JP4204886B2 - 戻り油路用濾過装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、戻り油路用濾過装置に関し、さらに詳細には、油圧装置から排出される戻り油をタンクに導く戻り油路に配設され、この戻り油路を流れる戻り油を清浄化させる戻り油路用濾過装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような戻り油路用濾過装置は、内部に戻り油が貯留するタンクの天板に形成された挿着孔に挿着されたヘッドと、ヘッドの下部に取り付けられてタンク内に下方へ延び、中央部よりも下方がタンク内に貯留する戻り油内に没して円筒状をなす収容カバー部材と、収容カバー部材の内側に形成されたフィルタ空間部内に配置されて上下に延びて突出部に取り付けられたフィルタエレメントとを有して構成されているものがある(例えば、特許文献1参照)。この戻り油路用濾過装置のヘッドはタンクに挿着された状態で天板よりも上方へ突出する本体部と天板から下方へ突出する突出部とを有してなり、ヘッド内には一端が本体部の側面に開口して他端が突出部の下面に開口する貫通孔が内部に形成され、本体部の側面に開口する側面側開口部には油圧装置から排出される戻り油をタンクに導くための戻り管が接続されている。ヘッド及び戻り管は導電材料製であり、戻り管は接地されている。
【0003】
フィルタエレメントは上下に貫通するフィルタ空間部を有し、フィルタ空間部の上部に開口するフィルタ上開口部を突出部の下面に開口する下面側開口部に連通させた状態で下方へ延びている。フィルタエレメントの側面には複数の流通孔を有した導電材料製のフィルタカバー部が覆われ、フィルタ空間部の下部に開口する下開口部にはこれを覆ってフィルタエレメントの下部に取り付けられた導電材料製のロアプレートが設けられている。このロアプレートはヘッドと電気的に接続された状態になっている。このため、戻り油路用濾過装置を構成するヘッド、収容カバー部材、フィルタエレメント及びロアプレートは電気的に接続された状態にあるとともに、接地された状態にある。
【0004】
このように構成された戻り油路用濾過装置によれば、戻り管に導かれてヘッドに流入した戻り油はフィルタ空間部に流入し、フィルタエレメントを通過してフィルタカバー部の流通孔を通って収容カバー部材の側面内側とフィルタエレメントの側面外側との間に形成された隙間に流出する。そして、戻り油はこの隙間内を下方へ流れてフィルタカバー部の下部からタンク内に流出する。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−328507号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、戻り油がフィルタカバー部の流通孔を通過するときに戻り油がフィルタカバー部と接触して摩擦帯電する場合がある。この帯電した戻り油が隙間内を下方へ流れる場合、この戻り油の流速が遅いときには収容カバー部材と帯電した戻り油との間で放電現象が発生する場合がある。また、ロアプレートを構成する材料が収容カバー部材を構成するそれよりも電気抵抗が小さい材料で形成され、且つ隙間内を下方へ流れる戻り油の流速が速いときには、ロアプレートの周縁部と帯電した戻り油との間で放電現象が発生する場合がある。このような放電現象が発生すると、タンク内に貯留する戻り油が劣化するという問題が生じるおそれがある。
【0007】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、放電現象の発生を防止して戻り油の劣化を未然に防止することができるような戻り油路用濾過装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の戻り油路用濾過装置は、油圧装置(例えば、実施形態における油圧アクチュエータ、油圧ポンプ)からの戻り油をタンクに導く戻り油路(例えば、実施形態における戻り管3)中に配設され、戻り油路を流れる戻り油を清浄化させてタンクに戻す戻り油路用濾過装置であって戻り油路から流出する戻り油を通過させて濾過する濾材部(例えば、実施形態における濾材42)及び濾材部の