JP4166365B2

JP4166365B2 - Cigarettes and cigarettes

Info

Publication number: JP4166365B2
Application number: JP10230299A
Authority: JP
Inventors: 秀希青木; 秀夫青木; 健一郎松田; 源男丹羽; 靖川合; 尚沓野; 誠史後藤
Original assignee: 秀希青木
Priority date: 1999-04-09
Filing date: 1999-04-09
Publication date: 2008-10-15
Anticipated expiration: 2019-04-09
Also published as: US20030070688A1; JP2000287667A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タバコ特に紙巻タバコに関し、さらに詳しくは、喫煙により発生する副流煙を減少させ、さらに主流煙及び副流煙中の有害なタール分や重金属を減少させたタバコに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
タバコはナス科植物の一つで、６０種類以上が発見されている。乾燥させたタバコの葉を燃やして、その煙を吸入するのが喫煙である。このタバコの煙には、喫煙者が直接吸い込む主流煙とタバコの先端からたち昇る副流煙（傍流煙）とがある。後者の副流煙中に、有害成分がより多く含まれているといわれている［ＭｕｔａｔｉｏｎＲｅｓｅａｒｃｈ，２２２（１９８９）７３−８０、Ｅｎｖｉｒｏｎ．Ｓｃｉ．Ｔｅｃｈｎｏｌ．２３（１９８９）６７９−６８７］。タバコの煙は、ガスの中に液体及び固体粒子が分散している状態であり、主に液体及び固体粒子の相に有害な物質が含まれている。
【０００３】
液体粒子相には酢酸やフェノール、発癌性のあるベンツピレン、フルオラセンなどのタール分が含まれており、固体粒子には微量ではあるが有害なカドニウム、鉛やニッケルなどの重金属が含まれている。これらの有害物質の人体への影響が日本衛生学会でも注目されている。
【０００４】
また、タバコの煙には、特有のものとして、ニコチンが含まれている。ニコチンは肺で速やかに吸収され、血液によって体内をまわり、アドレナリンやノルアドレナリンなどのカテコールアミンの分泌を促進するほか、交換神経系機能を高める。また、カテコールアミンは血液の糖分を増やし、食欲は抑制されるので食事量が減ることになる。これらのニコチンの効果がアルツハイマー（痴呆症）、パーキンソン病（神経症）やジル・ドウ・ラ・トウレット症候群（神経症）等の予防や治療に効果があるといわれている。
【０００５】
こうしたタバコの喫煙は、有用性を有している反面、その煙に含まれる有害物質により、種々の癌、虚血性疾患、慢性気管支炎、肺気腫、胃や十二指腸潰瘍などの疾患のおそれがあるとして喫煙の弊害が問題にされている。また、喫煙による副流煙の発生は、周囲の煙草を吸わない人（非喫煙者）への不快感を招くと同時に、副流煙によって非喫煙者の健康を損なうおそれがあることもある。喫煙者は自らの意志で主流煙を吸うが、非喫煙者は本人の意思に拘わらずに副流煙を吸ってしまう。非喫煙者が副流煙を吸うことを受動喫煙といい、受動喫煙は、特に幼児や妊婦には有害であるとされている。こうして、喫煙者自身はパイプを利用したり、フィルター付き紙巻タバコの場合では、フィルターにチャーコール（活性炭）を混合させることにより、主流煙中の有害なタール分や重金属を減少させることができる。しかし、副流煙の発生及び副流煙中の有害なタール分や重金属に関しては今までほとんど対策がとられていなかった。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、喫煙により発生する副流煙による非喫煙者（受動喫煙者）への不快感を除き、かつ、主流煙及び副流煙に含まれるタール分やカドミウムや鉛などの重金属の量を少なくして、かつ、タバコの香りを失わずに味がマイルドなタバコを提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、喫煙により発生する副流煙、主流煙及び副流煙中の有害成分の減少を目的として鋭意研究の結果、タバコの葉もしくは、タバコの葉を巻いている紙（以下、巻紙という）に、生体親和性並びに吸着能に優れ、熱に安定な塩基性リン酸カルシウム粉末を混合もしくは吸着させることにより、副流煙の発生が少なくなり、さらに従来のフィルターやパイプでは除去できなかった副流煙中のタール分及び重金属を減少させることができることを見出した。
【０００８】
従って、本発明は、塩基性リン酸カルシウム粉末を混合もしくはその表面に吸着させたタバコの葉からなることを特徴とするタバコにある。
【０００９】
上記の塩基性リン酸カルシウムは、カルシウム欠損型塩基性リン酸カルシウムであることが好ましい。また、塩基性リン酸カルシウム粉末の比表面積は、１０〜１５０ｍ²／ｇであることが好ましく、５０〜１２０ｍ²／ｇであることがより好ましく、７０〜１２０ｍ²／ｇであることがさらに好ましい。さらに、その平均粒子径は、０．００５〜１００μｍの範囲にあることが好ましい。なお、比表面積は、ＢＥＴ法により測定した値である。また、上記の塩基性リン酸カルシウムは粉末は、顆粒（粉末を造粒したもの）であっても良い。
【００１０】
上記のタバコは、タバコの葉に第三リン酸カルシウム、粘土、シリカ、アルミナ、カルシア、マグネシア、ガラス、石膏から選ばれた一種または二種以上の粉末を混合もしくは表面に吸着させることが好ましい。
【００１１】
また、上記タバコが紙巻タバコの場合には、タバコの葉を巻いている紙にも塩基性リン酸カルシウム粉末を混合もしくは吸着させてあることが好ましい。
【００１２】
なお、本発明において、タバコは、紙巻タバコ、刻み煙草、葉巻を意味し、また紙巻きタバコは、両切り紙巻タバコとフィルター付き紙巻タバコ（口付紙巻タバコ）を意味する。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のタバコについて、紙巻タバコを例にとり詳述する。本発明のタバコは、タバコの葉及び／または巻紙に塩基性リン酸カルシウム粉末を混合あるいは吸着させることにより、もしくは、紙に塩基性リン酸カルシウムを含む層を形成することにより、喫煙時に発生する主流煙及び副流煙に含まれるタール分やカドミウムや鉛などの重金属を、塩基性リン酸カルシウムに吸着させることにより、その発生量を減少させた人体への影響の少ないタバコである。
【００１４】
