JP4180012B2 - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、吸気あるいは排気バルブの駆動位相を可変可能とした内燃機関の可変動弁装置に関する。
自動車に搭載されるエンジン(内燃機関)には、エンジンの排出ガス対策や燃費低減などの理由から、可変動弁装置を搭載して、自動車の運転状態に応じて、吸・排気バルブの位相(開閉タイミング)を変化させることが行われている。
このような可変動弁装置には、カムシャフトに形成されているカムの位相を、一旦、ベース円区間とリフト区間とが連なる往復式のカムに置き換える往復カム式構造がある。同構造の多くは、往復式カムに置き換えたベース円区間とリフト区間との比率を可変させるロッカアーム機構を採用して、同比率を自動車の運転状態に応じて変化させる構造が用いられている(例えば特許文献1を参照)。
特許第3245492号公報
エンジンでは、燃費低減のために、ポンピングロスを低減させることが求められている。
ところで、ポンピングロスの低減を考慮した場合、吸気バルブの位相を変化させるときは、開弁時期をほぼ揃えて、位相(開閉タイミング)を可変することが望ましい(ロスなく吸入空気が気筒内へ吸入される状況をつくることによる)。
ところが、特許文献1に示される可変動弁装置は、単にカムシャフトのカム位相を往復式カムに置き換える構造上、得られるカム位相の可変は、最大リフト量となる部分がほぼ揃いながら、開弁時期と閉弁時期とが変化するようになる。
そこで、このような往復式の可変動弁装置を搭載したエンジンでは、別途、これとは方式の異なる可変動弁装置、具体的には油圧力でカム自身を進角や遅角方向に変位させる方式の可変動弁装置を併用して、開弁時期をほぼ揃えるように吸気バルブの位相を可変させて、ポンピングロスを低減させている。
しかしながら、このような異なる方式の可変動弁装置の手助けを受けて、バルブの位相を可変したのでは、複数の可変動弁装置を併用するために、両方の可変システムを同時に正しく制御する必要があると共に、位相可変量も大きくする必要があるため、応答性や可変量が不足し、十分な燃費の改善が図れないおそれがあるといった問題がある。
そこで、本発明の目的は、比較的簡単な構成により、バルブリフト量や開弁時間を調整し、十分な可変量を確保しつつ、開弁時期よりも閉弁時期の大きな可変ができる内燃機関の可変動弁装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、カムシャフトに形成されたカムにより駆動されて吸気又は排気バルブを開閉するロッカアーム機構には、ロッカシャフトに揺動自在に支持され吸気又は排気バルブを駆動可能な第1アームと、カムにより駆動されてロッカシャフト側を支点として揺動する第2アームと、ロッカシャフトの近傍に配置された支持軸に揺動自在に設けられ、第2アームの変位を受け第2アームの支点移動がもたらす姿勢変化によりカムの位相を可変させて第1アームを駆動する第3アームと、カムとの当接位置を該カムの移動方向前後へ変位させるべく第2アームのロッカシャフト側の支点を変位させる可変機構とを有する。第3アームは、支持軸に回動自在に支持されるボス部と、ボス部から第1アームに向かって延びるとともに第1アームを駆動するべく第1アームと接する伝達面部が形成されるアーム部と、アーム部において伝達面部とボス部との間の部分に設けられて第2アームと当接して当該第2アームの変位を受ける変位受け部とを備える。
さらに上記目的に加え、さらに開弁時期をほぼ揃えたタイミングで連続的にバルブの開閉タイミングおよびバルブのリフト量の可変が行われるよう、第2アームは、ロッカシャフト側が低くかつ支持軸側が高くなるよう傾斜されるとともに変位受け部に当接して第3アームに変位を伝達する傾斜面を有する。伝達面部は、支持軸の軸心を中心した円弧面からなるベース円区間と該ベース円区間に連続してカムのリフト域の形状と同じような円弧面からなるリフト区間とで構成されて第1アームに当接する。当接位置の変位がもたらす第2アームの姿勢変化によって支持軸から伝達面部までの距離が変化されて、第1アームに伝わるカムの位相が、吸気又は排気バルブのバルブリフト量と共に連続的に可変される。