側面を覆うように配設されて複数の流通孔(例えば、実施形態における孔部43a)を有した導電材料製のフィルタカバー部(例えば、実施形態におけるカバー部材43)を有してなるフィルタエレメントと、フィルタエレメントの下部に開口するフィルタ下開口部(例えば、実施形態における下開口部41a1)を覆うようにしてフィルタエレメントの下部に接地された状態で取り付けられた導電材料製の下蓋部材(例えば、実施形態におけるロアプレート54)と、内側にフィルタエレメントを収容して下方へ延び、側面の内側とフィルタカバー部の側面の外側との間にフィルタエレメントを通過した戻り油を下方へ流してタンク内に導くための隙間を形成してなり、少なくとも下部がタンク内に貯留する戻り油内に没した状態で配設される導電材料製の収容カバー部材と、戻り油がフィルタエレメントを通過するときに帯電した電荷を除去するため、下蓋部材の周縁部の下方近傍位置及び収容カバー部材の内面の少なくともいずれかの位置に接地された状態で配設され、下蓋部材及び収容カバー部材よりも電気抵抗が小さい導電材料製の除電部材とを有して構成される。
【0009】
上記構成の戻り油路用濾過装置によれば、下蓋部材の周縁部の下方近傍位置及び収容カバー部材の内面の少なくともいずれかの位置に、下蓋部材及び収容カバー部材よりも電気抵抗が小さい導電材料製の除電部材を接地状態で配設することで、戻り油がフィルタエレメントを通過するときに帯電した場合、この帯電した戻り油が隙間を流れるときには、収容カバー部材の内面に配設された除電部材により帯電した戻り油の電荷を小さくし、また、帯電した戻り油が下蓋部材の先端部近傍を流れるときには、下蓋部材の周縁部の下方近傍位置に配設された除電部材により帯電した戻り油の電荷を小さくする。このため、収容カバー部材の内面や下蓋部材の先端部で放電現象が発生することはなく、放電によるタンクに貯留した戻り油の劣化を未然に防止することができる。
【0010】
また、本発明に係わる戻り油路用濾過装置は、油圧装置からの戻り油をタンクに導く戻り油路中に配設され、戻り油路を流れる戻り油を清浄化させてタンクに戻す戻り油路用濾過装置であって、タンク内に貯留する戻り油内に没した状態で戻り油路の先端部に取り付けられて接地された導電材料製のヘッド(例えば、実施形態におけるアッパープレート103)と、ヘッドの下部に取り付けられて下方へ延び、戻り油路から流出する戻り油を通過させて濾過する濾材部及び濾材部の側面を覆うように配設されて複数の流通孔を有した導電材料製のフィルタカバー部を有してなるフィルタエレメントと、戻り油がフィルタエレメントを通過するときに帯電した電荷を除去するため、フィルタエレメントの少なくとも上部を覆うように配設されてヘッドに電気的に接続され、内面内側とフィルタカバー部の側面の外側との間に隙間を形成して下方へ延びて下端部が開口し、ヘッドよりも電気抵抗が小さい導電材料製の除電部材とを有して構成される。
【0011】
上記構成の戻り油路用濾過装置によれば、フィルタエレントの少なくとも上部を覆うように配置されてヘッドに電気的に接続され、内面内側とフィルタカバー部の側面外側との間に隙間を形成して下方へ延びて下端部が開口し、ヘッドよりも電気抵抗が小さい導電材料製の除電部材を設けることで、戻り油がフィルタエレントを通過するときに帯電した場合、この帯電した戻り油が接地されたヘッドの周縁部の近傍位置を流れると、ヘッドに接続された除電部材によりこの帯電した戻り油の電荷を小さくする。このため、ヘッドの周縁部の近傍位置で放電現象が発生することはなく、放電によるタンクに貯留した戻り油の劣化を未然に防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図1から図3を使用して説明する。
【0013】
【第1の実施の形態】
先ず、本発明に係わる戻り油路用濾過装置の第1の実施の形態について説明する。戻り油路用濾過装置1は、図1に示すように、戻り油Mを貯留する容器状のタンク80の天板部81に形成された挿着孔81aに挿着されたヘッド10と、挿着孔81aから下方へ突出するヘッド10の下部に取り付けられて下方へ延びる円筒状の収容カバー部材30と、収容カバー部材30の内側に形成されたフィルタ空間部31内に配置されて上下に延びるフィルタエレメント40とを有して構成されている。
