JP4194976B2 - 光ファイバ素線の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバ素線の製造方法に関するものであり、特に、光ファイバ素線における偏波モード分散を低減するために、光ファイバ母材に捻りを加える工程を適用した光ファイバ素線の製造方法に関する。
一般に、光ファイバ素線は、以下のようにして製造されている。
図3は、従来の光ファイバ素線の製造方法で用いられる光ファイバ素線の製造装置の概略構成を示す模式図である。
光ファイバ素線の製造においては、まず、石英系ガラスを主成分とする光ファイバ母材101を紡糸炉102内に収容し、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)などの不活性ガス雰囲気中で、その先端部分を約2000℃に高温加熱し、溶融紡糸して、光ファイバ裸線103とする。
次いで、光ファイバ裸線103を冷却筒104内に送り込む。冷却筒104内には、ヘリウムや窒素ガスなどの冷却用ガスが供給されており、冷却筒104において光ファイバ裸線103を次工程の一次被覆層の形成に好適な温度まで急冷する。
次いで、冷却筒104で冷却された光ファイバ裸線103は、一次被覆層形成用の被覆材塗布装置105およびUVランプ106により、紫外線硬化型樹脂などからなる一次被覆層で被覆される。
さらに、一次被覆層が設けられた光ファイバ裸線103は、二次被覆層形成用の被覆材塗布装置107およびUVランプ108により、紫外線硬化型樹脂などからなる二次被覆層で被覆され、光ファイバ素線109となる。
さらに、紡糸中の光ファイバ素線109は、捻り装置110によって捻りが加えられた後、ターンプーリ111によって別方向に向きを変えられ、引取機112、ダンサーロール113を経て、巻取ドラム114に巻き取られる。
近年、光ファイバ素線の製造において、光ファイバ素線の偏波モード分散(Polarization Mode Dispersion、以下「PMD」と略す。)を低減する目的から、上述のような光ファイバ素線の製造装置では、捻り装置110を設け、光ファイバ素線109に捻りを加えることにより、光ファイバ母材101の加熱溶融部(光ファイバ母材101の下端部)に捻りを付与しながら、光ファイバ裸線103を溶融紡糸している(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。
捻り装置110によって、紡糸中の光ファイバ素線109に加えられた捻りは、光ファイバ母材101の加熱溶融部まで伝わる。そのため、光ファイバ母材101の加熱溶融部には、捻りが加えられながら、光ファイバ裸線103が溶融紡糸される。したがって、紡糸後の光ファイバ裸線103には捻りが固定される。
このような光ファイバ素線の製造方法によれば、PMDが低減された光ファイバ素線を得ることができる。
しかしながら、特許文献1、特許文献2、特許文献3などには、光ファイバ素線に捻りを加える原理、方法、装置などについては開示されているものの、これらを用いた具体的な光ファイバ素線の製造条件については、何ら開示されていない。
一般に、光ファイバ素線の製造に適用される捻り装置には、光ファイバ素線に当接し、光ファイバ素線にトルクを加える、少なくとも一対の捻りローラが設けられている。
このような捻り装置では、一対の捻りローラの周期的な揺動によって光ファイバ素線に加えられたトルク、および、光ファイバ素線の被覆層と捻りローラの摩擦によって、光ファイバ素線に捻りが加えられる。光ファイバ素線に効率良くトルクを加えるためには、光ファイバ素線の被覆層に対する捻りローラ表面の摩擦力が非常に重要な因子となる。そこで、被覆層に対する捻りローラ表面の摩擦力を上げるためには、捻りローラ表面の摩擦係数、捻りローラ表面と光ファイバ素線とが接触する長さ、捻りローラによる光ファイバ素線に対する押圧力などを大きくすることが効果的であると思われる。
