JP4206456B2

JP4206456B2 - Method for producing water-insoluble DNA cross-linked product by ultraviolet irradiation and use of the cross-linked product as environmental purification material

Info

Publication number: JP4206456B2
Application number: JP25573399A
Authority: JP
Inventors: 則雄西; 真路山田; こずえ加藤
Original assignee: 日生バイオ株式会社
Priority date: 1999-09-09
Filing date: 1999-09-09
Publication date: 2009-01-14
Anticipated expiration: 2019-09-09
Also published as: JP2001081098A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、支持体上の水溶液中にあってもよい水溶性ＤＮＡに波長が２５０〜２７０ｎｍの範囲の紫外線を照射することによる支持体に固定された水溶性ＤＮＡの水不溶性架橋体の製造方法、該架橋体；該架橋体を含有する医薬、獣医薬又は食品；該架橋体による、ＤＮＡへの挿入剤の集積及び除去；銀イオンを含有する該架橋体とその殺菌材料としての利用に関する。
【０００２】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
紫外線照射により、二本鎖ＤＮＡが、エタノール中で互いの二本鎖ＤＮＡの間で架橋することは知られている（例えば、Photochemistry and Photobiology, 1998, 67(4): 386-390 を参照) 。しかし、水中又は無溶媒の条件下で二本鎖ＤＮＡの間での架橋が起こることは知られていない。又、一本鎖ＤＮＡ又はＲＮＡの紫外線照射による架橋化は知られていない。
【０００３】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、水中又は無溶媒下での、水溶性二本鎖ＤＮＡ、水溶性一本鎖ＤＮＡ又はＲＮＡの紫外線照射による影響を検討したところ、意外にも該二本鎖ＤＮＡ間の水不溶性の架橋体、該一本鎖ＤＮＡ間又はＲＮＡ間の水不溶性の架橋体が生成することを発見し、この発見に基づき本発明を完成した。
【０００４】
即ち、本願発明は、支持体上の水溶性ＤＮＡの水溶液もしくはその液膜、又は支持体上の水溶性ＤＮＡの薄層又は支持体上の水溶性ＤＮＡの溶液の液膜の濃縮乃至乾涸により得られた薄層に、波長が２５０〜２７０ｎｍの範囲の紫外線を照射することによる、支持体に固定された水溶性ＤＮＡの水不溶性架橋重合体の製造方法に関する。
【０００５】
又、本願発明は、上記発明の一変形として、支持体例えばセルロース繊維不織布を浸漬した水溶性ＤＮＡの水溶液に波長が２５０〜２７０ｎｍの範囲の紫外線を照射することによる、水溶性ＤＮＡの水不溶性架橋重合体により被覆された支持体又はセルロース繊維不織布の製造方法にも関する。
【０００６】
又、本願発明は、上記支持体に固定された水溶性ＤＮＡの水不溶性架橋重合体、上記支持体に固定された水溶性ＤＮＡの水不溶性架橋重合体から例えば剥離により支持体を除いた水不溶性架橋重合体の利用法にも関する。
【０００７】
【発明の実施の形態】
水溶性ＤＮＡの例としては、一本鎖のＤＮＡ又は二本鎖ＤＮＡ例えば魚類の精巣又は動物の胸腺から得られるＤＮＡが挙げられる。例えばサケ、ニシン、タラの白子（精巣）から得られるものが好ましい。又、哺乳動物もしくは鳥類、例えばウシ、ブタ、ニワトリ等の胸腺から得られるものが好ましい。
他の水溶性ＤＮＡの例としては、合成ＤＮＡ特に（ｄＡ）−（ｄＴ）の塩基対を持つＤＮＡ配列、特に例えばｐｏｌｙ（ｄＡ）−ｐｏｌｙ（ｄＴ）型の配列を持つＤＮＡであってもよい。
ＲＮＡの例としては、酵母から得られるＲＮＡが好ましい。
【０００８】
支持体は、生成した水溶性ＤＮＡの水不溶性架橋体を膜状、線状又は点状に支持できる能力のあるものであればよい。
支持体の形状と材質は、多孔性であってもよい、板状、球状例えば直径０．１ｍｍないし１０ｍｍの球状又は繊維状の、合成樹脂、ガラス、セラミックス又は金属；天然繊維例えばセルロース又はパルプ；或いは天然繊維例えばセルロース又はパルプを化学的に加工したものである。
【０００９】
支持体の材質としては、ＤＮＡ架橋体との結合力の乏しい材質例えばガラス、合成樹脂例えばポリエチレン又はポリプロピレン又は金属、乃至は、結合力の強い表面を持つ、表面処理済のガラス、表面処理してあってもよい合成樹脂又は表面処理してあってもよい金属、又はセルロースであってもよい。何れの場合にも、照射される紫外線により分解され難いものが好ましい。
そして上記水不溶性架橋体と結合力の弱い支持体は生成したＤＮＡ架橋体例えばフィルムの該支持体からの剥離が容易であってもよい。この場合の支持体は架橋体を剥離しない場合は、該架橋体の物理的補強材料にもなり得る。
更に上記水不溶性架橋体と結合力の強い支持体は、該架橋体、例えばフィルム状の架橋体の物理的補強材料にもなり得る。
【００１０】
ガラスとセラミックスは表面を化学的処理してあるものであってもよい。例えば、表面処理をしてない市販のボーラスガラスビーズ（粒径＝約０．５〜１．２ｍｍ、平均して約１ｍｍ）の場合は、１０ｍｇ／ｍＬのＤＮＡ溶液に２時間浸漬する。
表面処理の場合は、例えばポーラスガラスビーズを約７０℃の濃Ｈ₂ＳＯ₄：３０％Ｈ₂Ｏ₂＝７：３の溶液に３０分間浸漬して、表面に水酸基を導入した後、１０ｍｇ／ｍＬのＤＮＡ溶液に２時間浸漬する。
