JP4207206B2 - 光ネットワーク、光ネットワークにおける光パス選択方法および光ネットワークにおける光エッジルータ - Google Patents

光ネットワーク、光ネットワークにおける光パス選択方法および光ネットワークにおける光エッジルータ Download PDF

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Description

本発明は、MPLS(Multi-Protocol Label Switching)ネットワークを収容した複数の光エッジルータを備え、前記複数の光エッジルータが複数の光クロスコネクトを介して相互に接続された光ネットワーク、その光ネットワークにおける光パス選択方法および光ネットワークにおける光エッジルータに関する。
近年、光ファイバ網の急速な普及とともに、光ファイバ網をバックボーンネットワークとした企業向けのIP−VPN(Internet Protocol - Virtual Private Network)や広域LAN(Wide Area LAN)サービスの需要が急増してきている。IP−VPNや広域LANは、複数の従来型のIP(Internet Protocol)ネットワークが光ファイバ網を介して結合された形態となっている。
従来、光ファイバ網で構成された光ネットワークにおいて使用されてきたTDM(Time Division Multiplexing)装置やWDM(Wavelength Division Multiplexing)装置は、IPネットワークとは全く別の管理システムによって管理されていた。そのため、IPネットワークと光ネットワークとが混在した中でルーティングをしたり、パスの確立を行ったりする場合には、その境界部分においてどうしても余分な制御手順が必要とならざるを得なかった。
そこで、そのような余分な制御手順を低減することを狙って、光ファイバ網をIPネットワーク化する光IP技術の開発が進められている。例えば、国際的な標準化団体であるIETF(Internet Engineering Task Force)は、以前から、IPレイヤで動作するシグナリングプロトコルによりTDM/WDMチャネルの光パスを確立する技術を検討してきた。そして、その検討した成果を標準化するべきものとして、光IPネットワークにおけるシグナリングおよびルーティングプロトコルに関する技術GMPLS(Generalized Multi-Protocol Label Switching)としてまとめ上げ、公開している(非特許文献1参照)。
ところで、現在、IP−VPNや広域LANを実現するキー技術として、MPLS(Multi-Protocol Label Switching)技術が用いられている。MPLS技術については、非特許文献2に詳しく記載されている。MPLS技術が適用されたMPLSネットワークでは、ネットワーク内を転送されるパケットに次の転送先を識別するラベルが付加されており、その結果、転送されるパケットには、目的の転送先までのパスを指定することができる。そして、GMPLSは、MPLSを光IPネットワークに適用できるように拡張した技術である。
Eric Mannie (Editor), "Generalized Multi-Protocol Label Switching Architecture" (IETF Internet Draft), [online], May 2003, IETF,[平成16年2月20日検索]、インターネット<URL:http://www.ietf.org/internet-drafts/draft-ietf-ccamp-gmpls-architecture-07.txt> E. Rosen, 他3名, "Multiprotocol Label Switching Architecture" (RFC3031), [online], Jan. 2001, IETF, [平成16年2月20日検索]、インターネット<URL:http://www.ietf.org/rfc/rfc3031.txt>
しかしながら、以上の従来技術には、下記の2つの問題点がある。第1に、MPLSネットワークを光ネットワークに収容した場合、トラフィック量の増減に応じて、または、事前の契約によって、光ネットワークにおける光パスを変更したり、光パスの帯域を変更したりする場合には、新たな光パス中にラベルを割り当てなおす必要がある。そのとき、一時的にではあるが、通信が中断してしまう。企業向けの通信サービスでは、たとえ一時的であるとしても、通信の中断は許容されない。
