JP4190730B6 - 心筋の応力を和らげて心臓機能を制御するシステム - Google Patents
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Description
【0001】
発明の背景
本発明は心臓疾患の処置に関する。特に、本発明は、脈管構造内の血流を調整することによって心疾患を処置するシステムおよび方法に関する。
【0002】
鬱血性心不全は一般的な心疾患である。鬱血性心不全の発生率は最近高まってきており、その診断に関連する疾病率および死亡率も小さくない。実際、鬱血性心不全は、この病気にかかった男女の殆どが約5年で死に至るという極めて致命的な疾患である。
【0003】
鬱血性心不全は、正常な心臓機能の損失もしくは欠陥によって生じる。この損失もしくは欠陥は心拍出量を減少させる。これにより、さらに血流量および血圧の両者が腎臓内で減少する。このような血流と血圧の減少は、鬱血性心不全を悪化させるレニン・アンギオテンシン反応を引き起こす。
【0004】
腎臓内の血流量および血圧が低下すると、傍糸球体(欠如)組織(juxtaglomerular apparatus)と呼ばれる腎臓の細胞組織は、レニンと呼ばれる酵素を血液中に分泌する。酵素レニンは、アンギオテンシノゲンと呼ばれる血液中の血漿蛋白質から、アンギオテンシンIと呼ばれる10アミノ酸ポリペプチドを切り離す。血液中の変換酵素は、アンギオテンシンIポリペプチドから2つのアミノ酸を取り除いて、アンギオテンシンIIと呼ばれる8アミノ酸ポリペプチドを残す。アンギオテンシンIIは、細動脈の滑らかな筋肉層上に、血管収縮を引き起こすことを含む多くの影響を及ぼす。
【0005】
また、アンギオテンシンIIの増加による間接的な作用によって、血液容量が増大する。血液容量が増大する理由は、アンギオテンシンIIが副腎皮質からのアルドステロンの分泌を刺激し、これがさらに腎臓内での塩分および水分の増加を引き起こすからである。また、アンギオテンシンIIは、視床下部における喉の渇きの中枢を刺激し、より多くの水分を摂取させる。血液容量の増大およびこれに対応する血管収縮は、血圧を高め、したがって、心臓状態を更に悪化させる心臓の容量過負荷を引き起こす。
【0006】
また、他の反応も鬱血性心不全に関連付けられている。大動脈弓や頚動脈洞内には、伸張受容器として知られる圧受容体が存在する。圧受容体は、基本的には、その領域の血圧を感知する圧力センサである。圧受容体は、2つの方法で、生理学的なフィードバックを提供する。第1に、血圧の低下に応答して、圧受容体は、心拍数を増大させて心拍出量を増大させようとする神経ホルモンのフィードバック応答を提供する。心拍数が増加すると、心臓が激しく動作するので、心臓の筋肉がより一層伸張される。また、心拍出量の低下によって引き起こされる圧力の低下により、圧受容体は、末端の脈管構造を収縮させてその領域の圧力を増加させるように作用する、フィードバック応答を提供する。
【0007】
このように、心臓機能の欠陥は周期的なフィードバック応答を引き起こし、このフィードバック応答は、欠陥を減少するというよりも、むしろ欠陥を増大させることが分かる。このような周期的なフィードバック応答は、時として、「カスケード」と呼ばれる。
【0008】
例えば、心筋がストレス(応力)を受けると、心臓が激しく動き、心臓が伸張し始める。これにより、以下に述べるような方法で心臓の能力(効率)が下がる。筋肉は、筋肉の働きを果たすように収縮および伸長する多くの繊維から成ると考えられている。各繊維は、筋細(筋原)繊維と呼ばれる密集した多くのサブユニットを有している。筋細繊維は、直径が約1μm程度で、筋肉繊維の一端部から他端部へと平行に延びている。各筋細繊維は、厚い(約110オングストロームの厚さの)単繊維と薄い(約50〜60オングストロームの厚さの)単繊維の離間領域を有している。厚い単繊維は蛋白質とミオシンとから形成され、薄い単繊維は蛋白質とアクチンとから形成されている。アクチンとミオシンの単繊維は、筋細繊維に沿って周期的に存在する離間領域では重なり合っている。繰り返される重なり合いのパターンの単位は、サルコメア(筋節)と呼ばれている。
【0009】
筋肉繊維の収縮は、筋肉繊維を形成する筋細繊維の短縮化によって生じる。筋細繊維は短縮化されるが、筋細繊維中の個々の単繊維はその長さを減少する訳ではない。その代わり、アクチンとミオシンの単繊維が互いに対して長手方向に滑って筋細繊維の全長を短くする。このような滑りは、ミオシンからアクチンの方へと延び、且つ結合領域でアクチンに結び付いているクロスブリッジの結果として生じる。クロスブリッジは、ミオシン単繊維の長手方向の両側で、重なり合うアクチン単繊維をミオシン単繊維の長手方向中心へと引張るように、方向付けられている。
【0010】
筋肉繊維が伸張してアクチンおよびミオシンだけが短い距離で重なり合うと、隣接するアクチンとの結合のためには、僅かな数のクロスブリッジだけしか利用できなくなり、収縮の能力(効率)が極端に悪くなる。アクチンとミオシンとが全く重なり合わない部位まで筋肉が伸張されると、収縮が不可能となる。
【0011】
心臓の機能が不能になったり、損傷されたりすると、腎臓と圧受容体の両方で血圧が低下する。腎臓によって形成されるフィードバック応答により、更に、心臓の過負荷とストレスが引き起こされる。圧受容体で生成されるフィードバック応答は、心臓の心拍数を増加させる。これら両方のフィードバック応答によって、心臓はより一層激しく動き、心臓筋肉が更に伸張して、心臓機能のより一層の悪化を招く。応答の中でも、フィードバック応答が非常に著しくなり、カスケードが続く。
【0012】
鬱血性心不全を自然に進行させるこのカスケード効果により、筋肉質量が増大するとともに、心筋繊維が伸張し、その結果として、左心室の筋肉が肥大する。筋肉繊維が固有の収縮特性(すなわち、アクチンとミオシンの重なり合い)を維持するような所定のレベルに維持されている場合には、この肥大は、適切な心臓機能を維持するのに有利であり得る、補償的なメカニズムである。しかしながら、長期にわたる連続的な伸張は、既知のフランク・スターリング(Frank-Starling)メカニズムによって説明されるような、筋肉疲労と筋肉特性(性能)の低下を引き起こす。
【0013】
発明の概要
本発明の装置および方法は、室を有する心臓の壁の心筋組織の伸びを規制する。生体適合性で且つ移植可能である複数の、細長いストリップは、心臓壁に結合されるように構成され、且つこれらの細長いストリップは室の周囲に互いに離間した関係で配置される。細長いストリップは、曲げ性を有するとともに、心臓壁の自然の伸張が複数のストリップの伸びを引き起こさないように、伸びに対して十分な抵抗性を備えている。
【0014】
図面の簡単な説明
図1Aは、心臓の側断面図である。
図1Bは、図1Aに示された心臓部位の拡大断面図である。
図2は、本発明の一実施例に係る保持ストリップを示す図である。
図3は、心臓壁内に埋め込まれた、図2に示される保持ストリップを示す図である。
図4は、左心室の壁内に埋め込まれた、図2に示される複数のストリップを示す図である。
図5は、本発明の一見地に基づく保持機構の第2の実施例を示す図である。
図6Aは、左心室の外表面に配置された、図5に示される保持機構を示す図である。
図6Bは、図6Aに示される心臓壁の部位の断面図である。
