JP4185275B2 - Injection molding equipment - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形装置に関し、例えば電磁流量計の測定管内のライニングの成形や樹脂製配管の成形等に用いて好適な射出成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
測定管内を流れる導電性流体の流量を電磁誘導現象を利用して測定する電磁流量計は、流体中で発生した起電力とステンレス鋼等の非磁性体からなる測定管との短絡を防止するために、通常測定管の接液面である内周面および測定管の両端部に一体的に設けたフランジの配管が接続される面(以下、配管接続端面という)をライニング材によって被覆している。ライニング材としては、耐熱性、耐食性、電気絶縁性等が要求されるため、通常弗素樹脂等の絶縁材が使用されており、射出成形によって測定管の内周面およびフランジの配管接続端面に成形によって形成されている。
【0003】
このようなライニングが施された測定管をトランスファー成形機によって成形する場合は、ライニングが施されていない測定管を金型内に装填し、金型をライニング材の溶融温度以上に加熱し、溶融したライニング材を金型内に加圧注入して測定管の内周面およびフランジの配管接続端面をライニング材で被覆する。
【0004】
測定管のライニングに際して、ライニング材として使用される弗素樹脂は金属との密着性が悪く、測定管から剥離し易いことから、通常パンチングプレートと呼ばれる多孔板によって形成した補強管を測定管の内部に予め取付けておき、この補強管をライニング材によって覆うことにより、ライニング材と測定管との機械的な結合強度を高めてライニング材の剥離を防止するとともに、測定管内の温度変化や圧力変化によるライニング材の変形等を防止している(特公平5−48846号公報、特公平5−48845号公報、実公平2−28411号公報等)。
【0005】
このようなライニングが施された測定管をトランスファー成形機によって成形するには、補強管が取付けられた測定管を金型内に装填し、金型をライニング材の溶融温度以上に加熱し、溶融したライニング材を金型内に加圧注入して測定管の内周面およびそのフランジの配管接続端面を被覆する。成形材料をキャビティ内に充填した後は、金型に圧縮空気等の冷却媒体を供給して成形材料を硬化させ、全体が十分に冷却固化した後、金型から成形品を取り出す。
【0006】
成形材料の冷却方式としては、例えば米国デュポン社発行の技報
「Preliminary Infomation from Plastic Technical Services Laboratryabout DU PONT TEFLON FLUOROCARBON RESIN,DU PONT TEFZEL FLUOROPOLYMERFLUOROCARBONS DIVISION,PLASTICS DEPARTMENT,E.T.DU PONT DE NEMOURS &CO.(INC.),WILM.,DEL.19898 PBI#36(Revised)August 1973」に記載のトランスファー成形装置に採用したものが知られている。このトランスファー成形装置は、中子の内部にパイプを貫通させ、このパイプの周面に多数の孔をゲート側より遠くなるほど粗になるように形成し、前記孔から冷却媒体を中子内に供給することにより中子を内側から強制的に冷却するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のトランスファー成形装置における冷却方式は、パイプに形成した孔の数、密度によって冷却効果(冷却速度)が決まるため、成形品の肉厚、大きさ等に応じて冷却効果、冷却箇所の順序等を自由に変更することができず、成形に要する時間が長くなるという問題があった。また、成形品毎に孔の数、密度等が異なったパイプを準備する必要があるため、パイプの種類が増加し、その保管、管理、交換作業等が煩わしいという問題もあった。
【0008】
本発明は上記した従来の問題を解決するためになされたもので、多段冷却方式を採用し金型のゲートから遠い部分からゲートに向かって順次冷却することにより、キャビティ内の成形材料を効果的に冷却することができ、ひけや脈理の発生を防止し得るようにした射出成形装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために第1の発明は、底部にノズル孔を有して溶融した成形材料を収容する容器と、この容器の前記ノズル孔から射出された成形材料が充填される金型と、前記容器内の成形材料を加圧するプッシャと、前記プッシャまたは前記金型に前記プッシャが前記容器内の成形材料を実質的に加圧する方向の推力を付与する推力付与手段とを備えた射出成形装置であって、前記金型を積層配置された上型と中子を備えた下型とで構成し、前記中子は円柱状の中子本体と、この本体に嵌合する円筒体とを有し、前記中子本体の外周面に、軸線方向に離間して形成された複数の溝形の互いに独立した冷却回路をそれぞれ設け、これらの冷却回路にゲートに近いものほど冷却開始の時期が遅くなるように順次冷却媒体を供給することによりキャビティ内に注入された成形材料の冷却硬化の時期を段階的に制御するようにしたものである。
この発明においては、冷却硬化に伴う成形材料の収縮に対して溶融状態の成形材料が供給され続けるように各冷却回路の冷却時期を個々に制御できるので、ひけや脈理が発生しない品質の良好な成形品を成形することができる。
【0010】
第2の発明は、上記第1の発明において、前記プッシャで前記容器内の成形材料を加圧することにより前記下型と前記上型とのシール面を全周にわたって互いに密接させるようにしたものである。
この発明においては、成形材料を加圧するためにプッシャに実質的に付与される推力によって、シール面どうしを密着させることで実質的に型締めを行うので、従来の型締め手段を設ける必要がない。
【0011】
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、成形材料が弗素樹脂であり、プッシャによって加圧されたときの成形材料の射出圧をP、各シール面に加わるシール圧をPaとすると、
以下の条件
Pa/P>0.32
が成り立つようにするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る射出成形装置の一実施の形態の一部を破断して示す概略構成図、図2は射出成形用金型の断面図、図3は底板の上から見た投影面積を示す図、図4は上型の下から見た投影面積を示す図、図5はシール面付近の拡大断面図、図6は第1の下型部材の平面図、図7は中子の底面図、図8(a)〜(d)は図7のA−A線、B−B線、C−C線、D−D線断面図である。本実施の形態は、フランジタイプの電磁流量計用測定管のライニングのための成形に用いられるポット式の竪型射出成形装置20に適用した例を示す。なお、図3において、斜線部が投影面積を示し、内側から2番目の円が底板上面に形成した円錐形の凹部の外形線を示している。図4において、斜線部が投影面積を示し、外側から2番目の円が上型底面に形成した環状凹部の外形線を示し、外側から3番目の円が円錐形の凹部の外形線を示している。
【0013】
図1において、床面に設置された脚付きのベースプレート21と、油圧シリンダ22が固定されたシリンダ取付板23と、これらを連結する4本の支柱24とにより十分な機械的強度を持つ枠組25が構成されている。この枠組25は、油圧シリンダ22と協働して、後述するプッシャ32へ推力を与える推力付与手段として働くものである。さらに、前記ベースプレート21上に設置された金型取付板26、この金型取付板26上にセラミック等の断熱材27を介して設置された射出成形用の金型30、この金型30の上に載置された有底円筒状のトランスファポット31(容器)、トランスファポット31内の加熱溶融された成形材料9を加圧する前記プッシャ32、このプッシャ32を降下させる前記油圧シリンダ22(推力付与手段)等によってポット式の竪型射出成形装置20を構成している。
【0014】
前記油圧シリンダ22は、前記支柱24の上方に架設された前記シリンダ取付板23に下向きに設置されており、昇降自在なプランジャ33を有している。プランジャ33は油圧によって下降するとその下端面が前記プッシャ32の上面に当たり、上昇復帰すると前記プッシャ32の上面から離間するように構成されている。
【0015】
前記プッシャ32は円盤状に形成され、前記トランスファポット31内に嵌挿されている。トランスファポット31の内周面とプッシャ32との間には適宜な隙間が設けられており、この隙間から空気を逃がすことで、プッシャ32をトランスファポット31に嵌め込む作業を容易にしている。
【0016】
前記トランスファポット31は、円筒体31Aと、この円筒体31Aの下方側開口部を覆う円盤状の底板31Bとで構成されている。前記円筒体31Aの下端部内周面には、前記底板31Bが嵌合する環状溝35が形成されている。環状溝35の内周面と底板31Bの外周面との間には殆ど隙間がない状態(すなわち溶融した成形材料9が漏れ出ない状態)で摺動可能とされている。円筒体31Aと底板31Bとが分離しないように、円筒体31Aの下端内周には複数のピン(止め部材)37が突設されており、これにより底板31Bを支持し円筒体31Aからの脱落を防止している。底板31Bは、環状溝35により円筒体31Aの内周面に形成された段部38と前記ピン37とによって上下方向の変位量が規制されている。また、底板31Bは中央に貫通孔からなるノズル孔40を有し、下面中央には前記ノズル孔40を取り囲む円錐状の突起41が一体に突設されている。この突起41の周面下端部は、前記射出成形用金型30とのシール面41aを形成している。
【0017】
前記射出成形用金型30は、積重ね部材を構成する上型44および下型45によって構成されている。前記上型44は、下面中央に形成された円錐形の凹部47と、肉厚内に形成された後述する冷却機構66の第6の冷却回路67Fを有している。上型44がさらに第1、第2の上型部材44A,44Bの2部材とからなるのは、前記冷却回路67Fを形成するためであり、冷却回路67Fを形成した後、第1、第2の上型部材44A,44Bは、ボルトによって締結されることにより一体化されている。
【0018】
前記上型44の凹部47は、後述する中子57とともに湯道49を形成するもので、特に上型44の上面に開口し前記ノズル孔40に連通する部分がスプルー50を形成し、キャビティ8に連通する下端部がゲート51を形成している。前記上型44の上面中央で前記スプルー50の周囲には円錐形の凹部53が形成されており、この凹部53に前記底板31Bの突起41が嵌合している。そして、凹部53の内壁面は前記突起41の前記シール面41aが密接するシール面53aを形成しており、これらのシール面41a,53aによってシール部Cを形成している。
【0019】