第2に、光ネットワーク部分でMPLSラベルを割り当てなおす場合には、MPLSラベルとIPプレフィックスとの対応関係も変化するので、その変化は、MPLSネットワーク側にも影響を及ぼす。従って、頻繁に光パスを変更するような場合には、MPLSラベルの再割り当てが頻繁に行われることになり、それを行うためのMPLS制御メッセージが大量にネットワーク内を飛び交うことになる。その結果、ネットワーク全体の処理負荷が増大し、ネットワークの実効的な性能が低下する。
本発明の課題は、これらの従来技術の問題を解決することにある。すなわち、本発明の課題は、光ネットワークにおいて光パスの変更や帯域変更を実施しても、MPLSネットワークに通信中断や処理負荷の増大を引き起こすことがなく、MPLSネットワークを安定に稼働させたまま、光パスの変更等の制御を柔軟に行うことができるような光ネットネットワークを提供することにある。
前記の課題を解決するために、請求項1に記載の光ネットワークは、MPLSネットワークを収容した複数の光エッジルータを備え、前記複数の光エッジルータが複数の光クロスコネクトを介して相互に接続され、複数の光エッジルータ相互間の光パスをGMPLSに基づき制御する光ネットワークであって、前記複数の光エッジルータのうち、少なくとも1の光エッジルータが、収容したMPLSネットワークにおいてIPプレフィックス情報を含んだMPLSラベル情報を収集するラベル収集手段と、前記収集したIPプレフィックス情報を含んだMPLSラベル情報を、光ネットワークを構成する他の少なくとも1の光エッジルータへ配布するラベル配布手段とを備え、また、IPプレフィックス情報を含んだMPLSラベル情報を配布された他の少なくとも1の光エッジルータが、配布されたMPLSラベル情報に対応する光パス選択するためのMPLS転送テーブルを生成するMPLS転送テーブル生成手段と、そのMPLS転送テーブルに基づき光パスを選択する光パス選択手段とを備える構成とした。
請求項1に記載の光ネットワークにおいて、少なくとも1の光エッジルータは、まず、ラベル収集手段によってその光エッジルータが収容しているMPLSネットワークにおいてIPプレフィックス情報を含んだMPLSラベル情報を収集する。そして、ラベル配布手段によって収集されたMPLSラベル情報を光ネットワークの他の光エッジルータに配布する。次に、そのMPLSラベル情報の配布を受けた他の光エッジルータは、MPLS転送テーブル生成手段によって、そのMPLSラベル情報に対応する光ネットワーク内の光パスを選択するためのMPLS転送テーブルを生成する。その結果、他の光エッジルータは、光パス選択手段がこのMPLS転送テーブルを参照するだけで、MPLSラベル情報を配布した元の光エッジルータに収容されたネットワークのMPLSラベル情報(IPプレフィックスを含む)に対する光ネットワーク内の光パスを選択することができる。
従って、MPLSラベル情報の配布を受けた光エッジルータに収容されたMPLSネットワーク側から、MPLSラベル情報を配布した光エッジルータに収容されたMPLSを見た場合には、光ネットワークのトポロジが隠蔽され、入り側と出側の光エッジルータのみが見えるようになる。すなわち、光ネットワークにおける光パスの経路変更や光パスの切り替えは、光エッジルータでMPLS転送テーブルを変更することにより実現できるようになる。そのため、光ネットワークにおけるMPLSラベルの再割り当てが不要となり、トラフィック量増減に伴う光パスの帯域変更等を行っても、通信中断は発生しない。また、MPLSラベル再割り当てに伴うMPLS制御メッセージの処理負荷増大も回避される。
また、請求項2に記載の光ネットワークは、請求項1に記載の光ネットワークにおけるラベル配布手段が、MPLSラベルおよびIPプレフィックスを配布可能にした拡張BGP(Border Gateway Protocol: RFC3107により規定)を処理する拡張BGP処理手段を含む構成とした。
請求項2に記載の光ネットワークにおいては、ラベル配布手段として用いるプロトコルとして、光エッジルータ間でIPプレフィックス情報を含んだMPLSラベルを運べるように拡張したBGPを採用した。BGPは、IP/MPLSネットワークで一般的に利用されている標準的なプロトコルであるので、新しいプロトコルの開発コストを節約することができる。
