JP4172987B2 - ゴムリボン積層体の製造方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りタイヤの製造において生タイヤを成形するのに好適なゴムリボン積層体の製造方法およびその装置に関するものである。
【0002】
生タイヤは一般的にトレッド、サイドウオール、インナーライナ等の異なる配合からなる複数種類のゴム部材を予め準備しておき、これらのゴム部材を成形ドラム上で順次に貼り合わせることによって成形されている。
【0003】
しかしながら、この方法は、ゴム部材の断面サイズが大きくなるため、大型のゴム押出機が必要不可欠であり、また、ゴム押出機に装着する金口をそれぞれのゴム部材に対応させるべく多数準備しなければならないこと、さらには、多品種少量生産の場合には、金口交換を含む段取りが頻繁になるため効率的な生産ができないのが現状であった。
【0004】
これらの問題に対処すべく、近年では、製品タイヤの内面と同じ外面形状を有する円筒ドラム(ハードコア)を用い、この円筒ドラムの外表面に所定の断面形状になるようにゴムリボンを螺旋状に巻回して生タイヤを成形する方法(コア成形法)が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−160284号公報。
【0006】
上記特許文献1に開示の方法は、円筒ドラムの外側にゴムリボンを巻回してまずインナーライナを成形する工程と、ゴム付きビードワイヤを巻回して内側ビードを形成する工程と、該内側ビードの外にカーカス層を編み上げたのち外側ビード層を内側ビード層と同様に形成し引き続いてゴムリボンを巻回してサイドウオールを形成する工程と、さらにベルト層を編み上げてからゴムリボンを巻回してトレッドを形成する工程を経て生タイヤとするものであり、これによれば、矩形断面になる狭幅のゴムリボンを数種類準備するだけでよいので大きな押出機が不用であり、また、多品種少量生産にも容易に対応できる有用な手段とされていた。
【0007】
ところで、ゴムリボンを円筒ドラムに巻回して生タイヤを成形する方法は、ゴムリボンを螺旋状に巻回して積層していく際に、その重ね合わせによってリボンの縁部に段差が形成され、先に巻回されたリボンとの間で空隙が生じるのが不可避であり、これを製品タイヤとした場合、該空隙の空気がそのまま残存するため製品タイヤに含まれる空気の内包量が多くなりこれがタイヤ内部の接着不良をもたらす原因になっていた。
【0008】
本発明の課題は、ゴムリボンを螺旋状に巻回して積層していく場合に生じるのが避けられなかった空隙をより小さくして積層体内部の空気の内包量を少なくできる新規な方法およびその装置を提案するところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、押出機より押し出されたゴムリボンをアプリケータロールよって繰り出し円筒ドラムの外表面に螺旋状に巻回して積層するに当たり、
前記ゴムリボンを、減圧雰囲気に保持した空間領域内にて巻回すことを特徴とするゴムリボン積層体の製造方法である。
【0010】
また、本発明は、回転可能な円筒ドラムと、押出機より押し出されたゴムリボンを円筒ドラムの外表面に繰り出して該ゴムリボンを螺旋状に巻回して積層するアプリケータロールとを備えた装置であって、
前記回転ドラムに、ゴムリボンの巻回し領域を残して取り囲みその巻回し領域を減圧雰囲気に保持するチャンバーを配置したことを特徴とするゴムリボン積層体の製造装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明をより具体的に説明する。
【0012】
図1は本発明の実施の形態を示したものであり、図における1は駆動源につながり回転駆動可能な円筒ドラム、2はゴムリボンを押し出す押出機である。この押出機2は蛇腹状の自在継手2aを有しており、その中には図2に示すように押し出されたゴムリボンを円筒ドラム1の外表面に繰り出すアプリケータロール2bが配置されていて、押出機2そのものが前後(図中X方向)、左右(図中Y方向)に移動可能でかつ、θ方向に旋回させることができるようになっている。
【0013】
また、3はゴムリボンの巻回し領域を残して円筒ドラム1を取り囲む蓋付きのチャンバーである。このチャンバー3は真空ポンプにつながりその内部を減圧雰囲気に維持する排気経路3aと押出機2の自在継手を気密状態で連結する開口3bを有している。