前記トランスファポット31を上型44の上に載置するとき、底板31Bの突起41を上型44の凹部53に嵌合してそのシール面41a,53aを互いに密接させると、ノズル孔40とスプルー50が自動的に位置決めされて連通し、前記シール部Cを形成する。シール部Cの面積は、後述する他の2つのシール部A,Bの面積に比べて十分小さく設定されている。なお、トランスファポット31が上型44の上に載置された状態で、円筒体31Aの下端は上型44の上面に当たっており、トランスファポット31の座りを良くしている。トランスファポット31は上型44に対して単に載置されているだけで何ら固定されていないので、プッシャ32が油圧シリンダ22から推力を受けていない状態であれば、上型44の上に載せたままで前記突起41と凹部53を回転軸として水平面内において回転することも可能である(後述のスプルー切断作業において必要である)。
【0020】
前記下型45は、第1、第2の下型55,56(いずれも積重ね部材)および前記中子57とで構成されている。また、第1の下型55は、積層配置された第1、第2の下型部材55A,55Bとで構成され、前記金型取付板26の上に前記断熱材27を介して位置決めされて固定されている。第1の下型55の上には、前記第2の下型56と中子57が同じく位置決めされて設置されており、さらにこれらの上に前記上型44が同じく位置決めされて設置されている。上型44と第2の下型56の互いに密接する接合部は前記シール部Aを形成し、第1、第2の下型55,56の互いに密接する接合部は前記シール部Bを形成している。シール部Aとシール部Bの面積は略等しい。
【0021】
前記第1の下型部材55Aは、中央に前記中子57が貫通する孔60を有し、また上面には前記孔60の周囲を取り囲む環状の凹部61が形成されている。凹部61の底面外周部は、前記第2の下型56の下面が密接するシール面61aを形成している。
【0022】
前記第2の下型56としては、ライニング処理されていない電磁流量計用の測定管が用いられる。この第2の下型56は、内径が前記中子57の外径より大きい円筒状の管本体56aと、この管本体56aの両端開口部に一体に設けられるかまたは溶接によって固定された同一形状からなる2つのフランジ56b,56cとで構成されている。管本体56aの内部には、多孔板によって形成した補強管16がスペーサ17を介して配設されている。
【0023】
各フランジ56b,56cの配管接続端面には、成形材料9が充填される環状溝63A,63Bがそれぞれ形成されている。上側のフランジ56bの環状溝63Aより外側の表面は、上型44のシール面65aが密接するシール面63aを形成しており、これらのシール面63a,65aによって前記シール部Aを形成している。前記シール面65aは、前記上型44の下面に形成した環状凹部65の底面外周部とされる。
【0024】
前記下側のフランジ56cの環状溝63Bより外側の表面は、第1の下型55の前記シール面61aが密接するシール面63bを形成しており、これらのシール面61a,63bによって前記シール部Bを形成している。
【0025】
前記中子57は、円柱状の中子本体57Aと、この中子本体57Aに嵌合した円筒体57Bと、中子本体57Aと円筒体57Bの上面に溶接によって固定された円錐体57Cとからなり、内部に冷却回路66が形成されている。中子57と前記第1、第2の下型55,56との間に設けられた空間は、成形材料9が充填される前記キャビティ8を形成している。前記円錐体57Cは、前記上型44の凹部47に適宜な隙間を保って同軸に挿入され、この隙間が成形材料9の通る前記湯道49を形成し、前記キャビティ8に連通する下端部が前記ゲート51を形成している。
【0026】
前記上型44の第1の上型部材44Aと第1の下型55との間には、複数本の支持部材70が設けられている。この支持部材70は、第1の下型55に立設されており、上端に連結ボルト71が螺合され、その頭部が前記第2の上型部材44Bの下面に当接しており、成形条件によって装着するか取り外すかを選択できるようになっている。ここではまず、取り外した状態を想定して説明するので、支持部材70および連結ボルト71は全て描かれていないものとして図2を参照されたい。なお、図2の通り支持部材70および連結ボルト71が装着されている状態については後述する。
【0027】
このような射出成形用金型30は、上型44、下型45およびトランスファポット31を単に自重によって積み重ね配置して組み立てているだけで、従来の型締め機構を全く備えておらず、前記プッシャ32で成形材料9を加圧する力を利用して3つのシール部A,B,Cをシールして成形を行う点で従来の金型と基本的に相違している。
【0028】
図2、図6〜図9において、前記金型30の前記冷却機構66は、第1〜第6の冷却回路67A〜67Fを有している。第1の冷却回路67Aは、第1の下型部材55Aの下面側に形成した環状溝81と、第2の下型部材55Bに設けた貫通孔からなり前記環状溝81にそれぞれ連通するエア供給口82およびエア排出口83等で構成されている。エア供給口82は図示を省略したエア供給源に接続され、エア排出口83は大気に開放している。
【0029】
前記第2〜5の冷却回路67B〜67Eは、前記中子57の内部に形成されるもので、中子本体57Aの外周面に軸線方向に離間して形成された環状溝85〜88をそれぞれ有し、これらの環状溝85〜88を中子本体57Aの内部に形成したエア供給通路89a〜89dとエア排出通路90に、連通路91a〜91d、92a〜92dを介してそれぞれ連通させている。前記エア供給通路89a〜89dは、前記中子本体57Aの下面に開放する不貫通孔からなり、前記エア排出通路90の周囲に周方向に所要角度離間して形成されている。すなわち、図70に示すように、エア供給通路89a〜89dは、時計方向に135°ずつ離間するように形成されている。このため、エア供給通路89bは、エア供給通路89aに対して時計方向に135°離間し、エア供給通路89cはエア供給通路89bに対して時計方向に135°離間し、エア供給通路89dはエア供給通路89cに対して時計方向に135°離間している。前記エア排出通路90は、前記中子本体57Aの下面中央に開放する不貫通孔からなり、前記エア供給通路89a〜89dより大きな穴径を有している。
【0030】
図6において、前記第2の下型部材55Bには、前記エア供給口82およびエア排出口83に加えて前記各エア供給通路89a〜89d、エア排出通路90と連通する通路95a〜95d,96が形成されている。これらの通路95a〜95d,96は、第2の下型部材55Bの上下面に貫通する貫通孔によって形成されている。前記各通路95a〜95dは、エア供給源にそれぞれ接続され、通路96は大気中に開放している。
【0031】
図2において、前記第6の冷却回路67Fは、前記上型44内に形成された環状溝98と、この環状溝98に連通するエア供給口99およびエア排出口100を有している。エア供給口99は図示を省略したエア供給源に接続され、エア排出口100は大気中に開放している。
【0032】
前記第1〜第6の冷却回路67A〜67Fは、電磁弁の切替操作によってエア供給源から圧縮空気が順次供給されることにより、金型30を内側から、しかもゲート51から最も遠い部分からゲート51に向かって順次冷却することで、キャビティ8に注入された成形材料9の冷却硬化の時期を制御するように構成されている。
【0033】
このような射出成形装置20を用いて第2の下型56の内周面と各フランジ56b,56cの環状溝63A,63Bにライニングを施して電磁流量計の測定管を成形するには、金型30をトランスファポット31および成形材料9とともに加熱炉の中に設置し、所定温度(350〜370℃)に加熱する。
【0034】
成形材料9を加熱溶融している間、プッシャ32はトランスファポット31から外されて室温に保持されており、溶けた成形材料9をキャビティ8に注入する作業の直前にトランスファポット31に装着される。加熱された金型30およびトランスファポット31を、金型取付板26の上に設置し、油圧シリンダ22を駆動し、プランジャ33によってプッシャ32を押圧することによりプッシャ32に所定の推力Flを与える。プッシャ32が推力Flを付与されて成形材料9を加圧すると、成形材料9は底板31Bのノズル孔40からスプルー50、湯道49およびゲート51を通ってキャビティ8に加圧注入される。プッシャ32による成形材料9の加圧注入時間は、2分程度で、キャビティ8内の空気をプッシャ32による射出圧力Pによってシール部A,Bから外部へ排出する。すなわち、シール部A,Bは、空気は排出するが溶融樹脂は排出しない程度の面粗度に加工されている。空気と溶融樹脂とは、それぞれの粘性が大きく異なるために、シール部A,Bの面粗度を調節すれば、このようなことが可能になる。
【0035】
また、プッシャ32を押し下げて溶融した成形材料9を加圧すると、成形材料9は底板31Bを下方に加圧しつつノズル孔40から射出されるとともに、トランスファポット31とプッシャ32との径方向の隙間(通常片側0.3〜1.0mm程度)を通って上方へ漏れ出ようとする。プッシャ32の温度が成形材料9の温度よりも低く設定されていると、プッシャ32に接触した部分の成形材料9が急冷固化して隙間を塞ぎパッキンとして作用するので、溶融した成形材料9が外部へ漏れ出ることはない。さらに、溶融している成形材料9は、その圧力によって隙間で固化した成形材料9を上方へと押し上げる。隙間で固化した成形材料9は、トランスファポット31との間の摩擦力により、トランスファポット31を上方へ持ち上げるように作用する。そして、トランスファポット31の円筒体31Aの下端が上型44の上面から離れる。やがてピン37が底板31Bの下面に当たると、トランスファポット31はそれ以上持ち上げられるのを阻止される。この状態でトランスファポット31と上型44とはシール部Cのみで接しており、プッシャ32に与えられた推力Plの大部分がシール部Cに付加される。前述の通り、シール部Cの面積はシール部A,Bのいずれの面積よりも小さいので、シール部Cには十分に大きなシール圧が発生し、シール部Cからの溶融した成形材料9の漏れを防止することができる。
【0036】
油圧シリンダ22がプッシャ32を押し下げる力Flは、プッシャ32の下面の面積Slに作用して、トランスファポット31の内部で溶融している成形材料9に射出圧力Pを発生させる。この射出圧力Pを受けて底板31Bに発生する力Fnは下向きで、シール部Cを介して上型44を第2の下型56に押しつけるように働く。厳密にはプッシャ32、トランスファポット31、成形材料9および上型44の重量も上型44を下向きに押しつけるように働くが、後述の通り、Fnに対して無視できるほど小さい。第2の下型56は第1の下型55に押し付けられることにより、これらの間にも同じ大きさの締付け力が発生する。底板31Bの金型30に対する押付力Fnは、底板31Bの受圧面を力Fl方向に見通した投影面積Sn(図3の斜線部)と射出圧力Pから求められる。
Fn=P・Sn=Fl・Sn/Sl
【0037】