請求項1に記載の発明によれば、第1〜第3アームを組み合わせた簡素な単一のロッカアーム機構で、十分な可変量を確保しつつ、開弁時期よりも閉弁時期の大きな可変ができる。しかも、ロッカアーム機構の第3アームは、揺動支点に作用する荷重負担が少なくてすむ状態のもとで、第2アームからの変位を第1アームへ伝えるので、第3アームのフリクションの低減並びに該アームの支持強度の低減を図ることができ、耐久性、コンパクト性に優れた可変動弁装置を提供することができる。
上記効果に加え、開弁時期をほぼ揃えながらカム位相の連続的な可変、さらにはバルブリフト量の連続的な可変ができるといった効果を奏する。
[一実施形態]
以下、本発明を図1〜図8に示す一実施形態にもとづいて説明する。
図1は、内燃機関、例えば複数気筒が直列に並ぶレシプロ式ガソリンエンジンのシリンダヘッド1の断面図を示している。このシリンダヘッド1の下面には、気筒の配列にならって燃焼室2が長手方向に沿って形成されている。これら燃焼室2毎に、例えば2個づつ(一対)、吸気ポート3および排気ポート4(片側しか図示せず)が設けてある。さらにシリンダヘッド1の上部には、吸気ポート3を開閉する吸気バルブ5(往復バルブで構成される)、排気ポート4を開閉する排気バルブ6(往復バルブで構成される)がそれそれ組付けられている。なお、複数の吸気バルブ5、複数の排気バルブ6には、いずれもバルブスプリング7で閉方向に付勢される常閉式が用いてある。またシリンダヘッド1の上部には、複数の吸気バルブ5、複数の排気バルブ6を駆動させる動弁系、例えばSOHC式の動弁系8が搭載されている。
この動弁系8について説明すると、10は、燃焼室2の頭上にシリンダヘッド1の長手方向に回転自在に配設されたカムシャフト、11は、このカムシャフト10を挟む上部片側(シリンダヘッド幅方向片側)に上記カムシャフト10とほぼ平行に配設された回動可能な吸気側のロッカシャフト、12は、その反対側に上記カムシャフト10とほぼ平行に配設(固定)された排気側のロッカシャフト、13は、ロッカシャフト10の近傍、例えばロッカシャフト11とロッカシャフト12間の上側の地点に、上記カムシャフト10とほぼ平行に配設(固定)された支持シャフト(本願の支持軸に相当)を示す。カムシャフト10は、エンジンのクランク出力により、図1中の矢印方向に沿って回転駆動される部品である。このカムシャフト10には、燃焼室2毎、吸気用カム15(1つ)と排気用カム16(2つ)が形成されている。具体的には、吸気用カム15は燃焼室2の頭上中央となるシャフト部分に形成され、排気用カム16はその吸気用カム15を挟む両側の部分にそれぞれ形成してある(図2に図示)。
このうち排気側のロッカシャフト12には、排気用カム16毎(排気バルブ6毎)に、排気バルブ6駆動用のロッカアーム18(図1;片側しか図示せず)がそれぞれ回動自在に設けられている。また吸気側のロッカシャフト11には、吸気用カム15毎に、複数(一対)の吸気バルブ5を一緒に駆動するロッカアーム機構19が設けられていて、カムシャフト10の回転により、所定の燃焼サイクル(例えば吸気行程、圧縮行程、爆発行程、排気行程の4サイクル)にしたがい、吸気バルブ5、排気バルブ6を開閉させるようにしてある。
この吸気側のロッカアーム機構19に、可変動弁装置20が採用されている。図2にはこの可変動弁装置20を構成するロッカアーム機構19の平面図が示され、図3には同ロカアーム機構19を分解した斜視図が示されている。
同可変動弁装置20を説明すると、同装置20を構成するロッカアーム機構19には、図1〜図3に示されるようにロッカシャフト11に揺動自在に支持されるロッカアーム25(第1アームに相当)と、吸気用カム15で駆動されるセンタロッカアーム35(第2アームに相当)と、支持シャフト13に揺動自在に支持されるスイングカム45(第3アームに相当)とを組み合わせた構造が用いられている。
このうちロッカアーム25には、図3に示されるような複数(一対)の吸気バルブ5へ変位を伝える部分を二股形状にした構造が採用されている。例えばロッカアーム25は、中央に筒状のロッカシャフト支持用ボス26を有し、そのボス26を挟んだ一端側に、吸気バルブ5の駆動をなす駆動部分、例えばアジャストスクリュ部27をもつ一対のロッカアーム片29を並行に配置し、これらロッカアーム片29の他端部間に、当接子となるローラ部材30を回転自在に挟み込んだ構造が用いられている。なお、32はローラ部材30を回転自在に枢支するための短シャフトを示す。そして、組み上げられたロッカアーム25の各ロッカシャフト支持用ボス26がロッカシャフト11に揺動自在に嵌挿され、ローラ部材30をシリンダヘッド1の中央側に向け、残るアジャストスクリュ部27をそれぞれシリンダヘッド1の上部から突き出ている吸気バルブ5の上部端(バルブステム端)に配置させてある。
