JP4185275B2 - Injection molding equipment - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形装置に関し、例えば電磁流量計の測定管内のライニングの成形や樹脂製配管の成形等に用いて好適な射出成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
測定管内を流れる導電性流体の流量を電磁誘導現象を利用して測定する電磁流量計は、流体中で発生した起電力とステンレス鋼等の非磁性体からなる測定管との短絡を防止するために、通常測定管の接液面である内周面および測定管の両端部に一体的に設けたフランジの配管が接続される面(以下、配管接続端面という)をライニング材によって被覆している。ライニング材としては、耐熱性、耐食性、電気絶縁性等が要求されるため、通常弗素樹脂等の絶縁材が使用されており、射出成形によって測定管の内周面およびフランジの配管接続端面に成形によって形成されている。
【0003】
このようなライニングが施された測定管をトランスファー成形機によって成形する場合は、ライニングが施されていない測定管を金型内に装填し、金型をライニング材の溶融温度以上に加熱し、溶融したライニング材を金型内に加圧注入して測定管の内周面およびフランジの配管接続端面をライニング材で被覆する。
【0004】
測定管のライニングに際して、ライニング材として使用される弗素樹脂は金属との密着性が悪く、測定管から剥離し易いことから、通常パンチングプレートと呼ばれる多孔板によって形成した補強管を測定管の内部に予め取付けておき、この補強管をライニング材によって覆うことにより、ライニング材と測定管との機械的な結合強度を高めてライニング材の剥離を防止するとともに、測定管内の温度変化や圧力変化によるライニング材の変形等を防止している(特公平5−48846号公報、特公平5−48845号公報、実公平2−28411号公報等)。
【0005】
このようなライニングが施された測定管をトランスファー成形機によって成形するには、補強管が取付けられた測定管を金型内に装填し、金型をライニング材の溶融温度以上に加熱し、溶融したライニング材を金型内に加圧注入して測定管の内周面およびそのフランジの配管接続端面を被覆する。成形材料をキャビティ内に充填した後は、金型に圧縮空気等の冷却媒体を供給して成形材料を硬化させ、全体が十分に冷却固化した後、金型から成形品を取り出す。
【0006】
成形材料の冷却方式としては、例えば米国デュポン社発行の技報
「Preliminary Infomation from Plastic Technical Services Laboratryabout DU PONT TEFLON FLUOROCARBON RESIN,DU PONT TEFZEL FLUOROPOLYMERFLUOROCARBONS DIVISION,PLASTICS DEPARTMENT,E.T.DU PONT DE NEMOURS &CO.(INC.),WILM.,DEL.19898 PBI#36(Revised)August 1973」に記載のトランスファー成形装置に採用したものが知られている。このトランスファー成形装置は、中子の内部にパイプを貫通させ、このパイプの周面に多数の孔をゲート側より遠くなるほど粗になるように形成し、前記孔から冷却媒体を中子内に供給することにより中子を内側から強制的に冷却するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のトランスファー成形装置における冷却方式は、パイプに形成した孔の数、密度によって冷却効果(冷却速度)が決まるため、成形品の肉厚、大きさ等に応じて冷却効果、冷却箇所の順序等を自由に変更することができず、成形に要する時間が長くなるという問題があった。また、成形品毎に孔の数、密度等が異なったパイプを準備する必要があるため、パイプの種類が増加し、その保管、管理、交換作業等が煩わしいという問題もあった。
【0008】
本発明は上記した従来の問題を解決するためになされたもので、多段冷却方式を採用し金型のゲートから遠い部分からゲートに向かって順次冷却することにより、キャビティ内の成形材料を効果的に冷却することができ、ひけや脈理の発生を防止し得るようにした射出成形装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために第1の発明は、底部にノズル孔を有して溶融した成形材料を収容する容器と、この容器の前記ノズル孔から射出された成形材料が充填される金型と、前記容器内の成形材料を加圧するプッシャと、前記プッシャまたは前記金型に前記プッシャが前記容器内の成形材料を実質的に加圧する方向の推力を付与する推力付与手段とを備えた射出成形装置であって、前記金型を積層配置された上型と中子を備えた下型とで構成し、前記中子は円柱状の中子本体と、この本体に嵌合する円筒体とを有し、前記中子本体の外周面に、軸線方向に離間して形成された複数の溝形の互いに独立した冷却回路をそれぞれ設け、これらの冷却回路にゲートに近いものほど冷却開始の時期が遅くなるように順次冷却媒体を供給することによりキャビティ内に注入された成形材料の冷却硬化の時期を段階的に制御するようにしたものである。
この発明においては、冷却硬化に伴う成形材料の収縮に対して溶融状態の成形材料が供給され続けるように各冷却回路の冷却時期を個々に制御できるので、ひけや脈理が発生しない品質の良好な成形品を成形することができる。
【0010】
第2の発明は、上記第1の発明において、前記プッシャで前記容器内の成形材料を加圧することにより前記下型と前記上型とのシール面を全周にわたって互いに密接させるようにしたものである。
この発明においては、成形材料を加圧するためにプッシャに実質的に付与される推力によって、シール面どうしを密着させることで実質的に型締めを行うので、従来の型締め手段を設ける必要がない。
【0011】
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、成形材料が弗素樹脂であり、プッシャによって加圧されたときの成形材料の射出圧をP、各シール面に加わるシール圧をPaとすると、
以下の条件
Pa/P>0.32
が成り立つようにするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る射出成形装置の一実施の形態の一部を破断して示す概略構成図、図2は射出成形用金型の断面図、図3は底板の上から見た投影面積を示す図、図4は上型の下から見た投影面積を示す図、図5はシール面付近の拡大断面図、図6は第1の下型部材の平面図、図7は中子の底面図、図8(a)〜(d)は図7のA−A線、B−B線、C−C線、D−D線断面図である。本実施の形態は、フランジタイプの電磁流量計用測定管のライニングのための成形に用いられるポット式の竪型射出成形装置20に適用した例を示す。なお、図3において、斜線部が投影面積を示し、内側から2番目の円が底板上面に形成した円錐形の凹部の外形線を示している。図4において、斜線部が投影面積を示し、外側から2番目の円が上型底面に形成した環状凹部の外形線を示し、外側から3番目の円が円錐形の凹部の外形線を示している。
