JP4183024B2 - Medical device having lubricious coating and method for producing the same - Google Patents

Medical device having lubricious coating and method for producing the same Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は潤滑性被覆を有する医療用具及びその製造方法に関し、特にカテーテルその他やこれらの付属品等の医療用具の内の潤滑性被覆を有する医療用具及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医療用具技術の発展に伴い、その使用時に特に器官や組織等の人体に対して高度の安全性を備えた医療用具が必須となってきた。すなわち、例えば湿潤時にその表面が潤滑性を有する医療用具として初めて開示された特公平1−33181号公報の技術をはじめとして、潤滑性被覆を有する医療用具及びその製造方法に関する文献は枚挙に暇がない程である。
そして、最近公開され「表面潤滑性付与剤」と題する発明に関する代表的な文献として、例えば特開平5−300940号公報が挙げられる。
【0003】
これまでの開示技術の要点は、基材表面への親水性ポリマーの各種重合手段、又は表面に形成した反応性基と活性水素を持つ有機溶媒可溶性成分を含有する親水性ポリマーとを実質的に有機溶媒中で反応させて、基材表面に親水性を付与するものである。
また、湿潤潤滑性コーティングに関する技術は、その主要素材によって分類すると、「ガントレッツ系」、「ポリビニルピロリドン系」、「ポリエチレングリコール系」がある。そして、基材への固定方法としては、すべて、共有結合、又はイオン結合等の化学反応を利用するものである。
なお、上述の「ガントレッツ」は、GAF(ゼネラル アニリン アンド フイルム コーポレーション)社の商品名であるが、ポリ(無水マレイン酸−メチルビニルエーテル)交互共重合体として、業界では広く慣用されている材料物質名であるので、敢えて使用したものである。
【0004】
上述のような従来の湿潤潤滑コートは、基材の最外層に均一な層を形成し、その層が水に触れると多量の水を吸収し、同時にヌルヌルした感触になるようなコーティングであった。
このヌルヌルが湿潤潤滑性の付与に対して重要な因子であり、これによって医療器具の挿着時における例えば人体等に対する相対的な移動に対して、人体の器官や組織に対して物理的なだけでなく例えば抗血栓性のような生理的な円滑性をも付与するので、安全性の高い医療器具が達成できるようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように従来の潤滑性被覆を有する医療用具及びその製造方法は、全述のように、基材への固定方法としてはすべて共有結合、又はイオン結合等の化学反応を利用するものでるから、製造方法が複雑であり、大幅なコストアップにつながるという問題があった。
また、従来の湿潤潤滑コートは、当然のことながら水を吸収した場合大きく膨潤するので、表面に皺が発生したり、残留応力のために擦ると剥げ落ち易い等の問題があった。また、このため潤滑性能の持続性も十分とは言えない問題が解決できない状況であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る潤滑性被覆を有する医療用具は、無水マレイン酸とメチルビニルエーテルとの交互共重合体、ウレタン樹脂及び架橋剤のポリオールを所定比率で有機溶媒に溶解した潤滑性被覆用溶剤を医療用具の基材表面に塗布して形成した均一性被膜を有するものである。
ここで、前記ポリオールはポリプロピレングリコールであり、前記有機溶媒はテトラヒドロフランであることが好ましい。
【0007】
本発明に係る潤滑性被覆を有する医療用具の製造方法は、無水マレイン酸とメチルビニルエーテルとの交互共重合体、ウレタン樹脂及び架橋剤のポリオールを所定比率で有機溶媒に溶解して潤滑性被覆用溶剤を形成し、この潤滑性被覆用溶剤を医療用具の基材表面に塗布して均一性被膜を形成することを特徴とするものである。
この場合、前記架橋剤のポリオールにはポリプロピレングリコールを使用し、前記有機溶媒にはテトラヒドロフランを使用するのが好適である。
【0008】
また、前項の潤滑性被覆を有する医療用具の1つの製造方法においては、使用する潤滑性被覆用溶剤は液温を20℃以下で形成し、この潤滑性被覆用溶剤による医療用具の基材表面への塗布時の液温も20℃以下で浸漬・塗布して均一性被膜を形成することが必要となる。
【0009】
さらに、前前項の潤滑性被覆を有する医療用具の別の製造方法においては、潤滑性被覆用溶剤の形成において使用する無水マレイン酸とメチルビニルエーテルとの共重合体の有機溶媒への所定比率溶液は、溶解後この溶液を少なくとも72時間放置して熟成溶液としたものを使用することが可能である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明による潤滑性被覆を有する医療用具は、前述のような潤滑性被覆用溶剤を形成しこの潤滑性被覆用溶剤を、所定のコーティング法に従って医療用具の表面に塗布することによって得られる。従って、次に示す本発明の実施の形態の説明では、主として2種類の標準的な潤滑性被覆用溶剤の製造方法及びコーティング方法についてそれぞれ述べる。
【0011】
[第1の実施形態]
本実施形態においては、1つの標準的製造方法及びそのコーティング方法について説明する。
まず、無水マレイン酸とメチルビニルエーテルの共重合体として市販されているガントレッツ AN−139(GAF社製:分子量MW;約41,000)を溶媒の例えばテトラヒドロフラン(以下THFと略称する)で溶解し、ガントレッツの7%THF溶液を作製する。なお、ガントレッツのグレードはAN−139に限定されず、他の高分子タイプのものでもよい。
次いで、ポリウレタン樹脂(市販名,EA100A:以下PURと略称する)をTHFで溶解し、PURの5%THF溶液を作製する。このPURとしてもテコフレックスであれば、EG85A〜EG65Dまで使用可能である。
さらに、架橋剤のポリプロピレングリコールの10%THF溶液を作製する。このポリプロピレングリコールとしてはポリオールであればどれでもよいが、架橋効率を上げるために分子量3000、グリコールタイプのものを使用するのが好都合である。
上述のガントレッツの7%THF溶液、PURの5%THF溶液及びポリプロピレングリコールの10%THF溶液の3種の溶液を潤滑性被覆用溶剤の原料として準備しておく。
【0012】
次に、以上の3種の溶液を使用して形成する潤滑性被覆用溶剤の製造手順について述べる。
まず、ガントレッツの7%THF溶液100(重量比)に対して、10(重量比)のポリプロピレングリコールの10%THF溶液を添加する。添加後、充分に攪拌する。
攪拌により均一に溶液が得られたところで、これに100(重量比)のPURの5%THF溶液を加えて20℃以下の液温で攪拌することにより、潤滑性被覆用溶剤の製造が完了する。この場合、液温が20℃以上になると均一性がなくなるので、攪拌後は冷蔵庫中で保管する。そして、この製造方法及び保管法で、得られた潤滑性被覆用溶剤は1ケ月程度は変質しないことが確認されている。
【0013】
この潤滑性被覆用溶剤を用いて、医療用具の表面に潤滑性被覆をコーティングする要領を下記の工程順にしたがって示す。
(1)温度制御が可能な潤滑被覆形成用の容器に所定量の前述の潤滑性被覆用溶剤を入れ、溶剤を含む全体の系の温度を20℃以下に設定する。
(2)医療用具の基材として、例えばポリウレタン製のカテーテルを潤滑性被覆用溶剤中に浸漬した後、5m/分以上の比較的速い速度で引き上げる。
(3)引上げ後、カテーテルの例えば端部に溜まった液は、内腔から空気を吹き付けて飛ばしてやる。
(4)この状態で60℃×48時間、又は70℃×24時間の熱処理を行う。
(5)その後、0.1NのNaOH水溶液に浸漬した後、5m/分以上の比較的速い速度で引き上げる。
(6)さらに蒸溜水で洗浄した後、60℃×24時間の乾燥を行い、カテーテル表面への潤滑性被覆のコーティングを終了する。
【0014】
なお、本実施形態において、ガントレッツの7%THF溶液100に対して、10のポリプロピレングリコールの10%THF溶液を添加し、攪拌により均一に溶液が得られたところで、これに100(重量比)のPURの5%THF溶液を加えて20℃以下の液温で攪拌すること、さらに容器に所定量の前述の潤滑性被覆用溶剤を入れ、溶剤を含む全体の系の温度を20℃以下に設定することが必須であるが、これは液温が20℃以上になると層分離を生じ、この状態でコーティングしても持続性が十分に確保できなくなるからである。つまり被覆に均一性がなくなり、表面が若干粗になり艶消しタイプになるからである。
【0015】
以上のように第1の実施形態によれば、潤滑性被覆の基材への固定に何等の化学反応を必要としないで単に塗布膜を形成するだけで、潤滑(ヌルヌル)効果とその持続性に優れた潤滑性被覆のコーティングが達成される。
また、この効果は潤滑性被覆用溶剤(潤滑性被覆コーティング剤といってもよい)の液温を20℃に保つことによる本実施形態特有の製造方法によるものであるが、架橋剤として用いたポリオールである水に溶けないポリプロピレングリコールを採用したためであるということがいえる。
さらに、本実施形態で得られた潤滑性被覆は、ヌルヌル性に優れたものとなっているが、これは親水性部と同時に疎水性部を持たせたためであって、つまり界面活性剤の機能特性を付与した湿潤潤滑性コーティングとなっているからである。
【0016】
[第2の実施形態]
本実施形態においては、第1の実施形態とは別の標準的製造方法及びそのコーティング方法について説明する。
まず、前述のガントレッツ AN−139を溶媒の例えばTHFで溶解し、ガントレッツの7%THF溶液を作製する。そして、このガントレッツの7%THF溶液を室温で72時間以上放置したものをガントレッツの7%THF溶液の熟成溶液として準備しておく。なお、ガントレッツのグレードはAN−139に限定されず、他の高分子タイプのものでもよい。
次いで、PURをTHFで溶解し、PURの5%THF溶液を作製する。このPURとしてもテコフレックス(商品名)であれば、EG85A〜EG65Dまで使用可能である。
さらに、架橋剤のポリプロピレングリコールの10%THF溶液を作製する。このポリプロピレングリコールとしてはポリオールであればどれでもよいが、架橋効率を上げるために分子量3000、グリコールタイプのものを使用するのが好都合である。
上述のガントレッツの7%THF溶液の熟成溶液、PURの5%THF溶液及びポリプロピレングリコールの10%THF溶液の3種の溶液を潤滑性被覆用溶剤の原料として準備しておく。
【0017】
次に、以上の3種の溶液を使用して形成する潤滑性被覆用溶剤の製造手順について述べる。
まず、ガントレッツの7%THF溶液の熟成溶液100(重量比)に対して、10(重量比)のポリプロピレングリコールの10%THF溶液を添加する。添加後、充分に攪拌する。
攪拌により均一に溶液が得られたところで、これに100(重量比)のPURの5%THF溶液を加えて攪拌することにより、潤滑性被覆用溶剤の製造が完了する。この製造方法で得られた潤滑性被覆用溶剤は1ケ月程度は変質しないことが確認されている。
【0018】
この潤滑性被覆用溶剤を用いて、医療用具の表面に潤滑性被覆をコーティングする要領を下記の工程順によって示す。
(イ)任意の潤滑被覆形成用の容器に所定量の前述の潤滑性被覆用溶剤を入れる。
(ロ)医療用具の基材として、例えばポリウレタン製のカテーテルを潤滑性被覆用溶剤中に浸漬した後、5m/分以上の比較的速い速度で引き上げる。
(ハ)引上げ後、カテーテルの例えば端部に溜まった液は、内腔から空気を吹き付けて飛ばしてやる。
(ニ)この状態で60℃×48時間、又は70℃×24時間の熱処理を行う。
(ホ)その後、0.1NのNaOH水溶液に浸漬した後、5m/分以上の比較的速い速度で引き上げる。
(ヘ)さらに蒸溜水で洗浄した後、60℃×24時間の乾燥を行い、カテーテル表面への潤滑性被覆のコーティングを終了する。
【0019】
以上のように第2の実施形態によれば、潤滑性被覆の基材への固定に何等の化学反応を必要としないで、単に塗布膜を形成するだけで、第1の実施形態の場合と同様に潤滑(ヌルヌル)効果とその持続性に優れた潤滑性被覆のコーティングが達成される。ただ、第2の実施形態による効果は第1の実施形態のそれと比較すると、持続性において若干劣るものの表面は非常にスムースであり、基材の生の表面(通常の押し出し表面)よりも光沢がよいというように、潤滑性被覆としての確実性がある。
また、この効果は潤滑性被覆用溶剤の前述のガントレッツの7%THF溶液を少なくとも72時間放置して熟成溶液を得たものを使用したことによる本実施形態特有の製造方法によるものであるが、架橋剤として用いたポリオールである水に溶けないポリプロピレングリコールを採用したためであるということも第1の実施形態の場合と同様である。
さらに、本実施形態で得られた潤滑性被覆も、ヌルヌル性に優れたものとなっているが、これは基材表面に形成した潤滑性被覆に親水性部と同時に疎水性部を持たせたためであって、つまり界面活性剤の機能特性を付与した湿潤潤滑性コーティングとなっている。
【0020】
以上、第1の実施形態及び第2の実施形態によって本発明の構成を詳細に説明したが、これらの実施形態において示した例えばガントレッツの7%THF溶液等の数値は一例であって、これらの数値に限定されないことはいうまでもない。
また、医療用具の材料の一例として示したポリウレタンも、これに限定されないものである。
また、本発明は各種の医療用具の湿潤潤滑コートに適用できるばかりでなく、これらの医療用具に対する例えば抗菌コート等の形成方法に適用しても好適である。
【0021】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、無水マレイン酸とメチルビニルエーテルとの交互共重合体、ウレタン樹脂及び架橋剤のポリオールを所定比率で有機溶媒に溶解して潤滑性被覆用溶剤を形成し、この潤滑性被覆用溶剤を医療用具の基材表面に塗布して均一性被膜を形成することにより潤滑性被覆を有する医療用具を得るから、潤滑性被覆の基材への固定に何等の化学反応を必要としないで単に塗布膜を形成するだけで、潤滑効果とその持続性に優れた潤滑性被覆のコーティングが達成される効果がある。
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a medical device having a lubricating coating and a method for manufacturing the same, and more particularly to a medical device having a lubricating coating in a medical device such as a catheter and other accessories and a method for manufacturing the same.
[0002]
[Prior art]
With the development of medical device technology, medical devices having a high degree of safety for human bodies such as organs and tissues have become indispensable at the time of use. That is, for example, the medical device disclosed in Japanese Examined Patent Publication No. 1-33311, which was first disclosed as a medical device having a lubricious surface when wet, documents related to the medical device having a lubricous coating and a method for manufacturing the medical device are enumerated. Not so much.
And as a typical document regarding the invention which was recently published and is entitled “surface lubricity imparting agent”, for example, JP-A-5-300940 can be cited.
[0003]
The main point of the disclosed technology so far is that various polymerizing means for hydrophilic polymer on the surface of the substrate, or hydrophilic polymer containing a reactive group formed on the surface and an organic solvent-soluble component having active hydrogen. The reaction is performed in an organic solvent to impart hydrophilicity to the surface of the substrate.
In addition, technologies related to wet lubrication coatings are classified into “Gantrez type”, “Polyvinylpyrrolidone type”, and “Polyethylene glycol type” when classified according to their main materials. And as a fixing method to a base material, all use chemical reactions, such as a covalent bond or an ionic bond.
The above-mentioned “Gantretz” is a trade name of GAF (General Aniline and Film Corporation), but is a material name widely used in the industry as a poly (maleic anhydride-methyl vinyl ether) alternating copolymer. So, I used it dare.
[0004]
The conventional wet lubrication coat as described above is a coating in which a uniform layer is formed on the outermost layer of the base material, and when the layer touches water, a large amount of water is absorbed and at the same time a slimy feel is obtained. .
This slimy is an important factor for imparting wet lubricity, so that it is only physically related to the organs and tissues of the human body, for example, relative to the human body, etc., when the medical device is inserted. In addition, for example, physiological smoothness such as antithrombogenicity is imparted, so that a highly safe medical device can be achieved.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, the conventional medical device having a lubricious coating and the method for producing the same all use a chemical reaction such as a covalent bond or an ionic bond as a fixing method to the base material as described above. There is a problem that the manufacturing method is complicated and the cost is significantly increased.
Further, since the conventional wet lubrication coat naturally swells greatly when water is absorbed, there are problems such as generation of wrinkles on the surface and easy peeling off when rubbed due to residual stress. For this reason, the problem that the sustainability of the lubrication performance is not sufficient cannot be solved.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
A medical device having a lubricating coating according to the present invention is a medical device comprising a lubricating coating solvent prepared by dissolving an alternating copolymer of maleic anhydride and methyl vinyl ether, a urethane resin and a polyol of a crosslinking agent in an organic solvent in a predetermined ratio. It has a uniform film formed by coating on the surface of the substrate.
Here, the polyol is preferably polypropylene glycol, and the organic solvent is preferably tetrahydrofuran.
[0007]
A method for producing a medical device having a lubricious coating according to the present invention comprises the steps of: dissolving an alternating copolymer of maleic anhydride and methyl vinyl ether, a urethane resin and a polyol of a crosslinking agent in an organic solvent at a predetermined ratio; A uniform coating is formed by forming a solvent and applying the lubricating coating solvent to the surface of the base material of the medical device.
In this case, it is preferable to use polypropylene glycol for the polyol of the cross-linking agent and tetrahydrofuran for the organic solvent.
[0008]
Moreover, in one manufacturing method of the medical device which has a lubricous coating of the preceding clause, the solvent for the lubricating coating to be used is formed at a liquid temperature of 20 ° C. or less, and the base material surface of the medical device by this lubricating coating solvent is used. It is necessary to form a uniform film by immersing and applying the solution at a temperature of 20 ° C. or less at the time of application.
[0009]
Furthermore, in another method for producing a medical device having a lubricating coating as described in the preceding paragraph, a predetermined ratio solution of a copolymer of maleic anhydride and methyl vinyl ether used in forming the lubricating coating solvent to an organic solvent is: After dissolution, this solution can be left for at least 72 hours to be used as a ripening solution.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The medical device having a lubricating coating according to the present invention is obtained by forming a lubricating coating solvent as described above and applying the lubricating coating solvent to the surface of the medical device according to a predetermined coating method. Therefore, in the following description of the embodiments of the present invention, mainly two types of production methods and coating methods of a standard lubricating coating solvent will be described.
[0011]
[First Embodiment]
In this embodiment, one standard manufacturing method and its coating method will be described.
First, GANTREZ AN-139 (manufactured by GAF: molecular weight MW; about 41,000) commercially available as a copolymer of maleic anhydride and methyl vinyl ether is dissolved in a solvent such as tetrahydrofuran (hereinafter abbreviated as THF), Make a 7% THF solution of Gantrez. The grade of GANTREZ is not limited to AN-139, but may be other polymer types.
Next, a polyurethane resin (commercial name, EA100A: hereinafter abbreviated as PUR) is dissolved in THF to prepare a 5% THF solution of PUR. If this PUR is Tecoflex, EG85A to EG65D can be used.
Further, a 10% THF solution of a polypropylene glycol as a cross-linking agent is prepared. The polypropylene glycol may be any polyol, but it is convenient to use a glycol type having a molecular weight of 3000 in order to increase the crosslinking efficiency.
The above-mentioned three kinds of solutions, 7% THF solution of Gantrez, 5% THF solution of PUR and 10% THF solution of polypropylene glycol, are prepared as raw materials for the lubricant coating solvent.
[0012]
Next, a procedure for producing a lubricating coating solvent formed using the above three solutions will be described.
First, 10% (by weight) of 10% THF solution of polypropylene glycol is added to 100% (by weight) of 7% THF solution of Gantrez. Stir well after addition.
When a uniform solution is obtained by stirring, 100% (by weight) of a 5% THF solution of PUR is added to the solution and stirred at a liquid temperature of 20 ° C. or lower to complete the production of the solvent for lubricating coating. . In this case, since the uniformity is lost when the liquid temperature is 20 ° C. or higher, the liquid is stored in a refrigerator after stirring. And it has been confirmed that the lubricating coating solvent obtained by this production method and storage method does not change for about one month.
[0013]
The procedure for coating the surface of the medical device with the lubricating coating using this lubricating coating solvent will be described in the following order of steps.
(1) A predetermined amount of the above-mentioned lubricating coating solvent is put in a container for forming a lubricating coating capable of temperature control, and the temperature of the entire system including the solvent is set to 20 ° C. or lower.
(2) As a base material for a medical device, for example, a polyurethane catheter is dipped in a lubricating coating solvent, and then pulled up at a relatively high speed of 5 m / min or more.
(3) After pulling up, the liquid accumulated at, for example, the end of the catheter is blown off by blowing air from the lumen.
(4) Heat treatment at 60 ° C. for 48 hours or 70 ° C. for 24 hours is performed in this state.
(5) Then, after immersing in a 0.1N NaOH aqueous solution, it is pulled up at a relatively high speed of 5 m / min or more.
(6) After further washing with distilled water, drying at 60 ° C. for 24 hours is performed, and the coating of the lubricating coating on the catheter surface is completed.
[0014]
In this embodiment, 10% THF solution of 10 polypropylene glycol is added to 7% THF solution 100 of Gantrez, and when a uniform solution is obtained by stirring, 100 (weight ratio) is added thereto. Add a 5% THF solution of PUR and stir at a liquid temperature of 20 ° C. or lower. Further, put a predetermined amount of the above-mentioned lubricating coating solvent in the container and set the temperature of the entire system including the solvent to 20 ° C. or lower. However, this is because when the liquid temperature reaches 20 ° C. or higher, layer separation occurs, and even if coating is performed in this state, sufficient sustainability cannot be ensured. That is, the coating is not uniform and the surface becomes slightly rough, resulting in a matte type.
[0015]
As described above, according to the first embodiment, the lubrication (null null) effect and its sustainability can be achieved simply by forming a coating film without requiring any chemical reaction for fixing the lubricity coating to the base material. Excellent lubricity coatings are achieved.
In addition, this effect is due to the manufacturing method peculiar to the present embodiment by keeping the liquid temperature of the solvent for lubricating coating (which may be called a lubricating coating agent) at 20 ° C., but it was used as a crosslinking agent. It can be said that this is because the use of polypropylene glycol which is insoluble in water, which is a polyol.
Furthermore, the lubricity coating obtained in the present embodiment has excellent slimness, because it has a hydrophobic portion as well as a hydrophilic portion, that is, a function of a surfactant. This is because the wet-lubricating coating is provided with characteristics.
[0016]
[Second Embodiment]
In the present embodiment, a standard manufacturing method and a coating method thereof different from the first embodiment will be described.
First, the above-mentioned GANTREZ AN-139 is dissolved in a solvent such as THF to prepare a GANTREZ 7% THF solution. A 7% THF solution of Gantretz is allowed to stand at room temperature for 72 hours or more and is prepared as an aging solution of 7% THF solution of Gantrez. The grade of GANTREZ is not limited to AN-139, but may be other polymer types.
The PUR is then dissolved in THF to make a 5% THF solution of PUR. If this PUR is also Tecoflex (trade name), EG85A to EG65D can be used.
Further, a 10% THF solution of a polypropylene glycol as a cross-linking agent is prepared. The polypropylene glycol may be any polyol, but it is convenient to use a glycol type having a molecular weight of 3000 in order to increase the crosslinking efficiency.
Three types of solutions are prepared as raw materials for the lubricating coating solvent, the above-mentioned aging solution of 7% THF solution of Gantrez, 5% THF solution of PUR and 10% THF solution of polypropylene glycol.
[0017]
Next, a procedure for producing a lubricating coating solvent formed using the above three solutions will be described.
First, 10% (by weight) of a 10% THF solution of polypropylene glycol is added to 100% (by weight) of an aged solution of 7% THF solution of Gantrez. Stir well after addition.
When a uniform solution is obtained by stirring, 100% (by weight) of 5% THF solution of PUR is added and stirred to complete the production of the solvent for lubricating coating. It has been confirmed that the lubricating coating solvent obtained by this production method does not deteriorate for about one month.
[0018]
The procedure for coating the surface of the medical device with the lubricating coating using this lubricating coating solvent is shown in the following order of steps.
(A) A predetermined amount of the above-mentioned lubricating coating solvent is put in an arbitrary lubricating coating forming container.
(B) As a base material for a medical device, for example, a polyurethane catheter is dipped in a lubricating coating solvent, and then pulled up at a relatively high speed of 5 m / min or more.
(C) After the pulling up, the liquid accumulated at, for example, the end of the catheter is blown off by blowing air from the lumen.
(D) In this state, heat treatment is performed at 60 ° C. for 48 hours or 70 ° C. for 24 hours.
(E) After that, after dipping in a 0.1N NaOH aqueous solution, it is pulled up at a relatively high speed of 5 m / min or more.
(F) After further washing with distilled water, drying is performed at 60 ° C. for 24 hours, and the coating of the lubricous coating on the catheter surface is completed.
[0019]
As described above, according to the second embodiment, no chemical reaction is required for fixing the lubricity coating to the base material, and only the coating film is formed, and the case of the first embodiment. Similarly, a lubrication coating having excellent lubrication effect and durability is achieved. However, the effect of the second embodiment is slightly inferior in sustainability compared to that of the first embodiment, but the surface is very smooth and glossy than the raw surface of the substrate (ordinary extruded surface). As good, there is certainty as a lubricious coating.
In addition, this effect is due to the manufacturing method peculiar to the present embodiment by using a solution obtained by leaving a 7% THF solution of the aforementioned Gantrez in a lubricant coating solvent for at least 72 hours to obtain an aging solution. It is the same as in the case of the first embodiment that polypropylene glycol that is insoluble in water, which is a polyol used as a crosslinking agent, is employed.
Furthermore, the lubricity coating obtained in the present embodiment is also excellent in the sliminess, but this is because the lubricity coating formed on the substrate surface has a hydrophilic portion and a hydrophobic portion at the same time. That is, it is a wet-lubricating coating imparted with the functional characteristics of a surfactant.
[0020]
As mentioned above, although the structure of this invention was demonstrated in detail by 1st Embodiment and 2nd Embodiment, the numerical values, such as a 7% THF solution of Gantretz shown in these embodiment, are examples, These Needless to say, it is not limited to numerical values.
The polyurethane shown as an example of the material of the medical device is not limited to this.
Further, the present invention can be applied not only to wet lubrication coats of various medical devices, but also to application to a method of forming such antibacterial coatings on these medical devices.
[0021]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, an alternating copolymer of maleic anhydride and methyl vinyl ether, a urethane resin and a polyol of a crosslinking agent are dissolved in an organic solvent at a predetermined ratio to form a lubricating coating solvent. Since a medical device having a lubricating coating is obtained by applying a lubricating coating solvent to the surface of a medical device substrate to form a uniform coating, any chemical reaction is required to fix the lubricating coating to the substrate. There is an effect that a lubricating coating excellent in lubricating effect and durability can be achieved by merely forming a coating film without being required.

Claims (6)

無水マレイン酸とメチルビニルエーテルとの共重合体、ウレタン樹脂及び架橋剤の水に不溶性のポリプロピレングリコールを所定比率で有機溶媒に溶解した潤滑性被覆用溶剤を医療用具の基材表面に塗布して形成した均一性被膜を有することを特徴とする潤滑性被覆を有する医療用具。Coated with maleic anhydride / methyl vinyl ether copolymer, urethane resin and crosslinking agent water-insoluble polypropylene glycol dissolved in organic solvent at a specified ratio and formed on the base material surface of medical devices. A medical device having a lubricious coating, characterized by having a uniform coating. 前記有機溶媒はテトラヒドロフランであることを特徴とする請求項1記載の潤滑性被覆を有する医療用具。  The medical device having a lubricating coating according to claim 1, wherein the organic solvent is tetrahydrofuran. 無水マレイン酸とメチルビニルエーテルとの共重合体、ウレタン樹脂及び架橋剤の水に不溶性のポリプロピレングリコールを所定比率で有機溶媒に溶解して潤滑性被覆用溶剤を形成し、この潤滑性被覆用溶剤を医療用具の基材表面に塗布して均一性被膜を形成することを特徴とする潤滑性被覆を有する医療用具の製造方法。A lubricating coating solvent is formed by dissolving a copolymer of maleic anhydride and methyl vinyl ether, a urethane resin, and a water-insoluble polypropylene glycol, which is a crosslinking agent, in an organic solvent in a predetermined ratio to form a lubricating coating solvent. A method for producing a medical device having a lubricious coating, wherein the uniform coating is formed by applying to a substrate surface of the medical device. 前記潤滑性被覆用溶剤は液温を20℃以下で形成し、前記潤滑性被覆用溶剤による医療用具の基材表面への塗布時の液温も20℃以下で浸漬・塗布して前記均一性被膜を形成することを特徴とする請求項3記載の潤滑性被覆を有する医療用具の製造方法。  The lubricity coating solvent is formed at a liquid temperature of 20 ° C. or less, and the liquid temperature at the time of application to the base material surface of a medical device with the lubricity coating solvent is also immersed and applied at a temperature of 20 ° C. or less to achieve the uniformity. The method for producing a medical device having a lubricous coating according to claim 3, wherein a coating is formed. 前記潤滑性被覆用溶剤の形成において使用する前記無水マレイン酸とメチルビニルエーテルとの共重合体の前記有機溶媒への所定比率溶液は、溶解後この溶液を少なくとも72時間放置して熟成溶液としたものを使用することを特徴とする請求項3記載の潤滑性被覆を有する医療用具の製造方法。  A predetermined ratio solution of the copolymer of maleic anhydride and methyl vinyl ether used in the formation of the lubricating coating solvent to the organic solvent is a solution obtained by allowing the solution to stand for at least 72 hours after dissolution. The method for producing a medical device having a lubricous coating according to claim 3. 前記有機溶媒にはテトラヒドロフランを使用することを特徴とする請求項3、請求項4又は請求項5記載の潤滑性被覆を有する医療用具の製造方法。  6. The method for producing a medical device having a lubricating coating according to claim 3, wherein the organic solvent is tetrahydrofuran.
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