JP4192006B2

JP4192006B2 - Manufacturing method of inorganic board

Info

Publication number: JP4192006B2
Application number: JP2003015223A
Authority: JP
Inventors: 雅之井口; 日出夫斉藤; 守太田
Original assignee: Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd
Current assignee: KMEW Co Ltd
Priority date: 2003-01-23
Filing date: 2003-01-23
Publication date: 2008-12-03
Anticipated expiration: 2023-01-23
Also published as: JP2004223918A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、無機質板の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、耐水性や耐凍害性、塗膜密着性に優れた外装材等の建築材料として有用な新しい無機質板の製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
セメント系の無機質板は、外壁材、屋根材等の外装材として広く用いられており、表面に柄、目地等の凹凸模様、着色、塗装等の施された多種多様の意匠を有するものが提供されている。
【０００３】
従来の無機質板の製造方法では、無機質板は、通常、少なくともセメントを主成分とし、補強繊維や無機質充填材を含有してなる原料スラリーを抄造、押出し、または注型して湿潤シートとし、これをプレス機によって脱水成形して模様付けし、次いで養生して得られる。また、上塗り塗装を施すことにより、化粧被膜を形成している。
【０００４】
しかし、このような方法によって得られる無機質板は耐水性に乏しく、降雨等により水が無機質板内部に浸透して濡れ染みが発生したり、表面塗膜と基板の密着性が低下したり、浸透した水分の凍結により無機質板そのものが劣化したりするという問題があった。
【０００５】
そこで、無機質板の製造においては、原料スラリーに予め撥水成分を混合することにより、無機質板に耐水性を付与する方法や、成形、養生後の基板に撥水剤を塗布し、乾燥して無機質板表面に撥水被膜を形成する方法が検討された。しかし、原料スラリーに撥水成分を混合する方法では、十分な耐水性が発揮されるためには比較的多量の撥水成分を混合しなければならず、このような原料スラリーは硬化しにくい上、得られる無機質板の強度や耐久性が低下するという新たな問題が発生した。一方、撥水被膜を形成する方法では、高温での加熱乾燥により撥水剤が揮発してしまうため、基板表面に十分な撥水性を付与するためには、塗布量を多くする必要があった。また、撥水被膜の表面にさらに化粧被膜を形成する場合には、塗膜密着性が著しく低下するという問題も発生した。
【０００６】
さらに、基板表面にセメント系着色化粧層を形成し、このセメント系着色化粧層が湿潤なうちに撥水剤を含浸させた後、養生し、表面塗装を施す方法が提案されている（例えば、特開昭５７−２００２７５）。しかし、このような方法では、養生時におけるセメント系化粧層からのエフロレッセンスの発生を抑制することができるものの、無機質板の長期使用においては耐水性や耐凍害性が十分とは言い難かったのが実情である。
【０００７】
【特許文献１】
特開昭５７−２００２７５
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解消し、高い耐水性、耐凍害性および塗膜密着性を維持できる新しい無機質板の製造方法を提供することを課題としている。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、まず第１には、少なくともセメント成分を固形分として含有する原料スラリーを抄造、押出し、または注型し、得られた湿潤板を成形、養生する無機質板の製造方法において、湿潤板表面に少なくともセメント成分を固形分として含有し、湿潤板より含水率の低い表層材を撒布した後、成形、養生し、次いで水系撥水剤を塗布することを特徴とする無機質板の製造方法を提供する。
【００１０】
また、この出願の発明は、第２には、表層材が無機質骨材を含有する前記の無機質板の製造方法を提供する。
【００１１】
そして、この出願の発明は、第３には、表層材を撒布した後、成形前に、さらに無機質骨材を撒布する請求項１の無機質板の製造方法をも提供する。
