JP4173017B2

JP4173017B2 - Bowl

Info

Publication number: JP4173017B2
Application number: JP2003017192A
Authority: JP
Inventors: 吉昭服部; 康成坂田; 幸広藪崎; 勇造藤井; 和己兼山
Original assignee: Noritake Co Ltd
Current assignee: Noritake Co Ltd
Priority date: 2003-01-27
Filing date: 2003-01-27
Publication date: 2008-10-29
Anticipated expiration: 2023-01-27
Also published as: JP2004226043A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は被焼成品を焼成する際に使用される匣鉢（さや：sagger）に関し、詳しくは、下面に浜高台（以下、単に高台という。）を有する陶磁器の焼成に適した匣鉢に関する。
【０００２】
【従来の技術】
陶磁器焼成用の窯道具として匣鉢（耐火容器）が広く用いられている。匣鉢の形状としては、角筒形の箱匣鉢や、円筒形の丸匣鉢等が知られている。下記の特許文献１〜５には、種々の形状の匣鉢が記載されている。
例えば特許文献１には、従来の典型的な箱匣鉢が記載されている。この文献に記載されている箱匣鉢（特許文献１の第４図参照）は、筐体と該筐体内部を仕切る複数の棚板（仕切り板）とから構成されており、筐体と各棚板とに囲まれる内部空間が焼成室を構成する。そして、各棚板上に被焼成品を収容した後、当該箱匣鉢を窯入れする。この構成の匣鉢を使用すると、複数の（典型的には同形状の）被焼成品を匣鉢内に積み上げた状態で一度に焼成することができる。
【０００３】
【特許文献１】
特公昭４８−３５３３３号公報
【特許文献２】
実開平１−１４１７３５号公報
【特許文献３】
実公平６−３６４７５号公報
【特許文献４】
実開平６−１４８９９号公報
【特許文献５】
特開平８−１４３３６９号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の箱匣鉢は、その形状に基づく特性から、次のような問題点が認められる。すなわち、
（１）匣鉢が重く、窯詰め及び窯出し時の積み下ろし作業の負担が大きい。
（２）匣鉢の熱容量が大きいため、焼成時の燃料コスト高である。
（３）各棚板で閉鎖された空間（焼成室）に被焼成品が隔離されるため、高温で揮発した釉薬成分が匣鉢の壁面に吸収され易い。しかし、匣鉢への吸収量（付着量）が多くなると、釉面の失透、荒れ、釉はげ等によって焼成品の釉面の品質が低下するため好ましくない。特に、高台（食器等の底にある典型的には環状の突起部をいう。）を有する被焼成品を焼成する場合には、匣鉢における高台が接する部分に釉薬が集中、蓄積して付着し易い。匣鉢の高台接触部分にそのような釉薬付着部分が形成された匣鉢をそのまま使用すると、焼成品にくっつき跡等が発生して品質低下を招く虞がある。従って、焼成品の品質低下を防止するためにも、匣鉢の継続使用回数は限られていた。
【０００５】
本発明は、かかる現状に鑑みて創出されたものであり、上記（１）〜（３）の少なくともいずれか一つの問題を改善若しくは解消し得る匣鉢を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
本発明によって提供される一つの匣鉢は、被焼成品を載置する底部と、その底部の周囲に設けられた側壁部とを備える。その底部は、該底部の中心から放射状に延びる複数の支持台を有している。また、これら支持台の間には該支持台及び上記側壁部に囲まれた開放口（貫通穴）が形成されている。また、各支持台はその上面に、被焼成品を支える支持部材を着脱可能に装着する支持部材装着部を有しており、それら支持部材装着部は、上記底部の中心からの距離が略等しくなる位置に設けられている。そして、好ましい一形態の匣鉢では、それら支持部材装着部は、上記支持台の放射状に延びる方向に沿って上記底部の中心からの距離が略等しくなる位置に形成された溝であることを特徴とする。
また、本発明の匣鉢は、典型的には、上記底部に載置された被焼成品を支える支持部材であって、上記支持部材装着部に着脱可能に装着される支持部材をさらに備える。そして、好ましい一形態の匣鉢では、上記支持部材は棒状成形体であり、該支持部材の長手方向が上記支持台の放射状に延びる方向と略一致するようにして各支持台に配置されることを特徴とする。
【０００７】
かかる構成の匣鉢では、被焼成品を載置する底部に放射状に延びる支持台を形成し、それら支持台の間には開放部分（穴）が形成されている。このため、同サイズの被焼成品を収容し得る従来の匣鉢（典型的には箱形匣鉢）と比較して、匣鉢の容積を小さくすることができる。これにより、匣鉢自体の重量が軽量化され、窯詰め及び窯出し時の積み下ろし作業の負担を軽減し、その作業性を向上することができる。また、焼成時の匣鉢の熱容量も小さくなるため、燃料コストの低減を図ることができる。
【０００８】
また、開放部分を設けた（即ち底部に載置した被焼成品の周囲に存在する匣鉢壁面の面積が比較的小さい）結果、当該匣鉢に載置（収容）した被焼成品の釉薬成分が匣鉢の壁面に吸収され難くなる。このため、焼成品の釉薬表面の品質低下を抑制することができるとともに、匣鉢の使用回数を増やすことができる。
好ましい態様の匣鉢は、上記側壁部が順次連繋して同形状の匣鉢を積み重ね得る形状に形成されている。この態様の匣鉢では、従来の箱形匣鉢（特許文献１参照）と同様、所定形状の被焼成品（例えば食器）を複数積み重ねて焼成することができる。このとき、本発明の匣鉢では、各底部に上記開放口が設けられている結果、積み重ねられた各匣鉢の内部空間（底部と側壁部に包囲された空間）が上記開放口を介して通気可能に繋がっている。このため、焼成時の高温条件下で揮発した釉薬成分が各匣鉢の内部空間に長時間滞留することを防止することができる。
従って、釉薬成分が匣鉢の壁面に過度に吸収されることを防止して焼成品の表面（釉面）の品質低下を抑制しつつ、複数の被焼成品を積み上げて焼成することができる。