反対に、金型30には射出圧力Pにより上方への推力(第2の下型56から上型44を引き離そうとする力)Fmが発生する。この推力Fmは、上型44の下から見通した投影面積Sm(図4の斜線部)と射出圧力Pから求められる。
Fm=P・Sm=Fl・Sm/Sl
【0038】
したがって、底板31Bの上型44に対する押付力Fnによって上型44が第2の下型56のシール部A(シール部Bも同様)を押し付ける力Fは、
F=Fn−Fm
となる。
FnがFmより小さくなると、押付力Fが負になるため、上型44が持ち上げられてシールが損なわれる。
シール部Aの面積をSa、シール部Aに発生する圧力(シール圧)をPaとすると、シール圧Paは、
Pa=(Fn−Fm)/Sa=(Sn−Sm)P/Sa
=Fl・(Sn−Sm)/Sl・Sa
となる。
【0039】
ここで、成形材料9、上型44、第2の下型56、トランスファポット31等の重量が実際にシール比(シール圧Paを射出圧力Pで除した値)Kにどの程度影響するかについて検討したところ、測定管の口径が100mmの場合と40mmの場合における成形材料9、上型44、第2の下型56、トランスファポット31等の総重量をそれぞれ21.5Kg、4.3Kg程度とすると、底板31Bによる押付力Fn(口径100mmの場合:5148Kgf、口径40mmの場合:1825Kgf)、推力Fm(口径100mmの場合:3382Kgf、口径40mmの場合:1378Kgf)に比べて総重量がきわめて小さいため、シール比Kへの影響がきわめて少なく、誤差範囲として無視し得ることが判った。なお、さらに後述するが、前記シール比Kは、口径100mmの場合、2.04、口径40mmの場合、1.41であった。
【0040】
シール部Aからの成形材料9の漏出を防止するためには、シール圧Paが正の値であることが最低条件(すなわち必要条件)であるが、どの程度の圧力であれば成形材料9が漏出しなくなるかを実験で追求した。
上記式からも明らかなようにプッシャ32の推力を高くすれば、射出圧力Pとシール圧Paは高くなる。しかし、プッシャ32の推力を過剰に高くすると成形品に内部応力が残り、変形やクラックによる割れの原因となるため好ましくないことが判った。
【0041】
ここでシール比Kという概念を導入する。すなわち、K=Pa/P=(Fn−Fm)/Sa・P=(Sn−Sm)/Sa
シール比Kは、射出成形用金型30の設計時に決定される無次元の数値であり、成形材料9がシール部Aから漏出しないようにするための条件(すなわち十分条件)はK=Pa/P>Cである。ただし、Cは実際の成形において成形材料9の種類、粘度、温度等によって決まる定数値で、実験によって帰納的に求められる値である。この定数値Cよりシール比Kが小さいと成形材料9がシール部Aから漏出し、大きいと漏出しなくなる。シール比K、成形材料9の種類、粘度および温度を変えて実際に成形を行い、成形材料9の漏出が止まった時点のシール比Kの値を定数Cとする。例えば、シール比Kを0.3として成形を行ったときに成形材料9のシール部Aからの漏出が止まったと仮定すると、定数値Cは0.3となる。したがって、成形材料9がシール部Aから漏出しないようにするためには、シール比Kを0.3より大きくする必要がある。実験に際しては、シール面積Sが大きい金型を製作して成形を行い、シール部Aを少しずつ削ってシール面積Sを徐々に小さくすることによりシール比Kを大きくして成形を繰り返し行い、成形材料9のシール部Aからの漏出が止まったときのシール比Kを定数値Cとみなす。なお、ここまでシール部Aを例にとって述べてきたが、シール部Bについても同様に考えることができる。また前述の通り、シール部Cは面積が小さいので、かなり大きなシール比を得られ、実際上問題になることはない。
【0042】
成形材料9の注入が終了した後、油圧シリンダ22からの推力Flを保ったまま数分放置して成形体の残留応力の分布を均一化させる。次に、第1〜第6の冷却回路67A〜67Fに冷却媒体としての圧縮空気を供給して金型30を内側から一定時間冷却し、キャビティ8内の成形材料9を固化させる。
【0043】
図9に金型30の冷却の手順を示す。冷却の全工程において、油圧シリンダからプッシャ32へ推力Flを与え続けて、トランスファポット31の内部に残っている溶融した成形材料9の圧力Pを保ち続ける。成形材料9の注入が終了した後、数分間放置して成形体成形品)の残留応力の分布を均一化させる。次に、圧縮空気を第1〜第6の冷却回路67A〜67Fに所定の時間をおきながら順次供給して金型30を冷却し、キャビティ8内の成形材料9を下から上方に向かって徐々に固化させる。
【0044】
実際の冷却は、第1の冷却回路67Aに圧力3〜5Kgf/cm2 の圧縮空気210を一定時間(4分程度)供給して第1の下型55Aの環状凹部61と下側のフランジ56cの環状溝81に充填されている成形材料9を冷却する。
【0045】
次に、前記環状凹部61と環状溝81に充填された成形材料9の環状溝81に接触する上側部分が固化し始めるタイミングで第2の冷却回路67Bに圧縮空気を一定時間供給し、中子57の下端部を冷却する。第1の冷却回路67Aによる冷却開始から第2の冷却回路67Bによる冷却開始までの時間差は1分半程度である。同様にして第3〜第5の冷却回路67C〜67Eに圧縮空気を所定の時間差(1分程度)をもって順次供給し、中子57の冷却を上方に向かって進めていく。第2〜第5の冷却回路67B〜67Eによる冷却時間は、それぞれ3分程度である。そして、第5の冷却回路67Eによる冷却が終了する前に第6の冷却回路67Fに圧縮空気を所定時間(4分半程度)供給して上型44を冷却し、キャビティ8内の成形材料9を完全に固化させる。このようにすると、キャビティ8内の成形材料9の固化により発生する体積収縮に応じて、トランスファポット31から溶融状態の成形材料9が補給され、ヒケのないきれいな成形体を得ることができる。
【0046】
金型30内の成形材料9が完全に固化して成形が完了した後、トランスファポット31を回転させると、ノズル孔40とスプルー50との接続部分で成形材料9を容易に切断できる。次に、上型44をトランスファポット31とともに上昇させて第2の下型56を第1の下型55から取出し、ばり、湯道49、ゲート51部分で固化した成形材料9を切断することにより成形を終了する。この第2の下型56は、内周面およびフランジ56b,56cの配管接続端面がライニング材によって被覆された成形品である測定管として用いられる。引き続き測定管の成形を行う場合は、新たな第2の下型56を第1の下型55の上に設置し、さらにその上に上型44およびトランスファポット31を設置し、上記した手順にしたがって成形を行う。
【0047】
【実施例】
三井デュポンフロロケミカル社製のPFA樹脂450HP−Jを成形材料9として用いた場合、金型温度を360°C、樹脂温度を360°Cとし、シール比Kを0.32としたとき、樹脂の漏出が発生しないことが確認された。
【0048】
上記では図2において支持部材70および連結ボルト71を取り外して成形を行う場合を説明した。しかし、押付力F=Fn−Fmが大きく、かつ金型30、特に成形品となる第2の下型56が肉薄で強度が低い場合は、第2の下型56が座屈により塑性変形したり破壊されるおそれがある。
【0049】
そこで、次にこのような問題を解決するために、図2において支持部材70および連結ボルト71を装着して成形する場合の実施例について説明する。
本実施の形態においては上型44と第1の下型55との間に前記支持部材70を介在させ、連結ボルト71の上端を上型44に当接することで、上型44から第2の下型56へ伝わる押付力Fnの一部を前記支持部材70によって受け止め、第2の下型56に加わる押付力Fを低減するようにしている。
【0050】
前記支持部材70は、圧縮弾性変形可能な円柱状に形成され、前記第1の下型55の外周寄りに周方向に等間隔おいて4本垂直に立設されることにより上端が第1の下型55の上方に延在し、上面中央に前記連結ボルト71が螺合するねじ孔73を有している。支持部材70の材質としては焼き入れ鋼等が用いられる。
【0051】
前記連結ボルト71は焼入れ鋼製で、前記各支持部材70のねじ孔73に螺合され、頭部が上型44の下面に当接するように調節される。なお、その他の構造は上記した実施の形態と略同一である。
【0052】
このような構造からなる射出成形用金型30において、プッシャ32に推力Flを与えてトランスファポット31内の溶融した成形材料9を加圧し金型30のキャビティ8に注入すると、押付力Fnは金型30と、この金型30を介して支持部材70に加わる。このため、主として支持部材70が撓むが、このとき支持部材70の弾発力(反力)Rが上型44に作用し、突っ張り棒として機能する。したがって、金型30に加わる押付力Fが低減され、第2の下型56が強度の低いものであっても座屈により塑性変形したり破壊されることがなく、高圧を必要とする樹脂によるライニングや、強度が低い測定管の成形に対しても適用することが可能である。
【0053】
次に、支持部材70を用いた射出成形用金型30におけるシール比Kについて説明する。
支持部材70と第2の下型56は射出圧力PによってΔlだけ縮む。
【0054】
【数1】

Figure 0004185275
【0055】
【数2】
Figure 0004185275
【0056】
ここで、
Pは射出圧力
Snは底板の上から見た投影面積
Smは上型の下から見た投影面積
Saはシール面積
Srは支持部材(支持部材本体)の断面積
Spは第2の下型の断面積
Fnは射出圧力によって発生する底板の下向きの力(=P・Sn)
Fmは射出圧力によって金型を押し上げようとする力(=P・Sm)
Frは支持部材に加わる力
Fpは第2の下型に加わる力
Lpは第2の下型のフランジ間の長さ
Lrは支持部材の長さ
Δlは支持部材の縮み量
Eは支持部材のヤング率(第2の下型のヤング率と同じと仮定)
nは支持部材の本数である。
第2の下型56のフランジ部56b,56cと連結ボルト71は変形しないものと仮定する。
【0057】
力の釣り合いを考えると
(Fn−Fm)=nFr+Fp ・・・(2)
上記(A)式を(2)式に代入数ると
【0058】
【数3】
Figure 0004185275
【0059】
上記(B)式を用いてシール比Kを求める。シール圧Paは次式によって表される。
【0060】
【数4】
Figure 0004185275
上記(4)式の両辺をPで除してシール比Kを求める。
【数5】
Figure 0004185275
【0061】
【数6】
Figure 0004185275
【0062】
上記(6)式の前項は、通常のシール比、後項は支持部材による減少分で、シール比の低減率は次式で表される。
【0063】
【数7】
Figure 0004185275
【0064】
このような射出成形装置20によれば、金型30を型締めする必要がないので、従来の型締め機構を備えた射出成形装置に比べて構造が簡単で部品点数を削減でき、また射出成形サイクルを短縮することができ、生産性を向上させることができる。
【0065】