【0014】
ヘッド10は金属材料製(例えば、アルミニウム合金製)であり、ヘッド本体部11とこの下部から下方へ突出する下突出部20とを有して構成されている。ヘッド10の内部には貫通孔12が形成され、この貫通孔12はヘッド本体部11の左側面に開口して左右方向右側へ延びるとともに、下方へ延びて下突出部20の下面に開口している。なお、ヘッド本体部11の側面に開口した貫通孔12の一方側端部を側面側開口部12aと記し、下突出部20の下面に開口した貫通孔12の他方側端部を下面側開口部12bと記す。ヘッド本体部11の上面には貫通孔12に連通する円形状の上開口部14が形成され、上開口部14にはこれを覆う上蓋部15がボルト16を介してヘッド本体部11に着脱可能に取り付けられている。上蓋部15は金属材料製(例えば、アルミニウム合金製)であり、上蓋部15がヘッド本体部11に取り付けられた状態で、側面側開口部12aと下面側開口部12bとが連通するとともに、上蓋部15とヘッド10とが電気的に接続された状態になる。
【0015】
下突出部20の上部には左右方向に延びるフランジ部21が環状に形成され、下突出部20が挿着孔81aに挿入されてフランジ部21の下面を天板部81に当接させた状態で、図示しないボルト等の締め付け治具によりフランジ部21が天板部81に締め付けられて、ヘッド10がタンク80に固定されている。側面側開口部12aには金属材料製の戻り管3が接続されている。戻り管3は図示しない油圧アクチュエータの駆動により排出される戻り油や図示しない油圧ポンプから吐出される戻り油をタンク80に導くための流路であり、電気的に接地されている。このため、ヘッド10は戻り管3を介して接地状態にある。
【0016】
ヘッド内部の貫通孔12のうち上下に延びる貫通孔12内には保持部材60が挿着されている。保持部材60は導電材料製であり、下方へ延びる円筒状の下側突出部61と、下側突出部61の上部に左右方向に所定の間隔を有して配設されて上方へ延びる複数の脚部66を備えた上側突出部65とを有して構成されている。下側突出部61の上部には円盤状のフランジ部62が環状に形成されている。フランジ部62は上下に延びる貫通孔12の内側面に形成された段部17に係止され、保持部材60は貫通孔12内で位置決め保持される。下側突出部61の内側には上下に貫通する流入孔63が形成されている。
【0017】
一方、上側突出部65に形成された複数の脚部66は板状であり、複数の脚部66の上部はそれぞれが上方内側に延びて上部で繋がり、頂部67を形成している。頂部67には上下に貫通する挿通孔68が形成されている。保持部材60が貫通孔12内で位置決めされると、脚部66は貫通孔12の上部内に配置される。このため、戻り管3を流れる戻り油は貫通孔12の上部に流入し、上側突出部65の脚部66間の隙間を流れて下側突出部61の流入孔63に流れ込む。なお、フランジ部62の直径は、保持部材60が上開口部14から挿抜できるように、上開口部14のそれよりも小さい。
【0018】
このように構成された保持部材60にはフィルタエレメント40を着脱自在に保持する保持機構50が設けられている。保持機構50は下側突出部61の流入孔63及び上側突出部65の挿通孔68を挿通して上端部に螺合されたナット51により下方への移動が規制された軸部52を有している。軸部52は金属材料製(例えば、鋼製)であり、上側突出部65の頂部67から下方へ延びて下側突出部61の流入孔63から下方へ延出している。軸部52の上部にはナット51と頂部67間に挟持されて斜め上方へ延びる金属材料製のばね部材53が取り付けられている。このばね部材53は、保持部材60がヘッド10内に装着され且つ上蓋部15がヘッド10に装着された状態で、ばね部材53の先端上部が上蓋部15の底面に押圧当接して保持部材60を下方へ付勢して保持部材60の位置ずれを防止するとともに、軸部52とヘッド10とを電気的に接続させる機能を有している。このため、軸部52は戻り管3を介して接地された状態になっている。軸部52の下端部には水平方向に延びる円板状のロアプレート54が挿入されている。ロアプレート54は金属材料製(例えば、アルミニウム合金製)であり、軸部52の下端部に螺合したナット55を介して軸部52に保持されている。