【０００９】
また、本発明の匣鉢は、各支持台に上記支持部材装着部を有し、それら装着部に着脱可能な支持部材（即ち被焼成品を載せる支持具）を装着することができる。すなわち、本発明の匣鉢では、各支持台に配置された支持部材上に被焼成品を載せることができる。このため、被焼成品と匣鉢との接触部分を実質的に支持部材の表面のみに限定することが可能となる。従って、釉薬成分が匣鉢本体（底部及び側壁部）に過度に付着することを防止し得る。また、被焼成品との接触部分である支持部材表面に釉薬成分が過度に付着した場合には、当該支持部材を交換すればよく、匣鉢本体の交換を要しない。このため、匣鉢の使用寿命（使用回数）を従来の同タイプの匣鉢（例えば箱形匣鉢）よりも延ばすことができる。
さらに本発明の匣鉢は、各支持台において上記支持部材装着部が底部の中心から略同じ距離となる位置に設けられている。このため、食器（皿、碗、鉢、等）のような底に高台を有する被焼成品を焼成する用途に特に好ましい。
【００１０】
好ましい一つの匣鉢は、支持部材が棒状成形体であり、該支持部材はその長手方向が上記支持台の放射状に延びる方向と略一致するようにして各支持台に配置されることを特徴とする。
このような態様の匣鉢によれば、支持部材（支持棒）を放射方向に配置することができるため、高台付きの被焼成品の支持可能範囲を広く確保することができる。すなわち、高台（典型的には環状）の径が比較的小さなものから大きなものまで、種々のサイズの高台付き被焼成品を一の匣鉢（一種類の支持棒）を用いて焼成することができる。
【００１１】
また、好ましい一つの匣鉢は、上記支持部材装着部として、支持部材を装着し得る溝が前記支持台の延びる方向に沿って形成されていることを特徴とする。
この態様の匣鉢は、支持部材（典型的に棒状のもの）を容易に且つ着脱自由に装着（典型的には嵌め込み）できると共に、支持部材の不測の移動（転がり等）を抑え、安定した状態で支持台上（溝内）に配置しておくことができる。
【００１２】
また、好ましい一つの匣鉢は、上記支持部材の被焼成品を支持する支持面が傾斜を有するように形成されており、上記支持部材装着部に該支持部材を装着した際には、該支持部材の支持面が底部の中央に向かって下方に傾斜するように構成されていることを特徴とする。
このような、傾斜を設けることによって、被焼成品が匣鉢の中央に設置され易く、当該支持部材の支持面上に載置された被焼成品が安定する（即ち底部の中心方向に落ち込むように重心をとることができる。）。従って、不用意な振動等が匣鉢に加えられた際にも、被焼成品を安定した状態で保持することができる。
【００１３】
また、好ましい一つの匣鉢は、上記側壁部が取っ手を有することを特徴とする。特に、側壁部が順次連繋して同形状の匣鉢を積み重ね得る形状に形成されている態様の匣鉢では、取っ手が該匣鉢を積み重ねた際に、把持可能な状態で側壁部の外方に張り出すように形成されているものが好ましい。
取っ手があると、匣鉢の持ち運び、取扱いが容易に行える。また、側壁部の外方に取っ手を突出させると、匣鉢をいくつか積み重ねても各匣鉢の側方にそれぞれ取っ手が現れる。これにより、いくつか積層した匣鉢を任意の位置で簡単に持ち運ぶことができる。このため、作業効率性を向上することができる。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、いずれも従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書及び図面によって開示されている事項と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
【００１５】
本発明により提供される匣鉢の外形は、収容する被焼成品の形状に応じて決定されればよく、特に限定されない。例えば、皿を焼成対象とする場合は、径が比較的大きく高さは比較的低い形状の匣鉢が好ましい。また、湯呑み茶碗を焼成対象とする場合は、径が比較的小さく高さは比較的高い形状の匣鉢が好ましい。
底部の形状は、放射状に延びる複数の支持台を有するものであれば特に限定はない。支持台の数及び／又は太さ（肉厚）は、被焼成品の形状や重量に応じて適宜決定され得る。典型的には、本発明の匣鉢は、底部の中心から放射状に延びる３つ又は４つの支持台を有する。この程度の数の支持台を有する匣鉢は、開放口部分を大きくし得、軽量で取扱いも良好である。
【００１６】
また、側壁部は、匣鉢の強度（要求される強度は、被焼成品のサイズや重量によって異なり得る）を使用上十分なレベルに維持し得る大きさ・形状であれば特に制限されないが、前記底部の外周に環状に形成されたもの（後述の実施例参照）が好ましい。かかる環状の側壁部を有することによって、匣鉢（特に底部）の機械的強度が高まり、匣鉢の耐久性（耐用期間）を向上させることができる。また、環状側壁部によると、それらを順次連繋する（例えば一の匣鉢の側壁部上端と他の一の匣鉢の側壁部下端とを重ね合わせていく）ことによって、同形状の匣鉢を何段にも積み重ねることが容易に行える。
【００１７】
匣鉢で用いられる支持部材は、支持部材装着部の形状に応じて決定することができる。例えば、支持部材装着部が、支持台の延伸方向に沿って形成された長溝である場合、支持部材はその長溝に嵌め込まれる棒状成形体（以下「支持棒」という。）であることが好ましい。
【００１８】
また支持棒を採用する場合、その横断面形状として真円形状、楕円形状、多角形状等があるが、特に楕円形状が好ましい（後述の実施例参照）。断面楕円形の支持棒は、当該楕円の長軸方向と水平方向が略一致する状態を保ち、不測の転がりの発生を防止しつつ所定の装着部に安定して配置することができる。また、支持棒と被焼成品との接触面をより小さくすることができる。
【００１９】
本発明の匣鉢は、従来の匣鉢と同様の材料を使用し、同様の製法に基づいて作製することができる。例えば、原料の選択に応じて、炭化ケイ素質、シャモット質、ムライト質、コーディエライト質等の匣鉢を作製することができる。また、支持部材は、消耗部品であり、匣鉢本体よりも安価な原料を用いて作製することがコストを下げるという観点から好ましい。
