JP4183378B2 - Direct acting valve gear for internal combustion engine - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、内燃機関に設けられた吸気または排気を司る機関弁である吸気弁または排気弁の弁作動特性を選択的に切り換える切換手段を備えた内燃機関の直動式動弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関の吸気弁または排気弁の弁作動特性を選択的に切り換える切換手段を備えた動弁装置として、本出願人による出願である特願2000−189489号に開示されたものがある。この先願の動弁装置は、吸気カム軸に設けられ、カムプロフィールが異なる複数のカムである低速カムと高速カムとが隣接して設けられた吸気可変カム部を有する吸気カム駒と、排気カム軸に設けられ、カムプロフィールが異なる複数のカムである低速カムと高速カムとが隣接して設けられた排気可変カム部を有する排気カム駒と、吸気可変カム部および排気可変カム部の低速カムまたは高速カムに当接する吸気ロッカアームおよび排気ロッカアームと、カム軸に対して移動自在な吸気カム駒および排気カム駒を、カム軸の回転軸線方向に移動させる駆動機構とを備える。そして、吸気カム駒および排気カム駒が前記回転軸線方向に移動することで、吸気カム駒および排気カム駒の低速カムまたは高速カムに選択的に当接して揺動される吸気ロッカアームおよび排気ロッカアームにより、吸気弁および排気弁が、それぞれ低速カムまたは高速カムのカムプロフィールに応じて作動される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記先願には、動弁装置は直動式のものであってもよい旨の開示があり、それによって、高速回転時の吸気弁および排気弁の作動応答性が向上し、また動弁室の高さを低くできて内燃機関がコンパクトとなる等の利点が得られる。しかしながら、直動式動弁装置において、カムプロフィールの異なる複数のカムが隣接して設けられた吸気カム駒および排気カム駒により、それぞれ吸気弁および排気弁を作動させるに当たっては、吸気弁(または排気弁)のバルブリフタ、と吸気可変カム部(または排気可変カム部)の、該バルブリフタと当接していないカム、特に低速カムに比べて大きな突出量で突出した高速カムとの干渉や、該バルブリフタと、各カム駒をカム軸の回転軸線方向に移動させる駆動機構との干渉を、動弁装置を大型化することなく、いかにして回避するかが問題となる。
【0004】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1ないし請求項5記載の発明は、カムプロフィールの異なる複数のカムがカム軸の回転軸線方向に設けられたカム駒および切換手段を合わせたときの該回転軸線方向での寸法を小さくすることが可能となって、コンパクトでかつ軽量な直動式動弁装置を提供することを共通の目的とする。さらに、請求項1〜5記載の発明は、バルブリフタを軽量化すると共に機関弁の潤滑を容易にする直動式動弁装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本願の請求項1記載の発明は、カム軸と共に回転するカム駒であって、カムプロフィールの異なる複数のカムが前記カム軸の回転軸線方向に隣接して設けられたカム部を有するカム駒と、前記カム部と内燃機関の吸気または排気を司る機関弁との間に配置されたバルブリフタと、前記カム部の、前記バルブリフタに摺接するカムを選択的に切り換える切換手段とを備え、前記機関弁が摺接する前記カムのカムプロフィールに応じて作動される内燃機関の直動式動弁装置において、前記バルブリフタには、前記カム部の、前記バルブリフタに対して非接触状態にあるカムに対する逃げ用の切欠部が設けられ、前記切欠部は、前記バルブリフタを貫通して内側と外側とを連通させる孔により形成される内燃機関の直動式動弁装置である。
【0006】
この請求項1記載の発明によれば、カム駒の、バルブリフタに摺接するカムに隣接する非接触状態にあるカムは、バルブリフタと干渉することなく、バルブリフタの切欠部を通過して回転する。その結果、次の効果が奏される。すなわち、カムプロフィールの異なる複数のカムが隣接して設けられたカム駒の一つのカムがバルブリフタと摺接して機関弁を作動させるとき、該摺接するカムに隣接するカムはバルブリフタの切欠部を通過するので、該摺接するカムに隣接するカムの少なくとも一部を、バルブリフタのカム軸の回転軸線方向での幅の範囲内に位置させることが可能となって、カム駒の前記回転軸線方向での幅を小さくすることができて、動弁装置がコンパクトでかつ軽量になり、ひいては内燃機関がコンパクトでかつ軽量になる。さらに、カム駒の前記回転軸線方向での寸法が小さいことで、同一シリンダに対して、吸気または排気を司る複数の機関弁が設けられる場合にも、限られたシリンダのボア径の範囲内で、それら複数の機関弁に対するカム駒の適用が容易であり、そのうえ、カム駒に3以上のカムを設けることも容易になる。
さらに、バルブリフタに設けられた孔からなる切欠部を通じて、バルブリフタの外側の潤滑油がバルブリフタの内側に侵入して、バルブリフタの内側に配置される弁ばね、リテーナおよび機関弁の摺動部に潤滑油が容易に供給される。また、孔が形成されることで、バルブリフタの一部が切除されるため、バルブリフタが軽量となる。その結果、切欠部を通じてバルブリフタの内側の摺動部に潤滑油を容易に供給できるので、該摺動部の耐久性が向上する。さらに、切欠部の形成によりバルブリフタの一部が切除されるため、バルブリフタが軽量化され、ひいては内燃機関の軽量化ができる。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の内燃機関の直動式動弁装置において、前記カム駒は前記カム軸に対して前記回転軸線方向に移動自在であり、前記切換手段は、前記カム部の前記回転軸線方向での側面に当接する操作部材と、該操作部材を介して前記カム駒を前記回転軸線方向に移動させて、前記バルブリフタに摺接する前記カムを切り換える駆動部材とを備え、前記バルブリフタには、前記操作部材に対する逃げ用の切欠部が設けられた内燃機関の直動式動弁装置である。
【0008】
この請求項2記載の発明によれば、操作部材は、カム部の前記回転軸線方向での側面において、カムのベース円部よりも径方向外方に突出する位置で当接したとしても、切欠部内に位置するので、バルブリフタと接触することはない。その結果、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、カム部の側面に当接する操作部材は、バルブリフタと接触することなく、しかもカム部の側面において、カムのベース円部よりも径方向内側のみで当接させる必要がないうえ、カムのベース円部よりも径方向外方に突出する位置で該側面に当接したとしても、操作部材をバルブリフタのカム軸の回転軸線方向での幅の範囲内に位置させることが可能となって、カム駒と操作部材を有する切換手段と合わせた前記回転軸線方向での幅を小さくすることができて、動弁装置がコンパクトでかつ軽量になり、ひいては内燃機関がコンパクトでかつ軽量になる。さらに、カム部の側面をバルブリフタの前記回転軸線方向での幅の範囲内に位置させることができるため、カム部の側面に当接する操作部材を有する切換手段が、カム駒の回転軸線方向での幅の短縮化による動弁装置のコンパクト化を妨げることがない。また、カム部の側面での操作部材の当接部分を設定するに当たり、操作部材とバルブリフタとの位置関係からの制約が少なくなり、操作部材の配置の自由度、ひいては切換手段の配置の自由度が大きくなる。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の内燃機関の直動式動弁装置において、前記操作部材に対する逃げ用の前記切欠部は、前記バルブリフタを貫通して内側と外側とを連通させる孔により形成されるものである。
【0010】
この請求項3記載の発明によれば、バルブリフタに設けられた孔からなるカムに対する逃げ用切欠部および操作部材に対する逃げ用の切欠部を通じて、バルブリフタの外側の潤滑油がバルブリフタの内側に侵入して、バルブリフタの内側に配置される弁ばね、リテーナおよび機関弁の摺動部に潤滑油が容易に供給される。また、孔が形成されることで、バルブリフタの一部が切除されるため、バルブリフタが軽量となる。その結果、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、切欠部を通じてバルブリフタの内側の摺動部に潤滑油を容易に供給できるので、該摺動部の耐久性が向上する。さらに、切欠部の形成によりバルブリフタの一部が切除されるため、バルブリフタが軽量化され、ひいては内燃機関の軽量化ができる。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1または請求項3記載の内燃機関の直動式動弁装置において、前記切欠部は、前記バルブリフタの頂壁から前記回転軸線方向での両側でバルブリフタの側壁に渡って、前記頂壁の一部および前記側壁の一部が切除されて形成された1対の切欠部であるものである。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の内燃機関の直動式動弁装置において、前記バルブリフタの前記頂壁は、前記1対の切欠部の間を前記頂壁の直径方向に延びるブリッジ状のスリッパ部を形成し、前記カムが摺接する前記スリッパ部の摺接面は、前記回転軸線方向から見たとき、前記カム部に向かって凸となる円弧になっているものである。
この請求項5記載の発明によれば、引用された請求項記載の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、スリッパ部の摺接面が、カム部に向かって凸となる円弧になっていることから、それら摺接面が平面である場合に比べてバルブリフタの径を小さくすることができ、シリンダヘッドを小型化できる。また、スリッパ部の側方に貫通孔からなる1対の切欠部が設けられるにも拘わらず、スリッパ部の必要な剛性を、スリッパ部を厚肉にするなどの重量増を招くことなく、軽量化を達成しつつ確保できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施例を図1ないし図8を参照して説明する。