またセンタロッカアーム35には、図1および図3に示されるように吸気用カム15のカム面と転接する転接子、例えばカムフォロア36と、同カムフォロア36を回転自在に支持する枠形のホルダ部37とをもつ、ほぼL形部材が用いられている。具体的には、センタロッカアーム35は、カムフォロア36を中心として、ホルダ部37から上方、具体的にはロッカシャフト11と支持シャフト13間へ向かって柱状に延びる中継用アーム部38と、ホルダ部37の側部から、一対のロッカアーム片39間から露出するロッカシャフト部分11a(図4〜図7に図示)の下側へ延びる平板状の支点用アーム部39とを有して、L形に形成してある。そして、中継用アーム部38の先端(上端部)には、スイングカム45へ変位を伝える中継部分として、例えばロッカシャフト11側が低く、支持シャフト13側が高くなるよう傾斜した傾斜面40が形成してある。残る支点用アーム部39の先端部は、例えばロッカシャフト部分11aに支持されている。この支持には、例えば図1および図3に示されるようにロッカシャフト部分11aに、球面状部41aが下端部に形成されたピン部材41を、支点用アーム部39の先端部に向かって、ロッカシャフト部分11aの上側から下側へ貫通(径方向)するように螺挿して固定(例えばナット41bで固定)し、ロッカシャフト部分11aから突き出たピン端部を支点用アーム部39で支持する構造が用いられている。すなわち、支点用アーム部39の先端部上面には、ロッカシャフト部分11aから突き出た球面状部41aと回動可能に嵌まり合う球面状の受け部42が形成されている。これにより、センタロッカアーム35は、カムフォロア36が吸気用カム15で駆動されると、ロッカシャフト11側を支点、すなわち球面状部41aと受け部42とが嵌まり合うピボット部を支点に、上下方向へ揺動するようにしてある。
またロッカシャフト11の端部には、制御アクチュエータとして、例えば制御用モータ43(図3のみ図示)が接続されていて、制御用モータ43の作動により、ロッカシャフト11を所望に回動変位、例えば図4および図5に示されるピン部材41が垂直方向に配置された姿勢から、図6および図7に示されるカムシャフト回転方向へほぼ45°の角度に傾いた姿勢までの範囲で回動変位できるようにしている。つまり、制御モータ43、ピボット支持構造で構成される支点移動機構44(本願の可変機構に相当)により、センタロッカアーム35のロッカシャフト11側の支点を、同シャフト11の軸方向と交差する方向に移動(変位)できるようにしている。そして、この移動がもたらすセンタロッカアーム35の位置ずれを利用して、図4〜図7に示されるようにカムフォロア36の吸気用カム15に対する転接位置(当接位置)が可変、すなわち吸気用カム15の回転方向前後へ変位できるようにしている。
一方、スイングカム45は、図1〜図3に示されるように支持シャフト13に回動自在に嵌挿される筒状のボス部46と、同ボス部46からローラ部材30(ロッカアーム25)へ向って延びるアーム部47と、同アーム部47の下部に形成した変位受け部48とを有して形成されている。このうちアーム部47の先端には、ロッカアーム25へ変位を伝える伝達面部として、例えば上下方向に延びるカム面49が形成されている。このカム面49がロッカアーム25のローラ部材30の外周面に転接させてある。また変位受け部48には、例えば図3に示されるようにアーム部47の下部のうち、カムシャフト10の直上となる下面部分に凹陥部51を形成し、同凹陥部51内に、シャフト10,11と同じ向きで、短シャフト52を回動自在に設けた構造が用いられている。さらに述べれば、凹陥部51の開放部から露出する短シャフト52の下部には、凹部53が形成されていて、同凹部53内に中継用アーム部38(センタロッカアーム35)の先端部が摺動自在に差し込まれる。また凹部53の底面には、傾斜面40をスライド可能に受け止める平面状の受け面53aが形成されている。