塩基性リン酸カルシウムとは塩基（水酸基）を含んだリン酸カルシウムのことで、これは生体親和性並びに吸着力に優れた鉱物名ハイドロキシアパタイトのことである。その化学組成は、Ｃａ₁₀（ＰＯ₄）₆（ＯＨ）₂で表される。塩基性リン酸カルシウムの吸着能を上げるために、粒子をより小さく、比表面積をより大きくし、なおかつ化学的にも活性化するためにカルシウムが少し欠損したカルシウム欠損型塩基性リン酸カルシウムＣａ_10-ｘＨ₂ｘ（ＰＯ₄）₆（ＯＨ）₂（ｘ＝０．０１〜２）が、より好ましい。カルシウムが欠損した部分に水素原子が置換しているものである。これは無定型リン酸カルシウム（ＡＣＰａｍｏｒｐｈｏｕｓｃａｌｃｉｕｍｐｈｏｓｈａｔｅ）とも呼ばれている。カルシウム欠損型塩基性リン酸カルシウムは、塩基性リン酸カルシウムの合成時にカルシウムを化学量論組成より不足にして、より低温度で、熟成時間を短縮することにより製造することができる。通常の塩基性リン酸カルシウムの製造方法に比べて短時間にできる。このカルシウム欠損型塩基性リン酸カルシウムは、化学量論組成の塩基性リン酸カルシウムに比べて、比表面積は最大二倍程度大きいもので、タール分や重金属の吸着量も二倍程度大きくなる。さらにカルシウムに置換した水素原子は、２８０℃以上に加熱されると酸素と反応して水を離脱し、一部ピロリン酸カルシウムＣａ₂Ｐ₂Ｏ₇を生成する。この時に吸熱反応が起こりタール分や重金属の吸着を促進する。
【００１５】
本発明のタバコは、タバコの葉及び巻紙に、さらに、第三リン酸カルシウム、粘土、石膏、シリカ、アルミナ、マグネシア、ガラスから選ばれた一種または二種以上の粉末を混合もしくは吸着させることが好ましい。これらの第三リン酸カルシウム、石膏、粘土、シリカ、アルミナ、マグネシア、カルシア、ガラスは、塩基性リン酸カルシウムと組み合わせることにより、主流煙及び副流煙に含まれるタール分や重金属の吸着に相乗的効果が得られる。
【００１６】
第三リン酸カルシウムは、化学式Ｃａ₃（ＰＯ₄）₂で表される。第三リン酸カルシウムには、α型とβ型とがあるが、どちらも生体親和性が高く、タール分や重金属の吸着に効果がある。
【００１７】
粘土は、化学組成の上では、ＳｉＯ₂、Ａｌ₂Ｏ₃、Ｈ₂Ｏ、ＭｇＯを主成分としており微粒の鉱物からできているものである。生体に安全で比表面積が大きく、吸着能が大きい。特に粘土に含まれるＨ₂Ｏは、喫煙時の熱により蒸発し、吸熱反応が起こりタール分や重金属の吸着を促進させる効果がある。
【００１８】
石膏も二分子の結晶水を含んでおり熱が加わると脱水し、吸熱反応が起こる。この時にタール分や重金属の吸着を促進させる効果がある。
【００１９】
結晶性の低いシリカ、アルミナ、カルシア、マグネシアなどの非結晶性酸化物は、微粒子で熱に安定で比表面積が大きく、タール分や重金属の吸着に効果がある。
【００２０】
ガラスは、タール分や重金属の吸着に効果がある。ガラスを巻紙に混合、吸着させる場合には、タバコの外観をカラフルにする目的で青、赤色の酸化物を添加しても良い。
【００２１】
タバコの葉に、塩基性リン酸カルシウム粉末、さらに、第三リン酸カルシウム、粘土、シリカ、アルミナ、カルシア、マグネシア、ガラス、石膏から選ばれた一種または二種以上の粉末を混合もしくは吸着させる方法に特には制限はない。例えば、機械的に混合してもタバコの葉の表面に噴霧コーティングしても良い。また、塩基性リン酸カルシウム粉末は、タバコの葉に混合する場合、タバコの葉に対して、０．１〜５０重量％の範囲で混合することが好ましく、０．１〜３０重量％の範囲で混合することがより好ましい。
【００２２】
巻紙に、塩基性リン酸カルシウム粉末、さらに第三リン酸カルシウム、粘土、シリカ、アルミナ、カルシア、マグネシア、ガラス、石膏から選ばれた一種または二種以上の粉末を混合もしくは吸着させる方法に特には制限はない。例えば、紙をすくときあるいは乾燥時に混合しても、巻紙の表面に噴霧コーティングしても良い。また、紙に含まれる塩基性リン酸カルシウムの量は、巻紙に対して、０．１〜５０重量％の範囲であることが好ましく、５〜３０重量％の範囲であることがより好ましい。
【００２３】
また、巻紙に塩基性リン酸カルシウムを含有した層を形成しても良い。巻紙に塩基性リン酸カルシウムを含有した層が形成する方法にも特には制限はなく、塩基性リン酸カルシウム粉末を分散した薄膜を貼り付けても、塩基性リン酸カルシウム粉末を表面にコーティングした薄膜を貼り付けても良い。薄膜に分散あるいはコーティングする塩基性リン酸カルシウム粉末は、タバコの燃焼を妨げないようにするために多孔質体であることが好ましい。
【００２４】
紙巻タバコがフィルター付き紙タバコの場合では、フィルターの材質は特には制限はなく、従来よりタバコに用いられている各種フィルターを使用することができる。主流煙に含まれるタール分や重金属の量の減少させるためにフィルターに塩基性リン酸カルシウム粉末を混合あるいは吸着させたものを用いることが好ましく、これに第三リン酸カルシウム、粘土、シリカ、アルミナ、カルシア、マグネシア、ガラス、石膏、活性炭などから選ばれた一種または二種以上の粉末を混合あるいは吸着させたものを用いることがより好ましい。さらに、塩基性リン酸カルシウムの吸着効果を補助するため及び香りに変化をもたせるためにゼオライトやトルマリンなどの無機化合物を少量添加しても良い。
【００２５】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【００２６】
［副流煙の発生量及びタバコの味及び香りの評価］
（実施例１）
市販の三種類のフィルター付き紙巻タバコ［商品名：ピース、ハイライト、セブンスター、日本たばこ産業（株）製］を用いて、タバコの葉のみ、巻紙のみ、タバコの葉と巻紙に、塩基性リン酸カルシウム（比表面積８０ｍ²／ｇ）と粘土とを重量比１０：１の割合で混合した混合粉末をそれぞれ１０重量％混合あるいは吸着させたフィルター付き紙巻タバコ（Ｎｏ．１〜Ｎｏ．９）を製造した。タバコの葉は、市販のタバコからタバコの葉だけ取り出して機械的に混合したものを用い、巻紙は、市販のタバコに用いられる巻紙に、塩基性リン酸カルシウムと粘土との混合物を噴霧コーティングしたものを用いた。なおフィルターは市販のタバコと同様のものを用いた。
【００２７】
上記の実施例１で製造したＮｏ．１〜Ｎｏ．９のフィルター付き紙巻タバコ、及び市販品のフィルター付き紙巻タバコを成人男女２０人の喫煙者に喫煙してもらった。そして、喫煙時の副流煙の発生状況を目視で観察し、喫煙後に喫煙者に味及び香りについて、市販品と比較して違いを感じたか否か回答してもらった。その結果を表１に示す。なお、表中ＡＡは、副流煙の発生が著しく減少したことを、ＢＢは、副流煙の発生が減少したことを表す。また、味及び香りについては、市販品と比較して大きな違いを感じなかったと答えた人数を示す。
【００２８】
【表１】

