JP4196635B2 - 消費エネルギー量算出装置及び消費エネルギー量算出方法 - Google Patents

消費エネルギー量算出装置及び消費エネルギー量算出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、消費エネルギー量算出装置、特に複数の空調機全体が消費する全空調消費エネルギーから空調機毎の消費エネルギー量を算出する消費エネルギー量算出装置、及び消費電力量算出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビルやビルを含む区画において設置されている個別の空調機の消費エネルギー量を算出する簡便且つ安価な手法が求められている。
従来、空調機の消費エネルギー量を正確に求めるためには、例えば電力量を求めるためにCTセンサなどの電力量計測器を備え付けるなど、直接的に計測することが行われている。また、空調機の詳細な運転情報(空調設備における冷媒の凝縮温度、蒸発温度など)から特性関数を用いて消費エネルギー量を推定することも行われている(例えば、特許文献1参照。)。ここで、特性関数とは、空調機における運転情報と消費エネルギー量との関係式であり、運転情報に対する係数である十数個の特性係数を用いて消費エネルギー量を推定する。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−147819号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、空調機毎に計測器を設けるためには、後付費用が必要となる。また、空調機に元から計測器が備えられている機種も、計測器が備えられていない機種に比べて高価であることが多いため、やはり余分な費用が必要となる。
また、特性関数により消費エネルギー量を算出する場合、十数個の特性係数を算出しなければならない。このため、特性係数の算出が面倒である。
【0005】
本発明の課題は、計測器などの追加の機材を設けることなく、従来から設置されている空調機に対しても個別空調消費エネルギー量を個別に算出することが可能である消費エネルギー量算出装置及び消費エネルギー量算出方法を提供することにある。
【0006】
請求項1に記載の消費エネルギー量算出装置は、所定区域に設置される複数の空調機がそれぞれ対象期間に消費するエネルギー量である個別空調消費エネルギー量を求める消費エネルギー量算出装置であって、運転情報取得手段、全空調消費エネルギー量取得手段、及び個別空調消費エネルギー量算出手段を備える。運転情報取得手段は、複数の空調機が有する1または複数の圧縮機の運転情報を取得する。全空調消費エネルギー量取得手段は、所定区域に設置される空調機が消費するエネルギー量を取得する。個別空調消費エネルギー量算出手段は、運転情報全空調消費エネルギー量取得手段で取得されるエネルギー量との演算から個別空調消費エネルギー量を算出する
【0007】
ビルなどを含む所定区域でのエネルギー消費源として、電力エネルギーでは、空調設備、照明、動力(エレベータなど)、OA(パソコン、サーバなど)など、ガスエネルギーでは、空調設備、コージェネレーション設備などが挙げられる。消費エネルギー量算出装置は、所定区域に設置される複数の空調機がそれぞれ対象期間に消費する個別空調消費エネルギー量を算出する。
【0008】
消費エネルギー量算出装置では、まず空調機が有する圧縮機の運転情報を、運転情報取得手段が取得する。また、全空調消費エネルギー量取得手段が、所定区域に設置される空調機が消費するエネルギー量を取得する。圧縮機の運転情報と全空調消費エネルギー量取得手段で取得されるエネルギー量とから、個別空調消費エネルギー量算出手段が、個別の圧縮機が対象期間に消費するエネルギー量を、圧縮機が属する空調機の消費エネルギー量として算出する。この空調機の消費エネルギーに基づいて個別空調消費エネルギー量を算出する。対象期間は、例えば30分、1日、1ヶ月などである。
【0009】
ここでは、圧縮機の運転情報と全空調消費エネルギー量取得手段で取得されるエネルギー量とを元にして空調機の消費するエネルギー量を算出する。これにより、空調機に電力量計測器などの消費エネルギー量を計測する機器を設けずに、それぞれの空調機が対象期間に消費する個別空調消費エネルギー量を算出することが可能となる。
【0010】
請求項2に記載の消費エネルギー量算出装置は、圧縮機が、電力をエネルギーとするインバータ圧縮機又は定速圧縮機である。そして、運転情報は、インバータ圧縮機の運転周波数及び/または定速圧縮機の運転時間である。
このようなインバータ圧縮機の運転周波数や定速圧縮機の運転時間といった値で演算ができる。
請求項3に記載の消費エネルギー量算出装置は、請求項2に記載の消費エネルギー量算出装置であって、全空調消費エネルギー量取得手段が所定区域に設置される空調機が対象期間に消費するエネルギー量である全空調消費エネルギー量を取得する。また、個別空調消費エネルギー量算出手段が運転情報に基づいて圧縮機毎の消費比率を算出し、全空調消費エネルギー量と消費比率とに基づいて個別空調消費エネルギー量を算出する。
【0011】
圧縮機の運転情報に基づいて、個別空調消費エネルギー量算出手段が、圧縮機毎の消費比率を算出する。全空調消費エネルギー量取得手段が取得した所定区域に設置される空調機が対象期間に消費するエネルギー量である全空調消費エネルギー量を、個別空調消費エネルギー量算出手段が、消費比率により圧縮機に対して按分する。さらに按分されたエネルギー量を元にして、個別空調消費エネルギー量算出手段が、圧縮機を有する空調機の消費エネルギー量である個別空調消費エネルギー量を算出する。
【0012】
ここでは、圧縮機の運転情報に基づく消費比率により、全空調消費エネルギー量から空調機個別の消費エネルギー量を算出する。よって、より適切に個別空調消費エネルギー量を算出することが可能となる。
請求項4に記載の消費エネルギー量算出装置は、請求項3に記載の消費エネルギー量算出装置であって、個別空調消費エネルギー量算出手段が、運転情報と圧縮機の定格値とから消費比率を算出する。
【0013】
ここでは、圧縮機の定格値を元にして、運転情報から消費比率を算出する。圧縮機の定格値は、圧縮機の各機種により定まっているため、容易に得られる。よって、定格値を用いることにより、消費比率を簡便に算出することが可能となる。
請求項5に記載の消費エネルギー量算出装置は、請求項4に記載の消費エネルギー量算出装置であって、運転情報取得手段は、インバータ圧縮機の対象期間における平均運転周波数及び/または定速圧縮機の対象期間における平均運転時間を、運転情報として取得する。また、個別空調消費エネルギー量算出手段は、インバータ圧縮機に対して平均運転周波数とインバータ圧縮機の定格運転周波数とインバータ圧縮機の定格電力とにより消費比率を算出し、また定速圧縮機に対して平均運転時間と定速圧縮機の定格電力とにより消費比率を算出する。
【0014】
圧縮機がインバータ圧縮機の場合には、対象期間における平均運転周波数が、インバータ圧縮機により消費される消費電力量にほぼ比例する。また、圧縮機が定速圧縮機である場合には、対象期間における運転時間の長さが、定速圧縮機により消費される消費電力量にほぼ比例する。
ここでは、エネルギーとして電力を用いる圧縮機において、平均運転周波数又は平均運転時間と各圧縮機の定格値(定格運転周波数と定格電力、又は定格電力)とにより各圧縮機の消費比率を算出する。定格値は圧縮機の各機種により定まっているため、容易に得られる。よって、定格値を用いることにより、消費比率を簡便に算出することが可能となる。
【0015】
請求項6に記載の消費エネルギー量算出装置は、請求項1または2に記載の消費エネルギー量算出装置であって、個別空調消費エネルギー量算出手段が、複数の運転係数算定期間を指定する。全空調消費エネルギー量取得手段は、所定区域に設置される空調機が運転係数算定期間毎にそれぞれ消費するエネルギー量である複数の全空調算定期間消費エネルギー量を取得する。さらに、複数の運転係数算定期間のそれぞれにおける複数の運転情報と複数の全空調算定期間消費エネルギー量とを元にした重回帰分析により運転情報に対応した運転係数を算出し、運転係数と運転情報とから個別空調消費エネルギー量を算出する。
【0016】
個別空調消費エネルギー量算出手段は、各圧縮機の運転情報から各圧縮機の消費エネルギー量を算出するための運転係数を求めるための重回帰分析を行うために、運転係数算定期間をまず指定する。運転係数算定期間において所定区域に設置される空調機により消費される全空調算定期間消費エネルギー量は、全空調消費エネルギー量取得手段により取得される。運転係数を未知数とした、運転情報と運転係数と全空調算定期間消費エネルギー量とからなる方程式を対象として、複数の運転係数算定期間における運転情報と全空調算定期間消費エネルギー量とから重回帰分析が行われることにより、運転係数が算出される。この運転係数と対象期間における圧縮機の運転情報とから、個別空調消費エネルギー量算出手段によりそれぞれの圧縮機の消費エネルギー量が算出されて、さらに各空調機の個別空調消費エネルギー量が算出される。
【0017】
ここでは、運転情報と全空調算定期間消費エネルギー量とから重回帰分析により求められた運転係数を用いて、圧縮機の消費エネルギー量が算出される。これにより、運転情報から各圧縮機の消費エネルギー量を算出し、さらに個別空調消費エネルギー量を算出することが可能となる。また、運転係数は、定数ではないため、例えば圧縮機の劣化により同一の運転情報において消費エネルギー量が変化した場合にも、変化に応じて各圧縮機の消費エネルギー量を算出することが可能である。よって、個別空調消費エネルギー量をより正確に算出することが可能となる。
【0018】
なお、運転情報と全空調算定期間消費エネルギー量とが異なる方程式が運転係数の数量よりも1つ多いと重回帰分析を行うことが可能であるが、運転係数の数量の約20倍の数量の方程式を対象に重回帰分析を行うことにより、十分な精度を持った運転係数を得ることが可能となる。
