JP4169078B2 - 酸化チタン複合体粒子、その分散液、およびそれらの製造方法 - Google Patents
酸化チタン複合体粒子、その分散液、およびそれらの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4169078B2 JP4169078B2 JP2007075285A JP2007075285A JP4169078B2 JP 4169078 B2 JP4169078 B2 JP 4169078B2 JP 2007075285 A JP2007075285 A JP 2007075285A JP 2007075285 A JP2007075285 A JP 2007075285A JP 4169078 B2 JP4169078 B2 JP 4169078B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- titanium oxide
- group
- dispersion
- particles
- oxide composite
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Medicinal Preparation (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Description
酸化チタン粒子と、
該酸化チタン粒子の表面に、カルボキシル基、アミノ基、ジオール基、サリチル酸基、およびリン酸基から選択される少なくとも1種の官能基を介して結合されてなる、ノニオン性の水溶性高分子と
を含んでなるものである。
非プロトン系溶媒中に、酸化チタン粒子と、カルボキシル基、アミノ基、ジオール基、サリチル酸基、およびリン酸基から選択される少なくとも1種の官能基で修飾されたノニオン性の水溶性高分子とを分散させ、
得られた分散液を80〜220℃で加熱して、酸化チタン複合体粒子を得ること
を含んでなる。
非プロトン系溶媒中に、酸化チタン粒子と、ジオール基、サリチル酸基、およびリン酸基から選択される少なくとも1種の官能基を備えたリガンド分子と、ノニオン性の水溶性高分子とを分散させ、
得られた分散液を80〜220℃で加熱して、酸化チタン複合体粒子を得ること
を含んでなる。
非プロトン系溶媒中に、酸化チタン粒子と、ポリカルボン酸とを分散させ、
得られた分散液を80〜220℃で加熱して、前記ポリカルボン酸が結合された酸化チタン粒子の分散液を得、
該分散液に前記官能基で修飾されたノニオン性の水溶性高分子を添加して、pH8〜10の水溶液中で反応させて、前記酸化チタン複合体粒子を得ること
を含んでなる。
非プロトン系溶媒中に、酸化チタン粒子と、ポリアミンとを分散させ、
得られた分散液を80〜220℃で加熱して、前記ポリアミンが結合された酸化チタン粒子の分散液を得、
該分散液に前記官能基で修飾されたノニオン性の水溶性高分子を添加して、pH8〜10の水溶液中で反応させて、前記酸化チタン複合体粒子を得ること
を含んでなる。
非プロトン系溶媒中に、酸化チタン粒子と、ジオール基、サリチル酸基、およびリン酸基から選択される少なくとも1種の官能基を備えたリガンド分子とを分散させ、
得られた分散液を80〜220℃で加熱して、前記リガンド分子が結合された酸化チタン粒子の分散液を得、
該分散液にノニオン性の水溶性高分子を添加して、前記酸化チタン複合体粒子を得ること
を含んでなる。
本発明による酸化チタン複合体粒子は、酸化チタン粒子と、ノニオン性の水溶性高分子とを含む。図1に、酸化チタン複合体粒子の一例を示す。図1に示されるように、酸化チタン複合体粒子は、酸化チタン粒子1の表面にノニオン性の水溶性高分子2が結合されたものである。酸化チタン粒子1と水溶性高分子2との結合は、カルボキシル基、アミノ基、ジオール基、サリチル酸基、およびリン酸基から選択される少なくとも1種の官能基を介して形成される。すなわち、これらの官能基は酸化チタンとの間で強固な結合を形成するため、酸化チタン粒子の高い触媒活性にかかわらず水溶性高分子の結合を保持することが可能である。なお、本発明における結合形態は、血中滞留性確保の観点から、体内への投与後24〜72時間後に分散性が確保されている程度の結合形態であればよい。もっとも、生理条件での分散安定性に優れ、かつ超音波や紫外線照射後もポリマーの遊離が無く正常細胞へのダメージが少ない点で、共有結合であるのが望ましい。
本発明の第一の態様による製造方法によれば、本発明の酸化チタン複合体粒子は、カルボキシル基、アミノ基、ジオール基、サリチル酸基、およびリン酸基から選択される少なくとも1種の官能基で修飾されたノニオン性の水溶性高分子を酸化チタン粒子に結合させることにより、製造することができる。この方法による酸化チタン複合体粒子の製造は、例えば、非プロトン系溶媒中に、酸化チタン粒子と、カルボキシル基、アミノ基、ジオール基、サリチル酸基、およびリン酸基から選択される少なくとも1種の官能基で修飾されたノニオン性水溶性高分子とを分散させ、得られた分散液を80〜220℃で、例えば1〜16時間、加熱することにより行うことができる。本発明のより好ましい態様によれば、官能基で修飾されたノニオン性水溶性高分子として、カルボン酸またはアミンと水溶性高分子との共重合体を用いるのが好ましく、より好ましくは、マレイン酸−ポリエチレングリコール系共重合体が挙げられる。
チタンテトライソプロポキシド3.6gとイソプロパノール3.6gを混合し、氷冷下で60mlの超純水に滴下して加水分解を行った。滴下後に室温で30分間攪拌した。攪拌後、12N硝酸1mlを滴下して80℃で8時間攪拌を行い、ペプチゼーションした。ペプチゼーション終了後0.45μmのフィルターで濾過し、さらに脱塩カラムPD−10(アマシャム・バイオサイエンス社製)を用いて溶液交換して固形成分1%の酸性酸化チタンゾルを調製した。この酸化チタンゾルを100ml容のバイアル瓶に入れ、超音波発生器MIDSONIC200(カイジョー社製)を用いて200kHzで30分間超音波処理を行った。超音波処理を行った後の平均分散粒経を動的光散乱法により測定した。この測定は、超音波処理を行った後の酸化チタンゾルを12Nの硝酸で1000倍に希釈した後、分散液0.1mlを石英測定セルに仕込み、ゼータサイザーナノZS(シスメックス社製)を用いて、溶媒の各種パラメーターを水と同値に設定し、25℃にて行った。その結果、分散粒径は20.2nmであった。蒸発皿を用いて、50℃下で酸化チタンゾル溶液の濃縮を行い、最終的に固形成分20%の酸性酸化チタンゾルを調製した。