しかしながら、捻りローラによる光ファイバ素線に対する押圧力を大きくし過ぎると、光ファイバ素線の被覆層が押し潰されて、被覆層が割れたり、光ファイバ裸線と被覆層との界面において被覆層が剥離したりすることがある。このような被覆層に生じた不具合により、光ファイバ素線では、マイクロベンドに起因する伝送損失が増加したり、被覆層の耐環境性、耐しごき性が劣化するという問題がある。なお、耐しごき性とは、光ファイバ素線に側圧を加えながらしごいた場合に、光ファイバ素線の被覆層の剥離や割れが生じ難い性質のことである。
一方、光ファイバ素線の被覆層が割れたり、被覆層が剥離したりすることを防止するために、捻りローラの光ファイバ素線に対する押圧力を小さくし過ぎると、光ファイバ素線に十分にトルクが加えられない。そのため、光ファイバ素線と捻りローラとの間で滑りが生じ、結果として、紡糸中の光ファイバ素線に線振れが発生して、被覆層の厚みが偏るなどの被覆不良を生じる。
特許第2981088号公報 特許第3224235号公報 特表平10−507438号公報
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、光ファイバ素線における偏波モード分散を低減するとともに、光ファイバ素線の被覆層に割れや剥離などの不具合が生じることを抑制する光ファイバ素線の製造方法、この光ファイバ素線の製造方法で用いられる捻り装置、および、この光ファイバ素線の製造方法によって得られた光ファイバ素線を提供する。
本発明は、上記課題を解決するために、光ファイバ母材を溶融紡糸して光ファイバ裸線を形成する紡糸工程と、該紡糸工程により形成された光ファイバ裸線の外周にウレタン−アクリレート系紫外線硬化型樹脂からなる一次被覆層を設け、該一次被覆層の外周にさらにウレタン−アクリレート系紫外線硬化型樹脂からなる二次被覆層を設けて、光ファイバ素線を形成する被覆工程と、該被覆工程により形成された光ファイバ素線の外周の一部に少なくとも一対の捻りローラを当接させ、さらに該光ファイバ素線の外周の一部を押圧した状態で、該一対の捻りローラを並進運動または揺動運動させて、光ファイバ素線に捻りを加えることにより、光ファイバ母材の溶融部分に捻りを加える捻り工程とを備えた光ファイバ素線の製造方法であって、前記被覆工程において、前記一次被覆層を硬化させた後に、前記二次被覆層をさらに設け、該二次被覆層を硬化させて、前記光ファイバ素線を形成し、前記捻り工程において、前記一対の捻りローラが前記光ファイバ素線の外周に接した位置での前記一対の捻りローラ間の距離を基準距離とし、前記一対の捻りローラ間の距離が前記基準距離よりも20μm〜70μmの範囲で狭くなって前記硬化した被覆層を押圧するように、前記一対の捻りローラ間の距離を制御することによって、前記光ファイバ素線に所定量のトルクを加え、前記一対の捻りローラの外径は50mm〜200mmであり、前記一対の捻りローラの表面の摩擦係数は0.2〜0.6であることを特徴とする光ファイバ素線の製造方法を提供する。
本発明の光ファイバ素線の製造方法によれば、少なくとも一対の捻りローラによって、光ファイバ素線に捻りを加える捻り工程において、一対の捻りローラ間の距離を制御することによって、光ファイバ素線に所定量のトルクを加えるので、偏波モード分散を低減した光ファイバ素線を得ることができるとともに、被覆層が割れることなく、かつ、剥離していない光ファイバ素線を得ることができる。
さらに、捻り工程において、一対の捻りローラが光ファイバ素線の外周に接した位置での一対の捻りローラ間の距離を基準距離とし、一対の捻りローラ間の距離が前記基準距離よりも20μm〜70μmの範囲で狭くなって硬化した被覆層を押圧するように、一対の捻りローラ間の距離を制御することにより、偏波モード分散を低減できるので、光通信における伝送速度の高速化、伝送距離の長距離化を実現することができる。
