JP4179724B2 - 環状ポリエーテル化合物の製造方法 - Google Patents

環状ポリエーテル化合物の製造方法 Download PDF

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  • Pyrane Compounds (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、環状ポリエーテル化合物の合成方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、シガトキシン等の天然物質を合成するための出発物質となる環状ポリエーテルを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】
珊瑚礁海域で頻発する食中毒シガテラの主要原因毒であるシガトキシン(化合物I)を始めとする海洋多環エーテル類は、神経、心臓、筋肉などの細胞膜の電位依存性Na+ チャンネルに特異的に結合し、チャンネルのコンホメーションを変化させることによって、Na+ を常時活性状態にする。これにより、これらの海洋多環エーテル類は、神経毒として作用する。このような天然物質は、大量の魚介類を死滅させる赤潮や、食中毒を引き起こす魚介類に含まれる原因毒素であることが知られている。
【0003】
【化1】
Figure 0004179724
【0004】
しかし、これらの天然物質は、調達、分離が非常に困難であるために、これまでのところ、分子レベルでの詳細な作用機構が解明されていないのが実状である。
【0005】
したがって、作用機構の解明や、微量検出方法の開発のために、実践的な化学合成による量的供給が不可欠と考えられており、これらの化合物の合成方法について、様々な研究がなされている(Chem. Rev., 1995, Vol.95, No.6)。しかし、このような複雑な構造と1000を超す分子量を有する巨大な化合物であるため、これまで検討されてきた種々の方法では、合成に要する工程数が多く、非常に困難であるという点が問題であった。
【0006】
そこで、発明者らは、パラジウム(0) 触媒を用いて、アルキルボランを環状エノールトリフラートとクロスカップリングさせる方法を見出し、報告した(Tetrahedron Letters 39, 1998, 9027)。しかしながら、この方法は、六員環をtrans-縮合し、テトラヒドロピラン環構造体を製造する上では、極めて効果的であるが、七員環以上の大きな環状エノールトリフラートは、塩基性水溶液中での安定性が悪いため、この方法でカップリングすることが不可能であった。
【0007】
この出願の発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解消し、シガトキシン合成への応用が可能で、六員環よりも大きな環状化合物にも適用が可能な、収束的環状ポリエーテル骨格を合成する方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、この出願の発明は、以下の通りの発明を提供する。すなわち、まず第1には、この出願の発明は、下記式
Figure 0004179724
(式中、MOMOはメトキシメチルエーテル基を示し、Bnはベンジル基を示し、TBSは tert- ブチルジメチルシリル基を示す。)で表されるアルキルボランと、下記式
Figure 0004179724
(式中、Bnはベンジル基を示す。)で表される環状エノールホスフェートとを、塩基性水溶液中で、ホスフィン配位子を有するパラジウム (0) 化合物を触媒としてクロスカップリングして、下記式
Figure 0004179724
(式中、MOMOはメトキシメチルエーテル基を示し、Bnはベンジル基を示し、TBSは tert- ブチルジメチルシリル基を示す。)で表される環状ポリエーテル化合物を得ることを特徴とする環状ポリエーテル化合物の製造方法を提供する。
また、この出願の発明は、第2には、下記式
Figure 0004179724
(式中、MOMOはメトキシメチルエーテル基を示し、Bnはベンジル基を示し、TBSは tert- ブチルジメチルシリル基を示す。)で表されるアルキルボランと、下記式
Figure 0004179724
(式中、Bnはベンジル基を示す。)で表される環状エノールホスフェートとを、塩基性水溶液中で、ホスフィン配位子を有するパラジウム (0) 化合物を触媒としてクロスカップリングして、下記式
