JP4173071B2 - 超音波探傷方法及び超音波探傷装置 - Google Patents

超音波探傷方法及び超音波探傷装置 Download PDF

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Description

本発明は、固体材料からなる被検体の探傷面に対して斜めに進行する超音波を利用して探傷する超音波探傷方法及び超音波探傷装置に関する。
固体材料である被検体(試験体)中に、超音波斜角探触子によって被検体の探傷面に対して斜めに進行する超音波を放射し、被検体の底面による反射波や、傷等による回折波等のエコー波を受信することにより、各波の受信までの時間の差や振幅等に基づいて傷や介在物等の検出、あるいは材料評価等を行う超音波探傷方法が公知となっている(非特許文献1参照)。
この際検出される傷や介在物等の位置の特定やその寸法を計測するうえで、超音波斜角探触子によって被検体中に放射される超音波の屈折角、もしくは当該被検体において超音波斜角探触子の受波感度が極大になる入射角、すなわち探傷屈折角を精確に把握することが、正確な超音波斜角探傷試験の重要なファクターとなる。これは超音波斜角探触子の公称屈折角の基準とした固体材料(以下基準固体材料とする)における超音波の伝搬速度と被検体における伝搬速度が一致しない限り、図1(a)に示される基準固体材料Aの超音波の屈折角度(公称屈折角θ1)と、図1(b)に示される被検体Bの探傷屈折角θ2とが異なるものとなり、被検体B内の傷や介在物等の位置の特定や寸法等が不正確となるためである。
このため従来超音波探傷方法において、探傷屈折角θ2は、被検体と同一の部材で対比試験片を製作し、この試験片に横穴やスリットなどの反射源を加工して測定する方法や、基準固体材料Aにおける探傷屈折角θ2での超音波の伝搬速度V1と被検体Bにおける伝搬速度V2に関して、公称屈折角θ1と探傷屈折角θ2の間に成立すると考えられている下記数1式で表されるスネルの法則によって演算する方法等によって特定されている。
(数1)
sinθ1 sinθ2
──── = ─────
V1 V2
JISZ3060:2002, 鋼溶接部の超音波探傷試験方法, 財団法人 日本規格協会(平成14年3月20日発行)
上記対比試験片による探傷屈折角の測定では、試験片の製作に多大な手間と時間を要する他、供用開始から時間の経過した被検体の場合、対比試験片を得ることができず精確な探傷屈折角の推定を行なうことができないケースがあるという欠点があった。
一方上記スネルの法則に基づく演算では、圧延鋼材を始めとする多くの構造用固体材料は音響異方性を有することが知られており、このため音響異方性を有する被検体の場合、θ2によってV2が変化するので、上記スネルの法則によって求められる探傷屈折角θ2は、音響異方性を無視したものとなり、演算結果の精度が低いという問題点があった。
例えば図2(a),(b)は、上記音響異方性について、横波音速比が1.077の音響異方性を有する圧延鋼材について超音波横波(SV波)の伝搬速度の屈折角による変化を測定したものである。図2(a)は、探傷方向が圧延方向に平行な場合(以下L方向)であり、探傷屈折角が0°と90°において伝搬速度は最大になり、探傷屈折角が45°付近において伝搬速度は最小になる。また図2(b)は、探傷方向が圧延方向に直角な場合(以下C方向)であり、探傷屈折角が0°と90°において伝搬速度は最小になり、探傷屈折角が45°付近において伝搬速度は最大になる。
上記スネルの法則に基づく演算の欠点を解消するために、被検体Bにおける伝搬速度を前述の図2(a)又は図2(b)の結果と、超音波探傷の対象とする被検体で探傷方向とほぼ同一の方向に探傷表面に沿って伝搬(すなわち探傷屈折角が90°)する超音波探傷に用いるのと同種のモードの超音波表面波について測定した伝搬速度(V90)とに基づくθ2の関数(V2(θ2))として与えて、前記スネルの法則を下記数2式として演算する方法も考えられる。
(数2)
sinθ1 sinθ2
──── = ─────
V1 V2(θ2)
このときV2(θ2)は、探傷方向がL方向の場合は、図2(a)に基づき、下記数3式で、
(数3)
V2(θ2) = V90−2ΔV・sin2θ2
探傷方向がC方向の場合は、下記数4式
(数4)
V2(θ2) = V90−ΔV・(1−cos4θ2)
で与えることができ、これによって0°〜 90°の範囲の任意の屈折角における超音波の伝搬速度が与えられる。
ただし、ΔVは、下記数5式で与えられる値である。
(数5)
ΔV=V90−Vs
またVsは、例えば下記の6項に例示したいずれの方法によって与えられる値である。また下記(1)〜(5)の複数の方法によって得られたそれぞれの結果について、それらの平均的な値をVsとすることもできる。