チタンテトライソプロポキシド3.6gとイソプロパノール3.6gを混合し、氷冷下で60mlの超純水に滴下して加水分解を行った。滴下後に室温で30分間攪拌した。攪拌後、12N硝酸1mlを滴下して80℃で8時間攪拌を行い、ペプチゼーションした。ペプチゼーション終了後0.45μmのフィルターで濾過し、さらに脱塩カラムPD−10(アマシャム・バイオサイエンス社製)を用いて溶液交換して固形成分1%の酸性酸化チタンゾルを調製した。この酸化チタンゾルを100ml容のバイアル瓶に入れ、200kHzで30分間超音波処理を行った。超音波処理を行った後の平均分散粒経を動的光散乱法により測定した。この測定は、超音波処理を行った後の酸化チタンゾルを12Nの硝酸で1000倍に希釈した後、ゼータサイザーナノZS(シスメックス社製)を用いて、石英測定セルに分散液0.1mlを仕込み、溶媒の各種パラメーターを水と同値に設定し、25℃にて行った。その結果、分散粒径は20.2nmであった。蒸発皿を用いて、50℃下で酸化チタンゾル溶液の濃縮を行い、最終的に固形成分20%の酸性酸化チタンゾルを調製した。
チタンテトライソプロポキシド3.6gとイソプロパノール3.6gを混合し、氷冷下で60mlの超純水に滴下して加水分解を行った。滴下後に室温で30分間攪拌した。攪拌後、12N硝酸1mlを滴下して80℃で8時間攪拌を行い、ペプチゼーションした。ペプチゼーション終了後0.45μmのフィルターで濾過し、さらに脱塩カラムPD−10(アマシャム・ファルマシア・バイオサイエンス社製)を用いて溶液交換して固形成分1%の酸性酸化チタンゾルを調製した。この酸化チタンゾルを100ml容のバイアル瓶に入れ、200kHzで30分間超音波処理を行った。超音波処理を行った後の平均分散粒経を動的光散乱法により測定した。この測定は、12Nの硝酸で1000倍に希釈した後、ゼータサイザーナノZS(シスメックス社製)を用いて、石英測定セルに分散液0.1mlを仕込み、溶媒の各種パラメーターを水と同値に設定し、25℃にて行った。その結果、分散粒径は20.2nmであった。
例1〜3で得られた各TiO2/PEG分散液を、固形成分が0.01(w/v)%になるようにPBSで希釈した。メチレンブルー三水和物(和光純薬)を5μMになるように先に調製したTiO2/PEGを含むPBS溶液に添加した。攪拌しながら、これらの溶液に波長340nmの紫外光を5J/cm2になるように照射し、660nmにおける波長の吸収を紫外−可視光分光光度計により測定した。そして、紫外線を照射しない試料の吸光度を100%とした場合における、各試料におけるメチレンブルーの分解にともなう吸光度の相対量(%)をメチレンブルー分解率(%)として算出した。結果を図2に示す。図2に示される通り、紫外線を照射した全ての試料においてメチレンブルーの分解にともなう吸光度の減少が認められた。このことから、実施例1〜3で得られたTiO2/PEGが光触媒活性を保持していることは明らかである。
0.01〜2Mの異なる塩化ナトリウムを含む水溶液に例1で得られたTiO2/PEGを含む分散液を終濃度0.025%になるように添加し、1時間室温にて静置した。その後、ゼータサイザーナノZSにて例1と同様に平均分散粒径の測定を行った。結果を図3に示す。図3に示される通り、系中の塩濃度が0.01から2Mの間はほとんど平均分散粒径の変化は認められず、安定した分散性を示すことが明らかになった。
50mMの、異なるpHを有する以下の緩衝液を調製した。
pH3:グリシン塩酸緩衝液
pH4および5:酢酸緩衝液
pH6:2−モルフォリノエタンスルホン酸緩衝液
pH7および8:2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸緩衝液
pH9:ホウ酸緩衝液
pH10:グリシン水酸化ナトリウム緩衝液
これらの緩衝液に、例1で得られたTiO2/PEGを含む分散液を終濃度0.025(w/v)%になるように添加し、1時間室温にて静置した。その後、ゼータサイザーナノZSにて例1と同様に平均分散粒径の測定を行った。結果を図4に示す。pHが3から10の間で粒径の変化はほとんど認められず、安定した分散性を示すことが明らかになった。
10%血清を含むRPMI1640培地(GIBCO社製)に対して、例1で得られたTiO2/PEGを含む分散液、およびシリカコート酸化チタン微粒子STS240(石原産業、分散粒径52nm)を終濃度0.025%になるようにそれぞれ添加し、1時間および24時間、室温にて静置した。その後、ゼータサイザーナノZSにて例1と同様に平均分散粒径の測定を行った。結果を図5に示す。24時間静置後、TiO2/PEGの平均分散粒径の変化はほとんどないが、酸化チタン粒子(A)は大きく変化した。さらに72時間静置後において、シリカコート酸化チタン微粒子STS240は沈殿を形成したが、TiO2/PEGの平均分散粒径は80nmであった。このことから、TiO2/PEGの血清入り培地中での分散安定性を確認した。
0.1Mの塩化ナトリウムを含む10mMリン酸緩衝液を用いて、例1で得られたTiO2/PEGを含む分散液を終濃度0.1%になるように調整し、1時間室温にて静置した。また、酸化チタン微粒子としてP25(日本アエロジル)を0.1Mの塩化ナトリウムを含む10mMリン酸緩衝液を用いて、同様に終濃度0.1%になるように調整し、1時間室温にて静置した。その後、シャーレに5ml移し上方から撮影し、確認した。その結果を図6に示す。図中右側に示されるP25水溶液に対して、図中左側に示されるTiO2/PEGを含む分散液は明らかに透明度が高く、均一に分散していることが確認された。また、分光光度計(UV−1600、島津製作所)を用いて波長660nmにおける吸光度の測定を行った結果、P25水溶液は吸光度が1を大きく上回り測定不能であったのに対して、TiO2/PEGを含む分散液は吸光度が0.042であり、また沈殿の形成は起きていなかった。更に、これらの溶液を室温暗所にて2週間静置した後に、同様に波長660nmにおける吸光度の測定を行った結果、P25水溶液は吸光度が1を大きく上回り測定不能であったのに対して、TiO2/PEGを含む分散液は吸光度が0.052であった。このことから、水溶液中においてTiO2/PEGの分散液が透明度の高い、均一な分散性を示し、かつ安定していることが明らかになった。
例1で得られたTiO2/PEGを含む分散液を、固形分が1.0%になるように10%血清を含むRPMI1640培地(GIBCO社製)で調製した。培養ガン細胞(Jurkat)を、10%血清を含むRPMI1640培地(GIBCO社製)で37℃、5%二酸化炭素雰囲気下で培養し、5.0×104 細胞数/mlとなるように調製した。これを再度20時間同条件で培養した。この細胞培養液に、上記TiO2/PEGを含む分散液を終濃度で0.1%、0.01%、0.001%、0.0001%になるように96穴プレート上で調整し、200μlの試験用細胞培養液とした。この試験用細胞培養液を37℃、5%二酸化炭素雰囲気下で20時間培養した後、それぞれ100μlを用いてCelltiter−Glo Luminescent Cell Viability Assay(Promega社製)により生細胞由来の発光反応を行い、イメージアナライザLAS−3000UVmini(富士フィルム社製)を用いてその発光量測定を行うことで細胞毒性の評価を行った。そして、何も添加していないコントロールの培養細胞における発光量を100%とした場合における、各試料における発光量の相対量(%)を生存率(%)として算出した。その結果を図7に示す。図7に示される通り、どの分散液濃度においても同等の発光量、すなわち同等の生存率を確認したことから、この濃度域のTiO2/PEGを含む分散液は細胞毒性が認められないことが明らかになった。