また、金型30内にそれぞれ独立した第1〜第6の冷却回路67A〜67Fからなる冷却機構66を設け、これらの冷却回路67A〜67Fに圧縮空気を所要の時間差をもって順次供給することにより、成形材料9の冷却硬化の時期を制御するようにしているので、ひけや脈理が発生ことがなく、品質の高い成形品を成形することができる。
また、成形品の大きさ、肉厚等に応じて第1〜第6の冷却回路67A〜67Fに供給する圧縮空気のタイミング、供給時間等を制御するだけでよいので、制御も容易である。
【0066】
なお、上記した実施の形態は、電磁流量計用測定管の内周面とフランジの配管接続端面にライニングを施す射出成形装置20に適用した例を示したが、本発明はこれに何等特定されるものではなく、例えば容器やカップ状のもの、特に半導体製造工場のクリーンルームで使用されるものは、略100%弗素樹脂製なので、本発明による射出成形装置を用いることにより、安価に製作することができる。
また、本実施の形態においては、冷却機構66を6つの冷却回路67A〜67Fによって構成したが、その数は任意であり、成形品の大きさによって適宜増減することができる。
さらに、上記実施の形態においては、射出成型用金型30を型締め機構によって型締めしない射出成形装置20について示したが、本発明はこれに限定されるものではなく従来の型締め機構を備えた射出成形装置にも適用することができることは勿論である。
さらにまた、上記した実施の形態においては、成形品が測定管のため、金型30の下型45を、第1、第2の下型55,56および中子57とで構成し、第2の下型56をライニングが施される前の測定管で構成した例を示したが、成形品によっては金型が1つの下型と上型と中子とで構成されるものであってもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る射出成形装置は、キャビティ内に注入された成形材料の冷却硬化の時期を任意に制御することができるため、ひけや脈理が発生せず高品質な成形品を成形することができる。
【0068】
また、プッシャの成形材料を押圧する力を利用して下型と上型のシール面に面圧を発生させ、弗素樹脂からなる成形材料が外部へ漏れ出るのを防止するようにしたので、ボルトによる締結や油圧による型締め機構によって金型を型締めする必要がなく、射出成形装置の簡素化および金型製作費の低減を達成するとともに、金型の組立、分解作業が容易で生産性を向上させることができる。また、成形材料の漏出がないため、不良率を低減することができる。
また、Pa/P>0.32の条件を満たす範囲内において金型設計を行うことができるので、設計の自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る射出成形装置の一実施の形態の一部を破断して示す概略構成図である。
【図2】 射出成形用金型の断面図である。
【図3】 底板の上から見た投影面積を示す図である。
【図4】 上型の下から見た投影面積を示す図である。
【図5】 シール面付近の拡大断面図である。
【図6】 第1の下型部材の平面図である。
【図7】 中子の底面図である。
【図8】 (a)〜(d)は図7のA−A線、B−B線、C−C線、D−D線断面図である。
【図9】 冷却のシーケンスを示す図である。
【符号の説明】
8…キャビティ、9…成形材料、20…射出成形装置、22…油圧シリンダ、30…射出成形用金型、31…トランスファポット、32…プッシャ、40…ノズル孔、41a…シール面、44…上型、45…下型、49…湯道、50…スプルー、51…ゲート、53a…シール面、55…第1の下型、56…第2の下型、56b,56c…フランジ、57…中子、61a,63a,63b,65a…シール面、66…冷却機構、67A〜67F…冷却回路、70…支持部材、A,B,C…シール部。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an injection molding apparatus, for example, an injection molding apparatus suitable for use in molding a lining in a measurement pipe of an electromagnetic flow meter, molding a resin pipe, or the like.
[0002]
[Prior art]
An electromagnetic flowmeter that measures the flow rate of a conductive fluid that flows in a measurement tube by using an electromagnetic induction phenomenon prevents a short circuit between an electromotive force generated in the fluid and a measurement tube made of a non-magnetic material such as stainless steel. In addition, the inner peripheral surface, which is usually the wetted surface of the measurement tube, and the surface to which the flange pipes integrally provided at both ends of the measurement tube are connected (hereinafter referred to as the pipe connection end surface) are covered with a lining material. . As the lining material, heat resistance, corrosion resistance, electrical insulation, etc. are required, so insulating materials such as fluorine resin are usually used, and it is formed by injection molding on the inner peripheral surface of the measurement tube and the pipe connection end surface of the flange Is formed by.
[0003]
When molding such a lining measuring tube with a transfer molding machine, load the measuring tube without lining into the mold and heat the mold to a temperature equal to or higher than the melting temperature of the lining material. The prepared lining material is injected under pressure into the mold, and the inner peripheral surface of the measurement tube and the pipe connection end surface of the flange are covered with the lining material.
[0004]
When lining the measuring tube, the fluororesin used as the lining material has poor adhesion to the metal and is easily peeled off from the measuring tube. Therefore, a reinforcing tube usually formed by a perforated plate called a punching plate is placed inside the measuring tube. By attaching this reinforcing tube in advance and covering it with a lining material, the mechanical coupling strength between the lining material and the measuring tube is increased to prevent the lining material from peeling, and the lining caused by temperature changes or pressure changes in the measuring tube. The deformation of the material is prevented (Japanese Patent Publication No. 5-48846, Japanese Patent Publication No. 5-48845, Japanese Utility Model Publication No. 2-28411).
[0005]
In order to form a measuring tube with such a lining using a transfer molding machine, the measuring tube with a reinforcing tube is loaded into the mold, and the mold is heated to a temperature higher than the melting temperature of the lining material. The lining material thus prepared is pressurized and injected into the mold to cover the inner peripheral surface of the measuring pipe and the pipe connection end face of the flange. After the molding material is filled in the cavity, a cooling medium such as compressed air is supplied to the mold to cure the molding material. After the whole is sufficiently cooled and solidified, the molded product is taken out from the mold.
