JP4194149B2 - Engine control device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数種類の異なる燃焼形態の中からエンジン運転状況に応じて選択された燃焼形態を実現するエンジン制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両用エンジンにおいて、燃費向上のためにエンジン回転数やエンジン負荷に応じて複数の異なる燃焼形態を切り替えてエンジン運転を行うエンジン制御装置がある。
【0003】
例えば、燃焼室内に直接燃料を噴射する筒内噴射型エンジンにおいては、燃焼室内に点火時期寸前に燃料を噴射して点火プラグの周辺は濃い(リッチ)が燃焼室内全体では希薄(リーン)である成層混合気を形成し燃焼させる成層燃焼が可能であり、この成層燃焼運転によるポンピングロスの低減等により燃費低減を図ることができる。
【0004】
しかし、成層燃焼は運転可能な領域が非常に狭く、高出力運転には不向きであるため、通常の走行を考慮すると、燃費低減効果は限られる。
【0005】
そこで、成層燃焼よりも負荷の高い領域においても燃費を向上させる燃焼として、均一リーン燃焼が行われる場合がある。均一リーン燃焼とは、燃焼室内に均一で理論空燃比よりも薄い混合気を供給して希薄燃焼させるものであり、通常燃焼よりもポンピングロスを低減することができ、燃焼室内のかき混ぜ効果により理論熱効率の向上を図ることができる。これにより、燃費の低減効果を得ることができる。
【0006】
しかし、成層燃焼や均一リーン燃焼等のリーン燃焼の場合には、排気ガス中に多量のO2 が存在するためNOxの還元反応が起こらず、これを三元触媒により浄化することは困難である。そこで、リーン燃焼を行うエンジンの排気ガス浄化装置として、従来よりリーン燃焼によるNOxを一時的に吸蔵しておくことができるNOx吸蔵触媒が用いられている。
【0007】
このようなエンジンでは、リーン燃焼時にNOx吸蔵触媒に吸蔵されたNOxを浄化させるために、一時的な均一リッチ燃焼運転が要求される。この均一リッチ燃焼運転により、排気ガス中にCO、HC、H2 を余分に発生させ、吸蔵されているNOxを浄化する。
【0008】
また、リーン燃焼を行わない中高負荷側の運転領域において燃費を低減させるためにはEGR運転が行なわれる。EGR運転は、燃焼室から排出された排気ガスの一部を吸気通路に導入する燃焼形態をいい、これにより、ポンピングロスの低減、冷却損失の低減、比熱比の増大を図ることができ、燃費の低減効果を得ることができる。しかし、EGRガスは、吸気通路内の負圧状態に応じてその流入量が変化するため、それに応じてEGRバルブを制御しなければならない。
【0009】
このように、燃焼形態を他の燃焼形態に変更する場合に実行される燃料噴射量、噴射時期、点火時期、吸入空気量、EGR量等の制御はかなり複雑なものとなる。また、更に燃焼形態を変更する際にはエンジンの出力トルクに急激な変動を与えず、燃焼形態の変更制御を実行するのが望まれる。
【0010】
従来よりこれらの制御は、まず最初に複数の予め設定されている定常燃焼形態の内からドライバのアクセルペダル操作量とエンジン動作状態とに基づいて判断されるエンジン運転状況に応じた1の定常燃焼形態が選択され、該選択された燃焼形態おいて要求されるエンジン出力を出力することができる吸入空気量及びEGRガス量が算出される。
【0011】
そして、これら吸入空気量、EGRガス量を得るためのバルブ開度位置が算出され、これに基づいてスロットルバルブ、EGRバルブが制御される。この制御により変化した吸入空気量が計測され、その計測された吸入空気量を基準として該選択された燃焼形態を実現するための燃料噴射量や点火時期等の制御が行われている。
【0012】
これにより、実際の吸入空気量に対応した燃料噴射量、噴射時期、点火時期、EGR量の制御を行ない、エンジンの出力トルクに急激な変化を与えないように燃焼形態の切換を行う制御がなされている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ここで計測される吸入空気量は吸気通路の上流で計測されたものであり、スロットルバルブと燃焼室との間の吸気通路の距離や、吸気通路内の負圧状態、スロットルバルブやEGRバルブの応答性等の問題から、実際にシリンダ内に吸入される吸入空気量との間に偏差を生ずるおそれがあった。
【0014】
特に、燃焼形態を空燃比が大きく異なる他の定常燃焼形態に変更する場合には、スロットルバルブの開度変化に応じた吸入空気量がシリンダに吸入されるまでに時間差が生じ、その間、実際にシリンダ内に吸入される吸入空気量に正確に対応した燃料噴射量や点火時期等の制御を行うことが困難であった。
【0015】
このような場合に、吸入空気量の変化を予め予測し、この予測した値に対して燃料噴射量や点火時期の制御を行う方法も考えられるが、温度変化や気圧変化に応じて種々変化する吸入空気の状態変化を予測することは困難であり、また、予測した吸入空気量では実際と異なり正確に対応した制御を行うことが困難であった。
【0016】
また、他の定常燃焼形態に変更すべくスロットルバルブの開度が変更されシリンダ内に吸入される吸入空気量がその開度に対応するように徐々に変化している途中において、更に定常燃焼形態が変更されスロットルバルブの開度が変更された場合は、現在のシリンダ内の正確な吸入空気量を認識することができず、その開度に対応した吸入空気量がシリンダ内に吸入されるまでの間の正確な燃料噴射制御及び点火時期制御を正確に行うことができなかった。
【0017】
したがって、燃焼形態の変更時において実際に実現される出力トルクに適合した制御を行うことができず、混合気の生成不良による出力損失や未燃ガスの生成、点火時期のズレによりトルクの滑らかなつながりを阻害し、エンジン出力のもたつき感やトルクショック等を生じさせ、ドライバの意思とエンジン出力とがかけ離れてドライバに違和感を感じさせるおそれがあり、ドライバの要求に常に対応した出力を得ることが困難であった。
【0018】
本発明は、上述した不具合を解決すべくなされたものであり、その目的は、複数の燃焼形態にて運転可能なエンジンにおいて、燃焼形態をドライバに違和感を感じさせずに変更でき、かつドライバの要求に対する出力トルクの追従性を向上させ、運転フィーリングの向上を図ることができるエンジン制御装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、エンジンの燃焼形態を現在の定常燃焼形態から最終目標燃焼形態に変更する際に、該最終目標燃焼形態に至るまでの少なくとも1つの中継点的な定常燃焼形態を中間目標燃焼形態として設定し、前記現在の定常燃焼形態から前記中間目標燃焼形態を経由して前記最終目標燃焼形態を順次実現するよう制御するエンジン制御装置において、一の定常燃焼形態と次に実現すべき他の一の定常燃焼形態が異なる場合、エンジンの現状の燃焼形態は、前記一の定常燃焼形態と前記他の一の定常燃焼形態の間の中間状態であると把握する現状燃焼形態把握手段と、前記一の定常燃焼状態から他の一の定常燃焼状態への中間状態の移行度合に応じて前記中間状態が終了し前記他の一の定常燃焼状態が実現されたか否かを判定する中間燃焼形態終了判定手段と、を備え、前記中間燃焼形態終了判定手段により前記他の一の定常燃焼状態が実現されたと判定された場合に該他の一の定常燃焼状態の次に実現すべき前記定常燃焼形態との間で前記現状燃焼形態把握手段と前記中間燃焼形態終了判定手段とによる処理を繰り返し実行することにより前記最終目標燃焼形態を実現することを特徴とする。
【0020】
これによれば、中間目標燃焼形態設定手段により、現状燃焼形態から最初に移行する定常燃焼形態として中間目標燃焼形態が設定される。そして、現状燃焼形態把握手段により、中間目標燃焼形態を設定した際の現状燃焼形態が定常燃焼形態であるときは設定した中間目標燃焼形態との比較が行われ、両者が異なる燃焼形態である場合は定常燃焼形態と中間目標燃焼形態との間の中間状態、すなわち中間燃焼形態が現状燃焼形態として把握される。
【0021】
また、中間燃焼形態終了判定手段により中間燃焼形態が終了したと判定された際には、次に移行する燃焼形態として設定されている定常燃焼形態に更新される。
【0022】
この結果、現状燃焼形態と最終目標燃焼形態との間に中間目標燃焼形態を設け、これを実現して現状燃焼形態と最終目標燃焼形態とを同一の燃焼形態とすることができる。これにより、エンジン出力に適合したより精密な制御を行うことができる。
【0023】
請求項2に記載の発明は、前記中間目標燃焼形態は、前記定常燃焼形態を複数設定し、前記中間燃焼形態終了判定手段は、前記中間状態の移行度合を示す中間燃焼比率を算出する中間燃焼比率算出手段を備え、該算出した中間燃焼比率を用いて中間状態の終了を判定することを特徴とする。
【0024】
これによれば、1の定常燃焼形態から他の1の定常燃焼形態への中間燃焼形態の移行度合を示す中間燃焼比率が算出され、この中間燃焼比率により中間燃焼形態の終了が判断される。したがって、中間燃焼形態の終了を容易に判定することができ、エンジンの現在の燃焼形態の中間目標燃焼形態への移行状態を判断することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図に基づいて詳細に説明する。
【0045】
図1は、本発明にかかるエンジン制御装置が適用されるエンジンの全体構成説明図である。本実施の形態におけるエンジン1は、自動車用エンジン、例えば水平対向型エンジンであり、シリンダ内に直接燃料を噴射する筒内噴射式エンジンである。
【0046】
図示したように、エンジン1には吸気通路2及び排気通路3が各々連通されている。吸気通路2の上流端は、吸気チャンバ4を介して図示していない車体前方に開口しており、下流端はサージタンク5から分岐した吸気管6によりエンジン1に接続され、吸気ポート7を介して各燃焼室8と連通している。
【0047】
吸気通路2の上流側位置には、空気中の塵埃を除去するエアクリーナ12が設けられ、その下流側位置には吸気通路2内を通過してエンジンに吸入される吸入空気量Qを制御するスロットルバルブ14が設けられている。スロットルバルブ14は、後述する電子制御ユニットからの制御信号に基づいてバルブ開度を変化させるスロットルアクチュエータ15と連結されており、電子制御スロットル(以下、単にETCという)16を構成している。
【0048】
一方、排気通路3の上流側には各排気ポート10を介して各燃焼室8に連通する排気管11が設けられており、排気通路3の下流側には車体後部に取付けられるマフラ9が接続されている。また、排気管11とマフラ9との間には排気ガスの浄化を行うNOx吸蔵触媒22が介装されている。
【0049】
そして、排気管11と吸気管6の集合部との間を連通するEGR通路24は、吸気管6及び排気管11よりも小径の流路面積をもって形成されており、このEGR通路24の途中にはステッピングモータを駆動源として開閉制御され、EGR通路24の流路面積を変化させるEGRバルブ25が取付けられている。
【0050】
また、シリンダヘッド26には、燃焼室8内に臨んで点火プラグ28とインジェクタ19が設けられている。点火プラグ28は、イグナイタ27及びイグニッションコイル29を介して給電された高電圧によって、燃焼室8内の混合気に所定の点火時期にて強制着火する。インジェクタ19は、燃料噴射方向がピストンに向けて設けられており、燃料ポンプ20から燃料配管21を介して圧送供給された燃料を微粒化して燃焼室内に直接噴射する。
【0051】
なお、図中、30はエンジンのクランク軸が所定のクランク軸角度をなす毎にパルス信号を出力するクランク角センサ、31はエンジンの冷却水温を検出する水温センサ、32は図示しないアクセルペダルの踏込量に応じた電圧信号を出力するアクセル開度センサを示す。
【0052】
また、33は吸気管6内に生じた圧力に応じた電圧信号を出力する吸気管圧力センサ、34は吸気管6内のガス温度に応じた電圧信号を出力する吸気管温度センサ、35はNOx吸蔵触媒22の上流側における排気ガス中の空燃比を電圧信号に変換して出力する空燃比センサ、36はスロットルバルブ14を通過する空気流量を計測する吸入空気量センサを示す。
【0053】
また、37は車両の走行速度を検出する車速センサ、38はマスターバッグ(図示せず)の内圧を検出するマスターバッグ内圧センサを示す。その他、本図に示された部材のうち本願発明の機能と直接関連を有しないものについてはその説明を省略する。
【0054】
そして、上記各センサからの検出信号は電子制御ユニット(以下、単にECUという)40に入力され、ECU40からは各部材への駆動制御信号が出力される。図2は、ECU40の概略構成説明図である。ECU40は、図示したように、各センサからの信号を入力する入力インタフェース40a、各部材への駆動制御信号を出力する出力インタフェース40b、主演算装置としてのCPU40c、各部材を制御する制御プログラムや予め設定された固定データを記憶するROM40d、各センサからの検出信号等を格納するRAM40e、さらに学習データ等を格納するバックアップRAM40f、タイマ40g等をバスライン40hで相互に接続してなるマイクロコンピュータシステムとして構成されている。
【0055】
図3は、図2のECU40がその内部にてエンジン制御に関して実現する各機能を示したものであり、エンジン運転状態を検出するための上記各センサが接続されるとともに、エンジン制御のための各種アクチュエータ類が接続されている。
【0056】
ECU40にはエンジン運転状態検出手段としてクランク角センサ30、水温センサ31、アクセル開度センサ32、吸気管圧力センサ33、吸気管温度センサ34、空燃比センサ35、吸入空気量センサ36、車速センサ37、マスターバッグ内圧センサ38の各入力信号路が接続されており、また、イグナイタ27、インジェクタ19、ETC16、EGRバルブ25への出力信号路が接続されている。
【0057】
ECU40の内部には、各センサ類からの信号を処理してエンジン運転状態を検出する各種パラメータを算出する機能として、エンジン回転数算出部43、冷却水温算出部44、アクセル開度算出部45、マニホールド全圧算出部46、吸入管内ガス温度算出部47、空燃比算出部48、スロットル通過空気流量算出部49、マスターバッグ内圧算出部42、車速算出部41を備えている。
【0058】
エンジン回転数算出部43ではクランク角センサ30からの出力パルス信号に基づいてエンジン回転数Neが算出され、アクセル開度算出部45では、アクセル開度センサ32の出力電圧値に基づいてアクセルペダル(図示せず)の踏込量(アクセル操作量)Sが算出され、マニホールド全圧算出部46では、吸気管圧力センサ33の出力電圧値に基づいて吸気管圧力であるマニホールド全圧Pmが算出される。
【0059】
吸入管内ガス温度算出部47では、吸気管温度センサ34の出力電圧値に基づいて吸気管内のガス温度である吸気管内ガス温度Tmが算出され、空燃比算出部48では空燃比センサ35の出力電圧値に基づいて空燃比λが算出される。スロットル通過空気流量算出部49では、吸入空気量センサ36の出力電圧値に基づいてスロットルバルブ14を通過するスロットル通過空気流量計測値Qaveが算出される。
【0060】
車速算出部41では、車速センサ37の検出値に基づいて車両走行速度Vが算出される。また、マスターバッグ内圧算出部42では、マスターバッグ内圧センサ38によって、ブレーキ倍力装置に用いられているマスターバッグ(図示せず)内の負圧力が算出される。
【0061】
また、ECU40内部には、上述の各センサにより検出したデータに基づいてエンジン1の制御を行う機能を有するメイン制御部50と、メイン制御部50からの出力データに基づいて算出した燃料噴射時期及び燃料噴射量に応じた噴射パルス信号をインジェクタ19に出力する燃料噴射制御を行う噴射制御部70と、予測トルクに基づいて点火時期を算出し、これに応じた点火信号を発生させイグナイタ27に出力する点火時期制御を行う点火制御部75が設けられている。
【0062】
次に、メイン制御部50が有する制御機能について詳細に説明する。図4は、メイン制御部50が有する燃焼形態の選択制御機能を説明するためのブロック図、図5は、エンジン1により実現される燃焼形態を図式化して示した説明図である。メイン制御部50はその内部機能として図4に示したように、最終目標燃焼形態設定手段51、中間目標燃焼形態設定手段52、中間燃焼形態終了判定手段53、現状燃焼形態把握手段55を備えている。
【0063】
最終目標燃焼形態設定手段51は、エンジン運転状態やドライバの要求トルク等の種々の条件により複数の定常的な燃焼形態の内から最も最適なものを選択し、最終目標燃焼形態として設定する。最終目標燃焼形態設定手段51には、エンジン回転数Ne、冷却水温度Tw、始動後時間Tas、マスターバッグ内圧回復要求信号Cm、リッチ運転要求信号Cr、及び目標トルクTeiが入力され、最終目標燃焼形態は中間目標燃焼形態設定手段52に出力される。
【0064】
ここで、定常的な燃焼形態とは、空燃比が略一定である燃焼形態(以下、単に「定常燃焼形態」という)であり、図5に示したように、均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSN、均一ストイキオ(EGR有り)燃焼形態KSE、均一リーン燃焼形態KL、成層燃焼形態SL、均一リッチ燃焼形態KRの5つの定常燃焼形態の5種類が設定されている。
【0065】
均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNは、燃焼室8内に均一に分布形成された理論空燃比の混合気に点火を行うことにより燃焼させる燃焼形態をいい、この混合気にEGRガスを含有させたのが均一ストイキオ(EGRガス有り)燃焼形態KSEである。均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態は、主として中・高負荷運転領域において実現される燃焼形態であり、エンジン冷間始動時においても用いられる。
【0066】
また、均一ストイキオ(EGR有り)燃焼形態は、主として、均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態よりも若干低負荷の運転領域において実現される燃焼形態であり、EGRガスを混合気内に混入することによって比熱比の低減等を図ることができ、燃費向上を図ることができる。
【0067】
均一リーン燃焼形態KLは、燃焼室8内に均一に分布形成された理論空燃比よりもリーン側の空燃比を有する混合気に点火を行うことによりリーン燃焼させる燃焼形態をいう。この燃焼形態は、主として低負荷運転領域において実現される燃焼形態であり、希薄燃焼によって均一ストイキオ燃焼形態よりも燃費の向上を図ることができる。
【0068】
均一リッチ燃焼形態KRは、燃焼室8内に均一に分布形成された理論空燃比よりもリッチ側の空燃比を有する混合気に点火を行うことにより燃焼させる燃焼形態をいう。この燃焼形態は、主としてNOx吸蔵触媒に吸蔵したNOxを浄化する際に実現される燃焼形態であり、これにより、排気ガス中にCOやHC等を余分に発生させ吸蔵したNOxを還元することができる。
【0069】
成層燃焼形態SLは、圧縮行程時の点火直前に燃焼室8内に局所的に濃く、しかし燃焼室8内全体では均一リーン燃焼形態よりもリーン側の空燃比を有するように形成された成層混合気に点火を行うことにより成層燃焼させる燃焼形態をいう。この燃焼形態は、主として極低負荷運転領域において実現される燃焼形態であり、極希薄燃焼させることにより均一リーン燃焼形態KLよりも更に燃費向上を図ることができる。
【0070】
そして、図4に示したように、最終目標燃焼形態設定手段51に入力され、これらの定常燃焼形態を選択するための判断基準となる目標トルクTeiは、エンジンに要求される出力トルクであり、後述する目標トルク算出手段にてアクセルペダルの踏込量とエンジン回転数Neとに基づいてデータマップを参照することによって算出される。
【0071】
マスターバッグ内圧回復要求信号Cmは、ブレーキ倍力装置のマスターバッグ内の負圧力が所定値以下の場合にECU40内にて出力される信号で、この信号を入力した場合に、最終目標燃焼形態51はマスターバッグ内の負圧力を回復することができる燃焼形態を最終目標燃焼形態として設定する。
【0072】
リッチ運転要求信号Crは、NOx吸蔵触媒22によるNOxの吸蔵量が所定値を超えた場合にECU40内にて出力される信号で、この信号を入力した場合にはNOxを浄化するための燃焼形態が最終目標燃焼形態として選択される。
【0073】
中間目標燃焼形態設定手段52は、現状燃焼形態と最終目標燃焼形態に基づいてECU40のROM40d内に予めストアされている中間目標燃焼形態指示テーブルを参照することにより現状燃焼形態と最終目標燃焼形態との間の中継点的な目標とする定常燃焼形態を選択し、中間目標燃焼形態として設定する。
【0074】
以下に示す表1〜3は、中間目標燃焼形態指示テーブルを表にして示したものである。中間目標燃焼形態設定手段52は、現状燃焼形態と最終目標燃焼形態とに基づいてこれを参照することにより、第1中間目標燃焼形態と第2中間目標燃焼形態とを設定する。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【0078】
現状燃焼形態把握手段55は、第1現状燃焼形態把握手段56、中間目標燃焼形態更新手段54、第2現状燃焼形態把握手段57により構成されている。
【0079】
第1現状燃焼形態把握手段56は、中間目標燃焼形態設定手段52により第1中間目標燃焼形態及び第2中間目標燃焼形態を設定した際に現状燃焼形態が定常燃焼形態であるときは、現状燃焼形態と第1中間目標燃焼形態との比較を行い、現状燃焼形態と第1中間目標燃焼形態が異なる燃焼形態であるときは、現状燃焼形態と第1中間目標燃焼形態との間の中間的な燃焼形態である中間燃焼形態を現状燃焼形態として把握する。
【0080】
また、現状燃焼形態と第1中間目標燃焼形態が同一の燃焼形態であるときは、第1中間目標燃焼形態である定常燃焼形態を現状燃焼形態として把握する。これにより、現状燃焼形態が中間燃焼形態であると把握されている場合は燃焼形態の変更制御中であると判断され、現状燃焼形態が定常燃焼形態であると把握されている場合は、その定常燃焼形態を維持したエンジン制御中であると判断される。尚、中間燃焼形態とは、現状燃焼形態と第1中間目標燃焼形態の間の中間的な燃焼形態で空燃比若しくはEGR量が時間と共に漸次遷移する燃焼形態をいう。
【0081】
中間燃焼形態終了判定手段53は、現状燃焼形態と第1中間目標燃焼形態との間の中間燃焼形態の実現の続行か終了かの判定を行う。この判定により、燃焼形態が第1中間目標燃焼形態と同一の燃焼形態となったか否かを判断することができる。ここで、終了判定は、後述する中間燃焼比率RATIOに基づいて行われる。
【0082】
中間目標燃焼形態更新手段54は、中間燃焼形態の終了判定を中間燃焼形態終了判定手段53より入力した際に、第1中間目標燃焼形態と第2中間目標燃焼形態の更新を行う。これにより、更新前の第2中間目標燃焼形態が新たな第1中間目標燃焼形態とされ、更新前の最終目標燃焼形態が新たな第2中間目標燃焼形態とされる。尚、最終目標燃焼形態は、最終目標燃焼形態設定手段51により現在と異なる新たな最終目標燃焼形態が設定されるまで当初に設定された最終目標燃焼形態が維持される。
【0083】
第2現状燃焼形態把握手段57は、中間目標燃焼形態更新手段54により第1中間燃焼形態及び第2中間目標燃焼形態を更新したときに更新前の第1中間目標燃焼形態と更新した後の第1中間目標燃焼形態との比較を行う。そして、両者の燃焼形態が一致する場合は更新後の第1中間目標燃焼形態である定常燃焼形態を現状燃焼形態として把握する。
【0084】
また、更新前の第1中間目標燃焼形態と更新後の第1中間目標燃焼形態とが異なる燃焼形態である場合は、更新前の第1中間目標燃焼形態と更新後の第1中間目標燃焼形態の間の中間燃焼形態を現状燃焼形態として把握する。
【0085】
これにより、現状燃焼形態が中間燃焼形態であると把握されている場合は、燃焼形態を第1中間目標燃焼形態に変更する制御が行われる。また、現状燃焼形態が定常燃焼形態であると把握されている場合は、現状の燃焼形態を維持する制御が行われる。
【0086】
次に、第1中間目標燃焼形態により目標トルクTeiを実現するための吸気・EGR制御機能について説明する。図6は、ETC16とEGRバルブ25の制御値の算出機能と、中間燃焼比率RATIOの算出機能を説明するためのブロック図である。これらの機能は、図示したように、目標トルク設定手段61、第1中間目標燃焼形態初期設定値算出手段62、第1中間目標燃焼形態制御目標値算出手段63、推定値算出手段64、フィードバック制御量算出手段65、予測値算出手段66、ETC開度指示値算出手段67、EGRバルブ開度指示値算出手段68、ベース燃焼形態初期設定値算出手段72、ベース燃焼形態制御目標値算出手段73、中間燃焼比率算出手段74により構成されている。
【0087】
目標トルク設定手段61は、エンジン回転数Neとアクセル開度Sをパラメータとするデータマップを備えており、このデータマップを補間計算付にて参照することにより目標トルクTeiを設定する。目標トルクTeiは、運転者がエンジンに要求する出力トルクとして認識され、ここで設定された目標トルクTeiを第1目標燃焼形態にて出力するように吸気・EGR制御がなされる。
【0088】
第1中間目標燃焼形態初期設定値算出手段62は、第1中間目標燃焼形態における基本燃料噴射量、基本EGR量、基本目標空燃比の初期設定値である第1中間目標燃焼形態燃料噴射量初期設定値Gfi、第1中間目標燃焼形態EGR量初期設定値(EGR率)EGRi、第1中間目標燃焼形態目標空燃比初期設定値ABFiを算出する。
【0089】
ECU40のROM40d内には、基本燃料噴射量の初期設定値を算出するための基本燃料噴射量初期設定値算出用データマップ、基本EGR量の初期設定値を算出するための基本EGR量初期設定値算出用データマップ、基本目標空燃比の初期設定値を算出するための基本目標空燃比初期設定値算出用データマップが各燃焼形態毎に予めストアされている。
【0090】
これらのデータマップの中から第1中間目標燃焼形態として設定されている燃焼形態の初期設定値データマップを目標トルクTeiとエンジン回転数Neをパラメータとしてそれぞれ補間計算付にて参照することにより、第1中間目標燃焼形態燃料噴射量初期設定値Gfi、第1中間目標燃焼形態EGR量初期設定値(EGR率)EGRi、第1中間目標燃焼形態目標空燃比初期設定値ABFiが算出される。
【0091】
ここで、算出されるこれらの初期設定値は、エンジン1が第1中間目標燃焼形態において目標トルクTeiを実現する際に要求される燃料噴射量、EGR量、目標空燃比となる。
【0092】
第1中間目標燃焼形態制御目標値算出手段63は、第1中間目標燃焼形態初期設定値算出手段62にて算出された第1中間目標燃焼形態目標空燃比初期設定値ABFi、第1中間目標燃焼形態燃料噴射量初期設定値Gfi、第1中間目標燃焼形態EGR量初期設定値(EGR率)EGRiを用いることにより、吸気管6内の圧力応答値に対する制御目標値を空気有効成分分圧とEGRガス有効成分分圧とに分けて算出し、それぞれ第1中間目標燃焼形態の制御目標値として設定する。
【0093】
ここで設定される第1中間目標燃焼形態空気有効成分分圧制御目標値Pmosiと第1中間目標燃焼形態EGRガス有効成分分圧制御目標値Pmeesiは、エンジンが第1中間目標燃焼形態において目標トルクTeiを実現する際に要求される吸気管6内の圧力応答値の空気有効成分分圧とEGRガス有効成分分圧である。
【0094】
推定値算出手段64は、マニホールド全圧Pm、吸気温度Tm、吸入空気量Qaveに基づいて吸気管6内の実際の圧力応答値である空気有効成分分圧とEGRガス有効成分分圧を算出し、それぞれ有効成分分圧推定値として設定する。ここで設定される空気有効成分分圧推定値PmoとEGRガス有効成分分圧推定値Pmeeは、吸入空気量センサ等のセンサ値に基づいて算出される値である。
【0095】
フィードバック制御量算出手段65は、EGRガス有効成分分圧推定値PmeeとEGRガス有効成分分圧制御目標値Pmeesiとの偏差をフィードバックすることにより、EGRバルブ25を通過させるEGR量であるEGRバルブ通過ガス流量設定値Qeを算出する。また、EGRバルブ通過ガス流量設定値Qeに含まれる空気有効成分Qea、及び、空気有効成分分圧推定値Pmoと空気有効成分分圧制御目標値Pmosiとの偏差をフィードバックすることにより、スロットルバルブ14を通過させる通過空気流量であるスロットルバルブ通過空気流量設定値Qaを算出する。
【0096】
ここで、有効成分、過不足成分について説明する。まず、有効成分とは、目標値(初期設定値)に呼応するための成分を示し、EGRガス有効成分は、制御空燃比が当量(理論空燃比)であれば、EGRガス中の非空気成分である不活性成分(理論空燃比での既燃ガスに相当する成分;H2O 、CO2 、N2等からなる)と同じ値である。しかし、制御空燃比がリーンの場合には、当量比分の空気を含み、EGRガス中の空気成分に不活性成分を加えた値となる。
【0097】
また、過不足分とは、有効分に対する過不足分を示し、定常状態では目標当量比と排気当量比とが同じであるため、過不足は生じないが、過渡的にはこれから制御しようとする目標当量比と現在還流されてくるEGRガスの排気当量比とが一致しないことが多く、目標当量比>排気当量比の場合には、還流されてくるEGRガス中に過剰空気を生じる。従って、この過剰・不足空気分をスロットルバルブ・EGRバルブの制御により目標状態に制御するのである。
【0098】
図7は、本発明で採用する吸気系モデルを示したものである。図示したように、エンジン1の吸気管6の上流に設けられたスロットルバルブ14を通過する新気分の流量(スロットル通過空気流量)Qaと、排気管11から吸気管6へのEGR通路24に介装されたEGRバルブ25を通過するEGRガス流量(EGRバルブ通過ガス流量)Qeとが吸気管6内に供給され、エンジン1のシリンダに流入している(シリンダ流入ガス量Qs)とする吸気系モデルであり、スロットル通過空気流量QaとEGRバルブ通過ガス流量Qeとによって吸気管容積を充填する分の空気量を見込むことにより、アクセル操作量とエンジン回転数Neから設定した目標トルクTeiを実現することができる。
【0099】
吸気管6内の空気有効成分は、スロットルバルブ14を通過する新気分の空気有効成分と、EGRバルブ25を通過するEGRガス中の空気過不足成分との和から、シリンダ内へ流入する空気有効成分を除いたものであり、スロットル通過空気流量Qa、EGRガス中の空気過不足成分のEGRバルブ通過流量Qea、吸気管6内の空気有効成分のシリンダ流入流量Qso、吸気管容積Vm、吸気管内ガス温度Tm、空気有効成分の気体定数Raを用いて気体の状態方程式を適用すると、吸気管6内の空気有効成分分圧Pmoの時間変化量dPmo/dtは、以下の(1)式にて表すことができる。
【0100】
dPmo/dt=(Qa+Qea-Qso)・Ra・Tm/Vm ……(1)
また、吸気管6内のEGRガス有効成分は、EGRバルブ25を通過するEGRガス有効成分からシリンダ内へ流入するEGRガス有効成分を除いたものであり、同様に、吸気管6内のEGRガス有効成分分圧の時間変化量dPmee/dtは、EGRガス有効成分のEGRバルブ通過流量Qee、EGRガス有効成分のシリンダ流入流量Qsee、EGRガス有効成分の気体定数Reにより、以下の(2)式で表すことができる。
【0101】
dPmee/dt=(Qee-Qsee)・Re・Tm/Vm ……(2)
上記(1)式におけるEGRガスの空気過不足成分のEGRバルブ通過流量Qea、上記(2)式におけるEGRガス有効成分のEGRバルブ通過流量Qeeは、EGRバルブ通過ガス流量Qeに、EGRバルブ25入口におけるEGRガスの当量比FAIと目標当量比FAIIとの比を適用することにより、それぞれ、以下の(3)、(4)式のように表すことができる。
【0102】
Qea=(1-FAI/FAII)・Qe ……(3)
Qee=(FAI/FAII)・Qe ……(4)
また、上記(1)式における空気有効成分のシリンダ流入流量Qso、上記(2)式におけるEGRガス有効成分のシリンダ流入流量Qseeは、それぞれ、1気筒当たりのストローク容積Vs、体積効率ηv、エンジンの気筒数Lを用いて、以下の(5)、(6)式で表すことができる。
【0103】
Qso=((Pmo・Vs)/(Ra・Tm))・ ηv・(Ne・L/120) ……(5)
Qsee=((Pmee・Vs)/(Re・Tm))・ ηv・(Ne・L/120) ……(6)
したがって、上記(1)、(2)式に上記(3)〜(6)式を適用して式中の一部を以下の(7)〜(9)式で示す係数a、ba、beで置き換え、上記(1)、(2)式をマトリックス形式で記述すると、以下の(10)式で示すことができる。
【0104】
a=(Vs/Vm)・ηv・(Ne・L/120) ……(7)
ba=Ra・Tm/Vm ……(8)
be=Re・Tm/Vm ……(9)
【0105】
【数1】
【0106】
フィードバック制御量算出手段65は、以上の吸気系モデルを用いることにより、吸気管6内の空気有効成分分圧推定値Pmo及びEGRガス有効成分分圧推定値Pmeeの時間変化量に基づいて、スロットル通過空気流量QaとEGRバルブ通過ガス流量Qeとを算出する。
【0107】
図6に示した予測値算出手段66は、理論的な計算値に基づいて吸気管6内の実際の圧力応答値である空気有効成分分圧値とEGRガス有効成分分圧値を算出し、それぞれの有効成分分圧予測値として設定する。空気有効成分分圧予測値PmosとEGRガス有効成分分圧予測値Pmeesは、ETC16及びEGRバルブ25の制御値から予測されるスロットル通過空気流量とEGRバルブ通過ガス流量に基づいて算出される値である。空気有効成分分圧予測値PmosとEGRガス有効成分分圧予測値Pmeesは、フィードバック制御量算出手段65にてスロットル通過空気流量QaとEGRバルブ通過ガス流量Qeの補正値として用いられ、また、後述する予測トルクTesの算出や燃焼形態を実現する基本燃料噴射量Gfssの算出にも用いられる。
【0108】
ETC開度指示値算出手段67は、吸気管6のマニホールド全圧Pmとスロットル通過空気流量Qaとに基づいてETC16の制御量であるETC開度指示値Saを算出する。EGRバルブ開度指示値算出手段68は、マニホールド全圧PmとEGRバルブ通過ガス流量Qeとに基づいてEGRバルブ25の制御量であるEGRバルブ開度指示値Seを算出する。これらETC開度指示値SaとEGRバルブ開度指示値Seを受けたETC16及びEGRバルブ25は、所定の開度位置に制御され、吸気通路2及びEGR通路24内を所定の開口面積に調整する。
【0109】
ベース燃焼形態初期設定値算出手段72は、第1中間目標燃焼形態に向かう中間燃焼形態を実現する前の定常燃焼形態(以下、単に「ベース燃焼形態」という)における基本燃料噴射量、基本EGR量、基本目標空燃比の初期設定値であるベース燃焼形態燃料噴射量初期設定値Gfib、ベース燃焼形態EGR量初期設定値(EGR率)EGRib、ベース燃焼形態目標空燃比初期設定値ABFibを算出する。
【0110】
これらの初期設定値は、ベース燃焼形態として設定されていた定常燃焼形態の基本燃料噴射量初期設定値算出用データマップ、基本EGR量初期設定値算出用データマップ、基本目標空燃比初期設定値算出用データマップを目標トルクTeiとエンジン回転数Neをパラメータとしてそれぞれ補間計算付にて参照することにより算出される。
【0111】
ここで、算出されるベース燃焼形態燃料噴射量初期設定値Gfib、ベース燃焼形態EGR量初期設定値(EGR率)EGRib、ベース燃焼形態目標空燃比初期設定値ABFibは、ベース燃焼形態においてエンジン1が目標トルクTeiを出力するために要求する値である。
【0112】
ベース燃焼形態制御目標値算出手段73は、ベース燃焼形態初期設定値算出手段72にて算出されたベース燃焼形態燃料噴射量初期設定値Gfib、ベース燃焼形態EGR量初期設定値(EGR率)EGRib、ベース燃焼形態目標空燃比初期設定値ABFibを用いることにより、吸気管6内の圧力応答目標値を空気有効成分分圧とEGRガス有効成分分圧とに分けて算出し、それぞれベース燃焼形態の制御目標値として設定する。
【0113】
ここで設定されるベース燃焼形態空気有効成分分圧制御目標値Pmosibとベース燃焼形態EGRガス有効成分分圧制御目標値Pmeesibは、エンジン1がベース燃焼形態において目標トルクTeiを実現する際に要求される空気有効成分分圧とEGRガス有効成分分圧である。
【0114】