(1)被検体と同種で音響異方性が小さい固体材料における超音波探傷に用いるのと同 種のモードの超音波の伝搬速度を、被検体における平均的な伝搬速度Vsとする。
(2)被検体の探傷表面に沿って伝搬する超音波探傷に用いるのと同種のモードの超音 波表面波について、探傷方向とほぼ同一の方向に伝搬するときの伝搬速度と探傷 方向にほぼ直角な方向に伝搬するときの伝搬速度をそれぞれ測定して、両者の測 定値の平均的な値を被検体における平均的な伝搬速度Vsとする。
(3)被検体の探傷表面に沿って伝搬する超音波探傷に用いるのと同種のモードの超音 波表面波について、L方向に伝搬するときの伝搬速度とC方向に伝搬するときの伝 搬速度をそれぞれ測定して、両者の測定値の平均的な値を被検体における平均的 な伝搬速度Vsとする。
(4)被検体の探傷表面に沿って伝搬する超音波探傷に用いるのと同種のモードの超音 波表面波について、探傷方向と一定の角度の方向、例えば45°の方向に伝搬する ときの伝搬速度を測定して、その測定値を被検体における平均的な伝搬速度Vsと する。
(5)被検体の探傷表面に沿って伝搬する超音波横波(SH波)表面波の伝搬速度を測定 して、その測定値を被検体における平均的な伝搬速度Vsとする。
(6)被検体が音響異方性を有しない場合は、被検体の探傷表面に沿って伝搬する超音 波探傷に用いるのと同種のモードの超音波表面波について、任意の方向に伝搬す るときの伝搬速度を測定して、その測定値を被検体における平均的な伝搬速度Vs とする。
しかし下記表1及び表2に示されるように、数3式及び数4式を適応した数2式を使用しても演算による探傷屈折角θ2と実際の探傷屈折角との間には誤差が発生する。これらの誤差が生じる原因は、スネルの法則が本来、伝搬方向によって伝搬速度が変化することを前提にしていないためと考えられる。
下記表1は横波音速比が1.077の圧延鋼材について、探傷方向がL方向のときの超音波横波(SV波)を使用した種々の公称屈折角を持つ超音波斜角探触子の公称屈折角と探傷屈折角の関係を求めたものであり、被検体が横波音速比 1.077 と比較的強度の音響異方性を有するため、実際の探傷屈折角は超音波斜角探触子の公称屈折角よりもかなり大きくなる。ここで数2式によって探傷屈折角(b)を求めると、屈折角が大きくなるのに従って実際の探傷屈折角との誤差が増大し、絶対値で最大12度の誤差が発生している。
(表1)
超音波探触子の 実際の 数2式
公称屈折角 探傷屈折角(a) による探傷屈折角(b) 誤差(b−a)
───────────────────────────────────
55° 57° 53° −4°
60° 65° 58° −7°
65° 73° 63° −10°
70° 81° 69° −12°
また下記表2は上記表1と同じ圧延鋼材について、探傷方向がC方向のときの超音波横波(SV波)を使用した種々の公称屈折角を持つ超音波斜角探触子の公称屈折角と探傷屈折角の関係を求めたものであり、この場合は、上記のL方向の場合とは反対に実際の探傷屈折角は超音波斜角探触子の公称屈折角より小さくなり、数2式によって求めた探傷屈折角(b)は、実際の探傷屈折角(a)との誤差が大きく、絶対値で最大5度の誤差が発生している。
(表2)
超音波探触子の 実際の 数2式
公称屈折角 探傷屈折角(a) による探傷屈折角(b) 誤差(b−a)
───────────────────────────────────
60° 57° 61° +4°
70° 65° 69° +4°
80° 71° 76° +5°
従って、音響異方性を有する被検体における探傷屈折角を超音波斜角探触子の公称屈折角から上記数1式又は数2式で表すことは適当でなく、超音波斜角探触子の公称屈折角から音響異方性を有する被検体における探傷屈折角を正確に算出する超音波斜角探傷方法及び超音波斜角探傷装置が望まれていた。
上記課題を解決するための本発明の超音波探傷方法は、所定の固体材料からなる被検体B内に、該被検体Bの探傷面Sに対して斜めに進行する超音波を送波するとともに、該超音波に基づき被検体Bの状態に応じて発生するエコ−波を受波する超音波探傷方法において、被検体Bによって屈折されて被検体B内を進行する超音波の探傷面Sへの法線に対する角度である探傷屈折角θ2又は予め定められた基準固体材料A内を進行する超音波の探傷面Sへの法線に対する角度である公称屈折角θ1を、公称屈折角θ1又は探傷屈折角θ2と、上記基準固体材料A内を公称屈折角θ1で進行する上記超音波の伝搬速度V1と、探傷屈折角θ2の関数として設定される被検体B内を探傷屈折角θ2で進行する超音波の伝搬速度V2(θ2)と、予め設定されているV2(θ2)の関数F(V2(θ2))に基づく、