【００２９】
上記の結果から、実施例１で製造したフィルター付き紙巻タバコ（Ｎｏ．１〜Ｎｏ．９）は、副流煙の発生が減少していることが分かる。特に、タバコの葉に塩基性リン酸カルシウムを混合したタバコの副流煙の発生が減少している。また、タバコの味や香りについては、喫煙者のほとんどが大きな違いを感じていないことが分かる。
【００３０】
［主流煙及び副流煙に含まれるタール分及び重金属量の評価］
（実施例２）
上記の実施例１で用いた市販の三種類のフィルター付き紙巻タバコ［商品名：ピース、ハイライト、セブンスター、日本たばこ産業（株）製］５０本のフィルターを除き、タバコの葉と巻紙とに分けて、タバコの葉、巻紙にそれぞれ下記の表２に示すように二種類の塩基性リン酸カルシウム粉末［塩基性リン酸カルシウム（比表面積８０ｍ²／ｇ、通常ＨＡ）、カルシウム欠損型塩基性リン酸カルシウム（比表面積９０ｍ²／ｇ、欠損ＨＡ）］、粘土、カルシア、マグネシア、石膏の粉末を混合した。なお、タバコの葉は分けた状態のままで用い、巻紙は、５×５ｍｍ以下に裁断したものを用いた。表中かっこ内の混合比は重量比である。
【００３１】
【表２】