請求項7に記載の消費エネルギー量算出装置は、請求項1から6のいずれかに記載の消費エネルギー量算出装置であって、空調機が電力をエネルギーとしている。また、全空調消費エネルギー量取得手段は、記憶手段、所定期間指定手段、順位取出手段、ベース電力量算出手段、及び全空調消費電力量算出手段を有する。記憶手段は、所定区域における単位時限当たり平均消費電力である電力デマンド値を各単位時限毎に記憶する。所定期間指定手段は、所定期間を指定する。順位取出手段は、電力デマンド値に基づく第1電力値が求められ、所定期間における第1電力値の集合から特定順位の第1電力値を特定電力値として取り出す。ベース電力量算出手段は、所定期間に所定区域の空調機で消費される電力量以外の消費電力量であるベース電力量を第1電力値と特定電力値とから算出する。全空調消費電力量算出手段は、所定区域で対象期間に消費される総ての電力量である総消費電力量とベース電力量とにより全空調消費電力量を算出する。
【0019】
全空調消費エネルギー量取得手段は、電力デマンド値を元にしてベース電力量を算出し、ベース電力量と総消費電力量とから全空調消費電力量を算出する。電力デマンド値は、所定区域で消費される消費電力を単位時限で平均した値である。単位時限は、30分であることが多いが、その他の長さの時間であっても良い。ベース電力量は、所定期間に所定区域の空調機以外で消費される所定区域内の電力量である。所定期間は、所定期間指定手段により指定される期間であり、所定区域に設置される空調機があまり稼動していない期間を指定する。所定期間の長さは、一般に1ヶ月であることが多いが、1週間、10日、2ヶ月など任意である。以下では、ベース電力量の算出について説明し、さらにベース電力量から全空調消費電力量の算出手段について説明する。
【0020】
まず、記憶手段に記憶されている電力デマンド値を元にして、順位取出手段が第1電力値を算出する。第1電力値は、所定期間内の特定の期間内における電力値である。
所定期間において算出された複数の第1電力値を含む集合を元にして、順位取出手段が特定の順位の第1電力値を特定電力値として取り出す。特定の順位の値とは、例えば最大値、最小値、中央値、中間値、7番目に大きい値、集合の数量のうち60%に近い順位の値、平均値に最も近い値、などの様々な順位の値であり、順位取出手段において予め設定してある。
【0021】
続いて、特定電力値と第1電力値とを元にして、ベース電力量算出手段がベース電力量を算出する。これにより、所定期間に空調機以外で消費される電力量が明らかになる。
上記の手順で求められるベース電力量と、例えば電力デマンド値の対象期間積算値などにより求められる総消費電力量とから、全空調消費電力量算出手段が全空調消費電力量を算出する。全空調消費電力量は、例えば対象期間と所定期間との長さが同じである場合、総消費電力量からベース電力量を差し引くことにより算出されたり、総消費電力量からベース電力量を差し引いた値からさらに補正を行うなどして算出されたりする。
【0022】
ここでは、所定期間における電力デマンド値に基づいてベース電力量を求めている。所定期間は、上記したように、所定期間指定手段により指定される期間であり、所定区域に設置される空調機があまり稼動していない期間である。このため、この期間に消費される電力量には、空調機の消費電力量が含まれにくい傾向にある。よって、所定期間における電力デマンド値からベース電力量を算出することができる。また、ベース電力量と総消費電力量とから全空調消費電力量を算出することが可能となる。また、空調機などに電力量計測器などの電力量を計測する機器を設けずに全空調消費電力量を算出することが可能となる。
【0023】
請求項8に記載の消費エネルギー量算出装置は、請求項1から6のいずれかに記載の消費エネルギー量算出装置であって、空調機が電力をエネルギーとしている。また、空調消費エネルギー量取得手段は、記憶手段、所定日指定手段、運転情報取得手段、基準電力値選択手段、ベース電力量算出手段、及び消費電力量算出手段を有する。記憶手段は、所定区域における単位時限当たり平均消費電力である電力デマンド値を記憶する。所定日指定手段は、所定日を指定する。運転情報取得手段は、空調機の運転情報を取得する。基準電力値選択手段は、所定日において空調機が停止している単位時限における電力デマンド値の集合から基準電力値を選択する。ベース電力量算出手段は、所定日に所定区域の空調機で消費される電力量以外の消費電力量であるベース電力量を基準電力値と電力デマンド値とから算出する。消費電力量算出手段は、対象期間における所定区域の総消費電力量とベース電力量とにより全空調消費電力量を算出する。
【0024】
電力デマンド値を元にしてベース電力量を算出し、ベース電力量と総消費電力量とから全空調消費電力量を算出する。電力デマンド値は、所定区域で消費される消費電力を単位時限で平均した値である。単位時限は、30分であることが多いが、その他の長さの時間であっても良い。ベース電力量は、所定日に所定区域の空調機以外で消費される所定区域内の電力量である。所定日は、所定日指定手段により指定され、所定区域に設置される空調機があまり稼動していない日を指定する。以下では、ベース電力量の算出について説明し、さらにベース電力量から全空調消費電力量の算出手段について説明する。
【0025】
まず、運転情報取得手段により空調機の運転情報を取得する。例えば、各単位時限のうち、空調機が停止している単位時限を取得する。続いて、記憶手段に記憶されている電力デマンド値のうち、所定日において空調機が停止している単位時限における電力デマンド値の集合を元にして、基準電力値選択手段が基準電力値を選択する。
【0026】
さらに、基準電力値と電力デマンド値とを元にして、ベース電力量算出手段がベース電力量を算出する。これにより所定日に空調機以外で消費される電力量が明らかになる。
上記の手順で求められるベース電力量と、例えば電力デマンド値の対象期間積算値などにより求められる総消費電力量とから、全空調消費電力量算出手段が全空調消費電力量を算出する。全空調消費電力量は、例えばベース電力量に対象期間の長さをかけた電力量を総消費電力量から差し引くことにより算出されたり、求められた電力量からさらに補正を行うなどして算出されたりする。
【0027】
ここでは、所定日における電力デマンド値に基づいてベース電力量を求めている。所定日は、上記したように、所定日指定手段により指定され、所定区域に設置される空調機があまり稼動していない日である。このため、この日に消費される電力量には、空調機の消費電力量が含まれにくい傾向にある。よって、所定日における電力デマンド値からベース電力量を算出できる。また、ベース電力量と総消費電力量とから全空調消費電力量を算出することが可能となる。また、空調機などに電力量計測器などを設けずに全空調消費電力量を算出することが可能となる。
【0028】
請求項9に記載の消費エネルギー量算出方法は、所定区域に設置される複数の空調機がそれぞれ対象期間に消費するエネルギー量である個別空調消費エネルギー量を求める消費エネルギー量算出方法である。第1ステップでは、複数の空調機が有する1または複数の圧縮機の運転情報を取得する。第2ステップでは、所定区域に設置される空調機が消費するエネルギー量を取得する。第3ステップでは、運転情報全空調消費エネルギー量取得手段で取得されるエネルギー量との演算から個別空調消費エネルギー量を算出する
【0029】
消費エネルギー量算出方法は、まずステップ1において、空調機が有する圧縮機の運転情報が取得される。また、ステップ2において、所定区域に設置される空調機が消費するエネルギー量が取得される。ステップ3において、圧縮機の運転情報とステップ2で取得されるエネルギー量とから、個別の圧縮機が対象期間に消費するエネルギー量を圧縮機が属する空調機の消費エネルギー量として算出される。この空調機の消費エネルギーに基づいて、個別空調消費エネルギー量を算出する。対象期間は、例えば30分、1日、1ヶ月などである。
【0030】
ここでは、圧縮機の運転情報とステップ2で取得されるエネルギー量とを元にして空調機の消費するエネルギー量が算出される。これにより、空調機に電力量計測器などの消費エネルギー量を計測する機器を設けずに、それぞれの空調機が対象期間に消費する個別空調消費エネルギー量を算出できるようになる。
請求項10に記載の消費エネルギー量算出方法は、圧縮機が、電力をエネルギーとするインバータ圧縮機又は定速圧縮機である。そして、運転情報は、インバータ圧縮機の運転周波数及び/または定速圧縮機の運転時間である。
このようなインバータ圧縮機の運転周波数や定速圧縮機の運転時間といった値で演算ができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
本発明を用いた空気調和装置1の消費電力量算出システムの第1実施形態を図1に示す。
消費電力量算出システムは、算出対象となる参照月における建物100で消費される消費電力量から、建物100に設置される空気調和装置1の個別の消費電力量を算出する。なお、建物100に設置されている全ての空気調和装置1は、独立電源などにより稼動しておらず、共通の電源を利用しているとする。
【0032】
<全体の構成>
消費電力量算出システムは、主として、空気調和装置1、制御装置2、及び管理装置3により構成される。
空気調和装置1は、建物100に設置されており、室内の空気調和を行う。空気調和装置1は、室外機6と複数の室内機7とから構成されている。室外機6は、圧縮機8によって冷媒の圧縮を行う。室外機6は、圧縮機8として定速圧縮機8a及び/またはインバータ圧縮機8bを有する。
【0033】
制御装置2は、空気調和装置1と通信線により接続されており、空気調和装置の集中制御を行う。また、制御装置2は、建物100に設置されている各種設備で消費される電力の管理を行う。制御装置2は、建物100の管理室などに配置される。建物100で消費される電力は、デマンド値として計測される。ここで、デマンド値は、建物100の全体において単位時限に消費される平均消費電力である。第1実施形態では、30分を単位時限とする。このデマンド値を積算することにより、建物100における消費電力量が分かる。図2には、デマンド値の1ヶ月積算値である月間総消費電力量の棒グラフを示す。また、制御装置2は、空気調和装置1の室外機6が有する圧縮機8の運転情報を1分毎に取得可能である。運転情報として具体的には、室外機6が圧縮機8として定速圧縮機8aを有する場合、対象月において定速圧縮機8aが運転していた運転時間比率を運転情報とする。一方、圧縮機8としてインバータ圧縮機8bを有する場合、インバータ圧縮機8bの対象月におけるインバータ周波数の平均値を運転情報とする。