[0006]
As a cooling method for molding materials, for example, a technical report published by DuPont
`` Preliminary Infomation from Plastic Technical Services Laboratryabout DU PONT TEFLON FLUOROCARBON RESIN, DU PONT TEFZEL FLUOROPOLYMERFLUOROCARBONS DIVISION, PLASTICS DEPARTMENT, ETDU PONT DE NEMOURS & CO. (INC.), WILM., DEL.19898 PBI # 36gust What is used for the transfer molding apparatus described in 1) is known. In this transfer molding apparatus, a pipe is passed through the core, and a large number of holes are formed in the peripheral surface of the pipe so as to become rougher as it is farther from the gate side, and a cooling medium is supplied into the core through the holes. By doing so, the core is forcibly cooled from the inside.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
The cooling method in the conventional transfer molding apparatus described above determines the cooling effect (cooling speed) depending on the number and density of holes formed in the pipe. There was a problem that the order and the like could not be freely changed, and the time required for molding became long. Moreover, since it is necessary to prepare pipes having different numbers of holes, density, etc. for each molded product, the types of pipes are increased, and there is a problem that storage, management, replacement work, and the like are troublesome.
[0008]
The present invention has been made to solve the above-described conventional problems. By adopting a multi-stage cooling method and cooling sequentially from a portion far from the gate of the mold toward the gate, the molding material in the cavity is effectively removed. It is an object of the present invention to provide an injection molding apparatus that can cool down and prevent the occurrence of sink marks and striae.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
  In order to achieve the above object, a first invention includes a container having a nozzle hole at the bottom and containing a molten molding material, and a mold filled with the molding material injected from the nozzle hole of the container. An injection molding apparatus comprising: a pusher that pressurizes the molding material in the container; and a thrust imparting unit that imparts thrust in a direction in which the pusher substantially pressurizes the molding material in the container to the pusher or the mold. An apparatus, wherein the mold is composed of an upper mold arranged in a stack and a lower mold with a core;The core has a cylindrical core body and a cylindrical body fitted to the body, and a plurality of groove-shaped cores formed on the outer peripheral surface of the core body and spaced apart in the axial direction.Independent cooling circuits are provided, and the cooling hardening timing of the molding material injected into the cavity is stepped by supplying cooling media sequentially so that the closer to the gate to these cooling circuits, the slower the timing of cooling start. It is intended to be controlled.
  In this invention, since the cooling timing of each cooling circuit can be individually controlled so that the molten molding material continues to be supplied with respect to the shrinkage of the molding material due to cooling and hardening, the quality is good without causing sink marks or striae. Can be molded.
[0010]
  According to a second invention, in the first invention described above,PusherThen, the molding material in the container is pressed to bring the sealing surfaces of the lower mold and the upper mold into close contact with each other over the entire circumference.
  In this invention, since the mold is substantially clamped by bringing the sealing surfaces into close contact with each other by the thrust substantially applied to the pusher in order to pressurize the molding material, it is not necessary to provide a conventional mold clamping means. .
[0011]
  According to a third invention, in the first or second invention,The molding material is fluorine resin,The injection pressure of the molding material when pressurized by the pusher is P, and the sealing pressure applied to each sealing surface is Pa.Then,
The following conditions
  Pa / P>0.32
Is to hold.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail based on embodiments shown in the drawings.
FIG. 1 is a schematic configuration diagram showing a part of an embodiment of an injection molding apparatus according to the present invention in a cutaway state, FIG. 2 is a sectional view of an injection molding die, and FIG. 3 is a projected area viewed from above a bottom plate. FIG. 4 is a diagram showing a projected area viewed from below the upper mold, FIG. 5 is an enlarged cross-sectional view near the seal surface, FIG. 6 is a plan view of the first lower mold member, and FIG. 8A to 8D are sectional views taken along lines AA, BB, CC, and DD in FIG. This embodiment shows an example applied to a pot type vertical injection molding apparatus 20 used for molding for lining a flange type measuring pipe for an electromagnetic flow meter. In FIG. 3, the hatched portion indicates the projected area, and the second circle from the inside indicates the outline of the conical recess formed on the top surface of the bottom plate. In FIG. 4, the hatched portion indicates the projected area, the second circle from the outside indicates the outline of the annular recess formed on the bottom surface of the upper mold, and the third circle from the outside indicates the outline of the conical recess. Yes.
[0013]
In FIG. 1, a frame 25 having sufficient mechanical strength is provided by a base plate 21 with legs installed on the floor, a cylinder mounting plate 23 to which a hydraulic cylinder 22 is fixed, and four struts 24 connecting them. Is configured. The frame 25 works as a thrust applying means for giving a thrust to a pusher 32 described later in cooperation with the hydraulic cylinder 22. Further, a mold mounting plate 26 installed on the base plate 21, an injection molding mold 30 installed on the mold mounting plate 26 via a heat insulating material 27 such as ceramic, and the mold 30 A bottomed cylindrical transfer pot 31 (container) placed on the pressure pot, the pusher 32 for pressurizing the heated and melted molding material 9 in the transfer pot 31, and the hydraulic cylinder 22 (thrust applying means) for lowering the pusher 32 ) And the like constitute a pot type vertical injection molding apparatus 20.
[0014]
The hydraulic cylinder 22 is installed downward on the cylinder mounting plate 23 installed above the support column 24, and has a plunger 33 that can be raised and lowered. When the plunger 33 is lowered by hydraulic pressure, the lower end surface of the plunger 33 comes into contact with the upper surface of the pusher 32 and is separated from the upper surface of the pusher 32 when the plunger 33 returns to its upper position.
[0015]
The pusher 32 is formed in a disc shape and is inserted into the transfer pot 31. An appropriate gap is provided between the inner peripheral surface of the transfer pot 31 and the pusher 32, and the work of fitting the pusher 32 into the transfer pot 31 is facilitated by letting air escape through the gap.
[0016]
The transfer pot 31 includes a cylindrical body 31A and a disk-shaped bottom plate 31B that covers the lower opening of the cylindrical body 31A. An annular groove 35 into which the bottom plate 31B is fitted is formed on the inner peripheral surface of the lower end portion of the cylindrical body 31A. It is made slidable in a state where there is almost no gap between the inner peripheral surface of the annular groove 35 and the outer peripheral surface of the bottom plate 31B (that is, a state in which the molten molding material 9 does not leak). A plurality of pins (stopping members) 37 project from the inner periphery of the lower end of the cylindrical body 31A so that the cylindrical body 31A and the bottom plate 31B are not separated, thereby supporting the bottom plate 31B and falling off from the cylindrical body 31A. Is preventing. The bottom plate 31B is restricted in the amount of displacement in the vertical direction by the step portion 38 formed on the inner peripheral surface of the cylindrical body 31A by the annular groove 35 and the pin 37. Further, the bottom plate 31B has a nozzle hole 40 made of a through hole in the center, and a conical protrusion 41 surrounding the nozzle hole 40 is integrally projected at the center of the lower surface. A lower end portion of the peripheral surface of the protrusion 41 forms a seal surface 41 a with the injection mold 30.
[0017]
The injection molding die 30 is constituted by an upper die 44 and a lower die 45 constituting a stacking member. The upper mold 44 has a conical recess 47 formed in the center of the lower surface and a sixth cooling circuit 67F of a cooling mechanism 66 described later formed in the wall thickness. The upper die 44 further comprises two members, the first and second upper die members 44A and 44B, in order to form the cooling circuit 67F. After the cooling circuit 67F is formed, the first and second members are formed. The upper mold members 44A and 44B are integrated by fastening with bolts.
[0018]
The concave portion 47 of the upper die 44 forms a runner 49 together with a core 57 to be described later. In particular, a portion that opens on the upper surface of the upper die 44 and communicates with the nozzle hole 40 forms a sprue 50, and the cavity 8. A lower end portion communicating with the gate 51 forms a gate 51. A conical recess 53 is formed around the sprue 50 in the center of the upper surface of the upper mold 44, and the protrusion 41 of the bottom plate 31 </ b> B is fitted in the recess 53. The inner wall surface of the recess 53 forms a seal surface 53a in close contact with the seal surface 41a of the protrusion 41, and a seal portion C is formed by these seal surfaces 41a and 53a.
[0019]
When the transfer pot 31 is placed on the upper die 44, when the protrusion 41 of the bottom plate 31B is fitted into the recess 53 of the upper die 44 and the sealing surfaces 41a and 53a are brought into close contact with each other, the nozzle hole 40 and the sprue 50 is automatically positioned and communicated to form the seal portion C. The area of the seal part C is set to be sufficiently smaller than the areas of the other two seal parts A and B described later. In the state where the transfer pot 31 is placed on the upper die 44, the lower end of the cylindrical body 31A is in contact with the upper surface of the upper die 44, so that the transfer pot 31 is satisfactorily seated. Since the transfer pot 31 is simply placed on the upper die 44 and is not fixed at all, if the pusher 32 is not receiving thrust from the hydraulic cylinder 22, it is placed on the upper die 44. It is also possible to rotate in the horizontal plane with the projection 41 and the recess 53 as the rotation axis (necessary for the sprue cutting operation described later).
[0020]
The lower mold 45 includes first and second lower molds 55 and 56 (both are stacked members) and the core 57. The first lower mold 55 includes first and second lower mold members 55A and 55B arranged in a stacked manner, and is positioned on the mold attachment plate 26 via the heat insulating material 27. It is fixed. On the first lower mold 55, the second lower mold 56 and the core 57 are similarly positioned and installed, and the upper mold 44 is also positioned and installed on these. . The joint portion of the upper die 44 and the second lower die 56 that are in close contact with each other forms the seal portion A, and the joint portion of the first and second lower dies 55 and 56 that are in close contact with each other forms the seal portion B. ing. The areas of the seal part A and the seal part B are substantially equal.