中間燃焼比率算出手段74は、中間燃焼比率RATIOを算出する。中間燃焼比率RATIOとは、現状の燃焼室内の状態が変更前の定常燃焼形態から変更後の中間燃焼形態へ移行する間のどの中間燃焼形態を実現しているかを示す比率であり、中間燃焼形態の目標燃焼形態への変更度合を0〜1の値を用いて示すものである。上記各定常燃焼形態間の燃焼形態の変更度合として、成層比率SRATIO、リーン比率LRATIO、EGR比率ERATIO、リッチ比率RRATIOが算出される。
【0115】
成層比率SRATIOは、成層燃焼形態SLと均一リーン燃焼形態KLとの間の中間燃焼形態を実現する際に求められ、リーン比率LRATIOは、均一リーン燃焼形態KLと均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNとの間の中間燃焼形態を実現する際に求められる。
【0116】
また、EGR比率ERATIOは、均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNと均一ストイキオ(EGR有り)燃焼形態KSEとの間の中間燃焼形態を実現する際に求められ、リッチ比率RRATIOは、均一リッチ燃焼形態KRと均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNとの間の中間燃焼形態を実現する際に求められる。
【0117】
次に、現状燃焼形態にて目標トルクTeiを実現するための燃料噴射量の算出機能について説明する。図8、図9は、燃焼室8内の目標空燃比である最終目標空燃比及び最終的にインジェクタから噴射する燃料量である最終基本燃料噴射量を算出する機能を説明するためのブロック図である。
【0118】
図8は、通常の燃焼形態(定常燃焼形態若しくは中間燃焼形態)における最終目標空燃比と最終基本燃料噴射量の算出機能を説明するブロック図であり、図9は、均一リーン燃焼形態と成層燃焼形態と間の中間燃焼形態のみにおける最終目標空燃比と最終基本燃料噴射量の算出機能を説明するブロック図である。
【0119】
まず最初に、通常の燃焼形態における場合について説明すると、図8に示したように、これらの機能は、最終目標空燃比算出手段81と最終基本燃料噴射量算出手段82とにより構成されている。
【0120】
最終目標空燃比算出手段81は、第1中間目標燃焼形態初期設定値算出手段62による第1中間目標燃焼形態目標空燃比初期設定値ABFi、ベース燃焼形態初期設定値算出手段72によるベース燃焼形態目標空燃比初期設定値ABFib、中間燃焼比率算出手段74による中間燃焼比率RATIOに基づいて、最終目標空燃比ABFifを算出する。これにより、通常の燃焼形態にて目標トルクTeiを実現するための燃焼室8内の空燃比を算出する。
【0121】
最終基本燃料噴射量算出手段82は、最終目標空燃比算出手段81による最終目標空燃比ABFifと燃焼室8内に実際に吸入される吸入空気量GOSを用いて、インジェクタ19から実際に噴射する燃料噴射量である最終基本燃料噴射量Gfssを算出する。
【0122】
次に、均一リーン燃焼形態KLと成層燃焼形態SL間の中間燃焼形態の場合について説明すると、図9に示したように、図8の構成に仮目標空燃比算出手段83、中間燃焼時均一成層切り替え手段84が追加され構成されている。
【0123】
仮目標空燃比算出手段83は、現状燃焼形態把握手段55により現状燃焼形態が均一リーン燃焼形態と成層燃焼形態間の中間燃焼形態であるとの判断を入力した場合に、中間燃焼比率算出手段74により算出した成層比率SRATIO、第1中間目標燃焼形態の初期設定値算出手段62により算出した第1中間目標燃焼形態目標空燃比初期設定値ABFi、ベース燃焼形態初期設定値算出手段72により算出したベース燃焼形態目標空燃比初期設定値ABFibを用いて燃焼室8内の仮りの目標空燃比である仮目標空燃比ABFifiを算出する。
【0124】
中間燃焼時均一成層切り替え手段84は、均一リーン燃焼形態と成層燃焼形態と間の中間燃焼形態を成層燃焼運転又は均一燃焼運転のいずれにより行うかを選択し設定する。
【0125】
これは、仮目標空燃比ABFifiが所定の限界値よりもリッチ側にある場合には、成層燃焼形態によるエンジン運転、すなわち成層燃焼運転を行うことが困難であるため、燃焼形態を強制的に均一リーン燃焼形態に切り換えて均一燃焼運転により行う必要があるからである。
【0126】
ここで、成層燃焼形態のリッチ側の限界値である成層燃焼リッチ限界空燃比ABFrsの算出は、中間燃焼時均一成層切り替え手段84により、ECU40のROM40d内に予め設定されている成層燃焼リッチ限界空燃比算出用データ格子をエンジン回転数Neに基づいて補間計算付にて参照することにより行われる。
【0127】
最終目標空燃比算出手段81は、燃焼形態が均一リーン燃焼形態KLと成層燃焼形態SLと間の中間燃焼形態であるときは、中間燃焼時均一成層切り替え手段からの指示に応じて最終目標空燃比ABFifを算出する。
【0128】
尚、成層燃焼運転と均一燃焼運転は、燃焼室内に混合気を形成するタイミングが異なるエンジン運転方式であり、成層燃焼運転は圧縮行程時の点火時期直前に燃焼室内に直接燃料を噴射して混合気を形成するものをいい、均一燃焼運転は吸気行程時に燃焼室内に混合気を形成するものをいう。
【0129】
次に、基本燃料噴射時期の算出機能について説明する。燃料噴射時期の算出は、図3に示したように、ECU40の燃料噴射制御部70内に構成された噴射時期算出手段71によって行われる。図10は、噴射時期算出手段71が有する機能を説明するブロック図である。燃料噴射時期の算出機能は、図示したように、予測トルク算出手段91、第1中間目標燃焼形態基本燃料噴射時期算出手段92、ベース燃焼形態基本燃料噴射時期算出手段93、最終基本燃料噴射時期算出手段94により構成されている。
【0130】
予測トルク算出手段91は、目標トルクTeiに対して実際に実現される出力トルクを予測した値である予測トルクTesを算出する。燃料噴射時期は、目標トルクTeiに対してではなく、予測トルクTesに応じた燃料噴射時期に制御される。これにより、燃料噴射時期のズレによる不具合を防止することができる。
【0131】
予測トルク算出手段91は、図示したように、目標トルク設定手段61、推定値算出手段64、予測値算出手段66、第1中間目標燃焼形態制御目標値算出手段63、ベース燃焼形態制御目標値算出手段73、中間目標燃焼形態設定手段52、現状燃焼形態把握手段55、中間燃焼比率算出手段74と接続されており、目標トルクTei、空気有効成分分圧推定値Pmo、空気有効成分分圧予測値Pmos、空気有効成分分圧制御目標値Pmosi、ベース空気有効成分分圧制御目標値Pmosib、中間燃焼比率RATIO等のデータに基づいて、予測トルクTesを算出する。
【0132】
第1中間目標燃焼形態基本燃料噴射時期算出手段92は、第1中間目標燃焼形態における基本燃料噴射時期(以下、「第1中間目標燃焼形態基本燃料噴射時期」という)TJiを算出する。ベース燃焼形態基本燃料噴射時期算出手段93は、燃焼形態がベース燃焼形態における基本燃料噴射時期(以下、「ベース燃焼形態基本燃料噴射時期」という)TJbを算出する。
【0133】
ECU40のROM40d内には、予測トルクTesとエンジン回転数Neとをパラメータとする各定常燃焼形態毎の基本燃料噴射時期算出用データマップが予めストアされている。基本燃料噴射時期は、これを補間計算付にて参照することによりその燃焼形態における基本燃料噴射時期を算出する。このようにして算出された第1中間目標燃焼形態基本燃料噴射時期TJiとベース燃焼形態基本燃料噴射時期TJbは、最終基本燃料噴射時期算出手段94へ出力される。
【0134】
最終基本燃料噴射時期算出手段94は、ベース燃焼形態基本燃料噴射時期TJbと第1中間目標燃焼形態基本燃料噴射時期TJiとを中間燃焼比率RATIOで直線補完することにより、その現状燃焼形態における最終的な基本燃料噴射時期である最終基本燃料噴射時期TJを算出する。尚、中間燃焼時均一成層切り替え手段84からの切り替え指令が入力された場合は、ROM40d内に別途設けられている専用の最終基本燃料噴射時期算出用データマップを参照することにより算出される。
【0135】
また、燃料噴射制御部70は、図3に示したように、噴射時期算出手段71の他に、メイン制御部50により算出された最終基本燃料噴射量Gfssを噴射させるためのインジェクタ19の駆動時間を算出する噴射パルス時間算出手段72と、噴射パルス時間及び噴射時期に基づいて噴射パルスを発生させる噴射パルス発生手段73とを備えている。
【0136】
噴射パルス時間算出手段72は、図3に示したように、メイン制御部50で設定した最終基本燃料噴射量Gfssからインジェクタ19に対する操作量としての噴射パルス時間Toutを算出する。噴射パルス発生手段73は、噴射パルス時間Toutと最終基本燃料噴射時期TJとを用いて噴射パルス発生タイマを予め定めた特定のクランク角度でセットし、所定のタイミングで噴射パルスをインジェクタ10へ出力する。
【0137】
次に、点火時期の算出機能について説明する。点火時期の算出は、ECU40の点火時期制御部75内の点火時期設定手段76によって行われる。図11は、点火時期設定手段76が有する機能を説明するブロック図である。点火時期の算出機能は、図示したように、予測トルク算出手段91、第1中間目標燃焼形態基本点火時期算出手段95、ベース燃焼形態基本点火時期算出手段96、最終基本点火時期算出手段97により構成されている。
【0138】
第1中間目標燃焼形態基本点火時期算出手段95は、第1中間目標燃焼形態における基本点火時期(以下、「第1中間目標燃焼形態基本点火時期」という)IGiを算出する。ベース燃焼形態基本点火時期算出手段93は、燃焼形態がベース燃焼形態における基本点火時期(以下、「ベース燃焼形態基本点火時期」という)IGbを算出する。
【0139】
ECU40のROM40d内には、予測トルクTesとエンジン回転数Neとをパラメータとする各定常燃焼形態毎の基本点火時期算出用データマップが予めストアされており、これを補間計算付にて参照することによりその燃焼形態における予測トルクTesに応じた基本点火時期を算出する。このようにして算出された第1中間目標燃焼形態基本点火時期IGiとベース燃焼形態基本点火時期IGbは、最終基本点火時期算出手段97へ出力される。
【0140】
最終基本点火時期算出手段97は、ベース燃焼形態基本点火時期IGbと第1中間目標燃焼形態基本点火時期IGiとを中間燃焼比率RATIOで直線補間することにより、その現状燃焼形態における最終的な基本点火時期である最終基本点火時期TJを算出する。尚、中間燃焼時均一成層切り替え手段84からの切り替え指令が入力された場合は、ROM40d内に別途設けられている専用の最終基本点火時期算出用データマップを参照することによって最終点火時期を算出する。
【0141】
尚、点火時期制御部75は、図3に示したように、点火時期設定部76の他に点火時期に基づいて点火信号を発生させる点火信号発生部77を備えている。点火信号発生手段77は、点火時期IGを用いて予め定めた特定のクランク角度で点火パルス発生タイマをセットし、所定のタイミングで点火信号をイグナイタ27に出力し、点火コイル29を介して点火プラグ28に放電を行わせる。
【0142】
次に、上記構成のエンジン装置により実施されるエンジン制御について、図12〜図20のフローチャートに基づいて説明する。図12は、図示しないイグニッションスイッチがONされ、ECU40に電源が供給されてシステムがリセットされたとき、割り込み実行される初期化ルーチンである。まず最初に、ステップ(以下、単に「S」という)1でCPU40cを初期設定すると、S2で制御データを初期設定し、S3で吸気管容積Vm、1気筒当たりのストローク容積Vs、エンジンの気筒数L、空気有効成分の気体定数Ra、EGRガス有効成分の気体定数Re等の吸気系定数を設定し、本ルーチンを抜ける(リターン)。
【0143】
図13は、図12の初期化ルーチンによりシステムイニシャライズした後に実行されるルーチンプログラムであり、状況に応じた燃焼形態の設定と、その燃焼形態による目標トルクTeiを実現する吸気・EGR量、燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期の制御値の算出を行うプログラム全体の概要を示したフローチャートである。これらの制御値に基づいて各アクチュエータ類を制御することにより、状況に応じた燃焼形態を実現でき、該燃焼形態により目標トルクTeiを得るエンジン制御を行うことができる。
【0144】
本フローチャートによれば、まず最初にS10で各センサからの検出信号に基づいて、アクセル開度S、マニホールド全圧Pm、吸気管6内のガス温度Tm、スロットル通過空気流量計測値Qave、空燃比λ、エンジン回転数Ne等のエンジン運転状態が算出される。
【0145】
そして、S20では目標トルクTeiが算出される。目標トルクTeiは、S10にて算出したアクセルペダルの踏込量Sとエンジン回転数Neを用いて目標トルク算出用データマップを補間計算付で参照することにより算出される。ここで算出される目標トルクTeiは、ドライバがエンジンに要求する出力としてとらえることができ、S30〜S50にて設定される燃焼形態をS60以降の制御により実現することにより、この目標トルクTeiを達成するための制御が行われる。
【0146】
S30では、最終目標燃焼形態設定手段51により運転領域とエンジン動作状態に応じた最終目標燃焼形態が設定される。最終目標燃焼形態は、前述の5種類の定常燃焼形態から最も適したものが選択され、設定される。
【0147】
図14は、最終目標燃焼形態の選択設定ルーチンを示したフローチャートである。S301では、S10及びS20で検出又は算出した冷却水温度Tw、始動後時間Tas、マスターバッグ内圧回復要求信号Cm、リッチ運転要求Cr、目標トルクTei、エンジン回転数Ne読み込む。
【0148】
次に、S302では、冷却水温度TwとECU40のROM40d内に予め設定されている設定値との比較が行われ、冷却水温度Twの方が低い場合(NO)には低水温であると判断される。これから、エンジンが暖機運転中であると判断することができ、暖機運転に適した定常燃焼形態を最終目標燃焼形態として選択すべくS309へ移行する。また、冷却水温度Twの方が高い場合(YES)には高水温であると判断され、更に他の判断を行うべくS303へ移行する。
【0149】
S303では、エンジン始動後から計測された経過時間である始動後時間TasとECU40のROM40d内に予め設定されている基準値との比較が行われる。これにより、始動後時間Tasが基準値に満たない場合(NO)にはエンジン始動後間もない暖機運転中であると判断し、暖機運転に適した定常燃焼形態を最終目標燃焼形態として選択すべく、S309へ移行する。また、始動後時間Tasが基準値以上である場合(YES)は、暖機運転は終了しており、暖機運転を行うために最終目標燃焼形態を選択する必要はないとして、S304へ移行する。
【0150】
S304では、マスターバッグ回復要求信号Cmの有無が判断される。このマスターバッグ回復要求信号Cmが出力されると、マスターバッグ内の負圧力が弱く、その状態ではブレーキ操作力を補助することが困難であると判断される。
【0151】
ここで、マスターバッグ回復要求信号Cmが出力されている場合(YES)には、マスターバッグ内の負圧力を所定値以上に回復させるのに適した定常燃焼形態を最終目標燃焼形態として選択すべくS309へ移行する。また、マスターバッグ回復要求信号Cmがない場合(NO)にはマスターバッグ内の負圧力を確保するために最終目標燃焼形態を選択する必要はないとしてS305へ移行する。
【0152】
S305では、リッチ運転要求信号Crの有無が判断される。このリッチ運転要求信号Crは、リーン運転(均一リーン燃焼形態若しくは成層燃焼形態の実現)を行った積算時間とエンジン動作状態とに基づいて求められ、この信号が出力されると、NOx吸蔵触媒22は所定の限界基準値を超える量のNOxを吸蔵しており、更にリーン運転が行われた場合にNOxの吸蔵に支障を来すおそれがあると判断することができる。
【0153】
ここで、リッチ運転要求信号Crがある場合(YES)には、これを浄化させることができる燃焼形態を実現すべく、これを最終目標燃焼形態として選択するためにS313へ移行する。また、リッチ運転要求信号Crがない場合(NO)にはNOx吸蔵触媒22のNOx吸蔵分を浄化させるための定常燃焼形態を最終目標燃焼形態として選択する必要はないとしてS306へ移行する。
【0154】
S306〜S308では、エンジンの運転領域の判定が行われ、これらの判定に基づいてS310〜S312によりそれぞれの運転領域に応じた最適な定常燃焼形態が最終目標燃焼形態として選択される。S306で行われる運転領域判定1は、現在のエンジン運転の領域が極低負荷運転領域内にあるか否かが判断され、極低負荷運転領域にある場合(YES)はこれに適した定常燃焼形態を最終目標燃焼形態として選択すべくS312に移行する。また、極低負荷運転領域にない場合(NO)は更にその運転領域を詳細に判断すべくS307へ移行する。
【0155】
S307で行われる運転領域判定2は、現在のエンジン運転領域が低負荷運転領域内にあるか否かが判断され、低負荷運転領域にある場合(YES)はこれに適した定常燃焼形態を最終目標燃焼形態として選択すべくS311に移行する。また、低負荷運転領域にない場合(NO)はその運転領域を更に詳細に判断すべくS308へ移行する。
【0156】
S308で行われる運転領域判定3は、現在のエンジン運転領域が中負荷運転領域にあるか否かが判断され、中負荷運転領域にある場合(YES)はこれに適した定常燃焼形態を最終目標燃焼形態として選択すべくS310へ移行する。また、中負荷運転領域にない場合(NO)には運転領域が高負荷運転領域であると判断され、高負荷を出力することができる定常燃焼形態を最終目標燃焼形態として選択するためにS309へ移行する。
【0157】
S309では、最終目標燃焼形として均一ストイキオ(EGR無し)燃焼形態KSNが選択され、S310では、均一ストイキオ(EGR有り)燃焼形態KSEが、S311では、均一リーン燃焼形態KLが、S312では成層燃焼形態SLが、S313では均一リッチ燃焼形態KRが選択される。
【0158】
尚、S304にてマスターバッグ回復要求信号Cmがあった場合にS309の均一ストイキオ(EGR無し)燃焼形態KSNが選択されるのは、この定常燃焼形態が他の定常燃焼形態と比較して吸気管6内を高い負圧状態にすることが可能であり、マスターバッグ内の負圧力を回復することができるからである。
【0159】
このように、上述のS301〜S313の制御ルーチンが実行されることによりS30では運転領域及びエンジン動作状態に応じた最終目標燃焼形態が設定される。
【0160】
S40では、中間目標燃焼形態設定手段52により中間目標燃焼形態の設定が行われる。ここで、中間目標燃焼形態は、第1中間目標燃焼形態と、第2中間目標燃焼形態とが設定される。
【0161】
図15は、S40にて中間目標燃焼形態設定手段52により行われる中間目標燃焼形態の設定を行う制御ルーチンを示したフローチャートである。まず最初に、S401ではS30にて設定された最終目標燃焼形態の読み込みが行われ、S402では現状燃焼形態把握手段55により把握されている現状燃焼形態が読み込まれる。そして、S403では最終目標燃焼形態と現状燃焼形態とに基づいて中間燃焼形態指示テーブル(表1〜3参照)の参照が行われ、第1中間目標燃焼形態と第2中間目標燃焼形態の設定が行われる。そして、本ルーチンを抜ける(リターン)。このように、S40では第1中間目標燃焼形態と第2中間目標燃焼形態の設定が行われる。
【0162】
S50では、第1現状燃焼形態把握手段56により現状燃焼形態の把握が行われ、S60以降ではS50にて把握された現状燃焼形態を実現するエンジン制御が行われる。すなわち、ここで現状燃焼形態が中間燃焼形態であると把握されるとS60以降では中間燃焼形態を実現するエンジン制御が行われ、現状燃焼形態が定常燃焼形態であると把握されるとS60以降では定常燃焼形態を実現するエンジン制御が行われる。
【0163】
図16は、S50にて第1現状燃焼形態把握手段56により行われる現状燃焼形態の把握設定の制御ルーチンを示したフローチャートである。まず最初に、S501にて、S402にて読み込まれた現状燃焼形態が定常燃焼形態であるか否かが判断され、定常燃焼形態である場合(YES)はその定常燃焼形態を実現するのか、又は他の定常燃焼形態との間の中間燃焼形態を実現する必要があるのかを判断すべく、S502へ移行する。また、S501にて定常燃焼形態ではない(NO)と判断された場合は、そのまま本ルーチンを抜ける(リターン)。この判断により、その定常燃焼形態を実現するためのエンジン制御が行われる。
【0164】
S502では、現状燃焼形態と第1中間目標燃焼形態とが同一の燃焼形態であるか否かが判断される。ここで、現状燃焼形態と第1中間目標燃焼形態とが異なる燃焼形態である場合(NO)は、現状燃焼形態と第1中間目標燃焼形態との間の中間燃焼形態を実現する必要があると把握してS503へ移行する。
【0165】
S503では、現状燃焼形態を第1中間燃焼形態との間の中間燃焼形態と把握する処理がなされ、本ルーチンを抜ける(リターン)。これにより、現状燃焼形態は、第1中間目標燃焼形態との間の中間燃焼形態と把握され、この把握された中間燃焼形態を実現するためのエンジン制御が行われる。
【0166】
また、現状燃焼形態と第1中間目標燃焼形態とが同一の燃焼形態である場合(YES)は、本ルーチンを抜ける(リターン)。これにより、現状燃焼形態は第1中間目標燃焼形態の定常燃焼形態と把握され、この把握された定常燃焼形態を実現するためのエンジン制御が行われる。
【0167】
S60以降では、S50にて把握された現状燃焼形態、すなわち定常燃焼形態、若しくは中間燃焼形態により、S20にて設定された目標トルクTeiを達成するエンジン制御が行われる。
【0168】
S60では、S50にて把握された燃焼形態にて目標トルクTeiを実現するための吸気・EGR制御を行うために、ETC16及びEGRバルブ25の制御量の算出が行われる。
【0169】
図17は、S60にてETC16とEGRバルブ25の制御量の算出ルーチンを示したフローチャートである。まず最初に、S601では吸気系係数の算出が行われる。ここでは、エンジン回転数Neとマニホールド全圧Pmをパラメータとするデータマップを参照することにより現在のエンジン運転状態における体積効率ηvが算出される。そして、次に、以下の(11)〜(13)式により吸気系係数ca、ce、dが算出される。
【0170】
ca=a/ba=(Vs/(Ra・Tm))・ ηv・(Ne・L/120) …(11)
ce=a/be=(Vs/(Re・Tm))・ ηv・(Ne・L/120) …(12)
d=(Vs/(Ra・Tm))・ ηv …(13)
ここで、a、ba、beは、前述の(7) 〜(9) 式により算出された吸気系係数であり、吸気管容積Vm、1気筒当たりのストローク容積Vs、エンジンの気筒数L、空気有効成分の気体定数Ra、EGRガス有効成分の気体定数Reは、S3(図12参照)にて設定された吸気系定数である。
【0171】
次に、S602では、第1中間目標燃焼形態基本燃料噴射量、第1中間目標燃焼形態基本EGR量、第1中間目標燃焼形態基本目標空燃比の初期設定値の算出が行われる。ここで、第1中間目標燃焼形態初期設定値算出手段62は、第1中間目標燃焼形態として設定されている定常燃焼形態の初期設定値算出用データマップを目標トルクTeiとエンジン回転数Neを用いて補間計算付にてそれぞれ参照することにより、第1中間目標燃焼形態燃料噴射量初期設定値Gfi、第1中間目標燃焼形態EGR量初期設定値EGRi、第1中間目標燃焼形態目標空燃比初期設定値ABFiを算出する。
【0172】
S603では、第1中間目標燃焼形態における空気有効成分分圧制御目標値PmosiとEGRガス有効成分分圧の制御目標値Pmeesiが算出される。ここで、第1中間目標燃焼形態制御目標値設定手段63は、まず最初に、S602にて設定した第1中間目標燃焼形態燃料噴射量初期設定値GFiと第1中間目標燃焼形態目標空燃比初期設定値ABFiを用いて、以下の(14)式により、1気筒当たりのシリンダ流入空気量の初期設定値であるシリンダ流入空気量初期設定値GOiを求める。
【0173】
GOi=GFi ×ABFi ……(14)
そして、このシリンダ流入空気量初期設定値GOiと吸気系係数dから、以下の(15)式により、第1中間目標燃焼形態における空気有効成分分圧制御目標値である第1中間目標燃焼形態空気有効成分分圧制御目標値Pmosiを算出する。
【0174】
Pmosi =(1/d)・GOi ……(15)
また、S602にて設定した第1中間目標燃焼形態EGR量初期設定値EGRiと空気有効成分の気体定数Ra、EGRガス有効成分の気体定数Re、第1中間目標燃焼形態空気有効成分分圧制御目標値Pmosiを用いて、以下の(16)式により、第1中間目標燃焼形態におけるEGRガス有効成分分圧制御目標値である第1中間目標燃焼形態EGRガス有効成分分圧制御目標値Pmeesiを算出する。
【0175】
Pmeesi=EGRi/(1-EGRi)×(Re/Ra) ×Pmosi ……(16)
更に、第1中間目標燃焼形態制御目標値設定手段63は、理論空燃比ABFtと第1中間目標燃焼形態目標空燃比初期設定値ABFiを用いて、以下の(17)式により、目標当量比FAIiを算出する。
【0176】
FAIi=ABFt/ABFi ……(17)
そして、EGRバルブ25入口におけるEGRガスの当量比を推定した排気当量比FAIを算出する。排気当量比FAIは、空燃比センサ35が広域型空燃比センサである場合、実際の空燃比λより算出した当量比算出値を用いることで最も優れた精度を得ることができるが、以下の(18)式に示すように、EGR通路24で発生する燃焼ガスの輸送遅れ時間を考慮し、k制御周期前の目標当量比FAIi(-k)から加重平均により、目標当量比FAIiの一次遅れで排気当量比FAIを算出しても良い。
【0177】
FAI=(1-q)・FAI(-1)+q・FAIi(-k) …(18)
但し、q:加重平均係数
上記(18)式による加重平均で排気当量比FAIを求める場合、加重平均係数qを予め設定した定数としても良いが、厳密には、燃焼ガスの輸送遅れ時間は運転条件によって変化するため、一次遅れを運転条件で最適に設定できるよう、加重平均係数qをマニホールド全圧Pmより設定し、k制御周期前の目標当量比FAIi(-k)は、エンジン回転数Neとマニホールド全圧Pmとにより設定した無駄時間に相当するk制御周期前の値とすることが望ましい。
【0178】
尚、簡易的には、以下の(19)式に示すように、目標当量比FAIiを、そのまま排気当量比FAIとして設定しても良い。
【0179】
fai=FAIi …(19)
そして、以下の(20)式により排気当量比FAIと目標当量比FAIiとの比を、当量比係数rfaiとして算出する。
【0180】
rfai=FAI/FAIi …(20)
S604では、センサ検出値に基づいた圧力応答値である空気有効成分分圧推定値とEGRガス有効成分分圧推定値の算出が行われる。ここで、フィードバック制御量算出手段65は、まず最初に、空気有効成分分圧及びEGRガス有効成分分圧の各時間変化量を推定するため、吸気系モデルに従って、EGRガスの空気過不足成分分圧モデル値Pfea及びEGRガス有効成分分圧モデル値Pfeeを当量比係数rfaiに基づいて算出し、実際に計測したスロットル通過空気流量によって吸入空気分の新気分圧モデル値Pfaを算出する。
【0181】
そして、EGRガスの空気過不足成分分圧モデル値Pfeaと新気分圧モデル値Pfaとの和を空気有効成分分圧推定値Pmoとして算出し、EGRガスの空気過不足成分分圧モデル値Pfea、EGRガス有効成分分圧モデル値Pfee、新気分圧モデル値Pfaの総和を吸気管内圧力の実測値であるマニホールド全圧Pmと一致させるべく、マニホールド全圧Pmから空気有効成分分圧推定値Pmoを減算した値をEGRガス有効成分分圧推定値Pmeeとして算出する。
【0182】
ここで、当量比係数rfaiを用いることによりEGRガス有効成分分圧の推定精度を高めることができると同時に、実際の吸入空気量から求めた新気分圧モデル値Pfaを修正することなく各分圧の総和をマニホールド全圧Pmに一致させることによりEGR分のモデル誤差を修正し、吸気温度、大気圧、バルブクリアランス等の影響を排除して空気有効成分分圧の推定精度を向上させることができる。
【0183】
具体的には、EGRガスの空気過不足成分分圧モデル値Pfea、EGRガス有効成分分圧モデル値Pfeeは、吸気系係数a、ba、be、当量比係数rfai、1制御周期前のEGRバルブ通過ガス流量設定値Qe(-1)、1制御周期前のEGRガスのPfea(-1)、1制御周期前のPfee(-1)を用いて、以下の(21)、(22)式により算出される。
【0184】
Pfea=(1-a・dt)・Pfea(-1)+(ba・dt)・(1-rfai)・Qe(-1)…(21)
Pfee=(1-a・dt)・Pfee(-1)+(be・dt)・(rfai)・Qe(-1) …(22)
また、吸入空気の新気分圧モデル値Pfaは、吸入空気量センサ8によって実際に計測したスロットル通過空気流量計測値Qaveを用い、以下の(23)式によって算出される。
【0185】
Pfa =(1-a・dt)・Pfa(-1)+(ba・dt)・Qave …(23)
そして、空気有効成分分圧推定値PmoとEGRガス有効成分分圧推定値Pmeeは、以下の(24)式と(25)式により算出される。
【0186】
Pmo =Pfa+(Pfe/(Pfea+Pfee))×Pfea …(24)
Pmee=Pm-Pmo …(25)
但し、(Pfea+Pfee)=0 でEGRが実施されていないときには、(Pm-Pfa)=0であり、Pmo=Pfa とする。
【0187】
S605では、空気有効成分分圧推定値PmoとEGRガス有効成分分圧推定値Pmeeとに基づいたスロットル通過空気流量設定値Qa、EGRバルブ通過ガス流量設定値Qeの算出が行われる。ここでは、まず最初にフィードバック制御部65の処理によりフィードバック制御係数が算出される。具体的には、吸気系係数ba、be、ca、ceと当量比係数rfaiを用いて、以下の(26)〜(31)式によりフィードバック係数f1、f2、h1、h2、g1、g2が算出される。
【0188】
f1=(1/(ba・dt))・n …(26)
f2=(1/(rfai・be・dt))・n …(27)
h1=ca …(28)
h2=ce/rfai …(29)
g1=m/Ne …(30)
g2=m/Ne …(31)
但し、dt:制御周期
n:重み係数(0<n<1)
m:積分制御係数(m≧0)
そして、上述の吸気系モデルに従い、フィードバック制御量算出手段65の処理により、EGRバルブ通過ガス流量初期設定値Qeiとスロットル通過空気流量初期設定値Qaiが算出される。
【0189】
ここで、EGRバルブ通過ガス流量初期設定値Qeiは、第1中間目標燃焼形態の制御目標値設定手段63により算出したEGRガス有効成分分圧目標値初期設定値PmeesiとEGRガス有効成分分圧推定値Pmee、及び、1制御周期前に後述するS606にて算出されたEGRガス有効成分分圧誤差の時間積分値Imee(-1)とを用いて、以下の(32)式により算出される。
【0190】
Qei=h2・Pmeesi-f2・Pmee+g2・Imee(-1) …(32)
上記(32)式で算出したEGRバルブ通過ガス流量初期設定値Qeiは、必ずしも実現可能な値ではないこともあるため、以下の(33)式の範囲(0以上最大流量(Qe)MAX 以下の範囲)に飽和させて制御可能(実現可能)な流量とし、この流量をEGRガス有効成分分圧推定値Pmeeを用いたEGRバルブ通過ガス流量Qeとする。
【0191】
0≦Qe≦(Qe)MAX …(33)
上記最大EGRバルブ通過ガス流量(Qe)MAX は、マニホールド全圧Pmに基づいてデータマップを参照すること等により設定される。
【0192】
更には、EGRバルブ通過ガス流量を制御する場合、制御することのできる(変化させることのできる)流量は、マニホールド全圧Pmと1制御周期前のEGRバルブ通過ガス流量Qe(-1)とによって制限されるため、マニホールド全圧Pmと1制御周期前のEGRバルブ指示値Se(-1)とから最大EGRバルブ通過ガス流量変化量(ΔQe)MAX を設定し、この最大EGRバルブ通過ガス流量変化量(ΔQe)MAX と1制御周期前のEGRバルブ通過ガス流量Qe(-1)とによって以下の(34)式で算出した最大EGRバルブ通過ガス流量(Qe)MAX を用いることで、より正確なフィードバック制御を実現することができる。
【0193】
(Qe)MAX =Qe(-1)+ (ΔQe)MAX …(34)
そして、スロットル通過空気流量初期設定値Qaiは、EGRバルブ通過ガス流量Qe、及び前述の第1中間目標燃焼形態の制御目標値算出手段63による処理で算出した空気有効成分分圧制御目標値Pmosiと空気有効成分分圧推定値Pmo、及び、1制御周期前に後述するS606にて算出された空気有効成分分圧誤差の時間積分値Imo(-1)とを用いて、以下の(35)式により算出される。
【0194】
Qai=h1・Pmosi-f1・Pmo-(1-rfai)・Qe+g1・Imo(-1) …(35)
そして、算出したスロットル通過空気流量初期設定値Qaiを以下の(36)式の範囲(0以上最大流量(Qa)MAX 以下の範囲)に飽和させてスロットル通過空気流量Qaを定める。
【0195】
0≦Qa≦(Qa)MAX …(36)
この場合においても、上記最大EGRバルブ通過ガス流量(Qe)MAX の場合と同様、上記最大スロットル通過空気流量(Qa)MAX は、予め設定した定数としてもよく、制御可能な流量を考慮してマニホールド全圧Pmに基づいてマップ参照等により設定した値を用いても良い。
【0196】
更に、マニホールド全圧Pmと1制御周期前のスロットルアクチュエータ指示値Sa(-1)とによって最大スロットル通過空気流量変化量(ΔQa)MAX を設定し、この最大スロットル通過空気流量変化量(ΔQa)MAX と1制御周期前のスロットル通過空気流量Qa(-1)とによって以下の(37)式で算出した最大スロットル通過空気流量(Qa)MAX を用いても良い。
【0197】
(Qa)MAX =Qa(-1)+(ΔQa)MAX …(37)
S606では、理論値に基づいた圧力応答値である空気有効成分分圧予測値とEGRガス有効成分分圧予測値の算出が行われる。ここで、予測値算出手段66は、1制御周期前の空気有効成分分圧予測値Pmos(-1)と空気有効成分分圧目標補正値Pmohsとを用いて、以下の(38)式により空気有効成分分圧予測値Pmosを算出する。
【0198】
Pmos =(1-n)・Pmos(-1)+n・Pmohs …(38)
そして、1制御周期前のEGRガス有効成分分圧予測値Pmees(-1)とEGRガス有効成分分圧目標補正値Pmeehsとを用いて、以下の(39)式によりEGRガス有効成分分圧予測値Pmeesを算出する。
【0199】
Pmees=(1-n)・Pmees(-1)+n・Pmeehs …(39)
上記(38)、(39)式における空気有効成分分圧目標補正値Pmohsは、スロットル通過空気流量Qaに相当する圧力目標値であり、EGRガス有効成分分圧目標補正値Pmeehsは、EGRバルブ通過ガス流量Qeに相当する圧力目標値であり、以下の(40)、(41)式により算出される。
【0200】
Pmohs =(1/h1)・(Qa+(1-rfai)・Qe+f1・Pmo-g1・Imo) …(40)
Pmeehs=(1/h2)・(Qe+f2・Pmee-g2・Imee) …(41)
上記(40)、(41)式における空気有効成分分圧誤差の時間積分値Imo、及び、EGRガス有効成分分圧誤差の時間積分値Imeeは、以下の(42)、(43)式によって算出される。
【0201】
Imo =Imo(-1) +(Pmos(-k) -Pmo )・dt …(42)
Imee=Imee(-1)+(Pmees(-k)-Pmee)・dt …(43)
S607では、ETC16のETC開度指示値Saの算出が行われる。ここで、ETC開度指示値算出手段67は、S605にて求めたスロットル通過空気流量Qaとマニホールド全圧Pmとを用いてETC開度指示値Saを算出し、制御信号としてETC16に出力する。
【0202】
S608では、EGRバルブ25のバルブ開度指示値Seの算出が行われる。ここで、EGRバルブ開度指示値算出手段68は、S605にて求めたEGRバルブ通過ガス流量Qeとマニホールド全圧Pmとを用いてEGRバルブ開度指示値Seを算出し、制御信号としてEGRバルブ25に出力する。
【0203】
このS607及びS608の制御処理により算出された制御値によって、ETC16及びEGRバルブ25は、現状燃焼形態による目標トルクTeiを実現するための吸入空気量及びEGR量を得ることができる開度位置に制御される。
【0204】
次に、S70〜S100では、現状燃焼形態が中間燃焼形態と把握されている場合に、その中間燃焼形態を実現するための中間燃焼比率RATIOが算出される。S70では、ベース燃焼形態燃料噴射量初期設定値Gfib、ベース燃焼形態EGR量初期設定値(EGR率)EGRib、ベース燃焼形態目標空燃比初期設定値ABFibが算出される。
【0205】
ここでは、ベース燃焼形態初期設定値算出手段72により、ベース燃焼形態として設定されている定常燃焼形態の初期設定値算出用データマップが目標トルクTeiとエンジン回転数Neを用いて補間計算付にてそれぞれ参照され、ベース燃焼形態燃料噴射量初期設定値Gfib、ベース燃焼形態EGR量初期設定値EGRib、ベース燃焼形態目標空燃比初期設定値ABFibが算出される。
【0206】
S80では、ベース燃焼形態における空気有効成分分圧制御目標値PmosibとEGRガス有効成分分圧の制御目標値Pmeesibが算出される。ここで、ベース燃焼形態制御目標値設定手段73は、まず最初に、S70にて設定した第ベース燃焼形態燃料噴射量初期設定値GFibとベース燃焼形態目標空燃比初期設定値ABFibを用いて、以下の(44)式により、ベース燃焼形態における1気筒当たりのシリンダ流入空気量の初期設定値であるベース燃焼形態シリンダ流入空気量初期設定値GOibを求める。
【0207】
GOib=GFib ×ABFib ……(44)
そして、このベース燃焼形態シリンダ流入空気量初期設定値GOibと吸気系係数dから、以下の(45)式により、ベース燃焼形態における空気有効成分分圧制御目標値であるベース燃焼形態空気有効成分分圧制御目標値Pmosibを算出する。
【0208】
Pmosib =(1/d)・GOib ……(45)
また、S70にて設定したベース燃焼形態EGR量初期設定値EGRibと空気有効成分の気体定数Ra、EGRガス有効成分の気体定数Re、ベース燃焼形態空気有効成分分圧制御目標値Pmosibを用いて、以下の(46)式により、ベース燃焼形態におけるEGRガス有効成分分圧制御目標値であるベース燃焼形態EGRガス有効成分分圧制御目標値Pmeesibを算出する。
【0209】
Pmeesib=EGRib/(1-EGRib) ×(Re/Ra) ×Pmosib ……(46)
S90では、燃料噴射制御方式の決定が行われる。燃料噴射制御方式にはLジェトロ型燃料噴射制御方式とA/F優先型燃料噴射制御方式の2種類があり、所定条件に応じてこれらの制御方式の一方を選択することにより、S100にて算出される中間燃焼比率RATIOや最終燃料噴射量等の制御値の精度をより高いものとすることができる。
【0210】
燃料噴射制御方式の決定は、図18に示した燃料噴射制御方式決定ルーチンによって行われる。まず最初に、S900では吸気管6内の圧力状態に基づいた判定が行われ、S10にて検出したマニホールド全圧PmとECU40のROM40d内に予め設定されているマニホールド基準圧PmLMとの比較判定が行われる。ここで、マニホールド全圧Pmがマニホールド基準圧PmLM以下の低い負圧状態にあると判定された場合(NO)は、更にアクセルペダルの操作状態に基づいた判断をすべくS901へ移行する。
【0211】
S901では、アクセルペダルの踏込量Sが予め設定された所定量よりも大きく踏み込まれた操作状態にあるか否かが判定される。ここで、踏込量Sが基準アクセル踏込量SLM以下である場合(NO)には、エンジン運転状態が中・低負荷運転領域内にあると判断され、中・低負荷運転領域に適した燃料噴射制御方式を選択すべくS902へ移行する。S902では、エンジン運転状態が中・低負荷運転領域内にあると判断され、燃料噴射制御方式はA/F優先型燃料噴射制御方式が選択され、本ルーチンを抜ける。
【0212】
また、S900にてマニホールド全圧Pmがマニホールド基準圧PmLMよりも高い負圧状態にあると判定された場合(YES)、又は、S901にてアクセル踏込量SがECU40のROM40d内に予め設定されている基準アクセル踏込量SLMよりも大きい(YES)場合には、エンジン運転状態が高負荷運転領域内にあると判断され、高負荷運転に応じた燃料噴射制御方式を選択すべくS903へ移行する。
【0213】
S903では、高負荷運転に適した燃料噴射制御方式としてLジェトロ型燃料噴射制御方式が選択され、本ルーチンを抜ける(リターン)。上記制御によりLジェトロ型燃料噴射制御方式とA/F優先型燃料噴射制御方式のいずれか一方の燃料噴射制御方式を選択した後にS100(図13)へ移行する。
【0214】
S100では、中間燃焼比率RATIOの算出が行われる。中間燃焼比率RATIOは、中間燃焼比率算出手段74により各中間燃焼形態毎に設定されている中間燃焼比率算出式に基づいて算出される。以下に、中間燃焼比率RATIOの算出について各定常燃焼形態間の中間燃焼形態毎に説明する。
【0215】
まず最初に成層燃焼形態SLと均一リーン燃焼形態KLとの間の中間燃焼形態の中間燃焼比率である成層比率SRATIOは、実際の圧力応答値の空気有効成分分圧(以下、単に「実空気有効成分分圧」という。)Px、均一リーン燃焼形態KLにおける空気有効成分分圧制御目標値PmosiKL、成層燃焼形態SLにおける空気有効成分分圧制御目標値PmosiSLを用いて、以下の(47)式により算出される。
【0216】
SRATIO=(Px-PmosiKL)/(PmosiSL-PmosiKL) ……(47)
すなわち、上記(47)式により、成層比率SRATIOは、ベース燃焼形態と第1中間目標燃焼形態の空気有効成分分圧と実空気有効成分分圧との関係から求められる。
【0217】
上記(47)式において、実空気有効成分分圧Pxには、S90にて選択された燃料噴射制御方式がLジェトロ型燃料噴射方式である場合は空気有効成分分圧推定値Pmoが用いられ、A/F優先型燃料噴射方式である場合は空気有効成分分圧予測値Pmosが用いられる(以下、実空気有効成分分圧Pxについて同じ)。
【0218】
また、均一リーン燃焼形態KLと均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNとの間の中間燃焼形態の中間燃焼比率であるリーン比率LRATIOは、実空気有効成分分圧Px、均一リーン燃焼形態KLにおける空気有効成分分圧制御目標値PmosiKL、均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNにおける空気有効成分分圧制御目標値PmosiKSN を用いて、以下の(48)式により算出される。
【0219】
LRATIO=(Px-PmosiKSN)/(PmosiKL-PmosiKSN) ……(48)
すなわち、リーン比率LRATIOは、ベース燃焼形態と第1中間目標燃焼形態の空気有効成分分圧と、実空気有効成分分圧との関係から算出される。
【0220】
均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNと均一ストイキオ(EGR有り)燃焼形態KSEとの間の中間燃焼形態の中間燃焼比率であるEGR比率ERATIOは、実空気有効成分分圧Pxと吸気管6内の実際の圧力応答値のEGRガス有効成分分圧(以下、単に「実EGRガス有効成分分圧」という)Pyを用いて以下の(49)式により算出した予測EGR率EGRsと、均一ストイキオ(EGR有り)燃焼形態KSEのEGR量初期設定値EGRiを用いて、以下の(50)式により算出される。
【0221】
EGRS=(Py/Re)/(Px/Ra+Py/Re) ……(49)
ERATIO=EGRS/EGRi ……(50)
上記(49)式において、実EGRガス有効成分分圧Pyには、S90にて選択された燃料噴射制御方式がLジェトロ型燃料噴射方式である場合はEGRガス有効成分分圧推定値Pmeeが用いられ、A/F優先型燃料噴射方式である場合はEGRガス有効成分分圧予測値Pmeesが用いられる。(以下、実EGRガス有効成分分圧Pyについて同じ)。
【0222】
ここで、上記(47)、(48)、(49)式において、実空気有効成分分圧Pxと実EGRガス有効成分分圧Pyとに用いる圧力応答値をS90にて選択した燃料噴射制御方式に応じて選択する理由について、以下に簡単に説明する。
【0223】
空気有効成分分圧推定値Pmoは、吸気管圧力センサ33や吸入空気量センサ36等のセンサ類により検出したセンサ検出値を用いて算出されるため、センサ遅れやセンサ信号のノイズ処理による検出遅れがあり、特に中・低負荷運転時において過渡的に吸入空気量の変化があった場合に検出遅れを生じやすく、検出遅れ分の誤差が空燃比の誤差に繋がるおそれがあるという特徴を有している。
【0224】
しかし、空気有効成分分圧推定値Pmoは、センサ類により実際に検出したセンサ検出値を用いて求めているために絶対的な精度が高く、また、高負荷運転領域においては吸気管6のスロットルバルブ前後の差圧(以下、単に吸気管差圧という)が小さいため、検出遅れ分の誤差を許容することができるという利点を有している。
【0225】
一方、空気有効成分分圧予測値Pmosは、ETC16及びEGRバルブ25の開度指示値に基づいた理論的な計算値に基づいて算出されるため、空気有効成分分圧推定値Pmoのようなセンサによる検出遅れが無く、吸入空気量の過渡的な変化における精度が良いという利点を有している。
【0226】
しかし、高負荷運転時においては吸気管差圧は小さいため、ETC16によりスロットルバルブ14のスロットル開度を精密に開度制御しても計算値通りの吸入空気量をシリンダ内に吸入させることが困難であり、このような場合に吸入空気量の誤差を含み易く、空燃比の誤差に繋がるおそれがあるという特徴を有している。
【0227】
したがって、高負荷運転領域であるLジェトロ型燃料噴射制御方式ではより絶対的な精度が高い空気有効成分分圧推定値Pmoを用い、中・低負荷運転領域であるA/F優先型燃料噴射制御方式では、吸入空気量の過渡的な変化における精度が良くまた検出遅れによる誤差が生じない空気有効成分分圧予測値Pmosを用いることとしたものである。
【0228】
均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNと均一リッチ燃焼形態KRとの間の中間燃焼形態の中間燃焼比率であるリッチ比率RRATIOは、上記各中間燃焼比率の算出方法とは異なり、以下の方法により算出される。これは、均一リッチ燃焼形態の場合は、理論空燃比よりもリッチ側の空燃比による燃焼形態であり、中間燃焼形態の移行の度合は直接燃料噴射量に依存されるためである。
【0229】
リッチ比率RRATIOは、均一リッチ燃焼形態KRと均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNとの間の中間燃焼形態の開始後の時間に応じてリッチ比率を算出する。具体的には、以下の(51)式により算出される。
【0230】
RRATIO=RRATIO+DR ……(51)
(但し、DR:開始後時間補正係数)
すなわち、リッチ比率RRATIOは、ECU40のROM40d内に予め設定されている定数に補正係数を考慮することにより算出される。
【0231】
S110では、現状燃焼形態を実現する最終目標空燃比ABFifの算出が行われる。ここで算出される最終目標空燃比ABFifとは、ドライバが要求する目標トルクTeiを実現するための現状燃焼形態における目標空燃比をいい、第1中間目標燃焼形態目標空燃比初期設定値ABFiとベース燃焼形態目標空燃比初期設定値ABFibと中間燃焼比率RATIOとに基づいて算出される。
【0232】
図19は、最終目標空燃比算出手段81により行われる最終目標空燃比ABFifの算出ルーチンを示したフローチャートである。まず最初に、S1101では現状燃焼形態が定常燃焼形態であるか否かが判断される。ここで、定常燃焼形態である場合(YES)はその定常燃焼形態を実現する最終目標空燃比ABFifを算出すべく、S1107へ移行する。
【0233】
S1107では、定常燃焼形態を実現する最終目標空燃比ABFifの算出が行われる。最終目標空燃比ABFifは、第1中間目標燃焼形態初期設定値算出手段62によりその定常燃焼形態の初期設定値データマップを補間計算付にて参照することによって算出された第1中間燃焼形態目標空燃比初期設定値ABFiとされる。これは、以下の(53)式によって示される。(尚、(52)式は欠番。)
ABFif=ABFi ……(53)
したがって、例えば、第1現状燃焼形態把握手段56により把握された現状燃焼形態が成層燃焼形態SLであった場合は第1中間目標燃焼形態も成層燃焼形態SLであるため(第1現状燃焼形態把握手段56の処理参照)、第1中間目標燃焼形態初期設定値算出手段62により成層燃焼形態SLの目標空燃比算出用データマップを参照することにより算出した成層燃焼形態における目標空燃比初期設定値ABFiSLが最終目標燃焼形態ABFifと設定される。
【0234】
同様に、第1現状燃焼形態把握手段56により把握された現状燃焼形態が均一リーン燃焼形態KLであった場合には、第1中間目標燃焼形態初期設定値算出手段62により均一リーン燃焼形態の目標空燃比算出用データマップが参照され、均一リーン燃焼形態における目標空燃比初期設定値ABFiKLが最終目標燃焼形態ABFifと設定される。
【0235】
また、現状燃焼形態が均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSN、均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSE、均一リッチ燃焼形態KRの定常燃焼形態である場合にも同様であるので、その説明は省略する。
【0236】
そして、S1101にて、現状燃焼形態が定常燃焼形態でない(NO)と判断された場合は、S1102に移行し、S1102にて、第1現状燃焼形態把握手段56により把握された現状燃焼形態が均一リーン燃焼形態KLと成層燃焼形態SLとの間の中間燃焼形態であるか否かが判断される。
【0237】
ここで、現状燃焼形態が均一リーン燃焼形態KLと成層燃焼形態SLとの間の中間燃焼形態である場合(YES)は、これを実現する最終目標空燃比ABFifを算出すべく、S1103以降へ移行する。
【0238】
S1103では、均一リーン燃焼形態KLと成層燃焼形態SLとの間の中間燃焼形態における計算上の空燃比である仮目標空燃比の算出が行われる。仮目標空燃比ABFifiは、均一リーン燃焼形態KLにおける目標空燃比ABFiKLと、成層燃焼形態SLにおける目標空燃比ABFiSLと、成層比率SRATIOとを用いて、以下の(54)式により算出される。
【0239】
ABFifi=SRATIO ×ABFiSL+(1-SRATIO) ×ABFiKL ……(54)
ここで、成層燃焼形態SLの目標空燃比ABFiSLは、成層燃焼形態SLの目標空燃比算出用データマップを参照することにより算出される。成層燃焼形態SLが第1中間目標燃焼形態とされた場合は、第1中間目標燃焼形態初期設定値算出手段62により、ベース燃焼形態とされた場合はベース燃焼形態初期設定値算出手段72により算出される。
【0240】
また、均一リーン燃焼形態KLの目標空燃比ABFiKLは、均一リーン燃焼形態KLの目標空燃比算出用データマップを参照することにより算出される。均一リーン燃焼形態KLが第1中間目標燃焼形態形態とされた場合は、第1中間目標燃焼形態初期設定値算出手段62により、ベース燃焼形態とされた場合はベース燃焼形態初期設定値算出手段72により算出される。
【0241】
次に、S1104では、上記S1103にて算出した仮目標空燃比ABFifiと成層燃焼リッチ限界空燃比ABFrsとの比較が行なわれる。これにより、中間燃焼形態を成層燃焼運転又は均一燃焼運転のいずれにより行うかが選択設定される。
【0242】
ここで、仮目標空燃比ABFifiが成層燃焼リッチ限界空燃比ABFrsよりも大きい(ABFifi>ABFrs)場合(YES)は、成層燃焼リッチ限界よりもリーン側の目標空燃比であるため、成層燃焼運転により仮目標空燃比の実現が可能であるとして、S1106へ移行する。そして、S1106では、仮目標空燃比ABFifiを最終目標空燃比ABFifとする処理がなされる。
【0243】
また、仮目標空燃比ABFifiが成層燃焼リッチ限界空燃比ABFrs以下(ABFifi≦ABFrs)である場合(NO)は、成層燃焼リッチ限界空燃比ABFrsよりもリッチ側の目標空燃比であるため、成層燃焼形態による成層燃焼運転を実現できない。したがって、このような場合は、運転方法を均一燃焼運転に切り換えて目標トルクTeiを実現する必要がある。
【0244】
そこで、均一リーン燃焼形態により目標トルクTeiを実現することができる目標空燃比を最終目標空燃比ABFifとして設定すべく、S1105に移行する。
【0245】
S1105では、最終目標空燃比ABFifの算出が行われる。ここでは、第1中間目標燃焼形態初期設定値算出手段62、若しくはベース燃焼形態初期設定値算出手段72により、目標空燃比算出用データマップが参照されることにより均一リーン燃焼形態KLにおける目標空燃比ABFiKLが算出され、最終目標空燃比ABFifと設定される。
【0246】
次に、S1102にて現状燃焼形態が均一リーン燃焼形態KLと成層燃焼形態SLとの間の中間燃焼形態でない(NO)と判断された場合は、いずれの中間燃焼形態であるかを判断し、その中間燃焼形態を実現する最終目標空燃比ABFifを算出すべく更にS1108以降へ移行する。
【0247】
S1108では、第1現状燃焼形態把握手段56により把握された現状燃焼形態が均一リーン燃焼形態KLと均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNとの間の中間燃焼形態であるか否かが判断される。ここで、現状燃焼形態が均一リーン燃焼形態KLと均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNとの間の中間燃焼形態である場合(YES)は、これを実現する最終目標空燃比ABFifを算出すべく、S1109へ移行する。
【0248】
S1109では、均一リーン燃焼形態KLと均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNとの間の中間燃焼形態を実現する最終目標空燃比の算出が行われる。最終目標空燃比ABFifは、均一リーン燃焼形態KLにおける目標空燃比ABFiKLと、均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNにおける目標空燃比ABFiKSN と、リーン比率LRATIOとを用いて、以下の(55)式により算出される。
【0249】
ABFifi=LRATIO ×ABFiKL+(1-LRATIO) ×ABFiKSN ……(55)
ここで、均一リーン燃焼形態KLの目標空燃比ABFiKLは、第1中間目標燃焼形態初期設定値算出手段62、若しくはベース燃焼形態初期設定値算出手段72により、均一リーン燃焼形態KLの目標空燃比算出用データマップを参照することにより算出される。
【0250】
また、均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNの目標空燃比ABFiKSN は、第1中間目標燃焼形態初期設定値算出手段62、若しくはベース燃焼形態初期設定値算出手段72により、均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNの目標空燃比算出用データマップを参照することにより算出される。
【0251】
S1108にて、現状燃焼形態が均一リーン燃焼形態KLと均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNとの間の中間燃焼形態でない(NO)と判断された場合は、S1110以降へ移行する。
【0252】
S1110では、第1現状燃焼形態把握手段56により把握された現状燃焼形態が均一リッチ燃焼形態KRと均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNとの間の中間燃焼形態であるか否かが判断される。ここで、現状燃焼形態が均一リッチ燃焼形態KRと均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNとの間の中間燃焼形態である場合(YES)は、これを実現する最終目標空燃比ABFifを算出すべく、S1111へ移行する。
【0253】
S1111では、均一リッチ燃焼形態KRと均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNとの間の中間燃焼形態を実現する最終目標空燃比ABFifの算出が行われる。最終目標空燃比ABFifは、均一リッチ燃焼形態KRにおける目標空燃比ABFiKRと、均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNにおける目標空燃比ABFiKSN と、リッチ比率RRATIOとを用いて、以下の(56)式により算出される。
【0254】
ABFifi=RRATIO ×ABFiKR+(1-RRATIO) ×ABFiKSN ……(56)
ここで、均一リッチ燃焼形態KRの目標空燃比ABFiKRは、第1中間目標燃焼形態初期設定値算出手段62、若しくはベース燃焼形態初期設定値算出手段72により、均一リッチ燃焼形態KRの目標空燃比算出用データマップを参照することにより算出される。
【0255】
また、均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNの目標空燃比ABFiKSN は、第1中間目標燃焼形態初期設定値算出手段62、若しくはベース燃焼形態初期設定値算出手段72により、均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNの目標空燃比算出用データマップを参照することにより算出される。
【0256】
また、現状燃焼形態が均一リッチ燃焼形態KRと均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNとの間の中間燃焼形態でない場合(NO)は、その中間燃焼形態は均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNと均一ストイキオ(EGR有り)燃焼形態との間の中間燃焼形態であると判断し、これを実現する最終目標空燃比ABFifを算出すべくS1112へ移行する。
【0257】
S1112では、均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNと均一ストイキオ(EGR有り)燃焼形態KSEとの間の中間燃焼形態を実現する最終目標空燃比の算出が行われる。
【0258】
最終目標空燃比ABFifは、第1中間目標燃焼形態初期設定値算出手段62により設定された第1中間目標燃焼形態の目標空燃比算出用データマップを参照することにより算出された第1中間目標燃焼形態の目標空燃比ABFiとされる。
【0259】
これは、以下の(57)式によって示される。
【0260】
ABFif=ABFi ……(57)
したがって、例えば、第1中間目標燃焼形態が均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNであった場合、最終目標空燃比ABFifは均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNの目標空燃比算出用データマップを参照することにより算出され、第1中間目標燃焼形態が均一ストイキオ(EGR有り)燃焼形態KSEであった場合、均一ストイキオ(EGR有り)燃焼形態KSEの目標空燃比算出用データマップを参照することにより算出される。
【0261】
以上、S110の処理により現状燃焼形態を実現する最終目標空燃比ABFifを算出した後、最終燃料噴射量Gfssを算出すべくS120へ移行する。S120では、最終基本燃料噴射量Gfssの算出が行われる。ここで算出される最終基本燃料噴射量Gfssとは、現状燃焼形態を実現するための燃料噴射量であり、最終目標空燃比ABFifと吸気管6内の実際の圧力応答値(空気有効成分分圧推定値Pmo若しくは空気有効成分分圧予測値Pmos)に基づいて算出される。
【0262】
これは、例えば、ETC16とEGRバルブ25は、S60により現状燃焼形態を実現するための吸入空気量とEGR量を得る開度位置に制御されるが、スロットルバルブ14と燃焼室27との離間距離及び吸気管6の形状等に起因して、過渡運転等の場合には実際の吸気管6内の圧力応答値が制御目標値に対して遅れを生ずる場合があるため、実際の吸気管6内の圧力応答値に基づいて算出することにより、より正確な燃料噴射量を算出するためである。
【0263】
ここで、最終基本燃料噴射量算出手段82は、上述のS60にて算出した2種類の吸気管圧力応答値に基づく2種類の燃料噴射量を各々算出し、S90にて決定された燃料噴射制御方式に対応して2つの燃料噴射量の内の一方を最終燃料噴射量Gfssとして採用する。
【0264】
まず最初に、燃焼室8内に実際に吸入されると予測される吸入空気量である予測吸入空気量が圧力応答値と吸気系係数に基づいて算出される。ここで、Lジェトロ型予測吸入空気量GOS_Lは空気有効成分分圧推定値Pmoを用いて以下の(58)式により算出され、A/F優先型予測吸入空気量GOS_Aは空気有効成分分圧予測値Pmosを用いて以下の(59)式により算出される。
【0265】
GOS_L=d ×Pmo ……(58)
GOS_A=d ×Pmos ……(59)
次に、上記(58)、(59)式により算出した予測吸入空気量とS110にて算出した最終目標空燃比ABFifとに基づいて燃料噴射量が算出される。ここで、Lジェトロ型燃料噴射量Gfss_Lは、Lジェトロ型予測吸入空気量GOS_Lを用いて以下の(60)式により算出され、A/F優先型燃料噴射量Gfss_Aは、A/F優先型予測吸入空気量GOS_Aを用いて以下の(61)式により算出される。
【0266】
Gfss_L=GOS_L/ABFif …(60)
Gfss_A=GOS_A/ABFif …(61)
このように、上記(58)、(59)、(60)、(61)式により圧力応答値に空気有効成分分圧推定値Pmoを用いた場合における最終基本燃料噴射量Gfss_Lと、空気有効成分分圧予測値Pmosを用いた場合における最終基本燃料噴射量Gfss_Aが算出される。
【0267】
そして、S90により選択された燃料噴射制御方式がLジェトロ型燃料噴射制御方式である場合は、Lジェトロ型燃料噴射量Gfss_Lが最終基本燃料噴射量Gfssとして採用され、A/F優先型燃料噴射制御方式である場合は、A/F優先型燃料噴射量Gfss_Aが最終基本燃料噴射量Gfssとして採用される。
【0268】
これにより、現状燃焼形態を実現するための最終基本燃料噴射量Gfssを正確に算出することができる。尚、圧力応答値として空気有効成分分圧推定値Pmoを用いるか、若しくは空気有効成分分圧推定値Pmosを用いるかの理由については、中間燃焼比率RATIOの算出時における実空気有効成分分圧Pxの場合と同様であるのでその詳細な説明を省略する。
【0269】
S130以降では、予測トルクTesの算出が行われ、その予測トルクTesに対応した燃料噴射時期TJ、及び点火時期IGの算出が行われる。これにより、目標トルクTeiに対して実際に実現可能な予測トルクTesを実現するための燃料噴射時期、点火時期が算出される。
【0270】
S130では、予測トルク算出手段91の処理により、予測トルクTesの算出が行われる。ここで、予測トルクTesは、吸気管6内の実際の圧力応答値と目標トルクTeiを達成すべく設定された最終的な制御目標とされる圧力応答値との比を用いて、目標トルクTeiを補正することによって算出される。
【0271】
具体的には、以下の(62)、(63)式により算出される。
【0272】
Tes=Tei ×(Pmo/Pmosi) …(62)
Tes=Tei ×(Pmos/Pmosi) …(63)
そして、上記(62)、(63)式により算出された予測トルクTesのうちから、S90にて選択された燃料噴射制御方式に応じて一方が選択される。ここで、燃料噴射制御方式がLジェトロ型方式である場合には空気有効成分分圧推定値Pmoを用いて算出した上記(62)式による予測トルクTesが採用され、A/F優先型方式である場合には空気有効成分分圧予測値Pmosを用いて算出した上記(63)式による予測トルクTesが採用される。
【0273】
均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態と均一リーン燃焼形態との中間燃焼形態である場合は、リーン比率LRATIOに応じて予測トルクTesの算出方法が異なる。リーン比率LRATIOが1以上である場合(LRATIO≧1)は、均一リーン燃焼形態であるときの空気有効成分分圧制御目標値Pmosiと、空気有効成分分圧推定値Pmo又は空気有効成分分圧予測値Pmosのいずれか一方とを用いて予測トルクTesを算出する。
【0274】
また、リーン比率LRATIOが0以下である場合(LRATIO≦0)は、均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態であるときの空気有効成分分圧制御目標値Pmosiと、空気有効成分分圧推定値Pmo又は空気有効成分分圧予測値Pmosのいずれか一方とを用いて予測トルクTesを算出する。
【0275】
更に、リーン比率が0から1の間にある場合は(0<LRATIO<1)、目標トルクTeiを予測トルクTesとする。
【0276】
成層燃焼形態と均一リーン燃焼形態との中間燃焼形態である場合は、成層比率SRATIO及び仮目標空燃比ABFifiに応じて予測トルクTesの算出方法が異なる。仮目標空燃比ABFifiが成層リッチ限界空燃比ABFrsよりもリーン側で且つ成層比率SRATIOが1未満である場合(SRATIO<1)は、目標トルクTeiを予測トルクTesとして算出する。
【0277】
また、仮目標空燃比ABFifiが成層リッチ限界空燃比ABFrsよりもリーン側で且つ成層比率SRATIOが1以上である場合(SRATIO≧1)は、成層燃焼形態における空気有効成分分圧制御目標値Pmosiと、空気有効成分分圧推定値Pmo又は空気有効成分分圧予測値Pmosのいずれか一方とを用いて予測トルクTesを算出する。
【0278】
更に、仮目標空燃比ABFifiが成層リッチ限界空燃比ABFrsよりもリッチ側にある場合は、均一リーン燃焼形態であるときの空気有効成分分圧制御目標値Pmosiと、空気有効成分分圧推定値Pmo又は空気有効成分分圧予測値Pmosのいずれか一方とを用いて予測トルクTesを算出する。
【0279】
S140では、燃料噴射時期算出手段94の処理により基本燃料噴射時期TJの算出が行われる。基本燃料噴射時期TJは、定常燃焼形態毎に設けられている予測トルクTesとエンジン回転数Neとをパラメータとする燃料噴射時期算出用データマップを補間計算付にて参照することにより算出される。
【0280】
ここで、現状燃焼形態が定常燃焼形態である場合は、第1中間燃焼形態の燃料噴射時期算出用データマップに基づいて算出した燃料噴射時期TJiが基本燃料噴射時期TJとされる。
【0281】
また、現状燃焼形態が中間燃焼形態であり、かつ中間燃焼形態が均一リーン燃焼形態KLと成層燃焼形態SLとの間の中間燃焼形態以外の場合は、ベース燃焼形態の燃料噴射時期算出用データマップを参照することにより算出したベース燃焼形態燃料噴射時期TJbと、第1中間目標燃焼形態の燃料噴射時期算出用データマップを参照することにより算出した第1中間目標燃焼形態燃料噴射時期TJiとを、中間燃焼比率RATIOにより直線補間した値が基本燃料噴射時期TJとされる。
【0282】
中間燃焼形態が均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNと均一リッチ燃焼形態KRとの間の中間燃焼形態である場合における燃料噴射時期の算出は、均一リーン燃焼形態の燃料噴射時期算出用データマップにより算出した燃料噴射時期TJKRと、均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNの燃料噴射時期算出用データマップにより算出した燃料噴射時期TJKSN と、リッチ比率RRATIOを用いて以下の(64)式により行われる。
【0283】
TJ=RRATIO ×TJKR+(1-RRATIO) ×TJKSN ……(64)
均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNと均一リーン燃焼形態KLとの間の中間燃焼形態における燃料噴射時期の算出は、均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNの燃料噴射時期算出用データマップにより算出した燃料噴射時期TJKSN と、均一リーン燃焼形態KLの燃料噴射時期算出用データマップにより算出した燃料噴射時期TJKLと、リーン比率LRATIOを用いて以下の(65)式により行われる。
【0284】
TJ=LRATIO ×TJKL+(1-LRATIO) ×TJKSN ……(65)
均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNと均一ストイキオ(EGR有り)燃焼形態KSEとの間の中間燃焼形態における燃料噴射時期の算出は、均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNの燃料噴射時期算出用データマップにより算出した燃料噴射時期TJKSN と、均一ストイキオ(EGR有り)燃焼形態KSEの燃料噴射時期算出用データマップにより算出した燃料噴射時期TJKSE と、EGR比率ERATIOを用いて以下の(66)式により行われる。
【0285】
TJ=ERATIO ×TJKSE+(1-ERATIO)×TJKSN ……(66)
このように、中間燃焼形態が均一リーン燃焼形態KLと成層燃焼形態SLとの間の中間燃焼形態以外である場合の基本燃料噴射時期TJは、上記(64)、(65)、(66)式によりベース燃焼形態と第1中間目標燃焼形態の燃料噴射時期を中間燃焼比率RATIOにより直線補間することにより算出される。これは、中間燃焼形態における燃料噴射時期は空燃比と連動してほぼ直線的に動くことが実験により確認されていることに基づくものである。
【0286】
また、均一リーン燃焼形態KLと成層燃焼形態SLとの間の中間燃焼形態における燃料噴射時期の算出は、中間燃焼形態を行う燃焼運転方式毎(均一燃焼運転、若しくは成層燃焼運転)に設けられている燃料噴射時期算出用データマップを参照することによって算出される。
【0287】
これは、成層燃焼運転と均一燃焼運転とでは燃料を噴射するタイミングが全く異なるため、上述の3種類の中間燃焼形態のようにベース燃焼形態と第1中間目標燃焼形態との燃料噴射時期を直線補間により算出することができないからである。
【0288】
したがって、燃焼運転方式が均一燃焼運転である場合(すなわち、仮目標空燃比が成層リッチ限界空燃比よりもリッチ側)の燃料噴射時期TJは、均一リーン燃焼形態用の燃料噴射時期算出用データマップを参照することにより算出され、燃焼運転方式が成層燃焼運転方式である場合(すなわち、仮目標空燃比が成層リッチ限界空燃比よりもリーン側)の燃料噴射時期TJは、成層燃焼形態用の燃料噴射時期算出用データマップを参照することにより算出される。
【0289】
以上のように算出した基本燃料噴射時期TJを用いることにより、目標トルクTeiに合わせた燃料噴射時期ではなく実際に出力される予測トルクTesに適合した噴射時期で燃料を噴射することができ、特に過渡時における燃料噴射時期の制御性を向上することができる。
【0290】
S150では、基本点火時期算出手段97の処理により基本点火時期IGの算出が行われる。基本点火時期IGは、各定常燃焼形態毎に設けられている予測トルクTesとエンジン回転数Neとをパラメータとする点火時期算出用データマップを補間計算付にて参照することにより算出される。
【0291】
現状燃焼形態が定常燃焼形態である場合は、第1中間燃焼形態の点火時期算出用データマップに基づいて算出された点火時期IGiが基本点火時期IGとされる。
【0292】
また、現状燃焼形態が中間燃焼形態であり、かつ中間燃焼形態が均一リーン燃焼形態KLと成層燃焼形態SLとの間の中間燃焼形態以外の場合は、ベース燃焼形態の点火時期算出用データマップを参照することにより算出したベース燃焼形態点火時期IGbと、第1中間目標燃焼形態の点火時期算出用データマップを参照することにより算出した第1中間目標燃焼形態点火時期IGiとを、中間燃焼比率RATIOにより直線補間した値が基本点火時期IGとされる。
【0293】
中間燃焼形態が、均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNと均一リッチ燃焼形態KRとの間の中間燃焼形態における点火時期の算出は、均一リーン燃焼形態の点火時期算出用データマップにより算出した点火時期IGKRと、均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNの点火時期算出用データマップにより算出した点火時期IGKSN と、リッチ比率RRATIOを用いて以下の(67)式により行われる。
【0294】
IG=RRATIO ×IGKR+(1-RRATIO) ×IGKSN ……(67)
均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNと均一リーン燃焼形態KLとの間の中間燃焼形態における点火時期の算出は、均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNの点火時期算出用データマップにより算出した点火時期IGKSN と、均一リーン燃焼形態KLの点火時期算出用データマップにより算出した点火時期IGKLと、リーン比率LRATIOを用いて以下の(68)式により行われる。
【0295】
IG=LRATIO ×IGKL+(1-LRATIO) ×IGKSN ……(68)
均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNと均一ストイキオ(EGR有り)燃焼形態KSEとの間の中間燃焼形態における点火時期の算出は、均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNの点火時期算出用データマップにより算出した点火時期IGKSN と、均一ストイキオ(EGR有り)燃焼形態KSEの点火時期算出用データマップにより算出した点火時期IGKSE と、EGR比率ERATIOを用いて以下の(69)式により行われる。
【0296】
IG=ERATIO ×IGKSE+(1-ERATIO)×IGKSN ……(69)
このように、中間燃焼形態が均一リーン燃焼形態KLと成層燃焼形態SLとの間の中間燃焼形態以外である場合の基本点火時期IGは、上記(67)、(68)、(69)式によりベース燃焼形態と第1中間目標燃焼形態の点火時期を中間燃焼比率RATIOにより直線補間することにより算出される。これは、燃料噴射時期と同様に中間燃焼形態における点火時期は空燃比と連動してほぼ直線的に動くことが実験により確認されていることに基づくものである。
【0297】
また、均一リーン燃焼形態KLと成層燃焼形態SLとの間の中間燃焼形態における点火時期の算出は、中間燃焼形態を行う燃焼運転方式毎(均一燃焼運転、若しくは成層燃焼運転)に設けられている点火時期算出用データマップを参照することによって算出される。
【0298】
これは、成層燃焼運転と均一燃焼運転とで点火時期が異なるため、上述の3種類の中間燃焼形態のようにベース燃焼形態と第1中間目標燃焼形態との点火時期を直線補間により算出することができないからである。
【0299】
したがって、燃焼運転方式が均一燃焼運転である場合(すなわち、仮目標空燃比が成層リッチ限界空燃比よりもリッチ側)の点火時期IGは、均一リーン燃焼形態用の点火時期算出用データマップを参照することにより算出され、燃焼運転方式が成層燃焼運転方式である場合(すなわち、仮目標空燃比が成層リッチ限界空燃比よりもリーン側)の点火時期IGは、成層燃焼形態用の点火時期算出用データマップを参照することにより算出される。
【0300】
以上のように算出した基本点火時期IGを用いることにより、目標トルクTeiに合わせた点火時期ではなく実際に出力される予測トルクTesに適合した点火時期で点火することができ、特に過渡時における点火時期の制御性を向上することができる。
【0301】
S160では、現状燃焼形態が中間燃焼形態である場合に、その中間燃焼形態の実現により第1中間目標燃焼形態に移行が終了したか否かが判断される。中間燃焼形態の終了判定には、中間燃焼比率RATIOが用いられ、中間燃焼形態の実現を続行するのか、それとも終了するのかが判断される。
【0302】
現状燃焼形態が成層燃焼形態SLと均一リーン燃焼形態KLとの間の中間燃焼形態で第1中間目標燃焼形態が成層燃焼形態SLである場合、成層比率SRATIOが1以上であるときは中間燃焼形態の実現により現状燃焼形態が第1中間目標燃焼形態である成層燃焼形態となっていると判断され終了判定がなされ、1未満である場合は未だ第1中間目標燃焼形態とはなっていないと判断され続行判定がなされる(図5参照)。
【0303】
また、現状燃焼形態が成層燃焼形態SLと均一リーン燃焼形態KLとの間の中間燃焼形態で第1中間目標燃焼形態が均一リーン燃焼形態KLである場合、仮目標空燃比ABFifiが成層燃焼リッチ限界空燃比ABFrs未満であるときは中間燃焼形態の実現により現状燃焼形態が第1中間目標燃焼形態である均一リーン燃焼形態KLとなっていると判断され終了判定がなされ、成層燃焼リッチ限界空燃比ABFrs以上であるときは第1中間目標燃焼形態となっていると判断され続行判定がなされる(図5参照)。
【0304】
現状燃焼形態が均一リーン燃焼形態KLと均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNとの間の中間燃焼形態で第1中間目標燃焼形態が均一リーン燃焼形態KLである場合、リーン比率LRATIOが1以上であるときは現状燃焼形態が第1中間目標燃焼形態である均一リーン燃焼形態KLとなっていると判断され終了判定がなされ、1未満である場合は未だ第1中間目標燃焼形態とはなっていないと判断され続行判定がなされる(図5参照)。
【0305】
また、現状燃焼形態が均一リーン燃焼形態KLと均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNとの間の中間燃焼形態で第1中間目標燃焼形態が均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNである場合、リーン比率LRATIOが0以下であるときは現状燃焼形態が第1中間目標燃焼形態である均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNとなっていると判断され終了判定がなされ、0よりも大きい場合は未だ第1中間目標燃焼形態となっていないと判断され続行判定がなされる(図5参照)。
【0306】
現状燃焼形態が均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNと均一リッチ燃焼形態KRの間の中間燃焼形態で第1中間目標燃焼形態が均一リッチ燃焼形態KRである場合、リッチ比率RRATIOが1以上であるときは現状燃焼形態が第1中間目標燃焼形態である均一リッチ燃焼形態KRとなっていると判断され終了判定がなされ、1未満である場合は未だ第1中間目標燃焼形態とはなっていないと判断され続行判定がなされる(図5参照)。
【0307】
また、現状燃焼形態が均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNと均一リッチ燃焼形態KRとの間の中間燃焼形態で第1中間目標燃焼形態が均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNである場合、リッチ比率RRATIOが0以下であるときは現状燃焼形態が第1中間目標燃焼形態である均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNとなっていると判断され終了判定がなされ、0よりも大きい場合は未だ第1中間目標燃焼形態とはなっていないと判断され続行判定がなされる(図5参照)。
【0308】
現状燃焼形態が均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNと均一ストイキオ(EGR有り)燃焼形態KSEの間の中間燃焼形態で第1中間目標燃焼形態が均一ストイキオ(EGR有り)燃焼形態KSEである場合、EGR比率ERATIOが1以上であるときは現状燃焼形態が第1中間目標燃焼形態である均一ストイキオ(EGR有り)燃焼形態KSEとなっていると判断され終了判定がなされ、1未満である場合は未だ第1中間目標燃焼形態とはなっていないと判断され続行判定がなされる(図5参照)。
【0309】
また、現状燃焼形態が均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNと均一ストイキオ(EGR有り)燃焼形態KSEとの間の中間燃焼形態で第1中間目標燃焼形態が均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNである場合、EGR比率ERATIOが0以下であるときは現状燃焼形態が第1中間目標燃焼形態である均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNとなっていると判断され終了判定がなされ、0よりも大きい場合は未だ第1中間目標燃焼形態とはなっていないと判定され続行判定がなされる(図5参照)。このように、現状燃焼形態の状態を判定した後に、S170へ移行する。
【0310】
S170では、現状燃焼形態把握手段55による現状燃焼形態の把握が行われる。ここでは、S160の中間燃焼形態終了判定の判定結果に応じて中間目標燃焼形態の更新及び現状燃焼形態の把握設定が行われる。図20は、現状燃焼形態把握手段55の中間目標燃焼形態更新手段54と第2現状燃焼形態把握手段57により行われるルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
【0311】
まず最初に、S1701では、S160の判定が終了判定である場合(YES)は、新たな第1中間目標燃焼形態及び第2中間目標燃焼形態を設定すべくS1702へ移行する。また、継続判定である場合(NO)は、更に中間燃焼形態を実現すべく、本ルーチンを抜ける(リターン)。
【0312】
S1702では、第1中間目標燃焼形態と第2中間目標燃焼形態の更新が行われる。ここで、中間目標燃焼形態更新手段54により、第1中間目標燃焼形態はS40により設定されていた第2中間目標燃焼形態を新たな第1中間目標燃焼形態として更新され、第2中間目標燃焼形態はS40にて設定されていた最終目標燃焼形態を新たな第2中間目標燃焼形態として更新される。そして、新たな現状燃焼形態を把握すべく、S1703へ移行する。
【0313】
S1703では、S1702により更新される前の第1中間目標燃焼形態と更新された後の第1中間目標燃焼形態とが同一の燃焼形態であるか否かの比較が行われる。ここで、更新前後の第1中間目標燃焼形態が同一の燃焼形態である場合(YES)は、S1704へ移行する。
【0314】
S1704では、第2現状燃焼形態把握手段57により更新後の第1中間目標燃焼形態に設定されている定常燃焼形態を現状燃焼形態と把握する処理がなされる。これにより、現状燃焼形態は最終目標燃焼形態と一致した定常燃焼形態であると把握することができる。そして、本ルーチンを抜ける(リターン)。
【0315】
また、S1703にて、更新前後の第1中間目標燃焼形態が異なる燃焼形態である場合(NO)は、燃焼形態の変更制御途中であると判断してS1705へ移行する。S1705では、更新前の第1中間目標燃焼形態と更新後の第1中間目標燃焼形態との間の中間燃焼形態を現状燃焼形態と把握する処理がなされる。これにより、現状燃焼形態は中間燃焼形態であり、第1中間目標燃焼形態に変更制御中であると把握することができる。そして、本ルーチンを抜ける(リターン)。
【0316】
このように、S170では現状燃焼形態の把握が行われ、現状燃焼形態が最終目標燃焼形態である定常燃焼形態であるのか、若しくはベース燃焼形態から第1中間目標燃焼形態への間の中間燃焼形態であるのかが把握される。
【0317】
S170にて定常燃焼形態と把握された場合は、その定常燃焼形態によるエンジン制御が行われ、中間燃焼形態と把握された場合は、燃焼形態が最終目標燃焼形態と同一の定常燃焼形態となるまで燃焼形態の変更制御が行われる。
【0318】
以上の制御を行うことにより、状況に応じて選択された最終目標燃焼形態によりエンジン運転を行うことができる。また、定常燃焼形態を変更する場合は、間に中間燃焼形態を介することにより燃料噴射時期と点火時期を実際に実現される出力トルクと適合させることができ、各定常燃焼形態間のトルクのつながりを滑らかなものとすることができる。したがって、ドライバの要求とエンジン出力との関係を一定のものとすることができる。以上の制御を行った後に本ルーチンを抜ける(リターン)。
【0319】
次に、上述の制御ルーチンにより行われる燃焼形態の変更制御の動作例1を図21に基づいて説明する。図21は、動作例1における現状燃焼形態、第1中間目標燃焼形態、第2中間目標燃焼形態、最終目標燃焼形態の設定及び把握状態を時経過を追って示した説明図である。
【0320】
本動作例は、現状燃焼形態が成層燃焼形態SLによる定常燃焼形態であると把握されている場合において、最終目標燃焼形態設定手段51により最終目標燃焼形態が均一リッチ燃焼形態KRと設定された場合について、中間目標燃焼形態の設定から現状燃焼形態が最終目標燃焼形態と同一の定常燃焼形態に変更されるまでの制御について説明するものである。
【0321】
まず最初に、ステップ1は、最終目標燃焼形態設定手段51により最終目標燃焼形態が変更される前の状態を示している。したがって、現状燃焼形態、第1中間目標燃焼形態、第2中間目標燃焼形態、最終目標燃焼形態の全ての燃焼形態が成層燃焼形態SLに設定されている。
【0322】
ここで、現状燃焼形態は、定常燃焼形態である成層燃焼形態と把握されているので、現状燃焼形態を維持したエンジン制御が行われている。したがって、エンジン1は、成層燃焼形態により目標トルクTeiを実現すべく制御されている。
【0323】
ステップ2は、最終目標燃焼形態設定手段51により最終目標燃焼形態が異なる燃焼形態に変更され、それに応じて中間目標燃焼形態設定手段52により第1中間目標燃焼形態と第2中間目標燃焼形態が新たに設定された直後の状態を示している。
【0324】
最終目標燃焼形態は、最終目標燃焼形態設定手段51により均一リッチ燃焼形態KRと設定される。また、第1中間目標燃焼形態と第2中間目標燃焼形態は、中間目標燃焼形態設定手段52により変更後の最終目標燃焼形態である均一リッチ燃焼形態KRと現状燃焼形態である成層燃焼形態SLとに基づいて中間目標燃焼形態指示テーブル(表1〜3参照)を参照することにより、それぞれ均一リーン燃焼形態KLと均一ストイキオ(EGR無し)燃焼形態KSNとに設定される。
【0325】
ステップ3は、第1現状燃焼形態把握手段56により現状燃焼形態が現状燃焼形態と第1中間目標燃焼形態1との間の中間燃焼形態であると把握された状態を示している。これは、ステップ2において新たな第1中間目標燃焼形態が設定された際に、現状燃焼形態と第1中間目標燃焼形態が異なる燃焼形態であることから、第1現状燃焼形態把握手段56により、現状燃焼形態と第1中間目標燃焼形態との間の中間燃焼形態が現状燃焼形態と把握されたことによるものである。
【0326】
これにより、現状燃焼形態は、成層燃焼形態SLと均一リーン燃焼形態KLとの間の中間燃焼形態と把握され、第1中間目標燃焼形態への燃焼形態の変更制御が行われる。
【0327】
ステップ4は、第1中間目標燃焼形態への変更制御の結果、中間燃焼形態が終了し、中間目標燃焼形態及び現状燃焼形態が更新された状態を示している。これは、ステップ3にて把握された現状燃焼形態が中間燃焼形態であったため、現状燃焼形態を第1中間目標燃焼形態に変更する制御が行われ、その結果、燃焼形態の第1中間目標燃焼形態への変更が終了した場合、すなわち現状燃焼形態が第1中間目標燃焼形態と同一の燃焼形態となったときに、中間燃焼形態終了判定が中間燃焼形態終了判定手段53によりなされる。
【0328】
そして、この終了判定を受けた中間目標燃焼形態更新手段54により、第1中間目標燃焼形態と第2中間目標燃焼形態の更新が行われ、第1現状燃焼形態把握手段56により、更新前の第1中間目標燃焼形態と更新後の第1中間目標燃焼形態との比較が行われる。そして、両定常燃焼形態が異なる燃焼形態であったため更新前と更新後の第1中間燃焼形態の間の中間燃焼形態を現状燃焼形態として把握する。
【0329】
したがって、現状燃焼形態は均一リーン燃焼形態と均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態との間の中間燃焼形態と把握される。ここで、現状燃焼形態が中間燃焼形態であると把握されているので、引き続き、燃焼形態を第1中間目標燃焼形態に変更する制御が行われる。
【0330】
ステップ5は、ステップ4による第1中間目標燃焼形態への変更制御の結果、中間燃焼形態が終了し、中間目標燃焼形態及び現状燃焼形態が更新された状態を示している。その内容については、ステップ4と同様であるのでその詳細な説明を省略する。したがって、現状燃焼形態は、均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態と均一リッチ燃焼形態との間の中間燃焼形態として把握され、引き続き、燃焼形態を第1中間目標燃焼形態に変更する制御が行われる。
【0331】
ステップ6は、ステップ5による第1中間目標燃焼形態への変更制御の結果、中間燃焼形態が終了し、中間目標燃焼形態及び現状燃焼形態の更新が行われた状態を示している。
【0332】
ここでは、第2現状燃焼形態把握手段57により更新前と更新後の第1中間目標燃焼形態との比較が行われ、更新前と更新後が共に均一リッチ燃焼形態KRであり、燃焼形態が共に一致することからことから、更新後の第1中間目標燃焼形態である定常燃焼形態が現状燃焼形態として把握される。ここで、現状燃焼形態は、定常燃焼形態と把握されているので、その定常燃焼形態を維持する制御が行われる。
【0333】
すなわち、この状態にて燃焼形態の切り換えは終了し、状況の変化により最終目標燃焼形態が他の異なる定常燃焼形態に変更されない限り、現在の定常燃焼形態が維持される。したがって、現状燃焼形態である均一リーン燃焼形態が維持され、均一リーン燃焼形態によるエンジン運転が行われる。以上のようにして、現状燃焼形態は、最終目標燃焼形態と同一の燃焼形態に変更される。
【0334】
次に、燃焼形態の変更制御の他の動作例である動作例2を図22に基づいて説明する。図22は、動作例2における現状燃焼形態、第1中間目標燃焼形態、第2中間目標燃焼形態、最終目標燃焼形態の設定及び把握状態を時経過を追って示した説明図である。
【0335】
本動作例は、当初、均一ストイキオ(EGR無し)燃焼形態KSNが現状燃焼形態で、成層燃焼形態SLが最終目標燃焼形態として設定され、該設定による制御によって現状燃焼形態が均一ストイキオ(EGR無し)燃焼形態KSNと均一リーン燃焼形態KLとの間の中間燃焼形態となっている場合において、運転状況の変化により最終目標燃焼形態設定手段51によって最終目標燃焼形態が均一ストイキオ(EGR無し)燃焼形態KSNに変更された場合について説明するものである。
【0336】
ステップ1は、当初の現状燃焼形態と最終目標燃焼形態とから指示テーブルを参照することにより設定された変更ルートに従って最終目標燃焼形態へ変更制御されている状態における燃焼形態の設定状況を示しており、状況の変化により最終目標燃焼形態が変更される前の状態を示している。
【0337】
現状燃焼形態は均一ストイキオ(EGR無し)燃焼形態KSNと均一リーン燃焼形態KLとの間の中間燃焼形態であると把握されており、第1中間目標燃焼形態は均一リーン燃焼形態KL、第2中間目標燃焼形態及び最終目標中間燃焼形態は成層燃焼形態SLと把握されている。
【0338】
ステップ2は、最終目標燃焼形態設定手段51により最終目標燃焼形態が変更され、それに応じて中間目標燃焼形態設定手段52により第1中間目標燃焼形態及び第2中間目標燃焼形態が設定された直後の状態を示している。
【0339】
ここで、最終目標燃焼形態は、均一ストイキオ(EGR無し)燃焼形態KSNと設定され、第1中間目標燃焼形態及び第2中間目標燃焼形態は、中間目標燃焼形態指示テーブル(表1参照)により均一ストイキオ(EGR無し)燃焼形態KSNと設定される。これにより、現状燃焼形態の設定は変更されないが、中間燃焼形態の設定は変更される。
【0340】
ステップ3は、第1現状燃焼形態56により現状燃焼形態の更新が行われた状態を示している。ここで、第1現状燃焼形態56は、現状燃焼形態が定常燃焼形態ではないので、現状燃焼形態の把握を行わない。したがって、ステップ2の設定は変更されなず、第1中間目標燃焼形態に設定されている均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態KSNに向かって燃焼形態の変更制御がなされる。これにより、中間燃焼形態の変更の方向性は逆転する。
【0341】
ステップ4は、ステップ3により方向性が逆転した中間燃焼形態の実施により現状燃焼形態が第1中間目標と同一の燃焼形態となり、中間目標燃焼形態更新手段54により第1中間目標燃焼形態と第2中間目標燃焼形態の更新が行われた状態を示している。
【0342】
ここで、第2現状燃焼形態把握手段57により更新前と更新後の第1中間目標燃焼形態との比較が行われ、更新前と更新後が共に均一ストイキオ(EGR無し)燃焼形態KSNであることから、現状燃焼形態の設定し直しは行われない。すなわち、この状態にて燃焼形態の切り換えは終了し、状況の変化により最終目標燃焼形態が他の異なる定常燃焼形態に変更されない限り、現在の定常燃焼形態である均一ストイキオ(EGR無し)燃焼形態KSNが維持される。
【0343】
このように、現状燃焼形態と最終目標燃焼形態との間に中間目標燃焼形態を設定し、現状燃焼形態から中間目標燃焼形態を介して最終目標燃焼形態へ燃焼形態を変更する燃焼形態の変更制御を行うことによって、燃焼形態の変更制御中に状況に応じて最終目標燃焼形態が変更され新たな最終目標燃焼形態が設定された場合に、燃焼形態の変更制御の方向性を迅速に変更することができ、現状燃焼形態を最終目標燃焼形態へ最短に変更させることができる。
【0344】
尚、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨内にて種々の変更が可能である。例えば、上述の実施の形態では、5種類の定常燃焼形態を最終目標燃焼形態として選択することが可能であるエンジンについて説明したがこれに限定されるものではなく、例えば、均一リーン燃焼形態、均一ストイキオ(EGRなし)燃焼形態、均一ストイキオ(EGR有り)燃焼形態、均一リッチ燃焼形態の4種類の燃焼形態を実現できるエンジンにおいても適用することができる。
【0345】
したがって、上述の実施の形態では、シリンダ内に燃料を直接噴射する筒内噴射型エンジンを用いた例を示したが、これに限定されるものではなく、通常の吸気マニホールドに燃料を噴射するタイプのエンジンにおいても、適用することができる。
【0346】
また、本実施の形態では、目標トルクに対応して空気有効成分とEGRガス有効成分とを推定しながら吸気制御及びEGR制御を行う例を用いて説明したが、これに限定されるものでなく、EGR制御を行わない又はEGRバルブを設置していないエンジンにも適用することができる。これらの場合には、EGRバルブ通過ガス流量Qeを0、すなわち、マニホールド全圧Pmが新気分圧モデル値Pfa、空気有効成分分圧推定値Pmoと等しいものとして、スロットル通過空気流量Qaとによりスロットル開度Saを算出すると共に、予測トルクを求めることでEGR制御を行わない又はEGRバルブを設置していないエンジンにも適用できる。
【0347】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るエンジン制御装置によれば、燃焼形態を変更する際に中間燃焼形態を実現することにより、変更時に実際に実現される出力トルクに適合した燃料噴射量、点火時期、燃料噴射時期等の制御を行うことができ、出力トルクの滑らかなつながりを確保でき、トルクショックの発生を抑制することができる。そして、ドライバの意思とエンジン出力とを常に対応させ、エンジン出力の追従性を向上させることができ、運転フィーリングの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるエンジン制御装置が適用されるエンジン装置の全体構成説明図である。
【図2】ECUの概略構成説明図である。
【図3】電子制御ユニットがその内部にてエンジン制御に関して実現する各機能を概略的に説明する説明図である。
【図4】メイン制御部が有する燃焼形態の選択制御機能を説明するためのブロック図である。
【図5】エンジンにより実現される燃焼形態を図式化して示した説明図である。
【図6】ETCとEGRバルブの制御値の算出機能と、中間燃焼比率の算出機能を説明するためのブロック図である。
【図7】本発明で採用する吸気系モデルを示したものである。
【図8】通常の燃焼形態における最終目標空燃比と最終基本燃料噴射量の算出機能を説明するブロック図である。
【図9】均一リーン燃焼形態と成層燃焼形態と間の中間燃焼形態のみにおける最終目標空燃比と最終基本燃料噴射量の算出機能を説明するブロック図である。
【図10】インジェクタから燃料を噴射するタイミングである燃料噴射時期を算出する機能を説明するブロック図である。
【図11】点火プラグにて点火を行うタイミングである点火時期を算出する機能を説明するブロック図である。
【図12】エンジン始動動作時に割り込み実行される初期化ルーチンである。
【図13】燃焼形態の設定、及び吸気・EGR量の制御、燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期の制御を行うルーチンプログラムである。
【図14】最終目標燃焼形態の選択設定ルーチンを示したフローチャートである。
【図15】中間目標燃焼形態設定手段により行われる中間目標燃焼形態の設定を行う制御ルーチンを示したフローチャートである。
【図16】第1現状燃焼形態把握手段により行われる現状燃焼形態の把握設定の制御ルーチンを示したフローチャートである。
【図17】ETCとEGRバルブの制御量の算出ルーチンを示したフローチャートである。
【図18】燃料噴射制御方式を決定するルーチンを示すフローチャートである。
【図19】最終目標空燃比算出手段により行われる最終目標空燃比の算出ルーチンを示したフローチャートである。
【図20】現状燃焼形態把握手段の中間目標燃焼形態更新手段と第2現状燃焼形態把握手段により行われるルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
【図21】動作例1における現状燃焼形態、第1中間目標燃焼形態、第2中間目標燃焼形態、最終目標燃焼形態の設定及び把握状態を時経過を追って示した説明図である。
【図22】動作例2における現状燃焼形態、第1中間目標燃焼形態、第2中間目標燃焼形態、最終目標燃焼形態の設定及び把握状態を時経過を追って示した説明図である。
【符号の説明】
16 ETC(電子制御スロットルバルブ)
22 NOx吸蔵触媒
25 EGRバルブ
32 アクセル開度センサ
33 吸気管圧力センサ
38 マスターバッグ内圧センサ
40 ECU(電子制御ユニット)
51 最終目標燃焼形態設定手段
52 中間目標燃焼形態設定手段
53 中間燃焼形態終了判定手段
54 中間目標燃焼形態更新手段
55 現状燃焼形態把握手段
56 第1現状燃焼形態把握手段
57 第2現状燃焼形態把握手段
61 目標トルク設定手段
62 第1中間目標燃焼形態初期設定値算出手段
63 第1中間目標燃焼形態制御目標値設定手段
64 推定値算出手段
65 フィードバック制御部
66 予測値算出手段
67 ETC開度指示値算出手段
68 EGRバルブ開度指示値算出手段
72 ベース初期設定値算出手段
73 ベース制御目標値算出手段
74 中間燃焼比率算出手段
81 最終目標空燃比算出手段
82 最終基本燃料噴射量算出手段
83 仮目標空燃比算出手段
84 中間燃焼時均一成層切り替え手段
91 予測トルク算出手段
92 第1中間目標燃焼形態基本燃料噴射時期算出手段
93 ベース燃焼形態基本燃料噴射時期算出手段
94 最終基本燃料噴射時期算出手段
95 第1中間目標燃焼形態基本点火時期算出手段
96 ベース燃焼形態基本点火時期算出手段
97 最終基本点火時期算出手段[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an engine control device that realizes a combustion mode selected from a plurality of different combustion modes according to an engine operating state.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, in a vehicle engine, there is an engine control device that performs engine operation by switching a plurality of different combustion modes in accordance with an engine speed and an engine load in order to improve fuel efficiency.
[0003]
For example, in a direct injection engine that directly injects fuel into the combustion chamber, fuel is injected into the combustion chamber just before the ignition timing, and the periphery of the spark plug is rich (rich), but the entire combustion chamber is lean. Stratified combustion in which a stratified mixture is formed and burned is possible, and fuel consumption can be reduced by reducing pumping loss by this stratified combustion operation.
[0004]
However, since stratified combustion has a very narrow operable region and is not suitable for high-power operation, the effect of reducing fuel consumption is limited in consideration of normal travel.
[0005]
Thus, uniform lean combustion may be performed as combustion that improves fuel efficiency even in a region where the load is higher than in stratified combustion. Uniform lean combustion is a lean combustion by supplying a uniform air-fuel mixture that is thinner than the stoichiometric air-fuel ratio into the combustion chamber and can reduce the pumping loss compared to normal combustion. Thermal efficiency can be improved. Thereby, the reduction effect of a fuel consumption can be acquired.
[0006]
However, in the case of lean combustion such as stratified combustion or uniform lean combustion, a large amount of O in the exhaust gas.2 Therefore, NOx reduction reaction does not occur, and it is difficult to purify this with a three-way catalyst. Therefore, as an exhaust gas purification device for an engine that performs lean combustion, a NOx storage catalyst that can temporarily store NOx by lean combustion has been used.
[0007]
In such an engine, a temporary uniform rich combustion operation is required in order to purify the NOx stored in the NOx storage catalyst during lean combustion. By this uniform rich combustion operation, CO, HC, H in the exhaust gas2 Is generated to purify the stored NOx.
[0008]
Further, EGR operation is performed in order to reduce fuel consumption in an operation region on the medium and high load side where lean combustion is not performed. EGR operation refers to a combustion mode in which a part of the exhaust gas discharged from the combustion chamber is introduced into the intake passage, thereby reducing pumping loss, cooling loss, and specific heat ratio. Can be obtained. However, since the inflow amount of EGR gas changes according to the negative pressure state in the intake passage, the EGR valve must be controlled accordingly.
[0009]
As described above, the control of the fuel injection amount, the injection timing, the ignition timing, the intake air amount, the EGR amount, and the like executed when the combustion mode is changed to another combustion mode is considerably complicated. Further, when changing the combustion mode, it is desirable to execute the control for changing the combustion mode without giving a sudden fluctuation to the output torque of the engine.
[0010]
Conventionally, these controls are performed first by one steady combustion according to the engine operating state determined based on the accelerator pedal operation amount and the engine operating state of the driver from among a plurality of preset steady combustion modes. A form is selected, and an intake air amount and an EGR gas amount that can output the engine output required in the selected combustion form are calculated.
[0011]
Then, the valve opening position for obtaining the intake air amount and the EGR gas amount is calculated, and the throttle valve and the EGR valve are controlled based on this. The intake air amount changed by this control is measured, and the fuel injection amount, ignition timing, and the like are controlled to realize the selected combustion mode based on the measured intake air amount.
[0012]
As a result, the fuel injection amount, injection timing, ignition timing, and EGR amount corresponding to the actual intake air amount are controlled, and control is performed to switch the combustion mode so as not to cause a sudden change in the engine output torque. ing.
[0013]
[Problems to be solved by the invention]
However, the intake air amount measured here is measured upstream of the intake passage, and the distance of the intake passage between the throttle valve and the combustion chamber, the negative pressure state in the intake passage, the throttle valve and EGR Due to problems such as valve responsiveness, there may be a deviation from the amount of intake air actually sucked into the cylinder.
[0014]
In particular, when changing the combustion mode to another steady combustion mode in which the air-fuel ratio is greatly different, there is a time difference until the intake air amount corresponding to the change in the opening of the throttle valve is sucked into the cylinder. It has been difficult to control the fuel injection amount, ignition timing, and the like that accurately correspond to the amount of intake air sucked into the cylinder.
[0015]
In such a case, a method of predicting a change in the intake air amount in advance and controlling the fuel injection amount and the ignition timing with respect to the predicted value is conceivable. However, the method changes variously according to a temperature change or a pressure change. It is difficult to predict changes in the state of the intake air, and it is difficult to accurately control the predicted intake air amount unlike the actual case.
[0016]
Further, in the middle of changing the throttle valve opening to change to another steady combustion mode and the intake air amount sucked into the cylinder gradually changing to correspond to the opening, further steady combustion mode Is changed and the opening of the throttle valve is changed, it is impossible to recognize the current intake air amount accurately in the cylinder until the intake air amount corresponding to the opening is sucked into the cylinder. During this period, accurate fuel injection control and ignition timing control could not be performed accurately.
[0017]
Therefore, it is not possible to perform control suitable for the output torque that is actually realized when the combustion mode is changed, and the torque is smooth due to output loss due to poor mixture generation, generation of unburned gas, and deviation of ignition timing. The connection may be hindered, causing a feeling of engine output stagnation or torque shock, and the driver's intention and engine output may be separated from each other, making the driver feel uncomfortable, and an output always corresponding to the driver's request can be obtained. It was difficult.
[0018]
The present invention has been made to solve the above-described problems, and an object of the present invention is to change the combustion mode without making the driver feel uncomfortable in an engine that can be operated in a plurality of combustion modes. It is an object of the present invention to provide an engine control device capable of improving the followability of output torque to demands and improving driving feeling.
[0019]
[Means for Solving the Problems]
The invention described in claim 1When changing the combustion mode of the engine from the current steady combustion mode to the final target combustion mode, at least one relay point steady combustion mode up to the final target combustion mode is set as an intermediate target combustion mode, In an engine control apparatus that controls to sequentially realize the final target combustion mode from the current steady combustion mode via the intermediate target combustion mode, one steady combustion mode and another steady combustion mode to be realized next Are different from each other, the current combustion form of the engine is an intermediate state between the one steady combustion form and the other steady combustion form, and the current combustion form grasping means, and the one steady combustion state Intermediate combustion mode end determination means for determining whether the intermediate state has been completed and the other one steady combustion state has been realized in accordance with the degree of transition of the intermediate state from one to another steady combustion state Between the steady combustion mode to be realized next to the other steady combustion state when the intermediate combustion form end judging means determines that the other steady combustion state has been realized. The final target combustion mode is realized by repeatedly executing the processing by the current combustion mode grasping unit and the intermediate combustion mode end determination unit.
[0020]
According to this, the intermediate target combustion mode setting means sets the intermediate target combustion mode as the steady combustion mode that first shifts from the current combustion mode. Then, when the current combustion mode when the intermediate target combustion mode is set is the steady combustion mode, the comparison with the set intermediate target combustion mode is performed, and both are different combustion modes The intermediate state between the steady combustion mode and the intermediate target combustion mode, that is, the intermediate combustion mode is grasped as the current combustion mode.
[0021]
Further, when it is determined by the intermediate combustion mode end determination means that the intermediate combustion mode has been completed, it is updated to the steady combustion mode set as the combustion mode to be transferred next.
[0022]
As a result, an intermediate target combustion mode is provided between the current combustion mode and the final target combustion mode, and this can be realized to make the current combustion mode and the final target combustion mode the same combustion mode. Thereby, more precise control suitable for the engine output can be performed.
[0023]
The invention described in claim 2The intermediate target combustion mode sets a plurality of the steady combustion modes, and the intermediate combustion mode end determination means includes an intermediate combustion ratio calculation unit that calculates an intermediate combustion ratio that indicates the degree of transition of the intermediate state. The end of the intermediate state is determined using the intermediate combustion ratio.
[0024]
According to this, an intermediate combustion ratio indicating the degree of transition of the intermediate combustion form from one steady combustion form to another steady combustion form is calculated, and the end of the intermediate combustion form is determined from this intermediate combustion ratio. Therefore, the end of the intermediate combustion mode can be easily determined, and the transition state of the current combustion mode of the engine to the intermediate target combustion mode can be determined.
[0044]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0045]
FIG. 1 is an explanatory diagram of the overall configuration of an engine to which an engine control apparatus according to the present invention is applied. The
[0046]
As illustrated, an
[0047]
An
[0048]
On the other hand, an
[0049]
The
[0050]
The
[0051]
In the figure, 30 is a crank angle sensor that outputs a pulse signal every time the crankshaft of the engine forms a predetermined crankshaft angle, 31 is a water temperature sensor that detects the cooling water temperature of the engine, and 32 is a depression of an accelerator pedal (not shown). The accelerator opening sensor which outputs the voltage signal according to quantity is shown.
[0052]
33 is an intake pipe pressure sensor that outputs a voltage signal corresponding to the pressure generated in the
[0053]
[0054]
The detection signals from the sensors are input to an electronic control unit (hereinafter simply referred to as ECU) 40, and the
[0055]
FIG. 3 shows the functions realized by the
[0056]
The
[0057]
Inside the
[0058]
The engine speed calculation unit 43 calculates the engine speed Ne based on the output pulse signal from the crank angle sensor 30, and the accelerator
[0059]
The intake pipe gas temperature calculation unit 47 calculates the intake pipe gas temperature Tm, which is the gas temperature in the intake pipe, based on the output voltage value of the intake
[0060]
The vehicle
[0061]
The
[0062]
Next, the control function of the
[0063]
The final target combustion form setting means 51 selects the most optimal one from a plurality of steady combustion forms according to various conditions such as the engine operating state and the driver's required torque, and sets it as the final target combustion form. The final target combustion mode setting means 51 receives the engine speed Ne, the coolant temperature Tw, the post-start time Tas, the master bag internal pressure recovery request signal Cm, the rich operation request signal Cr, and the target torque Tei, and the final target combustion. The form is output to the intermediate target combustion form setting means 52.
[0064]
Here, the steady combustion mode is a combustion mode in which the air-fuel ratio is substantially constant (hereinafter, simply referred to as “steady combustion mode”), and as shown in FIG. 5, the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode. Five types of steady combustion modes are set: KSN, uniform stoichiometric (with EGR) combustion mode KSE, uniform lean combustion mode KL, stratified combustion mode SL, and uniform rich combustion mode KR.
[0065]
The uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN is a combustion mode in which combustion is performed by igniting a mixture of stoichiometric air-fuel ratio that is uniformly distributed in the combustion chamber 8, and this mixture contains EGR gas. This is the uniform stoichiometric (with EGR gas) combustion mode KSE. The uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode is a combustion mode realized mainly in the middle / high load operation region, and is also used at the time of engine cold start.
[0066]
Further, the uniform stoichiometric (with EGR) combustion mode is a combustion mode that is realized mainly in an operating region of a slightly lower load than the uniform stoichiometric (without EGR) combustion mode, and by mixing EGR gas into the air-fuel mixture. The specific heat ratio can be reduced, and fuel efficiency can be improved.
[0067]
The uniform lean combustion mode KL is a combustion mode in which lean combustion is performed by igniting an air-fuel mixture that has a leaner air-fuel ratio than the stoichiometric air-fuel ratio that is uniformly distributed in the combustion chamber 8. This combustion mode is a combustion mode realized mainly in the low load operation region, and the fuel consumption can be improved by the lean combustion as compared with the uniform stoichiometric combustion mode.
[0068]
The uniform rich combustion mode KR is a combustion mode in which combustion is performed by igniting an air-fuel mixture having a richer air-fuel ratio than the stoichiometric air-fuel ratio that is uniformly distributed in the combustion chamber 8. This combustion mode is a combustion mode that is realized mainly when purifying NOx stored in the NOx storage catalyst, thereby reducing the stored NOx by generating extra CO, HC, etc. in the exhaust gas. it can.
[0069]
The stratified combustion form SL is locally concentrated in the combustion chamber 8 immediately before ignition in the compression stroke, but the stratified mixture is formed so that the entire combustion chamber 8 has an air-fuel ratio on the lean side of the uniform lean combustion form. A combustion mode in which stratified combustion is performed by ignition. This combustion mode is a combustion mode that is realized mainly in the extremely low load operation region, and fuel consumption can be further improved by performing an extremely lean combustion compared to the uniform lean combustion mode KL.
[0070]
As shown in FIG. 4, the target torque Tei that is input to the final target combustion mode setting means 51 and serves as a determination criterion for selecting these steady combustion modes is the output torque required for the engine, It is calculated by referring to a data map on the basis of the accelerator pedal depression amount and the engine speed Ne by target torque calculation means described later.
[0071]
The master bag internal pressure recovery request signal Cm is a signal that is output in the
[0072]
The rich operation request signal Cr is a signal that is output within the
[0073]
The intermediate target combustion mode setting means 52 refers to the intermediate target combustion mode instruction table stored in advance in the
[0074]
Tables 1 to 3 below show the intermediate target combustion mode instruction table as a table. The intermediate target combustion mode setting means 52 sets the first intermediate target combustion mode and the second intermediate target combustion mode by referring to the current combustion mode and the final target combustion mode.
[0075]
[Table 1]
[0076]
[Table 2]
[0077]
[Table 3]
[0078]
The current combustion
[0079]
When the first intermediate target combustion mode and the second intermediate target combustion mode are set by the intermediate target combustion
[0080]
Further, when the current combustion mode and the first intermediate target combustion mode are the same combustion mode, the steady combustion mode that is the first intermediate target combustion mode is grasped as the current combustion mode. As a result, when it is determined that the current combustion mode is the intermediate combustion mode, it is determined that the combustion mode is being changed, and when it is determined that the current combustion mode is the steady combustion mode, the steady state is determined. It is determined that the engine is controlled while maintaining the combustion mode. The intermediate combustion mode refers to a combustion mode in which the air-fuel ratio or the EGR amount gradually changes with time in an intermediate combustion mode between the current combustion mode and the first intermediate target combustion mode.
[0081]
The intermediate combustion mode end determination means 53 determines whether to continue or end the realization of the intermediate combustion mode between the current combustion mode and the first intermediate target combustion mode. This determination makes it possible to determine whether or not the combustion mode has become the same combustion mode as the first intermediate target combustion mode. Here, the end determination is performed based on an intermediate combustion ratio RATIO described later.
[0082]
The intermediate target combustion mode update unit 54 updates the first intermediate target combustion mode and the second intermediate target combustion mode when the end determination of the intermediate combustion mode is input from the intermediate combustion mode
[0083]
The second current combustion
[0084]
In addition, when the first intermediate target combustion mode before update and the first intermediate target combustion mode after update are different combustion modes, the first intermediate target combustion mode before update and the first intermediate target combustion mode after update The intermediate combustion mode between the two is grasped as the current combustion mode.
[0085]
Thereby, when it is grasped that the current combustion mode is the intermediate combustion mode, control for changing the combustion mode to the first intermediate target combustion mode is performed. Moreover, when it is grasped | ascertained that the present combustion form is a steady combustion form, control which maintains the present combustion form is performed.
[0086]
Next, an intake / EGR control function for realizing the target torque Tei in the first intermediate target combustion mode will be described. FIG. 6 is a block diagram for explaining the control function calculation function of the
[0087]
The target torque setting means 61 is provided with a data map using the engine speed Ne and the accelerator opening S as parameters, and sets the target torque Tei by referring to this data map with interpolation calculation. The target torque Tei is recognized as an output torque required by the driver for the engine, and intake / EGR control is performed so that the target torque Tei set here is output in the first target combustion mode.
[0088]
The first intermediate target combustion mode initial set value calculating means 62 is a first intermediate target combustion mode initial fuel injection amount initial value that is a basic fuel injection amount, basic EGR amount, and basic target air-fuel ratio in the first intermediate target combustion mode. A set value Gfi, a first intermediate target combustion mode EGR amount initial set value (EGR rate) EGRi, and a first intermediate target combustion mode target air-fuel ratio initial set value ABFi are calculated.
[0089]
In the
[0090]
By referring to the initial set value data map of the combustion mode set as the first intermediate target combustion mode from among these data maps with the target torque Tei and the engine speed Ne as parameters, respectively, with interpolation calculation, The first intermediate target combustion mode fuel injection amount initial setting value Gfi, the first intermediate target combustion mode EGR amount initial setting value (EGR rate) EGRi, and the first intermediate target combustion mode target air-fuel ratio initial setting value ABFi are calculated.
[0091]
Here, these calculated initial set values are the fuel injection amount, the EGR amount, and the target air-fuel ratio that are required when the
[0092]
The first intermediate target combustion mode control target value calculation means 63 is a first intermediate target combustion mode target air-fuel ratio initial setting value ABFi calculated by the first intermediate target combustion mode initial setting value calculation means 62, and the first intermediate target combustion mode. By using the configuration fuel injection amount initial setting value Gfi and the first intermediate target combustion configuration EGR amount initial setting value (EGR rate) EGRi, the control target value for the pressure response value in the intake pipe 6 is determined as the effective air component partial pressure and EGR. It is calculated separately for the gas effective component partial pressure, and each is set as a control target value for the first intermediate target combustion mode.
[0093]
The first intermediate target combustion mode air effective component partial pressure control target value Pmosi and the first intermediate target combustion mode EGR gas effective component partial pressure control target value Pmesi set here are the target torque when the engine is in the first intermediate target combustion mode. These are the effective air component pressure and the EGR gas effective component pressure of the pressure response value in the intake pipe 6 required when realizing Tei.
[0094]
The estimated value calculation means 64 calculates the effective air component pressure and the effective EGR gas component pressure, which are actual pressure response values in the intake pipe 6, based on the manifold total pressure Pm, the intake air temperature Tm, and the intake air amount Qave. These are set as the effective component partial pressure estimated values. The air effective component partial pressure estimated value Pmo and the EGR gas effective component partial pressure estimated value Pmee set here are values calculated based on sensor values of an intake air amount sensor or the like.
[0095]
The feedback control amount calculation means 65 feeds back the deviation between the EGR gas effective component partial pressure estimated value Pmee and the EGR gas effective component partial pressure control target value Pmeesi, thereby passing the EGR valve passing through the
[0096]
Here, the effective component and the excess / deficiency component will be described. First, the effective component indicates a component for responding to the target value (initial setting value), and the EGR gas effective component is a non-air component in the EGR gas if the control air-fuel ratio is equivalent (theoretical air-fuel ratio). Inactive component (component corresponding to burned gas at stoichiometric air-fuel ratio; H2O, CO2 , N2Is the same value. However, when the control air-fuel ratio is lean, it includes air for an equivalent ratio, and becomes a value obtained by adding an inert component to the air component in the EGR gas.
[0097]
The excess / deficiency is the excess / deficiency with respect to the effective component, and since the target equivalent ratio and the exhaust equivalent ratio are the same in the steady state, no excess / deficiency will occur, but transient control will be performed from now on. In many cases, the target equivalent ratio and the exhaust equivalent ratio of the currently recirculated EGR gas do not coincide with each other. When the target equivalent ratio> exhaust equivalent ratio, excess air is generated in the recirculated EGR gas. Therefore, the excess / deficient air is controlled to the target state by controlling the throttle valve / EGR valve.
[0098]
FIG. 7 shows an intake system model employed in the present invention. As shown in the figure, a flow rate of fresh air (throttle passage air flow rate) Qa passing through a
[0099]
The effective air component in the intake pipe 6 is the effective amount of air that flows into the cylinder from the sum of the effective air component of fresh air that passes through the
[0100]
dPmo / dt = (Qa + Qea-Qso) ・ Ra ・ Tm / Vm ...... (1)
Further, the EGR gas effective component in the intake pipe 6 is obtained by removing the EGR gas effective component flowing into the cylinder from the EGR gas effective component passing through the
[0101]
dPmee / dt = (Qee-Qsee) ・ Re ・ Tm / Vm ...... (2)
The EGR valve passage flow rate Qea of the excess or insufficient air component of the EGR gas in the above equation (1), and the EGR valve passage flow rate Qee of the EGR gas effective component in the above equation (2) are the EGR valve passage gas flow rate Qe and the
[0102]
Qea = (1-FAI / FAII) ・ Qe ...... (3)
Qee = (FAI / FAII) ・ Qe ...... (4)
Further, the cylinder inflow rate Qso of the effective air component in the above equation (1) and the cylinder inflow rate Qsee of the EGR gas effective component in the above equation (2) are respectively the stroke volume Vs, the volume efficiency ηv per cylinder, Using the number of cylinders L, it can be expressed by the following equations (5) and (6).
[0103]
Qso = ((Pmo ・ Vs) / (Ra ・ Tm)) ・ ηv ・ (Ne ・ L / 120) ...... (5)
Qsee = ((Pmee ・ Vs) / (Re ・ Tm)) ・ ηv ・ (Ne ・ L / 120) ...... (6)
Therefore, the above formulas (3) to (6) are applied to the above formulas (1) and (2), and some of the formulas are expressed by the coefficients a, ba, and be expressed by the following formulas (7) to (9) If the above equations (1) and (2) are described in a matrix format, they can be expressed by the following equation (10).
[0104]
a = (Vs / Vm) ・ ηv ・ (Ne ・ L / 120) (7)
ba = Ra ・ Tm / Vm ...... (8)
be = Re ・ Tm / Vm (9)
[0105]
[Expression 1]
[0106]
By using the above intake system model, the feedback control amount calculation means 65 is configured to throttle the air effective component partial pressure estimated value Pmo and the EGR gas effective component partial pressure estimated value Pmee in the intake pipe 6 based on the time change amount. A passing air flow rate Qa and an EGR valve passing gas flow rate Qe are calculated.
[0107]
The predicted value calculation means 66 shown in FIG. 6 calculates an air effective component partial pressure value and an EGR gas effective component partial pressure value that are actual pressure response values in the intake pipe 6 based on theoretical calculation values, It sets as each active ingredient partial pressure prediction value. The air effective component partial pressure prediction value Pmos and the EGR gas effective component partial pressure prediction value Pmees are values calculated based on the throttle passage air flow rate and the EGR valve passage gas flow rate predicted from the control values of the
[0108]
The ETC opening instruction value calculation means 67 calculates an ETC opening instruction value Sa that is a control amount of the
[0109]
The base combustion mode initial set value calculation means 72 is a basic fuel injection amount and a basic EGR amount in a steady combustion mode (hereinafter simply referred to as “base combustion mode”) before realizing the intermediate combustion mode toward the first intermediate target combustion mode. The base combustion mode fuel injection amount initial setting value Gfib, the base combustion mode EGR amount initial setting value (EGR rate) EGRib, and the base combustion mode target air / fuel ratio initial setting value ABFib, which are initial setting values of the basic target air-fuel ratio, are calculated.
[0110]
These initial setting values are the basic fuel injection amount initial setting value calculation data map, the basic EGR amount initial setting value calculation data map, and the basic target air-fuel ratio initial setting value calculation in the steady combustion mode set as the base combustion mode. The reference data map is calculated by referring to the target torque Tei and the engine speed Ne as parameters with interpolation calculation.
[0111]
Here, the calculated base combustion mode fuel injection amount initial setting value Gfib, the base combustion mode EGR amount initial setting value (EGR rate) EGRib, and the base combustion mode target air-fuel ratio initial setting value ABFib are calculated by the
[0112]
The base combustion mode control target value calculation means 73 includes a base combustion mode fuel injection amount initial setting value Gfib calculated by the base combustion mode initial setting
[0113]
The base combustion mode air effective component partial pressure control target value Pmosib and the base combustion mode EGR gas effective component partial pressure control target value Pmesib set here are required when the
[0114]
The intermediate combustion ratio calculation means 74 calculates an intermediate combustion ratio RATIO. The intermediate combustion ratio RATIO is a ratio indicating which intermediate combustion mode is realized while the current state of the combustion chamber shifts from the steady combustion mode before the change to the intermediate combustion mode after the change. The degree of change to the target combustion mode is indicated using a value of 0 to 1. The stratification ratio SRATIO, lean ratio LRATIO, EGR ratio ERATIO, and rich ratio RRATIO are calculated as the degree of change of the combustion form between the above-described steady combustion forms.
[0115]
The stratification ratio SRATIO is obtained when realizing an intermediate combustion form between the stratified combustion form SL and the uniform lean combustion form KL, and the lean ratio LRATIO is the uniform lean combustion form KL and the uniform stoichiometric (no EGR) combustion form KSN. Is required when realizing an intermediate combustion mode between.
[0116]
The EGR ratio ERATIO is obtained when realizing an intermediate combustion mode between the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN and the uniform stoichiometric (with EGR) combustion mode KSE, and the rich ratio RRATIO is the uniform rich combustion mode. It is required when realizing an intermediate combustion mode between KR and uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN.
[0117]
Next, the fuel injection amount calculation function for realizing the target torque Tei in the current combustion mode will be described. FIGS. 8 and 9 are block diagrams for explaining the function of calculating the final target air-fuel ratio that is the target air-fuel ratio in the combustion chamber 8 and the final basic fuel injection amount that is the fuel amount that is finally injected from the injector. is there.
[0118]
FIG. 8 is a block diagram for explaining the calculation function of the final target air-fuel ratio and the final basic fuel injection amount in the normal combustion mode (steady combustion mode or intermediate combustion mode), and FIG. 9 shows the uniform lean combustion mode and stratified combustion. It is a block diagram explaining the calculation function of the final target air fuel ratio and the final basic fuel injection amount only in the intermediate combustion mode between the modes.
[0119]
First, the case of the normal combustion mode will be described. As shown in FIG. 8, these functions are constituted by a final target air-fuel ratio calculating means 81 and a final basic fuel injection
[0120]
The final target air-fuel ratio calculating means 81 is a first intermediate target combustion mode initial air-fuel ratio target set value ABFi by the first intermediate target combustion mode initial set value calculating means 62, and a base combustion mode target by the base combustion mode initial set value calculating means 72. Based on the air-fuel ratio initial set value ABFib and the intermediate combustion ratio RATIO by the intermediate combustion ratio calculation means 74, the final target air-fuel ratio ABFif is calculated. Thus, the air-fuel ratio in the combustion chamber 8 for realizing the target torque Tei in the normal combustion mode is calculated.
[0121]
The final basic fuel injection amount calculation means 82 uses the final target air-fuel ratio ABFif from the final target air-fuel ratio calculation means 81 and the intake air amount GOS actually taken into the combustion chamber 8 to actually inject fuel from the injector 19 A final basic fuel injection amount Gfss, which is an injection amount, is calculated.
[0122]
Next, the case of the intermediate combustion mode between the uniform lean combustion mode KL and the stratified combustion mode SL will be described. As shown in FIG. 9, the temporary target air-fuel ratio calculating means 83, the intermediate combustion time uniform stratification, as shown in FIG. A switching means 84 is added and configured.
[0123]
The temporary target air-fuel
[0124]
The intermediate combustion uniform stratification switching means 84 selects and sets whether the intermediate combustion mode between the uniform lean combustion mode and the stratified combustion mode is performed by the stratified combustion operation or the uniform combustion operation.
[0125]
This is because when the temporary target air-fuel ratio ABFifi is richer than the predetermined limit value, it is difficult to perform the engine operation in the stratified combustion mode, that is, the stratified combustion operation. This is because it is necessary to switch to the lean combustion mode and perform the uniform combustion operation.
[0126]
Here, the stratified combustion rich limit air-fuel ratio ABFrs, which is the limit value on the rich side of the stratified combustion mode, is calculated by the stratified combustion rich limit empty space preset in the
[0127]
When the combustion mode is an intermediate combustion mode between the uniform lean combustion mode KL and the stratified combustion mode SL, the final target air-fuel
[0128]
The stratified combustion operation and the uniform combustion operation are engine operation methods in which the mixture is formed in the combustion chamber at different timings. In the stratified combustion operation, fuel is directly injected into the combustion chamber and mixed immediately before the ignition timing in the compression stroke. The uniform combustion operation refers to one that forms an air-fuel mixture in the combustion chamber during the intake stroke.
[0129]
Next, the basic fuel injection timing calculation function will be described. The calculation of the fuel injection timing is performed by an injection timing calculation means 71 configured in the fuel
[0130]
The predicted torque calculation unit 91 calculates a predicted torque Tes that is a value obtained by predicting an output torque that is actually realized with respect to the target torque Tei. The fuel injection timing is controlled not to the target torque Tei but to the fuel injection timing according to the predicted torque Tes. Thereby, the malfunction by the shift | offset | difference of fuel injection timing can be prevented.
[0131]
As shown in the figure, the predicted torque calculating means 91 includes a target torque setting means 61, an estimated value calculating means 64, a predicted value calculating means 66, a first intermediate target combustion form control target value calculating means 63, and a base combustion form control target value calculating. Means 73, intermediate target combustion form setting means 52, current combustion
[0132]
The first intermediate target combustion mode basic fuel injection timing calculation means 92 calculates a basic fuel injection timing (hereinafter referred to as “first intermediate target combustion mode basic fuel injection timing”) TJi in the first intermediate target combustion mode. The base combustion mode basic fuel injection timing calculation means 93 calculates a basic fuel injection timing (hereinafter referred to as “base combustion mode basic fuel injection timing”) TJb when the combustion mode is the base combustion mode.
[0133]
In the
[0134]
The final basic fuel injection timing calculation means 94 linearly complements the base combustion mode basic fuel injection timing TJb and the first intermediate target combustion mode basic fuel injection timing TJi with the intermediate combustion ratio RATIO, so that the final basic fuel injection timing TJb The final basic fuel injection timing TJ, which is a basic fuel injection timing, is calculated. When a switching command is input from the uniform stratification switching means 84 during intermediate combustion, it is calculated by referring to a dedicated final basic fuel injection timing calculation data map provided separately in the
[0135]
In addition to the injection timing calculation means 71, the fuel
[0136]
As shown in FIG. 3, the injection pulse time calculation means 72 calculates an injection pulse time Tout as an operation amount for the
[0137]
Next, the ignition timing calculation function will be described. The ignition timing is calculated by the ignition timing setting means 76 in the ignition
[0138]
The first intermediate target combustion mode basic ignition timing calculation means 95 calculates a basic ignition timing (hereinafter referred to as “first intermediate target combustion mode basic ignition timing”) IGi in the first intermediate target combustion mode. The base combustion mode basic ignition timing calculation means 93 calculates a basic ignition timing (hereinafter referred to as “base combustion mode basic ignition timing”) IGb when the combustion mode is the base combustion mode.
[0139]
In the
[0140]
The final basic ignition timing calculation means 97 performs the final basic ignition in the current combustion mode by linearly interpolating the base combustion mode basic ignition timing IGb and the first intermediate target combustion mode basic ignition timing IGi with the intermediate combustion ratio RATIO. The final basic ignition timing TJ, which is the timing, is calculated. When a switching command is input from the uniform stratification switching means 84 during intermediate combustion, the final ignition timing is calculated by referring to a dedicated final basic ignition timing calculation data map provided separately in the
[0141]
As shown in FIG. 3, the ignition
[0142]
Next, engine control performed by the engine apparatus having the above-described configuration will be described based on the flowcharts of FIGS. FIG. 12 shows an initialization routine that is interrupted when an ignition switch (not shown) is turned on and power is supplied to the
[0143]
FIG. 13 is a routine program that is executed after system initialization by the initialization routine of FIG. 12. The combustion mode is set according to the situation, the intake / EGR amount for realizing the target torque Tei according to the combustion mode, and the fuel injection It is the flowchart which showed the outline | summary of the whole program which calculates the control value of quantity, fuel injection timing, and ignition timing. By controlling each actuator based on these control values, a combustion mode corresponding to the situation can be realized, and engine control for obtaining the target torque Tei can be performed by the combustion mode.
[0144]
According to this flowchart, first at S10, based on the detection signal from each sensor, the accelerator opening S, the manifold total pressure Pm, the gas temperature Tm in the intake pipe 6, the measured value of air flow through the throttle Qave, the air-fuel ratio. Engine operating conditions such as λ and engine speed Ne are calculated.
[0145]
In S20, the target torque Tei is calculated. The target torque Tei is calculated by referring to the target torque calculation data map with interpolation calculation using the accelerator pedal depression amount S calculated in S10 and the engine speed Ne. The target torque Tei calculated here can be regarded as an output requested by the driver to the engine, and this target torque Tei is achieved by realizing the combustion mode set in S30 to S50 by the control after S60. Control is performed.
[0146]
In S30, the final target combustion mode setting means 51 sets the final target combustion mode according to the operation region and the engine operating state. As the final target combustion mode, the most suitable one of the above five types of steady combustion modes is selected and set.
[0147]
FIG. 14 is a flowchart showing a final target combustion mode selection setting routine. In S301, the coolant temperature Tw detected or calculated in S10 and S20, the post-start time Tas, the master bag internal pressure recovery request signal Cm, the rich operation request Cr, the target torque Tei, and the engine speed Ne are read.
[0148]
Next, in S302, the coolant temperature Tw is compared with a preset value set in the
[0149]
In S303, a comparison is made between a post-start time Tas, which is an elapsed time measured after the engine start, and a reference value preset in the
[0150]
In S304, it is determined whether or not there is a master bag recovery request signal Cm. When this master bag recovery request signal Cm is output, it is determined that the negative pressure in the master bag is weak and it is difficult to assist the brake operation force in this state.
[0151]
If the master bag recovery request signal Cm is output (YES), a steady combustion mode suitable for recovering the negative pressure in the master bag to a predetermined value or higher should be selected as the final target combustion mode. The process proceeds to S309. If the master bag recovery request signal Cm is not present (NO), the process proceeds to S305 because it is not necessary to select the final target combustion mode in order to secure the negative pressure in the master bag.
[0152]
In S305, the presence / absence of the rich operation request signal Cr is determined. The rich operation request signal Cr is obtained on the basis of the accumulated time in which the lean operation (uniform lean combustion mode or stratified combustion mode is realized) and the engine operating state are output, and when this signal is output, the
[0153]
Here, if there is a rich operation request signal Cr (YES), the process proceeds to S313 in order to select a final target combustion form in order to realize a combustion form that can be purified. If there is no rich operation request signal Cr (NO), the routine proceeds to S306 because it is not necessary to select the steady combustion mode for purifying the NOx storage of the
[0154]
In S306 to S308, the engine operating region is determined, and based on these determinations, the optimum steady combustion mode corresponding to each operating region is selected as the final target combustion mode in S310 to S312. In the
[0155]
In the
[0156]
In the operation region determination 3 performed in S308, it is determined whether or not the current engine operation region is in the medium load operation region. If it is in the medium load operation region (YES), a steady combustion mode suitable for this is determined as the final target. The process proceeds to S310 to select the combustion mode. Further, when it is not in the medium load operation region (NO), it is determined that the operation region is the high load operation region, and the routine proceeds to S309 in order to select the steady combustion mode capable of outputting a high load as the final target combustion mode. Transition.
[0157]
In S309, the uniform stoichiometric (no EGR) combustion form KSN is selected as the final target combustion form, in S310, the uniform stoichiometric (with EGR) combustion form KSE, in S311, the uniform lean combustion form KL, and in S312 the stratified combustion form. In SL, the rich rich combustion mode KR is selected in S313.
[0158]
When the master bag recovery request signal Cm is present in S304, the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN in S309 is selected because the steady combustion mode is different from the other steady combustion modes in the intake pipe. It is because the inside of 6 can be made into a high negative pressure state, and the negative pressure in the master bag can be recovered.
[0159]
Thus, by executing the control routine of S301 to S313 described above, the final target combustion mode corresponding to the operation region and the engine operating state is set in S30.
[0160]
In S40, the intermediate target combustion mode setting means 52 sets the intermediate target combustion mode. Here, as the intermediate target combustion mode, a first intermediate target combustion mode and a second intermediate target combustion mode are set.
[0161]
FIG. 15 is a flowchart showing a control routine for setting the intermediate target combustion mode performed by the intermediate target combustion mode setting means 52 in S40. First, in S401, the final target combustion mode set in S30 is read. In S402, the current combustion mode grasped by the current combustion manner grasping means 55 is read. In S403, the intermediate combustion mode instruction tables (see Tables 1 to 3) are referred to based on the final target combustion mode and the current combustion mode, and the first intermediate target combustion mode and the second intermediate target combustion mode are set. Done. Then, this routine is exited (return). Thus, in S40, the first intermediate target combustion mode and the second intermediate target combustion mode are set.
[0162]
In S50, the first current combustion form grasping means 56 grasps the current combustion form, and in S60 and later, engine control for realizing the current combustion form grasped in S50 is performed. That is, when it is grasped that the current combustion form is the intermediate combustion form, engine control for realizing the intermediate combustion form is performed after S60, and when it is grasped that the current combustion form is the steady combustion form, after S60. Engine control for realizing a steady combustion mode is performed.
[0163]
FIG. 16 is a flowchart showing a control routine for grasping and setting of the current combustion mode performed by the first current combustion
[0164]
In S502, it is determined whether or not the current combustion mode and the first intermediate target combustion mode are the same combustion mode. Here, when the current combustion mode and the first intermediate target combustion mode are different combustion modes (NO), it is necessary to realize an intermediate combustion mode between the current combustion mode and the first intermediate target combustion mode. After grasping, the process proceeds to S503.
[0165]
In S503, a process for grasping the current combustion mode as an intermediate combustion mode between the first intermediate combustion mode is performed, and the routine is exited (return). Thereby, the current combustion mode is grasped as an intermediate combustion mode between the first intermediate target combustion mode, and engine control for realizing the grasped intermediate combustion mode is performed.
[0166]
Further, when the current combustion mode and the first intermediate target combustion mode are the same combustion mode (YES), the routine exits (return). As a result, the current combustion mode is grasped as the steady combustion mode of the first intermediate target combustion mode, and engine control for realizing the grasped steady combustion mode is performed.
[0167]
After S60, engine control for achieving the target torque Tei set in S20 is performed by the current combustion mode grasped in S50, that is, the steady combustion mode or the intermediate combustion mode.
[0168]
In S60, control amounts of the
[0169]
FIG. 17 is a flowchart showing a routine for calculating the control amounts of the
[0170]
ca = a / ba = (Vs / (Ra ・ Tm)) ・ ηv ・ (Ne ・ L / 120)… (11)
ce = a / be = (Vs / (Re ・ Tm)) ・ ηv ・ (Ne ・ L / 120)… (12)
d = (Vs / (Ra ・ Tm)) ・ ηv (13)
Here, a, ba, and be are intake system coefficients calculated by the above-described equations (7) to (9), and the intake pipe volume Vm, the stroke volume Vs per cylinder, the number of cylinders L of the engine, the air The gas constant Ra of the effective component and the gas constant Re of the EGR gas effective component are the intake system constants set in S3 (see FIG. 12).
[0171]
Next, in S602, initial setting values of the first intermediate target combustion mode basic fuel injection amount, the first intermediate target combustion mode basic EGR amount, and the first intermediate target combustion mode basic target air-fuel ratio are calculated. Here, the first intermediate target combustion mode initial set value calculation means 62 uses the target torque Tei and the engine speed Ne as a data map for calculating the initial set value of the steady combustion mode set as the first intermediate target combustion mode. The first intermediate target combustion mode fuel injection amount initial setting value Gfi, the first intermediate target combustion mode EGR amount initial setting value EGRi, the first intermediate target combustion mode target air-fuel ratio initial setting The value ABFi is calculated.
[0172]
In S603, the air effective component partial pressure control target value Pmosi and the EGR gas effective component partial pressure control target value Pmesi in the first intermediate target combustion mode are calculated. Here, the first intermediate target combustion mode control target value setting means 63 first sets the first intermediate target combustion mode fuel injection amount initial set value GFi and the first intermediate target combustion mode target air-fuel ratio initial set in S602. Using the set value ABFi, a cylinder inflow air amount initial set value GOi, which is an initial set value of the cylinder inflow air amount per cylinder, is obtained by the following equation (14).
[0173]
GOi = GFi × ABFi …… (14)
Then, from the cylinder inflow air amount initial setting value GOi and the intake system coefficient d, the first intermediate target combustion form air which is the air effective component partial pressure control target value in the first intermediate target combustion form is obtained by the following equation (15). The effective component partial pressure control target value Pmosi is calculated.
[0174]
Pmosi = (1 / d) ・ GOi ...... (15)
Also, the first intermediate target combustion mode EGR amount initial set value EGRi set in S602, the gas constant Ra of the effective air component, the gas constant Re of the EGR gas effective component, the first intermediate target combustion mode air effective component partial pressure control target Using the value Pmosi, the first intermediate target combustion mode EGR gas effective component partial pressure control target value Pmesi, which is the EGR gas effective component partial pressure control target value in the first intermediate target combustion mode, is calculated by the following equation (16). To do.
[0175]
Pmeesi = EGRi / (1-EGRi) × (Re / Ra) × Pmosi …… (16)
Further, the first intermediate target combustion mode control target value setting means 63 uses the stoichiometric air-fuel ratio ABFt and the first intermediate target combustion mode target air-fuel ratio initial set value ABFi to calculate the target equivalent ratio FAIi according to the following equation (17). Is calculated.
[0176]
FAIi = ABFt / ABFi …… (17)
Then, an exhaust equivalence ratio FAI that estimates the equivalence ratio of EGR gas at the inlet of the
[0177]
FAI = (1-q) ・ FAI(-1)+ q ・ FAIi(-k) … (18)
Where q: Weighted average coefficient
When the exhaust equivalence ratio FAI is obtained by the weighted average according to the above equation (18), the weighted average coefficient q may be a preset constant. Strictly speaking, since the transport delay time of the combustion gas varies depending on the operating conditions, The weighted average coefficient q is set from the manifold total pressure Pm so that the delay can be set optimally under the operating conditions, and the target equivalent ratio FAIi before the k control cycle is set.(-k)Is preferably a value before the k control period corresponding to the dead time set by the engine speed Ne and the manifold total pressure Pm.
[0178]
For simplicity, as shown in the following formula (19), the target equivalent ratio FAIi may be set as the exhaust equivalent ratio FAI as it is.
[0179]
fai = FAIi… (19)
Then, the ratio of the exhaust equivalent ratio FAI and the target equivalent ratio FAIi is calculated as the equivalent ratio coefficient rfai by the following equation (20).
[0180]
rfai = FAI / FAIi… (20)
In S604, an air effective component partial pressure estimated value and an EGR gas effective component partial pressure estimated value, which are pressure response values based on the sensor detection value, are calculated. Here, the feedback control amount calculation means 65 first estimates the time variation of each of the air effective component partial pressure and the EGR gas effective component partial pressure in accordance with the intake system model. The pressure model value Pfea and the EGR gas active component partial pressure model value Pfee are calculated based on the equivalence ratio coefficient rfai, and the new air partial pressure model value Pfa for the intake air is calculated from the actually measured throttle passage air flow rate.
[0181]
Then, the sum of the air excess / deficiency component partial pressure model value Pfea of the EGR gas and the new air partial pressure model value Pfa is calculated as the air effective component partial pressure estimation value Pmo, and the air excess / deficiency component partial pressure model value Pfea of the EGR gas is calculated. In order to make the sum of the EGR gas effective component partial pressure model value Pfee and the new air partial pressure model value Pfa coincide with the manifold total pressure Pm which is the actual value of the intake pipe pressure, the air effective component partial pressure estimated value Pmo is calculated from the manifold total pressure Pm. The subtracted value is calculated as an EGR gas effective component partial pressure estimated value Pmee.
[0182]
Here, by using the equivalence ratio coefficient rfai, the estimation accuracy of the EGR gas effective component partial pressure can be increased, and at the same time, each partial pressure is corrected without correcting the fresh air partial pressure model value Pfa obtained from the actual intake air amount. By matching the sum of the pressure and the manifold total pressure Pm, the model error for EGR can be corrected, and the estimation accuracy of the effective air component partial pressure can be improved by eliminating the influence of the intake air temperature, atmospheric pressure, valve clearance, etc. .
[0183]
Specifically, the air excess / deficiency component partial pressure model value Pfea and the EGR gas effective component partial pressure model value Pfee of the EGR gas are the intake system coefficients a, ba, be, the equivalence ratio coefficient rfai, and the EGR valve before one control cycle. Passing gas flow rate setting value Qe(-1)PGR of EGR gas before 1
[0184]
Pfea = (1-a ・ dt) ・ Pfea(-1)+ (ba ・ dt) ・ (1-rfai) ・ Qe(-1)…(twenty one)
Pfee = (1-a ・ dt) ・ Pfee(-1)+ (be ・ dt) ・ (rfai) ・ Qe(-1)…(twenty two)
The fresh air partial pressure model value Pfa of the intake air is calculated by the following equation (23) using the throttle passage air flow rate measurement value Qave actually measured by the intake air amount sensor 8.
[0185]
Pfa = (1-a ・ dt) ・ Pfa(-1)+ (ba ・ dt) ・ Qave… (23)
The air effective component partial pressure estimated value Pmo and the EGR gas effective component partial pressure estimated value Pmee are calculated by the following equations (24) and (25).
[0186]
Pmo = Pfa + (Pfe / (Pfea + Pfee)) × Pfea… (24)
Pmee = Pm-Pmo… (25)
However, when (Pfea + Pfee) = 0 and EGR is not performed, (Pm−Pfa) = 0 and Pmo = Pfa.
[0187]
In S605, a throttle passage air flow rate setting value Qa and an EGR valve passage gas flow rate setting value Qe are calculated based on the air effective component partial pressure estimated value Pmo and the EGR gas effective component partial pressure estimated value Pmee. Here, first, the feedback control coefficient is calculated by the processing of the feedback control unit 65. Specifically, using the intake system coefficients ba, be, ca, ce and the equivalence ratio coefficient rfai, the feedback coefficients f1, f2, h1, h2, g1, g2 are calculated by the following formulas (26) to (31). Is done.
[0188]
f1 = (1 / (ba ・ dt)) ・ n… (26)
f2 = (1 / (rfai ・ be ・ dt)) ・ n (27)
h1 = ca (28)
h2 = ce / rfai… (29)
g1 = m / Ne… (30)
g2 = m / Ne… (31)
Where dt: control cycle
n: Weight coefficient (0 <n <1)
m: integral control coefficient (m ≧ 0)
Then, according to the above-described intake system model, the EGR valve passage gas flow initial setting value Qei and the throttle passage air flow initial setting value Qai are calculated by the processing of the feedback control amount calculation means 65.
[0189]
Here, the EGR valve passage gas flow initial setting value Qei is the EGR gas effective component partial pressure target value initial setting value Pmesi calculated by the control target value setting means 63 of the first intermediate target combustion mode and the EGR gas effective component partial pressure estimation. Value Pmee, and the time integral value Imee of the EGR gas effective component partial pressure error calculated in S606 described later one control cycle before(-1)And is calculated by the following equation (32).
[0190]
Qei = h2, Pmeesi-f2, Pmee + g2, Imee(-1) … (32)
Since the EGR valve passage gas flow initial setting value Qei calculated by the above equation (32) may not always be a realizable value, the range of the following equation (33) (maximum flow rate (Qe) of 0 or more)MAX The flow rate is saturated to the following range) and can be controlled (realized), and this flow rate is defined as an EGR valve passage gas flow rate Qe using the EGR gas effective component partial pressure estimated value Pmee.
[0191]
0 ≦ Qe ≦ (Qe)MAX … (33)
Maximum EGR valve passage gas flow rate (Qe)MAX Is set by referring to a data map based on the manifold total pressure Pm.
[0192]
Furthermore, when controlling the EGR valve passage gas flow rate, the flow rate that can be controlled (changed) is the manifold total pressure Pm and the EGR valve passage gas flow rate Qe one control cycle before.(-1)Therefore, the manifold total pressure Pm and the EGR valve instruction value Se one control cycle before(-1)From the maximum EGR valve passage gas flow rate change amount (ΔQe)MAX Is set, and this maximum EGR valve passage gas flow rate change amount (ΔQe)MAX And EGR valve passage gas flow rate Qe one control cycle before(-1)The maximum EGR valve passage gas flow rate (Qe) calculated by the following equation (34)MAX By using, more accurate feedback control can be realized.
[0193]
(Qe)MAX = Qe(-1)+ (ΔQe)MAX … (34)
The throttle passage air flow initial setting value Qai is the EGR valve passage gas flow rate Qe and the effective air component partial pressure control target value Pmosi calculated by the processing by the control target value calculation means 63 of the first intermediate target combustion mode. The air effective component partial pressure estimated value Pmo and the time integrated value Imo of the air effective component partial pressure error calculated in S606 described later one control cycle before(-1)And is calculated by the following equation (35).
[0194]
Qai = h1, Pmosi-f1, Pmo- (1-rfai), Qe + g1, Imo(-1) … (35)
Then, the calculated throttle passage air flow initial setting value Qai is within the range of the following expression (36) (0 or more, maximum flow rate (Qa)MAX The air flow rate Qa passing through the throttle is determined by saturating in the following range.
[0195]
0 ≦ Qa ≦ (Qa)MAX … (36)
Even in this case, the maximum EGR valve passage gas flow rate (Qe)MAX As in the above case, the maximum throttle passage air flow rate (Qa)MAX May be a preset constant or a value set by referring to a map or the like based on the manifold total pressure Pm in consideration of a controllable flow rate.
[0196]
Furthermore, the manifold total pressure Pm and the throttle actuator instruction value Sa one control cycle before(-1)The maximum throttle passage air flow rate change amount (ΔQa)MAX Is set, and this maximum throttle passage air flow rate change (ΔQa)MAX And air flow rate Qa through the throttle one control cycle before(-1)The maximum throttle passage air flow rate (Qa) calculated by the following equation (37)MAX May be used.
[0197]
(Qa)MAX = Qa(-1)+ (ΔQa)MAX … (37)
In S606, calculation of the effective air component partial pressure prediction value and the EGR gas effective component partial pressure prediction value, which are pressure response values based on theoretical values, is performed. Here, the predicted value calculation means 66 is the air effective component partial pressure predicted value Pmos before one control cycle.(-1)And the air effective component partial pressure target correction value Pmohs are used to calculate the air effective component partial pressure predicted value Pmos by the following equation (38).
[0198]
Pmos = (1-n) ・ Pmos(-1)+ n ・ Pmohs… (38)
And the EGR gas effective component partial pressure prediction value Pmees before one control cycle(-1)And the EGR gas effective component partial pressure target correction value Pmeehs are used to calculate the EGR gas effective component partial pressure predicted value Pmees by the following equation (39).
[0199]
Pmees = (1-n) ・ Pmees(-1)+ n ・ Pmeehs… (39)
The air effective component partial pressure target correction value Pmohs in the above equations (38) and (39) is a pressure target value corresponding to the throttle passage air flow rate Qa, and the EGR gas effective component partial pressure target correction value Pmeehs is passed through the EGR valve. This is a pressure target value corresponding to the gas flow rate Qe, and is calculated by the following equations (40) and (41).
[0200]
Pmohs = (1 / h1) ・ (Qa + (1-rfai) ・ Qe + f1 ・ Pmo-g1 ・ Imo)… (40)
Pmeehs = (1 / h2) ・ (Qe + f2 ・ Pmee-g2 ・ Imee)… (41)
The time integral value Imo of the effective air component partial pressure error and the time integral value Imee of the EGR gas effective component partial pressure error in the above equations (40) and (41) are calculated by the following equations (42) and (43). Is done.
[0201]
Imo = Imo(-1) + (Pmos(-k)-Pmo) ・ dt… (42)
Imee = Imee(-1)+ (Pmees(-k)-Pmee) ・ dt… (43)
In S607, the ETC opening instruction value Sa of the
[0202]
In S608, the valve opening instruction value Se of the
[0203]
Based on the control value calculated by the control processing of S607 and S608, the
[0204]
Next, in S70 to S100, when the current combustion mode is grasped as the intermediate combustion mode, an intermediate combustion ratio RATIO for realizing the intermediate combustion mode is calculated. In S70, a base combustion mode fuel injection amount initial setting value Gfib, a base combustion mode EGR amount initial setting value (EGR rate) EGRib, and a base combustion mode target air-fuel ratio initial setting value ABFib are calculated.
[0205]
Here, the base combustion mode initial set value calculation means 72 generates an initial set value calculation data map for the steady combustion mode set as the base combustion mode with interpolation calculation using the target torque Tei and the engine speed Ne. The base combustion mode fuel injection amount initial setting value Gfib, the base combustion mode EGR amount initial setting value EGRib, and the base combustion mode target air-fuel ratio initial setting value ABFib are calculated respectively.
[0206]
In S80, the air effective component partial pressure control target value Pmosib and the EGR gas effective component partial pressure control target value Pmeesib in the base combustion mode are calculated. Here, the base combustion mode control target value setting means 73 first uses the first base combustion mode fuel injection amount initial setting value GFib and the base combustion mode target air-fuel ratio initial setting value ABFib set in S70 to (44), the base combustion mode cylinder inflow air amount initial setting value GOib, which is the initial setting value of the cylinder inflow air amount per cylinder in the base combustion mode, is obtained.
[0207]
GOib = GFib × ABFib ...... (44)
Then, from the base combustion form cylinder inflow air amount initial setting value GOib and the intake system coefficient d, the base combustion form air effective component component which is the air effective component partial pressure control target value in the base combustion form is obtained by the following equation (45). A pressure control target value Pmosib is calculated.
[0208]
Pmosib = (1 / d) ・ GOib …… (45)
Further, using the base combustion mode EGR amount initial set value EGRib set in S70, the gas constant Ra of the effective air component, the gas constant Re of the EGR gas effective component, the base combustion mode air effective component partial pressure control target value Pmosib, The base combustion mode EGR gas effective component partial pressure control target value Pmeib, which is the EGR gas effective component partial pressure control target value in the base combustion mode, is calculated by the following equation (46).
[0209]
Pmeesib = EGRib / (1-EGRib) × (Re / Ra) × Pmosib …… (46)
In S90, the fuel injection control method is determined. There are two types of fuel injection control methods, an L-Jetro type fuel injection control method and an A / F priority type fuel injection control method, and it is calculated in S100 by selecting one of these control methods according to a predetermined condition The accuracy of control values such as the intermediate combustion ratio RATIO and the final fuel injection amount can be made higher.
[0210]
The determination of the fuel injection control method is performed by the fuel injection control method determination routine shown in FIG. First, in S900, a determination is made based on the pressure state in the intake pipe 6, and the manifold total pressure Pm detected in S10 and the manifold reference pressure Pm preset in the
[0211]
In S901, it is determined whether or not the accelerator pedal depressing amount S is in an operation state in which the accelerator pedal is depressed more than a predetermined amount. Here, the depression amount S is the reference accelerator depression amount S.LMIf it is the following (NO), it is determined that the engine operating state is in the middle / low load operation region, and the process proceeds to S902 to select a fuel injection control method suitable for the middle / low load operation region. In S902, it is determined that the engine operating state is in the middle / low load operation region, the A / F priority type fuel injection control method is selected as the fuel injection control method, and the routine is exited.
[0212]
In S900, the manifold total pressure Pm is changed to the manifold reference pressure Pm.LMIf it is determined that the engine is in a higher negative pressure state (YES), or the accelerator depression amount S is preset in the
[0213]
In S903, the L JETRO type fuel injection control system is selected as the fuel injection control system suitable for high-load operation, and the routine is exited (return). After selecting either one of the L JETRO type fuel injection control method and the A / F priority type fuel injection control method by the above control, the process proceeds to S100 (FIG. 13).
[0214]
In S100, the intermediate combustion ratio RATIO is calculated. The intermediate combustion ratio RATIO is calculated based on the intermediate combustion ratio calculation formula set for each intermediate combustion mode by the intermediate combustion
[0215]
First, the stratification ratio SRATIO, which is the intermediate combustion ratio of the intermediate combustion mode between the stratified combustion mode SL and the uniform lean combustion mode KL, is the air effective component partial pressure (hereinafter simply referred to as “actual air effective”) of the actual pressure response value. "Component partial pressure")) Px, air effective component partial pressure control target value Pmosi in uniform lean combustion mode KLKL, The active air partial pressure control target value Pmosi in the stratified charge combustion form SLSLIs calculated by the following equation (47).
[0216]
SRATIO = (Px-PmosiKL) / (PmosiSL-PmosiKL) …… (47)
That is, according to the above equation (47), the stratification ratio SRATIO is obtained from the relationship between the air effective component partial pressure and the actual air effective component partial pressure in the base combustion mode and the first intermediate target combustion mode.
[0217]
In the above equation (47), as the actual air effective component partial pressure Px, when the fuel injection control method selected in S90 is the L JETRO fuel injection method, the air effective component partial pressure estimated value Pmo is used. In the case of the A / F priority type fuel injection system, the air effective component partial pressure prediction value Pmos is used (hereinafter, the same applies to the actual air effective component partial pressure Px).
[0218]
The lean ratio LRATIO, which is an intermediate combustion ratio of the intermediate combustion mode between the uniform lean combustion mode KL and the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN, is the actual air active component partial pressure Px, the air in the uniform lean combustion mode KL. Effective component partial pressure control target value PmosiKL, Uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN air effective component partial pressure control target value PmosiKSN Is calculated by the following equation (48).
[0219]
LRATIO = (Px-PmosiKSN) / (PmosiKL-PmosiKSN) …… (48)
That is, the lean ratio LRATIO is calculated from the relationship between the air effective component partial pressure and the actual air effective component partial pressure in the base combustion mode and the first intermediate target combustion mode.
[0220]
The EGR ratio ERATIO, which is the intermediate combustion ratio of the intermediate combustion mode between the uniform stoichiometric (without EGR) combustion mode KSN and the uniform stoichiometric (with EGR) combustion mode KSE, is the actual air effective component partial pressure Px and the intake pipe 6 Using the EGR gas effective component partial pressure (hereinafter simply referred to as “actual EGR gas effective component partial pressure”) Py of the actual pressure response value, the predicted EGR rate EGRs calculated by the following equation (49), and the uniform stoichiometric (EGR) Yes) Using the EGR amount initial setting value EGRi of the combustion mode KSE, the following equation (50) is used.
[0221]
EGRS = (Py / Re) / (Px / Ra + Py / Re) ...... (49)
ERATIO = EGRS / EGRi ...... (50)
In the above equation (49), the EGR gas effective component partial pressure Py is used as the actual EGR gas effective component partial pressure Py when the fuel injection control method selected in S90 is the L JETRO type fuel injection method. In the case of the A / F priority type fuel injection system, the EGR gas effective component partial pressure prediction value Pmees is used. (The same applies to the actual EGR gas active component partial pressure Py hereinafter).
[0222]
Here, in the above equations (47), (48), (49), the fuel injection control method in which the pressure response values used for the actual effective air component partial pressure Px and the actual EGR gas effective component partial pressure Py are selected in S90. The reason for selecting according to will be briefly described below.
[0223]
Since the air effective component partial pressure estimated value Pmo is calculated using sensor detection values detected by sensors such as the intake
[0224]
However, since the air effective component partial pressure estimated value Pmo is obtained using the sensor detection value actually detected by the sensors, the absolute accuracy is high, and in the high load operation region, the throttle of the intake pipe 6 is high. Since the differential pressure before and after the valve (hereinafter simply referred to as intake pipe differential pressure) is small, there is an advantage that an error due to detection delay can be allowed.
[0225]
On the other hand, since the air effective component partial pressure prediction value Pmos is calculated based on a theoretical calculation value based on the opening instruction values of the
[0226]
However, since the intake pipe differential pressure is small during high load operation, it is difficult to suck the intake air amount as calculated into the cylinder even if the throttle opening of the
[0227]
Therefore, in the L JETRO type fuel injection control method that is the high load operation region, the A / F priority type fuel injection control that is the medium / low load operation region is used by using the air active component partial pressure estimated value Pmo with higher absolute accuracy. In this method, the air active component partial pressure prediction value Pmos is used which has good accuracy in the transient change of the intake air amount and does not cause an error due to detection delay.
[0228]
The rich ratio RRATIO, which is the intermediate combustion ratio of the intermediate combustion mode between the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN and the uniform rich combustion mode KR, is calculated by the following method, unlike the calculation methods of the above intermediate combustion ratios. Is done. This is because the uniform rich combustion mode is a combustion mode with an air-fuel ratio richer than the stoichiometric air-fuel ratio, and the degree of transition to the intermediate combustion mode directly depends on the fuel injection amount.
[0229]
The rich ratio RRATIO calculates the rich ratio according to the time after the start of the intermediate combustion mode between the uniform rich combustion mode KR and the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN. Specifically, it is calculated by the following equation (51).
[0230]
RRATIO = RRATIO + DR ...... (51)
(However, DR: Time correction coefficient after start)
That is, the rich ratio RRATIO is calculated by considering the correction coefficient in a constant set in advance in the
[0231]
In S110, the final target air-fuel ratio ABFif that realizes the current combustion mode is calculated. The final target air-fuel ratio ABFif calculated here is a target air-fuel ratio in the current combustion mode for realizing the target torque Tei required by the driver, and is based on the first intermediate target combustion mode target air-fuel ratio initial setting value ABFi and the base It is calculated based on the combustion mode target air-fuel ratio initial set value ABFib and the intermediate combustion ratio RATIO.
[0232]
FIG. 19 is a flowchart showing a routine for calculating the final target air-fuel ratio ABFif performed by the final target air-fuel
[0233]
In S1107, the final target air-fuel ratio ABFif that realizes the steady combustion mode is calculated. The final target air-fuel ratio ABFif is calculated by referring to the initial set value data map of the steady combustion mode with interpolation calculation by the first intermediate target combustion mode initial set value calculation means 62. The fuel ratio is set to the initial set value ABFi. This is shown by the following equation (53). (Note that (52) is a missing number.)
ABFif = ABFi …… (53)
Therefore, for example, when the current combustion form grasped by the first current combustion
[0234]
Similarly, when the current combustion form grasped by the first current combustion
[0235]
Further, since the same combustion mode is the steady combustion mode of uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN, uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSE, and uniform rich combustion mode KR, the description thereof is omitted. .
[0236]
If it is determined in S1101 that the current combustion mode is not a steady combustion mode (NO), the process proceeds to S1102, and the current combustion mode obtained by the first current combustion
[0237]
Here, when the current combustion mode is an intermediate combustion mode between the uniform lean combustion mode KL and the stratified combustion mode SL (YES), the process proceeds to S1103 and subsequent steps in order to calculate the final target air-fuel ratio ABFif that realizes this. To do.
[0238]
In S1103, a temporary target air-fuel ratio, which is a calculated air-fuel ratio in the intermediate combustion mode between the uniform lean combustion mode KL and the stratified combustion mode SL, is calculated. The temporary target air-fuel ratio ABFifi is the target air-fuel ratio ABFi in the uniform lean combustion mode KL.KLAnd the target air-fuel ratio ABFi in the stratified charge combustion mode SLSLAnd the stratification ratio SRATIO is calculated by the following equation (54).
[0239]
ABFifi = SRATIO × ABFiSL+ (1-SRATIO) x ABFiKL …… (54)
Here, the target air-fuel ratio ABFi of the stratified charge combustion form SLSLIs calculated by referring to the target air-fuel ratio calculation data map of the stratified charge combustion mode SL. When the stratified combustion mode SL is the first intermediate target combustion mode, it is calculated by the first intermediate target combustion mode initial setting value calculating means 62, and when it is the base combustion mode, it is calculated by the base combustion mode initial setting value calculating means 72. Is done.
[0240]
Further, the target air-fuel ratio ABFi of the uniform lean combustion mode KLKLIs calculated by referring to the target air-fuel ratio calculation data map of the uniform lean combustion mode KL. When the uniform lean combustion mode KL is the first intermediate target combustion mode, the first intermediate target combustion mode initial setting value calculation means 62 is used. When the uniform lean combustion mode KL is the base combustion mode, the base combustion mode initial setting
[0241]
Next, in S1104, the temporary target air-fuel ratio ABFif calculated in S1103 is compared with the stratified combustion rich limit air-fuel ratio ABFrs. Thereby, it is selected and set whether the intermediate combustion mode is performed by the stratified combustion operation or the uniform combustion operation.
[0242]
Here, when the temporary target air-fuel ratio ABFifi is larger than the stratified combustion rich limit air-fuel ratio ABFrs (ABFifi> ABFrs) (YES), since the target air-fuel ratio is leaner than the stratified combustion rich limit, Since the provisional target air-fuel ratio can be realized, the process proceeds to S1106. In step S1106, a process for setting the temporary target air-fuel ratio ABFif to the final target air-fuel ratio ABFif is performed.
[0243]
Further, when the temporary target air-fuel ratio ABFif is equal to or less than the stratified combustion rich limit air-fuel ratio ABFrs (ABFif ≦ ABFrs) (NO), the target air-fuel ratio is richer than the stratified combustion rich limit air-fuel ratio ABFrs. The stratified combustion operation by form cannot be realized. Therefore, in such a case, it is necessary to switch the operation method to the uniform combustion operation to realize the target torque Tei.
[0244]
Accordingly, the process proceeds to S1105 in order to set the target air-fuel ratio that can achieve the target torque Tei in the uniform lean combustion mode as the final target air-fuel ratio ABFif.
[0245]
In S1105, the final target air-fuel ratio ABFif is calculated. Here, the target air-fuel ratio in the uniform lean combustion mode KL is referred to by the first intermediate target combustion mode initial setting
[0246]
Next, if it is determined in S1102 that the current combustion mode is not an intermediate combustion mode between the uniform lean combustion mode KL and the stratified combustion mode SL (NO), it is determined which intermediate combustion mode is in effect, In order to calculate the final target air-fuel ratio ABFif that realizes the intermediate combustion mode, the routine proceeds to S1108 and thereafter.
[0247]
In S1108, it is determined whether or not the current combustion mode grasped by the first current combustion
[0248]
In S1109, a final target air-fuel ratio is calculated that realizes an intermediate combustion mode between the uniform lean combustion mode KL and the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN. The final target air-fuel ratio ABFif is the target air-fuel ratio ABFi in the uniform lean combustion mode KL.KLAnd the target air-fuel ratio ABFi in the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSNKSN And the lean ratio LRATIO is calculated by the following equation (55).
[0249]
ABFifi = LRATIO × ABFiKL+ (1-LRATIO) x ABFiKSN ...... (55)
Here, the target air-fuel ratio ABFi of the uniform lean combustion mode KLKLIs calculated by referring to the target air-fuel ratio calculation data map of the uniform lean combustion mode KL by the first intermediate target combustion mode initial setting
[0250]
Further, the target air-fuel ratio ABFi of the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSNKSN Is calculated by referring to the target air-fuel ratio calculation data map of the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN by the first intermediate target combustion mode initial setting
[0251]
If it is determined in S1108 that the current combustion mode is not an intermediate combustion mode (NO) between the uniform lean combustion mode KL and the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN, the process proceeds to S1110 and subsequent steps.
[0252]
In S1110, it is determined whether or not the current combustion form grasped by the first current combustion
[0253]
In S1111, the final target air-fuel ratio ABFif that realizes an intermediate combustion mode between the uniform rich combustion mode KR and the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN is calculated. The final target air-fuel ratio ABFif is the target air-fuel ratio ABFi in the uniform rich combustion mode KR.KRAnd the target air-fuel ratio ABFi in the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSNKSN And the rich ratio RRATIO is calculated by the following equation (56).
[0254]
ABFifi = RRATIO × ABFiKR+ (1-RRATIO) × ABFiKSN …… (56)
Here, the target air-fuel ratio ABFi of the uniform rich combustion mode KRKRIs calculated by referring to the target air-fuel ratio calculation data map of the uniform rich combustion mode KR by the first intermediate target combustion mode initial setting
[0255]
Further, the target air-fuel ratio ABFi of the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSNKSN Is calculated by referring to the target air-fuel ratio calculation data map of the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN by the first intermediate target combustion mode initial setting
[0256]
When the current combustion mode is not an intermediate combustion mode between the uniform rich combustion mode KR and the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN (NO), the intermediate combustion mode is the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN. It is determined that the combustion mode is an intermediate combustion mode between the uniform stoichiometric (with EGR) combustion mode, and the flow proceeds to S1112 to calculate the final target air-fuel ratio ABFif that realizes this.
[0257]
In S1112, the final target air-fuel ratio that realizes an intermediate combustion mode between the uniform stoichiometric (without EGR) combustion mode KSN and the uniform stoichiometric (with EGR) combustion mode KSE is calculated.
[0258]
The final target air-fuel ratio ABFif is calculated by referring to the target air-fuel ratio calculation data map of the first intermediate target combustion mode set by the first intermediate target combustion mode initial setting value calculating means 62. The target air-fuel ratio ABFi is used.
[0259]
This is shown by the following equation (57).
[0260]
ABFif = ABFi …… (57)
Therefore, for example, when the first intermediate target combustion mode is the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN, the final target air-fuel ratio ABFif is referred to the target air-fuel ratio calculation data map of the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN. When the first intermediate target combustion mode is the uniform stoichiometric (with EGR) combustion mode KSE, it is calculated by referring to the target air-fuel ratio calculation data map of the uniform stoichiometric (with EGR) combustion mode KSE. Is done.
[0261]
As described above, after calculating the final target air-fuel ratio ABFif that realizes the current combustion mode by the processing of S110, the process proceeds to S120 to calculate the final fuel injection amount Gfss. In S120, the final basic fuel injection amount Gfss is calculated. The final basic fuel injection amount Gfss calculated here is the fuel injection amount for realizing the current combustion mode, and the final target air-fuel ratio ABFif and the actual pressure response value in the intake pipe 6 (the effective air component partial pressure) Calculated based on the estimated value Pmo or the air active component partial pressure predicted value Pmos).
[0262]
This is because, for example, the
[0263]
Here, the final basic fuel injection amount calculation means 82 calculates two types of fuel injection amounts based on the two types of intake pipe pressure response values calculated in S60 described above, and the fuel injection control determined in S90. One of the two fuel injection amounts is adopted as the final fuel injection amount Gfss corresponding to the method.
[0264]
First, a predicted intake air amount that is an intake air amount predicted to be actually taken into the combustion chamber 8 is calculated based on the pressure response value and the intake system coefficient. Here, the L jetro type predicted intake air amount GOS_L is calculated by the following equation (58) using the air effective component partial pressure estimated value Pmo, and the A / F priority type predicted intake air amount GOS_A is the air effective component partial pressure prediction. It is calculated by the following equation (59) using the value Pmos.
[0265]
GOS_L = d × Pmo ...... (58)
GOS_A = d × Pmos …… (59)
Next, the fuel injection amount is calculated based on the predicted intake air amount calculated by the equations (58) and (59) and the final target air-fuel ratio ABFif calculated in S110. Here, the L JETRO type fuel injection amount Gfss_L is calculated by the following equation (60) using the L JETRO type predicted intake air amount GOS_L, and the A / F priority type fuel injection amount Gfss_A is A / F priority type prediction type. It is calculated by the following equation (61) using the intake air amount GOS_A.
[0266]
Gfss_L = GOS_L / ABFif… (60)
Gfss_A = GOS_A / ABFif… (61)
Thus, the final basic fuel injection amount Gfss_L and the effective air component when the effective air component partial pressure estimated value Pmo is used as the pressure response value according to the above equations (58), (59), (60), and (61). A final basic fuel injection amount Gfss_A when the partial pressure prediction value Pmos is used is calculated.
[0267]
When the fuel injection control method selected in S90 is the L JETRO fuel injection control method, the L JETRO fuel injection amount Gfss_L is adopted as the final basic fuel injection amount Gfss, and the A / F priority fuel injection control is performed. In the case of the method, the A / F priority type fuel injection amount Gfss_A is adopted as the final basic fuel injection amount Gfss.
[0268]
Thereby, the final basic fuel injection amount Gfss for realizing the current combustion mode can be accurately calculated. The reason why the air effective component partial pressure estimated value Pmo or the air effective component partial pressure estimated value Pmos is used as the pressure response value is as follows. The actual air effective component partial pressure Px at the time of calculating the intermediate combustion ratio RATIO Since this is the same as the case of, detailed description thereof is omitted.
[0269]
After S130, the predicted torque Tes is calculated, and the fuel injection timing TJ and the ignition timing IG corresponding to the predicted torque Tes are calculated. Thus, the fuel injection timing and the ignition timing for realizing the predicted torque Tes that can be actually realized with respect to the target torque Tei are calculated.
[0270]
In S130, the predicted torque Tes is calculated by the process of the predicted torque calculation unit 91. Here, the predicted torque Tes is obtained by using a ratio between an actual pressure response value in the intake pipe 6 and a pressure response value that is a final control target set to achieve the target torque Tei. Is calculated by correcting.
[0271]
Specifically, it is calculated by the following equations (62) and (63).
[0272]
Tes = Tei × (Pmo / Pmosi)… (62)
Tes = Tei × (Pmos / Pmosi)… (63)
Then, one of the predicted torques Tes calculated by the above equations (62) and (63) is selected according to the fuel injection control method selected in S90. Here, when the fuel injection control method is the L JETRO method, the predicted torque Tes according to the above equation (62) calculated using the air effective component partial pressure estimated value Pmo is adopted, and the A / F priority method is used. In some cases, the predicted torque Tes according to the above equation (63) calculated using the air effective component partial pressure predicted value Pmos is employed.
[0273]
In the case of the intermediate combustion mode between the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode and the uniform lean combustion mode, the calculation method of the predicted torque Tes differs depending on the lean ratio LRATIO. When the lean ratio LRATIO is 1 or more (LRATIO ≧ 1), the air effective component partial pressure control target value Pmosi and the air effective component partial pressure estimated value Pmo or the air effective component partial pressure prediction for the uniform lean combustion mode are used. The predicted torque Tes is calculated using either one of the values Pmos.
[0274]
When the lean ratio LRATIO is 0 or less (LRATIO ≦ 0), the air effective component partial pressure control target value Pmosi and the air effective component partial pressure estimated value Pmo or the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode The predicted torque Tes is calculated using any one of the air effective component partial pressure predicted values Pmos.
[0275]
Furthermore, when the lean ratio is between 0 and 1 (0 <LRATIO <1), the target torque Tei is set as the predicted torque Tes.
[0276]
In the case of the intermediate combustion mode between the stratified combustion mode and the uniform lean combustion mode, the calculation method of the predicted torque Tes differs depending on the stratification ratio SRATIO and the temporary target air-fuel ratio ABFifi. When the temporary target air-fuel ratio ABFif is leaner than the stratification rich limit air-fuel ratio ABFrs and the stratification ratio SRATIO is less than 1 (SRATIO <1), the target torque Tei is calculated as the predicted torque Tes.
[0277]
When the temporary target air-fuel ratio ABFif is leaner than the stratified rich limit air-fuel ratio ABFrs and the stratified ratio SRATIO is 1 or more (SRATIO ≧ 1), the effective air component pressure control target value Pmosi in the stratified charge combustion mode is The predicted torque Tes is calculated using either the air effective component partial pressure estimated value Pmo or the air effective component partial pressure predicted value Pmos.
[0278]
Further, when the temporary target air-fuel ratio ABFifi is on the rich side with respect to the stratified rich limit air-fuel ratio ABFrs, the air effective component partial pressure control target value Pmosi and the air effective component partial pressure estimated value Pmo in the uniform lean combustion mode are used. Alternatively, the predicted torque Tes is calculated using either one of the air effective component partial pressure predicted values Pmos.
[0279]
In S140, the basic fuel injection timing TJ is calculated by the processing of the fuel injection timing calculation means 94. The basic fuel injection timing TJ is calculated by referring to a fuel injection timing calculation data map having parameters of the predicted torque Tes and the engine speed Ne provided for each steady combustion mode with interpolation calculation.
[0280]
Here, when the current combustion mode is the steady combustion mode, the fuel injection timing TJi calculated based on the fuel injection timing calculation data map of the first intermediate combustion mode is set as the basic fuel injection timing TJ.
[0281]
Further, when the current combustion mode is the intermediate combustion mode and the intermediate combustion mode is other than the intermediate combustion mode between the uniform lean combustion mode KL and the stratified combustion mode SL, the fuel injection timing calculation data map of the base combustion mode And the first intermediate target combustion mode fuel injection timing TJi calculated by referring to the fuel map for calculating the fuel injection timing of the first intermediate target combustion mode TJb. A value obtained by linear interpolation with the intermediate combustion ratio RATIO is set as the basic fuel injection timing TJ.
[0282]
When the intermediate combustion mode is an intermediate combustion mode between the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN and the uniform rich combustion mode KR, the fuel injection timing is calculated by a fuel injection timing calculation data map of the uniform lean combustion mode. Calculated fuel injection timing TJKRAnd the fuel injection timing TJ calculated from the fuel injection timing calculation data map for the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSNKSN And using the rich ratio RRATIO according to the following equation (64).
[0283]
TJ = RRATIO × TJKR+ (1-RRATIO) × TJKSN …… (64)
The fuel injection timing in the intermediate combustion mode between the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN and the uniform lean combustion mode KL was calculated by the fuel injection timing calculation data map of the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN. Fuel injection timing TJKSN And the fuel injection timing TJ calculated from the fuel injection timing calculation data map for the uniform lean combustion mode KLKLAnd using the lean ratio LRATIO according to the following equation (65).
[0284]
TJ = LRATIO × TJKL+ (1-LRATIO) × TJKSN ...... (65)
Calculation of the fuel injection timing in the intermediate combustion mode between the uniform stoichiometric (without EGR) combustion mode KSN and the uniform stoichiometric (with EGR) combustion mode KSE is the fuel injection timing calculation data for the uniform stoichiometric (without EGR) combustion mode KSN. Fuel injection timing TJ calculated by mapKSN And the fuel injection timing TJ calculated from the fuel injection timing calculation data map for the uniform stoichiometric (with EGR) combustion mode KSEKSE And using the EGR ratio ERATIO, the following equation (66) is performed.
[0285]
TJ = ERATIO × TJKSE+ (1-ERATIO) × TJKSN …… (66)
Thus, the basic fuel injection timing TJ when the intermediate combustion mode is other than the intermediate combustion mode between the uniform lean combustion mode KL and the stratified combustion mode SL is expressed by the above equations (64), (65), (66) Is calculated by linearly interpolating the fuel injection timings of the base combustion mode and the first intermediate target combustion mode with the intermediate combustion ratio RATIO. This is based on the fact that it has been experimentally confirmed that the fuel injection timing in the intermediate combustion mode moves almost linearly in conjunction with the air-fuel ratio.
[0286]
The calculation of the fuel injection timing in the intermediate combustion mode between the uniform lean combustion mode KL and the stratified combustion mode SL is provided for each combustion operation mode (uniform combustion operation or stratified combustion operation) in which the intermediate combustion mode is performed. It is calculated by referring to the fuel injection timing calculation data map.
[0287]
This is because the fuel injection timing is completely different between the stratified combustion operation and the uniform combustion operation, so the fuel injection timings of the base combustion mode and the first intermediate target combustion mode are linear as in the above three types of intermediate combustion modes. This is because it cannot be calculated by interpolation.
[0288]
Accordingly, the fuel injection timing TJ when the combustion operation method is the uniform combustion operation (that is, the temporary target air-fuel ratio is richer than the stratified rich limit air-fuel ratio) is the fuel injection timing calculation data map for the uniform lean combustion mode. The fuel injection timing TJ when the combustion operation method is the stratified combustion operation method (that is, the temporary target air-fuel ratio is leaner than the stratified rich limit air-fuel ratio) is the fuel for the stratified combustion mode It is calculated by referring to the injection timing calculation data map.
[0289]
By using the basic fuel injection timing TJ calculated as described above, it is possible to inject fuel at an injection timing that matches the predicted torque Tes that is actually output rather than the fuel injection timing that matches the target torque Tei. The controllability of the fuel injection timing at the time of transition can be improved.
[0290]
In S150, the basic ignition timing IG is calculated by the processing of the basic ignition timing calculation means 97. The basic ignition timing IG is calculated by referring to an ignition timing calculation data map with parameters of the predicted torque Tes and the engine speed Ne provided for each steady combustion mode.
[0291]
When the current combustion mode is the steady combustion mode, the ignition timing IGi calculated based on the ignition timing calculation data map of the first intermediate combustion mode is set as the basic ignition timing IG.
[0292]
In addition, when the current combustion mode is the intermediate combustion mode and the intermediate combustion mode is other than the intermediate combustion mode between the uniform lean combustion mode KL and the stratified combustion mode SL, the ignition timing calculation data map of the base combustion mode is displayed. The base combustion mode ignition timing IGb calculated by referring to the first intermediate target combustion mode ignition timing IGi calculated by referring to the ignition timing calculation data map of the first intermediate target combustion mode is used as the intermediate combustion ratio RATIO. The value obtained by linear interpolation is used as the basic ignition timing IG.
[0293]
The calculation of the ignition timing in the intermediate combustion mode between the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN and the uniform rich combustion mode KR is the ignition timing calculated by the ignition timing calculation data map of the uniform lean combustion mode. IGKRAnd the ignition timing IG calculated by the ignition timing calculation data map of the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSNKSN And using the rich ratio RRATIO according to the following equation (67).
[0294]
IG = RRATIO × IGKR+ (1-RRATIO) × IGKSN …… (67)
The ignition timing in the intermediate combustion mode between the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN and the uniform lean combustion mode KL is calculated by the ignition timing calculation data map for the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN. IGKSN And ignition timing IG calculated from the ignition timing calculation data map for the uniform lean combustion mode KLKLAnd using the lean ratio LRATIO according to the following equation (68).
[0295]
IG = LRATIO × IGKL+ (1-LRATIO) x IGKSN …… (68)
Calculation of the ignition timing in the intermediate combustion mode between the uniform stoichiometric (without EGR) combustion mode KSN and the uniform stoichiometric (with EGR) combustion mode KSE is based on the ignition timing calculation data map of the uniform stoichiometric (without EGR) combustion mode KSN. Calculated ignition timing IGKSN And the ignition timing IG calculated from the ignition timing calculation data map for the uniform stoichiometric (with EGR) combustion mode KSEKSE And using the EGR ratio ERATIO, the following equation (69) is performed.
[0296]
IG = ERATIO × IGKSE+ (1-ERATIO) × IGKSN …… (69)
Thus, the basic ignition timing IG when the intermediate combustion mode is other than the intermediate combustion mode between the uniform lean combustion mode KL and the stratified combustion mode SL is expressed by the above equations (67), (68), and (69). The ignition timing of the base combustion mode and the first intermediate target combustion mode is calculated by linearly interpolating with the intermediate combustion ratio RATIO. This is based on the fact that it has been experimentally confirmed that the ignition timing in the intermediate combustion mode moves substantially linearly in conjunction with the air-fuel ratio, as with the fuel injection timing.
[0297]
The calculation of the ignition timing in the intermediate combustion mode between the uniform lean combustion mode KL and the stratified combustion mode SL is provided for each combustion operation mode (uniform combustion operation or stratified combustion operation) in which the intermediate combustion mode is performed. It is calculated by referring to the ignition timing calculation data map.
[0298]
This is because the ignition timing is different between the stratified combustion operation and the uniform combustion operation, so that the ignition timing between the base combustion mode and the first intermediate target combustion mode is calculated by linear interpolation as in the above three types of intermediate combustion modes. It is because it is not possible.
[0299]
Therefore, for the ignition timing IG when the combustion operation method is the uniform combustion operation (that is, the temporary target air-fuel ratio is richer than the stratified rich limit air-fuel ratio), refer to the ignition timing calculation data map for the uniform lean combustion mode When the combustion operation method is the stratified combustion operation method (that is, the temporary target air-fuel ratio is leaner than the stratified rich limit air-fuel ratio), the ignition timing IG is for calculating the ignition timing for the stratified combustion mode Calculated by referring to the data map.
[0300]
By using the basic ignition timing IG calculated as described above, it is possible to ignite at an ignition timing that matches the predicted torque Tes that is actually output instead of the ignition timing that matches the target torque Tei, and particularly during ignition The controllability of the time can be improved.
[0301]
In S160, when the current combustion mode is the intermediate combustion mode, it is determined whether or not the transition to the first intermediate target combustion mode is completed by realizing the intermediate combustion mode. The intermediate combustion ratio RATIO is used for the end determination of the intermediate combustion mode, and it is determined whether the realization of the intermediate combustion mode is continued or ended.
[0302]
When the current combustion mode is an intermediate combustion mode between the stratified combustion mode SL and the uniform lean combustion mode KL and the first intermediate target combustion mode is the stratified combustion mode SL, when the stratification ratio SRATIO is 1 or more, the intermediate combustion mode As a result, it is determined that the current combustion mode is the stratified combustion mode, which is the first intermediate target combustion mode, and an end determination is made. If it is less than 1, it is determined that the first intermediate target combustion mode has not yet been reached. The continuation determination is made (see FIG. 5).
[0303]
Further, when the current combustion mode is an intermediate combustion mode between the stratified combustion mode SL and the uniform lean combustion mode KL, and the first intermediate target combustion mode is the uniform lean combustion mode KL, the temporary target air-fuel ratio ABFifi becomes the stratified combustion rich limit When the air-fuel ratio is less than ABFrs, it is determined that the current combustion mode is the uniform lean combustion mode KL, which is the first intermediate target combustion mode, by the realization of the intermediate combustion mode. When it is above, it is determined that the first intermediate target combustion mode is set, and a continuation determination is made (see FIG. 5).
[0304]
When the current combustion mode is an intermediate combustion mode between the uniform lean combustion mode KL and the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN and the first intermediate target combustion mode is the uniform lean combustion mode KL, the lean ratio LRATIO is 1 or more. In some cases, it is determined that the current combustion mode is the uniform lean combustion mode KL, which is the first intermediate target combustion mode, and an end determination is made. If it is less than 1, the current intermediate combustion mode is not yet the first intermediate target combustion mode. Is determined and a continuation determination is made (see FIG. 5).
[0305]
Further, when the current combustion form is an intermediate combustion form between the uniform lean combustion form KL and the uniform stoichiometric (no EGR) combustion form KSN, and the first intermediate target combustion form is the uniform stoichiometric (no EGR) combustion form KSN, the lean When the ratio LRATIO is less than or equal to 0, it is determined that the current combustion mode is the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN that is the first intermediate target combustion mode, and an end determination is made. 1 It is determined that the intermediate target combustion mode is not set, and a continuation determination is made (see FIG. 5).
[0306]
When the current combustion mode is an intermediate combustion mode between the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN and the uniform rich combustion mode KR, and the first intermediate target combustion mode is the uniform rich combustion mode KR, the rich ratio RRATIO is 1 or more. When it is determined that the current combustion mode is the uniform rich combustion mode KR, which is the first intermediate target combustion mode, an end determination is made. If the current combustion mode is less than 1, the first intermediate target combustion mode has not yet been reached. Determination is made and continuation determination is made (see FIG. 5).
[0307]
Further, when the current combustion mode is an intermediate combustion mode between the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN and the uniform rich combustion mode KR, the first intermediate target combustion mode is the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN. When the ratio RRATIO is less than or equal to 0, it is determined that the current combustion mode is the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN that is the first intermediate target combustion mode, and an end determination is made. It is determined that the intermediate target combustion mode is not in effect, and a continuation determination is made (see FIG. 5).
[0308]
When the current combustion mode is an intermediate combustion mode between the uniform stoichiometric (without EGR) combustion mode KSN and the uniform stoichiometric (with EGR) combustion mode KSE, and the first intermediate target combustion mode is the uniform stoichiometric (with EGR) combustion mode KSE, When the EGR ratio ERATIO is 1 or more, it is determined that the current combustion mode is the uniform stoichiometric (with EGR) combustion mode KSE that is the first intermediate target combustion mode, and the end determination is made. It is determined that the first intermediate target combustion mode has not been established, and a continuation determination is made (see FIG. 5).
[0309]
Further, the current combustion mode is an intermediate combustion mode between the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN and the uniform stoichiometric (with EGR) combustion mode KSE, and the first intermediate target combustion mode is the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN. In some cases, when the EGR ratio ERATIO is less than or equal to 0, it is determined that the current combustion mode is the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN that is the first intermediate target combustion mode, and an end determination is made. In this case, it is determined that the first intermediate target combustion mode has not yet been reached, and a continuation determination is made (see FIG. 5). Thus, after determining the state of the current combustion mode, the process proceeds to S170.
[0310]
In S170, the present combustion form is grasped by the present combustion
[0311]
First, in S1701, when the determination in S160 is an end determination (YES), the process proceeds to S1702 to set a new first intermediate target combustion mode and a second intermediate target combustion mode. If the determination is a continuation determination (NO), the routine exits (return) to further realize the intermediate combustion mode.
[0312]
In S1702, the first intermediate target combustion mode and the second intermediate target combustion mode are updated. Here, the intermediate target combustion mode updating means 54 updates the second intermediate target combustion mode set in S40 as the first intermediate target combustion mode as a new first intermediate target combustion mode, and the second intermediate target combustion mode. Is updated with the final target combustion mode set in S40 as a new second intermediate target combustion mode. And it shifts to S1703 to grasp a new present combustion form.
[0313]
In S1703, it is compared whether or not the first intermediate target combustion mode before being updated in S1702 and the first intermediate target combustion mode after being updated are the same combustion mode. If the first intermediate target combustion mode before and after the update is the same combustion mode (YES), the process proceeds to S1704.
[0314]
In S1704, the second current combustion
[0315]
In S1703, when the first intermediate target combustion mode before and after the update is a different combustion mode (NO), it is determined that the combustion mode change control is in progress, and the process proceeds to S1705. In S1705, a process is performed in which the intermediate combustion mode between the first intermediate target combustion mode before the update and the first intermediate target combustion mode after the update is grasped as the current combustion mode. Thereby, it can be grasped that the current combustion mode is the intermediate combustion mode and the control is being changed to the first intermediate target combustion mode. Then, this routine is exited (return).
[0316]
Thus, in S170, the current combustion mode is grasped, and whether the current combustion mode is the steady combustion mode that is the final target combustion mode, or the intermediate combustion mode between the base combustion mode and the first intermediate target combustion mode It is grasped whether it is.
[0317]
If it is determined that the combustion mode is a steady combustion mode in S170, engine control is performed based on the steady combustion mode. If it is determined that the combustion mode is an intermediate combustion mode, the combustion mode is the same as the final target combustion mode. Combustion mode change control is performed.
[0318]
By performing the above control, the engine can be operated with the final target combustion mode selected according to the situation. Also, when changing the steady combustion mode, the fuel injection timing and the ignition timing can be matched with the actual output torque by interposing the intermediate combustion mode in between, and the torque connection between each steady combustion mode Can be made smooth. Therefore, the relationship between the driver request and the engine output can be made constant. After performing the above control, the routine exits (return).
[0319]
Next, an operation example 1 of the combustion mode change control performed by the above-described control routine will be described with reference to FIG. FIG. 21 is an explanatory diagram showing the setting and grasping status of the current combustion mode, the first intermediate target combustion mode, the second intermediate target combustion mode, and the final target combustion mode in operation example 1 as time elapses.
[0320]
In this operation example, when the current combustion mode is known to be a steady combustion mode by the stratified combustion mode SL, the final target combustion mode setting means 51 sets the final target combustion mode as the uniform rich combustion mode KR. The control from the setting of the intermediate target combustion mode until the current combustion mode is changed to the same steady combustion mode as the final target combustion mode will be described.
[0321]
First,
[0322]
Here, since the current combustion mode is grasped as a stratified combustion mode which is a steady combustion mode, engine control is performed while maintaining the current combustion mode. Therefore, the
[0323]
In
[0324]
The final target combustion mode is set as the uniform rich combustion mode KR by the final target combustion mode setting means 51. The first intermediate target combustion mode and the second intermediate target combustion mode are the uniform rich combustion mode KR which is the final target combustion mode after being changed by the intermediate target combustion mode setting means 52, and the stratified combustion mode SL which is the current combustion mode. By referring to the intermediate target combustion mode instruction table (see Tables 1 to 3), the uniform lean combustion mode KL and the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN are set, respectively.
[0325]
Step 3 shows a state where the first current combustion
[0326]
Thus, the current combustion mode is grasped as an intermediate combustion mode between the stratified combustion mode SL and the uniform lean combustion mode KL, and the change control of the combustion mode to the first intermediate target combustion mode is performed.
[0327]
Step 4 shows a state in which the intermediate combustion mode is completed and the intermediate target combustion mode and the current combustion mode are updated as a result of the change control to the first intermediate target combustion mode. This is because the current combustion form grasped in step 3 was the intermediate combustion form, so that the current combustion form is changed to the first intermediate target combustion form, and as a result, the first intermediate target combustion of the combustion form is performed. When the change to the mode is completed, that is, when the current combustion mode becomes the same combustion mode as the first intermediate target combustion mode, the intermediate combustion mode end determination is made by the intermediate combustion mode end determination means 53.
[0328]
Then, the intermediate target combustion mode update unit 54 that has received the end determination updates the first intermediate target combustion mode and the second intermediate target combustion mode, and the first current combustion
[0329]
Therefore, the current combustion mode is grasped as an intermediate combustion mode between the uniform lean combustion mode and the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode. Here, since it is understood that the current combustion mode is the intermediate combustion mode, control for changing the combustion mode to the first intermediate target combustion mode is subsequently performed.
[0330]
[0331]
Step 6 shows a state in which the intermediate combustion mode is completed and the intermediate target combustion mode and the current combustion mode are updated as a result of the change control to the first intermediate target combustion mode in
[0332]
Here, the second current combustion
[0333]
That is, switching of the combustion mode is completed in this state, and the current steady combustion mode is maintained unless the final target combustion mode is changed to another different steady combustion mode due to a change in the situation. Therefore, the uniform lean combustion mode that is the current combustion mode is maintained, and the engine operation is performed by the uniform lean combustion mode. As described above, the current combustion mode is changed to the same combustion mode as the final target combustion mode.
[0334]
Next, an operation example 2 which is another operation example of the combustion mode change control will be described with reference to FIG. FIG. 22 is an explanatory diagram showing the setting and grasping state of the current combustion mode, the first intermediate target combustion mode, the second intermediate target combustion mode, and the final target combustion mode in operation example 2 with time.
[0335]
In this operation example, the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN is initially set as the current combustion mode, and the stratified combustion mode SL is set as the final target combustion mode, and the current combustion mode is uniformly stoichiometric (without EGR) by the control by the setting. In the case of an intermediate combustion mode between the combustion mode KSN and the uniform lean combustion mode KL, the final target combustion mode is set to a uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN by the final target combustion mode setting means 51 due to a change in the operating state. The case where it is changed to will be described.
[0336]
[0337]
It is understood that the current combustion mode is an intermediate combustion mode between the uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN and the uniform lean combustion mode KL, and the first intermediate target combustion mode is the uniform lean combustion mode KL and the second intermediate combustion mode. The target combustion mode and the final target intermediate combustion mode are understood as the stratified combustion mode SL.
[0338]
In
[0339]
Here, the final target combustion mode is set as a uniform stoichiometric (no EGR) combustion mode KSN, and the first intermediate target combustion mode and the second intermediate target combustion mode are uniform according to the intermediate target combustion mode instruction table (see Table 1). The stoichio (no EGR) combustion mode KSN is set. Thereby, the setting of the current combustion mode is not changed, but the setting of the intermediate combustion mode is changed.
[0340]
Step 3 shows a state in which the current combustion mode is updated by the first
[0341]
In step 4, the current combustion mode becomes the same as that of the first intermediate target by performing the intermediate combustion mode whose directionality is reversed in step 3, and the first intermediate target combustion mode and the second combustion mode are updated by the intermediate target combustion mode update means 54. The state where the intermediate target combustion mode is updated is shown.
[0342]
Here, the second current combustion
[0343]
As described above, the combustion mode change control for setting the intermediate target combustion mode between the current combustion mode and the final target combustion mode and changing the combustion mode from the current combustion mode to the final target combustion mode via the intermediate target combustion mode. When the final target combustion mode is changed according to the situation and a new final target combustion mode is set according to the situation during the combustion mode change control, the direction of the combustion mode change control is quickly changed. Thus, the current combustion mode can be changed to the final target combustion mode as short as possible.
[0344]
In addition, this invention is not limited to the above-mentioned embodiment, A various change is possible within the summary of invention. For example, in the above-described embodiment, an engine in which five types of steady combustion modes can be selected as the final target combustion mode has been described. However, the present invention is not limited to this. For example, a uniform lean combustion mode, a uniform The present invention can also be applied to an engine that can realize four types of combustion modes, a stoichio (without EGR) combustion mode, a uniform stoichiometric (with EGR) combustion mode, and a uniform rich combustion mode.
[0345]
Therefore, in the above-described embodiment, an example using an in-cylinder injection type engine that directly injects fuel into the cylinder has been shown. However, the present invention is not limited to this, and a type in which fuel is injected into a normal intake manifold This can also be applied to other engines.
[0346]
Further, in the present embodiment, the description has been given using the example in which the intake air control and the EGR control are performed while estimating the effective air component and the effective EGR gas component corresponding to the target torque. However, the present invention is not limited to this. The present invention can also be applied to an engine that does not perform EGR control or does not have an EGR valve. In these cases, it is assumed that the EGR valve passage gas flow rate Qe is 0, that is, the manifold total pressure Pm is equal to the fresh air partial pressure model value Pfa and the effective air component partial pressure estimation value Pmo. The present invention can be applied to an engine in which EGR control is not performed or an EGR valve is not installed by calculating the opening degree Sa and obtaining a predicted torque.
[0347]
【The invention's effect】
As described above, according to the engine control apparatus of the present invention, by realizing the intermediate combustion mode when changing the combustion mode, the fuel injection amount and the ignition suitable for the output torque actually realized at the time of the change are realized. Timing, fuel injection timing, and the like can be controlled, a smooth connection of output torque can be secured, and occurrence of torque shock can be suppressed. In addition, the driver's intention and the engine output are always associated with each other, the followability of the engine output can be improved, and the driving feeling can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory diagram of the overall configuration of an engine apparatus to which an engine control apparatus according to the present invention is applied.
FIG. 2 is an explanatory diagram of a schematic configuration of an ECU.
FIG. 3 is an explanatory diagram schematically illustrating each function realized by the electronic control unit with respect to engine control.
FIG. 4 is a block diagram for explaining a combustion mode selection control function of the main control unit;
FIG. 5 is an explanatory diagram schematically showing a combustion mode realized by an engine.
FIG. 6 is a block diagram for explaining an ETC and EGR valve control value calculation function and an intermediate combustion ratio calculation function;
FIG. 7 shows an intake system model employed in the present invention.
FIG. 8 is a block diagram illustrating a calculation function of a final target air-fuel ratio and a final basic fuel injection amount in a normal combustion mode.
FIG. 9 is a block diagram illustrating a calculation function of a final target air-fuel ratio and a final basic fuel injection amount only in an intermediate combustion mode between a uniform lean combustion mode and a stratified combustion mode.
FIG. 10 is a block diagram illustrating a function of calculating a fuel injection timing that is a timing at which fuel is injected from an injector.
FIG. 11 is a block diagram illustrating a function of calculating an ignition timing that is a timing at which ignition is performed by the spark plug.
FIG. 12 is an initialization routine that is interrupted during engine start operation.
FIG. 13 is a routine program for setting a combustion mode and controlling intake / EGR amount, fuel injection amount, fuel injection timing, and ignition timing.
FIG. 14 is a flowchart showing a final target combustion mode selection setting routine.
FIG. 15 is a flowchart showing a control routine for setting an intermediate target combustion mode performed by an intermediate target combustion mode setting means.
FIG. 16 is a flowchart showing a control routine for grasp setting of the current combustion mode performed by the first current combustion mode grasping means.
FIG. 17 is a flowchart showing a routine for calculating control amounts of the ETC and EGR valves.
FIG. 18 is a flowchart showing a routine for determining a fuel injection control method.
FIG. 19 is a flowchart showing a final target air-fuel ratio calculation routine performed by a final target air-fuel ratio calculating unit.
FIG. 20 is a flowchart for explaining a routine program executed by the intermediate target combustion form update means and the second current combustion form grasping means of the current combustion form grasping means.
FIG. 21 is an explanatory diagram showing the setting and grasping state of the current combustion mode, the first intermediate target combustion mode, the second intermediate target combustion mode, and the final target combustion mode in operation example 1 over time.
FIG. 22 is an explanatory diagram showing the setting and grasping state of the current combustion mode, the first intermediate target combustion mode, the second intermediate target combustion mode, and the final target combustion mode in operation example 2 over time.
[Explanation of symbols]
16 ETC (electronically controlled throttle valve)
22 NOx storage catalyst
25 EGR valve
32 Accelerator position sensor
33 Intake pipe pressure sensor
38 Master bag internal pressure sensor
40 ECU (Electronic Control Unit)
51 Final target combustion mode setting means
52 Intermediate target combustion mode setting means
53 Intermediate combustion mode end determination means
54 Intermediate target combustion mode update means
55 Current combustion mode grasping means
56 1st present combustion form grasping means
57 Second current combustion mode grasping means
61 Target torque setting means
62 First intermediate target combustion mode initial set value calculation means
63 First intermediate target combustion mode control target value setting means
64 Estimated value calculation means
65 Feedback control unit
66 Predicted value calculation means
67 ETC opening command value calculation means
68 EGR valve opening command value calculation means
72 Base initial set value calculation means
73 Base control target value calculation means
74 Intermediate combustion ratio calculation means
81 Final target air-fuel ratio calculating means
82 Final basic fuel injection amount calculation means
83 Temporary target air-fuel ratio calculating means
84 Uniform stratification switching means during intermediate combustion
91 Predicted torque calculation means
92 First intermediate target combustion mode basic fuel injection timing calculation means
93 Base combustion mode basic fuel injection timing calculation means
94 Final basic fuel injection timing calculation means
95 First intermediate target combustion mode basic ignition timing calculation means
96 Base combustion mode basic ignition timing calculation means
97 Final basic ignition timing calculation means
Claims (2)
一の定常燃焼形態と次に実現すべき他の一の定常燃焼形態が異なる場合、エンジンの現状の燃焼形態は、前記一の定常燃焼形態と前記他の一の定常燃焼形態の間の中間状態であると把握する現状燃焼形態把握手段と、When one steady combustion mode differs from another steady combustion mode to be realized next, the current combustion mode of the engine is an intermediate state between the one steady combustion mode and the other steady combustion mode. A current combustion form grasping means for grasping that
前記一の定常燃焼状態から他の一の定常燃焼状態への中間状態の移行度合に応じて前記中間状態が終了し前記他の一の定常燃焼状態が実現されたか否かを判定する中間燃焼形態終了判定手段と、を備え、Intermediate combustion mode for determining whether the intermediate state is completed and the other one steady combustion state is realized in accordance with the degree of transition of the intermediate state from the one steady combustion state to the other steady combustion state An end determination means,
前記中間燃焼形態終了判定手段により前記他の一の定常燃焼状態が実現されたと判定された場合に該他の一の定常燃焼状態の次に実現すべき前記定常燃焼形態との間で前記現状燃焼形態把握手段と前記中間燃焼形態終了判定手段とによる処理を繰り返し実行することにより前記最終目標燃焼形態を実現することを特徴とするエンジン制御装置。If the intermediate combustion mode end determination means determines that the other steady combustion state has been realized, the current combustion between the steady combustion mode to be realized next to the other steady combustion state An engine control apparatus that realizes the final target combustion mode by repeatedly executing processing by a form grasping unit and the intermediate combustion mode end determination unit.
前記中間燃焼形態終了判定手段は、前記中間状態の移行度合を示す中間燃焼比率を算出する中間燃焼比率算出手段を備え、該算出した中間燃焼比率を用いて中間状態の終了を判定することを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御装置。 The intermediate combustion mode end determination means includes intermediate combustion ratio calculation means for calculating an intermediate combustion ratio indicating the degree of transition of the intermediate state, and determines the end of the intermediate state using the calculated intermediate combustion ratio. The engine control device according to claim 1.
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