また、請求項3に記載の光ネットワークにおける光パスの選択方法は、MPLSネットワークを収容した複数の光エッジルータを備え、前記複数の光エッジルータが複数の光クロスコネクトを介して相互に接続され、複数の光エッジルータ相互間の光パスをGMPLSに基づき制御する光ネットワークにおける光パスの選択方法であって、前記複数の光エッジルータのうち、少なくとも1の光エッジルータが、収容したMPLSネットワークにおいてIPプレフィックス情報を含んだMPLSラベル情報を収集するラベル収集ステップと、その光エッジルータが、収集したIPプレフィックス情報を含んだMPLSラベル情報を、光ネットワークを構成する他の少なくとも1光エッジルータへ配布するラベル配布ステップと、IPプレフィックス情報を含んだMPLSラベル情報の配布を受けた他の少なくとも1の光エッジルータが、その配布されたIPプレフィックス情報を含んだMPLSラベル情報に対応する光パス選択するためのMPLS転送テーブルを生成するMPLS転送テーブル生成ステップと、生成されたMPLS転送テーブルに基づき光パスを選択する光パス選択ステップとを備えるものとした。
請求項3に記載の光ネットワークにおける光パスの選択方法において、少なくとも1の光エッジルータは、まず、その光エッジルータが収容しているMPLSネットワークにおいてIPプレフィックス情報を含んだMPLSラベル情報を収集する(ラベル収集ステップ)。そして、その収集されたMPLSラベル情報を光ネットワークの他の少なくとも1の光エッジルータに配布する(ラベル配布ステップ)。次に、そのMPLSラベル情報の配布を受けた他の光エッジルータは、そのMPLSラベル情報に対応する光ネットワーク内の光パスを選択するためのMPLS転送テーブルを生成する(MPLS転送テーブル生成ステップ)。そして、その光エッジルータは、MPLSラベル情報を配布した元の光エッジルータに収容されたネットワークのラベル情報(IPプレフィックスを含む)に対して、生成したMPLS転送テーブルに基づき光ネットワーク内の光パスを選択することができる。
従って、MPLSラベル情報の配布を受けた光エッジルータに収容されたMPLSネットワーク側から、MPLSラベル情報を配布した光エッジルータに収容されたMPLSを見た場合には、光ネットワークのトポロジが隠蔽され、入り側と出側の光エッジルータのみが見えるようになる。すなわち、光ネットワークにおける光パスの経路変更や光パスの切り替えは、光エッジルータでMPLS転送テーブルを変更することにより実現できるようになる。そのため、光ネットワークにおけるMPLSラベルの再割り当てが不要となり、トラフィック量増減に伴う光パスの帯域変更等を行っても、通信中断は発生しない。また、MPLSラベル再割り当てに伴うMPLS制御メッセージの処理負荷増大も回避される。
請求項4に記載の光ネットワークにおける光パスの選択方法は、請求項3に記載の光ネットワークにおける光パスの選択方法におけるラベル配布ステップが、MPLSラベルおよびIPプレフィックスを配布可能にした拡張BGPを処理する拡張BGP処理ステップを含ものとした。
請求項4に記載の光ネットワークにおける光パスの選択方法においては、ラベル配布手段として用いるプロトコルとして、光エッジルータ間でIPプレフィックス情報を含んだMPLSラベル運べるように拡張したBGPを採用した。BGPは、IP/MPLSネットワークで一般的に利用されている標準的なプロトコルであるので、新しいプロトコルの開発コストを節約することができる。
また、請求項5に記載の光ネットワークにおける光エッジルータは、MPLSネットワークを収容した複数の光エッジルータを備え、前記複数の光エッジルータが複数の光クロスコネクトを介して相互に接続され、前記複数の光エッジルータ相互間の光パスをGMPLSに基づき制御する光ネットワークにおける光エッジルータであって、その収容したMPLSネットワークにおいてIPプレフィックス情報を含んだMPLSラベル情報を収集するラベル収集手段と、その収集したIPプレフィックス情報を含んだMPLSラベル情報を、前記光ネットワークを構成する他の光エッジルータへ配布するラベル配布手段と、前記光ネットワークを構成する他の光エッジルータから配布されたIPプレフィックス情報を含んだMPLSラベル情報に対応する光パス選択するためのMPLS転送テーブルを生成するMPLS転送テーブル生成手段と、そのMPLS転送テーブルに基づき光パスを選択する光パス選択手段とを備える構成とした。
請求項5に記載の光ネットワークにおける光エッジルータは、請求項1に記載の光ネットワークにおいて、IPプレフィックス情報を含んだMPLSラベル情報を配布する側の光エッジルータの構成手段と、配布を受ける側の光エッジルータの構成手段手段とを同時に備える光エッジルータである。対向する光エッジルータをこのようなエッジルータで構成にすることによって、両者の光エッジルータに収容されたMPLSネットワーク間で光ネットワークが全く隠蔽されてしまうことになる。そのため、光ネットワークにおけるMPLSラベルの再割り当てが不要となり、トラフィック量増減に伴う光パスの帯域変更等を行っても、通信中断は発生しない。また、MPLSラベル再割り当てに伴うMPLS制御メッセージの処理負荷増大も回避される。