【００３２】
上記の表２に示すように混合したＮｏ．１０〜Ｎｏ．１９のタバコの葉と巻紙と全量（５０本分）を石英管に入れて８００℃に加熱して、発生したガスをアルコールで捕集した。そして、アルコール中のタール分をガスクロマトグラフィー（Ｇ−３０００型ガスクロマトグラフ、日立（株）製）を用いて水素炎イオン化検出器（ＦＩＤ）で定量し、カドミウム及び鉛をＩＣＰを用いて分析した。また、なにも混合していない三種のタバコの葉及び巻紙についても参考例として同様に評価した。以上の結果を表３に示す。なお、表中のタール分は、参考例のタール分を１００としたときの発生量である。
【００３３】
上記Ｎｏ．１０〜Ｎｏ．１９のタバコの葉及び塩基性リン酸カルシウムを混合する前のタバコの葉を１０人の喫煙者に、それぞれキセルを用いて喫煙してもらい、その香りや味に大きな違いを感じたか否か回答してもらった。香りに大きな違いがなく、味がマイルドになって吸いやすくなったと回答した人の人数を表３に併せて示す。
【００３４】
【表３】

【００３５】
上記の結果から、塩基性リン酸カルシウム（塩基性リン酸カルシウム、カルシウム欠損型塩基性リン酸カルシウム）をタバコの葉及び紙に混合することによりタール分の発生量が減少することが分かる。また、カドミウムや鉛も痕跡を認めず（検出限界値以下）となり、カドミウムや鉛の発生量も減少していることが分かる。また、さらにアルコールに捕集したタール分の成分をガスマススペクトルで分析したところ、ビフェニリン、フルオレン、アントラセン、フルオランセン、１，２ベンゼン２−カルボン酸２−エチルエステル、ベンツピレンなどの分子量の大きいものほど減少していることが分かった。特に、発癌性のあるといわれているベンツピレンやフルオランセンが減少していることが分かった。
【００３６】
また、喫煙者の感想では、喫煙者のほとんどが塩基性リン酸カルシウムを混合したタバコの葉は、塩基性リン酸カルシウムを混合していないものと比較しても、その香りに大きな違いがなく、味がマイルドになり吸いやすくなったと感じたと回答した。すなわち、塩基性リン酸カルシウムは、タバコの味をマイルドにする効果があることが分かった。また、１０人中７人の喫煙者がＮｏ．１３のタバコの葉が、最も味がマイルドになったと回答した。喫煙中の副流煙の発生量についても、Ｎｏ．１２〜Ｎｏ．１９のタバコの葉は、いずれも塩基性リン酸カルシウムを混合していないタバコの葉よりも少なくなった。
【００３７】
（実施例３）
市販のフィルター付き紙巻タバコ［商品名：ピース、日本たばこ産業（株）製］のタバコの葉を取り出して、タバコの葉の表面に、塩基性リン酸カルシウムを、重量比がタバコの葉１０に対し３になるように噴霧コーティングし、再び巻紙に巻き付けてフィルター付き紙巻タバコ（Ｎｏ．２０）を製造した。
【００３８】
上記のＮｏ．２０の紙巻タバコを、１０人の喫煙者に喫煙してもらい、その香りや味の違いについて違いを感じたか否か回答してもらったところ、喫煙者全員から味や香りに大きな違いはないと回答した。上記のＮｏ．２０の紙巻タバコでは、副流煙の発生が極めて少なくなりタバコに火を付けた状態で、放置したところ副流煙の発生が徐々に減少し、放置してから１、２分間経過するとタバコに付けた火が消えてしまった。このことから、上記のＮｏ．２０の紙巻タバコは自己消火性を有することが分かる。
【発明の効果】
本発明のタバコは、喫煙時に発生する副流煙の発生が減少し、さらに、主流煙及び副流煙に含まれるタール分や重金属が少ないので、喫煙者及び非喫煙者の健康を損なう確率が低くなる。副流煙の発生が少なくなるので、喫煙場所にタバコの煙が充満するなど、非喫煙者への不快感を招きにくくなる。また、本発明のタバコは、香りを損なわずに、タバコの味がマイルドになるので、喫煙者の嗜好に合致するものである。特に、刻み煙草、葉巻などフィルターのないタバコであってもその味がマイルドになる。また、塩基性リン酸カルシウムを噴霧コーティングしたタバコの葉からなるタバコは、副流煙の発生を極めて少なくすることができる。さらに、本発明のタバコは、自己消化性を有するので、タバコの消し忘れなどの不注意による火事の発生を未然に防ぐこともできる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to cigarettes, particularly cigarettes, and more particularly to cigarettes that reduce sidestream smoke generated by smoking, and further reduce harmful tar content and heavy metals in mainstream smoke and sidestream smoke.
[0002]
[Prior art]
Tobacco is one of the solanaceous plants, and more than 60 types have been discovered. It is smoking that burns dried tobacco leaves and inhales the smoke. There are two types of cigarette smoke: mainstream smoke directly smoked and sidestream smoke rising from the tip of the cigarette (sidestream smoke). The latter sidestream smoke is said to contain more harmful components [Mutation Research, 222 (1989) 73-80, Environ. Sci. Technol. 23 (1989) 679-687]. Tobacco smoke is a state in which liquid and solid particles are dispersed in gas, and harmful substances are mainly contained in the phase of liquid and solid particles.
[0003]
The liquid particle phase contains tars such as acetic acid, phenol, carcinogenic benzpyrene, and fluoracene, and the solid particles contain trace amounts of harmful heavy metals such as cadmium, lead and nickel. The effects of these harmful substances on the human body are also attracting attention at the Japan Hygiene Society.
[0004]
Moreover, nicotine is contained in tobacco smoke as a peculiar thing. Nicotine is rapidly absorbed by the lungs and travels through the body by blood, promoting the secretion of catecholamines such as adrenaline and noradrenaline, and enhancing the function of the exchange nervous system. In addition, catecholamine increases blood sugar and appetite is suppressed, so the amount of meal is reduced. It is said that the effects of these nicotine are effective for the prevention and treatment of Alzheimer (dementia), Parkinson's disease (neuropathy), Jill-Dou-la-Toulette syndrome (neuropathy) and the like.
[0005]
While smoking of such cigarettes has usefulness, there are risks of various cancers, ischemic diseases, chronic bronchitis, emphysema, stomach and duodenal ulcers, etc. due to harmful substances contained in the smoke The harmful effects of smoking are a problem. In addition, the generation of sidestream smoke due to smoking may cause discomfort to those who do not smoke the surrounding cigarettes (non-smokers), and at the same time, the sidestream smoke may impair the health of the non-smokers. Smokers smoke mainstream smoke on their own will, but non-smokers smoke sidestream smoke regardless of their will. It is called passive smoking that a non-smoker smokes secondhand smoke, and passive smoking is particularly harmful to infants and pregnant women. In this way, smokers themselves can reduce harmful tar content and heavy metals in mainstream smoke by using pipes or in the case of cigarettes with a filter by mixing charcoal (activated carbon) with the filter. However, little countermeasures have been taken so far for the generation of sidestream smoke and harmful tar and heavy metals in sidestream smoke.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The object of the present invention is to eliminate the discomfort to non-smokers (passive smokers) due to sidestream smoke generated by smoking, and to remove heavy metals such as tar, cadmium and lead contained in mainstream and sidestream smoke. The aim is to provide a tobacco with a small amount and a mild taste without losing the scent of tobacco.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