【0019】
フランジ部62から下方へ延びる下側突出部61の側面の外側には圧縮ばね56が挿通され、圧縮ばね56の上端部とフランジ部62の下面との間にはリリーフ弁用ワッシャ57が下突出部61の外周に嵌合して上下に摺動移動可能に挟装されている。下側突出部61の下端部には水平方向に延びる金属材料製で円板状のアッパープレート58が挿入され、アッパープレート58は圧縮ばね56を受け止め保持している。このため、圧縮バネ56の付勢力はリリーフ弁用ワッシャ57を上方に押すように作用する。なお、圧縮ばね56の反力はアッパープレート58に作用するが、このように下方へ付勢されるアッパープレート58が下側突出部61から抜け落ちないように、下側突出部61の下端部には止め輪59が取り付けられている。アッパープレート58とロアプレート54との間には前述した2つのフィルタエレメント40がセンタプレート64を介して上下に挟持され、これらのフィルタエレメント40が挟持されると、アッパープレート58を介して圧縮ばね56によりフィルタエレメント40が下方へ付勢されて、2つのフィルタエレメント40がアッパープレート58とロアプレート54との間でしっかりと保持されている。なお、保持機構50は軸部52、アッパープレート58、ロアプレート54及び圧縮ばね56を有して構成されている。アッパープレート58及びロアプレート54の直径は、保持部材60が上開口部14を通って挿抜されるときにアッパープレート58及びロアプレート54がヘッド10の内部を通って上開口部14から出し入れできるような大きさに形成されている。
【0020】
フィルタエレメント40は、円筒状をなして上下に延びるエレメント保持部41と、エレメント保持部41の側面外側を覆うように装着された円筒状の濾材42と、濾材42の側面外側を覆うように装着されたカバー部材43とを有して構成されている。エレメント保持部41は金属材料製であり、内部に上下に延びる空間部41aが形成され、空間部41aは上部及び下部のそれぞれで開口している。なお、空間部41aの下部で開口する部分を下開口部41a1と記す。エレメント保持部41の側面には保持部材60を通ってエレメント保持部41の空間部41a内に流入した戻り油を流出させるための多数の孔部41bが形成されている。
【0021】
濾材42は戻り油内に混入した塵等を除去する機能を有している。カバー部材43は金属材料製(例えば、鉄製)であり、側面には濾材42を通過した戻り油を通すための多数の孔部43aが形成されている。フィルタエレメント40の直径の大きさはアッパープレート58及びロアプレート54と略同じ大きさである。このため、保持部材60に保持機構50を介してフィルタエレメント40を装着させた状態で、フィルタエレメント40は保持部材60とともに上開口部14から出し入れすることができる。
【0022】
保持部材60に取り付けられたフィルタエレメント40の側面の外側にはヘッド10の下突出部20に嵌挿されて下方へ延びる金属材料製(例えば、鋼製)の収容カバー部材30が設けられている。このため、収容カバー部材30はヘッド10と電気的に繋がった状態にあり、戻り管3を介して接地状態にある。収容カバー部材30は円筒状であり、フィルタ空間部31は2つのフィルタエレメント40の殆どを収容可能な大きさを有し、収容カバー部材30の下端部は下側に配設されたフィルタエレメント40の下端部から上側に僅かにずれた位置に延びている。収容カバー部材30の側面内側とフィルタエレメント40の側面外側には戻り油を流すための隙間32が形成されている。このため、フィルタエレメント40を通過した戻り油は隙間32内を下方へ流れてタンク80内に戻されることになる。なお、収容カバー部材30の中央部よりも下側はタンク80内に貯留する戻り油Mに没している。
【0023】
