JP4167529B2 - Metal wire manufacturing equipment - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属細線を製造する金属細線製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属細線を製造する方法としては溶湯抽出法が知られている。この溶湯抽出法では、以下のようにして、金属細線を製造する。まず、周縁が鋭いエッジとなっている円板の上方または下方に棒状の金属材料を配置する。この金属材料の先端部を溶融させることで溶融金属を形成するとともに、この金属材料を円板に向かって移動させる。そして、円板を高速で回転させながら、溶融金属に円板の周縁を連続的に接触させ、溶融金属の一部を急冷するとともに円板の接線方向に飛ばす。このようにすることによって、金属細線が製造される。
【0003】
ところで、上記溶湯抽出法を適用する金属細線製造装置では、円板の周縁にミクロン単位程度の欠け、窪み、或いは傷が存在する。この円板の周縁に存在する欠け、窪み、或いは傷が極く小さい場合には、これらは金属細線の製造にさほど影響を及ぼさない。
【0004】
しかしながら、円板の周縁に存在するある程度の大きさの欠け、窪み、或いは傷には溶融金属の一部が引っ掛って付着し易い。そして、このように円板の周縁に付着した付着物(溶融金属の一部)は、円板の周縁が溶融金属と接触する際にこの溶融金属に大きな衝撃を与え、金属細線の製造に支障をきたしてしまう。したがって、付着した溶融金属をそのままにしておくのは、金属細線の製造上、好ましくない。
【0005】
そのため、このような金属細線製造装置では、円板の周縁に付着した付着物を除去する円板状のスクレーパを備えたものが知られている。スクレーパは、綿布を積層させるとともに、この積層体の全面にステッチをかけることで形成されている。このスクレーパは、その中心軸が円板の回転軸と平行となるように回転自在に配置されている。スクレーパの回転方向は円板の回転方向と同じ方向とされている。
【0006】
また、他の装置(合金鋳片製造装置)に用いられるスクレーパとしては、従来、金属(バイメタル)製でナイフエッジ状に形成されたものが知られている。(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−294753号公報(段落0014〜段落0032、図2)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
近年、生産性を向上させるために、金属細線製造装置では、円板の回転数を大きくするようになってきている。これに伴い、金属細線製造装置に備えられるスクレーパとしては、円板に傷がつくのを抑制しつつ、円板に付着した付着物を良好に除去できるものが求められている。
【0009】
すなわち、円板の周縁に残留した付着物や円板の周縁についた傷は、上述のように、円板とともに回転して溶融金属と接触する際にこの溶融金属に衝撃を与える。そして、円板の周縁に残留した付着物や円板の周縁についた傷が溶融金属に与える衝撃は円板の回転数が大きいほど大きくなる。円板の直径が約200mmφの場合、円板の回転数が大凡3000rpm程度であれば、円板の周縁に残留した付着物や円板の周縁についた傷が溶融金属に与える衝撃がさほどでもなく、溶融金属を飛散させるまでには至り難い。これに対し、円板の回転数が大凡3000rpmを越えるようになると、円板の周縁に残留した付着物や円板の周縁についた傷が溶融金属に与える衝撃が大きくなり、結果として、溶融金属が飛散するようになる。つまり、円板の回転数が大凡3000rpmを越えるような金属細線製造装置では、円板の周縁に付着物が残留したり傷がついたりすると、溶融金属の飛散により金属細線の製造が妨げられてしまうことがある。
【0010】
従来知られている金属製のナイフエッジ状のスクレーパは、円板の周縁に傷をつけてしまうおそれがあるので、金属細線製造装置に適用するのは好ましくない。
【0011】
一方、円板状の綿布積層体からなるスクレーパは金属からなるスクレーパと比べて軟らかいので、円板の周縁を傷つけ難い反面、極僅かではあるが円板の周縁に付着した付着物が除去しきれない場合がある。
【0012】
さらに、円板状の綿布積層体からなるスクレーパを備えた金属細線製造装置では、中心軸が円板の回転軸と平行となるように配置されているため、除去した付着物がスクレーパの外周面に突き刺さり易い。このため、スクレーパの外周面に刺さった除去済み付着物が円板の周縁を傷つけてしまうという問題がある。
【0013】
つまり、円板の周縁に付着した付着物は、スクレーパと円板の周縁とが接触する接触部においてスクレーパの外周面に突き刺さるように除去される。そして、この除去された付着物は、スクレーパの回転により再びスクレーパと円板の周縁とが接触する接触部に運ばれ、前記接触部に挟まって円板を傷つけてしまう。
【0014】
この発明は、このような事情にもとづいてなされたものであり、溶融金属の飛散を抑制できる金属細線製造装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の金属細線製造装置は、回転駆動機構により一定の方向に回転駆動され、かつ、溶融金属に接触させられる周縁を有し、この周縁を前記溶融金属に接触させてこの溶融金属の一部を急冷するとともに前記周縁の接線方向に飛ばして金属細線を形成せしめる円板と、この円板の周縁に接触するように設けられ、有機繊維を固めて成形した繊維成形体からなり、前記溶融金属が前記円板に付着してなる付着物を前記円板から除去する1ないし複数のスクレーパと、を具備しており、前記スクレーパは、その中心軸を中心として回転可能に設けられ、円形または円弧状の外周面と、前記円板の周縁に対し該円板の回転方向前側に位置する一方の側面と、前記円板の周縁に対し該円板の回転方向後側に位置する他方の側面とを有し、前記外周面と前記他方の側面が前記円板の周縁に臨みかつ前記外周面と前記他方の側面とが交わるコーナー部が前記円板の周縁に接するように該スクレーパの中心軸を円板の回転軸に対してねじれの位置関係で配置したことを特徴としている。
【0016】
本発明において、「スクレーパの中心軸」とは、スクレーパの両側面と略直交し、かつ、外周面をなす円弧の曲率中心となる位置を通る直線を指している。また、「該スクレーパの側面が前記円板の周縁に臨むように該スクレーパの中心軸を円板の回転軸に対してねじれの位置関係で配置した」とは、スクレーパの中心軸と円板の回転軸とが平行であったり交わったりせず、かつ、スクレーパの上方から俯瞰した状態における中心軸と回転軸とのなす角度α(0°≦α≦90°)が、0°<α≦90°となることを意味している。
【0017】
この金属細線製造装置によれば、スクレーパの中心軸が円板の回転軸に対してねじれの位置関係となるようにスクレーパを配置させている。そのため、スクレーパと円板の周縁とが接触する接触部においてスクレーパにより円板の周縁から除去された付着物は、主としてスクレーパの両側面のうちの円板の回転の進行方向後方の側面側に突き刺さるようにして除去される。これにより、スクレーパの外周面に突き刺さる削除済み付着物の量を少なくすることができるので、スクレーパの外周面に刺さった除去済み付着物による円板の周縁の傷つきが抑制される。
【0018】
また、この発明では、上述のように、円板に付着物した付着物をできるだけスクレーパの側面(円板の回転の進行方向後方の側面)に突き刺ささせるようにして除去することで、円板の周縁の傷つきを抑制している。そのため、スクレーパの側面はできるだけ円板の周縁側を向いている方がよい。つまり、前記角度αの値は、好ましくは45°≦α≦90°、最も好ましくは90°である。
【0019】
この発明を実施するにあたり、前記スクレーパは、前記円板の回転の進行方向後方の側面と外周面とのコーナー部が前記円板の周縁の先端部に接するように配置するのが好ましい。
【0020】
スクレーパを1つ具備しているとともに、前記円板の周縁を周方向に沿う一対の傾斜面を有して先端部が周方向外側に向かって先細となるように形成している場合、スクレーパは前記先端部に接するように配置するとよい。
【0021】