【0034】
管理装置3は、複数の建物100の制御装置2に通信網4を介して接続され、接続装置2に接続された空気調和装置1の管理を行う。管理装置3は、建物100から離れた遠隔監視センター101に設置される。管理装置3は、空気調和装置1の運転情報を得て空気調和装置1の監視を行うと共に、監視結果に基づいて空気調和装置1の故障診断、省エネ提案、検証報告などを行う。
【0035】
以下、管理装置3に関して、空気調和装置1の個別の消費電力量を算出する手段について説明する。
<管理装置の構成>
管理装置3は、通信部10、記憶部11、及び処理部12を備える。
通信部10は、制御装置2と通信を行い、制御装置2から各種の情報を受信し、また制御装置2に処理部12での処理結果などを送信する。
【0036】
記憶部11は、制御装置2から送られた各種の情報及び処理部12で処理された結果などを記憶する。
処理部12は、記憶部11に記憶された各種の情報に基づいて、空気調和装置1の対象月における個別の消費電力量(個別空調消費電力量)を算出する。処理部12は、全空調消費電力量取得手段20、運転情報取得手段32、及び個別空調消費電力量算出手段33を有する。
【0037】
全空調消費電力量取得手段20は、全空調消費電力量を取得する手段であり、ベース月抽出手段21、ベースデマンド値抽出手段22、ベース電力量算出手段23、及び全空調消費電力量算出手段31を有する。
ベース月抽出手段21は、記憶部11に記憶される建物100のデマンド値を月毎に積算した月間総消費電力量を算出し、月間総消費電力量が最も小さい月をベース月として抽出する。続いて、抽出されたベース月の全単位時限におけるデマンド値を記憶部11から抽出する。具体的には、図2に示される月間総消費電力量が最も小さい4月をベース月として抽出する。
【0038】
ベースデマンド値抽出手段22は、ベース月の全単位時限のデマンド値から、同一時刻から始まる単位時限のデマンド値の集合を選択し、この集合の中央値を各時刻のベースデマンド値として抽出する。ベースデマンド値は、各時刻において空気調和装置1以外により消費される消費電力に相当する。具体的な抽出手順としては、図3(a)に示されるように、4月の各日における10時からの単位時限(10時〜10時半)のデマンド値の集合を抽出して大きさ順に並べ、この集合の中央値を10時のベースデマンド値として抽出する。他の時刻も同様に、例えば図3(b)に示される4月の各日における17時からの単位時限(17時〜17時半)のデマンド値の集合を抽出して大きさ順に並べたり、図3(c)に示される4月の各日における3時からの単位時限(3時〜3時半)のデマンド値の集合を抽出して大きさ順に並べたりして、それぞれの集合の中央値を各時刻のベースデマンド値として抽出する。
【0039】
ベース電力量算出手段23は、各時刻のベースデマンド値とベース月の全単位時限のデマンド値とを元にして、ベース電力量を算出する。具体的には、以下のような手順によりベース月全空調電力量を一旦算出した後にベース電力量を算出する。まず、ベース月の全単位時限におけるデマンド値から、デマンド値の時刻に相当するベースデマンド値を減算した値である単位空調電力値を算出する。ただし、ベースデマンド値がデマンド値よりも大きい場合には、単位空調電力値を0とする。算出された単位空調電力値を24時間(48単位時限)及び1ヶ月(例えば4月ならば30日)積算してベース月全空調電力量を算出する。なお、単位時限が30分であるので、積算する際に0.5を乗算して電力量の次元とする(図4(a)参照)。次に、ベース月抽出手段21で算出された、建物100のベース月における総電力量であるベース月総電力量からベース月全空調電力量を減算することにより、ベース電力量を算出する。
【0040】
全空調消費電力量算出手段31は、全空調消費電力量を算出する対象月の月間総消費電力量からベース電力量を減算することにより全空調消費電力量を算出する。
運転情報取得手段32は、空気調和装置1の運転情報を取得する。制御装置2から送信された運転情報は、通信部10で受信されて記憶部11に記憶されている。
【0041】
個別空調消費電力量算出手段33は、全空調消費電力量から個別の空気調和装置1の消費電力量である個別空調消費電力量を算出する。個別空調消費電力量算出手段33は、個別の空気調和装置1が備える室外機6の圧縮機8の運転情報に基づいて、複数の空気調和装置1の消費電力量の比率である消費比率を算出し、建物100に設置される空気調和装置1に対してそれぞれの消費比率に基づいて全空調消費電力量を按分する。具体的には、空気調和装置1の室外機6が圧縮機8として定速圧縮機8aを有する場合、定速圧縮機8aの定格電力と運転情報である運転時間比率との積を空気調和装置1の消費比率とする。一方、空気調和装置1の圧縮機8としてインバータ圧縮機8bを有する場合、インバータ圧縮機8bの定格電力と運転情報であるインバータ周波数の平均値との積に定格運転周波数を除算した値を空気調和装置1の消費比率とする(図4(b)参照)。空気調和装置1の室外機6が圧縮機8として定速圧縮機8aとインバータ圧縮機8bと双方有する場合には、それぞれの消費比率の和を空気調和装置1の消費比率とする。また、空気調和装置1が室外機6を複数有する場合にも、それぞれの室外機6の圧縮機8における消費比率の和を空気調和装置1の消費比率とする。
【0042】
<動作>
消費電力量算出システムによる個別空調消費電力量の算出手順について説明する。
消費電力量算出システムの管理装置3の処理部12は、1ヶ月当たりに建物100に設置される空気調和装置1以外で消費される電力量であるベース電力量を算出し、次いで対象月に建物100に設置される全ての空気調和装置1により消費される電力量である全空調消費電力量を算出し、さらに対象月における空気調和装置1の消費比率を算出した後に個別空調消費電力量を算出する。
【0043】
(ベース電力量の算出)
処理部12によるベース電力量の算出手順について、図5のフローに従い説明する。
まず、ステップS1において、記憶部11に記憶されている建物100のデマンド値をベース月抽出手段21により月毎に積算して月間総消費電力量を算出する。
【0044】
続いて、ステップS2において、ベース月抽出手段21が各月の月間総消費電力量が最も小さい月をベース月として抽出する。
ステップS3では、記憶部11に記憶されるベース月の全単位時限のデマンド値を元にして、ベースデマンド値抽出手段22が同一時刻から始まる単位時限のデマンド値の集合を選択する。単位時限が30分であるため、48の集合に分けられる。
【0045】
ステップS4では、ベースデマンド値抽出手段22がステップS3で抽出された各時刻のデマンド値の集合から中央値を抽出して各時刻のベースデマンド値とする。これにより、48個のベースデマンド値が抽出される。
ステップS5において、ベース電力量算出手段23が、ベース月の全単位時限のデマンド値からデマンド値の時刻に相当するベースデマンド値を減算して単位空調電力値を算出する。
【0046】
次いで、ステップS6において、ステップS5で求めた単位空調電力値が負であるか否かベース電力量算出手段23が確認する。ある時刻の単位空調電力値が負である場合、ステップS7へ移行して、ある時刻の単位空調電力値を0にする。ある時刻の単位空調電力値が負でない場合には、ステップS8へ移行する。
ステップS8では、ステップS5〜7で算出された単位空調電力値を24時間(48単位時限)及び1ヶ月積算して、さらに0.5を乗算してベース月全空調電力量を算出する。
【0047】
ステップS9では、ステップS1で算出された月間総消費電力量のうちベース月の値であるベース月総電力量からベース月全空調電力量を減算してベース電力量を算出する。
(全空調消費電力量の算出)
処理部12による全空調消費電力量の算出手順について、図6のフローに従い説明する。
【0048】
まず、ステップS11において、個別空調消費電力量を算出する対象の月である対象月において、記憶部11に記憶されている建物100の対象月における全てのデマンド値を全空調消費電力量算出手段33により積算して月間総消費電力量を算出する。
次に、ステップ12では、全空調消費電力量算出手段33が月間総消費電力量からベース電力量を減算して全空調消費電力量を算出する。
【0049】
(個別空調消費電力量の算出)
処理部12による個別空調消費電力量の算出手順について、図7のフローに従い説明する。
まず、ステップS21において、運転情報取得手段32が建物100に設置される空気調和装置1の対象月における運転情報を取得する。運転情報は記憶部11に記憶されている。具体的には、空気調和装置1が有する室外機6の圧縮機8が定速圧縮機8aである場合、対象月における定速圧縮機8aの運転時間比率を運転情報とし、圧縮機8がインバータ圧縮機8bである場合、対象月におけるインバータ圧縮機8bのインバータ周波数の平均値を運転情報とする。
【0050】
続いて、ステップS22からS25において、個別空調消費電力量算出手段33が個別の空気調和装置1の運転情報からそれぞれ消費比率を算出する。まず、ステップS22において、空気調和装置1の室外機6が有する圧縮機8の種類により判別を行う。圧縮機8が定速圧縮機8aである場合には、ステップS23に移行して、定速圧縮機8aの定格電力と運転情報である運転時間比率との積を空気調和装置1の消費比率とし、その後にステップS26に移行する。圧縮機8がインバータ圧縮機8bである場合には、ステップS24に移行して、インバータ圧縮機8bの定格電力と運転情報であるインバータ周波数の平均値との積に定格運転周波数を除算した値を空気調和装置1の消費比率とし、その後にステップS26に移行する。圧縮機8として定速圧縮機8aとインバータ圧縮機8bと双方とも有する場合には、ステップS25に移行して、それぞれの消費比率の和を空気調和装置1の消費比率とし、ステップS26に移行する。
【0051】
ステップS26からS27では、個別空調消費電力量算出手段33が、建物100に設置される個別の空気調和装置1の個別空調消費電力量を算出する。まず、ステップS26では、建物100に設置されている全ての空気調和装置1の消費比率を積算して全消費比率を算出する。続いて、ステップS27において、特定の空気調和装置1の消費比率と全空調消費電力量との積を全消費比率で除算して、個別空調消費電力量を算出する。