As a result of diligent research aimed at reducing sidestream smoke generated by smoking, mainstream smoke, and harmful components in sidestream smoke, the present inventor has found that tobacco leaves or paper wrapped around tobacco leaves (hereinafter, wrapping paper) However, by mixing or adsorbing basic calcium phosphate powder with excellent biocompatibility and adsorption ability and heat stability, the generation of sidestream smoke is reduced, and the secondary filters and pipes that could not be removed by conventional filters and pipes. It has been found that tar content and heavy metals in smoke can be reduced.
[0008]
Accordingly, the present invention resides in a tobacco comprising a tobacco leaf mixed with a basic calcium phosphate powder or adsorbed on the surface thereof.
[0009]
The basic calcium phosphate is preferably a calcium deficient basic calcium phosphate. The specific surface area of basic calcium phosphate powder is preferably 10 to 150 m ² / g, more preferably 50~120m ² / g, more preferably from 70~120m ² / g. Furthermore, it is preferable that the average particle diameter exists in the range of 0.005-100 micrometers. The specific surface area is a value measured by the BET method. Further, the basic calcium phosphate may be a granule (a granulated powder).
[0010]
In the above tobacco, it is preferable that one or two or more powders selected from tricalcium phosphate, clay, silica, alumina, calcia, magnesia, glass and gypsum are mixed or adsorbed on the surface of tobacco leaves.
[0011]
In addition, when the cigarette is a cigarette, it is preferable that basic calcium phosphate powder is mixed or adsorbed on the paper on which the tobacco leaf is wound.
[0012]
In the present invention, cigarette means cigarette, chopped tobacco, and cigar, and cigarette means double-cut cigarette and cigarette with a filter (mouthed cigarette).
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the cigarette of the present invention will be described in detail by taking a cigarette as an example. The tobacco of the present invention can be produced by mixing or adsorbing basic calcium phosphate powder on tobacco leaves and / or wrapping paper, or by forming a layer containing basic calcium phosphate on paper, thereby causing mainstream smoke and secondary smoke generated during smoking. It is a cigarette with less influence on the human body by reducing the generation amount by adsorbing heavy metals such as cadmium and lead contained in flowing smoke to basic calcium phosphate.
[0014]
Basic calcium phosphate is a calcium phosphate containing a base (hydroxyl group), which is a mineral name hydroxyapatite having excellent biocompatibility and adsorptive power. Its chemical composition is represented by Ca ₁₀ (PO ₄ ) ₆ (OH) ₂ . Calcium-deficient basic calcium phosphate Ca _10- xH ₂ x in which particles are made smaller, specific surface area is made larger, and calcium is slightly deficient for chemical activation in order to increase the adsorption capacity of basic calcium phosphate. _{_{(PO 4) 6 (OH)}} 2 (x = 0.01~2) is more preferable. A hydrogen atom is substituted for a portion lacking calcium. This is also called amorphous calcium phosphate (ACPamorphous calcium phosphate). Calcium-deficient basic calcium phosphate can be produced by making calcium short of the stoichiometric composition during the synthesis of basic calcium phosphate and shortening the aging time at a lower temperature. Compared with the manufacturing method of a normal basic calcium phosphate, it can be made in a short time. The calcium deficient basic calcium phosphate has a specific surface area that is about twice as large as that of the basic calcium phosphate having a stoichiometric composition, and the adsorption amount of tar and heavy metal is about twice as large. Furthermore, when the hydrogen atom substituted with calcium is heated to 280 ° C. or higher, it reacts with oxygen to release water, and partially produces calcium pyrophosphate Ca ₂ P ₂ O ₇ . At this time, an endothermic reaction occurs to promote the adsorption of tar and heavy metals.
[0015]
In the tobacco of the present invention, it is preferable that one or more powders selected from tricalcium phosphate, clay, gypsum, silica, alumina, magnesia, and glass are further mixed or adsorbed on tobacco leaves and wrapping paper. These tricalcium phosphate, gypsum, clay, silica, alumina, magnesia, calcia and glass have a synergistic effect on the adsorption of tar and heavy metals contained in mainstream and sidestream smoke when combined with basic calcium phosphate. It is done.
[0016]
Tricalcium phosphate is represented by the chemical formula Ca ₃ (PO ₄ ) ₂ . Tricalcium phosphate has α type and β type, both of which have high biocompatibility and are effective in adsorbing tar and heavy metals.
[0017]