【0013】
図1において、床面に設置された脚付きのベースプレート21と、油圧シリンダ22が固定されたシリンダ取付板23と、これらを連結する4本の支柱24とにより十分な機械的強度を持つ枠組25が構成されている。この枠組25は、油圧シリンダ22と協働して、後述するプッシャ32へ推力を与える推力付与手段として働くものである。さらに、前記ベースプレート21上に設置された金型取付板26、この金型取付板26上にセラミック等の断熱材27を介して設置された射出成形用の金型30、この金型30の上に載置された有底円筒状のトランスファポット31(容器)、トランスファポット31内の加熱溶融された成形材料9を加圧する前記プッシャ32、このプッシャ32を降下させる前記油圧シリンダ22(推力付与手段)等によってポット式の竪型射出成形装置20を構成している。
【0014】
前記油圧シリンダ22は、前記支柱24の上方に架設された前記シリンダ取付板23に下向きに設置されており、昇降自在なプランジャ33を有している。プランジャ33は油圧によって下降するとその下端面が前記プッシャ32の上面に当たり、上昇復帰すると前記プッシャ32の上面から離間するように構成されている。
【0015】
前記プッシャ32は円盤状に形成され、前記トランスファポット31内に嵌挿されている。トランスファポット31の内周面とプッシャ32との間には適宜な隙間が設けられており、この隙間から空気を逃がすことで、プッシャ32をトランスファポット31に嵌め込む作業を容易にしている。
【0016】
前記トランスファポット31は、円筒体31Aと、この円筒体31Aの下方側開口部を覆う円盤状の底板31Bとで構成されている。前記円筒体31Aの下端部内周面には、前記底板31Bが嵌合する環状溝35が形成されている。環状溝35の内周面と底板31Bの外周面との間には殆ど隙間がない状態(すなわち溶融した成形材料9が漏れ出ない状態)で摺動可能とされている。円筒体31Aと底板31Bとが分離しないように、円筒体31Aの下端内周には複数のピン(止め部材)37が突設されており、これにより底板31Bを支持し円筒体31Aからの脱落を防止している。底板31Bは、環状溝35により円筒体31Aの内周面に形成された段部38と前記ピン37とによって上下方向の変位量が規制されている。また、底板31Bは中央に貫通孔からなるノズル孔40を有し、下面中央には前記ノズル孔40を取り囲む円錐状の突起41が一体に突設されている。この突起41の周面下端部は、前記射出成形用金型30とのシール面41aを形成している。
【0017】
前記射出成形用金型30は、積重ね部材を構成する上型44および下型45によって構成されている。前記上型44は、下面中央に形成された円錐形の凹部47と、肉厚内に形成された後述する冷却機構66の第6の冷却回路67Fを有している。上型44がさらに第1、第2の上型部材44A,44Bの2部材とからなるのは、前記冷却回路67Fを形成するためであり、冷却回路67Fを形成した後、第1、第2の上型部材44A,44Bは、ボルトによって締結されることにより一体化されている。
【0018】
前記上型44の凹部47は、後述する中子57とともに湯道49を形成するもので、特に上型44の上面に開口し前記ノズル孔40に連通する部分がスプルー50を形成し、キャビティ8に連通する下端部がゲート51を形成している。前記上型44の上面中央で前記スプルー50の周囲には円錐形の凹部53が形成されており、この凹部53に前記底板31Bの突起41が嵌合している。そして、凹部53の内壁面は前記突起41の前記シール面41aが密接するシール面53aを形成しており、これらのシール面41a,53aによってシール部Cを形成している。
【0019】
前記トランスファポット31を上型44の上に載置するとき、底板31Bの突起41を上型44の凹部53に嵌合してそのシール面41a,53aを互いに密接させると、ノズル孔40とスプルー50が自動的に位置決めされて連通し、前記シール部Cを形成する。シール部Cの面積は、後述する他の2つのシール部A,Bの面積に比べて十分小さく設定されている。なお、トランスファポット31が上型44の上に載置された状態で、円筒体31Aの下端は上型44の上面に当たっており、トランスファポット31の座りを良くしている。トランスファポット31は上型44に対して単に載置されているだけで何ら固定されていないので、プッシャ32が油圧シリンダ22から推力を受けていない状態であれば、上型44の上に載せたままで前記突起41と凹部53を回転軸として水平面内において回転することも可能である(後述のスプルー切断作業において必要である)。
【0020】
前記下型45は、第1、第2の下型55,56(いずれも積重ね部材)および前記中子57とで構成されている。また、第1の下型55は、積層配置された第1、第2の下型部材55A,55Bとで構成され、前記金型取付板26の上に前記断熱材27を介して位置決めされて固定されている。第1の下型55の上には、前記第2の下型56と中子57が同じく位置決めされて設置されており、さらにこれらの上に前記上型44が同じく位置決めされて設置されている。上型44と第2の下型56の互いに密接する接合部は前記シール部Aを形成し、第1、第2の下型55,56の互いに密接する接合部は前記シール部Bを形成している。シール部Aとシール部Bの面積は略等しい。
【0021】
前記第1の下型部材55Aは、中央に前記中子57が貫通する孔60を有し、また上面には前記孔60の周囲を取り囲む環状の凹部61が形成されている。凹部61の底面外周部は、前記第2の下型56の下面が密接するシール面61aを形成している。
【0022】
前記第2の下型56としては、ライニング処理されていない電磁流量計用の測定管が用いられる。この第2の下型56は、内径が前記中子57の外径より大きい円筒状の管本体56aと、この管本体56aの両端開口部に一体に設けられるかまたは溶接によって固定された同一形状からなる2つのフランジ56b,56cとで構成されている。管本体56aの内部には、多孔板によって形成した補強管16がスペーサ17を介して配設されている。
【0023】
各フランジ56b,56cの配管接続端面には、成形材料9が充填される環状溝63A,63Bがそれぞれ形成されている。上側のフランジ56bの環状溝63Aより外側の表面は、上型44のシール面65aが密接するシール面63aを形成しており、これらのシール面63a,65aによって前記シール部Aを形成している。前記シール面65aは、前記上型44の下面に形成した環状凹部65の底面外周部とされる。
【0024】
前記下側のフランジ56cの環状溝63Bより外側の表面は、第1の下型55の前記シール面61aが密接するシール面63bを形成しており、これらのシール面61a,63bによって前記シール部Bを形成している。
【0025】