【0052】
<第1実施形態の特徴>
本発明を用いた空気調和装置1の消費電力量算出システムの第1実施形態のブロック図を図1に示す。
第1実施形態に係る消費電力量算出システムでは、建物100のデマンド値を元にしてベース電力量を算出し、ベース電力量と月間総消費電力量とから全空調消費電力量を算出し、さらに建物100に設置される個別の空気調和装置1の運転情報と全空調消費電力量とから個別空調消費電力量を算出する。
【0053】
本システムでは、デマンド値だけに基づいて全空調消費電力量を算出している。また、空気調和装置1(圧縮機8)の運転情報と全空調消費電力量とに基づいて、個別の空気調和装置1の消費電力量を算出している。このため、空気調和装置1に電力量を計測する機器を設けることなく全空調消費電力量及び個別空調消費電力量を算出することが可能となっている。
【0054】
(a)ベース電力量の算出の特徴
ベース電力量の算出における特徴を以下に記載する。
まずベース月抽出手段21によりベース月の抽出を行う。ベース月は、建物100で1年を通じて月間総消費電力量が最小となる月が抽出される(図2参照)。ベース月は、ベース電力量を算出する対象の期間であるため、空気調和装置1があまり稼動していない期間であることが好ましい。なぜなら、建物100の空気調和装置1以外の電力消費源は、照明、動力、OAなどであり、それらの消費電力量は年間を通じてほとんど変化しない。このため、月間総消費電力量が最も小さい月をベース月とすることが好ましい。従来は、このベース月における月間総消費電力量であるベース月総電力量をベース電力量としていることが多い。しかし、本システムでは、さらにデマンド値に基づいた詳細な算出手段によりベース電力量を算出しているため、より正確なベース電力量を算出することができる。
【0055】
次に、ベースデマンド値抽出手段22によりベースデマンド値が抽出される。ベース月における特定時刻の単位時限のデマンド値の集合から中央値を選択することにより特定時刻のベースデマンド値を抽出する(図3参照)。集合の中央値をベースデマンド値とすることにより、ベース月において建物100に設置される空気調和装置1がほとんど運転しておらず且つ平日(建物100のテナントの営業日)における建物100の消費電力、すなわち特定時刻における空気調和装置1以外の消費電力を抽出することができる。
【0056】
続いて、単位空調電力値がデマンド値からベースデマンド値を減算することによりベース電力量算出手段23で算出される。単位空調電力値は、全空調消費電力量を算出する元になる電力値である。ここで、ある時刻における単位空調電力値が負になる場合には、その時刻の単位空調電力値を0としている。この処理により、全空調消費電力量を低く見積もるおそれを減らすことができる。よって、より適切なベース電力量を算出することができる。
【0057】
最後に、単位空調電力値をベース月で積算してベース月全空調電力量を算出し、ベース月総電力量からベース月全空調電力量を減算してベース電力量を算出する。
ベース電力量を算出すると、月間総消費電力量からベース電力量を減算することにより全空調消費電力量を算出することが可能となる。
【0058】
(b)個別空調消費電力量の算出の特徴
また、個別空調消費電力量の算出における特徴を以下に記載する
まず、運転情報を取得して、個別の空気調和装置1の消費比率を算出する。運転情報は、空気調和装置1の室外機6が有する圧縮機8の運転に関する情報であり、運転時間やインバータ周波数などに関する。個別空調消費電力量算出手段33は、定格電力や定格運転周波数などの定格値と運転情報とにより消費比率を算出するため、定格値が明らかである空気調和装置1に対して容易に消費比率を算出することが可能となる。
【0059】
次に、消費比率に基づいて全空調消費電力量を按分することにより個別空調消費電力量を算出している。消費比率は、空気調和装置1の個別空調消費電力量に比例する。これにより、やはり空気調和装置1に電力量を計測する機器を備えることなく、運転情報を元にした消費比率によって個別空調消費電力量を算出することが可能となる。
【0060】
<第1実施形態の変形例>
(1)
第1実施形態に係る消費電力量算出システムでは、ベース電力量算出手段がベースデマンド値、単位空調電力値、ベース月全空調電力量を算出して、ベース電力量を算出している。しかし、単位空調電力値を算出せずに、ベース電力量算出手段がベースデマンド値及びデマンド値からベース電力量を算出する手段を用いても良い。
【0061】
すなわち、ベース月において、ベース電力量算出手段がベースデマンド値とデマンド値とのうち小さい値を24時間(48単位時限)及び1ヶ月積算することにより、ベース電力量を算出する(図8参照)。デマンド値がベースデマンド値よりも大きい場合には、ベースデマンド値が空気調和装置1以外による消費電力値であり、デマンド値がベースデマンド値よりも小さい場合には、デマンド値が空気調和装置1以外による消費電力値である、つまり空気調和装置1による消費電力値が0である、としてベース電力量算出手段がベース電力量の算出を行う。
【0062】
これにより、より簡便にベース電力量を算出することが可能となる。
(2)
第1実施形態に係る消費電力量算出システムでは、ベース月における全てのデマンド値を用いてベース電力量を算出している。しかし、ベース月におけるデマンド値の各日の積算値である日積算電力量を用いてベース電力量を算出するようにしても良い。この場合には、第1実施形態に比べてベース電力量の正確度が若干低下するが、ベース電力量の算出がより容易になる。
【0063】
図9に、ベース月(4月)における日積算電力量の各日変化と、日積算電力量を降順に並べたグラフを示す。
本変形例のブロック図を9に示す。処理部12は、第1実施形態のベースデマンド値算出手段22の代わりに、日積算電力量から日ベース電力量を抽出する日ベース電力量抽出手段41を有し、全空調消費電力量取得手段20の代わりに、全空調消費電力量取得手段40を有する。日ベース電力量は、1日当たりの空気調和装置1以外により消費される消費電力量に相当する。日積算電力量を用いてベース電力量を算出する手順について図11のフローに従って説明する。
【0064】
ステップS31及びS32では、図5のステップS1及びS2と同様にベース月を抽出する。
ステップS33では、ベース月抽出手段21が、ベース月におけるデマンド値を各日において積算し、日積算電力量を算出する。
ステップS34では、日ベース電力量抽出手段41が、ベース月の日積算電力量の集合から中央値を日ベース電力量として抽出する。
【0065】
ステップS35では、ベース月において、ベース電力量算出手段が日ベース電力量と日積算電力量とのうち小さい値を1ヶ月積算することによりベース電力量を算出する。
これにより、ベース電力量が算出され、このベース電力量に基づいてステップS11、S12、ステップS21からS27の手順を行うことにより、個別空調消費電力量が算出できる。
【0066】
なお、第1実施形態と同様に、日積算電力量から日ベース電力量を減算して単位空調電力量を算出して(ただし負となる場合には単位空調電力量は0として)、1ヶ月積算してベース月全空調電力量を算出し、月間総消費電力量からベース月全空調電力量を減算してベース電力量を算出しても良い。ただし、この手順で算出されたベース電力量は、算出がより簡便なステップS35で算出されたベース電力量と等しい。
【0067】
(3)
第1実施形態に係る消費電力量算出システムでは、ベース月における全てのデマンド値を用いてベース電力量を算出している。しかし、ベース月におけるデマンド値の各週の積算値である週積算電力量のうちの最小値を週ベース電力量として、週ベース電力量に基づいてベース電力量を算出するようにしても良い。この場合には、第1実施形態に比べてベース電力量の正確度が低下するが、ベース電力量の算出が非常に容易になる。また、週ベース電力量は、週単位で算出されるため、平日と休日とを含んだ単位として消費電力量を算出できる。これにより、平日と休日とを区別する必要が無くなる。
【0068】
図12に、ベース月(4月)における日積算電力量の各日変化と、各週における週積算電力量のグラフを示す。
本変形例のブロック図を図13に示す。処理部12は、第1実施形態のベースデマンド値算出手段22の代わりに、週積算電力量から週ベース電力量を抽出する週ベース電力量抽出手段46を有し、全空調消費電力量取得手段20の代わりに、全空調消費電力量取得手段45を有する。週ベース電力量は、1週間当たりの空気調和装置1以外により消費される消費電力量に相当する。週積算電力量を用いてベース電力量を算出する手順について図14のフローに従って説明する。
【0069】
まず、ステップS41及びS42は、図5のステップS1及びS2と同様にベース月を抽出する。
ステップS43では、ベース月抽出手段21が、ベース月におけるデマンド値を各週において積算し、週積算電力量を算出する。
ステップS44では、週ベース電力量抽出手段41が、ベース月の週積算電力量のうち最小値を週ベース電力量として抽出する。すなわち、この週は、空気調和装置1が運転されなかった週とみなす。
【0070】
ステップS45では、ベース電力量算出手段23が週ベース電力量にベース月の日数を乗算して7で除算することによりベース月のベース電力量を算出する。具体的には、ベース月として4月が抽出されている場合には、
ベース電力量=週ベース電力量×30/7
との計算によりベース電力量を算出する。算出されたベース電力量に基づいて、ステップS11、S12、ステップS21からS27の手順を行うことにより、個別空調消費電力量が算出できる。
【0071】
(4)
第1実施形態に係る消費電力量算出システムでは、平日及び休日の区別無くベースデマンド値やベース電力量を算出している。しかし、休日になると建物100及び建物100の内部に設置される装置などの利用が減少する。このため、休日における建物100の総ての消費電力量は、平日(営業日)の総ての消費電力量の最小値よりも小さい場合がほとんどである。これにより、休日における空気調和装置1の消費電力量が0であるとみなされてしまうおそれがある。
【0072】