【００２０】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明するが、本発明をそれら図示する実施例に限定することを意図したものではない。
【００２１】
図１に第１実施例による匣鉢の平面図を示した。この図に示すように、耐火材料からなる匣鉢（本体）１０は、底部１２の周囲に側壁部１４が立ち上げられている。
底部１２は、その中心（上方からみて中央部分）から外方に放射状に延びる３つの一体成形された支持台１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃから構成されている。支持台１２Ａ〜１２Ｃの先端は環状の側壁部１４と連なっている。支持台１２Ａ〜１２Ｃと側壁部１４とにより囲まれる部分には、底部１２を貫通する開放口Ｗが形成されている。また、支持台１２Ａ〜１２Ｃは、一体を成す底部１２の中心から周方向にほぼ等間隔で延びており、各支持台１２Ａ〜１２Ｃの長さ及び幅は等しい。開放口Ｗは、支持台１２Ａ〜１２Ｃの間に均等な間隔を保って開口している。
【００２２】
図１及び図２に示すように、各支持台１２Ａ〜１２Ｃには、その延伸（長手）方向に沿って一定の深さで長溝Ｍが形成されている。かかる長溝Ｍが本実施例に係る支持部材装着部に相当する。而して、これらの長溝Ｍ内にそれぞれ支持棒１３が着脱可能に載置される。ここで、長溝Ｍの幅及び長さは支持棒１３の幅及び長さよりも僅かに大きい程度である。
一方、図３及び図４に示すように、支持棒１３は、その縦断面が楕円形状であり、長手方向の全体に亘って一定の太さである。楕円断面の長軸方向の長さは長溝Ｍの幅よりも僅かに短く、短軸方向の太さは長溝Ｍの深さよりも十分に大きい。このため、長溝Ｍに支持棒１３を載置した際には、長溝Ｍの側壁に僅かな隙間を保って支持棒１３が嵌め込まれ、支持台１２Ａ〜１２Ｃの放射状に延びる方向に沿って位置決めされる。また、支持棒１３の一部は、支持台１２Ａ〜１２Ｃの表面よりも突出する。この突出した頂上面（即ち支持棒１３の横断面楕円形状における短軸方向の一方の面）が被焼成品の支持面になる。この支持面は、楕円弧状に湾曲しているため、被焼成品との接触面がきわめて小さくなる。
また、支持棒１３の支持面としては、上記短軸方向に向き合う面のうち、いずれか一方を用いることができる。このため、一方の支持面に汚れや疵等が生じている場合には、より状態の良好な他方の支持面を選択的に用いることが可能である。
【００２３】
本実施例に係る匣鉢１０によれば、支持棒１３が釉薬によって高台６に付着しても、付着した支持棒のみを取り替えるだけで、元の状態に復帰させることができる。すなわち、支持棒１３が損傷しても、匣鉢１０全体を交換する必要がなく、匣鉢１０の本体部分（底部１３及び側壁部１４）を長期間、連続使用することができる。
【００２４】
図２に示すように、支持台１２Ａ（他の支持台１２Ｂ，１２Ｃについても同じ）の長手方向には、水平壁１２ａ及び傾斜壁１２ｂが形成されている。すなわち、底部１２の中央から外周部に向けて水平壁１２ａが延び、その先端に外周部に向けて上向きの傾斜をもつ傾斜壁１２ｂが連なっている。なお、水平壁１２ａ及び傾斜壁１２ｂの長さや角度は、被焼成品の形状に合わせて設定される設計事項である。
また、この匣鉢１０をいくつも積み重ねたときには、上下に並んだ水平壁１２ａ及び傾斜壁１２ｂの間に十分な隙間を保って被焼成品を収容し得る（図６参照）。また、このような構成によれば、被焼成品の上下間の距離を近づけることができるため、窯詰め効率を向上させることができる。
【００２５】
図２に示すように、側壁部１４は、底部１２の外周に一定の高さで設けられている。側壁部１４の下端１４ａ及び上端１４ｂには、匣鉢１０を積み重ねるための載置面が形成されている。側壁部１４の上端１４ｂには突起１６が設けられている。この突起１６は、上端１４ｂの載置面よりも内側に環状に形成される。このことにより、匣鉢１０を積み重ねた際には、重ね合わされた一方の側壁部１４の下端部分の内壁面が他方の側壁部１４の上端部分の突起１６と接触可能な位置関係となる。このため、積み重ねた各匣鉢１０が横ズレするのを防止することができる。
【００２６】
図１に示すように、この匣鉢１０には側壁部１４に二つの取っ手１７が設けられている。かかる取っ手１７は、底部１２の直径方向に向き合うように配置される。このことにより、取っ手１７を両手で把持することで、匣鉢１０を容易に持ち運ぶことができる。さらにまた、取っ手１７の存在位置は、支持台１２Ａ〜１２Ｃの延長線上からズレた位置になっている。これは、支持台１２Ａ〜１２Ｃの延長線上に取っ手１７があると、取っ手１７にかかる荷重がその支持台のみに集中し易く、匣鉢１０の耐久性を向上させるという観点から好ましくない。すなわち、取っ手１７を支持台１２Ａ〜１２Ｃの先端部分からずれた位置に設けることによって、匣鉢１０の耐荷重性を高めることができる。
また、図５及び図６に示すように、取っ手１７は、側壁部１４の外側に突出している。取っ手１７の上端は、側壁部１４の上端１４ｂに一致しており、匣鉢１０の積み重ねの邪魔にならない。この構成の結果、匣鉢１０をいくつか積み重ねた際、側壁部１４の外方に張り出しているいずれかの取っ手１７を把持し、積み重ねられたいくつかの匣鉢１０を簡単に持ち運ぶことができる。
【００２７】
次に、本実施例に係る匣鉢１０の使用方法について簡単に説明する。匣鉢１０を使用する場合、底部１２の支持台１２Ａ〜１２Ｃにそれぞれ支持棒１３を放射状に配置する。次いで、図６に示すように、これらの支持棒１３の上に被焼成品（ここでは高台６を有する皿５）を載せ、その後、匣鉢１０を積み重ねる。なお、皿５の表面には、高台６の下部を除くほぼ全面に釉薬が塗布されている。
【００２８】
積み重ねた状態において、各段の匣鉢１０の位置関係は、それぞれ支持台１２Ａ〜１２Ｃが高さ方向に揃うようにするとよい。これにより、開放口Ｗがトンネル状に上下に繋がって匣鉢１０内に連続空間を形成することになる。
或いは、各段の支持台１２Ａ〜１２Ｃが螺旋状に配列するように積み重ねてもよい。この場合、上下に並んだ匣鉢１０の支持台１２Ａ〜１２Ｃの間により広い隙間を確保することができる。さらには、開放口Ｗが螺旋状に繋がって連続空間を形成することができる。
【００２９】