例1より得られたTiO2/PEGの分散液2mlに対して、0.8M 1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミドヒドロクロリドを250μlおよびN−ヒドロキシスクシンイミドを250μl加えて、攪拌しながら室温で1時間反応させた。10mM 酢酸緩衝液(pH5.0)で平衡化した脱塩カラムPD−10(アマシャム・ファルマシア・バイオサイエンス社製)を用いてゲル濾過を行って溶液交換し、その後に10mM酢酸緩衝液(pH5.0)を用いて全量を9.5mlとした。そこへ、ジメチルスルホキシドに溶解させた100mM 5−アミノフルオレセイン(NCI社製)を5μl加え、遮光下で攪拌しながら室温で1時間反応させた。次に、0.1Mのエタノールアミン(和光純薬工業社製)水溶液を500μl加え、遮光下で攪拌しながら室温で30分間反応させた。この溶液を100mMリン酸緩衝食塩水(pH7.5)で平衡化した脱塩カラムPD−10を用いてゲル濾過を行って溶液交換し、未反応の5−アミノフルオレセインを分離することにより、蛍光色素標識TiO2/PEGを含む分散液得た。この分散液および5−amino fluoresceinの蛍光強度を蛍光強度測定計Fluoroskan Ascent CF(Thermo Lasystems社製)を用いて測定した結果、蛍光色素標識TiO2/PEGを含む分散液において5−アミノフルオレセインにして1.85μMに相当する蛍光強度が確認された。また、乾燥重量を測定し、この分散液における酸化チタン微粒子の固形分濃度は0.32(w/v)%であった。このことから、TiO2/PEGの単位重量あたりのカルボキシル基含量を求めた。その結果、前記分散液のカルボキシル基/酸化チタン微粒子量比は、5.8x10−7(mol/g)であった。
例1より得られたTiO2/PEGを、終濃度0.05%となるようにPBS緩衝溶液(pH7.4)に分散させ、この溶液を、1x104cells/mlのJurkat細胞を含む、10%血清入りRPMI1640培地(Invitrogen社)に1/10量添加して、試験溶液を調製した。上記得られた試験溶液に、超音波照射装置(オージー技研(株)製、ULTRASONIC APPARATUS ES-2:1MHz)により、0.5W/cm2で50%duty cycle運転で1分間超音波を照射して、細胞の殺傷率(%)の測定を行なった。比較のため、同様の試験をTiO2/PEGを使用しない場合についても同様の測定を行った。その結果を図8に示す。図8に示される通り、TiO2/PEGを使用しない場合にはわずかにしか認められなかった細胞の殺傷率が、TiO2/PEGを使用することで極めて高くなった。したがって、TiO2/PEGの存在下での超音波照射により細胞を高い効率で殺傷できることが確認された。
チタンテトライソプロポキシド3.6gとイソプロパノール3.6gを混合し、氷冷下で60mlの超純水に滴下して加水分解を行った。滴下後に室温で30分間攪拌した。攪拌後、12N硝酸1mlを滴下して80℃で8時間攪拌を行い、ペプチゼーションした。ペプチゼーション終了後0.45μmのフィルターで濾過し、さらにバッファー交換用自然落下型カラムPD−10(GEヘルスケアバイオサイエンス製)を用いて溶液交換して固形成分1%の酸性二酸化チタンゾルを調製した。この二酸化チタンゾルを100ml容のバイアル瓶に入れ、超音波発生器MIDSONIC200(カイジョー製)を用いて200Hzで30分間超音波処理を行った。超音波処理を行った後の平均分散粒経を動的光散乱法により測定した。この測定は、超音波処理を行った後の酸化チタンゾルを12Nの硝酸で1000倍に希釈した後、分散液0.1mlを石英測定セルに仕込み、ゼータサイザーナノZS(シスメックス社製)を用いて、溶媒の各種パラメーターを水と同値に設定し、25℃にて行った。その結果、分散粒径は20.2nmであった。蒸発皿を用いて、50℃下で酸化チタンゾル溶液の濃縮を行い、最終的に固形成分20%の酸性酸化チタンゾルを調製した。
ポリエチレンオキシドがアゾ基を介して複数結合した重合開始剤VPE−0201(高分子開始剤分子量Mn=約1.5万〜3万:和光純薬工業製)1gに水10mlを添加して、ポリエチレンオキシド重合開始剤溶液100mg/mlを調整した。また、リガンド分子としてプロトカテク酸(分子量Mn=154.12:和光純薬工業製)0.15412gにジメチルホルムアミド(DMF:和光純薬工業製)溶液10mlを添加して、プロトカテク酸溶液100mMを調整した。例12で得られたアナタ−ゼ型二酸化チタンゾル0.25mlを5.75mlのDMFに溶液に加え、得られたプロトカテク酸溶液1.5ml、ポリエチレンオキシド重合開始剤溶液3mlを添加後、攪拌して混合した。その後、水熱反応容器のHU−50(三愛科学製)に溶液を移し変え、80℃で16時間水熱合成を行った。反応終了後、反応容器温度が50℃以下になるまで冷却し、反応後の溶液1mlに対してリン酸塩緩衝溶液(PBS:pH7.4)を9ml添加してPBS希釈溶液を調整した。その希釈溶液2.5mlを脱塩カラムPD−10(GEヘルスケアバイオサイエンス製)を用いてPBS溶液3.5mlで回収して有機溶媒を除去した酸化チタン複合体粒子の分散液を得た。
リガンド分子としてプロトカテク酸(分子量Mn=154.12:和光純薬工業)0.15412gにジメチルホルムアミド(DMF:和光純薬工業)溶液10mlを添加して、プロトカテク酸溶液100mMを調整した。例12で得られたアナタ−ゼ型二酸化チタンゾル0.25mlを9.25mlのDMFに溶液に加え、調製したプロトカテク酸溶液0.5mlを添加後、攪拌して混合した。その後、水熱反応容器のHU−50(三愛科学社製)に溶液を移し変え、150℃で16時間水熱合成を行った。反応終了後、反応容器温度が50℃以下になるまで冷却し、反応液に対して2倍量のイソプロパノール20mlを添加した。室温で30分間静置後、2000gにて15min遠心分離により沈殿を回収した。回収した沈殿表面をエタノールで洗浄後、10mlの50mMホウ酸緩衝溶液(pH9)を加えて0.5(wt/vol)%プロトカテク酸結合二酸化チタン微粒子の分散液を得た。この分散液を蒸留水で10倍に希釈し、動的光散乱法による分散粒径およびゼータ電位の確認を、ゼータサイザーナノZSを用いて、ゼータ電位測定セルにプロトカテク酸結合二酸化チタン微粒子の分散液0.75mlを仕込み、溶媒の各種パラメーターを水と同値に設定し、25℃にて測定した。その結果、分散粒径は30.3nm、ゼータ電位は−22.6mVであった。