前記中子57は、円柱状の中子本体57Aと、この中子本体57Aに嵌合した円筒体57Bと、中子本体57Aと円筒体57Bの上面に溶接によって固定された円錐体57Cとからなり、内部に冷却回路66が形成されている。中子57と前記第1、第2の下型55,56との間に設けられた空間は、成形材料9が充填される前記キャビティ8を形成している。前記円錐体57Cは、前記上型44の凹部47に適宜な隙間を保って同軸に挿入され、この隙間が成形材料9の通る前記湯道49を形成し、前記キャビティ8に連通する下端部が前記ゲート51を形成している。
【0026】
前記上型44の第1の上型部材44Aと第1の下型55との間には、複数本の支持部材70が設けられている。この支持部材70は、第1の下型55に立設されており、上端に連結ボルト71が螺合され、その頭部が前記第2の上型部材44Bの下面に当接しており、成形条件によって装着するか取り外すかを選択できるようになっている。ここではまず、取り外した状態を想定して説明するので、支持部材70および連結ボルト71は全て描かれていないものとして図2を参照されたい。なお、図2の通り支持部材70および連結ボルト71が装着されている状態については後述する。
【0027】
このような射出成形用金型30は、上型44、下型45およびトランスファポット31を単に自重によって積み重ね配置して組み立てているだけで、従来の型締め機構を全く備えておらず、前記プッシャ32で成形材料9を加圧する力を利用して3つのシール部A,B,Cをシールして成形を行う点で従来の金型と基本的に相違している。
【0028】
図2、図6〜図9において、前記金型30の前記冷却機構66は、第1〜第6の冷却回路67A〜67Fを有している。第1の冷却回路67Aは、第1の下型部材55Aの下面側に形成した環状溝81と、第2の下型部材55Bに設けた貫通孔からなり前記環状溝81にそれぞれ連通するエア供給口82およびエア排出口83等で構成されている。エア供給口82は図示を省略したエア供給源に接続され、エア排出口83は大気に開放している。
【0029】
前記第2〜5の冷却回路67B〜67Eは、前記中子57の内部に形成されるもので、中子本体57Aの外周面に軸線方向に離間して形成された環状溝85〜88をそれぞれ有し、これらの環状溝85〜88を中子本体57Aの内部に形成したエア供給通路89a〜89dとエア排出通路90に、連通路91a〜91d、92a〜92dを介してそれぞれ連通させている。前記エア供給通路89a〜89dは、前記中子本体57Aの下面に開放する不貫通孔からなり、前記エア排出通路90の周囲に周方向に所要角度離間して形成されている。すなわち、図70に示すように、エア供給通路89a〜89dは、時計方向に135°ずつ離間するように形成されている。このため、エア供給通路89bは、エア供給通路89aに対して時計方向に135°離間し、エア供給通路89cはエア供給通路89bに対して時計方向に135°離間し、エア供給通路89dはエア供給通路89cに対して時計方向に135°離間している。前記エア排出通路90は、前記中子本体57Aの下面中央に開放する不貫通孔からなり、前記エア供給通路89a〜89dより大きな穴径を有している。
【0030】
図6において、前記第2の下型部材55Bには、前記エア供給口82およびエア排出口83に加えて前記各エア供給通路89a〜89d、エア排出通路90と連通する通路95a〜95d,96が形成されている。これらの通路95a〜95d,96は、第2の下型部材55Bの上下面に貫通する貫通孔によって形成されている。前記各通路95a〜95dは、エア供給源にそれぞれ接続され、通路96は大気中に開放している。
【0031】
図2において、前記第6の冷却回路67Fは、前記上型44内に形成された環状溝98と、この環状溝98に連通するエア供給口99およびエア排出口100を有している。エア供給口99は図示を省略したエア供給源に接続され、エア排出口100は大気中に開放している。
【0032】
前記第1〜第6の冷却回路67A〜67Fは、電磁弁の切替操作によってエア供給源から圧縮空気が順次供給されることにより、金型30を内側から、しかもゲート51から最も遠い部分からゲート51に向かって順次冷却することで、キャビティ8に注入された成形材料9の冷却硬化の時期を制御するように構成されている。
【0033】
このような射出成形装置20を用いて第2の下型56の内周面と各フランジ56b,56cの環状溝63A,63Bにライニングを施して電磁流量計の測定管を成形するには、金型30をトランスファポット31および成形材料9とともに加熱炉の中に設置し、所定温度(350〜370℃)に加熱する。
【0034】
成形材料9を加熱溶融している間、プッシャ32はトランスファポット31から外されて室温に保持されており、溶けた成形材料9をキャビティ8に注入する作業の直前にトランスファポット31に装着される。加熱された金型30およびトランスファポット31を、金型取付板26の上に設置し、油圧シリンダ22を駆動し、プランジャ33によってプッシャ32を押圧することによりプッシャ32に所定の推力Flを与える。プッシャ32が推力Flを付与されて成形材料9を加圧すると、成形材料9は底板31Bのノズル孔40からスプルー50、湯道49およびゲート51を通ってキャビティ8に加圧注入される。プッシャ32による成形材料9の加圧注入時間は、2分程度で、キャビティ8内の空気をプッシャ32による射出圧力Pによってシール部A,Bから外部へ排出する。すなわち、シール部A,Bは、空気は排出するが溶融樹脂は排出しない程度の面粗度に加工されている。空気と溶融樹脂とは、それぞれの粘性が大きく異なるために、シール部A,Bの面粗度を調節すれば、このようなことが可能になる。
【0035】
また、プッシャ32を押し下げて溶融した成形材料9を加圧すると、成形材料9は底板31Bを下方に加圧しつつノズル孔40から射出されるとともに、トランスファポット31とプッシャ32との径方向の隙間(通常片側0.3〜1.0mm程度)を通って上方へ漏れ出ようとする。プッシャ32の温度が成形材料9の温度よりも低く設定されていると、プッシャ32に接触した部分の成形材料9が急冷固化して隙間を塞ぎパッキンとして作用するので、溶融した成形材料9が外部へ漏れ出ることはない。さらに、溶融している成形材料9は、その圧力によって隙間で固化した成形材料9を上方へと押し上げる。隙間で固化した成形材料9は、トランスファポット31との間の摩擦力により、トランスファポット31を上方へ持ち上げるように作用する。そして、トランスファポット31の円筒体31Aの下端が上型44の上面から離れる。やがてピン37が底板31Bの下面に当たると、トランスファポット31はそれ以上持ち上げられるのを阻止される。この状態でトランスファポット31と上型44とはシール部Cのみで接しており、プッシャ32に与えられた推力Plの大部分がシール部Cに付加される。前述の通り、シール部Cの面積はシール部A,Bのいずれの面積よりも小さいので、シール部Cには十分に大きなシール圧が発生し、シール部Cからの溶融した成形材料9の漏れを防止することができる。