同様にして、ポーラスガラスビーズを約７０℃の濃Ｈ₂ＳＯ₄：３０％Ｈ₂Ｏ₂＝７：３の溶液に３０分間浸漬、次いで密封容器内に３−アミノプロピルニトリルトリエトキシシランと共に約２時間放置して、ビーズの表面に有機アミノ基を導入した後、１０ｍｇ／ｍＬのＤＮＡ溶液に２時間浸漬する。
【００１１】
支持体上の水溶性ＤＮＡの薄層は通常は、支持体上の水溶性ＤＮＡの溶液の液膜を濃縮乃至乾涸することにより生成する。この際に使用される溶液の溶媒は、水、水性メタノール又は水性エタノールであり、風乾の容易なものが好ましい。特に水が好ましい。水溶性ＤＮＡの薄層の厚みは通常０．０１〜１ｍｍであるが、この範囲外の厚みであってもよい。
【００１２】
水溶性ＤＮＡの水溶液の濃度は、該水溶液ＤＮＡの飽和溶液の濃度以下であればよい。例えば、溶解処理のし易い濃度であるＤＮＡ１０ｍｇ／水１ｍＬ程度である。水溶性ＤＮＡの水溶液の液膜の厚みは通常０．１〜２０ｍｍ、好ましくは０．１〜１０ｍｍであるが、この範囲外の厚みであってもよい。
【００１３】
照射する紫外線の波長は２５０〜２７０ｎｍの範囲にあるものが好ましい。必要な照射時間は、照射される紫外線の照射強度に反比例する。５６００μＷ／ｃｍ²（照射距離は約７．５ｃｍである）の場合は、概ね１２時間以上の照射時間である。照射時間が不十分な場合は、水不溶性ＤＮＡの収率が低下する。従って、生成したフィルム中の水溶液ＤＮＡ量又は水不溶性ＤＮＡ量を追跡して、収率の高い照射強度と照射時間を選択するのが好ましい。例えばサケの精巣から得られたＤＮＡ膜（ＤＮＡ１０ｍｇと水２０ｍＬからの溶液を乾涸した。膜面積は約１０ｃｍ²）を強度５６００μＷ／ｃｍ²（照射距離は約７．５ｃｍである）の２６０ｎｍ紫外線で照射すると、１時間照射後に生成したフィルムから水により約５０％のＤＮＡが溶出するが、１２時間照射後には約２５％のＤＮＡが溶出する。又、薄膜の厚みは、照射された紫外線がＤＮＡ膜の深部に到達できる程度の厚みであることが好ましい。普通は、薄膜の厚みは、０．０１〜１ｍｍ程度である。紫外線の照射温度は、普通は０〜５０℃以下、室温例えば１０〜３５℃が好ましい。
【００１４】
紫外線照射後、得られたフィルムから水可溶性のＤＮＡを水により溶出した後得られた水不溶性ＤＮＡフィルムは、例えば５０日の長期にわたって常温の水中に浸漬しても水に不溶性であるので、常温の水中では安定且つ不溶性である。水不溶性とは、８０℃以下の水に容易に溶解しないと定義する。上記水不溶性架橋体は、１００℃の沸騰水中では１５分間で溶解した。この溶解物は冷却しても水中への析出を認めることは出来なかった。この溶解した試料を水に希釈して、濃度０．１μｇ／１０μＬの溶液にした後、アガロースゲル電気泳動法（和科盛（製）、移動相ＴＡＥｂｕｆｆｅｒ，分析温度３０℃、移動距離１２ｃｍ）で分析すると非常に分子量の高い超巨大ＤＮＡ化合物であることを示していた。
【００１５】
常温（２５℃）における水不溶性と測定できない程度の高い分子量を合わせて考察するとこの水不溶性ＤＮＡは、多数の二本鎖ＤＮＡ間の架橋反応により生成したＤＮＡ架橋重合体であると推定される。
【００１６】
得られた（水溶性ＤＮＡの）水不溶性架橋体のフィルムは、水溶性ＤＮＡがサケの精巣由来の場合は、ＩＲ（ＫＢｒ錠剤法）スペクトルとＵＶ−ＶＳ領域の吸光スペクトルにおいて、使用された原料の水溶性ＤＮＡのそれと問題にできる程度顕著な差異を認めることができなかった。現在時点ては、どの部分で架橋化しているのか不明である。
【００１７】
しかるに、Ｐｏｌｙ（ｄＡ）−Ｐｏｌｙ（ｄＴ）( １％アガロースゲルを用いる電気泳動を行った。その結果、２．７，４．３，５．０と６．０（ｋｂｐ）付近にバンドを示した）の薄膜に２５４ｎｍの紫外線を３０分間照射したところ、水不溶性のフィルム（上記の１％アガロースゲルを用いる電気泳動による分析では、水に不溶性のためなのだろう、バンドを示さなかった）を生じた。この水不溶性フィルムのＩＲスペクトル（フィルム２０μｇ＋ＫＢｒ数百ｇから錠剤を測定）は、下記の波長領域において、紫外線照射前の原料との吸収の違いを示した。
(1)1680 cm^-1近傍のチミンの二重結合に由来するνCHの吸収(ν：伸縮振動) が消えた。
(2)1450 cm^-1付近に大きな変化を示した。
(3)968 cm^-1: デオキシリボースのνC-C の消失
(4)800 cm^-1: νP-O の変化
(5)1230,1090 cm^-1: 非対象νPO₂
結論：1680 cm ^-1近傍吸収の消失はチミンダイマーの形成を示している。
【００１８】
上記のＰｏｌｙ（ｄＡ）−Ｐｏｌｙ（ｄＴ）の分析結果から考察すると、サケ由来のＤＮＡにおいては（ｄＡ）−（ｄＴ）対がランダムに存在しているため、架橋のチャンスは少なく、水不溶化してもＩＲスペクトルでは顕著な差が観察されなかったことによると思われる。なお、現時点で得られたデータのみからは、チミンダイマーの形成だけが不溶化の原因であるとは断定できない。
【００１９】
本発明者は、このようにして得られた水不溶性架橋体のフィルムは、ＤＮＡへの挿入剤(intercalating agent) である環境ホルモン等の化合物、例えば臭化エチジウム（４ｐｐｍ）；ベンゾ［ａ］ピレン（１０ｐｐｂ）；ジベンゾ−ｐ−ジオキサン（１０ｐｐｂ）；ジベンゾフラン（１０ｐｐｂ）及びビフェニル（１０ｐｐｂ）の極めて低い濃度〔各化合物の後に記述した（）中の数値〕の水溶液からこれら挿入剤を極めて高い収率で吸着、これらの水溶液から除去することを見出した。この効果により、生体内外の又は食用の液体又は固体又は環境内の液体又は気体中に存在する極めて低い濃度のＤＮＡへの挿入剤を除去することが可能になる。
【００２０】