[0021]
The first lower mold member 55A has a hole 60 through which the core 57 passes in the center, and an annular recess 61 surrounding the periphery of the hole 60 is formed on the upper surface. The outer peripheral portion of the bottom surface of the recess 61 forms a seal surface 61a with which the lower surface of the second lower mold 56 is in close contact.
[0022]
As the second lower mold 56, a measuring tube for an electromagnetic flow meter that has not been subjected to a lining process is used. The second lower die 56 has a cylindrical tube body 56a whose inner diameter is larger than the outer diameter of the core 57, and the same shape that is integrally provided at both ends of the tube body 56a or fixed by welding. And two flanges 56b and 56c. A reinforcing tube 16 formed of a perforated plate is disposed inside the tube main body 56 a via a spacer 17.
[0023]
On the pipe connection end faces of the flanges 56b and 56c, annular grooves 63A and 63B filled with the molding material 9 are formed, respectively. The surface outside the annular groove 63A of the upper flange 56b forms a seal surface 63a in close contact with the seal surface 65a of the upper mold 44, and the seal portion A is formed by these seal surfaces 63a and 65a. . The seal surface 65 a is an outer peripheral portion of the bottom surface of the annular recess 65 formed on the lower surface of the upper mold 44.
[0024]
A surface outside the annular groove 63B of the lower flange 56c forms a seal surface 63b in close contact with the seal surface 61a of the first lower mold 55, and the seal portion is formed by these seal surfaces 61a and 63b. B is formed.
[0025]
The core 57 includes a columnar core main body 57A, a cylindrical body 57B fitted to the core main body 57A, and a conical body 57C fixed to the upper surface of the core main body 57A and the cylindrical body 57B by welding. Thus, a cooling circuit 66 is formed inside. A space provided between the core 57 and the first and second lower molds 55 and 56 forms the cavity 8 filled with the molding material 9. The conical body 57 </ b> C is coaxially inserted into the recess 47 of the upper mold 44 with an appropriate gap, the gap forms the runner 49 through which the molding material 9 passes, and a lower end portion communicating with the cavity 8 is formed. The gate 51 is formed.
[0026]
A plurality of support members 70 are provided between the first upper mold member 44 </ b> A of the upper mold 44 and the first lower mold 55. The support member 70 is erected on the first lower mold 55, the connection bolt 71 is screwed to the upper end, and the head abuts against the lower surface of the second upper mold member 44 B, and is molded. You can choose whether to attach or remove depending on conditions. Here, since it demonstrates supposing the removed state first, please refer FIG. 2 as what the support member 70 and the connection volt | bolt 71 are not drawn. The state in which the support member 70 and the connecting bolt 71 are mounted as shown in FIG. 2 will be described later.
[0027]
Such an injection mold 30 is simply assembled by stacking and arranging the upper mold 44, the lower mold 45 and the transfer pot 31 by its own weight, and has no conventional mold clamping mechanism. 32 is basically different from the conventional mold in that molding is performed by sealing the three seal portions A, B, and C using a force for pressing the molding material 9 at 32.
[0028]
2 and 6 to 9, the cooling mechanism 66 of the mold 30 includes first to sixth cooling circuits 67A to 67F. The first cooling circuit 67A is composed of an annular groove 81 formed on the lower surface side of the first lower mold member 55A, and a through hole provided in the second lower mold member 55B, and communicates with the annular groove 81, respectively. It comprises a port 82, an air discharge port 83 and the like. The air supply port 82 is connected to an air supply source (not shown), and the air discharge port 83 is open to the atmosphere.
[0029]
The second to fifth cooling circuits 67B to 67E are formed inside the core 57, and have annular grooves 85 to 88 formed on the outer peripheral surface of the core body 57A so as to be spaced apart in the axial direction. The annular grooves 85 to 88 are communicated with the air supply passages 89a to 89d and the air discharge passage 90 formed in the core body 57A through the communication passages 91a to 91d and 92a to 92d, respectively. . The air supply passages 89a to 89d are non-through holes that open to the lower surface of the core body 57A, and are formed around the air discharge passage 90 at a required angle in the circumferential direction. That is, as shown in FIG. 70, the air supply passages 89a to 89d are formed to be spaced apart by 135 ° in the clockwise direction. Therefore, the air supply passage 89b is spaced 135 ° clockwise from the air supply passage 89a, the air supply passage 89c is spaced 135 ° clockwise from the air supply passage 89b, and the air supply passage 89d is It is spaced 135 ° clockwise from the supply passage 89c. The air discharge passage 90 is a non-through hole that opens to the center of the lower surface of the core body 57A, and has a larger hole diameter than the air supply passages 89a to 89d.
[0030]
In FIG. 6, the second lower mold member 55 </ b> B includes passages 95 a to 95 d, 96 communicating with the air supply passages 89 a to 89 d and the air discharge passage 90 in addition to the air supply port 82 and the air discharge port 83. Is formed. These passages 95a to 95d, 96 are formed by through holes penetrating the upper and lower surfaces of the second lower mold member 55B. Each of the passages 95a to 95d is connected to an air supply source, and the passage 96 is open to the atmosphere.
[0031]
In FIG. 2, the sixth cooling circuit 67 </ b> F has an annular groove 98 formed in the upper mold 44, and an air supply port 99 and an air discharge port 100 communicating with the annular groove 98. The air supply port 99 is connected to an air supply source (not shown), and the air discharge port 100 is open to the atmosphere.
[0032]
The first to sixth cooling circuits 67 </ b> A to 67 </ b> F are configured such that the compressed air is sequentially supplied from the air supply source by the switching operation of the solenoid valve, so By cooling sequentially toward 51, the cooling and hardening timing of the molding material 9 injected into the cavity 8 is controlled.
[0033]
In order to mold the measuring pipe of the electromagnetic flow meter by lining the inner peripheral surface of the second lower mold 56 and the annular grooves 63A and 63B of the flanges 56b and 56c using the injection molding apparatus 20 as described above, The mold 30 is placed in a heating furnace together with the transfer pot 31 and the molding material 9 and heated to a predetermined temperature (350 to 370 ° C.).
[0034]
While the molding material 9 is heated and melted, the pusher 32 is removed from the transfer pot 31 and kept at room temperature, and is attached to the transfer pot 31 immediately before the operation of injecting the molten molding material 9 into the cavity 8. . The heated mold 30 and transfer pot 31 are placed on the mold mounting plate 26, the hydraulic cylinder 22 is driven, and the pusher 32 is pressed by the plunger 33, thereby giving a predetermined thrust Fl to the pusher 32. When the pusher 32 is applied with the thrust Fl and pressurizes the molding material 9, the molding material 9 is pressurized and injected into the cavity 8 from the nozzle hole 40 of the bottom plate 31 </ b> B through the sprue 50, the runner 49 and the gate 51. The pressure injection time of the molding material 9 by the pusher 32 is about 2 minutes, and the air in the cavity 8 is discharged from the seal portions A and B to the outside by the injection pressure P by the pusher 32. That is, the seal portions A and B are processed to have a surface roughness that allows air to be discharged but not molten resin. Since the viscosities of air and molten resin differ greatly, this can be achieved by adjusting the surface roughness of the seal portions A and B.
[0035]
When the molten molding material 9 is pressurized by pushing down the pusher 32, the molding material 9 is injected from the nozzle hole 40 while pressing the bottom plate 31 </ b> B downward, and the radial gap between the transfer pot 31 and the pusher 32. It tries to leak upward (usually about 0.3 to 1.0 mm on one side). If the temperature of the pusher 32 is set lower than the temperature of the molding material 9, the molding material 9 in contact with the pusher 32 is rapidly cooled and solidified to close the gap and act as a packing. There is no leakage. Further, the molten molding material 9 pushes the molding material 9 solidified in the gap by the pressure upward. The molding material 9 solidified in the gap acts to lift the transfer pot 31 upward by the frictional force with the transfer pot 31. Then, the lower end of the cylindrical body 31 </ b> A of the transfer pot 31 is separated from the upper surface of the upper mold 44. When the pin 37 eventually hits the lower surface of the bottom plate 31B, the transfer pot 31 is prevented from being lifted further. In this state, the transfer pot 31 and the upper mold 44 are in contact with each other only at the seal portion C, and most of the thrust Pl applied to the pusher 32 is added to the seal portion C. As described above, since the area of the seal portion C is smaller than the area of any of the seal portions A and B, a sufficiently large seal pressure is generated in the seal portion C, and the molten molding material 9 leaks from the seal portion C. Can be prevented.
[0036]
The force Fl that the hydraulic cylinder 22 pushes down the pusher 32 acts on the area S1 of the lower surface of the pusher 32 and generates an injection pressure P in the molding material 9 melted inside the transfer pot 31. The force Fn generated on the bottom plate 31B in response to the injection pressure P is downward, and works to press the upper mold 44 against the second lower mold 56 via the seal portion C. Strictly speaking, the weights of the pusher 32, the transfer pot 31, the molding material 9, and the upper die 44 also work so as to press the upper die 44 downward, but as will be described later, they are negligibly small with respect to Fn. When the second lower mold 56 is pressed against the first lower mold 55, a clamping force of the same magnitude is generated between them. The pressing force Fn of the bottom plate 31B against the mold 30 is obtained from the projected area Sn (hatched portion in FIG. 3) when the pressure receiving surface of the bottom plate 31B is viewed in the direction of the force Fl and the injection pressure P.