リガンド分子として没食子酸(分子量Mn=170.1:和光純薬工業製)0.1701gにジメチルホルムアミド(DMF:和光純薬工業製)溶液10mlを添加して、没食子酸溶液100mMを調整した。例12で得られたアナタ−ゼ型二酸化チタンゾル0.25mlを9.25mlのDMFに溶液に加え、調製した没食子酸溶液0.5mlを添加後、攪拌して混合した。その後、水熱反応容器のHU−50(三愛科学製)に溶液を移し変え、150℃で16時間水熱合成を行った。反応終了後、反応容器温度が50℃以下になるまで冷却し、反応液に対して2倍量のイソプロパノール20mlを添加した。室温で30分間静置後、2000gにて15min遠心分離により沈殿を回収した。回収した沈殿表面をエタノールで洗浄後、10mlの水を加えて0.5(wt/vol)%没食子酸結合二酸化チタン微粒子の分散液を得た。この分散液を蒸留水で10倍に希釈し、動的光散乱法による分散粒径およびゼータ電位の確認を、ゼータサイザーナノZSを用いて、ゼータ電位測定セルに没食子酸結合二酸化チタン微粒子の分散液0.75mlを仕込み、溶媒の各種パラメーターを水と同値に設定し、25℃にて測定した。その結果、分散粒径は32.6nm、ゼータ電位は−36.0mVであった。
蒸留水に以下の粒子を固形成分が0.2(w/v)%になる様に分散して、サンプルを得た。
・TiO2/PEG(A):例14により作製した酸化チタン複合体粒子
・TiO2/PEG(B):33mg/mlのポリエチレンオキシド重合開始剤溶液を用いたこと以外は例3と同様にして作製した酸化チタン複合体粒子
・TiO2/PEG(C):例15により作製した酸化チタン複合体粒子
・TiO2/PEG(D):33mg/mlのポリエチレンオキシド重合開始剤溶液を用いたこと以外は例4と同様にして作製した酸化チタン複合体粒子
ポリエチレンオキシドがアゾ基を介して複数結合した重合開始剤VPE−0401(高分子開始剤分子量Mn=約2.5万〜4万:和光純薬工業製)1gに水10mlを添加して、ポリエチレンオキシド重合開始剤溶液100mg/mlを調整した。また、リガンド分子としてメチルドーパ(3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−メチル−L−アラニン;分子量Mn=211.2;東京化成工業製)211mgに水10mlを添加して、メチルドーパ溶液100mMを調整した。メチルドーパ溶液とポリエチレンオキシド重合開始剤溶液を混合し、メチルドーパの終濃度が10mM、またポリエチレンオキシドの終濃度が50mg/mlとなるように混合水溶液を10ml作製した。その後、水熱反応容器のHU−50(三愛科学製)に溶液を移し変え、60℃で16時間加熱を行った。反応終了後、反応容器温度が50℃以下になるまで冷却し、溶液をすべてナスフラスコに移し替えて一晩凍結乾燥を行い、メチルドーパ結合ポリエチレンオキシドの粉末を510mg得た。この粉末にジメチルホルムアミド(DMF:和光純薬工業)6mlを添加して混合し、さらにDMF中でこの混合溶液が終濃度40(v/v)%、例12で得られたアナタ−ゼ型二酸化チタンゾルが終濃度で固形成分0.2%となるよう調整し、反応溶液とした。この反応溶液を水熱反応容器のHU−50に溶液を移し変え、80℃で16時間加熱反応を行った。反応終了後、反応容器温度が50℃以下になるまで冷却し、エバポレータでDMFを除去した後に、蒸留水10mlを添加して酸化チタン複合体粒子の分散液とした。
・装置:AKTA purifier(GEヘルスケアバイオサイエンス製)
・カラム:HiPrep 16/60 Sephacryl S−300HR(GEヘルスケアバイオサイエンス製)
・移動相:リン酸塩緩衝溶液(pH7.4)
・流速:0.3ml/min
この分散液を蒸留水で0.01%水溶液に希釈し、動的光散乱法による分散粒径およびゼータ電位の確認を、ゼータサイザーナノZSを用いて、ゼータ電位測定セルにポリエチレングリコール結合二酸化チタン微粒子の分散液0.75mlを仕込み、溶媒の各種パラメーターを水と同値に設定し、25℃にて測定した。キュミュラント解析の結果、分散粒径は37.4nm、ゼータ電位は−5.3mVであった。
リガンド分子としてキナ酸(分子量Mn=192.2:MP Biomedicals,Inc.)0.1922gにジメチルホルムアミド(DMF:和光純薬工業製)溶液10mlを添加して、キナ酸溶液100mMを調整した。例12で得られたアナタ−ゼ型二酸化チタンゾル0.25mlを9.25mlのDMFに溶液に加え、調製したキナ酸溶液0.5mlを添加後、攪拌して混合した。その後、水熱反応容器のHU−50(三愛科学製)に溶液を移し変え、150℃で16時間水熱合成を行った。反応終了後、反応容器温度が50℃以下になるまで冷却し、反応液に対して2倍量のイソプロパノール20mlを添加した。室温で30分間静置後、2000gにて15min遠心分離により沈殿を回収した。回収した沈殿表面をエタノールで洗浄後、10mlの水を加えて0.5(wt/vol)%キナ酸結合二酸化チタン微粒子の分散液を得た。この分散液を蒸留水で10倍に希釈し、動的光散乱法による分散粒径およびゼータ電位の確認を、ゼータサイザーナノZSを用いて、ゼータ電位測定セルにキナ酸結合二酸化チタン微粒子の分散液0.75mlを仕込み、溶媒の各種パラメーターを水と同値に設定し、25℃にて測定した。その結果、分散粒径は29.3nmであった。
リガンド分子としてアミノメチルホスホン酸(分子量Mn=111.04:シグマ製)0.111gにジメチルホルムアミド(DMF:和光純薬工業製)溶液10mlを添加して、アミノメチルホスホン酸溶液100mMを調整した。例12で得られたアナタ−ゼ型二酸化チタンゾル0.25mlを9.25mlのDMFに溶液に加え、調製したアミノメチルホスホン酸溶液0.5mlを添加後、攪拌して混合した。その後、水熱反応容器のHU−50(三愛科学製)に溶液を移し変え、150℃で16時間水熱合成を行った。反応終了後、反応容器温度が50℃以下になるまで冷却し、反応液に対して2倍量のイソプロパノール20mlを添加した。室温で30分間静置後、2000gにて15min遠心分離により沈殿を回収した。回収した沈殿表面をエタノールで洗浄後、10mlの水を加えて0.5(wt/vol)%アミノメチルホスホン酸結合二酸化チタン微粒子の分散液を得た。この分散液を蒸留水で10倍に希釈し、動的光散乱法による分散粒径およびゼータ電位の確認を、ゼータサイザーナノZSを用いて、ゼータ電位測定セルに没食子酸結合二酸化チタン微粒子の分散液0.75mlを仕込み、溶媒の各種パラメーターを水と同値に設定し、25℃にて測定した。その結果、分散粒径は30.5nm、ゼータ電位は−30.0mVであった。