従って、支持体の材質と形状を適宜選択することにより、挿入剤の除去をするのに有用である。挿入剤を集積及び除去するための濾過材又は吸着剤、例えば、タバコのフィルター、空気浄化器の気体濾過材、飲料水、食用水、飲料食品例えば牛乳、母乳の液体濾過材、動物特にヒトを含む哺乳動物の消化管内の挿入剤例えばの吸着・清浄剤として有用である。
【００２１】
上述のように、支持体はガラスとセラミックスは表面を化学的処理してあるものであってもよい。例えば、表面処理をしてない市販のボーラスガラスビーズ（粒径＝約０．５〜１．２ｍｍ、平均して約１ｍｍ）の場合は、１０ｍｇ／ｍＬのＤＮＡ溶液に２時間浸漬、乾燥後、紫外線を２時間照射する。紫外線照射に際しては、１５分毎に、ポーラスガラスをかき混ぜた。
表面処理の場合は、例えばポーラスガラスビーズを約７０℃の濃Ｈ₂ＳＯ₄：３０％Ｈ₂Ｏ₂＝７：３の溶液に３０分間浸漬して、表面に水酸基を導入した後、１０ｍｇ／ｍＬのＤＮＡ溶液に２時間浸漬、乾燥後、上記と同様に紫外線照射する。
同様にして、ポーラスガラスビーズを約７０℃の濃Ｈ₂ＳＯ₄：３０％Ｈ₂Ｏ₂＝７：３の溶液に３０分間浸漬、次いで密封容器内に３−アミノプロピルニトリルトリエトキシシランと共に約２時間放置して、ビーズの表面に有機アミノ基を導入した後、１０ｍｇ／ｍＬのＤＮＡ溶液に２時間浸漬、乾燥後、上記と同様に紫外線照射する。
これらのポーラスガラスビーズの表面へのＤＮＡ固定量は、下記の通りであった。
市販されているポーラスガラスビーズ：４−６ｍｇ／ビーズ１ｇ；表面に水酸基があるポーラスガラスビーズ：約３ｍｇ／ビーズ１ｇ；表面に有機アミノ基があるポーラスガラスビーズ：５−７ｍｇ／ビーズ１ｇ。
このように固定されたＤＮＡ架橋体は、上記の水不溶性架橋体のフィルムと同様の作用を、ＤＮＡへの挿入剤に対して持つ。
【００２２】
本発明の製造方法を、水溶液ＤＮＡを含有する水溶液に浸漬したセルロース繊維不織布に応用した。即ち、上記浸漬液へ、２５０〜２７０ｎｍの範囲の紫外線を照射した結果、ＤＮＡの水不溶性架橋体がセルロース上に固定化されることを見出した。このセルロース繊維不織布は、水不溶性架橋体の物理的補強剤として機能している。このものは、上記の挿入剤又は環境ホルモン型化合物を吸着できる。また、セルロース繊維不織布は、硫酸銀、硝酸銀のような水溶性銀塩例えば硝酸銀の水溶液からＡｇ⁺イオンを水で洗浄除去できない程度に固定的に吸着した。そして、その含Ａｇ⁺不織布がEsch ｅ richia coli とStaphylococcus aureus 等の細菌に顕著な生育抑制作用を示している。この結果は、殺生物作用のある金属イオン例えばＡｇ⁺の他に、Ｈｇ⁺、Ｈｇ²⁺、Ｃｕ⁺、Ｃｕ²⁺等の金属イオンでも同様に使用できる可能性を示している。
【００２３】
上記のセルロース繊維不織布に換えて、通常のセルロース繊維織物、例えばガーゼのような形態のものも使用できる。セルロース繊維間の間隔を調節することにより不織布又は織物の目の大きさを通液又は通気のために自由に調節することができる。同様にして上記のセルロース繊維不織布をセルロース紙に換えることも可能である。この場合は、所望の大きさの孔径を持つセルロース紙であってもよい。又、上記セルロースはセルロース誘導体、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、２−ヒドロキシエチルセルロース又はヒドロキシプロピルセルロースであってもよい。
【００２４】
又、上記の水溶性ＤＮＡの水不溶性架橋体は、ＤＮＡ構造を維持したＤＮＡの架橋体であるので、ＤＮＡと同様の金属との結合力を持つ。従って、Ｃｄ²⁺、クロムイオン例えばＣｒ³⁺、Ｈｇ²⁺、マンガンイオン例えばＭｎ²⁺等の金属イオンを吸着できる環境浄化材料としての機能もある。これは、上記の水溶性ＤＮＡの水不溶性架橋体のフィルムと該架橋体により被覆された支持体例えばセルロース繊維不織布についても言える。
【００２５】
又、本発明の水不溶性架橋体は、初期的試験では或る種（マイクロコッカル・ヌクレアーゼ（Ｓｉｇｍａ））のヌクレアーゼにより加水分解されないことが証明されている。これはこのものが普通のＤＮＡと異なり、ヒトを含む哺乳動物、鳥類の消化器管内で分解されないことを示唆しているので、消化管内にある上記の挿入剤又は金属イオン類を集積・除去する毒物除去即ち解毒の作用を持つ医薬又は獣医薬又は食品として機能する。
【００２６】
なお、水溶性二本鎖ＤＮＡを水溶性一本鎖ＤＮＡ又はＲＮＡに換えても、２５０〜２７０ｎｍの範囲の紫外線を照射の結果、水不溶性架橋体が形成されることを確認している。この一本鎖ＤＮＡ又はＲＮＡの水不溶性架橋体も、上記の金属に対して二本鎖ＤＮＡ架橋体と同様の作用を持つ。
又、支持体上の一本鎖と二本鎖のＤＮＡの混合物に２５０〜２７０ｎｍの範囲の紫外線を照射して架橋体を形成することも、本願発明の対象である。
【００２７】
【実施例】
本願発明を下記の実施例により更に具体的に説明する。
実施例１．水溶性ＤＮＡの架橋重合体の合成
サケの白子から得られた二本鎖ＤＮＡ（分子量，５×１０⁶）１０ｍｇを水１ｍＬに溶解し、得られたＤＮＡ溶液を直径３ｃｍのシャーレに注入し、室温で風乾した。次いで、紫外線ランプ（Ｒ−５２Ｇ型、５６００μＷ／ｃｍ²、ウルトラ・バイオレット社製）を使用して２５４ｎｍの紫外線（照射距離は約７．５ｃｍであった。）を１〜１２時間照射した。シャーレに水を注入して、シャーレ底部に生成した水不溶性のＤＮＡフィルムをシャーレ底部から剥離した。
【００２８】
この水不溶性ＤＮＡフィルムは、５０日の長期にわたって水中に浸漬しても水に不溶性であるので、水中では安定であった。