また、スクレーパを複数具備しているとともに、前記円板の周縁を周方向に沿う一対の傾斜面を有して先端部が周方向外側に向かって先細となるように形成している場合、少なくとも前記複数のスクレーパのうちの2つのスクレーパは、一方を前記一対の傾斜面のうちの一方の傾斜面側から前記周縁の先端部及びその近傍と接するように配置し、他方を前記一対の傾斜面のうちの他方の傾斜面側から前記周縁の先端部及びその近傍と接するように配置するとよい。
【0022】
その場合、前記2つのスクレーパを夫々回転自在に設け、前記一方の傾斜面側から前記先端部及びその近傍と接するように配置されているスクレーパの前記円板との接触部における回転方向を、前記一方の傾斜面側から前記先端部側に近づく方向とするとともに、前記他方の傾斜面側から前記先端部及びその近傍と接するように配置されているスクレーパの前記円板との接触部における回転方向を、前記他方の傾斜面側から前記先端部側に近づく方向とするのが望ましい。
【0023】
さらに、前記スクレーパを、その中心軸が前記スクレーパと前記円板との接触部から前記円板の回転の進行方向後方に伸びる前記円板の接線の一部をなす線分に対して10度以上45度以下の角度で傾くように配置するのが好ましい。
【0024】
また、前記スクレーパと前記円板とが接するように前記スクレーパを前記円板の中心側に寄せる方向に移動させるスクレーパ送り機構を設けるのが好ましい。このスクレーパ送り機構を設けることで、円板との接触によりスクレーパが磨耗しても、スクレーパと円板とが接するようにスクレーパを円板の中心側に寄せる方向に移動させることで、常にスクレーパと円板との良好な接触、すなわち、付着物の良好な除去機能が得られるようになる。
【0025】
その場合、前記スクレーパ送り機構は、例えば、前記円板の回転時間、前記円板を回転駆動させる回転駆動機構にかかるトルク電流、または、前記スクレーパにかかる荷重のうちのいずれか1つ以上により制御されるようにすることができる。
【0026】
また、スクレーパを回転駆動機構により回転駆動させるようにしてもよい。その場合、前記スクレーパ送り機構は、例えば、円板の回転時間、円板を回転駆動させる回転駆動機構にかかるトルク電流、スクレーパを回転駆動させる回転駆動機構にかかるトルク電流、または、前記スクレーパにかかる荷重のうちのいずれか1つ以上により制御されるようにすることができる。
【0027】
ここで、スクレーパ送り機構が円板の回転時間により制御されるとは、スクレーパ送り機構が円板の所定回転時間毎に、スクレーパを所定量だけ円板の中心側に寄せる方向に移動させるように制御されるということを意味している。
【0028】
また、円板との接触によりスクレーパが磨耗して、スクレーパと円板との接触面積が小さくなる程、円板及びスクレーパにかかる荷重がそれぞれ小さくなっていく。つまり、円板の回転駆動機構に係るトルク電流が小さくなる、或いは、スクレーパの回駆動機構に係るトルク電流が小さくなるということは、円板とスクレーパとの接触抵抗が小さくなることを意味している。
【0029】
したがって、スクレーパ送り機構が円板の回転駆動機構にかかるトルク電流により制御されるとは、スクレーパ送り機構が円板の駆動機構にかかるトルク電流が所定値を下回ったときに、スクレーパを所定量だけ円板の中心側に寄せる方向に移動させるように制御されるということを意味している。
【0030】
同様に、スクレーパ送り機構がスクレーパの回転駆動機構にかかるトルク電流により制御されるとは、スクレーパ送り機構がスクレーパの駆動機構にかかるトルク電流が所定値を下回ったときに、スクレーパを所定量だけ円板の中心側に寄せる方向に移動させるように制御されるということを意味している。
【0031】
さらに、スクレーパ本体にかかる荷重が小さくなるということは、円板とスクレーパとの接触抵抗が小さくなることを意味している。したがって、スクレーパ送り機構がスクレーパにかかる荷重により制御されるとは、スクレーパ送り機構がスクレーパにかかる荷重が下回ったときに、スクレーパを所定量だけ円板の中心側に寄せる方向に移動させるように制御されるということを意味している。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図1及び図2を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。
【0033】
図1に示すように、金属細線製造装置は密閉可能なチャンバ2を備えている。チャンバ2の内部には、製造すべき金属細線の材料である棒状(例えば、丸棒状)の金属材料7の保持手段として機能する筒状のホルダ3、金属材料7の先端部を溶融させることによって溶融金属7aを形成する加熱手段として機能する高周波誘導コイル4、冷却ジャケット等の冷却器5、回転駆動機構25により一定方向(図に矢印Aで示す方向)に回転駆動される円板6、及びスクレーパ10等が設けられている。また、チャンバ2の内部を真空雰囲気もしくは不活性ガス雰囲気に保つことができるように、排気装置(図示せず)や、必要に応じて不活性ガス供給装置等がチャンバ2に付属している。
【0034】
円板6は、例えば、銅(Cu)のように熱伝導率の高い金属、あるいは、モリブデン(Mo)やタングステン(W)等の高融点材料等からなる。また、円板6の直径は、例えば約200mmφとされている。
【0035】
円板6は、溶融金属7a(図2参照)に対して上方から接触させられる周縁6aを有している。この周縁6aは、図1に示すように、円板6を正面方向から見て、周縁6aは略真円形状をなしている。また、周縁6aは、円板6を厚み方向から見ると、周方向に沿う一対の傾斜面6e,6fを有して、周方向外側に向かって先細となるように形成されている。本実施形態では、周縁6aは、図2に示すように、円板6を厚み方向から見て、円板6の全周にわたってV字状に鋭角に尖ったエッジとなっている。
【0036】
ホルダ3は、例えばセラミックス等の耐熱材料からなる。このホルダ3は、棒状の金属材料7が横方向(径方向)に移動にならないように動き止めをなす機能と、金属材料7が上方(矢印Bで示す方向)に円滑に移動できるように案内するガイド部材としての機能とを担っている。
【0037】
金属材料7は、材料供給機構20によって所望の速度で円板6の周縁6aに向けて上方(矢印Bで示す方向)に移動させることができるようになっている。材料供給機構20は、例えば図1に示すようなローラ21、あるいは上下方向に移動可能なアクチュエータ(例えば、モータ、ボールねじ、直線移動ガイド部材等を組み合わせた直動機構)等を備えて構成されている。また、金属材料7がチャンバ2の底壁2aを貫通する箇所にはシール部22が設けられている。なお、円板6の上方に金属材料7を配置する場合には、ホルダ3と冷却器5を省略できることがある。
【0038】
高周波誘導コイル4は、ホルダ3によって保持された金属材料7の上端部を囲むような位置に設けられている。この高周波誘導コイル4には、高周波電流を供給するための電源としての高周波発生装置23が接続されている。また、チャンバ2の内部には、溶融金属7aの温度を非接触で検出するための放射温度計24が設けられている。
【0039】
図2に示すように、チャンバ2には、円板6を回転駆動させるための回転駆動機構25が設けられている。回転駆動機構25の一例は、チャンバ2の外部に設けられたモータ26、モータ26の出力軸26aと円板6とをつなぐ回転軸27、及びチャンバ2の側壁2bに対する回転軸27の貫通箇所を密封するシール部28等を備えて構成されている。このモータ26が、円板6を例えば毎分数千回転程度、例えば、3000prm以上の高速で一定方向(矢印Aで示す方向)に回転駆動させる。
【0040】
この金属細線製造装置では、金属材料7の先端部6bを溶融させることで溶融金属7aを形成し、円板6を高速で回転させながら、溶融金属7aに周縁6aの先端部6bを連続的に接触させ、この溶融金属7aの一部を円板6の接線方向に飛ばすとともに急冷して、金属細線を形成する。したがって、金属細線の飛ぶ方向には、細線回収部29が設けられている。
【0041】
ところで、金属細線製造装置は、円板6の周縁6aにはミクロン単位程度の欠け、窪み、或いは傷が存在するので、金属細線製造装置を稼動させて金属細線を製造すると、溶融金属7aの一部が円板6の周縁6aの欠け、窪み、或いは傷に引っ掛ってこの円板6の周縁6aに付着する。
【0042】
そのため、この金属細線製造装置は、円板6の周縁6aに付着した付着物Xを除去する1枚の円板状のスクレーパ10を、周縁6aの先端部6bに接触するように円板6の上方に設けている。
【0043】