ここで、平日と休日とを区別してベース電力量を算出することにより、さらにベース電力量の正確度が向上する。これにより、全空調消費電力量及び個別空調消費電力量の正確度が向上する。
(5)
第1実施形態に係る消費電力量算出システムでは、ステップS4においてベースデマンド値抽出手段22が各時刻のデマンド値の集合から中央値を抽出して各時刻のベースデマンド値としている。しかし、ベースデマンド値抽出手段22は、必ず中央値を抽出してベースデマンド値とする必要はなく、例えば、平均値に最も近い値、中間値、各時刻のデマンド値の集合において10番目に小さい値、集合の数量のうち小さい方から30%に近い順位の値、などの様々な順位を抽出してベースデマンド値としても良い。
【0073】
また、平日と休日とを含む同時刻のデマンド値の集合は、例えば図3(a)、(b)に示されるように、平日と休日との境界において明確な段差を生じることがある。このような場合には、平日における最小値であると考えられる順位、すなわち大きい側の段の最小値をベースデマンド値抽出手段22によりベースデマンド値として抽出しても良い。
【0074】
(6)
第1実施形態に係る消費電力量算出システムでは、1ヶ月単位の個別空調消費電力量を算出している。しかし、個別空調消費電力量を算出できる期間は月単位に限られず、単位時限よりも長い任意の時間間隔でデマンド値を積算してベース電力量、全空調消費電力量、及び個別空調消費電力量を算出することが可能である。
【0075】
例えば1週間単位の個別空調消費電力量を算出するには、第1実施形態の手順から次のように変更すれば良い。まず、ステップS8において積算する期間を1週間にして、1週間当たりのベース電力量を算出する。同様にステップS11で月間総消費電力量を算出する代わりに週総消費電力量を算出してステップS12で1週間当たりの全空調消費電力量を算出する。さらに、ステップS21において1週間単位の空気調和装置1の運転情報を取得すると、ステップS27で1週間当たりの個別空調消費電力量を算出できる。
【0076】
また、単位時限毎に算出することも可能である。つまり、ベースデマンド値抽出手段22により各時刻(48単位時限)のベースデマンド値を算出しているため、建物100に設置される全ての空気調和装置1の消費電力(以下、全空調消費電力値とする。)及び個別の空気調和装置1の消費電力(以下、個別空調消費電力値とする。)を各時刻(48単位時限)において算出可能である。
【0077】
以下では、単位時限(30分)単位での個別空調消費電力値の算出手順について図15及び図16のフローに従って説明する。
ステップS51からS54までは、ステップS1からS4と同様に、ベース月抽出手段21によりベース月を算出して、ベースデマンド値抽出手段22によりベース月における各時刻(48単位時限)のベースデマンド値を抽出する。このベースデマンド値が第1実施形態におけるベース電力量に対応する。
【0078】
ステップS55では、ベース電力量算出手段23が空気調和装置1の個別空調消費電力値を求めたい対象時刻から始まる単位時限のベースデマンド値及びデマンド値を抽出する。
ステップS56では、デマンド値からベースデマンド値を減算して全空調消費電力値を算出する。
【0079】
ステップS57では、ステップS56で算出した全空調消費電力値が負か否か判別する。全空調消費電力値が負である場合には、ステップS58へ移行し、全空調消費電力値を0にする。その後にステップS61へ移行する。全空調消費電力値が負でない場合には、そのままステップS61へ移行する。
ステップS61において、運転情報取得手段32が建物100に設置される空気調和装置1の対象時刻から始まる単位時限における運転情報を取得する。運転情報は記憶部11に記憶されている。
【0080】
続いて、ステップS62からS66では、ステップS22からS26と同様にして個別の空気調和装置1の消費比率及び全消費比率を算出する。
ステップS67において、ステップS27と同様に、特定の空気調和装置1の消費比率と全空調消費電力値との積を全消費比率で除算して、個別空調消費電力値を算出する。
【0081】
このような手順を用いることにより、電力量を計測する機器を設けずに任意の期間の個別空調消費電力量や単位時限毎の個別空調消費電力値を算出することが可能となる。
(7)
第1実施形態に係る消費電力量算出システムでは、建物100に設置されている個別の空気調和装置1の対象月における消費電力量である個別空調消費電力量を算出する。この空気調和装置1は、電気をエネルギーとして圧縮機8の運転が行われる。しかし、エネルギーとしてガスを用いたガスヒートポンプを有する空気調和装置において、同様に個別の消費エネルギー量(消費ガス量)を算出するようにしても良い。
【0082】
(8)
第1実施形態に係る消費電力量算出システムでは、ベース月抽出手段21により月間総消費電力量が最も小さい月をベース月として抽出する。しかし、外部からベース月を指定されても良い。
(9)
第1実施形態にかかる消費電力量算出システムでは、建物100に設置される空気調和装置1を対象としている。しかし、空気調和装置1が集中制御する制御装置2が1つの建物に限定されずに所定の区域に設置される空気調和装置1を制御している場合には、所定の区域全てを対象として消費電力量算出システムを適用しても良い。
【0083】
〔第2実施形態〕
本発明を用いた空気調和装置1の消費電力量算出システムの第2実施形態のブロック図を図17に示す。
消費電力量算出システムは、対象月において建物100に設置される空気調和装置1の個別の消費電力量を算出する。なお、建物100に設置されている全ての空気調和装置1は、独立電源などにより稼動しておらず、共通の電源を利用しているとする。
【0084】
<全体の構成>
消費電力量算出システムは、第1実施形態と同様に、主として、空気調和装置1、制御装置2、及び管理装置3により構成される。第1実施形態と同一の構成部分に関しては説明を省略し、第1実施形態と差異を有する管理装置3に関して、空気調和装置1の個別の消費電力量を算出する手段について説明する。
【0085】
<管理装置の構成>
管理装置3は、通信部10、記憶部11、及び処理部52を備える(図17参照)。通信部10及び記憶部11に関しては第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
処理部52は、記憶部11に記憶された各種の情報に基づいて、空気調和装置1の個別の対象月における個別の消費電力量(個別空調消費電力量)を算出する。処理部52は、ベース月/日抽出手段61,運転情報取得手段62、基準電力値選択手段63、ベース電力量算出手段64、全空調消費電力量算出手段65、個別空調消費電力量算出手段71を有する。
【0086】
ベース月/日抽出手段61は、記憶部11に記憶される建物100のデマンド値を月毎に積算した月間総消費電力量を算出し、月間総消費電力量が最も小さい月をベース月として抽出する。具体的には、図2に示される月間総消費電力量が最も小さい4月をベース月として抽出する。また、ベース月における建物100のデマンド値を日毎に積算した日積算電力量を算出し、日積算電力値の集合の中央値の日をベース日として抽出する。
【0087】
運転情報取得手段62は、通信部10で受信され記憶部11に記憶されている、空気調和装置1の運転情報を取得する。運転情報取得手段62は、空気調和装置1が運転しているか否かを運転情報として取得したり、詳細な運転情報を取得したりする。詳細な運転情報を取得する場合には、室外機6が圧縮機8として定速圧縮機8aを有する場合、対象月において定速圧縮機8aが運転していた運転時間比率を運転情報として取得する。一方、圧縮機8としてインバータ圧縮機8bを有する場合、インバータ圧縮機8bの対象月におけるインバータ周波数の平均値を運転情報として取得する。
【0088】
基準電力値選択手段63は、ベース月/日抽出手段61で抽出されたベース日のデマンド値から、運転情報取得手段62で取得された運転情報に基づいて、基準電力値を選択する。ベース日におけるデマンド値を図18に示す。基準電力値選択手段63は、運転情報に基づいて、空気調和装置1(の室外機)が運転していない時刻におけるベース日のデマンド値の最大値を基準電力値として選択する。基準電力値は、ベース日において建物100の空気調和装置1以外により消費される消費電力に相当する。具体例である図18では、ベース日のデマンド値のうち、8時半以降において空気調和装置1が運転を開始しているとの運転情報があったため、空気調和装置1が運転しておらず且つデマンド値が最大である8時のデマンド値を基準電力値として選択している。なお、全空調消費電力値は、建物100に設置されている全ての空気調和装置1における単位時限当たりの消費電力に相当する。
【0089】
ベース電力量算出手段64は、基準電力値とベース日のデマンド値とから日ベース電力量を算出し、さらに日ベース電力量を元にしてベース電力量を算出する。日ベース電力量を算出する場合、ベース電力量算出手段64は、ベース日のデマンド値と基準電力値とのうち小さい値を積算することにより日ベース電力量を算出する。続いて、ベース電力量を算出する場合、ベース電力量算出手段64は、日ベース電力量にベース月の日数を乗算してベース電力量を算出する。具体的には、例えばベース月が4月の場合、算出された日ベース電力量に4月の日数である30を積算することにより、ベース電力量が算出される(図19参照)。
【0090】
全空調消費電力量算出手段65は、後記する算定月の月間総消費電力量(ベース月/日抽出手段61により算出される)からベース電力量を減算することにより算定月全空調消費電力量を算出する。
個別空調消費電力量算出手段71は、空気調和装置1の室外機6が有する圧縮機8の詳細な運転情報から圧縮機8の消費電力量を算出する。詳細な運転情報は、室外機6が圧縮機8として定速圧縮機8aを有する場合、対象月において定速圧縮機8aが運転していた運転時間比率を運転情報とする。一方、圧縮機8としてインバータ圧縮機8bを有する場合、インバータ圧縮機8bの対象月におけるインバータ周波数の平均値を運転情報とする(図4(b)参照)。
【0091】
圧縮機8の消費電力量は、運転情報に運転係数を乗算して算出する。すなわち、建物100に設置される全ての空気調和装置1が有する圧縮機8の運転情報に運転係数を乗算した値(消費電力量)を全て加算した値が全空調消費電力量となる。すなわち、運転係数は次の式(1)を満足する。