この紫外線照射により得られた水不溶性のＤＮＡは、１００℃の沸騰水中では約１５分間で溶解した。この溶解した試料を水に希釈して、濃度０．１μｇ／１０μＬの溶液にした後、アガロースゲル電気泳動法（和科盛（製）、移動相ＴＡＥｂｕｆｆｅｒ，分析温度３０℃、移動距離１２ｃｍ）で分析すると、移動が認められず、非常に分子量の高い超巨大化合物であることを示していた。なお、水不溶性ＤＮＡの常温における水抽出液（反応ろ液）中にも、アガロースゲル電気泳動法で移動が認められない非常に分子量の高い化合物を混在を確認している。
【００２９】
常温（２５℃）における水不溶性と測定できない程度の高い分子量を合わせて考察するとこの水不溶性ＤＮＡは、多数のＤＮＡの架橋反応により生成したＤＮＡ架橋重合体である。
【００３０】
実施例２．上記の水不溶性ＤＮＡフィルム ( フィルム状のＤＮＡ架橋重合体 ) による挿入剤（ intercalating agent) の集積及び除去
実施例１で得られた水不溶性ＤＮＡフィルム１ｍｇ（面積約１ｃｍ²）を、下記の挿入剤を下記の濃度で含有する水１０ｍＬに浸漬し、水中の濃度をＵＶ−ＶＳ分光吸光度により所定の経過時間に測定して、追跡した：臭化エチジウム、４ｐｐｍ；ベンゾ［ａ］ピレン、１０ｐｐｂ；ジベンゾ−ｐ−ジオキサン、１０ｐｐｂ；ジベンゾフラン、１０ｐｐｂ；ビフェニル、１０ｐｐｂ。例えば臭化エチジウムの場合は、該化合物の極大吸光波長４８０ｎｍにおける吸光度が時間経過と共に減少し、２４時間で完全に消失した。同様のことが、他の挿入剤についても観察された。
【００３１】
実施例３．紫外線照射によるセルロース繊維不織繊維上へのＤＮＡの固定化
１００ｍｇのセルロース繊維不織布（布の厚み０．１５ｍｍ）を、実施例１で使用したＤＮＡ３ｍｇを水１ｍＬに溶解した溶液に含浸した。含浸した上記不織セルロース繊維を風乾し、実施例１と同様にして所定時間にわたり紫外線照射した。その後、約２０℃の水で十分に洗浄して固定されていないＤＮＡを除去し、乾燥した。不織セルロース繊維上に固定化されたＤＮＡの量は紫外線照射の時間と共に概ね増加し、照射１５分後には一定値に到達していた。不織セルロース繊維１ｇへ固定化されたＤＮＡの最大量は約２０ｍｇであった（最大量の測定法：１００℃、１ＮＨＣｌで１ｈｒ加熱、室温に冷後、２６０ｎｍの吸光度で測定した）。
【００３２】
実施例４．実施例３で得られたＤＮＡ固定セルロース繊維不織布へのＡｇ ⁺ の吸着とＡｇ ⁺ 吸着不織布の殺菌活性
実施例３で得られたＤＮＡ固定セルロース繊維不織布３０ｍｇ（ＤＮＡ含有量２０ｍｇ／布１ｇ）を、１０ｍＭの硝酸銀を含有する水溶液に１時間浸漬する。次いで、硝酸銀水溶液からＤＮＡ固定不織布を取り出し、水で洗浄した後、室温で乾燥する。十分に洗浄した後のＤＮＡ固定不織布に吸着されたＡｇ⁺の量は、使用される硝酸銀の量に依存し、硝酸銀の量が多いと吸着量も概ね多くなる。ＤＮＡ固定不織布１ｇへ吸着されたＡｇ⁺の量は最大量は５ｍｇであった。
【００３３】
Ａｇ⁺含有−ＤＮＡ固定不織布は、Esch ｅ richia coli とStaphylococcus aureus 等の細菌に対して顕著な生長阻害性を示した。この布は、抗菌材料として広く使用され得る。
【００３４】
【発明の効果】
支持体上の水溶性ＤＮＡもしくは水溶性ＲＮＡの薄層又は水溶性ＤＮＡもしく水溶性ＲＮＡの水溶液又はその液膜に、波長が２５０〜２７０ｎｍの範囲の紫外線を照射すると、該ＤＮＡもしくはＲＮＡは水に不溶性の超巨大分子の架橋体に変化する。同様にして、例えばセルロース繊維不織布を浸漬した水溶性ＤＮＡの水溶液に波長が２５０〜２７０ｎｍの範囲の紫外線を照射することによる、該ＤＮＡの水不溶性架橋重合体により被覆されたセルロース繊維不織布が形成される。更に、同様にして、水溶性ＤＮＡにより被覆されたガラスピーズに同様の紫外線を照射すると水不溶性のＤＮＡ架橋重合体が表面に固定された。このＤＮＡが二本鎖ＤＮＡである場合の架橋体はＤＮＡへの挿入剤またはＤＮＡへの挿入剤である環境ホルモン類を水中又は気体中の極めて低い濃度の状態でも極めて収率高く吸着する。同様に有毒金属例えばＨｇイオンも水に対して固定的に吸着する。従って、この架橋体は、環境ホルモンと有害金属を集積・除去する環境浄化材料として有用である。具体的には、生物体内外の挿入剤を集積・除去するための、空気、水、飲料水、飲料食品の濾過材、又はヒトを含む哺乳動物の消化管内の清浄剤即ち医薬、獣医薬または食品に含まれる有効成分として使用することが可能である。一本鎖のＤＮＡ又はＲＮＡの架橋体は、有害金属を固定するので環境浄化材として有用である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a water-insoluble crosslinked product of water-soluble DNA fixed to a support by irradiating the water-soluble DNA which may be in an aqueous solution on the support with ultraviolet rays having a wavelength in the range of 250 to 270 nm. The present invention relates to a pharmaceutical, veterinary medicine or food containing the cross-linked product; accumulation and removal of an intercalating agent into DNA by the cross-linked product; and the use of the cross-linked product containing silver ions as a sterilizing material.