また、チャンバ2には、このスクレーパ10を回転駆動させるための回転駆動機構30が設けられている。回転駆動機構30の一例は、チャンバ2の外部に設けられたモータ31、及びモータ31の出力軸31aとスクレーパ10とをつなぐ回転軸32、及びチャンバ2の側壁2dに対する回転軸32の貫通箇所を密封するシール部33等を備えて構成されている。この回転駆動機構30が、スクレーパ10を一定の方向に回転駆動させる。
【0044】
スクレーパ10の回転方向は、図2に矢印C1で示す方向でも、矢印C2で示す方向でもよい。本実施形態では、スクレーパ10は、例えば、矢印C2の方向に回転駆動されるようになっている。なお、スクレーパ10は、回転駆動させなくともよい。
【0045】
スクレーパ10の材料としては、例えば、天然繊維や合成繊維等の有機繊維をバインダー等を用いて固めて成形した繊維成形体を好適に用いることができる。
【0046】
このスクレーパ10は、スクレーパ10の側面10a,10bが円板6の周縁6aに臨み、かつ、スクレーパ10の中心軸L1(回転軸32)を円板6の回転軸27に対してねじれの位置関係となるように配置されている。本実施形態では、図1及び図2に示すように、スクレーパ10の上方から俯瞰した状態における中心軸L1と回転軸27とのなす角度αが90°となるようにスクレーパ10が配置されている。
【0047】
この条件に加え、このスクレーパ10は、円板6の回転の進行方向後方の側面10bと外周面10cとのコーナー部10dが円板6の周縁6aの先端部6bに接するように配置されている。このとき、スクレーパ10は、円板6の真上、つまり、スクレーパ10の中心軸L1が周縁6aの先端部6bを通る面上にのるように配置されている。
【0048】
なお、スクレーパ10と円板6とが接触する接触部の位置や面積は、スクレーパ10の撓みや磨耗等により、ある範囲内において変動する。そのため、コーナー部10dを角度が90°となるような角部とすると円板6に付着した付着物Xを剥ぎ取るように除去できるので好ましいが、コーナー部dは、角部を丸めた湾曲面としてもよい。
【0049】
さらに、チャンバ2には、スクレーパ10が磨耗しても、スクレーパ10の外周面10cと円板6の周縁6aの先端部6bとが常に良好に接するように、このスクレーパ10を円板6の中心側に寄せる方向に移動させるスクレーパ送り機構40を設けている。
【0050】
スクレーパ送り機構40は、例えば、送り装置41、この送り装置41とスクレーパ10の回転軸32とを連結する接続部材42、及びチャンバ2の上壁2cに対する接続部材42の貫通箇所を密封するシール部43等を備えて構成されている。接続部材42の先端部には、スクレーパ10の回転軸32を回転自在に支持する支持部42aが設けられている。スクレーパ送り機構40は、接続部材42を介してスクレーパ10を回転自在に支持するとともに、送り装置41によってスクレーパ10を円板6に近づける方向と遠ざける方向とに、例えば直線的に移動させるように構成されている。
【0051】
スクレーパ10と円板6との接触を保つために、スクレーパ送り機構40の動作は、例えば、円板6の回転時間(例えば、総回転時間)、円板6を回転駆動させる回転駆動機構25にかかるトルク電流、スクレーパ10を回転駆動させる回転駆動機構30にかかるトルク電流、または、スクレーパ10にかかる荷重のうちのいずれか1つ以上により制御部44で制御されるようになっている。
【0052】
本実施形態では、例えば、スクレーパ送り機構40を円板6の回転時間により制御するようにしている。すなわち、円板6の回転時間を計測・記憶できるタイマーを、図1に示すように例えば制御部44に設けている。
【0053】
タイマー44aは、円板6を回転駆動させる回転駆動機構25にかかるトルク電流を測定するトルク電流測定装置やスクレーパ10にかかる荷重を測定する装置等と比べて安価である。よって、スクレーパ送り機構40を円板6の回転時間により制御することは、スクレーパ送り機構40の制御を安価に実現できる点で好ましい。
【0054】
次に、金属細線製造装置の作用について説明する。
棒状の金属材料7がボルダの下側から挿入され、金属材料7の上端部が高周波コイルのところに位置するように材料供給機構20が駆動される。円板6は回転駆動機構25によって一定の方向かつ一定の回転速度(時間当たりの回転数)で回転させられている。金属材料7の上端部を高周波誘導コイル4によって加熱することにより、金属材料7の上端に溶融金属7aを形成する。この状態で、金属材料7を材料供給機構20によって所定の速度で円板6の周縁6aの先端部6bに向かって移動させる。このときの材料供給速度は、製造すべき金属細線が所望の線径となるよう、円板6の回転速度等に応じて設定されている。
【0055】
円板6の周縁6aに接触した溶融金属7aは、円板6の回転に伴って急冷されて凝固しつつ、金属細線となって連続的に円板6の接線方向に飛び、細線回収部29に収容される。溶融金属7aの温度は、放射温度計24によって常時検出されていて、溶融金属7aの温度検出信号が高周波発生装置23にフィードバックされることにより、高周波発生装置23の出力が調整されて、溶融金属7aの温度が一定に保たれる。
【0056】
また、上述のような金属細線の製造と同時に、円板6の周縁6aの先端部6bに引っ掛って円板6の周縁6aに付着した付着物Xは、スクレーパ10により除去される。
【0057】
このとき、付着物Xが円板6の周縁6aに残ると、円板6の周縁6aが溶融金属7aと接触する際にこの溶融金属7aに衝撃を与える。そして、溶融金属7aを飛散させて金属細線の製造を妨げるようになる。
【0058】
本実施形態の金属細線製造装置では、スクレーパ10の中心軸L1の方向が円板6の回転軸27の方向と平行となるように配置されたスクレーパ10を備える従来の金属細線製造装置と比べて、金属細線を成形可能な時間及び歩留まりがそれぞれ上昇することが確認された。
【0059】
これは、スクレーパ10の側面10a,10bが円板6の周縁6aに臨むようにスクレーパ10の中心軸L1(回転軸32)を円板6の回転軸27に対してねじれの位置関係となるように配置することで、除去された付着物Xがスクレーパ10の側面10a,10bのうちの円板6の回転方向後側の側面10bに突き刺さるように除去されるためであると考えられる。つまり、中心軸L1と円板6の回転軸27とがねじれの位置関係となるようにスクレーパ10を配置することで、スクレーパ10の外周面10cに突き刺さる削除済み付着物Xの量を少なくすることができる。
【0060】
しかも、スクレーパ10は、円板6の回転の進行方向後方の側面10bと外周面10cとのコーナー部10dが円板6の周縁6aの先端部6bに接するように配置されている。そのため、円板6の周縁6aに付着した付着物Xは、スクレーパ10の前記コーナー部10dでスクレーパ10の側面10b側に押し出されるようにして剥ぎ取られる。このように除去された付着物は、スクレーパ10の側面10b上に留まり、接触部に入り込んで挟まれるようなことが殆どない。したがって、スクレーパ10の外周面10c上には突き刺り難い。
【0061】
スクレーパ10に付着物Xが刺さると、この刺さった付着物Xが円板6の周縁6aを傷つけて溶融金属7aの飛散を誘発するが、本実施形態では、上述のように、スクレーパ10の外周面10cに付着物Xが刺さり難いので、溶融金属7aの飛散を抑制できる。また、これに伴って、成形可能時間及び歩留まりを向上させることができる。
【0062】
また、天然繊維や合成繊維等の有機繊維を固めて形成した繊維成形体は、綿布積層体よりも硬質である。したがって、このスクレーパ10は、綿布積層体からなる従来のスクレーパ10よりも円板6の周縁6aに付着した付着物Xを良好に除去できる。しかも、このスクレーパ10は有機繊維からなるので、金属製の従来のスクレーパ10のように円板6を傷つけることもない。
【0063】
以上のように、本実施形態の金属細線製造装置によれば、スクレーパ10の側面10a,10bが円板6の周縁6aに臨むようにスクレーパ10の中心軸L1を円板6の回転軸27に対してねじれの位置関係で配置しているので、スクレーパ10による円板6の周縁6aの傷つけを抑制できるとともに溶融金属7aの飛散を抑制できる。
【0064】
さらに、本実施形態の金属細線製造装置によれば、スクレーパ10は、円板6の回転の進行方向後方の側面10bと外周面10cとのコーナー部10dが円板6の周縁6aの先端部6bに接するように配置されているので、除去された付着物Xが接触部に入り込むことにより生じるスクレーパ10の円板6の周縁6aへの傷つけをさらに抑制できる。