また、線引き中の光ファイバ素線の外周の一部に当接して、光ファイバ素線に捻りを加える少なくとも一対の捻りローラの外径を50mm〜200mmとすることにより、光ファイバ素線の被覆層の潰れ量に対して、捻りローラが光ファイバ素線に当接する距離が長くなり、光ファイバ素線の被覆層の潰れ量を少なくすることができる。これにより、被覆層が割れることなく、かつ、剥離しない光ファイバ素線を得ることができる。
さらに、一対の捻りローラの表面の摩擦係数を0.2〜0.6とすることにより、光ファイバ素線と捻りローラの間で滑り難くなる。これにより、光ファイバ素線の被覆層の潰れ量を少なくすることができる。その結果として、被覆層が割れることなく、かつ、剥離しない光ファイバ素線を得ることができる。
以下、本発明を実施した光ファイバ素線の製造方法について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る光ファイバ素線の製造方法で用いられる光ファイバ素線の製造装置の概略構成を示す模式図である。
本発明に係る光ファイバ素線の製造方法においては、まず、石英系ガラスを主成分とする光ファイバ母材11を、紡糸炉12内に軸方向に移動可能に取り付けて、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)などの不活性ガス雰囲気中で、その下端部分を約2000℃に高温加熱し、溶融紡糸して、光ファイバ裸線13とする(紡糸工程)。
次いで、光ファイバ裸線13を冷却筒14内に送り込む。冷却筒14内には、ヘリウムや窒素ガスなどの冷却用ガスが供給されており、冷却筒14において光ファイバ裸線13を次工程の一次被覆層の形成に好適な温度まで急冷する。
次いで、冷却筒14において冷却された光ファイバ裸線13は、一次被覆層形成用の第一の被覆材塗布装置15において、その外周を覆うように紫外線硬化型樹脂からなる第一の被覆材が塗布され、続いて、この第一の被覆材がUVランプ16から照射される紫外線により硬化して、一次被覆層が形成される(被覆工程)。
さらに、一次被覆層が設けられた光ファイバ裸線13は、二次被覆層形成用の第二の被覆材塗布装置17において、一次被覆層の外周を覆うように紫外線硬化型樹脂からなる第二の被覆材が塗布され、続いて、この第二の被覆材がUVランプ18から照射される紫外線により硬化して、二次被覆層が形成され、光ファイバ素線19となる(被覆工程)。
さらに、紡糸中の光ファイバ素線19は、捻り装置20によって捻れが加えられた後(捻り工程)、ターンプーリ21によって別方向に向きを変えられ、引取機22、ダンサーロール23を経て、巻取ドラム24に巻き取られる。
捻り装置20としては、紡糸中の光ファイバ素線19の外周の一部に当接する少なくとも一対の捻りローラを備え、この一対の捻りローラが並進運動する機構を有する装置、あるいは、一対の捻りローラが揺動運動する機構を有する装置が用いられる。
一対の捻りローラが並進運動する機構を有する捻り装置としては、例えば、回転する一対の捻りローラの周曲面間で光ファイバ素線19を押圧しながら、一対の捻りローラの移動方向を周期的に反転させるなどして、光ファイバ素線19を一対の捻りローラの周曲面間において、紡糸方向と略垂直方向の前後に転動させ、光ファイバ素線19に対して周期的に、その紡糸方向を軸として旋回する捻りを加えることにより、トルクを加えるものが挙げられる(以下、このような装置を「捻り装置A」とする)。
一対の捻りローラが揺動運動する機構を有する捻り装置の一例としては、例えば、回転する一対の捻りローラの周曲面間で光ファイバ素線19を押圧しながら、一対の捻りローラをそれぞれ異なる方向に周期的に、紡糸方向に対して斜めに傾けることにより、光ファイバ素線19に対して周期的に、その長手方向を軸として旋回する捻りを加えることにより、トルクを加えるものが挙げられる(以下、このような装置を「捻り装置B」とする)。