In terms of chemical composition, clay is made of fine minerals mainly composed of SiO ₂ , Al ₂ O ₃ , H ₂ O, and MgO. It is safe for the living body, has a large specific surface area, and has a large adsorption capacity. In particular, H ₂ O contained in clay evaporates due to heat during smoking and has an effect of causing an endothermic reaction and promoting adsorption of tar and heavy metals.
[0018]
Gypsum also contains bimolecular water of crystallization and dehydrates when heat is applied, causing an endothermic reaction. At this time, there is an effect of promoting adsorption of tar and heavy metals.
[0019]
Noncrystalline oxides such as silica, alumina, calcia, and magnesia, which have low crystallinity, are fine particles, stable to heat, have a large specific surface area, and are effective in adsorbing tar and heavy metals.
[0020]
Glass is effective for the adsorption of tar and heavy metals. When glass is mixed and adsorbed on a wrapping paper, blue and red oxides may be added to make the appearance of tobacco colorful.
[0021]
There is a particular restriction on the method of mixing or adsorbing basic calcium phosphate powder, one or more powders selected from tricalcium phosphate, clay, silica, alumina, calcia, magnesia, glass and gypsum onto tobacco leaves. There is no. For example, it may be mechanically mixed or spray coated on the surface of tobacco leaves. Moreover, when mixing with the tobacco leaf, the basic calcium phosphate powder is preferably mixed in the range of 0.1 to 50% by weight and mixed in the range of 0.1 to 30% by weight with respect to the tobacco leaf. More preferably.
[0022]
There is no particular limitation on the method for mixing or adsorbing one or two or more powders selected from basic calcium phosphate powder, tricalcium phosphate, clay, silica, alumina, calcia, magnesia, glass, and gypsum on the wrapping paper. For example, it may be mixed when scooping or drying the paper, or may be spray coated on the surface of the wrapping paper. The amount of basic calcium phosphate contained in the paper is preferably in the range of 0.1 to 50% by weight and more preferably in the range of 5 to 30% by weight with respect to the wrapping paper.
[0023]
Further, a layer containing basic calcium phosphate may be formed on the wrapping paper. There is no particular limitation on the method for forming a layer containing basic calcium phosphate on the wrapping paper, either by attaching a thin film in which basic calcium phosphate powder is dispersed or by attaching a thin film coated with basic calcium phosphate powder on the surface. good. The basic calcium phosphate powder dispersed or coated on the thin film is preferably a porous body so as not to prevent tobacco burning.
[0024]
In the case where the cigarette is a paper cigarette with a filter, the material of the filter is not particularly limited, and various filters conventionally used for tobacco can be used. In order to reduce the amount of tar and heavy metals contained in mainstream smoke, it is preferable to use a filter in which basic calcium phosphate powder is mixed or adsorbed on a filter, and this includes tricalcium phosphate, clay, silica, alumina, calcia, magnesia. It is more preferable to use one obtained by mixing or adsorbing one or more powders selected from glass, gypsum, activated carbon and the like. Further, a small amount of an inorganic compound such as zeolite or tourmaline may be added to assist the adsorption effect of basic calcium phosphate and to change the scent.
[0025]
【Example】
EXAMPLES Next, although an Example demonstrates this invention further in detail, this invention is not limited by this.
[0026]
[Evaluation of sidestream smoke generation and tobacco taste and aroma]
(Example 1)
Using three types of commercially available cigarettes with filters [trade name: Peace, Highlight, Seven Star, manufactured by Japan Tobacco Inc.], only tobacco leaves, only cigarettes, and tobacco leaves and cigarettes are basic. Manufacture cigarettes with filters (No. 1 to No. 9) in which mixed powders of calcium phosphate (specific surface area 80 m ² / g) and clay mixed at a ratio of 10: 1 by weight are mixed or adsorbed 10% by weight. did. Tobacco leaves are obtained by taking out only tobacco leaves from commercially available tobacco and mechanically mixing them, and wrapping paper is obtained by spray-coating a mixture of basic calcium phosphate and clay onto a wrapping paper used for commercially available tobacco. Using. The filter used was the same as that of commercially available tobacco.
[0027]
No. manufactured in Example 1 above. 1-No. Nine filter cigarettes and a commercial filter cigarette were smoked by 20 adult male and female smokers. And the generation | occurrence | production state of the sidestream smoke at the time of smoking was observed visually, and the smoker answered after smoking whether it felt the difference compared with the commercial item about taste and aroma. The results are shown in Table 1. In the table, AA indicates that the generation of sidestream smoke has been significantly reduced, and BB indicates that the generation of sidestream smoke has decreased. Moreover, about the taste and aroma, the number of people who answered that there was no big difference compared with a commercial item is shown.
[0028]
[Table 1]

