JP4204845B2

JP4204845B2 - Pneumatic tire provided with electronic chip and manufacturing method thereof

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Publication number: JP4204845B2
Application number: JP2002315531A
Authority: JP
Inventors: 渉山口
Original assignee: Bridgestone Corp
Current assignee: Bridgestone Corp
Priority date: 2002-10-30
Filing date: 2002-10-30
Publication date: 2009-01-07
Anticipated expiration: 2022-10-30
Also published as: JP2004148953A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子チップを配設した空気入りタイヤおよびその製造方法に関するものであり、特にタイヤ成形時における電子チップの損傷を防止するとともに、電子チップに対する通信の容易化を図る。
【０００２】
【従来の技術】
ＲＦＩＤ（Radio Frequency Identification）技術は、商品情報などを記録した半導体と小型アンテナを埋め込んだ「タグ」を対象物に取り付け、無線通信を使ってそれらの情報を「読取器」でピックアップすることで、交通の管理や商品管理、認証などを可能にする。特に、タグは非接触型であるため接点等の摩耗の心配もなく、また無電池のため応用事例にあわせた柔軟な加工や小型化・薄型化が可能であることから、このＲＦＩＤ技術は、現在、ビル等でのアクセス制御、航空手荷物のトラッキングシステム、交通制御システム、自動車の盗難防止システム、図書館での蔵書管理など幅広い分野で活用されており、今後もその利用分野は拡大するものと考えられる。
【０００３】
近年、このＲＦＩＤ技術を応用し、車両に装着するタイヤにいわゆるトランスポンダを取り付け、そのタイヤに関する種々の情報や使用中のタイヤのデータを提供することが試みられている。
【０００４】
例えば特許文献１および２には、それぞれクラウン部およびビード部内にトランスポンダを配設した空気入りタイヤが記載されている。しかし、かかるタイヤでは、成型ドラム上へのタイヤ部材の貼り付け時にトランスポンダを装着する必要があり、その後に行われるタイヤの拡径変形の際にトランスポンダが損傷するおそれがある。さらに、タイヤ外面からはトランスポンダの配設位置が特定できないため、迅速に通信を行えない場合がある。
【０００５】
また、特許文献３および４には、それぞれトランスポンダおよび電子パッケージの取付けを容易にするため、内面に接着部および留め具を用いてトランスポンダおよび電子パッケージを装着した空気入りタイヤが記載されている。かかるトランスポンダは、既存のタイヤへも自由に取り付け可能であるという利点を有するものの、走行中のタイヤの屈曲変形や発熱により剥離・離脱するおそれがある。さらに、タイヤ外面からはトランスポンダの配設位置が特定できないため、迅速に通信を行えない場合がある。
【０００６】
【特許文献１】
特開平１１−４２９１５号公報
【特許文献２】
特開平７−１３７５０号公報
【特許文献３】
特開平９−１３６５１７号公報
【特許文献４】
特表２００２−５０２７６５号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、この発明の目的は、トランスポンダ等の電子チップをタイヤ外面から識別できる位置に配設することにより、電子チップに対する通信の容易化を図った空気入りタイヤを提供することにある。また、この発明の他の目的は、グリーンタイヤ形成後に電子チップを所定の手段でタイヤ内部の特定位置に装着することによって、タイヤ形成時における電子チップの損傷を有効に防止した空気入りタイヤの製造方法を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、第１発明は、一対のビード部、一対のサイドウォール部およびクラウン部にわたってトロイド状に延在する少なくとも１枚のプライからなるカーカスと、カーカスの内周側に配設した内層ゴムと外層ゴムの少なくとも２枚の空気不透過性ゴムからなるインナーライナーとを具える空気入りタイヤにおいて、インナーライナーを構成する内外層ゴムの間に電子チップを配設し、かつ、電子チップの配設位置に対応するタイヤの外面位置に電子チップのタイヤ周方向配設位置を識別できる表示部を有することを特徴とする空気入りタイヤである。
【０００９】
第１発明において、電子チップとして、パッケージ化されていない剥き出し状態の電子チップを用いることが好ましい。
【００１０】
さらに、第１発明において、タイヤ幅方向断面で見て、電子チップはクラウン部、ビード部およびサイドウォール部のいずれかに配設してなることが好ましい。
【００１１】
