JP4174888B2 - Anodized film - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアルミニウム陽極酸化によるアルマイト皮膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のアルマイト皮膜の幾何学的形状については、「表面技術総覧」(昭和58年6月15日初版、(株)広信者発行)P.59〜P.63に示されている。上記文献および図3に示すように、従来のアルマイト皮膜100は、中央に細孔101を持つ複数のセル102が、その皮膜表面である外層102a側からアルミニウム素材表面にバリアー層を介して当接する内層102b側にかけて順次成長して皮膜形成されたものである。このセル102は、内層102b側から外層102a側にかけてほぼ同一径で形成されている。皮膜の硬度はセル径に依存するため、このように形成されたアルマイト皮膜はその皮膜形成方向にほぼ一定の硬度を持つものとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述したようにアルマイト皮膜の硬度はセル径に依存するため、硬質アルマイトを形成する場合には図4に示すようにセル径が大きいものを、軟質アルマイトを形成する場合には図5に示すようにセル径が小さいものを形成する。アルマイト皮膜に耐摩耗性を要求する場合、一般的に硬質アルマイトを選択するが、硬質アルマイトではその硬質性のために相手部材との初期なじみに時間がかかる。また相手部材との初期なじみを速やかに行うためには軟質アルマイトを選択すればよいが、軟質アルマイトではその軟質性のために要求される耐摩耗性が実現できないという問題がある。
【0004】
故に、本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、十分な耐摩耗性を実現するとともに、初期なじみが良好なアルマイト皮膜を提供することを技術的課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するためになされた請求項1の発明は、アルミニウム素材の表面に形成され、内層から外層に向かうにつれて硬度が低く、セル径も小さくなっており、アルマイト皮膜の最内層でのセル径Aとアルマイト皮膜の最外層でのセル径Bとの比は、A/B=2〜5の範囲とすることである。
【0006】
上記発明によれば、アルマイト皮膜は、内層から外層に向かうにつれて硬度が低くなっているので、皮膜表面の外層側では硬度が低く、皮膜内部の内層側では硬度が高い。従って、このようなアルマイト皮膜が施されたものを相手部材と摺動させるとき、皮膜の外層側の硬度が低いことで相手部材との初期なじみが速やかに達成される。また皮膜の内層側の硬度が高いので初期なじみが達成された後の耐摩耗性にも優れる。このため十分な耐摩耗性を実現するとともに、初期なじみが良好なアルマイト皮膜を提供することができる。
また、上記発明によれば、アルマイト皮膜は、内層から外層に向かうにつれてセル径が小さくなっている。皮膜硬度はセル径に依存し、セル径が小さい程皮膜硬度が低くなるので、本発明によるアルマイト皮膜はその外層側(セル径が小さい側)の硬度が低く、その内層側(セル径が大きい側)の硬度が高くなる。従って、このようなアルマイト皮膜が施されたものを相手部材と摺動させるとき、皮膜の外層側の硬度が低いことで相手部材との初期なじみが速やかに達成される。また皮膜の内層側の硬度が高いので初期なじみが達成された後の耐摩耗性にも優れる。このため十分な耐摩耗性を実現するとともに、初期なじみが良好なアルマイト皮膜を提供することができる。
更に、前記アルマイト皮膜の最内層でのセル径Aと前記アルマイト皮膜の最外層でのセル径Bとの比は、A/B=2〜5の範囲とすることが好ましい。上記A/Bが2以下であると、アルマイト皮膜の外層側の硬度が高く、初期なじみが迅速に達成できない。上記A/Bが5以上であると、アルマイト皮膜の外層側の硬度が低すぎて耐摩耗性の低下の要因となる。従って、耐摩耗性が良好であり、かつ初期なじみを迅速に達成するためには、上記A/Bが2〜5の範囲であることが好ましい。
【0009】
尚、上記請求項1の発明において、内層とは、アルミニウム素材に形成するアルマイト皮膜のうちのアルミニウム素材の表面に近い側、すなわち皮膜の内部側の部分をいう。また、外層とは、アルミニウム素材に形成するアルマイト皮膜のうちの皮膜表面に近い側の部分をいう。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施の形態により具体的に説明する。
【0012】
図1は、本例において使用するアルマイト皮膜装置の概略図である。図において、アルマイト皮膜装置1は、電解液槽2と、アルマイト皮膜槽3と、電解液供給回路4とを主な構成とするものである。
【0013】
電解液槽2は、上部開口した箱体形状を呈しており、その内部に電解液21が充填されている。本例においては電解液として硫酸水溶液を使用する。従って、形成されるべきアルマイト皮膜は、Al2O3、Al2(SO4)3およびH2Oを主とした混合物質となる。また、電解液槽2内には熱交換器22が設置されている。この熱交換器22は、電解液21の温度を所定温度となるように調節している。