これにより、スイングカム45は、センタロッカアーム35の揺動を受けると、支持シャフト13が支点X(揺動支点)とし、凹部53の受け面53aをセンタロッカアーム35からの荷重が作用する作用点Yとし、カム面49がロッカアーム25を駆動させる力点Zとして、周期的に揺動するようになっている。すなわち、スイングカム45は、支持シャフト13を支点Xとし、該支点Xと力点Zとの間を作用点Yが周期的に変位して、センタロッカアーム35から加わる荷重並びに変位をロッカアーム25へ伝えるようにしてある。またスイングカム45は、カムフォロア36が吸気用カム15の所定位置から進角方向や遅角方向へ変位(センタロッカアーム35が吸気用カム15の移動方向前後へ変位)すると、該変位に伴う姿勢の変化から、吸気用カム15の位相が進角方向(あるいは遅角方向)へずれる。つまり、吸気バルブ5を駆動するカム位相が、開弁時期(あるいは閉弁時期)をほぼ揃えながら可変されるようにしている。
またカム面49には、例えば支持シャフト13の中心からの距離が変化する曲面(本願の変換部)が用いられている。これには、例えば図1中に示されるようにカム面49の上部側をベース円区間α、すなわち図1中に示されるように支持シャフト13の軸心を中心とした半径の円弧面で形成された区間とし、下部側をリフト区間β、すなわち上記円弧に連続した反対向きの円弧面及びさらに反対向きの円弧面、例えば吸気用カム15のリフト域のカム形状と同じような円弧面で形成された区間とした曲面が用いられている。このカム面49により、カムフォロア36が吸気用カム15の所定位置から進角方向へ変位(センタロッカアーム35の支点位置が変位)すると、ローラ部材30が接するカム面49の領域が変化、詳しくはローラ部材30が行き交うベース円区間αとリフト区間βの比率が変化するようにしてある。この進角方向の位相変化を伴いながら行われる区間α,βの比率の変化により、吸気バルブ5の開閉タイミングが開弁時期よりも閉弁時期を大きく変化させて連続的に開弁期間が可変されたり、同時に吸気バルブ5のバルブリフト量が連続的に可変されたりしている。
なお、図1中、54は、吸気用カム15と、センタロッカアーム35およびスイングアーム45の相互間を密接する方向に付勢するためのプッシャ、55は燃焼室2内の混合気を点火する点火プラグを示す。
つぎに、このように構成された可変動弁装置20の作用を説明する。
まず、吸気バルブ5の開閉に伴うロッカアーム機構19の動きについて説明すれば、今、カムシャフト10が回転(矢印方向)しているとする。
このとき、センタロッカアーム35のカムフォロア36は、ロッカアーム片29間に配置されている吸気用カム15を受けていて、同カム15のカムプロフィールにならい駆動される。すると、センタロッカアーム35は、ロッカシャフト11側のピボット部を支点として上下方向へ揺動される。そして、この揺動変位が、センタロッカアーム35の直上にあるスイングカム45へ伝わる。
ここで、スイングカム45は、一端部が支持シャフト13で揺動自在に支持され、他端部がロッカアーム25のローラ部材30に転接されている。この状態から、下部に有る短シャフト52の受け面53aで、中継用アーム部38先端の傾斜面40を受けている。これにより、スイングカム45は、傾斜面40と摺動しながら、該傾斜面40で押し上げられたり下降したりするといった挙動を繰り返しながら揺動する。具体的にはスイングカム45は、作用点(センタロッカアーム35で駆動される点)が、揺動支点と力点(ローラ部材30を駆動する点)との間を変位しながら周期的に揺動する。この揺動により、スイングカム45のカム面49は上下方向へ駆動される。
このとき、カム面49には、ローラ部材30が転接しているから、カム面49でローラ部材30を周期的に押圧する。この押圧を受けてロッカアーム25は、ロッカシャフト11を支点に駆動(揺動)され、複数(一対)の吸気バルブ5を一度に開閉させる。
こうした運転中、制御モータ43の作動により、ロッカシャフト11を回動させて、例えば最大バルブリフト量が確保される地点に、センタロッカアーム35の支点位置を位置決める。すると、センタロッカアーム35のカムフォロア36は、吸気用カム15上を変位して、スイングカム45のカム面49を垂直に近い角度(ベース円区間αにあるとき)となる姿勢に位置決められる。
これにより、カム面49は、ローラ部材30が行き交う領域(比率)が、最大のバルブリフト量をもたらす領域、すなわち図4に示される最も短いベース円区間αと図5に示される最も長いリフト区間βに設定される。すると、吸気バルブ5は、短いベース円区間αと最も長いリフト区間βとがなすカム面部分で駆動されるロッカアーム25にしたがい、図8中のA1の線図に示されるような最大バルブリフト量、さらには所望とする開閉タイミングで開閉される。
一方、吸気用カム15の位相を可変するときは、図6および図7に示されるように制御モータ43の作動により、ロッカシャフト11を最大バルブリフト量が確保される位置(図4および図5中のピン部材41位置)から、時計方向へ回動させる。これにより、センタロッカアーム35のピボット部(支点位置)は、カムシャフト10側へずれる。
ここで、センタロッカアーム35は、スイングアーム45へ変位を伝える部分が、中継用アーム部38の傾斜面40と同傾斜面40を摺動自在に受ける短シャフト52とにより形成され、吸気用カム15を受ける部分が吸気用カム15と転接するカムフォロア36で形成されているから、上記変位(ずれ)を受けると、センタロッカアーム35の全体は、カムフォロア36の転接位置が吸気用カム15の進角方向へ進むように変位(ずれ)する。この転接位置の変化により、可変しようとするカム位相の開弁時期が、ピボット部(支点位置)の可変量に応じて早まる。
また傾斜面40も、支点の移動を受けて、当初の位置から受け面53aを進角方向へ変位(スライド)する。これにより、センタロッカアーム35は、図6および図7に示されるようにスイングカム45のカム面45が下側へ傾く姿勢に変わる。この傾きが大きくなるにしたがい、ローラ部材30が行き交うカム面49の領域は、ベース円区間αが次第に長く、リフト区間βが次第に短くなる比率の領域に変わる。そして、この可変したカム面49のカムプロフィールがローラ部材30へ伝達され、ロッカアーム25を、開弁時期を早めながら揺動駆動する。これにより、吸気バルブ5の開閉タイミングは、センタロッカアーム35の支点位置の移動にしたがい、図8中に示されるように最大バルブリフト量A1から、ピン部材41が傾くことで得られる最小バルブリフト量A7まで、最大バルブリフト時とほぼ同じ開弁時期から開弁するタイミングを保ちながら、連続的に可変制御される。なお、図6および図7は、この可変制御のうち、最小バルブリフト量A7にしたときの状態を示している。
このようにロッカアーム25、センタロッカアーム35およびスイングカム45を組み合わせたロッカアーム機構19だけで、開弁時期をほぼ揃えたカム位相の可変ができる。しかも、スイングカム45は、揺動支点Xと力点Zとの間に作用点Yを形成した構造であるから、スイングカム45の揺動支点Xに作用する荷重は、作用点Yに作用するセンタロッカアーム35からの荷重、それとは反対の向きから力点Zに作用するロッカアーム25からの荷重のうち、打ち消されずに残る荷重が作用するだけとなる。そのため、スイングカム45は、揺動支点Xに作用する荷重を小さく抑えたままで稼動、すなわち荷重負担が少ない状態のまま稼動させることができ、フリクションを抑えたカム位相の可変ができる。
それ故、1系統(単一)のロッカアーム機構19だけで、ポンピングロスの低減、さらにはフリクションの低減を図り得るカム位相の可変が実現できる。しかも、スイングカム45は、荷重負担が抑制されることで、スイングカム45の耐久性を図ることができる。そのうえ、スイングカム45の支持剛性や強度の低減化も図れるので、併せてロッカアーム機構19の軽量化も図ることができる。
特にスイングカム45には、支持シャフト13からカム面49までの距離を変化させて、ロッカアーム片29,29へ伝わるカム位相をバルブリフト量と共に連続的に可変させる構造が用いてあるので、開弁時期をほぼ揃えたタイミングで連続的に吸気バルブ5の開閉タイミングおよびバルブのリフト量の可変を同時に行うことができる。こうした開弁時期をほぼ揃えたタイミングでのバルブリフト量、開閉タイミングの連続的な可変は、ロスを抑えながら吸入空気を気筒内へ吸入させることができ、特にポンピングロスの低減に優れた効果を発揮する。また本発明に位相可変装置を併用しても、位相可変量は小さくてすむため、可変する応答遅れが生じず、十分な燃費の改善を図ることができる。
なお、本発明は上述した一実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施しても構わない。例えば上述した一実施形態は、本発明を吸気バルブのロッカアーム機構に適用した例を挙げたが、これに限らず、排気バルブのロッカアーム機構に適用してもよい。また一実施形態では、SOHC式動弁系(1本のカムシャフトで吸気バルブと排気バルブを駆動する構造)のエンジンに本発明を適用したが、これに限らず、DOHC式動弁系(カムシャフトが吸気側と排気側とに専用にある構造)のエンジンに本発明を適用してもよい。また上述した一実施形態では、スイングカムの作用点Xとして、傾斜面40とそれを受ける短シャフト52の凹部53とから形成した構造を挙げたが、これに限らず、他の構造でもよい。
本発明の一実施形態に係る可変動弁装置を、同装置を搭載したシリンダヘッドと共に示す断面図。 同可変動弁装置の平面図。 同可変動弁装置の分解斜視図。 同可変動弁装置の最大バルブリフト制御時におけるカム面のベース円区間にロッカアームの当接部があるときの状態を示す断面図。 同じくカム面のリフト区間にロッカアームの当接部があるときの状態を示す断面図。 同可変動弁装置の最小バルブリフト制御時におけるカム面のリフト区間にロッカアームの当接部があるときの状態を示す断面図。 同じくカム面のリフト区間にロッカアームの当接部があるときの状態を示す断面図。 同可変動弁装置の性能を示す線図。
符号の説明
5…吸気バルブ、6…排気バルブ、11…吸気側のロッカシャフト、13…支持シャフト(支持軸)、19…ロッカアーム機構、20…可変動弁装置、25…ロッカアーム(第1アーム)、30…ローラ部材(当接子)、35…センタロッカアーム(第2アーム)、44…支点移動機構(可変機構)、45…スイングカム(第3アーム)、46…ボス部、47…アーム部、48…変位受け部、49…カム面(伝達面部)、α…ベース円区間、β…リフト区間

Claims (1)

  1. 内燃機関に回転自在に設けられたカムシャフトと、
    前記カムシャフトと並行に配置されて前記内燃機関に設けられたロッカシャフトと、
    前記カムシャフトに形成されたカムにより駆動されて吸気又は排気バルブを開閉するロッカアーム機構と
    を有する内燃機関の可変動弁装置において、
    前記ロッカアーム機構は、
    前記ロッカシャフトに揺動自在に支持され吸気又は排気バルブを駆動可能な第1アームと、
    前記カムと当接して該カムにより駆動され前記ロッカシャフト側を支点として揺動する第2アームと、
    前記ロッカシャフトの近傍に配置された支持軸に揺動自在に設けられ、前記第2アームの変位を受け、前記第2アームの支点移動がもたらす該第2アームの姿勢変化にしたがい、前記カムの位相を可変させて前記第1アームを駆動する第3アームと、
    前記カムとの当接位置を該カムの移動方向前後へ変位させるべく、前記第2アームの前記ロッカシャフト側の前記支点を変位させる可変機構とを備え、
    前記第3アームは、前記支持軸に回動自在に支持されるボス部と、前記ボス部から前記第1アームに向かって延びるとともに前記第1アームを駆動するべく前記第1アームと接する伝達面部を有するアーム部と、前記アーム部において前記伝達面部と前記ボス部との間の部分に設けられて前記第2アームと当接して当該第2アームの変位を受ける変位受け部とを具備し、
    前記第2アームは、前記ロッカシャフト側が低くかつ前記支持軸側が高くなるよう傾斜されるとともに前記変位受け部に当接して前記第3アームに変位を伝達する傾斜面を有し、
    前記伝達面部は、前記支持軸の軸心を中心した円弧面からなるベース円区間と該ベース円区間に連続して前記カムのリフト域の形状と同じような円弧面からなるリフト区間とで構成されて前記第1アームに当接し、前記当接位置の変位がもたらす前記第2アームの姿勢変化によって前記支持軸から前記伝達面部までの距離が変化されて、前記第1アームに伝わる前記カムの位相が、前記吸気又は排気バルブのバルブリフト量と共に連続的に可変されるようにしてある
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
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