sin θ1 sin θ2
──── = ───── + F(V2(θ2))
V1 V2(θ2)
によって算出することを第1の特徴とする。
第2に被検体Bの探傷面Sに沿って探傷方向と同一の方向に伝搬する超音波表面波の伝搬速度V90と、被検体Bを構成する固体材料における超音波の平均的な伝搬速度Vsとに基づき、伝搬速度V90と伝搬速度Vsとの差ΔVを
ΔV= V90−Vs
として設定し、
V2(θ2) = V90−2Δ・sin2θ2
とし、
4ΔV・cosθ2(cos2θ2−sin2θ2)
F(V2(θ2))= ───────────────────
{V2(θ2)}
とすることを特徴としている。
第3に被検体Bの探傷面Sに沿って探傷方向と同一の方向に伝搬する超音波表面波の伝搬速度V90と、被検体Bを構成する固体材料における超音波の平均的な伝搬速度Vsとに基づき、伝搬速度V90と伝搬速度Vsとの差ΔVを
ΔV= V90−Vs
として設定し、
V2(θ2) = V90−ΔV・(1−cos4θ2)
とし、
16ΔV・sinθ2(2cos4θ2−cos2θ2)
F(V2(θ2))= ───────────────────
{V2(θ2)}
とすることを特徴としている。
第4に被検体Bの探傷面S上にレーリー表面波を吸音する吸音材6を配置し、被検体Bの探傷面Sに沿って伝搬する超音波表面波を、レーリー表面波を軽減した状態で受波して、超音波表面波の伝搬速度V90を測定することを特徴としている。
上記課題を解決するための本発明の超音波探傷装置は、第1に所定の固体材料からなる被検体Bの探傷面Sに、前記被検体B内に探傷面Sに対して斜めに進行する超音波を送波するとともに、該超音波に基づき被検体Bの状態に応じて発生するエコ−波の受波を行う超音波探傷装置において、被検体Bによって屈折されて被検体B内を進行する超音波の探傷面Sへの法線に対する角度である探傷屈折角θ2又は予め定められた基準固体材料A内を進行する超音波の探傷面Sへの法線に対する角度である公称屈折角θ1を算出する屈折角算出手段と、該屈折角算出手段による算出結果を出力する出力手段とを備え、屈折角算出手段が、公称屈折角θ1又は探傷屈折角θ2と、上記基準固体材料A内を公称屈折角θ1で進行する上記超音波の伝搬速度V1と、探傷屈折角θ2の関数として設定される被検体B内を探傷屈折角θ2で進行する超音波の伝搬速度V2(θ2)と、予め設定されているV2(θ2)の関数F(V2(θ2))に基づく、
sin θ1 sin θ2
──── = ───── + F(V2(θ2))
V1 V2(θ2)
によって探傷屈折角θ2又は公称屈折角θ1を算出することを特徴としている。
第2に探傷屈折角算出手段が、被検体Bの探傷面Sに沿って探傷方向と同一の方向に伝搬する超音波表面波の伝搬速度V90と、被検体Bを構成する固体材料における超音波の平均的な伝搬速度Vsとに基づき、伝搬速度V90と伝搬速度Vsとの差ΔVを
ΔV= V90−Vs
として設定し、
V2(θ2) = V90−2Δ・sin2θ2
とし、
4ΔV・cosθ2(cos2θ2−sin2θ2)
F(V2(θ2))= ───────────────────
{V2(θ2)}
として探傷屈折角θ2又は公称屈折角θ1を算出することを特徴としている。
第3に探傷屈折角算出手段が、被検体Bの探傷面Sに沿って探傷方向と同一の方向に伝搬する超音波表面波の伝搬速度V90と、被検体Bを構成する固体材料における超音波の平均的な伝搬速度Vsとに基づき、伝搬速度V90と伝搬速度Vsとの差ΔVを
ΔV= V90−Vs
として設定し、
V2(θ2) = V90−ΔV・(1−cos4θ2)
とし、
16ΔV・sinθ2(2cos4θ2−cos2θ2)
F(V2(θ2))= ───────────────────
{V2(θ2)}
として探傷屈折角θ2又は公称屈折角θ1を算出することを特徴としている。
第4に超音波探傷装置を、被検体Bの探傷面Sに沿って伝搬する超音波表面波の送受波が可能となるように構成し、超音波探傷装置に、該超音波表面波の送受波に基づき超音波表面波の伝搬速度V90を測定する表面波伝搬速度算出手段を設け、被検体Bの探傷面Sに、上記超音波表面波を、レーリー表面波を軽減した状態で受波するように、探傷面Sに接してレーリー表面波を吸音する吸音材6を配置して設けたことを特徴としている。
以上のように構成される本発明の構造によると、対比試験片を必要とせず、且つ被検体の板厚が不明であっても簡便かつ精確に探傷屈折角θ2が算出されるため、超音波探傷をより精確に行うことができるという効果がある。また公称屈折角θ1の算出によって所定の探傷屈折角θ2を実現するための公称屈折角θ1を簡便かつ精確に算出することができ、前記所定の探傷屈折角θ2を実現するために適した超音波の送受波を行う超音波探触子の選定を容易に行うことができる。
