JP4178336B2

JP4178336B2 - 身体洗浄装置

Info

Publication number: JP4178336B2
Application number: JP20198098A
Authority: JP
Inventors: 胖藤田
Original assignee: 胖藤田
Priority date: 1998-07-16
Filing date: 1998-07-16
Publication date: 2008-11-12
Anticipated expiration: 2018-07-16
Also published as: JP2000024073A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、老人や病人、身体障害者等、寝たきりで介護を必要とする者の全身を洗浄するのに適した身体洗浄装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、寝たきりで介護を必要とする者の身体洗浄は、介護者が濡れタオルで汚れを拭き取ったり、病院などでは介護用の入浴設備に被介護者を移動して入浴させたりすることにより行われていた。さらに、このような者の身体洗浄は、公的機関や医療法人などが移動式入浴介護車により各家庭を巡回している入浴サービスによっても行われていた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記したように介護者が濡れタオルで汚れを拭き取る場合は、介護者の労力が大きい割に洗浄効果は小さいという課題を有していた。
【０００４】
また、上記したように介護用の入浴設備に被介護者を移動して入浴させる場合は、浴室までの移動や浴槽への出入りに要する被介護者本人や介護者の労力は大きく、入浴中においても単に入浴しただけでは洗浄効果は得られず、介護者がタオルで擦るなどの洗浄作業を必要とするため、介護者の負担がさらに重いものになるという課題を有していた。しかも、入浴には時間がかかるため、被介護者が入浴できる回数が制限されるという課題を有していた。さらに、介護用の入浴設備は、現在大変高価で設置数量が限られるため自宅への設置は困難で、自宅での入浴はほとんど不可能であるという課題を有していた。
【０００５】
また、移動式入浴介護車による入浴サービスは、移動式入浴介護車の台数も未だ少なく充分な入浴介護ができていない状況である。
【０００６】
そこで、この発明は、上記従来の課題を解決するものであり、介護者の労力が少なくてすみ、しかも洗浄効果が大きく、また安価で自宅での設置、使用が可能な身体洗浄装置を提供することを目的としてなされたものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
そのため、この発明は、被介護者の身体に洗浄水を噴射すると共に、被介護者の身体の汚れを洗浄具で落とし、その身体洗浄後の汚水を吸引して回収する身体洗浄装置であって、汚水の吸引パイプ２の先端部の外方にスポンジ体とした洗浄具３を備えると共に、吸引パイプ２の先端部の内方に洗浄水の噴射ノズル４を備え、前記吸引パイプ２は、洗浄具３が着脱自在として取り付けられたギヤ１１をその先端周囲に回転自在として取り付けたものとし、このギヤ１１に、前記吸引パイプ２の外側に固着された電動モータ１２の駆動ギヤ１３が噛み合うようにして、この電動モータ１２の駆動により、前記洗浄具３が回転するようにしたものとしている。
【０００８】
さらに、この発明の身体洗浄装置は、汚水の吸引用の吸引ブロワー５、汚水回収タンク６、洗浄水の噴射用の高圧水ポンプ１６および洗浄水供給タンク１７を一纏めにし運搬可能な状態として備えたものとしている。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の身体洗浄装置の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【００１０】
図１、２に示したように、この発明の身体洗浄装置は、吸引ホース１の先端に接続された吸引パイプ２の先端部の外方に洗浄具３を備えると共に、吸引パイプ２の先端部の内方に洗浄水の噴射ノズル４を備えたものとしている。
【００１１】
吸引ホース１は、その後端を吸引ブロワー５に接続され、その中間部には汚水回収タンク６を介設しており、吸引ブロワー５により吸引パイプ２から吸引された身体洗浄後の汚水がこの吸引ホース１を通って汚水回収タンク６に回収される。さらに、吸引ブロワー５の排気パイプ７は、排気処理タンク８に接続されており、この排気処理タンク８内に収容された消臭剤により排気ガスの臭気が除去され、排気パイプ９から排気されるようにしている。なお、前記排気処理タンク８内には、必要に応じて消臭剤の他に殺菌剤等を混入することもでき、排気ガスの臭気を除去するのと同時に殺菌することもできる。
【００１２】
吸引パイプ２は、把持可能としたアタッチメント本体１０に装着されており、洗浄具３が着脱自在として取り付けられたギヤ１１をその先端周囲に回転自在として取り付けている。そして、このギヤ１１に、吸引パイプ２の外側に固着された電動モータ１２の駆動ギヤ１３が噛み合うようにしており、この電動モータ１２の駆動により、洗浄具３が回転するようにしている。
【００１３】
洗浄具３は、図に示したようなスポンジ体としており、前記したようにギヤ１１に着脱自在として取り付けられることにより、吸引パイプ２に取替え自在として取り付けられるものとしている。