[0029]
From the above results, it can be seen that the cigarette with a filter (No. 1 to No. 9) manufactured in Example 1 has reduced generation of sidestream smoke. In particular, generation of sidestream smoke in tobacco in which basic calcium phosphate is mixed with tobacco leaves is reduced. It can also be seen that most smokers do not feel a big difference in the taste and scent of tobacco.
[0030]
[Evaluation of tar content and heavy metal content in mainstream smoke and sidestream smoke]
(Example 2)
Three commercially available cigarettes with a filter used in Example 1 above [trade name: Peace, Highlight, Seven Star, manufactured by Japan Tobacco Inc.], except for 50 filters, tobacco leaves and paper As shown in Table 2 below, two basic calcium phosphate powders [basic calcium phosphate (specific surface area 80 m ² / g, usually HA), calcium deficient basic calcium phosphate (ratio) Surface area 90 m ² / g, defect HA)], clay, calcia, magnesia, gypsum powder. In addition, the tobacco leaf was used in a separated state, and the wrapping paper was cut to 5 × 5 mm or less. The mixing ratio in parentheses in the table is a weight ratio.
[0031]
[Table 2]

[0032]
As shown in Table 2 above, the mixed No. 10-No. Nineteen tobacco leaves, wrapping paper, and the total amount (50) were put in a quartz tube and heated to 800 ° C., and the generated gas was collected with alcohol. And tar content in alcohol was quantified with a flame ionization detector (FID) using gas chromatography (G-3000 type gas chromatograph, manufactured by Hitachi, Ltd.), and cadmium and lead were analyzed using ICP. . In addition, three types of tobacco leaves and wrapping paper that were not mixed at all were evaluated in the same manner as reference examples. The above results are shown in Table 3. The tar content in the table is the amount generated when the tar content in the reference example is taken as 100.
[0033]
No. above. 10-No. 19 cigarette leaves and 10 cigarette leaves before mixing with basic calcium phosphate were each smoked with xelose and answered whether or not they felt a big difference in their aroma and taste received. Table 3 shows the number of people who answered that there was no significant difference in scent and the taste became milder and easier to smoke.
[0034]
[Table 3]