このように匣鉢１０を積み重ねた状態で窯入れし、被焼成品５を所定の温度条件で焼成する。匣鉢１０内の釉薬の水分や揮発成分は開放口Ｗを通って上昇、循環し、均一に焼成される。
【００３０】
本実施例に係る匣鉢１０によると、底部１２及び側壁部１４の軽量化が図られるため、窯詰め及び窯出しの際に匣鉢１０の積み下ろし作業の負担が軽減される。また、放射状に形成した支持台１２Ａ〜１２Ｃから成る底部１２が環状の側壁部１４で補強される構造であるため、被焼成品５の耐荷重性も十分に確保することができる。
また、匣鉢１０の熱容量が小さくなるため、エネルギーロスが減り、燃料コストを大幅に削減することができる。また、被焼成品５に熱が伝達し易くなるため、従来に比べて被焼成品全体に亘って均一な焼成を行うことも可能になる。
【００３１】
また、匣鉢１０を積み重ねたときに、開放口Ｗが繋がって連続空間を形成するため、各段の被焼成品５の下面部分と上面部分とが互いに向き合う形となる。このため、釉薬成分が揮発しても、一体となった連続空間を循環し、匣鉢１０の壁面にほとんど吸収されずに、被焼成品５に再付着しやすくなる。この結果、被焼成品５の釉薬表面の品質を良好に維持することができる。
【００３２】
次に、本発明の他の実施例について図面を参照しつつ説明する。なお、以下に示すいくつかの実施例において、第１実施例と実質的に同一の構成部分については同一の符号を付すものとし、重複した技術的説明はしない。
【００３３】
本発明の第２実施例を図７に示す。第２実施例は、底部２２の支持台２２Ａ〜２２Ｄを十字状に形成したものである。すなわち、この匣鉢２０は、底部２２の中央から放射状に延びる４つの支持台２２Ａ，２２Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄを有している。支持台２２Ａ〜２２Ｄには、それぞれ所定の長さ及び幅をもった長溝Ｍが形成され、これらの長溝Ｍに支持棒１３が第１実施例と同様に載置される。
支持台２２Ａ〜２２Ｄの間には、開放口Ｗが等間隔に開口している。各支持台２２Ａ〜２２Ｄの延長線上からずれた位置には、第１実施例と同様の取っ手１７が直径方向に向き合うように配置されている。
【００３４】
かかる構成の第２実施例によれば、支持台２２Ａ〜２２Ｄが十字方向に形成されるため、第１実施例のものよりも底部２２の機械的な強度が高まる。また、支持台２２Ａ〜２２Ｄ毎の被焼成品の荷重負担が小さくなるため、より重量の大きい被焼成品を焼成することができる。
【００３５】
本発明の第３実施例を図８に示す。第３実施例は、支持棒３３の支持面３３ａが傾斜を有するようにしたものである。すなわち、この匣鉢３０は、底部１２に支持棒３３が放射状に載置される。図示されるように、かかる支持棒３３の支持面３３ａは、底部１２の中心部に向かうに従って次第に下方に傾斜している。
【００３６】
このような形状の支持棒３３を用いた第３実施例では、支持面３３ａの傾斜によって支持棒３３に載置された被焼成品５に対して内向きの力が働き、結果、被焼成品５の支持状態が安定する。このため、匣鉢３０に不測の振動等が付与されたときも被焼成品５が位置ずれし難くなり、窯出し及び窯入れ作業時の信頼性をさらに向上させることができる。また、上からみて匣鉢３０（底部）の中央に被焼成品５を簡単かつ確実に位置決めすることができる。
【００３７】
以上、本発明の匣鉢についての第１実施例〜第３実施例を説明したが、本発明の匣鉢はこれらに限られることなく、種々の変更が可能である。例えば、支持台の数を増やしたり、放射方向を変更してもよい。また、支持台の太さを変更してもよい。側壁部については、必ずしも環状に連ねて一体に形成する必要はなく、設ける支持台の数にもよるが、いくつかに分断されてあってもよい。また、取っ手の位置や数を変更してもよい。また、支持部材装着部は溝に限定されず、支持部材の一部を差し込める装着穴でもよい。
【００３８】
また、支持部材は、図示したような断面形状のものに限られず、その横断面形状は、必要に応じて円形、多角形、台形等の形状を採用してもよい。溝の形状についても支持棒に合わせて自在に変更したり、省略することができる。
例えば、図９に示すように、横断面真円形状の支持棒４０にしてもよい（第４実施例）。この場合、断面Ｖ字状の長溝Ｍにすると、支持棒４０の転がりを防止することができ、被焼成品を安定して支持することができる。
或いは、図１０に示すように、横断面三角形状の支持棒５０にしてもよい（第５実施例）。この場合、支持棒５０が転がらないため、長溝Ｍを省略することも可能である。また、支持棒５０の角部５１に丸みをつけることにより、その上に載置する被焼成品に傷や凹みがつくのを防止することができる。
【００３９】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】第１実施例に係る匣鉢を模式的に示す平面図である。
【図２】図１のII−II線断面図である。
【図３】図２のIII−III線断面図である。
【図４】第１実施例に係る匣鉢の要部を示す部分斜視図である。
【図５】図１のＶ−Ｖ線断面図である。
【図６】第１実施例に係る匣鉢の一使用形態を模式的に示す説明図である。
【図７】第２実施例に係る匣鉢を模式的に示す平面図である。
【図８】第３実施例に係る匣鉢の要部を模式的に示す側面図である。
【図９】第４実施例に係る匣鉢の要部を模式的に示す部分断面図である。
【図１０】第５実施例に係る匣鉢の要部を模式的に示す部分断面図である。
【符号の説明】
５被焼成品
６高台
１０，２０，３０匣鉢
１２底部
１２Ａ〜１２Ｃ支持台
１３，４０，５０支持部材（支持棒）
１４側壁部
１７取っ手
Ｍ溝
Ｗ開放口[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a sagger used for firing a product to be fired, and more particularly, to a sagger suitable for firing ceramics having a lower surface (hereinafter simply referred to as a “high plateau”) on the lower surface.