本願発明の直動式動弁装置が適用される内燃機関Eは、車両に搭載されるDOHC型の直列4気筒4サイクル内燃機関であり、図1に図示されるように、該内燃機関Eは、4つのシリンダ1(図1ではその1つが示されている)が一体化されたシリンダブロック2の上面にシリンダヘッド3が、さらにシリンダヘッド3の上面にヘッドカバー4がそれぞれ組み付けられる。各シリンダ1のボア1a内に往復動自在に嵌合されたピストン5は、コンロッド(図示されず)を介してクランク軸(図示されず)に連結され、該クランク軸に同期して1/2の減速比で回転駆動される吸気カム軸6および排気カム軸7が、シリンダ配列方向に互いに平行に配置され、シリンダヘッド3にボルトにより固定される5つのカムホルダ8(図1ではその1つが示されている)に回転自在に支持される。それらのカムホルダ8は、前記シリンダ配列方向の両端部および隣り合うシリンダ1の間に配置され、各カムホルダ8は、吸気カム軸6の回転軸線L1および排気カム軸7の回転軸線L2を含む平面で上下に分割された1対の上カムホルダ8Uおよび下カムホルダ8Lからなる。
【0014】
シリンダヘッド3には、シリンダ1毎に、ピストン5との間に燃焼室9が形成されると共に、燃焼室9に開口する1対の吸気口を有する吸気ポート10および1対の排気口を有する排気ポート11が設けられ、さらに前記1対の吸気口をそれぞれ開閉して、内燃機関Eの吸気を司る1対の機関弁である第1吸気弁12aおよび第2吸気弁12b(図2参照)と、前記1対の排気口をそれぞれ開閉して、内燃機関Eの排気を司る1対の機関弁である第1排気弁13aと第2排気弁(図示されず)とが弁ガイド14a,15aに摺動自在に設けられる。そして、第1,第2吸気弁12a,12bおよび第1排気弁13a,第2排気弁は、それぞれ、その弁ステム16a,17aの上端部に設けられたリテーナ18a,18b,19aとシリンダヘッド3との間に圧縮状態で装着された弁ばね20a,20b,21aによって、閉弁方向に付勢される。また、シリンダヘッド3には、燃焼室9内の略中央に臨む点火栓22が螺着される。
【0015】
シリンダヘッド3とヘッドカバー4との間に形成された動弁室23には、吸気弁12a,12bおよび排気弁13aを開閉作動させるための直動式動弁装置Vが収納される。この動弁装置Vは、吸気カム軸6、吸気カム駒30、吸気バルブリフタ32a,32b、および吸気カム駒30を吸気カム軸6の回転軸線L1方向に移動させる吸気側切換手段としての油圧式の吸気側駆動機構MINを備える吸気側動弁装置VINと、排気カム軸7、排気カム駒31、排気バルブリフタ33a、および排気カム駒31を排気カム軸7の回転軸方向に移動させる排気側切換手段としての油圧式の排気側駆動機構MEXを備える排気側動弁装置VEXとからなる。そして、吸気側動弁装置VINおよび排気側動弁装置VEXは、基本的に同一の構成を有するものであるので、以下の説明では、吸気側動弁装置VINを中心に説明する。
【0016】
図2も併せて参照すると、吸気カム軸6には、シリンダ1毎に、吸気カム軸6が貫通する軸孔34を有する吸気カム駒30が、吸気カム軸6に対して回転軸線L1方向に摺動して移動自在に、かつ回転方向に吸気カム軸6と共に一体に回転するようにスプライン結合される。そのため、この実施例では、吸気カム駒30の内周面には、回転軸線L1方向の全長に渡って、3条の凹溝35が周方向に等間隔で、かつ回転軸線L1と平行に設けられ、吸気カム軸6の外周面には、回転軸線L1方向に吸気カム駒30の移動範囲に等しい長さに渡って、3条の凹溝35にそれぞれ係合する3条の突条36が設けられる。
【0017】
吸気カム駒30には、回転軸線L1方向に直列にかつ離隔して第1吸気カム部37aおよび第2吸気カム部37bとが設けられ、第1,第2吸気カム部37a,37bには、それぞれカムプロフィールの異なる低速カム38a,38bと高速カム39a,39bとが回転軸線L1方向に隣接して一体に設けられる。すなわち、各低速カム38a,38bは、吸気カム軸6の径方向(以下、単に「径方向」という)に比較的小さい突出量で、その周方向に所定の作動角を有するノーズ部と、ベース円部とから構成されるカムプロフィールを有し、各高速カム39a,39bは、径方向の突出量が低速カム38a,38bのノーズ部の突出量より大きく、かつ低速カム38a,38bの作動角よりも大きい作動角を有するノーズ部と、低速カム38a,38bのベース円部と等しい径方向の突出量を有するベース円部とから構成されるカムプロフィールを有する。
【0018】
さらに、吸気カム駒30には、低速カム38a,38bおよび高速カム39a,39bのベース円部よりも薄い径方向の厚さを有し、吸気カム駒30の、回転軸線L1方向での一側面を構成する第1吸気カム部37aの低速カム38a側の第1側面40a、および回転軸線L1方向での他側面を構成する第2吸気カム部37bの高速カム39b側の第2側面40bの両側面からそれぞれ回転軸線L1方向に延びる第1円筒部41aおよび第2円筒部41bが設けられる。
【0019】
また、吸気カム駒30よりも下方において、シリンダ1毎に、第1吸気カム部37aと第1吸気弁12aとの間には第1吸気バルブリフタ32aが配置され、第2吸気カム部37bと第2吸気弁12bとの間には第2吸気バルブリフタ32bが配置される。そして、第1,第2吸気バルブリフタ32a,32bは、シリンダヘッド3に設けられたリフタ孔に、それぞれ弁ステム16a,16bの軸線方向に摺動自在に嵌合される。
【0020】
各吸気バルブリフタ32a,32bは、下端が開放し、上端に頂壁を有する円筒を、該円筒の軸線を含み、かつ吸気カム軸6の回転軸線L1と直交する直交平面に関して面対称となるように、頂壁から回転軸線L1方向での両側で、該円筒の長さの略中央までの側壁を切除した形状を有する。したがって、各吸気バルブリフタ 32a , 32b の頂壁から回転軸線 L1 方向での両側で各吸気バルブリフタ 32a , 32b の側壁に渡って、頂壁の一部および側壁の一部が切除されたことにより形成される1対の切欠部42a1,42a2,42b1,42b2は、各吸気バルブリフタ32a,32bの外側と内側を連通する貫通孔となっており、この貫通孔を通じて動弁室23に供給された潤滑油が、各吸気バルブリフタ32a,32bの内側に侵入して、弁ばね20a,20b、リテーナ18a,18bおよび弁ステム16a,16bの摺動部を潤滑する。
【0021】
そして、頂壁の残された部分は、低速カム38a,38bおよび高速カム39a,39bが摺接するブリッジ形状のスリッパ部43a,43bを形成し、前記直交平面と平行に延びる両側端面を有して1対の切欠部 42a1 , 42a2 , 42b1 , 42b2 の間を頂壁の直径方向に延びている。このスリッパ部43a,43bは、低速カム38a,38bおよび高速カム39a,39bの回転軸線L1方向での幅よりもやや小さい回転軸線L1方向での幅を有し、その外表面である摺接面43a1,43b1は、頂壁の外表面が、吸気カム軸6の回転軸線L1と平行で、かつ前記円筒の軸線を含む平面上に軸線を有すると共に、各吸気カム部37a,37bに向かって凸となる円筒面からなる曲面をなすことから、回転軸線L1方向から見たとき、各吸気カム部37a,37bに向かって凸となる円弧になっている。
【0022】
また、切欠部42a2,42b2は、図3に図示されるように、第1,第2吸気カム部37a,37bの低速カム38a,38bがスリッパ部43a,43bに摺接しているとき、低速カム38a,38bのノーズ部よりも大きく径方向に突出する高速カム39a,39bのノーズ部が、第1,第2吸気バルブリフタ32a,32bとそれぞれ接触することなく通過する大きさに設定されて、高速カム39a,39bに対する逃げのための切欠部となっている。そして、両吸気カム部37a,37bの回転軸線L1方向での幅、すなわち低速カム38a,38bおよび高速カム39a,39bの回転軸線L1方向での幅の合計は、各吸気バルブリフタ32a,32bの回転軸線L1方向での幅よりも小さくされる。さらに、切欠部42a1,42a2,42b1,42b2内には、切欠部42a2,42b2を通過する高速カム39a,39bのノーズ部の最大突出部に近接した位置にリテーナ18a,18bが位置するようにされて、弁ステム16a,16bの端部とスリッパ部43a,43bの摺接面43a1,43b1との間の間隔を極力小さくして、動弁装置Vのコンパクト化を図っている。
【0023】
さらに、図1および図2を参照すると、第1,第2吸気バルブリフタ32a,32bの側壁には、前記リフト孔の周壁面に弁ステム16a,16bの軸線に平行に延びて形成された第1案内溝24aおよび第2案内溝にそれぞれ係合する第1ピン44aおよび第2ピン44bが設けられる。第1案内溝24aおよび第2案内溝は、第1ピン44aおよび第2ピン44bとの係合により各吸気バルブリフタ32a,32bの回り止めを行う一方で、吸気バルブリフタ32a,32bの弁ステム16a,16bの軸線方向への往復動を許容する。また、排気バルブリフタにも、シリンダヘッド3に形成された案内溝に係合するピンが設けられ、図1には、第1案内溝25aおよび第1ピン45aが示されている。
【0024】
それゆえ、吸気側駆動機構MINにより回転軸線L1方向に移動される吸気カム駒30により、第1,第2吸気カム部37a,37bの低速カム38a,38bおよび高速カム39a,39bがスリッパ部43a,43bに選択的に摺接し、第1,第2吸気弁12a,12bは、低速カム38a,38bまたは高速カム39a,39bにより押圧される第1,第2吸気バルブリフタ32a,32bを介して、摺接するカムのカムプロフィールに応じて作動して、それぞれのカムのノーズ部で設定されるリフト量および開閉時期で、前記吸気口を開閉する。
【0025】