捻りローラが揺動運動する機構を有する捻り装置の他の例としては、例えば、回転する捻りローラと光ファイバ素線19が接し、光ファイバ素線19を紡糸方向と平行な方向に周期的に揺り動かす(以下、このような運動を「揺動運動」とする。)ことにより、光ファイバ素線19に対して周期的に、その長手方向を軸として旋回する捻りを加えることにより、トルクを加えるものが挙げられる(以下、このような装置を「捻り装置C」とする)。
ここでは、図2を用いて、本発明で用いられる捻り装置の一例として、上記の捻り装置Aについて説明する。
この例の捻り装置20は、紡糸中の光ファイバ素線19の外周の一部に当接する少なくとも一対の捻りローラ31、31と、これらを支持する支持部(図示略)とから概略構成されている。
捻りローラ31、31は、光ファイバ素線19を挟むように配され、その長手方向が光ファイバ素線19の紡糸方向と略垂直となるように配されている。また、捻りローラ31は、捻りローラ31と一体をなす中心軸32を中心として回転可能となっている。さらに、捻りローラ31は、中心軸32と共に、光ファイバ素線19の紡糸方向(図中の矢印方向)と垂直な方向へ並進運動可能となっている。
捻りローラ31、31は、中心軸32、32を中心として図中の矢印方向に回転しながら、紡糸中の光ファイバ素線19の外周の一部に当接し、かつ、光ファイバ素線19の紡糸方向と垂直な方向へ周期的に並進運動することによって、光ファイバ素線19にトルクを加える。この光ファイバ素線19に加えられたトルクと、捻りローラ31、31の表面と光ファイバ素線19の被覆層(外周)との摩擦とによって、紡糸中の光ファイバ素線19に捻りが加えられる。
また、捻りローラ31、31の間の距離は制御可能となっており、この距離または押圧力を調節することにより、紡糸中の光ファイバ素線19の外周の一部に、捻りローラ31、31を当接することができる。これにより、捻りローラ31、31によって、光ファイバ素線19の外周の一部が挟まれ、光ファイバ素線19の被覆層が押し潰される量(以下、「潰れ量」とする。)を調節可能となっている。
捻りローラ31、31の間の距離、押圧力を制御可能とする機構としては、例えば、一方の捻りローラ31を支持する支持部を捻り装置20上に固定し、他方の捻りローラ31を支持する支持部を捻り装置20上において、一方の捻りローラ31に向かって移動可能とする機構が挙げられる。
さらに、捻り装置20には、捻りローラ31、31の間の距離を計測するための計測装置が設けられている。このような計測装置としては、例えば、上記のように、捻り装置20に、固定された一方の捻りローラ31に対して、他方の捻りローラ31を移動可能とする機構を設けた場合、他方の捻りローラ31の移動距離(変位量)を計測するレーザ変位計などが用いられる。
このレーザ変位計を用いて、捻りローラ31、31の間の距離を計測するには、まず、捻りローラ31、31が光ファイバ素線19の外周に接した位置を基準点(0点)とする。さらに、基準点から他方の捻りローラ31を、一方の捻りローラ31に向けて移動させて、光ファイバ素線19の被覆層を押し潰した時に、レーザ変位計の示す値がxμmであれば、光ファイバ素線19の被覆層の潰れ量はxμmであるとする。
また、捻りローラ31の外径は50mm以上であることが好ましく、実用的には100mm〜200mm程度が望ましい。捻りローラ31の外径を50mm以上とすることにより、光ファイバ素線19の潰れ量を大きくすることなく、所定量のトルクを加えることができる。
さらに、捻りローラ31の表面は、アルミニウム、真鍮、ウレタンゴムなどからなる被膜で被覆されている。そして、捻りローラ31の表面の摩擦係数(μs)は0.2以上であることが好ましく、実用的には0.25〜0.4程度が望ましい。捻りローラ31の表面の摩擦係数(μs)を0.2以上とすることにより、捻りローラ31、31の表面と光ファイバ素線19の被覆層(外周)との間に生じる摩擦力を所定の範囲とすることができ、光ファイバ素線19の潰れ量を大きくすることなく、所定量の一定トルクを加えることができる。
捻りローラ31の外径、および、捻りローラ31の表面の摩擦係数を上記範囲内とすることにより、紡糸中の光ファイバ素線19に、所定量の捻りを加えることができる。
本発明の光ファイバ素線の製造方法では、このような捻り装置を用いて、捻り工程において、一対の捻りローラ31、31が光ファイバ素線19に加える圧力を制御することによって、一対の捻りローラ31、31間の距離を制御する。具体的に、一対の捻りローラ31、31によって光ファイバ素線19に加える圧力を制御する方法としては、一方の固定捻りローラに対し、他方の移動可能ローラ架台にエアーダンパーなどを装着し、空気圧を調節することにより圧力を制御する方法が用いられる。この圧力により、光ファイバ素線19の被覆層の潰れ量も変化する。
また、この捻り工程において、一対の捻りローラ31、31による光ファイバ素線19の被覆層の潰れ量が20μm〜70μmとなるように、一対の捻りローラ31、31間の距離を制御することが好ましい。
一対の捻りローラ31、31による光ファイバ素線19の被覆層の潰れ量が20μm未満となる押圧力では、捻りローラ31、31によって光ファイバ素線19を押圧する力が小さ過ぎて、光ファイバ素線19に十分にトルクが加えられない。そのため、光ファイバ素線19と捻りローラ31との間で滑りが生じ、結果として、紡糸中の光ファイバ素線19に線振れが発生して、被覆層の厚みが偏るなどの不具合を生じる。
一方、ファイバ素線19の被覆層の潰れ量が70μmを超える押圧力では、捻りローラ31、31によって光ファイバ素線19を押圧する力が大き過ぎて、光ファイバ素線19の被覆層が押し潰されて、被覆層が割れたり、光ファイバ裸線13と被覆層との界面において被覆層が剥離したりすることがある。また、このような被覆層に生じた不具合により、光ファイバ素線19では、マイクロベンドに起因する伝送損失が増加したり、被覆層の耐環境性、耐しごき性が劣化する。
このような光ファイバ素線の製造方法によって製造された光ファイバ素線を用いれば、光通信における伝送速度の高速化、伝送距離の長距離化を実現することができる。
以下、実験例により本発明をさらに具体的に説明する。
(実験例1)
図1に示したような光ファイバ素線の製造装置を用いて、光ファイバ母材を紡糸線速500m/minで溶融紡糸して外径125μmの光ファイバ裸線を形成し、続いて、この光ファイバ裸線にウレタン−アクリレート系紫外線硬化型樹脂からなる被覆材を硬化してなる一次被覆層、二次被覆層を順次設けて外径250μmの光ファイバ素線を形成し、続いて、捻り装置により光ファイバ素線に捻りを加えてから、光ファイバ素線を巻き取った。
捻り装置としては、上記の捻り装置Aを用いた。また、捻り装置Aに設けられた一対の捻りローラとしては、その表面がアルミニウムからなる被膜(摩擦係数μs=0.2)で被覆された、外径50mmのものを用いた。また、捻り装置によって光ファイバ素線に捻りを加える際に、光ファイバ素線の被覆層の潰れ量を5μm〜90μmの範囲で変化させた。
紡糸中の光ファイバ素線について、線振れの有無を観察した。評価の基準を下記の通りとした。結果を表1に示す。
○:一対のローラ直上の光ファイバ素線の線振れ幅が10.5mm以下であった。
×:一対のローラ直上の光ファイバ素線の線振れ幅が10.5mmを超えた。
また、得られた光ファイバ素線のうち1m程度を切り出して試験用サンプルとした。この試験用サンプルを、60℃の温水中に12時間浸漬した。12時間後、この試験用サンプルを温水中から取り出して5分以内に、光学顕微鏡により、試験用サンプルの長手方向の1mに渡って、被覆層の剥離、割れなどの有無を観察した。評価の基準を下記の通りとした。結果を表1に示す。
○:光ファイバ裸線と一次被覆層との界面において、一次被覆層の剥離、割れなどの異常が見られなかった。
×:光ファイバ裸線と一次被覆層との界面において、一次被覆層の剥離、割れなどの異常が見られた。
Figure 0004194976
表1の結果から、光ファイバ素線の被覆層の潰れ量が20μm以上であれば、紡糸中の光ファイバ素線の線振れは治まることが確認された。一方、潰れ量が70μmを超えると、温水に浸漬した後の光ファイバ素線では、被覆層が剥離していることが確認された。
(実験例2)
捻り装置としては、上記の捻り装置Bを用いた以外は実験例1と同様にして、光ファイバ素線を作製した。捻り装置Bに設けられた一対の捻りローラとしては、その表面が真鍮からなる被膜(摩擦係数μs=0.4)で被覆された、外径100mmのものを用いた。
紡糸中の光ファイバ素線について、実験例1と同様にして、線振れの有無を観察した。結果を表2に示す。
また、得られた光ファイバ素線について、実験例1と同様にして、60℃の温水中に12時間浸漬した後、被覆層の剥離、割れなどの有無を観察した。結果を表2に示す。
Figure 0004194976
表2の結果から、光ファイバ素線の被覆層の潰れ量が15μm以上であれば、紡糸中の光ファイバ素線の線振れは治まることが確認された。一方、潰れ量が70μmを超えると、温水に浸漬した後の光ファイバ素線では、被覆層が剥離していることが確認された。
なお、実験例1と比較して、光ファイバ素線の線振れが治まる被覆層の潰れ量が減少したのは、捻りローラの表面の摩擦係数を上げたこと、および、捻りローラの外径を大きくしたことにより、捻りローラと光ファイバ素線との接触長さが長くなったことに起因していると考えられる。
(実験例3)
捻り装置としては、上記の捻り装置Aを用い、捻り装置Aに設けられた一対の捻りローラとしては、その表面がウレタンゴムからなる被膜(摩擦係数μs=0.6)で被覆された、外径200mmのものを用いた以外は実験例1と同様にして光ファイバ素線を作製した。
紡糸中の光ファイバ素線について、実験例1と同様にして、線振れの有無を観察した。結果を表3に示す。
また、得られた光ファイバ素線について、実験例1と同様にして、60℃の温水中に12時間浸漬した後、被覆層の剥離、割れなどの有無を観察した。結果を表3に示す。
Figure 0004194976
表3の結果から、光ファイバ素線の被覆層の潰れ量が10μm以上であれば、紡糸中の光ファイバ素線の線振れは治まることが確認された。一方、潰れ量が70μmを超えると、温水に浸漬した後の光ファイバ素線では、被覆層が剥離していることが確認された。
なお、実験例1と比較して、光ファイバ素線の線振れが治まる被覆層の潰れ量が減少したのは、捻りローラの表面の摩擦係数を上げたこと、および、捻りローラの外径を大きくしたことにより、捻りローラと光ファイバ素線との接触長さが長くなったことに起因していると考えられる。
(実験例4)
捻り装置としては、上記の捻り装置Bを用いた以外は実験例1と同様にして、光ファイバ素線を作製した。捻り装置Bに設けられた一対の捻りローラとしては、その表面がアルミニウムからなる被膜(摩擦係数μs=0.2)で被覆された、外径200mmのものを用いた。
紡糸中の光ファイバ素線について、実験例1と同様にして、線振れの有無を観察した。結果を表4に示す。
また、得られた光ファイバ素線について、実験例1と同様にして、60℃の温水中に12時間浸漬した後、被覆層の剥離、割れなどの有無を観察した。結果を表4に示す。
Figure 0004194976
表4の結果から、光ファイバ素線の被覆層の潰れ量が15μm以上であれば、紡糸中の光ファイバ素線の線振れは治まることが確認された。一方、潰れ量が70μmを超えると、温水に浸漬した後の光ファイバ素線では、被覆層が剥離していることが確認された。