図7は、本発明の一見地に基づくモニタシステムの他の実施例を示す図である。
図8は、図7に示されるモニタシステムの一部を示す概略部分ブロック図である。
図9は、モニタ制御システムの他の実施例を示す概略部分ブロック図である。
【0015】
好ましい実施例の詳細な説明
図1Aは心臓10の一部位を示している。図1Aは、右心室12と左心室14とを含む心臓10の複数の室を示している。また図1Aは、室12,14の周囲に延在し、且つ室12,14を区画する心臓壁16を示している。発明の背景の項で説明したように、鬱血性心不全は、心臓10内の筋繊維の肥大、特に左心室14の周囲の筋繊維の肥大を招くことがある。
【0016】
図1Bは、図1Aに示された心臓10の壁16の一部の拡大断面図を示している。図1Bは、図1Aにおいて1Bと表示された部分である。図1Bに示されるように、壁16は、心臓壁16の内部組織から成る心内膜層18によって形成されている。また、心臓壁16は、心臓壁16の外部組織から成る心外膜層20を有している。中間壁部22は、心内膜18と心外膜20との間の壁16の部位から成る。心膜は心臓を取り囲む二重壁嚢である。心膜嚢の内側層は心外膜20を備えている。
【0017】
アメリカ心臓協会図書館から入手可能な顕微鏡写真によれば、心臓の筋繊維の配列は、心内膜18および心外膜20においては、心室腔壁(洞)に対して略垂直となっている。また一般に、筋繊維は、中間壁部22においては、心室腔壁に対して略平行になっている。左心室14を取り囲む筋肉壁16が肥大すると、筋繊維は、その長手方向に対して略平行な方向で、伸張して延びる。そのため、心内膜18および心外膜20の筋繊維は、心室腔壁に対して略垂直な方向に延び、一方、中間壁部22の筋繊維は、心室腔壁に対して略平行な方向に延びる。また、他の筋繊維も発達する。これらの全てが相まって、筋肉の質量の増大および心臓筋繊維の伸張をもたらす。
【0018】
図2は、本発明の一形態に係る保持ストリップ24を示している。好ましい実施例において、保持ストリップ24は略縦長の縦支柱26を有している。この縦支柱26は、そこから第1の方向に延びる第1組の突出部28,30,32と、前記第1の方向と略反対である第2の方向へと延びる複数の第2の突出部34,36とを有している。突出部28,30,32は略T形状を成すように示され、一方、突出部34,36は略直線形状を成しているが、支柱28〜36の全てがT形状もしくは直線形状をなしていても良い。
【0019】
また保持ストリップ24は、保持ストリップ24を所定位置で縫合するために使用される複数の開口38を有するように示されている。無論、図2に示される縫合用開口38の数と位置は単なる一例である。それよりも少ないか、または多い数の開口38も可能であり、また、保持ストリップ24上の異なる位置に開口を形成することも可能である。
【0020】
さらに、3つの突出部28,30,32および2つの突出部34,36だけしか示されていないが、任意の適当な数の突出部を保持ストリップ24の両側で使用することができる。支柱26および突出部28〜36は、永久変形したり、または破損したりすることなく、繰り返し曲げることができる材料によって形成されているのが望ましい。しかしながら、支柱26および突出部28〜36は、更に、長手方向の延びに対して高い抵抗を示す材料から成るのが望ましい。好適な材料には、例えば、コラーゲン、生体適合性で且つ移植可能な高分子ストリップ、生体適合性で且つ移植可能な金属、軟骨組織、またはこれらの複合材料、ニチノール、およびウシや豚の副生成物(byproducts)などが含まれる。
【0021】
図3は、壁16の部位内に保持ストリップ24が移植された状態を示している。好ましい実施例において、縦支柱26は壁16の中間壁部22内に埋め込まれる。突出部28,30,32(および、任意の他の数の突出部)は心内膜18内へと延び、一方、突出部34,36(および、任意の他の適当な数の突出部)は心外膜20内へと延びている。その後、保持ストリップ24は、そこに形成された開口38を使用して、適当な縫合技術により、所定位置に縫合される。保持ストリップ24は、例えば心室腔壁の底部から頂部に向かって、心室腔壁の長手方向の略全長にわたって延在しているのが望ましい。
【0022】
図4は、左心室14の周囲の壁16内に埋め込まれた複数の保持ストリップ24を示している。保持ストリップ24は、左心室14の周囲に規則的な間隔で配置され、壁16内で左心室14を取り囲んでいるのが望ましい。そのような配置は、心臓10の左心室14の周囲に限定的な籠を形成する。したがって、ストリップ24は、心臓の自然な収縮動作に対して殆ど或は全く障害を及ぼさない。しかしながら、縫合によって心臓組織に保持ストリップ24を取り付けると、筋繊維の拡張が阻害されたり、あるいは、筋繊維の拡張および広範囲にわたる伸張が実質的に抑止されたりする。
【0023】
縦支柱26は、その長手方向の伸びに対して実質的に耐えることができるため、中間壁部22内の筋繊維の伸びの防止に寄与し得る。また、突出部28,30,32は、その長手方向の伸びに対して高い抵抗性を有しているため、心内膜層18内の筋繊維の伸びや伸張を十分に防止する。同様に、突出部34,36は、その長手方向の伸びに対して高い抵抗性を有しているため、心外膜層20内の筋繊維の伸びや伸張を十分に防止する。
【0024】
したがって、図4に示される位置に保持ストリップ24を配置すると、左心室14での圧過負荷に起因する筋肉の鬱血性心不全の進行を抑えることができる。筋肉は、その質量を次第に増加することが不可能となり、かつまた、その成長と伸張とが物理的に抑制されて、制御のきかない伸張が制限されるような方法で支持される。そのため、心不全を制御することができる。また、回復可能な(recruitable)筋肉塊(質量)は、その収縮に対する制約が限定的であることから、まだ十分な機能を果たすことができるため、付加的な、即ち補償的な筋肉塊(質量)が形成されず、このことが壁16内の新たな筋組織の成長を制限する。
【0025】
したがって、本発明のこのような形態は、心臓の筋肉の疲労を低減させ、健康な心臓組織の自然の再生を許容する。また、心臓の筋肉組織を支持すると、腱索に加わる張力(tension)をよみがえらせ、このことがさらに、より高い平均動脈圧、したがって肺水腫を防止する僧帽弁逆流の防止に寄与することができると考えられる。
【0026】
図5は、本発明の他の見地に基づく保持装置40の他の実施例を示している。鬱血性心不全が進行すると、心臓10の肥大が既に始まっている可能性があり、したがって、心臓10がトラウマ(障害)を受け易くなる。そのため、広範囲にわたる心臓10の切開が望ましくない場合がある。そのような場合、保持装置40を使用し、心臓の筋肉に対し最小の侵襲度をもって(例えば、縫合、接着、ステープル、あるいは他の接合技術)、保持装置40を心臓10の心外膜の表面に取り付けることができる。
【0027】
保持装置40は、略円形の第1のストラップ42と略円形の第2のストラップ44とを有している。ストラップ42,44は、略縦長の複数のストラップ46,48,50,52,54によって互いに結合されている。ストラップ46〜54は、適当な接着剤、溶接、あるいは他の適当な機構によって、円形ストラップ42,44に取り付けられているのが望ましい。あるいはまた、ストラップ46〜54は、円形のストラップ42と一体に形成されているのが望ましい。ストラップ42〜54は、永久変形のようなダメージを起こすことなく、多くの周期的な曲げに対して耐える能力を示すコラーゲン、高分子、金属繊維によって形成されているのが望ましい。