次に、図2、図5および図6を参照して、シリンダ1毎に設けられる吸気側駆動機構MINについて説明すると、該吸気側駆動機構MINは、吸気カム駒30の両側方にそれぞれ位置して隣り合う上カムホルダ8Uの互いに対向する向きに突出したボス部において、吸気カム軸6よりもシリンダ1の中心軸線寄りに互いに対向して設けられた円柱状の凹部を有する第1シリンダ部51aおよび第2シリンダ部51bと、該両シリンダ部51a,51bに両端部がそれぞれ摺動自在に嵌合して支持される円柱状の第1ピストン部52aおよび第2ピストン部52bを有する可動部材としての複動型の駆動ピストン50と、駆動ピストン50の中心軸線方向の延びて両ピストン部52a,52bを連結する連結部53において、該連結部53と共に両ピストン部52a,52bと一体成形されて連結部53から吸気カム軸6に向かって延びる操作部材である1対のアーム54a,54bとを備える。ここで、駆動ピストン50の中心軸線は、吸気カム軸6の回転軸線L1と平行であり、しかも第1,第2シリンダ部51a,51bのそれぞれの中心軸線と一致している。
【0026】
そして、第1ピストン部52aと第1シリンダ部51aとの間には第1油圧室55aが、また第2ピストン部52bと第2シリンダ部51bとの間には第2油圧室55bが、それぞれ形成され、駆動ピストン50は、両油圧室55a,55bに供給される作動油の油圧に応じた駆動力を受けて、駆動ピストン50の中心軸線に沿って往復動する。
【0027】
駆動ピストン50の中心軸線方向に、吸気カム駒30における第1側面 40a と第2側面 40 との、回転軸線L1方向での間隔よりも僅かに大きな間隔をおいて設けられた1対のアーム54a,54bは、第1側面40aの側方に位置する第1アーム54aと、第2側面40bの側方に位置する第2アーム54bからなる。そして、第1,第2アーム54a,54bは、第1,第2円筒部41a,41bをそれぞれ円弧状に囲む二股となったフォーク状の1対の操作部56a1,56a2および1対の操作部56b1,56b2をそれぞれ備える。
【0028】
第1アーム54aの両操作部56a1,56a2の先端部は、第1吸気カム部37aの低速カム38aの第1側面40aに当接すると共に第1円筒部41aの外周面に当接する1対の第1当接部57a1,57a2をそれぞれ有し、両第1当接部57a1,57a2は、回転軸線L1からの距離が等しい位置で、かつ吸気カム軸6の直径方向に対向する位置で第1側面40aおよび第1円筒部41aの外周面に当接する。同様に、第2アーム54bの両操作部56b1,56b2の先端部は、第2吸気カム部37bの高速カム39bの第2側面40bに当接すると共に第2円筒部41bの外周面に当接する1対の第2当接部57b1,57b2をそれぞれ有し、両第2当接部57b1,57b2は、回転軸線L1からの距離が等しい位置で、かつ吸気カム軸6の直径方向に対向する位置で第2側面40bおよび第2円筒部41bの外周面に当接する。
【0029】
また、駆動ピストン50において、第1アーム54aと第2アーム54bとの間の部分には、回転する両低速カム38a,38bおよび両高速カム39a,39bが連結部53に食い込んだ状態で、それら低速カム38a,38bおよび高速カム39a,39bの通過を許容する湾曲した凹部57(図1も参照)が設けられる。
【0030】
次に、吸気側駆動機構MINの油圧系統について説明すると、内燃機関Eに設けられてクランク軸の動力により駆動されるオイルポンプの吐出路に、シリンダブロック2、シリンダヘッド3およびカムホルダ8に設けられて第1油圧室55aに開口部58aを有する作動油路(図示されず)が連通され、該作動油路に設けられた第1制御弁(図示されず)により、第1油圧室55aの作動油圧が高油圧または低油圧に制御される。同様に、第2油圧室55bに開口部58bを有する第2作動油路(図示されず)に設けられた第2制御弁(図示されず)により、第2油圧室55bの作動油圧が高油圧または低油圧に制御される。
【0031】
第1,第2制御弁は、図示されない機関運転状態センサである回転速度センサにより検出された信号が入力される制御装置(図示されず)によりその作動が制御される。すなわち、内燃機関Eの所定回転速度以下の低速回転域において、第1制御弁は、第1油圧室55a内の作動油が高油圧となるように作動油の油圧を制御し、第2制御弁は、第2油圧室55b内の作動油が低油圧となるように作動油の油圧を制御する。このため、第1油圧室55a内の油圧と第2油圧室55b内の油圧との油圧差により、駆動ピストン50は吸気カム駒30を軸方向に移動させて、該吸気カム駒30は、両低速カム38a,38bが第1,第2吸気バルブリフタ32a,32bのスリッパ部43a,43bに摺接する、図5に図示される低速位置を占める。このとき、図3に図示されるように、第1吸気カム部37aの低速カム38aの第1側面40aに当接して、第1円筒部41aを囲む1対の操作部56a1,56a2のうち、第1吸気バルブリフタ32a寄りの操作部56a2および当接部57a2は、低速カム38aのベース円部よりも径方向に突出しているにも拘わらず、切欠部42a1に位置するため、第1吸気バルブリフタ32aと接触することがない。それゆえ、切欠部42a1は、操作部56a2および当接部57a2、ひいては第1アーム54aに対する逃げのための切欠部ともなっている。
【0032】
そして、内燃機関Eの回転速度が前記所定回転速度を越えて高速回転域になると、第1制御弁は、第1油圧室55aが低油圧となるように作動油の油圧を制御し、第2制御弁は、第2油圧室55bが高油圧となるように作動油の油圧を制御する。このため、第1油圧室55a内の油圧と第2油圧室55b内の油圧との油圧差により、駆動ピストン50INは吸気カム駒30を軸方向に移動させて、該吸気カム駒30は、両高速カム39a,39bが第1,第2吸気バルブリフタ32a,32bのスリッパ部43a,43bに摺接する、図6に図示される高速位置を占める。そして、このとき、図4に図示されるように、第2吸気カム部37bの高速カム39bの第2側面40bに当接して、第2円筒部41bを囲む1対の操作部56b1,56b2のうち、第2吸気バルブリフタ32b寄りの操作部56b2および当接部57b2は、高速カム39bのベース円部よりも径方向に突出しているにも拘わらず、切欠部42b2に位置するため、第2吸気バルブリフタ32bと接触することがない。それゆえ、切欠部42b2は、操作部56b2および当接部57b2、ひいては第2アーム54bに対する逃げのための切欠部ともなっている。
【0033】
ここで、第1,第2吸気バルブリフタ32a,32bの、低速カム38a,38bの摺接よる押圧から高速カム39a,39bの摺接による押圧への移行、および高速カム39a,39bの摺接よる押圧から低速カム38a,38bの摺接による押圧への移行は、スリッパ部43a,43bの接触部が、低速カム38a,38bのベース円部または高速カム39a,39bのベース円部に摺接している時期に行われるように、駆動ピストン50が受ける駆動力が設定される。
【0034】
また、図5および図6に図示されるように、隣り合うシリンダ1の間に位置するカムホルダ8には、該カムホルダ8の回転軸線L1方向での中央点を通り、かつ該回転軸線L1に直交する平面に関して、同図の右側にあるシリンダ1に属する第1油圧室55aと、上カムホルダ8Uを挟んでその左側にあるシリンダ1に属する第1油圧室55aとが、面対称となるように配置され、両油圧室55a,55aで作動油路が共用されている。このことは、隣り合うシリンダ1間に位置する他のカムホルダ8およびシリンダ1に属する動弁装置Vの構成要素についても同様である。
【0035】
なお、排気側動弁装置VEXの排気側駆動機構MEXの油圧系統も、前述の吸気側駆動機構MINと同様にして、制御された作動油が供給されるようになっている。
【0036】
次に、図3ないし図6を参照して、前述のように構成された実施例の作用について説明する。
内燃機関Eの運転が開始されてオイルポンプが作動している状態で、内燃機関Eの回転速度が前記所定回転速度以下の低速回転域にあるとき、吸気側動弁装置VINでは、制御装置の指令により、第1制御弁は、第1油圧室55a内の作動油が高油圧となるように作動し、同時に第2制御弁は、第2油圧室55b内の作動油が低油圧となるように作動する。そのため、吸気側駆動機構MINの駆動ピストン50は、内燃機関Eの運転開始前の状態でもある図5に図示される低速位置を占める。そのため、吸気カム駒30の第1,第2吸気カム部37a,37bの低速カム38a,38bが、第1,第2吸気バルブリフタ32a,32bのスリッパ部43a,43bにそれぞれ摺接する。そして、排気側駆動機構MEXの駆動ピストンも吸気側駆動機構MINと同様に、内燃機関Eの運転開始前の状態でもある低速位置を占める。それゆえ、各シリンダ1における第1,第2吸気弁12a,12b、第1排気弁13aおよび第2排気弁は、低速回転域の弁作動特性に適合した小リフト量、開閉時期および短い開弁期間で開閉される。また、このとき、図3に図示されるように、低速カム38a,38bのノーズ部よりも大きく径方向に突出する高速カム39a,39bのノーズ部は、第1,第2吸気バルブリフタ32a,32bとそれぞれ接触することなく、切欠部42a2,42b2を通過して回転する。そして、第1吸気バルブリフタ32a寄りの操作部56a2および当接部57a2は、低速カム38aのベース円部よりも径方向に突出しているにも拘わらず、切欠部42a1に位置するため、第1吸気バルブリフタ32aと接触することがない。また、このことは、排気側動弁装置VEXにおいても同様である。
【0037】
そして、内燃機関Eの回転速度が前記所定回転速度を越えて、高速回転域に移行すると、制御装置からの指令により、第1制御弁は、第1油圧室55a内の作動油が低油圧となるように作動し、同時に第2制御弁は、第2油圧室55b内の作動油が高油圧となるように作動する。そのため、吸気側駆動機構MINの駆動ピストン50は、低速位置から、図6に図示される高速位置に移動する駆動力を受ける。
【0038】
