり１回の測定に大量の試料が必要となり、測定数が増加することが負担になるという問題もあった。
【００２３】
また、特開平５−２６４５０３号公報に開示されているとおり、従来は、ナフトキノン誘導体以外のキノンは、不安定で正確な酸の測定に耐えるものはないと考えられていた。すなわち、キノン類は結晶状態であっても光に対して不安定であり、溶液状態ではとくに光分解を受けやすいという性質がある。中でもベンゾキノンの水溶液は、日光に曝されると赤紫色に変色し、紫外および可視部に新しい吸収極大が生じ、有機溶剤ではこの分解がさらに容易になるために、ベンゾキノンを使用しても光分解が発生して、正確な測定ができないと考えられていた。従って従来はナフトキノン誘導体を用いる方法が唯一と考えられ、ナフトキノン誘導体が抱える上記の問題は解決が難しいと考えられていた。
【００２４】
さらに特開平５−２６４５０３号公報の技術では、ボルタンメトリー測定法による酸度測定法であり、必ず３電極を必要とする電位掃印を行う測定法であった。この電位掃引とは、作用電極の電位を、比較電極の電位に対して一定時間に所定の電位で連続的に変化する様に、作用電極と対極間に印加する電圧を変化させる方法であり、制御部において、作用電極と比較電極間の電位をリアルタイムでフィードバックしながら、作用電極と対極間に印加する電圧を制御しなければならず、複雑な回路構成を必要とする。この様に、電位掃引による還元前値波電流値に基づく酸度測定法は、原理的に優れた技術ではあるが、実使用上においては多数の高精度な操作、処置を必要とし、熟練を要するものであり、このため汎用性に劣るものであった。
【００２５】
そこで本発明は、扱い易く、酸度を簡単、迅速に且つ高精度に測定することができる酸度測定装置を提供することを目的とする。
【００２６】
さらに本発明は、酸度を簡単、迅速且つ高精度に測定することができる酸度測定方法を提供することを目的とする。
【００２７】
【課題を解決するための手段】
このような問題を解決するため本発明の酸度測定装置は、オルトベンゾキノン誘導体もしくはパラベンゾキノン誘導体、有機溶媒、電解質及び酸含有の被測定資料を混合した共存電解液を収容する容器と、前記容器に設けられ前記共存電解液に浸漬された作用電極と対極と比較電極部と、前記比較電極の電位に対して所定のパルス状電位またはステップ状電位を前記作用電極と前記対極間に印加する制御部と、前記酸によって生じる前記作用電極と前記対極間を流れる還元電流の時間変化を検出する検出部と、検出した還元電流の時間変化に基づいて酸度を算出する演算部を、備えたことを特徴とする。
【００２８】
これにより、扱い易く、酸度を簡単、迅速且つ高精度に測定することができる。
【００２９】
さらに本発明の酸度測定方法は、オルトベンゾキノン誘導体もしくはパラベンゾキノン誘導体、有機溶媒、電解質を酸含有の被測定資料と混合して共存電解液をつくり、該共存電解液に作用電極と対極と比較電極部を浸漬し、前記比較電極の電位に対して所定のパルス状電位またはステップ状電位を前記作用電極と前記対極の間に印加し、このとき前記作用電極と前記対極間を流れる還元電流の時間変化を検出して酸度を算出することを特徴とする。
【００３０】
これにより、酸度を簡単、迅速且つ高精度に測定することができる。
【００３１】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項１に記載された発明は、オルトベンゾキノン誘導体もしくはパラベンゾキノン誘導体、有機溶媒、電解質及び酸含有の被測定資料を混合した共存電解液を収容する容器と、前記容器に設けられ前記共存電解液に浸漬された作用電極と対極と比較電極部と、前記比較電極の電位に対して所定のパルス状電位またはステップ状電位を前記作用電極と前記対極間に印加する制御部と、前記酸によって生じる前記作用電極と前記対極間を流れる還元電流の時間変化を検出する検出部と、検出した還元電流の時間変化に基づいて酸度を算出する演算部を、備えたことを特徴とする酸度測定装置であるから、制御部が比較電極の電位に対して所定のパルス状電位またはステップ状電位を作用電極と対極間に印加することで、簡単な電気化学的処理で、迅速に酸度測定が可能である。
【００３２】
請求項２に記載された発明は、オルトベンゾキノン誘導体もしくはパラベンゾキノン誘導体、有機溶媒、電解質及び酸含有の被測定資料を混合した共存電解液を収容する容器と、前記容器に設けられ前記共存電解液に浸漬された作用電極と対極と比較電極部と、前記比較電極の電位に対して所定のステップ状電位を前記作用電極と前記対極間に印加する制御部と、前記酸によって生じる前記作用電極と前記対極間を流れる還元電流の時間変化を検出する検出部と、検出した還元電流の時間変化に基づいて酸度を算出する演算部を、備えたことを特徴とする酸度測定装置であるから、制御部が比較電極の電位に対して所定のパルス状電位またはステップ状電位を作用電極と対極間に印加することで、簡単な電気化学的処理で迅速に酸度測定ができる。
【００３３】
請求項３に記載された発明は、オルトベンゾキノン誘導体もしくはパラベンゾキノン誘導体、有機溶媒、電解質及び酸含有の被測定資料を混合した共存電解液を収容する容器と、前記容器に設けられ前記共存電解液に浸漬された作用電極と対極と、前記作用電極と前記対極間に所定のパルス状電位またはステップ状電位を印加する制御部と、前記酸によって生じる前記作用電極と前記対極間を流れる還元電流の時間変化を検出する検出部と、検出した還元電流の時間変化に基づいて酸度を算出する演算部を、備えたことを特徴とする酸度測定装置であるから、制御部が所定のパルス状電位またはステップ状電位を作用電極と対極間に印加することで、簡単な電気化学的処理で迅速に酸度測定ができる。
【００３４】
請求項４に記載された発明は、オルトベンゾキノン誘導体もしくはパラベンゾキノン誘導体、有機溶媒、電解質及び酸含有の被測定資料を混合した共存電解液を収容する容器と、前記容器に設けられ前記共存電解液に浸漬された作用電極と対極と、前記作用電極と前記対極間に所定のステップ状電位を印加する制御部と、前記酸によって生じる前記作用電極と前記対極間を流れる還元電流の時間変化を検出する検出部と、検出した還元電流の時間変化に基づいて酸度を算出する演算部を、備えたことを特徴とする酸度測定装置であるから、制御部が所定のステップ状電位を作用電極と対極間に印加することで、簡単な電気化学的処理で迅速に酸度測定ができる。
【００３５】
請求項５に記載された発明は、検出部が、パルス状電位またはステップ状電位が印加されている間の還元電流値の時間変化に基づいてピーク電流値を検出し、演算部が前記ピーク電流値を基に酸度を算出することを特徴とする請求項１または３に記載の酸度測定装置であるから、ピーク電流値は測定し易く短時間で安定した測定ができる。
【００３６】
請求項６に記載された発明は、検出部が、パルス状電位またはステップ状電位が印加されている間の還元電流値の時間変化に基づいて、印加開始から一定時間後の電流値を検出し、演算部が該印加開始から一定時間後の電流値を基に酸度を算出することを特徴とする請求項２または４に記載の酸度測定装置であるから、一定時間を計時することで簡単に必要な電流値を測定することができ、酸度を測定できる。
【００３７】
請求項７に記載された発明は、検出部が、パルス状電位またはステップ状電位が印加されている間の還元電流値の時間変化に基づいて、電流ピークが形成された後に生じる減衰の時間変化を検出し、演算部が該減衰の時間変化と基準の減衰の時間変化の比例係数から酸度を算出することを特徴とする請求項１または３に記載の酸度測定装置であるから、この比は電極の面積変動等による電流値の変動に影響されずに酸度にのみ依存して得らればらつきが少なく、安定した測定ができる。
【００３８】
請求項８に記載された発明は、検出部が、パルス状電位またはステップ状電位が印加されている間の還元電流値の時間変化に基づいて、前記還元電流値の時間積分をして電荷量を検出し、演算部が前記電荷量から酸度を算出することを特徴とする請求項１または３に記載の酸度測定装置であるから、電荷量が電流値の時間積分でもあることにより初期条件の微妙の変化にも影響を受けにくく、且つそのものが還元に要した分子数と比例関係にあり安定しており、測定誤差が少なく確実で安定した測定ができる。
【００３９】
請求項９に記載された発明は、パルス状電位またはステップ状電位に代えて、ステップ状電位を印加することを特徴とする請求項５〜８のいずれかに記載の酸度測定装置であるから、測定し易く短時間で安定した測定ができる。
【００４０】
請求項１０に記載された発明は、オルトベンゾキノン誘導体もしくはパラベンゾキノン誘導体、有機溶媒、電解質を酸含有の被測定資料と混合して共存電解液をつくり、該共存電解液に作用電極と対極と比較電極部を浸漬し、前記比較電極の電位に対して所定のパルス状電位またはステップ状電位を前記作用電極と前記対極の間に印加し、このとき前記作用電極と前記対極間を流れる還元電流の時間変化を検出して酸度を算出することを特徴とする酸度測定方法であるから、酸度を簡単、迅速且つ高精度に測定することができる。
【００４１】
請求項１１に記載された発明は、オルトベンゾキノン誘導体もしくはパラベンゾキノン誘導体、有機溶媒、電解質を酸含有の被測定資料と混合して共存電解液をつくり、該共存電解液に作用電極と対極と比較電極部を浸漬し、前記比較電極の電位に対して所定のステップ状電位を前記作用電極と前記対極の間に印加し、このとき前記作用電極と前記対極間を流れる還元電流の時間変化を検出して酸度を算出することを特徴とする酸度測定方法であるから、酸度を簡単、迅速且つ高精度に測定することができる。
【００４２】
以下、本発明の実施の形態について図１〜図２６を用いて説明する。
【００４３】
（実施の形態１）
まず本発明の一実施の形態の酸度測定装置について、図面に基づいて詳細に説明する。図１は本発明の一実施の形態における酸度測定装置の概略外観図である。図１において、１は測定部をカバーする上蓋、２は上蓋１を開放するための開放ボタン、３は測定酸度を表示する表示手段であるところのＬＣＤ、４は酸度の大きさによって領域を切り替えるためのボタン、５は測定を開始するためのスタート・ストップボタン、６は本装置の電源をＯＮ，ＯＦＦする電源ボタン、１４は本体カバーである。
【００４４】
次に図２は本発明の一実施の形態における酸度測定装置の上蓋を開放した概略外観図、図３は本発明の一実施の形態における酸度測定装置の測定容器を示す図、図４は本発明の一実施の形態における酸度測定装置の比較電極部１０の詳細図である。図１において上蓋１を開放するための開放ボタン２を押すと、上蓋１が開放され、図２に示すように酸度測定装置の内部空間に取り外し自在の測定容器がセットできるようになっている。上蓋１を閉じると再び図１の状態に復帰する。次に図３において、７はオルトベンゾキノン誘導体もしくはパラベンゾキノン誘導体，有機溶媒，電解質及び被測定試料を混合した共存電解液を収容する容器であり、８は対極、９は作用電極、１０は比較電極部である。比較電極部１０の詳細に関しては後述する。上記した測定容器は、容器７内にこの共存電解液を収容するとともに、対極８，作用電極９，比較電極部１０を取り付けた容器カバーを共存電解液に各電極を浸漬した状態で容器７にセットしたものである。対極８の材料としては共存電解液中でも腐食しないで化学的に安定な白金、黒鉛、金が望ましいが、腐食しないステンレス、アルミニウム及びその合金等であってもよい。作用電極９の材料としては、共存電解液中でも腐食しないで化学的に安定な、白金、黒鉛、金が望ましいが、炭素もしくはグラッシーカーボンと呼ばれるガラス状炭素や、ＰＦＣと呼ばれるプラスチックフォームを１０００℃〜２０００℃で燒結した炭素が適当である。
【００４５】
次に比較電極部１０の説明をする。図４に示すように比較電極部１０は、ガラス容器内に突出された電極１１と、ガラス容器内に収容した内部液１２と、ガラス容器に設けた液絡部１３から構成される。電極１１の材料としては銀−塩化銀がよいが、飽和カロメル、銀−銀イオン、水銀−飽和硫酸水銀でもよい。なお、例えば銀−塩化銀などというのは、銀の電極１１の表面を塩化銀で被覆していることを示すものである。内部液１２の材料としては、塩化銀、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム等の塩化物、アセトニトリル、硫酸銅その他の電極１１の酸化還元反応において緩衝作用を示す溶液が適当である。また、液絡部１３は内部液１２と共存電解液の間に位置され、これらの溶液は通過させないが、電子もしくはイオンは通過させる作用をもつものであり、多孔質のセラミックスや多孔質のバイコールガラス等から構成される。本発明の実施の形態１では、比較電極部１０の構成は以上のような構成からなるが、電位が安定し経時変化が少なければ電極１１そのものだけであってもよい。なお、図１，２において図示はしていないが、対極８，作用電極９，比較電極部１０を後述する制御回路に接続するコネクタが酸度測定装置本体に設けられている。
【００４６】
続いて容器７に収容する共存電解液の説明をすると、本実施の形態１では食用油の酸価を測定するため電解質として過塩素酸リチウムを使用している。本実施の形態１の共存電解液は、溶媒としてエタノール６５％にイソオクタン３５％を混合して５ｍＬとし、オルトベンゾキノン１０ｍＭ（ミリモル／Ｌ）、過塩素酸リチウム５０ｍＭを溶解したもので、この溶媒に被測定試料１００μＬを混合して用いている。エタノールは電解質を容易に溶解することができ、同時に電極表面を洗浄する作用効果も合わせもっている。また、イソオクタンは熱劣化した油であっても溶解させることができ、エタノールとの溶解性も相性がよいものである。ただ熱劣化した油はイソオクタンの含有率が３５％以上でないと溶解しないため、イソオクタンを最低でも３５％混合することが必要である。そして油の熱劣化度が大きくなった場合には、これに対応してイソオクタンの含有率を増加する必要がある。このようにイソオクタンを３５％以上混合するため、プロトン性の有機溶媒であるエタノールに劣化油を溶解させることができるし、従来の技術のように撹拌と遠心分離をせずとも酸度の測定が可能になる。
【００４７】
次に実施の形態１のような油ではなく、水で戻すインスタントコーヒーや濃縮還元ジュースを含む水系の被測定物全般には、（１）イソプロピルアルコール１０％以上，水４０％以下，エタノール５０％以上に混合した溶媒を使用すると沈殿物や溶液分離を生じることなく測定することが可能である。アルコール含有量７６．９％〜８１．４％というのが日本薬局方で決められた通常利用される消毒エタノールのアルコール含有量であることからみても、（１）の溶媒の場合倉庫に保管するときでも安全性を確保できる。また、電解質の材料に関しても、水で希釈することにより塩化ナトリウムの使用が可能となる。
【００４８】
次に、水で戻すインスタントコーヒーや濃縮還元ジュース以外の果汁，アルコール飲料においては、（２）１００％エタノール溶媒を使用してもよい。この場合キノン類の溶媒に対する溶解量が大きいため、等量のキノン類を使用しても電気化学的な特性が（１）のときより向上する。沈殿物も溶液分離も生じない。これは、（１）の溶媒より（２）の溶媒の方が溶媒中でのキノン類の拡散レートが良くなるために、より多くの反応が起こるからである。
【００４９】
そして、（１）の場合イソプロビルアルコール，水，エタノールの混合比率を変化させると、必要なキノン類含有量も変化する。従って、（１），（２）を含めて、被測定液の特性を考慮して溶媒を選定する必要がある。
【００５０】
ところで、本発明では共存電解液としてオルトベンゾキノン誘導体もしくはパラベンゾキノン誘導体を混合することを特徴にしている。図５は、オルトベンゾキノン誘導体が遊離酸の付加なしで還元される際の反応スキーム図である。オルトベンゾキノン誘導体は、電極表面上で電子を受取りアニオンラジカル化され活性化された状態となる。活性化されたアニオンラジカルが、系中のエタノール等のアルコールや水等のプロトン性溶媒からプロトンを引き抜いてヒドロキノンにまで還元するものである。なお、図示はしないが酸素原子の位置が異なるだけでこれはパラベンゾキノン誘導体でも同様である。
【００５１】