[0002]
[Prior art and problems to be solved by the invention]
It is known that double-stranded DNA crosslinks between each double-stranded DNA in ethanol by ultraviolet irradiation (see, for example, Photochemistry and Photobiology, 1998, 67 (4): 386-390). . However, it is not known that cross-linking occurs between double-stranded DNA under water or solvent-free conditions. In addition, crosslinking of single-stranded DNA or RNA by ultraviolet irradiation is not known.
[0003]
[Means for Solving the Problems]
The present inventor has examined the influence of ultraviolet irradiation of water-soluble double-stranded DNA, water-soluble single-stranded DNA or RNA in water or in the absence of a solvent. It was discovered that a water-insoluble cross-linked product between the single-stranded DNA and RNA was produced, and the present invention was completed based on this discovery.
[0004]
That is, the present invention is obtained by concentrating or drying a water film of a water-soluble DNA on a support or a liquid film thereof, or a thin layer of water-soluble DNA on a support or a liquid film of a water-soluble DNA solution on a support. The present invention relates to a method for producing a water-insoluble crosslinked polymer of water-soluble DNA fixed to a support by irradiating the obtained thin layer with ultraviolet rays having a wavelength in the range of 250 to 270 nm.
[0005]
The present invention also provides a water-insoluble cross-linking of water-soluble DNA by irradiating an aqueous solution of water-soluble DNA immersed in a support, for example, a cellulose fiber nonwoven fabric, with ultraviolet rays having a wavelength in the range of 250 to 270 nm. It also relates to a method for producing a support or cellulose fiber nonwoven fabric coated with a polymer.
[0006]
The present invention also provides a water-insoluble cross-linked polymer of water-soluble DNA immobilized on the support, and a water-insoluble cross-linked polymer obtained by removing the support from the water-insoluble cross-linked polymer of water-soluble DNA immobilized on the support by, for example, peeling. It also relates to the use of cross-linked polymers.
[0007]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Examples of water-soluble DNA include single-stranded DNA or double-stranded DNA, such as DNA obtained from fish testis or animal thymus. For example, those obtained from salmon, herring, cod roe (testis) are preferred. Further, mammals or birds such as those obtained from thymus such as cows, pigs and chickens are preferred.
Examples of other water-soluble DNAs may be synthetic DNAs, particularly DNA sequences having base pairs of (dA)-(dT), particularly DNAs having a poly (dA) -poly (dT) type sequence, for example. .
As an example of RNA, RNA obtained from yeast is preferable.
[0008]
The support is only required to be capable of supporting the water-insoluble crosslinked product of the produced water-soluble DNA in the form of a film, line or dot.
The shape and material of the support may be porous, plate-like, spherical, for example spherical or fibrous with a diameter of 0.1 mm to 10 mm, synthetic resin, glass, ceramics or metal; natural fiber such as cellulose or pulp; Alternatively, natural fibers such as cellulose or pulp are chemically processed.
[0009]
As a material of the support, a material having poor binding force with a DNA cross-linked body such as glass, synthetic resin such as polyethylene or polypropylene or metal, or a surface-treated glass having a surface having a strong binding force, surface-treated It may be a synthetic resin that may be present, a metal that may be surface-treated, or cellulose. In any case, those which are difficult to be decomposed by the irradiated ultraviolet rays are preferable.
The support having a weak binding force with the water-insoluble crosslinked product may be easily peeled from the produced DNA crosslinked product, for example, the film. The support in this case can also be a physical reinforcing material for the crosslinked body when the crosslinked body is not peeled off.
Furthermore, the support having a strong binding force with the water-insoluble crosslinked body can also be a physical reinforcing material for the crosslinked body, for example, a film-like crosslinked body.
[0010]
Glass and ceramics may be those whose surfaces are chemically treated. For example, in the case of commercially available bolus glass beads not subjected to surface treatment (particle size = about 0.5 to 1.2 mm, average about 1 mm), it is immersed in a DNA solution of 10 mg / mL for 2 hours.
In the case of surface treatment, for example, porous glass beads are immersed in a solution of concentrated H ₂ SO ₄ : 30% H ₂ O ₂ = 7: 3 at about 70 ° C. for 30 minutes to introduce hydroxyl groups on the surface, and then 10 mg / Immerse in mL of DNA solution for 2 hours.
Similarly, the porous glass beads were immersed in a solution of concentrated H ₂ SO ₄ : 30% H ₂ O ₂ = 7: 3 at about 70 ° C. for 30 minutes, and then about 3-aminopropylnitrile triethoxysilane together with 3-aminopropylnitrile triethoxysilane in a sealed container. After allowing to stand for 2 hours to introduce an organic amino group on the surface of the beads, it is immersed in a 10 mg / mL DNA solution for 2 hours.