【００１２】
【発明の実施の形態】
図１にこの出願の発明の無機質板の製造方法の概略を示した。図１に示されるように、この出願の発明の無機質板の製造方法は、通常の方法により製造された湿潤板（11）の表面に、
・少なくともセメント成分を固形分として含有する表層材（12）を撒布すること
・このとき表層材（12）の含水率が湿潤板（11）の含水率より低いこと
・表層材（12）の撒布後、成形、養生し、得られた基板（2）に水系撥水剤（31）を塗布すること
を特徴とするものである。
【００１３】
したがって、この出願の発明において、湿潤板（11）の製造方法はとくに限定されず、原料スラリーを抄造、押出し、または注型する一般的な方法が適用される。原料スラリーは、固形分としてセメント成分を含有するものであればよく、その組成や粘度はとくに限定されない。抄造法、押出し法、注型法のいずれを適用するかにより補強繊維、無機質充填材、増粘剤等の組成や含水率を適宜調整すればよい。
【００１４】
また、得られた湿潤板（11）に撒布される表層材（12）は、少なくともセメント成分を含有し、含水率が湿潤板（11）よりも低いものであればよく、具体的な組成はとくに限定されない。例えば、固形分の組成を原料スラリーと同じものとし、含水率のみを低下させたものが例示される。具体的には、湿潤板（11）の含水率が60〜120 wt%のとき、表層材（12）の含水率を10〜50 wt%とする半乾式や表層材（12）の含水率を0 wt%とする乾式の表層材（12）が適用される。
【００１５】
このような表層材（12）を撒布した後、プレス成形することにより、湿潤板（11）に含まれる水が表面に向かって移動し、脱水される。さらに養生を経て得られる基板（2）は、成形、養生工程において湿潤板（11）の水分が表層材（12）側に移動し、表層材（12）が硬化することから、密着性高く一体化された状態を有しながら、より密で強度の高い下層（21）と、より粗で吸湿性の高い表層（22）から構成されるものとなる。
【００１６】
この出願の発明の無機質板の製造方法では、次いで、水系撥水剤（31）を塗布するが、このとき、基板（2）の表層（22）は、前記のとおり粗で吸湿性が高いため、水系撥水剤（31）は、基板（2）上に撥水被膜を形成することなく、表層（22）に含浸される。しかし、表層（22）から下層（21）へ向うに従い、基板（2）が密となることから、水系撥水剤（31）中の撥水成分（32）は表層（22）の中ほどに留まり、基板（2）に撥水性を付与する。
【００１７】
一方、表層材（12）の含水率が湿潤板（11）の含水率以上の場合には、基板（2）の表層（22）が下層（21）よりも硬く密なものとなるため、水系撥水剤（31）は表層（22）に含浸されにくくなり、基板（2）表面に撥水成分（32）が留まるため、撥水被膜が形成される。
【００１８】
水系撥水剤（31）が基板（2）表面に留まり撥水被膜を形成する場合には、加熱乾燥工程で撥水成分（32）が分解、揮発し、無機質板（3）が十分な撥水性を発揮できないという問題が起こりやすい。また、加熱乾燥後にさらに上塗り塗装を施し、化粧被膜（41）を形成して化粧板（4）を得る場合には、化粧被膜（41）が撥水被膜となじまず、化粧被膜（41）の密着性が著しく低下する場合がある。
【００１９】
また、水系撥水剤（31）の代わりに溶剤系の撥水剤を使用した場合には、撥水剤が含浸され難くなるため、撥水成分（32）が基板（2）表面に残留しやすくなる。したがって、化粧被膜（41）の密着性が低下する。
【００２０】
しかし、この出願の発明の無機質板（3）の製造方法では、水系撥水剤（31）を使用することにより水系撥水剤（31）が基板（2）の表層（22）に含浸されるため、加熱乾燥工程においても撥水成分（32）が分解、揮発しない。また、化粧被膜（41）が表層（22）にアンカリングされることから、高い塗膜密着性が実現できるのである。
【００２１】
この出願の発明の無機質板の製造方法では、また、図２に示されるように、表層材（12）は無機質骨材（13）を含有するものであってもよい。このとき、無機質骨材（13）の種類はとくに限定されないが、珪砂、軽石、パーライト、シラスバルーン等の多孔質材料が好ましく例示される。
【００２２】
このように、表層材（12）が無機質骨材（13）を含有する場合には、無機質骨材（13）が高い吸水性を有するため、水系撥水剤（31）を吸引する作用を発揮する。そして、水系撥水剤（31）の水分が無機質骨材（13）に吸収され、撥水成分（32）がその周辺に留まることから、表層（22）に撥水性が付与される。
【００２３】