図６は、オルトベンゾキノン誘導体に遊離酸が付加されて還元される際の反応スキーム図である。系中に脂肪酸もしくは有機酸から遊離したプロトンが存在する場合には、この遊離したプロトンが、ベンゾキノン誘導体の酸素原子に付加されてプロトン化されたキノン（以下、プロトン付加ベンゾキノン誘動体）を形成し、電極表面上で電子を受け取りベンゾキノン単体よりも容易にヒドロキノンにまで還元される。還元される際に電極から受け取る電荷量は、ベンゾキノンに付加する酸の量に関係しており、電流信号（還元電流）として得られる。この関係はパラベンゾキノン誘導体でも基本的に全く同様である。このように、比較電極部１０と作用電極９間の電位を掃引して印加（ボルタンメトリー）していったとき作用電極９と対極８の間には還元電流が流れるが、遊離したプロトンが存在する場合には、アニオンラジカルを経てヒドロキノンに還元される前に、脂肪酸や有機酸の量に比例した量が還元の容易なプロトン付加ベンゾキノン誘動体を生成して還元されるため、脂肪酸や有機酸がない場合に流れる還元電流の前に還元電流の前置波が形成される。これが、オルトベンゾキノン誘導体もしくはパラベンゾキノン誘導体を脂肪酸や有機酸に混合し、還元電流の前置波の電流値を測定すれば、逆に脂肪酸や有機酸の量を測定できるという原理である。
【００５２】
そこで、この作用電極９の比較電極部１０からの電位を掃引してボルタンメトリーしたとき、対極８と作用電極９間に流れる還元電流について説明する。図７はオルトベンゾキノン誘導体と酸が共存する測定電解液のボルタンメトリーによる酸度測定の電流―電位関係図である。図７において、横軸は比較電極に銀−塩化銀、作用電極にφ２のプラスチックフォームドカーボンを用いたときの、比較電極に対する作用電極の電位、縦軸はこのとき対極に流れる電流値である。図７によれば還元前置波が０ｍＶ近傍に現われているのが分かる。なお、電流値は作用電極の表面積の大きさや酸の濃度といった条件によって変わるものである。これに対して横軸のピークの現れる電位は酸の濃度によって若干変動はあるものの無視できる程度のものである。
【００５３】
ところで、このようにキノン類を含んだ共存電解液のボルタンメトリーにおいては、キノン類が光で分解して測定の精度が低下するという光安定性の問題と、他のプロトン供給原として存在する溶液中の溶存酸素の影響をどのようにして断つかという矛盾した傾向をもつ２つの大きな問題がある。すなわち、溶存酸素の還元電流はボルタンメトリーする際に測定の外乱要因となるが、この影響を減らすことができるキノン類は概ね光で分解し易いといった傾向をもつという問題である。このため従来は光安定性の高いナフタキノンを用い、溶存酸素は不活性ガスなど利用して除酸素していた。そこで本発明ではこの２つの問題を同時に解決するため、オルトベンゾキノン誘導体もしくはパラベンゾキノン誘導体を用いている。この２種の誘導体は光安定性が高く、溶存酸素の影響を事実上無視できるものである。以下、これらの物質の光安定性と除酸素について詳細に説明する。
【００５４】
図７に示すように、ベンゼン環に側鎖をもつオルトベンゾキノン誘導体のボルタモグラムは、溶存酸素の還元波形が出現する領域から正電位側に大きく離れて出現している。実線がオルトベンゾキノン誘導体のボルタモグラムであり、破線が溶存酸素の還元波形を示すものである。図７によれば、プレピーク波形は０ｍＶ付近から正電位側にかけて存在し、溶存酸素の還元波形が存在する負電位側から約４００ｍＶの幅でシフトされている。本ピークの位置においても溶存酸素の還元の影響はほとんどない。この様に、オルトベンゾキノン誘導体を還元するための電位は、溶存酸素の影響のない電位領域である。このため、予め溶存酸素を除去しなくても、溶存酸素の影響を受けることなく、従ってバラつきもなく酸度を正確に測ることができるものである。
【００５５】
図８はパラベンゾキノン誘導体と酸が共存する測定電解液のボルタンメトリーによる酸度測定の電流―電位関係図である。図８に示すように、パラベンゾキノン誘導体のボルタモグラムのプレピークは、溶存酸素の還元波形が出現する領域に若干掛かる程度にシフトして出現している。実線がパラベンゾキノン誘導体のボルタモグラムであり、破線が溶存酸素の還元波形を示すものである。図８によれば、プレピーク波形は溶存酸素の還元波形が存在する負電位側から約２００ｍＶの幅でシフトされている。本ピークの位置では溶存酸素の還元の影響が若干認められるが、酸の測定には影響はほとんどない。この様にパラベンゾキノン誘導体を還元するための電位は、溶存酸素の影響の少ない電位領域である。このため、予め溶存酸素を除去しなくても、溶存酸素の影響は無視できるものであり、従ってバラつきもなく酸度を正確に測ることができるものである。
【００５６】
また、ベンゼン環に側鎖をもつオルトベンゾキノン誘導体もしくはパラベンゾキノン誘導体は、溶存酸素の還元電位と離れた位置にプレピークを出現させるという上記の特性の外に、さらに、キノン類に多い光分解を起こすことなく安定した測定をすることができる特性を併せもっている。図９はオルトベンゾキノン誘導体の構造を示す図、図１０はパラベンゾキノン誘導体の構造を示す図である。図９のオルトベンゾキノン誘導体、図１０のパラベンゾキノン誘導体は、側鎖であるＲ部分が存在するために、光によって分解のエネルギーを与えられたとしても、側鎖Ｒの分子内伸縮や側鎖Ｒの回転のための運動エネルギーに光のエネルギーを消費するために光分解を受けにくい。さらに、図１１は3,5−ジ−ｔｅｒｔ−ブチル−1,2−ベンゾキノンの構造を示す図、図１２は2,6−ジメチル−1,4−ベンゾキノンの構造を示す図である。オルトベンゾキノンの中でも、図１１に示す3,5−ジ−ｔｅｒｔ−ブチル−1,2−ベンゾキノンと、図１２に示すパラベンゾキノンの中でも2,6−ジメチル−1,4−ベンゾキノンを用いると、構造的にｔｅｒｔ−ブチルやメチル基がベンゼン環の中に電子を供与するため、分子構造が共役構造を取り易くなり、さらに光のエネルギーが多く吸収されるため光分解がほとんど起こらず、安定した測定が可能になるものである。
【００５７】
ところで、これらのキノン類の光に対する安定性と、酸付加による還元電位すなわちボルタモグラムのプレピーク電位が溶存酸素の還元電位からどの程度離れているかについて、次のような矛盾した関係がある。すなわち、光に対する安定性が高いナフトキノン誘導体のようなキノン類は、安定性が向上するに従って、ボルタモグラムのプレピーク電位が次第に負電位側によっていき、溶存酸素の還元波形と重なるような傾向をもつ。また逆に、光に対する安定性が悪いキノン類は、光に対する安定性が悪くなるに従って、溶存酸素の還元波形と重ならない方向へシフトする傾向をもつ。このため光の影響によって電解液自身に変化を生じ、測定値がバラついて電解液として実用性が悪くなる。以上のような理由から、光に対する十分な安定性を備え、同時にボルタモグラムのプレピーク電位が少なくとも溶存酸素の還元波形と重ならないキノン類であれば、酸度測定装置の電解液として適した特性をもつものということができる。このようなキノン類として、ベンゼン環の3,5位置に側鎖をもつオルトベンゾキノン誘導体、中でも3,5−ジ−ｔｅｒｔ−ブチル−1,2−ベンゾキノン、またベンゼン環の2,6位置に側鎖をもつパラベンゾキノン誘導体、中でも2,6−ジメチル−1,4−ベンゾキノンが優れた特性をもっている。これらは光分解を起こすことなく安定した測定をすることができ、図７と図８に示すように溶存酸素の還元電位からプレピークが分離しているものである。
【００５８】
ところで、脂肪酸や有機酸にベンゾキノン誘導体のプロトン付加体を混合したときの特徴的な還元電流は、図７，８に記載したボルタンメトリーによって得られるが、脂肪酸や有機酸の還元電位よりも負側でパルス状もしくはステップ状電位を印加すること（クロノアンペロメトリー）でも得られる。図１３はオルトベンゾキノン誘導体が共存する測定電解液のパルス状定電圧印加時での時間−電圧関係図である。このとき横軸は電位を印加する際の時間、縦軸はこのとき作用電極と対極間に印加する電圧値である。図１４はオルトベンゾキノン誘導体が共存する測定電解液のパルス状定電圧印加時での時間−電流関係図である。横軸は電圧を印加する際の時間、縦軸はこのとき前記作用電極と前記対極間に流れる電流値である。但し、電流値は作用電極の表面積の大きさや酸の濃度といった条件によって変わるものである。また、図１５はオルトベンゾキノン誘導体が共存する測定電解液のステップ状定電圧印加時での時間−電圧関係図である。横軸は電位を印加する際の時間、縦軸はこのとき作用電極と対極間に印加する電圧値である。さらに、図１６はオルトベンゾキノン誘導体が共存する測定電解液のステップ状定電圧印加時での時間−電流関係図である。横軸は電圧を印加する際の時間、縦軸はこのとき作用電極と対極間に流れる電流値である。但し、電流値はパルス状電位またはステップ状電位の場合と同様で作用電極の表面積の大きさや酸の濃度といった条件で変わるものである。図１７はオルトベンゾキノン誘導体が共存する測定電解液のパルス状もしくはステップ状定電圧印加時での時間−電流関係図の詳細説明図で、この時間変化が少なくともＡ、Ｂ、Ｃの特徴的な３段階を含むものであることを示している。すなわち、この還元電流の時間変化は、
Ａ段階：電気二重層充電による電流の立ち上がり
Ｂ段階：電子移動による電流の急激な減衰
Ｃ段階：物質輸送によるファラデー電流の緩やかな減衰
の３段階を含んでいる。
【００５９】
Ａ段階における急激な電流値の立ち上がりは、作用表面上の電気二重層の形成に伴うものである。図１８は作用電極９表面上の電気二重層の構成図を示すものである。測定対象の脂肪酸や有機酸の還元電位より負の所定の電位をかけてからほぼ１００ｍｓｅｃの時間内に、測定電解液内のわずかな量のイオンが動いて作用電極９界面上の電気二重層に電荷分布ができる。この際に流れる還元電流の立ち上がりは、電気二重層形成時のイオン量に関連するものであり、これにはプロトン付加ベンゾキノン誘導体も含まれる。またプロトン付加ベンゾキノン誘導体は、正電荷を帯びており、作用電極９が負極となる際には、ベンゾキノン誘導体よりも作用電極９に移動しやすく、また還元もされ易い。そのため還元電流のピーク電流値は、プロトン付加ベンゾキノン誘導体の量に比例して増加する。図１９は本発明の一実施の形態における酸度測定装置の、酸度とピーク電流値の関係図である。脂肪酸もしくは有機酸の量が増加すなわち酸度が増加するにつれて、プロトン付加ベンゾキノン誘導体が増加するため、ピーク電流値も増加しており、ピーク電流値と酸度は比例関係にある。これより、図１９の様な既知の検量線に、未知の酸度試料から得られたピーク電流値を当てはめることで、その未知の酸度試料の酸度がわかるものである。
【００６０】
次に、Ｂ段階の説明を行う。Ｂ段階における急激な電流値の減衰は、プロトン付加ベンゾキノン誘導体の電子移動を示唆するものである。電子移動過程の還元電流値は電子移動律速の反応を表すものであり、ファラデー電流と呼ばれる。ファラデー電流は、プロト、ン付加ベンゾキノン誘導体の濃度には影響しない。ファラデー電流の減衰は、ほぼ５００ｍｓｅｃの時間内に終わる様な、短寿命減衰である。従って、このＢ段階の電流の減衰は酸度の測定では事実上無視できる程度のものである。
【００６１】
Ｃ段階における緩やかな電流値の減衰は、物質輸送過程を示唆するものである。パルス状もしくはステップ状電圧印加開始からほぼ５００ｍｓｅｃ以降の時間域でおこる現象である。作用電極９表面上でプロトン付加ベンゾキノン誘導体の還元反応が進み、酸化体の表面濃度が減るにつれて拡散・対流・泳動等による物質移動を示す。プロトン付加ベンゾキノン誘導体の表面濃度は、輸送でバルク層から補給される速さと、作用電極表面上の電子移動反応で還元されて消費される速さとの、兼ね合いで決まる。電子移動反応速度が大きければ、プロトン付加ベンゾキノン誘導体は、やがてほとんど無くなる。この後の電流は、拡散・対流・泳動等の物質輸送だけによって決まり、電子移動の情報は無くなる。物質輸送のみによる過程では、電流値は時間の−１／２乗に比例して減衰していく。その際の減衰の変化関数はＣ０・ｔ−１／２であり、このＣ０・ｔ−１／２と基準関数ｔ−１／２の比例係数Ｃ０は、反応物であるプロトン付加ベンゾキノン誘導体の濃度に等しい。そこで検出部と演算部において、還元電流の減衰の時間変化のグラフを、横軸である時間を−１／２乗の値に変換する操作を加えると直線状のグラフが得られる。この直線状のグラフの傾きが比例係数Ｃ０に相当するから、この比例係数が酸度に比例する。還元電流値が、時間の−１／２乗に比例する現象は、プロトン付加ベンゾキノン誘導体の、電極表面での還元反応の後の拡散を示唆する現象である。
【００６２】
図２０は、本発明の一実施の形態における酸度測定装置の、酸度１，３，５の各試料の還元電流−時間の関係図である。図２０にみられる様に、プロトン付加ベンゾキノン誘導体の還元電流値は、酸度の増加に伴なって増加していることがわかる。図２１は、前記図２０の時間軸を時間の−１／２乗に変換した図である。例としての酸度１、３、５（ｗｔ％）の各試料とも直線が得られる。また酸度１、３、５（ｗｔ％）の各試料は、いずれも直線状となる。この直線の傾きは試料の酸度に比例して増加する。図２２は、本発明の一実施の形態における酸度測定装置の、酸度１，３，５の各試料の還元電流―時間の−１／２乗変換における、傾きと酸度の関係図である。この各試料の酸度と図２１での傾きは直線関係となる。
【００６３】
この様に、図２１に示す横軸を時間の−１／２乗に変換して得られる直線の傾きが、図２２に示すように酸度に対して比例するという関係を利用して、酸度を求めることが出来る。すなわち、未知の酸試料に対するパルス状もしくはステップ状定電位印加時の還元電流値の減衰から、図２０の還元電流値の時間変化が得られ、その横軸である時間軸を時間の−１／２乗に変換した図２１の直線グラフに基づいて傾きが得られ、その傾きを図２２の様な既知の酸を用いた検量線にあてはめることで、未知の酸試料の酸度を求めることが出来るものである。また、パルス状もしくはステップ状の電位を印加してからＢ段階を経てＣ段階に入った状態であれば、印加開始から一定時間ｔ後の電流値から直接酸度を算出することが出来る。
【００６４】
ところで、電流値を時間積分すると通電時に流れる電荷量を与えるが、これは作用電極９表面上での反応したプロトン付加ベンゾキノン誘導体の分子数そのものである。ファラデーの法則より、電極表面上での電子の授受を伴う反応は、反応に関与した電子のモル数／クーロン数に密接に関連する。すなわち、電流値の時間積分値は電荷量そのものであって、これを計測することは直接的にプロトン付加ベンゾキノン誘導体の還元された量を計測することであり、これにより酸度を算出することができる。
【００６５】
図２３は、前記図２０の電流値を時間積分して得られる、電荷量と酸度の関係図である。この酸度への換算は、後述する検出部と演算部において実行するものである。ここで対象となる電荷量は電流値の時間積分でもあることから、初期条件の微妙の変化に対しても影響を受けにくく、安定した換算酸度を得ることができる。このように反応電荷量を用いた酸度換算方法は、プロトン付加ベンゾキノン誘導体の電極表面での還元反応量を用いて酸度を測定する方法であり、電荷量そのものが還元に要したプロトン付加ベンゾキノン誘導体分子数と比例関係にあるため、安定した酸度が得られ、未知の酸試料に対してパルス状もしくはステップ状定電位印加時の還元電流値の減衰状態を測定すれば、図２３の様な検量線にあてはめることで未知の酸試料の酸度を求めることが出来るものである。
【００６６】
さて、本実施の形態１の酸度測定装置を操作する時の装置の動作の説明をする。溶媒５ｍＬに対して被測定試料である果汁を１００μＬ容器７内で混合、さらに撹拌した後、対極８と作用電極９と比較電極部１０を設けた測定カバーを装着して酸度測定装置内にセットし、酸度測定装置の上蓋１を閉じて測定可能状態にする。次いで電源ボタン６とスタート・ストップボタン５を押して測定開始すると、制御部１５が比較電極部１０の電極１１電位を基準にして作用電極９の電位を測って作用電極９と対極８の間に電圧を印加する。このとき、作用電極９と対極８の間に流れる電流の時間変化より、果汁の酸度が算出される。
【００６７】
ここで、本実施の形態１の酸度測定装置の制御を行う制御回路について説明する。図２４は本発明の一実施の形態における酸度測定装置の制御回路図である。図２４において、５’はスタート・ストップボタン５によって動作するスタート・ストップスイッチ、６’は電源ボタン６を押すと動作する電源ＯＮ−ＯＦＦスイッチ、１５はマイクロコンピューター等から構成される制御部、１６は発振子、１７は分周回路、１８はタイマー、１９はＤ／Ａコンバーター、２０はオペアンプ、２１はモニタリング回路、２２は抵抗器、２３は作動アンプ、２４はＡ／Ｄコンバーター、２５はマイクロコンピューター等からなる酸度算出手段である。
【００６８】