[0002]
[Prior art]
A mortar (fireproof container) is widely used as a ceramic tool for firing ceramics. As the shape of the bowl, a rectangular box bowl bowl, a cylindrical round bowl, and the like are known. The following Patent Documents 1 to 5 describe various types of bowls.
For example, Patent Document 1 describes a conventional typical box bowl. The box bowl described in this document (see FIG. 4 of Patent Document 1) is composed of a housing and a plurality of shelf plates (partition plates) that partition the inside of the housing. An internal space surrounded by the shelf board constitutes a baking chamber. And after accommodating a to-be-fired product on each shelf board, the said box mortar is put into a kiln. When a sagger having this configuration is used, a plurality of (typically the same shape) products to be fired can be fired at once in a state where they are stacked in the sagger.
[0003]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Publication No. 48-35333 [Patent Document 2]
Japanese Utility Model Publication No. 1-1141735 [Patent Document 3]
Japanese Utility Model Publication No. 6-36475 [Patent Document 4]
Japanese Utility Model Publication No. 6-14899 [Patent Document 5]
JP-A-8-143369 [0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, the conventional box bowl has the following problems due to its shape-based characteristics. That is,
(1) The mortar is heavy and the burden of unloading work at the time of stuffing and taking out the kiln is large.
(2) Since the heat capacity of the mortar is large, the fuel cost during firing is high.
(3) Since the product to be baked is isolated in the space (baking chamber) closed by each shelf board, the glaze component volatilized at high temperature is easily absorbed by the wall surface of the mortar. However, when the amount of absorption (attachment amount) to the mortar increases, the quality of the surface of the fired product is deteriorated due to devitrification, roughening, surface peeling, etc. of the surface, which is not preferable. In particular, when baking an object to be fired having a plateau (typically an annular protrusion on the bottom of a tableware or the like), the glaze concentrates, accumulates and adheres to the portion of the bowl that contacts the plateau. Easy to do. If a mortar having such a glaze-attached portion is used as it is at a hill-contacting portion of the mortar, the baked product may have a sticking mark or the like, resulting in a deterioration in quality. Therefore, in order to prevent the quality of the fired product from being deteriorated, the number of continuous use of the mortar has been limited.
[0005]
The present invention has been created in view of the present situation, and an object of the present invention is to provide a mortar capable of improving or eliminating at least one of the problems (1) to (3).
[0006]
[Means, actions and effects for solving the problems]
One mortar provided by the present invention includes a bottom portion on which a product to be fired is placed and a side wall portion provided around the bottom portion. The bottom portion has a plurality of support bases extending radially from the center of the bottom portion. An opening (through hole) surrounded by the support base and the side wall is formed between the support bases. Moreover, each support base has a support member mounting part on which the support member that supports the product to be fired is detachably mounted on the upper surface, and these support member mounting parts are substantially equal in distance from the center of the bottom part. It is provided in the position. In a preferred embodiment, the support member mounting portions are grooves formed at positions where the distances from the center of the bottom portion are substantially equal along the radial direction of the support base. And
Moreover, the mortar of the present invention is typically a support member that supports the article to be fired placed on the bottom portion, and further includes a support member that is detachably attached to the support member attachment portion. In a preferred embodiment, the support member is a rod-shaped molded body, and the support member is disposed on each support base so that the longitudinal direction of the support member substantially coincides with the radially extending direction of the support base. It is characterized by.
[0007]
In the mortar having such a configuration, a support base extending radially is formed at the bottom portion on which the product to be fired is placed, and an open portion (hole) is formed between the support bases. For this reason, compared with the conventional mortar (typically a box-shaped mortar) which can accommodate the to-be-fired goods of the same size, the volume of the mortar can be made small. Thereby, the weight of the mortar itself is reduced, the burden of unloading work at the time of stuffing and unloading the kiln can be reduced, and the workability can be improved. Moreover, since the heat capacity of the mortar during firing is reduced, the fuel cost can be reduced.
[0008]
Moreover, as a result of providing the open part (that is, the area of the wall surface of the mortar existing around the product to be baked placed on the bottom), the glaze component of the product to be baked placed (contained) in the jar Becomes difficult to be absorbed by the wall surface of the mortar. For this reason, while being able to suppress the quality fall of the glaze surface of a baked product, the frequency | count of use of a mortar can be increased.
A preferred embodiment of the mortar is formed in a shape that allows the same shape of mortars to be stacked by sequentially connecting the side walls. In the bowl of this embodiment, a plurality of products to be baked (for example, tableware) having a predetermined shape can be stacked and fired in the same manner as a conventional box bowl (see Patent Document 1). At this time, in the mortar of the present invention, as a result of the opening being provided in each bottom, the internal space of each stacked mortar (the space surrounded by the bottom and the side wall) via the opening It is connected to allow ventilation. For this reason, it can prevent that the glaze component which volatilized on the high temperature conditions at the time of baking stays in the internal space of each mortar for a long time.
Therefore, a plurality of products to be fired can be stacked and fired while preventing the glaze component from being excessively absorbed by the wall surface of the glaze and suppressing the deterioration of the quality (surface) of the fired product.
[0009]
Moreover, the mortar of this invention has the said supporting member mounting part in each support stand, and can mount | wear with the supporting member (namely, support tool which mounts a to-be-baked product) in these mounting parts. That is, in the mortar of the present invention, a product to be fired can be placed on a support member disposed on each support base. For this reason, it becomes possible to limit the contact part of a to-be-fired product and a mortar substantially only to the surface of a supporting member. Therefore, it can prevent that a glaze component adheres excessively to a mortar body (bottom part and side wall part). Moreover, when a glaze component adheres too much on the support member surface which is a contact part with a to-be-baked goods, the said support member should just be replaced | exchanged and the replacement | exchange of a mortar body is not required. For this reason, the service life (number of times of use) of the mortar can be extended as compared with the conventional mortar of the same type (for example, a box-shaped mortar).
Furthermore, the mortar of the present invention is provided at a position where the support member mounting portion is substantially the same distance from the center of the bottom portion in each support base. For this reason, it is especially preferable for the use which bakes the to-be-fired goods which have a hill on the bottom like tableware (a dish, a bowl, a bowl, etc.).