【0065】
また、スクレーパ10を1つ具備している本実施形態のような場合は、スクレーパ10が周縁6aの先端部6bに接するように配置するのが好ましく、このようにすることにより、スクレーパ10が周縁6aの先端部6bに付着した付着物Xを良好に除去できる。
【0066】
また、本実施形態の金属細線製造装置には、スクレーパ10と円板6とが接するようにスクレーパ10を円板6の中心側に寄せる方向に移動させるスクレーパ送り機構40が設けられている。すなわち、円板6とスクレーパ10との接触によりスクレーパ10が磨耗しても、スクレーパ送り機構40によりスクレーパ10と円板6とが接するようにスクレーパ10を円板6の中心側に寄せる方向に移動させるので、スクレーパ10と円板6との良好な接触を長期間保つことができる。したがって、円板6の周縁6aに付着した付着物Xを長期間にわたって良好に除去することができる。
【0067】
しかも、このスクレーパ送り機構40は、円板6の回転時間、回転駆動機構25にかかるトルク電流、または、スクレーパ10本体にかかる荷重のうちのいずれか1つ以上により制御されるため、手間をかけることなくスクレーパ10と円板6との良好な接触を自動的に保つことができる。
【0068】
以下、図3及び図4を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。
【0069】
本実施形態の金属細線製造装置は、スクレーパを複数、例えば2つ設けている。図3に示すように、これらのスクレーパ11,12は互いに干渉しないように、円板6の周方向に所定の間隔だけ離間させて配置されている。
【0070】
図4に示すように、第1のスクレーパ11は、円板6の周縁6aが有する一対の傾斜面6e,6fのうちのいずれか一方の傾斜面、例えば、傾斜面6f側から前記先端部6b及びその近傍と接するように配置されている。すなわち、第1のスクレーパ11は、その中心部が円板6の周縁6aの先端部6bを含む面上から前記傾斜面6f側に外れた位置となるように配置されて、この傾斜面6fの先端部6b及び近傍に接触している。
【0071】
また、第1のスクレーパ11と円板6とが接触する接触部における第1のスクレーパ11の回転方向は、傾斜面6f側から円板6の周縁6aの先端部6b側に近づく方向(図4に矢印E1で示す方向)となっている。
【0072】
一方、第2のスクレーパ12は、円板6の周縁6aが有する一対の傾斜面6e,6fのうちのいずれか一方の傾斜面、例えば、傾斜面6e側から前記先端部6b及びその近傍と接するように配置されている。すなわち、第2のスクレーパ12は、その中心部が円板6の周縁6aの先端部6bを含む面上から前記傾斜面6e側に外れた位置となるように配置されて、この傾斜面6eの先端部6b及びその近傍に接触している。
【0073】
また、第2のスクレーパ12と円板6とが接触する接触部における第2のスクレーパ12の回転方向は、傾斜面6e側から円板6の周縁6aの先端部6b側に近づく方向(図4に矢印E2で示す方向)となっている。
【0074】
また、図3では省略しているが、回転駆動機構30は、2つのスクレーパ11,12に対してそれぞれ設けられている。また、スクレーパ送り機構40は、2つの接続部材42,42を介してスクレーパ11,12を回転自在に支持するとともに、1つの送り装置41によってスクレーパ11,12を円板6に近づける方向と遠ざける方向とに移動させるように構成されている。なお、他の構成は、図示しない部分を含めて上述した第1の実施形態と同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【0075】
ところで、円板6の周縁6aと溶融金属との接触幅は数百ミクロンであるため、スクレーパと円板6との接触面積は広い方が好ましい。
【0076】
第1の実施形態のように、スクレーパ10を円板6の真上から円板6の周縁6aの先端部6bに接するように配置した金属細線製造装置では、スクレーパ10により周縁6aの先端部6bの極く先端の付着物Xのみが除去される。
【0077】
これに対し、本実施形態では、周縁6aの傾斜面6fの先端部6b付近及び先端部6bに付着した付着物Xが、第1のスクレーパ11の円板6の回転の進行方向後方の側面11bに突き刺さるようにして除去される。また、周縁6aの傾斜面6eの先端部6b付近及び先端部6bに付着した付着物Xが、第2のスクレーパ12の円板6の回転の進行方向後方の側面12bに突き刺さるようにして除去される。つまり、本実施形態では、円板6の傾斜面6fの先端部6b付近、先端部6b、及び傾斜面6eの先端部6b付近に付着した付着物Xを除去できる。
【0078】
また、本実施形態では、スクレーパ11の円板6との接触部における回転方向を、傾斜面6f側から先端部6b側に近づく方向としているとともに、スクレーパ12の円板6との接触部における回転方向を、傾斜面6e側から先端部6b側に近づく方向としている。そのため、円板6の傾斜面6fの先端部6b付近、先端部6b、及び傾斜面6eの先端部6b付近に付着した付着物Xは、スクレーパ11,12により円板6先端部6b側に掻き出されるように剥ぎ取られる。そして、スクレーパ11,12の円板6の回転の進行方向後方の側面11b,12b側に突き刺さるようにして除去される。
【0079】
以上のように、本実施形態によれば、一方のスクレーパ11を傾斜面6f側から周縁6aの先端部6b及びその近傍と接するように配置し、他方のスクレーパ12を傾斜面6e側から周縁6aの先端部6b及びその近傍と接するように配置しているので、周縁6aの傾斜面6fの先端部6b付近、先端部6b、及びの傾斜面6fの先端部6b付近に付着した付着物Xを除去することができる。
【0080】
しかも、本実施形態によれば、一方のスクレーパ11の円板6との接触部における回転方向を、傾斜面6f側から先端部6b側に近づく方向としているとともに、他方のスクレーパ12の円板6との接触部における回転方向を、傾斜面6e側から先端部6b側に近づく方向としているため、円板6の周縁6aに付着した付着物Xをスクレーパ11,12により円板6先端部6b側に掻き出されるように剥ぎ取ることができる。したがって、円板6の周縁6aに付着した付着物Xをさらに良好に除去できる。
【0081】
なお、本実施形態では、スクレーパを2つ配置したが、スクレーパは3つ以上配置してもよい。その場合、少なくとも2つのスクレーパを上述のように配置すれば、残りのスクレーパは何処に配置してもよい。
【0082】
以下、図5を参照して本発明の第3の実施形態を説明する。
【0083】
本実施形態の金属細線製造装置では、スクレーパ11は、スクレーパ11と円板6との接触部から円板6の回転の進行方向後方に伸びる円板6の接線の一部をなす線分L12とした時に、この線分L12とスクレーパ11の中心軸L11とのなす角度(以下、接触角という)θ1が10°以上45°以下の角度、例えば、30°となるように配置されている。
【0084】
また、スクレーパ12は、スクレーパ12と円板6との接触部から円板6の回転の進行方向後方に伸びる円板6の接線の一部をなす線分L22とした時に、この線分L22とスクレーパ12の中心軸L21とのなす角度(以下、接触角という)θ2が10°以上45°以下の角度、例えば、30°となるように配置されている。
【0085】
なお、スクレーパ11,12と円板6とが接触する部分である接触部の位置や面積は、スクレーパ11,12の撓みや磨耗等により、ある範囲内において変動する。そのため、本実施形態では、スクレーパ11,12と円板6とのそれぞれの接触部から円板6の回転の進行方向後方に伸びる円板6の接線の一部をなす線分L21,L22を、例えば、初期状態における円板6とスクレーパ10との接触部の中心から円板6の回転の進行方向後方に伸びる円板6の接線の一部をなす線分と定義する。
【0086】
また、この実施形態では、上述のように、スクレーパ11,12に傾斜角を持たせている。そのため、スクレーパ送り機構40には、スクレーパ11,12を円板6に向かって直線的に移動させる直線移動機構だけでなく、夫々の接触角θ1,θ2を大きくするような方向の回転或いは回動をスクレーパ11,12に付与できる回転或いは回動機構を具備させるのが好ましい。
【0087】