リガンド分子として4−アミノサリチル酸(分子量Mn=153.14:MP Biomedicals,Inc.)0.15314gにジメチルホルムアミド(DMF:和光純薬工業製)溶液10mlを添加して、4−アミノサリチル酸溶液100mMを調整した。例12で得られたアナタ−ゼ型二酸化チタンゾル0.25mlを9.25mlのDMFに溶液に加え、調製した4−アミノサリチル酸溶液0.5mlを添加後、攪拌して混合した。その後、水熱反応容器のHU−50(三愛科学製)に溶液を移し変え、150℃で16時間水熱合成を行った。反応終了後、反応容器温度が50℃以下になるまで冷却し、反応液に対して2倍量のイソプロパノール20mlを添加した。室温で30分間静置後、2000gにて15min遠心分離により沈殿を回収した。回収した沈殿表面をエタノールで洗浄後、10mlの水を加えて0.5(wt/vol)%4−アミノサリチル酸結合二酸化チタン微粒子の分散液を得た。この分散液を蒸留水で10倍に希釈し、動的光散乱法による分散粒径およびゼータ電位の確認を、ゼータサイザーナノZSを用いて、ゼータ電位測定セルに4−アミノサリチル酸結合二酸化チタン微粒子の分散液0.75mlを仕込み、溶媒の各種パラメーターを水と同値に設定し、25℃にて測定した。その結果、分散粒径は32.7nmであった。
・装置:AKTA purifier(GEヘルスケアバイオサイエンス製)
・カラム:HiPrep 16/60 Sephacryl S−300HR(GEヘルスケアバイオサイエンス製)
・移動相:リン酸塩緩衝溶液(pH7.4)
・流速:0.3ml/min
回収した画分の分散粒径およびゼータ電位をゼータサイザーナノZS(シスメックス製)を用いて、測定した。ゼータ電位測定セルに酸化チタン複合体粒子の分散液0.75mlを仕込み、溶媒の各種パラメーターを水と同値に設定し、25℃にて動的光散乱法により測定したところ、作製した酸化チタン複合体粒子の平均粒径は45.9nmであった。また、同様の条件でゼータサイザーナノZSを用いてゼータ電位を測定したところ、作製した酸化チタン複合体粒子のゼータ電位は−2.0mVであった。
0.01〜0.5Mの異なる塩化ナトリウムを含む水溶液に例13で得られた酸化チタン複合体粒子を含む分散液を終濃度0.025%になるように添加し、1時間室温にて静置した。その後、ゼータサイザーナノZSにて実施例1と同様に平均分散粒径の測定を行った。結果を図9に示す。図9に示されるように、系中の塩濃度が0.01から0.25Mの間はほとんど平均分散粒径の変化は認められず、安定した分散性を示すことが明らかになった。
下記の通り50mMの異なるpHを持つ緩衝液を作成し、終濃度0.025(w/v)%になるように、例15で得られた酸化チタン複合体粒子を含む分散液を添加し、1時間室温にて静置した。
・pH5:酢酸緩衝液
・pH6:2−モルフォリノエタンスルホン酸緩衝液
・pH7およびpH8:2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸緩衝液
・pH9:ホウ酸緩衝液
その後、ゼータサイザーナノZSにて例12と同様に平均分散粒径の測定を行った。結果を図10に示す。図10に示されるように、pHが5から9の間で粒径の変化はほとんど認められず、安定した分散性を示すことが明らかになった。
10%血清を含むRPMI1640培地(GIBCO製)に対して、例15で得られた酸化チタン複合体粒子を含む分散液を終濃度0.025%になるように添加し、1時間、24時間および72時間、室温にて静置した。その後、ゼータサイザーナノZSにて例1と同様に平均分散粒径の測定を行った。結果を図11に示す。図11に示されるように、72時間静置後において、酸化チタン複合体粒子の粒径の変化はほとんど認められず、安定した分散性を示すことが明らかになった。
例13〜例15で得られた酸化チタン複合体粒子を固形成分が0.01(w/v)%になる様にPBSで希釈した。メチレンブルー三水和物(和光純薬製)を5μMになる様に先に調製した酸化チタン複合体粒子を含むPBS溶液に添加した。攪拌しながら、本溶液に波長340nmの紫外光を5J/cm2になるように照射し、660nmにおける波長の吸収を紫外−可視光分光光度計により測定した。結果を図12に示す。図12に示されるように、紫外線を照射しないサンプルが100%とした場合、照射したサンプルは、全ての試料でメチレンブルーの分解にともなう吸光度の減少が認められた。このことから、例13〜例15で得られた酸化チタン複合体粒子が光触媒活性を保持していることは明らかである。
ポリオキシエチレン−モノアリル−モノメチルエーテルと無水マレイン酸の共重合体(平均分子量;33659−日本油脂製)1gに水5mlを添加して加水分解した。こうして得られた溶液と1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(同仁化学製)を、超純水を用いてそれぞれ濃度が50mg/mlおよび50mMとなるように混合しながら調整した。調整した溶液に4−アミノサリチル酸(分子量Mn=153.14:MP Biomedicals,Inc.)を濃度100mMになるよう混合して4mlの溶液を得た。この溶液を室温にて72時間振とう撹拌して反応させた。反応後、得られた溶液を透析膜であるスペクトラ/ポア CE 透析用チューブ(分画分子量=3500、Spectrum Laboratories,Inc.)に移して超純水4lに対して室温にて24時間で透析を行った。透析後にすべてナスフラスコに移し替えて一晩凍結乾燥し、得られた粉末に4mlのジメチルホルムアミド(DMF:和光純薬工業)を添加して混合し、4−アミノサリチル酸結合ポリエチレングリコール溶液とした。
例25で得られた、酸化チタン複合体粒子を超純水に分散して固形成分1%とした。次に、14C標識カテコールを超純水で10mMのモル濃度に調整した。酸化チタン複合体粒子1%溶液に対して14C標識カテコール溶液を等量混合し、PBS緩衝溶液(リン酸緩衝生理食塩水、PBS;pH7.4)で最終的に酸化チタン複合体粒子と14C標識カテコール溶液がそれぞれ終濃度で10倍希釈になるように調整した。調整した溶液をそれぞれ恒温器に移して40℃に設定し、3時間結合反応を行った。反応後の溶液について可視光域における波長の吸収スペクトルを紫外−可視光分光光度計により確認したところ、それぞれの溶液について増大が認められたため、14C標識カテコールが結合したと考えられた。