図１の電源ボタン６を押すとＬＣＤ３が動作可能となる。次にスタート・ストップボタン５を押すと、制御部１５は発振子１６により発生される信号を基に分周回路１７によって内部でクロックを作り、そのクロックをカウントしてタイマー１８が計時を開始する。タイマー１８に同期して制御部１５はＤ／Ａコンバータ１９へ印加電圧整形用のデータを表すデジタル信号を送る。Ｄ／Ａコンバーター１９では、このデジタル信号が図１３または図１５のようなパルス状もしくはステップ状のアナログ信号に変換され、このアナログ信号がモニタリング回路２１に入力される。なお、この実施の形態１ではＤ／Ａコンバータ１９を用いたが、これに代えて、制御部１５から出力されるデジタル信号でトランジスタ等のスイッチング素子を動作し、パルス状もしくはスラップ状のアナログ信号にするのでもよい。
【００６９】
モニタリング回路２１においては、出力端側の対極８の電圧をアナログ信号に従って制御し、−入力端側の比較電極部１０の電極１１の電圧がアナログ信号と同じになるようにする。これにより電極１１と作用電極９との間の電位差は所定の値＋１０００ｍＶ〜−１０００ｍＶの範囲となる。一方、対極８に流れる電流は、抵抗器２２の両端の電圧を差動アンプ２３を通すことにより電圧へ変換され、Ａ／Ｄコンバーター２４を介してアナログ信号からディジタル信号へ変換されて、さらに制御部１５へ入力される。
【００７０】
ここで制御部１５は、所定の値で印加される電位に対して、電流値やその時間変化値を検出する。本実施の形態１においては3,5−ジ−ｔｅｒｔ−ブチル−1,2−ベンゾキノンを含有させた共存電解液を用いている。制御部１５では、還元電流の特性値として、既に説明した還元電流のピーク電流値の検出や、還元電流の時間変化の時間ｔ−１／２への換算と傾きからの比例係数の検出、電荷量の算出を行う。酸度算出手段２５には、予め酸度が分かっている標準試薬を作成した、ピーク電流値と酸度、比例係数と酸度、電荷量と酸度の関係を示す検量線データがそれぞれメモリされている。制御部１５において検出されたピーク電流値や、算出された比例係数、電荷量は酸度を演算するために酸度算出手段２５に送られ、酸度算出手段２５において検量線に基づいて酸度が算出される。
【００７１】
このように本実施の形態の酸度測定装置は、溶存酸素や光安定性に優れ、扱い易く、ボルタンメトリーするための回路より比較的簡単な回路で、迅速に且つ高精度に測定することができる。
【００７２】
（実施の形態２）
次いで本発明の実施の形態２の酸度測定装置について、図面に基づいて詳細に説明する。実施の形態１と異なる点は、比較電極を必要としない形態である点である。そのため図１及び図２、図５〜図２３は実施の形態２でも同様であり、詳細な説明は実施の形態１における説明に譲る。そして、実施の形態１を示す図３においては比較電極部１０が設けられているが、実施の形態２ではこれが設けられていない。上蓋１、開放ボタン２、ＬＣＤ３、ボタン４、スタート・ストップボタン５、電源ボタン６、容器７、対極８、作用電極９、本体カバー１４などはすべて両者で共通であり、実施の形態１で説明した通りである。
【００７３】
さて、本実施の形態２の酸度測定装置の特徴である作用電極、対極を備えた制御回路と、これがどのように制御されるのかについて図２５に基づいて説明する。図２５は本発明の本実施の形態２における酸度測定装置の制御回路図である。図２５において、５’はスタート・ストップボタン５によって動作するスタート・ストップスイッチ、６’は電源ボタン６を押すと動作する電源ＯＮ−ＯＦＦスイッチ、１５はマイクロコンピューター等から構成される制御部、１６は発振子、１７は分周回路、１８はタイマ手段、１９はＤ／Ａコンバータ、２０はオペアンプ、２１はモニタリング回路、２２は抵抗器、２３は作動アンプ、２４はＡ／Ｄコンバータ、２５は酸度算出手段である。モニタリング回路２１へはＤ／Ａコンバータ１９からの出力と、対極８の電圧が入力される。
【００７４】
図１の電源ボタン６を押すとＬＣＤ３が動作可能となる。次にスタート・ストップボタン５を押すと、制御部１５は発振子１６により発生される信号を基に分周回路１７によって内部でクロックを作り、そのクロックをカウントしてタイマー１８が計時を開始する。タイマー１８に同期して制御部１５はＤ／Ａコンバータ１９へ印加電圧整形用のデータを表すデジタル信号を送る。Ｄ／Ａコンバーター１９では、このデジタル信号が図１３または図１５に示すようなパルス状もしくはステップ状のアナログ信号に変換され、このアナログ信号がモニタリング回路２１を経て、対極８に出力される。対極８とモニタリング回路２１はフィードバックされているから、これにより対極８と作用電極９との間の電位差は所定の値＋１０００ｍＶ〜−１０００ｍＶの範囲となるように制御される。一方、対極８に流れる電流は、抵抗器２２の両端の電圧を差動アンプ２３を通すことにより電圧へ変換され、Ａ／Ｄコンバーター２４を介してアナログ信号からディジタル信号へ変換され、さらに制御部１５へ入力される。
【００７５】
制御部１５は、実施の形態１と同様、所定の値で印加される電位に対して電流値やその時間変化値を検出する。本実施の形態２においても3,5−ジ−ｔｅｒｔ−ブチル−1,2−ベンゾキノンを含有させた共存電解液を用いている。制御部１５では、実施の形態１と同じく還元電流のピーク電流値の検出や、還元電流の時間変化の時間ｔ−１／２への換算と傾きからの比例係数の検出、電荷量の算出を行う。酸度算出手段２５には、ピーク電流値と酸度、比例係数と酸度、電荷量と酸度の関係を示す検量線データがそれぞれメモリされている。制御部１５において検出されたピーク電流値や、算出された比例係数、電荷量は酸度を演算するために酸度算出手段２５に送られ、酸度算出手段２５において酸度が算出される。
【００７６】
本実施の形態２の酸度測定装置は、比較電極部を使用しないから安価で、扱い易く、実施の形態１よりさらに簡単な回路で、迅速に且つ高精度に測定することができる。
【００７７】
（実施の形態３）
実施の形態３は測定に際し、被測定試料に前処理を施す必要がある血清の場合である。本実施の形態３では、予め内部に酵素を入れた酵素反応容器を別途用意しておき、この酵素反応容器内に血清を導いて血清中の脂質成分を分解して遊離脂肪酸を生成して測定するものである。
【００７８】
酵素反応容器内に血清を導入すると、内部の酵素により、導入された血清中の脂質成分は分解され、遊離脂肪酸を発生する。例えば脂質成分が中性脂肪である場合は、酵素としてリポプロテインリパーゼを作用させると、加水分解してグリセロールと遊離脂肪酸を生成する。また、脂質成分がコレステロール（コレステロール脂肪酸エステル）の場合は、酵素としてコレステロールエステラーゼを作用させると、加水分解して遊離型コレステロールと遊離脂肪酸を生成する。リン脂質のときはホスホリパーゼＡを作用させると、脂肪酸と脱脂肪酸リン脂質が得られる。
【００７９】
そして、酵素により発生した遊離脂肪酸を含む血清を被測定試料として、そのまま酵素反応容器から実施の形態１または２で説明した測定容器に移し、その遊離脂肪酸の量をこれらの酸度測定装置で測定する。次いでこの値から酵素反応を起こさせる前の血清中の脂質成分の量を換算して測定するものである。なお、酵素反応容器の以外の装置に関しては、実施の形態１または２で説明した通りである。また、実施の形態３においては、この遊離脂肪酸の量から血清中の脂質成分に換算する演算機能を酸度算出手段に与えている。ただ、この脂質成分に換算する機能を有する脂質換算手段を酸度算出手段とは別に設けてもよい。
【００８０】
このように、酵素を作用させて遊離脂肪酸を発生させた血清を被測定試料として、そのまま酵素反応容器から実施の形態１または２の測定容器に移し、その遊離脂肪酸をこれらの酸度測定装置で測定した後、その値より血清中の元の脂質成分の量を換算して測定するものである。酵素反応容器の以外の装置に関しては、実施の形態１または２に説明を譲ってここでは省略する。遊離脂肪酸の量から血清中の脂質成分を換算する演算機能を酸度算出手段に追加して組み込んでおいてもよい。
【００８１】
【発明の効果】
本発明の酸度測定装置は、パルス状もしくはステップ状の定電圧を印加してプロトン付加ベンゾキノン誘導体が電極表面上で還元される際に流れる還元電流の時間変化を測定することにより、扱い易く、酸度を簡単、迅速に且つ高精度に測定することができる酸度測定装置を提供することを目的とする。
【００８２】
さらに本発明の酸度測定方法は、酸度を簡単、迅速且つ高精度に測定することができる酸度測定方法を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施の形態における酸度測定装置の概略外観図
【図２】本発明の一実施の形態における酸度測定装置の上蓋を開放した概略外観図
【図３】本発明の一実施の形態における酸度測定装置の測定容器を示す図
【図４】本発明の一実施の形態における酸度測定装置の比較電極部の詳細図
【図５】オルトベンゾキノン誘導体が遊離酸の付加なしで還元される際の反応スキーム図
【図６】オルトベンゾキノン誘導体に遊離酸が付加して還元される際の反応スキーム図
【図７】オルトベンゾキノン誘導体と酸が共存する測定電解液のボルタンメトリーによる酸度測定の電流−電位関係図
【図８】パラベンゾキノン誘導体と酸が共存する測定電解液のボルタンメトリーによる酸度測定の電流−電位関係図
【図９】オルトベンゾキノン誘導体の構造を示す図
【図１０】パラベンゾキノン誘導体の構造を示す図
【図１１】 3,5−ジ−ｔｅｒｔ−ブチル−1,2−ベンゾキノンの構造を示す図
【図１２】 2,6−ジ・メチル−1,4−ベンゾキノンの構造を示す図
【図１３】オルトベンゾキノン誘導体が共存する測定電解液のパルス状定電圧印加時での時間−電圧関係図
【図１４】オルトベンゾキノン誘導体が共存する測定電解液のパルス状定電圧印加時での時間−電流関係図
【図１５】オルトベンゾキノン誘導体が共存する測定電解液のステップ状定電圧印加時での時間−電圧関係図
【図１６】オルトベンゾキノン誘導体が共存する測定電解液のステップ状定電圧印加時での時間−電流関係図
【図１７】オルトベンゾキノン誘導体が共存する測定電解液のパルス状もしくはステップ状定電圧印加時での時間−電流関係図の詳細説明図
【図１８】作用電極表面上での電気二重層の構成図
【図１９】本発明の一実施の形態における酸度測定装置の、酸度とピーク電流値の関係図
【図２０】本発明の一実施の形態における酸度測定装置の、酸度１，３，５の各試料の還元電流−時間の関係図
【図２１】前記図２０の時間軸を時間の−１／２乗に変換した図
【図２２】本発明の一実施の形態における酸度測定装置の、酸度１，３，５の各試料の還元電流―時間の−１／２乗変換における、傾きと酸度の関係図
【図２３】前記図２０の電流値を時間積分して得られる、電荷量と酸度の関係図
【図２４】本発明の一実施の形態１における酸度測定装置の制御回路図
【図２５】本発明の一実施の形態２における酸度測定装置の制御回路図
【図２６】従来のナフトキノン誘導体と酸が共存する測定電解液のボルタンメトリーによる酸度測定の電流−電位関係図
【符号の説明】
１上蓋
２開放ボタン
３酸価度表示窓
５スタート・ストップボタン
５’ スタート・ストップスイッチ
６電源ＯＮ・ＯＦＦボタン
６’ 電源ＯＮ−ＯＦＦスイッチ
７測定電解液
８対極
９作用電極
１０比較電極部
１１電極
１２内部液
１３液絡部
１４本体
１５制御部
１６振動子
１７分周回路
１８タイマー
１９Ｄ／Ａコンバーター
２０オペアンプ
２１モニタリング回路
２２抵抗器
２３差動アンプ
２４Ａ／Ｄコンバーター
２５酸度算出手段[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention includes free fatty acids contained in oils such as edible oils, citric acid, malic acid and tartaric acid contained in fruit juices and fruit beverages, organic acids contained in alcoholic beverages, organic acids such as chlorogenic acid in coffee, Alternatively, the present invention relates to an acidity measuring apparatus and an acidity measuring method capable of measuring the acidity of free fatty acids and the like separated by allowing an enzyme to act on serum.
[0002]
[Prior art]
In recent years, food products have been required to have a certain level of quality in terms of health and safety. Above all, the acid contained in the food greatly affects the quality of the food. Recently, foods with low acidity tend to be preferred exclusively. As described above, the acidity of various foods has a great influence on the consumption of food, but the degree of influence and the measuring method differ depending on the food. Therefore, as representative examples of such foods, (1) edible oil, (2) fruit drinks such as juice, (3) alcoholic drinks such as whiskey, liquor, wine, (4) coffee, (5) tangerines, coffee, etc. The conventional art will explain what kind of acid has been measured and how it has been measured.
[0003]
First, the acid contained in (1) edible oil will be described. Japan's dietary habits are changing rapidly. Looking at the trend, it seems that there is a major trend of instantization first, and secondly the trend of diversification represented by handmade tastes. . In particular, this instant orientation reflects the times, and many processed foods are on the rise. Above all, the increase in fried foods is remarkable. This is because fried foods are also preferred for taste and are relatively resistant to corruption. However, when this fried food is also exposed to an environment affected by temperature and light for a long time, the fats and oils are auto-oxidized by oxygen in the air, resulting in a deteriorated odor and other quality deterioration. For these reasons, there has been a general interest in the deterioration and deterioration of edible oils and fats and processed products, such as the establishment of a local food certification system for frying, or the regulation of oil confectionery, etc. Laws and regulations regarding oil and fat deterioration are also being examined in the guidelines for lunch boxes and prepared dishes.