これは、スクレーパ送り機構40にスクレーパ11,12を円板6に向かって直線的に移動させる直線移動機構のみを具備させた場合、スクレーパ11,12の磨耗が進行すると、スクレーパ11,12の中心を通り且つ側面11a(11b),12a(12b)直交するように断面した断面形状が台形状となるときがくるためである。このように断面台形状となると、スクレーパ11,12と円板6との接触角が0°場合と同様の作用・効果しか得られず、スクレーパ11,12に接触角を持たせることによる作用・効果(この作用・効果は後述する)が得られなくなる。
【0088】
また、第1及び第2のスクレーパ11,12の配置に関するその他の条件は、第3の実施形態と同様である。なお、他の構成は、図示しない部分を含めて上述した第1の実施形態と同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【0089】
表1は、円板の回転数及びスクレーパと円板との接触角を様々に変化させたときの成形時間及び歩留まりの測定結果を示す表である。なお、この測定では、成形時間を約9時間としており、円板の直径は約200mmφである。また、停止理由(1)は、スクレーパの外周面と円板との間に堆積した除去済み付着物により円板に傷がついて溶融金属の飛散が発生したことによるものである。
【0090】
【表1】
【0091】
表1に示すように、接触角が10°以上である場合には、円板の直径が約200mmφで回転数が3000rpm〜7000rpmといった高速回転であっても、9時間以上の成形が可能であり、しかも、歩留まりが80%〜94と良好である。これに対し、接触角が0°や5°といった接触角では、成形可能時間も短く(3.1〜7.6時間)、また、歩留まりも60%〜74%と低い。
【0092】
次に、円板の回転数が5000rpmの時の接触角と成形時間との関係をより詳細に測定した(図6参照)。なお、図6において、四角の点は、スクレーパの外周面と円板との間に堆積した除去済み付着物による円板の傷つきが原因で、溶融金属の飛散が発生し、装置を停止したものを示しており、三角の点は、測定の便宜上の装置を停止させたが、実際には、まだ成形が可能であったものを示している。
【0093】
これより、10°以上45°以下の接触角とした場合、10°を下回る接触角或いは45°を越える接触角とした場合と比べて、顕著に成形可能時間が向上していることがわかる。
【0094】
表2は、接触角が30°、円板の回転数が3000rpm〜7000rpmとした時の成形時間及び歩留まりの測定結果を示す表である。なお、測定の便宜上、成形時間を約9時間で装置を停止させているが、実際には、記載の成形時間を超えても成形が可能な状態であった。
【0095】
【表2】
【0096】
図6に示した測定結果では、円板の回転数を5000rpmとしたが、表2に示すように、円板の回転数を3000rpm〜7000rpmの間で変化させても、円板とスクレーパとの接触角によって、成形可能時間及び歩留まりの測定結果に同様の傾向があることがわかった。
【0097】
これは、接触角θ1,θ2が10°以上45°以下であれば、スクレーパ11,12の円板6の回転の進行方向後方の側面11b,12bと外周面11c,12cとのコーナー部11d,12dにより、円板6の周縁6aに付着した付着物Xを削ぎ取るように除去できるためであると考えられる。また、本実施形態では、スクレーパ11,12と円板6との接触角θ1,θ2が10°以上45°以下と鋭いため、スクレーパ11,12と円板6との間に除去された付着物Xが挟まり難い。したがって、スクレーパ11,12の外周面11c,12cに除去された付着物Xが突き刺さり難いため、除去済み付着物Xによる円板6への傷つけを抑制できるものと考えられる。
【0098】
以上により、本実施形態の金属細線製造装置によれば、接触角が0°の場合と比べて、成形可能時間及び歩留まりを向上させることができる。
【0099】
また、スクレーパ11,12は真円ではないため、スクレーパ11,12と円板6との接触が弱い部分があり、この接触が弱い部分で極くまれに円板6に付着した付着物Xを除去できない場合がある。こうした場合でも、本実施形態の製造装置によれば、スクレーパ11,12が接触角を持って配置されているため、円板6の付着物Xを良好に除去することができる。
【0100】
すなわち、例えば、スクレーパ12と円板6との間に隙間があるためスクレーパ12で除去できなかった円板6の付着物Xは、スクレーパ12が接触角を持って配置されているため、スクレーパ12と円板6との間に挟まることなく通過する。そして、この付着物Xは円板6とともに回転し、スクレーパ11と円板6とが接触する際、或いは、スクレーパ12と円板6とが再び接触する際に除去することができる。
【0101】
なお、本発明の細線製造装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の細線製造装置では、スクレーパの数は任意である。また、スクレーパの配置位置はスクレーパ同士或いは他の部品と互いに干渉しない位置であればどこでもよい。さらに、スクレーパを上方から俯瞰した状態におけるスクレーパの中心軸と円板の回転軸とのなす角度や傾斜角も任意である。
【0102】
さらに、第1〜第4の実施形態では、スクレーパを円板状としたが、スクレーパは必ずしも円板状でなくてもよく円弧状の外周面を有していればよい。すなわち、スクレーパは、扇形(中心角が0°以上360°以下となる円の一部)であってもよい。
【0103】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれは、溶融金属の飛散を抑制できる金属細線製造装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る金属細線製造装置を示す断面図。
【図2】 図1中II−II線に沿う金属細線製造装置の一部の断面図。
【図3】 本発明の第2の実施形態に係る金属細線製造装置の円板及びスクレーパ近傍を示す側面図。
【図4】 図3の金属細線製造装置の円板及びスクレーパ近傍を図4の矢印Dの方向から見た側面図。
【図5】 本発明の第3の実施形態に係る金属細線製造装置の円板及びスクレーパ近傍を示す側面図。
【図6】 スクレーパの接触角と成形時間との関係を示す図。
【符号の説明】
6…円板、6a…周縁、6b…先端部、6e,6f…傾斜面、7…金属材料、7a…溶融金属、10,11,12…スクレーパ、27…回転軸、40…スクレーパ送り機構、L1,L11,L12…中心軸、L21,L22…接触部から円板の回転の進行方向後方に伸びる円板の接線の一部をなす線分[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a fine metal wire production apparatus for producing fine metal wires.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a molten metal extraction method is known as a method for producing a thin metal wire. In this molten metal extraction method, a fine metal wire is produced as follows. First, a rod-shaped metal material is arranged above or below a disk whose edge is a sharp edge. The molten metal is formed by melting the tip portion of the metal material, and the metal material is moved toward the disk. And while rotating a disk at high speed, the periphery of a disk is made to contact a molten metal continuously, a part of molten metal is quenched, and it flies in the tangential direction of a disk. By doing in this way, a metal fine wire is manufactured.