第２発明は、インナーライナーゴムを成型ドラム上に貼り付け、カーカスプライ等の他の必要なタイヤ部材を貼り付けた後、成型してグリーンタイヤを形成し、その後、グリーンタイヤを加硫することによって空気入りタイヤを製造するにあたり、インナーライナーゴムの成型ドラム上への貼り付けは、インナーライナーゴムの一方の端部を貼り付けた後に、この一方の端部上から成型ドラムの外面上にはみ出す範囲にわたって配設した剥離シートの上にインナーライナーゴムの他方の端部を貼り付けることによって行い、グリーンタイヤ形成後に、剥離シートのはみ出し部分をタイヤ内面側から引き抜きながらインナーライナーとカーカスの間に電子チップを配設することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法である。
【００１２】
なお、ここに言う「他の必要なタイヤ部材」とは、上記のカーカスプライの他に、トレッド部材、ベルト部材等、通常、タイヤを構成するのに必要とされるタイヤ部材のことを言う。
【００１３】
第３発明は、内層ゴムと外層ゴムの少なくとも２枚からなるインナーライナーゴムを成型ドラム上に貼り付け、カーカスプライ等の他の必要なタイヤ部材を貼り付けた後、成型してグリーンタイヤを形成し、その後、グリーンタイヤを加硫することによって空気入りタイヤを製造するにあたり、インナーライナーゴムの成型ドラム上への貼り付けは、内層ゴムの一方の端部を貼り付けた後に、この一方の端部上から成型ドラムの外面上にはみ出す範囲にわたって配設した剥離シートの上にインナーライナーゴムの他方の端部を貼り付け、この上に外層ゴムを貼り付けることによって行い、グリーンタイヤ形成後に、剥離シートのはみ出し部分をタイヤ内面側から引き抜きながらインナーライナーを構成する内外層ゴム間に電子チップを配設することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法である。
【００１４】
第２発明および第３発明とも、グリーンタイヤの加硫時に、電子チップの配設位置に対応するタイヤの外面位置に電子チップのタイヤ周方向配設位置を識別できる表示部を形成することが好ましい。
【００１５】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。図１は参考例としての空気入りタイヤ（以下「タイヤ」という。）の幅方向断面を含む斜視図であり、図２は第１発明に従う代表的なタイヤの幅方向断面を含む斜視図である。
【００１６】
図１に示すタイヤ１は、一対のビード部２、一対のサイドウォール部３およびクラウン部４にわたってトロイド状に延在する少なくとも１枚のプライ、図１では１枚のプライからなるカーカス５と、カーカス５の内周側に配設した少なくとも１枚の空気不透過性ゴム、図１では１枚の空気不透過性ゴムからなるインナーライナー６とを具える。
【００１７】
そして、この空気入りタイヤの構成上の主な特徴は、インナーライナー６とカーカス５の間に電子チップ７を配設し、かつ、電子チップ７の配設位置に対応するタイヤ１の外面位置に電子チップ７のタイヤ周方向配設位置を識別できる表示部８を有することにある。
【００１８】
以下、上記構成を採用するに至った経緯を作用とともに説明する。
電子チップを配設した従来のタイヤとしては、前述のようにタイヤ内面に電子チップを接着したり、留め具を用いて取り付けたものが知られている。しかし、このようにタイヤ内面に取り付けられた電子チップは、走行中のタイヤの屈曲変形等により剥離・離脱するおそれがあった。
【００１９】
こうした問題点を解消するには、タイヤ内部に電子チップを配設すればよい。タイヤ内部に電子チップを配設するためには、通常は成型ドラム上にタイヤ部材を積層する際に電子チップをタイヤ部材間に挟み込む必要がある。しかし、このような電子チップの配設方法では、その後の工程で大きな拡径成形されることによってグリーンタイヤが形成されることになるため、この拡径時に電子チップにも大きな応力が加わり損傷に至る場合があった。
【００２０】
そこで、発明者は、大きな拡径が完了したグリーンタイヤの形成後に、グリーンタイヤの内部に電子チップを配設することができれば、上記のような問題点を解消できるとの発想の下に検討を行ったところ、以下の知見を得た。
【００２１】
すなわち、発明者は、タイヤ１の内面が、空気不透過性ゴムからなるインナーライナーゴムを成型ドラム上に巻き付けることで形成されたインナーライナー６で構成されていることに着目し、グリーンタイヤ形成後にこのインナーライナーゴムの端部９から電子チップ７をタイヤ１内、より厳密には、インナーライナー６とカーカス５の間にに挿入できれば、タイヤ１内電子チップ７を損傷させずに配設できることを見出した。
【００２２】
さらに、加硫前のグリーンタイヤにおいて電子チップ７の配設位置が把握できるので、例えばモールド内に凹凸部を設けておき、これとグリーンタイヤの電子チップ７の配設位置とを一致させた状態で加硫すれば、電子チップ７の配設位置に対応するタイヤ１の外面位置に電子チップ７のタイヤ周方向配設位置を識別できる表示部８が形成され、タイヤ１の外面からでも電子チップ７の配設位置が容易に識別でき、この結果、電子チップの読み、書きの効率が大幅に向上して、電子チップ７に対する通信の容易化が図れることを見出し、この発明を完成させるに至ったのである。
【００２３】
ここで、電子チップ７は、インナーライナー６およびカーカス５の双方に固着されてなることが好ましい。加硫接着によって電子チップ７を有効に固定できるからである。