例26で得られた14C標識カテコール結合酸化チタン複合体粒子を固形分濃度が0.05重量%となるようPBS緩衝溶液(リン酸緩衝生理食塩水、PBS;pH7.4)で調整し、試験溶液を得た。ヌードマウス(BALB/c)の背中にヒト膀胱癌由来細胞T−24を接種(2.5x106cells、50μl)し、腫瘍形成を行った腫瘍マウス(9〜10週齢)を用意した。試験溶液100μlをシリンジにより尾静脈投与を行った。投与後、経時的に臓器採取および採血を行い、測定サンプルとした。測定サンプルは炭素化後に加速器質量分析法によって放射能測定を行った。その結果、投与8時間後と48時間後における濃度比は0.29で、血中滞留性が高いことが示された。また、表2に示されるように腫瘍における濃度と正常細胞(筋肉)における濃度の比(T/N比)は、24時間後において2.56となり、腫瘍蓄積性が高いことが確認された。
例25で得られた、酸化チタン複合体粒子を超純水で1重量%の固形分濃度に希釈した。次に、カテコールを超純水で10mMのモル濃度に調整した。酸化チタン複合体粒子1重量%溶液に対してそれぞれのカテコール溶液を等量ずつ混合し、PBS緩衝溶液リン酸緩衝生理食塩水(PBS;pH7.4)で最終的に酸化チタン複合体粒子とカテコール溶液がそれぞれ終濃度で10倍希釈になるように調整した。調整した溶液をそれぞれ恒温器に移して40℃に設定し、3時間結合反応を行った。反応後の溶液について可視光域における波長の吸収スペクトルを紫外−可視光分光光度計により確認したところ、それぞれの溶液について増大が認められたため、カテコールが結合したと考えられた。
さらに、この溶液2.5mlに対してバッファー交換用自然落下型カラムPD−10(GEヘルスケアバイオサイエンス製)を用いて水3.5mlで回収して未反応のカテコールを除去した。これらからカテコール結合酸化チタン複合体粒子の作製を確認した。
ポリエチレングリコールの片末端イソシアネート基修飾体(平均分子量;20000、SUNBIO製)および4−アミノサリチル酸(分子量Mn=153.14:MP Biomedicals,Inc.)がそれぞれ終濃度3mMとなるように、ジメチルホルムアミドを用いて調整し、2mlの反応溶液を得た。この反応溶液を70℃で24時間加熱反応を行った。得られた溶液をエバポレーターを用いてジメチルホルムアミドの除去を行った。除去を確認した後、超純水を20ml添加し、水溶液とした。得られた水溶液を透析膜であるスペクトラ/ポア CE 透析用チューブ(分画分子量=3500、Spectrum Laboratories,Inc.)に移して超純水4lに対して室温にて24時間で透析を行った。透析後にすべてナスフラスコに移し替えて一晩凍結乾燥し、得られた粉末に2.5mlのジメチルホルムアミド(DMF:和光純薬工業)を添加して混合し、4−アミノサリチル酸結合ポリエチレングリコール溶液を得た。
例25で得られた酸化チタン複合体粒子を、固形分濃度がそれぞれ、1重量%、0.5重量%および0.05重量%となるようPBS緩衝溶液(リン酸緩衝生理食塩水、PBS;pH7.4)で調整し、試験溶液を得た。それぞれの濃度の試験溶液に対して、ヌードマウス(BALB/c)を5匹ずつ用意した。ヌードマウス一匹につき試験溶液100μlをシリンジにより尾静脈投与を行った。投与後、24時間において観察を行った結果、死亡したマウスは0匹であった。これらから、単回投与試験による酸化チタン複合体粒子の安全性を確認した。
Claims (19)
- アナターゼ型酸化チタンまたはルチル型酸化チタンを含んでなる酸化チタン粒子と、
該酸化チタン粒子の表面に、カルボキシル基、アミノ基、ジオール基、サリチル酸基、およびリン酸基から選択される少なくとも1種の官能基を介して、該官能基同士で重合すること無く結合されてなる、ノニオン性の水溶性高分子と
を含んでなる、紫外線や超音波の照射による触媒活性を有する酸化チタン複合体粒子。 - 前記水溶性高分子が、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、およびデキストランからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の酸化チタン複合体粒子。
- 前記官能基が、カルボン酸またはアミンにより与えられ、該カルボン酸またはアミンが、前記水溶性高分子の少なくとも末端に修飾されてなる、請求項1または2に記載の酸化チタン複合体粒子。
- 前記官能基が、カルボン酸またはアミンにより与えられ、該カルボン酸またはアミンが、前記水溶性高分子と共に共重合体を形成してなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の酸化チタン複合体粒子。
- 前記官能基が、リンカーとしてのポリカルボン酸により与えられる、請求項1または2に記載の酸化チタン複合体粒子。
- 前記官能基が、リンカーとしてのポリアミンにより与えられる、請求項1または2に記載の酸化チタン複合体粒子。
- 前記官能基を備えたリガンド分子をさらに含んでなり、該リガンド分子により、該酸化チタン粒子の表面に前記水溶性高分子が結合されてなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の酸化チタン複合体粒子。
- 前記リガンド分子が、プロトカテク酸、没食子酸、メチルドーパ、4−アミノサリチル酸、およびキナ酸からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項7に記載の酸化チタン複合体粒子。
- −20〜+20mVのゼータ電位を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の酸化チタン複合体粒子。
- 20〜200nmの粒子径を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の酸化チタン複合体粒子。
- 超音波の照射を受け、該照射により細胞毒となる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の酸化チタン複合体粒子。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の酸化チタン複合体粒子と、該粒子が分散される溶媒とを含んでなる、分散液。
- 前記溶媒が、水系溶媒である、請求項12に記載の分散液。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の酸化チタン複合体粒子の製造方法であって、
非プロトン系溶媒中に、アナターゼ型酸化チタンまたはルチル型酸化チタンを含んでなる酸化チタン粒子と、カルボキシル基、アミノ基、ジオール基、サリチル酸基、およびリン酸基から選択される少なくとも1種の官能基で修飾されたノニオン性の水溶性高分子とを分散させ、
得られた分散液を80〜220℃で加熱して、酸化チタン複合体粒子を得ること
を含んでなる、方法。 - 請求項1〜11のいずれか一項に記載の酸化チタン複合体粒子の製造方法であって、