ここで、戻り油が濾材42を通過するとき、戻り油は濾材42と接触して摩擦帯電する。この帯電した戻り油が隙間32内を下方へ流れるときの流速が速いときには、収容カバー部材30の内側では放電現象は発生しないが、隙間32から流出した戻り油がロアプレート54の先端部の近くを流れるときに、この先端部と帯電した戻り油との間で放電現象が発生する場合がある。これは、収容カバー部材30の電気抵抗はロアプレート54のそれよりも大きいため(即ち、収容カバー部材30は鋼製でありその体積抵抗率は約10〜20×10−8Ωmであり、一方、ロアプレート54はアルミニウム合金製でありその体積抵抗率は約2.0×10−8Ωmである。)、帯電した戻り油が隙間32を流れたときに収容カバー部材30に誘導される電荷量は大きくならず、その結果、収容カバー部材30と帯電した戻り油との間に生じる電界が放電を開始させるための放電開始電界に達ないと考えられる。一方、戻り油がロアプレート54の先端部の近傍位置を流れるときには、ロアプレート54の先端部に誘導される電荷量が前述した収容カバー部材30に誘導されるそれよりも大きくなり、その結果、帯電した戻り油とロアプレート54の先端部との間の電界が放電開始電界に達して放電現象が発生すると考えられるからである。
【0024】
このため、図1に示す戻り油路用濾過装置1では、軸部52の下端部にロアプレート54のよりも電気抵抗の小さい材料製(例えば、銅製、体積抵抗率は約1.7×10−8Ωm)の除電部材70が取り付けられている。この除電部材70は軸部52の下端部に螺合するナット55の上面とロアプレート54の下面との間に挟持されて水平方向に延び、先端部はロアプレート54の先端下方の近傍位置まで延びるとともにロアプレート54の先端部と略同一面上に位置している。除電部材70の先端部とロアプレート54の先端部との間には流入空間部75が形成され、隙間32から流出した戻り油はこの流入空間部75の近傍を流れるときに除電部材70に接触することになる。なお、除電部材70の先端位置は隙間32から流出する帯電した戻り油が除電部材70に接触し易くするようにロアプレート54の先端よりもより外側に延ばした方が除電効果は大きくなると考えられるが、除電部材70の水平方向に延びる長さを長くすると、ヘッド10の上開口部14に除電部材70が引っ掛かかることを考慮して、除電部材70の先端位置は前述のようにロアプレート54の先端位置と略同一面上に位置している。
【0025】
このように、放電現象が発生する場所(ロアプレート54の先端位置)の近傍位置に除電部材70を配設することで、帯電した戻り油が隙間32を流れて収容カバー部材30の下端部から流出すると、この帯電した戻り油が除電部材70に接触してこの戻り油の電荷の一部又は全部が除電部材70に流れて戻り油の帯電量を小さくする。その結果、ロアプレート54の先端部に誘導される電荷量が小さくなり、隙間32から流出した戻り油とロアプレート54の先端部との間に発生する電界が放電開始電界に達しなくなり、ロアプレート54の先端部に放電現象が発生する事態を未然に防止することができる。この結果、放電によりタンク80内に貯留した戻り油Mが劣化することを効果的に防止することができる。
【0026】
なお、保持部材60のフランジ部62には上下に貫通する貫通孔62aが所定の間隔を有して複数配設されている。この貫通孔62aを形成したフランジ部62の下部に前述したリリーフ弁用ワッシャ57が貫通孔62aを塞ぐように圧縮ばね56に付勢されてフランジ部62に押圧当接している。リリーフ弁用ワッシャ57はリリーフ弁として作動し、フィルタエレメント40が目詰まりして戻り管3内やフィルタエレメント40内の油圧が高くなると、戻り管3内の油が貫通孔62aを介してリリーフ弁用ワッシャ57を下方へ押圧移動させて貫通孔62aを介して戻り管3とフィルタ空間部31とを連通状態にさせる。その結果、油圧の高い油が隙間32に流出して戻り管3内やフィルタエレメント40内の油圧を低くすることができる。
【0027】