【0014】
押出機より押し出されたゴムリボンをアプリケータロール2bより繰り出して円筒ドラム1に巻回して積層する場合、図3に示すようにゴムリボンSの縁部には段差tが形成され、先に巻回されたリボンとの間で空隙が形成されるのが避けられないが、チャンバー3内を減圧雰囲気に保持してゴムリボンの巻回しを行うと、空隙S内に存在する空気の絶対量は大気圧で巻回した場合と比較して極端に少なくなるので、タイヤ内部で接着不良が生じる割合も軽減される。
【0015】
本発明では、円筒ドラム1にゴムリボンを巻回して積層する場合について説明したが、例えば内圧を有する台タイヤの外表面にゴムリボンの積層体を形成する場合にも適用でき、この場合には、形状を保持するため減圧度に応じてタイヤ内の内圧を低下させるのが好ましい。
【0016】
上掲図1では、図4にその平面を示すようにチャンバー1は押出機2の自在継手2aの先端を開口3bにて連結した場合を例として示したが、これは図5に示す如く予め一体化させたものであってもよく、この点については限定されない。
【0017】
また、自在継手2aについては、図1にて示した蛇腹状のものの他、図6(a)(b)に示すようなスライド式の自在継手を採用することもできる。
【0018】
チャンバー1は所望の減圧度に調整できるように、蓋体と本体部分の合わせ面および円筒ドラム1の軸と蓋体との相互間にはシール部材が適宜に配置される。
【0019】
【実施例】
直径が650mmになる円筒ドラムに幅20mm、厚さ1.5mmになるゴムリボンを以下の条件で巻回して積層、生タイヤを作製し、さらにこれを加硫、成型して製品タイヤとし該タイヤ一本当たりの空気の内包量及び内包した空気を原因としたタイヤのスクラップ率について調査した。
【0020】
条件
円筒ドラムの回転数:100rpm
ゴムリボンの重なり代: 5mm
積層数:17巻き(幅260mm)
【0021】
その結果、大気圧のもとで巻回して積層した積層体を用いて製造した製品タイヤでは、タイヤ一本に含まれる空気は約25ccであり、スクラップ率は3.0%程度であった。
【0022】
これに対してチャンバー内を350mmHgまで減圧した場合にはタイヤ一本に含まれる空気は約10cc、スクラップ率は0.5%程度であり、500mmHgまで減圧した場合にはタイヤ一本に含まれる空気は約3cc、スクラップ率は0.03%程度であって、減圧雰囲気下でゴムリボンを巻回して積層したものでは空気の内包量、スクラップ率が大気圧下で巻回して積層したものに比較して極端に低いことが確認できた。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、ゴムリボンを螺旋状に巻回して積層する場合に避けられなかった空隙につき、その内部に含まれる空気の絶対量を少なくできるので、それに起因した製品不良を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施の形態を示す外観斜視図である。
【図2】 図1の要部の外観を示した図である。
【図3】 ゴムリボンの巻回し状態を示した図である。
【図4】 図1の平面を示した図である。
【図5】 本発明の他の実施の形態を示した図である。
【図6】 (a)(b)は自在継手の他の例を示した図である。
【符号の説明】
1 円筒ドラム
2 押出機
2a 自在継手
2b アプリケータロール
3 チャンバー
3a 排気経路
3b 開口
S ゴムリボン
t 段差
Claims (2)
- 押出機より押し出されたゴムリボンをアプリケータロールよって繰り出し円筒ドラムの外表面に螺旋状に巻回して積層するに当たり、
前記ゴムリボンを、減圧雰囲気に保持した空間領域内にて巻回すことを特徴とするゴムリボン積層体の製造方法。 - 回転可能な円筒ドラムと、押出機より押し出されたゴムリボンを円筒ドラムの外表面に繰り出し該ゴムリボンを螺旋状に巻回して積層するアプリケータロールとを備えた装置であって、
前記回転ドラムに、ゴムリボンの巻回し領域を残して取り囲みその内部を減圧雰囲気に保持するチャンバーを配置したことを特徴とするゴムリボン積層体の製造装置。
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