[0004]
By the way, there are several analytical methods for measuring the acid value, peroxide value, viscosity, iodine value, etc. as a method of knowing the degree of damage of these oils and fats, especially the degree of deterioration of heated oils and fats. Considering the fact that temperature, humidification, and light have a large effect on the degradation of acid, and that the change in acidity is large at the early stage of degradation, acid value measurement that directly measures acidity is appropriate for determining degradation. Yes, and usually this is often used.
[0005]
The acid of the fruit drink of (2) will be described. Fruit drinks such as juice are juices obtained by squeezing raw fruit into a juicer, but many fruit drinks are made from concentrated or frozen fruit juice rather than using fresh fruit juice as it is. There are many.
[0006]
For example, in the case of orange juice, after removing diseases and immature fruits of mandarin oranges, the epidermis is washed and squeezed to remove the flesh and fruit juice, and the fruit skin, gills, etc. are removed from the fruit juice. At this point, the sugar content, acidity, etc. are prepared so as to conform to the Japanese Agricultural Standards. At that time, the acidity is measured. Furthermore, when making orange juice from concentrated fruit juice or frozen fruit juice, acidity is measured also when making orange juice by adding water to concentrated fruit juice or frozen fruit juice.
[0007]
Next, the alcoholic beverage of (3) will be explained. Fermented distilled liquor, such as whiskey and shochu, which repeats distillation many times to increase the yield of ethanol, or raw materials such as liquor and wine. There are various types of alcoholic beverages, such as brewed liquor obtained by filtration, and other sparkling liquors such as fruit liquor and beer, and the production process varies. However, in the production of any alcoholic beverage, acidity is measured in the process to ensure product quality.
[0008]
Describing the coffee acid of (4), there are many types of substances that give a sour taste that influences the taste of coffee as described below, but the acid content is important as an index for evaluating the sourness of coffee. Representative examples of the acid contained in the coffee include chlorogenic acids. Its content also varies during the roasting process of coffee beans. In addition, there are many compounds involved in the sourness of coffee, such as caffeic acid, quinic acid, and citric acid. And although the content of each acid is very small, it is thought that a delicate balance and the total amount are decisive factors of sourness.
[0009]
(5) The acid of fruit juice in fruits such as tangerines will be explained. In order to increase sugar content in the cultivation process of tangerines, especially in house cultivation, management of draining is performed. This is a cultivation method that increases the concentration of sugar and acid in fruit juice by limiting the amount of water. However, as the sugar content increases in the fruit juice, the taste increases, but the increase in acidity impairs the taste. Therefore, a method has been adopted in which the acidity is decreased by causing the tangerine to breathe at an appropriate moisture and temperature and consuming the acidity while measuring and monitoring the acidity after draining.
[0010]
As described above, in various foods, the acidity is measured in the production process, and there are various measuring methods. Examples of conventional acid measurement methods include methods defined by the standard oil and fat analysis method, Japan Agricultural Standards, JIS, Japanese Pharmacopoeia oil and fat test method, hygiene test method food and drink test method, water supply test method, etc. In either case, the basis of the measurement is a neutralization titration method using phenolphthalein as an indicator. Therefore, in order to explain this neutralization titration method, the neutralization titration method defined in the water test method and the standard oil analysis method will be described below.
[0011]
The acidity in the water test method is defined as the number of mg when acid is converted into calcium carbonate contained in 1 liter of a sample. Specifically, take 100 mL of test water, add about 0.2 mL of phenolphthalein indicator to the test water, add 0.02 mol / L sodium hydroxide solution, seal tightly and shake gently, and if the red color disappears For example, when the titration is continued until the slight red color remains without disappearing, the neutralization end point is determined and the mL number a of the sodium hydroxide is obtained. The calculation of acidity at that time is
Acidity (calcium carbonate equivalent mg / L) = a × 10
Is calculated by
[0012]
Thus, the acidity of clean water is expressed in terms of mg / L in terms of calcium carbonate. In addition, an example of how typical acidity is expressed is described as follows. For example, in the case of acidity of fruit juice, in the case of tangerine acidity, the weight percentage of citric acid when acid is converted to citric acid, and in the case of salmon acidity, the weight percentage of tartaric acid when acid is converted to tartaric acid, respectively. It is an index of acidity. The fats and oils will be described in detail below. The number of mg of potassium hydroxide required to neutralize free fatty acids contained in 1 g of fats and oils is referred to as an acid value, and the acidity is determined by the acid value. Thus, an index representing acidity is defined for each sample.
[0013]
Then, the neutralization titration method prescribed | regulated by the reference | standard oil-and-fat analysis method is demonstrated regarding the above-mentioned oil and fat. The definition of the acid value in the standard fat analysis method refers to the number of mg of potassium hydroxide required to neutralize free fatty acids contained in 1 g of a sample. In the case of a liquid sample, an estimated acid value (for example, 20 g is collected for an acid value of 1 or less, 10 g is collected for an acid value exceeding 1 and 4 or less, and 2.5 g is collected for an acid value exceeding 4 and 15 or less. ) And measure correctly into an Erlenmeyer flask. Add 100 mL of neutral solvent and shake well until the sample is completely dissolved. However, the neutral solvent referred to here is about 0.3 mL of phenolphthalein indicator added to 100 mL of a mixed solvent of ethyl ether and ethanol 1: 1, and a 1/10 N (N) potassium hydroxide-ethanol solution just before use. Neutralized.
[0014]
In the case of a solid sample, it is heated and melted on a water bath, and then dissolved by adding a solvent. This was titrated with 1/10 normal (N) potassium hydroxide-ethanol standard solution, and the end point of neutralization was determined when the color change of the indicator continued for 30 seconds. And the mg number of potassium hydroxide at this time is calculated.