【００２４】
また、図２に示すように、インナーライナー６が少なくとも２枚の空気不透過性ゴム、図２では内層ゴム６ａと外層ゴム６ｂからなる場合には、内層ゴム６ａと外層ゴム６ｂの間に電子チップ７を配設し、かつ、電子チップ７の配設位置に対応するタイヤ１の外面位置に電子チップ７のタイヤ周方向配設位置を識別できる表示部８を有することができる。この場合にも、前記のように、タイヤ１内電子チップ７を損傷させずに配設できる上、タイヤ１の外面からでも電子チップ７の配設位置が容易に識別でき、この結果、電子チップの読み、書きの効率が大幅に向上して、電子チップ７に対する通信の容易化が図れる。さらに、電子チップ７が、路面から一層離れた位置に配設されるので、走行中に路面から電子チップ７に加わる入力歪を最小限とすることができる。
【００２５】
表示部８は、図１および図２に示すような凸部の他に、凹部を含む幾何学的形状、着色部等、識別できる形状等であればよい。
【００２６】
また、電子チップ７として、パッケージ化されていない剥き出し状態の電子チップを用いることが、電子チップ７をできるだけ軽量にして、タイヤ１の静バランスの悪化を極力防止する点で好ましい。なお、この発明は、タイヤ１の内面に接着部や留め具を用いて取り付ける場合と異なり、タイヤ１内部に電子チップ７を配設する構成であるため、タイヤ１自体が電子チップ７の保護層として機能する結果、パッケージ化されていなくても電子チップ７の損傷を有効に防止することができる。
【００２７】
さらにまた、タイヤ幅方向断面で見て、電子チップ７はクラウン部４、ビード部２およびサイドウォール部３のいずれかに配設してなることが好ましい。特に、タイヤ幅方向の重量バランスを整える観点からは、図１に示すように、クラウン部４に配設することが好ましく、走行中のタイヤ１の屈曲変形から電子チップ７を守る観点からは、ビード部２に配設することが好ましく、リムに妨害されたり停止位置に関わらず通信を容易にする観点からは、サイドウォール部３に配設することが好ましい。
【００２８】
次に、図３および図４を参照しつつ、この発明に従う空気入りタイヤの製造方法の一例を説明する。
【００２９】
図３は成型ドラム１０上にインナーライナー６を貼り付ける工程を説明するための模式図であり、図４はこの発明に従う製造方法により形成されたグリーンタイヤの内面の一部を示す略図であり、（ａ）はタイヤ内部に電子チップ７を配設する前の状態を、（ｂ）はタイヤ内部に電子チップ７をを配設した後の状態を示す。
【００３０】
第２発明および第３発明に従う空気入りタイヤの製造方法においては、まず、図３に示すように、インナーライナーゴム１１の一方の端部９ａを成型ドラム１０上に貼り付けた後に、この一方の端部９ａ上から成型ドラム１０の外面１２上にはみ出す範囲にわたって剥離シート１３を配設し、インナーライナーゴム１１を成型ドラム１０上に巻きつけた後、インナーライナーゴム１１の他方の端部９ｂを剥離シート１３上に貼り付ける。このように、剥離シート１３をインナーライナーゴム１１の両端部９ａ、９ｂ間に配設することで、後述する後工程におけるタイヤ内部への電子チップ７の配設を容易にするとともに、インナーライナーゴム１１の両端部９ａ、９ｂが完全に接着してしまうことを防止する。
【００３１】
次いで、インナーライナーゴム１１上に、第２発明の場合にはカーカスプライを、第３発明の場合には１枚以上のインナーライナーゴムをそれぞれ貼り付け、さらに、他の必要なタイヤ部材を貼り付けた後、拡径成型してグリーンタイヤを形成する。このようにして形成されたグリーンタイヤの内面は、図４（ａ）に示すように、インナーライナー６の端部９から剥離シート１３がはみ出した形状を有する。
【００３２】
その後、剥離シート１３のはみ出し部分１４を、図４（ａ）の矢印Ａで示すように、タイヤ内面側から引き抜きながら、第２発明の場合にはインナーライナー６とカーカス５の間に、第３発明の場合にはインナーライナー６の内外層ゴム間にそれぞれ電子チップ７を配設する。
【００３３】
そして、電子チップ７を配設したグリーンタイヤを加硫し、これによって空気入りタイヤを製造することができる。この加硫により、インナーライナーゴム１１の一方の端部９ａと他方の端部９ｂも完全に接着されるので、剥離シート１３が配設してあった部分からの空気漏れも発生しない。
【００３４】
このように、第２発明および第３発明に従う空気入りタイヤの製造方法によれば、拡径成型後のグリーンタイヤに電子チップを配設するため、大きな拡径変形を受けるグリーンタイヤ形成後に電子チップを配設できるので、タイヤ成形時における電子チップの損傷を防止することができる。
【００３５】
電子チップ７の配設位置は、インナーライナー６の端部９から５〜３００ｍｍ離隔した位置が好ましい。５ｍｍ未満の場合には、端部９からの空気漏れが懸念されるからであり、３００ｍｍを超える場合には、電子チップ７の配設が困難となるからである。
【００３６】
また、剥離シート１３の材料としては、インナーライナー６およびカーカス５との剥離性に優れたものが好ましく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等を用いることができるが、これに限定されない。
【００３７】
さらに、剥離シート１３の大きさは、タイヤ幅方向に沿って測定した長さが５０〜２００ｍｍ、タイヤ周方向に沿って測定した長さが３０〜２００ｍｍであることが好ましい。タイヤ幅方向に沿って測定した長さが５０ｍｍ未満の場合には、電子チップを挿入することが困難となるからであり、２００ｍｍを超える場合には、電子チップ配設後、インナーライナー貼付け時にエアー混入や皺の発生が懸念されるからである。また、タイヤ周方向に沿って測定した長さが３０ｍｍ未満の場合には、電子チップを挿入することが困難となるからであり、２００ｍｍを超える場合には、インナーライナー貼付け時にエアー混入や皺の発生が懸念されるからである。
【００３８】
また、グリーンタイヤの加硫時に、電子チップ７の配設位置に対応するタイヤ１の外面位置に電子チップ７のタイヤ周方向配設位置を識別できる表示部８を形成することが好ましい。このような表示部８を形成すれば、タイヤ１の外面からでも電子チップ７の配設位置が容易に識別でき、電子チップの読み、書きの効率が大幅に向上する結果、電子チップ７に対する通信の容易化が図れるからである。表示部８の形成方法としては、例えばモールド内に凹凸部等の幾何学的形状、または着色手段を設け、これと電子チップ７の配設位置とを対応させて加硫を行うことにより形成することができる。
【００３９】
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。例えば、図３には長方形の剥離シート１３を用いた例を示したが、円形、楕円形、多角形等の剥離シートを用いることもできる。
【００４０】
【発明の効果】
この発明によれば、トランスポンダ等の電子チップをタイヤ外面から識別できる位置に配設することにより、電子チップに対する通信の容易化を図った空気入りタイヤを提供することが可能となった。また、グリーンタイヤ形成後に電子チップを所定の手段でタイヤ内部の特定位置に装着することによって、タイヤ形成時における電子チップの損傷を有効に防止した空気入りタイヤの製造方法を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図１】参考例としての空気入りタイヤの幅方向断面を含む斜視図である。
【図２】第１発明に従う代表的な空気入りタイヤの幅方向断面を含む斜視図である。
【図３】成型ドラム上にインナーライナーを貼り付ける工程を説明するための模式図である。
【図４】この発明に従う製造方法により形成されたグリーンタイヤの内面の一部を示す略図であり、（ａ）はタイヤ内部に電子チップを配設する前の状態を、（ｂ）はタイヤ内部に電子チップを配設した後の状態を示す。
【符号の説明】
１タイヤ
２ビード部
３サイドウォール部
４クラウン部
５カーカス
６インナーライナー
６ａ内層ゴム
６ｂ外層ゴム
７電子チップ
８表示部
９、９ａ、９ｂインナーライナー端部
１０成型ドラム
１１インナーライナーゴム
１２成型ドラム外面
１３剥離シート
１４剥離シートはみ出し部分[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a pneumatic tire provided with an electronic chip and a method for manufacturing the same, and particularly to prevent damage to the electronic chip during molding of the tire and facilitate communication with the electronic chip.
[0002]
[Prior art]
RFID (Radio Frequency Identification) technology attaches a “tag” embedded with a semiconductor that records product information and a small antenna to an object, and picks up that information with a “reader” using wireless communication. Enables traffic management, product management, authentication, etc. In particular, since the tag is a non-contact type, there is no worry about wear of contacts, etc., and since there is no battery, flexible processing and downsizing / thinning are possible according to application examples. Currently, it is used in a wide range of fields, such as access control in buildings, air baggage tracking systems, traffic control systems, car anti-theft systems, library collection management, etc. It is done.
[0003]
In recent years, it has been attempted to apply this RFID technology to attach a so-called transponder to a tire to be mounted on a vehicle and provide various information about the tire and data on the tire in use.
[0004]
For example, Patent Documents 1 and 2 describe a pneumatic tire in which a transponder is disposed in a crown portion and a bead portion, respectively. However, in such a tire, it is necessary to attach a transponder when the tire member is stuck on the molding drum, and the transponder may be damaged when the tire is subjected to subsequent diameter expansion deformation. Further, since the position of the transponder cannot be specified from the outer surface of the tire, there is a case where communication cannot be performed quickly.
[0005]
Patent Documents 3 and 4 describe a pneumatic tire in which a transponder and an electronic package are mounted on an inner surface using an adhesive portion and a fastener in order to facilitate attachment of the transponder and the electronic package, respectively. Such a transponder has an advantage that it can be freely attached to an existing tire, but there is a possibility that the transponder may be peeled or detached due to bending deformation or heat generation of the running tire. Further, since the position of the transponder cannot be specified from the outer surface of the tire, there is a case where communication cannot be performed quickly.
[0006]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 11-42915 [Patent Document 2]
JP 7-13750 A [Patent Document 3]
JP-A-9-136517 [Patent Document 4]
JP-T-2002-502765 Publication [0007]
[Problems to be solved by the invention]
Accordingly, it is an object of the present invention to provide a pneumatic tire that facilitates communication with an electronic chip by disposing an electronic chip such as a transponder at a position that can be identified from the outer surface of the tire. Another object of the present invention is to manufacture a pneumatic tire that effectively prevents damage to the electronic chip during tire formation by attaching the electronic chip to a specific position inside the tire by a predetermined means after forming the green tire. It is to provide a method.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the first invention is a carcass comprising at least one ply extending in a toroid shape across a pair of bead portions, a pair of sidewall portions and a crown portion, and an inner peripheral side of the carcass. In a pneumatic tire comprising an inner liner made of at least two air impermeable rubbers, an inner rubber layer and an outer rubber layer, an electronic chip is disposed between the inner and outer rubber layers constituting the inner liner, and It is a pneumatic tire characterized by having a display part which can identify the arrangement position of the electronic chip in the tire circumferential direction at the outer surface position of the tire corresponding to the arrangement position of the electronic chip.
[0009]
In the first invention, it is preferable to use a bare electronic chip that is not packaged as the electronic chip.
[0010]
Furthermore, in the first invention, it is preferable that the electronic chip is disposed in any one of the crown portion, the bead portion, and the sidewall portion as viewed in the cross section in the tire width direction.
[0011]
In the second invention, an inner liner rubber is stuck on a molding drum, and other necessary tire members such as a carcass ply are pasted, then molded to form a green tire, and then the green tire is vulcanized. When manufacturing a pneumatic tire by the above method, the inner liner rubber is stuck on the molding drum by sticking one end of the inner liner rubber and then protruding from the one end to the outer surface of the molding drum. This is done by sticking the other end of the inner liner rubber on the release sheet placed over a range, and after forming the green tire, pull out the protruding part of the release sheet from the inner surface of the tire while A method for manufacturing a pneumatic tire is characterized by disposing a tip.
[0012]
In addition, the “other necessary tire member” mentioned here refers to a tire member that is usually required for constituting a tire, such as a tread member and a belt member, in addition to the carcass ply.
[0013]
In the third invention, an inner liner rubber composed of at least two layers of an inner layer rubber and an outer layer rubber is pasted on a molding drum, and other necessary tire members such as a carcass ply are pasted and then molded to form a green tire. Then, when producing a pneumatic tire by vulcanizing the green tire, the inner liner rubber is stuck on the molding drum by attaching one end of the inner layer rubber to this one end. This is done by attaching the other end of the inner liner rubber on the release sheet placed over the area that protrudes from the upper part of the molding drum to the outer surface of the molding drum, and then attaching the outer layer rubber on this. An electronic chip is disposed between the inner and outer rubber layers constituting the inner liner while pulling out the protruding portion of the seat from the inner surface of the tire. It is a manufacturing method of a pneumatic tire according to claim.
[0014]
In both the second and third inventions, it is preferable to form a display portion that can identify the position of the electronic chip in the tire circumferential direction at the outer surface position of the tire corresponding to the position of the electronic chip when the green tire is vulcanized. .
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings. FIG. 1 is a perspective view including a cross section in the width direction of a pneumatic tire (hereinafter referred to as “tire”) as a reference example , and FIG. 2 is a perspective view including a cross section in the width direction of a typical tire according to the first invention. .
[0016]
A tire 1 shown in FIG. 1 includes a pair of bead portions 2, a pair of sidewall portions 3 and a crown portion 4, and at least one ply extending in a toroid shape. In FIG. 1, a carcass 5 including one ply, At least one air-impermeable rubber disposed on the inner peripheral side of the carcass 5, and in FIG. 1, an inner liner 6 made of one air-impermeable rubber is provided.
[0017]
The main structural features of this pneumatic tire are that an electronic chip 7 is disposed between the inner liner 6 and the carcass 5 and the outer surface position of the tire 1 corresponds to the position where the electronic chip 7 is disposed. There exists in having the display part 8 which can identify the tire circumferential direction arrangement | positioning position of the electronic chip 7. FIG.
[0018]
Hereinafter, the background to the adoption of the above configuration will be described together with the operation.
As a conventional tire provided with an electronic chip, there is known a tire in which an electronic chip is bonded to the inner surface of the tire as described above or attached using a fastener. However, the electronic chip attached to the tire inner surface as described above may be peeled off or detached due to bending deformation or the like of the running tire.
[0019]
In order to solve such problems, an electronic chip may be disposed inside the tire. In order to dispose the electronic chip inside the tire, it is usually necessary to sandwich the electronic chip between the tire members when the tire members are stacked on the molding drum. However, in such an arrangement method of the electronic chip, since a green tire is formed by forming a large diameter in a subsequent process, a large stress is also applied to the electronic chip at the time of the expansion and damage is caused. There was a case.
[0020]
Therefore, the inventor considered based on the idea that if the electronic chip can be disposed inside the green tire after the formation of the green tire having a large diameter enlarged, the above-described problems can be solved. As a result, the following knowledge was obtained.
[0021]
That is, the inventor noticed that the inner surface of the tire 1 is composed of an inner liner 6 formed by winding an inner liner rubber made of air-impermeable rubber on a molding drum. If the electronic chip 7 can be inserted into the tire 1 from the end 9 of the inner liner rubber, more strictly, between the inner liner 6 and the carcass 5, the electronic chip 7 in the tire 1 can be disposed without being damaged. I found it.
[0022]
Furthermore, since the position where the electronic chip 7 is disposed in the green tire before vulcanization can be grasped, for example, an uneven portion is provided in the mold, and this is aligned with the position where the electronic chip 7 is disposed on the green tire. When the vulcanization is performed, a display portion 8 that can identify the arrangement position of the electronic chip 7 in the tire circumferential direction is formed at the outer surface position of the tire 1 corresponding to the arrangement position of the electronic chip 7. 7 can be easily identified, and as a result, it has been found that the efficiency of reading and writing of the electronic chip is greatly improved and communication with the electronic chip 7 can be facilitated, and the present invention is completed. It was.
[0023]
Here, the electronic chip 7 is preferably fixed to both the inner liner 6 and the carcass 5. This is because the electronic chip 7 can be effectively fixed by vulcanization adhesion.
[0024]
As shown in FIG. 2, when the inner liner 6 is composed of at least two air-impermeable rubbers, or in FIG. 2, the inner layer rubber 6a and the outer layer rubber 6b, an electron is interposed between the inner layer rubber 6a and the outer layer rubber 6b. The display part 8 which can arrange | position the chip | tip 7 and can identify the arrangement | positioning direction of the tire peripheral direction of the electronic chip 7 in the outer surface position of the tire 1 corresponding to the arrangement | positioning position of the electronic chip 7 can be provided. Also in this case, as described above, the electronic chip 7 in the tire 1 can be disposed without being damaged, and the disposition position of the electronic chip 7 can be easily identified even from the outer surface of the tire 1. The reading and writing efficiency is greatly improved, and communication with the electronic chip 7 can be facilitated. Furthermore, since the electronic chip 7 is disposed at a position further away from the road surface, input distortion applied to the electronic chip 7 from the road surface during traveling can be minimized.
[0025]
The display unit 8 may be any shape such as a geometrical shape including a concave portion, a colored portion, or the like other than the convex portion as shown in FIGS. 1 and 2.
[0026]
Further, it is preferable to use an unpackaged exposed electronic chip as the electronic chip 7 in order to make the electronic chip 7 as light as possible and prevent deterioration of the static balance of the tire 1 as much as possible. In addition, since this invention is the structure which arrange | positions the electronic chip 7 inside the tire 1 unlike the case where it attaches to the inner surface of the tire 1 using an adhesion part or a fastener, the tire 1 itself is a protective layer of the electronic chip 7 As a result, the electronic chip 7 can be effectively prevented from being damaged even if it is not packaged.
[0027]
Furthermore, it is preferable that the electronic chip 7 is disposed on any one of the crown part 4, the bead part 2, and the sidewall part 3 when viewed in a cross section in the tire width direction. In particular, from the viewpoint of adjusting the weight balance in the tire width direction, as shown in FIG. 1, it is preferable to arrange the crown portion 4, and from the viewpoint of protecting the electronic chip 7 from bending deformation of the running tire 1, It is preferable to arrange in the bead part 2, and it is preferable to arrange in the side wall part 3 from the viewpoint of facilitating communication irrespective of the stop position or the rim.
[0028]
Next, an example of a method for manufacturing a pneumatic tire according to the present invention will be described with reference to FIGS. 3 and 4.
[0029]
FIG. 3 is a schematic diagram for explaining a process of attaching the inner liner 6 on the molding drum 10, and FIG. 4 is a schematic diagram showing a part of the inner surface of the green tire formed by the manufacturing method according to the present invention. (A) shows a state before the electronic chip 7 is arranged inside the tire, and (b) shows a state after the electronic chip 7 is arranged inside the tire.
[0030]
In the method for manufacturing a pneumatic tire according to the second and third inventions, first, as shown in FIG. 3, after one end 9a of the inner liner rubber 11 is stuck on the molding drum 10, A release sheet 13 is disposed over a range that protrudes from the end 9a to the outer surface 12 of the molding drum 10, and after the inner liner rubber 11 is wound around the molding drum 10, the other end 9b of the inner liner rubber 11 is Affix on the release sheet 13. As described above, by disposing the release sheet 13 between the both end portions 9a and 9b of the inner liner rubber 11, the electronic chip 7 can be easily disposed in the tire in a later process, which will be described later, and the inner liner rubber. 11 to prevent the two end portions 9a and 9b from being completely bonded.
[0031]
Next, a carcass ply is pasted on the inner liner rubber 11 in the case of the second invention, one or more inner liner rubbers are pasted in the case of the third invention, and other necessary tire members are further pasted. After that, the green tire is formed by diameter expansion molding. The inner surface of the green tire thus formed has a shape in which the release sheet 13 protrudes from the end 9 of the inner liner 6 as shown in FIG.
[0032]
Thereafter, the protruding portion 14 of the release sheet 13 is pulled out from the tire inner surface side as indicated by an arrow A in FIG. 4A, and in the case of the second invention, the third portion is interposed between the inner liner 6 and the carcass 5. In the case of the invention, the electronic chip 7 is disposed between the inner and outer layer rubbers of the inner liner 6.
[0033]
And the green tire which has arrange | positioned the electronic chip 7 is vulcanized, and a pneumatic tire can be manufactured by this. By this vulcanization, the one end portion 9a and the other end portion 9b of the inner liner rubber 11 are also completely bonded, so that no air leaks from the portion where the release sheet 13 has been disposed.
[0034]
Thus, according to the manufacturing method of the pneumatic tire according to the second and third inventions, the electronic chip is disposed on the green tire after the diameter expansion molding, and thus the electronic chip is formed after the formation of the green tire that undergoes a large diameter expansion deformation. Therefore, it is possible to prevent the electronic chip from being damaged during the molding of the tire.
[0035]
The position where the electronic chip 7 is disposed is preferably a position separated from the end 9 of the inner liner 6 by 5 to 300 mm. This is because if it is less than 5 mm, air leakage from the end portion 9 is a concern, and if it exceeds 300 mm, it is difficult to dispose the electronic chip 7.
[0036]
Moreover, as a material of the peeling sheet 13, what was excellent in the peelability with the inner liner 6 and the carcass 5 is preferable, for example, although polyethylene, a polypropylene, etc. can be used, it is not limited to this.
[0037]
Furthermore, as for the magnitude | size of the peeling sheet 13, it is preferable that the length measured along the tire width direction is 50-200 mm, and the length measured along the tire circumferential direction is 30-200 mm. This is because when the length measured along the tire width direction is less than 50 mm, it is difficult to insert the electronic chip. When the length exceeds 200 mm, the air is applied when the inner liner is pasted after the electronic chip is disposed. This is because there is concern about the occurrence of contamination and soot. In addition, if the length measured along the tire circumferential direction is less than 30 mm, it is difficult to insert the electronic chip. This is because there is concern about the occurrence.
[0038]
Moreover, it is preferable to form the display part 8 which can identify the position of the electronic chip 7 in the tire circumferential direction at the outer surface position of the tire 1 corresponding to the position of the electronic chip 7 when the green tire is vulcanized. If such a display unit 8 is formed, the arrangement position of the electronic chip 7 can be easily identified even from the outer surface of the tire 1, and the efficiency of reading and writing of the electronic chip is greatly improved. This is because it is possible to facilitate the above. As a method for forming the display unit 8, for example, a geometrical shape such as a concavo-convex part or coloring means is provided in a mold, and the display unit 8 is formed by performing vulcanization in correspondence with the arrangement position of the electronic chip 7. be able to.
[0039]
The above description is merely an example of the embodiment of the present invention, and various modifications can be made within the scope of the claims. For example, FIG. 3 shows an example in which the rectangular release sheet 13 is used, but a release sheet such as a circle, an ellipse, or a polygon can also be used.
[0040]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to provide a pneumatic tire that facilitates communication with the electronic chip by disposing the electronic chip such as a transponder at a position that can be identified from the outer surface of the tire. In addition, it is possible to provide a method for manufacturing a pneumatic tire that effectively prevents damage to the electronic chip during tire formation by attaching the electronic chip to a specific position inside the tire by a predetermined means after forming the green tire. became.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view including a cross-section in the width direction of a pneumatic tire as a reference example .
FIG. 2 is a perspective view including a cross-section in the width direction of a typical pneumatic tire according to the first invention.
FIG. 3 is a schematic diagram for explaining a process of attaching an inner liner on a molding drum.
FIG. 4 is a schematic view showing a part of the inner surface of a green tire formed by the manufacturing method according to the present invention, in which (a) shows a state before an electronic chip is arranged inside the tire, and (b) shows the inside of the tire. Shows the state after the electronic chip is disposed.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Tire 2 Bead part 3 Side wall part 4 Crown part 5 Carcass 6 Inner liner 6a Inner layer rubber 6b Outer layer rubber 7 Electronic chip 8 Display part 9, 9a, 9b Inner liner edge part 10 Molding drum 11 Inner liner rubber 12 Molding drum outer surface 13 Release sheet 14 Extruding part of release sheet

Claims

A carcass made of at least one ply extending in a toroidal shape across a pair of bead portions, a pair of sidewall portions and a crown portion, and at least two air layers, an inner layer rubber and an outer layer rubber disposed on the inner peripheral side of the carcass In a pneumatic tire comprising an inner liner made of impermeable rubber,
An electronic chip is disposed between inner and outer layer rubbers constituting the inner liner, and a display unit is provided that can identify the position of the electronic chip in the tire circumferential direction at the outer surface position of the tire corresponding to the position of the electronic chip. A pneumatic tire characterized by that.

The pneumatic tire according to claim 1, wherein an unpackaged electronic chip that is not packaged is used as the electronic chip.

3. The pneumatic tire according to claim 1, wherein the electronic chip is disposed in any one of a crown portion, a bead portion, and a sidewall portion as viewed in a cross section in the tire width direction.

Affix the inner liner rubber on the molding drum and affix other necessary tire members such as carcass plies, then mold to form a green tire, and then vulcanize the green tire to form a pneumatic tire. In manufacturing, the inner liner rubber was attached to the molding drum over a range where one end of the inner liner rubber was pasted and then protruded from the one end to the outer surface of the molding drum. This is done by sticking the other end of the inner liner rubber on the release sheet. After the green tire is formed, an electronic chip is arranged between the inner liner and the carcass while pulling out the protruding portion of the release sheet from the inner surface of the tire. A method for manufacturing a pneumatic tire.

An inner liner rubber consisting of at least two layers of inner layer rubber and outer layer rubber is affixed on a molding drum, and other necessary tire members such as carcass plies are affixed, and then molded to form a green tire. When manufacturing a pneumatic tire by vulcanizing a tire, the inner liner rubber is stuck on the molding drum after the one end of the inner layer rubber is pasted, and then the molding drum starts from the one end. This is done by sticking the other end of the inner liner rubber on the release sheet that is placed over the outer surface of the inner surface, and then sticking the outer layer rubber on it. An electronic chip is disposed between the inner and outer rubber layers constituting the inner liner while being pulled out from the tire inner surface side. The pneumatic tire manufacturing method to be.

During vulcanization of the green tire, according to claim 4 or 5 to form a display unit that can identify the tire circumferential direction arrangement position of the electronic chip to the outer surface position of the tire corresponding to the arrangement position of the electronic chip of a pneumatic tire Production method.