また、この出願の発明の無機質板の製造方法では、図３に示されるように、表層材（12）を撒布した後、その上にさらに無機質骨材（13）を撒布し、プレス成形を行ってもよい。このとき使用される無機質骨材（13）としては、前記のものが例示される。
【００２４】
表層材（12）を撒布した後、無機質骨材（13）を撒布し、プレス成形を行うことにより、無機質骨材（13）が表層材（12）内部に埋設され、基板（2）のより表面に近い部分に留まる。したがって、基板（2）に水系撥水剤（31）を塗布した場合には、前記のとおりの作用により水系撥水剤（31）は表層（22）に含浸されるとともに、無機質骨材（13）に吸引されるが、撥水成分（32）は無機質骨材（13）の周辺に留まるため、より基板（2）表面に近い付近に撥水性が付与されるのである。
【００２５】
もちろん、無機質骨材（13）を使用した場合にも、前記のとおり、加熱乾燥工程における水系撥水剤（31）の揮発が抑制され、化粧被膜（41）の密着性も高まる。
【００２６】
そして、この出願の発明の無機質板の製造方法により得られた無機質板は、水分が内部まで浸透しないため、下層（21）と表層（22）の剥離やクラック等の凍害を長期に渡り防止できるものとなる。
【００２７】
以下、実施例を示し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、この発明は以下の例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。
【００２８】
【実施例】
＜実施例１＞
表１に示した配合で原料スラリーを調製し、抄造して含水率100 wt%の湿潤板を得た。この湿潤板の表面に、表１に示した配合の表層材（含水率60 wt%）を撒布し、プレス機にて成形した後、室温養生し、さらに150℃のオートクレーブ中で養生して基板を得た。
【００２９】
得られた基板に長鎖アルコキシシラン系水系撥水剤（60 wt%）を、50 g/m²で塗布し、含浸させた後、250℃で20分間のジェット乾燥を行った。
【００３０】
【表１】

得られた無機質板について撥水剤の浸透深さを測定し、撥水剤の浸透性を評価した。
【００３１】
また、表面透水試験を行い、無機質板の耐水性を評価した。
【００３２】
次いでこの無機質板の表面にさらに水系アクリル塗料を塗装し、化粧被膜を形成させて化粧板を得た。
＜実施例２＞
実施例１と同様の方法で得た湿潤板の表面に、平均粒径0.8〜1.2 mmの軽石を添加した表層材を撒布し、実施例１と同じ条件で成形、養生した。得られた基板に撥水剤を塗布し、含浸後乾燥させた。なお、このとき、軽石の量は、湿潤板表面に対して約0.7 kg/m²程度となるように調製した。
【００３３】
得られた無機質板について、実施例１と同様に撥水剤浸透性および耐水性を評価した。また、化粧板の塗膜密着性を評価した。
＜実施例３＞
実施例１と同様の方法で得た湿潤板の表面に、表層材を撒布した後、軽石（平均粒径0.8〜1.2 mm）を約0.7 kg/m²程度撒布した。さらに、実施例１と同じ条件で成形、養生し、得られた基板に撥水剤を塗布し、含浸後乾燥させた。
【００３４】
得られた無機質板について、実施例１と同様に撥水剤浸透性および耐水性を評価した。また、化粧板の塗膜密着性を評価した。
＜実施例４＞
表１に示した配合で原料スラリーを調製し、抄造して含水率80 wt%の湿潤板を得た。この湿潤板の表面に、表１に示した配合の表層材（含水率0 wt%）を撒布し、プレス機にて成形した後、室温養生し、さらに150℃のオートクレーブ中で養生して基板を得た。
【００３５】
得られた基板にシリコンオイル系水系撥水剤（20 wt%）を30 g/m²で塗布し、含浸させた後、200℃で30分間のジェット乾燥を行って無機質板を得た。
【００３６】
得られた無機質板について、実施例１と同様に撥水剤浸透性および耐水性を評価した。また、化粧板の塗膜密着性を評価した。
＜実施例５＞
実施例４と同様の方法で得た湿潤板の表面に、表層材を撒布した後、シラス骨材（平均粒径1.2〜2.0 mm）を約1.0 kg/m²程度撒布し、実施例４と同じ条件で成形、養生した。得られた基板に撥水剤を塗布し、含浸後、乾燥させた。
【００３７】
得られた無機質板について、実施例１と同様に撥水剤浸透性および耐水性を評価した。また、化粧板の塗膜密着性を評価した。
＜比較例１＞
表層材の含水率を120%とした以外は、実施例１と同様の方法で無機質板を製造し、撥水剤浸透性および耐水性を評価した。また、化粧板の塗膜密着性を評価した。
＜比較例２＞
基板への浸透性が低い溶剤系撥水剤を使用した以外は、実施例１と同様の方法で無機質板を製造し、撥水剤浸透性および耐水性を評価した。また、化粧板の塗膜密着性を評価した。