[0015]
By the way, in the measurement of the acid values of fats and oils, fruit juices, alcoholic beverages and teas and coffees, there is a method of measuring fatty acids and organic acids by voltammetry without using such neutralization titration method. In addition, although the measurement of free fatty acid is disclosed in the publication, other organic acids can be similarly measured. This is disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 5-264503, and a measurement electrolyte solution in which a free fatty acid and a naphthoquinone derivative coexist is measured by a voltammetry by a potential regulating method. The current value of the pre-reduction wave of the naphthoquinone derivative is proportional to the free fatty acid concentration for all fatty acids from lower fatty acids such as formic acid to higher fatty acids such as oleic acid and linoleic acid. It is used that the value obtained by superimposing the values corresponds to the total concentration of fatty acids. That is, the acid concentration is measured by measuring the magnitude of the current value of the reduction pre-wave of the naphthoquinone derivative. Data measured by this method is indicated by a solid line in FIG. FIG. 26 is a current-potential relationship diagram of acidity measurement by voltammetry of a measurement electrolyte solution in which a conventional naphthoquinone derivative and an acid coexist. In FIG. 17, the horizontal axis indicates the potential of the working electrode with respect to the reference electrode when silver-silver chloride is used for the reference electrode and φ3 glassy carbon is used for the working electrode, and the vertical axis indicates the current value flowing through the counter electrode. However, the current value varies depending on conditions such as the surface area of the working electrode and the acid concentration. On the other hand, the voltage value on the horizontal axis is negligible although it varies slightly depending on the acid concentration. In FIG. 26, A is a pre-peak showing a pre-reduction wave proportional to the acid concentration, and C shows this peak of the naphthoquinone derivative.
[0016]
However, in order to measure the acidity of fatty acids and organic acids by the method disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 5-264503, it is necessary to perform a potential sweep in order to obtain a pre-reduction value wave current value. It took time to set up and sweep the potential. In addition to the working electrode and the counter electrode in order to perform the potential sweep, the reference electrode is indispensable, and the structure is complicated.
[0017]
Next, although it is different from the foods described above, there was no appropriate method for directly measuring fatty acids or organic acids in the solution. Some measure substances other than organic acids. It is a measurement of lipid components in serum. Details will be described below.
[0018]
Those who have recently deviated from normal levels in serum cholesterol, triglyceride (glycerin fatty acid ester) or phospholipid concentration tests due to westernization of food, increased drinking opportunities, lack of exercise, stress, etc. Has increased rapidly. Among these lipids, cholesterol is used as a risk factor for lifestyle-related diseases such as diabetes, arteriosclerosis, and hypothyroidism, and neutral fat (glycerin fatty acid ester) is a lipid metabolism disorder. It is used as a risk factor for cerebrovascular disorders, myocardial infarction, angina pectoris, and diabetes. In addition, phospholipid levels are a risk factor for dyslipidemia, cerebrovascular disorders, myocardial infarction, angina pectoris, diabetes, and at the same time risk for dyslipidemia, obstructive liver disorder, hyperthyroidism, and fulminant hepatitis It is a health indicator as a factor.
[0019]
The lipid component serving as an index is conventionally measured mainly by an enzymatic method, and is measured by degrading into a fatty acid and other components by an enzyme and measuring this other component instead of the fatty acid. For example, the neutral fat described above will be described as an example. First, the enzyme lipoprotein lipase is allowed to act on serum to break the neutral fat into glycerol and three fatty acids. Then, glycerol kinase, magnesium ion, and adenosine triphosphate (ATP) that act on glycerol are added to decompose glycerol into glycerol-1-phosphate and adenosine diphosphate (ADP). Furthermore, glycerol-1-phosphate oxidase, which acts on glycerol-1-phosphate, is added to decompose glycerol-1-phosphate into dihydroxyacetone-1-phosphate and hydrogen peroxide. Finally, peroxidase acting on hydrogen peroxide, 4-aminoantipyrine and dimethylaniline are added to generate a red quinone pigment, and the amount of neutral fat is calculated by conversion. In addition, these reactions can obtain results with a serum volume of about 3 to 20 μL.
[0020]
By the way, the reason for measuring the hydrogen peroxide obtained after going through many steps of the reaction process is that the neutralization titration method described above is also applied to serum on which an enzyme such as the enzyme lipoprotein lipase is allowed to act. This is because the technique of Japanese Patent Laid-Open No. 5-264503 is also difficult to apply. This is because the serum makes it difficult to read the color change caused by the indicator, and the serum contains oxygen.
[0021]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, since the conventional acidity measuring apparatus uses the neutralization titration method, the measurer determines the color change caused by the phenolphthalein indicator and determines the end point of the titration, and the end point varies depending on the measurer. Therefore, the acidity may vary depending on the measurer.
[0022]
And according to the neutralization titration method of fatty acids in the standard fat and oil analysis method, a mixed solution of ether and ethanol is used as a neutral solvent, and the boiling point of ether is 34.6 ° C., so it is difficult to handle. In addition, if the color of the sample is dark, for example if the color of the oil itself, such as a deep fried food, or juice, wine, etc. is colored, the color change of the phenolphthalein near the titration end point can be accurately grasped. There was a problem that the measured value varied because the end point was read incorrectly. In addition, the amount of the sample is several tens of grams, and 100 mL of the neutral solvent is required, so that a large amount of sample is required for one measurement, and there is a problem that an increase in the number of measurements becomes a burden.
[0023]
Further, as disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 5-264503, conventionally, quinones other than naphthoquinone derivatives have been considered to be unstable and cannot withstand accurate acid measurement. That is, quinones are unstable to light even in a crystalline state, and are particularly susceptible to photolysis in a solution state. In particular, an aqueous solution of benzoquinone turns reddish purple when exposed to sunlight, and a new absorption maximum occurs in the ultraviolet and visible regions. This decomposition becomes even easier with organic solvents. It was thought that accurate measurement could not be performed. Therefore, conventionally, the method using a naphthoquinone derivative is considered to be the only method, and it has been considered that the above-mentioned problems of naphthoquinone derivatives are difficult to solve.
[0024]
Furthermore, the technique disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 5-264503 is an acidity measurement method based on a voltammetric measurement method, and is a measurement method that always performs potential sweeping that requires three electrodes. This potential sweep is a method of changing the voltage applied between the working electrode and the counter electrode so that the potential of the working electrode is continuously changed at a predetermined potential with respect to the potential of the comparison electrode at a predetermined time. The controller must control the voltage applied between the working electrode and the counter electrode while feeding back the potential between the working electrode and the comparison electrode in real time, and requires a complicated circuit configuration. As described above, the acidity measurement method based on the pre-reduction wave current value by potential sweep is an excellent technique in principle, but in actual use, it requires a lot of high-precision operations and measures, and requires skill. Therefore, it was inferior in versatility.
[0025]
SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to provide an acidity measuring device that is easy to handle and can measure acidity simply, quickly and with high accuracy.
[0026]
Furthermore, an object of the present invention is to provide an acidity measurement method capable of measuring acidity simply, quickly and with high accuracy.
[0027]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve such a problem, the acidity measuring apparatus of the present invention includes a container containing a coexisting electrolyte solution in which an orthobenzoquinone derivative or a parabenzoquinone derivative, an organic solvent, an electrolyte, and an acid-containing measurement material are mixed, and the container. A working electrode, a counter electrode, a comparison electrode unit, and a control unit configured to apply a predetermined pulse-like potential or a step-like potential between the working electrode and the counter electrode with respect to the potential of the comparison electrode; And a detection unit that detects a time change of the reduction current flowing between the working electrode and the counter electrode caused by the acid, and a calculation unit that calculates the acidity based on the detected time change of the reduction current. And
[0028]
Thereby, it is easy to handle and acidity can be measured easily, quickly and with high accuracy.
[0029]
Furthermore, the acidity measurement method of the present invention comprises an orthobenzoquinone derivative or a parabenzoquinone derivative, an organic solvent, and an electrolyte mixed with an acid-containing material to be measured to form a coexisting electrolyte, and the coexisting electrolyte has a working electrode, a counter electrode, and a reference electrode A predetermined pulse-like potential or step-like potential is applied between the working electrode and the counter electrode with respect to the potential of the comparison electrode, and the time of the reduction current flowing between the working electrode and the counter electrode at this time The acidity is calculated by detecting a change.
[0030]
As a result, the acidity can be measured easily, quickly and with high accuracy.
[0031]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The invention described in claim 1 of the present invention includes a container for storing a coexisting electrolyte solution in which an orthobenzoquinone derivative or a parabenzoquinone derivative, an organic solvent, an electrolyte, and an acid-containing material to be measured are mixed, and the container provided in the container. A working electrode immersed in a coexisting electrolyte, a counter electrode, a comparison electrode unit, a control unit that applies a predetermined pulse-like potential or step-like potential between the working electrode and the counter electrode with respect to the potential of the comparison electrode; An acidity comprising: a detection unit that detects a temporal change in a reduction current flowing between the working electrode and the counter electrode caused by an acid; and an arithmetic unit that calculates an acidity based on the detected temporal change in the reduction current. Since it is a measuring device, the controller can apply a predetermined pulse-like potential or step-like potential between the working electrode and the counter electrode with respect to the potential of the reference electrode. In the process, it is possible to quickly acidity measurements.
[0032]
The invention described in claim 2 is a container containing a coexisting electrolyte mixed with an orthobenzoquinone derivative or a parabenzoquinone derivative, an organic solvent, an electrolyte and an acid-containing material to be measured, and the coexisting electrolyte provided in the container A working electrode, a counter electrode, a reference electrode part, a control unit for applying a predetermined stepped potential to the potential of the reference electrode between the working electrode and the counter electrode, and the working electrode produced by the acid, Since it is an acidity measuring apparatus, comprising: a detection unit that detects a temporal change in the reduction current flowing between the counter electrodes; and an arithmetic unit that calculates an acidity based on the detected temporal change in the reduction current. By applying a predetermined pulse-like potential or step-like potential between the working electrode and the counter electrode with respect to the potential of the reference electrode, the acidity can be measured quickly with a simple electrochemical treatment. That.
[0033]
The invention described in claim 3 is a container containing a coexisting electrolyte in which an orthobenzoquinone derivative or a parabenzoquinone derivative, an organic solvent, an electrolyte, and an acid-containing material to be measured are mixed, and the coexisting electrolyte provided in the container A working electrode and a counter electrode immersed in the electrode, a control unit for applying a predetermined pulse-like potential or a step-like potential between the working electrode and the counter electrode, and a reduction current flowing between the working electrode and the counter electrode caused by the acid. Since it is an acidity measuring device comprising a detection unit that detects a change in time and a calculation unit that calculates acidity based on the detected change in time of the reduction current, the control unit has a predetermined pulse-like potential or By applying a stepped potential between the working electrode and the counter electrode, the acidity can be measured quickly with a simple electrochemical treatment.
[0034]
The invention described in claim 4 is a container for storing a coexisting electrolyte in which an orthobenzoquinone derivative or a parabenzoquinone derivative, an organic solvent, an electrolyte and an acid-containing material to be measured are mixed, and the coexisting electrolyte provided in the container Detecting a change in time of a reduction current flowing between the working electrode and the counter electrode caused by the acid, and a control unit that applies a predetermined stepped potential between the working electrode and the counter electrode. And a calculation unit that calculates the acidity based on the time change of the detected reduction current, the control unit applies a predetermined stepped potential to the working electrode and the counter electrode. By applying in between, acidity can be measured quickly with a simple electrochemical treatment.
[0035]
In the invention described in claim 5, the detection unit detects a peak current value based on a temporal change in the reduction current value while the pulse-like potential or the step-like potential is applied, and the calculation unit detects the peak current. Since the acidity is calculated based on the value, the acidity measuring device according to claim 1 or 3, wherein the peak current value is easy to measure and can be measured stably in a short time.
[0036]
In the invention described in claim 6, the detection unit detects a current value after a predetermined time from the start of the application based on a temporal change of the reduction current value while the pulse-like potential or the step-like potential is applied. 5. The acidity measuring apparatus according to claim 2 or 4, wherein the calculation unit calculates the acidity based on a current value after a predetermined time from the start of the application. Necessary current values can be measured, and acidity can be measured.
[0037]
According to the seventh aspect of the present invention, the time change of decay that occurs after the current peak is formed based on the time change of the reduction current value while the detection unit applies the pulse-like potential or the step-like potential. The acidity measurement apparatus according to claim 1 or 3, wherein the arithmetic unit calculates the acidity from a proportional coefficient between the time change of the attenuation and the time change of the reference attenuation. Stable measurement can be performed with little variation that is obtained only depending on the acidity without being affected by fluctuations in the current value due to fluctuations in the electrode area or the like.
[0038]
According to an eighth aspect of the present invention, the detection unit performs time integration of the reduction current value based on a change over time of the reduction current value while the pulse-like potential or the step-like potential is applied, and the charge amount The acidity measuring device according to claim 1 or 3, wherein the calculation unit calculates the acidity from the charge amount, and the initial condition is determined by the charge amount being a time integral of the current value. It is not easily affected by subtle changes, is proportional to the number of molecules required for reduction, is stable, and has a small measurement error, enabling reliable and stable measurement.
[0039]
Since the invention described in claim 9 is the acidity measuring device according to any one of claims 5 to 8, wherein the step potential is applied instead of the pulse potential or the step potential. Easy to measure and stable in a short time.
[0040]
In the invention described in claim 10, an orthobenzoquinone derivative or parabenzoquinone derivative, an organic solvent, and an electrolyte are mixed with an acid-containing material to be measured to form a coexisting electrolyte, and the coexisting electrolyte is compared with a working electrode and a counter electrode. The electrode part is immersed, and a predetermined pulse potential or stepped potential is applied between the working electrode and the counter electrode with respect to the potential of the comparison electrode. At this time, the reduction current flowing between the working electrode and the counter electrode Since the acidity measurement method is characterized in that the acidity is calculated by detecting the time change, the acidity can be measured easily, rapidly and with high accuracy.
[0041]
In the invention described in claim 11, a coexisting electrolyte is prepared by mixing an orthobenzoquinone derivative or parabenzoquinone derivative, an organic solvent, and an electrolyte with an acid-containing material to be measured, and the coexisting electrolyte is compared with a working electrode and a counter electrode. Immerse the electrode part and apply a predetermined step-like potential between the working electrode and the counter electrode with respect to the potential of the comparison electrode, and detect the time change of the reduction current flowing between the working electrode and the counter electrode. Thus, the acidity measurement method is characterized in that the acidity is calculated, so that the acidity can be measured easily, quickly and with high accuracy.