なお、前述した実施の形態では、隙間32を流れる戻り油の流量(流速)が大きい場合について説明したが、戻り油の流量が小さい場合には、前述したように上下に延びる収容カバー部材30の内面のいずれかの場所で放電現象が発生する虞がある。このような場合には、図2に示すように、放電現象が発生する虞のある収容カバー部材30の内面に収容カバー部材30よりも電気抵抗の小さい導電材料製(例えば、銅製)の除電部材73を収容カバー部材30と電気的に接続させた状態で取り付ける。この除電部材73は帯状であり、収容カバー部材30の内面に環状に取り付ける。このように除電部材73を収容カバー部材30に設けることで、収容カバー部材内部の放電が防止され、図1に示す除電部材70と同様の効果を得ることができる。また、前述した実施の形態では、除電部材70、73を銅製としたが、除電部材70、73を銅よりも電気抵抗が小さい材料(例えば、銀、金)で形成してもよい。さらに、前述した実施の形態ではフィルタエレメント40が2つ装着された例を示したが、1つのフィルタエレメント40を収容カバー部材30内に収容するようにしてもよく、また収容カバー部材30の下端部は除電部材70の下方位置まで延びるように形成してもよい。
【0028】
【第2の実施の形態】
次に、本発明に係わる戻り油路用濾過装置の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態の戻り油路用濾過装置100は、図3に示すように、戻り管3の先端部に接続されたフィルタエレメント40とフィルタエレメント40の上部に接続された除電部材101とを有して構成されている。フィルタエレメント40は、前述した円筒状をなして上下に延びるエレメント保持部41と、エレメント保持部41の側面外側を覆うように装着された円筒状の濾材42と、濾材42の側面外側を覆うように装着されたカバー部材43と、エレメント保持部41及び濾材42の上部を覆うようにして取り付けられて戻り管3の先端部に螺合する円板状のアッパープレート103と、エレメント保持部41及び濾材42の下部を覆うようにして接着されたロアプレート105とを有して構成されている。
【0029】
アッパープレート103は金属材料製(例えば、アルミニウム合金製)であり、中央部に戻り管3に螺合するねじ部103aが形成されている。エレメント保持部41、濾材42及びカバー部材43は図1に示すこれらに対応するものと同様なので説明は省略する。ロアプレート105は金属材料製(例えば、アルミニウム合金製)であり、中央部には濾材42が目詰まりしてフィルタエレメント内部の油圧が上昇したときにこの圧を低下させるためのリリーフ弁106が設けられている。ロアプレート105は絶縁材料製の接着剤(図示せず)を介してエレメント保持部41及び濾材42の底部に固着されている。このため、ロアプレート105は接着剤により電気的接続が遮断されて電気的に浮いた状態になっている。
【0030】
除電部材101は金属材料製(例えば、銅製)であって円筒状であり、その上部の周縁部がアッパープレート103の周縁部に電気的に接続された状態で取り付けられている。除電部材101はフィルタエレメント40の上部を覆うようにして下方へ延び、側面101aの内側とカバー部材43の側面の外側との間には前後に延びる環状の隙間109が形成されている。
【0031】
このように構成された戻り油路用濾過装置100において、戻り管3からエレメント保持部41、濾材42を通過しさらにカバー部材43を通過した戻り油はカバー部材43の孔部43aを通過するときに摩擦帯電して流出する場合があるが、この流出した帯電した戻り油の流速が遅い場合には、アッパープレート103の近傍を流れる戻り油とアッパープレート103の先端部との間で放電現象が発生する場合がある。しかしながら、アッパープレート103の周縁部にはアッパープレート103よりも電気抵抗の小さい除電部材101が電気的に接続された状態で取り付けられているので、フィルタエレメント40の上部から流出した戻り油は除電部材101に接触することで帯電量が小さくなり、そしてこの戻り油が隙間109内を下方へ流れる。このため、アッパープレート103の先端部での放電現象の発生を防止することができ、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0032】
なお、フィルタエレメント40の下部から流出した戻り油は帯電したままタンク内に貯留した戻り油M内に流出するが、ロアプレート105は電気的に浮いた状態にするのが好ましいので、ロアプレート105の先端部に帯電した戻り油が通過してもロアプレート105の先端部に放電現象が発生することはない。また、前述した実施の形態では、除電部材101を銅製としたが、除電部材101を銅よりも電気抵抗が小さい材料(例えば、銀、金)で形成してもよい。