【0036】
油圧シリンダ22がプッシャ32を押し下げる力Flは、プッシャ32の下面の面積Slに作用して、トランスファポット31の内部で溶融している成形材料9に射出圧力Pを発生させる。この射出圧力Pを受けて底板31Bに発生する力Fnは下向きで、シール部Cを介して上型44を第2の下型56に押しつけるように働く。厳密にはプッシャ32、トランスファポット31、成形材料9および上型44の重量も上型44を下向きに押しつけるように働くが、後述の通り、Fnに対して無視できるほど小さい。第2の下型56は第1の下型55に押し付けられることにより、これらの間にも同じ大きさの締付け力が発生する。底板31Bの金型30に対する押付力Fnは、底板31Bの受圧面を力Fl方向に見通した投影面積Sn(図3の斜線部)と射出圧力Pから求められる。
Fn=P・Sn=Fl・Sn/Sl
【0037】
反対に、金型30には射出圧力Pにより上方への推力(第2の下型56から上型44を引き離そうとする力)Fmが発生する。この推力Fmは、上型44の下から見通した投影面積Sm(図4の斜線部)と射出圧力Pから求められる。
Fm=P・Sm=Fl・Sm/Sl
【0038】
したがって、底板31Bの上型44に対する押付力Fnによって上型44が第2の下型56のシール部A(シール部Bも同様)を押し付ける力Fは、
F=Fn−Fm
となる。
FnがFmより小さくなると、押付力Fが負になるため、上型44が持ち上げられてシールが損なわれる。
シール部Aの面積をSa、シール部Aに発生する圧力(シール圧)をPaとすると、シール圧Paは、
Pa=(Fn−Fm)/Sa=(Sn−Sm)P/Sa
=Fl・(Sn−Sm)/Sl・Sa
となる。
【0039】
ここで、成形材料9、上型44、第2の下型56、トランスファポット31等の重量が実際にシール比(シール圧Paを射出圧力Pで除した値)Kにどの程度影響するかについて検討したところ、測定管の口径が100mmの場合と40mmの場合における成形材料9、上型44、第2の下型56、トランスファポット31等の総重量をそれぞれ21.5Kg、4.3Kg程度とすると、底板31Bによる押付力Fn(口径100mmの場合:5148Kgf、口径40mmの場合:1825Kgf)、推力Fm(口径100mmの場合:3382Kgf、口径40mmの場合:1378Kgf)に比べて総重量がきわめて小さいため、シール比Kへの影響がきわめて少なく、誤差範囲として無視し得ることが判った。なお、さらに後述するが、前記シール比Kは、口径100mmの場合、2.04、口径40mmの場合、1.41であった。
【0040】
シール部Aからの成形材料9の漏出を防止するためには、シール圧Paが正の値であることが最低条件(すなわち必要条件)であるが、どの程度の圧力であれば成形材料9が漏出しなくなるかを実験で追求した。
上記式からも明らかなようにプッシャ32の推力を高くすれば、射出圧力Pとシール圧Paは高くなる。しかし、プッシャ32の推力を過剰に高くすると成形品に内部応力が残り、変形やクラックによる割れの原因となるため好ましくないことが判った。
【0041】
ここでシール比Kという概念を導入する。すなわち、K=Pa/P=(Fn−Fm)/Sa・P=(Sn−Sm)/Sa
シール比Kは、射出成形用金型30の設計時に決定される無次元の数値であり、成形材料9がシール部Aから漏出しないようにするための条件(すなわち十分条件)はK=Pa/P>Cである。ただし、Cは実際の成形において成形材料9の種類、粘度、温度等によって決まる定数値で、実験によって帰納的に求められる値である。この定数値Cよりシール比Kが小さいと成形材料9がシール部Aから漏出し、大きいと漏出しなくなる。シール比K、成形材料9の種類、粘度および温度を変えて実際に成形を行い、成形材料9の漏出が止まった時点のシール比Kの値を定数Cとする。例えば、シール比Kを0.3として成形を行ったときに成形材料9のシール部Aからの漏出が止まったと仮定すると、定数値Cは0.3となる。したがって、成形材料9がシール部Aから漏出しないようにするためには、シール比Kを0.3より大きくする必要がある。実験に際しては、シール面積Sが大きい金型を製作して成形を行い、シール部Aを少しずつ削ってシール面積Sを徐々に小さくすることによりシール比Kを大きくして成形を繰り返し行い、成形材料9のシール部Aからの漏出が止まったときのシール比Kを定数値Cとみなす。なお、ここまでシール部Aを例にとって述べてきたが、シール部Bについても同様に考えることができる。また前述の通り、シール部Cは面積が小さいので、かなり大きなシール比を得られ、実際上問題になることはない。
【0042】
成形材料9の注入が終了した後、油圧シリンダ22からの推力Flを保ったまま数分放置して成形体の残留応力の分布を均一化させる。次に、第1〜第6の冷却回路67A〜67Fに冷却媒体としての圧縮空気を供給して金型30を内側から一定時間冷却し、キャビティ8内の成形材料9を固化させる。
【0043】
図9に金型30の冷却の手順を示す。冷却の全工程において、油圧シリンダからプッシャ32へ推力Flを与え続けて、トランスファポット31の内部に残っている溶融した成形材料9の圧力Pを保ち続ける。成形材料9の注入が終了した後、数分間放置して成形体成形品)の残留応力の分布を均一化させる。次に、圧縮空気を第1〜第6の冷却回路67A〜67Fに所定の時間をおきながら順次供給して金型30を冷却し、キャビティ8内の成形材料9を下から上方に向かって徐々に固化させる。
【0044】
実際の冷却は、第1の冷却回路67Aに圧力3〜5Kgf/cm2 の圧縮空気210を一定時間(4分程度)供給して第1の下型55Aの環状凹部61と下側のフランジ56cの環状溝81に充填されている成形材料9を冷却する。
【0045】
次に、前記環状凹部61と環状溝81に充填された成形材料9の環状溝81に接触する上側部分が固化し始めるタイミングで第2の冷却回路67Bに圧縮空気を一定時間供給し、中子57の下端部を冷却する。第1の冷却回路67Aによる冷却開始から第2の冷却回路67Bによる冷却開始までの時間差は1分半程度である。同様にして第3〜第5の冷却回路67C〜67Eに圧縮空気を所定の時間差(1分程度)をもって順次供給し、中子57の冷却を上方に向かって進めていく。第2〜第5の冷却回路67B〜67Eによる冷却時間は、それぞれ3分程度である。そして、第5の冷却回路67Eによる冷却が終了する前に第6の冷却回路67Fに圧縮空気を所定時間(4分半程度)供給して上型44を冷却し、キャビティ8内の成形材料9を完全に固化させる。このようにすると、キャビティ8内の成形材料9の固化により発生する体積収縮に応じて、トランスファポット31から溶融状態の成形材料9が補給され、ヒケのないきれいな成形体を得ることができる。
【0046】