[0042]
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to FIGS.
[0043]
(Embodiment 1)
First, an acidity measuring apparatus according to an embodiment of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. FIG. 1 is a schematic external view of an acidity measuring apparatus according to an embodiment of the present invention. In FIG. 1, 1 is an upper cover that covers the measurement unit, 2 is an open button for opening the upper cover 1, 3 is an LCD that is a display means for displaying the measured acidity, and 4 is a region that is switched depending on the size of the acidity. Are buttons for starting and stopping, 5 is a power button for turning the apparatus on and off, and 14 is a main body cover.
[0044]
Next, FIG. 2 is a schematic external view of the acidity measuring device according to one embodiment of the present invention with the upper lid opened, FIG. 3 is a diagram showing a measurement container of the acidity measuring device according to one embodiment of the present invention, and FIG. It is detail drawing of the comparison electrode part 10 of the acidity measuring apparatus in one embodiment of invention. When the release button 2 for opening the upper lid 1 in FIG. 1 is pressed, the upper lid 1 is opened, and a removable measurement container can be set in the internal space of the acidity measuring apparatus as shown in FIG. When the upper lid 1 is closed, the state shown in FIG. 1 is restored. Next, in FIG. 3, 7 is a container containing a coexisting electrolytic solution in which an orthobenzoquinone derivative or parabenzoquinone derivative, an organic solvent, an electrolyte and a sample to be measured are mixed, 8 is a counter electrode, 9 is a working electrode, and 10 is a comparative electrode. Part. Details of the comparison electrode unit 10 will be described later. The above-described measurement container accommodates the coexisting electrolyte in the container 7 and the container cover with the counter electrode 8, the working electrode 9, and the comparison electrode unit 10 attached to the container 7 with each electrode immersed in the coexisting electrolyte. It is a set. The counter electrode 8 is preferably platinum, graphite, or gold that is chemically stable without being corroded even in the coexisting electrolyte, but may be stainless steel, aluminum, an alloy thereof, or the like that does not corrode. As a material of the working electrode 9, platinum, graphite, and gold that are chemically stable without being corroded even in the coexisting electrolyte are desirable, but glassy carbon called carbon or glassy carbon, or plastic foam called PFC is used at 1000 ° C. Carbon sintered at 2000 ° C. is suitable.
[0045]
Next, the comparison electrode unit 10 will be described. As shown in FIG. 4, the comparison electrode unit 10 includes an electrode 11 protruding into the glass container, an internal liquid 12 accommodated in the glass container, and a liquid junction 13 provided in the glass container. The material of the electrode 11 is preferably silver-silver chloride, but may be saturated calomel, silver-silver ion, or mercury-saturated mercury sulfate. For example, silver-silver chloride indicates that the surface of the silver electrode 11 is coated with silver chloride. As the material of the internal liquid 12, a solution such as silver chloride, potassium chloride, sodium chloride, lithium chloride or the like, acetonitrile, copper sulfate, or any other solution that exhibits a buffering action in the oxidation-reduction reaction of the electrode 11 is suitable. The liquid junction 13 is located between the internal liquid 12 and the coexisting electrolyte, and does not allow these solutions to pass through, but has the effect of allowing electrons or ions to pass therethrough, such as porous ceramics or porous Vycor. Consists of glass and the like. In Embodiment 1 of the present invention, the configuration of the comparison electrode unit 10 is configured as described above. However, if the potential is stable and the change with time is small, only the electrode 11 itself may be used. Although not shown in FIGS. 1 and 2, a connector for connecting the counter electrode 8, the working electrode 9, and the comparison electrode unit 10 to a control circuit described later is provided in the acidity measuring device main body.
[0046]
Next, the coexisting electrolyte contained in the container 7 will be described. In Embodiment 1, lithium perchlorate is used as the electrolyte in order to measure the acid value of the edible oil. The coexisting electrolyte of the first embodiment is obtained by mixing 65% ethanol with 35% isooctane as a solvent to make 5 mL, and dissolving orthobenzoquinone 10 mM (mmol / L) and lithium perchlorate 50 mM. 100 μL of the sample to be measured is mixed and used. Ethanol can easily dissolve the electrolyte, and at the same time has the effect of cleaning the electrode surface. Isooctane can be dissolved even in the case of heat-degraded oil and has good compatibility with ethanol. However, since heat-degraded oil does not dissolve unless the isooctane content is 35% or more, it is necessary to mix at least 35% of isooctane. When the degree of thermal degradation of the oil increases, it is necessary to increase the isooctane content correspondingly. In this way, isooctane is mixed at 35% or more, so that degraded oil can be dissolved in ethanol, which is a protic organic solvent, and acidity can be measured without stirring and centrifugation as in the conventional technology. become.
[0047]
Next, in general water-based measured objects including instant coffee and concentrated reduced juice that are returned with water instead of oil as in Embodiment 1, (1) isopropyl alcohol 10% or more, water 40% or less, ethanol 50% When the above mixed solvent is used, measurement can be performed without causing precipitation or solution separation. The alcohol content of 76.9% to 81.4% is the alcohol content of normally used disinfecting ethanol as determined by the Japanese Pharmacopoeia. Even when it is safe. Further, regarding the electrolyte material, sodium chloride can be used by diluting with water.
[0048]
Next, (2) 100% ethanol solvent may be used in fruit juice and alcoholic beverages other than instant coffee and concentrated reduced juice that are reconstituted with water. In this case, since the amount of quinones dissolved in the solvent is large, the electrochemical characteristics are improved as compared with the case of (1) even if an equivalent amount of quinones is used. There is no precipitation or solution separation. This is because the solvent (2) has a higher diffusion rate of quinones in the solvent than the solvent (1), and thus more reactions occur.
[0049]
In the case of (1), if the mixing ratio of isopropyl alcohol, water and ethanol is changed, the required quinone content also changes. Therefore, it is necessary to select a solvent in consideration of the characteristics of the liquid to be measured, including (1) and (2).
[0050]
By the way, the present invention is characterized in that an orthobenzoquinone derivative or a parabenzoquinone derivative is mixed as a coexisting electrolyte. FIG. 5 is a reaction scheme when an orthobenzoquinone derivative is reduced without addition of a free acid. The orthobenzoquinone derivative receives electrons on the electrode surface and becomes an anion radical to be activated. The activated anion radical extracts a proton from an alcohol such as ethanol or a protic solvent such as water in the system and reduces it to hydroquinone. Although not shown, this is the same for the parabenzoquinone derivative except that the position of the oxygen atom is different.
[0051]
FIG. 6 is a reaction scheme when a free acid is added to an orthobenzoquinone derivative for reduction. When protons liberated from fatty acids or organic acids are present in the system, these liberated protons are added to oxygen atoms of benzoquinone derivatives to form protonated quinones (hereinafter protonated benzoquinone inducers). On the electrode surface, electrons are received and reduced to hydroquinone more easily than benzoquinone alone. The amount of charge received from the electrode when it is reduced is related to the amount of acid added to the benzoquinone and is obtained as a current signal (reduction current). This relationship is basically the same for parabenzoquinone derivatives. As described above, when the potential between the comparative electrode unit 10 and the working electrode 9 is swept and applied (voltammetry), a reduction current flows between the working electrode 9 and the counter electrode 8, but free protons exist. In some cases, before being reduced to hydroquinone via an anion radical, an amount proportional to the amount of fatty acid or organic acid is reduced by producing a protonated benzoquinone attractant that is easy to reduce. A pre-wave of the reduction current is formed before the reduction current that flows in the absence. This is the principle that if the orthobenzoquinone derivative or parabenzoquinone derivative is mixed with a fatty acid or an organic acid and the current value of the pre-wave of the reduction current is measured, the amount of the fatty acid or organic acid can be measured.
[0052]
Therefore, a reduction current flowing between the counter electrode 8 and the working electrode 9 when the potential of the working electrode 9 from the comparison electrode portion 10 is swept and voltammetric will be described. FIG. 7 is a current-potential relationship diagram for measuring acidity by voltammetry of a measurement electrolyte solution in which an orthobenzoquinone derivative and an acid coexist. In FIG. 7, the horizontal axis indicates the potential of the working electrode with respect to the reference electrode when silver-silver chloride is used for the reference electrode and φ2 plastic-formed carbon is used for the working electrode, and the vertical axis indicates the current value flowing to the counter electrode at this time. . According to FIG. 7, it can be seen that a reduction pre-wave appears in the vicinity of 0 mV. The current value varies depending on conditions such as the surface area of the working electrode and the acid concentration. In contrast, the potential at which the peak on the horizontal axis appears is negligible although it varies slightly depending on the acid concentration.
[0053]
By the way, in the voltammetry of the coexisting electrolyte containing quinones as described above, there is a problem of light stability that the quinones are decomposed by light and the measurement accuracy is lowered, and in a solution existing as another proton supply source. There are two major problems with the contradictory tendency of how to cut off the effects of dissolved oxygen. That is, the reduction current of dissolved oxygen becomes a disturbance factor in measurement during voltammetry, but quinones that can reduce this influence tend to be easily decomposed by light. For this reason, conventionally, naphthaquinone having high photostability was used, and dissolved oxygen was removed by using an inert gas or the like. Therefore, in the present invention, an orthobenzoquinone derivative or a parabenzoquinone derivative is used in order to solve these two problems simultaneously. These two derivatives have high photostability, and the influence of dissolved oxygen can be virtually ignored. Hereinafter, the light stability and oxygen removal of these substances will be described in detail.
[0054]
As shown in FIG. 7, the voltammogram of the orthobenzoquinone derivative having a side chain on the benzene ring appears far away from the region where the reduced waveform of dissolved oxygen appears on the positive potential side. The solid line is the voltammogram of the orthobenzoquinone derivative, and the broken line shows the reduced waveform of dissolved oxygen. According to FIG. 7, the pre-peak waveform exists from around 0 mV to the positive potential side, and is shifted by a width of about 400 mV from the negative potential side where the reduced waveform of dissolved oxygen exists. Even at the position of this peak, there is almost no influence of the reduction of dissolved oxygen. As described above, the potential for reducing the orthobenzoquinone derivative is a potential region that is not affected by dissolved oxygen. Therefore, even if the dissolved oxygen is not removed in advance, the acidity can be accurately measured without being affected by the dissolved oxygen and without variation.
[0055]
FIG. 8 is a current-potential relationship diagram for measuring acidity by voltammetry of a measurement electrolyte solution in which a parabenzoquinone derivative and an acid coexist. As shown in FIG. 8, the pre-peak of the voltammogram of the parabenzoquinone derivative appears with a slight shift to a region where the reduced waveform of dissolved oxygen appears. A solid line is a voltammogram of a parabenzoquinone derivative, and a broken line shows a reduction waveform of dissolved oxygen. According to FIG. 8, the pre-peak waveform is shifted by a width of about 200 mV from the negative potential side where the reduced waveform of dissolved oxygen exists. Although the effect of reduction of dissolved oxygen is slightly observed at the position of this peak, there is almost no effect on the acid measurement. Thus, the potential for reducing the parabenzoquinone derivative is a potential region where the influence of dissolved oxygen is small. Therefore, even if the dissolved oxygen is not removed in advance, the influence of the dissolved oxygen can be ignored, and therefore the acidity can be accurately measured without variation.
[0056]
Furthermore, orthobenzoquinone derivatives or parabenzoquinone derivatives having a side chain on the benzene ring, in addition to the above-mentioned property of causing a pre-peak to appear at a position away from the reduction potential of dissolved oxygen, further causes a large amount of photolysis to quinones. It also has the characteristics that can be measured stably without any problems. FIG. 9 is a diagram showing the structure of an orthobenzoquinone derivative, and FIG. 10 is a diagram showing the structure of a parabenzoquinone derivative. Since the orthobenzoquinone derivative of FIG. 9 and the parabenzoquinone derivative of FIG. 10 have an R portion which is a side chain, even if the energy of decomposition is given by light, the intramolecular expansion and contraction of the side chain R and the side chain R It is less susceptible to photolysis because it consumes light energy into kinetic energy for rotation. FIG. 11 is a diagram showing the structure of 3,5-di-tert-butyl-1,2-benzoquinone, and FIG. 12 is a diagram showing the structure of 2,6-dimethyl-1,4-benzoquinone. Among the orthobenzoquinones, when 3,5-di-tert-butyl-1,2-benzoquinone shown in FIG. 11 and 2,6-dimethyl-1,4-benzoquinone among parabenzoquinones shown in FIG. Since tert-butyl and methyl groups donate electrons into the benzene ring, the molecular structure is easy to take a conjugated structure, and more light energy is absorbed, so photolysis hardly occurs and stable measurement. Is possible.
[0057]
By the way, there is the following contradictory relationship between the stability of these quinones to light and the extent to which the reduction potential by acid addition, that is, the pre-peak potential of the voltammogram is far from the reduction potential of dissolved oxygen. That is, quinones such as a naphthoquinone derivative having high stability to light have a tendency that the pre-peak potential of the voltammogram gradually moves toward the negative potential side and overlaps with the reduced waveform of dissolved oxygen as the stability improves. Conversely, quinones with poor light stability tend to shift in a direction that does not overlap with the reduced waveform of dissolved oxygen as the light stability deteriorates. For this reason, the electrolyte solution itself changes due to the influence of light, and the measured value varies, making the practicality of the electrolyte solution worse. For the reasons described above, quinones that have sufficient stability to light and at the same time the pre-peak potential of the voltammogram does not overlap with at least the reduction waveform of dissolved oxygen have characteristics suitable as an electrolyte for an acidity measuring device It can be said. As such quinones, orthobenzoquinone derivatives having a side chain at the 3,5 position of the benzene ring, especially 3,5-di-tert-butyl-1,2-benzoquinone, and the side at the 2,6 position of the benzene ring A parabenzoquinone derivative having a chain, particularly 2,6-dimethyl-1,4-benzoquinone, has excellent properties. These can perform stable measurement without causing photolysis, and the pre-peak is separated from the reduction potential of dissolved oxygen as shown in FIGS.