また、請求項6に記載の光ネットワークにおける光エッジルータは、請求項5に記載の光ネットワークにおける光エッジルータにおけるラベル配布手段が、MPLSラベルおよびIPプレフィックスを配布可能にした拡張BGPを処理する拡張BGP処理手段を含む構成とした。
請求項6に記載の光ネットワークにおける光エッジルータにおいては、ラベル配布手段として用いるプロトコルとして、光エッジルータ間でIPプレフィックス情報を含んだMPLSラベルを運べるように拡張したBGPを採用した。BGPは、IP/MPLSネットワークで一般的に利用されている標準的なプロトコルであるので、新しいプロトコルの開発コストを節約することができる。
以上、請求項1、請求項3および請求項5の発明によれば、光ネットワークは、その光エッジルータが収容したMPLSネットワークにおけるMPLSラベル割り当てから隠蔽されてしまう。従って、光ネットワークにおいては、MPLSネットワークにおけるMPLSラベル割り当てに関わることなく、トラフィック量等に応じた光パスの制御や波長や光ファイバのリソース割り当て等の制御を柔軟に行うことができるようになる。その結果、収容されたMPLSネットワークに対して、通信中断や制御メッセージの増大などの影響を与えることなく、光パスの変更や帯域変更等が実施可能な光ネットワーク、光パスの選択方法および光エッジルータを提供することができる。すなわち、光ネットワークにおいて光パスの変更や帯域変更等を行っても、収容したMPLSネットワークでは、通信の中断が起きることもなく、また、不要なメッセージが飛び交うこともない。これによって、光ネットワークおよびMPLSネットワークの効率的な利用を図ることができ、その通信能力あたりのコストの低減を図ることができる。
また、請求項2、請求項4および請求項6の発明によれば、請求項1、請求項3および請求項5の発明の光ネットワーク、光パスの選択方法および光エッジルータを開発するときの開発コストを節約することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳しく説明する。
<光ネットワークの構成>
図1は、本発明の実施形態に係る光ネットワークの構成を示す図である。図1において、光ネットワーク1は、光エッジルータ3a,3b,3cと、光クロスコネクト4a,4b,4cとを備え、それらが光ファイバケーブルによって接続された構成をしている。また、光エッジルータ3a,3b,3cには、光ネットワーク1とは別のネットワークとしてMPLSネットワーク2a,2b,2cが収容されている。なお、図1では光エッジルータの数、光クロスコネクトの数およびMPLSネットワークの数を3としているが、これらはいずれも2以上であればよく、3に限定されるものではない。
なお、本発明の明細書および特許請求の範囲において「ルータがネットワークを収容する」とは、ルータがそのネットワークを下位に含む形で、そのネットワークに接続されていることをいう。
また、MPLSネットワーク2aは、光エッジルータ3aに接続された1以上のMPLSルータ7と、MPLSルータ7に接続された1以上のサブネット9とを含む構成をしている。また、図示していないが、MPLSネットワーク2b,2cも同様の構成である。なお、MPLSネットワークとは、特許文献2に記載されているMPLS技術を適用したネットワークをいい、MPLSネットワーク内で転送されるパケットには、IPアドレスの他に転送先を識別するためのラベルが付加されるという特徴がある。
図1において、3つのMPLSネットワーク2a,2b,2cは、所在する場所が異なっており、それぞれがサイトA、サイトBおよびサイトCに所在するものとする。そして、これら3つのMPLSネットワーク2a,2b,2cは、光エッジルータ3a,3b,3cおよび光ネットワーク1を介して統合されたMPLSネットワーク2を構成しているものとする。このようなMPLSネットワークの構成は、IP−VPNや広域LANの構成においてしばしば採られている構成である。
以上のように構成された全体のネットワークの中で、光ネットワーク1では、光パス制御プロトコルとして、GMPLS(非特許文献1参照)が規定するプロトコルを利用する。そのGPMSのプロトコルによって、光エッジルータ3a,3b,3cは、光クロスコネクト4a,4b,4cを介して相互をつなぐ光パス5a,5b,5cを確立することができる。そして、その確立された光パス5a,5b,5cにより、光エッジルータ3a,3b,3cは、MPLSネットワーク2a,2b,2c相互間におけるMPLSラベルおよびIPプレフィックス情報を交換するためのBGP(Border Gateway Protocol)ピア6a,6b,6cを確立することができる。