【0028】
また、ストラップ42〜54は、略長手方向への伸びに対して高い抵抗を示すように形成されている。さらに、ストラップ42〜54は複数の開口56を有している。これらの開口56は、適当な縫合技術を用いて保持装置40を心臓壁16に取り付けるために使用される。無論、図2〜図4に示される実施例と同様に、任意の適当な数のストラップ42〜54を使用することができる。また、ストラップ42〜54の配置も、望ましいように変えることができる。さらに、縫合開口56の数と配置は、ストラップ42〜54の任意の適当な数および配置に応じて変更することができる。
【0029】
図6Aは左心室14の壁16上に配置された保持装置40を示している。図6Aは、好ましい一実施例として、ストラップ42〜54が心外膜20の外表面に周期的且つ互いちがいに縫合されて壁16内に埋め込まれた状態を示している。また、図6Aは、図5に示されるよりも多くの縦ストラップを使用できることを示している。これは、単に、任意の所望の数の縦ストラップを使用できることを示しているにすぎない。好ましい実施例において、ストラップ42〜54が壁16内に埋め込まれる領域では、広範囲にわたって壁16を切開する必要がないように、ストラップ42〜54が心外膜層20内にだけ埋め込まれている。
【0030】
図6Bは、ストラップ42〜54を心臓10の壁16内に埋め込んだ状態を詳細に示している。図6Bは、図6Aにおいて符号6Bで示された領域を取り出した、壁16の拡大断面図である。図6Bは、互い違いの部分58でストラップ46が単に心外膜層20の外表面に縫合され、他の部分60では、ストラップ46が心外膜層20内に埋め込まれた状態を示している。無論、ストラップ42〜54を壁16内のより深い部位まで埋め込むことも可能である。しかしながら、心外膜層20内に埋め込むのが望ましい。
【0031】
図2〜図4に示される実施例と同様に、保持装置40は、心臓10の左心室14での圧過負荷に起因する心臓筋肉16の心不全の進行を抑える。心臓10は、その質量を次第に増加することが不可能となる。また、心臓筋肉の制御されない伸張が物理的に抑制されるため、心不全を制御することができる。また、回復可能な筋肉塊は、まだ十分な機能を果たすことができるため、付加的な、すなわち補償的な筋肉塊が形成される必要はない。したがって、保持装置40は、新たな筋肉の成長を制限する。しかも、保持装置40は心臓10への内的ダメージを最少にすることができる。
【0032】
図7は本発明の一見地に基づく保持装置40の他の実施例を示している。図7に示される保持装置40は、図5に示されるそれと類似しており、同じ構成部分については同一符号が付されている。しかしながら、縦ストラップ46〜54(図7に示されているのは4つだけである)にはそれぞれ複数のセンサ62が設けられている。これらのセンサ62は、伸張を感知したり、および/または心臓の筋肉壁16の電気的な活性、加速度的または物理化学的な活性などの、他の生理学的パラメータを感知するように構成されている。図7において、センサ62は縦ストラップ48上にだけ設けられているが、好ましい実施例においては、センサ62が各ストラップ42〜54に同様に配置されることが理解されるべきである。
【0033】
センサ62は、ワイヤボンド歪みゲージ、圧電性高分子ストリップ、あるいは、他の歪み測定センサであることが好ましい。一般に知られているように、そのような歪みゲージの幾つかには、その両端に電圧のような信号が印加される抵抗ブリッジが設けられている。このブリッジに加わる歪みが変化すると、ブリッジから受け取られる信号値が差動的に変化する。圧電高分子素子においては、装置に機械的ストレス(応力)を与えると、同様に感知可能な電気的分極が形成される。したがって、各センサ62は、筋肉壁16の伸張を示す信号を伝送する1または複数の導線64を備えている。このような導線は、適当なケーブル66を介してモニタ回路68に接続され、後者はさらにユーザ入/出力(I/O)装置70に接続されるのが望ましい。
【0034】
好ましい実施例においては、心臓10の心筋における総合的な伸張反応(応答)を得るために、導線64によってモニタ回路68に伝えられた信号によって得られる歪み情報が処理される。そのような処理は、モニタ回路68で行なわれるのが望ましく、これについては後述する。前記の総合的な伸張反応は、その変化に関してモニタされることが望ましく、したがって、これは心臓10の伸張や状態についての情報を提供する。この情報は、観察を通じてそれ自身による心不全状態の処置や管理のために使用されるか、あるいは、最大収縮(これについては、図9を参照しながら詳しく後述する)に関して心臓10を整調(pace)するために使用可能なフィードバック信号を形成するために使用されるのが望ましい。
【0035】
ユーザI/O装置70は、陰極線管、LCDディスプレイ、ストリップまたは他のプリンタといった任意の適当なI/O装置、あるいは任意の他の適当なI/O装置であるのが望ましい。また、キーパッド、キーボード、あるいはユーザが操作可能な他の素子を含めることにより、ユーザはこのI/O装置70に入力機能を持たせることができる。
【0036】
図8は、モニタ回路68の一実施例の、より詳細なブロック図を示している。モニタ回路68は、複数の差動増幅器72,74,76と、回路78(例えば、加算増幅器、マルチプレクサなど)と、マイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラをベースとした回路80とを有しているのが望ましい。無論、モニタ回路68は、その他の信号フィルタ、信号増幅器、あるいは、歪みセンサからの信号を調整するものとして一般的に知られており、したがって、ここでは詳細に説明しない、他の一般的な信号調整回路を有していても良い。
【0037】
図8に示される実施例において、差動増幅器72〜76は、歪みセンサ62から受信する信号を増幅するために設けられている。1つの好ましい実施例において、各歪みセンサ62は対応する差動増幅器を有している。またその代りに、センサ62からの信号を、1または複数の差動増幅器へ切換え入力するために、多重化(マルチプレクサ)回路を使用することも可能である。いずれにせよ、差動増幅器72〜76からの出力信号は回路78に供給される。回路78が加算増幅器である実施例においては、心臓10の心筋の総合的な伸張反応を得るために、信号が所望の方法で加算される。増幅器78からの出力信号はマイクロプロセッサ80に供給され、そこで、既知の方法により、すべての非線形性および温度の影響に関して補償されるのが望ましい。その後、マイクロプロセッサ80は、ユーザI/O装置70に向けて適当な出力信号を生成する。
【0038】
回路78がマルチプレクサである他の実施例においては、マイクロプロセッサ80の制御下で、増幅器72〜76からの各信号がマイクロプロセッサ80へと切換え入力される。その代りに、回路78を省略することもできる。そのような実施例では、増幅器72〜76からの出力がそれぞれ別個の入力としてマイクロプロセッサ80に供給される。なお、EKG情報、血圧情報、あるいは他の情報ソ−スといった他の入力をマイクロプロセッサ80に供給することが可能であることは、注目されるべきである。いずれにせよ、マイクロプロセッサ80は、増幅器72〜76からの信号に基づいて、ユーザI/O装置70に向けた信号を生成する。