金型30内の成形材料9が完全に固化して成形が完了した後、トランスファポット31を回転させると、ノズル孔40とスプルー50との接続部分で成形材料9を容易に切断できる。次に、上型44をトランスファポット31とともに上昇させて第2の下型56を第1の下型55から取出し、ばり、湯道49、ゲート51部分で固化した成形材料9を切断することにより成形を終了する。この第2の下型56は、内周面およびフランジ56b,56cの配管接続端面がライニング材によって被覆された成形品である測定管として用いられる。引き続き測定管の成形を行う場合は、新たな第2の下型56を第1の下型55の上に設置し、さらにその上に上型44およびトランスファポット31を設置し、上記した手順にしたがって成形を行う。
【0047】
【実施例】
三井デュポンフロロケミカル社製のPFA樹脂450HP−Jを成形材料9として用いた場合、金型温度を360°C、樹脂温度を360°Cとし、シール比Kを0.32としたとき、樹脂の漏出が発生しないことが確認された。
【0048】
上記では図2において支持部材70および連結ボルト71を取り外して成形を行う場合を説明した。しかし、押付力F=Fn−Fmが大きく、かつ金型30、特に成形品となる第2の下型56が肉薄で強度が低い場合は、第2の下型56が座屈により塑性変形したり破壊されるおそれがある。
【0049】
そこで、次にこのような問題を解決するために、図2において支持部材70および連結ボルト71を装着して成形する場合の実施例について説明する。
本実施の形態においては上型44と第1の下型55との間に前記支持部材70を介在させ、連結ボルト71の上端を上型44に当接することで、上型44から第2の下型56へ伝わる押付力Fnの一部を前記支持部材70によって受け止め、第2の下型56に加わる押付力Fを低減するようにしている。
【0050】
前記支持部材70は、圧縮弾性変形可能な円柱状に形成され、前記第1の下型55の外周寄りに周方向に等間隔おいて4本垂直に立設されることにより上端が第1の下型55の上方に延在し、上面中央に前記連結ボルト71が螺合するねじ孔73を有している。支持部材70の材質としては焼き入れ鋼等が用いられる。
【0051】
前記連結ボルト71は焼入れ鋼製で、前記各支持部材70のねじ孔73に螺合され、頭部が上型44の下面に当接するように調節される。なお、その他の構造は上記した実施の形態と略同一である。
【0052】
このような構造からなる射出成形用金型30において、プッシャ32に推力Flを与えてトランスファポット31内の溶融した成形材料9を加圧し金型30のキャビティ8に注入すると、押付力Fnは金型30と、この金型30を介して支持部材70に加わる。このため、主として支持部材70が撓むが、このとき支持部材70の弾発力(反力)Rが上型44に作用し、突っ張り棒として機能する。したがって、金型30に加わる押付力Fが低減され、第2の下型56が強度の低いものであっても座屈により塑性変形したり破壊されることがなく、高圧を必要とする樹脂によるライニングや、強度が低い測定管の成形に対しても適用することが可能である。
【0053】
次に、支持部材70を用いた射出成形用金型30におけるシール比Kについて説明する。
支持部材70と第2の下型56は射出圧力PによってΔlだけ縮む。
【0054】
【数1】
【0055】
【数2】
【0056】
ここで、
Pは射出圧力
Snは底板の上から見た投影面積
Smは上型の下から見た投影面積
Saはシール面積
Srは支持部材(支持部材本体)の断面積
Spは第2の下型の断面積
Fnは射出圧力によって発生する底板の下向きの力(=P・Sn)
Fmは射出圧力によって金型を押し上げようとする力(=P・Sm)
Frは支持部材に加わる力
Fpは第2の下型に加わる力
Lpは第2の下型のフランジ間の長さ
Lrは支持部材の長さ
Δlは支持部材の縮み量
Eは支持部材のヤング率(第2の下型のヤング率と同じと仮定)
nは支持部材の本数である。
第2の下型56のフランジ部56b,56cと連結ボルト71は変形しないものと仮定する。
【0057】
力の釣り合いを考えると
(Fn−Fm)=nFr+Fp ・・・(2)
上記(A)式を(2)式に代入数ると
【0058】
【数3】
【0059】
上記(B)式を用いてシール比Kを求める。シール圧Paは次式によって表される。
【0060】
【数4】
上記(4)式の両辺をPで除してシール比Kを求める。
【数5】
【0061】
【数6】
【0062】
上記(6)式の前項は、通常のシール比、後項は支持部材による減少分で、シール比の低減率は次式で表される。
【0063】
【数7】
【0064】
このような射出成形装置20によれば、金型30を型締めする必要がないので、従来の型締め機構を備えた射出成形装置に比べて構造が簡単で部品点数を削減でき、また射出成形サイクルを短縮することができ、生産性を向上させることができる。
【0065】
また、金型30内にそれぞれ独立した第1〜第6の冷却回路67A〜67Fからなる冷却機構66を設け、これらの冷却回路67A〜67Fに圧縮空気を所要の時間差をもって順次供給することにより、成形材料9の冷却硬化の時期を制御するようにしているので、ひけや脈理が発生ことがなく、品質の高い成形品を成形することができる。
また、成形品の大きさ、肉厚等に応じて第1〜第6の冷却回路67A〜67Fに供給する圧縮空気のタイミング、供給時間等を制御するだけでよいので、制御も容易である。
【0066】
なお、上記した実施の形態は、電磁流量計用測定管の内周面とフランジの配管接続端面にライニングを施す射出成形装置20に適用した例を示したが、本発明はこれに何等特定されるものではなく、例えば容器やカップ状のもの、特に半導体製造工場のクリーンルームで使用されるものは、略100%弗素樹脂製なので、本発明による射出成形装置を用いることにより、安価に製作することができる。
また、本実施の形態においては、冷却機構66を6つの冷却回路67A〜67Fによって構成したが、その数は任意であり、成形品の大きさによって適宜増減することができる。
さらに、上記実施の形態においては、射出成型用金型30を型締め機構によって型締めしない射出成形装置20について示したが、本発明はこれに限定されるものではなく従来の型締め機構を備えた射出成形装置にも適用することができることは勿論である。
さらにまた、上記した実施の形態においては、成形品が測定管のため、金型30の下型45を、第1、第2の下型55,56および中子57とで構成し、第2の下型56をライニングが施される前の測定管で構成した例を示したが、成形品によっては金型が1つの下型と上型と中子とで構成されるものであってもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る射出成形装置は、キャビティ内に注入された成形材料の冷却硬化の時期を任意に制御することができるため、ひけや脈理が発生せず高品質な成形品を成形することができる。
【0068】
また、プッシャの成形材料を押圧する力を利用して下型と上型のシール面に面圧を発生させ、弗素樹脂からなる成形材料が外部へ漏れ出るのを防止するようにしたので、ボルトによる締結や油圧による型締め機構によって金型を型締めする必要がなく、射出成形装置の簡素化および金型製作費の低減を達成するとともに、金型の組立、分解作業が容易で生産性を向上させることができる。また、成形材料の漏出がないため、不良率を低減することができる。