[0003]
By the way, in the metal fine wire manufacturing apparatus to which the molten metal extraction method is applied, there are chips, dents, or scratches on the order of microns on the periphery of the disk. If chips, dents, or scratches present on the periphery of the disk are extremely small, these do not significantly affect the production of fine metal wires.
[0004]
However, a part of the molten metal is easily caught and attached to a chip, a dent, or a flaw of a certain size existing at the periphery of the disk. And the deposit | attachment (a part of molten metal) adhering to the periphery of a disk in this way gives a big impact to this molten metal when the periphery of a disk contacts with a molten metal, and obstructs manufacture of a metal fine wire. I will give you. Therefore, it is not preferable to leave the adhering molten metal as it is in terms of manufacturing the fine metal wire.
[0005]
For this reason, such a thin metal wire manufacturing apparatus is known that includes a disk-shaped scraper that removes deposits adhering to the periphery of the disk. The scraper is formed by laminating cotton cloth and stitching the entire surface of the laminate. This scraper is rotatably arranged so that its central axis is parallel to the rotation axis of the disk. The rotation direction of the scraper is the same as the rotation direction of the disc.
[0006]
Moreover, as a scraper used for another apparatus (alloy slab manufacturing apparatus), conventionally, a scraper made of metal (bimetal) and formed in a knife edge shape is known. (For example, refer to Patent Document 1).
[0007]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 8-294533 (paragraphs 0014 to 0032, FIG. 2)
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
In recent years, in order to improve productivity, in the metal fine wire manufacturing apparatus, the number of rotations of the disk has been increased. Accordingly, a scraper provided in the metal fine wire manufacturing apparatus is required to be able to satisfactorily remove deposits attached to the disk while suppressing damage to the disk.
[0009]
That is, deposits remaining on the periphery of the disk and scratches on the periphery of the disk, as described above, impact the molten metal when it rotates with the disk and contacts the molten metal. And the impact which the deposit | attachment remaining on the periphery of a disc and the damage | wound attached to the periphery of a disc exert on a molten metal becomes so large that the rotation speed of a disc is large. When the diameter of the disk is about 200 mmφ, if the rotation speed of the disk is about 3000 rpm, the deposits remaining on the periphery of the disk and the scratches on the periphery of the disk will not significantly impact the molten metal. It is difficult to scatter the molten metal. On the other hand, when the rotational speed of the disk exceeds approximately 3000 rpm, the impact on the molten metal due to deposits remaining on the periphery of the disk and scratches on the periphery of the disk increases, and as a result, the molten metal Will be scattered. In other words, in a metal fine wire manufacturing apparatus in which the rotational speed of the disc exceeds approximately 3000 rpm, if deposits remain or are damaged on the periphery of the disc, the production of the metal fine wire is hindered by the scattering of the molten metal. It may end up.
[0010]
Conventionally known metal knife-edge scrapers may damage the peripheral edge of the disk, and therefore are not preferable to be applied to a metal fine wire manufacturing apparatus.
[0011]
On the other hand, a scraper made of a disc-shaped cotton fabric laminate is softer than a scraper made of metal, so it is hard to damage the periphery of the disk, but it can remove the adhering matter attached to the periphery of the disk even though it is very small. There may not be.
[0012]
Furthermore, in the metal fine wire manufacturing apparatus provided with the scraper made of the disk-shaped cotton cloth laminate, the central axis is arranged in parallel with the rotation axis of the disk, so that the removed deposits are the outer peripheral surface of the scraper. Easy to pierce. For this reason, there exists a problem that the removed deposit stuck in the outer peripheral surface of a scraper will damage the periphery of a disc.
[0013]
That is, the adhering matter adhering to the periphery of the disc is removed so as to pierce the outer peripheral surface of the scraper at the contact portion where the scraper and the periphery of the disc contact. The removed deposit is carried to the contact portion where the scraper and the peripheral edge of the disk come into contact again by the rotation of the scraper, and is sandwiched by the contact portion and damages the disk.
[0014]
This invention is made | formed based on such a situation, and it aims at providing the metal fine wire manufacturing apparatus which can suppress scattering of a molten metal.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
The apparatus for producing a fine metal wire according to the present invention has a peripheral edge that is rotationally driven in a fixed direction by a rotational drive mechanism and is brought into contact with the molten metal, and a part of the molten metal is brought into contact with the molten metal. Is provided so as to be in contact with the peripheral edge of the disk and a disk that rapidly cools and flies in the tangential direction of the peripheral edge to form a fine metal wire. , Consisting of a molded fiber molded from organic fibers, One or more scrapers for removing deposits formed by adhering the molten metal to the disc from the disc, and the scraper, A circular or arc-shaped outer peripheral surface provided around the central axis, one side surface positioned on the front side in the rotational direction of the disk with respect to the peripheral edge of the disk, and the peripheral edge of the disk A corner portion where the outer peripheral surface and the other side surface face the peripheral edge of the disc and the outer peripheral surface and the other side surface intersect each other. In contact with the periphery of the disc Thus, the center axis of the scraper is arranged in a twisted positional relationship with respect to the rotation axis of the disk.
[0016]
In the present invention, the “center axis of the scraper” refers to a straight line that passes through a position that is substantially perpendicular to both side surfaces of the scraper and that is the center of curvature of the arc that forms the outer peripheral surface. Further, “the scraper's central axis is arranged in a torsional positional relationship with respect to the rotational axis of the disc so that the side surface of the scraper faces the periphery of the disc” means that the scraper's central axis and the disc The angle α (0 ° ≦ α ≦ 90 °) between the central axis and the rotation axis in a state where the rotation axis is not parallel to or intersects with the scraper and viewed from above the scraper is 0 ° <α ≦ 90. It means that it becomes °.
[0017]
According to this fine metal wire manufacturing apparatus, the scraper is arranged so that the central axis of the scraper is in a torsional positional relationship with respect to the rotating shaft of the disk. Therefore, the deposit removed from the peripheral edge of the disk by the scraper at the contact portion where the scraper and the peripheral edge of the disk come into contact mainly sticks to the side surface of the both sides of the scraper that is behind the direction of rotation of the disk. In this way. Thereby, since the amount of the removed deposit stuck into the outer peripheral surface of the scraper can be reduced, the peripheral edge of the disk due to the removed deposit stuck in the outer peripheral surface of the scraper is suppressed.