【0014】
アルマイト皮膜槽3は、ワーク設置槽31と、電解液噴出ノズル32と、整流器33とを有する。ワーク設置槽31は、アルマイト皮膜されるべきワークAを設置固定するものであり、ワークAに直接接触してワークAと同一極となるもので、導電性物質より形成されている。尚、本例においては、アルマイト皮膜されるべきワークAとして、シリンダ等の円筒形状のものを使用する。電解液噴出ノズル32は、ワークAの内部に挿入された位置に配設されている。このノズル32は、内部に電解液が供給されるべき空間を擁しているとともにその側表面に多数の細孔321が形成されており、導電性物質より形成されている。整流器33は、プラス端子33aおよびマイナス端子33bを備え、電線によりワーク設置槽31とプラス端子33aが、ノズル32とマイナス端子33bが接続されて両者と電気的に連結されている。
【0015】
電解液供給回路4は、電解液槽2とノズル32とを連結する配管41と、該配管41の途中に配設されたポンプ42および流量計43とを有する。
【0016】
上記構成のアルマイト皮膜装置1において、下記条件にて定電流電解(100A/dm2)による陽極酸化皮膜処理であるアルマイト皮膜処理を行った。
【0017】
電解液中の硫酸濃度:150±50g/L
電解液温度:8℃
電解液噴射液量:4L/分
処理時間:11sec.
具体的には、図1に示すアルマイト皮膜装置1において、まずポンプ42を駆動させる。すると、電解液槽2中の電解液21がポンプ42の駆動により配管41内に流れ込む。配管41内に流れ込んだ電解液はポンプ42、流量計43を経てノズル32に導入される。ノズル32に導入された電解液は、ノズル32の側表面に形成された多数の細孔321から噴出する。これにより、ワークAの内壁面に電解液が吹き付けられる。このとき整流器33のプラス端子33aにはワーク設置槽31が、マイナス端子33bにはノズルがそれぞれ電線により電気的に接続され、プラス端子33aからマイナス端子33bにかけて100A/dm2の定電流が流れるようにされている。従って、ワーク設置槽31およびこれに接触したワークAが陽極、ノズル32が陰極となり、陰極であるノズル32から陽極であるワークAに電解液が吹き付けられ、吹き付けられた電解液を介して陰極(ノズル32)と陽極(ワークA)とが電気的に接続されて電気分解反応が起こる。この電気分解反応により陽極であるワークAが陽極酸化され、ワークAにアルマイト皮膜が形成されるものである。
【0018】
上記アルマイト皮膜形成過程において、整流器33のプラス端子33aとマイナス端子33b間の電圧は初期が0Vであるのに対し、最終的には70Vとなった。従って、70V/11sec.=381V/分、即ち1分間に381Vの電圧変化を行ったことになる。
【0019】
上記条件により形成したアルマイト皮膜において、そのセル構造の概略図を図2に示す。図に示すように、本例で形成したアルマイト皮膜10は、その外層10a側のセル径が小さく(最外層のセル径で約60〜80nm)、その内層10b側のセル径が大きく(最内層のセル径で約200〜260nm)なっている。つまり、本例のアルマイト皮膜は、内層10bから外層10aに向かうにつれてセル径が小さくなっている。尚、膜厚は15μmであった。
【0020】
また、本例により形成したアルマイト皮膜10のビッカース硬度(10g)Hv10を測定した。測定結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
上記表1よりわかるように、本例により形成したアルマイト皮膜10は、その外層10a側の硬度が比較的低く、内層10b側の硬度が比較的高い。つまり、本例のアルマイト皮膜10は、内層10bから外層10aに向かうにつれて硬度が低くなっているものであることがわかる。従って、本例のアルマイト皮膜10が施されたものを相手部材と摺動させるとき、皮膜10の外層10a側の硬度が低いことで相手部材との初期なじみが速やかに達成される。
【0023】
また、本例により形成したアルマイト皮膜10と従来技術でのアルマイト皮膜(Hv10=380、膜厚15μmのものを使用)とで、摩擦係数および耐摩耗性試験結果(摩耗量)を比較したものを表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】
上記表よりわかるように、本例のアルマイト皮膜は従来のアルマイト皮膜よりも摩擦係数が小さく、また、従来のアルマイト皮膜よりも耐摩耗性試験結果である摩耗量が少ない。このことから本例のアルマイト皮膜は耐摩耗性に優れていることがわかる。
【0026】
以上のように、本例のアルマイト皮膜10は、内層10bから外層10aに向かうにつれて硬度が低くなっているので、皮膜10の外層10a側の硬度が低く、皮膜10の内層10b側の硬度が高い。従って、本例のアルマイト皮膜10が施されたものを相手部材と摺動させるとき、皮膜10の外層10a側の硬度が低いことで相手部材との初期なじみが速やかに達成される。また皮膜10の内層10b側の硬度が高いので初期なじみが達成された後の耐摩耗性にも優れる。このため十分な耐摩耗性を実現するとともに、初期なじみが良好なアルマイト皮膜を提供することができる。