Σi(ai・Ci)=T (1)
ここで、Σiは変数iについての積算を示す。iは圧縮機8を区別するための番号、aiはそれぞれの圧縮機8の運転係数、Ciはそれぞれの圧縮機8の運転情報、そしてTは全空調消費電力量である。
【0092】
個別空調消費電力量算出手段71は、複数の算定月を指定して、建物100に設置される全ての空気調和装置1の算定月における圧縮機8の運転情報Ciと算定月全空調消費電力量Tとに基づいて、未知数である圧縮機8の運転係数aiを算出する。ここで、運転係数の算出方法は、重回帰分析により行われる。なお、重回帰分析を行う場合には、少なくとも圧縮機8の数量よりも1つ多い数量の算定月を指定する必要がある。
【0093】
<動作>
消費電力量算出システムによる個別空調消費電力量の算出手順について説明する。
消費電力量算出システムの管理装置3の処理部52は、まず算定月全空調消費電力量を算出して運転係数を特定し、対象月における運転係数と運転情報に基づいて個別空調消費電力量を算出する。
【0094】
(ベース電力量の算出)
処理部52によるベース電力量の算出手順について、図20のフローに従い説明する。
まず、ステップS101において、ベース月/ベース日抽出手段61が記憶部11に記憶されている建物100のデマンド値を月毎に積算して月間総消費電力量を算出する。
【0095】
続いて、ステップS102において、ベース月/ベース日抽出手段61が各月の月間総消費電力量が最も小さい月をベース月として抽出する。
ステップS103において、ベース月/ベース日抽出手段61がベース月の各日におけるデマンド値を積算して日積算電力量を算出する。
ステップS104では、ベース月/ベース日抽出手段61により、ベース月の日積算電力値の集合から中央値の日をベース日として抽出する。
【0096】
ステップS105において、運転情報取得手段62が運転情報を取得することにより、基準電力値選択手段63が建物100に設置されている全ての空気調和装置1が運転していない単位時限の時刻である非運転時刻を抽出する。
ステップS106では、ベース日の非運転時刻における最大のデマンド値を基準電力値として基準電力値選択手段63が選択する。
【0097】
ステップS107において、ベース電力量算出手段64は、ベース日において、基準電力値と各時刻のデマンド値とのうち小さい値を積算して日ベース電力量を算出する。
ステップS108では、ベース電力量算出手段64が日ベース電力量にベース月の日数を乗算することにより、ベース電力量を算出する。
【0098】
(算定月全空調消費電力量の算出)
算定月全空調消費電力量の算出手順について、図21のフローに従い説明する。
ステップS111では、個別空調消費電力量算出手段71により、複数の算定月が指定される。算定月は、個別空調消費電力量算出手段71が運転係数の算出において重回帰分析を行うために指定される期間である。
【0099】
続いてステップS112では、ベース月/ベース日抽出手段61により複数の算定月の月間総消費電力量を算出する。
さらに、ステップS113では、全空調消費電力量算出手段65が、複数の算定月の月間総消費電力量からベース月電力量を減算することにより複数の算定月全空調消費電力量を算出する。
【0100】
(運転係数の算出)
運転係数の算出手順について、図22のフローに従い説明する。
ステップS121において、ステップS111で指定された複数の算定月における空気調和装置1の室外機6が有する圧縮機8の運転情報を運転情報取得手段62が取得する。
【0101】
ステップS122では、個別空調消費電力量算出手段71が複数の算定月における運転情報と算定月全空調消費電力量とから式(1)を重回帰分析して、運転係数を算出する。
(個別空調消費電力量の算出)
個別空調消費電力量の算出手順について、図23に従い説明する。
【0102】
ステップS131において、運転情報取得手段62により対象月における空気調和装置1の圧縮機8の詳細な運転情報を取得する。詳細な運転情報は、室外機6が圧縮機8として定速圧縮機8aを有する場合、対象月において定速圧縮機8aが運転していた運転時間比率を運転情報とする。一方、圧縮機8としてインバータ圧縮機8bを有する場合、インバータ圧縮機8bの対象月におけるインバータ周波数の平均値を運転情報とする。
【0103】
続いてステップS132において、個別空調消費電力量算出手段71により、運転係数をステップS121において取得された運転情報に乗算することにより個別空調消費電力量が算出される。
<第2実施形態の特徴>
第2実施形態に係る消費電力量算出システムでは、建物100のデマンド値を元にしてベース電力量を算出し、さらに重回帰分析を行って運転情報と全空調消費電力量との関係式を算出することにより、対象期間における運転情報から個別空調消費電力量を算出する。
【0104】
本システムでは、まずデマンド値と空気調和装置1(圧縮機8)の運転情報とを元にして、運転情報と全空調消費電力量との関係式を算出している。その後に、対象期間における運転情報だけを元にして個別空調消費電力量を算出している。このため、空気調和装置1に電力量を計測する機器を設けることなく全空調消費電力量及び個別空調消費電力量を算出することが可能となっている。
【0105】
(a)ベース電力量の算出の特徴
ベース電力量の算出の特徴を以下に記載する。
運転情報と個別空調消費電力量との関係を算出するために、まずベース電力量を算出している。ベース電力量は以下のような手順で算出されている。
まずベース月/日抽出手段61によりベース月の抽出を行う。ベース月は、建物100で1年を通じて月間総消費電力量が最小となる月が抽出される(図2参照)。ベース月は、ベース電力量を算出する対象の期間であるため、空気調和装置1があまり稼動していない期間であることが好ましい。なぜなら、建物100の空気調和装置1以外の電力消費源は、照明、動力、OAなどであり、それらの消費電力量は年間を通じてほとんど変化しない。このため、月間総消費電力量が最も小さい月をベース月とすることが好ましい。従来は、このベース月における月間総消費電力量であるベース月総電力量をベース電力量としていることが多い。しかし、本システムでは、さらにデマンド値に基づいた詳細な算出手段によりベース電力量を算出しているため、より正確なベース電力量を算出することができる。
【0106】
さらにベース月/日抽出手段61によりベース日の抽出を行う。ベース日は、ベース月に含まれる日の日積算電力量が中央値である日が抽出される。ベース月には、建物100に設置される電力消費源のほとんどが稼動する平日と、ほとんどが稼動しない休日とが含まれている。このため、ベース月における日積算電力量のうち、最小値付近の値の日を抽出すると、ベース電力量を少なく見積もりすぎるおそれがある。また、ベース月であっても空気調和装置1が全く使われていないわけではないため、日積算電力量が大きい日においては空気調和装置1が運転していると推測される。このため、日積算電力量が最大値付近の日を抽出すると、ベース電力量を多く見積もりすぎるおそれがある。このため、日積算電力量が中央値である日をベース日とすることにより、ベース月において建物100に設置される空気調和装置1がほとんど運転しておらず且つ平日である日を選択することが可能となる。
【0107】
続いて、運転情報取得手段62により空気調和装置1の運転情報を取得する。運転情報に基づいて基準電力値選択手段63が非運転時刻を抽出し、さらに非運転時刻における最大デマンド値を基準電力値とする。基準電力値は、ベース日において建物100の空気調和装置1以外により消費される消費電力に相当する。このため、デマンド値から基準電力値を減算した電力が建物100に設置される全ての空気調和装置1により消費される電力に相当する。このため、基準電力値を元にすることによりベース電力量をより正確に算出することが可能となる。
【0108】
ベース電力量算出手段64は、ベース日における各時刻のデマンド値と基準電力値との小さい値をベース日において積算することにより日ベース電力量を算出する。さらに、日ベース電力量にベース月の日数を乗算することによりベース電力量を算出する。デマンド値が基準電力値よりも小さい場合には、空気調和装置1による消費電力が0であるとみなしている。これにより、ベース電力量をより適切に算出することが可能となる。
【0109】
(b)個別空調消費電力量の算出の特徴
また、個別空調消費電力量の算出における特徴を以下に記載する
個別空調消費電力量は、対象となる空気調和装置1の室外機6が有する圧縮機8の運転情報と運転係数とを乗算することにより算出される。運転情報と個別空調消費電力量とは、基本的に比例関係にあるため、運転係数と運転情報を乗算することにより個別空調消費電力量を算出することが可能となる。運転係数は、以下の手順により算出される。
【0110】
まず、全空調消費電力量算出手段65が、運転係数の算出の元となる算定月全空調消費電力量を算出する。さらに、運転情報取得手段62が算定月の運転情報を取得する。運転情報は、詳細な運転情報であり、室外機6が圧縮機8として定速圧縮機8aを有する場合、対象月において定速圧縮機8aが運転していた運転時間比率を運転情報とする。一方、圧縮機8としてインバータ圧縮機8bを有する場合、インバータ圧縮機8bの対象月におけるインバータ周波数の平均値を運転情報とする。これに基づいて、個別空調消費電力量算出手段71は、
Σi(ai・Ci)=T (1)
を満足する運転係数aiを重回帰分析により算出する(iは圧縮機8を区別するための番号、aiはそれぞれの圧縮機8の運転係数、Ciはそれぞれの圧縮機8の運転情報、Tは全空調消費電力量)。算定月の数が圧縮機8の数量よりも1つ多いと重回帰分析を行うことができる。重回帰分析を行うことにより、算出された運転情報及び全空調消費電力量において最も適切な運転係数を算出することが可能となる。なお、重回帰分析は、運転情報及び全空調消費電力量の数が多ければ多いほど精度良く運転係数を算出することが可能であり、運転係数の数量の約20倍の数量の運転情報及び全空調消費電力量を式(1)に適用して重回帰分析を行うことにより、十分な精度を持った運転係数を得ることが可能となる。
【0111】