[0010]
One preferable mortar is characterized in that the support member is a rod-shaped molded body, and the support member is arranged on each support base so that the longitudinal direction thereof substantially coincides with the radially extending direction of the support base. To do.
According to the mortar of such an aspect, since a support member (support bar) can be arrange | positioned to a radial direction, the supportable range of the to-be-baked goods with a high stand can be ensured widely. That is, firing products with various heights, from relatively small to large diameters (typically ring-shaped), can be fired using one bowl (one kind of support rod). it can.
[0011]
Moreover, one preferable mortar is characterized in that, as the support member mounting portion, a groove in which a support member can be mounted is formed along a direction in which the support base extends.
The mortar of this aspect can be easily and detachably mounted (typically fitted) with a support member (typically a rod-like one), and suppresses unexpected movement (rolling, etc.) of the support member and is stable. It can arrange | position on a support stand (in a groove | channel) in the state.
[0012]
Also, one preferred sagger, said support surface for supporting an object to be fired product of the support member is formed to have a slope, when fitted with the support member to the supporting member mounting portion, the support The support surface of the member is configured to be inclined downward toward the center of the bottom.
By providing such an inclination, the product to be fired can be easily placed in the center of the mortar, and the product to be fired placed on the support surface of the support member is stabilized (that is, falls in the center direction of the bottom). Can take the center of gravity.) Therefore, even when inadvertent vibration or the like is applied to the mortar, the product to be fired can be held in a stable state.
[0013]
In addition, one preferable mortar is characterized in that the side wall portion has a handle. In particular, in a mortar having a shape in which side walls are sequentially connected and can be stacked in the same shape, when the handle is stacked, the outer side of the side wall is gripped. What is formed so that it may overhang is preferable.
If there is a handle, it can be easily carried and handled. Further, when the handle is protruded outward from the side wall portion, the handle appears on the side of each mortar even if several mortars are stacked. Thereby, several laminated bowls can be easily carried at an arbitrary position. For this reason, work efficiency can be improved.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described. Note that matters other than matters specifically mentioned in the present specification and necessary for carrying out the present invention can be grasped as design matters of those skilled in the art based on the prior art. The present invention can be carried out based on matters disclosed in the present specification and drawings and common general technical knowledge in the field.
[0015]
The outer shape of the mortar provided by the present invention is not particularly limited as long as it is determined according to the shape of the fired article to be accommodated. For example, when a dish is to be fired, a mortar having a relatively large diameter and a relatively low height is preferable. In addition, when a teacup is used as a baking object, a bowl having a relatively small diameter and a relatively high height is preferable.
The shape of the bottom is not particularly limited as long as it has a plurality of support bases extending radially. The number and / or thickness (thickness) of the support bases can be appropriately determined according to the shape and weight of the product to be fired. Typically, the mortar of the present invention has three or four supports that extend radially from the center of the bottom. A mortar having such a number of support bases can have a large opening, is lightweight, and is easy to handle.
[0016]
Further, the side wall portion is not particularly limited as long as it has a size and shape that can maintain the strength of the mortar (required strength may vary depending on the size and weight of the product to be fired) at a sufficient level in use. Those formed in an annular shape on the outer periphery of the bottom (refer to Examples described later) are preferable. By having such an annular side wall, the mechanical strength of the mortar (especially the bottom) is increased, and the durability (lifetime) of the mortar can be improved. In addition, according to the annular side wall, by connecting them sequentially (for example, by overlapping the upper end of the side wall of one bowl and the lower end of the side wall of the other bowl), It can be easily stacked.
[0017]
The support member used in the mortar can be determined according to the shape of the support member mounting portion. For example, when the support member mounting portion is a long groove formed along the extending direction of the support base, the support member is preferably a rod-shaped molded body (hereinafter referred to as “support bar”) fitted in the long groove.
[0018]
When the support rod is employed, the cross-sectional shape includes a perfect circle shape, an elliptical shape, a polygonal shape, etc., and an elliptical shape is particularly preferable (see the examples described later). The support rod having an elliptical cross section can be stably placed on a predetermined mounting portion while maintaining a state in which the major axis direction of the ellipse substantially coincides with the horizontal direction and preventing unexpected rolling. Further, the contact surface between the support rod and the article to be fired can be made smaller.
[0019]
The mortar of the present invention can be produced based on the same production method using the same material as the conventional mortar. For example, depending on the selection of the raw materials, it is possible to produce a bowl of silicon carbide, chamotte, mullite, cordierite or the like. Further, the support member is a consumable part, and it is preferable from the viewpoint of reducing the cost that the support member is manufactured using a raw material cheaper than the mortar body.
[0020]
【Example】
Hereinafter, examples of the present invention will be described with reference to the drawings. However, the present invention is not intended to be limited to the illustrated examples.
[0021]
FIG. 1 shows a plan view of a mortar according to the first embodiment. As shown in this figure, a mortar (main body) 10 made of a refractory material has a side wall portion 14 raised around a bottom portion 12.
The bottom portion 12 is composed of three integrally formed support bases 12A, 12B, and 12C that extend radially outward from the center (center portion when viewed from above). The tips of the support bases 12 </ b> A to 12 </ b> C are continuous with the annular side wall portion 14. An opening W that penetrates the bottom portion 12 is formed in a portion surrounded by the support bases 12 </ b> A to 12 </ b> C and the side wall portion 14. Further, the support bases 12A to 12C extend from the center of the bottom portion 12 forming an integral portion at substantially equal intervals in the circumferential direction, and the lengths and widths of the support bases 12A to 12C are equal. The opening W is opened at an equal interval between the support bases 12A to 12C.
[0022]
As shown in FIG.1 and FIG.2, the long groove | channel M is formed in each support stand 12A-12C by the fixed depth along the extending | stretching (longitudinal) direction. The long groove M corresponds to the support member mounting portion according to the present embodiment. Thus, the support rods 13 are detachably mounted in the long grooves M, respectively. Here, the width and length of the long groove M are slightly larger than the width and length of the support bar 13.