このとき、第1,第2吸気バルブリフタ32a,32bのスリッパ部43a,43bが低速カム38a,38bのベース円部に摺接していれば、駆動ピストン50が、直ちに移動し、同時に第2アーム54bの1対の当接部57b1,57b2を介して駆動力が作用する吸気カム駒30は回転軸線L1方向に移動し、吸気カム駒30は、図6に図示されるように、高速カム39a,39bが第1,第2吸気バルブリフタ32a,32bに摺接する位置を占める。
【0039】
また、駆動ピストン50が、低速位置から高速位置に移動する駆動力を受けたとき、各スリッパ部43a,43bが低速カム38a,38bのノーズ部に摺接していれば、その後の吸気カム軸6の回転により、各スリッパ部43a,43bが低速カム38a,38bのベース円部に摺接した直後に駆動ピストン50が高速位置に向けて移動し、同時に第2アーム54a,54bの当接部57b1,57b2を介して駆動力が作用する吸気カム駒30は、高速カム39a,39bが各スリッパ部43a,43bに摺接する高速位置に向けて回転軸線L1方向に移動する。そのため、高速回転域では、吸気カム駒30の第1,第2吸気カム部37a,37bの高速カム39a,39bが、第1,第2吸気バルブリフタ32a,32bのスリッパ部43a,43bにそれぞれ摺接する。そして、排気側駆動機構MEXの駆動ピストンも吸気側駆動機構MINと同様に、高速位置を占める。それゆえ、各シリンダ1における第1,第2吸気弁12a,12b、第1排気弁13aおよび第2排気弁は、高速回転域の弁作動特性に適合した大リフト量、開閉時期および長い開弁期間で開閉される。また、このとき、図4に図示されるように、第2吸気バルブリフタ32b寄りの操作部56b2および当接部57b2は、高速カム39bのベース円部よりも径方向に突出しているにも拘わらず、切欠部42b2に位置するため、第2吸気バルブリフタ32bと接触することがない。また、このことは、排気側動弁装置VEXにおいても同様である。
【0040】
さらに、高速回転域から低速回転域に移行するときは、第1,第2制御弁により、第1油圧室55a内の作動油が高油圧となり、同時に第2油圧室55b内の作動油が低油圧となる。そのため、第1油圧室55a内の油圧と第2油圧室55b内の油圧との油圧差により、吸気側駆動機構MINの駆動ピストン50は、高速位置から低速位置に移動する駆動力を受ける。その際、第1,第2吸気バルブリフタ32a,32bのスリッパ部43a,43bが高速カム39a,39bのベース円部に摺接していれば、直ちに、また各スリッパ部43a,43bが高速カム39a,39bのノーズ部に摺接していれば、各スリッパ部43a,43bが高速カム39a,39bのベース円部に摺接した直後に、駆動ピストン50が低速位置に向けて移動し、同時に第1アーム54aの当接部57a1,57a2を介して駆動力が作用する吸気カム駒30は、低速カム38a,38bが各スリッパ部43a,43bに摺接する低速位置に向けて回転軸線L1方向に移動する。そして、排気側動弁装置VEXにおいても、前述の吸気側動弁装置VINと同様の移行がなされる。
【0041】
次に、前述のように構成されている実施例の効果について説明する。なお、排気側動弁装置VEXに関するものは括弧内に記すこととし、符号は吸気側動弁装置VINに関するもののみを記した。
【0042】
吸気(排気)カム駒30の低速カム38a,38bが、第1,第2吸気(排気)バルブリフタ32a,32bに摺接するとき、低速カム38a,38bに隣接してそれら第1,第2吸気(排気)バルブリフタ32a,32bに対して非接触状態にある高速カム39a,39bは、両吸気(排気)バルブリフタ32a,32bと干渉することなく、切欠部42a2,42b2を通過して回転する。その結果、次の効果が奏される。すなわち、カムプロフィールの異なる低速カム38a,38bおよび高速カム39a,39bが隣接して設けられた第1吸気(排気)カム部37aおよび第2(排気)吸気カム部37bを有する吸気(排気)カム駒30の低速カム38a,38bが、第1,第2吸気(排気)バルブリフタ32a,32bとそれぞれ摺接して第1,第2吸気(排気)弁12a,12bを作動させるとき、該摺接する低速カム38a,38bに隣接する高速カム39a,39bは両吸気(排気)バルブリフタ32a,32bの切欠部42a2,42b2を通過するので、第1,第2吸気(排気)カム部37a,37b、各吸気(排気)バルブリフタ32a,32bの吸気(排気)カム軸6の回転軸線L1方向での幅の範囲内に位置させることが可能となって、吸気(排気)カム駒30の回転軸線L1方向での幅を小さくすることができて、動弁装置Vがコンパクトでかつ軽量になり、ひいては内燃機関Eがコンパクトでかつ軽量になる。さらに、吸気(排気)カム駒30の回転軸線L1方向での寸法が小さいことで、同一シリンダ1に対して、第1,第2吸気弁12a,12b、第1排気弁13aおよび第2排気弁が設けられる場合にも、限られたシリンダ1のボア1a径の範囲内で、それら複数の吸気弁および排気弁に対する吸気カム駒30および排気カム駒31の適用が容易である。
【0043】
吸気(排気)側駆動機構MINの1対のアーム54a,54bの操作部56a2,56b2および当接部57a2,57b2は、吸気(排気)カム駒30の第1,第2側面40a,40bにおいて、低速カム38a,38bおよび高速カム39a,39bのベース円部よりも径方向外方に突出するにも拘わらず、切欠部42a1,42b2内に位置するので、第1,第2吸気(排気)バルブリフタ32a,32bと接触することはない。その結果、次の効果が奏される。すなわち、吸気(排気)カム駒30の第1,第2側面40a,40bに当接する1対のアーム54a,54bは、第1,第2吸気(排気)バルブリフタ32a,32bと接触することなく、しかも吸気(排気)カム駒30の第1,第2側面40a,40bにおいて、低速カム38aおよび高速カム39bのベース円部よりも径方向内側のみで当接させる必要がないうえ、低速カム38aおよび高速カム39bのベース円部よりも径方向外方に突出する位置で、第1,第2側面40a,40bに当接したとしても、1対のアーム54a,54bの操作部56a2,56b2および当接部57a2,57b2を第1,第2吸気(排気)バルブリフタ32a,32bの回転軸線L1方向での幅の範囲内に位置させることが可能となって、吸気(排気)カム駒30と操作部56a2,56b2および当接部57a2,57b2を有する吸気(排気)側駆動機構MINとを合わせた回転軸線L1方向での幅を小さくすることができて、動弁装置Vがコンパクトでかつ軽量になり、ひいては内燃機関Eがコンパクトでかつ軽量になる。さらに、吸気カム駒30の第1,第2側面40a,40bを第1,第2吸気(排気)バルブリフタ32a,32bの回転軸線L1方向での幅の範囲内に位置させることが可能となって、アーム54a,54bを有する吸気(排気)側駆動機構MINが、吸気(排気)カム駒30の回転軸線L1方向での幅の短縮化による動弁装置Vのコンパクト化を妨げることがない。また、該第1,第2側面40a,40bでの両アーム54a,54bの当接部分を設定するに当たり、それらアーム54a,54bと第1,第2吸気(排気)バルブリフタ32a,32bとの位置関係からの制約が少なくなり、アーム54a,54bの配置の自由度、ひいては吸気(排気)側駆動機構MINの配置の自由度が大きくなる。
【0044】
第1,第2吸気(排気)バルブリフタ32a,32bに設けられた貫通孔からなる切欠部42a1,42a2,42b1,42b2を通じて、動弁室23内で第1,第2吸気(排気)バルブリフタ32a,32bの外側の潤滑油が第1,第2吸気(排気)バルブリフタ32a,32bの内側に侵入して、その内側に配置される弁ばね20a,20b、リテーナ18a,18bおよび第1,第2吸気弁12a,12bの摺動部に潤滑油が容易に供給される。また、貫通孔からなる切欠部42a1,42a2,42b1,42b2が形成されることで、両吸気(排気)バルブリフタ32a,32bの一部が切除されるため、それらバルブリフタ32a,32bが軽量となる。その結果、次の効果が奏される。すなわち、切欠部42a1,42a2,42b1,42b2を通じて第1,第2吸気(排気)バルブリフタ32a,32bの内側の摺動部に潤滑油を容易に供給できるので、該摺動部の耐久性が向上する。さらに、切欠部42a1,42a2,42b1,42b2の形成により第1,第2吸気(排気)バルブリフタ32a,32bの一部が切除されるため、それらバルブリフタ32a,32bが軽量化され、ひいては内燃機関Eの軽量化ができる。
【0045】
同一のシリンダ1に設けられた第1吸気(排気)弁12aおよび第2吸気(排気)弁12bは、同一の吸気(排気)カム駒30に設けられた第1吸気(排気)カム部37aおよび第2吸気(排気)カム部37bを構成する低速カム38a,38bおよび高速カム39a,39bが、同一の吸気(排気)側駆動機構MINにより選択的に、しかも同時に切り換えられる。その結果、次の効果が奏される。すなわち、同一のシリンダ1に設けられた第1,第2吸気(排気)弁12a,12bは、同一の吸気(排気)側駆動機構MINにより、同一の吸気(排気)カム駒30に設けられた第1,第2吸気(排気)カム部37a,37bの低速カム38a,38bおよび高速カム39a,39bのうち、第1,第2吸気(排気)バルブリフタ32a,32bに摺接するように切り換えられたカムで作動されるので、2つの吸気(排気)弁12a,12bに対して吸気(排気)カム駒30および吸気(排気)側駆動機構MINを共用できて、動弁装置Vをコンパクトにすることができる。
【0046】
第1,第2吸気(排気)バルブリフタ32a,32bのスリッパ部43a,43bの摺接面43a1,43b1は、第1,第2吸気(排気)カム部37a,37bに向かって凸となる円筒面からなる曲面をなすことから、それら摺接面が平面である場合に比べて各吸気(排気)バルブリフタ32a,32bの径を小さくすることができ、シリンダヘッド3を小型化できる。また、スリッパ部43a,43bの側方に貫通孔からなる切欠部42a1,42a2,42b1,42b2が設けられるにも拘わらず、スリッパ部43a,43bの必要な剛性を、スリッパ部43a,43bを厚肉にするなどの重量増を招くことなく、軽量化を達成しつつ確保できるという効果が奏される。
【0047】