【0033】
【発明の効果】
本発明に係わる戻り油路用濾過装置によれば、下蓋部材の周縁部の下方近傍位置及び収容カバー部材の内面の少なくともいずれかの位置に、下蓋部材及び収容カバー部材よりも電気抵抗が小さい導電材料製の除電部材を接地状態で配設することで、収容カバー部材の内面や下蓋部材の先端部において放電現象が発生することはなく、放電によるタンクに貯留した戻り油の劣化を未然に防止することができる。
【0034】
また、フィルタエレメントの少なくとも上部を覆うように配置されてヘッドに電気的に接続され、内面内側とフィルタカバー部の側面の外側との間に隙間を形成して下方へ延びて下端部が開口し、ヘッドよりも電気抵抗が小さい導電材料製の除電部材を設けることで、ヘッドの周縁部の近傍位置において放電現象が発生することはなく、放電によるタンクに貯留した戻り油の劣化を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における戻り油路用濾過装置の断面図を示す。
【図2】本発明の第1の実施の形態における戻り油路用濾過装置の断面図を示す。
【図3】本発明の第2の実施の形態における戻り油路用濾過装置の断面図を示す。
【符号の説明】
1、100 戻り油路用濾過装置
3 戻り管(戻り油路)
30 収容カバー部材
32、109 隙間
40 フィルタエレメント
41a1 下開口部(フィルタ下開口部)
42 濾材(濾材部)
43 カバー部材(フィルカバー部)
43a 孔部(流通孔)
54 ロアプレート(下蓋部材)
70、73、101 除電部材
80 タンク
103 アッパープレート(ヘッド)
M 戻り油

Claims (2)

  1. 油圧装置からの戻り油をタンクに導く戻り油路中に配設され、前記戻り油路を流れる戻り油を清浄化させて前記タンクに戻す戻り油路用濾過装置であって
    前記戻り油路から流出する戻り油を通過させて濾過する濾材部及び前記濾材部の側面を覆うように配設されて複数の流通孔を有した導電材料製のフィルタカバー部を有してなるフィルタエレメントと、
    前記フィルタエレメントの下部に開口するフィルタ下開口部を覆うようにして前記フィルタエレメントの下部に接地された状態で取り付けられた導電材料製の下蓋部材と、
    内側に前記フィルタエレメントを収容して下方へ延び、側面の内側と前記フィルタカバー部の側面の外側との間に前記フィルタエレメントを通過した戻り油を下方へ流して前記タンク内に導くための隙間を形成してなり、少なくとも下部が前記タンク内に貯留する戻り油内に没した状態で配設される導電材料製の収容カバー部材と、
    戻り油が前記フィルタエレメントを通過するときに帯電した電荷を除去するため、前記下蓋部材の周縁部の下方近傍位置及び前記収容カバー部材の内面の少なくともいずれかの位置に接地された状態で配設され、前記下蓋部材及び前記収容カバー部材よりも電気抵抗が小さい導電材料製の除電部材と
    を有して構成されていることを特徴とする戻り油路用濾過装置。
  2. 油圧装置からの戻り油をタンクに導く戻り油路中に配設され、前記戻り油路を流れる戻り油を清浄化させて前記タンクに戻す戻り油路用濾過装置であって、
    前記タンク内に貯留する戻り油内に没した状態で前記戻り油路の先端部に取り付けられて接地された導電材料製のヘッドと、
    前記ヘッドの下部に取り付けられて下方へ延び、前記戻り油路から流出する戻り油を通過させて濾過する濾材部及び前記濾材部の側面を覆うように配設されて複数の流通孔を有した導電材料製のフィルタカバー部を有してなるフィルタエレメントと、
    前記戻り油が前記フィルタエレメントを通過するときに帯電した電荷を除去するため、前記フィルタエレメントの少なくとも上部を覆うように配設されて前記ヘッドに電気的に接続され、内面内側と前記フィルタカバー部の側面の外側との間に隙間を形成して下方へ延びて下端部が開口し、前記ヘッドよりも電気抵抗が小さい導電材料製の除電部材と
    を有して構成されていることを特徴とする戻り油路用濾過装置。
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