＜比較例３＞
撥水剤を塗布することなく実施例４と同様の方法で無機質板を製造し、耐水性を評価した。また、化粧板の塗膜密着性を評価した。
＜比較例４＞
撥水剤を塗布することなく実施例５と同様の方法で無機質板を製造し、耐水性を評価した。また、化粧板の塗膜密着性を評価した。
【００３８】
以上実施例１〜５および比較例１〜４の各評価結果を表２に示した。
【００３９】
【表２】

表２より、湿潤板表面に湿潤板の含水率よりも低い含水率を有する半乾式および乾式表層材を撒布して得た無機質板（実施例１〜５）では、水系撥水剤が無機質板表層に含浸され、高い耐水性が付与されることが確認された。また、化粧被膜の密着性も高かった。とくに、湿潤板の含水率よりも低い含水率を有し、無機質骨材を含有する表層材を撒布して得た無機質板（実施例２）や、湿潤板表面に湿潤板の含水率よりも低い含水率を有する表層材を撒布した後、無機質骨材を撒布して得た無機質板（実施例３、５）では、高い耐水性が確認された。
【００４０】
一方、湿潤板表面に湿潤板の含水率よりも高い含水率を有する表層材を撒布して得た無機質板（比較例１）では、耐水性が低くなった。これは、撥水剤が基板に含浸されず、加熱乾燥によって撥水成分が分解、揮発したために、無機質板上に十分な撥水性を有さない箇所が発生したためと考えられる。また、このような無機質板に化粧被膜を形成したところ、剥離が多く見られた。これは、表面に残留した撥水成分により、化粧被膜の十分なアンカリングが阻止されたためと考えられる。
【００４１】
また、撥水剤として溶剤系のものを使用した場合（比較例２）にも、撥水剤が基板表面に残留し、無機質板の耐水性が低下した。さらに、化粧被膜の塗膜密着性も低くなった。
【００４２】
また、湿潤板表面に湿潤板の含水率よりも低い含水率を有する表層材を撒布し、撥水剤を塗布せずに得た無機質板（比較例１、２）では、化粧被膜の塗膜密着性は高かったものの、無機質骨材の有無に関わらず、耐水性が極めて低かった。
【００４３】
【発明の効果】
この出願の発明の無機質板の製造方法により、高い耐水性、耐凍害性および塗膜密着性を維持できる無機質板が提供される。この出願の発明の無機質板の製造方法では、撥水剤が基板に含浸されるため、加熱乾燥工程における水系撥水剤の揮発が抑制さる。また、水系撥水剤が含浸されることにより、化粧被膜の基板へのアンカリングが十分に行われるようになり、化粧被膜の密着性も高まる。したがって、得られた無機質板は、水分が内部まで浸透せず、クラック等の凍害や塗膜剥離を長期に渡り防止できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この出願の発明の無機質板の製造方法の一例を示した概略模式図である。
【図２】この出願の発明の無機質板の製造方法の別の例を示した概略模式図である。
【図３】この出願の発明の無機質板の製造方法のさらに別の例を示した概略模式図である。
【符号の説明】
11 湿潤板
12 表層材
13 無機質骨材
2 基板
21 下層
22 表層
3 無機質板
31 水系撥水剤
32 撥水成分
4 化粧板
41 化粧被膜[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The invention of this application relates to a method for producing an inorganic plate. More specifically, the invention of this application relates to a method for producing a new inorganic board useful as a building material such as an exterior material having excellent water resistance, frost damage resistance and coating film adhesion.
[0002]
[Prior art]
Cement-based inorganic boards are widely used as exterior materials such as exterior wall materials and roofing materials, and are provided with a wide variety of designs with uneven patterns such as patterns and joints on the surface, coloring, and painting. Has been.