なお、実験例1と比較して、光ファイバ素線の線振れが治まる被覆層の潰れ量が減少したのは、捻りローラの外径を大きくしたことにより、捻りローラと光ファイバ素線との接触長さが長くなったことに起因していると考えられる。
(実験例5)
捻り装置としては、上記の捻り装置Cを用いた以外は実験例1と同様にして、光ファイバ素線を作製した。
この実験例では、捻り装置Cを用いているので、光ファイバ素線を捻りローラ間で押し潰していないため、紡糸中の光ファイバ素線の線振れや、温水に浸漬した後の光ファイバ素線の被覆層の剥離は観察されなかった。
以上、実験例1〜実験例5の結果から、少なくとも一対の捻りローラにより、紡糸中の光ファイバ素線の外周の一部を押圧して、トルクを加える方式の光ファイバ素線の製造方法では、捻りローラの外径や、捻りローラの表面の摩擦係数を変えることによっても、光ファイバ素線の被覆層の潰れ量を制御できることが確認された。しかしながら、光ファイバ素線の被覆層の潰れ量を20μm〜70μmの範囲とすれば、捻りローラの外径や、捻りローラの表面の摩擦係数によらずに、紡糸中の光ファイバ素線の線振れの発生、および、光ファイバ素線の被覆層の剥離は観察されず、良好な光ファイバ素線が得られることが分かった。
本発明の光ファイバ素線の製造方法は、光ファイバ素線の偏波モード分散を低減するために適用されるだけでなく、気相軸付法(VAD法)、外付け法(OVD法)、内付け法(CVD法、MCVD法、PCVD法)、ロッドインチューブ法などの製造方法で作製された光ファイバ母材を用いて、光ファイバ素線を製造する際にも適用可能である。
本発明に係る光ファイバ素線の製造方法で用いられる光ファイバ素線の製造装置の概略構成を示す模式図である。 本発明で用いられる捻り装置の一例を示す模式図である。 従来の光ファイバ素線の製造方法で用いられる光ファイバ素線の製造装置の概略構成を示す模式図である。
符号の説明
11・・・紡糸炉、12・・・光ファイバ母材、13・・・光ファイバ裸線、14・・・冷却筒、15・・・第一の被覆材塗布装置、16,18・・・UVランプ、17・・・第二の被覆材塗布装置、20・・・捻り装置、21・・・ターンプーリ、22・・・引取機、23・・・ダンサーロール、24・・・巻取ドラム、31・・・捻りローラ、32・・・中心軸。

Claims (1)

  1. 光ファイバ母材を溶融紡糸して光ファイバ裸線を形成する紡糸工程と、
    該紡糸工程により形成された光ファイバ裸線の外周にウレタン−アクリレート系紫外線硬化型樹脂からなる一次被覆層を設け、該一次被覆層の外周にさらにウレタン−アクリレート系紫外線硬化型樹脂からなる二次被覆層を設けて、光ファイバ素線を形成する被覆工程と、
    該被覆工程により形成された光ファイバ素線の外周の一部に少なくとも一対の捻りローラを当接させ、さらに該光ファイバ素線の外周の一部を押圧した状態で、該一対の捻りローラを並進運動または揺動運動させて、光ファイバ素線に捻りを加えることにより、光ファイバ母材の溶融部分に捻りを加える捻り工程とを備えた光ファイバ素線の製造方法であって、
    前記被覆工程において、前記一次被覆層を硬化させた後に、前記二次被覆層をさらに設け、該二次被覆層を硬化させて、前記光ファイバ素線を形成し、
    前記捻り工程において、前記一対の捻りローラが前記光ファイバ素線の外周に接した位置での前記一対の捻りローラ間の距離を基準距離とし、前記一対の捻りローラ間の距離が前記基準距離よりも20μm〜70μmの範囲で狭くなって前記硬化した被覆層を押圧するように、前記一対の捻りローラ間の距離を制御することによって、前記光ファイバ素線に所定量のトルクを加え
    前記一対の捻りローラの外径は50mm〜200mmであり、前記一対の捻りローラの表面の摩擦係数は0.2〜0.6であることを特徴とする光ファイバ素線の製造方法。
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