第1,第2吸気(排気)バルブリフタ32a,32bの切欠部42a1,42a2,42b1,42b2内には、切欠部42a2,42b2を通過する高速カム39a,39bのノーズ部の最大突出部に近接した位置にリテーナ18a,18bが位置するようにされて、弁ステム16a,16bの端部とスリッパ部43a,43bの摺接面43a1,43b1との間の間隔を極力小さくしているので、動弁装置Vをコンパクトにすることができるという効果が奏される。
【0048】
以下、前述した実施例の一部の構成を変更した実施例について、変更した構成に関して説明する。
【0049】
前記実施例では、低速カムおよび高速カムが、吸気および排気バルブリフタのスリッパ部の外表面に摺接するものであったが、吸気側動弁装置VINについては図7に図示されるように、第1,第2吸気バルブリフタ32a,32bの頂壁に第1,第2ローラ60a,60bを設けて、低速カム38a,38bおよび高速カム39a,39bが両該ローラ60a,60bにそれぞれ摺接するようにしたバルブリフタであってもよい。すなわち、第1,第2吸気バルブリフタ32a,32bにそれぞれ固定される第1,第2支軸61a,61bに支持される第1,第2ローラ60a,60bは、頂壁の外表面からその一部が突出して、低速カム38a,38bおよび高速カム39a,39bと摺接する第1,第2外輪62a,62bと、両支軸61a,61bにそれぞれ嵌合された第1,第2内輪63a,63bと、各外輪62a,62bと各内輪63a,63bとの間に設けられた多数のコロ64a,64bとからなる。さらに、排気側動弁装置VEXにおいても同様のローラを有する排気バルブリフタが使用される。このように構成することによって、バルブリフタとカムとの間の摩擦が低減されて、出力の損失を低減できる。
【0050】
さらに、図8に図示されるように、吸気側駆動機構MINにおいて、吸気カム駒30に、高速カム39aおよび低速カム38bの間で回転軸線L1方向に延びて第1,第2吸気カム部37a,37bを連結する1条または周方向に間隔をおいて複数条の補強リブ70が設けられてもよく、また、吸気側駆動機構MINの動弁室23内での位置は、図1に図示される位置よりもシリンダ1寄りとされて、1対のアーム54a,54bの操作部56a2,56b2および当接部57a2,57b2が、前記実施例のものよりも、第1,第2吸気バルブリフタ32a,32bに近い位置を占め、低速カム38a,38bおよび高速カム39a,39bのノーズ部の最大突出部よりも、吸気カム軸6の径方向外方に突出していてもよい。
【0051】
そして、この吸気側駆動機構MINにおいても、図8に図示されるように、低速回転域で両低速カム38a,38bが第1,第2吸気バルブリフタ32a,32bの第1,第2ローラ60a,60bにそれぞれ摺接するときは、第1吸気バルブリフタ32a寄りの操作部56a2および当接部57a2は、低速カム38aおよび高速カム39aのノーズ部の最大突出部よりも径方向に突出しているにも拘わらず、切欠部42a1に位置するため、第1吸気バルブリフタ32aと接触することがない。同様に、高速回転域で両高速カム39a,39bが第1,第2吸気バルブリフタ32a,32bの第1,第2ローラ60a,60bにそれぞれ摺接するときは、第2吸気バルブリフタ32b寄りの操作部56b2および当接部57b2は、低速カム38bおよび高速カム39bのノーズ部の最大突出部よりも径方向に突出しているにも拘わらず、切欠部42b2に位置するため、第2吸気バルブリフタ32bと接触することがない。
さらに、排気側動弁装置VEXにおいても、この吸気側駆動機構MINと同様の構成の排気側駆動機構MEXが使用される。
【0052】
それゆえ、この実施例によれば、前記実施例と同様の効果が奏されるほか、補強リブ70が設けられるので、吸気(排気)カム駒30の剛性が向上すると共に、吸気(排気)側駆動機構MINがシリンダ1寄りに配置されるので、動弁室23の高さを低くすることができて、内燃機関Eを高さ方向にコンパクトにすることができるという効果が奏される。
【0053】
前記実施例では、吸気カム駒30および排気カム駒31の第1カム部および第2カム部はいずれも低速カムおよび高速カムから構成されるものであったが、両カム部のいずれか一方のカム部が、一方の吸気弁または一方の排気弁を実質的に閉弁状態に保つ休止カムと高速カムとから構成されて、低速回転域では該一方の吸気弁または該一方の排気弁が閉弁され、他方の吸気弁および他方の排気弁が低速カムで作動され、高速回転域では、両吸気弁および両排気弁が高速カムで作動されるようしてもよい。同様にして、多気筒内燃機関において、一部のシリンダの両カム部が、吸気弁および排気弁を実質的に閉弁状態に保つ休止カムと高速カムとから構成されて、低速回転域では、該一部のシリンダの両吸気弁および両排気弁が閉弁されて、該シリンダが休止され、高速回転域では、すべてのシリンダの両吸気弁および両排気弁が高速カムで作動されるようしてもよい。
【0054】
また、前記実施例では、シリンダ1毎の1対の吸気弁および1対の排気弁は、別々のバルブリフタを介して別々のカム部により作動されたが、両吸気弁または両排気弁が、単一のバルブリフタを介して単一のカム部により作動されるようにしてもよい。
【0055】
前記実施例では、吸気側および排気側駆動機構の駆動ピストンは、二つの位置を占めるものであったが、吸気および排気カム駒のカム部を、カムプロフィールの異なる3つのカムから構成して、駆動ピストンが3つの位置を占めることができるように、例えば第1油圧室55aが高油圧、第2油圧室55bが低油圧となる第1状態、第1油圧室55aが高油圧、第2油圧室55bが高油圧となる第2状態、および第1油圧室55aが低油圧、第2油圧室55bが高油圧となる第3状態となるように、作動油を制御することもできる。この場合にも、バルブリフタに対して非接触状態にあるカムが、バルブリフタの切欠部を通過するようにできるので、カム部に3つのカムを設けるにも拘わらず、動弁装置をコンパクトにすることができる。
【0056】
前記実施例では、内燃機関Eは、吸気カム軸6および排気カム軸7を有するものであったが、単一のカム軸を有するSOHC型の内燃機関であってもよい。また、シリンダ当たり、1個または3個以上の吸気弁、または1個または3個以上の排気弁が設けられるものであってもよい。さらに、内燃機関は単気筒の内燃機関であってもよい。
【0057】
前記実施例では、1対のアーム54a,54bが設けられたが、吸気カム駒30および排気カム駒31において、第1カム部および第2カム部の間の円筒部に摺接する1つのアームにより、両カム駒30,31を軸方向に移動させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施例を示し、直動式動弁装置が適用される内燃機関の部分縦断面図である。
【図2】吸気側動弁装置の一部分解図である。
【図3】低速位置にある吸気カム駒と吸気バルブリフタとの、吸気カム軸の回転軸線および弁ステムの軸線を含む平面での部分断面図である。
【図4】高速位置にある吸気カム駒と吸気バルブリフタとの、図3と同様の部分断面図である。
【図5】図1のV矢視図であり、低速位置にある吸気カム駒および吸気側駆動機構状態を示す図である。
【図6】図5と同様の矢視図であり、高速位置にある吸気カム駒および吸気側駆動機構状態を示す図である。
【図7】ローラを有するバルブリフタを備えた直動式動弁装置の本願発明の別の実施例である。
【図8】駆動機構の配置およびカム駒が異なる本願発明の別の実施例である。
【符号の説明】
1…シリンダ、2…シリンダブロック、3…シリンダヘッド、4…ヘッドカバー、5…ピストン、6…吸気カム軸、7…排気カム軸、8…カムホルダ、9…燃焼室、10…吸気ポート、11…排気ポート、12a,12b…吸気弁、13a…排気弁、14a,15a…弁ガイド、16a,16b,17a…弁ステム、18a,18b,19a…リテーナ、20a,20b,21a…弁ばね、22…点火栓、23…動弁室、24a,25a…案内溝、
30…吸気カム駒、31…排気カム駒、32a,32b…吸気バルブリフタ、33a…排気バルブリフタ、34…軸孔、35…凹溝、36…突条、37a,37b…吸気カム部、38a,38b…低速カム、39a,39b…高速カム、40a,40b…側面、41a,41b…円筒部、42a1,42a2,42b1,42b2…切欠部、43a,43b…スリッパ部、44a,44b,45a…ピン、
50…駆動ピストン、51a,51b…シリンダ部、52a,52b…両ピストン部、53…連結部、54a,54b…アーム、55a,55b…油圧室、56a1,56a2,56b1,56b2…操作部、57a1,57a2,57b1,57b2…当接部、58a,58b…開口部、
60a,60b…ローラ、61a,61b…支軸、62a,62b…外輪、63a,63b…内輪、64a,64b…コロ、
70…補強リブ、