このように、重回帰分析により運転係数を算出することにより、経年変化により圧縮機8の消費電力量が変化した場合にも、改めて運転係数を重回帰分析により算出することで、現在の圧縮機8の状態に適合した個別空調消費電力量を算出することが可能となる。
<第2実施形態の変形例>
(1)
第2実施形態に係る消費電力量算出システムでは、図20から22(ステップS101からS132)に示す手順に従うことにより個別空調消費電力量を算出している。
【0112】
全空調消費電力量を算出するまでの手順は図20及び20(ステップS101からS113)に示されており、個別空調消費電力量を算出するまでの手順は、図22及び22(ステップS121からS132)に示されている。第1実施形態において、全空調消費電力量を算出するまでの手順は、ステップS1からS12に相当し、個別空調消費電力量を算出するまでの手順は、ステップS21からS27に相当する。
【0113】
ここで、第2実施形態のステップS101からS113の代わりに、第1実施形態のステップS1からS12を用いて算定月における全空調消費電力量を算出し、その後にステップS121からS132により個別空調消費電力量を算出するようにしても良い。また、逆に、第2実施形態のステップS101からS113により対象月の全空調消費電力量を算出し、その後の手順である第2実施形態のステップS121からS132の代わりに第1実施形態のステップS21からS27により個別空調消費電力量を算出するようにしても良い。
【0114】
また、第2実施形態ののステップS101からS113の代わりに、第1実施形態の変形例(2)や(3)で示されるステップを用いて算定月における全空調消費電力量を算出し、その後にステップS121からS132により個別空調消費電力量を算出するようにしても良い。
以上の何れの手順を用いても、従来例であるベース月における月間総消費電力量をベース電力量とする場合に比べて適切にベース電力量が算出できると共に、個別の空気調和装置1に電力量を計測する機器を設けることなく個別空調消費電力量を算出することが可能である。
【0115】
(2)
第2実施形態に係る消費電力量算出システムでは、ステップS104においてベース月/日抽出手段61がベース月における日積算電力量の中央値の日を抽出してベース日としている。しかし、ベース月/日抽出手段61は、必ず中央値の日を抽出してベース日とする必要はなく、例えば、平均値に最も近い値、中間値、各時刻のデマンド値の集合において10番目に小さい値、集合の数量のうち小さい方から30%に近い順位の値、などの様々な順位を抽出してベースデマンド値としても良い。
【0116】
(3)
第2実施形態に係る消費電力量算出システムでは、1ヶ月単位の個別空調消費電力量を算出している。しかし、個別空調消費電力量を算出できる期間は月単位に限られず、単位時限よりも長い任意の時間の対象期間を指定することにより、対象期間の個別空調消費電力量を算出できる。すなわち、対象期間と同じ長さの算定期間に基づいて、ベース電力量及び算定期間の全空調消費電力量を算出し、算定期間の運転情報を取得して重回帰分析を行うことにより算定期間における運転情報に応じた運転係数を算出し、対象期間の個別空調消費電力量を算出する。
【0117】
さらに具体的に、1週間単位の個別空調消費電力量を算出するには、第2実施形態の手順から次のように変更すれば良い。まず、ステップS108において日ベース電力量を積算する期間を1週間にして、1週間当たりのベース電力量を算出する。同様にステップS111において算定月を指定する代わりに算定週を指定し、さらにステップS112で算定月の月間総消費電力量を算出する代わりに週総消費電力量を算出してステップS113で1週間当たりの算定週全空調消費電力量を算出する。次いでステップS121において1週間単位の空気調和装置1の運転情報を取得して、ステップS122で重回帰分析を行って運転係数を算出する。ステップS131で対象週の運転情報を取得して、ステップS132で1週間当たりの個別空調消費電力量を算出できる。
【0118】
また、単位時限毎に個別の空気調和装置1の消費電力を算出することも可能である。つまり、基準電力値選択手段63により基準電力値が算出されており、全空調消費電力値を算出することが可能であるため、運転情報取得手段62において単位時限当たりの運転情報を取得することにより、個別空調消費電力量算出手段71において運転係数を算出することが可能となる。よって、単位時限当たりにおける個別の空気調和装置1の消費電力(以下、個別空調消費電力値とする。)を算出することが可能となる。
【0119】
本変形例のブロック図を図24に示す。処理部52は、第2実施形態の個別空調消費電力量算出手段71の代わりに、個別空調消費電力値を算出する個別空調消費電力値算出手段91を有し、また第2実施形態の全空調消費電力量算出手段65の代わりに、全空調消費電力値を算出する全空調消費電力値算出手段85を有する。単位時限(30分)単位での個別空調消費電力値の算出手段について図25及び図26のフローに従い説明する。
【0120】
まず、ステップS141からS146は、ステップS101からS106と同一であるため省略する。
ステップS151において、個別空調消費電力値算出手段91により複数の算定時刻が指定される。
ステップS152では、全空調消費電力値算出手段85が複数の算定時刻におけるデマンド値から基準電力値を減算して、算定時刻の全空調消費電力値である算定時刻全空調消費電力値を算出する。
【0121】
ステップS153では、全空調消費電力値算出手段85により、ステップS152で算出された算定時刻全空調消費電力値が負であるか否か判別する。負である場合にはステップS151に戻り他の算定時刻の指定を受けてステップS152で全空調消費電力値を算出する。全空調消費電力値が負でない場合には、ステップS161へ移行する。
【0122】
ステップS161では、運転情報取得手段62が、ステップS151で指定された複数の算定時刻における空気調和装置1の室外機6が有する圧縮機8の運転情報を取得する。
ステップS162では、個別空調消費電力値算出手段91が複数の算定時刻における運転情報と算定時刻全空調消費電力値とから
Σi(aui・Cui)=Tu (2)
を重回帰分析して、単位時限当たりの運転係数を算出する。なお、Σiは変数iについての積算を示す。iは圧縮機8を区別するための番号、auiはそれぞれの圧縮機8の単位時限当たりの運転係数、Cuiはそれぞれの圧縮機8の単位時限当たりの運転情報、そしてTuは算定時刻全空調消費電力量である。
【0123】
ステップS171では、個別空調消費電力値を算出する対象の時刻における運転情報を運転情報取得手段62により取得する。
ステップS172において、ステップS162で算出された運転係数にステップS171で取得された運転情報を乗算することにより個別空調消費電力値が個別空調消費電力値算出手段91により算出される。
【0124】
ここで、以上のように個別空調消費電力量を算出する対象期間を短くすることにより、重回帰分析を行う算定期間の数量を多くすることが容易になる。すなわち、1ヶ月単位の算定月の運転情報及び算定月全空調消費電力量を用いて運転係数を算出するよりも短期間の運転情報を用いて運転係数を算出できるため、より最近の運転情報を用いることが可能となる。これにより、建物100に設置されている空気調和装置1の経年変化による運転効率の変化(消費電力効率の変化)を運転係数の変化として適切に変更することが可能となる。
【0125】
(4)
第2実施形態に係る消費電力量算出システムでは、建物100に設置されている個別の空気調和装置1の対象月における消費電力量である個別空調消費電力量を算出する。この空気調和装置1は、電気をエネルギーとして圧縮機8の運転が行われる。しかし、エネルギーとしてガスを用いたガスヒートポンプを有する空気調和装置において、同様に個別の消費エネルギー量(消費ガス量)を算出するようにしても良い。
【0126】
(5)
第2実施形態に係る消費電力量算出システムでは、ベース月/日抽出手段61により月間総消費電力量が最も小さい月をベース月として抽出する。しかし、外部からベース月を指定されても良い。
(6)
第2実施形態にかかる消費電力量算出システムでは、建物100に設置される空気調和装置1を対象としている。しかし、空気調和装置1が集中制御する制御装置2が1つの建物に限定されずに所定の区域に設置される空気調和装置1を制御している場合には、所定の区域全てを対象として消費電力量算出システムを適用しても良い。
【0127】
【発明の効果】
請求項1に記載の消費エネルギー量算出装置では、圧縮機の運転情報と全空調消費エネルギー量取得手段で取得されるエネルギー量とを元にして空調機の消費するエネルギー量を算出するため、空調機に電力量計測器などの消費エネルギー量を計測する機器を設けずに、それぞれの空調機が対象期間に消費する個別空調消費エネルギー量を算出することが可能となる。
【0128】
請求項2に記載の消費エネルギー量算出装置では、インバータ圧縮機の運転周波数や定速圧縮機の運転時間といった値を用いて、それぞれの空調機が消費する個別空調消費エネルギー量を算出することが可能となる。
請求項3に記載の消費エネルギー量算出装置では、圧縮機の運転情報に基づく消費比率により、全空調消費エネルギー量から空調機個別の消費エネルギー量を算出するため、より適切に個別空調消費エネルギー量を算出することが可能となる。
請求項3に記載の消費エネルギー量算出装置では、定格値を用いることにより、消費比率を簡便に算出できる。
【0129】
請求項5に記載の消費エネルギー量算出装置では、定格値を用いることにより、消費比率を簡便に算出できる。
請求項6に記載の消費エネルギー量算出装置では、重回帰分析により運転係数を算出するため、運転係数の変化に対応することも可能となり、個別空調消費エネルギー量をより正確に算出することが可能となる。
【0130】
請求項7に記載の消費エネルギー量算出装置では、所定期間における電力デマンド値からベース電力量を算出しており、ベース電力量と総消費電力量とから全空調消費電力量を算出することが可能となる。さらに、空調設備などに電力量計測器など電力量を計測する機器を設けずに全空調消費電力量を算出することが可能となる。
【0131】