[0011]
The thin layer of water-soluble DNA on the support is usually produced by concentrating or drying the liquid film of the water-soluble DNA solution on the support. The solvent of the solution used at this time is water, aqueous methanol, or aqueous ethanol, and those that are easily air-dried are preferable. Water is particularly preferable. The thickness of the water-soluble DNA thin layer is usually 0.01 to 1 mm, but may be a thickness outside this range.
[0012]
The concentration of the aqueous solution of water-soluble DNA may be not more than the concentration of the saturated solution of the aqueous DNA. For example, the concentration is about 10 mg of DNA / 1 mL of water, which is a concentration that facilitates dissolution treatment. The thickness of the liquid film of the aqueous solution of water-soluble DNA is usually 0.1 to 20 mm, preferably 0.1 to 10 mm, but may be outside this range.
[0013]
The wavelength of the irradiated ultraviolet light is preferably in the range of 250 to 270 nm. The necessary irradiation time is inversely proportional to the irradiation intensity of the irradiated ultraviolet rays. In the case of 5600 μW / cm ² (irradiation distance is about 7.5 cm), the irradiation time is approximately 12 hours or longer. If the irradiation time is insufficient, the yield of water-insoluble DNA decreases. Therefore, it is preferable to select the irradiation intensity and irradiation time with high yield by tracking the amount of aqueous DNA or water-insoluble DNA in the produced film. For example, a DNA film obtained from salmon testis (a solution of 10 mg of DNA and 20 mL of water was dried. The film area was about 10 cm ² ) with 260 nm ultraviolet light having an intensity of 5600 μW / cm ² (irradiation distance was about 7.5 cm). Upon irradiation, approximately 50% of the DNA by the water from the resulting film after one hour irradiation elute Suruga, after irradiation 12 hours about 25% of the DNA is eluted. The thickness of the thin film is preferably such that the irradiated ultraviolet rays can reach the deep part of the DNA film. Usually, the thickness of the thin film is about 0.01 to 1 mm. The irradiation temperature of ultraviolet rays is usually preferably 0 to 50 ° C. or less, and preferably room temperature, for example, 10 to 35 ° C.
[0014]
After UV irradiation, the resulting water-insoluble DNA films obtained we were after the DNA of water-soluble and eluted with water from the film, for example, because a long period of 50 days are insoluble in water even when immersed in water at room temperature, It is stable and insoluble in normal temperature water. Water insoluble is defined as not easily dissolved in water at 80 ° C. or lower. The water-insoluble crosslinked product was dissolved in boiling water at 100 ° C. in 15 minutes. Even when this dissolved product was cooled, precipitation into water could not be observed. This dissolved sample is diluted with water to make a solution with a concentration of 0.1 μg / 10 μL, and then agarose gel electrophoresis (manufactured by Washina Sheng (manufactured), mobile phase TAE buffer, analysis temperature 30 ° C., moving distance 12 cm) Analysis showed that it was a very large DNA compound with a very high molecular weight.
[0015]
Considering the high molecular weight that cannot be measured as water-insoluble at room temperature (25 ° C.), this water-insoluble DNA is presumed to be a DNA cross-linked polymer produced by a cross-linking reaction between a large number of double-stranded DNAs.
[0016]
The obtained water-insoluble cross-linked film (of water-soluble DNA) is the raw material used in IR (KBr tablet method) spectrum and UV-VS region absorption spectrum when the water-soluble DNA is derived from salmon testis. It was not possible to recognize any significant difference from that of the water-soluble DNA. At the present time, it is unclear which part is cross-linked.
[0017]
Accordingly, electrophoresis using Poly (dA) -Poly (dT) (1% agarose gel was performed. As a result, bands were observed in the vicinity of 2.7, 4.3, 5.0 and 6.0 (kbp). The film was irradiated with UV light at 254 nm for 30 minutes, and a water-insoluble film (analysis by electrophoresis using the above 1% agarose gel did not show a band, probably due to insolubility in water). occured. The IR spectrum of this water-insoluble film (film was measured from 20 μg + KBr several hundred g) showed a difference in absorption from the raw material before ultraviolet irradiation in the following wavelength region.
(1) Absorption of νCH derived from the thymine double bond near 1680 cm ⁻¹ (ν: stretching vibration) disappeared.
(2) A large change was ^observed around 1450 cm- ¹ .
(3) 968 cm ^-1 : disappearance of νC-C of deoxyribose
(4) 800 cm ^-1 : change in νP-O
(5) 1230,1090 cm ^-1 : Untargeted νPO ₂
Conclusion: The disappearance of absorption near 1680 cm ^-1 indicates the formation of thymine dimer.
[0018]
Considering from the analysis result of the above Poly (dA) -Poly (dT), since the (dA)-(dT) pair is present at random in salmon-derived DNA, there is little chance of cross-linking, and water insolubilization occurs. However, it seems that no significant difference was observed in the IR spectrum. From the data obtained at the present time alone, it cannot be determined that only the formation of thymine dimer is the cause of insolubilization.
[0019]
The inventor has obtained a film of a water-insoluble crosslinked product thus obtained from a compound such as an environmental hormone that is an intercalating agent for DNA, such as ethidium bromide (4 ppm); benzo [a] pyrene. (10 ppb); dibenzo-p-dioxane (10 ppb); very high yields of these intercalators from aqueous solutions of very low concentrations of dibenzofuran (10 ppb) and biphenyl (10 ppb) [numbers in parentheses described after each compound] Was found to be adsorbed and removed from these aqueous solutions. This effect makes it possible to remove intercalation agents into very low concentrations of DNA present in in vitro or edible liquids or solids or in liquids or gases in the environment.
[0020]
Therefore, it is useful for removing the insertion agent by appropriately selecting the material and shape of the support. Filter media or adsorbents for collecting and removing intercalating agents such as tobacco filters, air filter gas filter media, drinking water, edible water, beverage foods such as milk, liquid milk milk filters, animals, especially humans. It is useful as an intercalating agent in the digestive tract of mammals, for example, as an adsorption / cleaning agent.