また、Pa/P>0.32の条件を満たす範囲内において金型設計を行うことができるので、設計の自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る射出成形装置の一実施の形態の一部を破断して示す概略構成図である。
【図2】 射出成形用金型の断面図である。
【図3】 底板の上から見た投影面積を示す図である。
【図4】 上型の下から見た投影面積を示す図である。
【図5】 シール面付近の拡大断面図である。
【図6】 第1の下型部材の平面図である。
【図7】 中子の底面図である。
【図8】 (a)〜(d)は図7のA−A線、B−B線、C−C線、D−D線断面図である。
【図9】 冷却のシーケンスを示す図である。
【符号の説明】
8…キャビティ、9…成形材料、20…射出成形装置、22…油圧シリンダ、30…射出成形用金型、31…トランスファポット、32…プッシャ、40…ノズル孔、41a…シール面、44…上型、45…下型、49…湯道、50…スプルー、51…ゲート、53a…シール面、55…第1の下型、56…第2の下型、56b,56c…フランジ、57…中子、61a,63a,63b,65a…シール面、66…冷却機構、67A〜67F…冷却回路、70…支持部材、A,B,C…シール部。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an injection molding apparatus, for example, an injection molding apparatus suitable for use in molding a lining in a measurement pipe of an electromagnetic flow meter, molding a resin pipe, or the like.
[0002]
[Prior art]
An electromagnetic flowmeter that measures the flow rate of a conductive fluid that flows in a measurement tube by using an electromagnetic induction phenomenon prevents a short circuit between an electromotive force generated in the fluid and a measurement tube made of a non-magnetic material such as stainless steel. In addition, the inner peripheral surface, which is usually the wetted surface of the measurement tube, and the surface to which the flange pipes integrally provided at both ends of the measurement tube are connected (hereinafter referred to as the pipe connection end surface) are covered with a lining material. . As the lining material, heat resistance, corrosion resistance, electrical insulation, etc. are required, so insulating materials such as fluorine resin are usually used, and it is formed by injection molding on the inner peripheral surface of the measurement tube and the pipe connection end surface of the flange Is formed by.
[0003]
When molding such a lining measuring tube with a transfer molding machine, load the measuring tube without lining into the mold and heat the mold to a temperature equal to or higher than the melting temperature of the lining material. The prepared lining material is injected under pressure into the mold, and the inner peripheral surface of the measurement tube and the pipe connection end surface of the flange are covered with the lining material.
[0004]
When lining the measuring tube, the fluororesin used as the lining material has poor adhesion to the metal and is easily peeled off from the measuring tube. Therefore, a reinforcing tube usually formed by a perforated plate called a punching plate is placed inside the measuring tube. By attaching this reinforcing tube in advance and covering it with a lining material, the mechanical coupling strength between the lining material and the measuring tube is increased to prevent the lining material from peeling, and the lining caused by temperature changes or pressure changes in the measuring tube. The deformation of the material is prevented (Japanese Patent Publication No. 5-48846, Japanese Patent Publication No. 5-48845, Japanese Utility Model Publication No. 2-28411).