Figure 0004179724
(式中、MOMOはメトキシメチルエーテル基を示し、Bnはベンジル基を示し、TBSは tert- ブチルジメチルシリル基を示す。)で表される環状ポリエーテル化合物を得るこ とを特徴とする環状ポリエーテル化合物の製造方法を提供する。
また、この出願の発明は、第3には、下記式
Figure 0004179724
(式中、MOMOはメトキシメチルエーテル基を示し、Bnはベンジル基を示し、TBSは tert- ブチルジメチルシリル基を示す。)で表されるアルキルボランと、下記式
Figure 0004179724
(式中、Bnはベンジル基を示す。)で表される環状エノールホスフェートとを、塩基性水溶液中で、ホスフィン配位子を有するパラジウム (0) 化合物を触媒としてクロスカップリングして、下記式
Figure 0004179724
(式中、MOMOはメトキシメチルエーテル基を示し、Bnはベンジル基を示し、TBSは tert- ブチルジメチルシリル基を示す。)で表される環状ポリエーテル化合物を得ることを特徴とする環状ポリエーテル化合物の製造方法を提供する。
また、この出願の発明は、第4には、下記式
Figure 0004179724
(式中、MOMOはメトキシメチルエーテル基を示し、Bnはベンジル基を示し、TBSは tert- ブチルジメチルシリル基を示す。)で表されるアルキルボランと、下記式
Figure 0004179724
(式中、Bnはベンジル基を示す。)で表される環状エノールホスフェートとを、塩基性水溶液中で、ホスフィン配位子を有するパラジウム (0) 化合物を触媒としてクロスカップリングして、下記式
Figure 0004179724
(式中、MOMOはメトキシメチルエーテル基を示し、Bnはベンジル基を示し、TBSは tert- ブチルジメチルシリル基を示す。)で表される環状ポリエーテル化合物を得ることを特徴とする環状ポリエーテル化合物の製造方法を提供する。
また、この出願の発明は、第5には、下記式
Figure 0004179724
(式中、MOMOはメトキシメチルエーテル基を示し、Bnはベンジル基を示し、TBSは tert- ブチルジメチルシリル基を示す。)で表されるアルキルボランと、下記式
Figure 0004179724
(式中、Bnはベンジル基を示す。)で表される環状エノールホスフェートとを、塩基性水溶液中で、ホスフィン配位子を有するパラジウム (0) 化合物を触媒としてクロスカップリングして、下記式
Figure 0004179724
(式中、MOMOはメトキシメチルエーテル基を示し、Bnはベンジル基を示し、TBSは tert- ブチルジメチルシリル基を示す。)で表される環状ポリエーテル化合物を得ることを特徴とする環状ポリエーテル化合物の製造方法を提供する。
また、この出願の発明は、第6には、下記式
Figure 0004179724
(式中、MOMOはメトキシメチルエーテル基を示し、Bnはベンジル基を示し、TBSは tert- ブチルジメチルシリル基を示す。)で表されるアルキルボランと、下記式
Figure 0004179724
(式中、Bnはベンジル基を示す。)で表される環状エノールホスフェートとを、塩基性水溶液中で、ホスフィン配位子を有するパラジウム (0) 化合物を触媒としてクロスカップリングして、下記式
Figure 0004179724
(式中、MOMOはメトキシメチルエーテル基を示し、Bnはベンジル基を示し、TBSは tert- ブチルジメチルシリル基を示す。)で表される環状ポリエーテル化合物を得ることを特徴とする環状ポリエーテル化合物の製造方法を提供する。
【0009】
また、この出願の発明は、第7には、塩基性水溶液がK3PO4 およびNaHCO3 から成る群より選択されること、そして第8には、ホスフィン配位子を有するパラジウム触媒がPd(PPh3 4 であることをその態様として提供する。
【0010】
そしてさらに、この出願の発明は、該環状ポリエーテルの製造方法において、第9には、アルキルボラン1当量に対してエノールホスフェートが1当量以上添加されること、第10には、アルキルボラン1当量に対して、塩基性水溶液が1〜5当量添加されることを態様として提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面に沿って実施例を示し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