E…内燃機関、L1,L2…回転軸線、V…動弁装置、VIN…吸気側動弁装置、VEX…排気側動弁装置、MIN…吸気側駆動機構、MEX…排気側駆動機構。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a direct acting valve operating apparatus for an internal combustion engine provided with switching means for selectively switching the valve operating characteristics of an intake valve or an exhaust valve that is an engine valve for controlling intake or exhaust provided in the internal combustion engine.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, there has been disclosed a Japanese Patent Application No. 2000-189489 filed by the present applicant as a valve operating device provided with switching means for selectively switching the valve operating characteristics of an intake valve or an exhaust valve of an internal combustion engine. The valve gear of this prior application includes an intake cam piece having an intake variable cam portion provided on an intake camshaft, and a plurality of cams having different cam profiles, each having a low-speed cam and a high-speed cam, and an exhaust cam. A low-speed cam and a high-speed cam that are provided on the shaft and have different cam profiles are provided adjacent to each other.ThisAn exhaust cam piece having a variable exhaust cam portion, an intake rocker arm and an exhaust rocker arm that contact the low-speed cam or the high-speed cam of the intake variable cam portion and the exhaust variable cam portion, and an intake cam piece and an exhaust that are movable with respect to the cam shaft And a drive mechanism for moving the cam piece in the rotation axis direction of the cam shaft. And, by the intake cam piece and the exhaust cam piece moving in the direction of the rotation axis, the intake rocker arm and the exhaust rocker arm that are selectively swung to the low speed cam or the high speed cam of the intake cam piece and the exhaust cam piece, The intake and exhaust valves are actuated according to the cam profile of the low speed cam or the high speed cam, respectively.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, the prior application has disclosed that the valve operating device may be a direct acting type, thereby improving the operation responsiveness of the intake valve and the exhaust valve during high speed rotation, The advantage that the height of the valve chamber can be reduced and the internal combustion engine becomes compact is obtained. However, in a direct-acting valve operating apparatus, when operating an intake valve and an exhaust valve by an intake cam piece and an exhaust cam piece provided adjacent to each other with a plurality of cams having different cam profiles, the intake valve (or the exhaust valve) is used. The valve lifter of the valve) and the intake variable cam portion (or the exhaust variable cam portion) of the cam that is not in contact with the valve lifter, in particular, the high-speed cam that protrudes with a larger protruding amount than the low-speed cam, The problem is how to avoid interference with the drive mechanism that moves each cam piece in the direction of the rotational axis of the cam shaft without increasing the size of the valve gear.
[0004]
The present invention has been made in view of such circumstances, and claims 1 to5The described invention makes it possible to reduce the size in the direction of the rotation axis when a plurality of cams having different cam profiles are combined with the cam piece and the switching means provided in the direction of the rotation axis of the cam shaft. A common object is to provide a compact and lightweight direct acting valve gear.further, Claims1-5SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to provide a direct-acting valve operating device that reduces the weight of a valve lifter and facilitates lubrication of an engine valve.TossThe
[0005]
[Means for Solving the Problems and Effects of the Invention]
The invention according to
[0006]
According to the first aspect of the present invention, the cam in the non-contact state adjacent to the cam slidingly contacting the valve lifter of the cam piece rotates through the notch of the valve lifter without interfering with the valve lifter. As a result, the following effects are exhibited. That is, when one cam of a cam piece provided with a plurality of cams having different cam profiles is in sliding contact with the valve lifter to operate the engine valve, the cam adjacent to the sliding contact cam passes through the notch portion of the valve lifter. Therefore, at least a part of the cam adjacent to the sliding cam can be positioned within the range of the width of the cam shaft of the valve lifter in the rotational axis direction, and the width of the cam piece in the rotational axis direction can be increased. The valve operating device can be made compact and light, and the internal combustion engine can be made compact and light. Furthermore, even when a plurality of engine valves for controlling intake or exhaust are provided for the same cylinder due to the small size of the cam piece in the rotational axis direction, within the limited bore diameter range of the cylinder, The cam piece can be easily applied to the plurality of engine valves, and more than two cams can be easily provided on the cam piece.