【0039】
図9は、本発明の一見地に基づくモニタ及び制御システム82の他の実施例を示している。このシステム82中の幾つかの構成要素は、図7および図8に示されたそれと同一であるため、同一の符号が付されている。システム82において、各センサ62には、前述したような、歪み感知素子84と、励起電極86とが設けられている。励起電極86は、心臓10の心筋にペース電圧を伝えることができる従来のペース電極であるのが望ましい。図9では、感知素子84とペース電極86とが互いに接触されるように示されているが、無論、これらを互いに分離することもできる。しかし、感知素子84とペース電極86は、ストラップ42〜54のうちの1つに配置される際には、互いに密に接近しているのが望ましい。
【0040】
1つの好ましい実施例において、マイクロプロセッサ80は、伸張反応情報を感知素子84から受信する。前記情報は、心臓の筋肉繊維の長期間での伸張を示すとともに、脈動時における心臓10の収縮動作をも示す。この情報に基づいて、マイクロプロセッサ80は、各ペース電極86に供給される複数のフィードバック信号を発生する。フィードバック信号は、心臓10(のペース)を整調するために、ペース電極86を励起して心臓10の心筋に必要なペース電圧を分配印加するために使用される。
【0041】
1つの好ましい実施例において、マイクロプロセッサ80は、心臓の筋肉の収縮を引き起こすために、全ての電極86を一時に励起する。しかしながら、他の好ましい実施例においては、異なる組の電極86を順次に連続的に整調して心室の最適な収縮を達成するために、マイクロプロセッサ80は、各励起電極86を選択的且つ連続的に励起する。この実施例においては、各差動増幅器72,74,76からの出力は、例えば加算増幅器78を介するなどして、マイクロプロセッサ80に個別に供給することができる。また、他の好ましい実施例においては、マイクロプロセッサ80は、適切なペース電圧の演算をも行なって、これを、制御される種々の組の励起電極86に印加する。
【0042】
前述した他の実施例と同様に、システム82は、保持装置40と関連して使用される場合、左心室14での圧過負荷に起因する心臓10の筋肉の不全の進行を抑える。心臓10の筋肉は、その質量が次第に増加することが許容されないように、さらにまた、心臓の筋肉の制御されない伸張を抑制して心不全を制御できるように、支持されるのが望ましい。筋肉が破壊的な伸張点に達することが許容されないため、筋肉繊維はその固有の収縮特性(アクチンとミオシンとの重なり合い)を維持し、心不全(あるいは、カスケード)への進行を止めることができる。また、回復可能な筋肉塊は、いまだ十分な機能を果たすことができるため、付加的な、即ち補償的な筋肉塊が形成される必要がなく、したがって、新たな筋肉の成長は制限される。
【0043】
他の好ましい実施例において、本発明は、薬や他の治療剤を、それが使用される組織に送り込むために使用される。例えば、一実施例においては、前記支柱、前記突出部、保持ストリップ等には、好ましくは所定期間にわたって隣接する組織内へ放出されるように作られた治療剤がコーティングされ、含浸され、あるいは付与される。そのような薬や治療剤は、例示的には、増殖因子、血管由来の物質、アンギオテンシン変換酵素、あるいは収縮促進剤(ジギタリスという名前で売られているような)や、その他の適当な薬剤を含んでいる。
【0044】
また、心臓の筋肉は、本発明による心筋の縫合や他の処置から利益を得ることができると考えられる。この利益は、心臓の組織を再生させる既知の血管由来効果である心筋の血管再生によって得られる。
【0045】
本発明は、心臓の疲労を低減し、また健康な心臓組織の自然な再生を許容し、あるいは、薬理学的に行なわれた処置の効果を向上させる。また、このような方法で心臓の筋肉を支持すると、腱索に加わる張力が低減され、このことがさらに僧帽弁逆流を防止し、したがって、高い平均動脈圧や肺水腫を防止することができると考えられている。これらの要素(要因)の全ては、鬱血性心不全に関連付けられる器官や組織の不全のカスケード(cascade)に寄与する。リラックス(弛緩)していた心筋が一旦それ自身の多くの収縮特性を回復してしまえば、心筋を整調ルーチンから引き離すことができる。
【0046】
無論、本発明は、以上に述べてきた技術や装置を、左心室だけでなく、右心室や心臓の他の室においても実施することを想定している。さらにまた、本発明は任意の所望の室の組み合わせに対しても実施することができる。
【0047】
本発明を好ましい実施例に基づいて説明してきたが、当業者であれば、本発明の思想や範囲を逸脱することなく、形態や詳細において変形を加えることができると認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【図7】 本発明の一見地に基づくモニタシステムの他の実施例を示す図である。
【図8】 図7に示されるモニタシステムの一部を示す概略部分ブロック図である。
【図9】 モニタ制御システムの他の実施例を示す概略部分ブロック図である。
【符号の説明】
16……壁、18……心内膜層、20……心外膜層、22……中間壁部、24……保持ストリップ、26……縦支柱、28、30、32、34、36……突出部
発明の背景
本発明は心臓疾患の処置に関する。特に、本発明は、脈管構造内の血流を調整することによって心疾患を処置するシステムおよび方法に関する。
【0002】
鬱血性心不全は一般的な心疾患である。鬱血性心不全の発生率は最近高まってきており、その診断に関連する疾病率および死亡率も小さくない。実際、鬱血性心不全は、この病気にかかった男女の殆どが約5年で死に至るという極めて致命的な疾患である。
【0003】
鬱血性心不全は、正常な心臓機能の損失もしくは欠陥によって生じる。この損失もしくは欠陥は心拍出量を減少させる。これにより、さらに血流量および血圧の両者が腎臓内で減少する。このような血流と血圧の減少は、鬱血性心不全を悪化させるレニン・アンギオテンシン反応を引き起こす。
【0004】
腎臓内の血流量および血圧が低下すると、傍糸球体(欠如)組織(juxtaglomerular apparatus)と呼ばれる腎臓の細胞組織は、レニンと呼ばれる酵素を血液中に分泌する。酵素レニンは、アンギオテンシノゲンと呼ばれる血液中の血漿蛋白質から、アンギオテンシンIと呼ばれる10アミノ酸ポリペプチドを切り離す。血液中の変換酵素は、アンギオテンシンIポリペプチドから2つのアミノ酸を取り除いて、アンギオテンシンIIと呼ばれる8アミノ酸ポリペプチドを残す。アンギオテンシンIIは、細動脈の滑らかな筋肉層上に、血管収縮を引き起こすことを含む多くの影響を及ぼす。
【0005】
また、アンギオテンシンIIの増加による間接的な作用によって、血液容量が増大する。血液容量が増大する理由は、アンギオテンシンIIが副腎皮質からのアルドステロンの分泌を刺激し、これがさらに腎臓内での塩分および水分の増加を引き起こすからである。また、アンギオテンシンIIは、視床下部における喉の渇きの中枢を刺激し、より多くの水分を摂取させる。血液容量の増大およびこれに対応する血管収縮は、血圧を高め、したがって、心臓状態を更に悪化させる心臓の容量過負荷を引き起こす。