【0027】
また、本例のアルマイト皮膜10は、内層10bから外層10aに向かうにつれてセル径が小さくなっている。皮膜硬度はセル径に依存し、セル径が小さい程皮膜硬度が低くなるので、本例によるアルマイト皮膜10はその外層10a側(セル径が小さい側)の硬度が低く、その内層10b側(セル径が大きい側)の硬度が高くなる。従って、このようなアルマイト皮膜が施されたものを相手部材と摺動させるとき、皮膜10の外層10a側の硬度が低いことで相手部材との初期なじみが速やかに達成される。また皮膜10の内層10b側の硬度が高いので初期なじみが達成された後の耐摩耗性にも優れる。このため十分な耐摩耗性を実現するとともに、初期なじみが良好なアルマイト皮膜を提供することができる。
【0028】
また、本例のアルマイト皮膜10の最内層でのセル径Aは200〜260nm、最外層でのセル径Bは60〜80nmであり、A/B=2.5〜4.3である。A/Bの範囲は2〜5が好ましいと考えられる。A/Bが2以下であると、アルマイト皮膜の外層側の硬度が高く、初期なじみが迅速に達成できない。A/Bが5以上であると、アルマイト皮膜の外層側の硬度が低すぎて耐摩耗性の低下の要因となる。
【0029】
また、本例におけるアルミニウム素材を陽極として陽極酸化皮膜処理を行うアルマイト皮膜方法は、陽極としてのワークAと陰極としてのノズル32の間に印加する電圧を徐々に増加させる方法をとっている。電圧が小さい場合は皮膜のセル径が小さく、電圧が大きい場合は皮膜のセル径が大きくなるので、皮膜形成初期の印加電圧が小さいときに皮膜外層を形成して皮膜外層のセル径を小さくし、皮膜形成終期の印加電圧が大きいときに皮膜内層を形成して皮膜内層のセル径を大きくすることで、内層から外層に向かうにつれてセル径が小さくなっているアルマイト皮膜を形成することができる。尚、本例ではこの電圧の変化を381V/分で行った例を示したが、この電圧変化は100V/分〜500V/分であれば、良好な耐摩耗性および迅速な初期なじみを達成できるアルマイト皮膜が形成されるものと考えられる。
【0030】
また、本例におけるアルマイト皮膜方法は、陰極としてのノズル32から陽極としてのワークAに電解液を吹き付けつつ陽極から陰極へ電流を流す方式を採用している。定電流方式によるアルマイト皮膜形成では、生成されたアルマイト皮膜自身が抵抗となるので、電圧は皮膜生成に伴って徐々に増加する。しかし、良好な耐摩耗性および迅速な初期なじみを達成できるアルマイト皮膜を形成するための電圧変化、例えば100v/分〜500v/分の電圧変化を実現するためには大電流(例えば本例のように100A/dm2)を流して皮膜形成を高速化す必要がある。ところが、電解液中に陽極および陰極を浸漬し、両極に電圧を印加して陽極にアルマイト皮膜を施す通常の方法であると、大電流を流すことによる多量のジュール熱の発生で、生成したアルマイト皮膜が溶解してしまうという問題があるので、この方式(浸漬方式)では小電流を流さざるを得ず、その結果アルマイト皮膜の内層側のセル径と外層側のセル径で有意な差をつけることができない。これに対し、本例のように陰極としてのノズル32から陽極としてのワークAに電解液を吹き付けつつ陽極から陰極へ電流を流す方式を採用すれば、電解液の攪拌による冷却効果が得られ、アルマイト皮膜の溶解を防止することができる。このため本例の方式では大電流を流すことができ、アルマイト皮膜の内層側のセル径と外層側のセル径で有意な差をつけることができる。その結果、内層から外層に向かうにつれてセル径が小さくなっているアルマイト皮膜を形成することができる。すなわち、本例の方式は、良好な耐摩耗性および迅速な初期なじみを達成できるアルマイト皮膜を形成するための好適な方法である。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、十分な耐摩耗性を実現するとともに、初期なじみが良好なアルマイト皮膜を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における、アルマイト皮膜装置の概略図である。
【図2】本発明の実施の形態における、アルマイト皮膜の模式図である。
【図3】従来技術における、アルマイト皮膜の模式図である。
【図4】従来技術における、硬質アルマイト皮膜の模式図である。
【図5】従来技術における、軟質アルマイト皮膜の模式図である。
【符号の説明】
1・・・アルマイト皮膜装置
2・・・電解槽
21・・・電解液、 22・・・熱交換器
3・・・アルマイト皮膜槽
31・・・ワーク設置槽、 32・・・電解液噴出ノズル(陰極)、 33・・・整流器、 33a・・・プラス端子、 33b・・・マイナス端子
321・・・細孔
4・・・電解液供給回路
41・・・配管、 42・・・ポンプ、 43・・・流量計
10・・・アルマイト皮膜、 10a・・・外層、 10b・・・内層
11・・・アルミニウム素材[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an alumite film formed by aluminum anodization.
[0002]
[Prior art]