[0021]
As described above, the support may be a glass and ceramic whose surface is chemically treated. For example, in the case of commercially available bolus glass beads not subjected to surface treatment (particle size = about 0.5 to 1.2 mm, average about 1 mm), after being immersed in a 10 mg / mL DNA solution for 2 hours, dried, Irradiate with ultraviolet light for 2 hours. During the ultraviolet irradiation, porous glass was stirred every 15 minutes.
In the case of surface treatment, for example, porous glass beads are immersed in a solution of concentrated H ₂ SO ₄ : 30% H ₂ O ₂ = 7: 3 at about 70 ° C. for 30 minutes to introduce hydroxyl groups on the surface, and then 10 mg / Immerse in a DNA solution of 2 hours, dry, and then irradiate with UV light as above.
Similarly, the porous glass beads were immersed in a solution of concentrated H ₂ SO ₄ : 30% H ₂ O ₂ = 7: 3 at about 70 ° C. for 30 minutes, and then about 3-aminopropylnitrile triethoxysilane together with 3-aminopropylnitrile triethoxysilane in a sealed container. The mixture is allowed to stand for 2 hours to introduce organic amino groups onto the surface of the beads, immersed in a 10 mg / mL DNA solution for 2 hours, dried, and then irradiated with ultraviolet rays in the same manner as described above.
The amount of DNA immobilized on the surface of these porous glass beads was as follows.
Commercially available porous glass beads: 4-6 mg / g of beads; porous glass beads with hydroxyl groups on the surface: about 3 mg / g of beads; porous glass beads with organic amino groups on the surface: 5-7 mg / g of beads.
The DNA cross-linked product thus immobilized has the same action as the above water-insoluble cross-linked film on the DNA intercalating agent.
[0022]
The production method of the present invention was applied to a cellulose fiber nonwoven fabric immersed in an aqueous solution containing aqueous DNA. That is, it was found that the water-insoluble crosslinked DNA was immobilized on cellulose as a result of irradiating the immersion liquid with ultraviolet rays in the range of 250 to 270 nm. This cellulose fiber nonwoven fabric functions as a physical reinforcing agent for the water-insoluble crosslinked product. This can adsorb the above intercalating agent or environmental hormone type compound. Moreover, the cellulose fiber nonwoven fabric adsorbed the water-soluble silver salt such as silver sulfate and silver nitrate, for example, from an aqueous solution of silver nitrate so that Ag ⁺ ions could not be washed and removed with water. Then, the free Ag ⁺ non-woven fabric has showed significant growth inhibitory effect on bacteria such as Esch e richia coli and Staphylococcus aureus. This result indicates the possibility that metal ions such as Hg ⁺ , Hg ²⁺ , Cu ⁺ and Cu ²⁺ can be used in the same manner in addition to biocidal metal ions such as Ag ⁺ .
[0023]
Instead of the above cellulose fiber nonwoven fabric, a normal cellulose fiber fabric, for example, a gauze-like one can also be used. By adjusting the spacing between the cellulose fibers, the size of the nonwoven fabric or woven fabric can be freely adjusted for liquid passing or aeration. Similarly, the cellulose fiber nonwoven fabric can be replaced with cellulose paper. In this case, cellulose paper having a desired pore size may be used. The cellulose may be a cellulose derivative such as methyl cellulose, ethyl cellulose, 2-hydroxyethyl cellulose, or hydroxypropyl cellulose.
[0024]
Further, the water-insoluble cross-linked product of the water-soluble DNA is a cross-linked product of DNA that maintains the DNA structure, and thus has a binding force to the same metal as DNA. Therefore, it also has a function as an environmental purification material capable of adsorbing metal ions such as Cd ²⁺ , chromium ions such as Cr ³⁺ , Hg ²⁺ , manganese ions such as Mn ²⁺ . This is also true for the water-insoluble crosslinked film of water-soluble DNA and a support coated with the crosslinked body, such as a cellulose fiber nonwoven fabric.
[0025]
In addition, the water-insoluble crosslinked product of the present invention has been proved not to be hydrolyzed by a certain kind of nuclease (micro-coccal nuclease (Sigma)) in an initial test. This suggests that this is different from normal DNA and is not degraded in the digestive tract of mammals and birds including humans. Therefore, the above intercalating agents or metal ions in the digestive tract are accumulated and removed. It functions as a medicine or veterinary medicine or food having the action of toxic removal, that is, detoxification.
[0026]
It has been confirmed that even when the water-soluble double-stranded DNA is replaced with water-soluble single-stranded DNA or RNA, a water-insoluble crosslinked product is formed as a result of irradiation with ultraviolet rays in the range of 250 to 270 nm. This water-insoluble cross-linked product of single-stranded DNA or RNA also has the same action as the double-stranded DNA cross-linked product with respect to the above metals.
It is also an object of the present invention to form a crosslinked body by irradiating a mixture of single-stranded and double-stranded DNA on a support with ultraviolet rays in the range of 250 to 270 nm.
[0027]
【Example】
The present invention will be described more specifically with reference to the following examples.
Example 1. Synthesis of cross-linked polymer of water-soluble DNA 10 mg of double-stranded DNA (molecular weight, 5 × 10 ⁶ ) obtained from salmon roe was dissolved in 1 mL of water, and the resulting DNA solution was petri dish having a diameter of 3 cm. And air dried at room temperature. Subsequently, 254 nm ultraviolet rays (irradiation distance was about 7.5 cm) were irradiated for 1 to 12 hours using an ultraviolet lamp (R-52G type, 5600 μW / cm ² , manufactured by Ultra Violet). Water was poured into the petri dish, and the water-insoluble DNA film formed on the petri dish bottom was peeled off from the petri dish bottom.
[0028]
This water-insoluble DNA film was stable in water because it was insoluble in water even when immersed in water for a long period of 50 days.