[0058]
By the way, a characteristic reduction current when a proton adduct of a benzoquinone derivative is mixed with a fatty acid or an organic acid can be obtained by voltammetry described in FIGS. 7 and 8, but on the negative side of the reduction potential of the fatty acid or organic acid. It can also be obtained by applying a pulsed or stepped potential (chronoamperometry). FIG. 13 is a time-voltage relationship diagram when a pulsed constant voltage is applied to a measurement electrolyte in which an orthobenzoquinone derivative coexists. At this time, the horizontal axis represents the time when the potential is applied, and the vertical axis represents the voltage value applied between the working electrode and the counter electrode. FIG. 14 is a time-current relationship diagram when a pulsed constant voltage is applied to a measurement electrolyte in which an orthobenzoquinone derivative coexists. The horizontal axis represents the time for applying the voltage, and the vertical axis represents the current value flowing between the working electrode and the counter electrode. However, the current value varies depending on conditions such as the surface area of the working electrode and the acid concentration. FIG. 15 is a time-voltage relationship diagram when a stepped constant voltage is applied to a measurement electrolyte in which an orthobenzoquinone derivative coexists. The horizontal axis represents the time for applying the potential, and the vertical axis represents the voltage value applied between the working electrode and the counter electrode. Further, FIG. 16 is a time-current relationship diagram when a stepped constant voltage is applied to a measurement electrolyte solution in which an orthobenzoquinone derivative coexists. The horizontal axis represents the time when the voltage is applied, and the vertical axis represents the current value flowing between the working electrode and the counter electrode. However, the current value is the same as in the case of the pulse-like potential or step-like potential, and changes depending on the conditions such as the surface area of the working electrode and the acid concentration. FIG. 17 is a detailed explanatory diagram of a time-current relationship diagram when a measuring electrolyte coexisting with an orthobenzoquinone derivative is applied with a pulsed or stepped constant voltage, and this time variation is characteristic of at least three of A, B, and C. It shows that it includes a stage. That is, the time change of this reduction current is
Stage A: Rise of current due to electric double layer charging
Stage B: Abrupt decay of current due to electron transfer
Stage C: Slow decay of Faraday current due to mass transport
3 stages are included.
[0059]
The sudden rise in current value in the A stage is accompanied by the formation of an electric double layer on the working surface. FIG. 18 shows a configuration diagram of the electric double layer on the surface of the working electrode 9. Within a time of approximately 100 msec after applying a predetermined negative potential from the reduction potential of the fatty acid or organic acid to be measured, a small amount of ions in the measurement electrolyte move to the electric double layer on the working electrode 9 interface. Charge distribution is possible. The rise of the reduction current flowing at this time is related to the amount of ions during the formation of the electric double layer, and this includes proton addition. Benzoquinone derivatives Is also included. Proton addition Benzoquinone derivatives Is positively charged, and when the working electrode 9 becomes a negative electrode, it is easier to move to the working electrode 9 than the benzoquinone derivative, and it is also easily reduced. Therefore, the peak current value of the reduction current is Benzoquinone derivatives Increases in proportion to the amount of. FIG. 19 is a relationship diagram between the acidity and the peak current value of the acidity measuring apparatus according to the embodiment of the present invention. Protonation as the amount of fatty acid or organic acid increases, ie acidity increases Benzoquinone derivatives Therefore, the peak current value also increases, and the peak current value and the acidity are in a proportional relationship. Thus, the acidity of the unknown acidity sample can be determined by applying the peak current value obtained from the unknown acidity sample to a known calibration curve as shown in FIG.
[0060]
Next, the B stage will be described. Abrupt current decay at stage B is due to proton addition Benzoquinone derivatives This suggests electron transfer. The reduction current value in the electron transfer process represents an electron transfer rate-controlled reaction and is called a Faraday current. Faraday current is added to the proto Benzoquinone derivatives Does not affect the concentration of. The decay of the Faraday current is a short life decay such that it ends in a time of approximately 500 msec. Therefore, the B-stage current decay is practically negligible in acidity measurement.
[0061]
The gradual decay of the current value at stage C suggests a mass transport process. This is a phenomenon that occurs in a time range of approximately 500 msec or more after the start of pulse or step voltage application. As the reduction reaction of the proton-added benzoquinone derivative proceeds on the surface of the working electrode 9 and the surface concentration of the oxidant decreases, mass transfer due to diffusion, convection, migration, etc. is shown. The surface concentration of the proton-added benzoquinone derivative is determined by a trade-off between the speed of replenishment from the bulk layer by transport and the speed of reduction and consumption by the electron transfer reaction on the working electrode surface. If the electron transfer reaction rate is high, the protonated benzoquinone derivative will eventually disappear. The current after this is determined only by material transport such as diffusion, convection, and electrophoresis, and information on electron transfer is lost. In the process of only mass transport, the current value attenuates in proportion to the power of -1/2. The change function of attenuation at that time is C0 · t−1 / 2, and the proportionality coefficient C0 between C0 · t−1 / 2 and the reference function t−1 / 2 is the concentration of the protonated benzoquinone derivative as the reactant. be equivalent to. Therefore, a linear graph can be obtained by adding an operation for converting the time along the horizontal axis into a value of -1/2 power in the graph of the time variation of reduction current reduction in the detection unit and the calculation unit. Since the slope of the linear graph corresponds to the proportional coefficient C0, the proportional coefficient is proportional to the acidity. The phenomenon in which the reduction current value is proportional to the time to the power of -1/2 is a phenomenon suggesting diffusion of the protonated benzoquinone derivative after the reduction reaction on the electrode surface.
[0062]
FIG. 20 is a relationship diagram of reduction current-time of each sample of acidity 1, 3, and 5 in the acidity measuring apparatus according to one embodiment of the present invention. As can be seen from FIG. 20, the reduction current value of the proton-added benzoquinone derivative increases with increasing acidity. FIG. 21 is a diagram in which the time axis of FIG. 20 is converted to a time of -1/2 power. As an example, a straight line is obtained for each sample having acidity of 1, 3, 5 (wt%). Moreover, each sample of acidity 1, 3, 5 (wt%) becomes a linear form. The slope of this line increases in proportion to the acidity of the sample. FIG. 22 is a graph showing the relationship between the slope and the acidity in the reduction current-time-1 / 2 power conversion of each sample with acidity 1, 3, and 5 in the acidity measuring apparatus according to one embodiment of the present invention. The acidity of each sample and the slope in FIG. 21 have a linear relationship.
[0063]
In this way, by utilizing the relationship that the slope of the straight line obtained by converting the horizontal axis shown in FIG. 21 to the power of −1/2 is proportional to the acidity as shown in FIG. You can ask. That is, the time variation of the reduction current value of FIG. 20 is obtained from the decay of the reduction current value when a pulsed or stepped constant potential is applied to an unknown acid sample, and the horizontal axis of the time axis is the time −1 / An inclination is obtained based on the straight line graph of FIG. 21 converted to the square, and the acidity of an unknown acid sample can be obtained by applying the inclination to a calibration curve using a known acid as shown in FIG. Is. In addition, if a pulse-like or step-like potential is applied and then the B-stage is entered and the C-stage is entered, the acidity can be directly calculated from the current value after a predetermined time t from the start of the application.
[0064]
By the way, when the current value is integrated over time, the amount of charge that flows during energization is given, which is the number of molecules of the reacted proton-added benzoquinone derivative on the surface of the working electrode 9 itself. From Faraday's law, reactions involving the transfer of electrons on the electrode surface are closely related to the number of moles of electrons involved in the reaction / number of Coulombs. That is, the time integral value of the current value is the charge amount itself, and measuring this is directly measuring the reduced amount of the protonated benzoquinone derivative, and thereby the acidity can be calculated. .
[0065]
FIG. 23 is a graph showing the relationship between the charge amount and the acidity obtained by time integration of the current value shown in FIG. This conversion to acidity is executed by a detection unit and a calculation unit described later. Here, since the target charge amount is also a time integration of the current value, it is hardly affected by subtle changes in the initial conditions, and a stable converted acidity can be obtained. Thus, the acidity conversion method using the reaction charge amount is a method of measuring the acidity using the reduction reaction amount of the protonated benzoquinone derivative on the electrode surface, and the protonated benzoquinone derivative molecule that the charge amount itself required for the reduction. Since it has a proportional relationship with the number, a stable acidity can be obtained. If the decay state of the reduction current value when a pulsed or stepped constant potential is applied to an unknown acid sample is measured, a calibration curve as shown in FIG. The acidity of an unknown acid sample can be determined by applying to the above.
[0066]
Now, the operation of the apparatus when operating the acidity measuring apparatus according to the first embodiment will be described. After mixing fruit juice, which is a sample to be measured, with 5 mL of solvent in a 100 μL container 7 and further stirring, a measurement cover provided with a counter electrode 8, a working electrode 9, and a comparison electrode unit 10 is attached and set in an acidity measuring apparatus. Then, the upper lid 1 of the acidity measuring device is closed to make the measurement possible. Next, when the measurement is started by pressing the power button 6 and the start / stop button 5, the control unit 15 measures the potential of the working electrode 9 with reference to the potential of the electrode 11 of the comparison electrode unit 10, and the voltage between the working electrode 9 and the counter electrode 8 is measured. Is applied. At this time, the acidity of the fruit juice is calculated from the time change of the current flowing between the working electrode 9 and the counter electrode 8.
[0067]
Here, a control circuit for controlling the acidity measuring apparatus according to the first embodiment will be described. FIG. 24 is a control circuit diagram of the acidity measuring device according to one embodiment of the present invention. In FIG. 24, 5 ′ is a start / stop switch operated by a start / stop button 5, 6 ′ is a power ON / OFF switch that operates when the power button 6 is pressed, 15 is a control unit comprising a microcomputer, 16 Is an oscillator, 17 is a frequency divider, 18 is a timer, 19 is a D / A converter, 20 is an operational amplifier, 21 is a monitoring circuit, 22 is a resistor, 23 is an operational amplifier, 24 is an A / D converter, and 25 is a micro. Acidity calculation means comprising a computer or the like.
[0068]
When the power button 6 in FIG. 1 is pressed, the LCD 3 becomes operable. Next, when the start / stop button 5 is pressed, the control unit 15 generates a clock internally by the frequency dividing circuit 17 based on the signal generated by the oscillator 16, counts the clock, and the timer 18 starts timing. . In synchronization with the timer 18, the control unit 15 sends a digital signal representing applied voltage shaping data to the D / A converter 19. In the D / A converter 19, this digital signal is converted into a pulse-like or step-like analog signal as shown in FIG. 13 or 15, and this analog signal is input to the monitoring circuit 21. In the first embodiment, the D / A converter 19 is used. However, instead of this, a switching element such as a transistor is operated by a digital signal output from the control unit 15, and a pulsed or slap analog signal is obtained. It may be.
[0069]
In the monitoring circuit 21, the voltage of the counter electrode 8 on the output end side is controlled according to the analog signal so that the voltage of the electrode 11 of the comparison electrode unit 10 on the −input end side becomes the same as the analog signal. As a result, the potential difference between the electrode 11 and the working electrode 9 is in the range of a predetermined value +1000 mV to −1000 mV. On the other hand, the current flowing through the counter electrode 8 is converted into a voltage by passing the voltage across the resistor 22 through the differential amplifier 23, converted from an analog signal to a digital signal via the A / D converter 24, and further controlled. Input to the unit 15.
[0070]
Here, the control unit 15 detects a current value and its time change value with respect to a potential applied at a predetermined value. In the first embodiment, a coexisting electrolytic solution containing 3,5-di-tert-butyl-1,2-benzoquinone is used. In the control unit 15, as the characteristic value of the reduction current, the detection of the peak current value of the reduction current described above, the conversion of the reduction current into the time t-1 / 2 and the detection of the proportional coefficient from the slope, the charge The amount is calculated. In the acidity calculation means 25, calibration curve data indicating the relationship between the peak current value and the acidity, the proportionality coefficient and the acidity, and the charge amount and the acidity, in which a standard reagent whose acidity is known in advance, is stored. The peak current value detected by the control unit 15, the calculated proportionality coefficient, and the charge amount are sent to the acidity calculation means 25 to calculate the acidity, and the acidity calculation means 25 calculates the acidity based on the calibration curve. .
[0071]
As described above, the acidity measuring apparatus of the present embodiment is excellent in dissolved oxygen and light stability, is easy to handle, and can measure quickly and accurately with a circuit that is relatively simpler than a circuit for voltammetry.
[0072]
(Embodiment 2)
Next, an acidity measuring apparatus according to Embodiment 2 of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. The difference from Embodiment 1 is that it does not require a reference electrode. Therefore, FIGS. 1 and 2 and FIGS. 5 to 23 are the same in the second embodiment, and the detailed description will be left to the description in the first embodiment. In FIG. 3 showing the first embodiment, the comparison electrode unit 10 is provided, but in the second embodiment, this is not provided. The top lid 1, the open button 2, the LCD 3, the button 4, the start / stop button 5, the power button 6, the container 7, the counter electrode 8, the working electrode 9, the main body cover 14, etc. are all common to both, and will be described in the first embodiment. That's right.