特に探傷方向がL方向の際に、
ΔV= V90−Vs
V2(θ2) = V90−2Δ・sin2θ2
4ΔV・cosθ2(cos2θ2−sin2θ2)
F(V2(θ2))= ───────────────────
{V2(θ2)}
と設定することによって、探傷屈折角又は公称屈折角を精確に算出することができるという利点がある。
また探傷方向がC方向の際に、
ΔV= V90−Vs
V2(θ2) = V90−ΔV・(1−cos4θ2)


16ΔV・sinθ2(2cos4θ2−cos2θ2)
F(V2(θ2))= ───────────────────
{V2(θ2)}
と設定することによって、探傷屈折角又は公称屈折角を精確に算出することができるという利点がある。
ただし超音波探傷の対象とする被検体におけるV2(θ2)を上記いずれの式で表すことが適当であるかが不明の場合は、両式の各々で表されるV2(θ2)毎に探傷屈折角θ2を求めて、各々の解の平均的な値をもって求めるべき探傷屈折角としてもよい。もしくは所用の探傷屈折角を得るための公称屈折角としてよい。
一方超音波探傷装置を、被検体の探傷面に沿って伝搬する超音波表面波の送受波が可能となるように構成し、超音波探傷装置に、該超音波表面波の送受波に基づき超音波表面波の伝搬速度を測定する表面波伝搬速度算出手段を設け、被検体の探傷面に、上記超音波表面波を、レーリー表面波を軽減した状態で受波するように、探傷面に接してレーリー表面波を吸音する吸音材を配置して設けることによって、被検体の探傷面に沿って探傷方向と同一の方向に伝搬する超音波表面波を、レーリー表面波を軽減した状態で受波することができ、超音波表面波の受波が容易となり、伝搬速度V90を精確に測定することができ、これによって超音波探傷の精度をより高くすることが可能となる。特に超音波横波表面波を検出する場合には、レーリー表面波が軽減された超音波表面波の受波が容易となる。
なお送波超音波探触子と受波超音波探触子は、1つの超音波探触子によって兼用することも、各別に設けることもでき、一探触子法及びニ探触子法のいずれにおいても上記方法及び装置を採用することができる。
図3は、本発明の超音波探傷装置の概略図であり、被検体Bの探傷面S上に配置され、被検体B内に超音波の送波を行う超音波送波用の送波探触子1と、被検体Bの探傷面S上に送波探触子1に対して互いに対向して配置され、超音波の受波を行う受波探触子2と、送波探触子1と受波探触子2とが接続される本体3と、本体3に設置されるディスプレイ4とから構成された二探触子法のものとなっている。
これにより従来同様、送波探触子1から被検体B中に、探傷面Sに対して斜めに進行する超音波を送波し、被検体Bの底面による反射波や、傷等による回折波等のエコー波を受波探触子2によって受波し、受信波をディスプレイ4に表示することにより、各波の受波までの時間の差や振幅等に基づいて傷や介在物等の検出、あるいは材料評価等の超音波探傷を行うことができる。
ただし上記超音波探傷を適切に行うために、探傷面Sに沿って伝搬する超音波表面波の伝搬速度等を予め得ておく必要がある。このため上記超音波探傷装置は、送波探触子1と受波探触子2との間の探傷面S上に、超音波における特にレーリー表面波の吸音材6を配置し、公称屈折角θ1又は探傷屈折角θ2が臨界角に近い送波探触子1を使用することによって、後述するように超音波横波(SV波)の表面波の測定を行うことや、超音波探傷に適当な公称屈折角θ1の送波探触子1を使用したときの探傷屈折角θ2の算出、場合によっては所与の探傷屈折角を実現するための公称屈折角θ1の算出又は超音波探触子の選定等を行うことができる。
例えば両探触子1,2間の超音波の伝搬時間Tを測定し、送波探触子1と受波探触子2の入射点間の距離Lと両超音波探触子1,2における時間遅れの総和Tdが既知のときは、L/(T−Td)によって探傷面Sに沿って伝搬する超音波表面波の伝搬速度が求められる。あるいは、送波探触子1と受波探触子2の距離をΔLだけ変えたときの伝搬時間の変化ΔTを測定して、ΔL/ΔTによって上記伝搬速度を求めることもできる。
これにより本体3内には、図4に示されるように、超音波の発信部6と、超音波の受信部7、受波信号の演算等を行うコンピュータからなる演算部8、演算部8からの出力をディスプレイ4に表示させるための表示コントロール部9等が備えられている。