[0018]
Further, in the present invention, as described above, by removing the adhering matter adhering to the disc as much as possible so that it sticks into the side surface of the scraper (the side surface behind the direction of rotation of the disc). Scratches on the periphery are suppressed. For this reason, the side surface of the scraper should be directed to the peripheral side of the disc as much as possible. That is, the value of the angle α is preferably 45 ° ≦ α ≦ 90 °, and most preferably 90 °.
[0019]
In practicing this invention, the scraper is preferably arranged so that the corner portion between the side surface and the outer peripheral surface at the rear in the direction of rotation of the disc is in contact with the tip of the peripheral edge of the disc.
[0020]
When the scraper is provided with one scraper and has a pair of inclined surfaces along the circumferential direction and the tip portion is tapered toward the outer side in the circumferential direction, the scraper is It is good to arrange | position so that the said front-end | tip part may be contact | connected.
[0021]
In addition, when a plurality of scrapers are provided and the peripheral edge of the disk has a pair of inclined surfaces along the circumferential direction and the tip end portion is tapered toward the outer side in the circumferential direction, at least Two scrapers of the plurality of scrapers are arranged such that one is in contact with the tip of the peripheral edge and the vicinity thereof from one inclined surface side of the pair of inclined surfaces, and the other is the pair of inclined surfaces. It is good to arrange | position so that the front-end | tip part of the said periphery and its vicinity may be contacted from the other inclined surface side.
[0022]
In that case, the two scrapers are rotatably provided, and the rotation direction at the contact portion with the disk of the scraper disposed so as to be in contact with the tip portion and the vicinity thereof from the one inclined surface side, The direction of rotation at the contact portion of the scraper that is arranged so as to approach the tip portion side from one inclined surface side and to contact the tip portion and the vicinity thereof from the other inclined surface side It is desirable that the direction from the other inclined surface side approaches the tip end side.
[0023]
Further, the scraper has a central axis of 10 degrees or more with respect to a line segment that forms a part of a tangent of the disk extending from the contact portion between the scraper and the disk in the direction of rotation of the disk. It is preferable to arrange so as to be inclined at an angle of 45 degrees or less.
[0024]
Moreover, it is preferable to provide a scraper feed mechanism that moves the scraper in a direction toward the center side of the disk so that the scraper and the disk are in contact with each other. By providing this scraper feed mechanism, even if the scraper wears out due to contact with the disc, the scraper is always moved toward the center of the disc so that the scraper and the disc come into contact with each other. Good contact with the disk, that is, good removal function of the deposits can be obtained.
[0025]
In that case, the scraper feed mechanism is controlled by any one or more of, for example, a rotation time of the disk, a torque current applied to a rotation drive mechanism that rotationally drives the disk, or a load applied to the scraper. Can be done.
[0026]
Further, the scraper may be rotationally driven by a rotational drive mechanism. In that case, the scraper feed mechanism is applied to, for example, the rotation time of the disk, the torque current applied to the rotation drive mechanism that rotates the disk, the torque current applied to the rotation drive mechanism that rotates the scraper, or the scraper. It can be controlled by any one or more of the loads.
[0027]
Here, the scraper feed mechanism is controlled by the rotation time of the disc so that the scraper feed mechanism moves the scraper by a predetermined amount toward the center of the disc every predetermined rotation time of the disc. It means that it is controlled.
[0028]
In addition, as the scraper wears due to contact with the disc and the contact area between the scraper and the disc decreases, the load applied to the disc and the scraper decreases. In other words, the torque current associated with the disc rotational drive mechanism is reduced or the torque current associated with the scraper rotational drive mechanism is reduced, which means that the contact resistance between the disc and the scraper is reduced. Yes.
[0029]
Therefore, the scraper feed mechanism is controlled by the torque current applied to the disk rotation drive mechanism when the torque current applied to the disk drive mechanism falls below a predetermined value. This means that it is controlled to move in the direction toward the center side of the disk.
[0030]
Similarly, the scraper feed mechanism is controlled by the torque current applied to the scraper rotation drive mechanism when the torque current applied to the scraper drive mechanism falls below a predetermined value. This means that it is controlled to move in the direction toward the center side of the plate.
[0031]
Furthermore, the fact that the load applied to the scraper main body is small means that the contact resistance between the disc and the scraper is small. Therefore, when the scraper feed mechanism is controlled by the load applied to the scraper, the scraper feed mechanism is controlled so as to move the scraper toward the center of the disk by a predetermined amount when the load applied to the scraper falls below. It means that it is done.
[0032]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, a first embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. 1 and 2.
[0033]
As shown in FIG. 1, the metal fine wire manufacturing apparatus includes a
[0034]
The
[0035]
The
[0036]
The
[0037]
The
[0038]
The high frequency induction coil 4 is provided at a position surrounding the upper end portion of the
[0039]
As shown in FIG. 2, the
[0040]
In this metal fine wire manufacturing apparatus, the
[0041]
By the way, in the metal thin wire manufacturing apparatus, since there are chips, dents, or scratches on the order of microns on the
[0042]
For this reason, this thin metal wire manufacturing apparatus is configured such that one disc-shaped
[0043]
The
[0044]
The direction of rotation of the
[0045]
As a material of the
[0046]
In the
[0047]
In addition to this condition, the
[0048]
Note that the position and area of the contact portion where the
[0049]
Further, the
[0050]
The
[0051]
In order to keep the
[0052]
In the present embodiment, for example, the
[0053]
The
[0054]
Next, the operation of the metal fine wire manufacturing apparatus will be described.
The rod-shaped
[0055]
The
[0056]
At the same time as the production of the fine metal wires as described above, the deposit X attached to the
[0057]
At this time, if the deposit X remains on the
[0058]
Compared with the conventional metal wire manufacturing apparatus provided with the
[0059]
This is because the center axis L1 (rotary shaft 32) of the
[0060]
Moreover, the
[0061]
When the deposit X sticks into the
[0062]
Moreover, the fiber molded body formed by solidifying organic fibers such as natural fibers and synthetic fibers is harder than the cotton fabric laminate. Therefore, the
[0063]
As described above, according to the thin metal wire manufacturing apparatus of this embodiment, the central axis L1 of the
[0064]
Furthermore, according to the thin metal wire manufacturing apparatus of the present embodiment, the
[0065]
Further, in the case of the present embodiment having one
[0066]
Moreover, the
[0067]
Moreover, the
[0068]
Hereinafter, a second embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS.
[0069]
The metal fine wire manufacturing apparatus of this embodiment is provided with a plurality of, for example, two scrapers. As shown in FIG. 3, these
[0070]
As shown in FIG. 4, the
[0071]
Further, the rotation direction of the
[0072]
On the other hand, the
[0073]
Further, the rotation direction of the
[0074]
Although omitted in FIG. 3, the
[0075]
By the way, since the contact width between the
[0076]
As in the first embodiment, in the metal wire manufacturing apparatus in which the
[0077]
On the other hand, in this embodiment, the adhering matter X adhering to the vicinity of the
[0078]
Further, in the present embodiment, the rotation direction at the contact portion of the
[0079]
As described above, according to the present embodiment, one
[0080]
In addition, according to the present embodiment, the rotation direction at the contact portion of one
[0081]
In this embodiment, two scrapers are arranged, but three or more scrapers may be arranged. In that case, as long as at least two scrapers are arranged as described above, the remaining scrapers may be arranged anywhere.