Fn = P · Sn = Fl · Sn / Sl
[0037]
On the contrary, an upward thrust (force for pulling the upper mold 44 away from the second lower mold 56) Fm is generated in the mold 30 by the injection pressure P. This thrust Fm is obtained from the projected area Sm (shaded portion in FIG. 4) viewed from below the upper mold 44 and the injection pressure P.
Fm = P · Sm = Fl · Sm / Sl
[0038]
Therefore, the force F by which the upper mold 44 presses the seal portion A (same as the seal portion B) of the second lower mold 56 by the pressing force Fn against the upper mold 44 of the bottom plate 31B is:
F = Fn−Fm
It becomes.
When Fn becomes smaller than Fm, the pressing force F becomes negative, so that the upper mold 44 is lifted and the seal is damaged.
When the area of the seal part A is Sa and the pressure (seal pressure) generated in the seal part A is Pa, the seal pressure Pa is
Pa = (Fn−Fm) / Sa = (Sn−Sm) P / Sa
= Fl. (Sn-Sm) /Sl.Sa
It becomes.
[0039]
Here, how much the weight of the molding material 9, the upper mold 44, the second lower mold 56, the transfer pot 31 and the like actually affects the seal ratio (a value obtained by dividing the seal pressure Pa by the injection pressure P) K. As a result, the total weight of the molding material 9, the upper mold 44, the second lower mold 56, the transfer pot 31 and the like when the diameter of the measurement tube is 100 mm and 40 mm is about 21.5 kg and 4.3 kg, respectively. Then, since the total weight is extremely small compared to the pressing force Fn by the bottom plate 31B (when the diameter is 100 mm: 5148 Kgf, when the diameter is 40 mm: 1825 Kgf) and the thrust Fm (when the diameter is 100 mm: 3382 Kgf, when the diameter is 40 mm: 1378 Kgf). It has been found that the influence on the seal ratio K is extremely small and can be ignored as the error range. As will be described later, the seal ratio K was 2.04 when the aperture was 100 mm, and 1.41 when the aperture was 40 mm.
[0040]
In order to prevent leakage of the molding material 9 from the seal portion A, the minimum condition (that is, a necessary condition) is that the sealing pressure Pa is a positive value. We sought to see if it could leak.
As is clear from the above formula, if the thrust of the pusher 32 is increased, the injection pressure P and the seal pressure Pa are increased. However, it has been found that if the thrust of the pusher 32 is excessively increased, internal stress remains in the molded product, causing deformation and cracking due to cracks.
[0041]
Here, the concept of seal ratio K is introduced. That is, K = Pa / P = (Fn−Fm) / Sa · P = (Sn−Sm) / Sa
The seal ratio K is a dimensionless numerical value determined when the injection mold 30 is designed, and the condition for preventing the molding material 9 from leaking from the seal portion A (that is, a sufficient condition) is K = Pa / P> C. However, C is a constant value determined by the type, viscosity, temperature and the like of the molding material 9 in actual molding, and is a value obtained inductively by experiments. If the seal ratio K is smaller than the constant value C, the molding material 9 leaks out from the seal portion A, and if it is larger, it does not leak out. Molding is actually performed by changing the seal ratio K, the type of the molding material 9, the viscosity and the temperature, and the value of the sealing ratio K when the molding material 9 stops leaking is defined as a constant C. For example, assuming that the leakage from the sealing portion A of the molding material 9 is stopped when molding is performed with the seal ratio K being 0.3, the constant value C is 0.3. Therefore, in order to prevent the molding material 9 from leaking from the seal portion A, the seal ratio K needs to be larger than 0.3. In the experiment, a mold having a large seal area S was manufactured and molded, and the seal portion A was gradually cut to gradually reduce the seal area S to increase the seal ratio K, and the molding was repeated. The seal ratio K when the leakage of the material 9 from the seal portion A stops is regarded as a constant value C. Although the seal part A has been described as an example so far, the seal part B can be considered in the same manner. Further, as described above, since the seal portion C has a small area, a considerably large seal ratio can be obtained, and there is no practical problem.
[0042]
After the injection of the molding material 9 is completed, it is left for several minutes while maintaining the thrust Fl from the hydraulic cylinder 22, and the residual stress distribution of the molded body is made uniform. Next, compressed air as a cooling medium is supplied to the first to sixth cooling circuits 67 </ b> A to 67 </ b> F to cool the mold 30 from the inside for a certain time, and the molding material 9 in the cavity 8 is solidified.
[0043]
FIG. 9 shows a cooling procedure for the mold 30. In all the cooling steps, the thrust Fl is continuously applied from the hydraulic cylinder to the pusher 32, and the pressure P of the molten molding material 9 remaining in the transfer pot 31 is maintained. After the injection of the molding material 9 is completed, it is allowed to stand for several minutes to uniform the residual stress distribution of the molded article). Next, compressed air is sequentially supplied to the first to sixth cooling circuits 67A to 67F while taking a predetermined time to cool the mold 30, and the molding material 9 in the cavity 8 is gradually moved from the bottom upward. To solidify.
[0044]
In actual cooling, the first cooling circuit 67A has a pressure of 3 to 5 kgf / cm.2 The compressed air 210 is supplied for a predetermined time (about 4 minutes) to cool the molding material 9 filled in the annular recess 61 of the first lower die 55A and the annular groove 81 of the lower flange 56c.
[0045]
Next, compressed air is supplied to the second cooling circuit 67B for a certain period of time when the upper portion of the annular recess 61 and the annular groove 81 of the molding material 9 filled in the annular groove 81 starts to solidify. The lower end of 57 is cooled. The time difference from the start of cooling by the first cooling circuit 67A to the start of cooling by the second cooling circuit 67B is about one and a half minutes. Similarly, compressed air is sequentially supplied to the third to fifth cooling circuits 67C to 67E with a predetermined time difference (about 1 minute), and cooling of the core 57 is advanced upward. The cooling time by the second to fifth cooling circuits 67B to 67E is about 3 minutes, respectively. Then, before the cooling by the fifth cooling circuit 67E is finished, compressed air is supplied to the sixth cooling circuit 67F for a predetermined time (about four and a half minutes) to cool the upper mold 44, and the molding material 9 in the cavity 8 is cooled. To solidify completely. In this way, the molten molding material 9 is replenished from the transfer pot 31 in accordance with the volume shrinkage generated by the solidification of the molding material 9 in the cavity 8, and a clean molded body free from sink marks can be obtained.
[0046]
When the molding material 9 in the mold 30 is completely solidified and molding is completed, the molding material 9 can be easily cut at the connection portion between the nozzle hole 40 and the sprue 50 by rotating the transfer pot 31. Next, the upper mold 44 is lifted together with the transfer pot 31, the second lower mold 56 is taken out from the first lower mold 55, and the molding material 9 solidified at the flash, runner 49 and gate 51 portions is cut. Finish molding. The second lower mold 56 is used as a measurement pipe which is a molded product in which the inner peripheral surface and the pipe connection end faces of the flanges 56b and 56c are covered with a lining material. When the measurement tube is subsequently formed, a new second lower die 56 is placed on the first lower die 55, and the upper die 44 and the transfer pot 31 are further placed thereon, and the above procedure is followed. Therefore, molding is performed.
[0047]
【Example】
When PFA resin 450HP-J manufactured by Mitsui DuPont Fluorochemical Co. is used as the molding material 9, when the mold temperature is 360 ° C, the resin temperature is 360 ° C, and the seal ratio K is 0.32, It was confirmed that no leakage occurred.
[0048]
In the above description, the case where the support member 70 and the connecting bolt 71 are removed and molding is performed in FIG. 2 has been described. However, when the pressing force F = Fn−Fm is large and the mold 30, particularly the second lower mold 56 that is a molded product is thin and the strength is low, the second lower mold 56 is plastically deformed by buckling. Or may be destroyed.
[0049]
Therefore, in order to solve such a problem, an embodiment in the case where the support member 70 and the connecting bolt 71 are mounted and molded in FIG. 2 will be described.
In the present embodiment, the support member 70 is interposed between the upper die 44 and the first lower die 55, and the upper end of the connecting bolt 71 is brought into contact with the upper die 44, so that the second die is moved from the upper die 44 to the second die. A part of the pressing force Fn transmitted to the lower die 56 is received by the support member 70 so that the pressing force F applied to the second lower die 56 is reduced.
[0050]
The support member 70 is formed in a cylindrical shape that can be elastically deformed by compression, and is vertically erected at equal intervals in the circumferential direction near the outer periphery of the first lower mold 55 so that the upper end thereof is the first. A screw hole 73 extends above the lower mold 55 and is screwed into the connecting bolt 71 at the center of the upper surface. As the material of the support member 70, hardened steel or the like is used.
[0051]
The connecting bolt 71 is made of hardened steel and is screwed into the screw hole 73 of each support member 70 so that the head is in contact with the lower surface of the upper mold 44. Other structures are substantially the same as those in the above-described embodiment.