Furthermore, the lubricating oil outside the valve lifter enters the inside of the valve lifter through the notch formed in the valve lifter, and the lubricating oil is applied to the sliding portions of the valve spring, retainer and engine valve arranged inside the valve lifter. Is easily supplied. Moreover, since a part of the valve lifter is cut off by forming the hole, the valve lifter becomes light. As a result, the lubricating oil can be easily supplied to the sliding portion inside the valve lifter through the notch, so that the durability of the sliding portion is improved. Furthermore, since a part of the valve lifter is cut off by forming the notch, the valve lifter can be reduced in weight, and thus the internal combustion engine can be reduced in weight.
[0007]
The invention according to claim 2Claim 1In the direct acting valve operating apparatus for an internal combustion engine, the cam piece is movable in the rotational axis direction with respect to the cam shaft, and the switching means abuts on a side surface of the cam portion in the rotational axis direction. An operation member; and a drive member that moves the cam piece in the direction of the rotation axis via the operation member to switch the cam that is slidably contacted with the valve lifter. It is a direct acting valve gear for an internal combustion engine provided with a notch.
[0008]
According to the second aspect of the present invention, even if the operating member abuts on the side surface of the cam portion in the rotational axis direction at a position protruding radially outward from the base circle portion of the cam, Since it is located in the part, it does not come into contact with the valve lifter. as a result,In addition to the effects of the claimed invention,The following effects are produced. In other words, the operating member that contacts the side surface of the cam portion does not need to contact the valve lifter, and does not need to contact the side surface of the cam portion only on the radially inner side of the base circle portion of the cam. Even if it comes into contact with the side surface at a position that protrudes radially outward from the circular portion, the operation member can be positioned within the range of the width of the cam shaft of the valve lifter in the direction of the rotation axis. The width in the direction of the rotation axis combined with the switching means having the piece and the operating member can be reduced, so that the valve operating device is compact and lightweight, and the internal combustion engine is compact and lightweight. Further, since the side surface of the cam portion can be positioned within the range of the width of the valve lifter in the rotational axis direction, the switching means having an operation member that abuts on the side surface of the cam portion has a width in the rotational axis direction of the cam piece. Therefore, it is possible to prevent the valve operating device from being made compact by shortening the length. Further, in setting the contact portion of the operation member on the side surface of the cam portion, there are less restrictions from the positional relationship between the operation member and the valve lifter, and the degree of freedom of arrangement of the operation member, and thus the degree of freedom of arrangement of the switching means. Becomes larger.
[0009]
The invention according to
[0010]
According to this invention of
[0011]
The invention according to
[0012]
According to a fifth aspect of the present invention, in the direct acting valve operating apparatus for an internal combustion engine according to the fourth aspect, the top wall of the valve lifter extends between the pair of notches in the diametrical direction of the top wall. The slippering surface of the slipper part, which forms a slipper part in a shape and the cam is slidably contacted, is an arc that is convex toward the cam part when viewed from the direction of the rotation axis.
According to the invention described in
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to FIGS.