[0082]
Hereinafter, a third embodiment of the present invention will be described with reference to FIG.
[0083]
In the metal fine wire manufacturing apparatus according to the present embodiment, the
[0084]
When the
[0085]
Note that the position and area of the contact portion, which is a portion where the
[0086]
In this embodiment, as described above, the
[0087]
This is because, when the
[0088]
Other conditions regarding the arrangement of the first and
[0089]
Table 1 is a table showing measurement results of molding time and yield when the rotational speed of the disk and the contact angle between the scraper and the disk are variously changed. In this measurement, the molding time is about 9 hours, and the diameter of the disc is about 200 mmφ. Further, the reason (1) for stopping is that the removed metal deposits between the outer peripheral surface of the scraper and the disk cause scratches on the disk and the molten metal is scattered.
[0090]
[Table 1]
[0091]
As shown in Table 1, when the contact angle is 10 ° or more, even if the disc has a diameter of about 200 mmφ and the rotational speed is 3000 rpm to 7000 rpm, it can be molded for 9 hours or more. Moreover, the yield is as good as 80% to 94. In contrast, when the contact angle is 0 ° or 5 °, the molding time is short (3.1 to 7.6 hours), and the yield is as low as 60% to 74%.
[0092]
Next, the relationship between the contact angle and the molding time when the rotational speed of the disc was 5000 rpm was measured in more detail (see FIG. 6). In FIG. 6, the square points are the ones where the molten metal scatters and the apparatus is stopped due to scratches on the disk due to removed deposits deposited between the outer peripheral surface of the scraper and the disk. The triangular points indicate that the apparatus for convenience of measurement was stopped, but in reality, the molding was still possible.
[0093]
From this, it can be seen that when the contact angle is 10 ° or more and 45 ° or less, the molding time is remarkably improved as compared with the case where the contact angle is less than 10 ° or more than 45 °.
[0094]
Table 2 is a table showing measurement results of molding time and yield when the contact angle is 30 ° and the rotational speed of the disc is 3000 rpm to 7000 rpm. For convenience of measurement, the apparatus was stopped at a molding time of about 9 hours. Actually, however, the molding was possible even if the molding time exceeded.
[0095]
[Table 2]
[0096]
In the measurement result shown in FIG. 6, the rotational speed of the disk is set to 5000 rpm. However, as shown in Table 2, even if the rotational speed of the disk is changed between 3000 rpm and 7000 rpm, the disk and the scraper It was found that there was a similar tendency in the molding time and yield measurement results depending on the contact angle.
[0097]
If the contact angles θ1 and θ2 are not less than 10 ° and not more than 45 °, the
[0098]
As described above, according to the metal fine wire manufacturing apparatus of the present embodiment, it is possible to improve the moldable time and the yield as compared with the case where the contact angle is 0 °.
[0099]
In addition, since the
[0100]
That is, for example, the deposit X on the
[0101]
The thin wire manufacturing apparatus of the present invention is not limited to the above-described embodiment. In the thin wire manufacturing apparatus of the present invention, the number of scrapers is arbitrary. Further, the position of the scraper may be anywhere as long as it does not interfere with each other or with other parts. Furthermore, an angle and an inclination angle between the center axis of the scraper and the rotation axis of the disk in a state where the scraper is viewed from above are also arbitrary.
[0102]
Furthermore, in the first to fourth embodiments, the scraper is disc-shaped, but the scraper does not necessarily have to be disc-shaped and may have an arcuate outer peripheral surface. That is, the scraper may have a fan shape (a part of a circle having a central angle of 0 ° to 360 °).
[0103]
【The invention's effect】
As mentioned above, according to this invention, the metal fine wire manufacturing apparatus which can suppress scattering of a molten metal is obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a fine metal wire manufacturing apparatus according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a partial cross-sectional view of the metal fine wire manufacturing apparatus along the line II-II in FIG.
FIG. 3 is a side view showing the vicinity of a disc and a scraper of a metal fine wire manufacturing apparatus according to a second embodiment of the present invention.
4 is a side view of the vicinity of a disk and a scraper of the metal fine wire manufacturing apparatus in FIG. 3 as viewed from the direction of arrow D in FIG.
FIG. 5 is a side view showing the vicinity of a disc and a scraper of a metal fine wire manufacturing apparatus according to a third embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a diagram showing the relationship between the contact angle of the scraper and the molding time.
[Explanation of symbols]
6 ... disc, 6a ... peripheral edge, 6b ... tip, 6e, 6f ... inclined surface, 7 ... metal material, 7a ... molten metal, 10, 11, 12 ... scraper, 27 ... rotating shaft, 40 ... scraper feed mechanism, L1, L11, L12... Central axis, L21, L22.
Claims (6)
この円板(6)の周縁(6a)に接触するように設けられ、有機繊維を固めて成形した繊維成形体からなり、前記溶融金属が前記円板(6)に付着してなる付着物を前記円板(6)から除去する1ないし複数のスクレーパ(10,11,12)と、を具備し、
前記スクレーパ(10,11,12)は、その中心軸 (L1,L11,L21) を中心として回転可能に設けられ、円形または円弧状の外周面 (10c,11c,12c) と、前記円板 (6) の周縁 (6a) に対し該円板 (6) の回転方向前側に位置する一方の側面 (10a,11a,12a) と、前記円板 (6) の周縁 (6a) に対し該円板 (6) の回転方向後側に位置する他方の側面 (10b,11b,12b) とを有し、前記外周面 (10c,11c,12c) と前記他方の側面 (10b,11b,12b) が前記円板 (6) の周縁 (6a) に臨みかつ前記外周面 (10c,11c,12c) と前記他方の側面 (10b,11b,12b) とが交わるコーナー部 (10d,11d,12d) が前記円板 (6) の周縁 (6a) に接するように該スクレーパ(10,11,12)の中心軸(L1,L11,L21)を円板(6)の回転軸(27)に対してねじれの位置関係で配置したことを特徴とする金属細線製造装置。It has a peripheral edge (6a) that is rotationally driven in a fixed direction by a rotational drive mechanism and is brought into contact with the molten metal, and this peripheral edge (6a) is brought into contact with the molten metal to rapidly cool a part of the molten metal. And a disc (6) that is blown in the tangential direction of the peripheral edge (6a) to form a fine metal wire,
The disc (6) is provided so as to come into contact with the peripheral edge (6a), and is composed of a fiber molded body obtained by solidifying and molding organic fibers, and the molten metal adheres to the disc (6). One or more scrapers (10, 11, 12) to be removed from the disk (6),
The scraper (10, 11, 12) is provided rotatably around its central axis (L1, L11, L21), and has a circular or arcuate outer peripheral surface (10c, 11c, 12c) and the disc ( one side (10a to rim (6a) positioned in the rotation direction front side of the circular plate (6) of the 6), 11a, and 12a), the circular plate with respect to the peripheral edge (6a) of said disc (6) other side located in the rotational direction rear side of (6) (10b, 11b, 12b) and has the outer peripheral surface (10c, 11c, 12c) and said other side (10b, 11b, 12b) is the faces the periphery (6a) and said outer peripheral surface of the disc (6) (10c, 11c, 12c) and said other side (10b, 11b, 12b) corners and intersect (10d, 11d, 12d) is the circular the central axis of the plate peripheral edge (6) said scraper in contact with (6a) (10,11,12) (L1 , L11, L21) the disc rotation axis (6) skewed relative to (27) Metal fine wire manufacturing apparatus characterized by being arranged in relation.
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