The water-insoluble DNA obtained by the ultraviolet irradiation was dissolved in boiling water at 100 ° C. in about 15 minutes. This dissolved sample is diluted with water to make a solution with a concentration of 0.1 μg / 10 μL, and then agarose gel electrophoresis (manufactured by Washina Sheng (manufactured), mobile phase TAE buffer, analysis temperature 30 ° C., moving distance 12 cm) Analysis showed that it was a very large compound with very high molecular weight. In addition, it has been confirmed that a compound having a very high molecular weight that does not migrate by agarose gel electrophoresis is also mixed in a water extract (reaction filtrate) of water-insoluble DNA at room temperature.
[0029]
Considering the high molecular weight that cannot be measured as water-insoluble at room temperature (25 ° C.), this water-insoluble DNA is a DNA cross-linked polymer produced by a cross-linking reaction of a large number of DNAs.
[0030]
Example 2 Accumulation and removal of intercalating agent by the water-insoluble DNA film ( film-like DNA cross-linked polymer ) 1 mg (area of about 1 cm ² ) of the water-insoluble DNA film obtained in Example 1 was obtained. The following intercalating agent was immersed in 10 mL of water containing the following concentrations, and the concentrations in water were measured by UV-VS spectral absorbance at a predetermined elapsed time and followed: ethidium bromide, 4 ppm; benzo [a] pyrene 10 ppb; dibenzo-p-dioxane, 10 ppb; dibenzofuran, 10 ppb; biphenyl, 10 ppb. For example, in the case of ethidium bromide, the absorbance at the maximum absorption wavelength of 480 nm of the compound decreased with time, and disappeared completely in 24 hours. The same was observed for other intercalating agents.
[0031]
Example 3 FIG. Immobilization of DNA on Cellulose Fiber Nonwoven Fiber by UV Irradiation 100 mg of cellulose fiber nonwoven fabric (cloth thickness 0.15 mm) was impregnated in a solution of 3 mg of DNA used in Example 1 in 1 mL of water. The impregnated nonwoven cellulose fibers were air-dried and irradiated with ultraviolet rays for a predetermined time in the same manner as in Example 1. Thereafter, the DNA not fixed was removed by washing thoroughly with water at about 20 ° C. and dried. The amount of DNA immobilized on the non-woven cellulose fibers generally increased with the time of ultraviolet irradiation, and reached a certain value after 15 minutes of irradiation. The maximum amount of DNA immobilized on 1 g of the non-woven cellulose fiber was about 20 mg (maximum amount measurement method: measured at 100 ° C., 1N HCl for 1 hr, cooled to room temperature, and then measured at an absorbance of 260 nm).
[0032]
Example 4 Obtained in Example 3 DNA fixed cellulose to the fiber nonwoven Ag ⁺ adsorption and Ag ⁺ DNA obtained in bactericidal activity Example 3 of adsorbed nonwoven fixed cellulosic fibrous nonwoven 30mg of (DNA content 20mg / cloth 1 g), Immerse in an aqueous solution containing 10 mM silver nitrate for 1 hour. Next, the DNA-immobilized nonwoven fabric is taken out from the aqueous silver nitrate solution, washed with water, and dried at room temperature. The amount of Ag ⁺ adsorbed on the DNA-immobilized non-woven fabric after sufficient washing depends on the amount of silver nitrate used, and the amount of adsorption increases generally when the amount of silver nitrate is large. The maximum amount of Ag ⁺ adsorbed to 1 g of the DNA-immobilized nonwoven fabric was 5 mg.
[0033]
Ag ⁺ containing -DNA fixed nonwoven fabric showed marked growth inhibitory to Esch e richia coli and Staphylococcus aureus bacteria such. This fabric can be widely used as an antimicrobial material.
[0034]
【The invention's effect】
When a thin layer of water-soluble DNA or water-soluble RNA on a support or an aqueous solution of water-soluble DNA or water-soluble RNA or a liquid film thereof is irradiated with ultraviolet rays having a wavelength in the range of 250 to 270 nm, the DNA or RNA becomes water. It turns into a crosslinked body of supermacromolecules that are insoluble in water. Similarly, a cellulose fiber nonwoven fabric coated with a water-insoluble crosslinked polymer of DNA is formed by, for example, irradiating an aqueous solution of water-soluble DNA soaked with a cellulose fiber nonwoven fabric with ultraviolet rays having a wavelength in the range of 250 to 270 nm. The In the same manner, when glass peas coated with water-soluble DNA were irradiated with the same ultraviolet rays, a water-insoluble DNA cross-linked polymer was fixed on the surface. When this DNA is a double-stranded DNA, the cross-linked product adsorbs the intercalating agent for DNA or the environmental hormones that are intercalating agents for DNA even in a very low concentration state in water or in gas. Similarly, toxic metals such as Hg ions are also fixedly adsorbed to water. Therefore, this crosslinked product is useful as an environmental purification material that accumulates and removes environmental hormones and harmful metals. Specifically, air, water, drinking water, a filtering material for beverage food, or a cleaning agent in the digestive tract of mammals including humans, that is, pharmaceuticals, veterinary medicines or It can be used as an active ingredient contained in food. A single-stranded DNA or RNA cross-linked product is useful as an environmental purification material because it fixes harmful metals.

Claims

A thin layer obtained by concentration to dryness of the water-soluble double-stranded DNA in solution of the liquid film on the thin layer or the support of the water-soluble double-stranded DNA on supporting lifting member, a wavelength in the range of 250~270nm A method for producing a water-insoluble DNA film, which is produced by forming a film of a water-insoluble crosslinked polymer fixed on a support by irradiating ultraviolet rays, and peeling the film from the support.

The method for producing a water-insoluble DNA film according to claim 1, wherein the thin layer of the DNA has a thickness of 0.01 to 1 mm.

A water-insoluble DNA film produced by the method according to claim 1 or 2.

The water-insoluble DNA film according to claim 3, wherein the DNA is DNA obtained from a fish larva (testis) or a thymus of a mammal or a bird.

Baie emission zone [a] pyrene, dibenzo -p- dioxane, from a liquid or gas containing the intercalating agent to the one or more DNA selected from dibenzofuran and biphenyl to remove the intercalating agent to said DNA, Use of the water-insoluble DNA film according to claim 3 or 4 (excluding application to the human body) .