一方、各MPLSネットワーク2a,2b,2c内では、MPLSが規定するプロトコルを用いてパケットの転送が行われる。また、MPLSネットワーク2a,2b,2c相互間においてもパケットの転送が行われるが、この場合には、光エッジルータ3a,3b,3cおよび光ネットワーク1に確立された光パス5a,5b,5cを経由する。
光エッジルータ3aは、収容しているMPLSネットワーク2a内において、隣接するMPLSルータ7との間でLDPピア8を確立し、MPLSラベルとそれに関連付けられたIPプレフィックス情報を取得する。このようにして取得されたMPLSラベルとIPプレフィックス情報は、BGPピア6a,6cを介して対向する光エッジルータ3b,3cへ配布される。なお、LDPピア8を確立するときに使用するラベル割り当てプロトコルとしては、MPLSネットワークで一般的に使用されているLDP(Label Distribution Protocol: RFC3036参照)を利用する。
<光エッジルータの構成と機能>
以下に、光エッジルータの構成と機能について説明する。
(光エッジルータの構成)
図2は、本発明の実施形態に係る光エッジルータの構成を示す図である。図2において、光エッジルータ3は、MPLSラベルの設定や光パスの制御を行うプロトコル処理部31と、MPLSパケットを転送する転送処理部32とを含んで構成される。このうち、プロトコル処理部31は、GMPLSプロトコル処理部33と、MPLSラベル処理部34とを含んで構成される。
また、GMPLSプロトコル処理部33は、光ネットワークトポロジDB(Data Base)313と、OSPF−TE(Open Shortest Path First - Traffic Engineering)処理部314と、RSVP−TE(Resource Reservation Protocol - Traffic Engineering)処理部315とを含んで構成される。また、MPLSラベル処理部34は、MPLSシグナリングプロトコル処理部311と、MPLSラベルテーブル312と、拡張BGP処理部316と、MPLS転送テーブル生成処理部317とを含んで構成される。また、転送処理部32は、MPLS転送処理部321a,321bと、MPLS転送テーブル322と、MPLSスイッチ323とを含んで構成される。
次に、光エッジルータ3を構成する各ブロックの機能について説明する。
(プロトコル処理部の機能)
図2において、プロトコル処理部31を構成するGMPLSプロトコル処理部33は、主として、光パスの確立・解放等の制御を行う。その中で、OSPF−TE処理部314は、GMPLSで用いられるOSPF−TEプロトコルを動作させ、光ネットワーク1内の光パス5のトポロジ情報を収集し、収集したトポロジ情報を光ネットワークトポロジDB313に記憶する。一方、RSVP−TE処理部315は、GMPLSで光パスの確立・解放を行うRSVP−TEプロトコルを動作させる。
ここで、光パスは、一般的には波長または光ファイバ単位で設定される光信号の経路であるが、本発明においてはTDM(SONET/SDH(Synchronous Optical Network/ Synchronous Digital Hierarchy))チャネル等も含んでいる。前記のGMPLSプロトコルでは、波長、光ファイバ、TDMチャネルを同等に扱うことができる。
また、MPLSラベル処理部34は、主として、MPLSラベルの収集および処理を行う。このうち、MPLSシグナリングプロトコル処理部311は、例えば、当該光エッジルータ3aに収容されたMPLSネットワーク2aにおいて、隣接するMPLSルータ7との間でMPLSシグナリングプロトコルであるLDPを動作させる。そして、図1のLDPピア8を確立することによって、MPLSネットワーク2aのMPLSラベルおよびIPプレフィックス情報を収集する。さらに、他サイトのMPLSネットワーク2b,2cのMPLSラベルおよびIPプレフィックス情報をMPLSネットワーク2aへ通知する。ここで収集されたMPLSネットワーク2aのMPLSラベルおよびIPプレフィックス情報は、MPLSラベルテーブル312に記憶される。
また、MPLSラベル処理部34における拡張BGP処理部316は、例えば、当該光エッジルータ3aに対向する他の光エッジルータ3b,3cとの間で拡張BGPプロトコル(RFC3107)を動作させ、MPLSラベルおよびIPプレフィックス情報の交換を行い、それらの情報を収集する。収集されたMPLSラベルおよびIPプレフィックス情報は、MPLSラベルテーブル312に記憶される。