【0012】
この出願の発明の環状ポリエーテルの合成方法は、化学式(1)に例示されるものである。
【0013】
【化2】
Figure 0004179724
【0014】
すなわち、アルキルボラン(II)とエノールホスフェート(III) を、塩基性水溶液存在下でパラジウム(0) 化合物を触媒としてクロスカップリングする。
この出願の発明の環状ポリエーテルの合成方法では、塩基性水溶液は、NaOH、Cs2 CO3 など様々なものが例示されるが、K3 PO4 またはNaHCO3 を用いた場合が最も生成物の収率が高くなり、好ましい。
【0015】
出発物質のアルキルボランは文献公知のエキソオレフィンを9−BBNでヒドロホウ素化し得られるものが好ましい。このとき合成の条件としては、通常実施される様々な方法から選択できるが、9−BBNがエキソオレフィン1当量に対して2〜5当量、より好ましくは2〜3当量添加され、溶媒がTHF、反応温度が60℃であることなどが好適な条件として例示される。
【0016】
また、エキソオレフィンは、後に合成する目的物質の構造や、目的物質を得るために行う反応経路に応じて選択することが可能であり、例えば、化合物(IIa) が例示される。
【0017】
【化3】
Figure 0004179724
【0018】
また、この出願の発明の環状ポリエーテルの製造方法において使用されるエノールホスフェートは、後述の実施例において例示されるように、ジヒドロピラン構造を有する様々な構造のものがあげられ、それぞれ対応するラクトンから公知の方法で合成される。例えば、以下の化学式(3)の方法があげられる。
【0019】
【化4】
Figure 0004179724
【0020】
触媒としては、ホスフィン配位子を有するパラジウム(0) 化合物であればよいが、この出願の発明の環状ポリエーテルの製造方法においては、とくにトリフェニルホスフィンを有するPd(PPh3 )が好ましい。
【0021】
この出願の発明の環状ポリエーテル化合物の製造方法では、反応溶媒は、反応条件において分解などを起こさないものであればどのようなものであってもよいが、中でもDMFが最も好ましい。もちろん、精製工程や中間工程においては、THF、メタノール、アセトン、水などの種々の溶媒を用いてもよい。
【0022】
反応温度は、出発物質や溶媒条件によっても異なり、特に限定されないが、室温〜100℃、より好ましくは、室温〜60℃の範囲とする。
以下に実施例を示し、この出願の発明をさらに詳しく説明する。もちろんこの出願の発明は、これらの例に限定されるものではなく、様々な態様が考えられることは、言うまでもない。
【0023】
【実施例】
実施例1 アルキルボランとエノールホスフェートの鈴木カップリング反応
室温で、エキソオレフィン(IIa) に9−BBN(2.6 equiv )を加え、THF中にて60℃に加熱した。得られたアルキルボラン(II)に、1MのNaHCO3 (3 equiv )、Pd(PPh3 4 (0.1 equiv )、およびエノールホスフェート(III) (2 equiv )を加えてDMF中で50℃、20時間反応させた。
【0024】
生成物は、化合物(IV)であり、収率は98%と高かった。
【0025】
【化5】
Figure 0004179724
【0026】
表1に化合物(IV)の同定結果を示した。
【0027】
【表1】
Figure 0004179724
【0028】
比較例1〜3
実施例1と同様の方法で、エノールホスフェート量(比較例1)、塩基種(比較例2)、触媒(比較例3)をそれぞれ変えて反応を行なった。
【0029】
結果を表2にまとめた。
【0030】
【表2】
Figure 0004179724
【0031】
これより、エノールホスフェート量を過剰にすることによって収率が向上すること、および塩基水溶液がNaHCO3 水溶液のとき、もっとも収率が高いことが明らかになった。また、パラジウム触媒として、ホスフィン配位子を有さないPd2 (dba)3 CHCl3 を用いた場合には、全く反応が起こらないことが分かった。
【0032】
実施例2〜6
実施例1と同様の方法で、様々なエノールホスフェートを用いて、カップリング反応を行なった。
【0033】
表3にエノールホスフェートおよび生成物の構造、収率を示す。
【0034】
【表3】
Figure 0004179724
【0035】