[0073]
Now, a control circuit including a working electrode and a counter electrode, which are features of the acidity measuring apparatus according to Embodiment 2, and how this is controlled will be described with reference to FIG. FIG. 25 is a control circuit diagram of the acidity measuring apparatus according to the second embodiment of the present invention. In FIG. 25, 5 'is a start / stop switch operated by a start / stop button 5, 6' is a power ON-OFF switch that operates when the power button 6 is pressed, 15 is a control unit comprising a microcomputer, 16 Is an oscillator, 17 is a frequency divider, 18 is timer means, 19 is a D / A converter, 20 is an operational amplifier, 21 is a monitoring circuit, 22 is a resistor, 23 is an operational amplifier, 24 is an A / D converter, and 25 is It is acidity calculation means. The output from the D / A converter 19 and the voltage of the counter electrode 8 are input to the monitoring circuit 21.
[0074]
When the power button 6 in FIG. 1 is pressed, the LCD 3 becomes operable. Next, when the start / stop button 5 is pressed, the control unit 15 generates a clock internally by the frequency dividing circuit 17 based on the signal generated by the oscillator 16, counts the clock, and the timer 18 starts timing. . In synchronization with the timer 18, the control unit 15 sends a digital signal representing applied voltage shaping data to the D / A converter 19. In the D / A converter 19, this digital signal is converted into a pulsed or stepped analog signal as shown in FIG. 13 or 15, and this analog signal is output to the counter electrode 8 via the monitoring circuit 21. Since the counter electrode 8 and the monitoring circuit 21 are fed back, the potential difference between the counter electrode 8 and the working electrode 9 is thereby controlled to be within a predetermined value +1000 mV to −1000 mV. On the other hand, the current flowing through the counter electrode 8 is converted into a voltage by passing the voltage across the resistor 22 through the differential amplifier 23, and is converted from an analog signal to a digital signal via the A / D converter 24. Further, the control unit 15 is input.
[0075]
As in the first embodiment, the control unit 15 detects a current value and its time change value with respect to a potential applied at a predetermined value. In the second embodiment, a coexisting electrolytic solution containing 3,5-di-tert-butyl-1,2-benzoquinone is also used. In the control unit 15, as in the first embodiment, detection of the peak current value of the reduction current, conversion of the reduction current to the time t−1 / 2, detection of the proportional coefficient from the slope, and calculation of the charge amount are performed. Do. The acidity calculation means 25 stores calibration curve data indicating the relationship between the peak current value and the acidity, the proportionality coefficient and the acidity, and the charge amount and the acidity. The peak current value detected by the control unit 15, the calculated proportionality coefficient, and the charge amount are sent to the acidity calculation means 25 to calculate the acidity, and the acidity calculation means 25 calculates the acidity.
[0076]
The acidity measuring apparatus according to the second embodiment is inexpensive and easy to handle because it does not use a reference electrode section, and can measure quickly and with high accuracy with a simpler circuit than that of the first embodiment.
[0077]
(Embodiment 3)
The third embodiment is the case of serum that requires pretreatment of the sample to be measured. In the third embodiment, an enzyme reaction container in which an enzyme is placed in advance is prepared separately, and serum is introduced into the enzyme reaction container to decompose lipid components in the serum to generate free fatty acids and measurement. To do.
[0078]
When serum is introduced into the enzyme reaction vessel, the lipid component in the introduced serum is decomposed by the internal enzyme to generate free fatty acids. For example, when the lipid component is neutral fat, when lipoprotein lipase is allowed to act as an enzyme, it hydrolyzes to produce glycerol and free fatty acids. When the lipid component is cholesterol (cholesterol fatty acid ester), when cholesterol esterase acts as an enzyme, it hydrolyzes to produce free cholesterol and free fatty acid. In the case of phospholipids, when phospholipase A is allowed to act, fatty acids and defatty acid phospholipids are obtained.
[0079]
Then, serum containing free fatty acids generated by the enzyme is directly transferred from the enzyme reaction vessel to the measuring vessel described in the first or second embodiment as a sample to be measured, and the amount of the free fatty acid is measured by these acidity measuring devices. . Next, from this value, the amount of lipid component in the serum before causing the enzyme reaction is converted and measured. The apparatus other than the enzyme reaction vessel is as described in the first or second embodiment. In the third embodiment, an arithmetic function for converting the amount of free fatty acid into a lipid component in serum is given to the acidity calculating means. However, lipid conversion means having a function of converting to this lipid component may be provided separately from the acidity calculation means.
[0080]
In this way, the serum in which free fatty acids are generated by the action of an enzyme is used as a sample to be measured, and is directly transferred from the enzyme reaction container to the measurement container of Embodiment 1 or 2, and the free fatty acids are measured with these acidity measuring devices. Then, the amount of the original lipid component in the serum is converted from the value and measured. Regarding the apparatus other than the enzyme reaction vessel, the description will be given to the first or second embodiment and omitted here. A calculation function for converting a lipid component in serum from the amount of free fatty acid may be incorporated in the acidity calculation means.
[0081]
【The invention's effect】
The acidity measuring apparatus of the present invention is easy to handle by measuring the time change of the reduction current flowing when the protonated benzoquinone derivative is reduced on the electrode surface by applying a pulsed or stepped constant voltage. It is an object of the present invention to provide an acidity measuring apparatus that can measure water simply, quickly and with high accuracy.
[0082]
A further object of the acidity measuring method of the present invention is to provide an acidity measuring method capable of measuring acidity simply, quickly and with high accuracy.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic external view of an acidity measuring apparatus according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a schematic external view of the acidity measuring device according to an embodiment of the present invention with an upper lid opened.
FIG. 3 is a view showing a measurement container of the acidity measurement device according to one embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a detailed view of a reference electrode portion of the acidity measuring device according to one embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a reaction scheme when an orthobenzoquinone derivative is reduced without addition of a free acid.
FIG. 6 is a reaction scheme when a free acid is added to an orthobenzoquinone derivative for reduction.
FIG. 7 is a current-potential relationship diagram of acidity measurement by voltammetry of a measurement electrolyte solution in which an orthobenzoquinone derivative and an acid coexist.
FIG. 8 is a current-potential relationship diagram of acidity measurement by voltammetry of a measurement electrolyte solution in which a parabenzoquinone derivative and an acid coexist.
FIG. 9 shows a structure of an orthobenzoquinone derivative.
FIG. 10 shows a structure of a parabenzoquinone derivative.
FIG. 11 shows the structure of 3,5-di-tert-butyl-1,2-benzoquinone
FIG. 12 shows the structure of 2,6-dimethyl-1,4-benzoquinone
FIG. 13 is a time-voltage relationship diagram when a pulsed constant voltage is applied to a measurement electrolyte in which an orthobenzoquinone derivative coexists.
FIG. 14 is a time-current relationship diagram of a measured electrolyte in which an orthobenzoquinone derivative coexists when a pulsed constant voltage is applied.
FIG. 15 is a time-voltage relationship diagram when a stepped constant voltage is applied to a measurement electrolyte in which an orthobenzoquinone derivative coexists.
FIG. 16 is a time-current relationship diagram when a stepped constant voltage is applied to a measurement electrolyte in which an orthobenzoquinone derivative coexists.
FIG. 17 is a detailed explanatory diagram of a time-current relationship diagram when a pulsed or stepped constant voltage is applied to a measurement electrolyte in which an orthobenzoquinone derivative coexists.
FIG. 18 is a configuration diagram of an electric double layer on the surface of the working electrode.
FIG. 19 is a relationship diagram of acidity and peak current value of the acidity measuring apparatus according to one embodiment of the present invention.
FIG. 20 is a graph showing the relationship between the reduction current and time of each sample with acidity 1, 3, and 5 in the acidity measurement apparatus according to one embodiment of the present invention.
FIG. 21 is a diagram in which the time axis of FIG. 20 is converted to time −1/2.
FIG. 22 is a graph showing the relationship between slope and acidity in the reduction current-time-1 / 2 power conversion of samples of acidity 1, 3, and 5 in the acidity measurement apparatus according to one embodiment of the present invention.
23 is a graph showing the relationship between the charge amount and the acidity obtained by time integration of the current value shown in FIG.
FIG. 24 is a control circuit diagram of the acidity measuring device according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 25 is a control circuit diagram of the acidity measuring apparatus according to the second embodiment of the present invention.
FIG. 26 is a current-potential relationship diagram of acidity measurement by voltammetry of a measurement electrolyte containing a conventional naphthoquinone derivative and an acid.
[Explanation of symbols]
1 Upper lid
2 Release button
3 Acid value display window
5 Start / Stop button
5 'start / stop switch
6 Power ON / OFF button
6 'Power ON-OFF switch
7 Measuring electrolyte
8 Counter electrode
9 Working electrode
10 Reference electrode
11 electrodes
12 Internal liquid
13 Liquid junction
14 Body
15 Control unit
16 transducers
17 Frequency divider
18 timer
19 D / A converter
20 operational amplifier
21 Monitoring circuit
22 resistors
23 Differential amplifier
24 A / D converter
25 Acidity calculation means

Claims

A container containing a coexisting electrolyte mixed with an orthobenzoquinone derivative or parabenzoquinone derivative, an organic solvent, an electrolyte and an acid-containing sample to be measured, and a working electrode provided in the container and immersed in the coexisting electrolyte compared with a counter electrode An electrode unit, a control unit that applies a predetermined pulse-like potential or step-like potential to the potential of the comparison electrode between the working electrode and the counter electrode, and a reduction flowing between the working electrode and the counter electrode caused by the acid An acidity measurement apparatus comprising: a detection unit that detects a change in current with time; and a calculation unit that calculates acidity based on the detected change in time of reduction current.

A container containing a coexisting electrolyte mixed with an orthobenzoquinone derivative or parabenzoquinone derivative, an organic solvent, an electrolyte and an acid-containing sample to be measured, and a working electrode provided in the container and immersed in the coexisting electrolyte compared with a counter electrode Time variation of reduction current flowing between the working electrode and the counter electrode caused by the acid, an electrode unit, a control unit for applying a predetermined stepped potential with respect to the potential of the comparison electrode between the working electrode and the counter electrode An acidity measuring apparatus comprising: a detecting unit that detects the acidity; and an arithmetic unit that calculates the acidity based on the detected temporal change of the reduction current.

A container containing a coexisting electrolyte mixed with an orthobenzoquinone derivative or a parabenzoquinone derivative, an organic solvent, an electrolyte and an acid-containing sample to be measured; a working electrode provided in the container and immersed in the coexisting electrolyte; and a counter electrode; A control unit that applies a predetermined pulse-like potential or step-like potential between the working electrode and the counter electrode, a detection unit that detects a time change of a reduction current flowing between the working electrode and the counter electrode caused by the acid, and a detection An acidity measuring apparatus comprising: an arithmetic unit that calculates acidity based on a temporal change of the reduction current.

A container containing a coexisting electrolyte mixed with an orthobenzoquinone derivative or a parabenzoquinone derivative, an organic solvent, an electrolyte and an acid-containing sample to be measured; a working electrode provided in the container and immersed in the coexisting electrolyte; and a counter electrode; A control unit that applies a predetermined stepped potential between the working electrode and the counter electrode, a detection unit that detects a temporal change in the reduction current flowing between the working electrode and the counter electrode caused by the acid, and a detected reduction current An acidity measuring apparatus comprising an arithmetic unit for calculating acidity based on a change over time.

The detection unit detects a peak current value based on a temporal change in the reduction current value while the pulsed potential or the stepped potential is applied, and the calculation unit calculates the acidity based on the peak current value. The acidity measuring device according to claim 1 or 3, characterized in that

The detection unit detects a current value after a certain time from the start of application based on the change over time of the reduction current value while the stepped potential is applied , and the calculation unit detects a current value after a certain time from the start of application. The acidity measuring apparatus according to claim 2 or 4, wherein the acidity is calculated based on the formula.

The detection unit detects the time change of the decay that occurs after the current peak is formed based on the time change of the reduction current value while the pulse-like potential or the step-like potential is applied, and the calculation unit The acidity measuring device according to claim 1 or 3, wherein the acidity is calculated from a proportional coefficient between the time change and the time change of the reference attenuation.

The detection unit detects the amount of charge by performing time integration of the reduction current value based on the time change of the reduction current value while the pulse-like potential or the step-like potential is applied, and the calculation unit detects the charge amount. The acidity measuring apparatus according to claim 1, wherein the acidity is calculated from the acidity.

9. The acidity measuring apparatus according to claim 5, wherein a stepped potential is applied instead of the pulsed potential or the stepped potential.

An orthobenzoquinone derivative or parabenzoquinone derivative, an organic solvent, and an electrolyte are mixed with an acid-containing sample to be measured to form a coexisting electrolyte, and the working electrode, the counter electrode, and the reference electrode are immersed in the coexisting electrolyte, A predetermined pulsed potential or stepped potential is applied between the working electrode and the counter electrode with respect to the potential, and at this time, the acidity is calculated by detecting the time change of the reduction current flowing between the working electrode and the counter electrode. The acidity measuring method characterized by the above-mentioned.

An orthobenzoquinone derivative or parabenzoquinone derivative, an organic solvent, and an electrolyte are mixed with an acid-containing sample to be measured to form a coexisting electrolyte, and the working electrode, the counter electrode, and the reference electrode are immersed in the coexisting electrolyte, Applying a predetermined step-like potential to the potential between the working electrode and the counter electrode, and calculating the acidity by detecting the time change of the reduction current flowing between the working electrode and the counter electrode. To measure acidity.