非プロトン系溶媒中に、アナターゼ型酸化チタンまたはルチル型酸化チタンを含んでなる酸化チタン粒子と、ジオール基、サリチル酸基、およびリン酸基から選択される少なくとも1種の官能基を備えたリガンド分子と、ノニオン性の水溶性高分子とを分散させ、
得られた分散液を80〜220℃で加熱して、酸化チタン複合体粒子を得ること
を含んでなる、方法。 - 請求項1〜11のいずれか一項に記載の酸化チタン複合体粒子の製造方法であって、
非プロトン系溶媒中に、アナターゼ型酸化チタンまたはルチル型酸化チタンを含んでなる酸化チタン粒子と、ポリカルボン酸とを分散させ、
得られた分散液を80〜220℃で加熱して、前記ポリカルボン酸が結合された酸化チタン粒子の分散液を得、
該分散液に前記官能基で修飾されたノニオン性の水溶性高分子を添加して、pH8〜10の水溶液中で反応させて、前記酸化チタン複合体粒子を得ること
を含んでなる、方法 - 請求項1〜11のいずれか一項に記載の酸化チタン複合体粒子の製造方法であって、
非プロトン系溶媒中に、アナターゼ型酸化チタンまたはルチル型酸化チタンを含んでなる酸化チタン粒子と、ポリアミンとを分散させ、
得られた分散液を80〜220℃で加熱して、前記ポリアミンが結合された酸化チタン粒子の分散液を得、
該分散液に前記官能基で修飾されたノニオン性の水溶性高分子を添加して、pH8〜10の水溶液中で反応させて、前記酸化チタン複合体粒子を得ること
を含んでなる、方法。 - 請求項1〜11のいずれか一項に記載の酸化チタン複合体粒子の製造方法であって、
非プロトン系溶媒中に、アナターゼ型酸化チタンまたはルチル型酸化チタンを含んでなる酸化チタン粒子と、ジオール基、サリチル酸基、およびリン酸基から選択される少なくとも1種の官能基を備えたリガンド分子とを分散させ、
得られた分散液を80〜220℃で加熱して、前記リガンド分子が結合された酸化チタン粒子の分散液を得、
該分散液にノニオン性の水溶性高分子を添加して、前記酸化チタン複合体粒子を得ること
を含んでなる、方法。 - 前記非プロトン系溶媒が、ジメチルホルムアミド,ジオキサン、およびジメチルスルホキシドからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項14〜18のいずれか一項に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007075285A JP4169078B2 (ja) | 2006-03-24 | 2007-03-22 | 酸化チタン複合体粒子、その分散液、およびそれらの製造方法 |
Applications Claiming Priority (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006083512 | 2006-03-24 | ||
JP2006083512 | 2006-03-24 | ||
JP2006254912 | 2006-09-20 | ||
JP2006254912 | 2006-09-20 | ||
JP2006330305 | 2006-12-07 | ||
JP2006330305 | 2006-12-07 | ||
JP2007075285A JP4169078B2 (ja) | 2006-03-24 | 2007-03-22 | 酸化チタン複合体粒子、その分散液、およびそれらの製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008116928A Division JP2008201797A (ja) | 2006-03-24 | 2008-04-28 | 抗腫瘍剤およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008162995A JP2008162995A (ja) | 2008-07-17 |
JP4169078B2 true JP4169078B2 (ja) | 2008-10-22 |
Family
ID=39692947
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007075285A Expired - Fee Related JP4169078B2 (ja) | 2006-03-24 | 2007-03-22 | 酸化チタン複合体粒子、その分散液、およびそれらの製造方法 |
JP2008116928A Withdrawn JP2008201797A (ja) | 2006-03-24 | 2008-04-28 | 抗腫瘍剤およびその製造方法 |
Family Applications After (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008116928A Withdrawn JP2008201797A (ja) | 2006-03-24 | 2008-04-28 | 抗腫瘍剤およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (2) | JP4169078B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2537530A4 (en) | 2010-02-17 | 2015-12-16 | Nat Univ Corp Univ Kobe | RADIOTHERAPY AGENT |
JP6015224B2 (ja) * | 2012-08-09 | 2016-10-26 | Dic株式会社 | 金属酸化物ナノ構造体の製造方法 |
CN105999305B (zh) * | 2016-05-27 | 2023-01-17 | 中国科学院长春应用化学研究所 | 一种纳米粒子的表面修饰方法及其一种表面功能化的纳米材料 |
-
2007
- 2007-03-22 JP JP2007075285A patent/JP4169078B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2008
- 2008-04-28 JP JP2008116928A patent/JP2008201797A/ja not_active Withdrawn
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008162995A (ja) | 2008-07-17 |
JP2008201797A (ja) | 2008-09-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20150352227A1 (en) | Method for accumulating titanium oxide composite particles into a cancer tissue | |