また、表4〜7に、化合物(XI)、(XIII)、(XIV) 、(XV)の同定結果をそれぞれ示した。
【0036】
【表4】
Figure 0004179724
【0037】
【表5】
Figure 0004179724
【0038】
【表6】
Figure 0004179724
【0039】
【表7】
Figure 0004179724
【0040】
これより、この出願の発明の環状ポリエーテルの製造方法が、様々な構造のエノールホスフェートについて適用できることが確認された。
実施例7 CTX3CのABCD環部の合成
化学式(4)にしたがって、CTX3CのABCD環(化合物V )を合成した。
【0041】
合成は、化合物(XII) をテキシルボランでヒドロホウ素化し、得られたアルコール(XVI :収率86%)をSwern 条件下で酸化し、MeOH中で酸処理し、TBSとMOM基を除去して、ヒドロキシメチルアセタール(XVII:収率82%)を得た。さらに、この化合物を酸化しアルデヒドとした後、Wittig反応によってオレフィン(XVIII :収率79%)を得た。これをEt3SiH-BF3・OEt2で還元し、立体異性体を含まない三環性エーテル(XIX :収率86%)を得た後、脱ベンジル化を伴うヨードエーテル化、続く亜鉛還元によりアルコール(XX) とし、これをアリル化してビスオレフィン(XXI :収率65%)を得た。最後にGrubbs触媒([RuCl2(=CHPh)(PCy3)2] )を用いたオレフィンメタシセス反応によってA環を閉環し、ABCD環構造体(XXII)を得た。
【0042】
【化6】
Figure 0004179724
表8〜14に化合物XII および化合物XVI 〜XIX 、XXI 、XXIIの同定結果をそれぞれ示した。
【0043】
【表8】
Figure 0004179724
【0044】
【表9】
Figure 0004179724
【0045】
【表10】
Figure 0004179724
【0046】
【表11】
Figure 0004179724
【0047】
【表12】
Figure 0004179724
【0048】
【表13】
Figure 0004179724
【0049】
【表14】
Figure 0004179724
【0050】
ABCD環の化合物IIa からの収率は、30%であり、10ステップで合成された。
【0051】
【発明の効果】
以上詳しく説明した通り、この発明によって、シガトキシン合成への応用が可能で、六員環よりも大きな環状化合物にも適用が可能な、収束的環状ポリエーテル骨格を合成する方法が提供される。

Claims (10)

  1. 下記式
    Figure 0004179724
    (式中、MOMOはメトキシメチルエーテル基を示し、Bnはベンジル基を示し、TBSは tert- ブチルジメチルシリル基を示す。)で表されるアルキルボランと、下記式
    Figure 0004179724
    (式中、Bnはベンジル基を示す。)で表される環状エノールホスフェートとを、塩基性水溶液中で、ホスフィン配位子を有するパラジウム (0) 化合物を触媒としてクロスカップリングして、下記式
    Figure 0004179724
    (式中、MOMOはメトキシメチルエーテル基を示し、Bnはベンジル基を示し、TBSは tert- ブチルジメチルシリル基を示す。)で表される環状ポリエーテル化合物を得ることを特徴とする環状ポリエーテル化合物の製造方法。
  2. 下記式
    Figure 0004179724
    (式中、MOMOはメトキシメチルエーテル基を示し、Bnはベンジル基を示し、TBSは tert- ブチルジメチルシリル基を示す。)で表されるアルキルボランと、下記式
    Figure 0004179724
    (式中、Bnはベンジル基を示す。)で表される環状エノールホスフェートとを、塩基性水溶液中で、ホスフィン配位子を有するパラジウム (0) 化合物を触媒としてクロスカップリングして、下記式
    Figure 0004179724
    (式中、MOMOはメトキシメチルエーテル基を示し、Bnはベンジル基を示し、TBSは tert- ブチルジメチルシリル基を示す。)で表される環状ポリエーテル化合物を得るこ とを特徴とする環状ポリエーテル化合物の製造方法。
  3. 下記式
    Figure 0004179724