請求項8に記載の消費エネルギー量算出装置では、所定日における電力デマンド値からベース電力量を算出しており、ベース電力量と総消費電力量とから全空調消費電力量を算出することが可能となる。さらに、空調設備などに電力量計測器などを設けずに全空調消費電力量を算出することが可能となる。
請求項9に記載の消費エネルギー量算出方法では、空調機に電力量計測器などの消費エネルギー量を計測する機器を設けずに、それぞれの空調機が対象期間に消費する個別空調消費エネルギー量を算出できる
請求項10に記載の消費エネルギー量算出方法では、インバータ圧縮機の運転周波数や定速圧縮機の運転時間といった値を用いて、それぞれの空調機が消費する個別空調消費エネルギー量を算出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る消費電力量算出システムのブロック図。
【図2】月間総消費電力量、ベース電力量、及び全空調消費電力量と月との関係を示した棒グラフ。
【図3】ベース月(4月)の各日における特定時刻からのデマンド値を降順に並べた折れ線グラフ。(a)10時。(b)17時。(c)3時。
【図4】(a)第1実施形態におけるベース電力量の算出手順の式。(b)圧縮機の消費比率の算出手順の式。
【図5】第1実施形態のベース電力量の算出フロー。
【図6】第1実施形態の全空調消費電力量の算出フロー。
【図7】第1実施形態の個別空調消費電力量の算出フロー。
【図8】第1実施形態の変形例(1)におけるベース電力量の算出手順の式。
【図9】(a)ベース月(4月)の各日における日積算電力量の折れ線グラフ。(b)(a)の日積算電力量を降順に並べた折れ線グラフ。
【図10】第1実施形態の変形例(2)に係る消費電力量算出システムのブロック図。
【図11】第1実施形態の変形例(2)におけるベース電力量の算出フロー。
【図12】(a)ベース月(4月)の各日における日積算電力量。(b)ベース月(4月)の各週における週ベース電力量の棒グラフ。
【図13】第1実施形態の変形例(3)に係る消費電力量算出システムのブロック図。
【図14】第1実施形態の変形例(3)におけるベース電力量の算出フロー。
【図15】第1実施形態の変形例(6)における個別空調消費電力量の算出フロー。
【図16】第1実施形態の変形例(6)における個別空調消費電力量の算出フロー。
【図17】第2実施形態に係る消費電力量算出システムのブロック図。
【図18】ベース日におけるデマンド値の棒グラフ。時間経過に対する基準電力値と全空調消費電力値とを示す。
【図19】第2実施形態におけるベース電力量の算出手順の式。
【図20】第2実施形態のベース電力量の算出フロー。
【図21】第2実施形態の算定月全空調消費電力量の算出フロー。
【図22】第2実施形態の運転係数の算出フロー。
【図23】第2実施形態の個別空調消費電力量の算出フロー。
【図24】第2実施形態の変形例(3)に係る消費電力量算出システムのブロック図。
【図25】第2実施形態の変形例(3)における個別空調消費電力量の算出フロー。
【図26】第2実施形態の変形例(3)における個別空調消費電力量の算出フロー。
【符号の説明】
1 空気調和装置
3 管理装置
6 室外機
8 圧縮機
8a 定速圧縮機
8b インバータ圧縮機
10 通信部
11 記憶部
12、52 処理部
20、40、45、60、80 全空調消費電力量取得手段
21 ベース月抽出手段
22 ベースデマンド値抽出手段
23、64 ベース電力量算出手段
31、65 全空調消費電力量算出手段
32、62 運転情報取得手段
33、71 個別空調消費電力量算出手段
41 日ベース電力量抽出手段
46 週ベース電力量抽出手段
61 ベース月/日抽出手段
63 基準電力値選択手段
85 全空調消費電力値算出手段
91 個別空調消費電力値算出手段
100 建物
101 遠隔監視センター

Claims (10)

  1. 所定区域(100)に設置される複数の空調機(1)がそれぞれ対象期間に消費するエネルギー量である個別空調消費エネルギー量を求める消費エネルギー量算出装置(3)であって、
    前記複数の空調機(1)が有する1または複数の圧縮機(8)の運転情報を取得する運転情報取得手段(32、62)と、
    前記所定区域(100)に設置される前記空調機(1)が消費するエネルギー量を取得する全空調消費エネルギー量取得手段(20、40、45、60、80)と、
    前記運転情報前記全空調消費エネルギー量取得手段で取得されるエネルギー量との演算から前記個別空調消費エネルギー量を算出する個別空調消費エネルギー量算出手段(33、71、91)と、
    を備える消費エネルギー量算出装置(3)。
  2. 前記圧縮機(8)は、電力をエネルギーとするインバータ圧縮機(8b)又は定速圧縮機(8a)であり、
    前記運転情報は、前記インバータ圧縮機(8b)の運転周波数及び/または前記定速圧縮機(8a)の運転時間である、請求項1に記載の消費エネルギー量算出装置(3)。
  3. 前記全空調消費エネルギー量取得手段(20、40、45、60、80)は、前記所定区域に設置される前記空調機が対象期間に消費するエネルギー量である全空調消費エネルギー量を取得し、
    前記個別空調消費エネルギー量算出手段(33)は、前記運転情報に基づいて前記圧縮機毎の消費比率を算出し、前記全空調消費エネルギー量と前記消費比率とに基づいて前記個別空調消費エネルギー量を算出する、
    請求項2に記載の消費エネルギー量算出装置(3)。
  4. 前記個別空調消費エネルギー量算出手段(33)は、前記運転情報と前記圧縮機の定格値とから前記消費比率を算出する、請求項3に記載の消費エネルギー量算出装置。
  5. 前記運転情報取得手段(32、62)は、前記インバータ圧縮機(8b)の前記対象期間における平均運転周波数及び/または前記定速圧縮機(8a)の前記対象期間における平均運転時間を前記運転情報として取得し、
    前記個別空調消費エネルギー量算出手段(33)は、前記インバータ圧縮機に対して前記平均運転周波数と前記インバータ圧縮機の定格運転周波数と前記インバータ圧縮機の定格電力とにより前記消費比率を算出し、また前記定速圧縮機に対して前記平均運転時間と前記定速圧縮機の定格電力とにより前記消費比率を算出する、
    請求項4に記載の消費エネルギー量算出装置(3)。
  6. 前記個別空調消費エネルギー量算出手段(71、91)は、複数の運転係数算定期間を指定し、
    前記全空調消費エネルギー量取得手段(20、40、45、60、80)は、前記所定区域に設置される前記空調機(8)が前記運転係数算定期間毎にそれぞれ消費するエネルギー量である複数の全空調算定期間消費エネルギー量を取得し、
    前記個別空調消費エネルギー量算出手段(71、91)は、さらに、前記運転係数算定期間のそれぞれにおける複数の前記運転情報と、前記複数の全空調算定期間消費エネルギー量と、を元にした重回帰分析により前記運転情報に対応した運転係数を算出し、前記運転係数と前記運転情報とから前記個別空調消費エネルギー量を算出する、
    請求項1または2に記載の消費エネルギー量算出装置(3)。
  7. 前記空調機(1)は、電力をエネルギーとしており、
    前記全空調消費エネルギー量取得手段(20、40、45、60、80)は、
    前記所定区域(100)における単位時限当たり平均消費電力である電力デマンド値を各単位時限毎に記憶する記憶手段(11)と、
    所定期間を指定する所定期間指定手段(21)と、
    前記電力デマンド値に基づく第1電力値が求められ、前記所定期間における前記第1電力値の集合から特定順位の前記第1電力値を特定電力値として取り出す順位取出手段(22,41)と、
    前記所定期間に前記所定区域の前記空調機で消費される電力量以外の消費電力量であるベース電力量を前記第1電力値と前記特定電力値とから算出するベース電力量算出手段(23)と、
    前記所定区域で消費される総ての電力量と前記ベース電力量とにより、前記所定区域に設置される前記空調機が消費する電力量を算出する全空調消費電力量算出手段(24)と、
    を有する、請求項1から6のいずれかに記載の消費エネルギー量算出装置(3)。
  8. 前記空調機(1)は、電力をエネルギーとしており、
    前記空調消費エネルギー量取得手段(20、40、45、60、80)は、
    前記所定区域(100)における単位時限当たり平均消費電力である電力デマンド値を記憶する記憶手段(11)と、
    所定日を指定する所定日指定手段(61)と、
    前記空調機の運転情報を取得する運転情報取得手段(62)と、
    前記所定日において前記空調機(1)が停止している単位時限における前記電力デマンド値の集合から基準電力値を選択する基準電力値選択手段(63)と、
    前記所定日に前記所定区域(100)の前記空調機で消費される電力量以外の消費電力量であるベース電力量を前記基準電力値と前記電力デマンド値とから算出するベース電力量算出手段(64)と、
    前記所定区域で前記対象期間に消費される総ての電力量である総消費電力量と前記ベース電力量とにより前記全空調消費電力量を算出する全空調消費電力量算出手段(65,85)と、
    を有する、請求項1から6のいずれかに記載の消費エネルギー量算出装置(3)。
  9. 所定区域(100)に設置される複数の空調機(1)がそれぞれ対象期間に消費するエネルギー量である個別空調消費エネルギー量を求める消費エネルギー量算出方法であって、
    前記複数の空調機(1)が有する1または複数の圧縮機(8)の運転情報を取得する第1ステップと、
    前記所定区域(100)に設置される前記空調機(1)が消費するエネルギー量を取得する第2ステップと、
    前記運転情報ステップ2で取得されるエネルギー量との演算から前記個別空調消費エネルギー量を算出する第3ステップと、
    を備える消費エネルギー量算出方法。
  10. 前記圧縮機(8)は、電力をエネルギーとするインバータ圧縮機(8b)又は定速圧縮機(8a)であり、
    前記運転情報は、前記インバータ圧縮機(8b)の運転周波数及び/または前記定速圧縮機(8a)の運転時間である、請求項8に記載の消費エネルギー量算出方法。
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