The internal combustion engine E to which the direct acting valve gear of the present invention is applied is a DOHC type in-line four-cylinder four-cycle internal combustion engine mounted on a vehicle, and as shown in FIG. A
[0014]
In each
[0015]
A
[0016]
Referring also to FIG. 2, an
[0017]
The
[0018]
Further, the
[0019]
Further, below the
[0020]
Each
[0021]
The remaining portions of the top wall form bridge-shaped
[0022]
Further, as shown in FIG. 3, the notches 42a2 and 42b2 are formed when the low-
[0023]
Referring to FIGS. 1 and 2, the first and second
[0024]
Therefore, intake side drive mechanism MINThe low-
[0025]
Next, referring to FIGS. 2, 5, and 6, an intake side drive mechanism M provided for each cylinder 1.INThe intake side drive mechanism M will be described.INAre provided opposite to each other closer to the center axis of the
[0026]
A first
[0027]
[0028]
The distal ends of both operation portions 56a1 and 56a2 of the
[0029]
Further, in the
[0030]
Next, the intake side drive mechanism MINThe hydraulic system will be described. In the discharge path of an oil pump provided in the internal combustion engine E and driven by the power of the crankshaft, the
[0031]
The operations of the first and second control valves are controlled by a control device (not shown) to which a signal detected by a rotation speed sensor that is an engine operation state sensor (not shown) is input. That is, in the low-speed rotation range below the predetermined rotation speed of the internal combustion engine E, the first control valve controls the hydraulic pressure of the hydraulic oil so that the hydraulic oil in the first
[0032]
When the rotational speed of the internal combustion engine E exceeds the predetermined rotational speed and enters a high speed rotational range, the first control valve controls the hydraulic pressure of the hydraulic oil so that the first
[0033]
Here, the first and second
[0034]
As shown in FIGS. 5 and 6, the
[0035]
Exhaust valve operating device VEXExhaust side drive mechanism MEXThe hydraulic system of the intake side drive mechanism M is also described above.INIn the same manner as described above, controlled hydraulic oil is supplied.
[0036]
Next, with reference to FIGS. 3 to 6, the operation of the embodiment configured as described above will be described.
In the state where the operation of the internal combustion engine E is started and the oil pump is operating, when the rotation speed of the internal combustion engine E is in a low speed rotation range equal to or lower than the predetermined rotation speed, the intake side valve operating device VINThen, according to a command from the control device, the first control valve operates so that the hydraulic oil in the first
[0037]
Then, when the rotational speed of the internal combustion engine E exceeds the predetermined rotational speed and shifts to the high speed rotational range, the first control valve causes the hydraulic oil in the first
[0038]
At this time, if the
[0039]
Further, when the
[0040]
Further, when shifting from the high-speed rotation region to the low-speed rotation region, the hydraulic oil in the first
[0041]
Next, effects of the embodiment configured as described above will be described. Exhaust valve operating device VEXRelated to the intake side valve operating device VINOnly the thing about was described.
[0042]
When the low-
[0043]
Intake (exhaust) side drive mechanism MINThe operation portions 56a2 and 56b2 and the contact portions 57a2 and 57b2 of the pair of
[0044]
The first and second intake (exhaust)
[0045]
The first intake (exhaust)
[0046]
Sliding contact surfaces 43a1 and 43b1 of the
[0047]
In the notches 42a1, 42a2, 42b1, 42b2 of the first and second intake (exhaust)
[0048]
Hereinafter, an example in which a part of the configuration of the above-described embodiment is changed will be described with respect to the changed configuration.
[0049]
In the above embodiment, the low speed cam and the high speed cam are in sliding contact with the outer surface of the slipper portion of the intake and exhaust valve lifters.INAs shown in FIG. 7, first and
[0050]
Further, as shown in FIG. 8, the intake side drive mechanism MIN, The
[0051]
And this intake side drive mechanism MINAs shown in FIG. 8, when the low-
Further, the exhaust side valve operating device VEXIn the intake side drive mechanism MINExhaust side drive mechanism M with similar configurationEXIs used.
[0052]
Therefore, according to this embodiment, in addition to the same effects as the above embodiment, the reinforcing
[0053]
In the above embodiment, the first cam portion and the second cam portion of the
[0054]
In the above embodiment, the pair of intake valves and the pair of exhaust valves for each
[0055]
In the above embodiment, the drive pistons of the intake side and exhaust side drive mechanisms occupy two positions. However, the cam portion of the intake and exhaust cam pieces is composed of three cams having different cam profiles, and is driven. For example, the first
[0056]
In the above embodiment, the internal combustion engine E has the
[0057]
In the above embodiment, a pair of
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partial longitudinal sectional view of an internal combustion engine to which a direct acting valve gear is applied, showing an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a partially exploded view of the intake side valve operating apparatus.
FIG. 3 is a partial sectional view of the intake cam piece and the intake valve lifter at a low speed position on a plane including the rotation axis of the intake cam shaft and the axis of the valve stem.
4 is a partial sectional view similar to FIG. 3 of the intake cam piece and the intake valve lifter at a high speed position.
FIG. 5 is a view taken in the direction of the arrow V in FIG. 1 and shows a state of the intake cam piece and the intake side drive mechanism at a low speed position.
FIG. 6 is a view similar to FIG. 5, showing the intake cam piece and the intake side drive mechanism at the high speed position.
FIG. 7 is another embodiment of the present invention of a direct acting valve gear including a valve lifter having a roller.
FIG. 8 is another embodiment of the present invention in which the arrangement of the driving mechanism and the cam piece are different.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
30 ... Intake cam piece, 31 ... Exhaust cam piece, 32a, 32b ... Intake valve lifter, 33a ... Exhaust valve lifter, 34 ... Shaft hole, 35 ... Concave groove, 36 ... Projection, 37a, 37b ... Intake cam part, 38a, 38b ... Low speed cam, 39a, 39b ... High speed cam, 40a, 40b ... Side, 41a, 41b ... Cylindrical part, 42a1, 42a2, 42b1, 42b2 ... Notch part, 43a, 43b ... Slipper part, 44a, 44b, 45a ... Pin,
50 ... Drive piston, 51a, 51b ... Cylinder part, 52a, 52b ... Both piston part, 53 ... Connecting part, 54a, 54b ... Arm, 55a, 55b ... Hydraulic chamber, 56a1, 56a2, 56b1, 56b2 ... Operating part, 57a1 , 57a2, 57b1, 57b2 ... contact portion, 58a, 58b ... opening,
60a, 60b ... roller, 61a, 61b ... spindle, 62a, 62b ... outer ring, 63a, 63b ... inner ring, 64a, 64b ... roller,
70… Reinforcing ribs,
E: Internal combustion engine, L1, L2: Axis of rotation, V ... Valve train, VIN... Intake side valve gear, VEX... Exhaust valve operating device, MIN... Intake side drive mechanism, MEX... exhaust side drive mechanism.
Claims (5)
前記バルブリフタには、前記カム部の、前記バルブリフタに対して非接触状態にあるカムに対する逃げ用の切欠部が設けられ、
前記切欠部は、前記バルブリフタを貫通して内側と外側とを連通させる孔により形成されることを特徴とする内燃機関の直動式動弁装置。A cam piece that rotates together with the cam shaft, the cam piece having a cam portion in which a plurality of cams having different cam profiles are provided adjacent to each other in the rotation axis direction of the cam shaft; A valve lifter disposed between the engine valve that controls exhaust and switching means for selectively switching a cam of the cam portion that is in sliding contact with the valve lifter according to a cam profile of the cam that is in sliding contact with the engine valve In a direct acting valve operating device of an internal combustion engine operated by
The valve lifter is provided with a notch portion for escaping the cam portion with respect to the cam that is not in contact with the valve lifter ,
The direct acting type valve operating system for an internal combustion engine, wherein the notch is formed by a hole that penetrates the valve lifter and communicates the inside and the outside .
前記切換手段は、前記カム部の前記回転軸線方向での側面に当接する操作部材と、該操作部材を介して前記カム駒を前記回転軸線方向に移動させて、前記バルブリフタに摺接する前記カムを切り換える駆動部材とを備え、
前記バルブリフタには、前記操作部材に対する逃げ用の切欠部が設けられたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の直動式動弁装置。 Before SL cam piece is movable in the rotation axis direction relative to the camshaft,
The switching means includes: an operating member that contacts a side surface of the cam portion in the rotation axis direction; and the cam that slides on the valve lifter by moving the cam piece in the rotation axis direction via the operation member. A drive member for switching,
2. The direct acting valve operating apparatus for an internal combustion engine according to claim 1 , wherein the valve lifter is provided with a notch for escaping from the operation member.
前記カムが摺接する前記スリッパ部の摺接面は、前記回転軸線方向から見たとき、前記カム部に向かって凸となる円弧になっていることを特徴とする請求項4記載の内燃機関の直動式動弁装置。5. The internal combustion engine according to claim 4, wherein the sliding contact surface of the slipper portion with which the cam is slidably contacted is an arc that is convex toward the cam portion when viewed from the direction of the rotation axis. Direct acting valve gear.
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