The geometrical shape of the conventional anodized film is shown in "Surface Technology Overview" (first edition on June 15, 1983, published by Hiroshina Co., Ltd.) P.59-P.63. As shown in the above document and FIG. 3, in the conventional
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, since the hardness of the anodized film depends on the cell diameter, when forming hard anodized, as shown in FIG. 4, when the soft anodized is formed, as shown in FIG. A cell having a small cell diameter is formed. When a wear resistance is required for the alumite film, a hard alumite is generally selected. However, the hard alumite takes time for initial familiarization with the mating member due to its hardness. In addition, in order to quickly perform initial familiarity with the mating member, soft anodized may be selected. However, soft anodized has a problem that the wear resistance required for its softness cannot be realized.
[0004]
Therefore, the present invention has been made in view of the above circumstances, and an object of the present invention is to provide an alumite film that realizes sufficient wear resistance and good initial familiarity.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above technical problem, the invention of claim 1 is formed on the surface of an aluminum material, and the hardness decreases as the distance from the inner layer toward the outer layer decreases, and the cell diameter decreases. The ratio of the cell diameter A to the cell diameter B in the outermost layer of the alumite film is A / B = 2-5.
[0006]
According to the invention, the hardness of the anodized film decreases from the inner layer toward the outer layer, so that the hardness is low on the outer layer side of the film surface and high on the inner layer side inside the film. Therefore, when a member on which such an alumite film is applied is slid with the mating member, the initial familiarity with the mating member is quickly achieved due to the low hardness of the outer layer side of the film. Moreover, since the hardness of the inner layer side of the film is high, the wear resistance after the initial conformation is achieved is also excellent. Therefore, it is possible to provide an alumite film that achieves sufficient wear resistance and has good initial conformability.