[0005]
In order to form a measuring tube with such a lining using a transfer molding machine, the measuring tube with a reinforcing tube is loaded into the mold, and the mold is heated to a temperature higher than the melting temperature of the lining material. The lining material thus prepared is pressurized and injected into the mold to cover the inner peripheral surface of the measuring pipe and the pipe connection end face of the flange. After the molding material is filled in the cavity, a cooling medium such as compressed air is supplied to the mold to cure the molding material. After the whole is sufficiently cooled and solidified, the molded product is taken out from the mold.
[0006]
As a cooling method for molding materials, for example, a technical report published by DuPont
`` Preliminary Infomation from Plastic Technical Services Laboratryabout DU PONT TEFLON FLUOROCARBON RESIN, DU PONT TEFZEL FLUOROPOLYMERFLUOROCARBONS DIVISION, PLASTICS DEPARTMENT, ETDU PONT DE NEMOURS & CO. (INC.), WILM., DEL.19898 PBI # 36gust What is used for the transfer molding apparatus described in 1) is known. In this transfer molding apparatus, a pipe is passed through the core, and a large number of holes are formed in the peripheral surface of the pipe so as to become rougher as it is farther from the gate side, and a cooling medium is supplied into the core through the holes. By doing so, the core is forcibly cooled from the inside.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
The cooling method in the conventional transfer molding apparatus described above determines the cooling effect (cooling speed) depending on the number and density of holes formed in the pipe. There was a problem that the order and the like could not be freely changed, and the time required for molding became long. Moreover, since it is necessary to prepare pipes having different numbers of holes, density, etc. for each molded product, the types of pipes are increased, and there is a problem that storage, management, replacement work, and the like are troublesome.
[0008]
The present invention has been made to solve the above-described conventional problems. By adopting a multi-stage cooling method and cooling sequentially from a portion far from the gate of the mold toward the gate, the molding material in the cavity is effectively removed. It is an object of the present invention to provide an injection molding apparatus that can cool down and prevent the occurrence of sink marks and striae.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a first invention includes a container having a nozzle hole at the bottom and containing a molten molding material, and a mold filled with the molding material injected from the nozzle hole of the container. An injection molding apparatus comprising: a pusher that pressurizes the molding material in the container; and a thrust imparting unit that imparts thrust in a direction in which the pusher substantially pressurizes the molding material in the container to the pusher or the mold. An apparatus, wherein the mold is composed of an upper mold arranged in a stack and a lower mold with a core;The core has a cylindrical core body and a cylindrical body fitted to the body, and a plurality of groove-shaped cores formed on the outer peripheral surface of the core body and spaced apart in the axial direction.Independent cooling circuits are provided, and the cooling hardening timing of the molding material injected into the cavity is stepped by supplying cooling media sequentially so that the closer to the gate to these cooling circuits, the slower the timing of cooling start. It is intended to be controlled.
In this invention, since the cooling timing of each cooling circuit can be individually controlled so that the molten molding material continues to be supplied with respect to the shrinkage of the molding material due to cooling and hardening, the quality is good without causing sink marks or striae. Can be molded.
[0010]
According to a second invention, in the first invention described above,PusherThen, the molding material in the container is pressed to bring the sealing surfaces of the lower mold and the upper mold into close contact with each other over the entire circumference.
In this invention, since the mold is substantially clamped by bringing the sealing surfaces into close contact with each other by the thrust substantially applied to the pusher in order to pressurize the molding material, it is not necessary to provide a conventional mold clamping means. .
[0011]
According to a third invention, in the first or second invention,The molding material is fluorine resin,The injection pressure of the molding material when pressurized by the pusher is P, and the sealing pressure applied to each sealing surface is Pa.Then,
The following conditions
Pa / P>0.32
Is to hold.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail based on embodiments shown in the drawings.
FIG. 1 is a schematic configuration diagram showing a part of an embodiment of an injection molding apparatus according to the present invention in a cutaway state, FIG. 2 is a sectional view of an injection molding die, and FIG. 3 is a projected area viewed from above a bottom plate. FIG. 4 is a diagram showing a projected area viewed from below the upper mold, FIG. 5 is an enlarged cross-sectional view near the seal surface, FIG. 6 is a plan view of the first lower mold member, and FIG. 8A to 8D are sectional views taken along lines AA, BB, CC, and DD in FIG. This embodiment shows an example applied to a pot type vertical
[0013]
In FIG. 1, a
[0014]
The
[0015]
The
[0016]
The
[0017]
The injection molding die 30 is constituted by an
[0018]
The
[0019]
When the
[0020]
The
[0021]
The first
[0022]
As the second
[0023]
On the pipe connection end faces of the
[0024]
A surface outside the
[0025]
The
[0026]
A plurality of
[0027]
Such an
[0028]
2 and 6 to 9, the cooling mechanism 66 of the
[0029]
The second to
[0030]
In FIG. 6, the second
[0031]
In FIG. 2, the sixth cooling circuit 67 </ b> F has an annular groove 98 formed in the
[0032]
The first to sixth cooling circuits 67 </ b> A to 67 </ b> F are configured such that the compressed air is sequentially supplied from the air supply source by the switching operation of the solenoid valve, so By cooling sequentially toward 51, the cooling and hardening timing of the
[0033]
In order to mold the measuring pipe of the electromagnetic flow meter by lining the inner peripheral surface of the second
[0034]
While the
[0035]
When the
[0036]
The force Fl that the
Fn = P · Sn = Fl · Sn / Sl
[0037]
On the contrary, an upward thrust (force for pulling the
Fm = P · Sm = Fl · Sm / Sl
[0038]
Therefore, the force F by which the
F = Fn−Fm
It becomes.
When Fn becomes smaller than Fm, the pressing force F becomes negative, so that the
When the area of the seal part A is Sa and the pressure (seal pressure) generated in the seal part A is Pa, the seal pressure Pa is
Pa = (Fn−Fm) / Sa = (Sn−Sm) P / Sa
= Fl. (Sn-Sm) /Sl.Sa
It becomes.