また、MPLSラベル処理部34におけるMPLS転送テーブル生成処理部317は、MPLSラベルテーブル312内の個々のMPLSラベルに対応する光パスを光ネットワークトポロジDB313から選択し、そのトポロジの情報に基づきMPLS転送テーブル322のデータを生成する。このMPLS転送テーブル322は、MPLSパケット転送時に転送処理部32のハードウェアが参照することが可能な形にされている。
(転送処理部の機能)
転送処理部32においてMPLS転送処理部321a,321bは、それぞれMPLSネットワーク2および光ネットワーク1に対してMPLSパケットの送受信および出力回線を選択する処理を行う。また、MPLS転送テーブル322は、出力回線を選択する際にMPLS転送処理部321a,321bが参照するデータを記憶する。さらに、MPLSスイッチ323は、出力するMPLSパケットを出力回線へ出力するためのスイッチング手段であり、MPLS転送処理部321a,321bにより制御される。
(請求項で用いた用語との対応付け)
請求項でいうラベル収集手段は、図2のMPLSシグナリングプロトコル処理部311とMPLSラベルテーブル312とに対応し、ラベル配布手段は、拡張BGP処理部316とMPLSラベルテーブル312とに対応し、MPLS転送テーブル生成手段は、MPLS転送テーブル生成処理部317に対応し、光パス選択手段は、MPLS転送テーブル322とMPLSスイッチ323とに対応する。
<MPLSラベルの収集と配布の手順>
次に、以上に説明した光エッジルータ、例えば、光エッジルータ(ER−A)3aが収集したMPLSラベルを、光ネットワーク1を介して対向する他の光エッジルータ、例えば、光エッジルータ(ER−B)3bへ配布する手順について説明する。
(MPLSラベルテーブルの構成)
図3は、本発明の実施形態に係るMPLSラベルテーブルの構成を示した図である。図3において、MPLSラベルテーブル312は、「入力ラベル」、「出力ラベル」、「次ホップ(Next Hop)」および「IPプレフィックス」の項目欄を含んで構成される。ここで、次ホップ欄には、出力ラベルに対応する次ホップのIPアドレスが、また、IPプレフィックス欄には、当該入力ラベルおよび当該出力ラベルに対応付けられたIPプレフィックス情報が記憶される。ここで、IPプレフィックス情報とは、入力ラベルおよび出力ラベルに対応付けられたMPLSパケットの転送先のIPアドレスである。
本実施形態においては、MPLSラベルテーブル312を構成する情報は、LDPを動作させることによって収集される。例えば、図1の光エッジルータ(ER−A)3aは、自ノードが持つIPプレフィックス情報に対して、自ノードへの入力ラベルを割り当て、LDPプロトコルによって、入力ラベルとIPプレフィックスとの対の情報をMPLSネットワーク2内の隣接ルータ(例えば、図1のMPLSルータ7)へ通知する。すると、その隣接ルータ(MPLSルータ7)から見ると、通知された入力ラベルは、出力ラベルとなるため、出力ラベルの欄にラベル値を、IPプレフィックス欄に通知されたIPプレフィックス値を記録するとともに、LDPの通知元のアドレスを次ホップ欄に記録する。
(MPLSラベルの配布シーケンス)
図4は、本発明の実施形態において、光エッジルータがMPLSラベルテーブルを収集して他の光エッジルータへ配布するシーケンスを示した図である。ここで、図4では、例として、光エッジルータ(ER−A)3aが光エッジルータ(ER−B)3bとの間に光パスを確立させ、MPLSルータ7からLDPによって光エッジルータ(ER−A)3aへ配布されたMPLSラベルを、光ネットワーク1を経由して光エッジルータ(ER−B)3bにまで配布するシーケンスを示している。
図4において、まず、光ネットワーク1の光エッジルータ(ER−A)と光エッジルータ(ER−B)3bとの間に光パス5aを確立する。この場合、光パス5aの確立を開始するトリガは手動で与えられるか、または、LDPなどによりMPLSネットワーク2aからMPLSラベル情報の配布を受けたことをトリガにしてもよい。
光エッジルータ(ER−A)3aは、光パス5aの確立を開始すると、まず、GMPLSの光パス確立プロトコルであるRSVP−TEのPathメッセージを光エッジルータ(ER−B)3bへ向けて送信する(ステップS1)。光ネットワーク1内の途中に介在する光クロスコネクト4a,4bは、順次Pathメッセージを受信し、次のホップへと転送していき、最終的に光エッジルータ(ER−B)3bがPathメッセージを受信する。
次に、光エッジルータ(ER−B)3bは、光エッジルータ(ER−A)3aに向けて光パスの確立を確定させるResvメッセージを返送する(ステップS2)。このResvメッセージを受信したノードは、波長や光ファイバ等を割り当て、光パスを確立させる。このパス確立シーケンスの手順は、GMPLSに準拠したものである。