そして演算部8に、コンピュータを、送波探触子1の公称屈折角θ1と、該公称屈折角θ1での超音波の伝搬速度V1とに基づく探傷屈折角θ2の算出、又は探傷屈折角θ2と、該探傷屈折角θ2での超音波の伝搬速度V1(θ2)とに基づく公称屈折角θ1の算出を行う屈折角算出手段として機能させる屈折角算出プログラムや、上記表面波の伝搬時間の算出を行う表面波伝搬速度算出手段として機能させる伝搬速度算出プログラムや、超音波探傷を行う超音波探傷算出手段として機能させる超音波探傷算出プログラム等が備えられている。
そして表示コントロール部9は、受波したエコー波の表示の他、探傷屈折角算出手段や超音波探傷算出手段,表面波伝搬速度算出手段の算出結果等の演算部8からの情報をディスプレイ4に表示させることができ、表示コントロール部9とディスプレイ4とによって、出力手段を構成している。
なお探傷屈折角とは、被検体内を進行する超音波と探傷面への法線との角度である。そして送波探触子1の公称屈折角θ1は、予め定められた固体材料(基準固体材料)を被検体とした場合に、基準固体材料に送波探触子1から超音波を送波した場合の基準固体材料の探傷屈折角であり、予め各送波探触子1毎に設定されている。また伝搬速度V1は、上記送波探触子1から基準固体材料に送波される超音波の公称屈折角θ1での伝搬速度であり、予め各送波探触子1毎に設定されている。
また一般に、超音波探触子を送波に用いたときの探傷屈折角θ2又は公称屈折角θ1は、被検体の固体材料B又は基準固体材料Aにおいて同一の超音波探触子を受波に用いたときの、感度が極大となる超音波の入射角に等しくなることが知られている。従って本実施形態の適用が送波用又は送波用受波用兼用の超音波探触子に制限されるものではなく、受波用の超音波探触子にも適用可能であるのは言うまでもない。
図5は、送波探触子からの超音波が音響異方性を有する被検体に放射された場合の公称屈折角θ1と、当該被検体の探傷屈折角との関係をモデル的に示したモデル図であり、図5におけるx軸によって区切られた上半分の領域が、公称屈折角θ1での超音波伝搬速度がV1である基準固体材料Aであり、下半分の領域が超音波伝搬速度がV2(θ2)となる音響異方性を有する被検体Bであり、θ2が被検体Bの探傷屈折角となっている。
固体材料A内の任意の点をA、被検体B内の任意の点をBとすると、A→P→Bの実線は、AからBに至る超音波の伝搬経路の仮想的な一例である。これ以外に例えば破線のように仮想的な伝搬経路が無数に考えられ、これらの仮想的な伝搬経路のうち、超音波は伝搬時間が最小となる経路をとることが知られている(フェルマーの原理)。
このため伝搬経路と境界面の交点Pの座標を(x,0)とすると、AからBまでの伝搬時間は、以下の数5式のように演算される。
(数5)
{(x−a)2+h21/2 {(b−x)2+k21/2
t = ──────── + ────────
V1 V2(θ2)
これによりこの伝搬時間tを最小とするxを求めればθ2が求められるため、上記屈折角算出プログラムは、上記数5式をxで微分し、dt/dx = 0としてθ2又はθ1を求めるものとなっている。
具体的には、V2(θ2) として、探傷方向がL方向の場合は、前述の数3式、すなわち
V2(θ2) = V90−2ΔV・sin2θ2
を、
探傷方向がC方向の場合は、前述の数4式、すなわち
V2(θ2) = V90−ΔV・(1−cos4θ2)
を使用することができるため、いずれかの数3又は数4式を使用して、以下の数6式によってθ2を算出する。
(数6)
dt sinθ1 sinθ2
── = ─── − ──── − F(V2(θ2))=0
dx V1 V2(θ2)
ただしV2(θ2)の定義により、θ2の範囲は0°〜 90°である。また前述のようにΔV= V90−Vsであり、V90は被検体Bにおける屈折角90°の超音波の伝搬速度である。
このときF(V2(θ2))はV2(θ2)に依存するため、V2(θ2)として前述の数3式を適用する場合は数5式を微分すると、F(V2(θ2))は下記の数7式で与えられる。
(数7)
4ΔV・cosθ2・(cos2θ2−sin2θ2)
F(V2(θ2))= ───────────────────
{V2(θ2)}2
またV2(θ2)として前述の数4式を適用する場合は、数5式を微分すると、F(V2(θ2))は下記の数8式で与えられる。

16ΔV・sinθ2・(2cos4θ2−cos2θ2)
F(V2(θ2))= ───────────────────
{V2(θ2)}2
そして上記伝搬速度V90は、探傷屈折角が90°である超音波の伝搬速度であるため、本超音波斜角探傷装置を図3のようにセッティングし、公称屈折角θ1又は探傷屈折角θ2が臨界角に近い送波探触子1を使用し、被検体Bの探傷面に沿って伝搬する超音波表面波の送波と受波を行うことで、前述の表面波伝搬速度算出手段によって、予め得ることができ、屈折角算出プログラムは、予め得られる伝搬速度V90に基づきθ2の演算を行う。
このとき探傷表面を伝搬する超音波を受波する場合、通常大振幅のレーリー表面波が記録され、測定の対象とするSV波の測定が困難である。このため本実施形態においては、送波探触子1と受波探触子2との間の探傷面S上に、吸音材6を配置し、該吸音材6によってレーリー表面波の信号のみを大幅に減衰させ、目的とする超音波表面波の受波信号をより精確に測定し、この受波情報に基づいて伝搬速度算出プログラムが、前述のように伝搬速度V90の演算を行うように構成されている。
図6は、横波音速比が 1.077 の音響異方性を有する圧延鋼材について、探傷表面をL方向に伝搬する超音波横波(SV波)の送波と受波を上述のように行い、受波信号波形を記録した例である。図6(a)に示されるように、送波探触子1と受波探触子2の間に吸音材を配置しない場合は、測定の対象とする横波(SV波)表面波に続いて大振幅のレーリー表面波が記録されており、横波(SV波)表面波の送波から受波までの時間を測定することは困難である。
しかし図6(b)に示されるように、送波探触子1と受波探触子2の探傷表面に接触媒質としてマシン油を用いて吸音材6を配置することによって、吸音材6によりレーリー表面波の信号のみが減衰し、目的とする横波(SV波)表面波の受波信号をより精確に測定でき、横波(SV波)表面波の送波から受波までの時間を正確且つ容易に測定することができる。
なお超音波探傷の対象とする被検体におけるV2(θ2)が数3式あるいは数4式のいずれで表現されるか不明の場合は、両式の各々で表されるV2(θ2)毎に上記数1式によって探傷屈折角θ2を求め、各々の解の平均的な値をもって求めるべき探傷屈折角とすることもできる。
また上記の実施形態では、横波(SV波)表面波の測定を行うために公称屈折角θ1又は探傷屈折角θ2が臨界角に近い送波探触子1を使用する例を示しているが、横波(SV波)表面波の測定を行うために超音波探傷に用いる探触子を利用することもその感度及び探傷屈折角によっては可能となる。
一方屈折角算出プログラムは、数6式のθ2に、予め所与された探傷屈折角θ2の値を代入することによって、公称屈折角θ1を算出することもできる。これにより数6式から所与された探傷屈折角θ2を実現するために用いるべき超音波探触子の公称屈折角θ1を算出することができ、予め探傷屈折角θ2が指定されている場合、屈折角算出プログラム(上記数6式)によって使用するべき超音波探触子(公称屈折角θ1)を選定することができる。
そして本超音波斜角探傷装置は、上記のように屈折角演算プログラムによって演算されたθ2又はθ1をディスプレイ4に表示させることが可能となっており、この結果に基づいて適切な公称屈折角の超音波斜角探触子を選定して、被検体の超音波探傷をより正確に行うことができる。
また図7に示されるように、本超音波斜角探傷装置を、超音波の送受波を兼用する1つの超音波斜角探触子11を使用する一探触子法による超音波斜角探傷装置とし、上記屈折角算出手段を採用して探傷屈折角又は公称屈折角を算出させて、超音波斜角探傷を行うことも可能である。このとき前述の超音波表面波の測定も、被検体Bの探傷面Sに適当な超音波の反射源が得られる場合には一探触子法の構成として、該反射源と超音波探触子11との間の探傷面S上に超音波の吸音材6を配置することによって行うことができる。なお当然のことながら本発明の実施形態が固定屈折角の超音波斜角探触子に限定されるわけではなく、可変角の超音波斜角探触子やアレイ探触子について実施することも勿論可能である。
さらに上記超音波探傷に使用する超音波として、超音波横波又は超音波縦波の使用が可能であるが、超音波横波(SV波)を利用する場合は、V90を超音波横波(SV波)によって算出することが望ましい。
以上に示した実施形態では音響異方性を有する被検体について述べたが、音響異方性を有しない被検体についても本発明の方法及び装置が適用されることは勿論である。被検体が音響異方性を有しない場合は、被検体Bの探傷面Sに沿って任意の方向に伝搬する超音波表面波の伝搬速度の測定値をもってV90及びVs及びV2(θ2)(定数)とすることができる。
図8は、横波音速比が 1.077 の音響異方性を有する圧延鋼材について、超音波横波(SV波)の伝搬速度の屈折角による変化を示すグラフ図である。図8(a)は、L方向に被検体Bの探傷面に沿って伝搬する横波(SV波)表面波の伝搬速度の測定値である 3,420 m/s をV90とし、同種の鋼材の平均的な超音波横波(SV波)の伝搬速度である 3,250 m/s をVsとして、上記数3式に基づいて 算出されるV2(θ2)の変化を示す。