【0006】
また、他の反応も鬱血性心不全に関連付けられている。大動脈弓や頚動脈洞内には、伸張受容器として知られる圧受容体が存在する。圧受容体は、基本的には、その領域の血圧を感知する圧力センサである。圧受容体は、2つの方法で、生理学的なフィードバックを提供する。第1に、血圧の低下に応答して、圧受容体は、心拍数を増大させて心拍出量を増大させようとする神経ホルモンのフィードバック応答を提供する。心拍数が増加すると、心臓が激しく動作するので、心臓の筋肉がより一層伸張される。また、心拍出量の低下によって引き起こされる圧力の低下により、圧受容体は、末端の脈管構造を収縮させてその領域の圧力を増加させるように作用する、フィードバック応答を提供する。
【0007】
このように、心臓機能の欠陥は周期的なフィードバック応答を引き起こし、このフィードバック応答は、欠陥を減少するというよりも、むしろ欠陥を増大させることが分かる。このような周期的なフィードバック応答は、時として、「カスケード」と呼ばれる。
【0008】
例えば、心筋がストレス(応力)を受けると、心臓が激しく動き、心臓が伸張し始める。これにより、以下に述べるような方法で心臓の能力(効率)が下がる。筋肉は、筋肉の働きを果たすように収縮および伸長する多くの繊維から成ると考えられている。各繊維は、筋細(筋原)繊維と呼ばれる密集した多くのサブユニットを有している。筋細繊維は、直径が約1μm程度で、筋肉繊維の一端部から他端部へと平行に延びている。各筋細繊維は、厚い(約110オングストロームの厚さの)単繊維と薄い(約50〜60オングストロームの厚さの)単繊維の離間領域を有している。厚い単繊維は蛋白質とミオシンとから形成され、薄い単繊維は蛋白質とアクチンとから形成されている。アクチンとミオシンの単繊維は、筋細繊維に沿って周期的に存在する離間領域では重なり合っている。繰り返される重なり合いのパターンの単位は、サルコメア(筋節)と呼ばれている。
【0009】
筋肉繊維の収縮は、筋肉繊維を形成する筋細繊維の短縮化によって生じる。筋細繊維は短縮化されるが、筋細繊維中の個々の単繊維はその長さを減少する訳ではない。その代わり、アクチンとミオシンの単繊維が互いに対して長手方向に滑って筋細繊維の全長を短くする。このような滑りは、ミオシンからアクチンの方へと延び、且つ結合領域でアクチンに結び付いているクロスブリッジの結果として生じる。クロスブリッジは、ミオシン単繊維の長手方向の両側で、重なり合うアクチン単繊維をミオシン単繊維の長手方向中心へと引張るように、方向付けられている。
【0010】
筋肉繊維が伸張してアクチンおよびミオシンだけが短い距離で重なり合うと、隣接するアクチンとの結合のためには、僅かな数のクロスブリッジだけしか利用できなくなり、収縮の能力(効率)が極端に悪くなる。アクチンとミオシンとが全く重なり合わない部位まで筋肉が伸張されると、収縮が不可能となる。
【0011】
心臓の機能が不能になったり、損傷されたりすると、腎臓と圧受容体の両方で血圧が低下する。腎臓によって形成されるフィードバック応答により、更に、心臓の過負荷とストレスが引き起こされる。圧受容体で生成されるフィードバック応答は、心臓の心拍数を増加させる。これら両方のフィードバック応答によって、心臓はより一層激しく動き、心臓筋肉が更に伸張して、心臓機能のより一層の悪化を招く。応答の中でも、フィードバック応答が非常に著しくなり、カスケードが続く。
【0012】
鬱血性心不全を自然に進行させるこのカスケード効果により、筋肉質量が増大するとともに、心筋繊維が伸張し、その結果として、左心室の筋肉が肥大する。筋肉繊維が固有の収縮特性(すなわち、アクチンとミオシンの重なり合い)を維持するような所定のレベルに維持されている場合には、この肥大は、適切な心臓機能を維持するのに有利であり得る、補償的なメカニズムである。しかしながら、長期にわたる連続的な伸張は、既知のフランク・スターリング(Frank-Starling)メカニズムによって説明されるような、筋肉疲労と筋肉特性(性能)の低下を引き起こす。
【0013】
発明の概要
本発明の装置および方法は、室を有する心臓の壁の心筋組織の伸びを規制する。生体適合性で且つ移植可能である複数の、細長いストリップは、心臓壁に結合されるように構成され、且つこれらの細長いストリップは室の周囲に互いに離間した関係で配置される。細長いストリップは、曲げ性を有するとともに、心臓壁の自然の伸張が複数のストリップの伸びを引き起こさないように、伸びに対して十分な抵抗性を備えている。
【0014】
図面の簡単な説明
図1Aは、心臓の側断面図である。
図1Bは、図1Aに示された心臓部位の拡大断面図である。
図2は、本発明の一実施例に係る保持ストリップを示す図である。
図3は、心臓壁内に埋め込まれた、図2に示される保持ストリップを示す図である。
図4は、左心室の壁内に埋め込まれた、図2に示される複数のストリップを示す図である。
図5は、本発明の一見地に基づく保持機構の第2の実施例を示す図である。
図6Aは、左心室の外表面に配置された、図5に示される保持機構を示す図である。
図6Bは、図6Aに示される心臓壁の部位の断面図である。
図7は、本発明の一見地に基づくモニタシステムの他の実施例を示す図である。
図8は、図7に示されるモニタシステムの一部を示す概略部分ブロック図である。
図9は、モニタ制御システムの他の実施例を示す概略部分ブロック図である。
【0015】
好ましい実施例の詳細な説明
図1Aは心臓10の一部位を示している。図1Aは、右心室12と左心室14とを含む心臓10の複数の室を示している。また図1Aは、室12,14の周囲に延在し、且つ室12,14を区画する心臓壁16を示している。発明の背景の項で説明したように、鬱血性心不全は、心臓10内の筋繊維の肥大、特に左心室14の周囲の筋繊維の肥大を招くことがある。
【0016】
図1Bは、図1Aに示された心臓10の壁16の一部の拡大断面図を示している。図1Bは、図1Aにおいて1Bと表示された部分である。図1Bに示されるように、壁16は、心臓壁16の内部組織から成る心内膜層18によって形成されている。また、心臓壁16は、心臓壁16の外部組織から成る心外膜層20を有している。中間壁部22は、心内膜18と心外膜20との間の壁16の部位から成る。心膜は心臓を取り囲む二重壁嚢である。心膜嚢の内側層は心外膜20を備えている。
【0017】
アメリカ心臓協会図書館から入手可能な顕微鏡写真によれば、心臓の筋繊維の配列は、心内膜18および心外膜20においては、心室腔壁(洞)に対して略垂直となっている。また一般に、筋繊維は、中間壁部22においては、心室腔壁に対して略平行になっている。左心室14を取り囲む筋肉壁16が肥大すると、筋繊維は、その長手方向に対して略平行な方向で、伸張して延びる。そのため、心内膜18および心外膜20の筋繊維は、心室腔壁に対して略垂直な方向に延び、一方、中間壁部22の筋繊維は、心室腔壁に対して略平行な方向に延びる。また、他の筋繊維も発達する。これらの全てが相まって、筋肉の質量の増大および心臓筋繊維の伸張をもたらす。
【0018】