On the other hand, as shown in FIGS. 3 and 4, the support bar 13 has an elliptical longitudinal section and a constant thickness over the entire length. The length in the major axis direction of the elliptical cross section is slightly shorter than the width of the long groove M, and the thickness in the minor axis direction is sufficiently larger than the depth of the long groove M. For this reason, when the support bar 13 is placed in the long groove M, the support bar 13 is fitted into the side wall of the long groove M with a slight gap, and positioned along the radial direction of the support bases 12A to 12C. The Moreover, a part of support bar 13 protrudes from the surface of support stand 12A-12C. This protruding top surface (that is, one surface in the short axis direction in the elliptical cross section of the support bar 13) becomes the support surface of the product to be fired. Since this support surface is curved in an elliptical arc shape, the contact surface with the product to be fired becomes extremely small.
Moreover, as a support surface of the support bar 13, any one of the surfaces facing the short axis direction can be used. For this reason, when dirt, wrinkles, etc. have arisen on one support surface, it is possible to selectively use the other support surface in a better state.
[0023]
According to the bowl 10 according to the present embodiment, even if the support bar 13 adheres to the hill 6 with the glaze, it can be returned to the original state only by replacing the attached support bar. That is, even if the support bar 13 is damaged, it is not necessary to replace the entire mortar 10, and the main body portion (the bottom 13 and the side wall 14) of the mortar 10 can be used continuously for a long period of time.
[0024]
As shown in FIG. 2, a horizontal wall 12a and an inclined wall 12b are formed in the longitudinal direction of the support base 12A (the same applies to the other support bases 12B and 12C). That is, the horizontal wall 12a extends from the center of the bottom portion 12 toward the outer peripheral portion, and an inclined wall 12b having an upward slope toward the outer peripheral portion is connected to the tip thereof. In addition, the length and angle of the horizontal wall 12a and the inclined wall 12b are design matters set according to the shape of the product to be fired.
In addition, when a number of the mortars 10 are stacked, the product to be fired can be accommodated with a sufficient gap between the horizontal wall 12a and the inclined wall 12b arranged vertically (see FIG. 6). Moreover, according to such a structure, since the distance between the upper and lower sides of to-be-fired goods can be made close, kiln packing efficiency can be improved.
[0025]
As shown in FIG. 2, the side wall 14 is provided at a constant height on the outer periphery of the bottom 12. On the lower end 14 a and the upper end 14 b of the side wall portion 14, a mounting surface for stacking the pots 10 is formed. A protrusion 16 is provided on the upper end 14 b of the side wall portion 14. The protrusion 16 is formed in an annular shape inside the mounting surface of the upper end 14b. As a result, when the mortars 10 are stacked, the inner wall surface of the lower end portion of the one side wall portion 14 that is superimposed can be in contact with the protrusion 16 of the upper end portion of the other side wall portion 14. For this reason, it is possible to prevent the stacked bowls 10 from being laterally displaced.
[0026]
As shown in FIG. 1, the mortar 10 is provided with two handles 17 on the side wall portion 14. The handle 17 is arranged so as to face the diameter direction of the bottom portion 12. Thus, the mortar 10 can be easily carried by holding the handle 17 with both hands. Furthermore, the position where the handle 17 exists is a position shifted from the extended line of the support bases 12A to 12C. This is not preferable from the viewpoint of improving the durability of the mortar 10 when the handle 17 is on the extended line of the support bases 12A to 12C, and the load applied to the handle 17 is likely to concentrate only on the support base. That is, by providing the handle 17 at a position shifted from the tip portions of the support bases 12A to 12C, the load resistance of the mortar 10 can be enhanced.
As shown in FIGS. 5 and 6, the handle 17 protrudes outside the side wall portion 14. The upper end of the handle 17 coincides with the upper end 14 b of the side wall portion 14, and does not interfere with the stacking of the pots 10. As a result of this configuration, when several mortars 10 are stacked, one of the handles 17 protruding outward from the side wall portion 14 can be gripped, and several stacked mortars 10 can be easily carried. .
[0027]
Next, how to use the mortar 10 according to the present embodiment will be briefly described. When the mortar 10 is used, the support rods 13 are radially arranged on the support bases 12A to 12C of the bottom portion 12, respectively. Next, as shown in FIG. 6, the products to be fired (here, the dish 5 having the hills 6) are placed on these support bars 13, and then the bowls 10 are stacked. Note that glaze is applied to the entire surface of the plate 5 except for the lower part of the hill 6.
[0028]
In the stacked state, the positional relationship between the mortars 10 at each stage may be such that the support bases 12A to 12C are aligned in the height direction. Thereby, the opening W is connected to the upper and lower sides in a tunnel shape, and a continuous space is formed in the mortar 10.
Alternatively, the support bases 12A to 12C at each stage may be stacked so as to be arranged in a spiral shape. In this case, a wider gap can be secured between the support bases 12A to 12C of the mortar 10 arranged vertically. Furthermore, the open port W can be spirally connected to form a continuous space.
[0029]
In this manner, the mortars 10 are stacked in a kiln, and the article to be fired 5 is fired under a predetermined temperature condition. Moisture and volatile components of the glaze in the bowl 10 rise and circulate through the opening W, and are uniformly fired.
[0030]
According to the mortar 10 according to the present embodiment, the bottom 12 and the side wall 14 can be reduced in weight, so that the burden of unloading the mortar 10 when the kiln is packed and unloaded is reduced. Moreover, since the bottom part 12 which consists of the support bases 12A-12C formed radially is reinforced by the cyclic | annular side wall part 14, the load resistance of the to-be-baked goods 5 can fully be ensured.
Moreover, since the heat capacity of the mortar 10 is reduced, energy loss is reduced, and fuel costs can be greatly reduced. Further, since heat is easily transferred to the product to be fired 5, uniform firing can be performed over the entire product to be fired as compared with the conventional case.
[0031]
In addition, when the mortars 10 are stacked, the opening W is connected to form a continuous space, so that the lower surface portion and the upper surface portion of the article to be fired 5 at each stage face each other. For this reason, even if a glaze component volatilizes, it circulates through the continuous space which became united, is hardly absorbed by the wall surface of the mortar 10, and becomes easy to adhere again to the to-be-baked goods 5. FIG. As a result, the quality of the glaze surface of the article to be fired 5 can be maintained well.
[0032]
Next, another embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings. Note that, in some embodiments described below, components that are substantially the same as those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and redundant technical description is not provided.