Ramezani Farani et al. | Folic acid-adorned curcumin-loaded iron oxide nanoparticles for cervical cancer | |
Mrówczyński | Polydopamine-based multifunctional (nano) materials for cancer therapy | |
Feng et al. | Charge-convertible carbon dots for imaging-guided drug delivery with enhanced in vivo cancer therapeutic efficiency | |
de Sousa et al. | Folic-acid-functionalized graphene oxide nanocarrier: synthetic approaches, characterization, drug delivery study, and antitumor screening | |
Hao et al. | Hybrid mesoporous silica-based drug carrier nanostructures with improved degradability by hydroxyapatite | |
Bai et al. | Multifunctional PEG-GO/CuS nanocomposites for near-infrared chemo-photothermal therapy | |
Rosen et al. | Surface functionalization of silica nanoparticles with cysteine: a low-fouling zwitterionic surface | |
Yang et al. | Red fluorescent ZnO nanoparticle grafted with polyglycerol and conjugated RGD peptide as drug delivery vehicles for efficient target cancer therapy | |
Yang et al. | Rod-shape MSN@ MoS2 nanoplatform for FL/MSOT/CT imaging-guided photothermal and photodynamic therapy | |
CN104688773B (zh) | 杀细胞剂 | |
Liu et al. | pH-responsive degradable dextran-quantum dot nanohybrids for enhanced gene delivery | |
US20110060269A1 (en) | Method for killing cells using photocatalytic titanium dioxide particles | |
Tian et al. | Melanin-like nanoparticles: advances in surface modification and tumour photothermal therapy | |
WO2010016581A1 (ja) | 超音波癌治療促進剤 | |
JP2009091345A (ja) | 酸化チタン機能性分子複合体粒子 | |
Um et al. | Carboxymethyl dextran-based nanocomposites for enhanced chemo-sonodynamic therapy of cancer | |
Ye et al. | Functionalized layered double hydroxide nanoparticles as an intelligent nanoplatform for synergistic photothermal therapy and chemotherapy of tumors | |
WO2009144775A1 (ja) | 抗腫瘍剤 | |
JP4169078B2 (ja) | 酸化チタン複合体粒子、その分散液、およびそれらの製造方法 | |
JP2009073784A (ja) | 酸化チタン複合体粒子、その分散液、およびそれらの製造方法 | |
Wang et al. | Biofunctionalized graphene oxide nanosheet for amplifying antitumor therapy: Multimodal high drug encapsulation, prolonged hyperthermal window, and deep-site burst drug release | |
JP3894334B2 (ja) | 光触媒性二酸化チタン微粒子 | |
Kong et al. | Novel biodegradable polymer tethered platinum (II) for photoacoustic imaging | |
KR101479858B1 (ko) | 암치료용 산-활성 풀러렌 나노겔 프로드러그 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20080423 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20080428 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080526 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080715 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080728 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110815 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4169078 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120815 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120815 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130815 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140815 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |