JP4198291B2 - 多孔質体の強度評価方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多孔質体(殊にコークス)の標準法による強度を、少量の試料を用いた気孔率の測定および水銀圧入法の実施により精度良く推定することのできる多孔質体の強度評価方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
(1)周知のようにコークス強度の測定は、工業的には、JIS K 2151で規定されているドラム法またはタンブラー法により行われている。そしてこれらいずれの方法にあっても、10kg程度のコークス試料を回転容器を備えた規定の装置に装入し、規定の速度で規定の回数だけ回転させた後、所定の篩で篩分けして各区分ごとに質量を求め(つまり所定の篩での篩上または篩下の量を求め)、試料に対する加算百分率をもって指数とし、コークス強度の評価を行っている。
【0003】
(2)そのほか、工業化されていない方法として、1〜2mmに整粒したコークス試料と鉄球数個とをI型状のシリンダー内に同時に入れて回転させた後、試料を所望の篩で篩分け、篩上質量の割合により強度の評価を行う方法(マイクロストレングス)があり、また、塊コークスから円柱状の試料を切り抜いて径方向に荷重をかけ、試料が破壊された荷重と試料形状とから引張強度(間接引張強度)を求める方法がある。
【0004】
(3)本出願人の出願にかかる特開平8−320282号公報には、密閉圧力容器内に多孔質体試料を入れて伸縮性の小さい液体媒体で満たし、その液体媒体に徐々に圧力を加えて試料の気孔壁を破壊させる試験を行い、そのときの測定情報に基いて多孔質体の強度の評価を行うようにした多孔質体の強度の評価方法が示されている。多孔質体の代表例はコークス、液体媒体の代表例は水銀である。また測定情報のうちの代表例は、圧入圧力またはそれに相関する細孔径と、液体媒体圧入量との関係である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記(1)や(2)の従来のコークス強度の測定法は、次のような問題点がある。
(a) 上記(1)の場合には試料量が多くなること、たとえばJIS法の場合、試料量として10kg程度が必要であり、強度を評価したい試料が数グラム程度しかない場合には強度評価を行うことができないこと。
(b) 上記(2)のように引張強度やマイクロ強度など少量で測定を行う試験方法では、コークスの回転強度に換算することができないこと。
(c) 結果を得るまでに多くの工程を要すること。
(d) 試料の気孔構造によって粉化特性に差があること、すなわち、粉化量で評価するためその量は粉の個数と粉1個当りの重量の積で表わされるところ、同じ指数であっても発生粉の内容は異なるので高炉使用時には同一に評価されないおそれがあること。
(e) コークス試料に、炉壁に対し平行および垂直方向の場合で強度の異方性があり、結果に影響すること。
(f) 同時に製造されたコークスであっても、輸送工程中の衝撃の受け度合によってドラム強度などの強度は異なり、またサンプリング場所、サンプリング方法、試料量など規定された条件下でのみ比較評価されるものであるので、絶対的な指標とはなりえないこと。
【0006】
この点、上記(3)による強度の評価方法は、上記(1)や(2)の方法とは全く異なる機構に基くものであって、ごく少量の試料で測定が可能となること、コークス等の多孔質体の気孔壁の強度(基質のみの強度)を直接測定することができること、またこの強度を測定することにより、気孔壁のはがれを表わすようなコークスの摩耗強度が定量的に理解できるようになること、コークス等の強度の異方性にも影響されないことなどの利点を有する。
【0007】
しかしながら、上記(3)による強度の評価方法は、気孔壁そのものの材質や厚さに関係なく気孔壁としての強度の評価を行うものであり、JIS法ドラム強度のような回転強度の評価のように気孔壁の破壊による発生粉の重量を示すものではない。気孔壁の破壊による発生粉重量を考えるときには、気孔壁の厚さと気孔壁そのものの強度をあわせて評価しなければならない。すなわち上記(3)による強度の評価方法にあっては、たとえばコークス強度を評価する場合、この分野で標準的な方法として確立されているJIS法などによる強度との関係まではわからず、そのため(3)の評価方法は、特定の企業内の内部評価としては用いることはできても、コークスを生産しあるいは使用する業界には、少量サンプル量でもJIS法などによるコークス強度を精度良く推定する指標として受け入れられるまでには至らないという限界がある。
【0008】
本発明は、このような背景下において、多孔質体(殊にコークス)の標準法による強度を、少量の試料を用いて気孔率の測定および水銀圧入試験だけで精度良く推定することのできる多孔質体の強度評価方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の多孔質体の強度評価方法は、
少量のひと塊りの多孔質体試料から気孔率φを求めること、
その試料につき水銀圧入試験を行って、閉気孔の気孔壁の破壊される圧入圧力分布の平均的な代表値である閉気孔壁破壊圧力Fc と、気孔間の最短距離である気孔壁厚dp とを求めること、
予め種々の多孔質体試料について標準法による強度試験を実施して標準法多孔質体強度Iを測定すると共に、それらの多孔質体試料について気孔壁厚dp と閉気孔壁破壊圧力Fc とを求め、それらの標準法多孔質体強度Iと気孔壁厚dp および閉気孔壁破壊圧力Fc との間の相関関係を見い出しておくこと、および、
未知の多孔質体試料につき気孔壁厚dp と閉気孔壁破壊圧力Fc とを求めることにより、その未知の多孔質体試料の標準法多孔質体強度Iを、上記の相関関係に基いて推定すること
を特徴とするものである。
【0010】
本発明の多孔質体の強度評価方法は、好適には、そしてより具体的には、
(イ)少量のひと塊りの多孔質体試料を用い、その試料の見掛け比重を測定すること、
(ロ)見掛け比重測定後の試料から試料片を切り出し、水銀圧入法により、その試料片の細孔分布を測定して開気孔部分の平均的な代表値である気孔径Dm を求めると共に、閉気孔の気孔壁の破壊される圧入圧力分布の平均的な代表値である閉気孔壁破壊圧力Fc を求めること、
(ハ)残りの試料を用いてその試料の真比重を測定し、その真比重と先の見掛け比重とから気孔率φを求めること、
(ニ)上記(ロ)における開気孔部分の平均的な代表値である気孔径Dm と、上記(ハ)における気孔率φとから、気孔間の最短距離である気孔壁厚dp を求めること、
(ホ)予め種々の多孔質体試料について標準法による強度試験を実施して標準法多孔質体強度Iを測定すると共に、それらの多孔質体試料について上記(イ)〜(ニ)に従って気孔壁厚dp と閉気孔壁破壊圧力Fc とを求め、それらの標準法多孔質体強度Iと気孔壁厚dp および閉気孔壁破壊圧力Fc との間の相関関係を見い出しておくこと、
(ヘ)その相関関係に基き、上記(イ)〜(ニ)に従って気孔壁厚dp と閉気孔壁破壊圧力Fc とを求めることにより、未知の多孔質体試料の標準法多孔質体強度Iを推定すること
により実施される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明の評価方法に適用できる多孔質体としては、製鉄、触媒担体、吸着材、電池などの用途に使われる石炭コークス、石油コークス、チャー、活性炭、グラファイト等の炭素材、各種のセラミックス系多孔質体、各種の樹脂系多孔質体やその焼結体などが例示される。この場合、厳しい特性管理が要求される製鉄用のコークスが特に重要である。
【0013】
本発明においては、まず少量のひと塊りの多孔質体試料を用い、その試料の見掛け比重を測定する((イ)とする)。少量とは、数10グラム以下、さらには10グラム以下で充分であり、通常は数グラムを用いて測定を行う。見掛け比重の測定は、多孔質体がコークスである場合、典型的にはJIS K2151 の少量法に基いて行うことができる。
【0014】
ついで見掛け比重測定後の試料から試料片を切り出し(たとえば3mm程度かそれよりも厚い厚みの円柱状などの形状に切り出し)、水銀圧入法により、その試料片の細孔分布を測定して開気孔部分の平均的な代表値である気孔径Dm を求めると共に、閉気孔の気孔壁の破壊される圧入圧力分布の平均的な代表値である閉気孔壁破壊圧力Fc を求める((ロ)とする)。
【0015】
水銀圧入法を実施するときには、密閉圧力容器内に多孔質体試料片を入れて水銀で満たし、その水銀に徐々に圧力を加えて試料片の気孔壁を破壊させる。水銀を用いる理由は、水銀は、圧力を加えても自身の体積変化が小さく、かつ測定に供する多孔質体に対して不活性なため溶解や膨潤挙動を示さないからである。
【0016】
圧力容器としては、測定対象の多孔質体の気孔壁を破壊する圧力よりも高い圧力に耐えられる容器、たとえば多孔質体がコークスであるときは20000〜30000psia(1psiaは70.4g/cm2 )程度の圧力に耐えられる容器が用いられる。
【0017】
水銀圧入試験を実施すると、図4に模式図を示したように、一般に2つの不連続なピークが得られる(横軸は圧入圧力または細孔径、縦軸は圧入量)。ここで、圧入圧力が低い方のピーク(図4の左側のピーク)は開気孔によるものであり、圧入圧力が高い方のピーク(図4の右側のピーク)は閉気孔の破壊によるものである。すなわち、まず圧力に応じた径の細孔(開気孔)に水銀が浸入する(このときにはまだ閉気孔には水銀が浸入しない)。さら圧力を上げると、閉気孔を形成している気孔壁を破壊して水銀がその閉気孔内に浸入する。このときの圧力が破壊された気孔壁の強度に対応したものになる。各孔への水銀の浸入は、水銀圧入試験装置のピストンの変位により検知することができる。
【0018】
この試験により、試料片の細孔分布および開気孔部分がわかるので、その開気孔部分の平均的な代表値である気孔径Dm を直ちに求めることができる。また、閉気孔の気孔壁の破壊される圧入圧力分布の平均的な代表値である閉気孔壁破壊圧力Fc を直ちに求めることができる。
【0019】
次に、残りの試料を用いてその試料の真比重を測定し、その真比重と先の見掛け比重とから、次式
気孔率φ(%)=100×[1−(見掛け比重/真比重)]
に従って気孔率φを求める((ハ)とする)。多孔質体がコークスである場合、真比重の測定も、見掛け比重の場合と同様に、典型的にはJIS K2151 の少量法に基いて行うことができる。なお気孔率φの測定は、他の方法を採用して行ってもよい。ただし、上述の方法が操作上および正確さの点の点でベストである。
【0020】
上記(ロ)における開気孔部分の平均的な代表値である気孔径Dm と、上記(ハ)における気孔率φとが判明すると、気孔間の最短距離である気孔壁厚dp を求めることができる((ニ)とする)。このときの関係式は、多孔質体がコークスである場合を例にとると、たとえば
p =(0.907 Dm 2/φ)1/2 −Dm
となる。この関係式は、図5に多孔質体(コークス)の気孔構造の模式図を示したように、多孔質体の気孔構造が気孔径Dm の円筒状の気孔が正三角形の各頂点に位置するとした場合について、気孔率φと気孔径Dm とを用いて幾何学的に解いたときを示したものである。
【0021】
ところで、たとえば、同じ石炭試料からコークスを作成した場合、気孔壁厚dp の値が大きいほど閉気孔壁破壊圧力Fc は大きくなり、衝撃を受けても壁部分は破壊されにくくなる。また、異なった性状の石炭から作成したコークスでは、同じ気孔壁厚dp の値でも閉気孔壁破壊圧力Fc の高いものほど衝撃に対する破壊が起こりにくくなり、破壊された部分としての粉発生数は減少する。
【0022】
たとえばJIS法ドラム強度試験におけるコークス強度は、コークスが衝撃を受け破壊されて発生する粉の総発生重量と関係するものであり、気孔壁の破壊されやすさの程度に影響される。従って、上述のようにコークス強度は、気孔壁厚dp や閉気孔壁破壊圧力Fc に影響されることになる。
【0023】
そこで本発明においては、予め種々の多孔質体試料について標準法による強度試験を実施して標準法多孔質体強度Iを測定すると共に、それらの多孔質体試料について上記(イ)〜(ニ)に従って気孔壁厚dp と閉気孔壁破壊圧力Fc とを求め、それらの標準法多孔質体強度Iと気孔壁厚dp および閉気孔壁破壊圧力Fc との間の相関関係を見い出しておく((ホ)とする)。
【0024】
多孔質体試料について標準法による強度試験は、多孔質体の種類によって異なるが、多孔質体がコークスの場合には、標準法多孔質体強度Iが、JIS法(JIS K2151 )によるコークスのドラム強度DI15(150) 、JIS法(JIS K2151 )によるコークスのタンブラー強度、またはDIN 51717 によるマイカム強度、あるいはJIS法ではないがI型ドラム強度などとするのが通常である。
【0025】
そしてその相関関係に基き、未知の多孔質体試料につき上記(イ)〜(ニ)に従って気孔壁厚dp と閉気孔壁破壊圧力Fc とを求めることにより、その未知の多孔質体試料の標準法多孔質体強度Iを推定する((ヘ)とする)。
【0026】
このように、本発明によれば、未知の試料であって、気孔率の測定および水銀圧入法の実施ができるだけの少量の試料量があれば、多量の試料量を要しかつ操作が複雑な標準法による強度試験を実施しなくとも、その標準法による強度を精度良く推定することができる。
【0027】
【実施例】
次に実施例をあげて本発明をさらに説明する。
【0028】
〈測定装置〉
水銀圧入式の水銀細孔計(水銀ポロシメータ)を用い、多孔質体の一例としてのコークスの強度の測定を行った。水銀細孔計は水銀圧入圧力と圧入量とを同時に測定しうる装置であって、その原理は、多孔質体に水銀を圧入するとき、圧入圧力に応じた大きさの径の細孔に水銀が浸入することにある(圧力が高くなるほど、より細径の孔に浸入する)。この水銀細孔計によれば、500μm 〜60オングストローム程度の細孔径分布および量を測定することができる。つまり、圧力を細孔径に換算することができる。なおこのような測定法では細孔の存在と分布が判明するだけであるが、本発明においては圧力を気孔壁が破壊するまで上昇させ、開気孔への媒体の浸入と気孔壁破壊による媒体の浸入とが区別できるように工夫してある。
【0029】
〈測定フロー〉
上記の水銀細孔計を用いて、 0.5〜30000psia程度の圧力範囲で測定を行った。測定フロー(測定手順)は次の通りである。
1.試料重量を測定する(単位重量当りの結果とするため)。
2.測定用セル内に試料を投入する。
3.測定用セル内の脱気減圧を行う。
4.減圧状態の測定用セルへ水銀を注入する(大径の気孔を測定すると共に、水銀注入量をモニターする)。
5.測定用セル(水銀で満たされている)を高圧装置の加圧容器内へセットする。
6.加圧容器内を油で満たす。
7.加圧装置で加圧容器内の圧力を徐々に昇圧させると同時に、圧力とセル内の水銀圧入量をモニターする。
8.測定結果を解析する(圧力〜水銀注入量)
【0030】
〈気孔壁厚dp 、閉気孔壁破壊圧力Fc の測定〉
4種の石炭を用い、乾留条件を変えて気孔構造の異なる種々のコークスを作成した。このようにして得たコークスを用い、以下の試験を行った。
【0031】
まず、数グラムオーダーのひと塊りのコークス試料を用い、その試料の見掛け比重をJIS K2151 の少量法に基いて測定した。((イ)の操作とする。)
【0032】
ついで、見掛け比重測定後の試料から直径10mm、厚み3mmの円柱状の試料片を切り出し、水銀圧入法を実施した。このときのチャートから試料片の細孔分布および開気孔部分がわかるので、その試料片の細孔分布を測定して開気孔部分の平均的な代表値である気孔径Dm を求めた。また、閉気孔の気孔壁の破壊される圧入圧力分布の平均的な代表値である閉気孔壁破壊圧力Fc を求めた。((ロ)の操作とする。)
【0033】
次に、残りの試料を用いてその試料の真比重を測定した。このときの真比重と先の見掛け比重とから、次式に従って気孔率φを求めた。((ハ)の操作とする。)
気孔率φ(%)=100×[1−(見掛け比重/真比重)]
【0034】
上記(ロ)における開気孔部分の平均的な代表値である気孔径Dm と、上記(ハ)における気孔率φとから、気孔間の最短距離である気孔壁厚dp
p =(0.907 Dm 2/φ)1/2 −Dm
の関係式により求めた。((ニ)の操作とする。)
【0035】
上記4種の石炭を用いて作成した種々のコークスについての測定結果を次の表1に示す。また表1のデータのうち、気孔壁厚dp (単位はμm )と閉気孔壁破壊圧力Fc (単位はMPa)との関係をプロットしたグラフを図1に示す。
【0036】
【表1】
Figure 0004198291
【0037】
表1および図1から、同じ種類のコークスであれば、気孔壁厚dp が大きいほど閉気孔壁破壊圧力Fc は大きくなり、同じ気孔壁厚dp でもコークスの種類が異なれば閉気孔壁破壊圧力Fc が異なることがわかる。
【0038】
〈標準法多孔質体強度Iとの相関関係〉
さらに種々のコークスを作成し、気孔壁厚dp 、閉気孔壁破壊圧力Fc を求めると共に、それらのコークス試料につき、JIS法(JIS K2151 )によるコークスのドラム強度DI15(150) を測定し、ドラム強度DI15(150) と気孔壁厚dp および閉気孔壁破壊圧力Fc との関係を求めた。((ホ)の操作とする。)
【0039】
このときの結果を、表2および図2に示す。図2には、ドラム強度DI15(150) が70、80、85の場合を等高線状に付記した。
【0040】
【表2】
Figure 0004198291
【0041】
図2から、ドラム強度DI15(150) は、気孔壁厚dp および閉気孔壁破壊圧力Fc との関数
DI15(150) =f(Fc , dp
として示されることがわかる。
【0042】
〈標準法多孔質体強度Iとの相関関係〉
さらにまた、少量試料で測定した気孔壁厚dp および閉気孔壁破壊圧力Fc から推定したコークス強度DI15(150) と、それを実際にJIS法で測定したときのコークス強度DI15(150) とを測定した。このときの結果を図3に示す。
【0043】
図3から、コークス強度DI15(150) の推定値は、実測値とほぼ直線的な相関関係を示していることがわかる。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、未知の試料であって、気孔率の測定および水銀圧入法の実施ができるだけの少量の試料量があれば、多量の試料量を要しかつ操作が複雑な標準法による強度試験を実施しなくとも、その標準法による強度を精度良く推定することができる。
【0045】
そのほか、本発明においては、実際に粉化試験を行わないので、コークスの場合のドラム試験のような評価作業時の粉塵等の作業環境問題がなく、良好な作業環境で測定を行うことができること、サンプリング量が少なくて済むので、サンプリングおよび運搬の負担を減ずることができることなどの利点もある。
【0046】
また、試料のサンプリング位置の差などによるコークス等の多孔質体が受けた衝撃の程度によらず、異なる多孔質体試料間で強度の比較評価が可能となる。すなわち、たとえば同じ窯から出たコークスでも、衝撃を受けた程度が大きいほどドラム強度が高くなるので、衝撃を受けた度合が不明の複数の試料間ではドラム強度を比較評価することはできないが、本発明によれば同一サンプリング場所でなくても同一サンプリング場所として比較評価を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】種々のコークス試料についての気孔壁厚dp と閉気孔壁破壊圧力Fc との関係をプロットしたグラフである。
【図2】種々のコークス試料についての、気孔壁厚dp および閉気孔壁破壊圧力Fc の測定結果と、JIS法(JIS K2151 )によるコークスのドラム強度DI15(150) の測定結果とを示したグラフである。
【図3】少量試料で測定した気孔壁厚dp および閉気孔壁破壊圧力Fc から推定したコークス強度DI15(150) の推定値と、それを実際にJIS法で測定したときのコークス強度DI15(150) の実測値との関係を示したグラフである。
【図4】水銀圧入試験を実施したときの圧入圧力または細孔径(横軸)と圧入量(縦軸)との関係を模式的に示した説明図である。
【図5】多孔質体(コークス)の気孔構造の模式図である。

Claims (3)

  1. 少量のひと塊りの多孔質体試料から気孔率φを求めること、
    その試料につき水銀圧入試験を行って、閉気孔の気孔壁の破壊される圧入圧力分布の平均的な代表値である閉気孔壁破壊圧力Fc と、気孔間の最短距離である気孔壁厚dp とを求めること、
    予め種々の多孔質体試料について標準法による強度試験を実施して標準法多孔質体強度Iを測定すると共に、それらの多孔質体試料について気孔壁厚dp と閉気孔壁破壊圧力Fc とを求め、それらの標準法多孔質体強度Iと気孔壁厚dp および閉気孔壁破壊圧力Fc との間の相関関係を見い出しておくこと、および、
    未知の多孔質体試料につき気孔壁厚dp と閉気孔壁破壊圧力Fc とを求めることにより、その未知の多孔質体試料の標準法多孔質体強度Iを、上記の相関関係に基いて推定すること
    を特徴とする多孔質体の強度評価方法。
  2. (イ)少量のひと塊りの多孔質体試料を用い、その試料の見掛け比重を測定すること、
    (ロ)見掛け比重測定後の試料から試料片を切り出し、水銀圧入法により、その試料片の細孔分布を測定して開気孔部分の平均的な代表値である気孔径Dm を求めると共に、閉気孔の気孔壁の破壊される圧入圧力分布の平均的な代表値である閉気孔壁破壊圧力Fc を求めること、
    (ハ)残りの試料を用いてその試料の真比重を測定し、その真比重と先の見掛け比重とから気孔率φを求めること、
    (ニ)上記(ロ)における開気孔部分の平均的な代表値である気孔径Dm と、上記(ハ)における気孔率φとから、気孔間の最短距離である気孔壁厚dp を求めること、
    (ホ)予め種々の多孔質体試料について標準法による強度試験を実施して標準法多孔質体強度Iを測定すると共に、それらの多孔質体試料について上記(イ)〜(ニ)に従って気孔壁厚dp と閉気孔壁破壊圧力Fc とを求め、それらの標準法多孔質体強度Iと気孔壁厚dp および閉気孔壁破壊圧力Fc との間の相関関係を見い出しておくこと、
    (ヘ)その相関関係に基き、上記(イ)〜(ニ)に従って気孔壁厚dp と閉気孔壁破壊圧力Fc とを求めることにより、未知の多孔質体試料の標準法多孔質体強度Iを推定すること
    を特徴とする多孔質体の強度評価方法。
  3. 多孔質体がコークスである請求項1または2記載の強度評価方法。
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