図2は、本発明の一形態に係る保持ストリップ24を示している。好ましい実施例において、保持ストリップ24は略縦長の縦支柱26を有している。この縦支柱26は、そこから第1の方向に延びる第1組の突出部28,30,32と、前記第1の方向と略反対である第2の方向へと延びる複数の第2の突出部34,36とを有している。突出部28,30,32は略T形状を成すように示され、一方、突出部34,36は略直線形状を成しているが、支柱28〜36の全てがT形状もしくは直線形状をなしていても良い。
【0019】
また保持ストリップ24は、保持ストリップ24を所定位置で縫合するために使用される複数の開口38を有するように示されている。無論、図2に示される縫合用開口38の数と位置は単なる一例である。それよりも少ないか、または多い数の開口38も可能であり、また、保持ストリップ24上の異なる位置に開口を形成することも可能である。
【0020】
さらに、3つの突出部28,30,32および2つの突出部34,36だけしか示されていないが、任意の適当な数の突出部を保持ストリップ24の両側で使用することができる。支柱26および突出部28〜36は、永久変形したり、または破損したりすることなく、繰り返し曲げることができる材料によって形成されているのが望ましい。しかしながら、支柱26および突出部28〜36は、更に、長手方向の延びに対して高い抵抗を示す材料から成るのが望ましい。好適な材料には、例えば、コラーゲン、生体適合性で且つ移植可能な高分子ストリップ、生体適合性で且つ移植可能な金属、軟骨組織、またはこれらの複合材料、ニチノール、およびウシや豚の副生成物(byproducts)などが含まれる。
【0021】
図3は、壁16の部位内に保持ストリップ24が移植された状態を示している。好ましい実施例において、縦支柱26は壁16の中間壁部22内に埋め込まれる。突出部28,30,32(および、任意の他の数の突出部)は心内膜18内へと延び、一方、突出部34,36(および、任意の他の適当な数の突出部)は心外膜20内へと延びている。その後、保持ストリップ24は、そこに形成された開口38を使用して、適当な縫合技術により、所定位置に縫合される。保持ストリップ24は、例えば心室腔壁の底部から頂部に向かって、心室腔壁の長手方向の略全長にわたって延在しているのが望ましい。
【0022】
図4は、左心室14の周囲の壁16内に埋め込まれた複数の保持ストリップ24を示している。保持ストリップ24は、左心室14の周囲に規則的な間隔で配置され、壁16内で左心室14を取り囲んでいるのが望ましい。そのような配置は、心臓10の左心室14の周囲に限定的な籠を形成する。したがって、ストリップ24は、心臓の自然な収縮動作に対して殆ど或は全く障害を及ぼさない。しかしながら、縫合によって心臓組織に保持ストリップ24を取り付けると、筋繊維の拡張が阻害されたり、あるいは、筋繊維の拡張および広範囲にわたる伸張が実質的に抑止されたりする。
【0023】
縦支柱26は、その長手方向の伸びに対して実質的に耐えることができるため、中間壁部22内の筋繊維の伸びの防止に寄与し得る。また、突出部28,30,32は、その長手方向の伸びに対して高い抵抗性を有しているため、心内膜層18内の筋繊維の伸びや伸張を十分に防止する。同様に、突出部34,36は、その長手方向の伸びに対して高い抵抗性を有しているため、心外膜層20内の筋繊維の伸びや伸張を十分に防止する。
【0024】
したがって、図4に示される位置に保持ストリップ24を配置すると、左心室14での圧過負荷に起因する筋肉の鬱血性心不全の進行を抑えることができる。筋肉は、その質量を次第に増加することが不可能となり、かつまた、その成長と伸張とが物理的に抑制されて、制御のきかない伸張が制限されるような方法で支持される。そのため、心不全を制御することができる。また、回復可能な(recruitable)筋肉塊(質量)は、その収縮に対する制約が限定的であることから、まだ十分な機能を果たすことができるため、付加的な、即ち補償的な筋肉塊(質量)が形成されず、このことが壁16内の新たな筋組織の成長を制限する。
【0025】
したがって、本発明のこのような形態は、心臓の筋肉の疲労を低減させ、健康な心臓組織の自然の再生を許容する。また、心臓の筋肉組織を支持すると、腱索に加わる張力(tension)をよみがえらせ、このことがさらに、より高い平均動脈圧、したがって肺水腫を防止する僧帽弁逆流の防止に寄与することができると考えられる。
【0026】
図5は、本発明の他の見地に基づく保持装置40の他の実施例を示している。鬱血性心不全が進行すると、心臓10の肥大が既に始まっている可能性があり、したがって、心臓10がトラウマ(障害)を受け易くなる。そのため、広範囲にわたる心臓10の切開が望ましくない場合がある。そのような場合、保持装置40を使用し、心臓の筋肉に対し最小の侵襲度をもって(例えば、縫合、接着、ステープル、あるいは他の接合技術)、保持装置40を心臓10の心外膜の表面に取り付けることができる。
【0027】
保持装置40は、略円形の第1のストラップ42と略円形の第2のストラップ44とを有している。ストラップ42,44は、略縦長の複数のストラップ46,48,50,52,54によって互いに結合されている。ストラップ46〜54は、適当な接着剤、溶接、あるいは他の適当な機構によって、円形ストラップ42,44に取り付けられているのが望ましい。あるいはまた、ストラップ46〜54は、円形のストラップ42と一体に形成されているのが望ましい。ストラップ42〜54は、永久変形のようなダメージを起こすことなく、多くの周期的な曲げに対して耐える能力を示すコラーゲン、高分子、金属繊維によって形成されているのが望ましい。
【0028】
また、ストラップ42〜54は、略長手方向への伸びに対して高い抵抗を示すように形成されている。さらに、ストラップ42〜54は複数の開口56を有している。これらの開口56は、適当な縫合技術を用いて保持装置40を心臓壁16に取り付けるために使用される。無論、図2〜図4に示される実施例と同様に、任意の適当な数のストラップ42〜54を使用することができる。また、ストラップ42〜54の配置も、望ましいように変えることができる。さらに、縫合開口56の数と配置は、ストラップ42〜54の任意の適当な数および配置に応じて変更することができる。
【0029】
図6Aは左心室14の壁16上に配置された保持装置40を示している。図6Aは、好ましい一実施例として、ストラップ42〜54が心外膜20の外表面に周期的且つ互いちがいに縫合されて壁16内に埋め込まれた状態を示している。また、図6Aは、図5に示されるよりも多くの縦ストラップを使用できることを示している。これは、単に、任意の所望の数の縦ストラップを使用できることを示しているにすぎない。好ましい実施例において、ストラップ42〜54が壁16内に埋め込まれる領域では、広範囲にわたって壁16を切開する必要がないように、ストラップ42〜54が心外膜層20内にだけ埋め込まれている。
【0030】
図6Bは、ストラップ42〜54を心臓10の壁16内に埋め込んだ状態を詳細に示している。図6Bは、図6Aにおいて符号6Bで示された領域を取り出した、壁16の拡大断面図である。図6Bは、互い違いの部分58でストラップ46が単に心外膜層20の外表面に縫合され、他の部分60では、ストラップ46が心外膜層20内に埋め込まれた状態を示している。無論、ストラップ42〜54を壁16内のより深い部位まで埋め込むことも可能である。しかしながら、心外膜層20内に埋め込むのが望ましい。
【0031】