また図8(b)は、C方向に被検体Bの探傷表に沿って伝搬する横波(SV波)表面波の伝搬速度の測定値である 3,175 m/s をV90とし、同種の鋼材の平均的な超音波横波(SV波)の伝搬速度である 3,250 m/s を Vsとして、上記数4式に基づいて算出される V2(θ2) の変化を示す。
そして下記表3,表4は、横波音速比が1.077の音響異方性を有する圧延鋼材について、種々の超音波横波斜角探触子の公称屈折角に対応した探傷屈折角を上記に基づき演算した値と、実際の探傷屈折角との比較を示す。表3は探傷方向がL方向のもの、表4は探傷方向がC方向のものである。
(表3)
超音波探触子の 実際の 数6式
公称屈折角 探傷屈折角(a) による探傷屈折角(b) 誤差(b−a)
───────────────────────────────────
55° 57° 57° ±0°
60° 65° 66° +1°
65° 73° 72° −1°
70° 81° 82° +1°
(表4)
超音波探触子の 実際の 数6式
公称屈折角 探傷屈折角(a) による探傷屈折角(b) 誤差(b−a)
───────────────────────────────────
60° 57° 58° +1°
70° 65° 65° ±0°
80° 71° 73° +2°
上記結果に示されるように、演算により算出される探傷屈折角は、実際の探傷屈折角に対して、探傷方向がL方向の場合は絶対値で最大1°、C方向の場合は絶対値で最大2°程度の誤差となる。前述のJISの規格においては、探傷屈折角の誤差は±1°許容されており、実際は±2°程度であれば、実用的に使用できるため、本発明の装置及び方法によって、L方向あるいはC方向のいずれの場合も、被検体における探傷屈折角を精確に決定することができる。
超音波斜角探触子からの超音波の伝搬状態を示すモデル図であり、(a)が基準固体材料の屈折角度(公称屈折角θ1)を示し、(b)が被検体Bの探傷屈折角θ2を示す。 横波音速比が1.077の音響異方性を有する圧延鋼材について超音波横波(SV波)の伝搬速度の屈折角による変化を測定したグラフ図であり、(a)が、探傷方向が圧延方向に平行な場合のグラフ図、(b)が、探傷方向が圧延方向に直角な場合のグラフ図である。 超音波探傷装置の概略図である。 超音波探傷装置の概略ブロック図である。 送波探触子からの超音波が音響異方性を有する被検体に放射された場合の公称屈折角と、当該被検体の探傷屈折角との関係をモデル的に示したモデル図である。 探傷表面をL方向に伝搬する超音波横波(SV波)の受波信号波形を記録したグラフ図であり、(a)が吸音材を配置しない場合のグラフ図であり、(b)が吸音材を配置した場合のグラフ図である。 超音波探傷装置の一探触子法の概略図である。 横波音速比が 1.077 の音響異方性を有する圧延鋼材について、超音波横波(SV波)の伝搬速度の屈折角による変化を示すグラフ図であり、(a)が上記数3式に基づいて算出されるV2(θ2)の変化を示すグラフ図であり、(b)が上記数4式に基づいて算出される V2(θ2) の変化を示すグラフ図である。
符号の説明
1 送波探触子(超音波探触子)
2 受波探触子(超音波探触子)
6 吸音材
11 超音波探触子
A 基準固体材料
B 被検体
S 探傷面
V1 伝搬速度
V90 伝搬速度
Vs 伝搬速度
θ2 探傷屈折角
θ1 公称屈折角

Claims (8)

  1. 所定の固体材料からなる被検体(B)内に、該被検体(B)の探傷面(S)に対して斜めに進行する超音波を送波するとともに、該超音波に基づき被検体(B)の状態に応じて発生するエコ−波を受波する超音波探傷方法において、被検体(B)によって屈折されて被検体(B)内を進行する超音波の探傷面(S)への法線に対する角度である探傷屈折角(θ2)又は予め定められた基準固体材料(A)内を進行する超音波の探傷面(S)への法線に対する角度である公称屈折角(θ1)を、公称屈折角(θ1)又は探傷屈折角(θ2)と、上記基準固体材料(A)内を公称屈折角(θ1)で進行する上記超音波の伝搬速度(V1)と、探傷屈折角(θ2)の関数として設定される被検体内を探傷屈折角(θ2)で進行する超音波の伝搬速度V2(θ2)と、予め設定されているV2(θ2)の関数F(V2(θ2))に基づく、
    sin θ1 sin θ2
    ──── = ───── + F(V2(θ2))
    V1 V2(θ2)
    によって算出する超音波探傷方法。
  2. 被検体(B)の探傷面(S)に沿って探傷方向と同一の方向に伝搬する超音波表面波の伝搬速度(V90)と、被検体(B)を構成する固体材料における超音波の平均的な伝搬速度(Vs)とに基づき、伝搬速度(V90)と伝搬速度(Vs)との差ΔVを