    (式中、MOMOはメトキシメチルエーテル基を示し、Bnはベンジル基を示し、TBSは tert- ブチルジメチルシリル基を示す。)で表されるアルキルボランと、下記式
    Figure 0004179724
    (式中、Bnはベンジル基を示す。)で表される環状エノールホスフェートとを、塩基性水溶液中で、ホスフィン配位子を有するパラジウム (0) 化合物を触媒としてクロスカップリングして、下記式
    Figure 0004179724
    (式中、MOMOはメトキシメチルエーテル基を示し、Bnはベンジル基を示し、TBSは tert- ブチルジメチルシリル基を示す。)で表される環状ポリエーテル化合物を得ることを特徴とする環状ポリエーテル化合物の製造方法。
  4. 下記式
    Figure 0004179724
    (式中、MOMOはメトキシメチルエーテル基を示し、Bnはベンジル基を示し、TBSは tert- ブチルジメチルシリル基を示す。)で表されるアルキルボランと、下記式
    Figure 0004179724
    (式中、Bnはベンジル基を示す。)で表される環状エノールホスフェートとを、塩基性水溶液中で、ホスフィン配位子を有するパラジウム (0) 化合物を触媒としてクロスカップリングして、下記式
    Figure 0004179724
    (式中、MOMOはメトキシメチルエーテル基を示し、Bnはベンジル基を示し、TBSは tert- ブチルジメチルシリル基を示す。)で表される環状ポリエーテル化合物を得るこ とを特徴とする環状ポリエーテル化合物の製造方法。
  5. 下記式
    Figure 0004179724
    (式中、MOMOはメトキシメチルエーテル基を示し、Bnはベンジル基を示し、TBSは tert- ブチルジメチルシリル基を示す。)で表されるアルキルボランと、下記式
    Figure 0004179724
    (式中、Bnはベンジル基を示す。)で表される環状エノールホスフェートとを、塩基性水溶液中で、ホスフィン配位子を有するパラジウム (0) 化合物を触媒としてクロスカップリングして、下記式
    Figure 0004179724
    (式中、MOMOはメトキシメチルエーテル基を示し、Bnはベンジル基を示し、TBSは tert- ブチルジメチルシリル基を示す。)で表される環状ポリエーテル化合物を得ることを特徴とする環状ポリエーテル化合物の製造方法。
  6. 下記式
    Figure 0004179724
    (式中、MOMOはメトキシメチルエーテル基を示し、Bnはベンジル基を示し、TBSは tert- ブチルジメチルシリル基を示す。)で表されるアルキルボランと、下記式
    Figure 0004179724
    (式中、Bnはベンジル基を示す。)で表される環状エノールホスフェートとを、塩基性水溶液中で、ホスフィン配位子を有するパラジウム (0) 化合物を触媒としてクロスカップリングして、下記式
    Figure 0004179724
    (式中、MOMOはメトキシメチルエーテル基を示し、Bnはベンジル基を示し、TBSは tert- ブチルジメチルシリル基を示す。)で表される環状ポリエーテル化合物を得るこ とを特徴とする環状ポリエーテル化合物の製造方法。
  7. 塩基性水溶液がK 3 PO 4 およびNaHCO 3 から成る群より選択されることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の環状ポリエーテル化合物の製造方法。
  8. ホスフィン配位子を有するパラジウム (0) 化合物がPd(PPh 3 4 であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の環状ポリエーテル化合物の製造方法。
  9. アルキルボラン1当量に対して環状エノールホスフェートが1当量以上添加されることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の環状ポリエーテル化合物の製造方法。
  10. アルキルボラン1当量に対して塩基性水溶液が1〜5当量添加されることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の環状ポリエーテル化合物の製造方法。
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