[0003]
In the conventional method for producing an inorganic plate, the inorganic plate is usually made of a raw material slurry containing at least cement as a main component and containing reinforcing fibers and an inorganic filler, made into a wet sheet by extruding or casting, Is obtained by dehydrating and patterning with a press and then curing. In addition, a decorative coating is formed by applying a top coat.
[0004]
However, the inorganic board obtained by such a method has poor water resistance, and water penetrates into the inside of the inorganic board due to rain, etc., wet stains occur, the adhesion between the surface coating film and the substrate decreases, There was a problem that the inorganic plate itself deteriorates due to the freezing of the water.
[0005]
Therefore, in the production of the inorganic plate, a water repellent component is mixed with the raw material slurry in advance to give water resistance to the inorganic plate, and a water repellent is applied to the substrate after molding and curing and dried. A method for forming a water-repellent coating on the surface of an inorganic plate was studied. However, in the method of mixing the water repellent component with the raw material slurry, a relatively large amount of the water repellent component must be mixed in order to exhibit sufficient water resistance, and such a raw material slurry is difficult to cure. As a result, a new problem has occurred that the strength and durability of the resulting inorganic plate are reduced. On the other hand, in the method of forming a water-repellent film, the water-repellent agent volatilizes by heat drying at high temperature, so that it was necessary to increase the coating amount in order to impart sufficient water repellency to the substrate surface. . In addition, when a decorative film is further formed on the surface of the water-repellent film, there is a problem that the adhesion of the coating film is remarkably lowered.
[0006]
Further, a method has been proposed in which a cement-based colored decorative layer is formed on the surface of the substrate, and after the cement-based colored decorative layer is wet, a water repellent is impregnated, followed by curing and surface coating (for example, JP-A 57-200205). However, although this method can suppress the occurrence of efflorescence from the cement-type decorative layer during curing, it is difficult to say that the water resistance and frost damage resistance are sufficient for long-term use of the inorganic board. Is the actual situation.
[0007]
[Patent Document 1]
JP-A-57-200205
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, the invention of this application has been made in view of the circumstances as described above, and solves the problems of the prior art and is a new inorganic plate that can maintain high water resistance, frost damage resistance and coating film adhesion. It is an object to provide a manufacturing method.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the invention of this application firstly forms, extrudes, or casts a raw slurry containing at least a cement component as a solid content, and molds the obtained wet plate. In the method for producing an inorganic plate to be cured, after a surface layer material containing at least a cement component as a solid content on the wet plate surface and having a moisture content lower than that of the wet plate is spread, molded, cured, and then applied with a water-based water repellent. The manufacturing method of the inorganic board characterized by this is provided.
[0010]
In addition, the invention of this application secondly provides a method for producing the inorganic board, wherein the surface layer material contains an inorganic aggregate.
[0011]
And thirdly, the invention of this application also provides a method for producing an inorganic board according to claim 1, wherein after the surface layer material is spread, the inorganic aggregate is further spread before molding.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 shows an outline of a method for producing an inorganic plate of the invention of this application. As shown in FIG. 1, the method for producing an inorganic board according to the invention of this application is performed on the surface of a wet board (11) produced by an ordinary method.
・ Distribute the surface layer material (12) containing at least the cement component as a solid content. ・ At this time, the moisture content of the surface layer material (12) is lower than the moisture content of the wet plate (11). Thereafter, it is molded and cured, and a water-based water repellent (31) is applied to the obtained substrate (2).
[0013]
Therefore, in the invention of this application, the method for producing the wet plate (11) is not particularly limited, and a general method for papermaking, extruding or casting the raw slurry is applied. The raw material slurry only needs to contain a cement component as a solid content, and its composition and viscosity are not particularly limited. What is necessary is just to adjust suitably a composition and moisture content, such as a reinforcing fiber, an inorganic filler, a thickener, according to which of a papermaking method, an extrusion method, and a casting method is applied.
[0014]
Further, the surface layer material (12) to be distributed on the obtained wet plate (11) may contain at least a cement component and has a moisture content lower than that of the wet plate (11). There is no particular limitation. For example, the solid content is the same as that of the raw material slurry, and only the water content is reduced. Specifically, when the moisture content of the wet plate (11) is 60 to 120 wt%, the moisture content of the semi-dry type or surface material (12) is 10 to 50 wt%. A dry surface layer material (12) of 0 wt% is applied.