[0039]
Here, how much the weight of the
[0040]
In order to prevent leakage of the
As is clear from the above formula, if the thrust of the
[0041]
Here, the concept of seal ratio K is introduced. That is, K = Pa / P = (Fn−Fm) / Sa · P = (Sn−Sm) / Sa
The seal ratio K is a dimensionless numerical value determined when the
[0042]
After the injection of the
[0043]
FIG. 9 shows a cooling procedure for the
[0044]
In actual cooling, the
[0045]
Next, compressed air is supplied to the
[0046]
When the
[0047]
【Example】
When PFA resin 450HP-J manufactured by Mitsui DuPont Fluorochemical Co. is used as the
[0048]
In the above description, the case where the
[0049]
Therefore, in order to solve such a problem, an embodiment in the case where the
In the present embodiment, the
[0050]
The
[0051]
The connecting
[0052]
In the
[0053]
Next, the seal ratio K in the
The
[0054]
[Expression 1]
[0055]
[Expression 2]
[0056]
here,
P is injection pressure
Sn is the projected area viewed from above the bottom plate
Sm is the projected area viewed from below the upper mold
Sa is the seal area
Sr is the cross-sectional area of the support member (support member body)
Sp is the cross-sectional area of the second lower mold
Fn is the downward force generated by the injection pressure (= P · Sn)
Fm is the force to push up the mold by the injection pressure (= P · Sm)
Fr is the force applied to the support member
Fp is the force applied to the second lower mold
Lp is the length between the flanges of the second lower mold
Lr is the length of the support member
Δl is the amount of shrinkage of the support member
E is the Young's modulus of the support member (assuming the same as the Young's modulus of the second lower mold)
n is the number of support members.
It is assumed that the
[0057]
Considering the balance of power
(Fn−Fm) = nFr + Fp (2)
When the above equation (A) is substituted into equation (2)
[0058]
[Equation 3]
[0059]
The seal ratio K is obtained using the above equation (B). The seal pressure Pa is expressed by the following formula.
[0060]
[Expression 4]
The seal ratio K is obtained by dividing both sides of the above equation (4) by P.
[Equation 5]
[0061]
[Formula 6]
[0062]
The previous term of the above equation (6) is a normal seal ratio, the latter term is a decrease by the support member, and the reduction ratio of the seal ratio is expressed by the following equation.
[0063]
[Expression 7]
[0064]
According to such an
[0065]
In addition, by providing a cooling mechanism 66 including first to
Further, since it is only necessary to control the timing and supply time of the compressed air supplied to the first to
[0066]
In the above-described embodiment, an example is shown in which the present invention is applied to the
Moreover, in this Embodiment, although the cooling mechanism 66 was comprised by six
Further, in the above embodiment, the
Furthermore, in the above-described embodiment, since the molded product is a measurement tube, the
[0067]
【The invention's effect】
As described above, since the injection molding apparatus according to the present invention can arbitrarily control the timing of cooling and hardening of the molding material injected into the cavity, it does not cause sink marks or striae and is a high-quality molded product. Can be molded.
[0068]
Also,PusherThe surface pressure is generated on the sealing surfaces of the lower mold and the upper mold by using the force that presses the molding material, preventing the molding material made of fluororesin from leaking outside. There is no need to clamp the mold with a hydraulic mold clamping mechanism, simplifying the injection molding device and reducing the mold production cost, as well as facilitating assembly and disassembly of the mold and improving productivity. Can do. Further, since there is no leakage of the molding material, the defect rate can be reduced.
In addition, since the mold design can be performed within a range satisfying the condition of Pa / P> 0.32, the degree of freedom in design can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic configuration diagram showing a part of an embodiment of an injection molding apparatus according to the present invention in a cutaway manner.
FIG. 2 is a cross-sectional view of an injection mold.
FIG. 3 is a diagram showing a projected area viewed from above the bottom plate.
FIG. 4 is a diagram showing a projected area viewed from below the upper mold.
FIG. 5 is an enlarged cross-sectional view of the vicinity of a seal surface.
FIG. 6 is a plan view of a first lower mold member.
FIG. 7 is a bottom view of the core.
8A to 8D are cross-sectional views taken along lines AA, BB, CC, and DD in FIG.
FIG. 9 is a diagram showing a cooling sequence.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (3)
前記金型を積層配置された上型と中子を備えた下型とで構成し、前記中子は円柱状の中子本体と、この本体に嵌合する円筒体とを有し、前記中子本体の外周面に、軸線方向に離間して形成された複数の溝形の互いに独立した冷却回路をそれぞれ設け、これらの冷却回路にゲートに近いものほど冷却開始の時期が遅くなるように順次冷却媒体を供給することによりキャビティ内に注入された成形材料の冷却硬化の時期を段階的に制御するようにしたことを特徴とする射出成形装置。A container having a nozzle hole at the bottom and containing a molten molding material; a mold filled with the molding material injected from the nozzle hole of the container; and a pusher for pressurizing the molding material in the container; An injection molding apparatus comprising: a thrust applying unit that applies a thrust in a direction in which the pusher substantially pressurizes the molding material in the container to the pusher or the mold,
The mold is composed of an upper mold arranged in a stacked manner and a lower mold having a core, and the core has a cylindrical core body and a cylindrical body fitted to the body, and the core A plurality of groove-shaped independent cooling circuits are formed on the outer peripheral surface of the child main body so as to be spaced apart from each other in the axial direction, and the cooling start time is sequentially delayed as the cooling circuit is closer to the gate. An injection molding apparatus characterized in that a cooling medium is supplied step by step to control the timing of cooling and hardening of the molding material injected into the cavity.
前記プッシャで前記容器内の成形材料を加圧することにより前記下型と前記上型とのシール面を全周にわたって互いに密接させることを特徴とする射出成形装置。The injection molding apparatus according to claim 1, wherein
An injection molding apparatus, wherein the molding material in the container is pressed by the pusher to bring the sealing surfaces of the lower mold and the upper mold into close contact with each other over the entire circumference.
成形材料が弗素樹脂であり、プッシャによって加圧されたときの成形材料の射出圧をP、各シール面に加わるシール圧をPaとすると、
以下の条件
Pa/P>0.32
が成り立つことを特徴とする射出成形装置。The injection molding apparatus according to claim 1 or 2,
When the molding material is a fluorine resin, the injection pressure of the molding material when pressed by the pusher is P, and the sealing pressure applied to each sealing surface is Pa .
The following conditions Pa / P> 0.32
An injection molding device characterized in that
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