[0035]
From the above results, it can be seen that the amount of tar generated is reduced by mixing basic calcium phosphate (basic calcium phosphate, calcium-deficient basic calcium phosphate) with tobacco leaves and paper. Further, cadmium and lead are not recognized (below the detection limit value), and it can be seen that the generation amount of cadmium and lead is reduced. Further, when the components of tar collected in alcohol were analyzed by gas mass spectrum, the smaller the molecular weight, such as biphenylin, fluorene, anthracene, fluoranthene, 1,2-benzene-2-carboxylic acid 2-ethyl ester, and benzpyrene, the smaller the amount. I found out that In particular, it was found that benzpyrene and fluoranthene, which are said to be carcinogenic, decreased.
[0036]
In addition, smokers' impressions indicate that tobacco leaves mixed with basic calcium phosphate are not significantly different in scent and mild in taste compared to those not mixed with basic calcium phosphate. I answered that I felt that it became easy to suck. That is, it was found that basic calcium phosphate has an effect of mildly tasting tobacco. In addition, 7 out of 10 smokers Thirteen tobacco leaves answered that the taste was mildest. Regarding the amount of sidestream smoke generated during smoking, no. 12-No. Nineteen tobacco leaves were fewer than tobacco leaves not mixed with basic calcium phosphate.
[0037]
(Example 3)
Take out the tobacco leaf of a commercially available cigarette with a filter [trade name: Peace, manufactured by Japan Tobacco Inc.], and add basic calcium phosphate to the surface of the tobacco leaf, with a weight ratio of 3 to 10 tobacco leaves. Then, it was spray-coated so as to be, and it was wound again on a paper roll to produce a cigarette with a filter (No. 20).
[0038]
No. above. I asked 10 smokers to smoke 20 cigarettes and asked if they felt a difference in their aromas and tastes. There was no big difference in taste or aroma from all smokers. I answered. No. above. In 20 cigarettes, the generation of sidestream smoke was extremely small and the cigarette was ignited and the sidestream smoke generation gradually decreased. The attached fire has gone out. From this, the above-mentioned No. It can be seen that 20 cigarettes are self-extinguishing.
【The invention's effect】
The cigarette of the present invention reduces the generation of sidestream smoke generated during smoking, and further has a low tar content and heavy metals contained in the mainstream smoke and sidestream smoke, so there is a probability of damaging the health of smokers and non-smokers. Lower. Since the generation of sidestream smoke is reduced, it is difficult to cause discomfort for non-smokers, for example, the smoking area is filled with cigarette smoke. Moreover, since the tobacco of the present invention has a mild tobacco taste without impairing the scent, it matches the taste of the smoker. In particular, even non-filtered tobacco such as chopped cigarettes and cigars has a milder taste. Also, tobacco made of tobacco leaves spray-coated with basic calcium phosphate can greatly reduce the generation of sidestream smoke. Furthermore, since the tobacco of the present invention is self-digesting, it is possible to prevent the occurrence of fire due to carelessness such as forgetting to put out the tobacco.

Claims

A tobacco comprising a tobacco leaf mixed or adsorbed on a surface with a basic calcium phosphate powder.

The tobacco according to claim 1, wherein the basic calcium phosphate is a calcium-deficient basic calcium phosphate.

3. The tobacco according to claim 1, wherein the basic calcium phosphate powder has a specific surface area of 10 to 150 m ² / g.

Furthermore, it is characterized by being mixed or adsorbed on the surface of one or more powders selected from tricalcium phosphate, clay, silica, alumina, calcia, magnesia, glass and gypsum on tobacco leaves. The tobacco according to any one of claims 1 to 3.

A cigarette in which the cigarette is a cigarette, and the paper around which the tobacco leaf is wound is obtained by mixing or adsorbing a basic calcium phosphate powder.