Moreover, according to the said invention, the cell diameter of the alumite film | membrane becomes small as it goes to an outer layer from an inner layer. The film hardness depends on the cell diameter, and the smaller the cell diameter, the lower the film hardness. Therefore, the alumite film according to the present invention has a low hardness on the outer layer side (small cell diameter side) and its inner layer side (large cell diameter). Side) hardness increases. Therefore, when a member on which such an alumite film is applied is slid with the mating member, the initial familiarity with the mating member is quickly achieved due to the low hardness of the outer layer side of the film. Moreover, since the hardness of the inner layer side of the film is high, the wear resistance after the initial conformation is achieved is also excellent. Therefore, it is possible to provide an alumite film that achieves sufficient wear resistance and has good initial conformability.
Furthermore, the ratio of the cell diameter A in the innermost layer of the anodized film to the cell diameter B in the outermost layer of the anodized film is preferably in the range of A / B = 2-5. When the A / B is 2 or less, the hardness of the outer layer side of the alumite film is high, and the initial familiarity cannot be achieved quickly. When the A / B is 5 or more, the hardness of the outer layer side of the alumite film is too low, which causes a decrease in wear resistance. Therefore, in order to achieve good wear resistance and quickly achieve initial familiarity, the A / B is preferably in the range of 2 to 5.
[0009]
Incidentally, in the invention of the first aspect, the inner layer, referred side closer to the surface of the aluminum material of the anodized aluminum film to be formed on an aluminum material, i.e. the inner side portions of the film. Moreover, an outer layer means the part of the side close | similar to the film | membrane surface among the alumite films | membranes formed in an aluminum raw material.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be specifically described with reference to embodiments.
[0012]
FIG. 1 is a schematic view of an alumite coating apparatus used in this example. In the figure, an alumite coating apparatus 1 is mainly composed of an
[0013]
The
[0014]
The
[0015]
The electrolyte supply circuit 4 includes a
[0016]
In the alumite film apparatus 1 having the above-described configuration, an alumite film treatment that is an anodized film treatment by constant current electrolysis (100 A / dm 2 ) was performed under the following conditions.
[0017]
Sulfuric acid concentration in the electrolyte: 150 ± 50 g / L
Electrolyte temperature: 8 ° C
Electrolyte injection amount: 4 L / min Processing time: 11 sec.
Specifically, in the alumite film apparatus 1 shown in FIG. 1, the
[0018]
In the alumite film forming process, the voltage between the
[0019]
FIG. 2 shows a schematic diagram of the cell structure of the alumite film formed under the above conditions. As shown in the figure, the
[0020]
Further, the Vickers hardness (10 g) Hv10 of the
[0021]
[Table 1]
[0022]
As can be seen from Table 1 above, the
[0023]
Also, the coefficient of friction and wear resistance test results (amount of wear) were compared between the
[0024]
[Table 2]
[0025]
As can be seen from the above table, the anodized film of this example has a smaller coefficient of friction than the conventional anodized film, and the wear amount as a result of the abrasion resistance test is smaller than that of the conventional anodized film. This shows that the alumite film of this example is excellent in abrasion resistance.
[0026]
As described above, the hardness of the
[0027]
Moreover, the cell diameter of the anodized
[0028]
Moreover, the cell diameter A in the innermost layer of the
[0029]
In addition, the anodized film method in which the anodized film treatment is performed using the aluminum material as the anode in this example employs a method of gradually increasing the voltage applied between the workpiece A as the anode and the
[0030]
Further, the alumite coating method in this example employs a system in which an electric current is passed from the anode to the cathode while spraying the electrolyte from the
[0031]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to provide an alumite film that achieves sufficient wear resistance and good initial conformability.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view of an alumite coating apparatus in an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a schematic view of an alumite film in the embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a schematic view of an alumite film in the prior art.
FIG. 4 is a schematic view of a hard anodized film in the prior art.
FIG. 5 is a schematic view of a soft anodized film in the prior art.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ...
Claims (1)
前記アルマイト皮膜の最内層でのセル径Aと前記アルマイト皮膜の最外層でのセル径Bとの比は、A/B=2〜5の範囲であることを特徴とするアルマイト皮膜。Formed on the surface of the aluminum material, the hardness is low and the cell diameter is small as it goes from the inner layer to the outer layer ,
The ratio of the cell diameter A in the innermost layer of the alumite film and the cell diameter B in the outermost layer of the alumite film is in the range of A / B = 2-5 .
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