図2〜図4に示される実施例と同様に、保持装置40は、心臓10の左心室14での圧過負荷に起因する心臓筋肉16の心不全の進行を抑える。心臓10は、その質量を次第に増加することが不可能となる。また、心臓筋肉の制御されない伸張が物理的に抑制されるため、心不全を制御することができる。また、回復可能な筋肉塊は、まだ十分な機能を果たすことができるため、付加的な、すなわち補償的な筋肉塊が形成される必要はない。したがって、保持装置40は、新たな筋肉の成長を制限する。しかも、保持装置40は心臓10への内的ダメージを最少にすることができる。
【0032】
図7は本発明の一見地に基づく保持装置40の他の実施例を示している。図7に示される保持装置40は、図5に示されるそれと類似しており、同じ構成部分については同一符号が付されている。しかしながら、縦ストラップ46〜54(図7に示されているのは4つだけである)にはそれぞれ複数のセンサ62が設けられている。これらのセンサ62は、伸張を感知したり、および/または心臓の筋肉壁16の電気的な活性、加速度的または物理化学的な活性などの、他の生理学的パラメータを感知するように構成されている。図7において、センサ62は縦ストラップ48上にだけ設けられているが、好ましい実施例においては、センサ62が各ストラップ42〜54に同様に配置されることが理解されるべきである。
【0033】
センサ62は、ワイヤボンド歪みゲージ、圧電性高分子ストリップ、あるいは、他の歪み測定センサであることが好ましい。一般に知られているように、そのような歪みゲージの幾つかには、その両端に電圧のような信号が印加される抵抗ブリッジが設けられている。このブリッジに加わる歪みが変化すると、ブリッジから受け取られる信号値が差動的に変化する。圧電高分子素子においては、装置に機械的ストレス(応力)を与えると、同様に感知可能な電気的分極が形成される。したがって、各センサ62は、筋肉壁16の伸張を示す信号を伝送する1または複数の導線64を備えている。このような導線は、適当なケーブル66を介してモニタ回路68に接続され、後者はさらにユーザ入/出力(I/O)装置70に接続されるのが望ましい。
【0034】
好ましい実施例においては、心臓10の心筋における総合的な伸張反応(応答)を得るために、導線64によってモニタ回路68に伝えられた信号によって得られる歪み情報が処理される。そのような処理は、モニタ回路68で行なわれるのが望ましく、これについては後述する。前記の総合的な伸張反応は、その変化に関してモニタされることが望ましく、したがって、これは心臓10の伸張や状態についての情報を提供する。この情報は、観察を通じてそれ自身による心不全状態の処置や管理のために使用されるか、あるいは、最大収縮(これについては、図9を参照しながら詳しく後述する)に関して心臓10を整調(pace)するために使用可能なフィードバック信号を形成するために使用されるのが望ましい。
【0035】
ユーザI/O装置70は、陰極線管、LCDディスプレイ、ストリップまたは他のプリンタといった任意の適当なI/O装置、あるいは任意の他の適当なI/O装置であるのが望ましい。また、キーパッド、キーボード、あるいはユーザが操作可能な他の素子を含めることにより、ユーザはこのI/O装置70に入力機能を持たせることができる。
【0036】
図8は、モニタ回路68の一実施例の、より詳細なブロック図を示している。モニタ回路68は、複数の差動増幅器72,74,76と、回路78(例えば、加算増幅器、マルチプレクサなど)と、マイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラをベースとした回路80とを有しているのが望ましい。無論、モニタ回路68は、その他の信号フィルタ、信号増幅器、あるいは、歪みセンサからの信号を調整するものとして一般的に知られており、したがって、ここでは詳細に説明しない、他の一般的な信号調整回路を有していても良い。
【0037】
図8に示される実施例において、差動増幅器72〜76は、歪みセンサ62から受信する信号を増幅するために設けられている。1つの好ましい実施例において、各歪みセンサ62は対応する差動増幅器を有している。またその代りに、センサ62からの信号を、1または複数の差動増幅器へ切換え入力するために、多重化(マルチプレクサ)回路を使用することも可能である。いずれにせよ、差動増幅器72〜76からの出力信号は回路78に供給される。回路78が加算増幅器である実施例においては、心臓10の心筋の総合的な伸張反応を得るために、信号が所望の方法で加算される。増幅器78からの出力信号はマイクロプロセッサ80に供給され、そこで、既知の方法により、すべての非線形性および温度の影響に関して補償されるのが望ましい。その後、マイクロプロセッサ80は、ユーザI/O装置70に向けて適当な出力信号を生成する。
【0038】
回路78がマルチプレクサである他の実施例においては、マイクロプロセッサ80の制御下で、増幅器72〜76からの各信号がマイクロプロセッサ80へと切換え入力される。その代りに、回路78を省略することもできる。そのような実施例では、増幅器72〜76からの出力がそれぞれ別個の入力としてマイクロプロセッサ80に供給される。なお、EKG情報、血圧情報、あるいは他の情報ソ−スといった他の入力をマイクロプロセッサ80に供給することが可能であることは、注目されるべきである。いずれにせよ、マイクロプロセッサ80は、増幅器72〜76からの信号に基づいて、ユーザI/O装置70に向けた信号を生成する。
【0039】
図9は、本発明の一見地に基づくモニタ及び制御システム82の他の実施例を示している。このシステム82中の幾つかの構成要素は、図7および図8に示されたそれと同一であるため、同一の符号が付されている。システム82において、各センサ62には、前述したような、歪み感知素子84と、励起電極86とが設けられている。励起電極86は、心臓10の心筋にペース電圧を伝えることができる従来のペース電極であるのが望ましい。図9では、感知素子84とペース電極86とが互いに接触されるように示されているが、無論、これらを互いに分離することもできる。しかし、感知素子84とペース電極86は、ストラップ42〜54のうちの1つに配置される際には、互いに密に接近しているのが望ましい。
【0040】
1つの好ましい実施例において、マイクロプロセッサ80は、伸張反応情報を感知素子84から受信する。前記情報は、心臓の筋肉繊維の長期間での伸張を示すとともに、脈動時における心臓10の収縮動作をも示す。この情報に基づいて、マイクロプロセッサ80は、各ペース電極86に供給される複数のフィードバック信号を発生する。フィードバック信号は、心臓10(のペース)を整調するために、ペース電極86を励起して心臓10の心筋に必要なペース電圧を分配印加するために使用される。
【0041】
1つの好ましい実施例において、マイクロプロセッサ80は、心臓の筋肉の収縮を引き起こすために、全ての電極86を一時に励起する。しかしながら、他の好ましい実施例においては、異なる組の電極86を順次に連続的に整調して心室の最適な収縮を達成するために、マイクロプロセッサ80は、各励起電極86を選択的且つ連続的に励起する。この実施例においては、各差動増幅器72,74,76からの出力は、例えば加算増幅器78を介するなどして、マイクロプロセッサ80に個別に供給することができる。また、他の好ましい実施例においては、マイクロプロセッサ80は、適切なペース電圧の演算をも行なって、これを、制御される種々の組の励起電極86に印加する。