[0015]
By spreading such a surface layer material (12) and then press molding, water contained in the wet plate (11) moves toward the surface and is dehydrated. Furthermore, the substrate (2) obtained through curing is integrated with high adhesion because the moisture of the wet plate (11) moves to the surface layer material (12) side during the molding and curing process, and the surface layer material (12) is cured. In this way, it is composed of a denser and stronger lower layer (21) and a rougher and more hygroscopic surface layer (22).
[0016]
In the method for producing an inorganic board according to the invention of this application, the water-based water repellent (31) is then applied. At this time, the surface layer (22) of the substrate (2) is rough and highly hygroscopic as described above. The water-based water repellent (31) is impregnated in the surface layer (22) without forming a water repellent film on the substrate (2). However, as the substrate (2) becomes denser from the surface layer (22) to the lower layer (21), the water repellent component (32) in the water-based water repellent (31) is in the middle of the surface layer (22). Stays and imparts water repellency to the substrate (2).
[0017]
On the other hand, when the moisture content of the surface layer material (12) is equal to or higher than the moisture content of the wet plate (11), the surface layer (22) of the substrate (2) is harder and denser than the lower layer (21). The water repellent (31) is less likely to be impregnated in the surface layer (22), and the water repellent component (32) remains on the surface of the substrate (2), so that a water repellent film is formed.
[0018]
When the water-based water repellent (31) stays on the surface of the substrate (2) to form a water repellent film, the water repellent component (32) decomposes and volatilizes in the heating and drying process, and the inorganic board (3) has sufficient repellent properties. The problem of not being able to demonstrate aqueous properties is likely to occur. In addition, when applying a top coat after drying by heating to form a decorative film (41) to obtain a decorative board (4), the decorative film (41) does not become a water-repellent film, and the decorative film (41) Adhesion may be significantly reduced.
[0019]
In addition, when a solvent-based water repellent is used instead of the water-based water repellent (31), the water repellent component (32) remains on the surface of the substrate (2) because it becomes difficult to impregnate the water repellent. It becomes easy. Therefore, the adhesion of the decorative coating (41) is reduced.
[0020]
However, in the manufacturing method of the inorganic board (3) of the invention of this application, the water-based water repellent (31) is impregnated on the surface layer (22) of the substrate (2) by using the water-based water repellent (31). Therefore, the water repellent component (32) does not decompose or volatilize even in the heat drying step. Further, since the decorative coating (41) is anchored to the surface layer (22), high coating film adhesion can be realized.
[0021]
In the method for manufacturing an inorganic plate of the invention of this application, as shown in FIG. 2, the surface layer material (12) may contain an inorganic aggregate (13). At this time, the type of the inorganic aggregate (13) is not particularly limited, but porous materials such as silica sand, pumice, perlite, and shirasu balloon are preferably exemplified.
[0022]
In this way, when the surface layer material (12) contains the inorganic aggregate (13), the inorganic aggregate (13) has a high water absorption, and therefore exhibits the action of sucking the water-based water repellent (31). To do. And since the water | moisture content of a water-system water repellent (31) is absorbed by the inorganic aggregate (13) and a water repellent component (32) stays in the periphery, water repellency is provided to surface layer (22).
[0023]
Further, in the method for producing an inorganic plate of the invention of this application, as shown in FIG. 3, after the surface layer material (12) is spread, the inorganic aggregate (13) is further spread on the surface layer material (12), and press molding is performed. May be. Examples of the inorganic aggregate (13) used at this time include those described above.
[0024]
After the surface layer material (12) is distributed, the inorganic aggregate (13) is distributed and press-molded, so that the inorganic aggregate (13) is embedded inside the surface layer material (12) and the substrate (2) Stays near the surface. Therefore, when the water-based water repellent (31) is applied to the substrate (2), the water-based water repellent (31) is impregnated in the surface layer (22) by the action as described above, and the inorganic aggregate (13 However, since the water repellent component (32) remains around the inorganic aggregate (13), water repellency is imparted to the vicinity of the surface of the substrate (2).
[0025]
Of course, when the inorganic aggregate (13) is used, as described above, the volatilization of the water-based water repellent (31) in the heat drying step is suppressed, and the adhesion of the decorative coating (41) is also increased.