次に、MPLSルータ7は、MPLSルータ7自身が持つサブネット9のIPプレフィックス情報#Aを、MPLSラベルxとともに、LDPを用いて光エッジルータ(ER−A)3aに配布する(ステップS3)。この配布を受けた光エッジルータ(ER−A)3aは、MPLSラベルテーブル312の出力ラベル欄にxを、IPプレフィックス欄に#Aを、次ホップ欄にMPLSルータ7のIPアドレスを記録する。また、光エッジルータ(ER−A)3aはIPプレフィックス#Aに対応する入力ラベルとしてyを選択し、MPLSラベルテーブル312の入力ラベル欄に記録する。
次に、光エッジルータ(ER−A)3aは、先に光ネットワーク内に確立しておいた光エッジルータ(ER−B)3bとの間の光パス5a、すなわち、BGPピア6aを通じて、MPLSラベルyと、それに対応するIPプレフィックス#Aを、光エッジルータ(ER−B)3bに配布する(ステップS4)。光エッジルータ(ER−B)3bは、これらの情報の配布を受けて、自身のMPLSラベルテーブル312の出力ラベル欄にyを、IPプレフィックス欄に#Aを、次ホップ欄に光エッジルータ(ER−A)3aのIPアドレスを記録する。これらは、拡張BGPによって行われる動作である。
次に、光エッジルータ(ER−A)3aは、以上のようにして作成されたMPLSラベルテーブル312をもとに、MPLS転送テーブル生成処理部317において、MPLS転送テーブル322を生成する。光エッジルータ(ER−B)3b側からは、光パス5aは出力回線に対応するため、光パス5aを選択すると出力回線が決まる。ここでは、選択された光パス5aに対応する出力回線が回線#1であるとする。そこで、MPLS転送テーブル生成処理部317では、MPLSラベルテーブル312に記録された内容に従い、IPプレフィックス#Aに対応する出力ラベルがy、出力回線が回線#1という内容のMPLS転送テーブル322を生成する。
図5は、図4に示したMPLSラベルの収集と配布のシーケンスが行われた結果として得られるMPLSラベルテーブルおよびMPLS転送テーブルの内容を示した図である。ここで、図5(a)には、光エッジルータ(ER−A)3aのMPLSラベルテーブル312の内容が、図5(b)には、光エッジルータ(ER−B)3bのMPLSラベルテーブル312の内容が、また、図5(c)には、光エッジルータ(ER−B)3bのMPLS転送テーブル322の内容が示されている。
<光パスの選択>
光エッジルータ(ER−B)3bは、光エッジルータ(ER−A)3aへ向けてパケットを送信するに際して、MPLS転送テーブル322だけに基づき、出力回線#1を指定することにより、光パス5aを選択する。
ここで、図5が示すように、MPLSラベルテーブル312の内容は、BGPまたはLDPによって割り当てられ、取得されたMPLSラベルであり、IPプレフィックスの情報である。MPLSラベルテーブル312には、光ネットワーク1における光パスなどの情報は一切含まれていない。これは、光パスのトポロジが変化しても、MPLSラベルテーブル312自体は変化しないことを意味している。
MPLSラベルテーブル312と光パス5aとの対応付けは、MPLS転送テーブル322を生成する段階で初めてなされるため、光パスの経路変更や帯域変更、光パスの切り替えを行うときは、MPLS転送テーブル322の出力回線欄を更新するだけでよい。その結果、光パスの経路変更や帯域変更を行ったときに、MPLSラベルを再割り当てする必要がない。そのため、光パスの経路変更や帯域変更が行われてもパケット送受信等の通信が中断されることはない。さらには、MPLSラベル再割り当てに伴うMPLS制御メッセージの送受信も全く発生しない。よって、本発明によれば、MPLSネットワークに全く影響を与えずに、光パスの経路変更や帯域変更等の制御が可能となる。
本発明の実施形態に係る光ネットワークの構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る光エッジルータの構成を示す図である。 本発明の実施形態に係るMPLSラベルテーブルの構成を示した図である。 本発明の実施形態において、光エッジルータがMPLSラベルテーブルを収集して他の光エッジルータへ配布するシーケンスを示した図である。 MPLSラベルの収集と配布のシーケンスが行われた結果として得られるMPLSラベルテーブルおよびMPLS転送テーブルの内容を示した図である。
符号の説明
1 光ネットワーク
2,2a,2b,2c MPLSネットワーク
3a,3b,3c 光エッジルータ
4a,4b,4c 光クロスコネクト
5a,5b,5c 光パス
6a,6b,6c BGPピア
7 MPLSルータ
8 LDPピア
9 サブネット
31 プロトコル処理部
32 転送処理部