    ΔV= V90−Vs
    として設定し、
    V2(θ2) = V90−2Δ・sin2θ2
    とし、
    4ΔV・cosθ2(cos2θ2−sin2θ2)
    F(V2(θ2))= ───────────────────
    {V2(θ2)}
    とする請求項1の超音波探傷方法。
  3. 被検体(B)の探傷面(S)に沿って探傷方向と同一の方向に伝搬する超音波表面波の伝搬速度(V90)と、被検体(B)を構成する固体材料における超音波の平均的な伝搬速度(Vs)とに基づき、伝搬速度(V90)と伝搬速度(Vs)との差ΔVを
    ΔV= V90−Vs
    として設定し、
    V2(θ2) = V90−ΔV・(1−cos4θ2)
    とし、
    16ΔV・sinθ2(2cos4θ2−cos2θ2)
    F(V2(θ2))= ───────────────────
    {V2(θ2)}
    とする請求項1の超音波探傷方法。
  4. 被検体(B)の探傷面(S)上にレーリー表面波を吸音する吸音材(6)を配置し、被検体(B)の探傷面(S)に沿って伝搬する超音波表面波を、レーリー表面波を軽減した状態で受波して、超音波表面波の伝搬速度(V90)を測定する請求項2又は3の超音波探傷方法。
  5. 所定の固体材料からなる被検体(B)の探傷面(S)に、前記被検体(B)内に探傷面(S)に対して斜めに進行する超音波を送波するとともに、該超音波に基づき被検体(B)の状態に応じて発生するエコ−波の受波を行う超音波探傷装置において、被検体(B)によって屈折されて被検体(B)内を進行する超音波の探傷面(S)への法線に対する角度である探傷屈折角(θ2)又は予め定められた基準固体材料(A)内を進行する超音波の探傷面(S)への法線に対する角度である公称屈折角(θ1)を算出する屈折角算出手段と、該屈折角算出手段による算出結果を出力する出力手段とを備え、屈折角算出手段が、公称屈折角(θ1)又は探傷屈折角(θ2)と、上記基準固体材料(A)内を公称屈折角(θ1)で進行する上記超音波の伝搬速度(V1)と、探傷屈折角(θ2)の関数として設定される被検体(B)内を探傷屈折角(θ2)で進行する超音波の伝搬速度V2(θ2)と、予め設定されているV2(θ2)の関数F(V2(θ2))に基づく、
    sin θ1 sin θ2
    ──── = ───── + F(V2(θ2))
    V1 V2(θ2)
    によって探傷屈折角(θ2)又は公称屈折角(θ1)を算出する超音波探傷装置。
  6. 探傷屈折角算出手段が、被検体(B)の探傷面(S)に沿って探傷方向と同一の方向に伝搬する超音波表面波の伝搬速度(V90)と、被検体(B)を構成する固体材料における超音波の平均的な伝搬速度(Vs)とに基づき、伝搬速度(V90)と伝搬速度(Vs)との差ΔVを
    ΔV= V90−Vs
    として設定し、
    V2(θ2) = V90−2Δ・sin2θ2
    とし、
    4ΔV・cosθ2(cos2θ2−sin2θ2)
    F(V2(θ2))= ───────────────────
    {V2(θ2)}
    として探傷屈折角(θ2)又は公称屈折角(θ1)を算出する請求項5の超音波探傷装置。
  7. 探傷屈折角算出手段が、被検体(B)の探傷面(S)に沿って探傷方向と同一の方向に伝搬する超音波表面波の伝搬速度(V90)と、被検体(B)を構成する固体材料における超音波の平均的な伝搬速度(Vs)とに基づき、伝搬速度(V90)と伝搬速度(Vs)との差ΔVを
    ΔV= V90−Vs
    として設定し、
    V2(θ2) = V90−ΔV・(1−cos4θ2)
    とし、
    16ΔV・sinθ2(2cos4θ2−cos2θ2)
    F(V2(θ2))= ───────────────────
    {V2(θ2)}
    として探傷屈折角(θ2)又は公称屈折角(θ1)を算出する請求項5の超音波探傷装置。
  8. 超音波探傷装置を、被検体(B)の探傷面(S)に沿って伝搬する超音波表面波の送受波が可能となるように構成し、超音波探傷装置に、該超音波表面波の送受波に基づき超音波表面波の伝搬速度(V90)を測定する表面波伝搬速度算出手段を設け、被検体(B)の探傷面(S)に、上記超音波表面波を、レーリー表面波を軽減した状態で受波するように、探傷面(S)に接してレーリー表面波を吸音する吸音材(6)を配置して設けた請求項5又は6又は7の超音波探傷装置。
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