[0026]
And since the inorganic board obtained by the manufacturing method of the inorganic board of this invention of an application does not permeate | transmit a water | moisture content inside, it can prevent frost damage, such as peeling of a lower layer (21) and surface layer (22), and a crack, over a long period of time. It will be a thing.
[0027]
Hereinafter, examples will be shown, and the embodiments of the present invention will be described in more detail. Of course, the present invention is not limited to the following examples, and it goes without saying that various aspects are possible in detail.
[0028]
【Example】
<Example 1>
A raw slurry was prepared with the formulation shown in Table 1 and made into a wet plate having a water content of 100 wt%. A surface layer material (moisture content of 60 wt%) shown in Table 1 is spread on the surface of this wet plate, molded with a press machine, cured at room temperature, and then cured in an autoclave at 150 ° C. Got.
[0029]
The obtained substrate was coated with a long-chain alkoxysilane water repellent (60 wt%) at 50 g / m ² and impregnated, and then subjected to jet drying at 250 ° C. for 20 minutes.
[0030]
[Table 1]

About the obtained inorganic board, the penetration depth of the water repellent was measured, and the permeability of the water repellent was evaluated.
[0031]
Moreover, the surface water permeability test was done and the water resistance of the inorganic board was evaluated.
[0032]
Next, a water-based acrylic paint was further applied to the surface of the inorganic plate to form a decorative film, thereby obtaining a decorative plate.
<Example 2>
A surface layer material to which pumice with an average particle size of 0.8 to 1.2 mm was added was spread on the surface of the wet plate obtained by the same method as in Example 1, and molded and cured under the same conditions as in Example 1. A water repellent was applied to the obtained substrate, impregnated and dried. At this time, the amount of pumice was adjusted to about 0.7 kg / m ² with respect to the wet plate surface.
[0033]
About the obtained inorganic board, water-repellent permeability and water resistance were evaluated in the same manner as in Example 1. Moreover, the coating-film adhesiveness of the decorative board was evaluated.
<Example 3>
After the surface layer material was spread on the surface of the wet plate obtained in the same manner as in Example 1, about 0.7 kg / m ^{2 of} pumice (average particle size 0.8 to 1.2 mm) was spread. Further, molding and curing were performed under the same conditions as in Example 1, a water repellent was applied to the obtained substrate, and after impregnation, it was dried.
[0034]
About the obtained inorganic board, water-repellent permeability and water resistance were evaluated in the same manner as in Example 1. Moreover, the coating-film adhesiveness of the decorative board was evaluated.
<Example 4>
A raw slurry was prepared with the formulation shown in Table 1 and made into a wet plate with a moisture content of 80 wt%. Spread the surface material (water content 0 wt%) shown in Table 1 on the surface of this wet plate, mold it with a press, cure it at room temperature, and then cure it in an autoclave at 150 ° C. Got.
[0035]
A silicon oil-based water-based water repellent (20 wt%) was applied to the obtained substrate at 30 g / m ² and impregnated, followed by jet drying at 200 ° C. for 30 minutes to obtain an inorganic plate.
[0036]
About the obtained inorganic board, water-repellent permeability and water resistance were evaluated in the same manner as in Example 1. Moreover, the coating-film adhesiveness of the decorative board was evaluated.
<Example 5>
After spreading the surface layer material on the surface of the wet plate obtained in the same manner as in Example 4, shirasu aggregate (average particle size 1.2 to 2.0 mm) was spread about 1.0 kg / m ^2. Molded and cured under the same conditions. The obtained substrate was coated with a water repellent, impregnated and then dried.
[0037]
About the obtained inorganic board, water-repellent permeability and water resistance were evaluated in the same manner as in Example 1. Moreover, the coating-film adhesiveness of the decorative board was evaluated.
<Comparative Example 1>
Except that the water content of the surface layer material was 120%, an inorganic board was produced in the same manner as in Example 1, and the water repellent permeability and water resistance were evaluated. Moreover, the coating-film adhesiveness of the decorative board was evaluated.
<Comparative example 2>
Except for using a solvent-based water repellent having low permeability to the substrate, an inorganic plate was produced in the same manner as in Example 1, and the water repellent permeability and water resistance were evaluated. Moreover, the coating-film adhesiveness of the decorative board was evaluated.