[0033]
A second embodiment of the present invention is shown in FIG. In the second embodiment, the support bases 22A to 22D of the bottom portion 22 are formed in a cross shape. That is, the mortar 20 has four support bases 22A, 22B, 22C, and 22D that extend radially from the center of the bottom 22. The support bases 22A to 22D are formed with long grooves M each having a predetermined length and width, and the support rods 13 are placed in these long grooves M in the same manner as in the first embodiment.
Between the support bases 22A to 22D, open ports W are opened at equal intervals. A handle 17 similar to that of the first embodiment is arranged at a position shifted from the extended line of each of the support bases 22A to 22D so as to face in the diameter direction.
[0034]
According to the second embodiment having such a configuration, since the support bases 22A to 22D are formed in the cross direction, the mechanical strength of the bottom portion 22 is higher than that of the first embodiment. Moreover, since the load burden of the to-be-fired goods for every support stand 22A-22D becomes small, the to-be-fired goods with a larger weight can be baked.
[0035]
A third embodiment of the present invention is shown in FIG. In the third embodiment, the support surface 33a of the support bar 33 is inclined. That is, in this bowl 30, the support bars 33 are placed radially on the bottom 12. As shown in the figure, the support surface 33 a of the support bar 33 is gradually inclined downward toward the center of the bottom portion 12.
[0036]
In the third embodiment using the support rod 33 having such a shape, an inward force acts on the article to be fired 5 placed on the support stick 33 due to the inclination of the support surface 33a, and as a result, the article to be fired. The support state of 5 is stabilized. For this reason, when the unexpected vibration etc. are given to the mortar 30, the to-be-fired goods 5 become difficult to shift | deviate, and the reliability at the time of kiln taking out and putting in a kiln can further be improved. Moreover, the to-be-baked goods 5 can be positioned easily and reliably in the center of the mortar 30 (bottom part) seeing from the top.
[0037]
As mentioned above, although 1st Example-3rd Example about the mortar of this invention was described, the mortar of this invention is not restricted to these, A various change is possible. For example, the number of support bases may be increased or the radiation direction may be changed. Moreover, you may change the thickness of a support stand. About a side wall part, it does not necessarily need to be connected to a ring and to form integrally, but it may be divided into some although it depends on the number of support stands to provide. Moreover, you may change the position and number of a handle. Further, the support member mounting portion is not limited to the groove, and may be a mounting hole into which a part of the support member can be inserted.
[0038]
Further, the support member is not limited to a cross-sectional shape as shown in the figure, and the cross-sectional shape thereof may adopt a shape such as a circle, a polygon, or a trapezoid as necessary. The shape of the groove can be freely changed or omitted according to the support rod.
For example, as shown in FIG. 9, a support rod 40 having a perfectly circular cross section may be used (fourth embodiment). In this case, if the long groove M has a V-shaped cross section, the support rod 40 can be prevented from rolling, and the product to be fired can be stably supported.
Alternatively, as shown in FIG. 10, a support rod 50 having a triangular cross section may be used (fifth embodiment). In this case, since the support bar 50 does not roll, the long groove M can be omitted. In addition, by rounding the corner 51 of the support bar 50, it is possible to prevent the article to be placed placed thereon from being scratched or dented.
[0039]
Specific examples of the present invention have been described in detail above, but these are merely examples and do not limit the scope of the claims. The technology described in the claims includes various modifications and changes of the specific examples illustrated above.
In addition, the technical elements described in the present specification or the drawings exhibit technical usefulness alone or in various combinations, and are not limited to the combinations described in the claims at the time of filing. In addition, the technology illustrated in the present specification or the drawings achieves a plurality of objects at the same time, and has technical utility by achieving one of the objects.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view schematically showing a mortar according to a first embodiment.
FIG. 2 is a cross-sectional view taken along the line II-II in FIG.
3 is a cross-sectional view taken along line III-III in FIG.
FIG. 4 is a partial perspective view showing a main part of the mortar according to the first embodiment.
FIG. 5 is a cross-sectional view taken along line VV in FIG.
FIG. 6 is an explanatory view schematically showing one usage pattern of the mortar according to the first embodiment.
FIG. 7 is a plan view schematically showing a mortar according to a second embodiment.
FIG. 8 is a side view schematically showing a main part of a mortar according to a third embodiment.
FIG. 9 is a partial cross-sectional view schematically showing a main part of a mortar according to a fourth embodiment.
FIG. 10 is a partial cross-sectional view schematically showing a main part of a mortar according to a fifth embodiment.
[Explanation of symbols]
5 To-be-baked goods 6 High stand 10, 20, 30 Mortar 12 Bottom 12A-12C Support stand 13, 40, 50 Support member (support bar)
14 Side wall 17 Handle M Groove W Opening port

Claims

A bottom portion for placing the article to be fired, and a side wall portion provided around the bottom portion,
The bottom portion has a plurality of support bases extending radially from the center of the bottom portion, and an open port surrounded by the support base and the side wall portion is formed between the support bases.
Each support base has on its upper surface a support member mounting portion that detachably mounts a support member that supports the product to be fired, and these support member mounting portions are arranged along the radial direction of the support base. A mortar, which is a groove formed at a position where the distance from the center of the bottom portion is substantially equal.

A bottom portion for placing the article to be fired, and a side wall portion provided around the bottom portion,
The bottom portion has a plurality of support bases extending radially from the center of the bottom portion, and an open port surrounded by the support base and the side wall portion is formed between the support bases.
Each support base has on its upper surface a support member mounting portion for detachably mounting a support member that supports the product to be fired, and these support member mounting portions are located at positions where the distances from the center of the bottom portion are substantially equal. Provided,
Further comprises the detachably mounted by the support member to the support member attachment portion,
Here, the support member is a rod-shaped molded body, and is placed on each support base such that the longitudinal direction of the support member substantially coincides with the radially extending direction of the support base .

The mortar according to claim 2, wherein the support member mounting portion is formed with a groove in which the support member can be mounted along a radially extending direction of the support base .

A support surface for supporting the fired article of the support member is formed to have an inclination, and when the support member is mounted on the support member mounting portion, the support surface of the support member is at the center of the bottom portion. The mortar according to claim 2 , wherein the mortar is configured to be inclined downward .