【0042】
前述した他の実施例と同様に、システム82は、保持装置40と関連して使用される場合、左心室14での圧過負荷に起因する心臓10の筋肉の不全の進行を抑える。心臓10の筋肉は、その質量が次第に増加することが許容されないように、さらにまた、心臓の筋肉の制御されない伸張を抑制して心不全を制御できるように、支持されるのが望ましい。筋肉が破壊的な伸張点に達することが許容されないため、筋肉繊維はその固有の収縮特性(アクチンとミオシンとの重なり合い)を維持し、心不全(あるいは、カスケード)への進行を止めることができる。また、回復可能な筋肉塊は、いまだ十分な機能を果たすことができるため、付加的な、即ち補償的な筋肉塊が形成される必要がなく、したがって、新たな筋肉の成長は制限される。
【0043】
他の好ましい実施例において、本発明は、薬や他の治療剤を、それが使用される組織に送り込むために使用される。例えば、一実施例においては、前記支柱、前記突出部、保持ストリップ等には、好ましくは所定期間にわたって隣接する組織内へ放出されるように作られた治療剤がコーティングされ、含浸され、あるいは付与される。そのような薬や治療剤は、例示的には、増殖因子、血管由来の物質、アンギオテンシン変換酵素、あるいは収縮促進剤(ジギタリスという名前で売られているような)や、その他の適当な薬剤を含んでいる。
【0044】
また、心臓の筋肉は、本発明による心筋の縫合や他の処置から利益を得ることができると考えられる。この利益は、心臓の組織を再生させる既知の血管由来効果である心筋の血管再生によって得られる。
【0045】
本発明は、心臓の疲労を低減し、また健康な心臓組織の自然な再生を許容し、あるいは、薬理学的に行なわれた処置の効果を向上させる。また、このような方法で心臓の筋肉を支持すると、腱索に加わる張力が低減され、このことがさらに僧帽弁逆流を防止し、したがって、高い平均動脈圧や肺水腫を防止することができると考えられている。これらの要素(要因)の全ては、鬱血性心不全に関連付けられる器官や組織の不全のカスケード(cascade)に寄与する。リラックス(弛緩)していた心筋が一旦それ自身の多くの収縮特性を回復してしまえば、心筋を整調ルーチンから引き離すことができる。
【0046】
無論、本発明は、以上に述べてきた技術や装置を、左心室だけでなく、右心室や心臓の他の室においても実施することを想定している。さらにまた、本発明は任意の所望の室の組み合わせに対しても実施することができる。
【0047】
本発明を好ましい実施例に基づいて説明してきたが、当業者であれば、本発明の思想や範囲を逸脱することなく、形態や詳細において変形を加えることができると認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【図7】 本発明の一見地に基づくモニタシステムの他の実施例を示す図である。
【図8】 図7に示されるモニタシステムの一部を示す概略部分ブロック図である。
【図9】 モニタ制御システムの他の実施例を示す概略部分ブロック図である。
【符号の説明】
16……壁、18……心内膜層、20……心外膜層、22……中間壁部、24……保持ストリップ、26……縦支柱、28、30、32、34、36……突出部
Claims (17)
- 室を有する心臓の壁の心筋組織であって、心外膜層と、心内膜層と、心外膜層と心内膜層との間にある中間壁部とを有し、心外膜層と心内膜層と中間壁部とが心臓の壁を形成するように略長手方向に延在している心筋組織の応力を和らげるための装置において、
生体適合性で且つ移植可能であり、長手方向に延びる複数の細長いストリップを備え、これらの細長いストリップは、心臓壁に結合するための縫合糸を受け入れる複数の開口を有し、且つ室の周囲に互いに離間した状態で配置されており、また、曲げ性を有するとともに、前記細長いストリップの各々は、縦支柱と、縦支柱から第1の方向に延びる複数の第1の突出部とを備え、該第1の突出部は心臓壁の自然の伸張が前記複数のストリップの伸びを引き起こさないように、伸びに対して十分な抵抗性を備えていることを特徴とする装置。 - 細長いストリップは、その長手方向の伸びに対して抵抗性があることを特徴とする請求項1に記載の装置。
- 細長い各ストリップは、
縦支柱から、第1の方向と略反対の第2の方向に延びる複数の第2の突出部を備え、第2の突出部は、心臓壁の自然の伸張が第2の突出部の第2の方向での伸びを引き起こさないように、第2の方向の伸びに対して十分な抵抗性を備えていることを特徴とする請求項2に記載の装置。 - 縦支柱と第1および第2の突出部とは、縦支柱が前記中間壁部内に縦方向に配置された際、第1の突出部が心外膜層内へ延び、第2の突出部が心内膜層内へ延びることを特徴とする請求項3に記載の装置。
- 第1の突出部が略直線的な形態を成していることを特徴とする請求項4に記載の装置。
- 第2の突出部が略T字型の形態を成していることを特徴とする請求項4に記載の装置。
- 複数の細長いストリップが心外膜層に結合されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
- 室の周囲に配置されるような寸法を有する籠構造を形成するために、複数のストリップが互いに離間した関係で、互いに結合されることを特徴とする請求項7に記載の装置。
- 複数のストリップが複数のセンサを支持し、これらのセンサは、心臓壁の生理学的パラメータを感知して、その感知されたパラメータを示すセンサ信号を提供するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の装置。
- 複数のセンサは、心臓壁の伸張を感知して、その感知された伸張を示すセンサ信号を提供するように構成されていることを特徴とする請求項9に記載の装置。
- 複数の前記センサに接続されてセンサ信号を受信し、そのセンサ信号に基づいてモニタ信号を出力するモニタと、
モニタに接続されてモニタ信号を受信し、モニタ信号に基づいて、感知された伸張を示す、ユーザが認識可能な表示を提供する入/出力手段とを更に備えていることを特徴とする請求項10に記載の装置。 - 複数のストリップによって支持された複数の電極を更に備え、
前記モニタは、電極に接続され、電極に対する励起信号の印加を制御するコントローラを有し、電極は、励起信号に応答して心筋を刺激することを特徴とする請求項11に記載の装置。 - 前記コントローラは、前記センサに接続され、前記センサ信号に基づいて励起信号を印加するように構成されていることを特徴とする請求項12に記載の装置。
- 前記コントローラは、全ての電極に対して略同時に励起信号を印加するように構成されていることを特徴とする請求項13に記載の装置。
- 前記コントローラは、励起信号をセンサに順次的に印加するように構成されていることを特徴とする請求項13に記載の装置。
- 前記コントローラは、励起信号をセンサの各組に順次的に印加するように構成されていることを特徴とする請求項15に記載の装置。
- 細長いストリップが、放散可能に付設された薬剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
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