33 GMPLSプロトコル処理部
34 MPLSラベル処理部
311 MPLSシグナリングプロトコル処理部
312 MPLSラベルテーブル
313 光ネットワークトポロジDB
314 OSPF−TE処理部
315 RSVP−TE処理部
316 拡張BGP処理部
317 MPLS転送テーブル生成処理部
321a,321b MPLS転送処理部
322 MPLS転送テーブル
323 MPLSスイッチ

Claims (6)

  1. MPLSネットワークを収容した複数の光エッジルータを備え、前記複数の光エッジルータが複数の光クロスコネクトを介して相互に接続され、前記複数の光エッジルータ相互間の光パスをGMPLSに基づき制御する光ネットワークであって、
    前記複数の光エッジルータのうち、少なくとも1の光エッジルータが、
    前記収容したMPLSネットワークにおいてIPプレフィックス情報を含んだMPLSラベル情報を収集するラベル収集手段と、
    前記収集したIPプレフィックス情報を含んだMPLSラベル情報を、前記光ネットワークを構成する他の少なくとも1の光エッジルータへ配布するラベル配布手段と
    を備え、
    前記他の少なくとも1の光エッジルータが、
    前記配布されたIPプレフィックス情報を含んだMPLSラベル情報に対応する光パス選択するためのMPLS転送テーブルを生成するMPLS転送テーブル生成手段と、
    前記MPLS転送テーブルに基づき光パスを選択する光パス選択手段と
    を備えること
    を特徴とする光ネットワーク。
  2. 請求項1に記載の光ネットワークにおいて、
    前記ラベル配布手段は、MPLSラベルおよびIPプレフィックスを配布可能にした拡張BGPを処理する拡張BGP処理手段を含むこと
    を特徴とする光ネットワーク。
  3. MPLSネットワークを収容した複数の光エッジルータを備え、前記複数の光エッジルータが複数の光クロスコネクトを介して相互に接続され、前記複数の光エッジルータ相互間の光パスをGMPLSに基づき制御する光ネットワークにおける光パスの選択方法であって、
    前記複数の光エッジルータのうち、少なくとも1の光エッジルータが、前記収容したMPLSネットワークにおいてIPプレフィックス情報を含んだMPLSラベル情報を収集するラベル収集ステップと、
    前記収集したIPプレフィックス情報を含んだMPLSラベル情報を、前記光ネットワークを構成する他の少なくとも1の光エッジルータへ配布するラベル配布ステップと
    を実行し、
    前記他の少なくとも1の光エッジルータが、前記配布されたIPプレフィックス情報を含んだMPLSラベル情報に対応する光パス選択するためのMPLS転送テーブルを生成するMPLS転送テーブル生成ステップと、
    前記MPLS転送テーブルに基づき光パスを選択する光パス選択ステップと
    を実行する
    ことを特徴とする光ネットワークにおける光パスの選択方法。
  4. 請求項3に記載の光ネットワークにおける光パスの選択方法において、
    前記ラベル配布ステップは、MPLSラベルおよびIPプレフィックスを配布可能にした拡張BGPを処理する拡張BGP処理ステップを含むこと
    を特徴とする光ネットワークにおける光パスの選択方法。
  5. MPLSネットワークを収容した複数の光エッジルータを備え、前記複数の光エッジルータが複数の光クロスコネクトを介して相互に接続され、前記複数の光エッジルータ相互間の光パスをGMPLSに基づき制御する光ネットワークにおける光エッジルータであって、
    前記収容したMPLSネットワークにおいてIPプレフィックス情報を含んだMPLSラベル情報を収集するラベル収集手段と、
    前記収集したIPプレフィックス情報を含んだMPLSラベル情報を、前記光ネットワークを構成する他の光エッジルータへ配布するラベル配布手段と、
    前記光ネットワークを構成する他の光エッジルータから配布されたIPプレフィックス情報を含んだMPLSラベル情報に対応する光パス選択するためのMPLS転送テーブルを生成するMPLS転送テーブル生成手段と、
    前記MPLS転送テーブルに基づき光パスを選択する光パス選択手段と
    を備えることを特徴とする光ネットワークにおける光エッジルータ。
  6. 請求項5に記載の光ネットワークにおける光エッジルータにおいて、
    前記ラベル配布手段は、MPLSラベルおよびIPプレフィックスを配布可能にした拡張BGPを処理する拡張BGP処理手段を含むこと
    を特徴とする光ネットワークにおける光エッジルータ。
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