<Comparative Example 3>
An inorganic board was produced in the same manner as in Example 4 without applying a water repellent, and the water resistance was evaluated. Moreover, the coating-film adhesiveness of the decorative board was evaluated.
<Comparative example 4>
An inorganic board was produced in the same manner as in Example 5 without applying a water repellent, and the water resistance was evaluated. Moreover, the coating-film adhesiveness of the decorative board was evaluated.
[0038]
The evaluation results of Examples 1 to 5 and Comparative Examples 1 to 4 are shown in Table 2.
[0039]
[Table 2]

From Table 2, in the inorganic board (Examples 1 to 5) obtained by spreading semi-dry and dry surface layer materials having a moisture content lower than the moisture content of the wet board on the wet board surface, the water-based water repellent is the inorganic board. It was confirmed that the surface layer was impregnated and high water resistance was imparted. Moreover, the adhesiveness of the decorative film was also high. In particular, an inorganic board (Example 2) having a moisture content lower than the moisture content of the wet plate and obtained by spreading a surface layer material containing an inorganic aggregate, and the moisture content of the wet plate on the wet plate surface. High water resistance was confirmed in the inorganic board (Examples 3 and 5) obtained by spreading the inorganic aggregate after spreading the surface layer material having a low water content.
[0040]
On the other hand, the water resistance of the inorganic board (Comparative Example 1) obtained by spreading a surface layer material having a moisture content higher than the moisture content of the wet board on the wet board surface was low. This is presumably because the substrate was not impregnated with the water repellent and the water repellent component was decomposed and volatilized by heating and drying, so that a portion having no sufficient water repellency occurred on the inorganic plate. Further, when a decorative film was formed on such an inorganic plate, many peelings were observed. This is presumably because sufficient anchoring of the decorative coating was prevented by the water repellent component remaining on the surface.
[0041]
Further, when a solvent-based water repellent was used (Comparative Example 2), the water repellent remained on the substrate surface, and the water resistance of the inorganic plate was lowered. Furthermore, the coating film adhesion of the decorative film was also lowered.
[0042]
In addition, a surface layer material having a moisture content lower than the moisture content of the wet plate is distributed on the wet plate surface, and the inorganic plate obtained without applying the water repellent (Comparative Examples 1 and 2) is a coating film of a decorative film. Although the adhesion was high, the water resistance was extremely low regardless of the presence or absence of inorganic aggregate.
[0043]
【The invention's effect】
By the method for producing an inorganic plate of the invention of this application, an inorganic plate capable of maintaining high water resistance, frost damage resistance and coating film adhesion is provided. In the manufacturing method of the inorganic board of the invention of this application, since the substrate is impregnated with the water repellent, volatilization of the water-based water repellent in the heat drying step is suppressed. In addition, when the water-based water repellent is impregnated, the decorative film is sufficiently anchored to the substrate, and the adhesiveness of the decorative film is improved. Therefore, the obtained inorganic board does not penetrate into the inside, and can prevent frost damage such as cracks and peeling of the coating film over a long period of time.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram showing an example of a method for producing an inorganic plate according to the invention of this application.
FIG. 2 is a schematic diagram showing another example of the method for producing an inorganic plate of the invention of this application.
FIG. 3 is a schematic diagram showing still another example of the method for producing an inorganic plate according to the invention of this application.
[Explanation of symbols]
11 Wet plate
12 Surface material
13 Inorganic aggregate
2 Board
21 Lower layer
22 Surface
3 Inorganic board
31 Water-based water repellent
32 Water repellent ingredients
4 veneer
41 Decorative coating

Claims

In a manufacturing method of an inorganic board in which a raw material slurry containing at least a cement component as a solid content is made, extruded or cast, and the resulting wet plate is molded and cured, the wet plate surface contains at least a cement component as a solid content A method for producing an inorganic board, comprising: spreading a surface layer material having a moisture content lower than that of a wet board, molding and curing, and then applying a water-based water repellent.

The manufacturing method of the inorganic board of Claim 1 in which a surface layer material contains an inorganic aggregate.

The method for producing an inorganic board according to claim 1, wherein after the surface layer material is distributed, the inorganic aggregate is further distributed before molding.