[0052]
In the injection mold 30 having such a structure, when a thrust Fl is applied to the pusher 32 and the molten molding material 9 in the transfer pot 31 is pressurized and injected into the cavity 8 of the mold 30, the pressing force Fn is the mold. The mold 30 is added to the support member 70 through the mold 30. For this reason, although the support member 70 mainly bends, the elastic force (reaction force) R of the support member 70 acts on the upper mold | type 44 at this time, and functions as a tension rod. Therefore, the pressing force F applied to the mold 30 is reduced, and even if the second lower mold 56 has a low strength, it is not plastically deformed or broken due to buckling, and the resin that requires high pressure is used. The present invention can also be applied to lining and molding of a measuring tube with low strength.
[0053]
Next, the seal ratio K in the injection mold 30 using the support member 70 will be described.
The support member 70 and the second lower mold 56 are contracted by Δl by the injection pressure P.
[0054]
[Expression 1]
Figure 0004185275
[0055]
[Expression 2]
Figure 0004185275
[0056]
here,
P is injection pressure
Sn is the projected area viewed from above the bottom plate
Sm is the projected area viewed from below the upper mold
Sa is the seal area
Sr is the cross-sectional area of the support member (support member body)
Sp is the cross-sectional area of the second lower mold
Fn is the downward force generated by the injection pressure (= P · Sn)
Fm is the force to push up the mold by the injection pressure (= P · Sm)
Fr is the force applied to the support member
Fp is the force applied to the second lower mold
Lp is the length between the flanges of the second lower mold
Lr is the length of the support member
Δl is the amount of shrinkage of the support member
E is the Young's modulus of the support member (assuming the same as the Young's modulus of the second lower mold)
n is the number of support members.
It is assumed that the flange portions 56b and 56c of the second lower mold 56 and the connecting bolt 71 are not deformed.
[0057]
Considering the balance of power
(Fn−Fm) = nFr + Fp (2)
When the above equation (A) is substituted into equation (2)
[0058]
[Equation 3]
Figure 0004185275
[0059]
The seal ratio K is obtained using the above equation (B). The seal pressure Pa is expressed by the following formula.
[0060]
[Expression 4]
Figure 0004185275
The seal ratio K is obtained by dividing both sides of the above equation (4) by P.
[Equation 5]
Figure 0004185275
[0061]
[Formula 6]
Figure 0004185275
[0062]
The previous term of the above equation (6) is a normal seal ratio, the latter term is a decrease by the support member, and the reduction ratio of the seal ratio is expressed by the following equation.
[0063]
[Expression 7]
Figure 0004185275
[0064]
According to such an injection molding apparatus 20, since it is not necessary to clamp the mold 30, the structure is simple and the number of parts can be reduced as compared with an injection molding apparatus having a conventional mold clamping mechanism. The cycle can be shortened and productivity can be improved.
[0065]
In addition, by providing a cooling mechanism 66 including first to sixth cooling circuits 67A to 67F that are independent from each other in the mold 30, and sequentially supplying compressed air to these cooling circuits 67A to 67F with a required time difference, Since the timing of cooling and hardening of the molding material 9 is controlled, there is no sink or striae, and a molded product with high quality can be molded.
Further, since it is only necessary to control the timing and supply time of the compressed air supplied to the first to sixth cooling circuits 67A to 67F according to the size, thickness, etc. of the molded product, control is also easy.
[0066]
In the above-described embodiment, an example is shown in which the present invention is applied to the injection molding apparatus 20 for lining the inner peripheral surface of the measurement pipe for electromagnetic flowmeter and the pipe connection end face of the flange. However, the present invention is not limited to this. For example, containers and cups, especially those used in the clean room of a semiconductor manufacturing plant, are made of approximately 100% fluororesin, so they can be manufactured at low cost by using the injection molding apparatus according to the present invention. Can do.
Moreover, in this Embodiment, although the cooling mechanism 66 was comprised by six cooling circuit 67A-67F, the number is arbitrary and can be increased / decreased suitably according to the magnitude | size of a molded article.
Further, in the above embodiment, the injection molding apparatus 20 in which the injection mold 30 is not clamped by the mold clamping mechanism is shown. However, the present invention is not limited to this, and a conventional mold clamping mechanism is provided. Of course, the present invention can also be applied to other injection molding apparatuses.
Furthermore, in the above-described embodiment, since the molded product is a measurement tube, the lower mold 45 of the mold 30 is constituted by the first and second lower molds 55 and 56 and the core 57, and the second Although an example in which the lower die 56 is configured with a measuring tube before being lined is shown, depending on the molded product, the mold may be composed of one lower die, an upper die, and a core. Good.
[0067]
【The invention's effect】
As described above, since the injection molding apparatus according to the present invention can arbitrarily control the timing of cooling and hardening of the molding material injected into the cavity, it does not cause sink marks or striae and is a high-quality molded product. Can be molded.
[0068]
  Also,PusherThe surface pressure is generated on the sealing surfaces of the lower mold and the upper mold by using the force that presses the molding material, preventing the molding material made of fluororesin from leaking outside. There is no need to clamp the mold with a hydraulic mold clamping mechanism, simplifying the injection molding device and reducing the mold production cost, as well as facilitating assembly and disassembly of the mold and improving productivity. Can do. Further, since there is no leakage of the molding material, the defect rate can be reduced.
  In addition, since the mold design can be performed within a range satisfying the condition of Pa / P> 0.32, the degree of freedom in design can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic configuration diagram showing a part of an embodiment of an injection molding apparatus according to the present invention in a cutaway manner.
FIG. 2 is a cross-sectional view of an injection mold.
FIG. 3 is a diagram showing a projected area viewed from above the bottom plate.
FIG. 4 is a diagram showing a projected area viewed from below the upper mold.
FIG. 5 is an enlarged cross-sectional view of the vicinity of a seal surface.
FIG. 6 is a plan view of a first lower mold member.
FIG. 7 is a bottom view of the core.
8A to 8D are cross-sectional views taken along lines AA, BB, CC, and DD in FIG.
FIG. 9 is a diagram showing a cooling sequence.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 8 ... Cavity, 9 ... Molding material, 20 ... Injection molding apparatus, 22 ... Hydraulic cylinder, 30 ... Mold for injection molding, 31 ... Transfer pot, 32 ... Pusher, 40 ... Nozzle hole, 41a ... Sealing surface, 44 ... Top 45, lower mold, 49 ... runner, 50 ... sprue, 51 ... gate, 53a ... sealing surface, 55 ... first lower mold, 56 ... second lower mold, 56b, 56c ... flange, 57 ... medium Child, 61a, 63a, 63b, 65a ... sealing surface, 66 ... cooling mechanism, 67A to 67F ... cooling circuit, 70 ... support member, A, B, C ... seal part.

Claims (3)

底部にノズル孔を有して溶融した成形材料を収容する容器と、この容器の前記ノズル孔から射出された成形材料が充填される金型と、前記容器内の成形材料を加圧するプッシャと、前記プッシャまたは前記金型に前記プッシャが前記容器内の成形材料を実質的に加圧する方向の推力を付与する推力付与手段とを備えた射出成形装置であって、
前記金型を積層配置された上型と中子を備えた下型とで構成し、前記中子は円柱状の中子本体と、この本体に嵌合する円筒体とを有し、前記中子本体の外周面に、軸線方向に離間して形成された複数の溝形の互いに独立した冷却回路をそれぞれ設け、これらの冷却回路にゲートに近いものほど冷却開始の時期が遅くなるように順次冷却媒体を供給することによりキャビティ内に注入された成形材料の冷却硬化の時期を段階的に制御するようにしたことを特徴とする射出成形装置。
A container having a nozzle hole at the bottom and containing a molten molding material; a mold filled with the molding material injected from the nozzle hole of the container; and a pusher for pressurizing the molding material in the container; An injection molding apparatus comprising: a thrust applying unit that applies a thrust in a direction in which the pusher substantially pressurizes the molding material in the container to the pusher or the mold,
The mold is composed of an upper mold arranged in a stacked manner and a lower mold having a core, and the core has a cylindrical core body and a cylindrical body fitted to the body, and the core A plurality of groove-shaped independent cooling circuits are formed on the outer peripheral surface of the child main body so as to be spaced apart from each other in the axial direction, and the cooling start time is sequentially delayed as the cooling circuit is closer to the gate. An injection molding apparatus characterized in that a cooling medium is supplied step by step to control the timing of cooling and hardening of the molding material injected into the cavity.
請求項1記載の射出成形装置において、
前記プッシャで前記容器内の成形材料を加圧することにより前記下型と前記上型とのシール面を全周にわたって互いに密接させることを特徴とする射出成形装置。
The injection molding apparatus according to claim 1, wherein
An injection molding apparatus, wherein the molding material in the container is pressed by the pusher to bring the sealing surfaces of the lower mold and the upper mold into close contact with each other over the entire circumference.
請求項1または2記載の射出成形装置において、
成形材料が弗素樹脂であり、プッシャによって加圧されたときの成形材料の射出圧をP、各シール面に加わるシール圧をPaとすると、
以下の条件
Pa/P>0.32
が成り立つことを特徴とする射出成形装置。
The injection molding apparatus according to claim 1 or 2,
When the molding material is a fluorine resin, the injection pressure of the molding material when pressed by the pusher is P, and the sealing pressure applied to each sealing surface is Pa .
The following conditions Pa / P> 0.32
An injection molding device characterized in that
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