【００１４】
噴射ノズル４は、吸引パイプ２の外方から内方に挿入させた送水パイプ１４の先端に取り付けられており、洗浄水を吸引パイプ２の先端部の内方から外方に向けて噴射するようにしている。送水パイプ１４の後端には、高圧チューブ１５が接続され、この高圧チューブ１５の後端には、高圧水ポンプ１６を備えた洗浄水供給タンク１７からの送液パイプ１８が接続されている。すなわち、この洗浄水供給タンク１７は、高圧水ポンプ１６ａを備えた水タンク１７ａと高圧水ポンプ１６ｂを備えた薬剤タンク１７ｂからなり、水タンク１７ａからの送液パイプ１８ａと薬剤タンク１７ｂからの送液パイプ１８ｂがそれぞれ切換弁１９、２０を介して前記高圧チューブ１５の後端に接続されている。また、高圧チューブ１５の中間部には、熱交換器２１または電熱ヒータ（図示せず）が設けられている。そして、洗浄水は、水タンク１６の水と薬剤タンク１８の洗浄剤を任意の割合で混合したものとしている。洗浄水の温度は、身体洗浄するのに差し支えない温度であれば特に制限されないが、熱交換器２１または電熱ヒータによりあらかじめ設定された温度に調節しておくことができる。なお、噴射ノズル４からの洗浄水の噴射速度は、約０．２リットル／分程度でよく、この噴射速度であれば、被介護者の全身を洗浄するのに約２〜３リットルの洗浄水で済む。
【００１５】
さらに、前記吸引ブロワー５、汚水回収タンク６、洗浄具３の回転駆動装置、排気処理タンク８、高圧水ポンプ１６および洗浄水供給タンク１７は、一つの台車（図示せず）に載置する等して一纏めにしておけば、身体洗浄装置を運搬したり移動するのに便利なものとなる。なお、アタッチメント本体１０には、図示していないが、吸引ブロワー５、洗浄具３の回転駆動装置、高圧水ポンプ１６および熱交換器２１を操作するためのスイッチ類を手元スイッチとして、このアタッチメント本体１０を手に持った場合に操作し易い個所に設けたものとしている。
【００１６】
以上のように構成したこの発明の身体洗浄装置を用いて被介護者の身体を洗浄するには、被介護者をベット等に寝かせたままの状態で、次のようにして行うことができる。
【００１７】
すなわち、介護者がこの発明の身体洗浄装置のアタッチメント本体１０を手に持ち、図３に示したように、ベット等に寝かせた被介護者の身体に洗浄具３を軽く押し当て、吸引ブロワー５、洗浄具３の回転駆動装置、高圧水ポンプ１６および熱交換器２１の操作を必要に応じ手元スイッチで行い、身体の洗浄個所をなぞって行けばよい。
【００１８】
この場合、噴射ノズル４からの洗浄水は被介護者の身体に噴射されると同時に洗浄具３によって被介護者の身体に擦り付けられ、被介護者の身体が洗浄される。そして、被介護者の身体に擦り付けられた洗浄水は吸引パイプ２によって直ぐに吸引されるので、被介護者の身体や被介護者を寝かせたベット等が濡れたままになるようなことはない。吸引パイプ２によって吸引された洗浄水は、汚水回収タンク６に回収され、汚水回収タンク６が一杯になるまでこの汚水回収タンク６に貯留される。汚水回収タンク６からの排気ガスは、吸引ブロワー５の排気パイプ７から排気処理タンク８に送られ、この排気処理タンク８内で消臭された後、排気パイプ９から排気されるので、身体洗浄装置を室内で使用しても排気ガスが悪臭を発することもない。
【００１９】
さらに、噴射ノズル４からの洗浄水の噴射速度は、約０．２リットル／分程度であるので、被介護者の全身を洗浄するのに約２〜３リットルの洗浄水で済み、浴槽で入浴するより大幅に少なくなり、低コストである。また、手軽に被介護者の身体洗浄を行えるので、その洗浄サイクルを短縮でき、洗浄回数を多くすることができる。
【００２０】
なお、吸引パイプ２に洗浄具３を取り付けない状態で使用することにより、被介護者の排便の吸引処理を行うこともできる。
【００２１】
【発明の効果】
この発明の身体洗浄装置は、以上に述べたような構成としているので、介護者の労力が少なくてすみ、しかも洗浄効果が大きく、また安価で自宅での設置、使用が可能なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の身体洗浄装置の要部断面図である。
【図２】この発明の身体洗浄装置の全体構成図である。
【図３】この発明の身体洗浄装置の使用状態を示す説明図である。
【符号の説明】
２吸引パイプ
３洗浄具
４噴射ノズル
６汚水回収タンク
１６高圧水用ポンプ
１７洗浄水供給タンク

Claims

被介護者の身体に洗浄水を噴射すると共に、被介護者の身体の汚れを洗浄具で落とし、その身体洗浄後の汚水を吸引して回収する身体洗浄装置であって、汚水の吸引パイプ（２）の先端部の外方にスポンジ体とした洗浄具（３）を備えると共に、吸引パイプ（２）の先端部の内方に洗浄水の噴射ノズル（４）を備え、前記吸引パイプ（２）は、洗浄具（３）が着脱自在として取り付けられたギヤ（１１）をその先端周囲に回転自在として取り付けたものとし、このギヤ（１１）に、前記吸引パイプ（２）の外側に固着された電動モータ（１２）の駆動ギヤ（１３）が噛み合うようにして、この電動モータ（１２）の駆動により、前記洗浄具（３）が回転するようにしたことを特徴とする身体洗浄装置。
汚水の吸引用の吸引ブロワー（５）、汚水回収タンク（６）、洗浄水の噴射用の高圧水ポンプ（１６）および洗浄水供給タンク（１７）を一纏めにし運搬可能な状態として備えたことを特徴とする請求項１記載の身体洗浄装置。